(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054105
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】医療デバイスデータ後方関連付けシステム、装置、および方法
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20240409BHJP
A61M 5/142 20060101ALI20240409BHJP
G16H 40/40 20180101ALI20240409BHJP
【FI】
G16H10/00
A61M5/142
G16H40/40
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024000590
(22)【出願日】2024-01-05
(62)【分割の表示】P 2020563413の分割
【原出願日】2019-05-10
(31)【優先権主張番号】62/670,441
(32)【優先日】2018-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(71)【出願人】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】トロイ デイビッド ヒーブリン
(72)【発明者】
【氏名】カート マシュー アレン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ エドウィン フィスク
(57)【要約】
【課題】医療デバイスデータ後方関連付けシステム、装置、および方法の提供。
【解決手段】医療デバイスデータ後方関連付けシステム、装置、および方法が、開示される。ある例示的実施形態では、サーバが、デバイス識別子を含む、第1の医療デバイスデータを医療デバイスから受信し、デバイス識別子と任意の患者識別子または薬品指示識別子との間にいかなる関連付けも存在しないと決定した後、データベース内の関連付けられない記録に第1の医療デバイスデータを記憶する。医療デバイスが、薬品を患者に投与している間、サーバは、デバイス識別子、患者識別子、および薬品指示識別子のうちの少なくとも2つを含む、識別子メッセージを受信する。サーバは、識別子メッセージを使用して、患者の医療記録と医療デバイスとの間の識別子関連付けを作成する。サーバは、識別子関連付けを使用し、医療デバイスからの後続医療デバイスデータを患者の医療記録に記憶する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入ポンプ装置であって、前記注入ポンプ装置は、
流体容器から静脈管を介して患者に流体を移動させるように構成されている駆動機構と、
ユーザインタフェースと、
ディスプレイスクリーンと、
(i)デバイス識別子と(ii)患者に関する注入療法を実行するための処方箋パラメータとを記憶するように構成されているメモリデバイスと、
前記駆動機構と前記ユーザインタフェースと前記ディスプレイスクリーンと前記メモリデバイスとに通信可能に結合されているプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、
前記処方箋パラメータに応じて動作することにより前記注入療法を実行することと前記注入療法を実行することに関連する第1の医療デバイスデータを生成することとを前記駆動機構に行わせることと、
前記第1の医療デバイスデータと前記デバイス識別子とをネットワークを介してサーバに伝送することであって、前記デバイス識別子と任意の患者識別子または薬品指示との間にはいかなる関連付けも存在せず、前記サーバは、前記第1の医療デバイスデータをデータベース内の関連付けられていない電子医療記録(「EMR」)に記憶し、前記関連付けられていないEMRは、前記患者に関連付けられていない、ことと、
前記デバイス識別子を表示するために前記注入療法を実行している間に前記ユーザインタフェースを介して要求を受信することと、
前記デバイス識別子が機械走査可能なコードとして前記ディスプレイスクリーン上に表示されることを引き起こすことであって、前記デバイス識別子を走査することは、前記関連付けられていないEMRが関連付けられているEMRになるように、前記サーバを介して、前記患者のEMRと前記デバイス識別子との間の関連付けを作成し、前記関連付けられているEMRは、前記患者に関連付けられている、ことと、
前記注入療法を実行することに関連する第2の医療デバイスデータを生成することと、
前記第2の医療デバイスデータと前記デバイス識別子とを前記ネットワークを介して前記サーバに伝送することであって、前記EMRと前記デバイス識別子との関連付けは、前記第2の医療デバイスデータが前記患者の前記EMRに記憶されることを引き起こす、ことと
を行うように構成されている、注入ポンプ装置。
【請求項2】
前記関連付けは、前記患者の前記EMRを前記デバイス識別子と患者リストバンド上のコードを走査することによって取得される患者識別子と前記処方箋パラメータを特定する薬品指示とに関連付けることによって、前記患者の前記EMRと前記デバイス識別子との間に作成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記関連付けは、
前記デバイス識別子と、前記患者識別子および薬品指示識別子のうちの少なくとも一方とを関連付け記録のエントリに記憶すること、
前記デバイス識別子を前記患者の前記EMRに記憶すること、または、
前記デバイス識別子を前記患者の前記薬品指示に記憶すること
のうちの少なくとも1つによって、前記患者の前記EMRと前記デバイス識別子との間に作成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記駆動機構は、シリンジポンプ、線形蠕動ポンプ、大容量ポンプ(「LVP」)、携帯型ポンプ、または、マルチチャネルポンプのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の医療デバイスデータおよび前記第2の医療デバイスデータは、注入レート、投薬量、注入された合計体積、前記注入療法に関する残り時間、薬品濃度、レート変化、薬品容器内の残りの体積、薬品名称、患者識別子、滴定情報、ボーラス情報、処置面積識別子、前記第1の医療デバイスデータおよび前記第2の医療デバイスデータが生成されたときのタイムスタンプ、アラーム条件、アラート条件、または、事象のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記機械走査可能なコードは、英数字、バーコード、または、クイックレスポンス(「QR」)コードのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記機械走査可能なコードは、可動式コンピュータに接続されているバーコード走査装置によって走査されるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記デバイス識別子を暗号化することと、
前記デバイス識別子が前記デバイス識別子の暗号化されたバージョンとして前記ディスプレイスクリーン上に表示されることを引き起こすことと
を行うように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記患者の前記EMRと前記デバイス識別子との間の前記関連付けを作成することは、前記第1の医療デバイスデータが前記患者の前記EMRに記憶されることを引き起こす、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の医療デバイスデータおよび前記第2の医療デバイスデータは、INTCOMフォーマットまたはEXTCOMフォーマットにある、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
医療デバイスデータ後方関連付け方法であって、
医療デバイスのプロセッサを介して、処方箋パラメータを記憶することと、
前記プロセッサを介して、前記処方箋パラメータに応じて動作することにより患者に関する療法を実行することを駆動機構に行わせることであって、前記駆動機構は、流体容器から管を介して前記患者に流体を移動させるように構成されている、ことと、
前記プロセッサを介して、前記療法を実行することに関連する第1の医療デバイスデータを生成することと、
前記プロセッサを介して、前記第1の医療デバイスデータと前記医療デバイスの識別子とをネットワークを介してサーバに伝送することであって、前記デバイス識別子と任意の患者識別子または薬品指示との間にはいかなる関連付けも存在せず、前記サーバは、前記第1の医療デバイスデータをデータベース内の関連付けられていない電子医療記録(「EMR」)に記憶し、前記関連付けられていないEMRは、前記患者に関連付けられていない、ことと、
前記医療デバイスのユーザインタフェースを介して、前記プロセッサにおいて、前記デバイス識別子を表示するために前記療法を実行している間に要求を受信することと、
前記プロセッサを介して、前記デバイス識別子が機械走査可能なコードとして前記医療デバイスのディスプレイスクリーン上に表示されることを引き起こすことであって、前記デバイス識別子を走査することは、前記関連付けられていないEMRが関連付けられているEMRになるように、前記サーバを介して、前記患者のEMRと前記デバイス識別子との間の関連付けを作成し、前記関連付けられているEMRは、前記患者に関連付けられている、ことと、
前記プロセッサを介して、前記療法を実行することに関連する第2の医療デバイスデータを生成することと、
前記プロセッサを介して、前記第2の医療デバイスデータと前記医療デバイスの識別子とを前記ネットワークを介して前記サーバに伝送することであって、前記EMRと前記デバイス識別子との関連付けは、前記第2の医療デバイスデータが前記患者の前記EMRに記憶されることを引き起こす、ことと
を含む、医療デバイスデータ後方関連付け方法。
【請求項12】
前記医療デバイスは、注入ポンプまたは腎不全療法機械のうちの少なくとも一方を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記注入ポンプは、シリンジポンプ、線形蠕動ポンプ、大容量ポンプ(「LVP」)、携帯型ポンプ、または、マルチチャネルポンプのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記関連付けは、前記患者の前記EMRを前記デバイス識別子と患者リストバンド上のコードを走査することによって取得される患者識別子と前記処方箋パラメータを特定する薬品指示とに関連付けることによって、前記患者の前記EMRと前記デバイス識別子との間に作成される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記薬品指示は、薬品名称、注入される体積、薬品濃度、または、薬品送達レートのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記関連付けは、
前記デバイス識別子と、前記患者識別子および薬品指示識別子のうちの少なくとも一方とを関連付け記録のエントリに記憶すること、
前記デバイス識別子を前記患者の前記EMRに記憶すること、または、
前記デバイス識別子を前記患者の前記薬品指示に記憶すること
