(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054001
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】あご用サポーター
(51)【国際特許分類】
A61F 5/02 20060101AFI20240409BHJP
A61F 5/56 20060101ALI20240409BHJP
A41D 13/05 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
A61F5/02 Z
A61F5/56
A41D13/05 156
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160558
(22)【出願日】2022-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】000150084
【氏名又は名称】株式会社竹虎
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】弁理士法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(74)【代理人】
【識別番号】100158377
【弁理士】
【氏名又は名称】三谷 祥子
(72)【発明者】
【氏名】飯島 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】松浦 衣舞姫
【テーマコード(参考)】
3B011
3B211
4C098
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB18
3B011AC22
3B211AA01
3B211AB18
3B211AC22
4C098BB15
4C098BB20
4C098BC02
4C098BC13
4C098BC15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ベルト着脱部材に相当する第1着脱部と2着脱部とを取り付ける際にそれらの張力のバランスを図る必要のないあご用サポーターを提供する。
【解決手段】あご用サポーターは、使用者のあご部分を覆うための本体部20と、本体部を上方に引きあげるように支持する第1支持部50と、本体部を上方に引きあげるように支持する第2支持部80と、第1支持本体部60はその先端に第1着脱部61と、第2支持本体部90はその先端に第2着脱部91と、を有し、本体部を使用者のあご部分にあてがうとともに、第1着脱部と2着脱部とを着脱可能に接続することで、本体部を第1支持部と、第2支持部と、によって上方にひきあげる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者のあご部分を覆うための本体部と、
前記本体部を上方に引きあげるように支持する第1支持部と、
前記本体部を上方に引きあげるように支持する第2支持部と、
前記第1支持本体部はその先端に第1着脱部と、
前記第2支持本体部はその先端に第2着脱部と、を有し、
前記本体部を前記使用者のあご部分にあてがうとともに、
前記第1着脱部と前記2着脱部とを着脱可能に接続することで、前記本体部を前記第1支持部と、前記第2支持部と、によって上方にひきあげるあご用サポーター。
【請求項2】
使用者のあご部分を覆うための本体部と、
前記本体部を上方に引きあげるように支持する第1支持部と、
前記本体部を上方に引きあげるように支持する第2支持部と、
前記第1支持部は、帯状の第1支持本体部と、前記第1支持本体部と接続され、当該第1支持本体部から2又に別れた第1前枝部と第1後枝部と、を有し、
前記第2支持部は、帯状の第2支持本体部と、前記第2支持本体部と接続され、当該第2支持本体部から2又に別れた第2前枝部と第2後枝部と、を有し、
前記第1支持本体部はその先端に第1着脱部と、
前記第2支持本体部はその先端に第2着脱部と、を有し、
前記本体部を前記使用者のあご部分にあてがうとともに、
前記第1前枝部と第1後枝部との間に前記使用者の耳を配置するとともに、
前記第2前枝部と第2後枝部との間に前記使用者の耳を配置し、
前記第1着脱部と前記第2着脱部とを着脱可能に接続することで、前記本体部を、前記第1支持部と、前記第2支持部と、によって上方にひきあげるあご用サポーター。
【請求項3】
使用者のあご部分を覆うための本体部と、
前記本体部を上方に引きあげるように支持する第1支持部と、
前記本体部を上方に引きあげるように支持する第2支持部と、
前記第1支持部は、帯状の第1支持本体部と、前記第1支持本体部と接続され、当該第1支持本体部から2又に別れた第1前枝部と第1後枝部と、を有し、
前記第2支持部は、帯状の第2支持本体部と、前記第2支持本体部と接続され、当該第2支持本体部から2又に別れた第2前枝部と第2後枝部と、を有し、
前記本体部と、前記第1前枝部および前記第1後枝部とを接続するための第1見返し部と、
前記本体部と、前記第2前枝部および前記第2後枝部とを接続するための第2見返し部と、を有し、
前記第1前枝部と前記第1後枝部は、前記本体部と、前記第1見返し部と挟むようにそれぞれ接続され、
前記第2前枝部と前記第2後枝部は、前記本体部と、前記第2見返し部と挟むようにそれぞれ接続され、
前記第1支持本体部はその先端に第1着脱部と、
前記第2支持本体部はその先端に第2着脱部と、を有し、
前記本体部を前記使用者のあご部分にあてがうとともに、
前記第1前枝部と第1後枝部との間に前記使用者の耳を配置するとともに、
前記第2前枝部と第2後枝部との間に前記使用者の耳を配置し、
前記第1着脱部と前記第2着脱部とを着脱可能に接続することで、前記本体部を前記第1支持部と、前記第2支持部と、によって上方にひきあげるあご用サポーター。
【請求項4】
使用者のあご部分を覆うための本体部と、
前記本体部を上方に引きあげるように支持する第1支持部と、
前記本体部を上方に引きあげるように支持する第2支持部と、
前記第1支持部は、帯状の第1支持本体部と、前記第1支持本体部と接続され、当該第1支持本体部から2又に別れた第1前枝部と第1後枝部と、を有し、
前記第2支持部は、帯状の第2支持本体部と、前記第2支持本体部と接続され、当該第2支持本体部から2又に別れた第2前枝部と第2後枝部と、を有し、
前記本体部と、前記第1前枝部および前記第1後枝部とを接続するための第1見返し部と、
前記本体部と、前記第2前枝部および前記第2後枝部とを接続するための第2見返し部と、を有し、
前記第1前枝部と前記第1後枝部は、前記本体部と、前記第1見返し部と挟むようにそれぞれ接続され、
前記第2前枝部と前記第2後枝部は、前記本体部と、前記第2見返し部と挟むようにそれぞれ接続され、
前記第1支持本体部はその先端に第1着脱部と、
前記第2支持本体部はその先端に第2着脱部と、を有し、
