(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054281
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】リブ付きアウトソールおよびノッチ入りミッドソールを有する履物物品
(51)【国際特許分類】
A43B 13/14 20060101AFI20240409BHJP
A43B 13/38 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
A43B13/14 D
A43B13/38 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024018415
(22)【出願日】2024-02-09
(62)【分割の表示】P 2022075968の分割
【原出願日】2019-01-21
(31)【優先権主張番号】15/877,083
(32)【優先日】2018-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/237,459
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510204998
【氏名又は名称】アディダス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100114409
【弁理士】
【氏名又は名称】古橋 伸茂
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル レジナルド ルーシェ
(72)【発明者】
【氏名】マッテオ エドモンド パドヴァニ
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ アラン ロブスティ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー マーク ブリル
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ネルソン パディラ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】リブ付きアウトソールおよびノッチ入りミッドソールを有する履物物品を提供すること。
【解決手段】履物物品用ソールは、長手方向リブを有するアウトソールと、アウトソール上方に配設され、ノッチを定めるミッドソールとを含む。長手方向リブは、ノッチ内に配設される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物物品用ソールであって、ソールが、
アウトソールであって、アウトソールの前足部横区分に配設された第1の突起と、アウ
トソールの後足部中央区分に配設された第2の突起とを備えており、第1および第2の突
起がそれぞれ、アウトソールの上面で突出している、アウトソールと、
アウトソールの上方に配設されたミッドソールであって、ミッドソールの前足部横区分
に配設された第1のノッチと、ミッドソールの後足部中央区分に配設された第2のノッチ
とを定めるミッドソールと、
を備えており、第1の突起が第1のノッチに配設され、第2の突起が第2のノッチに配設
される、ソール。
【請求項2】
第1および第2の突起が、アウトソールの材料と同じ材料を備えている、請求項1に記載
のソール。
【請求項3】
第1および第2の突起が、アウトソールの一体部分である、請求項1に記載のソール。
【請求項4】
第1および第2の突起がゴムポッドである、請求項1に記載のソール。
【請求項5】
第1および第2の突起が、アウトソールに挿入された別個の構成要素である、請求項1に
記載のソール。
【請求項6】
第1および第2の突起が長手方向突起である、請求項1に記載のソール。
【請求項7】
第1および第2の突起が湾曲している、請求項1に記載のソール。
【請求項8】
アウトソールが複数の開口を定める、請求項1に記載のソール。
【請求項9】
第1および第2の突起が、アウトソールの上面にある2つの突起だけである、請求項1に
記載のソール。
【請求項10】
第1および第2の突起、ならびに第1および第2のノッチを配置することによって、ソー
ルの前足部横区分および後足部中央区分において、ソールに横方向安定性が付与される、
請求項1に記載のソール。
【請求項11】
履物物品であって、
アッパーと、
アッパーに結合されたミッドソールであって、ミッドソールの前足部横区分に配設され
た第1のノッチと、ミッドソールの後足部中央区分に配設された第2のノッチとを定める
ミッドソールと、
ミッドソールに結合されたアウトソールであって、アウトソールの前足部横区分に配設
された第1の突起と、アウトソールの後足部中央区分に配設された第2の突起とを備えて
おり、第1および第2の突起がそれぞれ、アウトソールの上面で突出している、アウトソ
ールと、
を備えており、第1の突起が第1のノッチに配設され、第2の突起が第2のノッチに配設
される、ソール。
【請求項12】
第1および第2の突起が、アウトソールの材料と同じ材料を備えている、請求項11に記
載の履物物品。
【請求項13】
第1および第2の突起が、アウトソールの一体部分である、請求項11に記載の履物物品
。
【請求項14】
第1および第2の突起がゴムポッドである、請求項11に記載の履物物品。
【請求項15】
第1および第2の突起が、アウトソールに挿入された別個の構成要素である、請求項11
に記載の履物物品。
【請求項16】
第1および第2の突起が長手方向突起である、請求項11に記載の履物物品。
【請求項17】
第1および第2の突起が湾曲している、請求項11に記載の履物物品。
【請求項18】
アウトソールが複数の開口を定める、請求項11に記載の履物物品。
【請求項19】
第1および第2の突起が、アウトソールの上面にある2つの突起だけである、請求項11
に記載の履物物品。
【請求項20】
第1および第2の突起、ならびに第1および第2のノッチを配置することによって、ソー
ルの前足部横区分および後足部中央区分において、ソールに横方向安定性が付与される、
請求項11に記載の履物物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2018年1月22日に出願された「Article of Footwear with Ribbed Outs
ole and Notched Midsole」という名称の米国特許出願第15/877,083号の一部
