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特開2024-54286操作された細胞、T細胞免疫調節抗体、およびそれらの使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054286
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】操作された細胞、T細胞免疫調節抗体、およびそれらの使用方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/62 20060101AFI20240409BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240409BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALI20240409BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240409BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240409BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240409BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240409BHJP
   C12Q 1/02 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20240409BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20240409BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
C12N15/62 Z
C12N5/10 ZNA
C12N5/0783
C12N15/63 Z
C12N1/21
C12N1/19
C12N1/15
C12Q1/02
A61K35/17
A61P35/00
A61K31/7088
A61K48/00
A61K47/68
A61K39/395 D
A61K39/395 N
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024018466
(22)【出願日】2024-02-09
(62)【分割の表示】P 2020548722の分割
【原出願日】2019-03-14
(31)【優先権主張番号】62/643,040
(32)【優先日】2018-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/657,151
(32)【優先日】2018-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】399052796
【氏名又は名称】デイナ ファーバー キャンサー インスティチュート,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】マラスコ ウェイン エー.
(72)【発明者】
【氏名】ジュー クアン カレン
(72)【発明者】
【氏名】カイパー エミリー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】操作された細胞およびそれを使用するための方法を提供する。
【解決手段】本発明の実施形態では、操作された細胞は、キメラ抗原受容体およびポリペプチドをコードする核酸を含み、キメラ抗原受容体は、癌細胞の表面上の2種類以上の抗原に特異的であり、ポリペプチドは、操作された細胞から分泌され得る抗体またはその断片を含む。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キメラ抗原受容体およびポリペプチドをコードする核酸を含む操作された細胞であって、前記キメラ抗原受容体が、癌細胞の表面上の2種類以上の抗原に特異的であり、前記ポリペプチドが、前記操作された細胞から分泌され得る抗体またはその断片を含む、前記操作された細胞。
【請求項2】
T細胞またはNK細胞を含む、請求項1に記載の操作された細胞。
【請求項3】
前記T細胞が、CD4、CD8、またはCD4およびCD8T細胞の混合集団である、請求項2に記載の操作された細胞。
【請求項4】
前記2種類以上の抗原が、CXCR4およびクローディン4を含む、請求項1に記載の操作された細胞。
【請求項5】
前記キメラ抗原受容体が、配列番号1、2、3、4、5、6、7もしくは8を含むVH、配列番号9、10、11、12、13、14、15、もしくは16を含むVL、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の操作されたT細胞。
【請求項6】
前記キメラ抗原受容体が、
SYGMH(配列番号17)を含むCDR1、VISYDGSNKYYADSVKG(配列番号18)を含むCDR2、DLVAAAGTAFDI(配列番号19)を含むCDR3を有するVHと、
TGTISDVGGHNFVS(配列番号20)を含むCDR1、EVTKRPA(配列番号21)を含むCDR2、SSYGGSNDVI(配列番号22)を含むCDR3を有するVL、

SNFVAWN(配列番号23)を含むCDR1、RTYYRSRWYNDYAVSVQS(配列番号24)を含むCDR2、GQHSGFDF(配列番号25)を含むCDR3を有するVHと、
TGNSNNVGNQGAA(配列番号26)を含むCDR1、RNNNRPS(配列番号27)を含むCDR2、およびSAWDNRLKTYV(配列番号28)を含むCDR3を有するVL、

SYGIS(配列番号29)を含むCDR1、WISAYNGNTNYAQKLQG(配列番号30)を含むCDR2、DTPGIAARRYYYYGMDV(配列番号31)を含むCDR3を有するVHと、
QGDSLRKFFAS(配列番号32)を含むCDR1、GKNSRPS(配列番号33)を含むCDR2、およびNSRDSRDNHQV(配列番号34)を含むCDR3を有するVL、

SYPMH(配列番号35)を含むCDR1、VISSDGRNKYYPDSVKG(配列番号36)を含むCDR2、およびGGYHDFWSGPDY(配列番号37)を含むCDR3を有するVHと、
RASQSVNTNLA(配列番号38)を含むCDR1、GASSRAT(配列番号39)を含むCDR2、およびQHYGSSPLT(配列番号40)を含むCDR3を有するVL、

SYAMS(配列番号41)を含むCDR1、NIKQDGSEKYYVDSVKG(配列番号42)を含むCDR2、およびDQVSGITIFGGKWRSPDV(配列番号43)を含むCDR3を有するVHと、
QGDSLRSYYAS(配列番号44)を含むCDR1、GKNNRPS(配列番号45)を含むCDR2、およびNSRSGSQRV(配列番号46)を含むCDR3を有するVL、

NYGLH(配列番号47)を含むCDR1、VISHDGTKKYYADSVKG(配列番号48)を含むCDR2、およびDGGYCSGGRCYSYGMDV(配列番号49)を含むCDR3を有するVHと、
SGSRSNIGSNTVN(配列番号50)を含むCDR1、TNNQRPS(配列番号51)を含むCDR2、およびLSFDSSLTSYV(配列番号52)を含むCDR3を有するVL、

RYGMH(配列番号53)を含むCDR1、LISYDGSKTFYGESVKG(配列番号54)を含むCDR2、およびATVTTDGYYYMDV(配列番号55)を含むCDR3を有するVHと、
SGSRSNIGGNTVN(配列番号56)を含むCDR1、ANNQRPS(配列番号57)を含むCDR2、およびAAWDDNLSGHVV(配列番号58)を含むCDR3を有するVL、

またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の操作されたT細胞。
【請求項7】
前記キメラ抗原受容体が、
GFTV....SSNY(配列番号59)を含むCDR1、IYSG...GST(配列番号60)を含むCDR2、およびARDNPLSAFDI(配列番号61)を含むCDR3を有するVHと、
QSI......NSW(配列番号62)を含むCDR1、KA.......S(配列番号63)を含むCDR2、およびQQYDDLPLT(配列番号64)を含むCDR3を有するVL
を含む、請求項1に記載の操作された細胞。
【請求項8】
前記分泌されたポリペプチドが、対象の免疫系を調節する、請求項1に記載の操作された細胞。
【請求項9】
前記分泌されたポリペプチドが、TIGIT、CAIX、GITR、PD-L1、PD-L2.PD-1、またはCCR4に特異的な抗体を含む、請求項1に記載の操作された細胞。
【請求項10】
前記抗体が、TIGITに特異的である、請求項9に記載の操作された細胞。
【請求項11】
前記分泌されたポリペプチドが、
配列:GYTF....TSYG(配列番号65)を有するVH領域のCDR1、配列:ISAY..NGNT(配列番号66)を有するVH領域のCDR2、配列:ARDPGLWFGLTHDYYFDY(配列番号67)を有するVH領域のCDR3と、
配列SSNI....GSNT(配列番号68)を有するVL領域のCDR1、配列:RN.......N(配列番号69)を有するVL領域のCDR2、および配列:AAWDDSRSGPV(配列番号70)を有するVL領域のCDR3、

配列:GFTF....SDYS(配列番号71)を有するVH領域のCDR1、配列:INSD..GSRT(配列番号72)を有するVH領域のCDR2、配列:ARGPGFFGFDI(配列番号73)を有するVH領域のCDR3、
配列RSNI....GRNS(配列番号74)を有するVL領域のCDR1、配列:SN.......N(配列番号75)を有するVL領域のCDR2、および配列:AAWDARLTGPL(配列番号76)を有するVL領域のCDR3、

配列:GYSF....TNYW(配列番号77)を有するVH領域のCDR1、配列:INPV..NSRT(配列番号78)を有するVH領域のCDR2、配列:ARYYYYAMEV(配列番号79)を有するVH領域のCDR3、
配列SSNI....GSNT(配列番号80)を有するVL領域のCDR1、配列:RN.......N(配列番号81)を有するVL領域のCDR2、および配列:EAWDDSLNGPV(配列番号82)を有するVL領域のCDR3、

配列:GYTF....TNYG(配列番号83)を有するVH領域のCDR1、配列:VDNN..NGNI(配列番号84)を有するVH領域のCDR2、配列:ARGLFSSRWYLWFDP(配列番号85)を有するVH領域のCDR3と、
配列SSDVG...GYNY(配列番号86)を有するVL領域のCDR1、配列:EV.......T(配列番号87)を有するVL領域のCDR2、および配列:SSYTRSSTSYVV(配列番号88)を有するVL領域のCDR3、

配列:GGTF....SSYA(配列番号89)を有するVH領域のCDR1、配列:ILPM..FGST(配列番号90)を有するVH領域のCDR2、配列:ARGRDIVAPSNSGFDV(配列番号91)を有するVH領域のCDR3、
配列SNNV....GNQG(配列番号92)を有するVL領域のCDR1、配列:RN.......D(配列番号93)を有するVL領域のCDR2、および配列:SAYDRSLNAWV(配列番号94)を有するVL領域のCDR3、

またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の操作された細胞。
【請求項12】
キメラ抗原受容体およびポリペプチドをコードする核酸であって、前記キメラ抗原受容体が、癌細胞の表面上の2種類以上の抗原に特異的であり、前記ポリペプチドが、操作された細胞から分泌され得る抗体またはその断片を含む、前記核酸。
【請求項13】
前記2種類以上の抗原がCXCR4およびクローディン4を含む、請求項12に記載の核酸。
【請求項14】
前記ポリペプチドが、TIGIT、CAIX、GITR、PD-L1、PD-L2.PD-1、またはCCR4に特異的な抗体を含む、請求項12に記載の核酸。
【請求項15】
請求項12に記載の核酸を含むベクター。
【請求項16】
請求項15に記載のベクターを含む細胞。
【請求項17】
癌に罹患している対象を治療する方法であって、請求項1に記載の操作された細胞の治療上有効量を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項18】
対象における癌の進行を低減させるまたは退縮を促進させる方法であって、請求項1に記載の操作された細胞の治療上有効量を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項19】
対象における癌細胞の細胞増殖を低減させる方法であって、請求項1に記載の操作された細胞の治療上有効量を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項20】
操作されたCAR T細胞の殺傷能力を評価するための方法であって、
1つ以上のタイプの癌から細胞を得ることと、
前記細胞を染色するために、前記細胞を色素と混合することと、
プレートに前記細胞を播種することと、
前記混合物をある期間にわたってインキュベートすることと、
異なるT細胞タイプを前記混合物に追加して、第2の混合物を作製することと、
前記第2の混合物をある期間にわたって共培養することと、
前記操作されたCAR T細胞の殺傷能力を評価することと
を含む、前記方法。
【請求項21】
評価することが、前記プレートを走査および分析することを含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2018年3月14日に出願された米国仮特許出願第62/643,040号、および2018年4月13日に出願された米国仮特許出願第62/657,151号の優先権を主張し、それぞれの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に引用されるすべての特許、特許出願、および刊行物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。これらの刊行物の開示は、本明細書に記載され特許請求される本発明の日付の当業者に既知の最新技術をより完全に記載するために、参照により本出願に組み込まれる。
【0003】
この特許開示は、著作権保護の対象となる、材料を含む。著作権所有者は、米国特許商標局の特許ファイルまたは記録に表れているように、特許文書または特許開示のいずれかによってファクシミリ複製に異議はないが、それ以外では、何であれすべての著作権を留保する。
【0004】
政府の権益
この発明は、米国国立衛生研究所によって授与された助成金番号T32-CA207021に基づく政府の支援を受けて行われた。政府は本発明に一定の権利を有する。
【0005】
発明の分野
本発明は、操作された細胞およびそれを使用する方法を対象とする。実施形態では、操作された細胞は、キメラ抗原受容体およびポリペプチドをコードする核酸を含み、キメラ抗原受容体は、癌細胞の表面上の2種類以上の抗原に特異的であり、ポリペプチドは、操作された細胞から分泌され得る抗体またはその断片を含む。
【背景技術】
【0006】
発明の背景
トリプルネガティブ乳癌(TNBC)を標的にする治療法は存在しないため、化学療法が患者に対する唯一の治療法である。抗PD-L1のような免疫療法は、TNBCの限定的な成功(18%の奏効率)を示し、これは、既存の療法が効果的な治療ではないことを示している。
【発明の概要】
【0007】
本発明の態様は、キメラ抗原受容体およびポリペプチドをコードする核酸を含む操作された細胞に向けられている。
【0008】
実施形態では、操作された細胞は、操作されたT細胞である。非限定的な例は、細胞傷害性T細胞(TC、細胞傷害性Tリンパ球、CTL、T-キラー細胞、細胞溶解性T細胞、CD8+T細胞またはキラーT細胞としても知られる)、CD4+T細胞、NK細胞、およびNKT細胞を含む。
【0009】
実施形態では、キメラ抗原受容体は、抗原認識ドメインおよびシグナル伝達および/または刺激ドメインを含む。
【0010】
実施形態では、抗原認識ドメインは、細胞の表面上の2種類以上の抗原に特異的である。例えば、細胞は癌細胞である。例えば、抗原は、CXCケモカイン受容体タイプ4およびクローディン4を含む。実施形態では、キメラ抗原受容体(および/または抗原認識ドメイン)は、1つ以上の抗体断片を含む。実施形態では、キメラ抗原受容体はscFVを含む。実施形態では、キメラ抗原受容体は、CXCケモカイン受容体タイプ4およびクローディン4を対象とする(標的とする)scFvを含む。
【0011】
実施形態では、シグナル伝達および/または刺激ドメインは、CD28、41BB、CD3-ゼータ細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそれらの断片を含む。
【0012】
実施形態では、ポリペプチドは、操作された細胞から分泌され得る抗体またはその断片を含む。実施形態では、分泌されたポリペプチドは、対象の免疫系を調節する。
【0013】
実施形態では、ポリペプチドは、ミニボディなどの抗体またはその断片を含む。抗体の非限定的な例には、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、ヒト化抗体、完全ヒト抗体が含まれる。実施形態では、ポリペプチドは、単一特異性抗体、二重特異性抗体、三重特異性抗体、または多重特異性抗体を含む。抗体断片の非限定的な例は、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2、ダイアボディ、直鎖状抗体、一本鎖抗体分子(例えば、scFv)、抗体断片から形成された多重特異性抗体を含む。一実施形態では、本発明は、標的抗原に向けられた(および標的抗原に特異的な)scFVを含む。
【0014】
実施形態では、ポリペプチドは、CARを発現するものとは別個であるが、CARと同じDNAベクターの構成要素である発現構築物から発現される。実施形態では、ポリペプチドは、CARを発現するものとは別個であり、CARとは異なるDNAベクターの構成要素である発現構築物から発現される。
【0015】
実施形態では、構築物は、1つ以上のウイルスベクターにクローニングされる。非限定的な例は、レンチウイルスベクターを含む。
【0016】
本発明の態様は、さらに癌に罹患している対象を治療する方法に向けられている。
【0017】
本発明の態様は、さらに対象における癌の進行を低減させるかまたは癌の退縮を促進させる方法に向けられている。
【0018】
なおさらに、本発明の態様は、対象における癌細胞の細胞増殖を減少させる方法に向けられている。
【0019】
さらに、本発明の態様は、細胞、好ましくは癌細胞の細胞傷害性を誘導する方法に向けられている。
【0020】
実施形態では、方法は、操作されたT細胞など、本明細書に記載の操作された細胞の治療上有効量を対象に投与することを含む。
【0021】
他の実施形態では、この方法は、本明細書に記載の治療上有効量の分泌されたポリペプチドを対象に投与することを含む。
【0022】
癌の非限定的な例には、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病が含まれる。そのような癌のより具体的な例には、扁平上皮癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、腹膜癌、肝細胞癌、胃腸癌、膵臓癌、神経膠芽腫、子宮頸部癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、ヘパトーマ、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌または子宮癌、唾液腺癌、腎臓癌、肝臓癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝癌、およびさまざまなタイプの頭頸部癌が含まれる。
【0023】
実施形態では、癌は、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)を含む。
【0024】
本発明の態様は、さらに、操作されたCAR T細胞の殺傷能力(killing capability)を評価するための方法に向けられている。
【0025】
実施形態では、その方法は、1つ以上のタイプの癌から細胞を入手することと、細胞を染色するために、細胞を色素と混合することと、マルチウェルプレートに細胞を播種することと、混合物をある期間にわたってインキュベートすることと、異なるT細胞タイプを混合物に追加して、第2の混合物を作製することと、第2の混合物をある期間にわたって共培養することと、操作されたCAR T細胞の殺傷能力を評価することと、を含む。実施形態では、評価することは、プレートを走査して分析することを含む。実施形態では、プレートは、明視野および青色蛍光チャネルを使用して分析することができる。
【0026】
実施形態では、細胞は、1つ以上のタイプの癌細胞を含む。実施形態では、細胞は、腎臓(例えば、HEK293T細胞)、乳癌細胞(例えば、MDA-MB-231細胞、MDA-MB-468細胞、HCC38細胞)、および腎臓癌細胞(sk-rc-59細胞)から単離された細胞のうちの1つ以上を含む。
【0027】
実施形態では、色素は、ViaStain(商標)トレーサーブルー色素を含む。
【0028】
実施形態では、プレートは、4、6、8、12、24、48、96、または96を超えるウェルを有するマルチウェルプレートを含む。
【0029】
実施形態では、期間は、約2時間、4時間、6時間、8時間、12時間、16時間、24時間、36時間、48時間、または48時間より長い時間を指す。
【0030】
[本発明1001]
キメラ抗原受容体およびポリペプチドをコードする核酸を含む操作された細胞であって、前記キメラ抗原受容体が、癌細胞の表面上の2種類以上の抗原に特異的であり、前記ポリペプチドが、前記操作された細胞から分泌され得る抗体またはその断片を含む、前記操作された細胞。
[本発明1002]
T細胞またはNK細胞を含む、本発明1001の操作された細胞。
[本発明1003]
前記T細胞が、CD4、CD8、またはCD4およびCD8T細胞の混合集団である、本発明1002の操作された細胞。
[本発明1004]
前記2種類以上の抗原が、CXCR4およびクローディン4を含む、本発明1001の操作された細胞。
[本発明1005]
前記キメラ抗原受容体が、配列番号1、2、3、4、5、6、7もしくは8を含むVH、配列番号9、10、11、12、13、14、15、もしくは16を含むVL、またはそれらの任意の組み合わせを含む、本発明1001の操作されたT細胞。
[本発明1006]
前記キメラ抗原受容体が、
SYGMH(配列番号17)を含むCDR1、VISYDGSNKYYADSVKG(配列番号18)を含むCDR2、DLVAAAGTAFDI(配列番号19)を含むCDR3を有するVHと、
TGTISDVGGHNFVS(配列番号20)を含むCDR1、EVTKRPA(配列番号21)を含むCDR2、SSYGGSNDVI(配列番号22)を含むCDR3を有するVL、

SNFVAWN(配列番号23)を含むCDR1、RTYYRSRWYNDYAVSVQS(配列番号24)を含むCDR2、GQHSGFDF(配列番号25)を含むCDR3を有するVHと、
TGNSNNVGNQGAA(配列番号26)を含むCDR1、RNNNRPS(配列番号27)を含むCDR2、およびSAWDNRLKTYV(配列番号28)を含むCDR3を有するVL、

SYGIS(配列番号29)を含むCDR1、WISAYNGNTNYAQKLQG(配列番号30)を含むCDR2、DTPGIAARRYYYYGMDV(配列番号31)を含むCDR3を有するVHと、
QGDSLRKFFAS(配列番号32)を含むCDR1、GKNSRPS(配列番号33)を含むCDR2、およびNSRDSRDNHQV(配列番号34)を含むCDR3を有するVL、