のうちの少なくとも1つによって、前記患者の前記EMRと前記デバイス識別子との間に作成される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の医療デバイスデータおよび前記第2の医療デバイスデータは、注入レート、投薬量、注入された合計体積、前記注入療法に関する残り時間、薬品濃度、レート変化、薬品容器内の残りの体積、薬品名称、患者識別子、滴定情報、ボーラス情報、処置面積識別子、前記第1の医療デバイスデータおよび前記第2の医療デバイスデータが生成されたときのタイムスタンプ、アラーム条件、アラート条件、または、事象のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記機械走査可能なコードは、英数字、バーコード、または、クイックレスポンス(「QR」)コードのうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、
前記プロセッサを介して、前記デバイス識別子を暗号化することと、
前記プロセッサを介して、前記デバイス識別子が前記デバイス識別子の暗号化されたバージョンとして前記ディスプレイスクリーン上に表示されることを引き起こすことと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記患者の前記EMRと前記デバイス識別子との間の前記関連付けを作成することは、前記第1の医療デバイスデータが前記患者の前記EMRに記憶されることを引き起こす、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
医療文書化は、医療システムの重要な構成要素である。患者の治療は、多くの場合、その健康条件、過去の治療、および進行中の治療の適切な文書化に基づく。加えて、患者の健康状態文書化は、異なる診療分野からの異なる臨床医が、患者の健康状態の見通しを改善するために十分に情報を与えられた決定を行うために、患者の病歴を閲覧することを可能にする。
【0002】
現在、患者の健康状態文書化は、電子医療記録(「EMR」)内に記憶される。いかなる普遍的フォーマットも、存在しないが、EMRは、典型的には、患者の身体的特性、測定された生理学的パラメータ、診断試験結果、実施された医療手技の要約、および臨床医の注記を含有する。多くのEMRはまた、療法を患者に提供している医療デバイスから伝送されるデータを含む。医療デバイスからのデータは、注入療法データまたは腎不全療法データを含むことができる。いくつかの公知の事例では、臨床医は、注入または透析データをEMRに手動で入力する。
【0003】
いくつかの最近の進歩は、EMRサーバが、注入または透析デバイスから受信されるデータを(患者のEMRに直接)記憶することを可能にする。しかしながら、本自動的記憶は、臨床医が、治療を提供することに先立って、医療デバイスと、患者と、薬品指示(または医療記録)との間の関連付けを提供することを要求する。例えば、関連付けを行うために、臨床医は、患者のEMRからの薬品指示を開くために、デバイスのインターフェースを使用する必要性がある。臨床医は、次いで、患者識別子および/または医療デバイス識別子を薬品指示に入力し、関連付けを作成し得る。
【0004】
関連付けが、行われない場合、EMRサーバは、データを受信するが、医療データが記憶されるべき場所を示す関連付け情報を有していない。その結果、いくつかのEMRサーバは、受信されたデータを破棄する一方、他のEMRサーバは、一時的データベース場所にデータを記憶する。治療が開始された後に関連付けを行うために、臨床医は、受信されたデータを一時的データベース記憶場所から患者のEMRに手動でコピーする必要性があり、これは、概して、時間がかかり、非効率的なプロセスである。さらに、臨床医は、新しく受信されたデータが、患者のEMRに自動的に記憶されるように、医療デバイスと患者との間の関連付けを手動で作成する必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、治療が開始された時間にかかわらず、医療デバイスデータを患者の電子医療記録(「EMR」)と関連付けることによって、医療記録文書化を提供するためのシステム、装置、および方法を記載する。いくつかの実施例では、医療デバイスは、デバイス識別子を示すコードを表示または提供することによって、後方関連付けを可能にするように構成される。患者識別子および/または薬品識別子もまた、走査または入力されてもよい。走査された識別子は、患者医療記録を管理するように構成されるサーバに伝送される。サーバは、例えば、走査された患者識別子を医療記録内の患者識別子に合致させる。合致が、行われた後、サーバは、医療デバイス識別子を医療記録と関連付ける。サーバは、デバイス識別子を有する医療デバイスデータを患者の医療記録に記憶するために、関連付けを使用する。
【0006】
本明細書に説明される主題の側面は、単独で、または本明細書に説明される1つ以上の他の側面と組み合わせて、有用であり得る。前述の説明を限定することなく、本開示の第1の側面では、電子医療記録システムは、メモリデバイス内に記憶される、データベースを含み、データベースは、薬品指示を患者の電子医療記録(「EMR」)に記憶するように構成される。薬品指示は、薬品指示識別子と、患者の患者識別子とを含む。患者のEMRは、患者識別子を含む。電子医療記録システムはまた、データベースと、サーバのプロセッサによって実行されると、サーバにある動作を実施させる、機械可読コードまたは命令を記憶する、メモリとに通信可能に結合される、サーバを含む。動作は、ネットワークを介して医療デバイスから第1の医療デバイスデータを受信するステップを含み、第1の医療デバイスデータは、医療デバイスのデバイス識別子を含む。動作はまた、第1の時間に、デバイス識別子と任意の患者識別子または薬品指示識別子との間にいかなる関連付けも存在しないと決定し、第1の医療デバイスデータをデータベース内の関連付けられない記録に記憶するステップを含む。動作はさらに、医療デバイスが、薬品を患者に投与している間、デバイス識別子、患者識別子、および薬品指示識別子のうちの少なくとも2つを含む、識別子メッセージを受信するステップと、識別子メッセージの患者識別子または薬品指示識別子を薬品指示の薬品指示識別子または患者識別子に合致させることによって、患者のEMRと医療デバイスとの間の関連付けを作成するステップとを含む。加えて、動作は、患者のEMRと医療デバイスとの間の関連付けの後である第2の時間に、医療デバイスから第2の医療デバイスデータを受信するステップを含み、第2の医療デバイスデータは、デバイス識別子を含む。動作はさらに、患者のEMRと医療デバイスとの間の作成された関連付けに基づいて、第2の医療デバイスデータを患者のEMRに記憶するステップを含む。
【0007】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第2の側面によると、サーバは、デバイス識別子および患者識別子または薬品指示識別子のうちの少なくとも1つを関連付け記録のエントリに記憶するステップ、デバイス識別子を患者のEMRに記憶するステップ、またはデバイス識別子を患者の薬品指示に記憶するステップのうちの少なくとも1つによって、患者のEMRと医療デバイスとの間の関連付けを作成するように構成される。
【0008】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第3の側面によると、サーバは、患者のEMRと医療デバイスとの間の関連付けが、作成された後、第1の医療デバイスデータを患者のEMRに記憶するように構成される。
【0009】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第4の側面によると、サーバは、関連付けられない記録または第1の医療デバイスデータのうちの少なくとも1つをデータベースから削除させるように構成される。
【0010】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第5の側面によると、識別子メッセージのデバイス識別子は、医療デバイスが、薬品を患者に投与している間、バーコード走査装置を介して、英数字、バーコード、またはクイックレスポンス(「QR」)コードのうちの少なくとも1つを走査することによって決定される。
【0011】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第6の側面によると、サーバは、バーコード走査装置またはバーコード走査装置に接続される可動式コンピュータ(computer on wheels)から識別子メッセージを受信するように構成される。
【0012】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第7の側面によると、電子医療記録システムはさらに、ネットワークを介して医療デバイスおよびサーバに通信可能に結合される、ゲートウェイを含む。ゲートウェイは、INTCOMまたはEXTCOMフォーマットにおいて医療デバイスから医療デバイスデータを受信し、医療デバイスデータをHL7フォーマットに変換し、フォーマットされた医療デバイスデータをサーバに伝送するように構成される。
【0013】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第8の側面によると、関連付けられない記録は、デバイス識別子によってデータベース内でインデックス化される。
【0014】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第9の側面によると、医療デバイスは、注入ポンプまたは腎不全療法機械のうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第10の側面によると、電子医療記録方法は、プロセッサを介して、データベース内の電子医療記録(「EMR」)に、患者の薬品指示を記憶するステップであって、薬品指示は、薬品指示識別子と、患者識別子とを含む、ステップと、プロセッサにおいて、ネットワークを介して医療デバイスから第1の医療デバイスデータを受信するステップであって、第1の医療デバイスデータは、医療デバイスのデバイス識別子を含む、ステップと、プロセッサを介して、デバイス識別子と任意の患者識別子または薬品指示識別子との間にいかなる関連付けも存在しないと決定した後、第1の医療デバイスデータをデータベース内の関連付けられない記録に記憶するステップと、プロセッサにおいて、医療デバイスが、薬品を患者に投与している間、デバイス識別子、患者識別子、および薬品指示識別子のうちの少なくとも2つを含む、識別子メッセージを受信するステップと、プロセッサを介して、識別子メッセージを使用して、患者のEMRと医療デバイスとの間の関連付けを作成するステップと、プロセッサにおいて、患者のEMRと医療デバイスとの間の関連付けの後、医療デバイスから第2の医療デバイスデータを受信するステップであって、第2の医療デバイスデータは、デバイス識別子を含む、ステップと、プロセッサを介して、患者のEMRと医療デバイスとの間の作成された関連付けに基づいて、第2の医療デバイスデータを患者のEMRに記憶するステップとを含む。
【0016】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第11の側面によると、本方法はさらに、患者のEMRと医療デバイスとの間の関連付けが、作成された後、第1の医療デバイスデータを患者のEMRに記憶するステップを含む。
【0017】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第12の側面によると、本方法はさらに、医療デバイスが、薬品を患者に投与している間、医療デバイスのインターフェースにおいて、デバイス識別子を表示するためのオペレータ入力を受信するステップと、医療デバイスを介して、デバイス識別子を医療デバイスの画面上に表示させるステップとを含む。
