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<図1>
  • 特開-エクステンションユニット 図1
  • 特開-エクステンションユニット 図2
  • 特開-エクステンションユニット 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054024
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】エクステンションユニット
(51)【国際特許分類】
   B60R 22/18 20060101AFI20240409BHJP
   B60R 22/26 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
B60R22/18
B60R22/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160595
(22)【出願日】2022-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】古川 寿也
【テーマコード(参考)】
3D018
【Fターム(参考)】
3D018BA08
3D018BA11
3D018BA12
3D018CA05
3D018CB01
3D018CB06
(57)【要約】
【課題】装着性を改善し、シートベルト装置と同等の拘束性を維持する。
【解決手段】第1のタングプレートと係合し、ウエビングベルト40を保持する第1の保持部11と、ウエビングベルト40の終端部を固定する固定部12とを有するバックル部10と、バックル本体と係合する第2のタングプレート21と第2の結合部30と係合する第3のタングプレート22とを有する第1の結合部20と、バックル部10と第1の結合部20との間に配置され、第1の結合部20と結合する第2の結合部30と、バックル部10と第1の結合部20とを連結するウエビングベルト40と、を備え、第2の結合部30は、バックル部10に対して、車幅方向内側に、操作者の手の厚みに対応して重なり合わない投影領域を有するように配置されるとともに、第1の保持部11から固定部12に延びるウエビングベルト40を保持する第2の保持部31を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートベルト装置の第1のタングプレートと係合するバックル部と、
前記シートベルト装置のバックル本体と係合する第2のタングプレートを含む第1の結合部と、
前記バックル部と前記第1の結合部との間に配置され、前記第1の結合部と結合する結合機構を含む第2の結合部と、
前記バックル部と前記第1の結合部とを連結するウエビングベルトと、
を備え、
前記バックル部は、前記第1の結合部から延びる前記ウエビングベルトの一部を保持する第1の保持部と、前記ウエビングベルトの終端部を固定する固定部と、を有し、
前記第1の結合部は、前記第2の結合部の前記結合機構と係合する第3のタングプレートを有し、
前記第2の結合部は、前記バックル部に対して、車幅方向内側に、操作者の手の厚みに対応して重なり合わない投影領域を有するように配置されるとともに、前記第1の保持部から前記固定部に延びる前記ウエビングベルトの一部を保持する第2の保持部を有することを特徴とするエクステンションユニット。
【請求項2】
前記バックル部の車幅方向外側の面は、前記車幅方向内側に凸となる曲面状の壁となっていることを特徴とする請求項1に記載のエクステンションユニット。
【請求項3】
前記バックル部に前記シートベルト装置の前記第1のタングプレートが係合されると、前記シートベルト装置の前記第1のタングプレートと前記第1の保持部との間で、前記ウエビングベルトの一部が係止されることを特徴とする請求項1または2に記載のエクステンションユニット。
【請求項4】
前記バックル部は、前記車幅方向内側に凸となる曲面状の壁の裏面側に前記シートベルト装置の前記第1のタングプレートとの係合を解除する上下方向に移動可能な押し子を有するボタンを備え、前記固定部は、前記押し子の側面に設けられ、前記第2の保持部は、上下方向に移動可能に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のエクステンションユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エクステンションユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車等の車体には、乗員の安全を図るために、シートベルト装置が取付けられている。
