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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005421
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】噴霧装置、および制御方法
(51)【国際特許分類】
   B05B 17/06 20060101AFI20240110BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20240110BHJP
   A61L 9/015 20060101ALI20240110BHJP
   B05B 12/00 20180101ALI20240110BHJP
【FI】
B05B17/06
A61L9/01 E
A61L9/015
B05B12/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105597
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】723005698
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【弁理士】
【氏名又は名称】小俣 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168125
【弁理士】
【氏名又は名称】三藤 誠司
(72)【発明者】
【氏名】濱岡 美佳
【テーマコード(参考)】
4C180
4D074
4F035
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180AA07
4C180CA06
4C180CB01
4C180EA58X
4C180GG06
4C180HH05
4C180KK06
4D074AA02
4D074BB02
4D074DD02
4D074DD12
4D074DD17
4D074DD32
4D074DD64
4D074DD65
4D074DD70
4F035AA01
4F035AA04
4F035BA02
4F035BA22
4F035BB21
(57)【要約】
【課題】電極が劣化することを抑制しつつ液体の液位を検出できる噴霧装置等を提供する。
【解決手段】噴霧装置10は、内部に液体1を保持可能な保持部20と、保持部20に保持されている液体1を霧状にして噴霧する噴霧部40と、保持部20に保持されている液体1の液位を検出する検出部50とを備え、検出部50は、保持部20の内部に設けられる第1電極51および第2電極52と、第1電極51を陽極としかつ第2電極52を陰極として第1電極51と第2電極52との間に第1電圧を印加した後、第1電極51を陰極としかつ第2電極52を陽極として第1電極51と第2電極52との間に第2電圧を印加する印加部53とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に液体を保持可能な保持部と、
前記保持部に保持されている前記液体を霧状にして噴霧する噴霧部と、
前記保持部に保持されている前記液体の液位を検出する検出部とを備え、
前記検出部は、
前記保持部の前記内部に設けられる第1電極および第2電極と、
前記第1電極を陽極としかつ前記第2電極を陰極として前記第1電極と前記第2電極との間に第1電圧を印加した後、前記第1電極を陰極としかつ前記第2電極を陽極として前記第1電極と前記第2電極との間に第2電圧を印加する印加部とを有する、
噴霧装置。
【請求項2】
前記印加部は、前記第2電圧の波形が前記第1電圧の波形を反転した波形となるように、前記第2電圧を印加する、
請求項1に記載の噴霧装置。
【請求項3】
前記印加部は、前記第1電圧を印加した後に前記第2電圧を印加することを間欠的に行う、
請求項1に記載の噴霧装置。
【請求項4】
前記印加部は、前記第1電圧および前記第2電圧を連続して印加する、
請求項1に記載の噴霧装置。
【請求項5】
前記印加部は、前記第1電圧および前記第2電圧を連続して印加する時間よりも長い時間をおいて、前記第1電圧および前記第2電圧を連続して印加することを間欠的に行う、
請求項4に記載の噴霧装置。
【請求項6】
前記印加部は、前記噴霧部によって前記液体が噴霧されていないとき、前記第1電圧および前記第2電圧を印加しない、
請求項1から5のいずれか1項に記載の噴霧装置。
【請求項7】
前記噴霧部は、前記液体を振動させて霧状にする振動子と、前記振動子によって霧状にされた前記液体に対して送風する送風部とを有する、
請求項1に記載の噴霧装置。
【請求項8】
前記噴霧部を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記振動子に連動して前記送風部を駆動させる、
請求項7に記載の噴霧装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記振動子の振動が停止しているとき、前記送風部による送風を停止する、
請求項8に記載の噴霧装置。
【請求項10】
前記制御部は、噴霧することが必要な前記液体の噴霧量をAとし、前記振動子の振動による前記液体の霧化速度をBとし、前記振動子の振動時間をCとしたとき、前記噴霧量に基づいて、A=B×Cを満たしかつ前記霧化速度がより早くなりかつ前記振動時間がより短くなるように、前記振動子を振動させる、
請求項8または9に記載の噴霧装置。
【請求項11】
前記液体は、次亜塩素酸水である、
請求項1に記載の噴霧装置。
【請求項12】
前記検出部によって検出された前記液位に基づいて、前記噴霧部を制御する制御部をさらに備える、
請求項1に記載の噴霧装置。
【請求項13】
前記検出部は、前記保持部に保持されている前記液体の種類および状態の少なくとも一方をさらに検出し、
前記制御部は、前記検出部によって検出された前記種類および前記状態の少なくとも一方に基づいて、前記噴霧部を制御する、
請求項12に記載の噴霧装置。
【請求項14】
噴霧装置の制御方法であって、
前記噴霧装置は、
内部に液体を保持可能な保持部と、
前記保持部に保持されている前記液体を霧状にして噴霧する噴霧部と、
前記保持部の前記内部に設けられる第1電極および第2電極とを備え、
前記制御方法は、
前記保持部に保持されている前記液体の液位を検出する検出ステップを含み、
前記検出ステップでは、
前記第1電極を陽極としかつ前記第2電極を陰極として前記第1電極と前記第2電極との間に第1電圧を印加し、