継続出願であり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の実施形態は、全般的に履物物品に関し、より具体的には、リブ付きアウトソー
ルおよびノッチ入りミッドソールを有する履物物品に関する。
【背景技術】
【0003】
履物物品は、着用者の歩くおよび/または走るという経験を向上させるために使用され
る。例えば、ソールは、歩行周期の踵からつま先への推移を向上させる緩衝性、支持、お
よび安定性を提供することができる。所望の特性を実現するようにソールおよび履物物品
を改善して着用者の経験を向上させることが、望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
リブ付きアウトソールおよびノッチ入りミッドソールを有する履物物品が開示される。
いくつかの実施形態では、履物物品のソールは、長手方向リブを有するアウトソールと、
アウトソールの上方に配設され、ノッチを定める(define)ミッドソールとを含む。いく
つかの実施形態では、長手方向リブは、ノッチ内に配設される。
【0005】
いくつかの実施形態では、アウトソールは5つの長手方向リブを有している。いくつか
の実施形態では、長手方向リブは、ソールの前足部領域に配設される。いくつかの実施形
態では、長手方向リブは、ソールの中足部領域に配設される。いくつかの実施形態では、
長手方向リブは、ソールの後足部領域に配設される。いくつかの実施形態では、長手方向
リブは、互いに同じ長さを有している。いくつかの実施形態では、長手方向リブのうちの
少なくとも1つは、別の長手方向リブとは異なった長さを有している。
【0006】
いくつかの実施形態では、履物物品は、アッパーと、アッパーに結合された、底面にノ
ッチを定めるミッドソールと、ミッドソールに結合された、上面から延在している長手方
向リブを有するアウトソールとを含んでいる。いくつかの実施形態では、それぞれの長手
方向リブは、ノッチのうちの1つに配設される。
【0007】
いくつかの実施形態では、長手方向リブは、履物物品の前足部領域に配設される。いく
つかの実施形態では、長手方向リブは、履物物品の前足部領域だけに配設される。いくつ
かの実施形態では、アウトソールの上面は、長手方向リブを除き平坦である。
【0008】
いくつかの実施形態では、ノッチは相互連結されていない。いくつかの実施形態では、
アウトソールの底面は、長手方向リブの反対側に位置付けられたいかなるノッチも定めて
いない。いくつかの実施形態では、ミッドソールの上面は、ノッチの反対側に位置付けら
れたいかなる長手方向リブも有していない。
【0009】
いくつかの実施形態では、履物物品用ソールは、長手方向リブをその上面に有するアウ
トソールと、長手方向リブ上に相補的に嵌まるノッチを定めるミッドソールとを含んでい
る。
【0010】
いくつかの実施形態では、長手方向リブは、ソールの前足部領域に配設される。いくつ
かの実施形態では、ソールは、着用者の歩行サイクル中にソールの前足部へのより迅速な
推移を促進する。いくつかの実施形態では、ノッチ内に配設された長手方向リブは、ソー
ルを硬くする。いくつかの実施形態では、アウトソールは、アウトソールを貫通して延在
している穴のパターンを定める。いくつかの実施形態では、穴は列に配設される。いくつ
かの実施形態では、穴の列は、長手方向リブ同士の間に配設される。
【0011】
いくつかの実施形態では、履物物品用ソールは、アウトソールとミッドソールとを含む
。いくつかの実施形態では、アウトソールは、アウトソールの前足部横区分に配設された
第1の突起と、アウトソールの後足部中央区分に配設された第2の突起とを含んでいる。
いくつかの実施形態では、第1および第2の突起はそれぞれ、アウトソールの上面で突出
している。いくつかの実施形態では、ミッドソールは、アウトソールの上方に配設され、
ミッドソールの前足部横区分に配設された第1のノッチと、ミッドソールの後足部中央区
分に配設された第2のノッチとを定める。いくつかの実施形態では、第1の突起は第1の
ノッチに配設され、第2の突起は第2のノッチに配設される。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1および第2の突起は、アウトソールの材料と同じ材料を
含んでいる。いくつかの実施形態では、第1および第2の突起は、アウトソールの一体部
分である。いくつかの実施形態では、第1および第2の突起は、ゴムポッド(rubber pod
)である。いくつかの実施形態では、第1および第2の突起は、アウトソールに挿入され
た別個の構成要素である。いくつかの実施形態では、第1および第2の突起は、長手方向
突起である。いくつかの実施形態では、第1および第2の突起は湾曲している。いくつか
の実施形態では、アウトソールは、複数の開口を定める。いくつかの実施形態では、第1
および第2の突起は、アウトソールの上面にある2つの突起だけである。いくつかの実施
形態では、第1および第2の突起、ならびに第1および第2のノッチを配置することによ
って、ソールの前足部横区分および後足部中央区分において、ソールに横方向安定性が付
与される。
【0013】
いくつかの実施形態では、履物物品は、アッパーと、アッパーに結合されたミッドソー
ルと、ミッドソールに結合されたアウトソールとを含んでいる。いくつかの実施形態では
、ミッドソールは、ミッドソールの前足部横区分に配設された第1のノッチと、ミッドソ
ールの後足部中央区分に配設された第2のノッチとを定める。いくつかの実施形態では、
アウトソールは、アウトソールの前足部横区分に配設された第1の突起と、アウトソール
の後足部中央区分に配設された第2の突起とを含んでいる。いくつかの実施形態では、第
1および第2の突起はそれぞれ、アウトソールの上面で突出している。いくつかの実施形
態では、第1の突起は第1のノッチに配設され、第2の突起は第2のノッチに配設される
。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1および第2の突起は、アウトソールの材料と同じ材料を
含んでいる。いくつかの実施形態では、第1および第2の突起は、アウトソールの一体部
分である。いくつかの実施形態では、第1および第2の突起は、ゴムポッドである。いく
つかの実施形態では、第1および第2の突起は、アウトソールに挿入された別個の構成要
素である。いくつかの実施形態では、第1および第2の突起は、長手方向突起である。い
くつかの実施形態では、第1および第2の突起は湾曲している。いくつかの実施形態では
、アウトソールは、複数の開口を定める。いくつかの実施形態では、第1および第2の突
