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特開2024-540電気駆動アセンブリシステム、車両、および電気駆動アセンブリシステムの組立方法
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  • 特開-電気駆動アセンブリシステム、車両、および電気駆動アセンブリシステムの組立方法 図1
  • 特開-電気駆動アセンブリシステム、車両、および電気駆動アセンブリシステムの組立方法 図2
  • 特開-電気駆動アセンブリシステム、車両、および電気駆動アセンブリシステムの組立方法 図3
  • 特開-電気駆動アセンブリシステム、車両、および電気駆動アセンブリシステムの組立方法 図4
  • 特開-電気駆動アセンブリシステム、車両、および電気駆動アセンブリシステムの組立方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000540
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】電気駆動アセンブリシステム、車両、および電気駆動アセンブリシステムの組立方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/30 20160101AFI20231225BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20231225BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
H02K11/30
H02K7/116
H02K5/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023100319
(22)【出願日】2023-06-19
(31)【優先権主張番号】202210699993.0
(32)【優先日】2022-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522447473
【氏名又は名称】ヴァレオ、イーオートモーティブ、ジャーマニー、ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】VALEO EAUTOMOTIVE GERMANY GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】トン、シアオシュエ
(72)【発明者】
【氏名】チン、イェーチン
(72)【発明者】
【氏名】リャオ、ピンホン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、シン-アン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、シュー
(72)【発明者】
【氏名】スン、レイ
【テーマコード(参考)】
5H605
5H607
5H611
【Fターム(参考)】
5H605AA01
5H605AA08
5H605BB05
5H605BB10
5H605CC01
5H605CC02
5H605CC06
5H605EC08
5H605EC20
5H605GG18
5H607AA02
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB14
5H607CC01
5H607DD03
5H607DD08
5H607EE31
5H607EE36
5H607JJ01
5H611AA09
5H611BB06
5H611TT01
5H611TT02
5H611UA04
5H611UB02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両、および電気駆動アセンブリシステムの組立方法に関する。
【解決手段】電気駆動アセンブリシステムは、本体とカバーとを備えるハウジングと、ロータシャフトを備える電気機械2と、ロータシャフトに接続して前記電気機械からトルクを受ける同軸配置されたギア入力シャフトを備えるギアボックスアセンブリと、電気機械を制御するように構成された電気機械制御モジュール4であって、電気機械および/または前記ギアボックスアセンブリ上にギア入力シャフトに対して横方向に重なることにより、本体の第1壁に設置される電気機械制御モジュールと、電気機械制御モジュールを電気機械のステータ22に電気的に接続するように構成された電気接続アセンブリと、である電気駆動システムにおいて、電気接続アセンブリは、電気機械のステータに、電気機械のロータシャフトの駆動駆動端部の近傍で電気的に接続するように設けられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(11)とカバーとを備えるハウジング(1)と、