前記第1電圧を印加した後、前記第1電極を陰極としかつ前記第2電極を陽極として前記第1電極と前記第2電極との間に第2電圧を印加する、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を噴霧する噴霧装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を噴霧する噴霧装置等が知られている。噴霧装置等の一例として、特許文献1には、第1電極を正極としかつ第2電極を負極として通電した後に、第1電極を負極としかつ第2電極を正極として通電する空気清浄機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-075667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の空気清浄機では、第1電極と第2電極とを用いて液体の液位を検出することは想定されておらず、液体の液位を検出できないという課題がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決しようとするものであり、その目的は、電極が劣化することを抑制しつつ液体の液位を検出できる噴霧装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る噴霧装置は、内部に液体を保持可能な保持部と、前記保持部に保持されている前記液体を霧状にして噴霧する噴霧部と、前記保持部に保持されている前記液体の液位を検出する検出部とを備え、前記検出部は、前記保持部の前記内部に設けられる第1電極および第2電極と、前記第1電極を陽極としかつ前記第2電極を陰極として前記第1電極と前記第2電極との間に第1電圧を印加した後、前記第1電極を陰極としかつ前記第2電極を陽極として前記第1電極と前記第2電極との間に第2電圧を印加する印加部とを有する。
【0007】
本態様によれば、保持部に保持されている液体の液位を検出する検出部を備えるので、液体の液位を検出できる。また、検出部は、第1電極を陽極としかつ第2電極を陰極として第1電極と第2電極との間に第1電圧を印加した後、第1電極を陰極としかつ第2電極を陽極として第1電極と第2電極との間に第2電圧を印加する印加部を有するので、電極が劣化することを抑制できる。このように、電極が劣化することを抑制しつつ液体の液位を検出できる。
【0008】
たとえば、本発明の一態様に係る噴霧装置において、前記印加部は、前記第2電圧の波形が前記第1電圧の波形を反転した波形となるように、前記第2電圧を印加してもよい。
【0009】
本態様によれば、電極が劣化することをさらに抑制しつつ液体の液位を検出できる。
【0010】
たとえば、本発明の一態様に係る噴霧装置において、前記印加部は、前記第1電圧を印加した後に前記第2電圧を印加することを間欠的に行ってもよい。
【0011】
本態様によれば、電極が劣化することをさらに抑制しつつ液体の液位を繰り返し検出できる。
【0012】
たとえば、本発明の一態様に係る噴霧装置において、前記印加部は、前記第1電圧および前記第2電圧を連続して印加してもよい。
【0013】
本態様によれば、電極が劣化することをさらに抑制しつつ液体の液位を検出できる。
【0014】
たとえば、本発明の一態様に係る噴霧装置において、前記印加部は、前記第1電圧および前記第2電圧を連続して印加する時間よりも長い時間をおいて、前記第1電圧および前記第2電圧を連続して印加することを間欠的に行ってもよい。
【0015】
本態様によれば、電極が劣化することをさらに抑制しつつ液体の液位を繰り返し検出できる。
【0016】
たとえば、本発明の一態様に係る噴霧装置において、前記印加部は、前記噴霧部によって前記液体が噴霧されていないとき、前記第1電圧および前記第2電圧を印加しなくてもよい。
【0017】
本態様によれば、電極が劣化することをさらに抑制しつつ液体の液位を検出できる。
【0018】
たとえば、本発明の一態様に係る噴霧装置において、前記噴霧部は、前記液体を振動させて霧状にする振動子と、前記振動子によって霧状にされた前記液体に対して送風する送風部とを有してもよい。
【0019】
本態様によれば、電極が劣化することを抑制しつつ液体の液位を検出できるとともに、保持部に保持されている液体を容易に噴霧できる。
【0020】
たとえば、本発明の一態様に係る噴霧装置は、前記噴霧部を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、前記振動子に連動して前記送風部を駆動させてもよい。
【0021】
本態様によれば、振動子が振動しているときに送風部を駆動できるので、保持部に保持されている液体を効率よく噴霧できる。
【0022】
たとえば、本発明の一態様に係る噴霧装置において、前記制御部は、前記振動子の振動が停止しているとき、前記送風部による送風を停止してもよい。
【0023】
本態様によれば、液体が霧化されておらず送風する必要がないときに、送風部が送風することを抑制できる。
【0024】
たとえば、本発明の一態様に係る噴霧装置において、前記制御部は、噴霧することが必要な前記液体の噴霧量をAとし、前記振動子の振動による前記液体の霧化速度をBとし、前記振動子の振動時間をCとしたとき、前記噴霧量に基づいて、A=B×Cを満たしかつ前記霧化速度がより早くなりかつ前記振動時間がより短くなるように、前記振動子を振動させてもよい。
【0025】
本態様によれば、霧状の液体に対して送風する時間をより短くできるので、液体が劣化することを抑制できる。
【0026】
たとえば、本発明の一態様に係る噴霧装置において、前記液体は、次亜塩素酸水であってもよい。
【0027】
本態様によれば、次亜塩素酸水が劣化することを抑制できる。
【0028】
たとえば、本発明の一態様に係る噴霧装置において、前記検出部によって検出された前記液位に基づいて、前記噴霧部を制御する制御部をさらに備えてもよい。
【0029】
本態様によれば、検出部によって検出された液位に基づいて、液体の噴霧を制御できる。
【0030】
たとえば、本発明の一態様に係る噴霧装置において、前記検出部は、前記保持部に保持されている前記液体の種類および状態の少なくとも一方をさらに検出し、前記制御部は、前記検出部によって検出された前記種類および前記状態の少なくとも一方に基づいて、前記噴霧部を制御してもよい。
【0031】
本態様によれば、検出部によって検出された液体の種類および状態の少なくとも一方に基づいて、液体の噴霧を制御できる。
【0032】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る制御方法は、噴霧装置の制御方法であって、前記噴霧装置は、内部に液体を保持可能な保持部と、前記保持部に保持されている前記液体を霧状にして噴霧する噴霧部と、前記保持部の前記内部に設けられる第1電極および第2電極とを備え、前記制御方法は、前記保持部に保持されている前記液体の液位を検出する検出ステップを含み、前記検出ステップでは、前記第1電極を陽極としかつ前記第2電極を陰極として前記第1電極と前記第2電極との間に第1電圧を印加し、前記第1電圧を印加した後、前記第1電極を陰極としかつ前記第2電極を陽極として前記第1電極と前記第2電極との間に第2電圧を印加する。