前記本体部を前記使用者のあご部分にあてがうとともに、
前記第1前枝部と第1後枝部との間に前記使用者の耳を配置するとともに、
前記第2前枝部と第2後枝部との間に前記使用者の耳を配置し、
前記第1着脱部と前記2着脱部とを着脱可能に接続することで、前記本体部を前記第1支持部と、前記第2支持部と、によって上方にひきあげ、
前記第1見返し部は、前記第1前枝部と前記第1後枝部と前記本体部を接続するときに、前記使用者のあご部分を避けて配置するとともに、
前記第2見返し部は、前記第2前枝部と前記第2後枝部と前記本体部を接続するときに、前記使用者のあご部分を避けて配置するあご用サポーター。
【請求項5】
前記本体部は、第1本体部と第2本体部と、を有し、
前記第1本体部と第2本体部とを縫着することで、あごと接する顎接触部を構成し、
前記顎接触部は、前記あご部分の形状に沿うように立体的形状を呈している請求項1から4のいずれかに記載のあご用サポーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、あごを押さえるためのあご用サポーターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
顎関節症や顎変形症の手術後、美容外科での顎削りや骨切り手術後および顎脱臼の治療、睡眠時のいびきを防止するためにあごを押さえることが有効であると考えられることから、あご押さえるために様々なあご用サポーターが提供されている。例えば、あご用サポーターとして、特開2001-299791号公報に記載されている顎バンドは、顎と頭頂部との間に掛け渡す環状の顎バンドであって、全体を編物で作り、少なくとも顎に掛ける部分は、掌程度の大きさとしたことを特徴とするものである。
【0003】
しかしながら、上記顎バンドは、上述の顎関節症や顎変形症の手術後、美容外科での顎削りや骨切り手術後および顎脱臼の治療、睡眠時のいびきを防止するために顎を押さえている場合において、例えば、日常生活を営むときの顔の動きに対してあご用サポーターがずれて外れてしまう恐れがある。
【0004】
このような問題を解決するものとして、特開2017-94040号公報において、「一対の顔両端装着部2,2と、顎先固定部1と、前記顔両端装着部2,2の端部に設けられた着脱部材7a,7bと、一対のズレ防止用ベルト5,5と、前記ズレ防止用ベルト5,5の端部に設けられたズレ防止用ベルト着脱部材8a,8bと、一対の連結ベルト6,6とから構成される顎固定用ベルト10」というあご用サポーターが開示されている。
【0005】
ここで、上記公報の明細書の記載によると上述の顎固定用ベルト10の一対のズレ防止用ベルト5,5は、前記顎固定用ベルト10を後頭部で適切に固定するためのもので、一対のズレ防止用ベルト5,5の一端は前記第1の顎締め付けベルトの中心部と前記第2の顎締め付けベルトの中心部が接合された箇所(
図4,
図7)に離反して取り付けられ、他端にはそれぞれズレ防止用ベルト着脱部材8a,8bが取り付けられている。また、一対の連結ベルト6,6は、前記顎固定用ベルト10を頭部に装着した際に前記一対の顔両端装着部2,2と前記一対のズレ防止用ベルト5,5が頭部上でずれないように、前記一対の顔両端装着部2,2と前記一対のズレ防止用ベルト5,5を連結するためのもので、前記一対の連結ベルト6,6の一端はそれぞれ前記一対のズレ防止用ベルト5,5と前記ズレ防止用ベルト着脱部材8a,8bの接合箇所に取り付けられ、他端は前記着脱部材7a,7bか、あるいは前記一対の顔両端装着部2,2の端部にそれぞれ取り付けられるというものである。
【0006】
しかしながらズレ防止用ベルト着脱部材8a,8bは、一対のズレ防止用ベルト5,5と、一対の連結ベルト6,6との双方に取り付けられている。したがって、顎固定用ベルト10を使用者に装着する際において、ベルト着脱部材8a,8bを取り付けるときにはその一対のズレ防止用ベルト5,5と、一対の連結ベルト6,6との張力のバランスを図るようにしなければ装着しにくいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001-299791号公報
【特許文献2】特開2017-94040号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、ベルト着脱部材に相当する第1着脱部と2着脱部とを取り付ける際にそれらの張力のバランスを図る必要のないあご用サポーターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するために、第1観点のあご用サポーターは、使用者のあご部分を覆うための本体部と、本体部を上方に引きあげるように支持する第1支持部と、本体部を上方に引きあげるように支持する第2支持部と、第1支持本体部はその先端に第1着脱部と、第2支持本体部はその先端に第2着脱部と、を有し、本体部を使用者のあご部分にあてがうとともに、第1着脱部と2着脱部とを着脱可能に接続することで、本体部を第1支持部と、第2支持部と、によって上方にひきあげるというものである。
【0010】
また、第2観点のあご用サポーターは、使用者のあご部分を覆うための本体部と、本体部を上方に引きあげるように支持する第1支持部と、本体部を上方に引きあげるように支持する第2支持部と、第1支持部は、帯状の第1支持本体部と、第1支持本体部と接続され、当該第1支持本体部から2又に別れた第1前枝部と第1後枝部と、を有し、第2支持部は、帯状の第2支持本体部と、第2支持本体部と接続され、当該第2支持本体部から2又に別れた第2前枝部と第2後枝部と、を有し、第1支持本体部はその先端に第1着脱部と、第2支持本体部はその先端に第2着脱部と、を有し、本体部を前記使用者のあご部分にあてがうとともに、第1前枝部と第1後枝部との間に使用者の耳を配置するとともに、第2前枝部と第2後枝部との間に使用者の耳を配置し、第1着脱部と第2着脱部とを着脱可能に接続することで、前記本体部を、前記第1支持部と、前記第2支持部と、によって上方にひきあげるというものである。
【0011】
また、第3観点のあご用サポーターは、使用者のあご部分を覆うための本体部と、本体部を上方に引きあげるように支持する第1支持部と、本体部を上方に引きあげるように支持する第2支持部と、第1支持部は、帯状の第1支持本体部と、第1支持本体部と接続され、当該第1支持本体部から2又に別れた第1前枝部と第1後枝部と、を有し、第2支持部は、帯状の第2支持本体部と、第2支持本体部と接続され、当該第2支持本体部から2又に別れた第2前枝部と第2後枝部と、を有し、本体部と、第1前枝部および第1後枝部とを接続するための第1見返し部と、本体部と、第2前枝部および第2後枝部とを接続するための第2見返し部と、を有し、第1前枝部と第1後枝部は、本体部と、第1見返し部と挟むようにそれぞれ接続され、第2前枝部と第2後枝部は、本体部と、第2見返し部と挟むようにそれぞれ接続され、第1支持本体部はその先端に第1着脱部と、第2支持本体部はその先端に第2着脱部と、を有し、本体部を使用者のあご部分にあてがうとともに、第1前枝部と第1後枝部との間に使用者の耳を配置するとともに、第2前枝部と第2後枝部との間に使用者の耳を配置し、第1着脱部と第2着脱部とを着脱可能に接続することで、本体部を第1支持部と、第2支持部と、によって上方にひきあげるというものである。
