(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005407
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】抵抗検出センサ
(51)【国際特許分類】
G01N 27/06 20060101AFI20240110BHJP
G01R 27/22 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
G01N27/06 B
G01R27/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105583
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000229737
【氏名又は名称】日本ピラー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 賢司
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】中津 彰
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 健太郎
【テーマコード(参考)】
2G028
2G060
【Fターム(参考)】
2G028AA01
2G028BC04
2G028CG02
2G028DH03
2G028DH04
2G028HN03
2G028HN09
2G060AA05
2G060AF02
2G060AF03
2G060AF07
2G060AG03
2G060AG11
2G060FA01
2G060HA01
2G060HA02
2G060HA07
(57)【要約】
【課題】液体の電気抵抗値の検出精度の低下を抑制可能な抵抗検出センサを提供する。
【解決手段】抵抗検出センサは、液体の電気抵抗値を検出する。この抵抗検出センサは、一対の電極と、直流電圧印加部と、交流電圧印加部と、制御部とを備える。一対の電極は、液体に浸漬される。直流電圧印加部は、一対の電極間に第1極性の直流電圧を印加する。交流電圧印加部は、一対の電極間に交流電圧を印加する。制御部は、直流電圧印加部によって一対の電極間に直流電圧が印加された状態で、液体の電気抵抗値を演算する。制御部は、第1極性と逆の第2極性から始まる交流電圧を一対の電極間に所定時間間隔で印加するように交流電圧印加部を制御する。交流電圧印加部によって一対の電極間に交流電圧が印加される時間は、一対の電極間に印加される交流電圧の周期の整数倍ではない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の電気抵抗値を検出する抵抗検出センサであって、
前記液体に浸漬される一対の電極と、
前記一対の電極間に第1極性の直流電圧を印加する直流電圧印加部と、
前記一対の電極間に交流電圧を印加する交流電圧印加部と、
前記直流電圧印加部によって前記一対の電極間に直流電圧が印加された状態で、前記液体の電気抵抗値を演算する制御部とを備え、
前記制御部は、前記第1極性と逆の第2極性から始まる交流電圧を前記一対の電極間に所定時間間隔で印加するように前記交流電圧印加部を制御し、
前記交流電圧印加部によって前記一対の電極間に交流電圧が印加される時間は、前記一対の電極間に印加される交流電圧の周期の整数倍ではない、抵抗検出センサ。
【請求項2】
前記交流電圧印加部によって前記一対の電極間に交流電圧が印加される時間は、前記一対の電極間に印加される交流電圧の周期の半分の時間に、前記一対の電極間に印加される交流電圧の周期の整数倍の時間を加算した時間である、請求項1に記載の抵抗検出センサ。
【請求項3】
オペアンプをさらに備え、
前記抵抗検出センサにおいては、前記オペアンプを含む増幅回路が構成され、
前記一対の電極の一方の電極は前記オペアンプの入力側に接続され、前記一対の電極の他方の電極は前記オペアンプの出力側に接続され、
前記制御部は、前記オペアンプの出力電圧に基づいて前記液体の電気抵抗値を演算する、請求項1又は請求項2に記載の抵抗検出センサ。
【請求項4】
前記液体の電気抵抗値の演算が行なわれる周期と、前記一対の電極間に交流電圧が印加される周期とは同一である、請求項1又は請求項2に記載の抵抗検出センサ。
【請求項5】
前記液体は、液体潤滑剤である、請求項1又は請求項2に記載の抵抗検出センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗検出センサに関する。
【背景技術】
【0002】
特許第3769119号公報(特許文献1)は、液体の純度監視装置を開示する。この純度監視装置はセンサ部を含む。センサ部においては増幅器が構成され、センサ部は内部電極と外部電極とを含む。この純度監視装置においては、内部電極と外部電極とが液体に浸けられた状態で、電極間に電圧が印加され、増幅器の出力電圧に基づいて液体の電気抵抗値が演算される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されている技術においては、例えば、水分を含む液体の電気抵抗値の演算時に、電極間に交流電圧が印加される。しかしながら、電極間に交流電圧を印加することにより液体の電気抵抗値を演算する方法における電気抵抗値の検出精度は、電極間に直流電圧を印加することにより液体の電気抵抗値を演算する方法における電気抵抗値の検出精度よりも低いことが一般的に知られている。また、電極間に交流電圧を印加することにより液体の電気抵抗値を演算する方法における電気抵抗値の測定範囲(例えば、10-3-108)は、電極間に直流電圧を印加することにより液体の電気抵抗値を演算する方法における電気抵抗値の測定範囲(例えば、10-8-1016)よりも狭いことが一般的に知られている。