SYPMH(配列番号35)を含むCDR1、VISSDGRNKYYPDSVKG(配列番号36)を含むCDR2、およびGGYHDFWSGPDY(配列番号37)を含むCDR3を有するVHと、
RASQSVNTNLA(配列番号38)を含むCDR1、GASSRAT(配列番号39)を含むCDR2、およびQHYGSSPLT(配列番号40)を含むCDR3を有するVL、

SYAMS(配列番号41)を含むCDR1、NIKQDGSEKYYVDSVKG(配列番号42)を含むCDR2、およびDQVSGITIFGGKWRSPDV(配列番号43)を含むCDR3を有するVHと、
QGDSLRSYYAS(配列番号44)を含むCDR1、GKNNRPS(配列番号45)を含むCDR2、およびNSRSGSQRV(配列番号46)を含むCDR3を有するVL、

NYGLH(配列番号47)を含むCDR1、VISHDGTKKYYADSVKG(配列番号48)を含むCDR2、およびDGGYCSGGRCYSYGMDV(配列番号49)を含むCDR3を有するVHと、
SGSRSNIGSNTVN(配列番号50)を含むCDR1、TNNQRPS(配列番号51)を含むCDR2、およびLSFDSSLTSYV(配列番号52)を含むCDR3を有するVL、

RYGMH(配列番号53)を含むCDR1、LISYDGSKTFYGESVKG(配列番号54)を含むCDR2、およびATVTTDGYYYMDV(配列番号55)を含むCDR3を有するVHと、
SGSRSNIGGNTVN(配列番号56)を含むCDR1、ANNQRPS(配列番号57)を含むCDR2、およびAAWDDNLSGHVV(配列番号58)を含むCDR3を有するVL、

またはそれらの任意の組み合わせを含む、本発明1001の操作されたT細胞。
[本発明1007]
前記キメラ抗原受容体が、
GFTV....SSNY(配列番号59)を含むCDR1、IYSG...GST(配列番号60)を含むCDR2、およびARDNPLSAFDI(配列番号61)を含むCDR3を有するVHと、
QSI......NSW(配列番号62)を含むCDR1、KA.......S(配列番号63)を含むCDR2、およびQQYDDLPLT(配列番号64)を含むCDR3を有するVL
を含む、本発明1001の操作された細胞。
[本発明1008]
前記分泌されたポリペプチドが、対象の免疫系を調節する、本発明1001の操作された細胞。
[本発明1009]
前記分泌されたポリペプチドが、TIGIT、CAIX、GITR、PD-L1、PD-L2.PD-1、またはCCR4に特異的な抗体を含む、本発明1001の操作された細胞。
[本発明1010]
前記抗体が、TIGITに特異的である、本発明1009の操作された細胞。
[本発明1011]
前記分泌されたポリペプチドが、
配列:GYTF....TSYG(配列番号65)を有するVH領域のCDR1、配列:ISAY..NGNT(配列番号66)を有するVH領域のCDR2、配列:ARDPGLWFGLTHDYYFDY(配列番号67)を有するVH領域のCDR3と、
配列SSNI....GSNT(配列番号68)を有するVL領域のCDR1、配列:RN.......N(配列番号69)を有するVL領域のCDR2、および配列:AAWDDSRSGPV(配列番号70)を有するVL領域のCDR3、

配列:GFTF....SDYS(配列番号71)を有するVH領域のCDR1、配列:INSD..GSRT(配列番号72)を有するVH領域のCDR2、配列:ARGPGFFGFDI(配列番号73)を有するVH領域のCDR3、
配列RSNI....GRNS(配列番号74)を有するVL領域のCDR1、配列:SN.......N(配列番号75)を有するVL領域のCDR2、および配列:AAWDARLTGPL(配列番号76)を有するVL領域のCDR3、

配列:GYSF....TNYW(配列番号77)を有するVH領域のCDR1、配列:INPV..NSRT(配列番号78)を有するVH領域のCDR2、配列:ARYYYYAMEV(配列番号79)を有するVH領域のCDR3、
配列SSNI....GSNT(配列番号80)を有するVL領域のCDR1、配列:RN.......N(配列番号81)を有するVL領域のCDR2、および配列:EAWDDSLNGPV(配列番号82)を有するVL領域のCDR3、

配列:GYTF....TNYG(配列番号83)を有するVH領域のCDR1、配列:VDNN..NGNI(配列番号84)を有するVH領域のCDR2、配列:ARGLFSSRWYLWFDP(配列番号85)を有するVH領域のCDR3と、
配列SSDVG...GYNY(配列番号86)を有するVL領域のCDR1、配列:EV.......T(配列番号87)を有するVL領域のCDR2、および配列:SSYTRSSTSYVV(配列番号88)を有するVL領域のCDR3、

配列:GGTF....SSYA(配列番号89)を有するVH領域のCDR1、配列:ILPM..FGST(配列番号90)を有するVH領域のCDR2、配列:ARGRDIVAPSNSGFDV(配列番号91)を有するVH領域のCDR3、
配列SNNV....GNQG(配列番号92)を有するVL領域のCDR1、配列:RN.......D(配列番号93)を有するVL領域のCDR2、および配列:SAYDRSLNAWV(配列番号94)を有するVL領域のCDR3、