【0033】
本態様によれば、上記の噴霧装置と同様の効果を奏する。
【0034】
なお、本発明は、このような特徴的な処理部を備える噴霧装置として実現することができるだけでなく、噴霧装置に含まれる特徴的な処理部が実行する処理をステップとする制御方法として実現することができる。また、噴霧装置に含まれる特徴的な処理部としてコンピュータを機能させるためのプログラムまたは制御方法に含まれる特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現することもできる。そして、そのようなプログラムを、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体やインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
【発明の効果】
【0035】
本発明の一態様に係る噴霧装置等によれば、電極が劣化することを抑制しつつ液体の液位を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1は、第1の実施の形態に係る噴霧装置の機能構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1の噴霧装置の第1電極および第2電極の電位の一例を示すグラフである。
図3図3は、図1の噴霧装置の第1電極および第2電極の電位の他の一例を示すグラフである。
図4図4は、図1の噴霧装置の第1電極および第2電極の電位のさらに他の一例を示すグラフである。
図5図5は、図1の噴霧装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、図1の噴霧装置の他の動作の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、図1の噴霧装置のさらに他の動作の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、第2の実施の形態に係る噴霧装置の機能構成を示すブロック図である。
図9図9は、第3の実施の形態に係る噴霧装置の機能構成を示すブロック図である。
図10図10は、第4の実施の形態に係る噴霧装置の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0038】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る噴霧装置10の機能構成を示すブロック図である。
【0039】
噴霧装置10は、液体1を霧状にして噴霧する装置である。たとえば、液体1は、次亜塩素酸水、または水道水等である。たとえば、噴霧装置10は、加湿器である。図1に示すように、噴霧装置10は、保持部20と、給水部30と、噴霧部40と、検出部50と、制御部60と、駆動部70とを備えている。
【0040】
保持部20は、内部に液体1を保持可能である。つまり、保持部20の内部には、液体1を保持可能である。たとえば、保持部20は、液体1を貯留可能な容器である。具体的には、たとえば、保持部20は、水槽である。
【0041】
給水部30は、液体1を保持し、保持している液体1を保持部20に供給する。たとえば、給水部30は、給水タンクである。
【0042】
噴霧部40は、保持部20に保持されている液体1を霧状にして噴霧する。つまり、噴霧部40は、霧状の液体1を噴霧する。噴霧部40は、振動子41と、送風部42と、ダクト43とを有している。
【0043】
振動子41は、液体1を振動させて霧状にする。具体的には、振動子41は、振動子41が振動することによって、保持部20に保持されている液体1を振動させて霧状にする。たとえば、振動子41は、液体1に浸漬されている。なお、振動子41は、液体1を振動させて霧状にすることができる位置に設けられていればよい。たとえば、振動子41は、超音波振動子である。具体的には、たとえば、振動子41は、圧電振動子である。
【0044】
送風部42は、振動子41によって霧状にされた液体1に対して送風する。つまり、送風部42は、振動子41によって霧状にされた液体1に当たるように風を発生させる。振動子41によって霧状にされた液体1は、送風部42によって発生した風に流される。
【0045】
なお、たとえば、送風部42は、振動子41に対して送風してもよい。これによって、振動子41の温度が上昇することを抑制できる。たとえば、液体1が次亜塩素酸水である場合、次亜塩素酸水の温度が上昇することを抑制でき、次亜塩素酸水の酸性化(変質)等を抑制できる。
【0046】
ダクト43は、振動子41によって霧状にされた液体1を噴霧装置10の外部に排出する。本実施の形態では、振動子41によって霧状にされた液体1は、送風部42によって発生した風に流されてダクト43の内部を通り、ダクト43から噴霧装置10の外部に排出される。このように、噴霧装置10は、ダクト43から霧状の液体1を噴霧する。
【0047】
検出部50は、保持部20に保持されている液体1の液位を検出する。また、本実施の形態では、検出部50は、保持部20に保持されている液体の種類を検出する。また、本実施の形態では、検出部50は、保持部20に保持されている液体1の状態を検出する。また、本実施の形態では、検出部50は、第1電極51と、第2電極52と、印加部53と、計測部54とを有している。
【0048】
第1電極51および第2電極52は、保持部20の内部に設けられている。第1電極51および第2電極52は、保持部20に保持されている液体1の液位に応じて、第1電極51と第2電極52との間に電圧が印加された場合における第1電極51と第2電極52との間の電流値(抵抗値)が変化する位置に設けられている。たとえば、第1電極51および第2電極52は、保持部20に所定量以上の液体1が保持されている場合に、液体1に浸漬される位置に設けられている。保持部20に保持されている液体1の液位が変化するに連れて、第1電極51および第2電極52の間に電圧が印加された場合における第1電極51と第2電極52との間の電流値(抵抗値)が変化するので、当該電流値(当該抵抗値)に基づいて液位を検出できる。また、たとえば、保持部20に保持されている液体1の種類に応じて、第1電極51および第2電極52の間に電圧が印加された場合における第1電極51と第2電極52との間の電流値(抵抗値)が変化するので、当該電流値(当該抵抗値)に基づいて液体1の種類を検出できる。また、たとえば、保持部20に保持されている液体1の状態に応じて、第1電極51および第2電極52の間に電圧が印加された場合における第1電極51と第2電極52との間の電流値(抵抗値)が変化するので、当該電流値(当該抵抗値)に基づいて液体1の状態を検出できる。たとえば、第1電極51および第2電極52のそれぞれは、電極棒である。