前記ハウジング(1)に配置された以下のものと、
を備える電気駆動アセンブリシステムであって、
前記以下のものとは、
ロータシャフトを備える電気機械(2)と、
前記ロータシャフトに接続して前記電気機械からトルクを受ける同軸配置されたギア入力シャフト(21)を備えるギアボックスアセンブリ(3)と、
前記電気機械(2)を制御するように構成された電気機械制御モジュール(4)であって、前記電気機械(2)および/または前記ギアボックスアセンブリ(3)上に前記ギア入力シャフト(21)に対して横方向に重なることにより、前記本体の第1壁(17)に設置される電気機械制御モジュール(4)と、
前記電気機械制御モジュール(4)を前記電気機械(2)のステータ(22)に電気的に接続するように構成された電気接続アセンブリ(5)と、
である電気駆動アセンブリシステムにおいて、
前記電気接続アセンブリ(5)は、前記電気機械(2)の前記ステータ(22)に、前記電気機械の前記ロータシャフトの駆動端部の近傍で電気的に接続するように設けられ、
前記第1壁(17)は、前記電気接続アセンブリ(5)を貫通可能とする少なくとも1つの開口を設けられる、
ことを特徴とする電気駆動アセンブリシステム。
【請求項2】
前記電気接続アセンブリ(5)は、複数のバスバー(51)と射出成形部品(52)とシールとを備え、前記射出成形部品(52)は、前記バスバー(51)に配置されるとともに前記開口を閉鎖し、前記シールは、前記射出成形部品と前記第1壁(17)との間に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気駆動アセンブリシステム。
【請求項3】
前記射出成形部品(52)は、複数の前記バスバー(51)に、射出成形により形成される、
ことを特徴とする請求項2に記載の電気駆動アセンブリシステム。
【請求項4】
前記バスバー(51)は、前記開口を貫通するとともに、前記ステータ(22)に接続する第1セクション(511)と前記電気機械制御モジュール(4)に接続する第2セクション(512)とを備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の電気駆動アセンブリシステム。
【請求項5】
前記カバーは、ギアボックスカバー(12)と電気機械カバー(13)と制御モジュールカバー(14)とを備え、
前記第1セクション(511)は、前記ハウジング(1)の前記本体(11)および前記電気機械カバー(13)により限定された第3収容スペース内に配置されるとともに、少なくとも部分的に前記ギア入力シャフト(21)に対して横方向に延び、前記第2セクション(512)は、前記ハウジング(1)の前記本体(11)および前記制御モジュールカバー(14)により限定された第2収納スペース内に配置される、
ことを特徴とする請求項4に記載の電気駆動アセンブリシステム。
【請求項6】
前記本体(11)は、別の開口(18)を、前記ロータシャフトの前記駆動端部において突出する第2壁(10)に設けられ、前記別の開口は、前記第1セクション(511)の少なくとも一部を露出させる、
ことを特徴とする請求項5に記載の電気駆動アセンブリシステム。
【請求項7】
前記電気接続アセンブリ(5)は、前記本体(11)にコネクタを使用して固定される、
ことを特徴とする請求項2に記載の電気駆動アセンブリシステム。
【請求項8】
前記電気機械制御モジュール(4)は、複数の前記バスバー(51)に対応する複数の出力端子(41)を備え、複数の前記出力端子(41)の配列方向は、前記ギア入力シャフト(21)の延在方向に対して平行である、
ことを特徴とする請求項4に記載の電気駆動アセンブリシステム。
【請求項9】
前記電気機械制御モジュール(4)は、複数の前記バスバー(51)に対応する複数の出力端子(41)を備え、複数の前記出力端子(41)の配列方向は、前記ギア入力シャフト(21)の延在方向に対して垂直である、
ことを特徴とする請求項4に記載の電気駆動アセンブリシステム。
【請求項10】
前記第1セクション(511)は、前記ギア入力シャフト(21)に対して垂直な方向において延び、前記第2セクション(512)は、前記第1セクション(511)と前記第1セクション(511)に対応する前記出力端子(41)との間で延びる、
ことを特徴とする請求項8または9に記載の電気駆動アセンブリシステム。
【請求項11】
前記第1セクション(511)および/または前記第2セクション(512)は、それらそれぞれの幅方向に並んで配置される、または、少なくとも部分的にそれらそれぞれの厚さ方向に並んで配置される、
