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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054216
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】固体ボウルスクリュー遠心分離機
(51)【国際特許分類】
   B04B 1/20 20060101AFI20240409BHJP
   B04B 9/12 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
B04B1/20
B04B9/12
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024016246
(22)【出願日】2024-02-06
(62)【分割の表示】P 2021501006の分割
【原出願日】2019-07-25
(31)【優先権主張番号】102018119279.7
(32)【優先日】2018-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518091934
【氏名又は名称】ジーイーエー メカニカル イクイップメント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アーガード, ポール-エリク
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ロータの第1共振周波数を通らず、共振を防止でき、比較的に高速で作動できる固体ボウルスクリュー遠心分離機を提供する。
【解決手段】ハウジング100と、ハウジング内に回転可能なロータ200とを有する固体ボウルスクリュー遠心分離機に関し、回転軸Dを有し、長さL1の円筒形部分211と、長さL2の円錐形部分212とを含み、長さLT(=L1+L2)の回転可能なドラム210と、ドラムの円筒形部分に配置された液体排出部217と、ドラムの円錐形部分に配置された固体排出部218と、ドラム内に配置され、回転ドラムに対して差動速度で回転可能で、ドラムと一緒にロータを形成するスクリュー230と、ドラムを支持する2つのドラムベアリング221、222(配置間隔LL)と、スクリューを支持するスクリューベアリング236を備え、ドラムベアリング間の間隔LLは、ドラムの長さLT未満である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(100)と、ハウジング(100)内に回転可能に取り付けられたロータ(2
00)とを有し、少なくとも、
a. 回転軸(D)を有するドラム(210)であって、長さLを有する円筒形部分(211)と、長さLを有する円錐形部分(212)とを含み、長さLと長さLは足し合わさ
れると、ドラム(210)の長さLを与える回転可能なドラム(210)と、
b. ドラム(210)の円筒形部分(211)に配置された少なくとも1つの液体排出部(217)と、ドラムの円錐形部分(212)に配置された少なくとも1つの固体排出部(218)と、
c. ドラム内に配置され、回転可能なドラム(210)に対して差動速度で回転可能であ
り、前記ドラム(210)と一緒になって前記ロータ(200)を形成するスクリュー(23
0)と、
d. ハウジング(100)内にて、ドラム(210)を支持し、、間隔Lをおいて配置さ
れている少なくとも2つのドラムベアリング(221、222)と、
e. ドラム(210)内のスクリュー(230)を支持する少なくとも1つのスクリューベ
アリング(236)を備える固体ボウルスクリュー遠心分離機において、
f. ドラム(210)を互いに支持するためのドラムベアリング(221、222)間の間
隔Lは、ドラム(210)の長さL未満であり、
g. 一方のドラムベアリング(221)は、ドラム(210)の円錐形部分(212)上の半
径方向外側に配置されている、固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項2】
ドラムベアリング(221、222)の一方又は両方が、ドラム(210)の固体排出部(
218)と液体排出部(217)との間にある軸方向領域内に配置される、請求項1に記載
の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項3】
前記ドラムベアリング(221、222)は、前記ドラム(210)とフレーム(100)との間、又はフレームに接続された部分に配置され、及び/又は前記少なくとも1つのスク
リューベアリング(236)は、前記スクリュー(230)と前記ドラム(210)との間に配置される、請求項1又は2に記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項4】
一方又は両方のドラムベアリング(221、222)及び/又は一方又は両方のスクリュ
ーベアリング(235、236)が、ドラム(210)の液体排出部(217)及び/又は固体