【0049】
印加部53は、第1電極51を陽極としかつ第2電極52を陰極として第1電極51と第2電極52との間に第1電圧を印加した後、第1電極51を陰極としかつ第2電極52を陽極として第1電極51と第2電極52との間に第2電圧を印加する。印加部53は、第1電源55と、第2電源56とを有している。
【0050】
第1電源55は、第1電極51に接続されている。第2電源56は、第2電極52に接続されている。第1電極51の電位が、第2電極52の電位よりも高い場合、第1電極51が陽極となり、第2電極52が陰極となる。第1電極51の電位が、第2電極52の電位よりも低い場合、第1電極51が陰極となり、第2電極52が陽極となる。
【0051】
図2は、図1の噴霧装置10の第1電極51および第2電極52の電位の一例を示すグラフである。図3は、図1の噴霧装置10の第1電極51および第2電極52の電位の他の一例を示すグラフである。図4は、図1の噴霧装置10の第1電極51および第2電極52の電位のさらに他の一例を示すグラフである。なお、図2から図4では、第1電極51の電位を太い実線で示し、第2電極52の電位を太い破線で示している。
【0052】
図2および図3に示すように、たとえば、第1電源55が第1電極51の電位をGNDよりも高い電位となるように制御し、第2電源56が第2電極52の電位をGNDとなるように制御しているとき、第1電極51が陽極となり、第2電極52が陰極となる。また、たとえば、第1電源55が第1電極51の電位をGNDとなるように制御し、第2電源56が第2電極52の電位をGNDよりも高い電位となるように制御しているとき、第1電極51が陰極となり、第2電極52が陽極となる。
【0053】
図4に示すように、たとえば、第1電源55が第1電極51の電位をGNDよりも高い電位となるように制御し、第2電源56が第2電極52の電位をGNDとなるように制御しているとき、第1電極51が陽極となり、第2電極52が陰極となる。また、たとえば、第1電源55が第1電極51の電位をGNDよりも低い電位となるように制御し、第2電源56が第2電極52の電位をGNDとなるように制御しているとき、第1電極51が陰極となり、第2電極52が陽極となる。
【0054】
たとえば、印加部53は、第2電圧の波形が第1電圧の波形を反転した波形となるように、第2電圧を印加する。
【0055】
図2および図3に示すように、たとえば、第1電極51が陽極でありかつ第2電極52が陰極である時間における第1電極51の電位の大きさおよび波形と、第1電極51が陰極でありかつ第2電極52が陽極である時間における第2電極52の電位の大きさおよび波形とを一致させ、かつ第1電極51が陽極でありかつ第2電極52が陰極である時間における第2電極52の電位の大きさおよび波形と、第1電極51が陰極でありかつ第2電極52が陽極である時間における第1電極51の電位の大きさおよび波形とを一致させることによって、第2電圧の波形が第1電圧の波形を反転した波形となる。
【0056】
図4に示すように、たとえば、第2電極52の電位をGNDとし、第1電極51の電位のみを変化させる場合、第1電極51が陰極でありかつ第2電極52が陽極である時間における第1電極51の電位の波形を、第1電極51が陽極でありかつ第2電極52が陰極である時間における第1電極51の電位の波形をGNDを基準として反転させた波形とすることによって、第2電圧の波形が第1電圧の波形を反転した波形となる。
【0057】
たとえば、印加部53は、第1電圧を印加した後に第2電圧を印加することを間欠的に行う。つまり、たとえば、印加部53は、第1電圧を印加した後に第2電圧を印加し、その後に時間をおいて、第1電圧を印加した後に第2電圧を印加する。
【0058】
図3に示すように、たとえば、第1電源55が第1電極51の電位をGNDよりも高い電位となるように制御しかつ第2電源56が第2電極52の電位をGNDとなるように制御した後、第1電源55が第1電極51の電位をGNDとなるように制御しかつ第2電源56が第2電極52の電位をGNDよりも高い電位となるように制御する。その後、第1電源55が第1電極51の電位をGNDとなるように制御しかつ第2電源56が第2電極52の電位をGNDとなるように制御する。その後に再び、第1電源55が第1電極51の電位をGNDよりも高い電位となるように制御しかつ第2電源56が第2電極52の電位をGNDとなるように制御した後、第1電源55が第1電極51の電位をGNDとなるように制御しかつ第2電源56が第2電極52の電位をGNDよりも高い電位となるように制御する。たとえば、このようにすることによって、第1電圧を印加した後に第2電圧が印加され、その後に時間をおいて、第1電圧を印加した後に第2電圧が印加される。
【0059】
なお、たとえば、図2および図4に示すように、印加部53は、第1電圧を印加した後に第2電圧を印加することを連続で行ってもよい。
【0060】
たとえば、印加部53は、第1電圧および第2電圧を連続して印加する。
【0061】
図2および図3に示すように、たとえば、第1電源55が第1電極51の電位をGNDよりも高い電位とGNDとに連続して変化させ、第2電源56が第2電極52の電位をGNDとGNDよりも高い電位とに連続して変化させることによって、第1電圧および第2電圧が連続して印加される。
【0062】
図4に示すように、たとえば、第2電源56が第2電極52の電位をGNDにし続け、第1電源55が第1電極51の電位をGNDよりも高い電位とGNDよりも低い電位とに連続して変化させることによって、第1電圧および第2電圧が連続して印加される。
【0063】
たとえば、印加部53は、第1電圧および第2電圧を連続して印加する時間よりも長い時間をおいて、第1電圧および第2電圧を連続して印加することを間欠的に行う。つまり、たとえば、印加部53は、第1電圧および第2電圧を連続して印加し、その後に、第1電圧および第2電圧を連続して印加した時間よりも長い時間をおいて、第1電圧および第2電圧を連続して印加する。
【0064】
