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特開2024-54095バッテリーモジュールのためのパッシブセーフティシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054095
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】バッテリーモジュールのためのパッシブセーフティシステム
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/342 20210101AFI20240409BHJP
   H01M 50/367 20210101ALI20240409BHJP
   H01M 50/317 20210101ALI20240409BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20240409BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20240409BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20240409BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240409BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240409BHJP
   H01M 10/643 20140101ALI20240409BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240409BHJP
   H01M 10/6554 20140101ALI20240409BHJP
   H01M 50/298 20210101ALI20240409BHJP
【FI】
H01M50/342 201
H01M50/367
H01M50/317 201
H01M50/35 201
H01M50/213
H01M50/55 201
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M10/643
H01M10/625
H01M10/6554
H01M50/298
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023172151
(22)【出願日】2023-10-03
(31)【優先権主張番号】2033231
(32)【優先日】2022-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(71)【出願人】
【識別番号】523377601
【氏名又は名称】ストーム グループ ベイ フェイ
【氏名又は名称原語表記】STORM Group B.V.
【住所又は居所原語表記】Automotive Campus 80 5708 JZ Helmond Nederland
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュールス ヨセフ マリア フリンツ
(72)【発明者】
【氏名】ブラム トーマス ヴァン ディグリン
【テーマコード(参考)】
5H012
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H012AA01
5H012BB08
5H012FF01
5H031AA09
5H031KK01
5H040AA37
5H040AS04
5H040AT01
5H040AY04
5H040AY05
5H040DD03
5H043AA04
5H043CA03
5H043FA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】バッテリーシステムのためのパッシブセーフティシステムを提供する。
【解決手段】本開示は電気車両に電力を供給するためのバッテリーシステムに関する。本システムは、バッテリーセル1.1~1.5のアレイと、ベントチャンバー20と、バッテリーセルのアレイとベントチャンバーとの間に配置され、バッテリーセルのアレイをカバーするカバー層10と、を備えている。カバー層は、アレイの破損したバッテリーセルの位置において破損したバッテリーセルからベントされる流出物5の影響下で局所的に破裂するように構成され、それにより、流出物が局所的に破裂したカバー層を通ってベントチャンバーへ逃れることを可能にしている。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーセルと、ベントチャンバーと、前記複数のバッテリーセルと前記ベントチャンバーとの間に配置され、前記複数のバッテリーセルをカバーするカバー層と、を備え、
前記カバー層が、破損したバッテリーセルの位置において、前記破損したバッテリーセルから放出される流出物の影響下で局所的に破裂するように構成され、前記流出物が前記局所的に破裂したカバー層を通って前記ベントチャンバー内へ逃れることを可能にしている、バッテリーシステム。
【請求項2】
前記カバー層が、前記ベントチャンバー内に逃れた流出物から前記複数のバッテリーセルを保護するように構成されている、請求項1に記載のバッテリーシステム。
【請求項3】
前記カバー層が、前記破損したバッテリーセルから放出される前記流出物の影響下で破裂するように構成された脆弱なゾーンを備えている、請求項1に記載のバッテリーシステム。
【請求項4】
前記複数のバッテリーセルのうちの各バッテリーセルが、前記カバー層の前記脆弱なゾーンのそれぞれ1つと関連づけられている、請求項3に記載のバッテリーシステム。