【0005】
一方、例えば、水分を含む液体の電気抵抗値の演算のために電極間に直流電圧が印加されると、液体中の水の電気分解、及び、液体を構成する成分の分極が促進される。その結果、例えば、各電極表面において酸化生成物又は気体が発生し、電気抵抗値の演算結果に誤差が生じる。すなわち、電気抵抗値の検出精度が低下する。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、液体の電気抵抗値の検出精度の低下を抑制可能な抵抗検出センサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従う抵抗検出センサは、液体の電気抵抗値を検出する。この抵抗検出センサは、一対の電極と、直流電圧印加部と、交流電圧印加部と、制御部とを備える。一対の電極は、液体に浸漬される。直流電圧印加部は、一対の電極間に第1極性の直流電圧を印加する。交流電圧印加部は、一対の電極間に交流電圧を印加する。制御部は、直流電圧印加部によって一対の電極間に直流電圧が印加された状態で、液体の電気抵抗値を演算する。制御部は、第1極性と逆の第2極性から始まる交流電圧を一対の電極間に所定時間間隔で印加するように交流電圧印加部を制御する。交流電圧印加部によって一対の電極間に交流電圧が印加される時間は、一対の電極間に印加される交流電圧の周期の整数倍ではない。
【0008】
この抵抗検出センサにおいては、第1極性と逆の第2極性から始まる交流電圧が一対の電極間に所定時間間隔で印加され、一対の電極間に交流電圧が印加される時間が一対の電極間に印加される交流電圧の周期の整数倍ではない。したがって、この抵抗検出センサによれば、液体の電気抵抗値の演算のために印加される電圧の極性と逆の極性の電圧が一対の電極間に所定時間間隔で印加されるため、分極の発生を抑制することができる。その結果、この抵抗検出センサによれば、液体の電気抵抗値の検出精度の低下を抑制することができる。
【0009】
上記抵抗検出センサにおいて、交流電圧印加部によって一対の電極間に交流電圧が印加される時間は、一対の電極間に印加される交流電圧の周期の半分の時間に、一対の電極間に印加される交流電圧の周期の整数倍の時間を加算した時間であってもよい。
【0010】
この抵抗検出センサによれば、液体の電気抵抗値の演算のために印加される電圧の極性と逆の極性の電圧が一対の電極間に最大限印加されるため、分極の発生をより抑制することができる。その結果、この抵抗検出センサによれば、液体の電気抵抗値の検出精度の低下をより抑制することができる。
【0011】
上記抵抗検出センサは、オペアンプをさらに備え、抵抗検出センサにおいては、オペアンプを含む増幅回路が構成され、一対の電極の一方の電極はオペアンプの入力側に接続され、一対の電極の他方の電極はオペアンプの出力側に接続され、制御部は、オペアンプの出力電圧に基づいて液体の電気抵抗値を演算してもよい。
【0012】
上記抵抗検出センサにおいて、液体の電気抵抗値の演算が行なわれる周期と、一対の電極間に交流電圧が印加される周期とは同一であってもよい。
【0013】
この抵抗検出センサによれば、液体の電気抵抗値の演算が行なわれる周期と一対の電極間に交流電圧が印加される周期とが同一であるため、分極の発生を都度抑制することができる。その結果、この抵抗検出センサによれば、液体の電気抵抗値の検出精度の低下を抑制することができる。
【0014】
上記抵抗検出センサにおいて、液体は、液体潤滑剤であってもよい。
【0015】
この抵抗検出センサによれば、液体潤滑剤の電気抵抗値の演算のために印加される電圧の極性と逆の極性の電圧が一対の電極間に所定時間間隔で印加されるため、分極の発生を抑制することができる。その結果、この抵抗検出センサによれば、液体潤滑剤の電気抵抗値の検出精度の低下を抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、液体の電気抵抗値の検出精度の低下を抑制可能な抵抗検出センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】抵抗検出センサの一部の電気的構成を模式的に示す図である。
【
図2】仮に所定時間間隔で交流電圧が印加されない場合に、どのような問題が生じるかを説明するための図である。
【
図3】所定時間間隔で電極間に交流電圧を印加することによる効果を説明するための図である。
【
図4】センサ部及び制御部の各々における動作を説明するための図である。
【
図5】抵抗検出センサにおける動作手順の一例を示すフローチャートである。
【
図6】電極間に交流電圧が印加される時間が交流電圧の周期の半分の時間である例について説明するための図である。
【