図3に示すように、たとえば、時間T1において、第1電源55が第1電極51の電位をGNDよりも高い電位とGNDとに連続して変化させ、第2電源56が第2電極52の電位をGNDとGNDよりも高い電位とに連続して変化させることによって、第1電圧および第2電圧が連続して印加される。その後、時間T1よりも長い時間T2において、第1電源55が第1電極51の電位をGNDとなるように制御し、第2電源56が第2電極52の電位をGNDとなるように制御することによって、第1電圧および第2電圧が印加されない。その後に再び、時間T1において、第1電源55が第1電極51の電位をGNDよりも高い電位とGNDとに連続して変化させ、第2電源56が第2電極52の電位をGNDとGNDよりも高い電位とに連続して変化させることによって、第1電圧および第2電圧が連続して印加される。たとえば、このようにすることによって、第1電圧および第2電圧が連続して印加され、その後に、第1電圧および第2電圧を連続して印加した時間よりも長い時間をおいて、第1電圧および第2電圧が連続して印加される。なお、たとえば、時間T1のうち、第1電極51の電位がGNDよりも高くかつ第2電極52の電位がGNDである時間と、第1電極51の電位がGNDでありかつ第2電極52の電位がGNDよりも高い時間とは、等しい。
【0065】
なお、たとえば、図2および図4に示すように、印加部53は、第1電圧および第2電圧を連続して印加することを連続で行ってもよい。
【0066】
たとえば、印加部53は、噴霧部40によって液体が噴霧されていないとき、第1電圧および第2電圧を印加しない。具体的には、たとえば、印加部53は、振動子41が振動しておらず、振動子41が液体1を振動させていないとき、第1電圧および第2電圧を印加しない。
【0067】
図1に戻って、計測部54は、第1電極51と第2電極52との間に電圧が印加されている場合における第1電極51と第2電極52との間における電流値および抵抗値の少なくとも一方を計測する。具体的には、たとえば、計測部54は、第1電極51と第2電極52との間に第1電圧が印加されている場合における第1電極51と第2電極52との間における電流値および抵抗値の少なくとも一方を計測する。また、たとえば、計測部54は、第1電極51と第2電極52との間に第2電圧が印加されている場合における第1電極51と第2電極52との間における電流値および抵抗値の少なくとも一方を計測する。たとえば、計測部54は、電流計であり、電流値を計測する。また、たとえば、計測部54は、抵抗計であり、抵抗値を計測する。なお、たとえば、計測部54は、インピーダンスを計測してもよい。
【0068】
本実施の形態では、計測部54は、第1電極51と第2電極52との間に電圧が印加されている場合において、第1電源55と第1電極51との間に設けられている固定抵抗(図示せず)の抵抗端の電圧を計測することによって、第1電極51と第2電極52との間における電流値(抵抗値)を計測する。本実施の形態では、当該固定抵抗は、印加部53に内蔵されている。
【0069】
検出部50は、第1電極51および第2電極52を用いて電流値および抵抗値の少なくとも一方を計測し、当該電流値および当該抵抗値の少なくとも一方に基づいて、保持部20に保持されている液体1の液位を検出する。たとえば、検出部50は、当該電流値および当該抵抗値の少なくとも一方を閾値と比較することによって、保持部20に保持されている液体1の液位が所定の高さ以上か否かを検出する。
【0070】
また、検出部50は、第1電極51および第2電極52を用いて電流値および抵抗値の少なくとも一方を計測し、当該電流値および当該抵抗値の少なくとも一方に基づいて、保持部20に保持されている液体1の種類を検出する。たとえば、検出部50は、当該電流値および当該抵抗値の少なくとも一方を閾値と比較することによって、保持部20に保持されている液体1の種類が次亜塩素酸水であるか否かまたは水道水であるか否か等を検出する。
【0071】
また、検出部50は、第1電極51および第2電極52を用いて電流値および抵抗値の少なくとも一方を計測し、当該電流値および当該抵抗値の少なくとも一方に基づいて、保持部20に保持されている液体1の状態を検出する。たとえば、検出部50は、液体1が次亜塩素酸水である場合、当該電流値および当該抵抗値の少なくとも一方を閾値と比較することによって、保持部20に保持されている液体1の濃度が所定の濃度以上であるか否か等を検出する。
【0072】
制御部60は、噴霧部40を制御する。
【0073】
たとえば、制御部60は、検出部50によって検出された液体1の液位に基づいて、噴霧部40を制御する。具体的には、たとえば、制御部60は、検出部50によって検出された液体1の液位に基づいて、振動子41および送風部42を制御する。たとえば、制御部60は、検出部50によって検出された液体1の液位が所定の高さよりも低い場合等には、液体1を噴霧しないように噴霧部40を制御する。具体的には、たとえば、制御部60は、検出部50によって検出された液体1の液位が所定の高さよりも低い場合等には、振動子41が振動しないように振動子41を制御し、送風部42が送風しないように送風部42を制御する。
【0074】
たとえば、制御部60は、振動子41に連動して送風部42を駆動させる。たとえば、制御部60は、振動子41を振動させているときに送風部42を駆動させ、振動子41を振動させていないときに送風部42を駆動させない。このように、たとえば、制御部60は、振動子41の振動が停止しているとき、送風部42による送風を停止する。
【0075】
また、たとえば、制御部60は、噴霧することが必要な液体1の噴霧量をAとし、振動子41の振動による液体1の霧化速度をBとし、振動子41の振動時間をCとしたとき、噴霧量に基づいて、A=B×Cを満たしかつ霧化速度がより早くなりかつ振動時間がより短くなるように、振動子41を振動させる。
【0076】
たとえば、噴霧することが必要な液体1の噴霧量は、所定時間当たりに噴霧することが必要な液体1の噴霧量であり、ユーザ等によって入力される。
【0077】
たとえば、噴霧することが必要な液体1の噴霧量が100mLであり、振動子41を第1振動数で振動させた場合における霧化速度が400mL/hであり、振動子41を第2振動数で振動させた場合における霧化速度が100mL/hであり、振動子41を第1振動数で振動させるか第2振動数で振動させるかを選択できる場合、制御部60は、A=B×Cを満たしかつ霧化速度がより早くなりかつ振動時間がより短くなるように、振動子41を第1振動数で15分間だけ振動させる。なお、たとえば、液体1の霧化速度は、予め計測されて噴霧装置10に記憶されている。
【0078】
また、制御部60は、検出部50によって検出された液体1の種類および液体1の状態の少なくとも一方に基づいて、噴霧部40を制御する。
【0079】
たとえば、制御部60は、検出部50によって検出された液体1の種類が次亜塩素酸水である場合、単位時間当たりの噴霧量が所定量以上にならないように、噴霧部40を制御する。また、たとえば、制御部60は、検出部50によって検出された液体1の種類が塩水または漂白剤である場合、液体1を噴霧しないように、噴霧部40を制御する。また、たとえば、制御部60は、検出部50によって検出された液体1の種類が次亜塩素酸水であり、次亜塩素酸水の濃度が所定の濃度よりも低い場合、液体1を噴霧しないように、噴霧部40を制御する。