このシートベルト装置には、乗員に装着されるウエビングを着脱可能にロックするバックル装置が設けられている。
このバックル装置は、一般的に、ウエビング(ベルト)に挿通されたタングプレートと、タングプレートが挿脱されると共に、挿入されたタングプレートをロックするバックル本体と、を備えて構成されている。
バックル本体は、バックルベースと、タングプレートをバックルベースに着脱するためのラッチ機構と、ラッチ機構を包囲するバックルカバーとからなる。
バックルベースは、他端がウエビング、ブラケット或いはワイヤ等を介して車体に固定されており、車両衝突時にウエビングに作用する引っ張り荷重を車体に伝える。
また、ラッチ機構はタングプレートのバックルベースへの着脱を自在にし、シートベルト装置の装着及び解放を容易に行えるようにするものであり、タングプレートをバックルベース内に差し込むことにより、錠止部材(ラッチ部材)がタングプレートのラッチ係合孔に係合してタングプレートの抜き出しが防止される。
【0003】
また、通常のシートベルト用ウエビングでは長さが不十分である乗員用にエクステンションユニット(エクステンダーベルト)がディーラー等によって用意されている。
このエクステンダーベルトは、車両に装備されているシートベルト装置中のタングプレートとバックル本体との間に挿入されることにより、上述の通常のシートベルト用ウエビングでは長さが不十分である乗員を拘束する。
【0004】
この種の技術として、エクステンションユニットバックル本体の長手方向に慣性力や衝撃荷重が作用した場合に、タングプレート係合状態をより確実に維持することを目的に、バックル本体に、バックルベースと、当該バックルベースに支持され、挿入されたタングプレートと係合して該タングプレートの抜き出し方向への移動を阻止するロック状態をとりうるラッチ部材と、前記バックル本体に慣性力や衝撃荷重が作用した際に当該タングプレートのロック状態を保持する保持機構と、前記タングプレートとラッチ部材との係合を解除させる解除部材を備え、当該バックル本体がウエビングを介して車体に取付けられてなるシートベルト装置に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-196181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、エクステンションユニットは、主として、かなり体格の大きい乗員が用いるものであり、体格がかなり大きいと、インナーベルトが体型で隠されてしまい目視できないために、装着性に課題があった。
また、エクステンションユニットを用いると、乗員の胴体部と骨盤部とを拘束するアウターベルトの折返し点が、想定位置より移動する事になって、衝突時の拘束力を弱め、衝突中の上半身の挙動が不安定となる拘束性に関する課題もあった。
【0007】
そこで、本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、装着性を改善するとともに、一般的なシートベルト装置と同等の拘束性を維持するエクステンションユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、シートベルト装置の第1のタングプレートと係合するバックル部と、前記シートベルト装置のバックル本体と係合する第2のタングプレートを含む第1の結合部と、前記バックル部と前記第1の結合部との間に配置され、前記第1の結合部と結合する結合機構を含む第2の結合部と、前記バックル部と前記第1の結合部とを連結するウエビングベルトと、を備え、前記バックル部は、前記第1の結合部から延びる前記ウエビングベルトの一部を保持する第1の保持部と、前記ウエビングベルトの終端部を固定する固定部と、を有し、前記第1の結合部は、前記第2の結合部の前記結合機構と係合する第3のタングプレートを有し、前記第2の結合部は、前記バックル部に対して、車幅方向内側に、操作者の手の厚みに対応して重なり合わない投影領域を有するように配置されるとともに、前記第1の保持部から前記固定部に延びる前記ウエビングベルトの一部を保持する第2の保持部を有することを特徴とするエクステンションユニットを提案している。
【0009】
形態2;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記バックル部の車幅方向外側の面は、前記車幅方向内側に凸となる曲面状の壁となっていることを特徴とするエクステンションユニットを提案している。
【0010】
形態3;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記バックル部に前記シートベルト装置の前記第1のタングプレートが係合されると、前記シートベルト装置の前記第1のタングプレートと前記第1の保持部との間で、前記ウエビングベルトの一部が係止されることを特徴とするエクステンションユニットを提案している。
