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特開2024-54238生物的防除剤の飼育及び制御放出のための新規な方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054238
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】生物的防除剤の飼育及び制御放出のための新規な方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 67/033 20060101AFI20240409BHJP
   A01N 63/16 20200101ALI20240409BHJP
   A01P 7/02 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
A01K67/033 502
A01N63/16
A01P7/02
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024016905
(22)【出願日】2024-02-07
(62)【分割の表示】P 2020570662の分割
【原出願日】2019-03-05
(31)【優先権主張番号】257892
(32)【優先日】2018-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(71)【出願人】
【識別番号】520341625
【氏名又は名称】バイオ-ビー・スデ・エリヤウ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タビック,アーノン
(72)【発明者】
【氏名】カッツ,トム
(72)【発明者】
【氏名】グロスマン,アミル
(72)【発明者】
【氏名】シュタインベルク,シモン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フィトセイウルス属のダニ種及びアスティグマタ目又はフィトセイイダエ科の被食性ダニ含む飼育組成物を提供する。
【解決手段】フィトセイウルス属のダニ種を含む捕食性ダニ個体群及びアスティグマタ(コナダニ)目のダニ種の個体を含む被食性ダニ個体群は、少なくとも2世代の産卵が可能であり、アスティグマタ被食性ダニは、非生存ダニ、非生存卵及びそれらの組み合わせからなる群から選択される飼育組成物。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群、及びアスティグマタ(コナダニ)目の少なくとも1つのダニ種の個体を含む被食性ダニ個体群を含む飼育組成物であって、該捕食性ダニ個体群は、少なくとも2世代の産卵が可能であり、さらに、該アスティグマタ被食性ダニは、非生存ダニ、非生存卵及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、飼育組成物。
【請求項2】
前記捕食性ダニが、前記アスティグマタ被食性ダニ個体で飼育される少なくとも10世代の産卵が可能である、請求項1の飼育組成物。
【請求項3】
前記捕食性ダニ個体群が、繁殖率形質を欠く対照捕食性ダニ個体群と比較して、繁殖率形質の向上を示す、請求項1の飼育組成物。
【請求項4】
前記捕食性ダニ個体群が、約1.15~1.2の範囲の1日あたりの繁殖率を示す、請求項1の飼育組成物。
【請求項5】
前記捕食性ダニ個体群が、ベージュ-ホワイト色であることを特徴とする、請求項1の飼育組成物。
【請求項6】
真菌減少剤を含まない、請求項1の飼育組成物。
【請求項7】
前記捕食性ダニ種が、フィトセイウルス・フラガリアエ、フィトセイウルス・ロンギペス、フィトセイウルス・マクロピリス、フィトセイウルス・ペルシミリス及びフィトセイウルス・ロベルトシからなる群から選択される、請求項1の飼育組成物。
【請求項8】
前記捕食性ダニ種が、フィトセイウルス・ペルシミリスである、請求項1の飼育組成物。
【請求項9】
前記アスティグマタ目の種が、カルポグリフィダエ、ピログリフィダエ、アカリダエ及びグリシファギダエからなる群から選択される科に属する、請求項1の飼育組成物。
【請求項10】
前記アスティグマタ目の種が、カルポグリフィダエ科、例えばカルポグリフス属、例えばカルボグリフス・ラクティス、カルボグリフス・ムンロイ、グリシファギダエ科、例えばグリシファグス属、例えばグリシファグス・ドメスティクス、レピドグリフス属、例えばレピドグリフス・デストラクター、ピログリフィダエ科、例えばデルマトファゴイデス属、例えばデルマトファゴイデス・ファリナエ、デルマトファゴイデス・プテロニシヌス、アカリダエ科、例えばチロファグス属、例えばチロファグス・プトレセンティアエの仲間を含む、請求項1の飼育組成物。
【請求項11】
前記アスティグマタ被食性ダニ個体群が凍結形態である、請求項1の飼育組成物。
【請求項12】
前記アスティグマタ被食性ダニ個体群は、幼ダニの非生存凍結発育期を含む混合物を含む、請求項1の飼育組成物。
【請求項13】
フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種と、C.ラクティス幼ダニの非生存凍結発育期及びおがくず又は別の担体材料を含む混合物とを含む、請求項1の飼育組成物。
【請求項14】
P.ペルシミリスと、C.ラクティス幼ダニの非生存凍結発育期及びおがくず又は別の担体材料を含む混合物とを含む、請求項1の飼育組成物。
【請求項15】
前記アスティグマタ被食性ダニ個体群は、非生存C.ラクティス卵を含む、請求項1の飼育組成物。
【請求項16】
前記アスティグマタ被食性ダニ個体群は、1:1の比率(w/w)で非生存卵及び非生存幼ダニを含む、請求項1の飼育組成物。
【請求項17】
おがくず、ふすま又は別の担体材料などの担体をさらに含む、請求項1の飼育組成物。
【請求項18】
アスティグマタ目の前記ダニ種で飼育された前記捕食性ダニ個体群が、1日あたり少なくとも約15%、特に1日あたり15%~25%の範囲の平均率で繁殖する、請求項1の飼育組成物。
【請求項19】
凍結、加熱、低温衝撃又は熱ショック処理などの熱処理、ガス又は煙処理などの化学処理、UV、マイクロ波、ガンマ照射又はX線処理などの放射線処理、激しい振盪、又は撹拌、せん断力にさらすこと、衝突などの機械的処理、超音波処理、圧力変化、圧力低下などのガス圧処理、感電死などの電気的処理、接着剤による固定化、水又は食物欠乏によって誘発されるような餓死による固定化、大気から酸素を一時的に除去するか、又は別のガスにより酸素を置換するなどによる窒息又は酸素欠乏処理による固定化、及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される処理によってアスティグマティド個体が処理される、請求項1の飼育組成物。
【請求項20】
P.ペルシミリスと、非生存C.ラクティス卵及びおがくず又は別の担体材料を含む混合物とを含む、請求項1の飼育組成物。
【請求項21】
P.ペルシミリスと、非生存C.ラクティスダニ及びおがくず又は別の担体材料を含む混合物とを含む、請求項1の飼育組成物。
【請求項22】
フィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体群、及び被食性ダニ個体群として死んだC.ラクティス個体を含み、さらに、フィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体群が約1.15~1.2の範囲の1日あたりの繁殖率を有する、請求項1の飼育組成物。
【請求項23】
フィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体群、並びにカルボグリフス・ラクティス、レピドグリフス・デストラクター、グリシファグス・ドメスティクス、デルマトファゴイデス・ファリナエ及びデルマトファゴイデス・プテロニシヌスからなる群から選択されるアスティグマタ目に属する少なくとも1種の死んだ個体を含む、請求項1の飼育組成物。
【請求項24】
前記被食性ダニ個体群がフィトセイイダエ科のダニ種をさらに含む、請求項1の飼育組成物。
【請求項25】
フィトセイイダエ科の前記被食性ダニ種が生存していない、請求項1の飼育組成物。
【請求項26】
作物害虫を防除することができる、請求項1の飼育組成物。
【請求項27】
前記作物害虫が、ダニ害虫、特にナミハダニのようなダニ目テトラニキダエ科、より具体的にはハダニ種、特にテトラニクス、パノニクス及び種々の他のダニ種のような仲間から選択される、請求項26の飼育組成物。
【請求項28】
作物害虫の数を少なくとも50%減少させることができる、請求項26の飼育組成物。
【請求項29】
作物植物上の前記捕食性ダニの制御放出のために処方された、請求項1~28のいずれか一項に記載の飼育組成物。
【請求項30】
作物植物上の前記捕食性ダニの制御放出のために構成された容器に含まれる、請求項1~29のいずれか一項に記載の飼育組成物。
【請求項31】
前記捕食性ダニを、約3週間の期間に、緩徐かつ継続的に前記容器から前記作物に放出することができる、請求項30に記載の飼育組成物。
【請求項32】
フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群を飼育する方法であって、
(a)請求項1~24のいずれか一項に記載の組成物を提供すること、及び
(b)少なくとも2世代にわたり、捕食性ダニ個体群の個体にアスティグマティド個体群の個体を捕食させること
を含む方法。
【請求項33】
フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群を飼育する方法であって、
(a)フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群と、アスティグマタ目の少なくとも1つのダニ種の個体を含む被食性ダニ個体群とを含む組成物を提供すること、
(b)少なくとも2世代にわたって捕食性ダニ個体群の個体にアスティグマティド個体群の個体を捕食させることを含み、
ここで、アスティグマタ被食性ダニは、非生存ダニ、非生存卵及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、方法。
【請求項34】
飼育個体群が18~30℃の温度範囲、特に約22℃で維持される、請求項32及び33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
飼育個体群が70~90%、特に約85%の相対湿度に維持される、請求項32及び33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記捕食性ダニは、前記アスティグマタ被食性個体で飼育された少なくとも2世代、好ましくは少なくとも10世代の産卵が可能である、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記捕食性ダニ個体群は、約1.15~1.2の範囲の1日あたりの繁殖率を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記組成物が真菌減少剤を含まない、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記捕食性ダニ種が、フィトセイウルス・フラガリアエ、フィトセイウルス・ロンギペス、フィトセイウルス・マクロピリス、フィトセイウルス・ペルシミリス及びフィトセイウルス・ロベルトシからなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記捕食性ダニ種がフィトセイウルス・ペルシミリスである、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
前記アスティグマタ目の種が、カルポグリフィダエ、ピログリフィダエ、アカリダエ及びグリシファギダエからなる群から選択される科に属する、請求項33に記載の方法。
【請求項42】
前記アスティグマタ目の種が、カルポグリフィダエ科、例えばカルポグリフス属、例えばカルボグリフス・ラクティス、カルボグリフス・ムンロイ、グリシファギダエ科、例えばグリシファグス属、例えばグリシファグス・ドメスティクス、レピドグリフス属、例えばレピドグリフス・デストラクター、ピログリフィダエ科、例えばデルマトファゴイデス属、例えばデルマトファゴイデス・ファリナエ、デルマトファゴイデス・プテロニシヌス、アカリダエ科、例えばチロファグス属、例えばチロファグス・プトレセンティアエの仲間を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項43】
前記アスティグマタ被食性ダニ個体群が凍結形態である、請求項33に記載の方法。
【請求項44】
前記アスティグマタ被食性ダニ個体群が、幼ダニの非生存凍結発育期を含む混合物を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項45】
前記組成物が、フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種と、C.ラクティス幼ダニの非生存凍結発育期及びおがくず又は別の担体材料を含む混合物とを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項46】
前記組成物が、P.ペルシミリスと、C.ラクティス幼ダニの非生存凍結発育期及びおがくず又は別の担体材料を含む混合物とを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項47】
前記アスティグマタ被食性ダニ個体群が、非生存C.ラクティス卵を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項48】
アスティグマタ被食性ダニ個体群が、1:1の比率(w/w)で非生存卵及び非生存幼ダニを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項49】
前記組成物が、おがくず、ふすま又は別の担体材料などの担体をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項50】
アスティグマタ目のダニ種で飼育された前記捕食性ダニ個体群が、1日あたり少なくとも約15%、特に1日あたり15%~25%の範囲の平均率で繁殖する、請求項33に記載の方法。
【請求項51】
凍結、加熱、低温衝撃又は熱ショック処理などの熱処理、ガス又は煙処理などの化学処理、UV、マイクロ波、ガンマ照射又はX線処理などの放射線処理、激しい振盪、又は撹拌、せん断力にさらすこと、衝突などの機械的処理、超音波処理、圧力変化、圧力低下などのガス圧処理、感電死などの電気的処理、接着剤による固定化、水又は食物欠乏によって誘発されるような餓死による固定化、大気から酸素を一時的に除去するか、又は別のガスにより酸素を置換するなどによる窒息又は酸素欠乏処理による固定化、及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される処理によってアスティグマティド個体が処理される、請求項33に記載の方法。
【請求項52】
前記組成物が、P.ペルシミリスと、非生存C.ラクティス卵及びおがくず又は別の担体材料を含む混合物とを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項53】
前記組成物が、P.ペルシミリスと、非生存C.ラクティスダニ及びおがくず又は別の担体材料を含む混合物とを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項54】
前記組成物が、フィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体群、及び被食性ダニ個体群として死んだC.ラクティス個体を含み、さらに、フィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体群が約1.15~1.2の範囲の1日あたりの繁殖率を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項55】
前記組成物が、フィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体群、並びにカルボグリフス・ラクティス、レピドグリフス・デストラクター、グリシファグス・ドメスティクス、デルマトファゴイデス・ファリナエ及びデルマトファゴイデス・プテロニシヌスからなる群から選択される、アスティグマタ目に属する少なくとも1種の死んだ個体を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項56】
前記被食性ダニ個体群は、さらに、フィトセイイダエ科のダニ種を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項57】
フィトセイイダエ科の被食性ダニ種が生存していない、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
作物害虫を防除する方法であって、請求項1~31のいずれか一項に記載の組成物を農作物に施用することを含む方法。
【請求項59】
前記作物害虫が、ダニ害虫、特にナミハダニのようなダニ目テトラニキダエ科、より具体的にはハダニ種、特にテトラニクス、パノニクス及び種々の他のダニ種のような仲間の群から選択される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
作物害虫を防除するための、請求項1~31のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項61】
前記作物害虫が、一連のダニ害虫、特にナミハダニのようなダニ目テトラニキダエ科、より具体的にはハダニ種、特にテトラニクス、パノニクス及び種々の他のダニ種のような仲間から選択される、請求項60に記載の使用。
【請求項62】
作物が、温室栽培作物、田畑作物、野菜、観賞植物、果樹、ホップ、綿及びイチゴからなる群から選択される、請求項60に記載の使用。
【請求項63】
作物害虫を防除するための生物的防除剤(BCA)であって、
(a)請求項1~31のいずれか一項に記載の組成物によって飼育されたフィトセイウルス属の少なくとも1種の捕食性ダニ種、
(b)任意選択的に、アスティグマタ目の少なくとも1種を含む被食性ダニ個体であって、前記アスティグマタ個体は、非生存ダニ、非生存卵及びそれらの組み合わせからなる群から選択される被食性ダニ個体及び
(c)任意選択的に担体材料
の混合物を含む、生物的防除剤。
【請求項64】
請求項1~29のいずれか一項に記載の組成物を収容する容器であって、作物植物に懸垂されるように構成され、約3週間の期間中に、捕食性ダニが緩徐かつ継続的に作物に放出される出口孔を含む容器。
【請求項65】
サシェ、パケット、パウチ、ポケット、サック、ボトル及びバッグからなる群から選択される、請求項64に記載の容器。
【請求項66】
前記被食性ダニが、凍結形態である、請求項64に記載の容器。
【請求項67】
前記被食性ダニが、凍結アスティグマティドダニ卵である、請求項64に記載の容器。
【請求項68】
前記被食性ダニが、カルボグリフス・ラクティスの凍結卵である、請求項64に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作物保護のための生物的防除剤の分野に関し、より具体的には、植物害虫に対する生物的防除剤を飼育するための新規な手段及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生物的防除剤(BCA)としての節足動物(昆虫及びダニ)の使用は、化学的害虫防除を上回る多くの利点のために拡大しつつある分野である。節足動物BCAは、作物に害虫として働く他の節足動物種を自然に防除することができる。
【0003】
フィトセイウルス(Phytoseiulus)はフィトセイイダエ(Phytoseiidae)科のダニ属である。この捕食性ダニは、温和な環境で栽培された温室及び屋外作物において、ナミハダニ(two-spotted spider mite)を防除するために最も頻繁に使用される。フィトセイウルスダニは、成虫のダニを1日に最大7個、又はその卵を数十個摂食することができる。栄養状態のよい雌は、生涯で約50個の卵を産む。フィトセイウルス属は4種の既知種、即ち、P.ペルシミリス(persimilis)、P.ロンギペス(longipes)、P.マクロピリス(macropilis)及びP.フラガリアエ(fragariae)を含む(Chant及びMcMurtry 2006)。フィトセイウルス属の全ての種は、1型捕食生物であり、すなわち、ハダニ(spider mite)、好ましくはテトラニクス(Tetranychus)属からなる食餌に非常に特異的であると考えられる(McMurtry及びCroft 1997)。ハダニの生物的防除に本属の最も頻繁に使用される種はフィトセイウルス・ペルシミリスである。
【0004】
フィトセイウルス・ペルシミリス(P.ペルシミリス)の成虫は明るい赤だいだい色で、長い脚及び洋ナシのような形をした体(長さ約0.5mm)を持っている。
【0005】
P.ペルシミリスは、植食性ダニであるハダニ(テトラニキダエ(Tetranychidae科のダニ)に特化していると考えられている(Helle及びSabelis1985、Gersonら 2003)。Gersonら 2003は具体的に、「フィトセイウルス属の仲間は、ほとんどテトラニクス種のクモの巣状のコロニー内にのみ生息し、卵を産む」ことを示している。Gersonら 2003ではさらに、「ハダニ被食生物に対するP.ペルシミリスの特異性は、他の捕食生物が同じ植物に存在する場合には不利となり得る」ことが指摘されている。
【0006】
P.ペルシミリスは、タルソネミダエ(Tarsonemidae)科の別の植食性(植物を食べる)ダニであるステネオタルソネムス・パリドゥス(Steneotarsonemus pallidus)を捕食して発育し、場合により繁殖することがわかった(Simmonds、S.P.、1970)。
【0007】
商業的な観点からは、ハダニのような植食性ダニのみを摂食する捕食性ダニを生産することの大きな欠点は、植物上での被食性ダニの飼育を必要とすることであり、これは高額な費用がかかる。
【0008】
Walzer及びSchausberger、1999は、ハダニ以外も捕食するより万能型のネオセイウルス・カリフォルニクス(Neoseiulus californicus)及びハダニに特化したフィトセイウルス・ペルシミリスの成体雌及び未成熟期の種内及び種間捕食を調べた。両捕食性ダニの成体雌及び未成熟体は、卵及び第一若虫よりも幼虫の捕食率が高いことが報告された。N.カリフォルニクスによるP.ペルシミリスの捕食は、その逆よりも重度であることがわかった。P.ペルシミリスは異種よりも同種で捕食率が高く、N.カリフォルニクスよりも共食いしやすいことが報告された。さらに、フィトセイイド(phytoseiid)被食生物を与えると、P.ペルシミリスはN.カリフォルニクスよりも高い死亡率という欠点を抱えることが報告された。
【0009】
Walzer及びSchausberger、1999はさらに、P.ペルシミリスの雌は、同種又は異種の捕食にかかわらず、産卵を維持することができなかったと教示する。さらに、P.ペルシミリス未成熟体の死亡率は、異種幼虫を摂食した場合に対して同種幼虫を摂食した場合の方が低かった。これらの著者らは、P.ペルシミリスについては、異種捕食も同種捕食も、持続的繁殖に十分な栄養を与えないと結論付けた。これはYao及びChant(1989)によって裏付けられており、Yao及びChant(1989)はP.ペルシミリスは、共食いしたときにも又はイフィセイウス・デゲネランス(Iphyseius degenerans)の未成熟体を捕食したときにも産卵しなかったと報告している。この研究では、2匹の雌のみが、同種を共食いした際に、1個の卵を産んでいた。
【0010】
以上をまとめると、P.ペルシミリスは、フィトセイイダエ科の未熟な捕食性ダニのネオセイウルス・カリフォルニクス及びイフィセイウス・デゲネランスを捕食して発育可能であることがわかった。しかし、これらの被食性ダニを摂食する際には産卵しなかった。他方、捕食性ダニのN.カリフォルニクス及びI.デゲネランスがP.ペルシミリスを摂食した場合は産卵した(Yao及びChant、1989)。このことは、同じ科の他のダニとは対照的に、P.ペルシミリスの食餌範囲が狭いことを示している。