またはそれらの任意の組み合わせを含む、本発明1001の操作された細胞。
[本発明1012]
キメラ抗原受容体およびポリペプチドをコードする核酸であって、前記キメラ抗原受容体が、癌細胞の表面上の2種類以上の抗原に特異的であり、前記ポリペプチドが、操作された細胞から分泌され得る抗体またはその断片を含む、前記核酸。
[本発明1013]
前記2種類以上の抗原がCXCR4およびクローディン4を含む、本発明1012の核酸。
[本発明1014]
前記ポリペプチドが、TIGIT、CAIX、GITR、PD-L1、PD-L2.PD-1、またはCCR4に特異的な抗体を含む、本発明1012の核酸。
[本発明1015]
本発明1012の核酸を含むベクター。
[本発明1016]
本発明1015のベクターを含む細胞。
[本発明1017]
癌に罹患している対象を治療する方法であって、本発明1001の操作された細胞の治療上有効量を前記対象に投与することを含む、前記方法。
[本発明1018]
対象における癌の進行を低減させるまたは退縮を促進させる方法であって、本発明1001の操作された細胞の治療上有効量を前記対象に投与することを含む、前記方法。
[本発明1019]
対象における癌細胞の細胞増殖を低減させる方法であって、本発明1001の操作された細胞の治療上有効量を前記対象に投与することを含む、前記方法。
[本発明1020]
操作されたCAR T細胞の殺傷能力を評価するための方法であって、
1つ以上のタイプの癌から細胞を得ることと、
前記細胞を染色するために、前記細胞を色素と混合することと、
プレートに前記細胞を播種することと、
前記混合物をある期間にわたってインキュベートすることと、
異なるT細胞タイプを前記混合物に追加して、第2の混合物を作製することと、
前記第2の混合物をある期間にわたって共培養することと、
前記操作されたCAR T細胞の殺傷能力を評価することと
を含む、前記方法。
[本発明1021]
評価することが、前記プレートを走査および分析することを含む、本発明1020の方法。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】抗CXCR4一本鎖可変断片を発現するバクテリオファージである2Nおよび6Rが、CXCR4陽性細胞に結合することを示す。バクテリオファージとして発現する、CXCR-4認識一本鎖可変断片(scFv)の希釈系列が、CXCR4を発現する安定したHEK 293T細胞に結合している。結合は、PE-抗M13バクテリオファージ二次抗体を用いたフローサイトメトリー分析を使用して分析された。12G5を除くすべてのscFvは、Marasco研究所で発見された。12G5は、マウスハイブリドーマ由来の市販のCXCR-4認識抗体である。
図2A】CXCR4標的化キメラ抗原受容体T細胞によるCXCR-4発現細胞の特異的な細胞傷害性を、CAR T細胞添加後40時間での標的細胞接着の測定により示す。[A]CAR遺伝子の模式図。リーダー配列は、膜発現のために細胞小胞体を介してCARをターゲティングする。ここでは、単一特異性scfvがCD8ヒンジ、41BB膜貫通、細胞内シグナル伝達ドメイン、およびCD3ゼータシグナル伝達ドメインに融合している。第2の発現カセットでは、蛍光分子または免疫調節ミニボディまたは抗体のいずれかを発現させることができる。[B、C]それぞれ、MDA-MB-231 CXCR4標的細胞株またはMDA-MB-231(CXCR4なし)のCAR-T細胞による殺傷のための標的細胞接着の喪失。対照には、非形質導入T細胞(un)および無関係のCAR(G36)およびT細胞のない標的細胞(黒線)が含まれる。[C]MDA-MB-231(灰色)およびMDA-MB-231-CXCR4発現標的細胞(黒色)の存在下でCAR-T細胞活性化を測定するIFN-γ酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)は、CXCR4発現標的細胞の存在下でのみCAR-T細胞の特異的活性化を示している。標的細胞/CARの説明は上記のとおりである。
図2B図2Aの説明を参照。
図2C図2Aの説明を参照。
図2D図2Aの説明を参照。
図3】蛍光標識した標的細胞の定量化により、CXCR4標的化キメラ抗原受容体(CAR)T細胞によるCXCR-4発現標的細胞の特異的細胞傷害性を示す。mCardinal蛍光標識標的細胞MDA-MB-231-CXCR4(上部グラフ)、またはMDA-MB-231(下部グラフ)の、それら単独(時間-1時間)、T細胞添加直後(0時間)、T細胞添加後24時間および48時間の時点における列挙である。BではなくAでのみの2N、6R、X33、およびX48による24時間および48時間での標的細胞の喪失は、標的細胞上のCXCR4の認識による特異的殺傷を示している。対照には、非形質導入T細胞(Un)、無関係なCAR(G36)、T細胞なし(細胞のみ)が含まれる。
図4】クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)エンドトキシン(CPE)-FC融合タンパク質は細胞上のクローディン4を認識することを示す。[A]クロストリジウム・パーフリンジェンスエンドトキシンタンパク質の直線的模式図。細胞傷害性ドメイン(黒)、クローディン4標的化ドメイン(緑)、CPE-FC融合で使用されるアミノ酸ドメイン(185-319)に下線が引かれている。[B]IgG1ヒンジ(H)、CH2およびCH3 FCドメインに対してインフレームで発現されるクローディン4結合ドメインを有するCPE-FC融合タンパク質の直線的模式図。[C]プロテインAカラムでの精製後の還元剤ありおよびなしのCPE-FCのSDS-PAGE。[D]HEK 293(灰色)およびクローディン4をトランスフェクションしたHEK(黒色)に対する、CPE-FCおよびFITC抗ヒトFC二次結合のフローサイトメトリー分析。
図5】リードクローディン4(cldn4)に特異的なscFv EK01がクローディン4発現細胞に結合することを示す。[A]CPE-FCを用いたフローサイトメトリー染色によるTNBC細胞株HCC38上のcldn4の分析。[B]クローディン4標的化scFv EK01は、HEKと比較してHCC38細胞に特異的に結合する。
図6】二重特異性トリプルネガティブ乳癌CARの分泌型ミニボディ/抗体の一部としての抗-IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)を示す。バイオレイヤー干渉法を使用した、Hisタグ付きTIGITに結合している、発見された抗TIGIT抗体(TIG1(赤)、TIG6(緑))および市販の抗TIGIT抗体MAB7898(青)のセンサーグラム。解離率-TIG1 3.12nM、TIG6 13.3nM。
図7】Celigoを用いる、CAR-T細胞との共培養における蛍光標的細胞の定量化を示す顕微鏡写真である。
図8】エフェクターと標的(E:T)との比率10:1での、非形質導入(Un、黒)、無関係なCAR(IR、オレンジ)、CXCR4標的化CAR(CX1~4)との共培養におけるMDA-MB-231+/-CXCR4標的細胞の列挙を示すグラフである。(n=2ドナー)
図9】エフェクターと標的(E:T)との比率2:1での、非形質導入(Un、黒)、無関係なCAR(IR、オレンジ)、CXCR4標的化CAR(CX1~4)との共培養におけるMDA-MB-231+/-CXCR4標的細胞の列挙を示すグラフである。(n=2ドナー)
図10】CXCR4を標的としたCARによる殺傷のインビトロ評価を示す。グラフは、10:1(E:T)でのHCC38+/-CXCR4の殺傷を示している。(n=2ドナー)
図11A】ヒト化マウスモデルにおけるTNBC異種移植片の免疫浸潤を示す。図11Aは、HSC移植後17週間のヒトCD45+の割合を示すグラフである。図11Bは、4つのTNBC細胞株由来異種移植片(n=4)の腫瘍増殖を示すグラフである。図11Cは、腫瘍におけるヒトCD45+事象の割合を示すグラフである。図11Dは、CD45+母集団に対するCD3+T細胞の割合(%)を示すグラフである。図11Eは、CD45+母集団に対するCD3+骨髄細胞の割合(%)を示すグラフである。
図11B図11Aの説明を参照。
図11C図11Aの説明を参照。
図11D図11Aの説明を参照。
図11E図11Aの説明を参照。
図12】腫瘍の重量を示す表である。
図13】クローン2N、6R、X18、X19、X20、X33、X48のアミノ酸配列を示す。太字で示された残基は、コンセンサスアミノ酸配列を表す。コンセンサス配列では、所与の位置に同じアミノ酸を有する4つ以上のクローンがそのアミノ酸として指定される。重鎖の可変領域(「VH」)と軽鎖の可変領域(「VL」)の両方に対する、フレームワーク領域1~4(FW1~4)、および相補性決定領域1~3(CDR1~3)をクローンごとに示す。VHおよびVLファミリーの指定も提供される。
図14】ヒトCXCR4受容体のアミノ酸配列を示す模式図である。また、ヒトCXCR4受容体のヘリカルホイール(上部)とセルペンチン図(下部)も提供されている。
図15-1】抗CLDN4クローンEK01のアミノ酸配列を示す。パネルAは、抗CLDN4クローンEK01のアミノ酸配列を示す。パネルBは、抗CLDN4クローンEK01のアミノ酸配列を生殖細胞系列と比較して示す。
図15-2】図15-1の説明を参照。
図16】ELISAアッセイにより決定された、新しいPMPLパニングからの3つの追加の抗TIGIT抗体の同定を示す。ELISAプレートを1μg/mlの可溶性PD1で37℃で2時間コーティングした。次にプレートを洗浄し、2%BSA/PBSで37℃で1時間ブロックした。ブロッキング溶液を除去し、抗体の3倍段階希釈を6μg/mlから始めて各ウェル(100μl)に加えた。次にプレートを穏やかに振盪しながら室温でインキュベートし、PBS-Tで6回洗浄し、二次抗ヒトFc-HRP(1:150k、Bethyl)を加えた。プレートを再び穏やかに振盪しながら室温で1時間インキュベートした後、PBS-Tで6回洗浄した。TMB基質を加え、プレートを30℃で10分間インキュベートして、HRP反応を促進させた。次にシグナルをTMB停止液でクエンチし、450nmで読み取った。試料P5-E10とP6-G7は4連で実行され、P6-G7とTIG1は3連で実行された。
図17-1】抗TIGIT抗体(sol protein&PMPL)のアミノ酸配列および生殖細胞アラインメントを示している。
図17-2】図17-1の説明を参照。
図17-3】図17-1の説明を参照。
図17-4】図17-1の説明を参照。
図17-5】図17-1の説明を参照。
図18】乳房細胞株におけるCXCR4とCLD4の共発現を示している。本明細書に記載されるように、試験されたTNBC細胞株は、異なるレベルのCXCR4およびCLDN4の内因性細胞表面発現を有する初代TNBC細胞株であるDU4475およびHCC1187を含む。データには、フローサイトメトリーによって決定されたCXCR4とCLDN4の表面発現、Cellegoで分析されたインビトロのCARTによる殺傷アッセイ、およびヒト化マウスでのインビボ腫瘍増殖とフローサイトメトリーによるTIL分析が含まれる。
図19】DU4475およびHCC1187の内因性CXCR4およびクローディン4タンパク質発現のフローサイトメトリー分析を示す。CLDN4発現は、CPE-FcおよびFITC抗ヒトFC二次抗体を用いて決定され、CXCR4発現は、抗CXCR4抗体、続いてAPCコンジュゲート二次抗体を使用して決定された。