図7】抵抗検出部において用いられる各電極の他の例を模式的に示す図である。
【
図8】他の実施の形態である抵抗検出センサの一部の電気的構成を模式的に示す図である。
【
図9】電極間に交流電圧が印加されるタイミングで電極間に印加される直流電圧が略0Vとなる場合における電流の推移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施の形態」とも称する。)について、図面を用いて詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図面は、理解の容易のために、適宜対象を省略又は誇張して模式的に描かれている。
【0019】
[1.抵抗検出センサの構成]
図1は、本実施の形態に従う抵抗検出センサ10の一部の電気的構成を模式的に示す図である。
図1を参照して、抵抗検出センサ10は、液体の電気抵抗値を検出するように構成されている。
【0020】
液体の一例としては、鉱油、合成油、動植物油及び水系潤滑剤等の液体潤滑剤、リチウム石けんグリース、カルシウム石けんグリース、ウレアグリース及びシリコングリース等の半固体潤滑剤、並びに、塩酸等の水溶液が挙げられる。液体潤滑剤には、例えば、油圧作動油、ギヤ油、タービン油、軸受潤滑油、案内面油、コンプレッサー油、冷凍機油、塑性加工油、熱処理油、切削油、エンジン油、ATF(Automatic Transmission Fluid)、CVTF(Continuously Variable Transmission Fluid)及びブレーキ油が含まれる。
【0021】
抵抗検出センサ10は、センサ部100と、制御部200とを含んでいる。センサ部100は、プラス電源V1と、マイナス電源V2と、オペアンプ130と、抵抗検出部140と、抵抗150,151,152と、コンデンサ160とを含んでいる。
【0022】
プラス電源V1は、端子Te1及び抵抗152を介して端子Te2に電気的に接続されている。端子Te2は、オペアンプ130のプラス端子に電気的に接続されていると共に、抵抗151及び端子Te5を介してマイナス電源V2に電気的に接続されている。また、端子Te2は、コンデンサ160を介して制御部200の端子Te8に電気的に接続されている。端子Te8は、制御部200の出力端子である。
【0023】
詳細については後述するが、制御部200は、所定時間間隔でセンサ部100に交流電圧を印加するように構成されている。制御部200は、例えば、抵抗検出センサ10の外部の交流電源から電力供給を受け、センサ部100に交流電圧を印加する。センサ部100に交流電圧が印加されることによって、端子Te8から交流信号が出力される。
【0024】
また、マイナス電源V2は、端子Te5,Te6、抵抗150及び端子Te4を介してオペアンプ130のマイナス端子に電気的に接続されている。オペアンプ130は、端子Te3を介して制御部200の端子Te7に電気的に接続されている。端子Te7は、制御部200の入力端子である。端子Te3は、抵抗検出部140を介して端子Te4に接続されている。
【0025】
抵抗検出部140は、電極110,120を含んでいる。電極110,120によって一対の電極が構成される。電極110,120の各々は、例えば、金属を含む導体板で構成される。電極110,120の各々は、液体F1に浸漬される。すなわち、抵抗検出センサ10においては、プラス電源V1、マイナス電源V2、オペアンプ130、抵抗検出部140及び抵抗150,151,152によって、非反転増幅回路が構成される。
【0026】
抵抗検出センサ10においては、プラス電源V1及びマイナス電源V2の各々の電圧値が既知であり、抵抗151,152の各々の抵抗値が既知である。したがって、少なくともセンサ部100に交流電圧が印加されていない状態で、オペアンプ130の入力電圧Vinは既知である。また、抵抗150の抵抗値は既知である。そして、抵抗150の抵抗値をR1とし、抵抗検出部140における抵抗値をR2とした場合に、非反転増幅回路においては、以下の式(1)の関係が成立する。
【0027】
オペアンプ130の出力電圧Vout=(R1+R2)Vin/R1 ・・・(1)
【0028】
R1及びVinが既知であるため、制御部200は、オペアンプ130の出力電圧Voutを検出することによって、R2を演算することができる。すなわち、抵抗検出センサ10においては、電極110,120間にプラス電源V1に起因する直流電圧が印加された状態におけるオペアンプ130の出力電圧Voutに基づいて、液体F1の電気抵抗値が検出される。
【0029】
制御部200は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含んでいる。制御部200は、例えば、情報処理に応じて、抵抗検出センサ10内の各構成要素を制御する。また、上述のように、制御部200は、例えば、オペアンプ130の出力電圧Vout(アナログ信号)に基づいて液体F1の電気抵抗値を演算する。制御部200は、例えば、演算過程においてアナログ信号をデジタル信号へ変換し、デジタル信号を抵抗検出センサ10の外部へ出力するための制御を行なう。
【0030】
また、上述のように、制御部200は、例えば、抵抗検出センサ10の外部の交流電源から電力供給を受け、所定時間間隔でセンサ部100に交流電圧を印加するための制御を行なう。所定時間間隔でセンサ部100に交流電圧が印加される理由について次に説明する。
