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特開2024-5394靴の背屈動作時の抗力を測定する測定装置
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  • 特開-靴の背屈動作時の抗力を測定する測定装置 図1
  • 特開-靴の背屈動作時の抗力を測定する測定装置 図2
  • 特開-靴の背屈動作時の抗力を測定する測定装置 図3
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  • 特開-靴の背屈動作時の抗力を測定する測定装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005394
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】靴の背屈動作時の抗力を測定する測定装置
(51)【国際特許分類】
   A43D 1/08 20060101AFI20240110BHJP
   G01L 3/14 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
A43D1/08
G01L3/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105556
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005935
【氏名又は名称】美津濃株式会社
(72)【発明者】
【氏名】木村 隆也
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050NA90
(57)【要約】      (修正有)
【課題】正確かつ簡便に靴の躓きにくさを測定できる測定装置を提供する。
【解決手段】測定装置Xは、着用者が底背屈する際の回転軸に対して回転自在に靴1を保持する保持具7と、回転軸6に対して掛かるトルク値を計測する計測器Yと、を備える。測定装置Xは、保持具7が靴1を保持していない状態で保持具7の重量によって回転軸6に掛かる初期トルク値と、保持具7が靴1を保持している状態で靴1と保持具7との重量によって回転軸6に掛かる第1トルク値と、の差の絶対値を測定するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴の背屈動作時の抗力を測定する測定装置であって、
靴の着用者が底背屈する際の回転軸に対して回転自在に前記靴を保持する保持具と、
前記回転軸に対して係るトルク値を計測する計測器と、を備え、
前記保持具が前記靴を保持していない状態で前記保持具の重量によって前記回転軸に掛かる初期トルク値と、前記保持具が前記靴を保持した状態で前記靴と前記保持具との重量によって前記回転軸に掛かる第1トルク値と、の差の絶対値を測定するように構成されている、ことを特徴とする。
【請求項2】
請求項1に記載の測定装置であって、
前記回転軸が前記靴の外甲側下方に向かって下り傾斜している、ことを特徴とする。
【請求項3】
請求項2に記載の測定装置であって、
水平面に対する前記回転軸の傾斜角度が20°以下である、ことを特徴とする。
【請求項4】
請求項1に記載の測定装置であって、
前記回転軸が前記靴の外甲側後方に傾いている、ことを特徴とする。
【請求項5】
請求項4に記載の測定装置であって、
垂直面に対する前記回転軸の傾きの角度が10°以下である、ことを特徴とする。
【請求項6】
請求項1に記載の測定装置であって、
前記第1トルク値を、前記靴が水平状態にある状態で測定する、ことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般には測定装置に関し、詳細には、靴の背屈動作時の抗力を測定する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
靴の着用者が歩行時に転倒することがあり、その一つの要因として躓きが挙げられる。
【0003】