起は、アウトソールの上面にある2つの突起だけである。いくつかの実施形態では、第1
および第2の突起、ならびに第1および第2のノッチを配置することによって、ソールの
前足部横区分および後足部中央区分において、ソールに横方向安定性が付与される。
【0015】
本発明は、以下の実施形態を含んでいる。
[1]履物物品用ソールであって、ソールが、
アウトソールであって、アウトソールの前足部横区分に配設された第1の突起と、アウ
トソールの後足部中央区分に配設された第2の突起とを備えており、第1および第2の突
起がそれぞれ、アウトソールの上面で突出している、アウトソールと、
アウトソールの上方に配設されたミッドソールであって、ミッドソールの前足部横区分
に配設された第1のノッチと、ミッドソールの後足部中央区分に配設された第2のノッチ
とを定めるミッドソールと、
を備えており、第1の突起が第1のノッチに配設され、第2の突起が第2のノッチに配設
される、ソール。
[2]第1および第2の突起が、アウトソールの材料と同じ材料を備えている、[1]
に記載のソール。
[3]第1および第2の突起が、アウトソールの一体部分である、[1]に記載のソー
ル。
[4]第1および第2の突起がゴムポッドである、[1]に記載のソール。
[5]第1および第2の突起が、アウトソールに挿入された別個の構成要素である、[
1]に記載のソール。
[6]第1および第2の突起が長手方向突起である、[1]に記載のソール。
[7]第1および第2の突起が湾曲している、[1]に記載のソール。
[8]アウトソールが複数の開口を定める、[1]に記載のソール。
[9]第1および第2の突起が、アウトソールの上面にある2つの突起だけである、[
1]に記載のソール。
[10]第1および第2の突起、ならびに第1および第2のノッチを配置することによ
って、ソールの前足部横区分および後足部中央区分において、ソールに横方向安定性が付
与される、[1]に記載のソール。
[11]履物物品であって、
アッパーと、
アッパーに結合されたミッドソールであって、ミッドソールの前足部横区分に配設され
た第1のノッチと、ミッドソールの後足部中央区分に配設された第2のノッチとを定める
ミッドソールと、
ミッドソールに結合されたアウトソールであって、アウトソールの前足部横区分に配設
された第1の突起と、アウトソールの後足部中央区分に配設された第2の突起とを備えて
おり、第1および第2の突起がそれぞれ、アウトソールの上面で突出している、アウトソ
ールと、
を備えており、第1の突起が第1のノッチに配設され、第2の突起が第2のノッチに配設
される、ソール。
[12]第1および第2の突起が、アウトソールの材料と同じ材料を備えている、[1
1]に記載の履物物品。
[13]第1および第2の突起が、アウトソールの一体部分である、[11]に記載の
履物物品。
[14]第1および第2の突起がゴムポッドである、[11]に記載の履物物品。
[15]第1および第2の突起が、アウトソールに挿入された別個の構成要素である、
[11]に記載の履物物品。
[16]第1および第2の突起が長手方向突起である、[11]に記載の履物物品。
[17]第1および第2の突起が湾曲している、[11]に記載の履物物品。
[18]アウトソールが複数の開口を定める、[11]に記載の履物物品。
[19]第1および第2の突起が、アウトソールの上面にある2つの突起だけである、
[11]に記載の履物物品。
[20]第1および第2の突起、ならびに第1および第2のノッチを配置することによ
って、ソールの前足部横区分および後足部中央区分において、ソールに横方向安定性が付
与される、[11]に記載の履物物品。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を成す添付図面は、本発明を図解するものであ
り、記述とともに、さらに本発明の原理を説明し、当業者が本発明を作製および使用する
ことを可能にする役割を果たす。
【
図1】いくつかの実施形態による履物物品の側面図である。
【
図2】いくつかの実施形態による履物物品用ソールの分解斜視図である。
【
図3】いくつかの実施形態による履物物品用アウトソールの上面図である。
【
図4】いくつかの実施形態による履物物品用アウトソールの一部分の斜視図である。
【
図5】いくつかの実施形態による履物物品用アウトソールの一部分の斜視図である。
【
図6】いくつかの実施形態による履物物品用ミッドソールの斜視図である。
【
図7】いくつかの実施形態による履物物品用ミッドソールの一部分の斜視図である。
【
図8】いくつかの実施形態による履物物品用アウトソールの一部分の底面図である。
【
図9】いくつかの実施形態による履物物品用ミッドソールの底面図である。
【
図10】いくつかの実施形態による履物物品用ミッドソールの底面図である。
【
図11】いくつかの実施形態による履物物品用ソールの分解斜視図である。
【
図12】いくつかの実施形態による履物物品用アウトソールの上面図である。
【
図13】いくつかの実施形態による履物物品用ソールの底面図である。
【
図14】いくつかの実施形態による履物物品用ソールの分解斜視図である。
【
図16】16-16’線に沿った
図13のソールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、添付図面で図解されているようなその実施形態を参照しながらここで詳細に
記述され、図面では、同じまたは機能的に類似した要素を示すために同様の参照符号が使
用される。「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的な実施形態」などという言及は
、記述された実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含むかもしれないが、すべての
実施形態が必ずしもそれらの特定の特徴、構造、または特性を含んでいるとは限らないこ
とを示している。さらに、そのような語句は必ずしも同じ実施形態を指しているとは限ら
ない。さらに特定の特徴、構造、または特性が、ある実施形態に関連して記述されている
とき、明確に記述されているか否かに関わらず、他の実施形態と関連して、そのような特
定の特徴、構造、または特性に影響を与えることを、当業者が理解していると考えられる
。
【0018】
本明細書で使用される場合、「発明」または「本発明」という用語は、非限定的な用語
であり、特定の発明のいかなる単一の実施形態を指すのではなく、本明細書に記述される
ようなすべての考えられる実施形態を包含することが意図されている。
【0019】
以下の例は、本発明を図解するものであるが、限定するものではない。当分野で通常遭