図20-1】X48 CARTがCXCR4発現細胞株HCC1187およびDU4475を殺傷することを示す。エフェクターと標的(E:T)との比率が10:1および2:1での、非形質導入(Un、青)、無関係なCAR(G36、赤)、CXCR4標的化CAR(X48、緑)、T細胞なし(細胞のみ、黒)との共培養におけるHCC1187、DU4475、およびMDA-MB-231 +/-CXCR4標的細胞の細胞傷害性を示す。mCardinal蛍光標識標的細胞の列挙は、T細胞添加直後(0時間)、T細胞添加後24時間および48時間でCelegoを用いて決定した。
図20-2】図20-1の説明を参照。
図21】内因性発現CXCR4細胞株HCC1187およびDU 4475と共培養したCAR-TによるIFN-γ産生を示す。MDA-MB-231(青)、MDA-MB-231-CXCR4発現標的細胞(赤)、HCC1187(緑)およびDUC4475(紫)の存在下でのCAR-T細胞活性化を測定するIFN-γ酵素結合免疫測定法(ELISA)は、CXCR4発現標的細胞の存在下でのみ、CAR-T細胞の特異的な活性化を示す。標的細胞/CARの説明は図20と同じである。231 CXCR4-外因性遺伝子発現。
図22A】ヒト化マウスモデルにおけるHC1187腫瘍増殖を示す。本明細書に示されているのは、ヒト化マウスモデルにおけるTNBC異種移植片の免疫浸潤である。パネルAは、研究終了時(生着後33日)の腫瘍画像を示している。パネルBは、直径で測定した各マウス(n=5)の腫瘍増殖を示すグラフである。パネルCは、HC1187 TNBC腫瘍対脾臓におけるヒトCD45+事象および他の細胞亜集団事象の割合を示す。パネルDは、腫瘍対脾臓におけるCD3+母集団についてのPD-1+、TIGIT+またはTIGIT+/PD-1+ T細胞の割合を示すグラフである。
図22B図22Aの説明を参照。
図22C図22Aの説明を参照。
図22D図22Aの説明を参照。
【発明を実施するための形態】
【0032】
発明の詳細な説明
トリプルネガティブ乳癌(TNBC)は、臨床予後が不良の高悪性度の乳癌のサブタイプである。化学療法で治療している間の、高い再発率は新規のターゲティングされた療法の必要性を示している。
【0033】
キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は、CARの外因性発現によって患者のT細胞を、腫瘍細胞を殺傷するようにリダイレクトする。CARは、抗体の抗原認識ドメインをT細胞受容体および共受容体の細胞内シグナル伝達ドメインに連結する、膜貫通型融合タンパク質であり得る。固形腫瘍は、CAR-T療法に特有の課題を提示する。血液癌とは異なり、腫瘍に関連する標的タンパク質は腫瘍と健康な組織の間で過剰発現し、その結果、オンターゲット/オフ腫瘍の、T細胞による健康な組織の殺傷が起こる。さらに、腫瘍微小環境(TME)における免疫抑制は、腫瘍の殺傷に向かうCAR-T細胞の活性化を制限する。
【0034】
本発明は、TNBCに対する抗体を分泌する操作されたキメラ抗原受容体(CAR)T細胞ファクトリに関する。理論に縛られることを望まないが、TNBCなどの固形腫瘍の2種類の抗原を標的とする二重特異性CARは、オンターゲット/オフ腫瘍のT細胞による殺傷を軽減し、チェックポイント遮断抗体の分泌によって腫瘍微小環境での抑制を取り除く。局所的な免疫回復に続いて、CAR-T細胞とTME内の他の細胞は相乗的に作用して、腫瘍を縮小させおよび排除する。
【0035】
略語と定義
1つ以上の好ましい実施形態の詳細な説明が本明細書に提供されている。しかしながら、本発明が、さまざまな形式で具現化され得ることが、理解される。したがって、本明細書に開示された特定の詳細は、限定として解釈されるべきではなく、特許請求の範囲の根拠として、および当業者に本発明を任意の適切な方法で用いるように教示するための代表的な根拠として解釈されるべきである。
【0036】
単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が明確に他のことを指示しない限り、複数の参照を含む。特許請求の範囲および/または明細書において「含む」という用語とともに使用されるときの「1つの(a)」または「1つの(an)」という単語の使用は、「1つ」を意味し得るが、「1つ以上」、「少なくとも1つ」および「1つ以上」の意味と両立する。
【0037】
句「例えば」、「など」、「含む」などが本明細書で使用される場合は常に、他に明確に明記されない限り、句「限定することなく」が付随することが理解される。同様に、「一例」、「例示的」などは、非限定的であると理解される。
【0038】
用語「実質的に」は、意図した目的に悪影響を与えない記述語からの逸脱を可能にする。記述用語は、単語「実質的に」が明確に列挙されていなくても、用語「実質的に」によって修正されることが理解される。
【0039】
用語「含んでいる(comprising)」および「含んでいる(including)」、ならびに「有している(having)」および「伴っている(involving)」(および同様に「含む(comprises)」、「含む(includes)」、「有する(has)」、および「伴う(involves)」)などは、交換可能に使用され、同じ意味を有している。具体的には、用語それぞれは、「含んでいる(comprising)」の一般的な米国特許法の定義と一致して定義され、それ故、非限定用語(open term)の意味「少なくとも以下の(at least the following)」であると解釈され、追加の特徴、限定、態様などを除外しないとも解釈される。したがって、例えば、「工程a、b、およびcを伴うプロセス」は、プロセスが少なくとも工程a、bおよびcを含むことを意味している。用語「1つの(a)」、「1つの(an)」が使用される場合は常に、そのような解釈が文脈において無意味でない限り、「1以上」と理解される。
【0040】
本明細書で使用される「約」という用語は、本明細書では、おおよそ、大まかに、およそ、またはその領域内を意味するために使用される。「約」という用語が数値範囲とともに使用される場合、それは、記載された数値の上および下の境界を拡張することによってその範囲を変更する。一般に、用語「約」は、本明細書では、数値を、記載された値の上下に20パーセントの変動(上下)で変更するために使用される。
【0041】
操作されたCAR T細胞
キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は、CARの外因性発現によって患者のT細胞を腫瘍細胞を殺傷するようにリダイレクトする。CARは、抗体または断片の抗原認識ドメインをT細胞受容体および共受容体の細胞内シグナル伝達ドメインに連結する、膜貫通型融合タンパク質である。例えば、キメラ抗原受容体は、抗原特異的な抗体断片をT細胞共刺激ドメインとCD3ゼータ細胞内シグナル伝達ドメインに融合させて、目的の細胞、例えば、腫瘍細胞上に提示された抗原へのT細胞のリダイレクションを可能にする。
【0042】
本明細書における「抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン(Ig)分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、抗原と特異的に結合する(と免疫反応する)抗原結合部位を含む分子を指す。「特異的に結合する」または「と免疫反応する」は、所望の抗原の1つ以上の抗原決定基と反応し、他のポリペプチドと反応しない抗体を指すことができる。本発明の抗体には、ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、完全ヒト、二重特異性、多重特異性、キメラ、dAb(ドメイン抗体)、一本鎖抗体、Fab、Fab’およびF(ab’)2断片、scFv、ダイアボディ、ミニボディ、scFv-Fc融合、およびFab発現ライブラリが含まれるが、これらに限定されない。反対の明示がない限り、本明細書でなされる「抗体(単数)」または「抗体(複数)」への言及は、それらが所望の抗原結合活性を示す限り、例えば、これらの分子の任意の(またはすべての)ものを包含する。
【0043】
一本鎖Fv(「scFv」)ポリペプチド分子は、共有結合的に連結されたVH::VLヘテロダイマーであり、ペプチドをコード化するリンカーによって連結された、VHをコード化する遺伝子およびVLをコード化する遺伝子を含む遺伝子融合体から発現できる。(Huston et al.(1988)Proc Nat Acad Sci USA 85(16):5879-5883を参照されたい)。自然に凝集しているが化学的に分離された、軽鎖および重鎖ポリペプチド鎖を、抗体V領域から、抗原結合部位の構造と実質的に同様の三次元構造に折り畳まれるscFv分子に変換するための化学構造を識別するための多くの方法が説明されている。例えば、米国特許第5,091,513号、同第5,132,405号、および同第4,946,778号を参照されたい。
【0044】
二重特異性抗体とは、少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有する抗体を指す。例えば、二重特異性抗体は、ヒト抗体またはヒト化抗体などのモノクローナル抗体であり得る。この場合、結合特異性の1つはCXCR4および/またはクローディン4である。第2の結合標的は任意の他の抗原であり、有利なことに細胞表面タンパク質または受容体または受容体サブユニットである。たとえば、結合特異性の1つはCXCR4に対するもので、第2の結合特異性はクローディン4に対するものである。
【0045】
二重特異性抗体は、全長抗体または抗体断片(例えば、F(ab’)二重特異性抗体)として調製することができる。二重特異性抗体を作製する方法は当技術分野で知られている。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,329,178号を参照されたい。
【0046】
一般に、ヒトから得られる抗体分子は、分子中に存在する重鎖の性質が互いに異なる、IgG、IgM、IgA、IgE、およびIgDのクラスのいずれかに関連する。特定のクラスには、IgG、IgGなどのサブクラスもある。さらに、ヒトでは、軽鎖はカッパ鎖またはラムダ鎖であり得る。
【0047】
「抗原結合部位」または「結合部分」という用語は、抗原結合に関与する免疫グロブリン分子の部分を指す。抗原結合部位は、重(「H」)鎖および軽(「L」)鎖のN末端可変(「V」)領域のアミノ酸残基によって形成される。「超可変領域」と呼ばれる、重鎖と軽鎖のV領域内の3つの高度に異なる区間(stretch)は、「フレームワーク領域」または「FR」として知られるより保存された隣接区間の間に挿入される。したがって、「FR」という用語は、免疫グロブリンの超可変領域の間、およびそれに隣接して天然に見出されるアミノ酸配列を指す。抗体分子において、軽鎖の3つの超可変領域および重鎖の3つの超可変領域は、3次元空間で互いに対して配置されて、抗原結合表面を形成する。抗原結合表面は、結合した抗原の3次元表面に相補的であり、重鎖および軽鎖のそれぞれの3つの超可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」と呼ばれる。