【請求項5】
前記カバー層が難燃性材料を含んでいる、請求項1に記載のバッテリーシステム。
【請求項6】
前記カバー層が、0.1mmから15mmの間、詳細には0.2mmから10mmの間、より詳細には0.5mmから6mmの間の厚さを有する、請求項1に記載のバッテリーシステム。
【請求項7】
前記ベントチャンバーが、前記流出物を、前記ベントチャンバーを通して前記ベントチャンバーの流出口へと方向づけるように構成された複数のベントチャンネルを含む、請求項1に記載のバッテリーシステム。
【請求項8】
前記複数のバッテリーセルの各々が、2つの端面間で長手軸に沿って延びる円筒形状の本体を含み、前記複数のバッテリーセルは、前記複数のバッテリーセルの長手軸が平行な状態で配置されており、前記カバー層は前記複数のバッテリーセルの本体の端面をカバーする、請求項1に記載のバッテリーシステム。
【請求項9】
前記複数のバッテリーセルの各々が、当該バッテリーセルの同じ端面にある正の電極端子と負の電極端子とを含む、請求項1に記載のバッテリーシステム。
【請求項10】
前記複数のバッテリーセルは、前記複数のバッテリーセルの正の電極端子と負の電極端子とが同じ側にあるように構成されている、請求項9に記載のバッテリーシステム。
【請求項11】
前記カバー層が、前記正の電極端子および前記負の電極端子が設けられた前記複数のバッテリーセルの前記端面をカバーしている、請求項10に記載のバッテリーシステム。
【請求項12】
前記複数のバッテリーセルと熱的に接触している冷却本体を備え、前記冷却本体が、前記複数のバッテリーセルの前記正の電極端子および前記負の電極端子が設けられている側とは反対側に配置されている、請求項10に記載のバッテリーシステム。
【請求項13】
前記複数のバッテリーセルが、それぞれのバッテリーセルの電極端子間に延びる複数のコネクターアームによって互いに電気的に接続されており、前記複数のコネクターアームの各々がヒューズセクションを含み、、前記ヒューズセクションは、過負荷電流が当該コネクターアームを通って流れると、破損して隙間を形成するように構成されており、前記ヒューズセクションが前記カバー層によって包含されている、請求項1に記載のバッテリーシステム。
【請求項14】
前記カバー層が、前記隙間に生成されるアークを抑制するように構成されている、請求項13に記載のバッテリーシステム。
【請求項15】
前記複数のコネクターアームのうちの各コネクターアームが単一の結合線によって形成されている、請求項13に記載のバッテリーシステム。
【請求項16】
前記結合線同士が交差していない、請求項15に記載のバッテリーシステム。
【請求項17】
前記ベントチャンバーが前記バッテリーモジュールの外部から実質的に密閉されている、請求項1に記載のバッテリーシステム。
【請求項18】
前記ベントチャンバーと、前記バッテリーモジュールの外部との間に配置された圧力リリーフバルブを備えている、請求項17に記載のバッテリーシステム。
【請求項19】
前記複数のバッテリーセルを保持するハウジングを備え、前記ベントチャンバーが前記カバー層と前記ハウジングとの間に形成されている、請求項1に記載のバッテリーシステム。
【請求項20】
前記ハウジングが、少なくとも1mmの間隔によって、好ましくは2mmから20mmの間など少なくとも2mmの間隔によって、より詳細には2mmから10mmの間の間隔によって前記ベントチャンバーを規定するように、前記カバー層から離間している、請求項19に記載のバッテリーシステム。
【請求項21】
前記複数のバッテリーセルが互いの間に間隔を規定し、前記間隔が空気などの気体で充填されている、請求項1に記載のバッテリーシステム。
【請求項22】
前記複数のバッテリーセルがアレイ状に配置されている、請求項1に記載のバッテリーシステム。
【請求項23】
請求項1に記載のバッテリーシステムを備えたバッテリーモジュール。
【請求項24】
請求項23に記載のバッテリーモジュールが複数相互接続されている、モジュール式バッテリーパック。
【請求項25】
請求項1から請求項22のいずれか一項に記載のバッテリーシステム、前記バッテリーシステムを備えたバッテリーモジュール、および/または前記バッテリーモジュールが複数相互接続されているモジュール式バッテリーパックを備えた車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力を貯蔵するためのバッテリーシステムに関し、詳細には、そのようなバッテリーシステムのためのセーフティシステムに関する。本発明は、より詳細には、特に建設車両などのオフハイウェイ車両のための電気駆動部に電力を供給するためのモジュール式バッテリーパックに関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリーシステムは、通常は、集合的に電気エネルギ源を提供する複数のバッテリーセルを含んでいる。バッテリーセルの製造誤差、熱的破損、機械的破損、内部または外部の短絡により、バッテリーセルが故障する可能性があり、それにより、発熱を伴って分解される。このことは、バッテリーセルの制御不可能な放電および流出物の放出に繋がる。バッテリーセルからの、残っているすべての熱的および電気化学的エネルギのそのような突然の放出は、一般的に熱暴走と呼ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