遇する、当業者には明白な様々な条件およびパラメータの他の好適な修正および適応は、
本発明の趣旨および範囲内にある。
【0020】
本発明の実施形態は、リブ付きアウトソールおよびノッチ入りミッドソールを有する履
物物品を提供する。リブ付きアウトソールおよびノッチ入りミッドソールは、足の1つま
たは複数の領域において、調整された屈曲性および剛性を実現する。アウトソールは、ア
ウトソールの1つまたは複数の領域に複数の長手方向リブを備えている。いくつかの実施
形態では、長手方向リブは、アウトソールの上面に配設される。
【0021】
ミッドソールは、長手方向リブを受けるように構成された複数のノッチを定める。いく
つかの実施形態では、ミッドソールはアウトソールの上方に配設され、ノッチはミッドソ
ールの底面に配設される。
【0022】
ノッチとリブの相互作用によって、ノットとリブが位置付けられた領域(例えば、足の
中足骨指骨関節(MTP)下の中足部から前足部の領域)でソール(例えば、アウトソー
ルおよび/またはミッドソール)を硬くすることができる。いくつかの実施形態では、ミ
ッドソールの材料容積をアウトソールの材料容積に入れ替える(すなわち、リブおよびノ
ッチを加える)ことによって、アウトソールを硬くすることができる。いくつかの実施形
態では、ノッチとリブの相互作用によって、ミッドソールを間接的に硬くすることができ
る。ノッチおよびリブは、揺れ(すなわち後ろから前への)を容易にする形状を作り出す
こともできる。したがって履物物品は、前足部へのより迅速な推移を促進し、それにより
着用者の動きの推進相を強化することができる。ノッチおよびリブを用いて調整された屈
曲性および剛性を実現するソールは、作製および製造が容易であり、特定の着用者に合わ
せてカスタマイズおよび/または調整するのも容易である。
【0023】
いくつかの実施形態では、例えば
図1に示されているように履物物品10は、前足部領
域12、中足部領域14、および後足部領域16を備えている。履物物品10は、アッパ
ー18を備えていてもよい。任意の好適なアッパーが、アッパー18として使用されても
よい。履物物品10は、ミッドソール20およびアウトソール30を含むソール19を備
えている。いくつかの実施形態では、アッパー18はミッドソール20に結合されている
。例えばアッパー18は、ミッドソール20に縫い付け、付着、または接着されてもよい
。いくつかの実施形態では、ミッドソール20はアウトソール30に結合される。例えば
、ミッドソール20はアウトソール30に直接付着されてもよい。あるいは、ミッドソー
ル20はアウトソール30に接着剤で接着されてもよい。いくつかの実施形態では、ミッ
ドソール20は、熱可塑性ポリウレタン発泡粒子(e-TPU)から作られる。
【0024】
いくつかの実施形態では、ミッドソール20は、例えば
図2に示されているように、ア
ウトソール30の上方に配設される。アウトソール30の上面34は、ミッドソール20
の底面26に対応していてもよい。例えば、アウトソール30は、上面34から延在して
いる1つまたは複数の構造部を含んでいてもよく、ミッドソール20は、その構造部に対
応した1つまたは複数の空所を、底面26に定めてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、アウトソール30は、上面34から延在している長手方向リ
ブ32を備えている。長手方向リブ32は、長手方向リブ32の幅よりも長手方向リブ3
2の長さが大きくなるように、履物物品10の長手方向に延在している。いくつかの実施
形態では、長手方向リブ32は、その長さに沿って変化している高さを有している(
図5
を参照)。例えば、長手方向リブ32の上面は、長手方向リブ32の長さの中心、または
ほぼ中心で長手方向リブ32の高さが最大になり、長手方向リブ32の端部のアウトソー
ル30の上面34に向かって徐々に下向きに延在した状態で、湾曲していてもよい。いく
つかの実施形態では、長手方向リブ32の上面は、ドーム状であってもよい。この構成は
、前足部へのより迅速な推移を促進する揺れ機能に寄与することができ、それにより着用
者の動きの推進相が強化される。例えば、長手方向リブ32の湾曲した形状は、推進時つ
ま先離地(propulsive toe-off)に向かう前足部の推移が生じる場所であるMTP関節の
下に長手方向リブ32が正確に位置付けられたときに、最小の態様でより迅速な足の転が
りを支持する。いくつかの実施形態では、長手方向リブ32は、ミッドソール20(例え
ばe-TPUミッドソール)よりも高硬度を有し、長手方向リブ32の湾曲とあいまって
、「ミニ」揺り子が形成されてもよい。揺り子は、その不安定な湾曲の頂点から、より中
立の(静止)位置への変位を自然に促進し、したがって、着用者がつま先離地相になるの
を補助する。他の形状および高さを、長手方向リブ32に使用することも可能である。
【0026】
長手方向リブ32は、アウトソール30の上面34の様々なロケーションに配設されて
もよい。いくつかの実施形態では、長手方向リブ32は、中足部領域14に配設される。
いくつかの実施形態では、長手方向リブ32は、前足部領域12に配設される。長手方向
リブ32は、中足部領域14から前足部領域12に延在してもよい。例えば、長手方向リ
ブ32は、足の中足骨指骨関節(MTP)の下に配設されてもよい。いくつかの実施形態
では、長手方向リブ32は、前足部領域12だけに配設される。いくつかの実施形態では
、長手方向リブ32は、複数の領域に別々に配設される。例えば、長手方向リブ32の第
1のセットが中足部領域14に配設され、長手方向リブ32の第2のセットが後足部領域
16に配設されてもよい。他の構成も可能である。例えば、いくつかの実施形態では、ア
ウトソール30は斜め方向リブおよび/または横断方向リブを含んでいてもよい。そのよ
うな斜め方向のリブおよび/または横断方向のリブは、前足部領域12、中足部領域14
、および/または後足部領域16に位置付けられてもよい。斜め方向リブおよび/または
横断方向リブは、以下で検討するように、
図9および
図10に示されているノッチに対応
していてもよい。いくつかの実施形態では、長手方向リブ32は、後足部領域16から前
足部領域12に延在している。
【0027】
いくつかの実施形態では、長手方向リブ32は、互いに平行に配設される。長手方向リ
ブ32のセットは、例えば
図3に示されているように、(例えば中足部領域14および/
または前足部領域12の)アウトソール30の幅にわたって、互いに離間して配設されて