【0011】
また、P.ペルシミリスは共食いで発育し、幼年期のP.ペルシミリスを捕食する。このように摂食すると、産卵例は稀であった(Walzer及びSchausberger、1999;Yao及びChant、1989)。フィトセイイダエダニが被食生物として用いられた全ての場合において、後者は植物上で生育するハダニを与えられたため、高いコストがかかっている。
【0012】
P.ペルシミリスはアザミウマ(植食性昆虫)の幼虫を捕食して発育することがさらにわかったが、この食餌では産卵しなかった(Walzer 2004)。このことは、この被食生物で繁殖できた捕食性ダニN.カリフォルニクス(califonicus)とは対照的である(Walzer 2004)。この研究では、未熟体の発育中に高い死亡率が報告されたことを強調すべきである。
【0013】
米国特許第9,781,937号及びEP特許第2612551号は、メソスチグマティドダニ(Mesostigmatid)種又はプロスチグマティド(Prostigmatid)ダニ種から選択される捕食性ダニ種及びアスティグマティド(Astigmatid)ダニ種を含む捕食性ダニ種の食物源を含むダニ組成物を開示する。さらに、これらの刊行物には、アスティグマティド個体の少なくとも一部が固定化され、固定化されたアスティグマティド個体を、食菌性のダニ種又は抗真菌滲出物を産生するダニ種から選択される真菌減少ダニ個体群を含む真菌減少剤と接触させることが開示されている。
【0014】
米国特許第7,947,269号は、フィトセイイド捕食性ダニ種の飼育個体群と、カルポグリフィダエ(Carpoglyphidae)科から選択された少なくとも1種を含む人工的宿主個体群を含むダニ組成物を教示する。
【0015】
米国特許第8,097,248号は、i)カルポグリフィダエ、ii)ピログリフィダエ(Pyroglyphidae)、及びiii)グリシオファギダエ(Glyciophagidae)からなる群より選択される少なくとも1つのアスティグマティドのダニ種を含む人工的宿主個体群である、フィトセイイドダニ捕食性ダニ種アムブリセイウス・スウィルスキイ(Amblyseius swirskii)の飼育個体群を含むダニ組成物を開示する。
【0016】
米国特許第8,733,283号は、デキストロースを含む被食性ダニの食物源を提供し、前記食物源でムシクイコナダニ(Thyreophagus entomophagus)を飼育し、1:10~1:100の捕食性ダニと被食性ダニの開始比率でムシクイコナダニを摂食する捕食性ダニを提供し、前記被食性ダニで捕食性ダニを飼育して繁殖個体群を作成することにより、捕食性ダニを飼育する方法を開示する。
【0017】
US8,733,283号及びEP2048941号の特許は、フィトセイウルス・ペルシミリスはハダニの食餌でのみ飼育できることを教示する。これらは、P.ペルシミリスは絶対的なハダニ捕食性ダニであり、花粉のような代替の食物源では生存できないと報告している。これらの刊行物では、被食生物が不足している場合、生存率が低い傾向があることが強調されている。
【0018】
EP2380436号は、フィトセイイド捕食性ダニ種の飼育個体群、及びアスティグマタ(Astigmata)目の少なくとも1種の個体群を含み、アスティグマタ目の種の個体群が生存していないことを特徴とするダニ組成物を開示する。
【0019】
WO2007075081号は、フィトセイイド捕食性ダニ種の飼育個体群、及びその人工的宿主個体群を含み、人工的宿主個体群がニクダニ(Glyciphagidae)科から選択された少なくとも1種を含むことを特徴とするダニ組成物を開示する。フィトセイイドダニであるフィトセイウルス・ペルシミリスに言及する場合、ハダニ(テトラニクス・ウルティカエ)(urticae)が最良の被食生物であることが示される。
【0020】
上記の特許文献はいずれも、アスティグマタ目のダニで、重要な捕食性ダニのフィトセイウルス・ペルシミリスを、形態又は発育期を問わず、うまく飼育することを開示又は教示していない。反対に、上記の特許文献及び科学文献は全て、P.ペルシミリスが絶対的なハダニ捕食性ダニであり、代替の食物源では生存できないと報告している。したがって、昆虫学者/ダニ学者は、P.ペルシミリスを、フィトセイイダエ科又はアムブリセイイナエ(Amblyseiinae)亜科の万能型の典型的な種として考えるのではなく、むしろ高度に特異的な種と考えるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】米国特許第9,781,937号明細書
【特許文献2】欧州特許第2612551号明細書
【特許文献3】米国特許第7,947,269号明細書
【特許文献4】米国特許第8,097,248号明細書
【特許文献5】米国特許第8,733,283号明細書
【特許文献6】欧州特許第2048941号明細書
【特許文献7】欧州特許第2380436号明細書
【特許文献8】国際公開第2007/075081号
【非特許文献】
【0022】
【非特許文献1】Chant及びMcMurtry 2006
【非特許文献2】McMurtry及びCroft 1997
【非特許文献3】Helle及びSabelis 1985
【非特許文献4】Gersonら 2003
【非特許文献5】Simmonds、S.P.、1970
【非特許文献6】Walzer及びSchausberger、1999
【非特許文献7】Yao及びChant(1989)
【非特許文献8】Walzer 2004
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
以上のことから、作物害虫の生物的防除のためには、フィトセイウルス・ペルシミリスの効果的かつ効率的な大量飼育が長い間必要と感じられている。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、昆虫防除の分野に関し、より具体的には、植物害虫に対する生物的防除剤を飼育するためのシステム及び方法に関する。
【0025】
フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群、及びアスティグマタ目の少なくとも1つの種を含む被食性ダニ個体群を含む飼育組成物を開示することが本発明の1つの目的である。
【0026】
フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群、及びアスティグマタ目の少なくとも1つのダニ種の個体を含む被食性ダニ個体群を含む飼育組成物であって、該捕食性ダニ個体群は少なくとも2世代の産卵が可能であり、さらに、該アスティグマタ被食性ダニは、非生存ダニ、非生存卵及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、飼育組成物を提供することが本発明のさらなる目的である。
【0027】
前記捕食性ダニが、前記アスティグマタ被食性ダニ個体で飼育される少なくとも10世代の産卵が可能である、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0028】
前記捕食性ダニ個体群が、繁殖率形質を欠く対照捕食性ダニ個体群と比較して、繁殖率形質の増加を示す、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0029】
捕食性ダニ個体群が、約1.15~1.2の範囲の1日あたりの繁殖率を示す、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0030】
捕食性ダニ個体群がベージュ-ホワイト色であることを特徴とする、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0031】
真菌減少剤を含まない、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0032】
捕食性ダニ種が、フィトセイウルス・フラガリアエ、フィトセイウルス・ロンギペス、フィトセイウルス・マクロピリス、フィトセイウルス・ペルシミリス及びフィトセイウルス・ロベルトシ(robertsi)からなる群から選択される、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0033】
捕食性ダニ種がフィトセイウルス・ペルシミリスである、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0034】
アスティグマタ目の種がカルポグリフィダエ、ピログリフィダエ、アカリダエ(Acaridae)及びグリシファギダエ(Glycyphagidae)からなる群から選択される科に属する、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0035】
アスティグマタ目の種が、カルポグリフィダエ科、例えばカルポグリフス(Carpoglyphus)属、例えばカルボグリフス・ラクティス(lactis)、カルボグリフス・ムンロイ(munroi)、グリシファギダエ科、例えばグリシファグス(Glycyphagus)属、例えばグリシファグス・ドメスティクス(domesticus)属、レピドグリフス(Lepidoglyphus)属、例えばレピドグリフス・デストラクター(destructor)、ピログリフィダエ科、例えばデルマトファゴイデス(Dermatophagoides)属、例えばデルマトファゴイデス・ファリナエ(farinae)、デルマトファゴイデス・プテロニシヌス(pteronisinus)、アカリダエ科、チロファグス(Tyrophagus)属、例えばチロファグス・プトレセンティアエ(putrescentiae)の仲間を含む、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0036】
アスティグマタ被食性ダニ個体群が凍結形態である、上記のいずれかに定義される飼育組成を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0037】
アスティグマタ被食性ダニ個体群は、幼ダニの非生存凍結発育期を含む混合物を含む、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0038】
フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種と、C.ラクティス幼ダニの非生存凍結発育期及びおがくず又は別の担体材料を含む混合物とを含む、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0039】
P.ペルシミリスと、C.ラクティス幼ダニの非生存凍結発育期及びおがくず又は別の担体材料を含む混合物とを含む、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0040】
アスティグマタ被食性ダニ個体群は、非生存C.ラクティス卵を含む、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0041】
アスティグマタ被食性ダニ個体群は、1:1の比率(w/w)で非生存卵及び非生存幼ダニを含む、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0042】
おがくず、ふすま又は別の担体材料などの担体をさらに含む、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0043】
アスティグマタ目のダニ種で飼育された捕食性ダニ個体群が、1日あたり少なくとも約15%の平均率で、特に1日あたり15%~25%の範囲で繁殖する、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0044】
凍結、加熱、低温衝撃又は熱ショック処理などの熱処理、ガス又は煙処理などの化学処理、UV、マイクロ波、ガンマ照射又はX線処理などの放射線処理、激しい振盪、又は撹拌、せん断力にさらすこと、衝突などの機械的処理、超音波処理、圧力変化、圧力低下などのガス圧処理、感電死などの電気的処理、接着剤による固定化、水又は食物欠乏によって誘発されるような餓死による固定化、大気から酸素を一時的に除去するか、又は別のガスにより酸素を置換するなどによる窒息又は酸素欠乏処理による固定化、及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される処理によってアスティグマティド個体が処理される、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが、本発明のさらなる目的である。
【0045】
前記組成物がP.ペルシミリスと、非生存のC.ラクティス卵及びおがくず又は別の担体材料を含む混合物とを含む、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが、本発明のさらなる目的である。
【0046】
前記組成物がP.ペルシミリスと、非生存のC.ラクティスダニ及びおがくず又は別の担体材料を含む混合物とを含む、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0047】
前記組成物が、フィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体群、及び被食性ダニ個体群として死んだC.ラクティス個体を含み、さらに、フィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体群が約1.15~1.2の範囲の1日あたりの繁殖率を有する、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0048】
前記組成物が、フィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体群と、カルボグリフス・ラクティス、レピドグリフス・デストラクター、グリシファグス(Glycifagus)・ドメスティクス、デルマトファゴイデス・ファリナエ及びデルマトファゴイデス・プテロニシヌスからなる群から選択されるアスティグマタ目に属する少なくとも1種の死んだ個体とを含む、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0049】
被食性ダニ個体群がフィトセイイダエ科のダニ種をさらに含む、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0050】
フィトセイイダエ科の被食性ダニ種が生存していない、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0051】
作物害虫を防除することができる、上記のいずれかに定義される飼育前記組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0052】
作物害虫がダニ害虫、特にナミハダニのようなダニ目テトラニキダエ科、より具体的にはハダニ種、特にテトラニクス、パノニクス(Panonychus)及び種々の他のダニ種のような仲間の群から選択される、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0053】
前記組成物が、作物の害虫数を少なくとも50%減少させることができる、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0054】
作物植物に前記捕食性ダニを制御放出するために処方された上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0055】
作物植物に前記捕食性ダニを制御放出するために構成された容器に含まれる、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0056】
前記捕食性ダニを、約3週間の期間に、緩徐かつ継続的に前記容器から前記作物に放出することができる、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0057】
フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群を飼育する方法であって、(a)請求項1~24のいずれか一項に記載の組成物を提供すること、及び(b)少なくとも2世代にわたり、捕食性ダニ個体群の個体がアスティグマティド個体群の個体を捕食させることを含む方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0058】
フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群を飼育する方法であって、(a)フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群と、アスティグマタ目の少なくとも1つのダニ種の個体を含む被食性ダニ個体群とを含む組成物を提供すること、(b)少なくとも2世代にわたって捕食性ダニ個体群の個体がアスティグマティド個体群の個体を捕食させることを含み、ここで、アスティグマタ被食性ダニは、非生存ダニ、非生存卵及びそれらの組み合わせからなる群から選択される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0059】
飼育個体群が18~30℃の温度範囲、特に約22℃で維持される、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0060】
飼育個体群が70~90%、特に約85%の相対湿度に維持される、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0061】
前記捕食性ダニは、前記アスティグマタ被食性ダニ個体で飼育される少なくとも2世代、好ましくは少なくとも10世代の産卵が可能である、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0062】
前記捕食性ダニ個体群は、約1.15~1.2の範囲の1日あたりの繁殖率を有する、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0063】
捕食性ダニ個体群がベージュ-ホワイト色で特徴付けられる、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0064】
前記組成物が真菌減少剤を含まない、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0065】
捕食性ダニ種が、フィトセイウルス・フラガリアエ、フィトセイウルス・ロンギペス、フィトセイウルス・マクロピリス、フィトセイウルス・ペルシミリス及びフィトセイウルス・ロベルトシからなる群から選択される、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0066】
捕食性ダニ種がフィトセイウルス・ペルシミリスである、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0067】
アスティグマタ目の種が、カルポグリフィダエ、ピログリフィダエ、アカリダエ及びグリシファギダエからなる群から選択される科に属する、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0068】
アスティグマタ目の種が、カルポグリフィダエ科、例えばカルポグリフス属、例えばカルボグリフス・ラクティス、カルボグリフス・ムンロイ、グリシファギダエ科、例えばグリシファグス属、例えばグリシファグス・ドメスティクス、レピドグリフス属、例えばレピドグリフス・デストラクター、ピログリフィダエ科、例えばデルマトファゴイデス属、例えばデルマトファゴイデス・ファリナエ、デルマトファゴイデス・プテロニシヌス、アカリダエ科、チロファグス属、例えばチロファグス・プトレセンティアエの仲間を含む、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0069】
前記アスティグマタ被食性ダニ個体群が凍結形態である、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0070】
前記アスティグマタ被食性ダニ個体群が、幼ダニの非生存凍結発育期を含む混合物を含む、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0071】
前記組成物が、フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種と、C.ラクティス幼ダニの非生存凍結発育期及びおがくず又は別の担体材料を含む混合物とを含む、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0072】
前記組成物がP.ペルシミリスと、C.ラクティス幼ダニの非生存凍結発育期及びおがくず又は別の担体材料を含む混合物とを含む、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0073】
前記アスティグマタ被食性ダニ個体群が非生存C.ラクティス卵を含む、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0074】
アスティグマタ被食性ダニ個体群が、1:1の比率(w/w)で非生存卵及び非生存幼ダニを含む、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0075】
前記組成物が、おがくず、ふすま又は別の担体材料などの担体をさらに含む、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0076】
アスティグマタ目のダニ種で飼育された前記捕食性ダニ個体群が、1日あたり少なくとも約15%の平均率で、特に1日あたり15%~25%の範囲で繁殖する、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0077】
凍結、加熱、低温衝撃又は熱ショック処理などの熱処理、ガス又は煙処理などの化学処理、UV、マイクロ波、ガンマ照射又はX線処理などの放射線処理、激しい振盪、又は撹拌、せん断力にさらすこと、衝突などの機械的処理、超音波処理、圧力変化、圧力低下などのガス圧処理、感電死などの電気的処理、接着剤による固定化、水又は食物欠乏によって誘発されるような餓死による固定化、大気から酸素を一時的に除去するか、又は別のガスにより酸素を置換するなどによる窒息又は酸素欠乏処理による固定化、及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される処理によってアスティグマティド個体が処理される、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0078】
前記組成物がP.ペルシミリスと、非生存C.ラクティス卵及びおがくず又は別の担体材料を含む混合物とを含む、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0079】
前記組成物がP.ペルシミリスと、非生存C.ラクティスダニ及びおがくず又は別の担体材料を含む混合物とを含む、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0080】
前記組成物が、フィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体群、及び被食性ダニ個体群として死んだC.ラクティス個体を含み、さらに、フィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体群が約1.15~1.2の範囲の1日あたりの繁殖率を有する、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0081】
前記組成物が、フィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体群、及びカルボグリフス・ラクティス、レピドグリフス・デストラクター、グリシファグス・ドメスティクス、デルマトファゴイデス・ファリナエ及びデルマトファゴイデス・プテロニシヌスからなる群から選択される、アスティグマタ目に属する少なくとも1種の死んだ個体を含む、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0082】