【0018】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第13の側面によると、デバイス識別子は、英数字、バーコード、またはクイックレスポンス(「QR」)コードのうちの少なくとも1つを介して表示される。
【0019】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第14の側面によると、本方法はさらに、バーコード走査装置において、医療デバイスの画面上に表示されるデバイス識別子を読み取ることから、デバイス識別子を示す第1の情報を受信するステップと、バーコード走査装置において、患者リストバンド上に提供される患者識別子を読み取ることから、患者識別子を示す第2の情報を受信するステップと、バーコード走査装置に接続されるコンピュータを介して、識別子メッセージを作成するステップと、コンピュータを介して、ネットワークを介して識別子メッセージをプロセッサに伝送するステップとを含む。
【0020】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第15の側面によると、本方法はさらに、プロセッサにおいて、調剤サーバから少なくとも1つのHL7メッセージ内の薬品指示を受信するステップと、プロセッサを介して、患者のEMRと薬品指示との間の関連付けのために、患者識別子を使用して、薬品指示を患者のEMRに記憶するステップとを含む。
【0021】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第16の側面によると、薬品指示は、薬品名称、注入されるべき体積、薬品濃度、または薬品送達レートのうちの少なくとも1つを含む。
【0022】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第17の側面によると、識別子メッセージ内のデバイス識別子は、暗号化され、さらに、プロセッサを介して、記憶されたキーを使用してデバイス識別子を復号化するステップを含む。
【0023】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第18の側面によると、電子医療記録メモリは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、注入ポンプが、薬品を患者に投与している間、注入ポンプのデバイス識別子、患者の患者識別子、および薬品の薬品指示識別子のうちの少なくとも2つを含む、識別子メッセージを受信することと、識別子メッセージを使用して、データベース内に位置する患者のEMRと注入ポンプとの間の関連付けを作成することと、患者のEMRと注入ポンプとの間の関連付けの後、注入ポンプから注入ポンプデータを受信することであって、注入ポンプデータは、デバイス識別子を含む、ことと、患者のEMRと注入ポンプとの間の作成された関連付けに基づいて、注入ポンプデバイスデータを患者のEMRに記憶することとを行わせる、機械可読コードまたは命令を記憶する。
【0024】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第19の側面によると、電子医療記録メモリはさらに、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、患者のEMRと注入ポンプとの間の関連付けの前に、第1の注入ポンプデバイスデータを受信することと、デバイス識別子と任意の患者識別子または薬品指示識別子との間にいかなる関連付けも存在しないと決定した後、第1の医療デバイスデータをデータベース内の関連付けられない記録に記憶することとを行わせる、機械可読コードまたは命令を記憶する。
【0025】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第20の側面によると、電子医療記録メモリはさらに、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、患者のEMRと医療デバイスとの間の関連付けが、作成された後、第1の医療デバイスデータを患者のEMRに記憶させる、機械可読コードまたは命令を記憶する。
【0026】
本開示の第21の側面によると、
図1-11と関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかは、
図1-11のその他のうちのいずれか、および前述の側面のいずれか1つ以上のものと関連して図示および説明される構造および機能性のうちのいずれかと組み合わせて使用されてもよい。
【0027】
上記の側面および本明細書における開示に照らして、故に、関連付けが医療デバイスと患者との間で行われる時間にかかわらず、医療デバイスデータが患者のEMRに記憶されることを可能にするシステムを提供することが、本開示の利点である。
【0028】
関連付けが、行われた後、医療デバイスデータが患者のEMRに転送されることを可能にするシステムを提供することが、本開示の別の利点である。
【0029】
本明細書に議論される利点は、本明細書に開示される実施形態のうちの1つまたはいくつかに見出され、おそらく、その全てに見出されるわけではない場合がある。付加的特徴および利点が、本明細書に説明され、以下の詳細な説明および図から明白となるであろう。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
電子医療記録システムであって、
メモリデバイス内に記憶されるデータベースであって、上記データベースは、薬品指示を患者の電子医療記録(「EMR」)に記憶するように構成され、上記薬品指示は、薬品指示識別子と、上記患者の患者識別子とを含み、上記患者のEMRは、上記患者識別子を含む、データベースと、
サーバであって、上記サーバは、上記データベースと、メモリとに通信可能に結合され、上記メモリは、機械可読コードまたは命令を記憶しており、上記機械可読コードまたは命令は、サーバのプロセッサによって実行されると、上記サーバに、
ネットワークを介して医療デバイスから第1の医療デバイスデータを受信することであって、上記第1の医療デバイスデータは、上記医療デバイスのデバイス識別子を含む、ことと、
第1の時間に、上記デバイス識別子と任意の患者識別子または薬品指示識別子との間にいかなる関連付けも存在しないと決定し、上記第1の医療デバイスデータを上記データベース内の関連付けられない記録に記憶することと、
上記医療デバイスが、上記薬品を上記患者に投与している間、上記デバイス識別子、上記患者識別子、および上記薬品指示識別子のうちの少なくとも2つを含む識別子メッセージを受信することと、
上記識別子メッセージの患者識別子または薬品指示識別子を上記薬品指示の薬品指示識別子または患者識別子に合致させることによって、上記患者のEMRと上記医療デバイスとの間の関連付けを作成することと、
上記患者のEMRと上記医療デバイスとの間の上記関連付けの後である第2の時間に、上記医療デバイスから第2の医療デバイスデータを受信することであって、上記第2の医療デバイスデータは、上記デバイス識別子を含む、ことと、
上記患者のEMRと上記医療デバイスとの間の上記作成された関連付けに基づいて、上記第2の医療デバイスデータを上記患者のEMRに記憶することと
を行わせる、サーバと
を備える、システム。
(項目2)
上記サーバは、
上記デバイス識別子および上記患者識別子または上記薬品指示識別子のうちの少なくとも1つを関連付け記録のエントリに記憶すること、
上記デバイス識別子を上記患者のEMRに記憶すること、または、
上記デバイス識別子を上記患者の薬品指示に記憶すること
のうちの少なくとも1つによって、上記患者のEMRと上記医療デバイスとの間の関連付けを作成するように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目3)
上記サーバは、上記患者のEMRと上記医療デバイスとの間の上記関連付けが作成された後、上記第1の医療デバイスデータを上記患者のEMRに記憶するように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目4)
上記サーバは、上記関連付けられない記録または上記第1の医療デバイスデータのうちの少なくとも1つを上記データベースから削除させるように構成される、項目3に記載のシステム。
(項目5)
上記識別子メッセージのデバイス識別子は、上記医療デバイスが、上記薬品を上記患者に投与している間、バーコード走査装置を介して、英数字、バーコード、またはクイックレスポンス(「QR」)コードのうちの少なくとも1つを走査することによって決定される、項目1に記載のシステム。
(項目6)
上記サーバは、上記バーコード走査装置または上記バーコード走査装置に接続される可動式コンピュータから上記識別子メッセージを受信するように構成される、項目5に記載のシステム。
(項目7)
上記ネットワークを介して上記医療デバイスおよび上記サーバに通信可能に結合されるゲートウェイをさらに備え、上記ゲートウェイは、
INTCOMまたはEXTCOMフォーマットにおいて上記医療デバイスから上記医療デバイスデータを受信することと、
上記医療デバイスデータをHL7フォーマットに変換することと、
上記フォーマットされた医療デバイスデータを上記サーバに伝送することと
を行うように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目8)
上記関連付けられない記録は、上記デバイス識別子によって上記データベース内でインデックス化される、項目1に記載のシステム。
(項目9)
上記医療デバイスは、注入ポンプまたは腎不全療法機械のうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載のシステム。
(項目10)
電子医療記録方法であって、
プロセッサを介して、データベース内の電子医療記録(「EMR」)に、患者の薬品指示を記憶することであって、上記薬品指示は、薬品指示識別子と、患者識別子とを含む、ことと、
上記プロセッサにおいて、ネットワークを介して医療デバイスから第1の医療デバイスデータを受信することであって、上記第1の医療デバイスデータは、上記医療デバイスのデバイス識別子を含む、ことと、
上記プロセッサを介して、上記デバイス識別子と任意の患者識別子または薬品指示識別子との間にいかなる関連付けも存在しないと決定した後、上記第1の医療デバイスデータを上記データベース内の関連付けられない記録に記憶することと、
上記プロセッサにおいて、上記医療デバイスが、上記薬品を上記患者に投与している間、上記デバイス識別子、上記患者識別子、および上記薬品指示識別子のうちの少なくとも2つを含む識別子メッセージを受信することと、
上記プロセッサを介して、上記識別子メッセージを使用して、上記患者のEMRと上記医療デバイスとの間の関連付けを作成することと、
上記プロセッサにおいて、上記患者のEMRと上記医療デバイスとの間の上記関連付けの後、上記医療デバイスから第2の医療デバイスデータを受信することであって、上記第2の医療デバイスデータは、上記デバイス識別子を含む、ことと、
上記プロセッサを介して、上記患者のEMRと上記医療デバイスとの間の上記作成された関連付けに基づいて、上記第2の医療デバイスデータを上記患者のEMRに記憶することと
を含む、方法。
(項目11)