【0012】
また、第4観点のあご用サポーターは、使用者のあご部分を覆うための本体部と、本体部を上方に引きあげるように支持する第1支持部と、本体部を上方に引きあげるように支持する第2支持部と、第1支持部は、帯状の第1支持本体部と、第1支持本体部と接続され、当該第1支持本体部から2又に別れた第1前枝部と第1後枝部と、を有し、第2支持部は、帯状の第2支持本体部と、第2支持本体部と接続され、当該第2支持本体部から2又に別れた第2前枝部と第2後枝部と、を有し、本体部と、第1前枝部および前記第1後枝部とを接続するための第1見返し部と、本体部と、第2前枝部および第2後枝部とを接続するための第2見返し部と、を有し、第1前枝部と第1後枝部は、本体部と、第1見返し部と挟むようにそれぞれ接続され、第2前枝部と第2後枝部は、本体部と、第2見返し部と挟むようにそれぞれ接続され、第1支持本体部はその先端に第1着脱部と、第2支持本体部はその先端に第2着脱部と、を有し、本体部を使用者のあご部分にあてがうとともに、第1前枝部と第1後枝部との間に使用者の耳を配置するとともに、第2前枝部と第2後枝部との間に使用者の耳を配置し、第1着脱部と第2着脱部とを着脱可能に接続することで、本体部を第1支持部と、第2支持部と、によって上方にひきあげ、第1見返し部は、第1前枝部と第1後枝部と本体部を接続するときに、使用者のあご部分を避けて配置するとともに、第2見返し部は、第2前枝部と第2後枝部と本体部を接続するときに、使用者のあご部分を避けて配置するというものである。
【0013】
また、第5観点のあご用サポーターは、第1観点から第4観点において、本体部は、第1本体部と第2本体部と、を有し、第1本体部と第2本体部とを縫着することで、あごと接する顎接触部を構成し、顎接触部は、あご部分の形状に沿うように立体的形状を呈しているというものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は以上のように構成され、かつ、作用するものであるから、ベルト着脱部材に相当する第1着脱部と2着脱部とを取り付ける際にそれらの張力のバランスを図る必要のないあご用サポーターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施例のあご用サポーターの正面図である。
【
図2】第1実施例のあご用サポーターの背面図である。
【
図4】Aは、
図1のIVA-IVA線断面図である。Bは、
図1のIVB-IVB線断面図である。Cは、
図1のIVC-IVC線断面図である。Dは、
図1のIVD-IVD線断面図である。
【
図5】第2実施例のあご用サポーターの正面図である。
【
図6】第2実施例のあご用サポーターの背面図である。
【
図8】Aは、
図5のVIIIA-VIIIA線断面図である。Bは、
図5のVIIIB-VIIIB線断面図である。Cは、
図5のVIIIC-VIIIC線断面図である。Dは、
図5のVIIID-VIIID線断面図である。
【
図9】第3実施例のあご用サポーターの正面図である。
【
図10】第3実施例のあご用サポーターの背面図である。
【
図12】Aは、
図9のXIIA-XIIA線断面図である。Bは、
図9のXIIB-XIIB線断面図である。Cは、
図9のXIIC-XIIC線断面図である。Dは、
図9のXIID-XIID線断面図である。
【
図13】使用者が、第1実施例のあご用サポーターを装着した場合の正面概念図である。
【
図14】使用者が、第1実施例のあご用サポーターを装着した場合の背面概念図である。
【
図15】使用者が、第1実施例のあご用サポーターを装着した場合の左側面概念図である。
【
図16】使用者が、第1実施例のあご用サポーターを装着した場合の右側面概念図である。
【
図17】使用者が、第2実施例のあご用サポーターを装着した場合の正面概念図である。
【
図18】使用者が、第2実施例のあご用サポーターを装着した場合の背面概念図である。
【
図19】使用者が、第2実施例のあご用サポーターを装着した場合の左側面概念図である。
【
図20】使用者が、第2実施例のあご用サポーターを装着した場合の右側面概念図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図示の実施形態を参照して、第1実施例のあご用サポーター10について説明する。第1実施例のあご用サポーター10は使用者Pのあご部分PTを覆うためのものであり、その使用者Pのあご部分PTを押さえることで、顎関節症や顎変形症の手術後、美容外科での顎削りや骨切り手術後および顎脱臼の治療、および睡眠時のいびきを防止するために使用することができ、そのあご用サポーター10は、使用者のあご部分PTを押さえつつ固定することで、顔の動きに対してのずれをも防止することができるというものである。
【0017】
また、あご用サポーター10は、使用者Pのあご部分PTを覆うための帯状を呈する本体部20と、その本体部20を上方Uに引きあげるように支持する第1支持部50と、その本体部20を上方Uに引きあげるように支持する第2支持部80と、を有する。このように、第1支持部50と、第2支持部80とを上方Uに引き上げることにより本体部20をほぼ垂直上方Uに引き上げるようすることで、その本体部20を使用者Pのあご部分PTに密着させて、使用者Pのあご部分PTの動作を固定することで、日常生活を営むときの顔の動きに対してあご用サポーター10のずれを防止することができる。
【0018】
本体部20は、使用者Pのあご部分PTを包み込むようにそのあご部分PTの形状に倣うように立体的形状を有するあごと接する顎接触部21を有している。これについては後述する。なお、
図1の正面図において向かって右方向Rは、使用者に装着したときに左側に配置され、
図1の正面図において向かって左方向Lは、使用者に装着したときに右側に配置される。すなわち、右方向Rとは、
図1において後述する左端部38から右端部37に至る方向をいい、左方向Lとは、
図1において後述する右端部27から左端部28に至る方向をいう。また、上方Uとは、後述する第1前枝部65及び第1後枝部66から第1支持本体部60に至る方向をいい、同様に後述する第2前枝部95及び第2後枝部96から、第2支持本体部90に至る方向をいう。
【0019】
また、あご用サポーター10における本体部20は、第1本体部25と第2本体部35とを有する。第1本体部25は、