バッテリーシステムのためのセーフティシステム、詳細にはパッシブセーフティシステムを提供することが目的である。より詳細には、バッテリーシステム内のバッテリーセルの熱暴走の影響を緩和させることが目的である。より一般的な意味では、従来技術の欠点の少なくとも1つを克服するか改善すること、または、従来技術よりも有効な代替的なプロセスおよび構造を少なくとも提供することが目的である。いずれにしても、既存の技術に対する有用な選択肢および寄与を与えることを少なくとも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様によれば、バッテリーシステムが電気駆動部に電力を供給するために提供される。本システムは、バッテリーセルと、ベントチャンバーと、バッテリーセルとベントチャンバーとの間に配置され、バッテリーセルをカバーするカバー層と、を備えている。カバー層は、破損したバッテリーセルの位置において、破損したバッテリーセルから放出される流出物の影響下で局所的に破裂するように構成され、それにより、流出物が局所的に破裂したカバー層を通ってベントチャンバーへ逃れることを可能にしている。ベントチャンバーは、流出物が膨張および拡散するためのスペースを提供し、残りの影響を受けていないバッテリーセルから離れるように流出物をガイドする。こうして、破損したバッテリーセルのベントチャンバーへのベントを可能にし、それにより、他のまだ影響を受けていないバッテリーセルのさらなる熱暴走の事象が開始されることを防止する。バッテリーセルの流出物は、バッテリーセルから放出された気体、液体、および/または固体の粒子を含む場合がある。カバー層は、破損したバッテリーの位置で局所的に破裂し、こうして、残りのカバー層は実質的に破損しないままにする。したがって、カバー層は、ベントチャンバーへとベントされている流出物と、他の影響を受けていないバッテリーセルとの間にバリアを提供する場合がある。したがって、カバー層は、流出物と他のバッテリーセルとの間の直接の接触を防止する場合がある。
【0005】
任意選択的には、バッテリーセルはバッテリーセルのアレイ状に配置されている。
【0006】
任意選択的には、カバー層は、ベントチャンバーに逃れた流出物からバッテリーセルを保護するように構成されている。カバー層は、たとえば、難燃性材料で形成されている場合がある。
【0007】
任意選択的には、カバー層は、破損したバッテリーセルから放出される流出物の影響下で破裂するように構成された脆弱なゾーンを備えている。脆弱なゾーンは、様々な方法で、たとえばカバー層の厚さが低減されたエリアによって形成される場合がある。
【0008】
任意選択的には、各バッテリーセルは、カバー層の脆弱なゾーンのそれぞれ1つと関連づけられている。このため、カバー層は、破損したバッテリーセルの位置における脆弱なゾーンで制御可能に破裂させることができる。脆弱なゾーンの数は、バッテリーセルの数に等しい場合がある。代替的には、脆弱なゾーンの数は、バッテリーセルの数より少ない場合がある。たとえば、複数のバッテリーセルが共通の脆弱なエリアに関連づけられている場合がある。同様に、脆弱なゾーンの数は、バッテリーセルの数より多い場合がある。
【0009】
任意選択的には、カバー層は難燃性材料を含んでいる。任意選択的には、カバー層は電気絶縁性材料を含んでいる。任意選択的には、カバー層は断熱性材料を含んでいる。カバー層は、たとえば、シリコン樹脂などのシリコンベースの材料で形成されている場合がある。
【0010】
任意選択的には、カバー層は、0.1mmから15mmの間、詳細には0.2mmから10mmの間、より詳細には0.5mmから6mmの間の厚さを有している。カバー層の厚さが、バッテリーセルに面するカバー層の側と、ベントチャンバーに面するカバー層の側との間の、カバー層を通しての距離として定義されていることを理解されたい。カバー層は、任意選択的には、実質的に一様な厚さを有している。カバー層の厚さにより、カバー層の破裂特性の制御が提供される。カバー層が薄すぎる場合、破裂エリアが大きくなりすぎる場合があり、それにより、隣接するバッテリーセルが破損したバッテリーセルのベントされた流出物に曝される。このことは、破損したバッテリーセルの熱暴走が隣接するバッテリーセルに広がるリスクを増大させる。同様に、カバー層が薄すぎる場合、影響を受けていないバッテリーセルに関するカバー層のシールド特性が不十分である場合がある。一方、カバー層が厚すぎる場合、カバー層が適切に破裂しない場合があり、それにより、流出物のベントチャンバーへの放出が妨げられる。流出物は、代わりに、バッテリーセル間の隙間の空間に放出される場合があり、この空間では、流出物が隣接するバッテリーセルの熱暴走を引き起こす、および/または、爆発を引き起こすリスクを伴って、破損したバッテリーセルにおいて圧力の増大を生じる可能性がある。
【0011】
任意選択的には、ベントチャンバーは、流出物を、ベントチャンバーを通してベントチャンバーの流出口に向けるように構成された1つまたは複数のベントチャンネルを含んでいる。1つまたは複数のベントチャンネルは、ベントされた流出物をバッテリーセルから離れるようにガイドする場合があり、それにより、カバー層、およびカバー層によってカバーされた影響を受けていないバッテリーセルの、ベントされた流出物への暴露を最小にする。ベントチャンネルは、たとえばカバー層とハウジングとの間に延びるベントチャンネルの壁によって形成される場合がある。ベントチャンネルの壁は、ベントされた流出物の影響下では破裂しないように構成され、影響を受けていないままである場合がある。
【0012】
任意選択的には、バッテリーセルの各々は、2つの端面間で長手軸に沿って延びる円筒形状の本体を含み、バッテリーセルは、バッテリーセルの長手軸が平行な状態で配置されており、カバー層はバッテリーセルの本体の端面をカバーしている。円筒状のバッテリーセルは、熱暴走の事象のケースにおいて、端面を通してベントされるように構成されている場合がある。円筒状のバッテリーセルの端面は、たとえば故意に、バッテリーセルのケーシングのもっとも弱い部分とされる場合がある。