上記患者のEMRと上記医療デバイスとの間の上記関連付けが、作成された後、上記第1の医療デバイスデータを上記患者のEMRに記憶することをさらに含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
上記医療デバイスが、上記薬品を上記患者に投与している間、上記医療デバイスのインターフェースにおいて、上記デバイス識別子を表示するためのオペレータ入力を受信することと、
上記医療デバイスを介して、上記デバイス識別子を上記医療デバイスの画面上に表示させることと
をさらに含む、項目10に記載の方法。
(項目13)
上記デバイス識別子は、英数字、バーコード、またはクイックレスポンス(「QR」)コードのうちの少なくとも1つを介して表示される、項目12に記載の方法。
(項目14)
バーコード走査装置において、上記医療デバイスの画面上に表示される上記デバイス識別子を読み取ることから、上記デバイス識別子を示す第1の情報を受信することと、
バーコード走査装置において、患者リストバンド上に提供される上記患者識別子を読み取ることから、上記患者識別子を示す第2の情報を受信することと、
上記バーコード走査装置に接続されるコンピュータを介して、上記識別子メッセージを作成することと、
上記コンピュータを介して、上記ネットワークを介して上記識別子メッセージを上記プロセッサに伝送することと
をさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目15)
上記プロセッサにおいて、調剤サーバから少なくとも1つのHL7メッセージ内の上記薬品指示を受信することと、
上記プロセッサを介して、上記患者のEMRと上記薬品指示との間の関連付けのために、上記患者識別子を使用して、上記薬品指示を上記患者のEMRに記憶することと
をさらに含む、項目10に記載の方法。
(項目16)
上記薬品指示は、薬品名称、注入されるべき体積、薬品濃度、または薬品送達レートのうちの少なくとも1つを含む、項目10に記載の方法。
(項目17)
上記識別子メッセージ内の上記デバイス識別子は、暗号化され、さらに、上記プロセッサを介して、記憶されたキーを使用して上記デバイス識別子を復号化することを含む、項目10に記載の方法。
(項目18)
電子医療記録メモリであって、上記電子医療記録メモリは、機械可読コードまたは命令を記憶しており、上記機械可読コードまたは命令は、プロセッサによって実行されると、上記プロセッサに、
注入ポンプが、薬品を患者に投与している間、上記注入ポンプのデバイス識別子、上記患者の患者識別子、および上記注入ポンプによって投与されている薬品の薬品指示識別子のうちの少なくとも2つを含む識別子メッセージを受信することと、
上記識別子メッセージを使用して、データベース内に位置する上記患者のEMRと上記注入ポンプとの間の関連付けを作成することと、
上記患者のEMRと上記注入ポンプとの間の上記関連付けの後、上記注入ポンプから注入ポンプデータを受信することであって、上記注入ポンプデータは、上記デバイス識別子を含む、ことと、
上記患者のEMRと上記注入ポンプとの間の上記作成された関連付けに基づいて、上記注入ポンプデバイスデータを上記患者のEMRに記憶することと
を行わせる、電子医療記録メモリ。
(項目19)
上記プロセッサによって実行されると、上記プロセッサに、
上記患者のEMRと上記注入ポンプとの間の上記関連付けの前に、第1の注入ポンプデバイスデータを受信することと、
上記デバイス識別子と任意の患者識別子または薬品指示識別子との間にいかなる関連付けも存在しないと決定した後、第1の医療デバイスデータを上記データベース内の関連付けられない記録に記憶することと
を行わせる機械可読コードまたは命令をさらに記憶する、項目18に記載の電子医療記録メモリ。
(項目20)
上記プロセッサによって実行されると、上記プロセッサに、上記患者のEMRと上記医療デバイスとの間の上記関連付けが作成された後、上記第1の医療デバイスデータを上記患者のEMRに記憶させる機械可読コードまたは命令をさらに記憶する、項目19に記載の電子医療記録メモリ。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、本開示の例示的実施形態による、本明細書に説明される例示的方法、装置、およびシステムのために構成される、医療環境の略図を示す。
【0031】
【
図2】
図2は、本開示の例示的実施形態による、
図1の病院環境内に含まれ得る、Baxter(R) SIGMA Spectrumポンプを備える例示的注入ポンプの略図を示す。
【0032】
【
図3】
図3は、本開示の例示的実施形態による、
図1の病院環境内に含まれ得る、Gambro(R) Prismaflex(R) CRRT機械を備える例示的透析または腎不全療法機械の略図を示す。
【0033】
【
図4】
図4-6は、本開示の例示的実施形態による、注入ポンプデータを特定の患者および/または薬品指示と後方関連付けするための例示的プロセスを示す。
【
図5】
図4-6は、本開示の例示的実施形態による、注入ポンプデータを特定の患者および/または薬品指示と後方関連付けするための例示的プロセスを示す。
【
図6】
図4-6は、本開示の例示的実施形態による、注入ポンプデータを特定の患者および/または薬品指示と後方関連付けするための例示的プロセスを示す。
【0034】
【
図7】
図7は、本開示の例示的実施形態による、ポンプ識別子としての例示的QRコード(登録商標)を示す。
【0035】
【
図8】
図8は、本開示の例示的実施形態による、医療デバイスを患者の電子医療記録(「EMR」)または薬品指示と関連付けるための例示的プロシージャの略図を示す。
【0036】
【
図9】
図9は、本開示の例示的実施形態による、患者のEMRが医療デバイスからの医療デバイスデータと関連付けられていないデータベースの略図を示す。
【0037】
【
図10】
図10は、本開示の例示的実施形態による、患者のEMRが医療デバイスと関連付けられた後の
図9のデータベースの略図を示す。
【0038】
【
図11】
図11は、本開示の例示的実施形態による、
図1の医療環境内の自動プログラミングに関する略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本開示は、一般に、医療デバイスデータを患者の電子医療記録(「EMR」)と後方関連付けすることによって、医療記録文書化(すなわち、自動文書)を自動的に提供するための方法、システム、および装置に関する。医療データの後方関連付けは、医療デバイスが、治療を行っている間、臨床医が、医療デバイスを患者のEMRと関連付けることを可能にする。後方関連付けはまた、医療デバイスが、治療を完了した後に行われてもよい。開示されるシステム、装置、および方法は、後方関連付けが、行われた後、医療デバイスデータを患者のEMRに自動的に書き込み、それによって、医療デバイスデータを患者のEMRに手動で配置およびコピーする必要性から臨床医を解放する。
【0040】
公知の医療システムでは、患者のEMRと医療デバイスとの間の関連付けが、治療が、開始される前に、行われない場合、システムは、受信されたデータをデータベース内の一時的または関連付けられない記録に記憶する。いくつかの事例では、公知の医療システムは、患者または薬品指示とのいかなる関連付けも、存在しない場合、医療デバイスデータを破棄することさえあり得る。治療が、完了した後、臨床医は、医療デバイスデータを、これが、記憶される場合、データベース内の一時的または関連付けられない記録から患者のEMRに手動でコピーする。いくつかの事例では、臨床医は、医療デバイスデータを患者のEMRにコピーし忘れ、それによって、不完全な医療記録を残し得る。他の事例では、臨床医は、不適切な医療デバイスデータまたは医療デバイスデータの一部のみを患者のEMRにコピーし得る。
【0041】
本明細書に開示されるように、例示的方法、システム、および装置は、医療治療の状態にかかわらず、医療デバイスデータの間の関連付けを可能にする。例示的実施形態では、臨床医は、療法を患者に提供するために、医療デバイスを手動でプログラムする。医療デバイスの手動プログラミングは、医療デバイスの識別子と患者のEMR内に位置する患者識別子または薬品識別子との間のいかなる相関も、存在しないため、医療デバイスが患者のEMRと関連付けられないままにする。したがって、治療が、開始されるとき、医療デバイスは、医療デバイスからデータを受信するEMRサーバの観点から、患者と関連付けられていない。EMRサーバは、例えば、(データ内に含まれる)医療デバイスの識別子によってインデックス化される一時的場所または関連付けられない記録に医療デバイスデータを記憶するように構成される。
【0042】
治療が開始された後に関連付けを可能にするために、医療デバイスは、識別コードを提供または表示する。識別コード(例えば、識別子)は、医療デバイスに取り付けられる標識上に印刷されるコードまたはデバイスの画面上に表示される電子コードを含んでもよい。医療デバイスが、治療を患者に提供している間(または治療が、完了された後)、臨床医は、医療デバイスの識別コードの電子情報を走査する、または別様に電子走査デバイスにそれを取得させる。臨床医はまた、(例えば、患者リストバンド上に提供されるような)患者の識別コードおよび/または(薬品識別子に対応する)薬品容器の識別コードを走査してもよい。走査された医療デバイス識別子および患者および/または薬品容器識別子は、EMRサーバに伝送される。走査された情報を受信した後、EMRサーバは、医療デバイスを患者のEMRおよび/または薬品指示と関連付けるように構成される。いくつかの実施例では、EMRサーバは、医療デバイスから受信された医療デバイスデータが、破棄される、または一時的/関連付けられない記録に記憶される代わりに、患者のEMRに記憶されるように、関連付けテーブル、記録、またはインデックスを更新するように構成される。いくつかの実施形態では、EMRサーバは、本データを患者のEMRにコピーまたは別様に移動させるために、(同一の治療セッションに対応する)医療デバイスからの以前に記憶された関連付けられない医療情報またはデバイスデータにアクセスするように構成される。故に、本明細書に開示される例示的方法、システム、および装置は、治療が、医療デバイス上ですでに開始(または終了)された後、臨床医が、医療デバイス識別子を走査または別様に取得することによって、医療デバイスデータを特定の患者および/または薬品指示と自動的に後方関連付けすることを可能にする。
【0043】
例示的方法、システム、および装置は、1つ以上の医療デバイスと関連して動作してもよい。本明細書に開示されるように、医療デバイスは、注入ポンプ、腎不全療法デバイス、患者ベッドサイドモニタ、生理学的センサ、血圧カフ、体重計等を含んでもよい。各医療デバイスは、一意の識別子を割り当てられる、または提供される。本明細書に開示されるように、識別子は、デバイス識別情報を示す物理的および/または電子コードを含んでもよい。デバイス識別子は、例えば、英数字を含んでもよい。デバイス識別子はまた、バーコード、クイックレスポンス(「QR」)コード、近距離無線通信(「NFC」)マイクロチップ、無線周波数識別(「RFID」)マイクロチップ等における文字のコード化を含んでもよい。
【0044】
医療デバイスは、医療デバイスデータを発生および伝送するように構成される。本明細書に開示されるように、医療デバイスデータは、デバイス動作パラメータ、治療/療法進度、アラーム/アラート、事象、診断情報等を含む。注入ポンプ医療デバイスに関して、デバイスデータは、注入レート、投薬量、注入された合計体積、療法に関する残り時間、薬品濃度、レート変化、薬品容器内の残りの体積、薬品名称、患者識別子、滴定情報、ボーラス情報、処置面積識別子、データが発生されたときのタイムスタンプ、アラーム条件、アラート条件、事象等を含んでもよい。