ことを特徴とする請求項8または9に記載の電気駆動アセンブリシステム。
【請求項12】
複数の前記バスバー(51)は、前記第1壁(17)における同一の開口または複数の対応する開口を貫通する、
ことを特徴とする請求項11に記載の電気駆動アセンブリシステム。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の電気駆動アセンブリシステムを備えることを特徴とする車両。
【請求項14】
電気駆動アセンブリシステムの組立方法であって、
前記電気機械(2)を、前記電気駆動アセンブリシステムの前記ハウジング(1)に設置するステップと、
前記電気接続アセンブリ(5)を、前記本体(11)の前記第1壁(17)に配置された少なくとも1つの開口に、前記ロータシャフトに対して横方向に、前記ハウジング(1)の前記本体(11)の外側から、前記電気機械(2)の前記ロータシャフトの前記駆動端部において挿入するステップと、
前記電気接続アセンブリ(5)を、前記電気機械(2)の前記ステータ(22)に接続するステップと、
前記ギアボックス(3)を前記ハウジング(1)に、かつ前記電気機械制御モジュール(4)を前記第1壁(17)に設置するステップと、
前記電気接続アセンブリ(5)を前記電気機械制御モジュール(4)に接続するステップと、
を備えることを特徴とする組立方法。
【請求項15】
前記電気駆動アセンブリシステムは、請求項1~12のいずれかに従って構成されることを特徴とする請求項14に記載の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の分野に関し、より詳細には、電気駆動アセンブリシステム、電気駆動アセンブリシステムを含む車両、および電気駆動アセンブリシステムの組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気駆動アセンブリシステムは、車両に不可欠な部品であり、電気機械とギアボックスアセンブリと電気機械コントローラとを含んでいる。既知の解決策では、電気機械コントローラと電気機械との間の電気接続アセンブリは、電気機械のロータシャフトの非駆動端部に配置され、電気機械とギアボックスアセンブリとの間の接続部は、電気機械のロータシャフトの駆動端部に配置されている。
【0003】
電気機械の長さまたはパワーは、電気機械のロータシャフトの駆動端部と非駆動端部との間の長さで決まる。種々の装置が、電気機械のロータシャフトの駆動端部および非駆動端部の両方に組み付けられている。例えば、電気機械と電気機械コントローラ(例えばインバータ)との間の電気接続アセンブリが、非駆動端部に配置されている。既知の電気駆動アセンブリシステムについて、電気機械の長さが少しでも変更されると、電気機械とインバータとの間の電気接続アセンブリに影響が及び得る。したがって、電気機械の長さを変更する場合には、電気接続アセンブリを再設計する必要がある。
【0004】
また、電気機械のロータシャフトの非駆動端部に配置された電気接続アセンブリは、空気で冷却されるため、冷却効率が低い。
【0005】
さらに、既知の電気駆動アセンブリの全長は長いが、このように長い電気駆動アセンブリシステムを設置する十分なスペースは一般的にないため、一般的に車両の中央から外れて配置される。これにより、車両の左駆動シャフトと右駆動シャフトとの長さの差が大きくなる。そして、長さの差のバランスをとるために、さらに追加のシャフトを左駆動シャフトと右駆動シャフトとの間に設ける必要がある。
【0006】
したがって、当技術分野において、上記の問題を解決できる電気駆動アセンブリシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本開示の目的は、電気駆動アセンブリシステム、電気駆動アセンブリシステムを含む車両、および電気駆動アセンブリシステムの組立方法を提供することである。電気駆動アセンブリシステムにおいて、電気機械制御装置と電気機械との間の電気接続アセンブリは、電気機械のロータシャフトの駆動端部に配置されるため、電気機械の長さを、電気接続アセンブリを再設計する必要なく変更することができる。また、電気駆動アセンブリシステム内の電気接続アセンブリは、ギアボックスアセンブリの冷却オイルにより冷却されるため、冷却効果が高い。さらに、電気駆動アセンブリシステムにより、車両の左駆動シャフトと右駆動シャフトとの長さの差を小さくすることができる。
【0008】
一態様において、本開示は、電気駆動アセンブリシステムを提供する。電気駆動アセンブリシステムは、
本体とカバーとを備えるハウジングと、