前記被食性ダニ個体群は、さらに、フィトセイイダエ科のダニ種を含む、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0083】
フィトセイイダエ科の被食性ダニ種が生存していない、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0084】
作物害虫を防除する方法を開示することが本発明のさらなる目的であり、この方法は、上記のいずれかに定義される組成物を農作物に施用することを含む。
【0085】
作物害虫がダニ害虫、特にナミハダニのようなダニ目テトラニキダエ科、より具体的にはハダニ種、特にテトラニクス、パノニクス及び種々の他のダニ種のような仲間の群から選択される、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0086】
作物害虫を防除するための上記のいずれかに定義される組成物の使用を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0087】
作物害虫が一連のダニ害虫、特にナミハダニのようなダニ目テトラニキダエ科、より具体的にはハダニ種、特にテトラニクス、パノニクス及び種々の他のダニ種のような仲間から選択される、上記のいずれかに定義される使用を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0088】
作物が、温室栽培作物、田畑作物、野菜、観賞植物、果樹、ホップ、綿及びイチゴからなる群から選択される、上記のいずれかに定義される使用を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0089】
(a)請求項1~31のいずれか一項に記載の組成物によって飼育されたフィトセイウルス属の少なくとも1種の捕食性ダニ種、(b)任意選択的に、アスティグマタ目の少なくとも1種を含む被食性ダニ個体(前記アスティグマタ個体は、非生存ダニ、非生存卵及びそれらの組み合わせからなる群から選択される)及び(c)任意選択的に担体材料の混合物を含む、作物害虫を防除するための生物的防除剤(BCA)を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0090】
捕食性ダニ個体群はベージュ-ホワイト色で特徴付けられる、上記のいずれかに定義されるBCAを開示することが本発明のさらなる目的である。
【0091】
請求項1~29のいずれか一項に記載の組成物を収容する容器であって、作物植物に懸垂されるように構成され、約3週間の期間中に、捕食性ダニが緩徐かつ継続的に作物に放出される出口孔を含む容器を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0092】
サシェ、パケット、パウチ、ポケット、サック、ボトル及びバッグからなる群から選択される、上記のいずれかに定義される容器を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0093】
被食性ダニが凍結形態である、上記のいずれかに定義される容器を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0094】
被食性ダニが凍結アスティグマティドダニ卵である、上記のいずれかに定義される容器を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0095】
被食性ダニがカルボグリフス・ラクティスの凍結卵である、上記のいずれかに定義される容器を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0096】
アスティグマタ被食性ダニ個体群の少なくとも一部が固定化されている、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0097】
アスティグマタ被食性ダニ個体群が固定化されている、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0098】
アスティグマタ被食性ダニ個体群は、死んだ卵及び少なくとも部分的に固定化されたダニを含む、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0099】
アスティグマタ被食性ダニ個体群は卵及び死んだダニを含む、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0100】
アスティグマタ被食性ダニ個体群は、1:1の比率(w/w)で卵及び固定化された幼ダニを含む、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0101】
凍結、加熱、低温衝撃又は熱ショック処理などの熱処理、ガス又は煙処理などの化学処理、UV、マイクロ波、ガンマ照射又はX線処理などの放射線処理、激しい振盪、又は撹拌、せん断力にさらすこと、衝突などの機械的処理、超音波処理、圧力変化、圧力低下などのガス圧処理、感電死などの電気的処理、接着剤による固定化、水又は食物欠乏によって誘発されるような餓死による固定化、大気から酸素を一時的に除去するか、又は別のガスにより酸素を置換するなどによる窒息又は酸素欠乏処理による固定化、及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される固定化処理によってダニが固定化される、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0102】
組成物がP.ペルシミリスと、固定化されたC.ラクティス及びおがくず又は別の担体材料を含む混合物とを含む、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0103】
固定化されたC.ラクティスダニが死んだダニである、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0104】
フィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体群、及び被食性ダニ個体群として死んだC.ラクティス個体を含み、さらに、フィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体群が少なくとも2世代、好ましくは少なくとも10世代の産卵が可能である、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0105】
フィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体群と、カルボグリフス・ラクティス、レピドグリフス・デストラクター、グリシファグス・ドメスティクス、デルマトファゴイデス・ファリナエ及びデルマトファゴイデス・プテロニシヌスからなる群から選択される、アスティグマタ目に属する少なくとも1種の死んだ個体を含む、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0106】
被食性ダニ個体群はさらに、フィトセイイダエ科のダニ種を含む、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0107】
フィトセイイダエ被食性ダニ種はアムブリセイウス属のもの、例えばアムブリセイウス・スウィルスキイである、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0108】
被食性ダニ種がアムブリセイウス・スウィルスキイである、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0109】
フィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体群及びアムブリセイウス・スウィルスキイダニ種を含む被食性ダニ個体群を含む、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0110】
アムブリセイウス・スウィルスキイダニが少なくとも部分的に固定化されている、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0111】
フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群、及びフィトセイイダエ科の少なくとも1つの種を含む被食性ダニ個体群を含む飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0112】
被食性ダニ種がアムブリセイウス属のもの、例えばアムブリセイウス・スウィルスキイである、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0113】
被食性ダニが固定化されている、上記のいずれかに定義される飼育組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0114】
アスティグマタ被食性ダニ個体群の少なくとも一部が固定化されている、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0115】
アスティグマタ被食性ダニ個体群が固定化されている、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0116】
アスティグマタ被食性ダニ個体群が、幼ダニの死んだ凍結発育期を含む混合物を含む、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0117】
組成物がP.ペルシミリスと、C.ラクティス幼ダニの死んだ凍結発育期及びおがくず又は別の担体材料を含む混合物とを含む、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0118】
アスティグマタ被食性ダニ個体群が卵及び少なくとも部分的に固定化されたダニを含む、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0119】
アスティグマタ被食性ダニ個体群が卵及び死んだダニを含む、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0120】
アスティグマタ被食性ダニ個体群が、1:1の比率(w/w)で卵及び固定化された幼ダニを含む、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0121】
凍結、加熱、低温衝撃又は熱ショック処理などの熱処理、ガス又は煙処理などの化学処理、UV、マイクロ波、ガンマ照射又はX線処理などの放射線処理、激しい振盪、又は撹拌、せん断力にさらすこと、衝突などの機械的処理、超音波処理、圧力変化、圧力低下などのガス圧処理、感電死などの電気的処理、接着剤による固定化、水又は食物欠乏によって誘発されるような餓死による固定化、大気から酸素を一時的に除去するか、又は別のガスにより酸素を置換するなどによる窒息又は酸素欠乏処理による固定化、及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される固定化処理によってダニが固定化される、上記のいずれかに定義される方法を開示するのが本発明のさらなる目的である。
【0122】
組成物がP.ペルシミリスと、固定化されたC.ラクティス及びおがくず又は別の担体材料を含む混合物とを含む、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0123】
固定化されたC.ラクティスダニが死んだダニである、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0124】
組成物が、フィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体群、及び被食性ダニ個体群として死んだC.ラクティス個体を含み、さらに、フィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体群が少なくとも2世代、好ましくは少なくとも10世代の産卵が可能である、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0125】
組成物が、フィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体群、並びにカルボグリフス・ラクティス、レピドグリフス・デストラクター、グリシファグス・ドメスティクス、デルマトファゴイデス・ファリナエ及びデルマトファゴイデス・プテロニシヌスからなる群から選択されるアスティグマタ目に属する少なくとも1種の死んだ個体を含む、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0126】
被食性ダニ個体群がさらに、フィトセイイダエ科のダニ種を含む、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0127】
被食性ダニ種がアムブリセイウス属のもの、例えばアムブリセイウス・スウィルスキイである、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0128】
被食性ダニ種がアムブリセイウス・スウィルスキイである、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0129】
組成物が、フィトセイウルス ペルシミリス捕食性ダニ個体群及びアムブリセイウス・スウィルスキイダニ種を含む被食性ダニ個体群を含む、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0130】
アムブリセイウス・スウィルスキイダニが少なくとも部分的に固定化されている、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0131】
フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群を飼育する方法であって、(a)請求項26に記載の組成物を提供すること、及び(b)捕食性ダニ個体群の個体がフィトセイイダエ科個体群の個体を捕食させることを含む方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0132】
捕食性ダニ種が、フィトセイウルス・フラガリアエ、フィトセイウルス・ロンギペス、フィトセイウルス・マクロピリス、フィトセイウルス・ペルシミリス及びフィトセイウルス・ロベルトシからなる群から選択される、上記に定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0133】
捕食性ダニ種がフィトセイウルス・ペルシミリスである、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0134】
被食性ダニ種がアムブリセイウス属のもの、例えばアムブリセイウス・スウィルスキイである、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0135】
被食性ダニが固定化されている、上記のいずれかに定義される方法を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0136】
(a)上記のいずれかに定義される組成物によって飼育されるフィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体、(b)アスティグマタ目の少なくとも1種を含む被食性ダニ個体、及び(c)任意選択的に担体材料の混合物を含む、作物害虫を防除するための生物的防除製品を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0137】
アスティグマタ目の種が、カルポグリフィダエ科、例えばカルポグリフス属、例えばカルボグリフス・ラクティス、カルボグリフス・ムンロイ、グリシファギダエ科、例えばグリシファグス属、例えばグリシファグス・ドメスティクス、レピドグリフス属、例えばレピドグリフス・デストラクター、ピログリフィダエ科、例えばデルマトファゴイデス属、例えばデルマトファゴイデス・ファリナエ、デルマトファゴイデス・プテロニシヌス、アカリダエ科、チロファグス属、例えばチロファグス・プトレセンティアエの仲間を含む、上記のいずれかに定義される生物的防除製品を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0138】
(a)上記のいずれかに定義される組成物によって飼育されるフィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体、(b)フィトセイイダエ科の少なくとも1種を含む被食性ダニ個体、及び(c)任意選択的に担体材料の混合物を含む、作物害虫を防除するための生物的防除製品を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0139】
上記のいずれかに定義される組成物によって飼育されたフィトセイウルス属の捕食性ダニ個体を含む作物害虫を防除するための生物的防除製品を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0140】
作物植物に捕食性ダニを制御放出するために処方された、上記のいずれかに定義される組成物を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0141】
上記のいずれかに定義される組成物を収容する容器であって、作物植物に懸垂されるように構成、捕食性ダニが約3週間の期間中に作物に緩徐かつ継続的に放出される出口孔を含む容器を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0142】
サシェ、パケット、パウチ、ポケット、サック及びバッグからなる群から選択される、上記のいずれかに定義される容器を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0143】
被食性ダニが凍結アスティグマティドダニ卵である、上記のいずれかに定義される容器を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0144】
被食性ダニがカルボグリフス・ラクティスの凍結卵である、上記のいずれかに定義される容器を開示することが本発明のさらなる目的である。
【0145】
本発明を理解し、本発明が実際に実施され得る方法を理解するために、複数の実施形態が、添付の図を参照して、非限定的な例としてのみ記載されるように適合される。
【図面の簡単な説明】
【0146】
図1】死んだ又は固定化されたカルボグリフス・ラクティス(C.ラクティス)ダニで飼育されたP.ペルシミリスの異なる発育期の写真図である。
図2】本発明の実施形態として、死亡又は固定化されたカルボグリフス・ラクティス(C.ラクティス)ダニで飼育されたP.ペルシミリスの写真図である。
図3】14週間の間に死んだC.ラクティス卵及び死んだ可動期の混合物を摂食したP.ペルシミリス個体群の1日あたり繁殖率を記述するグラフ表示である。
図4】P.ペルシミリスの摂食兆候を示す割合をその体の形及び色で表したグラフ表示である。
図5】実験開始からの日数の関数としてのダニ放出率をグラフで示す。
図6】被食性ダニとしてのC.ラクティスで飼育されたP.ペルシミリス個体群源(P+及びP-)の1日あたりの繁殖率の相違をグラフで示し、P+個体群は、被食性ダニとしてのC.ラクティスに対する適応の改善のために繁殖及び選択され、P-個体群は、市販の対照P.ペルシミリス個体群である。
図7】対照植物と比較して、本発明の緩徐放出系に曝露された植物のP.ペルシミリス(Pp)及びハダニ数をグラフで示す。
【発明を実施するための形態】
【0147】
ナミハダニ、テトラニクス・ウルティカエ・コック(Koch)は、温室で栽培される観賞植物及び野菜作物の主要なハダニ害虫である。さらに、このどこにでもいるハダニは、家庭景観における多数の観賞植物の深刻な害虫であり、世界中の食物及び繊維作物の害虫としてかなり重要である(van de Vrie et al.、1972)。捕食性のフィトセイイドダニであるフィトセイウルス・ペルシミリスは、田畑作物と同様に温室でナミハダニを防除するために用いられる主要な種である。
【0148】
フィトセイウルス・ペルシミリスは、ハダニの食餌に特化した捕食性ダニである。ハダニは菜食性ダニ(植食性ダニ)であるため、植物上での飼育が必要であり、これは複雑な作業及び高い飼育費を伴うため望ましくない。
【0149】
本発明は、フィトセイウルス属のP.ペルシミリス及び他のダニ種を飼育するための初めての代替方法を提供する。本発明は、従来の考えに反して、フィトセイウルス属のダニ種、例えばP.ペルシミリスは、その食餌範囲を広げることができ、また、他の被食性ダニで飼育することができ、それは、このダニを生産することがより安価であり、したがってはるかに望ましいことを示す。代替の被食性ダニはほとんどがアスティグマティック(Astigmatic)ダニであり、貯蔵された製品を食べるため、これを生産することはかなり安価である。
【0150】
一実施形態によれば、本発明は、フィトセイウルス・ペルシミリスのようなフィトセイウルス属のダニ種の代替餌として、カルボグリフス・ラクティス(Cl)又は他のアスティグマティックダニのダニ(特に死んだダニ)を使用するシステム及び方法を提供する。
【0151】
本発明により、フィトセイウルス属、特にフィトセイウルス・ペルシミリスのダニ種は、アスティグマタ目(アラクニダ(Arachnida)網内)に属する死んだダニを摂食すると、その生涯過程を完了し、繁殖できることが示される。
【0152】
本発明は、フィトセイウルス属、例えばフィトセイウルス・ペルシミリスのダニ種を、アスティグマティックダニを含む食餌で生産するためのシステムを開発することを目的とする。このシステムは以下の構成要素をベースとする。
1. 捕食性ダニ、特にフィトセイウルス・ペルシミリスと、より一般的にはフィトセイウルス属のダニ、
2. 被食性ダニ種、場合によりカルボグリフス・ラクティス、グリシファグス・ドメスティクス、レピドグリフス・デストラクター、デルマトファゴイデス・ファリナエ、デルマトファゴイデス・プテロニシヌス若しくは他のアスティグマティックダニ、又はアムブリセイウス・スウィルスキイのような他のダニ種、
3. 飼育システム-飼育媒体を含み、被食性ダニが捕食性ダニに与えられる方法、被食性ダニの発育期及び他の要因を含む、ダニが飼育される具体的な構成
【0153】
以下の飼育方法は本発明の範囲内である。
1. 捕食性ダニは生きている被食性ダニの混合物で飼育される。
2. 捕食性ダニは、凍結又は照射などの他の手段によって、固定化された被食性ダニの混合物を受け取る。
3. ある発育期の被食性ダニは、被食性ダニの個体群から抜き取られ、その後食餌として生きたままのもの又は死んだものが捕食性ダニに供された。
【0154】
上記の任意選択の飼育方法の全てにおいて、被食性ダニは、上記のアスティグマティックダニ、又は他の種のいずれかであり得ることが注目される。
【0155】
最終生物的防除製品に関して、以下は本発明の範囲内である。
1. 捕食性ダニ及び被食性ダニの両方、又は捕食性ダニ及び捕食性ダニの餌に使われる被食性ダニの特定の段階を含む混合物、
2. さらなる選択肢は捕食性ダニのみを抜き取ることであり、その結果、最終製品は捕食性ダニのみを含むことになる。
【0156】
一実施形態によれば、本発明は、フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群と、アスティグマタ目の少なくとも1つのダニ種の個体を含む被食性ダニ個体群とを含む飼育組成物を提供し、前記捕食性ダニ個体群は少なくとも2世代の産卵が可能であり、さらに、前記アスティグマタ被食性ダニは、非生存ダニ、非生存卵及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0157】