【0048】
固形腫瘍は、CAR-T療法に特有の課題を提示する。血液癌とは異なり、腫瘍に関連する標的タンパク質は腫瘍と健康な組織の間で過剰発現し、その結果、オンターゲット/オフ腫瘍の、T細胞による健康な組織の殺傷が起こる。さらに、腫瘍微小環境(TME)における免疫抑制は、腫瘍の殺傷に向かうCAR-T細胞の活性化を制限する。本発明の態様は、これらの問題に対処する。例えば、実施形態は、(a)癌細胞上の2種類の抗原を標的にして、オンターゲット/オフ腫瘍のT細胞による殺傷を軽減し、および(b)腫瘍微小環境における抑制を取り除くチェックポイント遮断抗体を分泌する、二重特異性CARを含むT細胞を含む。
【0049】
腫瘍の進行に関連する新たなメカニズムは免疫チェックポイント経路であり、これには、正常な条件下でT細胞の過剰な活性化を防いで、自己限定的な方法でT細胞の機能を可能にする、細胞相互作用が含まれる。回避メカニズムとして、多くの腫瘍は免疫チェックポイント分子の発現を刺激することができ、腫瘍の進行を抑制できないT細胞のアネルギー性表現型をもたらす。たとえば、新しい臨床データは、細胞傷害性Tリンパ球による癌細胞の殺傷を防止する、免疫チェックポイントとしての1つの阻害性リガンドと受容体のペアであるプログラム死リガンド1(PD-L1、B7-H1およびCD274)とプログラム死受容体1(PD-1、CD279)の重要性を強調している。PD1受容体は、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞(NK)、宿主組織などの多くの細胞型で発現している。PD-L1を発現する腫瘍および抗原提示細胞(APC)は、受容体PD-1への結合を介して細胞傷害性Tリンパ球のT細胞受容体(TCR)シグナル伝達を遮断でき、サイトカインの生成およびT細胞増殖を減少させる。PD-L1の過剰発現は多くの腫瘍タイプで見られ、CD80(B7.1)を含む他のタンパク質との相互作用を通じて免疫抑制機能を媒介し、CD28への結合を介してT細胞を活性化する能力をブロックする。
【0050】
腫瘍指向性キメラ抗原受容体(CAR)を発現するヒトリンパ球の遺伝子操作は、タンパク質抗原のプロセシングおよび提示の異常による腫瘍免疫回避メカニズムを迂回する抗腫瘍エフェクター細胞を生成できる。さらに、これらのトランスジェニック受容体は、タンパク質由来ではない腫瘍関連抗原を対象とすることができる。本発明の特定の実施形態では、少なくともCARを含むように改変されたリンパ球(CART)があり、本発明の特別な実施形態では、単一のCARが2種類以上の抗原を標的とする。いくつかの実施形態では、CARTは、例えば抗体またはサイトカインなどの1つ以上のポリペプチドを発現および分泌するようにさらに改変される。そのようなCARTは、本明細書では、武装化(armed)CARTまたはCARファクトリと呼ばれる。武装化CARTは、標的部位(すなわち、腫瘍部位)での局所的なポリペプチドの同時分泌を可能にする。
【0051】
特定の腫瘍関連抗原に対する高親和性によって以前に選択された一本鎖可変抗体断片(scFv)を含むキメラ抗原受容体(CAR)と呼ばれる改変TCRは、癌に対する強力な新しいアプローチである。CARに提示されているscFvは、CD3ζを含む細胞内シグナル伝達ブロックに連結されて、T細胞の活性化を誘導してから抗原に結合する。この構造は第一世代CARに特徴的であり、CD28、4-1BB、もしくはOX40のシグナル伝達共刺激エンドドメインをCD3に連結する第2世代CAR、またはCD3ζに2つの要素をタンデムに連結する第3世代CAR、に改善されたものである。これらのエンドドメインは、抗原提示細胞(APC)によるTCR認識中の完全なT細胞活性化に必要であり、CAR-T細胞のサイトカイン産生と増殖を改善する。特有な腫瘍関連抗原を見つけることが困難なため、腫瘍の場所へのT細胞の非効率的なホーミングのため、体内でのT細胞の持続性の低下のため、および固形腫瘍の免疫抑制性微小環境のため、CART細胞の効果はこれまで固形腫瘍の治療に控えめであった。
【0052】
特定の場合において、リンパ球は、キメラで、非天然であり、そして少なくとも部分的に人の手によって操作された受容体を含み得る。特定の場合において、操作されたキメラ抗原受容体(CAR)は、1、2、3、4、またはそれ以上の成分を有し、いくつかの実施形態では、1つ以上の成分が、リンパ球が1つ以上の腫瘍抗原含有癌細胞を標的にするまたはそれに結合するのを促進する。
【0053】
本発明によるCARは、一般に、少なくとも1つの細胞外リガンド結合ドメインを含む少なくとも1つの膜貫通ポリペプチドと、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含む1つの膜貫通ポリペプチドを含み、その結果ポリペプチドが一緒に集合してキメラ抗原受容体を形成する。本発明の態様で有用な例示的なCARには、例えばPCT/US2015/067225に開示されているものが含まれる。
【0054】
本明細書で使用される「細胞外リガンド結合ドメイン」という用語は、リガンドに結合することができるオリゴまたはポリペプチドを指すことができる。ドメインは、細胞表面分子と相互作用することができる。例えば、細胞外リガンド結合ドメインは、特定の疾患状態に関連する標的細胞上の細胞表面マーカーとして作用するリガンドを認識するように選択され得る。
【0055】
特に、細胞外リガンド結合ドメインは、標的の抗原に対する抗体に由来する抗原結合ドメインまたは抗原認識ドメインを含み得る。抗原結合ドメインまたは抗原認識ドメインは、抗体断片であり得る。「抗体断片」は、無傷の抗体が結合する抗原に結合する無傷の抗体の一部を含む無傷の抗体以外の分子であり得る。抗体断片の例には、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2、ダイアボディ、直鎖状抗体、一本鎖抗体分子(例えばscFv)、および抗体断片から形成された多重特異性抗体が含まれるがこれらに限定されない。図2を参照すると、例えば、一実施形態は、抗原認識ドメインとしてscFvを有するCARを含む。
【0056】
抗原認識ドメインは、目的の任意の抗原標的に向けることができる。実施形態では、目的の抗原標的は、癌細胞の表面などの細胞の表面上にある。抗原標的の非限定的な例は、CXCケモカイン受容体タイプ4(CXCR-4)および/またはクローディン4を含む。
【0057】
非限定的な例として、標的の抗原は、腫瘍関連表面抗原、例えばErbB2(HER2/neu)、癌胎児性抗原(CEA)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮成長因子受容体(EGFR)、EGFRバリアントIII(EGFRvIII)、CD19、CD20、CD30、CD40、ジシアロガングリオシドGD2、管上皮ムチン、gp36、TAG-72、スフィンゴ糖脂質、神経膠腫関連抗原、β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン、アルファフェトプロテイン(AFP)、レクチン-反応性AFP、チログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2(AS)、腸内カルボキシルエステラーゼ、mut hsp70-2、M-CSF、プロスターゼ(prostase)、プロスターゼ特異抗原(PSA)、PAP、NY-ESO-1、LAGA-1a、p53、プロスタイン(prostein)、PSMA、生存(surviving)およびテロメラーゼ、前立腺癌腫瘍抗原-1(PCTA-1)、MAGE、ELF2M、好中球エラスターゼ、エフリンB2、CD22、インスリン様成長因子(IGF1)-I、IGF-II、IGFI受容体、中皮、腫瘍特異的ペプチドエピトープを示す主要組織適合性複合体(MHC)分子、5T4、ROR1、Nkp30、NKG2D、腫瘍間質抗原、フィブロネクチンのエクストラドメインA(EDA)およびエクストラドメインB(EDB)、およびテネイシンC(TnC A1)および線維芽細胞関連タンパク質(fap)のA1ドメイン、CD3、CD4、CD8、CD24、CD25、CD33、CD34、CD133、CD138、CTLA-4、B7-1(CD80)、B7-2(CD86)などの系譜特異的もしくは組織特異的な抗原、エンドグリン、主要組織適合性複合体(MHC)分子、BCMA(CD269、TNFRSF 17)、またはウイルス特異表面抗原、例えばHIV特異抗原(HIV gp120など)、EBV特異抗原、CMV特異抗原、HPV特異抗原、ラッセ(Lasse)ウイルス特異抗原、インフルエンザウイルス特異抗原、ならびにこれらの表面マーカーの任意の誘導体またはバリアントであり得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、CARはCXCR4および/またはクローディン4に特異的である。
【0059】
実施形態では、前記細胞外リガンド結合ドメインは、可動性リンカーによって結合された標的抗原特異的モノクローナル抗体の軽鎖(V)および重鎖(V)可変断片を含む一本鎖抗体断片(scFv)である。例えば、scFv抗体はCXCR4および/またはクローディン4に特異的である。
【0060】
本発明によるCARの構築に有用な抗体の非限定的な例には、例えば、WO/2005/060520、WO/2006/089141、WO/2007/065027、WO/2009/086514、WO/2009/079259、WO/2011/153380、WO/2014/055897、WO2015/143194、WO2015/164865、WO2013/166500、およびWO2014/144061、PCT/US2015/054202、PCT/US2015/054010、PCT/US2015/067225、およびPCT/US2016/026800に開示されている抗体が含まれ、これらの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0061】
CAR-T、例えばCXCケモカイン受容体タイプ4(CXCR-4)および/またはクローディン4に向けられたscFVを構築するのに有用な抗原認識ドメインは、核酸(例えば、DNA)を使用して合成、操作および/または産生することができる。抗原認識ドメインをコードするDNAは、例えば、これらに限定されないがCD28および41BBおよびCD3-ゼータ細胞内シグナル伝達ドメインなどの、免疫学的に関心対象である分子の、例えば、これらに限定されないが、CD8ヒンジ領域、膜貫通ドメイン、共刺激ドメインなどの必要なCAR-T要素をコードするDNAに対してインフレームでクローニングできる。たとえば、図2を参照されたい。
【0062】
CXCR4
ケモカイン(CXCモチーフ)受容体4(「CXCR4」)(フーシン、LESTR、またはHUMSTRとしても知られている)は、通常は細胞膜内に埋め込まれているGタンパク質共役型7回膜貫通型ドメインケモカイン受容体である。CXCR4は、最も特徴付けられたケモカイン受容体の1つである。ヒトCXCR4受容体の352アミノ酸配列(ヘリカルホイールおよびセルペンチン図とともに)を図14(上部および下部パネル)に示す。図14の下部パネルに示すように、CXCR4は4つの異なる細胞外領域:N末端ドメイン、ECL1、ECL2、およびECL3、によって特徴付けられる。