図1において左方向Lに配置され(使用者に装着したときは右側に配置される)、ほぼ帯状を呈し、その上端に配置した上端部26と、右端に配置した右端部27と、左端に配置した左端部28とその下端に配置した下端部29とを有する。上端部26は凹状を呈する上凹部26aを有するとともに、下端部29も凹状を呈する下凹部29aを有している。また、左端部28の裏面には、面ファスナー28aを有している。
【0020】
第2本体部35もほぼ帯状を呈し、その上端に配置した上端部36と、右端に配置した右端部37と、左端に配置した左端部38とその下端に配置した下端部39とを有する。上端部36は凹状を呈する上凹部36aを有するとともに、下端部39も凹状を呈する下凹部39aを有している。また、右端部37の表面には、面ファスナー37aを有している。なお、面ファスナー37aの面積は、上述の面ファスナー28aの面積より大にすることが好ましい。面ファスナー28aを面ファスナー37aのいずれかの位置に着脱可能に取り付けることで使用者Pの頭部のサイズにかかわらず対応することができるからである。ここで、面ファスナー37aはいわゆるメス型面ファスナーが好ましく、面ファスナー28aは、いわゆる雄型面ファスナーが好ましいが、その逆であってもよい。なお、第1本体部25における右端部27の縦方向の幅(右方向Rあるいは左方向Lとは垂直方向)よりも左端部28の縦方向の幅を狭く構成している。また、第2本体部35における右端部37の縦方向の幅(右方向Rあるいは左方向Lとは垂直方向)よりも左端部38の縦方向の幅を狭く構成している。このように構成することで、装着時においてこれらの部位が後頭部PCにおいて、その接触する面積を可及的に小とすることによって装着性を向上させるとともに快適性を確保することができる。
【0021】
また、第1本体部25における右端部27と第2本体部35における左端部38とを立体的に接続することによって、上述の使用者のあご部分PTを包み込むためにあごの形状に倣うように立体的形状を有し、また、あごと接する顎接触部21を構成している。なお、第1実施例においては、右端部27と左端部38とを立体的に縫製することによって接続することが好ましい。したがって、あごと接する顎接触部21は、本体部20の中央部付近配置することが好ましい。
【0022】
また、第1支持部50は、あご用サポーター10を使用者Pに装着したときに本体部20をほぼ垂直上方Uに引き上げるように支持するものであり、具体的には、本体部20における第1本体部25をほぼ垂直上方Uに引き上げるように支持するものである。第1支持部50は、逆Yの字状を呈し、帯状の第1支持本体部60と、その第1支持本体部60と一体に接続され、その第1支持本体部60から2又に別れた第1前枝部65と第1後枝部66とを有する。また、第1支持本体部60の上方Uの先端に第1着脱部61を配置している。これについては後述する。
【0023】
第2支持部80は、あご用サポーター10を使用者Pに装着したときに本体部20をほぼ垂直上方Uに引き上げるように支持するものであり、具体的には、本体部20における第2本体部35をほぼ垂直上方Uに引き上げるように支持するものである。第2支持部80は、逆Yの字状を呈し、帯状の第2支持本体部90と、その第2支持本体部90と一体に接続され、その第2支持本体部90から2又に別れた第2前枝部95と第2後枝部96とを有する。
【0024】
また、第2支持本体部90の上方Uの先端に第2着脱部91を配置している。第2着脱部91は上述の第1着脱部61と着脱可能に配置され、第1着脱部61が雄型面ファスナーであることが好ましく、第2着脱部91は、メス型面ファスナーであることが好ましいがその逆であっても好ましい。なお、第2着脱部91の面積を第1着脱部61の面積より大とすることで、第1着脱部61を第2着脱部91のいずれかの位置に取り付けることで使用者Pの頭部のサイズにかかわらず対応することができる。
【0025】
このように、第1支持部50と、第2支持部80とは、本体部20をほぼ垂直上方Uに引き上げるようすることで、後述するように容易にあご用サポーター10を使用者Pに装着することができるというものである。具体的には、第1着脱部61は第1支持本体部60のみに取り付けられており、第2着脱部91は、第2支持本体部90のみに取り付けられていることから、上記の通り従来の上記公報に記載された2個のズレ防止用ベルト着脱部材に取り付けられた一対のズレ防止用ベルトと、一対の連結ベルトとの張力のバランスを保つ必要がなく後述するように第1支持本体部60と第2支持本体部90のみを引き上げるようにすることで容易にそのあご用サポーター10を使用者に装着することができる。
【0026】
第1支持部50は、上記の通り、本体部20における第1本体部25を支持するものである。具体的には、第1後枝部66の下端部66aは、第1本体部25における上端部26と接続されている(
図4A参照)。また、第1支持部50における第1前枝部65の下端部65aは、第1本体部25における上端部26と接続されている(
図4B参照)。このとき、帯状の第1見返し部100と上端部26との間に挟まれるように第1後枝部66の下端部66aが接続されている。また、帯状の第1見返し部100と上端部26との間に挟まれるように第1前枝部65の下端部65aが接続されている。すなわち、第1前枝部65と第1後枝部66は、本体部20と、第1見返し部100と挟むようにそれぞれ接続されている。なお、この接続は、接着あるいは縫製することができる。
【0027】
第2支持部80は、上記の通り、本体部20における第2本体部35を支持するものである。具体的には、第2後枝部96の下端部96aは、第2本体部35における上端部36と接続されている(
図4C参照)。また、第2支持部80における第2前枝部95の下端部95aは、第2本体部35における上端部36と接続されている(
図4D参照)。このとき、帯状の第2見返し部200と上端部36との間に挟まれるように第2後枝部96の下端部96aが接続されている。また、帯状の第2見返し部200と上端部36との間に挟まれるように第2前枝部95の下端部95aが接続されている。すなわち、第2前枝部95と第2後枝部96は、本体部20と、第2見返し部200と挟むようにそれぞれ接続されている。なお、この接続は、接着あるいは縫製することができる。
【0028】
なお、あご用サポーター10は使用者Pに装着したときに第1支持部50および第2支持部80は、それぞれその使用者の側頭部PS、PSに接触するように配置される。したがって、第1前枝部65と第1後枝部66との間の空所X1と、第2前枝部95と第2後枝部96との間の空所X2にそれぞれ使用者Pの耳PE、PEがそれぞれ配置されるように構成されている。
【0029】