【0013】
任意選択的には、バッテリーセルは、ベント用の端面と、ベント用ではない端面とを含み、本システムは、カバー層がバッテリーセルのベント用の端面をカバーするように構成されている場合がある。円筒状のバッテリーセルの端面のうちのベント用の端面は、たとえば、脆弱なゾーンまたはバルブを含む場合があり、一方、ベント用ではない端面は含んでいない。ベント用ではない端面は、たとえば、熱暴走のケースにおいてバッテリーセルがベント用の端面を通してベントされるように、ベント用の端面に比べて補強されている場合がある。
【0014】
任意選択的には、バッテリーセルの各々は、バッテリーセルの同じ端面にある正の電極端子と負の電極端子とを含んでいる。正の電極端子および負の電極端子は、たとえば、バッテリーセルのベント用の端面に配置されている場合がある。代替的には、正の電極端子および負の電極端子は、たとえば、バッテリーセルのベント用ではない端面に配置されている場合がある。
【0015】
任意選択的には、バッテリーセルは、バッテリーセルの正の電極端子と負の電極端子とが同じ側にあるように構成されている。
【0016】
任意選択的には、カバー層は、正の電極端子および負の電極端子が設けられたバッテリーセルの端面をカバーしている。カバー層は、このため、電極端子を絶縁させ、短絡のリスクを低減させる場合がある。
【0017】
任意選択的には、本システムは、バッテリーセルと熱的に接触している冷却本体を備え、冷却本体は、任意選択的には、バッテリーセルの正の電極端子および負の電極端子が設けられている側とは反対側に配置されている。冷却本体は、詳細には、破損したバッテリーセルから熱を抽出して、破損したセルの熱暴走を和らげるように構成することができる。本システムは、破損したバッテリーセルから抽出された熱の、冷却本体を介した隣接する影響を受けていないバッテリーセルへの移動を妨げるように構成されている場合がある。熱媒体、たとえば伝熱性ペーストは、たとえば、各バッテリーセルと冷却本体との間に設けられ、各バッテリーセルと冷却プレートとの間に耐熱性を提供するように構成されている場合がある。耐熱性は、任意の、たとえば破損したバッテリーセルから、熱媒体を介して冷却本体へと適切に熱を移動させるようになっているが、たとえば破損したバッテリーセルからの熱が熱媒体、冷却本体、そしてふたたび熱媒体を介して別のバッテリーセルへと移動することを十分に妨げるようになっている場合がある。
【0018】
任意選択的には、バッテリーセルは、それぞれのバッテリーセルの電極端子間に延びる複数のコネクターアームによって互いに電気的に接続されており、コネクターアームの各々は、過負荷電流がコネクターアームを通って流れると破損し、それによって隙間を形成するように構成されたヒューズセクションを含んでおり、ヒューズセクションはカバー層によって包含されている。任意選択的には、カバー層は、各コネクターアーム全体を包含するように構成されている。
【0019】
複数の別々のコネクターアームは、互いから物理的に分離されている場合がある。たとえば、各バッテリーセルは、複数の別々のコネクターアームのそれぞれ1つにより、少なくとも1つの他のバッテリーセルの電極端子に直接電気的に接続された電極端子を含む場合がある。別々のコネクターアームの各々は、たとえば、最大で2つのバッテリーセルを互いに電気的に接続する場合がある。このため、バッテリーセルのアレイは、集電プレートを使用する必要なく、電気的に相互接続させることができる。これにより、バッテリーセルが破損すると、アレイのバッテリーセルのベントのためのより広い空間を提供することができる。集電プレートは、通常は、セルアレイの大部分をカバーし、したがって、破損したバッテリーセルのベントを妨げ、それによって隣接するバッテリーセルが発火するリスクが増大する。個別のコネクターアームを使用してバッテリーセルを互いに直接接続することにより、電気コネクターによるバッテリーセルのカバーを最小にすることができる。
【0020】
任意選択的には、カバー層は、隙間に生成されるアークを抑制するように構成されている。任意選択的には、カバー層は、腐食および/または、振動などの機械的ストレスに対してコネクターアームを保護するように構成されている。
【0021】
任意選択的には、複数のコネクターアームのうちの各コネクターアームは単一の結合線によって形成されている。結合線は、過電流がこの結合線を通って流れると溶融し、結合線にセル間の電気接続を破断させるように構成されている場合がある。
【0022】
任意選択的には、結合線は、短絡のリスクを最小にするように、交差していない。
【0023】
任意選択的には、ベントチャンバーは、バッテリーモジュールの外部から実質的に密閉されている。これにより、汚染物質がベントチャンバーに入ること、およびバッテリーシステムの構成要素を劣化させることを防止する。
【0024】
任意選択的には、本システムは、ベントチャンバーにおける過度な圧力をベントチャンバーの外に制御可能にそらすことを可能にするために、ベントチャンバーと、バッテリーモジュールの外部との間に配置された圧力リリーフバルブを備えている。
【0025】
任意選択的には、本システムは、バッテリーセルのアレイを保持するハウジングを備え、ベントチャンバーはカバー層とハウジングとの間に形成されている。
【0026】
任意選択的には、ハウジングは、少なくとも1mm、好ましくは少なくとも2mm(例えば2mmから20mmの間)、より詳細には2mmから10mmの間の間隔によってベントチャンバーを規定するように、カバー層から離間している。
【0027】