【0063】
CXCR4は少なくとも、樹状細胞、ナイーブな非メモリT細胞、制御性T細胞、ニューロンおよびミクログリア、新鮮な初代単球、内皮細胞、好中球およびB細胞;乳癌細胞、腎細胞癌腫細胞、非小細胞肺癌細胞、前立腺癌細胞、および神経膠芽腫細胞を含むがこれらに限定されない腫瘍細胞、およびCD34+造血幹細胞、で発現している。CXCR4は、白血球輸送、走化性、B細胞リンパ球新生および骨髄新生、幹細胞遊走、腫瘍または癌細胞の転移、腫瘍細胞の血管形成、消化管の血管新生、神経細胞および生殖細胞の遊走、および宿主細胞のX4指向性HIV侵入、に不可欠である。(Li et al.,Cancer Cell 6:459-69(2004)、Hernandez et al.,Nat.Genet.34:70-74(2003)、Nagasawa et al.,Nature 382:635-38(1996)、Knaut et al.,Nature 421:279-82(2003)、Kunwar et al.,Nature 421:226-27(2003)、Connor et al.,J.Exp.Med.185:621-28(1997)およびScarlatti et al.,Nat.Med.3:1259-65(1997)を参照されたい)。
【0064】
α-ケモカイン間質細胞由来因子(SDF-1)(CXCL12としても知られている)は、CXCR4の天然のリガンドである。SDF-1αは、ケモカイン受容体を1つだけ有する唯一のケモカインである。(Imitola et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(52):18117-22(2004)、Lu et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 99:2090-95(2002)を参照されたい)。CXCR4へのSDF-1の結合は、細胞侵入と遊走を制御するように機能する複数の経路を活性化する。(Benovic et al.,Cancer Cell 6:429-30(2004)を参照されたい)。たとえば、CXCR4はそのリガンドの結合に応答して、免疫細胞の遊走と動員を引き起こす。さらに、このリガンドと受容体のペアは、神経系の発達にも役割を果たし得る。CXCR4へのSDF-1の結合は、造血発生と器官形成にも重要な役割を果たす。(Nagasawi et al.,Nature 382:635(1996)を参照されたい)。CXCR4はまた、拮抗性ケモカイン、ヒトヘルペスウイルスIII型によってコード化されるウイルス性マクロファージ炎症性タンパク質II(vMIP-II)によっても認識される。(Zhou et al.,9th Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections,Session 39 Poster Session,Abstract 189-M(2002)を参照されたい)。
【0065】
本発明の実施形態は、抗CXCR4抗体を含むことができる。例示的な抗CXCR4抗体には、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,329,178号に記載されているものが含まれる。
【0066】
例えば、抗CXCR4抗体は、mAb18、mAb19、mAb20、mAB33、mAB48、mAb2N、またはmAb6Rを含むことができる。mAb18、mAb19、mAb20、mAb33、mAb48、mAb2N、およびmAb6RのVHおよびVL領域のアミノ酸配列が、図13に提供される。図13はまた、コンセンサス配列(例えば、太字の文字、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,329,178号も参照されたい)も提供する。このコンセンサスでは、4つ以上のクローンが所与位置に同じアミノ酸を持っている場合、コンセンサス内のその位置はそのアミノ酸によって指定される。抗CXCR4抗体は12G5を含むこともできる。12G5は、マウスハイブリドーマ由来の市販のCXCR-4認識抗体である。
【0067】
図13に示すように、mAb2N重鎖のVH領域のCDR1は、配列:SYGMH(配列番号17)を有し、mAb2N重鎖のVH領域のCDR2は、配列:VISYDGSNKYYADSVKG(配列番号18)を有し、mAb2N重鎖のVH領域のCDR3は、配列:DLVAAAGTAFDI(配列番号19)を有し、mAb2N軽鎖のVL領域のCDR1は、配列:TGTISDVGGHNFVS(配列番号20)を有し、mAb2N軽鎖のVL領域のCDR2は、配列:EVTKRPA(配列番号21)を有し、およびmAb2N軽鎖のVL領域のCDR3は、配列:SSYGGSNDVI(配列番号22)を有する。
【0068】
さらに、図13に示すように、mAb6R重鎖のVH領域のCDR1は、配列:SNFVAWN(配列番号23)を有し、mAb6R重鎖のVH領域のCDR2は、配列:RTYYRSRWYNDYAVSVQS(配列番号24)を有し、mAb6R重鎖のVH領域のCDR3は、配列:GQHSGFDF(配列番号25)を有し、mAb6R軽鎖のVL領域のCDR1は、配列TGNSNNVGNQGAA(配列番号26)を有し、mAb6R軽鎖のVL領域のCDR2は、配列:RNNNRPS(配列番号27)を有し、およびmAb6R軽鎖のVL領域のCDR3は、配列:SAWDNRLKTYV(配列番号28)を有する。
【0069】
図13にも示されるように、mAb18重鎖のVH領域のCDR1は、配列:SYGIS(配列番号29)を有し、mAb18重鎖のVH領域のCDR2は、配列:WISAYNGNTNYAQKLQG(配列番号30)を有し、mAb18重鎖のVH領域のCDR3は、配列:DTPGIAARRYYYYGMDV(配列番号31)を有し、mAb18軽鎖のVL領域のCDR1は、配列QGDSLRKFFAS(配列番号32)を有し、mAb18軽鎖のVL領域のCDR2は、配列:GKNSRPS(配列番号33)を有し、およびmAb18軽鎖のVL領域のCDR3は、配列:NSRDSRDNHQV(配列番号:34)を有する。
【0070】
同様に、図13に示すように、mAb19重鎖のVH領域のCDR1は、配列:SYPMH(配列番号35)を有し、mAb19重鎖のVH領域のCDR2は、配列:VISSDGRNKYYPDSVKG(配列番号36)を有し、mAb19重鎖のVH領域のCDR3は、配列:GGYHDFWSGPDY(配列番号37)を有し、mAb19軽鎖のVL領域のCDR1は、配列RASQSVNTNLA(配列番号38)を有し、mAb19軽鎖のVL領域のCDR2は、配列:GASSRAT(配列番号39)を有し、およびmAb19軽鎖のVL領域のCDR3は、配列:QHYGSSPLT(配列番号40)を有する。
【0071】
図13に示すように、mAb20重鎖のVH領域のCDR1は、配列:SYAMS(配列番号41)を有し、mAb20重鎖のVH領域のCDR2は、配列:NIKQDGSEKYYVDSVKG(配列番号42)を有し、mAb20重鎖のVH領域のCDR3は、配列:DQVSGITIFGGKWRSPDV(配列番号43)を有し、mAb20軽鎖のVL領域のCDR1は、配列QGDSLRSYYAS(配列番号44)を有し、mAb20軽鎖のVL領域のCDR2は、配列:GKNNRPS(配列番号45)を有し、およびmAb20軽鎖のVL領域のCDR3は、配列:NSRSGSQRV(配列番号46)を有する。
【0072】
さらに、mAb33重鎖のVH領域のCDR1は、配列:NYGLH(配列番号47)を有し、mAb33重鎖のVH領域のCDR2は、配列:VISHDGTKKYYADSVKG(配列番号48)を有し、mAb33重鎖のVH領域のCDR3は、配列DGGYCSGGRCYSYGMDV(配列番号49)を有し、mAb33軽鎖のVL領域のCDR1は、配列SGSRSNIGSNTVN(配列番号50)を有し、mAb33軽鎖のVL領域のCDR2は、配列:TNNQRPS(配列番号51)を有し、およびmAb33軽鎖のVL領域のCDR3は、配列:LSFDSSLTSYV(配列番号:52)を有する。
【0073】
同様に、図13にも示されているように、mAb48重鎖のVH領域のCDR1は、配列:RYGMH(配列番号53)を有し、mAb48重鎖のVH領域のCDR2は、配列:LISYDGSKTFYGESVKG(配列番号54)を有し、mAb48重鎖のVH領域のCDR3は、配列:ATVTTDGYYYMDV(配列番号55)を有し、mAb48軽鎖のVL領域のCDR1は、配列SGSRSNIGGNTVN(配列番号56)を有し、mAb48軽鎖のVL領域のCDR2は、配列:ANNQRPS(配列番号57)を有し、およびmAb48軽鎖のVL領域のCDR3は、配列:AAWDDNLSGHVV(配列番号58)を有する。
【0074】
実施形態では、抗CXCR4抗体は、配列番号17、23、29、35、41、47、もしくは53のCDR1、配列番号18、24、30、36、42、48、もしくは54のCDR2、および配列番号19、25、31、37、43、49、もしくは55のCDR3、またはそれらの任意の組み合わせを含むVHを有する重鎖を含むことができる。
【0075】
実施形態では、抗CXCR4抗体は、配列番号20、26、32、38、44、50、もしくは56のCDR1、配列番号21、27、33、39、45、51、もしくは57のCDR2、および配列番号22、28、34、40、46、52、もしくは58のCDR3、またはそれらの任意の組み合わせを含むVLを有する軽鎖を含むことができる。
【0076】
本発明はまた、一本鎖抗体を包含する。例えば、本発明は、scFv 18、19、20、33、48、2N、および6R、ならびに本明細書に開示された方法に従って同定された他の任意のscFvを包含する。
【0077】
クローディン4
クローディンは、多重遺伝子接着分子ファミリーに属し、細胞の密着結合に見られる膜貫通タンパク質である。これらのタンパク質は、上皮の細胞内空間を通過する分子の流れを制御する傍細胞バリアの確立に関与していると考えられている。クローディンは、細胞シグナル伝達リガンドにも結合するため、細胞の増殖と分化を調節すると考えられている。組織特異的な発現パターンを有する既知のクローディンは約24個あり、それらのパターンまたは分布の変化は、癌を含むさまざまな疾患の病理に関与することが示唆されている。遺伝子発現プロファイリングにより、クローディン4は膵管腺癌で過剰発現しており、乳房、卵巣、前立腺、膀胱、消化管粘膜の正常組織でも発現していることが見出された。しかし、このタンパク質の発現レベルは原発性および転移性膵臓癌で有意に高いため、この癌の画像化のための早期マーカーまたは治療標的としてのクローディン4の使用の可能性が示唆された。[125I]Anti-claudin 4 monoclonal antibody from The MICAD Research Team;June 28,2007を参照されたい。
【0078】
図15に示すように、EK01重鎖のVH領域のCDR1は、配列GFTV....SSNY(配列番号59)を有し、VH領域のCDR2は、配列IYSG...GST(配列番号60)を有し、および、VH領域のCDR3は、配列ARDNPLSAFDI(配列番号61)を有し、EK01軽鎖のVL領域のCDR1は、配列QSI......NSW(配列番号62)を有し、VL領域のCDR2は、配列KA.......S(配列番号63)を有し、およびVL領域のCDR3は、配列QQYDDLPLT(配列番号64)を有する。