【0045】
本明細書に開示されるように、例示的システム、方法、および/または装置は、医療デバイスをデータベース内の患者のEMRと関連付け、医療デバイスデータが患者のEMRに書き込まれる、または別様に記憶されることを可能にするように構成される。いくつかの事例では、例示的システム、方法、および/または装置は、医療デバイスをデータベース内の患者の薬品指示に関連付けてもよい。これらの事例では、医療デバイスデータは、薬品指示に書き込まれる、または記憶される。本明細書における患者のEMRの言及は、薬品指示と入れ替えられ得ることを理解されたい。
【0046】
医療環境実施形態
図1は、本開示の例示的実施形態による、本明細書に説明される例示的方法、装置、およびシステムのために構成される、医療環境100の略図を示す。例示的環境100は、例えば、注入ポンプ102等の1つ以上の医療デバイスを含む。例示的病院環境100は、他のタイプの医療デバイスおよび/または複数のポンプ102、腎不全療法機械、患者モニタ、および/またはセンサを含み得ることを理解されたい。図示される実施例では、注入ポンプ102は、1つ以上の流体106(例えば、薬品または薬物)を(IVラインセットを介して)注入することによって、注入療法を患者104に提供するように構成される。
【0047】
例示的注入ポンプ102は、1つ以上のラインセットを介して患者104に静脈内療法を送達することが可能な任意のポンプを含んでもよい。実施例は、シリンジポンプ、線形蠕動ポンプ、大容量ポンプ(「LVP」)、携帯型ポンプ、マルチチャネルポンプ等を含む。シリンジポンプは、シリンジ内のプランジャを作動させるために、駆動アームに接続されるモータを使用する。線形蠕動ポンプは、回転しながら管の一部を圧縮するために、ロータを使用する。多くの場合、ロータの1つ以上のローラが、半回転にわたって管に接触する。圧縮された回転は、定義された量の流体を管に通過させる。LVPは、典型的には、静脈内療法(「IV」)管の一部を圧縮するために、1つ以上のフィンガまたはアームを使用する。管に対するフィンガ作動のタイミングは、管を通した流体の一定またはほぼ一定の移動を引き起こす。
【0048】
図2は、本開示の例示的実施形態による、例示的注入ポンプ102の略図を示す。図示される注入ポンプ102は、Baxter(R) SIGMA Spectrum
TMポンプである。図示される注入ポンプ102は、臨床医が注入療法を規定またはプログラムすることを可能にするためのインターフェース204aおよび204bを伴うディスプレイ202を含む。本明細書に開示されるように、インターフェース204aおよび204bのうちの少なくとも1つは、作動されると、注入ポンプ102に、ディスプレイ202上でデバイス識別子コードを表示させるように構成される。
【0049】
図1の医療環境100内に含まれ得る注入ポンプの他の実施例は、米国公開第2013/0336814号に説明される線形容積非経口ポンプ、米国公開第2015/0157791号に説明されるシリンジポンプ、米国特許第7,059,840号に説明される携帯型注入ポンプ、米国特許第5,395,320号に説明される注入ポンプ、および米国特許第5,764,034号に説明される注入ポンプ(それぞれの全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)を含む。
【0050】
図1に再び目を向けると、例示的注入ポンプ102は、ネットワーク110を介してゲートウェイ108に通信可能に結合される。例示的ゲートウェイ108は、注入ポンプ102から注入ポンプデータ112(例えば、医療デバイスデータ)を受信し、データ112をEMRサーバ114にルーティングするように構成される。いくつかの実施形態では、ゲートウェイ108は、データを、例えば、EXTCOMメッセージからHL7メッセージに変換するように構成される。
【0051】
例示的ゲートウェイ108はまた、動作パラメータまたは処方箋パラメータを注入ポンプ102に伝送するように構成されてもよい。例えば、ゲートウェイ108は、所定の時間に、および/または注入ポンプ102が、処方箋を受け取るために利用可能であるとき、電子処方箋(またはソフトウェア更新)を注入ポンプ102に送信してもよい。他の事例では、注入ポンプ102は、ゲートウェイ108に周期的にポーリングし、電子処方箋(またはソフトウェア更新)がポンプにダウンロードされることを待機しているかどうかを決定するように構成されてもよい。注入ポンプ102は、処置面積、投薬量変化、変化率、薬物タイプ、濃度、患者年齢、患者体重等に基づく、特定のプログラムパラメータ限界を含む1つ以上の薬物ライブラリを記憶するメモリを含んでもよい。限界は、受信される処方箋または入力される注入療法が、医療設備、医師、または臨床医によって決定される許容可能範囲および/または限界以内であることを確実にするように構成される。
【0052】
注入ポンプ102は、患者104に対して注入療法または治療を実施するように構成され、これは、患者の中への1つ以上の液剤106または薬品の注入を含む。注入ポンプ102は、ポンプのユーザインターフェース(例えば、
図2のインターフェース204)において臨床医によって入力された、または注入ゲートウェイ108を介して受信された注入処方箋に従って動作する。注入ポンプ102は、処方箋を薬物ライブラリと比較し、処方箋のパラメータが、ソフトまたはハード限界に反する場合、任意のアラートまたはアラームを提供してもよい。注入ポンプ102は、療法の進度を監視し、注入療法進度データ112(例えば、医療デバイスデータ)をゲートウェイ108に周期的に伝送するように構成される。療法進度データ112は、本明細書に開示されるように、例えば、注入レート、投薬量、注入された合計体積、療法に関する残り時間、薬品濃度、レート変化、薬品容器内の残りの体積、薬品名称、患者識別子、滴定情報、ボーラス情報、処置面積識別子、データが発生されたときのタイムスタンプ、アラーム条件、アラート条件、事象等を含んでもよい。注入ポンプ102は、データを連続的に、周期的に(例えば、30秒毎、1分毎等)、またはゲートウェイ108による要求に応じて伝送してもよい。
【0053】
図1の注入ゲートウェイ108は、注入ポンプ102と通信するように構成される、サーバ、プロセッサ、コンピュータ等を含む。注入ゲートウェイ108は、例えば、Baxter(R) CareEverywhereゲートウェイを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ゲートウェイ108は、1つを上回る注入ポンプに通信可能に結合されてもよい。注入ゲートウェイ108は、薬物ライブラリ、注入処方箋、および療法進度データ112の有線/無線のセキュアな転送のために、ポンプ102との双方向通信を提供するように構成される。ゲートウェイ108はまた、EMRサーバ114または他の病院システムと統合し、ポンプ102から、例えば、患者104に関連する病院電子医療記録(「EMR」)への注入療法進度データ112の伝送を促進するように構成されてもよい。
【0054】
例示的EMRサーバ114は、EMR記録を記憶するために、EMRデータベース116に通信可能に結合される。EMRデータベース116はまた、特定の患者および/または薬品指示に関連付けられない注入ポンプデータ112を記憶するように構成されてもよい。EMRサーバ114はまた、例えば、調製された薬品106に対応する薬品指示を作成および/または伝送するように構成される、調剤サーバ118に通信可能に結合される。薬品指示は、投与に関する患者(例えば、患者識別子)および注入パラメータを識別する、電子記録またはエントリを含む。薬品指示は、一意の識別子を割り当てられる。いくつかの実施形態では、薬品指示は、薬品容器に取り付けられる標識上に印刷されてもよい。薬品指示自体が、患者識別子を薬品識別子と関連付ける。例示的EMRサーバ114は、薬品指示内の患者識別子を使用し、薬品指示を患者のEMRに記憶する、または別様に薬品指示を患者のEMRと関連付けるように構成される。
【0055】
調剤サーバ118およびEMRデータベース116が、EMRサーバ114に直接接続されるものとして示されるが、他の実施例では、それらは、ネットワーク110を介して接続されてもよい。例示的ネットワーク110は、任意の有線または無線接続(例えば、イーサネット(登録商標)ネットワーク、LAN、WLAN等)を含んでもよい。例示的EMRデータベース116は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、磁気または光学デバイス、光学メモリ、または他の記憶媒体を含む、任意の揮発性または不揮発性メモリデバイス内に記憶されてもよい。データベース116は、関係データベースまたはグラフデータベースとして構築されてもよい。データベース116が、グラフデータベースを含む場合、患者、薬品指示、薬品デバイスデータ、および識別子は、別個のノードによって提供されてもよい。
【0056】
図1の例示的環境100はまた、病院情報システム(「HIS」)等の他の医療システム120を含んでもよい。HIS120は、病院環境100の他の部分からの医療データを分析する、またはそれから医療データを受信するための1つ以上のサーバを含んでもよい。HIS120は、実験室情報システム、調剤システム、方針/手技管理システム、または継続的品質改善(「CQI」)システムを含む、またはそれに通信可能に結合されてもよい。実験室システムは、患者の生物学的サンプルの分析に基づいて、医療データを発生させるように構成される。方針/手技管理システムは、アラーム/アラートに関して薬物ライブラリおよび/または閾値を管理するように構成される。CQIシステムは、例えば、1人以上の患者からの注入療法進度データ112に基づいて、統計および/または分析報告を発生させるように構成される。HIS120はまた、注入療法進度データ112の少なくとも一部を表示するように構成される、1つ以上のモニタを含む、またはそれに接続されてもよい。
【0057】
図1の実施形態はまた、患者モニタまたは可動式コンピュータ(「COW」)122を含む。コンピュータまたは患者モニタ122は、生理学的センサからの生理学的データおよび/または注入ポンプ102からの医療デバイスデータの1つ以上のグラフを表示するように構成される。モニタは、センサに有線または無線で結合されてもよく、これは、例えば、心拍数センサ(例えば、EKGセンサ、ECGセンサ)、温度センサ、パルスオキシメトリセンサ、患者体重計、グルコースセンサ、呼吸センサ、血圧センサ等を含んでもよい。コンピュータまたは患者モニタ122は、時間ベースのグラフ内でセンサからのデータを表示するように構成される。コンピュータまたは患者モニタ122はまた、データを色コード化することに加えて、センサからの直近のデータの数値を表示してもよい。
【0058】