排出部(218)の領域に直接隣接する、請求項1乃至3の何れかに記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項5】
ドラム(210)の夫々の軸方向端部と、ドラムベアリング(221)及び/又は(222)
の夫々の軸方向位置との間の間隔A及び/又はAが、ドラム(210)の長さLの0
%から35%であることが好ましく、特に好ましくは長さLの0%から25%である、請求項1乃至4の何れかに記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項6】
前記ドラムベアリング(221、222)は、前記ドラム(210)上の半径方向外側、またはドラムカバー(213)上の直接外側に配置される、請求項1乃至5の何れかに記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項7】
前記ドラムベアリング(222)の1つが、前記ドラム(210)の前記円筒形部分(21
1)上の半径方向外側に配置されている、請求項1乃至6の何れかに記載の固体ボウルス
クリュー遠心分離機。
【請求項8】
前記ドラム(210)の前記円錐形部分(212)上に半径方向外側に配置された前記ドラ
ムベアリング(221)は、前記ドラム(210)の前記円筒形部分(211)よりも小さい内径を有する、請求項1乃至7の何れかに記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項9】
前記ドラムベアリング(222)の一方が、ドラムカバー(213)上にて、直接軸方向外側に位置する、請求項1乃至8の何れかに記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項10】
前記ドラムベアリング(221、222)の一方又は両方が、磁気ベアリングとして構成されている、請求項1乃至9の何れかに記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項11】
前記ドラムベアリング(221、222)の一方又は両方が、ローラベアリングとして構成されている、請求項1乃至9の何れかに記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項12】
前記ドラムベアリング(221、222)の一方又は両方が、セラミックベアリング又は組合せセラミックベアリングとして構成されている、請求項1乃至9の何れかに記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項13】
前記固体排出部が配置される点における前記ドラムの直径と、前記ドラムの最大直径との比が、0.4と0.3の間である、請求項1乃至12の何れかに記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項14】
前記ドラムの回転軸(D)は、水平又は垂直に整列される、請求項1乃至13の何れかに記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機に関する。
【背景技術】
【0002】
ヨーロッパ特許0 107 470号及び米国特許4 504 262号から、デカンタ(固体ボウルスク
リュー遠心分離機)のドラムをばねで支持することが知られている。スプリングはコイル
スプリングとして構成されており、回転軸線に放射状に整列されている。コイルばねを貫通するねじボルトによって、ドラム軸受の軸受ハウジングと支持リングとの間の弾性支持が夫々実現され、支持リングは軸受ハウジングと同心に配置され、機械フレームに固定されるか、又は機械フレームに接続される。このようにして、システムの主たる共振周波数以上の動作速度を設定することが可能であり、従って、従来のベアリング構成のデカンタにおけるよりも高いドラム速度を実現することが可能であるはずである。
【0003】
かなり短いドラムに適し、且つ支持されているのではなく懸架された配置で構成された軸受装置は、ドイツ特許公開公報26 06 589号、ドイツ特許公開公報31 34 633号及びドイツ実用新案公報66 09 011号に示されている。
ドイツ特許公開公報22 57 513号は、円筒形のドラムシェルを有する管状遠心分離機の
ドラムを示しており、このドラムは、内側の断面のみが円錐形である。
米国特許出願公開第2003/00325401号は、技術的背景として言及される。
【0004】
一般的な固体ボウルスクリュー遠心分離機は、ドイツ特許公開公報10 2007 042 549号
から公知である。この固体ボウルスクリュー遠心機は、水平な回転軸を有するドラムと、回転するドラムに対して差動速度で回転できるスクリューがドラム内に配置されたロータを有する。
ドラムを支持するためのベアリング又はベアリング装置は、ドラムの2つの軸方向端部に設けられ、ばね要素は、ドラムを機械フレーム又は基台上に弾性的に支持するために設けられ、ドラムを支持するばね要素のうちの少なくとも2つは、ドラムの2つの軸方向端部の夫々に配置され、ばね要素は、垂直又は大凡垂直に整列される。ロータ又はドラムの長さとロータ又はドラムの直径との間の比は、好ましくは2より大きく、好ましくは2.