【0031】
なお、抵抗検出センサ10において、オペアンプ130への電源供給は、プラス電源V1及びマイナス電源V2によって行なわれる。すなわち、オペアンプ130のプラス側電源電圧印加端子にプラス電源V1が接続され、オペアンプ130のマイナス側電源電圧印加端子にマイナス電源V2が接続される。また、制御部200への電源供給は、例えば、プラス電源V1によって行なわれてもよいし、他の電源によって行なわれてもよい。
【0032】
[2.電気抵抗値の検出精度の低下抑制]
図2は、仮に所定時間間隔で交流電圧が印加されない場合に、どのような問題が生じるかを説明するための図である。
【0033】
図2の左部分を参照して、水を含む液体中に電極121,111が浸漬されている。電極121,111の各々は、例えば、金属を含んでいる。電極121はスイッチSW1を介して電池B1の正極に接続され、電極111は電池B1の負極に接続されている。スイッチSW1は、開放されている。この状態において、液体中の水の多くは、水(H
2O)のまま存在している。
【0034】
図2の中央部分を参照して、スイッチSW1が閉成されることによって、電極121,111間に直流電圧が印加され電流が生じる。電極121,111間に直流電圧が印加されると、液体に含まれる水の電気分解、及び、電極121,111の各々における分極が促進される。水の電気分解により生じた酸素イオンは電極121に引き寄せられ、水の電気分解により生じた水素イオンは電極111に引き寄せられる。
【0035】
図2の右部分を参照して、スイッチSW1が閉成された状態が継続されると、電極121の外周部分においては酸化生成物(錆)が生成され、電極111の周囲においては水素の気体層GL1が形成される。
【0036】
再び
図1を参照して、仮に電極110,120間に所定時間間隔で交流電圧が印加されず、電極110,120間に直流電圧のみが印加され続けると、
図2で説明したような問題が生じ得る。すなわち、電極120の外周部分において酸化生成物が生成され、電極110の周囲において水素の気体層が形成される。これにより、液体F1の電気抵抗値の演算結果に誤差が生じ、液体F1の電気抵抗値の検出精度が低下する。
【0037】
図3は、所定時間間隔で電極110,120間に交流電圧を印加することによる効果を説明するための図である。
図3を参照して、横軸は時間を示し、縦軸は電流を示す。
図3の上部分は、時刻t0-t4の間に、電極110,120間に生じる直流電流の推移を示す。
図3の下部分は、時刻t0-t4の間に、電極110,120間に生じる交流電流の推移を示す。
【0038】
時刻t0-t1においては、電極110,120間に直流電流のみが生じている。すなわち、時刻t0-t1においては、電極110,120間に直流電圧のみが印加され、電極110,120間に交流電圧が印加されない。制御部200は、時刻t0-t1におけるオペアンプ130の出力電圧Voutに基づいて抵抗検出部140における電気抵抗値を演算する。
【0039】
時刻t1-t4においては、電極110,120間に、
図3の上部分に示される直流電流に
図3の下部分に示される交流電流が加えられた電流が生じている。すなわち、時刻t1-t4においては、電極110,120間に直流電圧及び交流電圧の両方が印加される。時刻t1-t4において電極110,120間に交流電圧を印加する目的は、時刻t0-t4において電極110,120間に印加された直流電圧に起因する各電極の分極を抑制することである。
【0040】
時刻t0-t4において、電極110,120間には、第1極性(プラス極性)の直流電圧が印加される。時刻t1-t4において、電極110,120間には、第1極性と逆の第2極性(マイナス極性)から始まる交流電圧が印加される。時刻t2において交流電圧の極性がマイナスからプラスへ反転し、時刻t3において交流電圧の極性がプラスからマイナスへ反転する。すなわち、この例において、電極110,120間に交流電圧が印加される時間は、電極110,120間に印加される交流電圧の周期の半分の時間に、電極110,120間に印加される交流電圧の周期の整数倍(1倍)の時間を加算した時間である。
【0041】
時刻t2-t3において交流電圧が電極110,120の各々の分極に与える影響は、時刻t3-t4において交流電圧が電極110,120の各々の分極に与える影響と相殺される。また、時刻t0-t4において直流電圧が電極110,120の各々の分極に与える影響は、時刻t1-t2において交流電圧が電極110,120の各々の分極に与える影響と相殺される。
【0042】
すなわち、電極110,120間に印加される交流電圧の周波数及び振幅の各々は、例えば、電極110,120間に印加される直流電圧が各電極の分極に与える影響が相殺されるように設定される。なお、電極110,120間に印加される交流電圧によって、必ずしも直流電圧が各電極の分極に与える影響が完全に相殺される必要はなく、直流電圧が各電極の分極に与える影響が少しでも抑制されればよい。
【0043】