コンピュータまたは患者モニタ122は、ゲートウェイ108および/またはEMRサーバ114に通信可能に結合される。コンピュータまたは患者モニタ122は、連続的に、周期的に、または要求に応じて、生理学的データをモニタゲートウェイ108またはサーバ114に伝送してもよく、これは、次いで、生理学的データを患者のEMRに書き込んでもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、モニタ122は、COWを含む。例示的COWは、EMRサーバ114を通した患者のEMRへのアクセスを提供するように構成される。例示的COWはまた、注入ポンプ102からの医療デバイスデータ112の自動文書化を提供する、および/または注入ポンプ102の自動プログラミングを提供するように構成される。いくつかの実施形態では、COW122は、バーコード走査装置124、またはNFCリーダ、RFIDリーダ、キーパッド、またはタッチ画面インターフェース等の他の識別子入力デバイスを含む、またはそれに接続される。例示的走査装置124は、注入ポンプ102上のバーコード126、患者のリストバンド上のバーコード、および/または薬品容器上のバーコードを読み取るように構成される。読み取られたバーコードからの情報は、1つ以上の識別子メッセージ128内で、ネットワーク110を介して、COW122からEMRサーバ114に伝送され、それによって、サーバ114が、注入ポンプ102と、患者104と、薬品指示との間の関連付けを作成することを可能にする。いくつかの実施形態では、バーコード走査装置124は、COW122ではなく、注入ポンプ102に接続されてもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、注入ポンプ102はまた、1つ以上の生理学的センサに通信可能に結合されてもよい。例えば、注入ポンプ102は、パルスオキシメトリセンサ、血圧カフ、アクセス接続解除デバイス、および/または体重計に接続されてもよい。注入ポンプ102は、パルスオキシメトリセンサからのデータを注入療法進度データ112に統合する、または別様に含む、または代替として、パルスオキシメトリデータをゲートウェイ108に別個に伝送するように構成されてもよい。
【0061】
図1の例示的環境100はまた、臨床医が、EMRデータベース116に記憶される患者データを閲覧することを可能にする、臨床医デバイス130(例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ワークステーション等)を含む。臨床医デバイス130は、データベース116に記憶されるデータを読み取る、および/またはそこにデータを書き込むための1つ以上のインターフェースまたはアプリケーションを含んでもよい。臨床医デバイス130は、臨床医が、例えば、患者に関する薬品指示、患者のEMR、および/または患者と関連付けられる医療デバイスデータを閲覧することを可能にするように構成される。
【0062】
いくつかの実施形態では、環境100は、任意の血液透析、血液濾過、血液透析濾過、連続腎代替療法(「CRRT」)、または腹膜透析(「PD」)機械を含み得る、腎不全療法(「RFT」)機械を含んでもよい。例えば、腎不全療法を受ける患者104は、RFT機械に接続され、患者の血液は、機械を通して圧送されてもよい。血液は、機械の透析器を通過し、これは、血液から老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。清浄にされた血液は、患者に戻される。PDでは、治療流体が、毒素および過剰な水分を除去するために、患者の腹膜腔に送達され、それから除去される。
【0063】
図3は、本開示の例示的実施形態による、例示的RFT機械300の略図を示す。図示されるRFT機械300は、Gambro(R) Prismaflex(R) CRRT機械である。RFT機械300の他の実施例は、米国特許第8,403,880号に説明される腹膜透析機械、米国公開第2014/0112828号に説明される血液透析透析機械、および米国公開第2011/0106002号に説明される腹膜透析機械(それぞれの全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)を含む。
【0064】
CRRTは、典型的には、急性腎障害(「AKI」)を発症する、集中治療室内の緊急または重篤入院患者を治療するために使用される透析モダリティである。経時的に緩慢に起こる慢性腎疾患とは異なり、AKIは、多くの場合、入院患者において起こり、典型的には、数時間から数日にわたって起こる。
【0065】
血液透析は、血液からの老廃物が半浸透性膜を横断して拡散される、腎不全治療である。血液透析の間、血液が、患者から除去され、半浸透性膜アセンブリ(透析器)を通して流動し、血液は、半浸透性膜の他方の側上を流動する透析液剤に対して、概して、逆流する。透析器では、血液からの毒素が、半浸透性膜を横断して進行し、透析器から使用された透析液剤(透析液)中に退出する。透析器を通して流動し、清浄にされた血液は、次いで、患者に戻される。
【0066】
透析器では、圧力差が、透析器の中に透析液剤を導入するために使用されるものを上回る流率において透析液を除去することによって、半浸透性膜を横断して生成される。本圧力差は、半浸透性膜を横断して、小、中、および大分子毒素を含有する流体を引動する。流動および体積測定値が、除去される流体の量(限外濾過)を制御するために使用される。上記に例証されるように、血液濾過機械のポンプは、典型的には、患者の動脈側から血液を引動し、これを透析器の中に、透析器を通して、そして患者の静脈側に透析された血液を戻す前に空気を分離する点滴チャンバを通して、これを押動する。
【0067】
RFT機械300は、代替として、血液濾過機械であり得る。血液濾過は、血液透析に類似する別の腎不全治療である。血液濾過の間、患者の血液はまた、半浸透性膜(血液濾過器)を通過され、流体(老廃物を含む)が、圧力差によって半浸透性膜を横断して引動される。本対流は、半浸透性膜を横断して、あるサイズの分子毒素および電解質(これらは、血液透析では清浄にすることが困難である)を引き込む。血液濾過の間、補液が、血液濾過器を通して、血液から除去された流体体積および電解質と交換するために血液に添加される。補液が血液濾過器に先立って血液に添加される血液濾過が、前希釈血液濾過として公知である。補液が血液濾過器の後に血液に添加される血液濾過が、後希釈血液濾過として公知である。
【0068】
RFT機械300は、代替として、血液透析濾過機械であり得る。血液透析濾過は、血液濾過と組み合わせて血液透析を使用する、さらなる腎不全治療である。血液が、透析器を通して圧送され、これは、血液濾過器とは異なり、新鮮な透析流体を受け取る。しかしながら、血液透析濾過では、補液が、血液濾過と同様に、血液回路に送達される。血液透析濾過は、故に、血液透析および血液濾過と同種のものである。
【0069】
RFT機械300は、代替として、腹膜透析機械であり得る。腹膜透析は、透析液とも呼ばれる、透析液剤を使用し、これは、カテーテルを介して患者の腹膜腔の中に注入される。透析液は、患者の腹膜腔の腹膜に接触する。老廃物、毒素、および過剰な水分が、液剤によって生成される浸透勾配に起因して、患者の血流から、腹膜を通して、透析液の中に通過する。使用済透析液が、患者から排液され、患者から老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。本サイクルが、繰り返される。
【0070】
図3のRFT機械300として動作する、例示的腹膜透析機械は、連続サイクル腹膜透析(「CCPD」)、潮汐流自動化腹膜透析(「APD」)、および連続流動腹膜透析(「CFPD」)を含む、種々のタイプの付加的腹膜透析療法を実施してもよい。APD機械は、典型的には、患者が、眠っている間に、排液、充填、および滞留サイクルを自動的に実施する。APD機械は、治療サイクルを手動で実施する必要性および日中に供給物を運搬する必要性から患者または臨床医を解放する。APD機械は、埋込されたカテーテル、新鮮な透析液の源またはバッグ、および流体ドレインに流体的に接続する。APD機械は、新鮮な透析液を透析液源から、カテーテルを通して、患者の腹膜腔の中に圧送する。APD機械は、透析液が腔内で滞留することを可能にし、それによって、老廃物、毒素、および過剰な水分の移送が起こることを可能にする。源は、複数の滅菌透析液液剤バッグであり得る。APD機械は、使用済透析液を腹膜腔から、カテーテルを通して、ドレインに圧送する。手動プロセスと同様に、いくつかの排液、充填、および滞留サイクルが、APDの間に起こる。「最後の充填」が、CAPDおよびAPDの終了時に起こり、これは、次の治療まで患者の腹膜腔内に残留する。
【0071】
CCPD治療は、各排液に応じて患者から完全に排液しようと試みる。CCPDおよび/またはAPDは、使用済透析液流体をドレインに送出するバッチタイプシステムであってもよい。潮汐流システムは、修正されたバッチシステムである。潮汐流では、より長い期間にわたって患者から流体の全てを除去する代わりに、流体の一部が、より短い時間増分後に除去および交換される。
【0072】
腹膜透析の透析液は、0.5%~10%、好ましくは、1.5%~4.25%のブドウ糖(またはより一般的には、グルコース)を含む液剤または混合物を含んでもよい。腹膜透析の透析液は、例えば、本開示の譲受人によって販売される、Dianeal(R)、Physioneal(R)、Nutrineal(R)、およびExtraneal(R)透析液を含んでもよい。透析液は、加えて、または代替として、ある割合のイコデキストリンを含んでもよい。本開示のいくつかの実施形態では、透析液は、RFT機械104ではなく、注入ポンプ102を介して患者110の中に注入され得ることを理解されたい。
【0073】
連続流動またはCFPD透析システムは、使用済透析液を廃棄する代わりに、これを清浄にする、または再生する。CFPDシステムは、ループを通して、流体を患者の内外に圧送する。透析液は、腹膜腔の中に、1つのカテーテル管腔を通して、別のカテーテル管腔の外に流動する。患者から退出した流体は、透析液から老廃物を除去する再構成デバイスを通して、例えば、尿素をアンモニア(例えば、アンモニウムカチオン)に酵素的に変換するためにウレアーゼを採用する尿素除去カラムを介して通過する。アンモニアは、次いで、腹膜腔の中への透析液の再導入に先立って、吸着によって透析液から除去される。付加的センサが、アンモニアの除去を監視するために採用される。CFPDシステムは、典型的には、バッチシステムよりも複雑である。
【0074】
血液透析および腹膜透析の両方において、「吸着剤」技術が、廃透析液から尿毒性毒素を除去し、治療剤(イオンおよび/またはグルコース等)を治療流体の中に再注入し、患者の透析を継続するためにその流体を再使用するために使用されることができる。1つの一般的に使用される吸着剤は、リン酸ジルコニウムから作製され、これは、尿素の加水分解から発生されるアンモニアを除去するために使用される。典型的には、大量の吸着剤が、透析治療の間に発生されるアンモニアを除去するために必要である。
【0075】
注入ポンプ102と同様に、RFT機械300は、透析処方箋を用いてローカルにプログラムされる、またはゲートウェイ108または別個のゲートウェイを介して透析処方箋を受信してもよい。RFT機械300は、患者104に対して腎不全療法を実施するように構成され、これは、上記に議論されるように、患者104から限外濾過を除去することを含む。腹膜透析では、RFT機械300は、充填サイクルの間に患者104の中に透析液を注入する。任意の透析処方箋に関して、RFT機械300は、処方箋のパラメータを1つ以上の限界と比較し、処方箋のパラメータが、ソフトまたはハード限界に反する場合、任意のアラートまたはアラームを提供してもよい。RFT機械300は、療法の進度を監視し、腎不全療法進度データをゲートウェイ108に周期的に伝送するように構成される。腎不全療法進度データは、例えば、充填レート、滞留時間、排液または流体除去レート、血液流率、放出投薬量、限外濾過除去レート、透析液除去レート、注入された合計透析液、透析液流動、交換前流動、交換後流動、患者体重バランス、戻り圧力、過剰な患者流体サイン、濾過割合、残り時間、透析液濃度、透析液名称、患者識別子、部屋識別子、処置面積識別子、データが発生されたときのタイムスタンプ、アラーム条件、アラート条件、事象等を含んでもよい。RFT機械300は、データを連続的に、周期的に(例えば、30秒毎、1分毎等)、またはゲートウェイ108による要求に応じて伝送してもよい。