前記ハウジングに配置された以下のものと、
を備え、
前記以下のものとは、
ロータシャフトを備える電気機械と、
前記ロータシャフトに接続して前記電気機械からトルクを受ける同軸配置されたギア入力シャフトを備えるギアボックスアセンブリと、
前記電気機械を制御するように構成された電気機械制御モジュールであって、前記電気機械および/または前記ギアボックスアセンブリ上に前記ギア入力シャフトに対して横方向に重なることにより、前記本体の第1壁に設置される電気機械制御モジュールと、
前記電気機械制御モジュールを前記電気機械のステータに電気的に接続するように構成された電気接続アセンブリと、
である電気駆動アセンブリシステムにおいて、
前記電気接続アセンブリは、前記電気機械の前記ステータに、前記電気機械の前記ロータシャフトの駆動駆動端部の近傍で電気的に接続するように設けられ、
前記第1壁は、前記電気接続アセンブリを貫通可能とする少なくとも1つの開口を設けられる。
【0009】
一実施形態において、前記電気接続アセンブリは、複数のバスバーと射出成形部品とシールとを備え、前記射出成形部品は、前記バスバーに配置されるとともに前記開口を閉鎖し、前記シールは、前記射出成型部品と前記第1壁との間に配置される。
【0010】
一実施形態において、前記射出成形部品は、複数の前記バスバーに、射出成形により形成される。
【0011】
一実施形態において、前記バスバーは、前記開口を貫通するとともに、前記ステータに接続する第1セクションと前記電気機械制御モジュールに接続する第2セクションとを備える。
【0012】
一実施形態において、前記カバーは、ギアボックスカバーと電気機械カバーと制御モジュールカバーとを備え、前記第1セクションは、前記ハウジングの前記本体および前記電気機械カバーにより限定された第3収容スペース内に配置されるとともに、少なくとも部分的に前記ギア入力シャフトに対して横方向に延び、前記第2セクションは、前記ハウジングの前記本体および前記制御モジュールカバーにより限定された第2収納スペース内に配置される。
【0013】
一実施形態において、前記本体は、別の開口を、前記ロータシャフトの前記駆動端部において突出する第2壁に設けられ、前記別の開口は、前記第1セクションの少なくとも一部を露出させる。
【0014】
一実施形態において、前記電気接続アセンブリは、前記本体にコネクタを使用して固定される。
【0015】
一実施形態において、前記電気機械制御モジュールは、複数の前記バスバーに対応する複数の出力端子を備え、複数の前記出力端子の前記配列方向は、前記ギア入力シャフトの前記延在方向に対して平行である。
【0016】
一実施形態において、前記電気機械制御モジュールは、複数の前記バスバーに対応する複数の出力端子を備え、複数の前記出力端子の前記配列方向は、前記ギア入力シャフトの前記延在方向に対して垂直である。
【0017】
一実施形態において、前記第1セクションは、前記ギア入力シャフトに対して垂直な方向において延び、前記第2セクションは、前記第1セクションと前記第1セクションに対応する前記出力端子との間で延びる。
【0018】
一実施形態において、前記第1セクションおよび/または前記第2セクションは、それらそれぞれの幅方向に並んで配置される、または、少なくとも部分的にそれらそれぞれの厚さ方向に並んで配置される。
【0019】
一実施形態において、複数の前記バスバーは、前記第1壁における同一の開口または複数の対応する開口を貫通する。
【0020】
もう1つの態様において、本開示は、車両を提供する。車両は、上述の電気駆動アセンブリシステムを備える。
【0021】
別の態様において、本開示は、電気駆動アセンブリシステムの組立方法を提供する。組立方法は、
前記電気機械(2)を、前記電気駆動アセンブリシステムの前記ハウジング(1)に設置するステップと、
前記電気接続アセンブリ(5)を、前記本体(11)の前記第1壁(17)に配置された少なくとも1つの開口に、前記ロータシャフトに対して横方向に、前記ハウジング(1)の前記本体(11)の外側から、前記電気機械(2)の前記ロータシャフトの前記駆動端部において挿入するステップと、
前記電気接続アセンブリ(5)を、前記電気機械(2)の前記ステータ(22)に接続するステップと、
前記ギアボックス(3)を前記ハウジング(1)に、かつ前記電気機械制御モジュール(4)を前記第1壁(17)に設置するステップと、
前記電気接続アセンブリ(5)を前記電気機械制御モジュール(4)に接続するステップと、
を備える。
【0022】
本方法の一実施形態において、前記電気駆動アセンブリシステムは、上述のように構成される。
【0023】