5、特に3である。また、バネ要素が、バネ要素と減衰要素との組み合わせとして構成されることも提供される。この構成は、ロータ又はボウルの長さとロータ又はボウルの直径との比が好ましくは2より大きく、好ましくは2.5より大きく、特に3より大きい細長
い固体ボウルスクリュ-遠心分離機に特に適している、何故ならシステムの基本共振周波数(ロータ固有モード)を上回る動作速度でドラムを動作させることができるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この構成は、それ自体証明されている。しかしながら、固体ボウルスクリュー遠心分離機の構成を簡単な方法で改善して、一般に比較的高速で作動でき、しかしロータの第1の共振周波数を通る必要がないことが更に必要である。
この問題に対する解決策は、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項1の主題によってこの目的を解決する。
従って、ハウジングと、ハウジング内に回転可能に取り付けられたロータとを有する固体ボウルスクリュー遠心分離機が作製され、これは、少なくとも以下の特徴を有する、即ち、回転軸を有する回転可能なドラムであって、足し合わされるとドラムの長さLを画
定する長さLを有する円筒形部分と、長さLを有する円錐形部分とを有するドラムと、ドラムの円筒形部分内に配置される少なくとも1つの液体排出部と、ドラムの円錐形部分内に配置される少なくとも1つの固体排出部と、ドラム内に配置され、回転可能なドラムに対して差速で回転可能であり、ドラムと一緒になってロータを形成するスクリューと、距離Lで離間されて、ハウジング内でドラムを支持する複数のドラム軸受と、ドラム内でスクリューを支持する少なくとも1つのスクリュー軸受とを備え、ドラム軸受間の距離Lはドラムの長さL未満である。
【0007】
長さLを有する円錐形部分において、ドラムは(ドラムシェルに対して)内側及び外側に円錐状に構成される。
円錐形部分の円筒形部分から出発して、外側及び内側の円筒形部分からの距離が増すにつれてドラム径が減少し、円錐形状となる。
回転軸は水平方向に整列される。しかし、回転軸を垂直のような別の方向に向けることもできる。
【0008】
この構成は、軸方向間隔を小さくした本発明によるドラムベアリングの有利な配置のために、ドラムの速度を制限する第1の共振周波数は、ベアリングの軸方向間隔を大きくした場合よりも高速でのみ発生するので、固体ボウルスクリュー遠心分離機を有利に高速で運転できるという利点を有する。従って、このように構成された固体ボウルスクリュー遠心分離機は、高速/より高速で動作することができ、従って、従来の構成のドラムベアリ
ングを備えた同等の体積の固体ボウルスクリュー遠心分離機と比較して、有利に高い分離性能を達成する。軸方向に直接隣接したベアリングは、この用途のために単一のベアリングとして機能的に考慮されている。
【0009】
特許請求の範囲によれば、ドラムベアリングは、ドラムとハウジングとの間、又はハウジングにしっかりと接続された部分の間に、相対回転を可能にする要素「ドラム」と「フレーム」又は「ハウジング」との間の半径方向の接続部として配置される。
【0010】
本発明の好ましい実施形態の変形例にて、一方または両方のドラムベアリング及び/又
は少なくとも一方又は場合によっては両方のスクリューベアリングが、ドラムの固体排出部と液体排出部との間にある軸方向領域内に配置される。固体ボウルスクリュー遠心分離機は、通常は回転速度を制限するドラムの第1の共振周波数が本発明によるドラムベアリングの有利な配置のために比較的高い回転速度でのみ発生するので、このようにして有利に高い回転速度で作動させることもできる。さらに、軸オフセットとして構成され、ベアリングシートとして構成されたドラムシャフト部は、場合によっては、無くてもよい。これはまたドラムハブ、ひいてはドラムの製造を単純化する結果となる
【0011】
固体ボウルスクリュー遠心分離機の性能を有利に向上させることは、ベアリング間の規定された距離を有し、且つ規定された半径を有するドラムを有するこの種の所定の配置を備えた固体ボウルスクリュー遠心分離機のドラムを軸方向に延ばすことによっても達成され、先行技術によって可能であったよりも大きな容積を有する固体ボウルスクリュー遠心分離機をもたらす。5000g-7000gのg番号を容易に達成することができる。ドラムの最大内径に対するドラムの長さの比を大きくすることができる(「λ」とも呼ばれ
る)。
【0012】