捕食性ダニは少なくとも10世代の産卵が可能であり、より好ましくは、被食性ダニとしてアスティグマタ個体を有することは本発明の範囲内である。
【0158】
さらに、捕食性ダニ個体群が、繁殖率形質を欠いた同種の対照捕食性ダニ個体群と比較して、繁殖率形質の向上を示すことは、範囲内である。
【0159】
本発明の捕食性ダニ個体群が約1.15~1.2の範囲の1日あたりの繁殖率を示すことはさらに範囲内である。
【0160】
さらに、捕食性ダニ個体群は、前記フィトセイウルス捕食性ダニが、前記アスティグマタ被食性ダニを食物源として飼育された場合に、ベージュ-ホワイト色によって特徴付けられることは、本発明の範囲内である。
【0161】
捕食性ダニは、ハダニ(本発明の場合、通常のオレンジの代わりに白いダニ)で飼育されたP.ペルシミリスダニを含む一般的な製品とは異なる外観を有するであろうことは、本発明の範囲内である。
【0162】
さらなる実施形態によれば、本発明は、P.ペルシミリスの個体群が、死んだカルボグリフス・ラクティスで、少なくとも6カ月間(約25世代)にわたり順調に発育し、繁殖したことを初めて示す。
【0163】
P.ペルシミリスは、ここでは驚くべきことに、非植食性被食性ダニ(生きている植物を摂食する必要のない被食性ダニ)、又は植食性ダニを消費しない被食性ダニのいずれかでその生涯過程を完了し、繁殖すると報告されていることが強調される。
【0164】
本発明は、フィトセイウルス・ペルシミリス飼育ダニ個体群、及びアスティグマタ目又はフィトセイイダエ科の少なくとも1種を含む人工的宿主ダニ個体群を含むダニ組成物を提供する。これまで、重要な捕食性ダニであるフィトセイウルス・ペルシミリスのようなフィトセイウルス属のダニ種を、高額の費用及び資源(温室条件下で十分な量の適切な植物を提供するなど)に関係する天然の植食性ダニ餌で飼育した。
【0165】
本発明は、非植食性代替食餌で費用効果の高い効率的な方法で飼育することによって、ハダニを防除する主な捕食性ダニであるフィトセイウルス・ペルシミリスを飼育するという重要な課題を解決する。
【0166】
したがって、本発明は、フィトセイウルス属のダニ種、例えばフィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ種の飼育個体群、アスティグマタ目又はフィトセイイダエ科の少なくとも1種の個体群、及び任意選択的に担体を含むダニ組成物を提供する。
【0167】
一実施形態によれば、本発明は、フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群、及びアスティグマタ目の少なくとも1種を含む被食性ダニ個体群を含む飼育組成物を提供する。
【0168】
さらなる実施形態によれば、本発明は、フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群を飼育する方法であって、(a)フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群、及びアスティグマタ目の少なくとも1種を含む被食性ダニ個体群を含む組成物を提供すること、及び(b)捕食性ダニ個体群の個体がアスティグマティド個体群の個体を捕食させることを含む方法を提供する。
【0169】
さらなる実施形態によれば、本発明は、フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群、及びフィトセイイダエ科の少なくとも1種を含む被食性ダニ個体群を含む飼育組成物を提供する。
【0170】
さらなる実施形態によれば、本発明は、フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群を飼育する方法であって、(a)フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群、及びフィトセイイダエ科の少なくとも1種を含む被食性ダニ個体群を含む組成物を提供すること、及び(b)捕食性ダニ個体群の個体がフィトセイイダエ科個体群の個体を捕食させることを含む方法を提供する。
【0171】
いくつかの実施形態において、被食性ダニ個体群、すなわち、アスティグマタ目の種又はフィトセイイダエ科の種は、固定化されており、及び/又は生きていない。
【0172】
さらに、フィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニは、前述のアスティグマタ個体群を摂食して、少なくとも2世代、好ましくは少なくとも10世代、より好ましくは少なくとも15世代以上繁殖することができることが、範囲内である。
【0173】
本発明の組成物は、これまでの組合せを上回るかなりの数の利点を提供する。一態様では、捕食性ダニの生産中に被食性ダニに餌を与えるために使用される食物材料は、もはや植物又は植食性ダニではなくなるが、貯蔵された製品に生息するダニであるため、かなりのコストの節約がもたらされる。
【0174】
別の態様では、本発明は、フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群、及びフィトセイイダエ科の少なくとも1種を含む被食性ダニ個体群を含む飼育組成物を提供する。
【0175】
本発明のいくつかのさらなる実施形態によれば、捕食性ダニ種は、フィトセイウルス・フラガリアエ、フィトセイウルス・ロンギペス、フィトセイウルス・マクロピリス、フィトセイウルス・ペルシミリス及びフィトセイウルス・ロベルトシからなる群から選択される。
【0176】
本発明のさらなる実施形態によれば、捕食性ダニ種はフィトセイウルス・ペルシミリスである。
【0177】
本発明のさらに別の実施形態によれば、被食性ダニ種はアムブリセイウス属、例えばアムブリセイウス・スウィルスキイである。
【0178】
本発明のさらなる実施形態によれば、飼育組成物は、固定化された被食性ダニを含む。
【0179】
本発明のさらなる態様によれば、被食性ダニは、固定化されるか、又は死んだダニである。
【0180】
さらなる態様によれば、本発明は、作物害虫を防除するための方法を提供し、この方法は、上記のいずれかに定義される組成物を農作物に施用することを含む。
【0181】
さらなる態様によれば、本発明は、作物害虫を防除するための上記のいずれかに定義される組成物の使用を提供する。
【0182】
さらなる態様によれば、本発明は、(a)上記のいずれかに定義される組成物によって飼育されたフィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体、(b)アスティグマタ目の少なくとも1種を含む被食性ダニ個体、及び(c)任意選択的に担体材料の混合物を含む、作物害虫を防除するための生物的防除製品を提供する。
【0183】
さらなる態様によれば、本発明は、(a)請求項26~31のいずれか一項に記載の組成物によって飼育されたフィトセイウルス・ペルシミリス捕食性ダニ個体、(b)フィトセイイダエ科の少なくとも1種を含む被食性ダニ個体、及び(c)任意選択的に担体材料の混合物を含む、作物害虫を防除するための生物的防除製品を提供する。
【0184】
本発明はさらに、作物に施用されるように構成されたダニ、特にフィトセイウルス属のダニ種、特にフィトセイウルス・ペルシミリス(P.ペルシミリス)のための緩徐放出システム(例えば、サシェ)を提供する。
【0185】
革新的な解決策の中心的な態様は、捕食性ダニが数世代にわたってシステム内で繁殖できる一方で、捕食性ダニの一定の割合は継続的にシステムから離れ、作物に到達して害虫を防除することである。これにより、農家が繰り返しダニを施用する必要がなく、作物にダニが継続的に供給される。
【0186】
本発明によって提供される緩徐放出システムの実施形態は、以下の特徴に基づく。
1. 捕食性ダニ個体、すなわち、P.ペルシミリス又はフィトセイウルス属の他のダニ種、
2. 捕食性ダニの食物源、すなわち、例えば、カルボグリフス・ラクティス(C.ラクティス)の凍結卵又は他のアスティグマティックダニのような、人工的な被食性ダニ又は宿主、
3. 捕食性のダニは、同じ物理的場所でその人工的宿主と組み合わされる。これは以下の別のアプローチによって行われる。
a. 捕食性ダニに、作物植物に懸垂されるように構成されたサシェ、パケット、パウチ、ポケット、サック又はバッグのような容器(そこから、ダニは、約3週間の間に、緩徐かつ継続的に作物に放出されるであろう。)の中で、その人工的な宿主を提供すること、
b. 捕食性ダニ、担体、食物源としての人工的宿主を含む混合物を作物の葉に直接施用すること。この混合物から、捕食性ダニは約3週間の間、ゆっくりと作物に放出されるであろう。
【0187】
捕食性ダニに対するこのような緩徐放出系は、これまでP.ペルシミリスにとって非常に望ましいことが注目されている。というのもP.ペルシミリスはハダニを専門に捕食する種(天敵)として知られていたため、ハダニの食餌で飼育されていたからである。しかし、ハダニは、以下の理由から、作物保護のためのこの種のダニ放出システムで使用するのに適していない。
・ ハダニはそれ自体が害虫であり、生きている状態で施用すると作物に害を及ぼす可能性がある。
・ ハダニは植物性の材料を供給されないと繁殖できないので、サシェの中では繁殖できない。
・ 食物源が供給されないと、生きているハダニは急速に死滅し、(たとえば数日間で)しぼんでしまう。
・ 死んだものを供給すると、ハダニは急速にしぼみ、その栄養価を失う。
・ ハダニを生産するには費用がかかる。
【0188】
本発明は、これまで成功しないことが示されていた、上記の問題に対する予想外の技術的解決策を提供する。この解決策は、P.ペルシミリスの人工的宿主としてC.ラクティス又は他のアスティグマティドダニ種の凍結卵を使用することに基づく。ハダニとは対照的に、C.ラクティスの凍結卵は約3週間その栄養価を維持する。この革新的な解決策により、害虫を防除するために作物植物に直接施用される捕食性ダニとその人工的宿主を組み合わせた容器又は混合物からP.ペルシミリス捕食性ダニを長期間放出することが可能となる。
【0189】
本明細書中で使用されるように、「約」という用語は、定義された量又は測定値又は値の±10%を示す。
【0190】
「制御放出」という用語は、以下では、長時間の防除されたモード又は様式で放出するように設計された緩徐性、持続放出性、急速放出を指す。本発明との関連では、例えば、この用語は特定の期間にわたって、例えば1日又は1週間にわたって、作物植物への捕食性ダニを徐々に放出することを意味する。
【0191】
「緩徐放出システム」又は「容器」という用語は、以下では、フィトセイウルス捕食性ダニ、人工的宿主(死んだアスティグマティドダニ)及び任意選択的に担体の本発明の組成物又は配合物を収容するサシェタイプの放出システム、例えば、サシェ、パケット、パウチ、ポケット、サック、ボトル又はバッグを指す。このようなシステム又は容器が、当技術分野で利用可能又は既知の有益な昆虫又は捕食性ダニの緩徐放出のための装置、ユニット、デバイス、コンパートメント、メンバー、ストリップ又はハウジングを指すことは、本発明の範囲内にさらに含まれる。
【0192】
また、フィトセイウルス捕食性ダニ放出系が任意の適切なタイプであってもよいことは、本発明の範囲内である。一般に、ダニ放出システムは、フィトセイウルス捕食性ダニ(例えばP.ペルシミリス)の個体及び人工的宿主ダニ(例えば、死んだC.ラクティス卵)の個体を保持するのに適した容器を含むことができる。容器は、開口部、及び/又はフィトセイウルス捕食性ダニの可動期のための出口開口部を生成するための手段を含む。このタイプの放出システムは当業者に知られており、様々な製品、例えば、サシェタイプの放出システム及び本発明の範囲内に含まれる他の適切なタイプの放出システムが市販されている。
【0193】
本明細書中で使用される「飼育組成物」という用語は、一般に、ダニ種を繁殖、育成、飼育、養育又は増殖させるのに適した組成物を指す。より具体的には、この用語はダニの商業的飼育に適した組成物を指す。捕食性ダニの大量飼育システムは、捕食性ダニに適した被食性ダニの利用可能性に大きく依存することが本明細書において認められている。したがって、捕食性ダニ及び飼育被食性ダニとして適したダニの両方の飼育システムを改善することが必要とされ続けている。この問題を解決するために、本発明は、作物害虫(ハダニ)の生物的防除に使用される非常に重要な捕食性ダニであるフィトセイウルス属のダニ種、特にフィトセイウルス・ペルシミリスを効果的かつ効率的に飼育するために特異的に適合された組成物又はシステムを提供する。フィトセイウルス・ペルシミリスは、アスティグマティドダニ種又はフィトセイイダエ被食性ダニ種、例えばアムブリセイウス・スウィルスキイで飼育されることによって、その生涯過程を完了し、少なくとも2世代にわたって繁殖することが初めて示された。
【0194】
「担体」という用語は、以下では、活性でない又は不活性の物質又は粒子又はビヒクルを指す。好ましい実施形態において、本発明の飼育組成物は、ダニ種の個体のための担体を含む。担体は、ダニ個体に担体表面を提供するのに適した任意の固体材料とすることができる。適切な担体の例は、ふすま(例えばコムギ)、おがくず(例えば微細おがくず)、粗びきトウモロコシなどの植物材料、バーミキュライトである。
【0195】
以下に使用される「フィトセイウルス」という用語は、フィトセイイダエ科のダニ属をいう。捕食性ダニのこの属は、温室及び屋外作物におけるナミハダニの防除に最も頻繁に使用される。フィトセイウルス属が次の種、すなわち、フィトセイウルス・フラガリアエ、フィトセイウルス・ロンギペス、フィトセイウルス・マクロピリス、フィトセイウルス・ペルシミリス及びフィトセイウルス・ロベルトシを含むことは本発明の範囲内である。フィトセイウルス捕食性(predetoy)ダニは、植食性ダニであるハダニ(テトラニキダエ科のダニ)を専門に捕食する種として知られている。
【0196】
「フィトセイウルス・ペルシミリス」又は「P.ペルシミリス」とは、フィトセイウルス・ペルシミリス(P.ペルシミリス)を含む捕食性のダニ個体群をいう。フィトセイウルスはフィトセイイダエ科のダニ属である。この捕食性ダニは、温室及び温和な環境で栽培された屋外作物において、ナミハダニを防除するために最も頻繁に使用されるダニ捕食性ダニである。
【0197】
ハダニの防除及び管理には、一般にP.ペルシミリスが用いられる。それらはハダニ害虫(テトラニクス種)の大部分の食欲旺盛な捕食性ダニである。それらが影響を及ぼす種としては、ナミハダニであるダニテトラニクス・ウルティカエ、カーマインレッドハダニであるT.シンナバリヌス(cinnabarinus)、太平洋ダニであるT.パシフィクス(pacificus)がある。フィトセイウルス・ペルシミリスは、比較的長期間捕食しない場合があるネオセイウルス・カリフォルニクス(目:メソスティグマタ(Mesostigmata、科:フィトセイイダエ、亜科:アムブリセイイナエ)とは異なり、新鮮な餌を与えなければならない。さらに、フィトセイウルス・ペルシミリスは、特定のテトラニクス種のみを捕食することが知られているが、それらの全てを捕食するわけではないため、食餌のせいで、ハダニ防除のための他の利用可能な捕食性ダニ種として自由性がない。
【0198】
本発明は、アスティグマタ目のダニ種を含む、P.ペルシミリスを大量飼育するための組成物を初めて提供することにより、これらの問題を解決する。本発明の飼育システムは、植食性ダニからなる従来の食餌でのP.ペルシミリスの飼育よりもはるかに費用効果が高い。
【0199】
「人工的宿主」という用語は、一般的に、以下では、天然ではない宿主又は捕食性ダニの標的宿主以外の宿主を指し、生物防除の実施者が実験室内で標的宿主よりも容易に飼育することができるものである。本発明との関連では、人工的宿主又は被食性ダニとは、天敵又は捕食性ダニによって自然の生息場所で攻撃される可能性は低いが、その発育及び/又は繁殖を支援するために人工的に使用される生物を指す。通常、それは飼育することが容易で安価に飼育できる種である。本発明の範囲内の例には、捕食性ダニ(フィトセイウルスダニ種など)に対する貯蔵ダニ(アスティグマティドダニなど)、捕食性昆虫及びダニに対するダニ卵が含まれる。さらなる態様によれば、生物的防除剤が、自然界では摂食しないであろう昆虫又はダニを摂食することを強制される場合に、人工的宿主という用語が用いられる。これにより、より高い生産レベルを可能にすることができる。本発明は、市販のフィトセイウルスダニの種が、アスティグマティドダニ(アカリ:アスティグマタ)を人工被食性ダニとして用いて大量飼育できることを初めて示す。
【0200】
「幼ダニ(単数又は複数)」という用語は、以下、卵、幼虫、第一若虫及び第二若虫(3齢)個体を含むダニの発育ライフステージ又はダニの発育期又は齢をいう。
【0201】
「個体(単数又は複数)」又は「ダニ個体」という用語は、本発明の関連において、卵、幼虫、第一若虫及び第二若虫(3齢)個体などの幼ダニ期を含むが、これらに限定されないダニの発育期を指す。
【0202】
「可動期」という用語は、以下に、幼虫、第一若虫、第二若虫(3齢)及び成虫期を含むダニの発育期を指す。
【0203】
以下に使用される「非生存」という用語は、一般に生存、成長、発育又は機能することができないことをいう。本発明の主な態様によれば、この用語は、死んでいるか、生きていないか、生存していないか、又は固定化された、ダニ(すなわち、あらゆるダニ発育期又はフェーズ)又はダニ卵を指す。本発明の具体的な実施形態では、非生存のアスティグマタダニ及び/又は卵は、フィトセイウルス属の捕食性ダニの被食性ダニとして使用される。
【0204】
本発明のいくつかの実施形態によれば、非生存ダニ又は卵は、凍結、凍結乾燥、加熱、低温衝撃又は熱ショック処理などの熱処理、ガス又は煙処理などの化学処理、UV、マイクロ波、ガンマ照射又はX線処理などの放射線処理、激しい振盪、又は撹拌、せん断力にさらすこと、衝突などの機械的処理、超音波処理、圧力変化、圧力低下などのガス圧処理、感電死などの電気的処理、接着剤による固定化、水又は食物欠乏によって誘発されるような餓死による固定化、大気から酸素を一時的に除去するか、又は別のガスにより酸素を置換するなどによる窒息又は酸素欠乏処理による固定化、及びそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない処理によって産生されるか、又は該処理に曝露される。
【0205】
具体的な実施形態によれば、本発明の組成物は、フィトセイウルス属の捕食性ダニの被食性ダニとして使用される死んだ凍結C.ラクティス卵を含む。本明細書中で使用される「アスティグマティド」又は「アスティグマタ」又は「アスティグマティックダニ」又は「アスティグマティナ(Astigmatina)」という用語は、アカリ亜綱内のダニ目を指す。アスティグマティナはダニの「仲間」であり、アスティグマティナは、「咬む」アカリフォルメス(Acariformes)を含むサルコプティフォルメス(Sarcoptiformes)に属する。アスティグマタ目には、数千以上の属を持つ上科が含まれる。本発明の範囲内の、このような上科及び科の非限定的な例は、以下を含むことができる。
【0206】
<亜目:アカリディア(Acaridia)>
<上科>:
スキゾグリフォイデア(Schizoglyphoidea):科の例には、スキゾグリフィダエ(Schizoglyphidae)が含まれる。
ヒスティオストマトイデア(Histiostomatoidea):科の例には、ヒスティオストマティダエ(Histiostomatidae)、グアノリキダエ(Guanolichidae)が含まれる。
カネストリニオイデア(Canestrinioidea):科の例としては、ケトケラカリダエ(Chetochelacaridae)、ロフォノタカリダエ(Lophonotacaridae)、カネストリニイダエ(Canestriniidae)、ヘテロコプティダエ(Heterocoptidae)が含まれる。
ヘミサルコプトイデア(Hemisarcoptoidea):科の例としては、カエトダクティリダエ(Chaetodactylidae)、ヒアデシイダエ(Hyadesiidae)、カルポグリフィダエ、アルゴファギダエ(Algophagidae)、ヘミサルコプティダエ(Hemisarcoptidae)、ウィンターシュミドティイダエ(Winterschmidtiidae)が含まれる。
グリシファゴイデア(Glycyphagoidea):科の例としては、エウグリシファギダエ(Euglycyphagidae)、コルトグリフィダエ(Chortoglyphidae)、ペデトロフォディダエ(Pedetrophodidae)、エキミオポディダエ(Echimyopodidae)、アエログリフィダエ(Aeroglyphidae)、ロセンステイニイダエ(Rosensteiniidae)、グリシファギダエ(Glycyphagidae)が含まれる。
アカロイデア(Acaroidea):科の例には、サプラカリダエ(Sapracaridae)、スイダシイダエ(Suidasiidae)、ラルドグリフィダエ(Lardoglyphidae)、グリカカリダエ(Glycacaridae)、ガウディエリダエ(Gaudiellidae)が含まれる。
アカリダエ:科の例には、ヒポデロイデア(Hypoderoidea)、ヒポデリダエ(Hypoderidae)が含まれる。
【0207】
<亜目:プソロプティディア(Psoroptidia)>
<上科>:
プテロリコイデア(Pterolichoidea):科の例には、オコンノリイダエ(Oconnoriidae)、プティロキセニダエ(Ptiloxenidae)が含まれる。
プテロリキダエ(Pterolichidae):科の例としては、ケイラビディダエ(Cheylabididae)、オクロリキダエ(Ochrolichidae)、ガブシニイダエ(Gabuciniidae)、ファルキュリフェリダエ(Falcuriferidae)、エウスタティイダエ(Eustathiidae)科、クリプツロプティダエ(Crypturoptidae)、トラコサテシダエ(Thoracosathesidae)、レクチジャヌイダエ(Rectijanuidae)、アスコウラカリダエ(Ascouracaridae)、シリンゴビイダエ(Syringobiidae)、キウィリキダエ(Kiwilichidae)、クラメレリダエ(Kramerellidae)が含まれる。
フレヤノイデア(Freyanoidea):科の例には、フレヤニダエ(Freyanidae)、ベキシラリイダエ(Vexillariidae)、カウディフェリダエ(Caudiferidae)が含まれる。
アナルゴイデア(Analgoidea):科の例には、ヘテロプソリダエ(Heteropsoridae)、アナルギダエ(Analgidae)、キソラルギダエ(Xolalgidae)、アベンゾアリイダエ(Avenzoariidae)、プテロニジダエ(Pteronyssidae)、プロクトフィロディダエ(Proctophyllodidae)、プソロプトイディダエ(Psoroptoididae)、トルウエサルティイダエ(Trouessartiidae)、アロプティダエ(Alloptidae)、チサノセルシダエ(Thysanocercidae)、デルマティオニダエ(Dermationidae)、エピデルモプティダエ(Epidermoptidae)、アピオナカリダエ(Apionacaridae)、デルモグリフィダエ(Dermoglyphidae)、ラミノシオプティダエ(Laminosioptidae)、クネミドコプティダエ(Knemidokoptidae)、シトディティダエ(Cytoditidae)が含まれる。
ピログリフォイデア(Pyroglyphoidea):科の例には、ピログリフィダエ(Pyroglyphidae)、ツルビノプティダエ(Turbinoptidae)が含まれる。
プソロプトイデア(Psoroptoidea):科の例には、プソロプティダエ(Psoroptidae)、ガラガルギダエ(Galagalgidae)、ロバルギダエ(Lobalgidae)、ミオコプティダエ(Myocoptidae)、リンコプティダエ(Rhyncoptidae)、アウディコプティダエ(Audycoptidae)、リストロフォリダエ(Listrophoridae)、キロディスシダエ(Chirodiscidae)、アトポメリダエ(Atopomelidae)、キロリンコビイダエ(Chirorhynchobiidae)、ガストロニシダエ(Gastronyssidae)、レムルニシダエ(Lemurnyssidae)、プネウモコプチダエ(Pneumocoptidae)、サルコプチダエ(Sarcoptidae)が含まれる。
【0208】