本開示の実施形態における技術的解決策についてより明瞭に説明するため、本開示の実施形態の添付図面を以下に簡単に紹介する。図面は、本開示のいくつかの実施形態を説明するためだけに使用されるものであり、本開示のすべての実施形態をここで限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本開示の一実施形態による電気駆動アセンブリシステムの概略図である。
図2図2は、図1による電気駆動アセンブリシステムの部分分解図である。
図3図3は、図1による電気駆動アセンブリシステムのハウジングの内部に配置された電気接続アセンブリおよびギアボックスアセンブリの概略図である。
図4図4は、図3による電気接続アセンブリの上面図である。
図5図5は、本開示による電気駆動アセンブリシステムの電気接続アセンブリの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の技術的解決手段目的、技術的解決手段および利点を明確にするために、本開示の特定の実施形態に付随する図面と併せて、本開示の実施形態の技術的解決手段について明確かつ完全に以下に説明する。図面において、同一の参照数字は同一の構成要素を示す。記載される実施形態は、本開示の実施形態の一部であってすべてではないことを明確することが重要である。記載された本開示の実施形態に基づいて当業者が発明努力を必要とせずに得られる他のすべての実施形態は、本開示の保護範囲に含まれるものとする。
【0026】
別途定義しない限り、本明細書で使用される技術用語または科学用語は、当業者に理解される一般的な意味を有するものとする。本開示の特許出願の明細書および特許請求の範囲において使用される「第1」、「第2」および同様の語は、単に異なる構成部分を区別するために使用されるものであり、いかなる順序、量または重要性を示すものではない。同様に、「1つ」等の語は、必ずしも数量制限を表すものではない。「備える」、「含む」または「有する」等の語は、その語の前にある要素または対象が、他の要素または対象を除外することなく、その語の後に列挙された要素または対象およびその等価物をカバーすることを意味する。「接続」または「通信」等の語は、図面に示す物理的または機械的な接続または通信に限定されるものではなく、直接的か間接的かにかかわらず、それに相当する接続または通信を含み得る。「上(上方、上側)」、「下(下方、下側)」、「左(左方、左側)」、「右(右方、右側)」等は、相対的な位置関係を示すためにのみ使用され、記載された対象物の絶対的な位置が変化した場合、相対的な位置関係もそれに応じて変化し得る。
【0027】
本開示による車両用の電気駆動アセンブリシステムの好適な実施形態について、図1図5を参照しつつ以下に詳細に説明する。図1図4は、本開示の一実施形態による車両に含まれる電気駆動アセンブリシステムを示す。図5は、本開示による車両に含まれる電気駆動アセンブリシステムの電気接続アセンブリを示す。
【0028】
図1図4に示すように、本開示の電気駆動アセンブリシステムは、ハウジング1を備えている。ハウジング1は、本体11およびカバーを含んでいる。また、図1図3に示すように、電気駆動アセンブリシステムは、ハウジング1の内部に配置された、電気機械2とギアボックスアセンブリ3と電気機械制御モジュールと電気接続アセンブリ5とを備えている。電気機械制御モジュール4は、例えばインバータであり得る。インバータは、ACを、電気機械2への入力である固定周波数固定電圧または可変周波数可変電圧ACに変換する。電気機械2は、例えば、永久磁石同期モータまたはAC非同期モータである。電気機械2とギアボックスアセンブリ3との間には駆動接続部があるため、ギアボックスアセンブリ3による減速後に、電気機械2のトルクが出力される。図1における電気機械制御モジュールは、ハウジングに配置されているため見えない。電気機械2、ギアボックスアセンブリ3、および電気機械制御モジュール4等の装置をハウジングに設置することにより、電気駆動アセンブリシステムの高度に統合された設計が達成され、スペースが節約され得る。
【0029】
具体的には、電気機械2は、ロータシャフト(図示せず)を有している。電気機械2は、ロータとステータ22とを含み得る。電気機械の固定部品がステータと呼ばれ、回転部品がロータと呼ばれる。例えば、ステータは、コアと巻線とベースとからなる。コアは、一般的にシリコン鋼板を積層することにより形成される。ロータは、ベースに、軸受またはシャフトスリーブを使用して固定されるとともに、ロータシャフトとロータシャフトに装着されたロータコアとを含んでいる。電気機械制御モジュール4は、ステータの端子に接続されてACをステータに入力して回転磁界を生成する。ロータは、回転磁界中の磁力線により切断されて、出力電流が生成される。また、車両のホイールがロータを逆回転駆動させることより、他方向の回転磁界が誘起され得る。そして、インバータである電気機械制御モジュール4は、電力をバッテリに戻す。