なお、制御部200は、電極110,120間に印加されている交流電圧が第1極性と逆の第2極性(マイナス極性)から始まっているか否かを判定してもよい。例えば、オペアンプ130の入力電圧Vin又は出力電圧Voutを検出する電圧センサ(不図示)が設けられ、制御部200は、当該電圧センサの検出結果に基づいて、電極110,120間に印加されている交流電圧が第2極性から始まっているか否かを判定してもよい。また、抵抗検出部140において生じる電流を検出する電流センサ(不図示)が設けられ、制御部200は、当該電流センサの検出結果に基づいて、電極110,120間に印加されている交流電圧が第2極性から始まっているか否かを判定してもよい。制御部200は、例えば、電極110,120間に印加されている交流電圧が第2極性から始まっていないと判定された場合に、警告をユーザへ伝達するための制御を行なってもよい。
【0044】
図4は、センサ部100及び制御部200の各々における動作を説明するための図である。
図4を参照して、上部分はセンサ部100の動作を示し、下部分は制御部200の動作を示す。
【0045】
センサ部100においては、電極110,120間に直流(DC(Direct Current))電圧のみが印加される状態と、電極110,120間に直流電圧及び交流(AC(Alternate Current))電圧の両方が印加される状態とが所定周期で繰り返される。電極110,120間に直流電圧及び交流電圧の両方が印加された状態において、電極110,120の各々における分極が抑制される。
【0046】
制御部200においては、電極110,120間に直流電圧のみが印加された状態におけるオペアンプ130の出力電圧Voutに基づいて、液体F1(
図1)の電気抵抗値が所定周期で演算される。電気抵抗値の演算には、アナログ信号のデジタル信号への変換処理が伴ってもよい。
【0047】
図4に示されるように、液体F1の電気抵抗値の演算が行なわれる周期と、電極110,120間に交流電圧が印加される周期とは同一である。抵抗検出センサ10によれば、液体F1の電気抵抗値の演算が行なわれる周期と電極110,120間に交流電圧が印加される周期とが同一であるため、電極110,120の各々における分極の発生を都度抑制することができる。その結果、抵抗検出センサ10によれば、液体F1の電気抵抗値の検出精度の低下を抑制することができる。
【0048】
[3.抵抗検出センサの動作]
図5は、抵抗検出センサ10における動作手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、電極110,120間に直流電圧のみが印加された状態で開始されると共に、制御部200によって所定周期で繰り返し実行される。
【0049】
図5を参照して、制御部200は、オペアンプ130の出力電圧Voutに基づいた液体F1の電気抵抗値の演算を開始する(ステップS100)。すなわち、制御部200は、検出された出力電圧Vout(アナログ信号)に基づいて液体F1の電気抵抗値(デジタル信号)を生成し、生成されたデジタル信号(電気抵抗値)を抵抗検出センサ10の外部へ順次出力する。なお、制御部200は、必ずしも生成されたデジタル信号を抵抗検出センサ10の外部へ順次出力する必要はない。制御部200は、例えば、生成されたデジタル信号を抵抗検出センサ10の内部で使用してもよいし、ある程度の容量のデジタル信号が生成された段階でデジタル信号を抵抗検出センサ10の外部へ出力してもよい。
【0050】
制御部200は、オペアンプ130の出力電圧Voutの検出を開始して第1所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS110)。第1所定時間は、予め定められた時間であり、このフローチャートの1周期において、液体F1の電気抵抗値が連続的に演算される時間である。
【0051】
オペアンプ130の出力電圧Voutの検出を開始して第1所定時間が経過していないと判定されると(ステップS110においてNO)、制御部200は、液体F1の電気抵抗値の演算を継続する。一方、ステップS110において、オペアンプ130の出力電圧Voutの検出を開始して第1所定時間が経過したと判定されると(ステップS110においてYES)、制御部200は、電極110,120間に交流電圧を印加するための制御を行なう(ステップS120)。
【0052】
制御部200は、第1所定時間分の出力電圧Voutに基づいた液体F1の電気抵抗値の演算が完了すると、液体F1の電気抵抗値の演算を停止する(ステップS130)。制御部200は、電極110,120間における交流電圧の印加が開始されてから第2所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS140)。第2所定時間は、予め定められた時間であり、電極110,120間に印加される交流電圧の周期の半分の時間に、電極110,120間に印加される交流電圧の周期の整数倍(1倍)の時間を加算した時間である。
【0053】
電極110,120間における交流電圧の印加が開始されてから第2所定時間が経過していないと判定されると(ステップS140においてNO)、制御部200は、第2所定時間が経過するまで待機する。一方、電極110,120間における交流電圧の印加が開始されてから第2所定時間が経過したと判定されると(ステップS140においてYES)、制御部200は、電極110,120間における交流電圧の印加を停止するための制御を行なう(ステップS150)。その後、制御部200は、再び、ステップS100の処理を実行する。