もよい。いくつかの実施形態では、アウトソール30は、少なくとも3つの長手方向リブ
32を含んでいる。例えば
図3~
図5に示されているように、アウトソール30は、5つ
の長手方向リブ32を含んでいる。異なる数の長手方向リブ32が使用されてもよい(例
えば、2つ、4つ、または5つ以上)。いくつかの実施形態では、長手方向リブ32が前
足部領域12の幅にわたって分散していることによって、圧縮および荷重中に、ミッドソ
ール20の横断方向への変位を抑制しやすくなる。例えば、長手方向リブ32は、ミッド
ソール20の底面をより狭いエリアに区分けして、横断方向への移動および変位を制限し
てもよい。いくつかの実施形態では、ソールにわたるミッドソールの横断方向の移動およ
び変位をいく分か制限することによって、曲線走時、突然の方向変換(カット)時、また
は横方向の急ブレーキ時に、足の安定性を向上させやすくなる。
【0028】
いくつかの実施形態では、長手方向リブ32は、それぞれが同じ長さを有する。あるい
は、長手方向リブ32は、互いに異なる長さを有してもよい。いくつかの実施形態では、
長手方向リブ32の端部は、履物物品10の長手方向に沿って互いに位置合わせされてい
る。いくつかの実施形態では、長手方向リブ32の端部は、位置合わせされていなくても
よい(
図3を参照)。
【0029】
いくつかの実施形態では、長手方向リブ32は、アウトソール30と1つの一体構造部
分である。したがって、長手方向リブ32は、アウトソール30とともに一体成形されて
もよい。したがって、リブ付きアウトソール30は製造が容易である。
【0030】
いくつかの実施形態では、アウトソール30の上面34は、長手方向リブ32を除き平
坦である。例えば長手方向リブ32は、(例えば横断方向リブまたは他の突出構造によっ
て)相互連結されていない。いくつかの実施形態では、アウトソール30の底面36は、
長手方向リブ32の反対側に位置付けられたいかなるノッチも定めていない。
【0031】
いくつかの実施形態では、アウトソール30は、例えば
図3~
図5に示されているよう
に、アウトソール30を貫通して延在している穴38のパターンを定める。穴38は列に
配設されてもよい。例えば、穴38の列は、長手方向リブ32同士の間に配設されてもよ
い。いくつかの実施形態では、穴38はサイズおよび形状が異なっている。穴38は、例
えば円形、正方形、矩形、または楕円形であってもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、ミッドソール20は、例えば
図2、
図6、および
図7に示さ
れているように、長手方向リブ32に対応したノッチ22を、ミッドソール20の底面2
6に定める。ノッチ22は、長手方向リブ32上に相補的に嵌まるように構成される。し
たがって、履物物品10が完全に組み立てられたとき(
図1を参照)、長手方向リブ32
はノッチ22内に配設される。いくつかの実施形態では、長手方向リブ32はノッチ22
を完全に満たす。いくつかの実施形態では、ノッチ22に配設された長手方向リブ32に
よって、ソールアセンブリ(例えばアウトソール30および/またはミッドソール20)
を硬くする。いくつかの実施形態では、リブ32とノッチ22を加えることによってアウ
トソールが硬くなることから、ノッチ22とリブ32の相互作用は、ソールアセンブリ全
体を硬くすることができる。いくつかの実施形態では、ミッドソール20は間接的に硬く
されてもよい。長手方向リブ32がMTP関節の下に位置付けられたとき、相補的なノッ
チ22によって、(着用者の歩行の)長手方向へのさらなる伸び抵抗が提供され、それに
より中足骨関節における足靭帯の機能を補助する。長手方向リブ32があると、ミッドソ
ール20の緩衝性が柔らかく快適になり得、一方でアウトソール30は、歩行の推進相中
に(伸びに抵抗することによって)、長手方向リブ32がない場合よりも多くのエネルギ
ーを蓄え、戻す。アウトソール30を硬くすることによって、着用者はそれにより早く走
ることができる。ソール19は、着用者の歩行サイクル中に前足部へのより迅速な推移を
促進するように構成されてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、ノッチ22は、ノッチ22の幅よりもノッチ22の長さが大
きくなるように、履物物品10の長手方向に延在している。いくつかの実施形態では、ノ
ッチ22は、その長さに沿って変化している深さを有している(
図7を参照)。例えば、
ノッチ22の表面は、ノッチ22の長さの中心、またはほぼ中心でノッチ22の深さが最
大になり、ノッチ22の端部のミッドソール20の底面26に向かって徐々に下向きに延
在した状態で、湾曲していてもよい。この構成は、前足部へのより迅速な推移を促進する
揺れ機能に寄与することができ、それにより着用者の動きの推進相が強化される。例えば
、湾曲した形状によって、長手方向リブ32に関して上記で検討したように、より迅速な
足の揺れが支持される。他の形状および深さを、ノッチ22に使用することも可能である
。
【0034】
ノッチ22は、ミッドソール20の底面26の様々なロケーションに配設されてもよい
。いくつかの実施形態では、ノッチ22は、中足部領域14に配設される。いくつかの実
施形態では、ノッチ22は、前足部領域12に配設される。ノッチ22は、中足部領域1
4から前足部領域12に延在してもよい。いくつかの実施形態では、ノッチ22は、前足
部領域12だけに配設される。いくつかの実施形態では、ノッチ22は、複数の領域に別
々に配設される。例えば、ノッチ22の第1のセットが中足部領域14に配設され、ノッ
チ22の第2のセットが後足部領域16に配設されてもよい。他の構成も可能である。例
えば、いくつかの実施形態では、
図9に示されているように、ミッドソール120は、斜
め方向ノッチ123と長手方向ノッチ122の組合せを含んでいる。いくつかの実施形態
では、斜め方向ノッチ123は、
図9に示されているように、前足部領域および/または
後足部領域に配設されてもよい。斜め方向ノッチ123は、中足部領域にも配設されてよ
い。いくつかの実施形態では、長手方向ノッチ122は、斜め方向ノッチ123とともに
後足部領域に配設されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば
図10に示されている
ように、ミッドソール220は、横断方向ノッチ223を含んでいる。いくつかの実施形
態では、横断方向ノッチ223は、前足部領域に配設される。そのような横断方向ノッチ
223は、同じくもしくは代替的に、中足部領域および/または後足部領域に位置付けら