【0030】
ギアボックスアセンブリ3は、ギア入力シャフト21を有している。ギア入力シャフト21は、ロータシャフトに接続するとともに、同軸に配置されて電気機械からのトルクを受ける。例えば、例えば、ギア入力シャフト21は、電気機械のロータシャフトに回転可能に取り付けられ得る。ロータシャフトおよびギア入力シャフトは、接続要素(例えばスプライン)により回転可能に接続した2つの別のシャフトであっても、または同一のシャフトであってもよく、ここに制限はないことを理解すべきである。
【0031】
ギアボックスアセンブリ3は、ギア入力シャフト21のギアに係合した中間シャフトと差動部品(例えば、図3に示す差動装置6)とをさらに備えるとともに、減速後に電気機械2が生成したトルクを出力することができる。ギアボックスアセンブリ3の構成は、当該技術分野において一般的な手法であるため、本開示では詳述しない。
【0032】
電気機械制御モジュール4は、電気機械2を制御するように構成されている。電気機械制御モジュール4は、例えば回路基板の形態にある種々の電子制御素子および電気制御素子を含み得る。電子制御素子および電気制御素子を使用してIGBT集積パワーモジュールを制御することにより、電気機械制御モジュール4は、制御可能な三相正弦AC電流を出力して電気機械の速度およびトルクを制御することができる。電気機械制御モジュール4は、当該技術分野において一般的であるため、本開示では詳述しない。
【0033】
また、電気機械制御モジュール4は、電気機械2および/またはギアボックスアセンブリ3上にギア入力シャフト21に対して横方向に重なることにより、本体11の第1壁17に設置されている。図4に示すように、第1壁17は、本体11の頂壁であり得る。例えば、図1図4における電気機械制御モジュール4は、ギアボックスアセンブリ3上に、ギア入力シャフト21に対して垂直な鉛直方向において重ねられている。これは、電気機械制御モジュール4がギアボックスアセンブリ3上に重ねられていると簡単に記載され得る。他の実施形態において、電気機械制御モジュール4は、電気機械2上に、ギア入力シャフト21に対して垂直な鉛直方向において重ねられている。これは、電気機械制御モジュール4が電気機械2上に重ねられていると簡単に記載され得る。換言すれば、図1図4における電気機械制御モジュール4は、電気機械2上に、ギア入力シャフト21に対して横方向において、かつ図1図3における鉛直方向に対して斜めに重ねられている。電気機械制御モジュール4の具体的な配置位置は、電気機械制御モジュール4の電子部品の配置形態、ハウジング1の形状、または、電気機械2またはギアボックスアセンブリ3の配置によって決まる。
【0034】
図1図3に示すように、カバーは、ギアボックスカバー12と電気機械カバー13と制御モジュールカバー14とを備えている。図2に示すように、制御モジュールカバー14は、本体11の頂部に配置され得る。ギアボックスカバー12および電気機械カバー13は、本体11の両端部、すなわち、電気機械のロータシャフトの駆動端部および非駆動端部に配置され得る。ギアボックスアセンブリ3は、本体11とギアボックスカバー12とにより形成された第1収容スペース内に配置されている。電気機械制御モジュール4は、本体11と制御モジュールカバー14とにより形成された第2収容スペース内に配置されている。電気機械2は、本体11と電気機械カバー13とにより形成された第3収容スペース内に配置されている。具体的には、ハウジングの本体11は、ベース19と、ベースからその頂縁部23に向かって延びる複数の壁(例えば、側壁とも呼ばれ得る第2壁10、第3壁20、第4壁24、および第5壁25)と、を含んでいる。第2壁10、第4壁24および第5壁24は、例えば、ベース19に対して垂直な方向において延びる壁である。第3壁20は、例えば、ベース19に対して部分的に垂直な方向において延びる壁である。第2壁10は、電気機械のロータシャフトの駆動端部の近傍に配置されている。第5壁25は、電気機械のソータシャフトの非駆動端部に配置されている。第3壁20および第4壁24は、第2壁10と第5壁24との間で延びている。また、上述のように、本体11は、頂壁としての第1壁17をさらに備えている。第2壁10は、ギアボックスカバー12とともに第1収容スペースを規定するように、頂縁部23の近傍で屈曲され得る。第1壁17は、制御モジュールカバー14とともに第2収容スペースを規定するように、頂縁部23に対して窪み得る。第3壁20は、第1壁17、第2壁10および電気機械カバー13とともに第3収容スペースを規定するように、部分的に円筒形状を有している。