本発明の更に好ましい実施形態の変形例では、また、さらなる進歩性とは独立して、ドラムベアリングの一方又は両方、及び/又は少なくとも1つのスクリューベアリングが、
ドラムの液体排出部及び/又は固体排出部の領域に直接隣接する。別の好ましい実施形態
では、距離A及び/又はAは、ドラムの夫々の軸方向端部とドラムベアリングの夫々
の位置との間であり、及び/又は好ましくはドラムの長さLの0%から35%、とりわ
け好ましくは0%から25%とすることができる。また、このようにして、本発明の利点が有利に達成され、25%の場合、特に有利に達成される。
【0013】
本発明の他の好ましい実施形態の変形例では、ドラムベアリングの1つを、ドラム又はドラムカバー上に半径方向の外側に配置することができる。
ドラムベアリングの1つが、ドラムの円錐形部分上の半径方向外側に配置されるように設けられる。更に更なる発展例又は代替構成によれば、ドラムベアリングのうちの1つが、ドラムの円筒形部分上で半径方向外向きに配置されることも提供され得る。
【0014】
また、ドラムの円錐部分上に半径方向外向きに配置されたドラムベアリングは、ドラムの円筒部分よりも小さい内径を有することが有利であり、これにより、ベアリング応力及びベアリングのコストが低減され、且つベアリングの保守または交換が低減される。
更に、ドラムベアリングの1つをドラムカバー上に直接外側に軸方向に配置することができることを代替的に又は任意に設けることができる。これらの全ては、請求項1及び/
又は請求項2の発明が、夫々の場合に、または互いに組み合わせて有利に実施され得る有利な位置である。
【0015】
ドラムベアリングは、異なる方法で構成することができる。例えば、ドラムベアリングを磁気ベアリングとして構成することは有利であり得る。これは、荷重を受ける有利な自己センタリングドラムベアリングを作り出し、それはまた、円錐形部分又は円筒形部分上の比較的大きな半径上の配置に特に適している。
【0016】
本発明の別の有利な実施形態では、ドラムベアリングはローラベアリングとして形成されている。これは、構成および取付けが容易でコスト効率の良いドラムベアリングの配置を作るのに有利である。ドラムベアリングはセラミックベアリング、特に組合せセラミックベアリングとして構成できる。これは、構成及び取付けが容易であり、次いで、円錐形部分又は円筒形部分上の比較的大きな半径上の配置に特に適した有利な低摩耗であるドラムベアリングの配置を生成する。
本発明の更なる有利な構成は、従属請求項に見出される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下において、本発明は、例示的な実施形態を用いて、図面を参照してより詳細に説明される。
図1】本発明による異なる固体ボウルスクリュー遠心分離機の側面図を示し、概略的に示されている。
図2】本発明による異なる固体ボウルスクリュー遠心分離機の側面図を示し、概略的に示されている。
図3】本発明による異なる固体ボウルスクリュー遠心分離機の側面図を示し、概略的に示されている。
図4】先行技術による固体ボウルスクリュー遠心分離機の第4の概略図の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、固体ボウルスクリュー遠心分離機を示し、該固体ボウルスクリュー遠心分離機は作動中に回転不能又は回転しないフレームを有し、好ましくはハウジング100及び作動中に回転可能な又は回転するロータ200を有する。
ロータ200は、水平方向の回転軸Dを有する回転ドラム210を備えている。回転軸Dは、空間において、特に垂直方向において異なる方向を向くこともできる。また、ロータ200は、ドラム210内に配置されたスクリュー230も含み、スクリュー230の回転軸はドラム210の回転軸に一致する。スクリュー230は、作動中にドラム210
に対して異なる速度で回転され得る。
【0019】
ドラム210は、長さLを有する円筒形部分211と、長さLを有する軸方向に隣り合う円錐形部分212とを有する。円筒形部分211は、大凡放射状に延在するドラムカバー213によって閉じられている。長さLを有する円錐形部分212において、ドラムは、(ドラムシェルに対して)円錐形の内側及び外側である。
ここでのスクリュー230はまた、円筒形部分231と軸方向に隣接する円錐形部分232とを有する。円筒形部分231と円錐形部分232は、ドラム210の内側に配置される。
【0020】
ここでは回転軸と同心に延びる供給パイプ214がドラム210内に突出し、分配器215内に開口し、分配器を通って処理されるべき懸濁液Suをドラム210の遠心チャンバ216内に半径方向に供給することができる。供給パイプ214は、ドラムの円筒形部分211の側部からドラム210内に案内されるか、またはドラムの円錐形部分212の側部からドラム210内に案内される。