フィトセイウルス捕食性ダニ、例えば、P.ペルシミリスのための人工的宿主個体群として本発明の生物的防除システムによって使用される好ましいアスティグマティドダニ種は、カルポグリフィダエ科のダニ種であり、より好ましくはカルボグリフス・ラクティス(C.ラクティス)である。
【0209】
カルポグリフィダエはアスティグマティナ目のダニ科で、カルボグリフス、コプログリフス(Coproglyphus)、ディコトミオプス(Dichotomiopus)及びプレア(Pullea)の4属を含む。
【0210】
カルボグリフス・ラクティス(アカルス(Acarus)・ラクティス)は、P.ペルシミリスを飼育するための食餌として本発明により好適に使用され、カルボグリフス属に属する。カルボグリフス・ラクティスは、本明細書において、ドライフルーツ、ワイン、ビール、ミルク製品、ジャム及びハチミツを含む糖に富む貯蔵商品に寄生する貯蔵製品ダニとして認識されている。C.ラクティスは貯蔵された製品を摂食することができるため、本発明によって初めて示されたように、このダニ種でP.ペルシミリスを飼育することは非常に望ましく、費用対効果も高い。
【0211】
本発明のさらなる実施形態では、フィトセイウルス捕食性ダニ、例えばP.ペルシミリスは、アスティグマタ目に属するカルボグリフス・ラクティス種及び/又はデルマトファゴイデス・ファリナエ種の死んだダニを摂食すると、その生涯過程を完了し、繁殖することができる。
【0212】
「形質」という用語は、以下では、特徴又は表現型を指す。表現型形質は、そのゲノム、プロテオーム及び/又はメタボロームと環境との相互作用に起因する、個体の外観又は他の検出可能な特徴を意味し得る。例えば、本発明との関連において、本明細書に記載されるような繁殖率の増加は、本発明の組成物の捕食性ダニを特徴づける表現型(phonotypical)形質である。本発明のさらなる実施形態によると、ダニとその関連微生物との相互作用からも形質が生じる可能性がある。形質は、優性又は劣性の形式で遺伝することもあれば、部分的又は不完全優性の形式で遺伝することもある。形質は、単一遺伝子(すなわち、単一遺伝子座によって決定される)の場合もあれば、多遺伝子(すなわち、複数の遺伝子座によって決定される)の場合もあれば、1つ以上の遺伝子と環境との相互作用によって生じる場合もある。優性形質は、ヘテロ接合又はホモ接合の状態で完全な表現型の発現をもたらし、通常、劣性形質は、ホモ接合の状態で存在する場合にのみ発現する。
【0213】
「遺伝子の連鎖」という用語は、本発明の範囲内で、遺伝子座間の組換えパーセント(centi-Morgan, cM)によって測定される、同一染色体上の近接した遺伝子の位置による遺伝における特徴の関連を指すと理解される。
【0214】
本明細書中で使用されるように、「個体群」という用語は、共通の遺伝的由来を共有するダニの遺伝的に異種の集合体を意味する。
【0215】
本明細書で使用される場合、「遺伝子マーカー」又は「分子マーカー」又は「バイオマーカー」という語句は、個体のゲノムにおける特徴、例えば、1つ以上の関心対象の遺伝子座又は形質に関連するヌクレオチド又はポリヌクレオチド配列を指す。いくつかの実施形態において、遺伝子マーカーは、文脈に応じて、関心対象の個体群の多型又は多型によって占有される遺伝子座である。遺伝子マーカー又は分子マーカーとしては、例えば、DNA配列自体のような多くの他の例の中で、一塩基多型(SNP)、インデル(すなわち挿入欠失)、単純配列反復(SSR)、制限断片長多型(RFLP)、ランダム増幅多型DNA(RAFD)、切断増幅多型配列(CAPS)マーカー、Diversity Arrays Technology (DArT)マーカー、及び増幅断片長多型(AFLP)又はそれらの組み合わせが挙げられる。例えば、遺伝子マーカーを用いて、表現型形質の可変性に寄与する染色体上の対立遺伝子を含む遺伝的遺伝子座を位置づけることができる。「遺伝子マーカー」又は「分子マーカー」又は「バイオマーカー」という語句はまた、プローブ又はプライマーとして使用される核酸の配列のような、ゲノム配列に相補的又は対応するポリヌクレオチド配列を指すことができる。
【0216】
遺伝子マーカーは、それが関連する遺伝子座内又は遺伝子座外にある染色体上の位置に物理的に位置することができる(すなわち、それぞれ遺伝子内又は遺伝子外である)。
【0217】
本明細書で使用される場合、「生殖質」という用語は、個体群又は個体(例えば、種)の他の群の遺伝子型の全体を意味する。
【0218】
本明細書で使用する「雑種」及び「雑種の子孫」という用語は、遺伝的に異なる親(例えば、遺伝的にヘテロ接合又は大部分がヘテロ接合の個体)から産生される個体を指す。
【0219】
本明細書で使用される「対立遺伝子」という用語は、特定の遺伝子座における遺伝子又は遺伝単位の1つ以上の代替例又は変形例のいずれかを意味し、これらの全ての対立遺伝子は、特定の遺伝子座における1つの形質又は特徴に関連する。生物の二倍体細胞では、ある遺伝子の対立遺伝子は染色体上の特定の場所、つまり遺伝子座(複数の遺伝子座)に位置している。1対の相同染色体の各染色体上に1つの対立遺伝子が存在する。二倍体の植物種は、特定の遺伝子座に多数の異なる対立遺伝子を含むことがある。このような対立遺伝子の代替例又は変形例は、一塩基多型、挿入、インデル、逆位、転座又は欠失の結果、又は例えば化学的又は構造的修飾、転写調節又は翻訳後修飾/調節によって引き起こされる遺伝子調節の結果であり得る。
【0220】
定性的形質に関連する対立遺伝子は、単一の遺伝子若しくは複数の遺伝子若しくはそれらの産物、又は遺伝子座によって表される表現型に寄与する遺伝的因子によって破壊又は防除される遺伝子さえも同一又は関連するものを含む、様々な遺伝単位の代替形態又は変異形態を含み得る。
【0221】
本明細書中で使用される「遺伝子座」(複数の遺伝子座)という用語は、例えば遺伝子又は遺伝子マーカー要素又は因子が見出される染色体上の特定の場所(単数又は複数)、又は領域、又は部位を意味する。具体的な実施形態では、このような遺伝的要素は、形質に寄与する。
【0222】
本明細書中で使用される場合、「繁殖」という用語及びその文法的変形例は、子孫個体を生成する任意の方法を意味する。繁殖は、性的若しくは無性的、又はそれらの任意の組合せであり得る。繁殖の例示的な非限定的種類には、交配、遺伝子移入、自殖、戻し交配、倍加半数体誘導体生成、及びそれらの組合せが含まれる。
【0223】
本明細書で使用される「遺伝的決定因子」という用語は、遺伝子、対立遺伝子、QTL又は形質などの遺伝的決定因子を指す。
【0224】
遺伝的決定因子の遺伝子移入とは、遺伝的に遺伝子移入された決定因子に加えて、系統の所望の形態学的及び生理学的特性の本質的に全てが回復する系統への遺伝子、対立遺伝子、QTL又は形質の取り込みを意味する。このような方法は、しばしば栽培品種の開発に用いられ、その中で、所望遺伝的背景に、望ましくは戻し交配を用いることによって、1つ又は少数の遺伝的決定因子が移される。
【0225】
「遺伝子型」という用語は、細胞又は生物の遺伝的構成を指す。個体の遺伝子型は、個体のハプロタイプに存在する、1つ以上の遺伝子マーカー遺伝子座のための、特定の対立遺伝子を含む。当技術分野で知られているように、遺伝子型は、遺伝子座が関連しているか無関係であるか、及び/又は連結されているか、又は連結されていないかにかかわらず、単一の遺伝子座又は複数の遺伝子座に関連し得る。いくつかの実施形態において、個体の遺伝子型は、1つ以上の遺伝子が目的の表現型の発現に関与するという点で関連する1つ以上の遺伝子に関連する。したがって、いくつかの実施形態において、遺伝子型は、1つ以上の遺伝子座において個体内に存在する1つ以上の対立遺伝子の要約を含む。いくつかの実施形態において、遺伝子型は、ハプロタイプの観点から発現される。
【0226】
本発明のさらなる実施形態によれば、フィトセイウルス捕食性ダニ、例えばP.ペルシミリスは、フィトセイイダエ科に属するアムブリセイウス・スウィルスキイ種の生きている幼ダニを摂食すると、その生涯過程を完了し、少なくとも3世代にわたって繁殖(すなわち、発育及び産卵を含む)することができる。
【0227】
さらに、カルボグリフス・ラクティス、デルマトファゴイデス・ファリナエ、レピドグリフス(Lepidogyphus)・デストラクター、グリシファグス・ドメスティクス、デルマトファゴイデス・プテロニシヌス、アムブリセイウス・スウィルスキイ、及びそれらの任意の組合せを含む群から選択される死んだ又は固定化されたダニ種を摂食することによって飼育される、フィトセイウルス捕食性ダニ、例えばダニ種P.ペルシミリスの個体群を開示することは、本発明の範囲内である。
【0228】
さらに別の実施形態によれば、上記の被食性ダニを摂食させた捕食性ダニは、発育し、少なくとも2世代にわたって繁殖した。
【0229】
本発明のさらなる実施形態によれば、P.ペルシミリス又は他のフィトセイウルス捕食性ダニは、アスティグマタ目に属する以下の種、すなわち、カルボグリフス・ラクティス、レピドグリフス・デストラクター、グリシファグス・ドメスティクス及びデルマトファゴイデス・プテロニシヌスの死んだ個体で発育することができる。
【0230】
被食性ダニとして使用されるダニが、凍結、加熱、低温衝撃又は熱ショック処理などの熱処理、ガス又は煙処理などの化学処理、ガンマ照射、UV、マイクロ波又はX線処理などの放射線処理、激しい振盪、又は撹拌、せん断力にさらすこと、衝突などの機械的処理、超音波処理、圧力変化、圧力低下などのガス圧処理、感電死などの電気的処理、接着剤による固定化、水又は食物欠乏によって誘発されるような餓死による固定化、大気から酸素を一時的に除去するか、又は別のガスにより酸素を置換するなどによる窒息又は酸素欠乏処理による固定化からなる群から選択される固定化処理によって固定化されることは、範囲内である。
【0231】
当業者は、これらの処理が、アスティグマティド個体又はフィトセイイダエ科の他のダニの固定化をどのようにしてもたらすか、また、固定化処理が、ダニ個体が依然として捕食性ダニ個体に適した被食性ダニ(食物源)であるようにすべきものであることを、理解する。
【0232】
さらに、「固定化されたダニ」という用語は、死んだダニ又は生きていないダニを意味することもあるということは、範囲内である。
【0233】
これから、死んだ又は固定化されたC.ラクティスで飼育されたP.ペルシミリスの異なる発育期を写真で示した図1を参照する。この図は、雌の成虫(図1A)と、卵からふ化したばかりの幼虫(図1B)を示している。この図からわかるように、どの段階もこの食餌に典型的な淡い白っぽい色をしているのが特徴である。これは、P.ペルシミリスに、その従来の食餌であるハダニを摂食させたときに得られる普通のオレンジ色とは対照的である。換言すれば、本発明の捕食性ダニは、C.ラクティスを摂食すると、典型的なオレンジ色の代わりにベージュ-ホワイトに変わる。さらに、捕食性ダニの背甲板は、その周囲のキューティクルよりも暗い。この図は、P.ペルシミリスが死んだ又は固定化したC.ラクティスダニによって、発育し、繁殖できることを示す。前述したように、C.ラクティス(アカリ:アスティグマタ)は、植食性ハダニである従来のP.ペルシミリスの食餌よりも、生産するための費用効果が大幅に高い。
【0234】
死んだ又は固定化されたC.ラクティス上で飼育されたP.ペルシミリスを写真で示す図2を参照する。見てわかるように、捕食性ダニは独特の外見をしており、そこでは捕食性ダニは典型的なオレンジ(従来のハダニの食餌を与えた場合)の代わりにベージュ-ホワイトに変わり、捕食性ダニの背甲板はその周囲のキューティクルよりも暗い。
【0235】
ここでは、ナミハダニが多くの植物種を摂食し、野菜、観賞植物、果樹、ホップ、ワラ、イチゴの主要な害虫であることが認識されている(van de Vrieら、1972)。現在のところ、温室における主なハダニ問題の大部分は、ナミハダニが関与すると想定できる。幼虫、第一若虫、第二若虫、成虫は、主に葉の下面を摂食する。
【0236】
ダニ害虫、特にアカリ綱の仲間、例えば、ナミハダニ、より具体的にはハダニ種、特に、テトラニクス属、パノニクス属及び種々の他のダニ種のようなテトラニキダエ科を防除するための組成物を提供することは、本発明の範囲内である。
【0237】
本発明のいくつかの実施形態によれば、作物は、温室栽培作物及び田畑の作物からなる群から選択される。本発明の範囲内の作物の種類の非限定的な例には、野菜、観賞植物、果樹、ホップ、綿及びイチゴが含まれる。
【0238】
本発明の範囲内のダニ害虫宿主植物種の具体例には、以下のものが含まれる。
【0239】
アカンタセアエ(Acanthaceae):アカンサス・モリス(Acanthus mollis)、ジュスティシア・アドハトダ(Justicia adhatoda)。
【0240】
アクティニディアセアエ(Actinidiaceae):アクティニディア・キネンシス(Actinidia chinensis)、アクティニディア・デリシオサ(deliciosa)、アクティニディア種。
【0241】
アドキサセアエ(Adoxaceae):サンブクス・カナデンシス(Sambucus canadensis)、サンブクス・キネンシス、サンブクス・エドゥルス(edulus)、サンブクス・ニグラ(nigra)、サンブクス・シエボルディアナ(sieboldiana)、サンブクス種、ビブルヌム・ランタナ(Viburnum lantana)、ビビブルヌム・オプルス(opulus)、ビブルヌム・リティドフィルム(rhytidophyllum)、ビブルヌム種、ビブルヌム・ティヌス(tinus)。
【0242】
アイゾアセアエ(Aizoaceae):メセンブリアンテムム・クリスタリヌム(Mesembryanthemum crystallinum)。
【0243】
アルストロエメリアセアエ(Alstroemeriaceae):アルストロエメリア種
【0244】
アマランタセアエ(Amaranthaceae):アルテルナンテラ種(Alternanthera)、アマランサス・ブリトゥム(Amaranthus blitum)、アマランサス・カウダトゥス(caudatus)、アマランサス・グラエキザンス(graecizans)、アマランサス・ハイブリドゥス(hybridus)、アマランサス・マンゴスタヌス(mangostanus)、アマランサス・パルメリ(palmeri)、アマランサス・レトロフレックス(retroflexus)、アマランサス種、アマランサス・スピノスス(spinosus)、アマランサス・ビリディス(viridis)、アトリプレックス・カネスケンス(Atriplex canescens)、アトリプレックス・レンティフォルミス(lentiformis)、アトリプレックス・セミバッカタ(semibaccata)、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)、セロシア・アルゲンテア(Celosia argentea)、ケノポディウム・アルブム(Chenopodium album)、ケノポディウム・ムラレ(murale)、ケノポディウム種、ディスファニア・アンブロシオイデス(Dysphania ambrosioides)、ハロクシロン・アムモデンドロン(Haloxylon ammodendron)、イレシネ・ヘルブスティー(Iresine herbstii)、サルソラ・ベルミキュラタ(Salsola vermiculata)、スピナキア・オレラケア(Spinacia oleracea)。
【0245】
アムリリダセアエ(Amaryllidaceae):アリウム・アムペロプラスム(Allium ampeloprasum)、アリウム・セパ(Allium cepa)、アリウム・フィスツロスム(fistulosum)、アリウム・サティブム(sativum)、アリウム種、ナルキッスス種(Narcissus)。
【0246】
アナカルディアセアエ(Anacardiaceae):マンギフェラ・インディカ(Mangifera indica)、ピスタキア・テレビンサス(Pistacia terebinthus)、ピスタキア・ベラ(vera)。
【0247】
アンノナセアエ(Annonaceae):アンノナ・ムリカタ(Annona muricata)、アンノナ・レティクラタ(reticulata)、アンノナ・スクアモサ(squamosa)。
【0248】
アピアセアエ(Apiaceae):エゴポディウム・ポダグラリア(Aegopodium podagraria)、アンミ・マユス(Ammi majus)、アピウム・グラベオレンス(Apium graveolens)、アピウム・ノディフロルム(nodiflorum)、アラカシア・キサントリザ(Arracacia xanthorrhiza)、アタマンタ・マケドニカ(Athamanta macedonica)、ブプレウルム・ランシフォリウム(Bupleurum lancifolium)、コリアンドルム(Coriandrum)・サティブム、クリプトタエニア(Cryptotaenia)・カナデンシス、ダウクス・カロタ(Daucus carota)、エリンギウム種(Eryngium)、フォエニクルム・ブルガレ(Foeniculum vulgare)、パスティナカ・サティバ(Pastinaca sativa)、ペトロセリヌム・クリスプム(Petroselinum crispum)、ペウセダヌム・ジャポニクム(Peucedanum japonicum)、フェロロフィウム・マダガスカリエンセ(Phellolophium madagascariense)、スパナンテ種(Spananthe)。
【0249】
アポシナセアエ(Apocynaseae):アンペラムス・ラエビス(Ampelamus laevis)、アポシヌム・カンナビヌム(Apocynum cannabinum)、アスクレピアス種(Asclepias)、カサランツス・ロセウス(Catharanthus roseus)、マンデビラ種(Mandevilla)、マテレア・カロリネンシス(Matelea carolinensis)、ネリウム・オレアンダー(Nerium oleander)、プルメリア種(Plumeria)、ラフィオナクメ種(Raphionacme)、ラウボルフィア・セルペンティナ(Rauvolfia serpentina)、ビンカ・マジョール(Vinca major)、ビンカ種。
【0250】
アクイフォリアセアエ(Aquifoliaceae):イレックス・クレナタ(Ilex crenata)。
【0251】
アラセアエ(Araceae):アロカシア・マクロリゾス(Alocasia macrorrhizos)、アロカシア種、アンスリウム種(Anthurium)、アルム・イタリクム(Arum italicum)、アルム種、カラジウム・ビコロル(Caladium bicolor)、カラジウム種、カラ種(Calla)、コロカシア・エスクレンタ(Colocasia esculenta)、コロカシア種、ディエフェンバキア種(Dieffenbachia)、エピプレムヌム・ピンナツム(Epipremnum pinnatum)、フィロデンドロン種(Philodendron)、シムプロカルプス・フォエディドゥス(Symplocarpus foetidus)、キサントソマ種(Xanthosoma)、ザンテデスキア・エチオピカ(Zantedeschia aethiopica)。
【0252】
アラリアセアエ(Araliaceae):アラリア種(Aralia)、ヘデラ・カナリエンシス(Hedera canariensis)、ヘデラ・ヘリックス(helix)、ヘデラ種、ヒドロコティレ・ウムベラータ(Hydrocotyle umbellata)、ポリスキアス・バルフォウリアナ(Polyscias balfouriana)、シェフレラ・アクティノフィリア(Schefflera actinophylla)、シェフレラ・エレガンティッシマ(elegantissima)、シェフレラ種、テトラパナックス・パピリフェル(Tetrapanax papyrifer)。
【0253】
アラウカリセアエ(Araucariaceae):アガチス種(Agathis)、アラウカリア種(Araucaria)。
【0254】
アレカセアエ(Arecaceae):ジプシス種(Dypsis)、フェニックス・ダクティリフェラ(Phoenix dactylifera)、フェニックス種、ベイティア種(Veitchia)。
【0255】
アリストロキアセアエ(Aristolochiaceae):アリストロキア・クレマティティス(Aristolochia clematitis)。
【0256】
アスパラガセアエ(Asparagaceae):アスパラグス・ラリシヌス(Asparagus laricinus)、アスパラグス・オフィシナリス(officinalis)、アスパラグス・セタケウス(setaceus)、アスパラグス種、アスピディストラ・エラティオル(Aspidistra elatior)、コルディリネ・フルティコサ(Cordyline fruticosa)、コルディリネ種、ドラカエナ・ブラウニイ(Dracaena braunii)、ドラカエナ・フラグランス(fragrans)、ドラカエナ・ゴルディエアナ(goldieana)、ドラカエナ種、ヒアシンス・オリエンタリス(Hyacinthus orientalis)、ラケナリア・エンシフォリア(Lachenalia ensifolia)、マイアンテムム・ラセモスム(Maianthemum racemosum)、オルニソガルム種(Ornithogalum)、ポリゴナツム・オドラツム(Polygonatum odoratum)、ルスクス・アクレアツス(Ruscus aculeatus)、ユッカ種(Yucca)。
【0257】
バルサミナセアエ(Balsaminaceae):インパティエンス・バルサミナ(Impatiens balsamina)、インパティエンス種、インパティエンス・ウォレリアナ(walleriana)。
【0258】
ベルベリダセアエ(Berberidaceae):ベルベリス・クレティカ(Berberis cretica)、ベルベリス・スンベルギイ(thunbergii)、ベルベリス・ブルガリス、ベルベリス・ウィルソニアエ(wilsoniae)、ナンディナ・ドメスティカ(Nandina domestica)。
【0259】
ベツラセアエ(Betulaceae):アルヌス・インカナ(Alnus incana)、ベツラ・マキシモビッチアナ(Betula maximowicziana)、ベツラ・パピリフェラ(papyrifera)、ベツラ・ペンドゥラ(pendula)、カルピヌス種(Carpinus)、コリルス・アベラナ(Corylus avellana)。
【0260】
ビグノニアセアエ(Bignoniaceae):カンプシス・ラディカンス(Campsis radicans)、ピロステギア・ベヌスタ(Pyrostegia venusta)、テコマ・カペンシス(Tecoma capensis)、テコマ・スタンス(stans)。
【0261】
ボラギナセアエ(Boraginaceae):ボラゴ(Borago)・オフィシナリス、シノグロッサム・コルムナエ(Cynoglossum columnae)、ヘリオトロピウム・アルボレセンス(Heliotropium arborescens)、ヘリオトロピウム・エイチワルディイ(eichwaldii)、ヘリオトロピウム・エウロパエウム(europaeum)、ナマ・ヒスピドゥム(Nama hispidum)、オンファロデス・ベルナ(Omphalodes verna)。
【0262】
ブラシカセアエ(Brassicaceae):アエチオネマ・サクサティレ(Aethionema saxatile)、ブラシカ・ジュンセア(Brassica juncea)、ブラシカ・ナプス(napus)、ブラシカ・オレラセア、ブラシカ・ラパ(rapa)、ブラシカ種、カプセラ・ブルサ・パストリス(Capsella bursa-pastoris)、ディプロタキス・エルコイデス(Diplotaxis erucoides)、ディプロタキス・ビミネア(viminea)、エルカ・ベシカリア(Eruca vesicaria)、エリシムム・グラエクム(Erysimum graecum)、エリシムム種、エリシムム・x・ケイリ(cheiri)、ヒルシュフェルディア・インカナ(Hirschfeldia incana)、レピディウム・ディディムム(Lepidium didymum)、マルコルミア種(Malcolmia)、マッティオラ・フルティクロサ(Matthiola fruticulosa)、マッティオラ・インカナ、マッティオラ・オドラティッシマ(odoratissima)、ナスツルティウム種(Nasturtium)、ラファヌス・ラファニストルム(Raphanus raphanistrum)、ラファヌス種、ラピストルム・ルゴスム(Rapistrum rugosum)、ロリッパ(Rorippa)・インディカ、シナピス・アルベンシス(Sinapis arvensis)、ジラ・スピノサ(Zilla spinosa)。