【0035】
電気接続アセンブリ5は、電気機械制御モジュール4を電気機械2のステータ22に、より正確にはステータ22の端子に電気的に接続するように構成されている。電気接続アセンブリ5は、電気機械2のステータ22に、電気機械のロータシャフトの駆動端部の近傍で接続するように設けられている。ステータ22の位置を図3に示す。換言すれば、電気接続アセンブリ5は、ステータ22に、電気機械のロータシャフトの駆動端部の近傍で電気的に接続するように設けられている。図4に示すように、電気接続アセンブリ5を貫通させ得る開口が、ハウジング1の本体11の第1壁17に配置されている(図示せず)。例えば、開口は、電気機械のロータシャフトの駆動端部の近傍であって、ギア入力シャフト21の上方の空きスペースに配置される。他の実施形態において、開口は、差動装置6の上方の空きスペースに配置される。したがって、本開示の電気駆動アセンブリシステムは、電気機械のロータシャフトの駆動端部におけるギアボックスアセンブリまたは差動装置が占めていないスペースをより効率的に利用できるため、より高度に統合された設計が実現される。
【0036】
電気接続アセンブリ5を電気駆動アセンブリシステムの電気機械のロータシャフトの駆動端部の近傍に配置することにより、その非駆動端部は拡張可能となる。換言すれば、ハウジング1の本体11は、電気機械カバー13に向かう方向において拡張可能である。すなわち、そこに収容された電気機械またはステータの長さは変更可能であるが、電気機械制御モジュールおよび電気接続アセンブリを再設計する必要はない。これにより、本開示の電気駆動アセンブリシステムは、適用柔軟性および低コスト性を有する。
【0037】
図3図5に示すように、電気接続アセンブリ5は、複数のバスバー51(例えば、銅製バスバー)と射出成形部品52とを備えている。バスバー51の個数は、3つであり得る。それらは、電流の三相にそれぞれ使用される。射出成形部品52は、バスバー51に配置されて、図4に示すように上述の開口を閉鎖する。例えば、射出成形部品52は、複数のバスバー51に射出成形により形成される。また、ギアボックスアセンブリ3を収容する第1収容スペースに対して電気機械制御モジュール4を収容する第2収容スペースをシールするように、電気接続アセンブリ5は、シール(図示せず)をさらに備え得る。シールは、射出成形部品52とハウジング1の第1壁17との間に設けられる。例えば、シールは、開口周辺の溝に設置され得る。他の実施形態において、シールは、射出成形部品52のうち、開口に面する一側面の溝に設置され得る。例えば、シールは、バスバー51および射出成形部品52と一体化され得る、または別個の部品であり得る。また、図4に示すように、射出成形部品52は、開口に本体11の外側から、より正確には本体11の上側から設置される。例えば、電気接続アセンブリ5は、本体11にコネクタを使用して固定される。例えば、電気接続アセンブリ5は、第1壁17に、射出成形部品52における装着孔を貫通するネジまたはボルトにより固定される。当然ながら、本開示において、接着、リベット留め、溶接等の他の方法が利用され得る。
【0038】
電気機械制御モジュール4は、図4に示すように、複数のバスバー51に対応する複数の出力端子41を備えている。図1図4における実施形態等の一部の実施形態において、複数の出力端子41の配置方向は、ギア入力シャフト21の延在方向に対して平行である。他の実施形態において、複数の出力端子41の配置方向は、ギア入力シャフト21の延在方向に対して垂直である。
【0039】
具体的には、バスバー51は、開口を貫通する。そして、図3および図4に示すように、バスバー51は、ステータ22に接続する第1セクション511と、電気機械制御モジュール4に接続する第2セクション512と、を備えている。第1セクション511は、ハウジング1の本体11と電気機械カバー13とにより限定された第1収容スペース(すなわち、電気機械2を収容するスペース)内に配置されているとともに、少なくとも部分的にギア入力シャフト21に対して横方向に延びている。本明細書で使用される「~に対して横方向」という表現は、ギア入力シャフト21に対して垂直方向、およびギア入力シャフト21に対して角度をなして傾く方向を含む。第2セクション512は、ハウジング1の本体11と制御モジュールカバー14とにより限定される第2収容スペース内に配置されている。図3および図4に示すように、第1セクション511は、ギア入力シャフト21に対して垂直な方向において延びる。