【0076】
ゲートウェイ108は、RFT機械300と通信するように構成される、サーバ、プロセッサ、コンピュータ等を含む。ゲートウェイ108は、例えば、Global Baxter ExchangeTM(「GBX」)サーバまたはゲートウェイを含んでもよい。ゲートウェイ108は、1つを上回るRFT機械に通信可能に結合されてもよい。ゲートウェイ108は、薬物ライブラリ、透析処方箋、および腎不全療法進度データの有線/無線のセキュアな転送のために、機械300との双方向通信を提供するように構成される。
【0077】
いくつかの実施例では、ゲートウェイ108および/またはEMRサーバ114は、プロセッサによって実行されると、ゲートウェイ108および/またはEMRサーバ114に本明細書に説明される動作を実施させる、機械可読コードまたは命令を記憶する、メモリを含む。これは、所定のアプリケーション、ルーチン、またはアルゴリズムに従って動作するステップを含む。動作は、関連付けられないポンプデータ112を一時的場所に記憶するステップまたは破棄するステップ、患者識別子を患者のEMR内のポンプ識別子と関連付けるステップ、および/または患者のEMRへの関連付けの後、ポンプデータの書込をトリガするステップを含む。
【0078】
患者のEMRへのデータの書込は、患者データの管理に対する技術的ソリューションを含むことを理解されたい。関連付けられないポンプデータは、データベース116またはメモリ内の第1の場所に記憶され、これは、所定の時間量(例えば、1日、7日、30日等)後に削除される一時的メモリまたは関連付け記録を含んでもよい。比較すると、患者のEMRは、恒久的または半恒久的である第2の場所またはメモリにおいてデータベース116内に記憶される。いったんポンプ-患者関連付けが、行われると、例示的EMRサーバ114は、ポンプデータが書き込まれるメモリまたはデータベース116内の場所を変更する。加えて、いくつかの実施形態では、EMRサーバ114は、関連付けが、行われた後、ポンプデータを第1の一時的場所からデータベース116内の第2のより恒久的な場所に移動させるように構成される。
【0079】
例示的関連付け実施形態
図4-6は、本開示の例示的実施形態による、注入ポンプデータを特定の患者および/または薬品指示と後方関連付けするための例示的プロセスを示す。上記に説明されるように、後方関連付けは、臨床医が、すでに進行している(またはすでに行われている)注入療法と患者のEMRとの間の対応をEMRサーバ114において作成することを可能にする。対応が、行われた後、EMRサーバ114は、注入ポンプ102からの後続データを患者のEMRまたは関連付けられる薬品指示に記憶させる。加えて、いくつかの実施形態では、EMRサーバ114は、患者のEMR内への包含のために、注入ポンプから(同一の療法セッションから)以前に関連付けられていないデータを読み出す、または別様にコピーする。他の実施例では、EMRサーバ114は、関連付けられないデータを読み出さない。
【0080】
図4に示されるように、例示的プロセスは、薬品指示402が、調剤サーバ118において作成されると、開始される(イベントA)。薬品指示402は、指示402に対応する薬品または流体を受容するべき患者104の患者識別子を含む。薬品指示402は、流体の名称、流体の濃度、流体の投薬レート、流体の合計体積、または薬品を投与するために注入ポンプ102をプログラムするための任意の他の情報を含んでもよい。いくつかの事例では、イベントAにおいて、薬品指示情報を伴う標識が、調製された薬品を含む薬品容器に印刷または添着される。
【0081】
イベントBにおいて、EMRサーバ114は、調剤サーバ118から薬品指示402を受信し、指示402をEMRデータベース116に記憶する。指示内の患者識別子を使用して、EMRサーバ114は、指示を患者104のEMRに記憶する。薬品指示は、患者識別子および/または薬品指示識別子/番号に基づいて、患者のEMR内でインデックス化されてもよい。
【0082】
イベントCにおいて、注入ポンプ102は、薬品指示パラメータを使用して、手動でプログラムされる。いくつかの実施形態では、臨床医は、パラメータ情報を注入ポンプ102のインターフェース202および204に手動で入力する。他の実施形態では、臨床医は、ポンプ102において走査装置を使用し、注入されるべき流体を伴う容器の薬品容器標識を読み取る。走査される情報は、注入ポンプ102内の適切なフィールドの中に自動的に取り込まれる、注入パラメータを含む。この時点で、注入ポンプ102は、処方された薬品を投与し始めることができる状態である。
【0083】
図5に目を向けると、注入ポンプ102は、処方された流体16を患者104に提供し始める。加えて、イベントDにおいて、注入ポンプ102は、ネットワーク110を介して、ゲートウェイ108に送信される、療法進度データ112(例えば、ポンプ102流れ体積、投薬量、および注入レートデータ)を発生させる。療法進度データ112は、注入ポンプ102の識別子を含む。イベントEにおいて、ゲートウェイ108は、データ112を受信し、宛先(例えば、EMRサーバ114)を決定する。ゲートウェイ108はまた、データ112をINTCOMまたはEXTCOMフォーマットからHL7フォーマットに変換してもよい。変換されたデータ112は、EMRサーバ114に伝送される。
【0084】
イベントFにおいて、EMRサーバ114は、データをデータベース116に記憶する。しかしながら、この時点で、ポンプ識別子と患者識別子/指示識別子と間のいかなる対応も、存在しない。その結果、EMRサーバ114は、データ112と関連付けられる患者を決定することができない。故に、EMRサーバ114は、データ112を、ポンプ識別子によってインデックス化され得る別個の記録(例えば、一時的記録)内でデータベース116に記憶するように構成される。
【0085】
図6では、イベントGにおいて、臨床医は、療法が、進行している間、ポンプ102からのデータ112が、患者104および/または薬品指示と関連付けられる必要があるかどうかを決定する。この時点で、臨床医は、COW122のバーコード走査装置124を使用し、ポンプ識別子126および患者識別子および/または薬品指示識別子を走査する。走査するステップは、印刷されたコードまたは英数字テキストを読み取るステップ、RFID/NFCチップによって提供される電子信号を読み取るステップ、または電子画面から印刷されたコードまたは英数字テキストを読み取るステップを含んでもよい。
【0086】
ある実施例では、臨床医は、QRコード(登録商標)を表示させる、注入ポンプ102のインターフェース202または204上のボタンを作動させる。
図7は、本開示の例示的実施形態による、ポンプ識別子126としての例示的QRコード(登録商標)を示す。QRコード(登録商標)126は、注入ポンプ102の画面202上に表示される。臨床医は、バーコード走査装置124を使用し、注入ポンプの画面上のQRコード(登録商標)126を電子的に走査する。いくつかの実施形態では、QRコード(登録商標)に対応するコードは、ポンプ識別子の暗号化バージョンを含んでもよく、ゲートウェイ108および/またはサーバ114は、ポンプ識別子を決定するために、走査されたデータを復号化するためのキーを有する。
【0087】
イベントHにおいて、臨床医は、患者104と関連付けられるコードを走査する。コードは、患者リストバンド上に印刷される、または患者に関連して提供されてもよい。臨床医はまた、薬品容器上のコードを走査してもよい。イベントIにおいて、COW122は、走査されるポンプ識別子126、走査される患者識別子、および/または走査される薬品容器に関連する情報を含む、1つ以上のメッセージ128を送信する。メッセージ128は、ネットワーク110を介してCOW122からEMRサーバ114に伝送される。
【0088】
イベントJにおいて、EMRサーバ114は、メッセージ128を受信し、ポンプ識別子が、患者識別子および/または薬品指示識別子に対応すると決定する。EMRサーバ114は、関連付け記録のエントリに、ポンプ識別子、薬品指示識別子、および/または患者識別子の参照等の関連付けを示す情報を記憶してもよい。関連付け記録は、データベース116に記憶されてもよい。EMRサーバ114はまた、ポンプ識別子を患者のEMRに記憶してもよく、これはまた、患者のEMR内の患者識別子と、薬品指示識別子と、ポンプ識別子との間の対応を作成する。したがって、注入ポンプ102からのEMRサーバ114から受信される後続データ112は、患者のEMRに記憶される。加えて、いくつかの実施形態では、EMRサーバ114は、患者のEMR内への包含のために、注入ポンプから以前に記憶されたデータ112をコピーする。いったん後方関連付けされると、EMRサーバ114は、以前に受信された、および将来の(アクティブなプログラムのための)注入データ(体積、投薬量、レート)112を正しい薬品指示と合致させ、これを正しい患者のEMR内に設置することが可能である。
【0089】
いくつかの実施形態では、EMRサーバ114は、デバイス130を介して、これが、患者のEMRに引き渡される前に、自動文書化データ122を検証するように、臨床医を促してもよい。サーバ114は、デバイス130が、インポートの前、その間、およびその後にデータ112を編集することを可能にする。サーバ114はまた、臨床医が、デバイス130を介して、後方関連付けを介してインポートされるデータの1つ以上の時間窓を定義することを可能にするように構成されてもよく、したがって、臨床医が上書きすることを所望しない手動文書化の期間が、存在する場合、臨床医は、それを定義することが可能である。
【0090】
いくつかの実施形態では、EMRサーバ114は、ある期間のみに関する識別子の間の関連付けを提供するように構成される。例えば、関連付けが、薬品指示の持続時間のために提供され得る。療法の間、注入ポンプ102は、特定の療法を識別するために、療法識別子またはシーケンス番号を提供してもよい。EMRサーバ114は、本実施形態では、1つのみの注入療法識別子を薬品指示と合致させるように構成される。したがって、ポンプ102が、後方関連付けを介して患者と関連付けられており、新しい療法が、開始される(新しい療法指示が発生される)場合、EMRサーバ114は、注入データ112を患者のEMRに自動的に書き込まない。実際に、新しい患者が、療法のためにポンプ102に接続されている場合がある。代わりに、ポンプデータは、一時的場所内に記憶される。新しい薬品指示が、発生され、同一の患者と関連付けられる場合、EMRサーバ114は、指示を患者のEMRに記憶する。EMRサーバ114は、次いで、現在のポンプデータを新しい薬品指示と関連付けるための基礎として、以前の関連付けを使用してもよい(患者識別子が、以前の患者識別子に合致すると仮定して)。本プロセスは、注入バッグが、新しい治療パラメータが新しいバッグに関して入力される必要性がある進行中の注入のために注入ポンプ102において変更される場合に有益であり得る。ポンプの設定が、変更される必要性がなく、単に、新しいバッグが、空のバッグに取って代わる事例では、注入ポンプは、同一の療法番号を使用し続け、これは、EMRサーバ114において薬品指示(複数のバッグに関する)と関連付けられ続ける。
【0091】