このように上記の構成において第1支持部50と第2支持部80は上記の通り、第1着脱部61と第2着脱部91とを係止すると、本体部20に対してほぼ垂直方向に引き上げるように配置されているために、使用者Pのあご部分PTを上方Uへけん引するする力を発揮することができ、あご部分PTを引き締めることができる。また、あご部分PTの動きを固定することもできる。
【0030】
また、耳PEの後方Bに配置された第1後枝部66よりも、耳PEの前方Fに配置された第1前枝部65の幅を太く構成することが好ましく(例えば、
図16参照)、同様に、耳PEの後方Bに配置された第2後枝部96よりも、耳PEの前方Fに配置された第2前枝部95の幅を太く構成することが好ましい(例えば、
図15参照)。使用者Pの耳PEの前側からほほにかけて確実にカバーすることができるからである。なお、前方Fとは使用者Pの後頭部PCから顔面PGの方向をいい、後方Bとは、その逆に顔面PGから後頭部PCの方向をいう。
【0031】
このように、第1前枝部65は、使用者Pの耳PEの前側すなわち前方F方向に配置され、第1後枝部66は使用者Pの耳PEの後ろ側すなわち後方B方向に配置されている。また同様に、第2前枝部95は、使用者Pの耳PEの前側すなわち前方F方向に配置され、第2後枝部96は使用者Pの耳PEの後ろ側すなわち後方B方向に配置されている。したがって、第1支持部50と第2支持部80は、使用者Pの耳PE、PEの挟むように配置することができるので、本体部20に対する相対的位置が定まり、あご用サポーター10を使用者Pに装着したときに位置ずれしにくくなるというものである。
【0032】
また、帯状の第1見返し部100と、帯状の第2見返し部200はそれぞれ、第1本体部25の上端部26と、第2本体部35の上端部36に配置されているが、その第1見返し部100は、上端部26の一部に配置されていることが好ましい。同様に第2見返し部200は上端部36の一部に配置されていることが好ましい。すなわち、本体部20のほぼ左右中央に配置された上述の顎接触部21付近を避けるように第1見返し部100と、帯状の第2見返し部200はそれぞれ配置されている。このように使用者Pのあご部分PTと接する顎接触部21は、第1本体部25における右端部27と第2本体部35における左端部38とを立体的に縫製する縫着することによって構成されており、第1見返し部100と、第2見返し部200とは、その顎接触部21に及んでいないので、装着したときのあご部分PTの不快感を軽減することができるというものである。すなわち、第1見返り部100と、第2見返り部200との間が隙間Sを有するように配置され、その隙間Sにおいては、本体部20のみで構成されているので、上記のとおり、装着したときのあご部分PTの不快感を軽減することができるというものである。
【0033】
また、第1実施例のあご用サポーター10は装着感や伸縮性の観点から綿主体のものが好ましく、例えば、綿95%ポリウレタン(スパンデックス)5%のものあるいは、綿90%ラテックス10%のものが好ましい。もっとも、綿以外の素材でも好ましい。例えば伸縮性を有するナイロン45%ポリウレタン(スパンデックス)55%のものが好ましい。
【0034】
次に第2実施例のあご用サポーター10′について説明する。第2実施例のあご用サポーター10′も、第1実施例のあご用サポーター10と同様に使用者Pのあご部分PTを覆うためのものであり、その使用者Pのあご部分PTを押さえることで、顎関節症や顎変形症の手術後、美容外科での顎削りや骨切り手術後および顎脱臼の治療、および睡眠時のいびきを防止するために使用することができ、そのあご用サポーター10′は、使用者のあご部分PTを押さえつつ固定することで、顔の動きに対してのずれをも防止することができるというものである。このように第2実施例のあご用サポーター10′は、第1実施例のあご用サポーター10とほぼ同様であり、同一の構成においては同一の符号を付しその説明を省略する場合がある。
【0035】
また、第2実施例のあご用サポーター10′は、使用者Pのあご部分PTを覆うための帯状を呈する第2実施例の本体部20′と、その第2実施例の本体部20′を上方Uに引きあげるように支持する第1支持部50と、その第2実施例の本体部20′を上方Uに引きあげるように支持する第2支持部80と、を有する。このように、第1支持部50と、第2支持部80とを上方Uに引き上げることにより第2実施例の本体部20′をほぼ垂直上方Uに引き上げるようすることで、その第2実施例の本体部20′を使用者Pのあご部分PTに密着させて、使用者Pのあご部分PTの動作を固定することで、日常生活を営むときの顔の動きに対して第2実施例のあご用サポーター10′のずれを防止することができる。
【0036】
第2実施例の本体部20′は、使用者Pのあご部分PTを包み込むようにそのあご部分PTの形状に倣うように立体的形状を有するあごと接する顎接触部21′を有している。これについては後述する。なお、
図5の正面図において向かって右方向Rは、使用者に装着したときに左側に配置され、
図5の正面図において向かって左方向Lは、使用者に装着したときに右側に配置される。すなわち、右方向Rとは、
図5において後述する左端部38′から右端部37′に至る方向をいい、左方向Lとは、
図5において後述する右端部27′から左端部28′に至る方向をいう。また、上方Uとは、上記と同様に第1前枝部65及び第1後枝部66から第1支持本体部60に至る方向をいい、同様に第2前枝部95及び第2後枝部96から、第2支持本体部90に至る方向をいう。
【0037】
また、あご用サポーター10′における本体部20′は、第1本体部25′と第2本体部35′とを有する。第1本体部25′は、
図5において左方向Lに配置され(使用者に装着したときは右側に配置される)、ほぼ帯状を呈し、その上端に配置した上端部26′と、右端に配置した右端部27′と、左端に配置した左端部28′とその下端に配置した下端部29′とを有する。上端部26′は凹状を呈する上凹部26a′を有するとともに、下端部29′も凹状を呈する下凹部29a′を有している。また、左端部28′の裏面には、面ファスナー28a′を有している。なお、第1本体部25′および後述する第2本体部35′は、第1実施例のあご用サポーター10における第1本体部25および第2本体部35よりも幅広を呈している。これは、第1実施例のあご用サポーター10は、装着のしやすさを重視するのに対し、第2実施例のあご用サポーター10′は、使用者Pのあご部分PTの保持力を重視しているからである。
【0038】
第2本体部35′もほぼ帯状を呈し、その上端に配置した上端部36′と、右端に配置した右端部37′と、左端に配置した左端部38′とその下端に配置した下端部39′とを有する。上端部36′は凹状を呈する上凹部36a′を有するとともに、下端部39′も凹状を呈する下凹部39a′を有している。また、右端部37′の表面には、面ファスナー37aを有している。なお、面ファスナー37aの面積は、上述の面ファスナー28a′の面積より大にすることが好ましい。面ファスナー28a′を面ファスナー37a′のいずれかの位置に着脱可能に取り付けることで使用者Pの頭部のサイズにかかわらず対応することができるからである。ここで、面ファスナー37a′はいわゆるメス型面ファスナーが好ましく、面ファスナー28a′は、いわゆる雄型面ファスナーが好ましいが、その逆であってもよい。