れてもよい。斜め方向ノッチ123、長手方向ノッチ122は、および横断方向ノッチ2
23の任意の組合せがミッドソールに配設され、それらに対応したリブがアウトソールに
配設されてもよい。いくつかの実施形態では、ノッチ22は、後足部領域16から前足部
領域12に延在している。
【0035】
いくつかの実施形態では、ノッチ22は、互いに平行に配設される。ノッチ22のセッ
トは、例えば
図6および
図7に示されているように、(例えば中足部領域14および/ま
たは前足部領域12の)ミッドソール30の幅にわたって、互いに離間して配設されても
よい。いくつかの実施形態では、ミッドソール20は、少なくとも3つのノッチ22を含
んでいる。例えば
図6および
図7に示されているように、ミッドソール20は、5つのノ
ッチ22を含んでいる。異なる数のノッチ22が使用されてもよい(例えば、2つ、4つ
、または5つ以上)。
【0036】
いくつかの実施形態では、ノッチ22は、それぞれが同じ長さを有する。あるいは、ノ
ッチ22は、互いに異なる長さを有してもよい。いくつかの実施形態では、ノッチ22の
端部は、履物物品10の長手方向に沿って互いに位置合わせされている。いくつかの実施
形態では、ノッチ22の端部は、位置合わせされていなくてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、ノッチ22は、ミッドソール20の成形プロセス中に形成さ
れ、それにより履物物品10の容易な製造が促進される。
【0038】
いくつかの実施形態では、ミッドソール20の底面26は、ノッチ22を除き平坦であ
る。例えばノッチ22は、(例えば横断方向ノッチによって)相互連結されていない。い
くつかの実施形態では、ミッドソール20の上面24は、ノッチ22の反対側に位置付け
られた長手方向リブを有していない。
【0039】
いくつかの実施形態では、例えば
図8に示されているように、アウトソール30は、底
面36から延在している突出部40を備えている。突出部40は1つまたは複数の列に配
設されてもよい。いくつかの実施形態では、突出部40の列は、穴38の列同士の間に配
設される。いくつかの実施形態では、突出部40は、突出部40の接地面に配設された複
数の溝42を定めており、それにより、履物物品10の牽引力を増大させることができる
。いくつかの実施形態では、それぞれの列の突出部40は、アウトソール30の底面36
から延在している連結部材44で連結されている。いくつかの実施形態では、連結部材4
4は、長手方向のより大きい伸び抵抗を提供することによって、アウトソールを硬くする
ことに寄与する。いくつかの実施形態では、連結部材44によって、アウトソール30は
、歩行の推進相中に(伸びに抵抗することによって)、連結部材44がない場合よりも多
くのエネルギーを蓄え、戻しやすくなる。アウトソール30を硬くすることによって、着
用者はそれにより早く走ることができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、履物物品10は、特に多方向ランニング中に、履物物品10
の緩衝性の過剰側方化(または漏れ)を防止しやすくするように構成される。いくつかの
実施形態では、履物物品10用のソールに、動的バンキング(dynamic banking)の突起
のセットが含まれている。動的バンキングの突起は、足の中央および側方区分において追
加的な横方向の安定性および支持を提供することができ、それにより、多方向ランニング
中に過剰側方化または漏れを起こすいかなる傾向にも反作用する。
【0041】
例えば、履物物品10は、例えば
図11に示されているようなソール319に結合され
るアッパー18(
図1に示されているような)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態
では、ソール319は、ミッドソール320およびアウトソール330を含んでいる。ソ
ール319(ミッドソール320およびアウトソール330を含む)は、前足部領域31
2、中足部領域314、および後足部領域316を含んでいてもよい。ソール319(ミ
ッドソール320およびアウトソール330を含む)は、横側311および中央側313
を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、ソール319は、平坦であっても、部分
的に湾曲していてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、アッパー18はミッドソール320に結合される。例えばア
ッパー18は、ミッドソール320に縫い付け、付着、または接着されてもよい。いくつ
かの実施形態では、ミッドソール320はアウトソール330に結合される。例えば、ミ
ッドソール320はアウトソール330に直接付着されてもよい。あるいは、ミッドソー
ル320はアウトソール330に接着剤で接着されてもよい。いくつかの実施形態では、
ミッドソール320は、熱可塑性ポリウレタン発泡粒子(e-TPU)から作られる。
【0043】
いくつかの実施形態では、ミッドソール320は、例えば
図11に示されているように
、アウトソール330上方に配設される。アウトソール330の上面334は、ミッドソ
ール320の底面326に対応していてもよい。例えば、アウトソール330は、上面3
34から延在している1つまたは複数の構造部を含んでいてもよく、ミッドソール320
は、その構造部に対応した1つまたは複数の空所を、底面326に定めてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、アウトソール330は、例えば
図11~
図13に示されてい
るように、1つまたは複数の突起を備えている。例えば、アウトソール330は第1の突
起332および第2の突起333を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、第1の
突起332および第2の突起333は、それぞれアウトソール330の上面334上に突
出している(
図11を参照)。いくつかの実施形態では、第1の突起332および第2の
突起333は、追加的な横方向安定性および支持をソール319に提供する。いくつかの
実施形態では、第1の突起332および第2の突起333は、横方向安定性を加えること
によって、多方向ランニング中に過剰側方化を着用者が回避しやすくなるように構成され
た動的バンキングの突起である。
【0045】
いくつかの実施形態では、第1の突起332は、アウトソール330の前足部横区分(