任意選択的には、バッテリーセルは、互いの間の中間空間を規定し、前述の中間空間は気体で充填されている。この中間空間は、たとえば、空気、または窒素ガスなどの不活性ガスで充填されている場合がある。この中間空間には、カバー層の材料がない場合がある。任意選択的には、カバー層の材料は、バッテリーセルを互いから熱的および電気的に絶縁するように、中間空間に設けられている場合がある。カバー層の材料は、たとえば、バッテリーセルの各々を包含する場合がある。
【0028】
本発明の一態様によれば、バッテリーモジュールは、本明細書に記載のシステムを備えて提供される。バッテリーモジュールは、たとえば、バッテリーセルを保持するモジュールハウジングを含む場合があり、ベントチャンバーは、バッテリーセルをカバーするカバー層とバッテリーモジュールのハウジングとの間に形成されている。複数のバッテリーモジュールが、モジュール式バッテリーパックを形成するように相互接続されている場合がある。
【0029】
本発明の一態様によれば、モジュール式バッテリーパックは、複数の相互接続された本明細書に記載のバッテリーモジュールを備えて提供される。バッテリーパックは、複数の相互接続されたバッテリーモジュールを保持する、バッテリーパックハウジングを含む場合がある。バッテリーパックは、バッテリーパックを車両の電気モーターに、および/または、バッテリーモジュールよって保持されたバッテリーセルに充電するためのチャージャーに接続するためのパック端子を含む場合がある。バッテリーパックハウジングは、バッテリーモジュールの1つまたは複数からベントされた流出物がパックからパックの外に出ることを可能にするために、たとえば圧力リリーフバルブなどのバルブによって閉じられた流出開口を含む場合がある。バッテリーモジュールは、モジュール間にベントチャンネルを形成するように、バッテリーパック内に配置されている場合があり、これにより、流出物がパックの流出開口を通って出ることを可能にする。
【0030】
任意選択的には、バッテリーパックは、バッテリーモジュールの1つにおける熱暴走の事象を検知するためのセンサーと、このセンサーに通信可能に接続され、熱暴走の事象が検出されるとバッテリーパックをロードまたはチャージャーから接続解除するように構成され、かつ/または、たとえばオペレーターに通知するようにアラーム信号を送信するコントローラと、を含んでいる。
【0031】
本発明の一態様によれば、車両、詳細には建設車両が、本明細書に記載のバッテリーシステム、または本明細書に記載のバッテリーモジュールもしくはバッテリーパックを備えて提供される。
【0032】
本明細書に記載の態様、特徴、およびオプションのいずれかを合わせることができることを理解されたい。詳細には、バッテリーシステムの観点で記載された態様、特徴、およびオプションのいずれかが、バッテリーモジュールおよびバッテリーパックに等しく適用され、その逆もあり得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明の実施形態は、ここで、添付図面を参照して詳細に記載される。
【0034】
図1A】バッテリーシステムの概略側面図
図1B】バッテリーシステムの概略側面図
図2A】バッテリーシステムの概略斜視図
図2B】バッテリーシステムの概略斜視図
図3】バッテリーモジュールの概略平面図
図4】バッテリーパックの概略図
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1Aおよび図1Bはバッテリーシステム100の概略的実施例を示している。バッテリーシステム100は、ここではアレイ状に配置された複数のバッテリーセル1.iを備えている。アレイホルダ60は、互いに対して決まった空間的構成でバッテリーセル1.iを保持している。アレイのバッテリーセル1.iの各々は、この実施例では、一定の円形断面の円筒形状のバッテリー本体を有している。例示的システム10が、本明細書では円筒状のバッテリーセルを有するものとして記載されているが、パウチ状またはプリズム状のバッテリーセルなどの他のタイプのバッテリーセルを使用できることを理解されたい。この実施例における各バッテリーセル1.iの円筒形状のバッテリー本体は、頂面と底面との間に延びている。円筒状のバッテリーセル1.iは、ここでは、それらの長手軸が平行であるように配置されている。円筒状のバッテリーセル1.iは、21700、18650のバッテリーセル、または他のバッテリーセルなど、市場で利用可能な様々な標準的な寸法のセルから選択される場合がある。
【0036】
ここで、各バッテリーセル1.iは、その頂面に正の電極端子2.iおよび負の電極端子3.iを備えている。この実施例では、バッテリーセル1.iの正の電極端子2.iおよび負の電極端子3.iは、アレイの同じ側、ここでは頂部側に配置されている。正の電極端子2.iは、この実施例では、頂面の中心部分にあり、一方、負の電極端子3.iは頂面の外周部分にある。頂面とは反対側の各バッテリーセル1.iの底面は、電極端子の接続がなく、この実施例では、冷却本体70、詳細には冷却プレートに当接している。バッテリーセル1.iは、ここでは冷却本体70によって支持されており、冷却本体70に熱的に接触している。
【0037】
システム100は、カバー層10をさらに備え、バッテリーセル1.iをカバーしている。カバー層10は、ここではバッテリーセル1.iの頂面に置かれている。カバー層は、ここでは、各セル1.iに、ここでは頂面に直接接触している。システム100は、ここではカバー層10の上方にベントチャンバー20をも備えている。カバー層10は、ここでは、バッテリーセル1.iをベントチャンバー20から分離している。ベントチャンバー20は、この実施例では、カバー層10とハウジング40との間に形成されている。ベントチャンバー20は、このため、カバー層10の上方に上部空間を提供している。