【0054】
[4.特徴]
以上のように、本実施の形態に従う抵抗検出センサ10においては、直流電圧の極性(プラス極性)と逆の極性(マイナス極性)から始まる交流電圧が電極110,120間に所定時間間隔で印加され、電極110,120間に交流電圧が印加される時間が電極110,120間に印加される交流電圧の周期の整数倍ではない。したがって、抵抗検出センサ10によれば、液体F1の電気抵抗値の演算のために印加される直流電圧の極性と逆の極性の電圧が電極110,120間に所定時間間隔で印加されるため、分極の発生を抑制することができる。その結果、抵抗検出センサ10によれば、液体F1の電気抵抗値の検出精度の低下を抑制することができる。
【0055】
また、抵抗検出センサ10において、所定時間間隔で電極110,120間に交流電圧が印加される時間は、電極110,120間に印加される交流電圧の周期の半分の時間に、電極110,120間に印加される交流電圧の周期の整数倍(例えば、1倍)の時間を加算した時間である。したがって、抵抗検出センサ10によれば、液体F1の電気抵抗値の演算のために印加される直流電圧の極性と逆の極性の電圧が電極110,120間に最大限印加されるため、分極の発生をより抑制することができる。その結果、抵抗検出センサ10によれば、液体F1の電気抵抗値の検出精度の低下をより抑制することができる。
【0056】
また、抵抗検出センサ10によれば、液体F1の電気抵抗値の演算が行なわれる周期と電極110,120間に交流電圧が印加される周期とが同一であるため、分極の発生を都度抑制することができる。その結果、抵抗検出センサ10によれば、液体F1の電気抵抗値の検出精度の低下を抑制することができる。
【0057】
なお、抵抗検出センサ10は、本発明における「抵抗検出センサ」の一例である。また、電極110,120は、本発明における「一対の電極」の一例である。また、プラス電源V1及びマイナス電源V2を含む構成は、本発明における「直流電圧印加部」の一例である。また、制御部200の少なくとも一部分は、本発明における「交流電圧印加部」の一例である。また、制御部200の少なくとも一部分は、本発明における「制御部」の一例である。また、オペアンプ130は、本発明における「オペアンプ」の一例である。また、液体F1は、本発明における「液体」の一例である。
【0058】
[5.他の実施の形態]
上記実施の形態の思想は、以上で説明された実施の形態に限定されない。以下、上記実施の形態の思想を適用できる他の実施の形態の一例について説明する。
【0059】
<5-1>
上記実施の形態に従う抵抗検出センサ10において、電極110,120間に印加される交流電圧の波形は矩形波であった。しかしながら、電極110,120間に印加される交流電圧の波形は、必ずしも矩形波である必要はない。電極110,120間に印加される交流電圧の波形は、例えば、正弦波であってもよい。
【0060】
<5-2>
上記実施の形態に従う抵抗検出センサ10において、電極110,120間に交流電圧が印加される時間は、電極110,120間に印加される交流電圧の周期の半分の時間に、電極110,120間に印加される交流電圧の周期の1倍の時間を加算した時間であった。しかしながら、電極110,120間に交流電圧が印加される時間は、これに限定されない。電極110,120間に交流電圧が印加される時間は、例えば、電極110,120間に印加される交流電圧の周期の半分の時間に、電極110,120間に印加される交流電圧の周期の2以上の整数倍の時間を加算した時間であってもよい。また、電極110,120間に交流電圧が印加される時間は、電極110,120間に印加される交流電圧の周期の半分の時間であってもよい。
【0061】
図6は、電極110,120間に交流電圧が印加される時間が交流電圧の周期の半分の時間である例について説明するための図である。
図6を参照して、横軸は時間を示し、縦軸は電流を示す。
図6の上部分は、時刻t10-t12の間に、電極110,120間に生じる直流電流の推移を示す。
図6の下部分は、時刻t10-t12の間に、電極110,120間に生じる交流電流の推移を示す。
【0062】
時刻t10-t11においては、電極110,120間に直流電流のみが生じている。すなわち、時刻t10-t11においては、電極110,120間に直流電圧のみが印加され、電極110,120間に交流電圧が印加されない。制御部200は、時刻t10-t11におけるオペアンプ130の出力電圧Voutに基づいて抵抗検出部140における電気抵抗値を演算する。
【0063】
時刻t11-t12においては、電極110,120間に、
図6の上部分に示される直流電流に
図6の下部分に示される交流電流が加えられた電流が生じている。すなわち、時刻t11-t12においては、電極110,120間に直流電圧及び交流電圧の両方が印加される。
【0064】