【0011】
形態4;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記バックル部は、前記車幅方向内側に凸となる曲面状の壁の裏面側に前記シートベルト装置の前記第1のタングプレートとの係合を解除する上下方向に移動可能な押し子を有するボタンを備え、前記固定部は、前記押し子の側面に設けられ、前記第2の保持部は、上下方向に移動可能に形成されていることを特徴とするエクステンションユニットを提案している。
【発明の効果】
【0012】
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、装着性を改善するとともに、一般的なシートベルト装置と同等の拘束性を維持することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るエクステンションユニットを乗員が装着した場合の車両車幅方向から見た側面図である。
図2】本発明の実施形態に係るエクステンションユニットをシートベルト装置に結合した状態の車両前後方向の断面図である。
図3】本発明の実施形態に係るエクステンションユニットの具体的な形状を示す斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係るエクステンションユニットの第1の結合部と第2の結合部とを連結した状態の車両前後方向の断面図である。
図5】本発明の実施形態に係るエクステンションユニットのバックル部の内部構造を示す車両前後方向の断面図である。
図6】本発明の実施形態に係るエクステンションユニットのバックル部および第2の結合部の内部構造を示す車両前後方向の断面図である。
図7】本発明の実施形態に係るエクステンションユニットの第2の保持部の内部構造を示す車両前後方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態>
図1から図7を用いて、本実施形態に係るエクステンションユニット1について説明する。
なお、図面に適宜示される矢印FRは、車両前方(正面)を示し、矢印UPは正面視上方を示し、矢印FRは正面視車両前方を示している。また、以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、正面視での上下方向、正面視での前後方向、正面視での左右方向を示すものとする。
【0015】
<エクステンションユニット1について>
本実施形態に係るエクステンションユニット1は、図1に示すように、乗員CRが車両に乗車し、シート2に着座する際に使用するものであって、シートベルト装置のタングプレートとシートベルト装置のバックル本体の間に介在し、後述するように、伸縮自在に可動する。
以下、図面を用いて、エクステンションユニット1について説明する。
【0016】
<エクステンションユニット1の構成>
図2に示すように、本実施形態に係るエクステンションユニット1は、バックル部10と、第1の結合部20と、第2の結合部30と、ウエビングベルト40と、を含んで構成されている。
【0017】
(バックル部10について)
図2に示すように、バックル部10は、シートベルト装置50の第1のタングプレート51と係合する。
具体的には、バックル部10は、図示しないバックルベースと、シートベルト装置50の第1のタングプレート51をバックルベースに着脱するためのラッチ機構と、ラッチ機構を包囲するバックルカバー等から構成されている。
また、バックル部10には、図2に示すように、第1の結合部20から延びるウエビングベルト40の一部を保持する第1の保持部11と、ウエビングベルト40の終端部を固定する固定部12と、後述する第2の保持部31から固定部12に延びるウエビングベルト40の一部を保持する第3の保持部13と、が設けられている。
第1の保持部11および第3の保持部13は、ウエビングベルト40の幅よりも長く、例えば、金属や樹脂等からなるピン状の棒材であって、一端がバックル部10の内壁等に接着あるいは溶着され、固定されている。
また、バックル部10には、図2に示すように、シートベルト装置50の第1のタングプレート51との係合を解除する、上下方向に移動可能な押し子が連結されたボタン14が設けられ、押し子の側面に固定部12が設けられ、ウエビングベルト40の終端部が固着されている。
そして、第3の保持部13は、図2に示すように、押し子の近傍に配置されている。