【0039】
また、第1本体部25′における右端部27′と第2本体部35′における左端部38′とを立体的に接続することによって、上述の使用者のあご部分PTを包み込むためにあごの形状に倣うように立体的形状を有し、また、あごと接する顎接触部21′を構成している。なお、第2実施例においては、右端部27′と左端部38′とを立体的に縫製することによって接続することが好ましい。したがって、あごと接する顎接触部21′は、本体部20′の中央部付近配置することが好ましい。
【0040】
また、第1支持部50と第2支持部80は、あご用サポーター10を使用者Pに装着したときに本体部20をほぼ垂直上方Uに引き上げるように支持するものであり、すでに述べた通りであるので上述の通り、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0041】
なお、第1支持部50と、第2支持部80とは、本体部20をほぼ垂直上方Uに引き上げるようすることで、後述するように容易にあご用サポーター10′を使用者Pに装着することができるというものである。具体的には、第1着脱部61は第1支持本体部60のみに取り付けられており、第2着脱部91は、第2支持本体部90のみに取り付けられていることから、上記の通り従来の上記公報に記載された2個のズレ防止用ベルト着脱部材に取り付けられた一対のズレ防止用ベルトと、一対の連結ベルトとの張力のバランスを保つ必要がなく後述するように第1支持本体部60と第2支持本体部90のみを引き上げるようにすることで容易にそのあご用サポーター10′を使用者に装着することができる。
【0042】
第1支持部50は、上記の通り、本体部20′における第1本体部25′を支持するものである。具体的には、第1後枝部66の下端部66aは、第1本体部25′における上端部26′と接続されている(
図8A参照)。また、第1支持部50における第1前枝部65の下端部65aは、第1本体部25′における上端部26′と接続されている(
図8B参照)。このとき、帯状の第1見返し部100と上端部26′との間に挟まれるように第1後枝部66の下端部66aが接続されている。また、帯状の第1見返し部100と上端部26′との間に挟まれるように第1前枝部65の下端部65aが接続されている。すなわち、第1前枝部65と第1後枝部66は、本体部20′と、第1見返し部100と挟むようにそれぞれ接続されている。なお、この接続は、接着あるいは縫製することができる。
【0043】
第2支持部80は、上記の通り、本体部20′における第2本体部35′を支持するものである。具体的には、第2後枝部96の下端部96aは、第2本体部35′における上端部36′と接続されている(
図8C参照)。また、第2支持部80における第2前枝部95の下端部95aは、第2本体部35′における上端部36′と接続されている(
図8D参照)。このとき、帯状の第2見返し部200と上端部36′との間に挟まれるように第2後枝部96の下端部96aが接続されている。また、帯状の第2見返し部200と上端部36′との間に挟まれるように第2前枝部95の下端部95aが接続されている。すなわち、第2前枝部95と第2後枝部96は、本体部20′と、第2見返し部200と挟むようにそれぞれ接続されている。なお、この接続は、接着あるいは縫製することができる。
【0044】
なお、あご用サポーター10′も使用者Pに装着したときに第1支持部50および第2支持部80は、それぞれその使用者の側頭部PS、PSに接触するように配置される。したがって、第1前枝部65と第1後枝部66との間の空所X1と、第2前枝部95と第2後枝部96との間の空所X2にそれぞれ使用者Pの耳PE、PEがそれぞれ配置されるように構成されている。
【0045】
このように上記の構成において、あご用サポーター10′における第1支持部50と第2支持部80は上記の通り、第1着脱部61と第2着脱部91とを係止すると、本体部20′に対してほぼ垂直方向に引き上げるように配置されているために、使用者Pのあご部分PTを上方Uへけん引するする力を発揮することができ、あご部分PTを引き締めることができる。また、あご部分PTの動きを固定することもできる。
【0046】
また、第2実施例のあご用サポーター10′についても、耳PEの後方Bに配置された第1後枝部66よりも、耳PEの前方Fに配置された第1前枝部65の幅を太く構成することが好ましく(例えば、
図20参照)、同様に、耳PEの後方Bに配置された第2後枝部96よりも、耳PEの前方Fに配置された第2前枝部95の幅を太く構成することが好ましい(例えば、
図19参照)。使用者Pの耳PEの前側からほほにかけて確実にカバーすることができるからである。なお、前方Fとは使用者Pの後頭部PCから顔面PGの方向をいい、後方Bとは、その逆に顔面PGから後頭部PCの方向をいう。
【0047】
このように、第1前枝部65は、使用者Pの耳PEの前側すなわち前方F方向に配置され、第1後枝部66は使用者Pの耳PEの後ろ側すなわち後方B方向に配置されている。また同様に、第2前枝部95は、使用者Pの耳PEの前側すなわち前方F方向に配置され、第2後枝部96は使用者Pの耳PEの後ろ側すなわち後方B方向に配置されている。したがって、第1支持部50と第2支持部80は、使用者Pの耳PE,PEの挟むように配置することができるので、本体部20に対する相対的位置が定まり、あご用サポーター10′を使用者Pに装着したときに位置ずれしにくくなるというものである。
【0048】
また、帯状の第1見返し部100と、帯状の第2見返し部200はそれぞれ、第1本体部25′の上端部26′と、第2本体部35′の上端部36′に配置されているが、その第1見返し部100は、上端部26′の一部に配置されていることが好ましい。同様に第2見返し部200は上端部36′の一部に配置されていることが好ましい。すなわち、本体部20′のほぼ左右中央に配置された上述の顎接触部21′付近を避けるように第1見返し部100と、帯状の第2見返し部200はそれぞれ配置されている。このように使用者Pのあご部分PTと接する顎接触部21′は、第1本体部25′における右端部27′と第2本体部35′における左端部38′とを立体的に縫製する縫着することによって構成されており、第1見返し部100と、第2見返し部200とは、その顎接触部21′に及んでいないので、装着したときのあご部分PTの不快感を軽減することができるというものである。すなわち、第1見返り部100と、第2見返り部200との間が隙間Sを有するように配置され、その隙間Sにおいては、本体部20′のみで構成されているので、上記のとおり、装着したときのあご部分PTの不快感を軽減することができるというものである。