時刻t10-t12において、電極110,120間には、第1極性(プラス極性)の直流電圧が印加される。時刻t11-t12において、電極110,120間には、第1極性と逆の第2極性(マイナス極性)から始まる交流電圧が印加される。例えば、この例において、電極110,120間に交流電圧が印加される時間は、電極110,120間に印加される交流電圧の周期の半分の時間である。電極110,120間に交流電圧が印加される時間は、これであってもよい。
【0065】
時刻t10-t12において直流電圧が電極110,120の各々の分極に与える影響は、時刻t11-t12において交流電圧が電極110,120の各々の分極に与える影響と相殺される。電極110,120間に印加される交流電圧の周波数及び振幅の各々は、例えば、電極110,120間に印加される直流電圧が各電極の分極に与える影響が相殺されるように設定される。なお、電極110,120間に印加される交流電圧によって、必ずしも直流電圧が各電極の分極に与える影響が完全に相殺される必要はなく、直流電圧が各電極の分極に与える影響が少しでも抑制されればよい。要するに、電極110,120間に交流電圧が印加される時間は、電極110,120間に印加される交流電圧の周期の整数倍でなければよい。
【0066】
<5-3>
図7は、抵抗検出部140において用いられる各電極の他の例を模式的に示す図である。
図7に示されるように、電極110A,120Aの各々は、液体F1に浸漬されている。電極110A,120Aの各々は、櫛歯形状を有している。電極110A,120Aは、互いの櫛が互い違いに位置するように配置されている。上記実施の形態に従う抵抗検出センサ10において、電極110,120の代わりに、電極110A,120Aのような形状の電極が用いられてもよい。要するに、電極110,120の各々の形状は特に限定されない。なお、電極110,120の代わりに、電極110A,120Aのような形状の電極が用いられた場合に、制御部200は、例えば、電極110A,120A間に交流電圧が印加された状態で、電極110A,120A間の静電容量を検出してもよい。また、制御部200は、例えば、電極110A,120A間に交流電圧が印加された状態で、液体F1の電気抵抗値を演算してもよい。
【0067】
<5-4>
上記実施の形態に従う抵抗検出センサ10において、センサ部100においては、オペアンプ130を含む非反転増幅回路が構成された。しかしながら、センサ部100において構成される増幅回路はこれに限定されない。センサ部100においては、例えば、非反転増幅回路の代わりに、オペアンプを含む反転増幅回路が構成されてもよい。この場合においても、例えば、電極110がオペアンプの入力側に接続され、電極120がオペアンプの出力側に接続される。制御部200は、例えば、オペアンプの出力電圧に基づいて、液体F1の電気抵抗値を演算する。このような構成であってもよい。
【0068】
<5-5>
上記実施の形態に従う抵抗検出センサ10においては、電極110,120間に常時直流電圧が印加された。しかしながら、電極110,120間には、必ずしも常時直流電圧が印加されなくてもよい。例えば、各電極(電極110,120)と各直流電源(プラス電源V1、マイナス電源V2)との電気的な接続状態を切り替え可能なスイッチが設けられ、電極110,120間に交流電圧が印加されている状態においては、このスイッチが開放状態とされてもよい。
【0069】
<5-6>
また、上記実施の形態に従う抵抗検出センサ10においては、電極110,120間に常時一定の直流電圧が印加された。しかしながら、電極110,120間に印加される直流電圧は、必ずしも常時一定である必要はない。例えば、電極110,120間に交流電圧が印加されるタイミングにおいて、電極110,120間に印加される直流電圧が略0Vであってもよい。
【0070】
図8は、他の実施の形態である抵抗検出センサ10Aの一部の電気的構成を模式的に示す図である。なお、ここでは、上記実施の形態に従う抵抗検出センサ10と異なる部分を中心に説明し、重複する部分については説明を繰り返さない。
【0071】
図8を参照して、抵抗検出センサ10Aは、液体の電気抵抗値を検出するように構成されている。抵抗検出センサ10Aは、センサ部100Aと、制御部200Aとを含んでいる。センサ部100Aは、抵抗152Aを含んでいる。抵抗152Aは、端子Te1,Te2間に設けられている。抵抗152Aは、可変抵抗器によって構成されている。抵抗152Aの電気抵抗値は、例えば、制御部200Aによって制御される。なお、センサ部100Aに関し、抵抗152の代わりに抵抗152Aを含む点以外の構成は、上記実施の形態におけるセンサ部100の構成と同様である。
【0072】
制御部200Aは、例えば、CPU、RAM及びROMを含んでいる。制御部200Aは、例えば、情報処理に応じて、抵抗検出センサ10A内の各構成要素を制御する。制御部200Aは、例えば、電極110,120間に直流電圧が印加されている状態におけるオペアンプ130の出力電圧Voutに基づいて液体F1の電気抵抗値を演算する。また、制御部200Aは、抵抗152Aの電気抵抗値を制御する。これにより、オペアンプ130の入力電圧Vinが変化する。具体的には、制御部200Aは、電極110,120間に交流電圧が印加されるタイミングにおいて、電極110,120間に印加される直流電圧が略0Vとなるように抵抗152Aの電気抵抗値を制御する。なお、電極110,120間に交流電圧が印加されるタイミングで電極110,120間に印加される直流電圧を略0Vにする手段は、可変抵抗器を使用する手段に限定されない。