【0038】
カバー層10は、アレイの破損したバッテリーセル1.iからベントされる流出物5の影響下で局所的に破裂するように構成されており、それにより、流出物5が、局所的に破裂したカバー層からベントチャンバー20に逃れることを可能にしている。図1Aは破損していないカバー層10を示しているが、図1Bは、破損したバッテリーセル1.3の位置で破裂したカバー層10を示している。破損したバッテリーセル1.3の熱暴走により、バッテリーセル1.3の頂面を通して流出物5が放出される。放出された流出物5の影響下では、カバー層10が局所的に破裂して、流出物5がバッテリーセルからベントチャンバー20へとベントされることを可能にするように、カバー層10を通る通路が提供される。カバー層10は、破損したバッテリーセル1.3の位置でのみ破裂し、他の場所では実質的に破損していないままである。このため、カバー層10は、ベントチャンバー20へとベントされている流出物5と、他の破損していないバッテリーセル1.1、1.2、1.4、1.5との間にバリアを提供する。カバー層10は特に、他の破損していないバッテリーセル1.1、1.2、1.4、1.5を、破損したバッテリーセル1.3によってベントチャンバー20内に放出されている流出物5から保護するように構成されている。流出物5は、ここでは圧力リリーフバルブ42が設けられたハウジング40の開口41を通してベントチャンバー20から排出される場合もある。
【0039】
ここで、カバー層10には、破損したバッテリーセルの位置でカバー層10が局所的に破裂することを促すように、脆弱なゾーン7が設けられている。脆弱なゾーン7は、ここでは局所的な凹部によって形成されており、バッテリーセルの位置において、カバー層の厚さを有効に局所的に低下させている。
【0040】
カバー層10は、様々な材料で形成することができる。カバー層10は、たとえば、ポリウレタン、またはシリコン樹脂などのシリコンベースの材料を含む、難燃性材料で形成されることが好ましい。カバー層10は、好ましくは、熱的および/または電気的に絶縁性である。カバー層10は、実質的に液体の形態、たとえばペーストでバッテリーセル1.iのアレイ上に堆積されている場合があり、ここで、カバー層10は、アレイ上に堆積された後に硬化されて、バッテリーシステムの使用時の固形のカバー層10を形成する。代替的には、カバー層10は硬化されず、バッテリーシステムの使用時に実質的に液体、たとえばペーストのままである場合がある。
【0041】
この実施例では、カバー層10は、実質的に一様な厚さ、ここでは約1.5mmの厚さを有するが、カバー層10は、代替的には、一様ではない厚さを有する場合がある。カバー層の厚さは、所望の破裂特性を得るように、カバー層の材料に応じて調整することができることを理解されたい。カバー層10は、層10の規定の位置において薄い場合がある。この規定の位置は、バッテリーセル1.iの位置に対応している。このため、脆弱なゾーンは、カバー層10の局所的な破裂特性を向上させるように、カバー層10に形成される場合がある。
【0042】
この実施例では、アレイのバッテリーセル1.iは、複数の別々のコネクターアーム4と電気的に相互接続されている。コネクターアーム4は、ここでは互いから物理的に分離されている。各コネクターアーム4は、最大で2つのバッテリーセルを互いに接続している。各コネクターアームは特に、最大で2つの電極端子を互いに接続している。各コネクターアーム4は、第1の端部と第2の端部との間に延びる導電路、具体的には分岐していない路を規定している。第1の端部および第2の端部は、2つのそれぞれのバッテリーセル1.iの電極端子に取り付けられており、こうして、最大で2つのバッテリーセルを互いに電気的に接続している。各コネクターアームは特に、2つの隣接するバッテリーセル1.iを互いに接続し、こうしてコネクターアームの長さを最小にしている。コネクターアーム4は特に、コネクターアームが互いに接触し、意図しない短絡を形成するリスクを最小にするように、交差していない場合がある。この実施例では、コネクターアーム4の各々が、単一の結合線によって形成されている。これにより、バッテリーセルのアレイを相互接続する、容易に適合可能な方法が提供される。本システムは、複数のバッテリーセルを同時に相互接続する集電プレートを含んでいない。
【0043】
カバー層10は、ここでは、詳細には、バッテリーセル1.iの正の電極端子2.iおよび負の電極端子3.iをカバーしている。カバー層10は、ここでは、詳細にはコネクターアーム4をも包含している。このコネクターアーム4は、ここでは結合線によって形成されており、個別のバッテリーセル1.iを互いに電気的に接続している。結合線は、過電流がこの結合線を流れると溶融し、電気接続を破断させる隙間を形成させる場合がある。カバー層10は、ここでは、詳細には、隙間にわたって発生する場合があるスパークを和らげるように配置されている場合がある。カバー層10は、たとえば隙間が形成される場合に隙間を充填することにより、隙間にわたる潜在的な短絡を抑制するように、たとえば熱の影響下で、たとえば崩壊し得る、熱膨張性である、および/または炭を形成する場合がある。
【0044】
図2Aおよび図2Bは、図1Aおよび図1Bに示されるものと同様に、バッテリーシステム100の概略斜視図を示している。図2Aと比較すると、図2Bに示されるカバー層10は、透過性であるように形成されている。
【0045】