さらに、第1の結合部20から延びるウエビングベルト40は、図2に示すように、シートベルト装置50の第1のタングプレート51が、バックル部10に係合すると、第1の保持部11とシートベルト装置50の第1のタングプレート51の先端部とに挟まれるような状態で係止される。
また、図3に示すように、バックル部10の車幅方向外側の面は、車幅方向内側に凸となる曲面状の壁10Wが設けられている。
【0018】
(第1の結合部20について)
図2に示すように、第1の結合部20は、例えば、樹脂等により形成されており、シートベルト装置50のバックル52本体の上部に配設され、シートベルト装置50のバックル52本体と係合する第2のタングプレート21と、後述する第2の結合部30と係合する第3のタングプレート22とを備えている。
【0019】
(第2の結合部30について)
図2に示すように、第2の結合部30は、バックル部10と第1の結合部20との間に配置され、第1の結合部20とウエビングベルト40を介してバックル部10と結合する結合機構と、第2の結合部30の第3のタングプレート22と係合する係合機構と、を備えている。
第2の結合部30は、バックル部10に対して、車幅方向内側に、操作者の手の厚みに対応して重なり合わない投影領域を有するように配置されるとともに、第1の保持部11から固定部12に延びるウエビングベルト40の一部を保持する結合機構としての第2の保持部31を有している。
第2の保持部31は、ウエビングベルト40の幅よりも長く、例えば、金属や樹脂等からなるピン状の棒材であって、一端が付勢され、外力によって、上下方向に移動可能となっている。
第2の保持部31の一端は、図7に示すように、U字状の弾性部材31aの中央部が下向きに接合し、U字状の弾性部材31aの両先端部には、例えば、楕円状の嵌合部材31bの一端部が結合し、楕円状の部材の他端部は、ロック時に、第1の結合部20の第3のタングプレート22に設けられた凹部31cに嵌合している。
係合機構は、図示しないバックルベースと、第1の結合部20の第3のタングプレート22をバックルベースに着脱するためのラッチ機構と、ラッチ機構を包囲するバックルカバー等から構成されている。
【0020】
(ウエビングベルト40について)
図2に示すように、ウエビングベルト40は、バックル部10と第1の結合部20とを連結する。
ウエビングベルト40は、引張強度を保持するために、例えば、ポリエステル素材を幾重にも編み込んだ素材等により構成されている。
【0021】
<エクステンションユニット1を用いたシートベルト装着時のエクステンションユニット1の挙動>
以下、図2から図4を用いて、本実施形態に係るエクステンションユニット1を用いたシートベルト装着時のエクステンションユニット1の挙動について説明する。
【0022】
エクステンションユニット1は、シートベルト装置50のバックル52本体に、エクステンションユニット1の第1の結合部20に設けられた第2のタングプレート21が係合された状態で用いられる。
【0023】
乗員CRは、上記の状態からシート2に着座すると、エクステンションユニット1のバックル部10を片方の手で包み込むように保持し、もう一方の手で、シートベルト装置50の第1のタングプレート51を引き寄せて、エクステンションユニット1のバックル部10に係合させて、ロックする。
【0024】
このとき、第1の結合部20から延びるウエビングベルト40は、エクステンションユニット1のバックル部10内の第1の保持部11とシートベルト装置50の第1のタングプレート51の先端部とに挟まれるような状態で係止される。
【0025】
次いで、乗員CRは、バックル部10の車幅方向外側の面に形成された車幅方向内側が凸となる曲面状の壁10Wに手CRHのひらをあてがうように、手CRHを差し入れ、エクステンションユニット1の第2の結合部30におけるバックル部10に対して、重なり合わない投影領域に指をあて、エクステンションユニット1の第2の結合部30を下向きに押し込むような動作をする。
【0026】
そうすると、バックル部10と第1の結合部20とを連結するウエビングベルト40が乗員CRの手CRHによる下向きの力によって、巻き取られながら、エクステンションユニット1の第2の結合部30が第1の結合部20に近づいてゆき、図4に示すように、第1の結合部20に設けられた第3のタングプレート22が第2の結合部30の係合機構に嵌合して、ロックされると、装着が完了する。
【0027】
<エクステンションユニット1を用いたシートベルト脱着時のエクステンションユニット1の挙動>
以下、図4から図7を用いて、本実施形態に係るエクステンションユニット1を用いたシートベルト脱着時のエクステンションユニット1の挙動について説明する。
【0028】