歩行時には、股関節での屈曲、膝関節の伸展、および足関節の背屈等の動作が行われる。これらの動作の途中で、靴のつま先など接地すべき場所以外が地面に接触すると、躓きが生じると考えられる。躓きが起こらないように人体は、靴底が接地するまで地面から離間させるという回避動作を行う。具体的には、膝を持ち上げたり、足関節を背屈させることで、靴底を地面から離間させる。
【0004】
躓きの起こりにくさについて、 厚生労働省の職場のあんぜんサイト(以下、特許文献1)には、靴の重量バランスが挙げられている。具体的には、最も踵よりのハトメ穴に通した紐で靴を吊った時のつま先の下がり具合によって判断し、つま先が下がる靴は躓きが生じ易いとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】”職場のあんぜんサイト”,[online],厚生労働省,[令和4年6月20日検索],インターネット<https://anzeninfo.mhlw.go.jp/information/tentou1501_25.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の判断方法では、重量が軽くても爪先側が重いだけで躓きが生じやすいと判断されてしまう、という問題があった。
【0007】
本開示の目的は、簡便かつ正確に靴の躓きにくさを測定できる測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様に係る測定装置は、靴の背屈動作時の抗力を測定する。前記測定装置は、前記靴の着用者が底背屈する際の回転軸に対して回転自在に前記靴を保持する保持具と、前記回転軸に対して掛かるトルク値を計測する計測器と、を備える。前記測定装置は、初期トルク値と第1トルク値との差の絶対値を測定するように構成されている。前記初期トルク値は、前記保持具が前記靴を保持していない状態で前記保持具の重量によって前記回転軸に掛かるトルク値を指す。前記第1トルク値は、前記保持具が前記靴を保持した状態で前記靴と前記保持具との重量によって前記回転軸に掛かるトルク値を指す。
【発明の効果】
【0009】
本開示の測定装置によれば、正確かつ簡便に靴の躓きにくさを測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1Aは、本開示の一実施形態に係る測定装置を示す概略の斜視図である。図1Bは、本開示の一実施形態に掛かる測定装置を示す概略の側面図である。
図2図2Aは、同上の測定装置を示す概略の斜視図である。図2Bは、同上の測定装置を示す概略の側面図である。
図3図3は、同上の測定装置で測定する靴を示す概略の側面図である。
図4図4は、靴内に配置された足を構成する骨を示す概略の上面図である。
図5図5Aは、保持具に保持された靴を示す概略の背面図である。図5Bは、保持具に保持された靴を示す概略の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の一実施形態に係る測定装置Xの構成を、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る測定装置Xは、あくまで一例であり、測定装置Xの構成は以下の内容に限定されない。
【0012】
1.概要
【0013】
本実施形態に係る測定装置Xは、図1Aに示すように、保持具7と、計測器Yとを備える。
【0014】
保持具7は、靴1の着用者が足関節を底背屈する際の回転軸6に対して回転自在に靴1を保持するように構成されている。
【0015】
計測器Yは、回転軸6に対して掛かるトルク値を計測するように構成されている。
【0016】
測定装置Xは、計測器Yによって計測された初期トルク値N、第1トルク値N1cとの差の絶対値を測定するように構成されている。
【0017】
初期トルク値N(N-m)は、保持具7が靴1を保持していない状態(図2A参照)で保持具7の重量によって回転軸6に掛かるトルク値を示す。
【0018】
また第1トルク値N(N-m)は、保持具7が靴1を保持した状態(図1B参照)で靴1と保持具7との重量によって回転軸6に掛かるトルク値を示す。
【0019】
上記「初期トルク値N(N-m)と、第1トルク値N(N-m)との差の絶対値」は、着用者が足関節を底背屈させる際に靴によって掛かる抗力を示している。そのため、測定装置Xによってこの抗力を測定することにより、靴の重量バランスを測定する場合と比べて、より正確かつ簡便に躓きにくさを測定することができる。例えば、この抗力が小さいほど躓きにくい靴であり、また複数の靴の抗力を測定して比較することにより、躓きにくさを比較することができる。