すなわち横側311の前足部領域312)に配設される。第1の突起332がこのロケー
ションにあることによって、特に多方向ランニング中に過剰側方化または漏れを防止しや
すくすることができる。その代りに、いくつかの実施形態では、第1の突起332は、前
足部中央区分に配設され(または、前足部中央区分に追加的な突起が配設されてもよく)
、それにより歩行サイクル中に着用者が過剰回内を防止しやすくすることができる。いく
つかの実施形態では、第2の突起333は、アウトソール330の後足部中央区分(すな
わち中央側313の後足部領域316)に配設される。第2の突起333がこのロケーシ
ョンにあることによって、多方向ランニング中に過剰側方化を防止しやすくすることがで
きる。
【0046】
いくつかの実施形態では、第1の突起332および第2の突起333は、アウトソール
330材料と同じ材料を備えている。いくつかの実施形態では、第1の突起332および
第2の突起333は、アウトソール330と1つの一体構造部分である。したがって、第
1の突起332および第2の突起333は、アウトソール330の一体部分であってもよ
い。例えば、第1の突起332および第2の突起333は、アウトソール330と一体成
形されてもよく、それによりアウトソール330を製造しやすくすることができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、第1の突起332および第2の突起333は、アウトソール
330の材料とは異なる材料を備えている。いくつかの実施形態では、第1の突起332
および第2の突起333は、第1の突起332および第2の突起333の材料がアウトソ
ール330の材料と異なっているかどうかに関わらず、アウトソール330に挿入された
別個の構成要素である。いくつかの実施形態では、第1の突起332および第2の突起3
33は、ポッドである。例えば、第1の突起332および第2の突起333は、ゴムポッ
ドであってもよい。ポリマー、ポリウレタン、熱可塑性ポリマー、熱可塑性ポリウレタン
、シリコ―ン、発泡体、または同様の材料などの他の材料が、第1の突起332および第
2の突起333に(ポッドとしてまたは他の形態で)使用されてもよい。いくつかの実施
形態では、第1の突起332は、第2の突起333とは異なっていてもよい。例えば、第
1の突起332は、第2の突起333とは異なる材料であってもよい。いくつかの実施形
態では、第1の突起332は、アウトソール330に挿入されたゴムから作られた別個の
構成要素であってもよく、第2の突起333は、アウトソール330の一体部分として一
体成形されてもよい。他の変形形態も使用することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、第1の突起332および第2の突起333は、長手方向突起
である。例えば、第1の突起332および第2の突起333は、横断方向の第1の突起3
32および第2の突起333の幅よりも、長手方向の第1の突起332および第2の突起
333長さが大きくなるように、履物物品10の長手方向に延在していてもよい。いくつ
かの実施形態では、第1の突起332および/または第2の突起333は、例えば
図13
に示されているように、湾曲している。いくつかの実施形態では、第1の突起332およ
び/または第2の突起333の形状は、アウトソール330の隣接した縁部の輪郭に沿っ
ていてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、第1の突起332および第2の突起333は、アウトソール
330の上面334上にある2つの突起だけである。いくつかの実施形態では、アウトソ
ール330の上面334は、第1の突起332および第2の突起333を除き平坦である
。いくつかの実施形態では、アウトソール330の底面336は、第1の突起332およ
び第2の突起333の反対側に位置付けられたいかなるノッチも定めていない。いくつか
の実施形態では、第1の突起332および第2の突起333は、第1の突起332および
第2の突起333が、アウトソール330の底面336で見えるように、アウトソール3
30を貫通して延在している。第1の突起332および第2の突起333は、アウトソー
ル330の底面336と同一平面上にあってもよく、または第1の突起332および第2
の突起333は、底面336の下に延在していてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、アウトソール330は、アウトソール330を貫通して延在
している複数の開口338を備えている(
図11~
図13を参照)。いくつかの実施形態
では、開口338は列に配設されてもよい。いくつかの実施形態では、開口338はサイ
ズおよび形状が異なっている。開口338は、例えば円形、正方形、矩形、楕円形、また
は何らかの他の形状であってもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、ミッドソール320は、例えば
図14に示されているように
、アウトソール330の1つまたは複数の突起に対応した1つまたは複数のノッチを定め
る。1つまたは複数のノッチは、1つまたは複数の突起上に相補的に嵌まるように構成さ
れる。例えば、ミッドソール320は第1のノッチ322および第2のノッチ323を定
めてもよい。いくつかの実施形態では、第1のノッチ322は、ミッドソール320の前
足部横区分(すなわち横側311の前足部領域312)に配設される。いくつかの実施形
態では、第2のノッチ323は、ミッドソール320の後足部中央区分(すなわち中央側
313の後足部領域316)に配設される。いくつかの実施形態では、ノッチ322、3
23の役割は、突起222、223が嵌まる(または満たす、着座する)ことを可能にし
、それらが位置付けられたエリアにおいてミッドソール320の移動を制限することであ
る。
【0052】
いくつかの実施形態では、ミッドソール320の底面326は、第1のノッチ322お
よび第2のノッチ323を除き平坦である。いくつかの実施形態では、ミッドソール32
0の上面324は、第1のノッチ322および第2のノッチ323の反対側に位置付けら
れた突起を有していない。
【0053】
いくつかの実施形態では、第1のノッチ322および第2のノッチ323は、ミッドソ
ール320の成形プロセス中に形成され、それにより履物物品10の容易な製造が促進さ
れる。
【0054】
いくつかの実施形態では、ミッドソール320の1つまたは複数のノッチは、アウトソ
ール330の1つまたは複数の突起に対応している。第1の突起332は、例えば