【0021】
ドラムカバー213の中または上に、1つ又は複数の液体排出部217が形成される。これらは、例えば、一種の溢流せきを有するドラムカバー213の開口部として、または他の方法、例えば剥離ディスクとして、異なる方法で形成することができる。円錐形部分212の端部には、少なくとも1つの固体排出部218が形成される。
原則として、ドラム210は固体ボウルドラムとして構成される。次いで、回転するドラム210内の固体Feから少なくとも1つの液相FIが浄化される。少なくとも1つの液相は、ドラムカバー213において液体排出部217から出てくる。一方、固体は、スクリュー230によって固体排出部218の方向に搬送され、固体排出部218でドラム210から排出される。
【0022】
図4は、固体ボウルスクリュー遠心分離機を示し、第1のドラムシャフト部220がドラムカバー213又は実際のドラム210に軸方向に接続され、ドラム210に回転不能に接続され、第2のドラムシャフト部219がドラムの円錐形部分212に軸方向に隣接し、同じくドラム210に回転不能に接続されている。
第1のスクリューシャフト部234は、スクリュー230の円筒形部分231に軸方向に隣接して、スクリュー230に回転不能に接続されており、第2のスクリューシャフト部233は、ドラムの円錐形部分232に軸方向に隣接して、同じくスクリュー230に回転不能に接続されている。
【0023】
ロータ200は、1つ又は2つのモータ(ここでは図示せず)を有する駆動ユニットによって駆動される。駆動装置300の後には、少なくとも1つのギヤユニット310が続いており、その上には、2つのプーリ320、330がここで概略的に示されており、ギヤユニット310が少なくとも2つのインターフェースを有して、モータ又は複数のモータの夫々のトルクをギヤユニット310内に供給して、ドラム及びスクリューを駆動することを示している。
或いは(ここでは図示せず)、ロータは、油圧モータによって駆動することもできるので、ギヤを必要としない。異なるギアボックスを使用し、プーリを完全に又は部分的に排除して、電気モータと油圧モータとの組み合わせによってロータを駆動することも可能である。
【0024】
ギヤユニット310は、一方でドラム210を回転させ、他方でスクリュー230を回転させる。この目的のために、ギヤユニット310は、2つの出力軸を有する。第1の出力軸は、第1のドラムシャフト部220に回転不能に連結されるか、又はドラム210に直接連結され、第2の出力軸は、第1のスクリューシャフト部234に直接又は間接的に
回転不能に連結されるか、又はスクリュー230に直接連結される。
ドラム及びシャフト部は、夫々回転軸線の方向に軸方向に配置された2つのドラムベアリング221、222によって回転可能に支持されている。用語「ベアリング」は、この点においてあまりにも狭く定義されるべきではない。ドラムベアリング221、222の各々は、1つ以上の単一ベアリングから成ることができ、これらの単一ベアリングは、互いに直接隣り合って軸方向に配置されているので、各々の場合に、1つの単一ベアリングとして機能的に考えることができる。ドラムベアリング221、222は、また、ローラベアリング、特にセラミックベアリング、組合せセラミックベアリング、磁気ベアリング又は滑りベアリングのような種々の形式のベアリングとして構成することができる。
【0025】
ドラムベアリング221、222は、ドラム210とフレーム100との間又はフレームに連結された部分に配置されているので、ドラム210をフレーム100に対して回転させることができる。これは、以下に記載され、特許請求の範囲によってカバーされる全ての変形例にも当てはまる。ドラムベアリング221、222は、ドラム210とフレーム100との間、又はフレームに接続された部分に放射状に配置されるのが好ましい。
一方、スクリューベアリング235、236は、スクリュー230とドラム210との間に放射状に配置され、スクリュー230がドラム210に対して回転できるようになっている。スクリューベアリング235、236は、ドラム210とスクリュー230との間に放射状に配置されるのが好ましい。
【0026】
可能な変形実施形態(図示せず)では、固体排出部218の領域におけるスクリューベアリング235のうちの1つを省略することができる。この場合、回転スクリューは、例えばデカンタの垂直配置から、回転スクリュー自体が自動的にセンタリングされることが知られている。