【0263】
ブロメリアセアエ(Bromeliaceae):ティランドシア種(Tillandsia)。
【0264】
ブクサセアエ(Buxaceae):ブクス・セムペルビレンス(Buxus sempervirens)。
【0265】
カロフィラセアエ(Calophyllaceae):マムメア・アメリカーナ(Mammea Americana)。
【0266】
カンパニュラセアエ(Campanulaceae):カンパニュラ・エリヌス(Campanula erinus)、ロベリア種(Lobelia)、プラティコドン・グランディフロルス(Platycodon grandiflorus)。
【0267】
カンナバセアエ(Cannabaceae):カンナビス(Cannabis)・サティバ、セルティス・アウストラリス(Celtis australis)、セルティス・オクシデンタリス(occidentalis)、フムルス・ルプルス(Humulus lupulus)、フムルス・スカンデンス(scandens)、トレマ・ミクランタ(Trema micrantha)。
【0268】
カンナセアエ(Cannaceae):カンナ(Canna)・インディカ。
【0269】
カッパラセアエ(Capparaceae):カッパリス・ヌンムラリア(Capparis nummularia)。
【0270】
カプリフォリアセアエ(Caprifoliaceae):セファラリア・ギガンティア(Cephalaria gigantea)、ディエルビラ種(Diervilla)、レイセステリア・フォルモサ(Leycesteria formosa)、ロニセラ・エトルスカ(Lonicera etrusca)、ロニセラ・ニグラ、ロニセラ・ペリクリメヌム(periclymenum)、ロニセラ種、ロニセラ・タタリカ(tatarica)、ロニセラ・キシロステウム(xylosteum)、プテロセファルス・プルモサス(Pterocephalus plumosus)、スカビオサ・シクラ(Scabiosa sicula)、シンフォリア・ラセモサ(Symphoria racemosa)、シンフォリカルポス・アルブス(Symphoricarpos albus)、シンフォリカルポス・オルビクラツス(orbiculatus)、ウェイゲラ・ホルテンシス(Weigela hortensis)。
【0271】
カリカセアエ(Caricaceae):カリカ・パパイヤ(Carica papaya)。
【0272】
カリオフィラセアエ(Caryophyllaceae):ディアンスス・アルメリア(Dianthus armeria)、ディアンスス・バルバツス(barbatus)、ディアンスス・カリオフィルス(caryophyllus)、ディアンスス・キネンシス、ディアンスス種、ディアンスス・テヌイフロルス(tenuiflorus)、ドリマリア・コルダータ(Drymaria cordata)、ギプソフィラ・パニクラタ(Gypsophila paniculata)、ミオソトン・アクアティクム(Myosoton aquaticum)、シレーネ・チャルセドニカ(Silene chalcedonica)、シレーネ・ブルガリス、ステラリア・メディア(Stellaria media)。
【0273】
セラストラセアエ(Celastraceae):セラストルス(Celastrus)・オルビクラツス、セラストルス・スカンデンス、エウロニムス・エウロパエウス(Euonymus europaeus)、エウロニムス・ジャポニクス(japonicus)、エウロニムス種。
【0274】
シスタセアエ(Cistaceae):ヘリアンセムム・サリシフォリウム(Helianthemum salicifolium)。
【0275】
クレオマセアエ(Cleomaceae):クレオメ種(Cleome)、クレオメ・ビスコーサ(viscosa)。
【0276】
クレツラセアエ(Clethraceae):クレツラ・アルボレア(Clethra arborea)。
【0277】
コンブレタセアエ(Combretaceae):テルミナリア・カタッパ(Terminalia catappa)。
【0278】
コンメリナセアエ(Commelinaceae):コンメリナ・ベンガレンシス(Commelina benghalensis)、コンメリナ・コンムニス(communis)、コンメリナ・ディッフサ(diffusa)。
【0279】
コムポシタエ(Compositae):アカンソスペルムム・ヒスピドゥム(Acanthospermum hispidum)、アキレア・フィリペンドゥリナ(Achillea filipendulina)、アキレア・フラアシイ(fraasii)、アゲラタム・コニゾイデス(Ageratum conyzoides)、アゲラタム・ホウストニアヌム(houstonianum)、アムブロシア・トリフィダ(Ambrosia trifida)、アンテミス・キア(Anthemis chia)、アルクティウム・ラッパ(Arctium lappa)、アルクティウム・ミヌス(minus)、アルクトテカ・カレンドゥラ(Arctotheca calendula)、アルコティス種(Arctotis)、アルテミシア・ドラクンクルス(Artemisia dracunculus)、ベリス・アンヌア(Bellis annua)、ビデンス・ビピンナタ(Bidens bipinnata)、ビデンス・ビテルナタ(biternata)、ビデンス・ピロサ(pilosa)、ビデンス種、ボルトニア種(Boltonia)、ブラキスコメ種(Brachyscome)、カレンドゥラ・アルベンシス、カレンドゥラ・オフィシナリス、カレンドゥラ種、カリステフス(Callistephus)・キネンシス、カルドゥウス・クリスプス(Carduus crispus)、カルタムス・ティンクトリウス(Carthamus tinctorius)、センタウレア・シアヌス(Centaurea cyanus)、センタウレア・ヒアロレピス(hyalolepis)、センタウレア・イベリカ(iberica)、センタウレア・イムペリアリス(imperialis)、センタウレア・モンタナ(montana)、カエナクティス・ステビオイデス(Chaenactis stevioides)、クリサンセマム・コロナリウム(Chrysanthemum coronarium)、クリサンセマム・インディクム(indicum)、クリサンセマム・モリフォリウム(morifolium)、クリサンセマム・セゲツム(segetum)、クリサンセマム種、クリソタムヌス・ビスシディフロルス(Chrysothamnus viscidiflorus)、シコリウム・エンディビア(Cichorium endivia)、シコリウム・インティブス(intybus)、シコリウム・プミルム(pumilum)、シコリウム・スピノスム(spinosum)、コニザ・ボナリエンシス(Conyza bonariensis)、コニザ・カナデンシス、コニザ種、コスモス・ビピンナツス(Cosmos bipinnatus)、コスモス種、クラッソセファルム・クレピディオイデス(Crassocephalum crepidioides)、クレピス・ネグレクタ(Crepis neglecta)、クレピス・ルブラ(rubra)、シナラ・カルドゥンクルス(Cynara cardunculus)、シナラ種、ダリア・コシネア(Dahlia coccinea)、ダリア種、ダリア・バリアビリス(variabilis)、エレファントプス(Elephantopus)・モリス、エリゲロン・アンヌウス(Erigeron annuus)、エリゲロン種、ユリオプス種(Euryops)、ユータミア・グラミニフォリア(Euthamia graminifolia)、ガリンソガ・カラカサナ(Galinsoga caracasana)、ガリンソガ・シリアタ(ciliata)、ガリンソガ・パルビフロラ(parviflora)、ゲルベラ・ジャメソニイ(Gerbera jamesonii)、ゲルベラ種、ヘリアンテラ・クインクエネルビス(Helianthella quinquenervis)、ヘリアンサス(Helianthus)・アンヌウス、ヘリクリサム・ルテオアルブム(Helichrysum luteoalbum)、ヘリクリサム・テナクス(tenax)、ヘリクリサム・チアンスカニクム(thianschanicum)、ヘリオプシス種、ヘルミントテカ・エキオイデス(Helminthotheca echioides)、ラクツカ・サリグナ(Lactuca saligna)、ラクツカ・サティバ、ラクツカ・セリオラ(serriola)、ラプサナ(Lapsana)・コンムニス、レオントドン・アウツムナリス(Leontodon autumnalis)、レウカンセムム(Leucanthemum)・ブルガレ、メランポディウム・ペルフォリアツム(Melampodium perfoliatum)、メランテラ・アスペラ(Melanthera aspera)、ミカニア・ミクランサ(Mikania micrantha)、モンタノア・ビピンナティフィダ(Montanoa bipinnatifida)、ノトバシス・シリアカ(Notobasis syriaca)、オステオスペルマム種(Osteospermum)、パルテニウム種(Parthenium)、ペンツィア・グロボーサ(Pentzia globosa)、ピクリス・パウシフローラ(Picris pauciflora)、ピクリス・スプレンゲリアナ(sprengeriana)、プセウドグナファリウム・オブツシフォリウム(Pseudognaphalium obtusifolium)、ルドベキア・アンプレクスカウリス(Rudbeckia amplexicaulis)、ルドベキア種、シュクリア・ピナタ(Schkuhria pinnata)、スコリムス・マクラツス(Scolymus maculatus)、スコルゾネラ種(Scorzonera)、セネキオ・リビドゥス(Senecio lividus)、セネキオ種、セネキオ・ブルガリス、ソリダゴ(Solidago)・ギガンテア、ソンクス(Sonchus)・アルベンシス、ソンクス・アスペル(asper)、ソンクス・オレラセウス(oleraceus)、ソンクス種、タゲテス・エレクタ(Tagetes erecta)、タゲテス・ミクログロッサ(microglossa)、タゲテス・ミヌタ(minuta)、タゲテス・パツラ(patula)、タゲテス種、タラキサクム・オフィシナレ(Taraxacum officinale)、ティトニア・ロツンディフォリア(Tithonia rotundifolia)、トラゴポゴン・ドゥビウス(Tragopogon dubius)、トラポゴン・プラテンシス(pratensis)、トリダクス・プロクムベンス(Tridax procumbens)、ウロスペルマム・ダレンカンピイ(Urospermum dalechampii)、ベルノニア種(Vernonia)、キサンチウム・ストルマリウム(Xanthium strumarium)、ジニア・エレガンス(Zinnia elegans)、ジニア種。
【0280】
コンボルブラセアエ(Convolvulaceae):カリステギア・ヘデラセア (Calystegia hederacea)、カリステギア・セピウム(sepium)、コンボルブラセアエ種、コンボルブルス(Convolvulus)・アルベンシス、コンボルブルス・ヒルスツス(hirsutus)、コンボルブルス・スカムモニア(scammonia)、コンボルブルス・シクルス(siculus)、コンボルブルス種、コンボルブルス・トリコロル(tricolor)、ディネツス・ラセモスス(Dinetus racemosus)、イポメア・アクアティカ(Ipomoea aquatica)、イポメア・アラクノスペルマ(arachnosperma)、イポメア・バタタス(batatas)、イポメア・ビフロラ(biflora)、イポメア・カイリカ(cairica)、イポメア・ホクステテリ(hochstetteri)、イポメア・インディカ、イポメア・ラクノサ(lacunosa)、イポメア・ロバタ(lobata)、イポメア・ニル(nil)、イポメア・プルプレア(purpurea)、イポメア種、イポメア・トリコロル、イポメア・トリロバ(triloba)。
【0281】
コルナセアエ(Cornaceae):コルヌス・アルバ(Cornus alba)、コルヌス・カナデンシス、コルヌス・ヌッタリイ(nuttallii)、コルヌス種。
【0282】
ククルビタセアエ(Cucurbitaceae):ベニンカサ・ヒスピダ(Benincasa hispida)、ブリオニア(Bryonia)・アルバ、キトルルス・コロキンシス(Citrullus colocynthis)、キトルルス・ラナツス(lanatus)、ククミス・メロ(Cucumis melo)、ククミス・サティブス(Cucumis sativus)、ククミス種、ククルビタ・フィキフォリア
(Cucurbita ficifolia)、ククルビタ・マキシマ(maxima)、ククルビタ・モスカタ(moschata)、ククルビタ・ペポ(pepo)、ククルビタ種、ククルビタセアエ種(Cucurbitaceae)、ディプロシクロス・パルマツス(Diplocyclos palmatus)、エクバリウム・エラテリウム(Ecballium elaterium)、ラゲナリア・シケラリア(Lagenaria siceraria)、ルファ・アクタングラ(Luffa acutangula)、ルファ・シリンドリカ(cylindrica)、モモルディカ・カランティア(Momordica charantia)、プラエキトルルス・フィスツロスス(Praecitrullus fistulosus)、セキウム・エドゥレ(Sechium edule)。
【0283】
クプレサセアエ(Cupressaceae):カマエシパリス・チオイデス(Chamaecyparis thyoides)、クプレッサス種(Cupressus)、ジュニペルス・アリゾニカ(Juniperus arizonica)、ジュニペルス・ビルギニアナ(virginiana)、プラチクラドゥス(Platycladus)・オリエンタリス。
【0284】
シペラセアエ(Cyperaceae):シペルス・エスクレンツス(Cyperus esculentus)、シペルス・ロツンドゥス(rotundus)、シペルス・スキムペリアヌス(schimperianus)。
【0285】
ディプテロカルパセアエ(Dipterocarpaceae):ショレア・ロブスタ(Shorea robusta)。
【0286】
エベナセアエ(Ebenaceae):ディオスピロス・カキ(Diospyros kaki)、ディオスピロス・スカブリダ(scabrida)。
【0287】
エラエアグナセアエ(Elaeagnaceae):エラエアグヌス・アングスティフォリア(Elaeagnus angustifolia)、エラエアグヌス・ウンベラータ(umbellata)。
【0288】
エキセタセアエ(Equisetaceae):エクイセツム・パルストレ(Equisetum palustre)。
【0289】
エリカセアエ(Ericaceae):アザレア・ヌディフロラ(Azalea nudiflora)、アザレア種、ロドデンドロン種(Rhododendron)、シフォナンドラ種(Siphonandra)。
【0290】
ユーフォルビアセアエ(Euphorbiaceae):アカリファ(Acalypha)・アウストラリス、アカリファ・ハバネンシス(havanensis)、アカリファ種、アカリファ・ウィルケシアナ(wilkesiana)、コディアエウム種(Codiaeum)、コディアエウム・バリエガツム(variegatum)、クロトン・ニベウス(Croton niveus)、クロトン種、ユーフォルビア・アミグダロイデス(Euphorbia amygdaloides)、ユーフォルビア・ブルマンニ(burmanni)、ユーフォルビア・ヘレナエ(helenae)、ユーフォルビア・ヘリオスコピア(helioscopia)、ユーフォルビア・ヒルタ(hirta)、ユーフォルビア・ヒペリキフォリア(hypericifolia)、ユーフォルビア・パルビフロラ、ユーフォルビア・プルケリマ(pulcherrima)、ユーフォルビア種、ヘベア・ブラシリエンシス(Hevea brasiliensis)、フラ・クレピタンス(Hura crepitans)、ジャトロファ・ゴッシピイフォリア(Jatropha gossypiifolia)、ジャトロファ・ハスタータ(hastata)、ジャトロファ・ムルティフィダ(multifida)、ジャトロファ種、マニホト(Manihot)・エスクレンタ、マニホト種、メルクリアリス(Mercurialis)・アヌア、メルクリアリス種、リシヌス(Ricinus)・コンムニス。
【0291】
ファガセアエ(Fagaceae)、クエルクス(Quercus)・アルバ、クエルクス・ロブル(robur)、クエルクス種。
【0292】
ガリアセアエ(Garryaceae):アウクバ・ジャポニカ(Aucuba japonica)。
【0293】
ゲンティアナセアエ(Gentianaceae):ユーストマ・グランディフロルム (Eustoma grandiflorum)、ゲンティアナ種(Gentiana)。
【0294】
ゲラニアセアエ(Geraniaceae):エロディウム・アルニフォリウム(Erodium alnifolium)、ゲラニウム・カロリニアヌム(Geranium carolinianum)、ゲラニウム・ディセクツム(dissectum)、ゲラニウム・ルシドゥム(lucidum)、ゲラニウム・モレ(molle)、ゲラニウム・ロツンディフォリウム(rotundifolium)、ゲラニウム種、ペラルゴニウム・インクイナンス(Pelargonium inquinans)、ペラルゴニウム種。
【0295】
ゲスネリアセアエ(Gesneriaceae):セントポーリア・イオナンタ (Saintpaulia ionantha)。
【0296】
グーデニアセアエ(Goodeniaceae):グーデニア種(Goodenia)、スカエボラ種(Scaevola)。
【0297】
グロスラリアセアエ(Grossulariaceae):リベス・アメリカヌム(Ribes americanum)、リベス・ニグルム(nigrum)、リベス・ルブルム(rubrum)。
【0298】
ヘリコニアセアエ(Heliconiaceae):ヘリコニア・ビハイ(Heliconia bihai)、ヘリコニア・ラティスパタ(latispatha)。
【0299】
ハイドランゲアセアエ(Hydrangeaceae):デウツィア種(Deutzia)、ハイドランジア・マクロフィラ(Hydrangea macrophylla)、ハイドランジア・パニクラタ、ハイドランジア種、フィラデルフス・コロナリウス(Philadelphus coronarius)、フィラデルフス・セリカンスス(sericanthus)。
【0300】
イリダセアエ(Iridaceae):クロコスミア・x・クロコスミイフロラ(Crocosmia crocosmiiflora)、グラディオラス・ホルツラヌス(Gladiolus hortulanus)、グラディオラス・イタリクス(italicus)、クラディオラス種、イリス・サングイネア(Iris sanguinea)、イリス・x・ゲルマニカ(germanica)、イクシア・フレクスオサ(Ixia flexuosa)。
【0301】
ジュグランダセアエ(Juglandaceae):カルヤ・イリノイネンシス(Carya illinoinensis)、ジュグランス・レギア(Juglans regia)、ジュグランス種。
【0302】
ラミアセアエ(Lamiaceae):アジュガ種(Ajuga)、バロタ・アフリカナ(Ballota africana)、クレロデンドルム・キネンセ(Clerodendrum chinense)、クレロデンドルム・トムソニアエ(thomsoniae)、ガレオプシス・スペシオサ(Galeopsis speciosa)、ガレオプシス・テトラヒト(tetrahit)、グレコマ(Glechoma)・ヘデラセア、グレコマ種、ホルムスキオルディア(Holmskioldia)・サングイネア、ホルムルキオルディア種、ラミウム(Lamium)・アルブム、ラミウム・アムプレキシカウレ(amplexicaule)、ラミウム・プルプレウム(purpureum)、ラミウム種、ラバンドゥラ種(Lavandula)、レオノティス・オシミフォリア(Leonotis ocymifolia)、レウカス・マルティニセンシス(Leucas martinicensis)、マルビウム(Marrubium)・ブルガレ、メリッサ(Melissa)・オフィシナリス、メンタ(Mentha)・アルベンシス、メンタ種、メンタ・スピカタ(spicata)、メンタ・x・ピペリタ(piperita)、モルセラ(Moluccella)・ラエビス、モナルダ・フィスツロサ(Monarda fistulosa)、ネペタ・カタリア(Nepeta cataria)、オシムム・バシリクム(Ocimum basilicum)、オシムム・テヌイフロルム(tenuiflorum)、ペリラ・フルテスケンス(Perilla frutescens)、ロスマリヌス(Rosmarinus)・オフィシナリス、サルビア(Salvia)・アルゲンテア、サルビア・オフィシナリス、サルビア・プラテンシス、サルビア種、サルビア・スプレンデンス(splendens)、サルビア・ベルティシラータ(verticillata)、サルビア・ビリディス、スタキス(Stachys)・アルベンシス、ビテックス・ネグンド(Vitex negundo)。
【0303】
ラウラセアエ(Lauraceae):カシータ種(Cassytha)、エンドリケリア(Endlicheria)・パニクラタ、ラウルス・ノビリス(Laurus nobilis)、ペルセア(Persea)・アメリカーナ。
【0304】