図3は、バッテリーモジュール1000の実施例を示している。バッテリーモジュール1000は、バッテリーセル1.iの第1のアレイと、バッテリーセル11.iの第2のアレイと、を備えており、第1のアレイと第2のアレイとの各々は、第1のアレイホルダ61と第2のアレイホルダ62とによってそれぞれ保持されている。モジュール1000は、ハウジング40をも備えている。ハウジング40は、流出物5をベントチャンバー20から排出させるための開口41を有している。1つまたは複数のバッテリーモジュール1000がともに接続されて、バッテリーパックを形成する場合がある。アレイのエッジにおけるバッテリーセル1.i、11.iは、ブスバー20a、20bに接続されている。ここでは、2つのブスバー20a、20bが設けられており、これらブスバーに両方のアレイを接続することができる。
【0046】
第1のバッテリーセルアレイ1.iとバッテリーセルアレイ11.iとは、アレイ相互接続ボード50を介して互いに接続されている。アレイ相互接続ボード50は、ここでは、コネクターアーム4を取り付けるためのコンタクトゾーン51から56を含んでいる。相互接続ボード50は、ブスバー20a、20bのいずれかに、たとえばコネクターアーム4を介して任意選択的に接続される場合がある。アレイの別のエッジセクションにおけるバッテリーセル1.i、11.iは、コネクターアーム4によって相互接続ボード50に接続されている場合がある。ここで、ただ1つのアレイ1.iのバッテリーセルは、コントローラとインターフェースで接続するためのコントローラインターフェースボード30に接続されている。
【0047】
図4は、図3に示されるものなど、複数の接続されたバッテリーモジュール1000を含むバッテリーパック1010の概略実施例を示している。バッテリーパックは、ここでは、相互接続されたバッテリーモジュール1000を収容するパックハウジング45を含んでいる。パックハウジング45は、破損したバッテリーセルからベントされ、バッテリーモジュール1000から排出された流出物5を、バッテリーパック1010からも排出させるための開口46を含んでいる。パックハウジング45の開口46には、汚染物質がパックハウジング45に入ることを防止するように、バルブ、たとえば圧力リリーフバルブが設けられている場合がある。パック端子48は、バッテリーパック1010をロード、またはチャージャーに電気的に接続するために設けられている。
【0048】
本明細書では、本発明は、本発明の実施形態の特定の実施例を参照して記載されている。しかし、本発明の本質から逸脱することなく、様々な変更および変形が本発明で成される場合があることが明らかとなるであろう。明確性および簡潔な記載の目的のために、各特徴は、同じであるか別々の実施形態の一部として本明細書で記載されている。しかし、これら別々の実施形態に記載される特徴のすべてまたはいくつかの組合せを有する代替的実施形態も、同様に予想される。
【0049】
しかし、他の変更形態、変形形態、および代替形態も可能である。したがって、明細書、図面、および実施例は、限定的意味ではなく、むしろ説明的意味で解釈される。
【0050】
特許請求の範囲において、括弧の間に置かれるあらゆる参照符号は、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。「備える(comprising)」との用語は、請求項において列挙される特徴またはステップ以外の特徴またはステップの存在を除外するものではない。さらに、「a」および「an」との用語は、「ただ1つ(only one)」であるように限定されるものとは解されないものとし、代わりに、「少なくとも1つ(at least one)」を意味するために使用され、複数を除外しない。特定の手法が相互に異なる請求項に列挙されているという単なる事実は、これら手法の組合せを都合良く使用できないことを示すものではない。
【0051】
以下では、これまでに説明してきた実施形態について総括的に述べる。
【0052】
たとえば、本明細書中に開示されているバッテリーシステムは、
複数のバッテリーセルと、ベントチャンバーと、前記複数のバッテリーセルと前記ベントチャンバーとの間に配置され、前記複数のバッテリーセルをカバーするカバー層と、を備え、
前記カバー層が、破損したバッテリーセルの位置において、前記破損したバッテリーセルから放出される流出物の影響下で局所的に破裂するように構成され、前記流出物が前記局所的に破裂したカバー層を通って前記ベントチャンバー内へ逃れることを可能にしている構成(第1の構成)とされる。
【0053】
上記第1の構成のバッテリーシステムは、
前記カバー層が、前記ベントチャンバー内に逃れた流出物から前記複数のバッテリーセルを保護するように構成されている構成(第2の構成)であってもよい。
【0054】
また、上記第1又は第2の構成のバッテリーシステムは、
前記カバー層が、前記破損したバッテリーセルから放出される前記流出物の影響下で破裂するように構成された脆弱なゾーンを備えている構成(第3の構成)であってもよい。
【0055】
また、上記第3の構成のバッテリーシステムは、
前記複数のバッテリーセルのうちの各バッテリーセルが、前記カバー層の前記脆弱なゾーンのそれぞれ1つと関連づけられている構成(第4の構成)であってもよい。
【0056】
また、上記第1から第4のいずれかの構成のバッテリーシステムは、
前記カバー層が難燃性材料を含んでいる構成(第5の構成)であってもよい。
【0057】
また、上記第1から第5のいずれかの構成のバッテリーシステムは、
前記カバー層が、0.1mmから15mmの間、詳細には0.2mmから10mmの間、より詳細には0.5mmから6mmの間の厚さを有する構成(第6の構成)であってもよい。
【0058】
また、上記第1から第6のいずれかの構成のバッテリーシステムは、