第2セクション512は、第1セクション511と第1セクション511に対応する出力端子41との間において延びるとともに、図5に示すように屈曲され得る。一部の実施形態において、図5に示すように、第1セクション511は、それらの幅方向において並んで配置される。3つの第1セクション511の間には大きな間隔が存在し得る。他の実施形態において、第1セクション511は、少なくとも部分的にそれらの厚さ方向において並んで配置される。当然ながら、複数の第1セクション511は、第1セクション511の厚さ方向において見た場合に1つの第1セクション511だけが見えるように、厚さ方向において全体的に並んで配置されてもよい。第2セクション512の配置態様は、第1セクション511の配置態様と同様であり得る。例えば、第2セクション512は、それらの幅方向において並んで配置される。例えば、第2セクション512は、少なくとも部分的にそれらの厚さ方向に並んで配置されるため、第2セクション512の厚さ方向において見た場合に1つの第2セクション512のみが見えるように、それらは重なっている。図5における電気接続アセンブリと比較して、第1セクション511および第2セクション512が厚さ方向に並んで配置された電気接続アセンブリは、小型の射出成形部品を使用するとともに、必要とされるシール領域が縮小するため、より良好なシール効果、より有効なスペース利用、およびより高度な統合が達成される。また、一部の実施形態において、複数のバスバー51は、第1壁17における同一の開口を貫通する。一部の実施形態において、複数のバスバー51は、第1壁17における複数の開口を貫通する。開口の個数は、バスバーの個数に対応する。上述の異なるバスバーの設計は、ハウジング、ギアボックスアセンブリ、および電気機械の配置によって決まる。換言すれば、バスバーの設計は、駆動端部においてギアボックスアセンブリおよび電気機械が占めていない残りのスペースにより決まる。このようにして、本開示の電気駆動アセンブリシステムは、ギアボックスアセンブリにおけるスペースをより有効に利用することができるため、より高度に統合された設計が実現される。
【0040】
また、図1および図2を参照すると、本体11は、他の開口18を、ロータシャフトの駆動端部において突出する第2壁10に設けられている。他の開口18は、第1セクション511の少なくとも一部を露出させる。このようにして、ギアボックスアセンブリ3に貯蔵された冷却オイルが、第1セクション511の露出した部分に跳ねてこれを冷却し得る。したがって、開示の電気駆動アセンブリシステムは、より高い冷却効率を有する。
【0041】
車両の左駆動シャフトおよび右駆動シャフトは、ギアボックスアセンブリの作動装置に接続している。例えば、電気駆動アセンブリシステムは、車両の中央にあるものではない。本開示の車両において、上述の電気駆動アセンブリシステムの電気機械制御モジュールと電気機械との間の電気接続アセンブリは、電気機械のロータシャフトの駆動端部に設置されることで、電気機械の全長が短くなっている。これにより、電気駆動アセンブリシステムは、車両の中央により近くなるよう配置されるため、左駆動シャフトと右駆動シャフトとの長さの差が小さくなる。また、これにより、左駆動シャフトと右駆動シャフトとの長さの差のバランスをとるための追加シャフトを使用する確率が低減され得る、またはそのような使用が回避され得る。
【0042】
本開示による電気駆動アセンブリシステムの組立方法は、電気機械2を電気駆動アセンブリシステムのハウジング1に設置するステップと、電気接続アセンブリ5を、本体11の第1壁17に配置された少なくとも1つの開口に、ロータシャフトに対して横方向に(すなわち、ギア入力シャフト21に対して横方向に)、ハウジング1の本体11の外側から、電気機械2のロータシャフトの駆動端部において挿入するステップと、電気接続アセンブリ5を電気機械2のステータ22(より正確には、ステータ22の端子)に接続するステップと、ギアボックス3をハウジング1に、かつ電気機械制御モジュール4を第1壁17に設置するステップと、電気接続アセンブリ5を電気機械制御モジュール4に接続するステップと、を備える。上述の電気駆動アセンブリシステムは、本組立方法を使用して組み立てられ得る。例えば、上述の電気接続アセンブリ5を挿入するステップは、ギア入力シャフト21に対して垂直な方向において、すなわち、図3において鉛直方向において下方向に実施され得る。
【0043】
上に開示した技術的特徴は、開示した他の特徴との組み合わせに限定されるものではなく、当業者であれば、本開示の目的を達成するために、本発明の目的に従って他の技術的特徴の組み合わせを行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】