レグミノサエ(Leguminosae):アカシア・グレッギイ(Acacia greggii)、アカシア・ホリダ(horrida)、アカシア・フアランゴ(huarango)、アカシア・カルー(karroo)、アカシア・ロブスタ、アカシア種、アリシカルプス・ロンギフォリウス(Alysicarpus longifolius)、アンフィカルパエア・ブラクテアタ(Amphicarpaea bracteata)、アンシリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)、アラキス・ヒポガエア(Arachis hypogaea)、アラキス種、アストラガルス・シニクス(Astragalus sinicus)、バウヒニア・フォルフィカタ(Bauhinia forficata)、バウヒニア・モナンドラ(monandra)、バウヒニア種、バウヒニア・バリエガタ(variegata)、ビツミナリア・ビツミノサ(Bituminaria bituminosa)、カナバリア・エンシフォルミス(Canavalia ensiformis)、カラガナ(Caragana)・アルボレセンス、カシア・アルテミシオイデス(Cassia artemisioides)、セラトニア・シリクア(Ceratonia siliqua)、セルシス・シリクアストルム(Cercis siliquastrum)、シセル・アリエティヌム(Cicer arietinum)、クリアンサス種(Clianthus)、クリトリア・テルナテア(Clitoria ternatea)、コロニラ・バレンティナ(Coronilla valentina)、クロタラリア・ジュンセア(Crotalaria juncea)、クロタラリア・ミカンス(micans)、クロタラリア種、ダルベルギア・シッスー(Dalbergia sissoo)、ダレア(Dalea)・モリス、デスモディウム・カーシアヌム(Desmodium khasianum)、ドリコス種(Dolichos)、エリスリナ・コラロデンドロン(Erythrina corallodendron)、エリスリナ・ポエピギアナ(poeppigiana)、エリスリナ種、ゲニスタ種(Genista)、グレディスチア種(Gleditsia)、グリシン・マックス(Glycine max)、インディゴフェラ・アレクタ(Indigofera arrecta)、インディゴフェラ・ホルビー(holubii)、インディゴフェラ・ティンクトリア(tinctoria)、インガ種(Inga)、ケネディア(Kennedia)・コシネア、ラブラブ・プルプレウス(Lablab purpureus)、ラブルヌム・アナギロイデス(Laburnum anagyroides)、ラブルヌム種、ラシルス・シセラ(Lathyrus cicera)、ラシルス・オドラツス(odoratus)、ラシルス・サティブス、レンス・クリナリス(Lens culinaris)、レスペデザ・マキシモウィクジイ(Lespedeza maximowiczii)、ロツス・コルニクラツス(Lotus corniculatus)、ルピナス・アルボレウス(Lupinus arboreus)、ルピナス・アルゲンテウス(argenteus)、ルピナス・サティブス、マクロプティリウム・アトロプルプレウム(Macroptilium atropurpureum)、マクロプティリウム・ラチロイデス(lathyroides)、メディカゴ・アラビカ(Medicago arabica)、メディカゴ・アルボレア、メディカゴ・ルプリナ(lupulina)、メディカゴ・オルビクラリス(orbicularis)、メディカゴ・ポリモルファ(polymorpha)、メディカゴ・サティバ、メディカゴ種、メリロツス(Melilotus)・アルブス、メリロツス・インディクス(indicus)、メリロツス種、ムクナ・メムブラナセア(Mucuna membranacea)、ムクナ・プルリエンス(pruriens)、ネオノトニア・ウィグティ(Neonotonia wightii)、ネオラウタネニア・ミティス(Neorautanenia mitis)、オノブリキス・ビキイフォリア(Onobrychis viciifolia)、オルニトプス種、ファセオルス・アクティフォリウス(Phaseolus acutifolius)、フォセオルス・コッキネウス(coccineus)、ファセオルス・ルナツス(lunatus)、ファセオルス種、ファセオルス・ブルガリス、ピスム(Pisum)・サティブム、プソフォカルプス・テトラゴノロブス(Psophocarpus tetragonolobus)、プエラリア(Pueraria)・モンタナ、プエラリア・ファセオロイデス(phaseoloides)、リンコシア・カピタータ(Rhynchosia capitata)、リンコシア・カリバエア(caribaea)、ロビニア(Robinia)・ヒスピダ、ロビニア・プセウドアカシア(pseudoacacia)、セスバニア・カンナビナ(Sesbania cannabina)、セスバニア・ヘルバセア(herbacea)、スパルティウム・ジュンセウム(Spartium junceum)、スチフノロビウム(Styphnolobium)・ジャポニクム、テラムヌス・ウニシナツス(Teramnus uncinatus)、ティプアナ・ティプ(Tipuana tipu)、トリフォリウム・アレクサンドリヌム(Trifolium alexandrinum)、トリフォリウム・アウレウム(aureum)、トリフォリウム・ダシュルム(dasyurum)、トリフォリウム・ドゥビウム(dubium)、トリフォリウム・グロメラタム(glomeratum)、トリフォリウム・ヒブリドゥム(hybridum)、トリフォリウム・インカルナツム(incarnatum)、トリフォリウム・プラテンセ(pratense)、トリフォリウム・プルプレウム、トリフォリウム・レペンス(repens)、トリフォリウム種、トリフォリウム・スプモスム(spumosum)、ビシア(Vicia)・アングスティフォリア、ビシア・ファバ(faba)、ビシア・プルケラ(pulchella)、ビシア・サティバ、ビシア種、ビシア・ビロサ(villosa)、ビグナ・アコニティフォリア(Vigna aconitifolia)、ビグナ・アングラリス(angularis)、ビグナ・ムンゴ(mungo)、ビグナ・ラディアタ(radiata)、ビグナ種、ビグナ・ウングイクラタ(unguiculata)、ウィステリア・フロリブンダ(Wisteria floribunda)、ウィステリア・ポリスタキア(polystachya)、ウィステリア・シネンシス(sinensis)。
【0305】
リリアセアエ(Liliaceae):リリウム(Lilium)種。
【0306】
リナセアエ(Linaceae):レインワルドティア・テトラギナ(Reinwardtia tetragyna)。
【0307】
リスラセアエ(Lythraceae):クフェア種(Cuphea)、ラゲルストロエミア(Lagerstroemia)・スペシオサ、プニカ・グラナツム(Punica granatum)。
【0308】
マグノリアセアエ(Magnoliaceae):マグノリア・リリフローラ(Magnolia liliiflora)、マグノリア種、マグノリア・ステラタ(stellata)。
【0309】
マルバセアエ(Malvaceae):アベルモスクス(Abelmoschus)・エスクレンツス、アブティロン・ピクタム(Abutilon pictum)、アブティロン・レフレクサム(reflexum)、アブティロン種、アブティロン・テオフラスティ(theophrasti)、アブティロン・ツブロスム(tubulosum)、アルセア・ロセア(Alcea rosea)、アルタエア(Althaea)・ヌディフロラ、ビットネリア(Byttneria)・アウストラリス、セイバ・ペンタンドラ(Ceiba pentandra)、コルコルス・カプスラリス(Corchorus capsularis)、コルコルス・オリトリウス(olitorius)、ゴシピウム・バルバデンセ(Gossypium barbadense)、ゴシピウム・ヘルバセウム(herbaceum)、ゴシピウム・ヒルスツム(hirsutum)、ゴシピウム種、グレウィア・アシアティカ(Grewia asiatica)、グレウィア・ビロバ(biloba)、ヘリクテレス・グアズミフォリア(Helicteres guazumifolia)、ヒビスクス・ルナリイフォリウス(Hibiscus lunariifolius)、ヒビスクス・ムタビリス(mutabilis)、ヒビスクス・ロサシネンシス(rosa-sinensis)、ヒビスクス種、ヒビスクス・シリアクス(syriacus)、ヒビスクス・トリオヌム(trionum)、マルバ・アエギプティア(Malva aegyptia)、マルバ・モスカタ、マルバ・ネグレクタ、マルバ・ニカエエンシス(nicaeensis)、マルバ・パルビフロラ、マルバ種、マルバ・シルベストリス(sylvestris)、マルバ・トリメストリス(trimestris)、マルベラ・レプロサ(Malvella leprosa)、シダ・ロンビフォリア(Sida rhombifolia)、シダ種、ステルクリア・ムレクス(Sterculia murex)、ティリア(Tilia)・アメリカーナ、ティリア・コルダータ、ティリア・プラティフィロス(platyphyllos)、ティリア・ルブラ、ティリア種、ティリア・トメントサ(tomentosa)、ティリア・x・エウクロラ(euchlora)、トリウムフェッタ・セミトリロバ(Triumfetta semitriloba)、ワルテリア(Waltheria)・インディカ。
【0310】
マランタセアエ(Marantaceae):カラテア種(Calathea)、マランタ種(Maranta)。
【0311】
メリアセアエ(Meliaceae):アザディラクタ(Azadirachta)・インディカ、メリア・アゼダラク(Melia azedarach)、ツーナ・シリアタ(Toona ciliata)。
【0312】
メニスペルマセアエ(Menispermaceae):ティノスポラ・フラゴサ(Tinospora fragosa)。
【0313】
モラセアエ(Moraceae):アルトカルプス・アルティリス(Artocarpus altilis)、フィクス(Ficus)・カリカ、フィクス・エラスティカ(elastica)、フィクス・レリギオサ(religiosa)、フィクス種、モルス(Morus)・アルバ、モルス・ニグラ、モルス・ルブラ、モルス種。
【0314】
モリンガセアエ(Moringaceae):モリンガ・オレイフェラ(Moringa oleifera)。
【0315】
ムサセアエ(Musaceae):ムサ・アクミナタ(Musa acuminata)、ムサ・バスジュー(basjoo)、ムサ種、ムサ・x・パラディシアカ(paradisiaca)。
【0316】
ミルタセアエ(Myrtaceae):ユーカリプツス・グランディス(Eucalyptus grandis)、プシディウム・カットレイアヌム(Psidium cattleianum)、プシディウム・グアジャバ(guajava)、シジギウム・クミニ(Syzygium cumini)。
【0317】
ノトファガセアエ(Nothofagaceae):ノトファグス・アルピナ(Nothofagus alpina)。
【0318】
ニクタギナセアエ(Nyctaginaceae):ボウガインビレア・スペクタビリス(Bougainvillea spectabilis)。
【0319】
オラカセアエ(Olacaceae):キシメニア(Ximenia)・アメリカーナ。
【0320】
オレアセアエ(Oleaceae):フォルシティア・コレアナ(Forsythia koreana)、フォルシティア・ススペンサ(suspensa)、フォルシティア・x・インテルメディア(intermedia)、フラキシヌス(Fraxinus)・アングスティフォリア、フラキシヌス・エクセルシオール(excelsior)、フラキシヌス・オルヌス(ornus)、フラキシヌス種、ジャスミヌム・フミレ(Jasminum humile)、ジャスミヌム・ヌディフロルム(nudiflorum)、ジャスミヌム・オフィシナレ、ジャスミヌム・サンバク(sambac)、ジャスミヌム種、リグストルム(Ligustrum)・ルシドゥム、リグストルム・ブルガレ、オレア・エウロパエア(Olea europaea)、オスマンサス(Osmanthus)・フラグランス、シリンガ・オブラタ(Syringa oblata)、シリンガ・ブルガリス。
【0321】
オナグラセアエ(Onagraceae):キリスミア・クラビフォルミス(Chylismia claviformis)、エピロビウム・アングスティフォリウム(Epilobium angustifolium)、フクシア・マゲラニカ(Fuchsia magellanica)、フクシア種、フクシア・x・ヒブリダ(hybrida)、ガウラ種(Gaura)、オエノテラ・ビエンニス(Oenothera biennis)、オエノテラ・ラシニアタ(laciniata)、オエノテラ種、オエノテラ・テトラプテラ(Oenothera tetraptera)。
【0322】
オルキダセアエ(Orchidaceae):カタセツム種(Catasetum)、シンビジウム種(Cymbidium)、オルキダセアエ種、パピロナンテ・テレス(Papilionanthe teres)。
【0323】
オキサリダセアエ(Oxalidaceae):オキサリス・コルニクラタ(Oxalis corniculata)、オキサリス・デビリス(debilis)、オキサリス・エウロパエア、オキサリス・フロリブンダ、オキサリス種。
【0324】
パパベラセアエ(Papaveraceae):アルゲモネ・メキシカーナ(Argemone mexicana)、ボッコニア(Bocconia)・フルテスケンス、ケリドニウム(Chelidonium)・マユス、ケリドニウム種、ディセントラ種(Dicentra)、エシュコルジア種(Eschscholzia)、フマリア(Fumaria)・オフィシナリス、パパベル・アクレアツム(Papaver aculeatum)、パパベル・ヌディカウレ(nudicaule)、パパベル・オリエンターレ(orientale)、パパベル・ロエアス(rhoeas)、パパベル・ソムニフェルム(somniferum)。
【0325】
パッシフロラセアエ(Passifloraceae):パッシフローラ・カエルレア(Passiflora caerulea)、パッシフローラ・エドゥリス(edulis)、パッシフローラ・フォエティダ(foetida)、パッシフローラ・モリッシマ(mollissima)、パッシフローラ種。
【0326】
パウロウニアセアエ(Paulowniaceae):パウロウニア・フォルツネイ(Paulownia fortunei)。
【0327】
ペダリアセアエ(Pedaliaceae):セサムム(Sesamum)・インディクム。
【0328】
フィランサセアエ(Phyllanthaceae):フィランサス・アマルス(Phyllanthus amarus)、フィランサス種。
【0329】
フィトラッカセアエ(Phytolaccaceae):ペティベリア・アリアセア(Petiveria alliacea)、フィトラッカ(Phytolacca)・アメリカーナ、フィトラッカ・ディオイカ(dioica)、フィトラッカ・エスクレンタ、フィトラッカ・イコサンドラ(icosandra)。
【0330】
ピナセアエ(Pinaceae):ピヌス(Pinus)・シルベストリス、ツガ(Tsuga)・カナデンシス。
【0331】
ピットスポラセアエ(Pittosporaceae):ピットスポルム・トビラ(Pittosporum tobira)。
【0332】
プラタギナセアエ(Plantaginaceae):アンゲロニア種(Angelonia)、アンティリヌム(Antirrhinum)・マユス、ジギタリス(Digitalis)・プルプレア、ヒップリス(Hippuris)・ブルガリス、リナリア・ゲニスティフォリア(Linaria genistifolia)、メカルドニア・プロクムベンス(Mecardonia procumbens)、プランタゴ(Plantago)・アシアティカ、プランタゴ・ランセオラタ(lanceolata)、プランタゴ・マヨール、プランタゴ種、ベロニカ・ペルシカ(Veronica persica)、ベロニカ種、ベロニカ・テウクリウム(teucrium)。
【0333】
プラタナセアエ(Platanaceae):プラタナス(Platanus)・オリエンタリス、プラタナス種。
【0334】
プルンバギナセアエ(Plumbaginaceae):リモニアストル・グヨニアヌム(Limoniastru guyonianum)、リモニウム・シヌアツム(Limonium sinuatum)、プルンバゴ・アウリクラータ(Plumbago auriculata)、プルンバゴ種。
【0335】
ポアセアエ(Poaceae):アエギロプス種(Aegilops)、アグロピロン・デセルトルム(Agropyron desertorum)、アイラ種(Aira)、アベナ・ファツア(Avena fatua)、アベナ・サティバ、アベナ種、アベナ・ステリリス(sterilis)、バムブサ(Bambusa)種、ブロムス・カタルティクス(Bromus catharticus)、ブロムス種、コンドロスム・バルバツム(Chondrosum barbatum)、シノドン・ダクティロン(Cynodon dactylon)、ダクティロクテニウム・アエジプティウム(Dactyloctenium aegyptium)、ジギタリア・アルギラセア(Digitaria argillacea)、ジギタリア・シリアリス(ciliaris)、ジギタリア・ディベルシネルビス(diversinervis)、ジギタリア・サングイナリス(sanguinalis)、エレウシネ・コラカナ(Eleusine coracana)、エリムス・ヒスピドゥス(Elymus hispidus)、エリムス・レペンス、エラグロスティス種(Eragrostis)、フェスツカ・アルンディナセア(Festuca arundinacea)、フェスツカ種、ヘリクトトリコン(Helictotrichon)・プラテンセ、ホルデウム種(Hordeum)、ロリウム・ムルティフロルム(Lolium multiflorum)、ロリウム属、オフィウロス・エクサルタツス(Ophiuros exaltatus)、オリザ・グラベリマ(Oryza glaberrima)、オリザ・サティバ、パニクム・ミリアセウム(Panicum miliaceum)、パニクム種、パスパルム・ディラタツム(Paspalum dilatatum)、ペニセツム・クランデスティヌム(Pennisetum clandestinum)、ペニセツム・プルプレウム、フレウム(Phleum)・プラテンセ、ポア(Poa)・アンヌア、ポア・プラテンシス、ポア・トリビアリス(trivialis)、ポアセアエ種(Poaceae)、ロットボエッリア・コキンキネンシス(Rottboellia cochinchinensis)、サッカルム・オフィシナルム(Saccharum officinarum)、セタリア・プミラ(Setaria pumila)、セタリア・ビリディス、シタニオン・ヒストリクス(Sitanion hystrix)、ソルグム(Sorghum)・ビコロル、ソルグム・ハレペンセ(halepense)、ソルグム種、ステノタフルム・セクンダツム(Stenotaphrum secundatum)、トリティクム種(Triticum)、ゼア・マイス(Zea mays)、ゼウギテス種(Zeugites)。
【0336】
ポレモニアセアエ(Polemoniaceae):フロックス・カロリナ(Phlox carolina)、フロックス・パニクラタ、フロックス種。
【0337】
ポリゴナセアエ(Polygonaceae):エメクス(Emex)・アウストラリス、ファロピア・バルデシュアニカ(Fallopia baldschuanica)、ファロピア・コンボルブルス、ペリシカリア・ヒドロピペル(Persicaria hydropiper)、ペルシカリア・ロンギセタ(longiseta)、ペルシカリア・マクロサ(maculosa)、ペルシカリア・ペンシルバニカ(pensylvanica)、ポリゴナム・アルギロコレオン(argyrocoleon)、ポリゴナム・アビクラレ(aviculare)、ルメクス・アセトサ(Rumex acetosa)、ルメクス・アセトセラ(acetosella)、ルメクス・クリスプス(crispus)、ルメクス・ジャポニクス、ルメクス・オブツシフォリウム、ルメクス種。
【0338】
ポンテデリアセアエ(Pontederiaceae):エイコルニア・クラシペス(Eichhornia crassipes)。
【0339】
ポルツラセアエ(Portulacaceae):ポルツラカ(Portulaca)・オレラセア。
【0340】
プリムラセアエ(Primulaceae):シクラメン(Cyclamen)・グラエクム、シクラメン・ヘデリフォリウム(hederifolium)、シクラメン・ペルシクム(persicum)、シクラメン種、プリムラ・デンティクラタ(Primula denticulata)、プリムラ・ポリアンタ(polyantha)、プリムラ種、プリムラ・ベリス(veris)。
【0341】
ラナンキュラセアエ(Ranunculaceae):アドニス・アエスティバリス(Adonis aestivalis)、アネモネ・コロナリア(Anemone coronaria)、アネモネ・ホルテンシス(hortensis)、アクイレギア種(Aquilegia)、クレマティス(Clematis)・パニクラタ、クレマティス種、デルフィニウム種(Delphinium)、ヘレボルス種(Helleborus)、ラナンキュラス・アシアティクス(Ranunculus asiaticus)、タリクトルム・フェンドレリ(Thalictrum fendleri)。
【0342】
レセダセアエ(Resedaceae):レセダ・オドラータ(Reseda odorata)。
【0343】
ラムナセアエ(Rhamnaceae):フラングラ・ドデネイ(Frangula dodonei)、ヘリヌス・インテグリフォリウス(Helinus integrifolius)、ラムヌス(Rhamnus)・アルピナ、ラムヌス・イメレティナ(imeretina)、ジジフス・ジュジュバ(Ziziphus jujuba)、ジジフス・スピナクリスティ(spina-christi)。
【0344】
ロサセアエ(Rosaceae):アルケミラ(Alchemilla)・ブルガリス、アルメニアカ・ムメ(Armeniaca mume)、セラスス・ルシタニカ(Cerasus rusitanica)、セラスス・セルラ(serrula)、セラスス・ブルガリス、カエノメレス(Chaenomeles)・ジャポニカ、カエノメレス・シネンシス、コトネアスター・ホリゾンタリス(Cotoneaster horizontalis)、コトネアスター・ミクロフィルス(microphyllus)、コトネアスター・トメントサ、クラタエグス・ラエビガタ(Crataegus laevigata)、クラタエグス・モノギナ(monogyna)、クラタエグス・サングイネア、シドニア・オブロンガ(Cydonia oblonga)、エリオボトリア(Eriobotrya)・ジャポニカ、フィリペンドゥラ・ウルマリア(Filipendula ulmaria)、フラガリア(Fragaria)・モスカタ、フラガリア・ベスカ(vesca)、フラガリア・ビルギニアナ、フラガリア・x・アナナッサ(ananassa)、ゲウム・リバレ(Geum rivale)、マルス(Malus)・ドメスティカ、マルス・フロリブンダ、マルス・プミラ、マルス種、マルセテラ・マデレンシス(Marcetella maderensis)、パドゥス・アビウム(Padus avium)、ポテンティラ・フラガリオイデス(Patentilla fragarioides)、ポテンティラ・フルティコサ、ポテンティラ・ノルベギカ(norvegica)、ポテンティラ・タナセティフォリア(tanacetifolia)、プルヌス・アミグダルス(Prunus amygdalus)、プルヌス・アルメニアカ、プルヌス・アビウム、プルヌス・セラシフェラ(cerasifera)、プルヌス・セラソイデス(cerasoides)、プルヌス・セラスス、プルヌス・ドメスティカ、プルヌス・インシティティア(insititia)、プルヌス・ルシタニカ(lusitanica)、プルヌス・ペルシカ(persica)、プルヌス・サリシナ(salicina)、プルヌス・セロチナ(serotina)、プルヌス種、プルヌス・スピノサ、ピラカンタ(Pyracantha)・コシネア、ピラカンタ・コイズミイ(koidzumii)、ピラカンタ種、ピルス(Pyrus)・コンムニス、ピルス・ピリフォリア(pyrifolia)、ピルス種、ロサ・カニナ(Rosa canina)、ロサ・シモサ(cymosa)、ロサ・ヒブリダ、ロサ・ムルティフロラ(multiflora)、ロサ・オドラタ、ロサ・ルゴサ(rugosa)、ロサ種、ロサ・x・アルバ、ロサ・x・センティフォリア(centifolia)、ロサ・x・ダマセナ(damascena)、ロサ・x・ルゴサ、ルブス・ブエルゲリ(Rubus buergeri)、ルブス・カエロフィルス(chaerophyllus)、ルブス・キンギイ(chingii)、ルブス・フルティコスス(fruticosus)、ルブス・イダエウス(idaeus)、ルブス・ロイディアヌス(lloydianus)、ルブス・オクシデンタリス(occidentalis)、ルブス種、ルブス・ウルミフォリウス(ulmifolius)、ソルブス・アウクパリア(Sorbus aucuparia)、ソルブス種、スピラエア(Spiraea)・ジャポニカ。
【0345】
ルビアセアエ(Rubiaceae):コフィア(Coffea)・アラビカ、コフィア種、ガリウム・アパリネ(Galium aparine)、ガリウム・ステラツム(stellatum)、ガルデニア・ジャスミノイデス(Gardenia jasminoides)、ガルデニア種。
【0346】
ルタセアエ(Rutaceae):コイシャ・テルナタ(Choisya ternata)、シトラス・アウランティフォリア(Citrus aurantiifolia)、シトラス・アウランティウム(aurantium)、シトラス・クレメンティナ(clementina)、シトラス・リモン(limon)、シトラス・マキシマ、シトラス・メディカ(medica)、シトラス・パラディシ(paradisi)、シトラス・レティクラタ、シトラス・シネンシス、シトラス種、シトラス・トリフォリアタ(trifoliata)、ルタ(Ruta)・グラベオレンス、ザントキシラム・ロイフォリウム(Zanthoxylum rhoifolium)。