【0073】
また、制御部200Aに関し、電極110,120間に交流電圧が印加されるタイミングで抵抗152Aの電気抵抗値を制御する点以外の制御は、上記実施の形態における制御部200による制御と同様である。例えば、
図5に示されるフローチャートに関しては、ステップS120において、制御部200Aが、電極110,120間に交流電圧を印加するための制御を行なうと共に、電極110,120間に印加される直流電圧が略0Vとなるように抵抗152Aの制御を行なう点のみが上記実施の形態と異なる。
【0074】
図9は、電極110,120間に交流電圧が印加されるタイミングで電極110,120間に印加される直流電圧が略0Vとなる場合における電流の推移を示す図である。
図9を参照して、横軸は時間を示し、縦軸は電流を示す。
図9の上部分は、時刻t20-t24の間に、電極110,120間に生じる直流電流の推移を示す。
図9の下部分は、時刻t20-t24の間に、電極110,120間に生じる交流電流の推移を示す。
【0075】
時刻t20-t21においては、電極110,120間に直流電流のみが生じている。すなわち、時刻t20-t21においては、電極110,120間に直流電圧のみが印加され、電極110,120間に交流電圧が印加されない。制御部200Aは、時刻t20-t21におけるオペアンプ130の出力電圧Voutに基づいて抵抗検出部140における電気抵抗値を演算する。
【0076】
時刻t21-t24においては、電極110,120間に、交流電流のみが生じている。すなわち、時刻t21-t24においては、電極110,120間に略交流電圧のみが印加される。時刻t20-t21において、電極110,120間には、第1極性(プラス極性)の直流電圧が印加される。時刻t21-t24において、電極110,120間には、第1極性と逆の第2極性(マイナス極性)から始まる交流電圧が印加される。
【0077】
時刻t22-t23において交流電圧が電極110,120の各々の分極に与える影響は、時刻t23-t24において交流電圧が電極110,120の各々の分極に与える影響と相殺される。また、時刻t20-t21において直流電圧が電極110,120の各々の分極に与える影響は、時刻t21-t22において交流電圧が電極110,120の各々の分極に与える影響と相殺される。
【0078】
すなわち、電極110,120間に印加される交流電圧の周波数及び振幅の各々は、例えば、電極110,120間に印加される直流電圧が各電極の分極に与える影響が相殺されるように設定される。なお、電極110,120間に印加される交流電圧によって、必ずしも直流電圧が各電極の分極に与える影響が完全に相殺される必要はなく、直流電圧が各電極の分極に与える影響が少しでも抑制されればよい。このような構成が採用されてもよい。
【0079】
<5-7>
上記実施の形態に従う抵抗検出センサ10において、制御部200は、オペアンプ130の出力電圧Vout(アナログ信号)に基づいて液体F1の電気抵抗値(デジタル信号)を生成し、生成されたデジタル信号(電気抵抗値)を抵抗検出センサ10の外部へ順次出力した。この場合に、制御部200は、例えば、生成された電気抵抗値の畳み込みを行ない、畳み込まれた結果を示すデジタル信号を抵抗検出センサ10の外部へ順次出力してもよい。これにより、外れ値の存在に基づく検出精度の低下を抑制することができる。
【0080】
<5-8>
上記実施の形態に従う抵抗検出センサ10において、制御部200は、例えば、電極110,120間に交流電圧が印加されている状態におけるオペアンプ130の出力電圧Voutを収集し、各種分析を行なってもよい。例えば、電極110,120間に印加される交流電圧の周波数が適宜調整され、交流電圧の周波数と液体F1の電気抵抗値との関係に関する分析が行なわれてもよい。
【0081】
以上、本発明の実施の形態について例示的に説明した。すなわち、例示的な説明のために、詳細な説明及び添付の図面が開示された。よって、詳細な説明及び添付の図面に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須でない構成要素が含まれることがある。したがって、それらの必須でない構成要素が詳細な説明及び添付の図面に記載されているからといって、それらの必須でない構成要素が必須であると直ちに認定されるべきではない。
【0082】
また、上記実施の形態は、あらゆる点において本発明の例示にすぎない。上記実施の形態は、本発明の範囲内において、種々の改良や変更が可能である。すなわち、本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じて具体的構成を適宜採用することができる。
【符号の説明】
【0083】
10 抵抗検出センサ、100 センサ部、110,111,120,121 電極、130 オペアンプ、140 抵抗検出部、150,151,152 抵抗、160 コンデンサ、200 制御部、B1 電池、F1 液体、GL1 気体層、SW1 スイッチ、Te1,Te2,Te3,Te4,Te5,Te6,Te7,Te8 端子、V1 プラス電源、V2 マイナス電源。