【0020】
2.詳細
【0021】
以下、本実施形態の測定装置Xの構成をより詳細に説明する。
【0022】
測定装置Xの説明するにあたり、まずは、測定対象である靴1の構成を説明する。
【0023】
2-1.靴
【0024】
靴1は、甲被部分2と、靴底3とを備える(図3参照)。
【0025】
甲被部分2は、着用者の足を包み込むように構成されている。甲被部分2は、着用者の足を挿入するための履口20を備える。甲被部分2は、着用者の足全体を包みこむように構成されていてもよく、着用者の足の一部を包み込まなくてもよい。例えば、着用者の足のつま先部分を露出するように構成されていてもよい。甲被部分2は、靴紐を通すための複数のハトメ穴を備えていないが、これに限定されず、例えば複数のハトメ穴を備えていてもよい。甲被部分2は、単一の部材で構成されていてもよく、複数の部材で構成されていてもよい。例えば、甲被部分2が舌部を備えていてもよい。
【0026】
靴底3は、着用者の足を下方から支えるように構成され、甲被部分2と接続されている。また靴底3の下方の面は、地面と接するように構成されている。
【0027】
また本実施形態において、靴1を水平面上に置いた際に、靴1の爪先先端部と踵後端部とを結んだ直線を、水平面に投影した線を靴底水平中心線4と規定する(図3参照)。
【0028】
2-2.測定装置X
【0029】
測定装置Xは、上述の通り、保持具7と計測器Yとを備える(図2A、B参照)。
【0030】
2-2-1.保持具7
【0031】
本実施形態の保持具7は、保持具本体70と、回転軸6と、一対の柱部71(71A、71B)と、台座部72と、アーム部73と、を備える。
【0032】
保持具7は、靴1の履口20から挿入された状態において甲被部分2と密着して動かないように構成されている。
【0033】
本実施形態の保持具本体70は、足のリスフラン関節とMP関節の間で第1~5中足骨すべてを横断する断面でつま先側を切断した足を模した形状を有する(図2B参照)。これにより、爪先部分が変形しにくいワークシューズであっても保持具本体70で靴1を保持しやすい。保持具本体70は、履口20と密着して靴1が動かないように構成されていれば、形状は特に限定されない。保持具本体70は、靴1の着脱が容易であるように、表面の摩擦抵抗が小さいことが好ましい。保持具本体70の材質は特に限定されないが、例えば樹脂製であってもよく、木製であってもよく、金属製であってもよい。
【0034】
保持具本体70は、図2Aに示すように棒状の回転軸6が設けられている。回転軸6は、保持具本体70における着用者が足を底背屈させる際の軸(回転軸)に対応する部分から左右に突出して設けられている。回転軸6の左右に突出した部分は、保持具本体70の内部で繋がっていてもよく、繋がっていなくてもよい。回転軸6の断面形状は、丸であってもよく、三角形以上の多角形状であってもよい。
【0035】
一般的に、足を底背屈させる際の回転軸は、図4に示すように、踵後端部を基準として足の長さの10%以上30%以下の範囲にある(足の骨の距骨滑車面Zに対応する部分)。そのため、回転軸6の水平方向の位置は、保持具本体70に靴1を保持させた状態で足の長さ(靴1の後端部から前端部までの長さ)の10%以上30%以下の範囲に含まれることが好ましい。また一般的に、足を底背屈させる際の回転軸は、接地面を基準として足の長さの20%以上30%以下の範囲にある。そのため、回転軸6の垂直方向の位置は、保持具本体70に靴1を保持させた状態で、靴1の内部の底面(中敷がある場合は中敷上面)から足の長さの20%以上30%以下であることが好ましい。
【0036】
また着用者が足を底背屈させる際の回転軸は、一般的に、水平面に対して平行ではなく、靴1の外甲側下方に向かって下り傾斜している(図5Aの破線と回転軸6とを比較)。詳細には、水平面に対する足の回転軸の角度は、一般的には20°以下である。そのため回転軸6は、図5Aに示すように、靴1の外甲側下方に向かって下り傾斜していることが好ましい。また回転軸6の水平面に対する傾斜角度は20°以下であることが好ましい。
【0037】