【0027】
図4に示す従来技術によれば、ドラムベアリング221、222は、ドラム210の軸方向区域Lの軸方向外方に配置され、ドラム210の固体排出部218と液体排出部217との間に位置する。図4では、例えば、それらは、固体排出部218と、固体排出部に隣接するハウジング100の軸方向端部と、液体排出部217と、液体排出部に隣接するハウジングの軸方向端部との間に配置される。従って、ドラムベアリング221、222の距離Lは、ドラム210の円筒形部分211の長さLとドラム210の円錐形部分212の長さLとの合計である、ドラム210の長さLよりも長い。
【0028】
これは、2つのドラムベアリング221、222が、ドラム210の長さLに対して相対的に大きな軸方向間隔で配置されていることを意味する。そして、従来技術によれば、図4に示すように、スクリューベアリング235、236もドラム210の軸方向領域の外側に軸方向に配置されており、該軸方向領域はドラム210の固体排出部218と液体排出部217との間に存在する。このことは、2つのスクリューベアリング235、236も、ドラム210及びスクリュー230の長さLに対して相対的に大きな軸方向間隔をおいて配置されていることを意味する。
【0029】
ここで、本発明は異なる経路をとる。ドラムベアリング221、222の一方または両方が、ドラム210の固体排出部218と液体排出部217との間に位置する軸方向領域内に配置されるか、またはドラム210の液体排出部217及び/又は固体排出部218
の領域に直接隣接する。次いで、ドラムベアリング221、222は、ドラム210の半径方向外側に位置決めされ、またはドラムカバー213の半径方向外側または軸方向外側に位置決めされる。
【0030】
ドラムベアリング221、222の一方が、ドラム210の固体排出部218と液体排出部217との間にある軸方向領域内に配置される場合、これらの夫々のベアリングの他
方-ドラムベアリング221、222の他方-は、この軸方向領域の外側に配置することができる。しかしながら、本発明の文脈にて、夫々両方のベアリング-両方のドラムベアリ
ング221、222-を軸方向領域の外側、又は上述した領域(図3)に提供することもで
きる。
【0031】
このようにして、ロータの幾何学的形状が変わらない状態では、ロータの第1の共振周波数が上昇し、従ってドラム速度をさらに増加させることができることが示されている。
この技術教示の異なる変形を図1乃至図3に示す。図1乃至図3では、ドラム210の長さはLで示され、ドラムベアリング221、222の間隔はLで示されている。図4では、従来技術の固体ボウルスクリュー遠心分離機では、L<Lである。
【0032】
図1は、本発明の実施形態を示し、第1のドラムベアリング221がドラム210の円錐形部分212に割り当てられている。第1のドラムベアリング221は、ドラム210の円筒形部分211の方向に固体排出部218から軸方向に間隔を置いて配置されている。ドラムベアリング222の他方「ドラムの他端」は、この軸方向部分の外側にある。
従って、第1のドラムベアリング221は、円錐形部分上のドラム210の円錐形部分212の領域において、固体排出部218と液体排出部217との間に配置される。従って、ドラム210の円錐形部分212の領域のドラムシャフト部219も、無くて済む。ドラム210の長さは、ここでは、ドラムベアリング221、222との間の間隔よりも長く、従ってL>Lである。
【0033】
円錐形部分を軸方向に非常に長くに構成し、固体排出部が配置されるドラムの直径を比較的小さく構成することが可能である。固体排出部が位置するドラムの直径とドラムの最大内径との比は、0.4と0.3の間であり得る。これは、固体の排出によって引き起こされるエネルギー損失を低く保つか、または低減するのに有利であり得る。さらに(上記の
定義を参照)、比較的高い値「λ」を達成することができる。
【0034】
図2は、第1のドラムベアリング221がドラム210の円錐形部分212に割り当てられている本発明の実施形態の変形例を示しており、図1による実施形態の変形例に類似しており、第1のドラムベアリングは固体排出部218からドラム210の円筒形部分211の方向に軸方向に離間されている。従って、ドラムベアリング221は、ドラム210の円錐形部分212の領域において、固体排出部218と液体排出部217との間に配置される。
【0035】