【0080】
駆動部70は、振動子41を駆動させる。たとえば、駆動部70は、振動子41を振動させる回路である。
【0081】
図5は、図1の噴霧装置10の動作の一例を示すフローチャートである。当該動作は、保持部20に保持されている液体1の液位を検出する検出ステップ(ステップS1~S4)を含んでいる。
【0082】
検出ステップでは、まず、印加部53は、第1電極51を陽極としかつ第2電極52を陰極として第1電極51と第2電極52との間に第1電圧を印加する(ステップS1)。具体的には、たとえば、上述したようにして、印加部53は、第1電圧を印加する。
【0083】
印加部53は、第1電圧を印加した後、第1電極51を陰極としかつ第2電極52を陽極として第1電極51と第2電極52との間に第2電圧を印加する(ステップS2)。具体的には、たとえば、上述したようにして、印加部53は、第2電圧を印加する。
【0084】
計測部54は、抵抗値を計測する(ステップS3)。たとえば、計測部54は、第1電極51と第2電極52との間に第1電圧が印加されている場合における第1電極51と第2電極52との間における抵抗値を計測する。また、たとえば、計測部54は、第1電極51と第2電極52との間に第2電圧が印加されている場合における第1電極51と第2電極52との間における抵抗値を計測する。たとえば、上述したようにして、計測部54は、第1電極51と第2電極52との間における抵抗値を計測する。なお、たとえば、計測部54は、抵抗値ではなく電流値を計測してもよい。
【0085】
検出部50は、保持部20に保持されている液体1の液位を検出する(ステップS4)。
【0086】
たとえば、液体1が次亜塩素酸水であり、保持部20に保持されている液体1の液位が所定の液位まで下がった状態で第1電極51と第2電極52との間に電圧を印加した場合における第1電極51と第2電極52との間における抵抗値を予め計測して第1閾値とし、保持部20の内部が液体1で満たされた状態で第1電極51と第2電極52との間に電圧を印加した場合における第1電極51と第2電極52との間における抵抗値を予め計測して第2閾値とし、第1閾値と第2閾値とが噴霧装置10に記憶されている。
【0087】
たとえば、検出部50は、計測した抵抗値が第1閾値以下である場合、保持部20に保持されている液体1の液位が所定の液位以上であることを検出する。また、たとえば、検出部50は、計測した抵抗値が第1閾値よりも大きい場合、保持部20に保持されている液体1の液位が所定の液位よりも下がっていることを検出する。
【0088】
たとえば、検出部50は、保持部20に保持されている液体1の種類および状態の少なくとも一方をさらに検出する。たとえば、検出部50は、計測した抵抗値が第2閾値よりも小さい場合、保持部20に保持されている液体1の種類が噴霧装置10に不適合な水であること、または保持部20に保持されている液体1の状態が異常であることを検出する。また、たとえば、検出部50は、計測した抵抗値が第2閾値以上第1閾値以下である場合、保持部20に保持されている液体1の種類が次亜塩素散水であること、および保持部20に保持されている液体1の状態が正常であることを検出する。
【0089】
図6は、図1の噴霧装置10の他の動作の一例を示すフローチャートである。
【0090】
図6に示すように、計測部54は、インピーダンスを計測する(ステップS11)。たとえば、計測部54は、第1電極51と第2電極52との間に第1電圧が印加されている場合における第1電極51と第2電極52との間におけるインピーダンスを計測する。また、たとえば、計測部54は、第1電極51と第2電極52との間に第2電圧が印加されている場合における第1電極51と第2電極52との間におけるインピーダンスを計測する。
【0091】
制御部60は、計測部54によって計測されたインピーダンスに基づいて、保持部20に保持されている液体1の液位、液体1の種類、および液体1の状態の少なくとも1つを判定する(ステップS12)。具体的には、制御部60は、計測部54によって計測されたインピーダンスの値に基づいて、保持部20に保持されている液体1の液位、液体1の種類、および液体1の状態の少なくとも1つを判定する。
【0092】
制御部60は、保持部20に保持されている液体1の液位、液体1の種類、および液体1の状態の少なくとも1つに基づいて、噴霧部40を制御する(ステップS13)。
【0093】
たとえば、制御部60は、保持部20に保持されている液体1の種類が次亜塩素酸水である場合、噴霧量を管理しながら噴霧部40から液体1を噴霧させる。
【0094】
また、たとえば、制御部60は、保持部20に保持されている液体1の種類が水道水である場合、噴霧部40から常時液体1を噴霧させ、振動子41および送風部42を常時駆動させる。また、たとえば、制御部60は、保持部20に保持されている液体1の種類が水道水である場合であって、噴霧装置10が水道水を用いることができない装置である場合、噴霧部40を駆動させない。
【0095】
また、たとえば、制御部60は、保持部20に保持されている液体1が無い場合、噴霧部40を駆動させない。具体的には、たとえば、制御部60は、保持部20に保持されている液体1が無い場合、振動子41および送風部42を駆動させない。たとえば、制御部60は、この場合、保持部20への給水を要求する表示をモニタ(図示せず)等に表示する。
【0096】
また、たとえば、制御部60は、保持部20に保持されている液体1の種類が次亜塩素酸水であって、液体1の状態が不良である場合(たとえば、長時間放置されて効能が小さくなっている場合)、噴霧部40を駆動させない。たとえば、制御部60は、この場合、警告および保持部20に保持されている液体1の入れ替えを要求する表示をモニタ(図示せず)等に表示する。
【0097】
また、たとえば、制御部60は、保持部20に保持されている液体1の種類が塩水または漂白剤である場合、噴霧部40を駆動させない。たとえば、制御部60は、この場合、警告および保持部20に保持されている液体1の入れ替えを要求する表示をモニタ(図示せず)等に表示する。
【0098】
図7は、図1の噴霧装置10の他の動作の一例を示すフローチャートである。
【0099】
図7に示すように、計測部54は、抵抗値を計測する(ステップS21)。たとえば、計測部54は、第1電極51と第2電極52との間に第1電圧が印加されている場合における第1電極51と第2電極52との間における抵抗値を計測する。また、たとえば、計測部54は、第1電極51と第2電極52との間に第2電圧が印加されている場合における第1電極51と第2電極52との間における抵抗値を計測する。