一般的に着用者の足は、その中心線(靴底水平中心線4に対応)が前後方向とは完全に一致せず(図5Bの前後方向を示す破線と靴底水平中心線4とを比較)、底背屈する際の回転軸も外甲側後方に傾いている(個人差はあるが一般的には10°以下)。そのため回転軸6も、図5Bに示すように、外甲側後方に傾くことが好ましい。具体的には、垂直面(水平面と直行すると共に前後方向に沿う面)に対する回転軸6の傾きの角度が10°以下であることが好ましい。
【0038】
回転軸6の材質は特に限定されないが、例えば樹脂製であってもよく、木製であってもよく、金属製であってもよい。回転軸6は、保持具本体70と同じ材質であってもよく、異なる材質であってもよい。回転軸6は、保持具本体70と一体の部材であってもよく、別部材であってもよい。
【0039】
台座部72は、図2Aに示すように、矩形の板状の部材である。柱部71は、台座部72から垂直に立っている。一対の柱部71Aと71Bとの間に保持具本体70が配置されている。台座部72と柱部71と一体の部材であってもよく、別部材であってもよい。また台座部72および柱部71の材質は、特に限定されず、樹脂製であってもよく、木製であってもよく、金属製であってもよい。
【0040】
本実施形態の保持部7では、柱部71Aの上部および柱部71Bの上部に設けられたそれぞれの貫通孔に回転軸6が挿通されている。これにより、柱部71Aと柱部71Bとの間に保持具本体70が配置される。また貫通孔に回転軸6が挿通されることで、保持具本体70は、着用者が足を底背屈する際の軸に対して回転自在となる。貫通孔の断面形状は、回転軸6が回転自在であれば、特に限定されない。本実施形態の柱部71には、貫通孔が設けられているがこれに限定されず、例えば柱部71の上端部に溝が設けられ、この溝内に回転軸6が配置されてもよい。また溝の断面形状も、回転軸6が回転自在であれば、特に限定されない。
【0041】
アーム部73は、側面視コ字状の部材である。アーム部73は、保持具本体70の上面から上方に延びた上突部分730と、上突部分730の上端から前方に延びるアーム部本体731と、アーム部本体731の前端から下方に延びる下突部分732とを備える。本実施形態のアーム部73では、後に説明するが、下突部分731の下端部によって計測器Yの載置台が押されるように構成されている。アーム部73の材質は特に限定されないが、例えば樹脂製であってもよく、木製であってもよく、金属製であってもよい。
【0042】
2-2-2.計測器Y
【0043】
本実施形態の計測器Yは、計測器本体Y0と、スペーサY1とを備える(図2B参照)。
【0044】
計測器本体Y0は、物の質量を測定可能な秤である。計測器本体Y0は、例えばデジタル式の秤であるが、特に限定されず、アナログ式の秤でもよい。計測器本体Y0は、計測対象を載置する載置台を備え、この上に後述のスペーサY1が載置されている。
【0045】
スペーサY1は、回転軸6の高さと計測器本体Y0の載置台の高さとを合わせるための部材である。そのため、スペーサY1の大きさ、保持部7の柱部71A,71B、台座部72の高さを調整することによって、回転軸6の高さと載置台の高さとを合わせてもよい。
【0046】
スペーサY1は、計測器本体Y0の載置台の上に配置されている。スペーサY1は、載置台の上に載っているだけでもよく、固着されていてもよい。本実施形態のスペーサY1は、図2Aに示すように矩形の枠型の部材であるが、これに限定されず、例えば板状であってもよく、箱型であってもよい。スペーサY1が枠形状であることにより、保持具7に靴1を保持させた場合に、スペーサY1の枠内に靴1の爪先部を挿入することができる。スペーサY1は、アーム部73の下突部分732と接するように構成された当接部材Y2を備える。本実施形態の当接部材Y2は、スペーサY1の頂部に設けられた円柱状の部材である。当接部材Y2の形状は、特に限定されず、例えば角柱上であってもよい。例えば、当接部材Y2が中間部材Y1の一部であってもよい。例えば、中間部材Y1と延出部73の下突出部分732とが直接接してもよい。中間部材Y1の材質は、特に限定されず、樹脂であってもよく、木製であってもよく、金属製であってもよい。
【0047】
2-3.測定方法
【0048】
本実施形態の測定装置Xを用いた測定方法について説明する。
【0049】