他方のドラムベアリング222は、ここではドラム210の円筒形部分211に割り当てられているか、またはその上に外側に配置されている。ドラムベアリング222は、ドラム210の液体排出部217の領域に直接軸方向に隣接している。したがって、ドラム210の円錐形部分212の領域におけるドラムシャフト部219と、ドラム210の円筒形部分211の領域におけるドラムシャフト部220は、ここでは省略することができる。ドラム210の長さも、ここでは、ドラムベアリング221、222間の間隔よりも長く、したがって、ここでもL>Lである。
【0036】
図3は、第1のドラムベアリング221が再びドラム210の円錐形部分212上の半径方向外側に配置される本発明の実施形態変形例を示す。これもまた、図1による実施形態の変形例と同様に、第1のドラムベアリング221はドラム210の円筒形部分211の方向に固体排出部218から軸方向に離間している。
従って、第1のドラムベアリング221は、固体排出部218と液体排出部217との間で、ドラム210の円錐形部分212の領域に再び位置し、第2のドラムベアリング222は、次いで、ドラム210の円筒形部分211上に位置する。ここでは、第2のドラムベアリング222はドラム210の円錐形部分212の方向に液体排出部217から軸
方向に離間している。従って、ドラム210の円筒形部分211の領域のドラムシャフト部220と、ドラム210の円錐形部分212の領域のドラムシャフト部219とを無しで済ますことができる。ドラム210の長さは、ここでは、ドラムベアリング221、222の間の間隔よりも長く、従って、L>Lである。
【0037】
図1乃至図3に示す例示的な実施形態では、ドラム210の夫々の端部とドラムベアリング221及び/又は222の夫々の位置との間に間隔A及び/又はAがある。夫々のドラムベアリング221、222が液体排出部217及び/又は固体排出部218から軸
方向に間隔を置いて配置され、液体排出部217と固体排出部218との間に配置される夫々間隔A1及び/又はA2は、ドラム210の長さLの0%から35%が好ましく、とりわけ0%から25%であるのが好ましい。
【0038】
ドラムベアリング221、222を夫々、固体排出部218と液体排出部217との間の軸方向範囲内の位置に配置することによって、ドラムベアリング221、222間の間隔Lは、有利に短くなり、ドラム210の第1の固有振動は、従来技術によるベアリング装置(図4参照)を用いた場合よりも高速でのみ生じる。可能であるより高い操作速度の故に、本発明による固体ボウルスクリュー遠心分離機が達成可能な分離効率は、従来技術による同じ体積の固体ボウルスクリュー遠心分離機と比較して有利に増加する。
【0039】
図1乃至図3によるドラムベアリング221、222の配置についての説明は、決して最終的であると理解すべきではない。むしろ、ドラムベアリング221、222の他の有利な配置もまた、特許請求の範囲内で考えられる。しかしながら、ドラムベアリング221、222間の軸方向の距離Lは、ドラム210の長さLよりも短くなければならない。
【符号の説明】
【0040】
100 ハウジング
200 ロータ
210 ドラム
211 円筒形部分
212 円錐形部分
213 ドラムカバー
214 供給パイプ
215 分配器
216 遠心チャンバ
217 液体排出部
218 固体排出部
219 ドラムシャフト部
220 ドラムシャフト部
221 ドラムベアリング
222 ドラムベアリング
230 スクリュー
231 円筒形部分
232 円錐形部分
233 スクリューシャフト部
234 スクリューシャフト部
235 スクリューベアリング
236 スクリューベアリング
300 駆動装置
310 ギアユニット
320 プーリ
330 プーリ
距離
距離
D 回転軸
長さ
長さ
ドラムベアリングの距離
ドラムの長さ
Su 懸濁液
Fe 固体
FI 液相
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(100)と、ハウジング(100)内に回転可能に取り付けられたロータ(200)とを有し、少なくとも、
a. 回転軸(D)を有するドラム(210)であって、長さLを有する円筒形部分(211)と、長さLを有する円錐形部分(212)とを含み、長さLと長さLは足し合わされると、ドラム(210)の長さLを与える回転可能なドラム(210)と、
b. ドラム(210)の円筒形部分(211)に配置された少なくとも1つの液体排出部(217)と、ドラムの円錐形部分(212)に配置された少なくとも1つの固体排出部(218)と、
c. ドラム内に配置され、回転可能なドラム(210)に対して差動速度で回転可能であり、前記ドラム(210)と一緒になって前記ロータ(200)を形成するスクリュー(230)と、