【0100】
制御部60は、計測部54によって計測された抵抗値に基づいて、保持部20に保持されている液体1の液位、液体1の種類、および液体1の状態の少なくとも1つを判定する(ステップS22)。
【0101】
制御部60は、保持部20に保持されている液体1の液位、液体1の種類、および液体1の状態の少なくとも1つに基づいて、噴霧部40を制御する(ステップS23)。
【0102】
たとえば、制御部60は、抵抗値が20kΩ以下である場合、液体1の種類が噴霧装置10に不適合であると判定し、噴霧部40を駆動させない。たとえば、制御部60は、この場合、保持部20に保持されている液体1の入れ替えを要求する表示をモニタ(図示せず)等に表示する。
【0103】
たとえば、制御部60は、抵抗値が20kΩよりも大きくかつ500kΩよりも小さい場合、液体1が正常な次亜塩素酸水であると判定し、噴霧部40を駆動させる。
【0104】
たとえば、制御部60は、抵抗値が500kΩ以上である場合、保持部20に液体1が保持されていないと判定し、噴霧部40を駆動させない。たとえば、制御部60は、この場合、保持部20への給水を要求する表示をモニタ(図示せず)等に表示する。
【0105】
以上のように、噴霧装置10では、保持部20に保持されている液体1の液位を検出できるので、保持部20に液体1が保持されていない場合等に振動子41が振動することを抑制でき、振動子41が破損することを抑制できる。
【0106】
また、噴霧装置10では、第1電圧を印加した後に第2電圧を印加するので、第1電極51および第2電極52に電蝕が発生して第1電極51および第2電極52が溶けることを抑制でき、溶けた金属が液体1に混ざることを抑制できる。これによって、液体1が次亜塩素酸水の場合には、次亜塩素酸水の効能が低下することを抑制できる。
【0107】
本実施の形態に係る噴霧装置10は、内部に液体1を保持可能な保持部20と、保持部20に保持されている液体1を霧状にして噴霧する噴霧部40と、保持部20に保持されている液体1の液位を検出する検出部50とを備え、検出部50は、保持部20の内部に設けられる第1電極51および第2電極52と、第1電極51を陽極としかつ第2電極52を陰極として第1電極51と第2電極52との間に第1電圧を印加した後、第1電極51を陰極としかつ第2電極52を陽極として第1電極51と第2電極52との間に第2電圧を印加する印加部53とを有する。
【0108】
本態様によれば、保持部20に保持されている液体1の液位を検出する検出部50を備えるので、液体1の液位を検出できる。また、検出部50は、第1電極51を陽極としかつ第2電極52を陰極として第1電極51と第2電極52との間に第1電圧を印加した後、第1電極51を陰極としかつ第2電極52を陽極として第1電極51と第2電極52との間に第2電圧を印加する印加部53を有するので、電極が劣化することを抑制できる。このように、電極が劣化することを抑制しつつ液体1の液位を検出できる。
【0109】
また、本実施の形態に係る噴霧装置10において、印加部53は、第2電圧の波形が第1電圧の波形を反転した波形となるように、第2電圧を印加する。
【0110】
本態様によれば、電極が劣化することをさらに抑制しつつ液体1の液位を検出できる。
【0111】
また、本実施の形態に係る噴霧装置10において、印加部53は、第1電圧を印加した後に第2電圧を印加することを間欠的に行う。
【0112】
本態様によれば、電極が劣化することをさらに抑制しつつ液体1の液位を繰り返し検出できる。
【0113】
また、本実施の形態に係る噴霧装置10において、印加部53は、第1電圧および第2電圧を連続して印加する。
【0114】
本態様によれば、電極が劣化することをさらに抑制しつつ液体1の液位を検出できる。
【0115】
また、本実施の形態に係る噴霧装置10において、印加部53は、第1電圧および第2電圧を連続して印加する時間よりも長い時間をおいて、第1電圧および第2電圧を連続して印加することを間欠的に行う。
【0116】
本態様によれば、電極が劣化することをさらに抑制しつつ液体1の液位を繰り返し検出できる。
【0117】
また、本実施の形態に係る噴霧装置10において、印加部53は、噴霧部40によって液体1が噴霧されていないとき、第1電圧および第2電圧を印加しない。
【0118】
本態様によれば、電極が劣化することをさらに抑制しつつ液体1の液位を検出できる。
【0119】
また、本実施の形態に係る噴霧装置10において、噴霧部40は、液体1を振動させて霧状にする振動子41と、振動子41によって霧状にされた液体1に対して送風する送風部42とを有する。
【0120】
本態様によれば、電極が劣化することを抑制しつつ液体1の液位を検出できるとともに、保持部20に保持されている液体1を容易に噴霧できる。
【0121】
また、本実施の形態に係る噴霧装置10は、噴霧部40を制御する制御部60をさらに備え、制御部60は、振動子41に連動して送風部42を駆動させる。
【0122】
本態様によれば、振動子41が振動しているときに送風部42を駆動できるので、保持部20に保持されている液体1を効率よく噴霧できる。
【0123】
また、本実施の形態に係る噴霧装置10において、制御部60は、振動子41の振動が停止しているとき、送風部42による送風を停止する。
【0124】
本態様によれば、液体1が霧化されておらず送風する必要がないときに、送風部42が送風することを抑制できる。
【0125】
また、本実施の形態に係る噴霧装置10において、制御部60は、噴霧することが必要な液体1の噴霧量をAとし、振動子41の振動による液体1の霧化速度をBとし、振動子41の振動時間をCとしたとき、噴霧量に基づいて、A=B×Cを満たしかつ霧化速度がより早くなりかつ振動時間がより短くなるように、振動子41を振動させる。
【0126】
本態様によれば、霧状の液体1に対して送風する時間をより短くできるので、液体1が劣化することを抑制できる。
【0127】
また、本実施の形態に係る噴霧装置10において、液体1は、次亜塩素酸水である。
【0128】
本態様によれば、次亜塩素酸水が劣化することを抑制できる。
【0129】
また、本実施の形態に係る噴霧装置10において、検出部50によって検出された液位に基づいて、噴霧部40を制御する制御部60を備える。
【0130】
本態様によれば、検出部50によって検出された液位に基づいて、液体1の噴霧を制御できる。
【0131】
また、本実施の形態に係る噴霧装置10において、検出部50は、保持部20に保持されている液体1の種類および状態の少なくとも一方をさらに検出し、制御部60は、検出部50によって検出された種類および状態の少なくとも一方に基づいて、噴霧部40を制御する。