【0049】
また、第2実施例のあご用サポーター10′も第1実施例のあご用サポーター10と同様に装着感や伸縮性の観点から綿主体のものが好ましく、例えば、綿95%ポリウレタン(スパンデックス)5%のものあるいは、綿90%ラテックス10%のものが好ましい。もっとも、綿以外の素材でも好ましい。例えば伸縮性を有するナイロン45%ポリウレタン(スパンデックス)55%のものが好ましい。
【0050】
次に第3実施例のあご用サポーター10″について説明する。第3実施例のあご用サポーター10″も、第1実施例のあご用サポーター10と同様に使用者Pのあご部分PTを覆うためのものであり、その使用者Pのあご部分PTを押さえることで、顎関節症や顎変形症の手術後、美容外科での顎削りや骨切り手術後および顎脱臼の治療、および睡眠時のいびきを防止するために使用することができ、そのあご用サポーター10″は、使用者のあご部分PTを押さえつつ固定することで、顔の動きに対してのずれをも防止することができるというものである。このように第3実施例のあご用サポーター10″は、第1実施例のあご用サポーター10とほぼ同様であり、異なる部分は、帯状の第1見返し部100と帯状の第2見返し部200を有しない点にあり、その他は同一の構成であり、その同一の構成については同一の符号を付しその説明を省略する場合がある。
【0051】
また、第3実施例のあご用サポーター10″は、使用者Pのあご部分PTを覆うための帯状を呈する第3実施例の本体部20″と、その第3実施例の本体部20″を上方Uに引きあげるように支持する第1支持部50と、その第3実施例の本体部20″を上方Uに引きあげるように支持する第2支持部80と、を有する。このように、第1支持部50と、第2支持部80とを上方Uに引き上げることにより第3実施例の本体部20″をほぼ垂直上方Uに引き上げるようすることで、その第3実施例の本体部20″を使用者Pのあご部分PTに密着させて、使用者Pのあご部分PTの動作を固定することで、日常生活を営むときの顔の動きに対して第3実施例のあご用サポーター10″のずれを防止することができる。
【0052】
第3実施例の本体部20″は、使用者Pのあご部分PTを包み込むようにそのあご部分PTの形状に倣うように立体的形状を有するあごと接する顎接触部21″を有している。これについては後述する。なお、
図9の正面図において向かって右方向Rは、使用者に装着したときに左側に配置され、
図9の正面図において向かって左方向Lは、使用者に装着したときに右側に配置される。すなわち、右方向Rとは、
図9において後述する左端部38″から右端部37″に至る方向をいい、左方向Lとは、
図9において後述する右端部27″から左端部28″に至る方向をいう。また、上方Uとは、上記と同様に第1前枝部65及び第1後枝部66から第1支持本体部60に至る方向をいい、同様に第2前枝部95及び第2後枝部96から、第2支持本体部90に至る方向をいう。
【0053】
また、あご用サポーター10″における本体部20″は、第1本体部25″と第2本体部35″とを有する。第1本体部25″は、
図9において左方向Lに配置され(使用者に装着したときは右側に配置される)、ほぼ帯状を呈し、その上端に配置した上端部26″と、右端に配置した右端部27″と、左端に配置した左端部28″とその下端に配置した下端部29″とを有する。上端部26″はほぼ直線状を呈する上部26a″を有するとともに、下端部29″は凹状を呈する下凹部29a″を有している。また、左端部28″の裏面には、面ファスナー28a″を有している。
【0054】
第2本体部35″もほぼ帯状を呈し、その上端に配置した上端部36″と、右端に配置した右端部37″と、左端に配置した左端部38″とその下端に配置した下端部39″とを有する。上端部36″はほぼ直線状を呈する上部36a″を有するとともに、下端部39″は凹状を呈する下凹部39a″を有している。また、右端部37″の表面には、面ファスナー37a″を有している。なお、面ファスナー37a″の面積は、上述の面ファスナー28a″の面積より大にすることが好ましい。面ファスナー28a″を面ファスナー37a″のいずれかの位置に着脱可能に取り付けることで使用者Pの頭部のサイズにかかわらず対応することができるからである。ここで、面ファスナー37a″はいわゆるメス型面ファスナーが好ましく、面ファスナー28a″は、いわゆる雄型面ファスナーが好ましいが、その逆であってもよい。
【0055】
また、第1本体部25″における右端部27″と第2本体部35″における左端部38″とを立体的に接続することによって、上述の使用者のあご部分PTを包み込むためにあごの形状に倣うように立体的形状を有し、また、あごと接する顎接触部21″を構成している。なお、第3実施例においても、右端部27″と左端部38″とを立体的に縫製することによって接続することが好ましい。したがって、あごと接する顎接触部21″は、本体部20″の中央部付近配置することが好ましい。
【0056】
また、第1支持部50と第2支持部80は、あご用サポーター10を使用者Pに装着したときに本体部20″をほぼ垂直上方Uに引き上げるように支持するものであり、すでに述べた通りであるので上述の通り、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0057】
なお、第1支持部50と、第2支持部80とは、本体部20″をほぼ垂直上方Uに引き上げるようすることで、後述するように容易にあご用サポーター10″を使用者Pに装着することができるというものである。具体的には、第1着脱部61は第1支持本体部60のみに取り付けられており、第2着脱部91は、第2支持本体部90のみに取り付けられていることから、上記の通り従来の上記公報に記載された2個のズレ防止用ベルト着脱部材に取り付けられた一対のズレ防止用ベルトと、一対の連結ベルトとの張力のバランスを保つ必要がなく後述するように第1支持本体部60と第2支持本体部90のみを引き上げるようにすることで容易にそのあご用サポーター10″を使用者に装着することができる。
【0058】
第1支持部50は、上記の通り、本体部20″における第1本体部25″を支持するものである。具体的には、第1後枝部66の下端部66aは、第1本体部25″における上端部26″と接続されている(
図12A参照)。また、第1支持部50における第1前枝部65の下端部65aは、第1本体部25″における上端部26″と接続されている(
図12B参照)。なお、この接続は、第1本体部25″の表面に接続されているので使用者にこのあご用サポーター10″を装着したときに、不快感を軽減することができる、またこの接続は、接着あるいは縫製とすることができる。
【0059】