d. ハウジング(100)内にて、ドラム(210)を支持し、間隔Lをおいて配置されている少なくとも2つのドラムベアリング(221、222)と、
e. ドラム(210)内のスクリュー(230)を支持する少なくとも1つのスクリューベアリング(236)を備える固体ボウルスクリュー遠心分離機において、
f. ドラム(210)を互いに支持するためのドラムベアリング(221、222)間の間隔Lは、ドラム(210)の長さL未満であり、
g. 一方のドラムベアリング(221)は、ドラム(210)の円錐形部分(212)上の半径方向外側に配置されており
前記ドラム(210)の前記円錐形部分(212)上に半径方向外側に配置された前記ドラムベアリング(221)は、前記ドラム(210)の前記円筒形部分(211)よりも小さい内径を有することを特徴とする、固体ボウルスクリュー遠心分離機
【請求項2】
ドラムベアリング(221、222)の一方又は両方が、ドラム(210)の固体排出部(218)と液体排出部(217)との間にある軸方向領域内に配置される、請求項1に記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項3】
前記ドラムベアリング(221、222)は、前記ドラム(210)とフレーム(100)との間、又はフレームに接続された部分に配置され、及び/又は前記少なくとも1つのスクリューベアリング(236)は、前記スクリュー(230)と前記ドラム(210)との間に配置される、請求項1又は2に記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項4】
一方又は両方のドラムベアリング(221、222)及び/又は一方又は両方のスクリューベアリング(235、236)が、ドラム(210)の液体排出部(217)及び/又は固体排出部(218)の領域に直接隣接する、請求項1乃至3の何れかに記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項5】
ドラム(210)の夫々の軸方向端部と、ドラムベアリング(221)及び/又は(222)の夫々の軸方向位置との間の間隔A及び/又はAが、ドラム(210)の長さLの0%から35%である、請求項1乃至4の何れかに記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項6】
前記ドラムベアリング(221、222)は、前記ドラム(210)上の半径方向外側、またはドラムカバー(213)上の直接外側に配置される、請求項1乃至5の何れかに記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項7】
前記ドラムベアリング(222)の1つが、前記ドラム(210)の前記円筒形部分(211)上の半径方向外側に配置されている、請求項1乃至6の何れかに記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項8】
前記ドラムベアリング(222)の一方が、ドラムカバー(213)上にて、直接軸方向外側に位置する、請求項1乃至の何れかに記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項9】
前記ドラムベアリング(221、222)の一方又は両方が、磁気ベアリングとして構成されている、請求項1乃至の何れかに記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項10】
前記ドラムベアリング(221、222)の一方又は両方が、ローラベアリングとして構成されている、請求項1乃至の何れかに記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項11】
前記ドラムベアリング(221、222)の一方又は両方が、セラミックベアリング又は組合せセラミックベアリングとして構成されている、請求項1乃至の何れかに記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項12】
前記固体排出部が配置される点における前記ドラムの直径と、前記ドラムの最大直径との比が、0.4と0.3の間である、請求項1乃至11の何れかに記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【請求項13】
前記ドラムの回転軸(D)は、水平又は垂直に整列される、請求項1乃至12の何れかに記載の固体ボウルスクリュー遠心分離機。
【外国語明細書】