(1)初期トルク値の測定
【0050】
まずは図2Aに示すように保持具7が靴1を保持していない状態で、回転軸6に係るトルク値(初期トルク値N、値はN-m)を測定する。
【0051】
図2Aに示す状態では、回転軸6が、柱部71A,71Bによって支えられると共に回転自在に保持されている。さらに保持具7の回転軸6に係る荷重が、アーム部73およびスペーサYを介して、計測器本体Y0に掛かっている。そのため図2Aに示す状態で計測器本体Y0の表示(目盛り)に基づき、保持具7が靴1を保持していない状態で保持具7を回転させる際に掛かる抗力を測定することができる。この初期トルク値Nは、着用者が靴1を履いていない状態で足を底背屈させる際に足の回転軸に掛かる抗力を表す。具体的には計測器本体Y0の表示(質量)に、重量加速度と、回転軸6から下突部分732の先端までの距離を掛けることで、初期トルク値Nを算出することができる。
【0052】
(2)第1トルク値の測定
【0053】
次に図1Aに示すように保持具7が靴1を保持した状態で、回転軸6に係るトルク値(第1トルク値N、値はN-m)を測定する。この状態では、靴1が保持具7によって水平に保たれている。なお、ここでいう水平とは、靴底水平中心線4が水平面と平行である状態を意味する。また初期トルク値Nを測定する際にも同様に保持具7が水平に保たれていることが好ましい。
【0054】
図1Aに示す状態では、保持具7および靴1によって回転軸6に掛かる荷重が、アーム部73およびスペーサYを介して、計測器本体Y0に掛かっている、そのため図1Aに示す状態で計測器本体Y0の表示(目盛り)に基づき、保持具7が靴1を保持している状態で保持具7を回転させる際に掛かる抗力を測定することができる。この第1トルク値Nは、着用者が靴1を履いた状態で足を底背屈させる際に足の回転軸に掛かる抗力を表す。具体的には計測器本体Y0の表示(質量)に、重量加速度と、回転軸6から下突部分732の先端までの距離を掛けることで、第1トルク値Nを算出することができる。
【0055】
(3)初期トルク値と第1トルク値との差の絶対値の算出
【0056】
次に、上記(1)、(2)で求めた初期トルク値Nと第1トルク値Nとの差の絶対値を求める。
【0057】
初期トルク値Nと第1トルク値Nとの差の絶対値は、着用者が足を底背屈させる際に「靴1のみ」によって足に掛かる抗力を表す。
【0058】
例えば、異なる複数の靴1を用意し、これらの靴1を用いて上記抗力を測定・比較することにより、どの靴1が足を底背屈させる際の抗力が小さいかを把握することができる。また足を底背屈させる際の抗力が小さいとは、歩行時に躓きにくいことを意味する。そのため、異なる複数の靴1の上記抗力を測定・比較することにより、どの靴1が躓きにくいかを把握することができる。
【0059】
3.変形例
【0060】
測定装置Xの構成は、上述の構成に限定されない。
【0061】
測定装置Xは、保持具7と計測器Yとが当接するように構成されている。具体的には、アーム部73の下突部分732の先端と、計測器YのスペーサY1の当接部材Y2の上面とが当接している。そのため、計測器本体Y0の載置台の高さに応じて、柱部71、台座部72およびスペーサY1の大きさを調整することが好ましい。
【0062】
上述の保持具7は、棒状の回転軸6を備えているが、これに限定されない。例えば、靴1がブーツ等の履口の高さが高い場合に備えて、保持具7がフセットしたクランク形状の回転軸6を備えていてもよい。
【0063】
上述の保持具本体70は、例えば、一定の体積を有するが、これに限定されない。保持具本体70が、靴1の内部に挿入された際に体積が大きくなるような変形機構を有していてもよい。
【0064】
上述の計測器Yは、スペーサY1を備えるが、これに限定されない。例えば、計測器本体Y0の載置部の高さが回転軸6の高さと同じであれば、スペーサY1を備えていなくてもよい。また例えば、靴1の大きさに合わせて保持具7の形状を変えられるように、保持具本体70、回転軸6、柱部71、台座部72、およびアーム部73が、それぞれ大きさが異なる交換部品があってもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 靴
6 回転軸
7 保持具
X 測定装置
Y 計測器
図1
図2
図3
図4
図5