【0132】
本態様によれば、検出部50によって検出された液体1の種類および状態の少なくとも一方に基づいて、液体1の噴霧を制御できる。
【0133】
本実施の形態に係る制御方法は、噴霧装置10の制御方法であって、噴霧装置10は、内部に液体1を保持可能な保持部20と、保持部20に保持されている液体1を霧状にして噴霧する噴霧部40と、保持部20の内部に設けられる第1電極51および第2電極52とを備え、制御方法は、保持部20に保持されている液体1の液位を検出する検出ステップを含み、検出ステップでは、第1電極51を陽極としかつ第2電極52を陰極として第1電極51と第2電極52との間に第1電圧を印加し(ステップS1)、第1電圧を印加した後、第1電極51を陰極としかつ第2電極52を陽極として第1電極51と第2電極52との間に第2電圧を印加する(ステップS2)。
【0134】
本態様によれば、上記の噴霧装置10と同様の効果を奏する。
【0135】
(第2の実施の形態)
図8は、第2の実施の形態に係る噴霧装置10aの機能構成を示すブロック図である。
【0136】
噴霧装置10aは、保持部20aと、噴霧部40aと、検出部50と、制御部60と、駆動部70とを備えている。
【0137】
噴霧部40aは、振動子41aと、送風部42と、吸水部44aとを有している。
【0138】
吸水部44aの一部は、保持部20に保持されている液体1に浸漬されており、吸水部44aは、保持部20に保持されている液体1を吸い上げる。たとえば、吸水部44aは、管状の部材である。
【0139】
振動子41aは、吸水部44aに接続されており、吸水部44aによって吸い上げられた液体1を振動させて霧状にし、霧状にした液体1を排出する。たとえば、振動子41aは、振動子41aの内部において液体1を振動させて霧状にし、振動子41aに形成された孔から霧状の液体を排出する。
【0140】
(第3の実施の形態)
図9は、第3の実施の形態に係る噴霧装置10bの機能構成を示すブロック図である。
【0141】
噴霧装置10bは、噴霧部40aに代えて噴霧部40bを備えている点において、噴霧装置10aと主に異なっている。
【0142】
噴霧部40bは、送風部42を有していない点において、噴霧部40aと主に異なっている。
【0143】
(第4の実施の形態)
図10は、第4の実施の形態に係る噴霧装置10cの機能構成を示すブロック図である。なお、図10では、保持部20等の図示を省略している。
【0144】
噴霧装置10cは、印加部53の外部に固定抵抗57が設けられている点において、噴霧装置10と主に異なっている。
【0145】
計測部54は、固定抵抗57の両端の電圧を計測することによって、第1電極51と第2電極52との間における抵抗値および電流値の少なくとも一方を計測する。
【0146】
制御部60は、計測部54の計測結果に基づいて、印加部53を制御する。
【0147】
(他の実施の形態等)
以上、本発明の実施の形態に係る噴霧装置について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0148】
上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムとして構成されても良い。RAMまたはハードディスクドライブには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0149】
さらに、上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしても良い。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、たとえば、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムを含む。この場合、ROMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0150】
さらにまた、上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしても良い。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしても良い。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしても良い。
【0151】
また、本発明は、上記に示す方法であるとしても良い。また、本発明は、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしても良いし、上記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしても良い。
【0152】
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、たとえば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしても良い。また、これらの非一時的な記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしても良い。
【0153】
また、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしても良い。
【0154】
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムに従って動作するとしても良い。
【0155】
また、上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記非一時的な記録媒体に記録して移送することにより、または上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしても良い。
【0156】
さらに、上記実施の形態および上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明に係る噴霧装置は、霧状の液体を噴霧する装置として適用することができる。
【符号の説明】
【0158】
10,10a,10b,10c 噴霧装置
20,20a 保持部
30 給水部
40,40a,40b 噴霧部
41,41a 振動子
42 送風部
43 ダクト
44a 吸水部
50 検出部
51 第1電極
52 第2電極
53 印加部
54 計測部
55 第1電源
56 第2電源
57 固定抵抗
60 制御部
70 駆動部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10