【0347】
サリカセアエ(Salicaceae):ドビアリス・カフラ(Dovyalis caffra)、ポプルス(Populus)・アルバ、ポプルス・ニグラ、ポプルス種、ポプルス・トレムラ(tremula)、ポプルス・x・カナデンシス、サリクス・アエギプティアカ(Salix aegyptiaca)、サリクス・アルバ、サリクス・バビロニカ(babylonica)、サリクス・カプレア(caprea)、サリクス・カエノメロイデス(chaenomeloides)、サリクス・デフノイデス(dephnoides)、サリクス・フラギリス(fragilis)、サリクス種、サリクス・ビミナリス(viminalis)。
【0348】
サピンダセアエ(Sapindaceae):アセル・カンペストレ(Acer campestre)、アセル・ネグンド、アセル・プラタノイデス(platanoides)、アセル・プセウドプラタヌス(pseudoplatanus)、アセル・ルブルム、アセル・サッカルム、アセル種、アエスクルス・グラブラ(Aesculus glabra)、ドドナエア(Dodonaea)・ビスコーサ、コエルレウテリア(Koelreuteria)・パニクラタ、リッチ(Litchi)・シネンシス、サピンドゥス種(Sapindus)。
【0349】
サクシフラガセアエ(Saxifragaceae):ロドゲルシア・ポドフィラ(Rodgersia podophylla)。
【0350】
スクロフラリアセアエ(Scrophulariaceae):ブドレジャ・ダビジ(Buddleja davidii)、ブドレジャ・マダガスカリエンシス(madagascariensis)、ディアスキア種(Diascia)、ミオポルム種(Myoporum)、ネメシア種(Nemesia)、バーバスカム・ブラッタリア(Verbascum blattaria)。
【0351】
シマロウバセアエ(Simaroubaceae):アイランサス・アルティシマ(Ailanthus altissima)
【0352】
ソラナセアエ(Solanaceae):アクニスツス(Acnistus)・アルボレセンス、ブルグマンシア(Brugmansia)・アルボレア、ブルグマンシア・スアベオレンス(suaveolens)、ブルグマンシア・x・カンディダ(candida)、カリブラコア種(Calibrachoa)、カプシクム・アヌウム(Capsicum annuum)、カプシクム種、ケストルム・シアネウム(Cestrum cyaneum)、ケストルム・エレガンス、ケストルム・ストリギラツム(strigillatum)、シフォマンドラ種(Cyphomandra)、ダツラ・メテル(Datura metel)、ダツラ種、ダツラ・ストラモニウム(Datura stramonium)、リシウム(Lycium)・キネンセ、ニカンドラ・フィサロデス(Nicandra physalodes)、ニコチアナ・グラウカ(Nicotiana glauca)、ニコチアナ種、ニコチアナ・タバカム(tabacum)、ペチュニア種(Petunia)、ペチュニア・x・ハイブリッド(hybrid)、フィサリス・アクティフォリア(Physalis acutifolia)、フィサリス・アルケケンギ(alkekengi)、フィサリス・アングラタ(angulata)、フィサリス・レガスカエ(lagascae)、フィサリス・ペルビアナ(peruviana)、サルピクロア・オリガニフォリア(Salpichroa origanifolia)、ソラナム・アエチオピカム(Solanum aethiopicum)、ソラナム・アメリカヌム、ソラナム・カプシコイデス(capsicoides)、ソラナム・カロリネンセ(carolinense)、ソラナム・デラゴエンセ(delagoense)、ソラナム・エラエアグニフォリウム(elaeagnifolium)、ソラナム・グランディフロルム、ソラナム・ラシニアツム(laciniatum)、ソラナム・リコペルシカム(lycopersicum)、ソラナム・マクロカルポン(macrocarpon)、ソラナム・マンモスム(mammosum)、ソラナム・メロンゲナ(melongena)、ソラナム・ムリカツム(muricatum)、ソラナム・ニグルム、ソラナム・パンドゥラエフォルメ(panduraeforme)、ソラナム・クイトエンセ(quitoense)、ソラナム種、ソラナム・ツベロスム(tuberosum)、ウィタニア・ソムニフェラ(Withania somnifera)。
【0353】
ストレリチアセアエ(Strelitziaceae):ストレリチア・レギナエ(Strelitzia reginae)。
【0354】
テアセアエ(Teaceae):カメリア(Camellia)・ジャポニカ、カメリア・シネンシス、カメリア種。
【0355】
チメラエアセアエ(Thymelaeaceae):ダイス・コティニフォリア(Dais cotinifolia)。
【0356】
トロパエオラセアエ(Tropaeolaceae):トロパエオルム(Tropaeolum)・マユス、トロパエオルム種
【0357】
ウルマセアエ(Ulmaceae):ウルムス(Ulmus)・アメリカーナ、ウルムス・グラブラ、ウルムス・ラエビス、ウルムス・プミラ、ウルムス・ルブラ、ウルムス種。
【0358】
ウルティカセアエ(Urticaceae):ボエメリア・ニベア(Boehmeria nivea)、ラポルテア・アエスツアンス(Laportea aestuans)、パリエタリア・ジュダイカ(Parietaria judaica)、パリエタリア・オフィシナリス、ピプツルス・アルビドゥス(Pipturus albidus)、ウルティカ(Urtica)・ディオイカ、ウルティカ種、ウルティカ・ウレンス(urens)。
【0359】
ベルベナセアエ(Verbenaceae):アロイシア・シトリオドラ(Aloysia citriodora)、ドゥランタ(Duranta)・エレクタ、グランドゥラリア・フロギフロラ(Glandularia phlogiflora)、ランタナ・カマラ(Lantana camara)、リピア(Lippia)・アルバ、ベルベナ(Verbena)・ブラクテアタ、ベルベナ・ブラシリエンシス、ベルベナ・ヒブリダ、ベルベナ・オフィシナリス、ベルベナ種。
【0360】
ビオラセアエ(Violaceae):ビオラ(Viola)・オドラータ、ビオラ種、ビオラ・トリコロル、ビオラ・x・ウィットロキアナ(wittrockiana)。
【0361】
ビタセアエ(vitaceae):アンペロプシス種(Ampelopsis)、パルテノキッスス・クインクエフォリア(Parthenocissus quinquefolia)、パルテノキッスス・トリクスピダタ(tricuspidata)、ビティス種(Vitis)、ビティス・ビニフェラ(vinifera)。
【0362】
クサントロエアセアエ(xanthorrhoeaceae):ヘメロカリス・フルバ(Hemerocallis fulva)、ヘメロカリス・ミノル(minor)。
【0363】
ジンギベラセアエ(Zingiberaceae):クルクマ・ロンガ(Curcuma longa)、ジンギベル・ミオガ(Zingiber mioga)。
【0364】
ジゴフィラセアエ(Zygophyllaceae):トリブルス・テレストリス(Tribulus terrestris)。
【0365】
「真菌減少剤(fungus reducing agent又はfungal reducing agent)」という用語は、以下、天然又は合成の殺菌剤などの化学的な真菌減少剤、又は抗真菌滲出物を産生するダニ種の個体群、又は食菌性の個体群などの生物学的な真菌還元剤を指す。
【0366】
上記のいずれかに定義される飼育組成物が、真菌減少剤を含まないか、又は該減少剤に欠けることは、本発明の範囲内である。本発明の請求されたフィトセイウルスダニは、任意の発育期及び/又は卵でダニを含むアスティグマタ非生存個体で飼育された場合、その生涯過程を完了し、少なくとも2世代にわたって繁殖することができる。非生存アスティグマタダニの発育期は、菌類減少剤を産生又は分泌することができないことが注目される。
【実施例0367】
本発明を理解し、本発明が実際にどのように実施され得るかを理解するために、以下の実施例を参照して、複数の好ましい実施形態を、非限定的な実施例としてのみここに記載する。
【0368】
[実施例1]
<P.ペルシミリスの飼育プロトコール>
この実施例では、P.ペルシミリスに、C.ラクティスの死んだ凍結発育期とおがくず又は別の担体材料(例えばふすま)とを含む混合物を与えて飼育する。被食性ダニは、食餌として使用する前に、固定化処理、例えばそれらを凍結することによって、又はガンマ線照射処理によって固定化した。
【0369】
例示された成長条件:
温度:18℃~30℃の範囲、特に約22℃。
湿度:60%超、特に約85%。
【0370】
前述の供給レジメを用いることにより、P.ペルシミリス個体群は1日あたり平均約15%増加した。
【0371】
図3は、14週間の間に死んだC.ラクティスの卵と可動期(凍結で殺す)の混合物を摂食したP.ペルシミリスの1日あたりの繁殖率をグラフで示したものである。見てわかるように、P.ペルシミリスの繁殖率の平均約10%~約20%の間の増加が1日あたりで記録された。
【0372】
本実験に用いた方法:
P.ペルシミリス個体群を、22℃、85%の相対湿度でおがくずとの混合物中で被食性ダニとして死んだC.ラクティスを用いて飼育した。毎週、混合物の重量を測定し、約50mgを含む4つの試料を採取し、黒い粘着テープ上に置き、計数した。これらの計数に従って総個体数を算出し、各週の飼育に1500個体を残した。繁殖率は、発見された個体の総数を1500で除することによって計算して、この週の間に個体群が増えた係数を与えた。1日あたりの繁殖率に切り替えるために、この数の7乗根を以下の式に従って求めた。
【0373】
【数1】
ここで、λは1日あたりの繁殖率、N(0)は前の計数において飼育に残されたダニ数(この場合は1500)、N(t)は現在の計数において発見されたダニ数であり、t=7である。
【0374】
[実施例2]
<アスティグマティドダニ種によるP.ペルシミリスの飼育>
本実験では、以下のプロトコールを用いて、異なるダニ種をP.ペルシミリスの食物として試験した。
【0375】
修飾されたミュンガー細胞から30匹のP.ペルシミリスダニを単離し、以下に挙げる種の凍結アスティグマティックダニを与えた。毎日食物を交換し、ダニの摂食兆候を確認した。指標として用いた兆候は、完全な丸い体(非摂食ダニの扁平な体に反して)、及びハダニを摂食する際の通常のオレンジ色とは対照的に白っぽい色調であった。
【0376】
次に、以下の被食性種の各々から3日間連続して食餌を与えた後の、体の形状及び色によって現れる摂食兆候を示すP.ペルシミリスの割合をグラフで示す図4を参照する。
GD=グリシファグス・ドメスティクス(グリシファギダエ科)
LD=レピドグリフス(Lepidogyphus)・デストラクター(グリシファギダエ科)
DF=デルマトファゴイデス・ファリナエ(ピログリフィダエ科)
DP=デルマトファゴイデス・プテロニシヌス(ピログリフィダエ科)
CL=カルボグリフス・ラクティス(カルポグリフィダエ科)
【0377】
P.ペルシミリスは、上記のアスティグマティック被食性種の全てを摂食することができ、効率は様々であることがわかる。
【0378】
[実施例3]
<P.ペルシミリスの被食性ダニとしてのアムブリセイウス・スウィルスキイの使用>
この実験では、50匹の捕食性ダニにA.スウィルスキイの凍結ダニを22℃、85%RHで食餌として与え、毎日チェックした。ダニは体型が大きく、白っぽい色調で摂食兆候を示していた。産卵を開始すると、個体群から卵を除去し、分離し、ふ化率をモニターした。ふ化に注目し、その後、得られた幼虫が成熟した。これらのダニが成熟すると、産卵を確認するために2匹を分離した。これらの雌は実際に産卵し、得られた卵のふ化を観察した。これは、P.ペルシミリスは食餌としての凍結したA.スウィルスキイで少なくとも2世代の発育及び繁殖が可能であり、第3世代で産卵された卵は生存能力があることを実証する。
【0379】
[実施例4]
<P.ペルシミリスの緩徐放出システム>
本発明のいくつかの実施形態による、P.ペルシミリスの防除された放出システムの記述を参照する。死んだC.ラクティス被食性ダニで飼育された約200匹のP.ペルシミリスダニと担体としてのおがくずを含む混合物を、その蓋に出口孔をあけた容器(例えばサシェ又は約100mlの小さなプラスチック瓶)に入れた。容器を、制御された条件(25℃、湿度75%)で粘着テープ又は表面に置いた。粘着テープを週2回交換し、その上に現れたP.ペルシミリスダニを計数し、容器からの放出率を評価した。
【0380】
次に、実験の開始からの日数の関数として、容器からのダニ放出率をグラフで示す図5を参照する。
【0381】
図5に示すように、ダニは20日間容器から継続的に放出され、放出ピークは9日目前後(8~10日目)に起こる。捕食性ダニの放出率は1日に約2~25匹の間のダニである。この実施例は、本発明の飼育組成及び方法に基づいて、P.ペルシミリスのための緩徐放出システム又は制御放出システム(少なくとも約20日間)が構築されることを実証する。
【0382】
[実施例5]
<被食性ダニとしてのC.ラクティスで飼育されたフィトセイウルス・ロンギペス>
次に、フィトセイウルス属のさらに代表的な例として、フィトセイウルス・ロンギペス(P.ロンギペス)に、被食性ダニとして死んだC.ラクティスを含む混合物を与えて飼育する実施例を参照する。
【0383】
例示的な飼育プロトコール: P.ロンギペス個体群を、被食性ダニとして死んだC.ラクティスを用い、おがくずとの混合物中で22℃及び相対湿度85%で飼育した。ダニは、C.ラクティスを摂食したP.ペルシミリスについて上に示したように(図1及び2参照)、典型的な赤みがかった色から白にその色を変えることによって摂食兆候を示した。加えて、P.ロンギペスダニの異なるライフステージの全てが観察され、そのことはこの種がこの代替食餌でその発育サイクルを完了したことを示した。飼育を3週間維持し、P.ロンギペス個体群が少なくともこの期間、死んだC.ラクティス食餌で飼育され得ることを示した。
【0384】
[実施例6]
<被食性ダニとしてのC.ラクティスにより繁殖率が増加したP.ペルシミリス個体群についての繁殖及び選定>
この実験は、被食性ダニとしてC.ラクティスでの飼育に適応したP.ペルシミリス個体群の繁殖及び選定に成功したことを示す。この実施例に示されるように、選定されたP.ペルシミリス個体群は、アスティグマティドダニ個体で飼育された場合、繁殖率が大幅に増加するという有利で望ましい特性を特徴とする。
【0385】
<実験プロトコール>:
被食性ダニとして死んだC.ラクティスを用いて、22℃及び85%の相対湿度でおがくずとの混合物中でP.ペルシミリスを飼育した。毎週、混合物の重量を測定し、各々約50mgを含む4つの試料を採取し、黒色粘着テープ上に置き、計数した。これらの計数に従って総個体数を算出し、各週の飼育用に1500個体を残した。繁殖率は、発見された個体の総数を1500で除することによって算出して、この週の間に個体群が増えた係数を与えた。1日あたりの繁殖率を算出するために、この計算数の7乗根を以下の式に従って求めた。
【0386】
【数2】
式中、λは1日あたりの繁殖率、N(0)は飼育のために残されたダニの初期数(すなわち、1500匹のダニ)、N(t)は1週間の飼育後に発見されたダニの総数であり、t=7である。
【0387】
各個体群を4~10週間維持し、測定したことが注目される。手順全体を3回繰り返した。
【0388】
次に、対照(図6でP-と表示)として使用した従来の又は市販のP.ペルシミリス個体群(自然宿主、すなわちハダニで飼育)と比較した、人工的宿主被食性ダニ(図6でP+と表示)としてのC.ラクティスへの適応のために繁殖され、選択されたP.ペルシミリス個体群の間で、観察された1日の繁殖率の相違(λで表される、有限の増加率)を示す図6を参照する。この図は、試験中にλ値で認められた平均値及び標準誤差を表す。
【0389】
図6に見られるように、C.ラクティス個体(P+)による飼育への適応を改善するために選択されたP.ペルシミリス個体群は、とりわけ記載された(P-)ように前記繁殖及び選択方法に供されていない対照のP.ペルシミリス個体群と比較して、被食性ダニとしてのC.ラクティスで約3.6倍(P+/P-:0.18/0.05)の有意な1日あたりの繁殖率の増加を示した。
【0390】
結論として、本発明は、被食性ダニとしてのC.ラクティス個体のようなアスティグマティドダニで飼育した場合、繁殖率形質の向上を特徴とするP.ペルシミリス個体群を初めて提供する。これにより、同じアスティグマタ種被食性ダニで飼育すると繁殖率及び収量が大幅に減少することを実証する現在利用可能な無選択のP.ペルシミリスダニと比較して、アスティグマタ種で飼育すると収量が増加する改良P.ペルシミリス捕食性ダニの非常に望ましく、革新的な室内生産が可能となる。
【0391】
[実施例7]
<田畑でのダニの緩徐放出>
この実施例は、温室条件における本発明の緩徐放出システム(例えば上記実施例4に記載されたようなもの)の性能を示す。
【0392】
甘辛唐辛子植物を温室に植え、3種類の異なる処理に5回曝露した。
a) 30匹のP.ペルシミリス個体を含む緩徐放出サシェを、植物がハダニに寄生される13日前に植物に施用した。
b) 30匹のP.ペルシミリス個体を含む緩徐放出サシェを、植物がハダニに寄生される6日前に植物に施用した。
c) P.ペルシミリスに暴露しなかった対照植物。
【0393】
1メートルの高さの植物の下部にサシェを置いた。寄生は、ハダニに寄生された葉を植物の天葉の1つにホチキスで固定することで行った。各植物のダニ個体群を、植物がハダニに寄生された3日後にサンプリングした。寄生葉上又はそれより上に見いだされたハダニ及びP.ペルシミリスダニを計数した。
【0394】
次に、本発明の緩徐放出システムに曝露された植物のP.ペルシミリス(Pp)及びハダニの数を対照植物と比較してグラフで示す図7を参照する。見てわかるように、捕食性ダニはP.ペルシミリス処理の両方に曝露された植物において見いだされた。さらに、P.ペルシミリスで処理された植物におけるハダニの量は、対照植物と比較して急速に減少した。特に、P.ペルシミリスの数とハダニの数の間に逆の相関が観察された。すなわち、植物上にP.ペルシミリスダニが見つかるほど、ハダニの数は少なくなった。この実験は、P.ペルシミリスダニ、さらに具体的には本発明の組成物がハダニの寄生に対して有効であることを明確に示している。本発明のP.ペルシミリス緩徐放出システムは、P.ペルシミリスの施用とハダニが植物に到着するまでが比較的長い時間(約6~13日)であるにもかかわらず、植物上のハダニ個体群を減少させた。このことは、ハダニの寄生を防除する上で本明細書に記載されたP.ペルシミリス組成物及び緩徐システムの有効性を示している。
【0395】
参考文献:
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図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-03-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスティグマタ(コナダニ)目のダニ種を捕食しつつ、少なくとも2世代の産卵が可能である、フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群であって、さらに、前記アスティグマタ被食性ダニは、非生存卵、又は非生存ダニと非生存卵との組み合わせからなる群から選択される、捕食性ダニ個体群
【請求項2】
前記捕食性ダニ個体群が、約1.15~1.2の範囲の1日あたりの繁殖率を示す、請求項1の捕食性ダニ個体群
【請求項3】
前記捕食性ダニ個体群が、ベージュ-ホワイト色であることを特徴とする、請求項1の捕食性ダニ個体群
【請求項4】
前記捕食性ダニ種が、フィトセイウルス・フラガリアエ、フィトセイウルス・ロンギペス、フィトセイウルス・マクロピリス、フィトセイウルス・ペルシミリス及びフィトセイウルス・ロベルトシからなる群から選択される、請求項1の捕食性ダニ個体群
【請求項5】
前記アスティグマタ目の種が、カルポグリフィダエ、ピログリフィダエ、アカリダエ及びグリシファギダエからなる群から選択される科に属する、請求項1の捕食性ダニ個体群
【請求項6】
前記アスティグマタ目の種が、カルポグリフィダエ科、例えばカルポグリフス属、例えばカルボグリフス・ラクティス、カルボグリフス・ムンロイ、グリシファギダエ科、例えばグリシファグス属、例えばグリシファグス・ドメスティクス、レピドグリフス属、例えばレピドグリフス・デストラクター、ピログリフィダエ科、例えばデルマトファゴイデス属、例えばデルマトファゴイデス・ファリナエ、デルマトファゴイデス・プテロニシヌス、アカリダエ科、例えばチロファグス属、例えばチロファグス・プトレセンティアエの仲間を含む、請求項1の捕食性ダニ個体群
【請求項7】
前記アスティグマタ被食性ダニは、非生存幼ダニを含む混合物を含む、請求項1の捕食性ダニ個体群
【請求項8】
おがくず、ふすま又は別の担体材料などの担体をさらに含む、請求項1の捕食性ダニ個体群
【請求項9】
アスティグマタ目の前記ダニ種で飼育された前記捕食性ダニ個体群が、1日あたり少なくとも約15%の範囲の平均率で繁殖する、請求項1の捕食性ダニ個体群
【請求項10】
凍結、加熱、低温衝撃又は熱ショック処理などの熱処理、ガス又は煙処理などの化学処理、UV、マイクロ波、ガンマ照射又はX線処理などの放射線処理、激しい振盪、又は撹拌、せん断力にさらすこと、衝突などの機械的処理、超音波処理、圧力変化、圧力低下などのガス圧処理、感電死などの電気的処理、接着剤による固定化、水又は食物欠乏によって誘発されるような餓死による固定化、大気から酸素を一時的に除去するか、又は別のガスにより酸素を置換するなどによる窒息又は酸素欠乏処理による固定化、及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される処理によってアスティグマティド個体が処理されている、請求項1の捕食性ダニ個体群
【請求項11】
前記被食性ダニが、フィトセイイダエ科のダニ種をさらに含む、請求項1の捕食性ダニ個体群
【請求項12】
フィトセイイダエ科の前記被食性ダニ種が生存していない、請求項11捕食性ダニ個体群
【請求項13】
作物害虫を防除することができる、請求項1の捕食性ダニ個体群
【請求項14】
前記作物害虫が、ダニ害虫の群から選択される、請求項13捕食性ダニ個体群
【請求項15】
作物植物上の前記捕食性ダニの制御放出のために処方された、請求項1~14のいずれか一項に記載の捕食性ダニ個体群
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の捕食性ダニ個体群を含む容器であって、作物植物上の前記捕食性ダニの制御放出のために構成されている、容器
【請求項17】
フィトセイウルス属の少なくとも1つのダニ種を含む捕食性ダニ個体群を飼育する方法であって、
(a)請求項1~15のいずれか一項に記載の捕食性ダニ個体群を提供すること、及び
(b)少なくとも2世代にわたり、捕食性ダニ個体群の個体にアスティグマティドの個体を捕食させること
を含む方法。
【請求項18】
作物害虫を防除する方法であって、請求項1~15のいずれか一項に記載の捕食性ダニ個体群を農作物に施用することを含む方法。
【請求項19】
前記作物害虫が、ダニ害虫の群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
作物害虫を防除するための、請求項1~15のいずれか一項に記載の捕食性ダニ個体群の使用。
【請求項21】
前記作物害虫が、一連のダニ害虫から選択される、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
作物が、温室栽培作物、田畑作物、野菜、観賞植物、果樹、ホップ、綿及びイチゴからなる群から選択される、請求項20に記載の使用。
【請求項23】
作物害虫を防除するための生物的防除剤(BCA)であって、
(a)請求項1~15のいずれか一項に記載の捕食性ダニ個体群
(b)アスティグマタ目の少なくとも1種を含む被食性ダニ個体であって、前記アスティグマタ個体は、非生存卵、又は非生存ダニと非生存卵との組み合わせからなる群から選択される被食性ダニ個体及び
(c)担体材料
の混合物を含む、生物的防除剤。