エクステンションユニット1を用いたシートベルトの脱着時には、乗員CRがエクステンションユニット1のバックル部10に設けられたバックル部10とシートベルト装置50の第1のタングプレート51との係合を解除する上下方向に移動可能な押し子が連結されたボタン14を押下する。
【0029】
乗員CRがボタン14を押下すると、図5に示すように、押し子の側面には、ウエビングベルト40の終端部を固定する固定部12が設けられているため、図6に示すように、押し子がボタン14の操作により下方に押し下げられる(1)と、ウエビングベルト40の終端部が上向きに引っ張られ、矢印(2)方向に張力が発生する。
【0030】
また、乗員CRによるボタン14の操作により、シートベルト装置50の第1のタングプレート51とエクステンションユニット1のバックル部10の係合が解除されると、エクステンションユニット1のバックル部10内の第1の保持部11とシートベルト装置50の第1のタングプレート51の先端部とに挟まれるような状態で係止されていたウエビングベルト40の係止も解除され、矢印(2)方向の張力により、第2の保持部31の位置が、図6に示すように、黒丸の位置から白丸の位置に上方向に変位する。
【0031】
第2の保持部31の位置が図6に示すように、上方向に変位すると、図7に示すように、第2の保持部31の一端に中央部が下向きになって接合しているU字状の弾性部材31aが上向きに持ち上がることになって、U字状の弾性部材31aの両先端部に結合している楕円状の嵌合部材31bの他端部と第1の結合部20と係合する第3のタングプレート22の凹部31cとの嵌合が解除され、エクステンションユニット1が脱着状態となり、元の形態に戻るようになる。
【0032】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係るエクステンションユニット1は、シートベルト装置50の第1のタングプレート51と係合するバックル部10と、シートベルト装置50のバックル52本体と係合する第2のタングプレート21を含む第1の結合部20と、バックル部10と第1の結合部20との間に配置され、第1の結合部20と結合する結合機構を含む第2の結合部30と、バックル部10と第1の結合部20とを連結するウエビングベルト40と、を備え、バックル部10は、第1の結合部20から延びるウエビングベルト40の一部を保持する第1の保持部11と、ウエビングベルト40の終端部を固定する固定部12と、を有し、第1の結合部20は、第2の結合部30の結合機構と係合する第3のタングプレート22を有し、第2の結合部30は、バックル部10に対して、車幅方向内側に、操作者の手の厚みに対応して重なり合わない投影領域を有するように配置されるとともに、第1の保持部11から固定部12に延びるウエビングベルト40の一部を保持する第2の保持部31を有する。
つまり、第1の結合部20からバックル部10に延びるウエビングベルト40は、第1の保持部11と第2の保持部31とを介して、その終端部がバックル部10の固定部12において固定されているため、バックル部10と第2の結合部30とは、ウエビングベルト40の張力により連結されることになる。
また、第2の結合部30は、バックル部10に対して、車幅方向内側に、操作者の手CRHの厚みに対応して重なり合わない投影領域を有して配置されているため、操作者である乗員CRの手CRHにより、第2の結合部30が下向きに押されると、ウエビングベルト40の張力によって、やがて第1の結合部20に設けられた第3のタングプレート22が第2の結合部30の結合機構と係合し、ロック状態となる。
したがって、操作者である乗員CRは、第2の結合部30の投影領域に手CRHを差し入れ、下向きに押す操作をするだけで、簡単に、エクステンションユニット1を含むシートベルトを装着することができる。
また、操作者である乗員CRが、第2の結合部30の投影領域に手CRHを挿し入れ、下向きに押す操作を行うことによって、第1の結合部20と第2の結合部30とが係合するとロック状態となるため、通常のシートベルトの支点と、ほぼ同等の支点を維持することができる。
そのため、装着性を改善するとともに、一般的なシートベルト装置50と同等の拘束性を維持することができる。
【0033】
また、本実施形態に係るエクステンションユニット1は、バックル部10の車幅方向外側の面が車幅方向内側に凸となる曲面状の壁10Wとなっている。
つまり、この曲面状の壁10Wが、操作者である乗員CRが挿し入れる手CRHをガイドするとともに、操作者である乗員CRの手CRHを包み込むように保持する。
そのため、操作者である乗員CRが、第2の結合部30の投影領域に手CRHを挿し入れ、下向きに押す操作を行うだけで、ロック動作を完結することができるため、装着性を大幅に改善することができる。
【0034】