図15
に示されているように、第1のノッチ322に配設されていてもよい。第2の突起333
は、例えば
図16に示されているように、第2のノッチ323に配設されてもよい。いく
つかの実施形態では、第1の突起332および第2の突起333は、それぞれノッチ32
2と323を完全に満たす(
図15および
図16を参照)。第1の突起332を第1のノ
ッチ322に配置することによって、ソール319の前足部横区分(すなわち横側311
の前足部領域312)において、ソール319に横方向の安定性を加えることができる。
第2の突起333を第2のノッチ323に配置することによって、ソール319の後足部
中央区分(すなわち中央側313の後足部領域316)において、ソール319に横方向
の安定性を加えることができる。ソール319のこの追加的な横方向の安定性によって、
特に多方向ランニング中に、着用者が過剰側方化を防止しやすくすることができる。ソー
ル319の配置は、突然の方向変換、または横方向カット時など、曲線的な態様で走って
いるときに、着用者の足305の過度な転がりを防止しやすくすることができる。例えば
、第1の突起332および第1のノッチ322により生じる追加的な横方向安定性によっ
て、着用者の足305が、第1の突起332および第1のノッチ322のロケーションを
超えて転がることを防止しやすくなる。同様に、第2の突起333および第2のノッチ3
23により生じる追加的な横方向安定性によって、着用者の足305が、第2の突起33
3および第2のノッチ323のロケーションを超えて転がることを防止しやすくなる。
【0055】
ソール319は、明確に記述されていなくても、ソール19と同様の特徴を有してもよ
い。例えば、アウトソール330の突起は、長手方向リブ32と同じまたは同様の特徴を
持っていてもよい。別の例として、ミッドソール320のノッチは、ノッチ22と同じま
たは同様の特徴を持っていてもよい。いくつかの実施形態では、アウトソールは、長手方
向リブ32、第1の突起332、および第2の突起333を含んでいてもよい。いくつか
の実施形態では、ミッドソールは、第1のノッチ322および第2のノッチ323を含ん
でいてもよい。
【0056】
本明細書に記述された様々な実施形態は、リブ付きアウトソールおよびノッチ入りミッ
ドソールを有する履物物品を提供する。ノッチとリブの相互作用は、ノッチおよびリブが
位置付けられ、揺れ(すなわち後ろから前への)を促進する形状を作り出す領域において
、ソール(例えばアウトソール30および/またはミッドソール20)を硬くすることが
できる。したがって履物物品は、前足部へのより迅速な推移を促進し、それにより着用者
の動きの推進相を強化することができる。それに加えて、アウトソールの幅にわたってリ
ブを分散させることは、ミッドソール底面を狭いエリアに区分けすることによって、圧縮
および荷重中に、ミッドソールの横断方向への変位を抑制しやすくすることができる。ソ
ールにわたるミッドソールの横断方向の移動および変位をいく分か制限することによって
、曲線走時、突然の方向変換(カット)時、または横方向の急ブレーキ時に足の安定性を
向上させやすくなる。ノッチおよびリブを用いて調整された屈曲性および剛性を実現する
ソールは、作製および製造が容易であり、特定の着用者に合わせてカスタマイズおよび/
または調整するのも容易であり得る。本明細書に記述された様々な実施形態は、動的バン
キングの突起を含むアウトソール、およびそれに対応したノッチを有するミッドソールを
有する履物物品も提供する。突起およびノッチは、ソールに横方向安定性を加え、過剰側
方化を低減し、それにより、着用者が突然方向変更するとき、または曲線的な態様で移動
するときに、着用者を補償しやすくする。
【0057】
特徴の実施形態の上記の記述は、本発明の全体的性質を十分明らかにしているので、当
業者の知識を適用することにより、他の人は、不適当な実験をすることなく、本発明の全
体的な概念から逸脱することなく、そのような特定の態様を様々な用途に合わせて容易に
修正する、および/または適合させることができる。したがって、そのような適合および
修正は、本明細書において提示された教示および案内に基づき、開示された実施形態の同
等物の意味および範囲に含まれることが意図される。本明細書における語法または用語は
、説明を目的としたものであり、限定するものではなく、したがって本明細書の用語また
は語法は、教示および案内に鑑み、当業者によって解釈されることが、理解されるべきで
ある。
【0058】
本発明の広さおよび範囲は、上述した例示的な実施形態のいずれによっても限定される
べきではなく、以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物だけに従って定義されるべき
である。
【符号の説明】
【0059】
10 履物物品
12 前足部領域
14 中足部領域
16 後足部領域
18 アッパー
19 ソール
20 ミッドソール
22 ノッチ
24 ミッドソールの上面
26 ミッドソールの底面
30 アウトソール
32 長手方向リブ
34 アウトソールの上面
36 アウトソールの底面
38 穴
40 突出部
120 ミッドソール
122 長手方向ノッチ
123 斜め方向ノッチ
220 ミッドソール
223 横断方向ノッチ
305 着用者の足
311 横側
312 前足部領域
313 中央側
314 中足部領域
316 後足部領域
319 ソール
320 ミッドソール
322 第1のノッチ
323 第2のノッチ
324 ミッドソールの上面
330 アウトソール
332 第1の突起
333 第2の突起
334 アウトソールの上面
336 アウトソールの底面
338 開口
【手続補正書】
【提出日】2024-02-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物物品用ソールであって、ソールが、
アウトソールであって、アウトソールの前足部横区分に配設された第1の突起と、アウトソールの後足部中央区分に配設された第2の突起とを備えており、第1および第2の突起がそれぞれ、アウトソールの上面で突出している、アウトソールと、
アウトソールの上方に配設されたミッドソールであって、ミッドソールの前足部横区分に配設された第1のノッチと、ミッドソールの後足部中央区分に配設された第2のノッチとを定めるミッドソールと、
を備えており、第1の突起が第1のノッチに配設され、第2の突起が第2のノッチに配設され、
第1および第2の突起が、アウトソールの上面にある2つの突起だけである、ソール。
【外国語明細書】