前記ベントチャンバーが、前記流出物を、前記ベントチャンバーを通して前記ベントチャンバーの流出口へと方向づけるように構成された複数のベントチャンネルを含む構成(第7の構成)であってもよい。
【0059】
また、上記第1から第7のいずれかの構成のバッテリーシステムは、
前記複数のバッテリーセルの各々が、2つの端面間で長手軸に沿って延びる円筒形状の本体を含み、前記複数のバッテリーセルは、前記複数のバッテリーセルの長手軸が平行な状態で配置されており、前記カバー層は前記複数のバッテリーセルの本体の端面をカバーする構成(第8の構成)であってもよい。
【0060】
また、上記第1から第8のいずれかの構成のバッテリーシステムは、
前記複数のバッテリーセルの各々が、当該バッテリーセルの同じ端面にある正の電極端子と負の電極端子とを含む構成(第9の構成)であってもよい。
【0061】
また、上記第9の構成のバッテリーシステムは、
前記複数のバッテリーセルは、前記複数のバッテリーセルの正の電極端子と負の電極端子とが同じ側にあるように構成されている構成(第10の構成)であってもよい。
【0062】
また、上記第10の構成のバッテリーシステムは、
前記カバー層が、前記正の電極端子および前記負の電極端子が設けられた前記複数のバッテリーセルの前記端面をカバーしている構成(第11の構成)であってもよい。
【0063】
また、上記第10又は第11の構成のバッテリーシステムは、
前記複数のバッテリーセルと熱的に接触している冷却本体を備え、前記冷却本体が、前記複数のバッテリーセルの前記正の電極端子および前記負の電極端子が設けられている側とは反対側に配置されている構成(第12の構成)であってもよい。
【0064】
また、上記第1から第12のいずれかの構成のバッテリーシステムは、
前記複数のバッテリーセルが、それぞれのバッテリーセルの電極端子間に延びる複数のコネクターアームによって互いに電気的に接続されており、前記複数のコネクターアームの各々がヒューズセクションを含み、、前記ヒューズセクションは、過負荷電流が当該コネクターアームを通って流れると、破損して隙間を形成するように構成されており、前記ヒューズセクションが前記カバー層によって包含されている構成(第13の構成)であってもよい。
【0065】
また、上記第13の構成のバッテリーシステムは、
前記カバー層が、前記隙間に生成されるアークを抑制するように構成されている構成(第14の構成)であってもよい。
【0066】
また、上記第13又は第14の構成のバッテリーシステムは、
前記複数のコネクターアームのうちの各コネクターアームが単一の結合線によって形成されている構成(第15の構成)であってもよい。
【0067】
また、上記第15の構成のバッテリーシステムは、
前記結合線同士が交差していない構成(第16の構成)であってもよい。
【0068】
また、上記第1から第16のいずれかの構成のバッテリーシステムは、
前記ベントチャンバーが前記バッテリーモジュールの外部から実質的に密閉されている構成(第17の構成)であってもよい。
【0069】
また、上記第17の構成のバッテリーシステムは、
前記ベントチャンバーと、前記バッテリーモジュールの外部との間に配置された圧力リリーフバルブを備えている構成(第18の構成)であってもよい。
【0070】
また、上記第1から第18のいずれかの構成のバッテリーシステムは、
前記複数のバッテリーセルを保持するハウジングを備え、前記ベントチャンバーが前記カバー層と前記ハウジングとの間に形成されている構成(第19の構成)であってもよい。
【0071】
また、上記第19の構成のバッテリーシステムは、
前記ハウジングが、少なくとも1mmの間隔によって、好ましくは2mmから20mmの間など少なくとも2mmの間隔によって、より詳細には2mmから10mmの間の間隔によって前記ベントチャンバーを規定するように、前記カバー層から離間している構成(第20の構成)であってもよい。
【0072】
また、上記第1から第20のいずれかの構成のバッテリーシステムは、
前記複数のバッテリーセルがアレイ状に配置されている構成(第21の構成)であってもよい。
【0073】
また、上記第1から第21のいずれかの構成のバッテリーシステムは、
前記複数のバッテリーセルがアレイ状に配置されている構成(第22の構成)であってもよい。
【0074】
また、本明細書中に開示されているバッテリーモジュールは、
上記第1から第22のいずれかの構成のシステムを備えた構成(第23の構成)とされる。
【0075】
また、本明細書中に開示されているモジュール式バッテリーパックは、
上記第23の構成のバッテリーモジュールが複数相互接続されている構成(第24の構成)とされる。
【0076】
また、本明細書中に開示されている車両は、
また、上記第1から第22のいずれかの構成のバッテリーシステム、上記第23の構成のバッテリーモジュール、および/または上記第24の構成のモジュール式バッテリーパックを備えた構成(第25の構成)とされる。
【符号の説明】
【0077】
1.i,1.1~1.6,11.i バッテリーセル
2.i,2.1~2.5 正の電極端子
3.i,3.1~3.5 負の電極端子
4 コネクターアーム
5 流出物
7 ゾーン
10 カバー層
20 ベントチャンバー
20a、20b ブスバー
30 コントローラインターフェースボード
40 ハウジング
41 開口
42 圧力リリーフバルブ
45 パックハウジング
46 開口
48 パック端子
50 アレイ相互接続ボード
51 コンタクトゾーン
60,61,62 アレイホルダ
70 冷却本体
100 バッテリーシステム
1000 バッテリーモジュール
1010 バッテリーパック
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4