また、本実施形態に係るエクステンションユニット1は、バックル部10にシートベルト装置50の第1のタングプレート51が係合されると、シートベルト装置50の第1のタングプレート51と第1の保持部11との間で、ウエビングベルト40の一部が係止される。
つまり、シートベルト装置50の第1のタングプレート51と第1の保持部11との間で、ウエビングベルト40の一部が係止されると第1の結合部20から延びるウエビングベルト40に張力が発生する。
そして、この張力は、操作者である乗員CRが、第2の結合部30の投影領域に手CRHを挿し入れ、下向きに押す操作方向の安定性に寄与する。
そのため、操作者である乗員CRが、第2の結合部30の投影領域に手CRHを挿し入れ、下向きに押す操作を行うだけで、ロック動作を完結することができるため、装着性を大幅に改善することができる。
【0035】
また、本実施形態に係るエクステンションユニット1は、バックル部10が、車幅方向外側に凸となる曲面状の壁10Wの裏面側にシートベルト装置50の第1のタングプレート51との係合を解除する上下方向に移動可能な押し子を有するボタン14を備え、固定部12は、押し子の側面に設けられ、第2の保持部31は、上下方向に移動可能に形成されている。
つまり、バックル部10が、シートベルト装置50の第1のタングプレート51との係合を解除する上下方向に移動可能な押し子を有するボタン14を備え、固定部12は、押し子の側面に設けられ、第2の保持部31は、上下方向に移動可能に形成されている。
すなわち、乗員CRがボタン14を押下すると、押し子の側面には、ウエビングベルト40の終端部を固定する固定部12が設けられているため、押し子がボタン14の操作により下方に押し下げられると、ウエビングベルト40の終端部が引っ張られ、下方向に張力が発生する。
また、乗員CRによるボタン14の操作により、シートベルト装置50の第1のタングプレート51とエクステンションユニット1のバックル部10の係合が解除されると、エクステンションユニット1のバックル部10内の第1の保持部11とシートベルト装置50の第1のタングプレート51の先端部とに挟まれるような状態で係止されていたウエビングベルト40の係止も解除され、上方向の張力により、第2の保持部31の位置が、上方向に変位する。
第2の保持部31の位置が、上方向に変位すると、第2の保持部31の一端に中央部が下向きになって接合しているU字状の弾性部材31aが上向きに持ち上がることになって、U字状の弾性部材31aの両先端部に結合している楕円状の嵌合部材31bの他端部と第1の結合部20と係合する第3のタングプレート22の凹部31cとの嵌合が解除され、エクステンションユニット1が脱着状態となり、元の形態に戻るようになる。
そのため、装着性を改善するとともに、一般的なシートベルト装置50と同等の拘束性を維持することができる。
【0036】
<変形例1>
本実施形態において、エクステンションユニット1は、バックル部10の車幅方向外側の面が車幅方向内側に凸となる曲面状の壁10Wを有することを示したが、操作者である乗員CRが挿し入れる手CRHとは、別の手で、バックル部10を保持するよう曲面状の壁10Wの両側に、グリップ部を設けるようにしてもよい。
このような構造とすることにより、乗員CRは、挿し入れる手CRHとは、別の手で、バックル部10を保持した状態で、第2の結合部30の投影領域に手CRHを挿し入れることができるため、装着時の操作を安定して行うことが可能となる。
【0037】
<変形例2>
本実施形態において、エクステンションユニット1は、バックル部10の車幅方向外側の面が車幅方向内側に凸となる曲面状の壁10Wを有することを示したが、これに代えて、内部空間が、乗員CRが挿し入れる手CRHの横幅や厚みに適応する筒状体を車幅方向外側の面に連結させて設けてもよい。
このような構造とすることにより、第2の結合部30の投影領域に手CRHを挿し入れる手を安定させて操作を行うことが可能となる。
【0038】
以上、この発明の実施形態について、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0039】
1;エクステンションユニット
2;シート
10;バックル部
11;第1の保持部
12;固定部
13;第3の保持部
14;ボタン
20;第1の結合部
21;第2のタングプレート
22;第3のタングプレート
30;第2の結合部
31;第2の保持部
31a;弾性部材
31b;嵌合部材
40;ウエビングベルト
50;シートベルト装置
51;第1のタングプレート
52;バックル
10W;壁
CR;乗員
CRH;乗員の手
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7