他の実施形態では、新しい後方関連付けプロセスが、新しい療法に関連するポンプデータを新しい薬品指示と関連付けるために実施されなければならない。これらの他の実施形態では、後方関連付けは、注入ポンプ102において提供される新しいバッグまたは療法毎に行われなければならない。
【0092】
例示的後方関連付けプロシージャ
図8は、本開示の例示的実施形態による、医療デバイスデータを患者のEMRまたは薬品指示と後方関連付けするための例示的プロシージャ800の略図を示す。プロシージャ800は、
図8に図示されるフロー図を参照して説明されるが、プロシージャ800と関連付けられるステップを実施する多くの他の方法が、使用され得ることを理解されたい。例えば、ブロックの多くの順序は、変更されてもよく、あるブロックは、他のブロックと組み合わせられてもよく、説明されるブロックの多くは、随意である。さらに、プロシージャ800において説明されるアクションまたはステップは、例えば、EMRサーバ114、ゲートウェイ108、医療デバイス102、コンピュータ122、および/または走査装置124を含む、複数のデバイスの間で実施されてもよい。
【0093】
図示されるプロシージャ800は、EMRサーバ114が、調剤サーバ118、HIS120、および/または臨床医デバイス130から薬品指示402を受信すると、開始される(ブロック802)。上記に議論されるように、薬品指示802は、薬品の投与に関連する薬品パラメータ、一意の薬品識別子、および患者識別子をプログラムするステップを含む。EMRサーバ114は、薬品指示402の患者識別子をデータベース116内の患者のEMRの患者識別子に合致させる。EMRサーバ114は、薬品指示402を患者のEMRに記憶するために合致を使用する(ブロック804)。
【0094】
次に、臨床医は、医療デバイス102をプログラムすることによって、治療を開始する。治療が、開始される際、医療デバイス102は、医療デバイスデータ112をEMRサーバ114に伝送する(ブロック806)。医療デバイスデータは、医療デバイス102のデバイス識別子を含む。EMRサーバ114は、デバイス識別子と任意の患者識別子および/または薬品指示識別子との間に、関連付けが存在するかどうかを決定する(ブロック808)。決定を行うために、EMRサーバ114は、例えば、識別子関連付けの関連付け記録にアクセスする、および/または関連付けに関する患者EMR検索を読み取ってもよい。
【0095】
決定されるいかなる関連付けも、存在しない場合、EMRサーバ114は、医療デバイスデータ112をデータベース116内の関連付けられない記録に記憶する(ブロック810)。
図9は、本開示の例示的実施形態による、関連付けられない記録900への医療デバイスデータ112の記憶を伴うデータベース116の略図を示す。図示される実施例では、関連付けられない記録900は、データベース116内の第1の場所に記憶される。記録900は、医療デバイス102のデバイス識別子「D2334」と関連付けられる医療デバイスデータ112を含む。
図9のデータベース116はまた、患者識別子「P123」に対応する、患者のEMR902を含む。EMR902はまた、「O774」の識別子を有する、薬品指示402を含む、またはそれと関連付けられる。薬品指示402はまた、EMRサーバ114が、薬品指示402を患者のEMR902に記憶するために使用した患者識別子を含む。示されるように、患者のEMR902は、関連付けられない記録900とは別個である、データベース902内の第2の場所に位置する。
【0096】
図8に再び目を向けると、EMRサーバ114は、識別子メッセージ128を受信する(ブロック812)。メッセージ128は、治療が進行中である間に、または治療が終了した後に、受信される。メッセージ128は、接続された走査装置128が、医療デバイス120の識別子および患者の識別子および/または薬品の識別子を示すコードを走査した、
図1のコンピュータ122によって発生される。走査または入力のための医療デバイス102のデバイス識別子を示すために、臨床医は、医療デバイス102のインターフェース上の制御を作動させ、医療デバイス102に、識別子を用いてコード化されるデバイス識別子またはグラフィック(例えば、QRコード(登録商標))を表示させてもよい。
【0097】
識別子メッセージ812を受信した後、EMRサーバ114は、医療デバイス102と患者のEMRとの間の関連付けを作成する(ブロック814)。関連付けを作成するために、EMRサーバ114は、メッセージ812内の患者または薬品指示識別子を患者のEMR内の対応する患者または薬品指示に合致させる。関連付けが、行われた後、EMRサーバ114は、関連付けを関連付け記録に記憶する、および/または医療デバイス102の識別子を薬品指示402および/または患者のEMRに記憶する。関連付けが、作成された後、EMRサーバ114は、医療デバイス102からの医療デバイスデータを患者のEMRに記憶する(ブロック816)。本記憶は、新しく受信された医療デバイスデータおよび/または関連付けられない記録内にすでに記憶されている医療デバイスデータを記憶するステップを含んでもよい。
【0098】
図10は、本開示の例示的実施形態による、関連付けが行われた後の
図9のデータベース116の略図を示す。図示されるように、デバイス識別子「D2334」は、関連付けを作成するために、患者のEMR902に追加される。新しい医療デバイスデータ112aが、EMR902に記憶される。加えて、いくつかの実施形態では、関連付けられない記録900における医療デバイスデータ112は、EMRサーバ144によって患者のEMR902に移動またはコピーされる。本明細書に議論される後方関連付けは、故に、関連付けが治療の開始に対して行われた時間にかかわらず、医療デバイスデータが適切な患者のEMRに記憶されることを可能にする。
【0099】
自動プログラミング実施形態
図11は、本開示の例示的実施形態による、
図1の医療環境100内の自動プログラミングに関する略図を示す。いくつかの実施形態では、ポンプ102は、調剤サーバ118または他の集中病院システムから遠隔で自動プログラムされるように構成される。注入療法設定の間、ポンプ102は、ポンプが、手動で、または自動的にプログラムされるべきかどうかを選択するように、臨床医にプロンプトするように構成される。手動プログラミングが、選択される場合、ポンプ102は、いくつかの画面を通して進行し、臨床医が、薬物名称、注入タイプ、注入されるべき体積、および/または注入レートを選択することを可能にする。いくつかの実施形態では、注入ポンプ102は、自動プログラミング特徴が、可能にされる場合、手動プログラミングオプションを迂回してもよい。これらの実施形態では、注入ポンプ102は、処置面積が、治療設定の間に選択された後に、ポンプ識別子126を表示するように構成される。
【0100】
自動プログラミングに関して、注入ポンプ102は、例えば、QRコード(登録商標)(
図7に示されるコード等)としてポンプ識別子126を表示するように構成される。臨床医は、ベッドサイドCOW122に取り付けられるバーコードリーダ124を用いてコードを走査する。加えて、臨床医は、特定の患者および/または部屋および/または薬品容器を示す患者識別子を走査する。COW122は、ネットワーク110を介して、ポンプ識別子(QRコード(登録商標)から)および患者識別子をEMRサーバ114に伝送する。識別子は、例えば、伝送のために識別子メッセージ内に含まれてもよい。加えて、調剤サーバ118は、規定された濃度の薬物/薬品を有する注入バッグの調製を指図する、注入処方箋を作成する。調剤サーバ118は、処方箋/薬品指示をEMRサーバ114に伝送する。指示は、注入されるべき体積、薬物または薬品名称、薬物濃度、薬物レート、および患者識別子を規定してもよい。指示は、HL7プロトコルメッセージを使用して、調剤サーバ118からEMRサーバ114に伝送される。HL7プロトコルは、臨床医環境内でのシームレスな統合のために、健康情報がメッセージにパッケージ化およびフォーマットされる方法を規定するフレームワークを提供する。
【0101】
EMRサーバ114は、COW122から受信された患者識別子を調剤指示内の患者識別子に合致させる。合致を行った後、EMRサーバ114は、ポンプ識別子をHL7メッセージの宛先フィールドに追加し、それによって、ポンプ102に関する指示の作成を完了する。EMRサーバ114は、指示をシステムゲートウェイ108に伝送し、これは、ポンプ識別子のテーブルおよび注入ポンプのネットワークIP/MACアドレスを用いて構成される。
【0102】
ゲートウェイ108は、HL7メッセージ内に含有されるポンプ識別子に基づいて、IP/MACアドレスを決定する。ゲートウェイ108はまた、HL7メッセージの妥当性を確認し、正常である場合、メッセージをEXTCOMメッセージに変換する。ゲートウェイ108は、次いで、EXTCOMメッセージをネットワーク110を通して識別されたポンプ102に伝送する。そのために、ゲートウェイ108は、EXTCOMメッセージをポンプ102の無線バッテリモジュールに送信する。ポンプ102のバッテリモジュールは、そのポンププロセッサが、EXTCOMメッセージを受信するために利用可能になるまで待機する。バッテリモジュールは、そのコンテンツが正常に受信されていることを確実にするために、EXTCOMメッセージに対する妥当性確認チェックを実施する。バッテリモジュールはさらに、処理のためにEXTCOMメッセージをINTCOMメッセージに変換してもよい。ポンプ102内のプロセッサが、バッテリモジュールから(EXTCOMまたはINTCOM)メッセージを受信した後、ポンプ102は、指示からのパラメータを用いて自動的にプログラムされる。ポンプ102は、パラメータを薬物ライブラリと比較し、任意の限界を超える場合、アラート/警告を表示する。プログラムされたパラメータに関する臨床医からの確認を受信することに応じて、ポンプ102は、処方された注入療法を提供することを可能にされる。ポンプ102から伝送されたデータは、ポンプが、自動プログラムされたときに作成された関連付けを使用して、EMRサーバ114によって患者のEMRに記憶される。
【0103】
結論
本明細書に説明される、開示される方法およびプロシージャの全ては、1つ以上のコンピュータプログラムまたはコンポーネントを使用して実装され得ることを理解されたい。これらのコンポーネントは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、磁気または光学ディスク、光学メモリ、または他の記憶媒体を含む、任意の従来のコンピュータ可読媒体上の一連のコンピュータ命令として提供されてもよい。命令は、一連のコンピュータ命令を実行すると、開示される方法およびプロシージャの全てまたは一部の性能を実施または促進する、プロセッサによって実行されるように構成されてもよい。
【0104】
本明細書に説明される例示的実施形態の種々の変更および修正が、当業者に明白となるであろうことを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつその意図される利点を減少させることなく行われることができる。したがって、そのような変更および修正は、添付される請求項によって網羅されることを意図している。
【0105】
35 U.S.C. 112(f)またはpre-AIA 35 U.S.C 112(第6段落)は、用語「手段」または「ステップ」が、請求項に明示的に列挙されない限り、行使されることを意図していないことを理解されたい。故に、請求項は、本明細書またはその均等物に説明される対応する構造、材料、またはアクションに限定されることを意味しない。