第2支持部80は、上記の通り、本体部20″における第2本体部35″を支持するものである。具体的には、第2後枝部96の下端部96aは、第2本体部35″における上端部36″と接続されている(
図12C参照)。また、第2支持部80における第2前枝部95の下端部95aは、第2本体部35″における上端部36″と接続されている(
図12D参照)。なお、この接続は、第2本体部35″の表面に接続されているので使用者にこのあご用サポーター10″を装着したときに、不快感を軽減することができる、またこの接続は、接着あるいは縫製とすることができる。
【0060】
なお、あご用サポーター10″も使用者Pに装着したときに第1支持部50および第2支持部80は、それぞれその使用者の側頭部PS、PSに接触するように配置される。したがって、第1前枝部65と第1後枝部66との間の空所X1と、第2前枝部95と第2後枝部96との間の空所X2にそれぞれ使用者Pの耳PE、PEがそれぞれ配置されるように構成されている(図示しない)。
【0061】
このように上記の構成において、あご用サポーター10″における第1支持部50と第2支持部80は上記の通り、第1着脱部61と第2着脱部91とを係止すると、本体部20″に対してほぼ垂直方向に引き上げるように配置されているために、使用者Pのあご部分PTを上方Uへけん引するする力を発揮することができ、あご部分PTを引き締めることができる。また、あご部分PTの動きを固定することもできる。
【0062】
また、第3実施例のあご用サポーター10″についても、第2実施例のあご用サポーター10′と同様に耳PEの後方Bに配置された第1後枝部66よりも、耳PEの前方Fに配置された第1前枝部65の幅を太く構成することが好ましく、同様に、耳PEの後方Bに配置された第2後枝部96よりも、耳PEの前方Fに配置された第2前枝部95の幅を太く構成することが好ましい(図示しない)。使用者Pの耳PEの前側からほほにかけて確実にカバーすることができるからである。
【0063】
このように、第1前枝部65は、使用者Pの耳PEの前側すなわち前方F方向に配置され、第1後枝部66は使用者Pの耳PEの後ろ側すなわち後方B方向に配置されている。また同様に、第2前枝部95は、使用者Pの耳PEの前側すなわち前方F方向に配置され、第2後枝部96は使用者Pの耳PEの後ろ側すなわち後方B方向に配置されている。したがって、第1支持部50と第2支持部80は、使用者Pの耳PE、PEの挟むように配置することができるので、本体部20に対する相対的位置が定まり、あご用サポーター10″を使用者Pに装着したときに位置ずれしにくくなるというものであることは、第1実施例のあご用サポーター10および第2実施例のあご用サポーター10′と同様である。
【0064】
また、第3実施例のあご用サポーター10″も第1実施例のあご用サポーター10と同様に装着感や伸縮性の観点から綿主体のものが好ましく、例えば、綿95%ポリウレタン(スパンデックス)5%のものあるいは、綿90%ラテックス10%のものが好ましい。もっとも、綿以外の素材でも好ましい。例えば伸縮性を有するナイロン45%ポリウレタン(スパンデックス)55%のものが好ましい。
【0065】
次に、上記構成の第1実施例のあご用サポーター10を使用者Pに装着する方法について念のため説明する。本体部20における顎接触部21と使用者Pのあご部分PTにあてがうように接触させ、その状態で左端部28における面ファスナー29aと、右端部37の裏面の面ファスナー37aとを使用者Pの首の後ろPKで係止する(
図14参照)。
【0066】
次に、第1支持部50および第2支持部80は、それぞれその使用者Pの側頭部PS,PSに接触するように配置し、第1前枝部65と第1後枝部66との間の空所X1と、第2前枝部95と第2後枝部96との間の空所x2にそれぞれ使用者Pの耳PE、PEをそれぞれ配置し(
図15、16参照)、第1支持部50における第1着脱部61と第2支持部80における第2着脱部91とを係止することで、あご用サポーター10を使用者Pに装着する。このとき使用者Pの後頭部PCは、あご用サポーター10の各部が覆わないために髪の長い使用者であっても装着しやすいというものである。とくに、上述の通り、第1本体部25における右端部27の縦方向の幅(右方向Rあるいは左方向Lとは垂直方向)よりも左端部28の縦方向の幅を狭く構成し、また、第2本体部35における右端部37の縦方向の幅(右方向Rあるいは左方向Lとは垂直方向)よりも左端部38の縦方向の幅を狭く構成しているので、装着時においてこれらの部位が後頭部PCにおいて、その接触する面積を可及的に小とすることによって装着性および快適性を確保することができる。
【0067】
また同様に上記構成の第2実施例のあご用サポーター10′を使用者Pに装着する方法について念のため説明する。第2実施例の本体部20′における顎接触部21′と使用者Pのあご部分PTにあてがうように接触させ、その状態で左端部28′における面ファスナー29a′と、右端部37′の裏面の面ファスナー37a′とを使用者Pの首の後ろPKで係止する(
図18参照)。
【0068】
次に、第1支持部50および第2支持部80は、それぞれその使用者Pの側頭部PS,PSに接触するように配置し、第1前枝部65と第1後枝部66との間の空所X1と、第2前枝部95と第2後枝部96との間の空所X2にそれぞれ使用者Pの耳PE、PEをそれぞれ配置し(
図19、20参照)、第1支持部50における第1着脱部61と第2支持部80における第2着脱部91とを係止することで、あご用サポーター10′を使用者Pに装着する。このとき使用者Pの後頭部PCは、あご用サポーター10′の各部が覆わないために髪の長い使用者であっても装着しやすいというものである。また、第1実施例における第1本体部25および第2本体部35よりも、第2実施例における第1本体部25′および第2本体部35′は、太く構成しているために、使用者Pのあご部分PTを確実に保護することができる。なお、上記構成の第3実施例のあご用サポーター10″を使用者Pに装着する方法については、第1実施例のあご用サポーター10とほぼ同様であるためにその説明を省略する。
【0069】
10 第1実施例のあご用サポーター
10′第2実施例のあご用サポーター
10″第3実施例のあご用サポーター
20 本体部
20′ 第2実施例の本体部
20″ 第3実施例の本体部
21 21′21″顎接触部
25 25′25″第1本体部
26 26′26″上端部
27 27′27″右端部
28 28′28″左端部
29 29′28″下端部
35 35′35″第2本体部
36 36′36″上端部
37 37′37″右端部
38 38′38″左端部
39 39′39″下端部
50 第1支持部
60 第1支持本体部
61 第1着脱部
65 第1前枝部
66 第1後枝部
80 第2支持部
90 第2支持本体部
91 第2着脱部
95 第2前枝部
96 第2後枝部
100 第1見返し部
200 第2見返し部
P 使用者
PT あご部分