【0079】
非限定的な例として、ラクダ科の単一ドメイン抗体断片または受容体リガンド、抗体結合ドメイン、抗体超可変ループまたはCDRなど、scFv以外の結合ドメインもリンパ球の事前定義されたターゲティングに使用できる。
【0080】
好ましい実施形態では、該膜貫通ドメインは、該細胞外リガンド結合ドメインと該膜貫通ドメインとの間にストーク領域をさらに含む。本明細書で使用される「ストーク領域」という用語は、膜貫通ドメインを細胞外リガンド結合ドメインに連結するように機能する任意のオリゴまたはポリペプチドを意味することができる。特に、ストーク領域は、細胞外リガンド結合ドメインにより多くの柔軟性とアクセス性を提供するために使用される。ストーク領域は、最大300アミノ酸、好ましくは10~100アミノ酸、最も好ましくは25~50アミノ酸を含み得る。ストーク領域は、CD8、CD4またはCD28の細胞外領域の全部または一部などの天然に存在する分子の全部または一部、または抗体定常領域の全部または一部に由来し得る。あるいは、ストーク領域は、天然に存在するストーク配列に対応する合成配列であってもよく、または完全に合成ストーク配列であってもよい。一実施形態では、該ストーク領域は、ヒトCD8アルファ鎖の一部である。
【0081】
本発明のCARのシグナル伝達ドメインまたは細胞内シグナル伝達ドメインは、細胞外リガンド結合ドメインの標的への結合後の細胞内シグナル伝達に関与し、免疫細胞の活性化および免疫応答をもたらす。換言すれば、シグナル伝達ドメインは、CARが発現する免疫細胞の正常なエフェクター機能の少なくとも1つの活性化に関与している。例えば、T細胞のエフェクター機能は、サイトカインの分泌を含む細胞溶解活性またはヘルパー活性であり得る。したがって、「シグナル伝達ドメイン」という用語は、エフェクターシグナル機能シグナルを伝達し、細胞に特定の機能を実行するように指示するタンパク質の部分を指すことができる。
【0082】
シグナル伝達ドメインは、抗原依存性の一次活性化を開始するものと、抗原非依存的に作用して二次または共刺激シグナルを提供するものとの、細胞質シグナル伝達配列の2つの異なるクラスを含むことができる。一次細胞質シグナル伝達配列は、ITAMである免疫受容体活性化チロシンモチーフとして知られているシグナル伝達モチーフを含むことができる。ITAMは、syk/zap70クラスのチロシンキナーゼの結合部位として機能するさまざまな受容体の細胞質内尾部に見られる明確に定義されたシグナル伝達モチーフである。本発明で使用されるITAMの例には、非限定的な例として、TCRゼータ、FcRガンマ、FcRベータ、FcRイプシロン、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD5、CD22、CD79a、CD79bおよびCD66dに由来するものが含まれ得る。好ましい実施形態では、CARのシグナル伝達ドメインは、CD3ゼータシグナル伝達ドメイン、またはFcイプシロンRIベータまたはガンマ鎖の細胞質内ドメインを含むことができる。別の好ましい実施形態では、シグナル伝達は、CD28および例えば4-1BBまたはOX40などの)腫瘍壊死因子受容体(TNFr)によって提供される共刺激とともに、CD3ゼータによって提供される。
【0083】
一実施形態では、本発明のCARの細胞内シグナル伝達ドメインは、共刺激シグナル分子を含む。いくつかの実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、タンデムに2、3、4またはそれ以上の共刺激分子を含む。共刺激分子は、効率的な免疫応答に必要な抗原受容体またはそのリガンド以外の細胞表面分子である。
【0084】
「共刺激リガンド」は、T細胞上の同族の共刺激分子に特異的に結合し、それにより、例えば、ペプチドが搭載されたMHC分子とTCR/CD3複合体の結合によって提供される一次シグナルに加えて、増殖活性化、分化などを含むがこれらに限定されないT細胞応答を媒介するシグナルを提供する、抗原提示細胞上の分子を指すことができる。共刺激リガンドには、CD7、B7-1(CD80)、B7-2(CD86)、PD-L1、PD-L2、4-1BBL、OX40L、誘導性共刺激リガンド(ICOS-L)、細胞間接着分子(ICAM、CD30L、CD40、CD70、CD83、HLA-G、MICA、M1CB、HVEM、リンホトキシンベータ受容体、3/TR6、ILT3、ILT4、Tollリガンド受容体とリガンドを結合するアゴニストまたは抗体、および特にB7-H3と特異的に結合するリガンドが含まれ得るが、これらに限定されない。共刺激リガンドは、とりわけ、T細胞上に存在する共刺激分子、例えば、限定されないが、CD27、CD28、4-IBB、OX40、CD30、CD40、PD-1、ICOS、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、CD7、LTGHT、NKG2C、B7-H3、CD83と特異的に結合するリガンド、と特異的に結合する抗体も包含する。
【0085】
「共刺激分子」は、共刺激リガンドと特異的に結合し、それにより、増殖などの、しかしそれに限定されない細胞による共刺激応答を媒介する、T細胞上の同族結合パートナーを指すことができる。共刺激分子には、MHCクラス1分子、BTLAおよびトール(Toll)リガンド受容体が含まれるが、これらに限定されない。共刺激分子の例には、CD27、CD28、CD8、4-1BB(CD137)、OX40、CD30、CD40、PD-1、ICOS、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、およびCD83と特異的に結合するリガンドなど、が含まれる。
【0086】
別の特定の実施形態では、該シグナル伝達ドメインは、共刺激性TNFRメンバーファミリーの細胞質内尾部であるTNFR関連因子2(TRAF2)結合モチーフである。共刺激性TNFRファミリーメンバーの細胞質尾部には、主要な保存モチーフ(P/S/A)X(Q/E)E)またはマイナーモチーフ(PXQXXD)からなるTRAF2結合モチーフが含まれる(前記Xは任意のアミノ酸である)。TRAFタンパク質は、受容体の三量体化に応答して、多くのTNFRの細胞内尾部に動員される。
【0087】
キメラ抗原受容体は、抗原認識ドメインを、細胞シグナル伝達を調節する(すなわち刺激する)シグナル伝達ドメイン(刺激ドメインとも呼ばれる)に融合する。そのような刺激ドメインの非限定的な例は、CD28、41BB、および/またはCD3-ゼータ細胞内シグナル伝達ドメインのものを含む。たとえば、図2を参照されたい。
【0088】
適切な膜貫通ポリペプチドの際立った特徴は、免疫細胞、特にリンパ球細胞またはナチュラルキラー(NK)細胞の表面で発現し、所定の標的細胞に対する免疫細胞の細胞応答を誘導するために相互作用する能力を含む。細胞外リガンド結合ドメインおよび/またはシグナル伝達ドメインを含む本発明のCARの異なる膜貫通ポリペプチドは、一緒に相互作用して、標的リガンドとの結合後のシグナル伝達に関与し、免疫応答を誘発する。膜貫通ドメインは、天然由来または合成由来のいずれかに由来し得る。膜貫通ドメインは、任意の膜結合または膜貫通タンパク質に由来し得る。
【0089】
本明細書で使用される「の一部」という用語は、分子の任意のサブセット、すなわちより短いペプチドを指すことができる。あるいは、ポリペプチドのアミノ酸配列機能的バリアントは、ポリペプチドをコードするDNAの変異によって調製することができる。そのようなバリアントまたは機能的バリアントには、例えば、アミノ酸配列内の残基からの欠失、または挿入または置換が含まれる。最終構築物が所望の活性を有し、特に特異的な抗標的細胞性免疫活性を示すことを条件として、削除、挿入、および置換の任意の組み合わせを行って、最終構築物に到達してもよい。宿主細胞内の本発明のCARの機能性は、特定の標的が結合すると、該CARのシグナル伝達能力を実証するのに適したアッセイで検出可能である。そのようなアッセイは、当業者に利用可能である。例えば、このアッセイは、カルシウムイオン放出の増加、細胞内チロシンリン酸化、イノシトールリン酸代謝回転、またはこのようにしてもたらされるインターロイキン(IL)2、インターフェロンガンマ、GM-CSF、IL-3、IL-4の産生、の測定を含むアッセイなど、標的の結合時にトリガーされるシグナル伝達経路の検出を可能にする。
【0090】
細胞
本発明の実施形態は、CARを発現する細胞(すなわち、CART)を含む。細胞は、癌治療のためにCARを発現することができる免疫細胞、またはCARをコードする発現ベクターを保有する細菌細胞などの細胞を含む、任意の種類のものであり得る。本明細書中で使用される場合、用語「細胞」、「細胞株」、および「細胞培養物」は、交換可能に使用され得る。これらのすべての用語には、それらの子孫も含まれ、これは、あらゆる後続世代である。計画的または偶発性の突然変異のために、すべての子孫が同一ではない可能性があることが理解されている。異種核酸配列を発現する状況において、「宿主細胞」は、ベクターを複製し、および/またはベクターによってコードされる異種遺伝子を発現することができる真核細胞を指す。宿主細胞はベクターのレシピエントとして使用でき、使用されてきた。宿主細胞は、「トランスフェクト」または「形質転換」されてもよく、これは、外因性核酸が宿主細胞に移入または導入されるプロセスを指す。形質転換された細胞は、初代対象細胞およびその子孫を含む。本明細書中で使用される場合、用語「操作された」および「組換え」細胞または宿主細胞は、例えば、ベクターなどの外因性核酸配列が導入された細胞を指すことが意図される。したがって、組換え細胞は、組換えによって導入された核酸を含まない天然に存在する細胞と区別できる。本発明の実施形態では、宿主細胞は、細胞傷害性T細胞(TC、細胞傷害性Tリンパ球、CTL、Tキラー細胞、細胞溶解性T細胞、CD8+T細胞またはキラーT細胞としても知られる)を含むT細胞であり、NK細胞およびNKT細胞もまた本発明に含まれる。
【0091】
いくつかのベクターは、原核細胞および真核細胞の両方で複製および/または発現されることを可能にする制御配列を使用することができる。当業者は、上記の宿主細胞のすべてをインキュベートしてそれらを維持し、ベクターの複製を可能にする条件をさらに理解するであろう。また、ベクターの大規模生産、ならびにベクターによってコードされる核酸およびそれらの同族のポリペプチド、タンパク質、またはペプチドの生産を可能にする技術および条件も理解され、知られている。
【0092】
細胞は、自己細胞、同系細胞、同種異系細胞、場合によっては異種細胞であってもよい。
【0093】
多くの状況では、改変CTLを、治療の終了が望まれる場合、該細胞が腫瘍性になる場合、該細胞の存在後にその細胞が不在になることが関心対象である研究において、または他の事象において、殺傷できることが望ましい場合がある。この目的のために、誘導性自殺遺伝子など、制御された条件下で改変細胞を殺傷することができる特定の遺伝子産物の発現を提供することができる。
【0094】
武装化CART
本発明はさらに、1つ以上のポリペプチドを分泌するように改変されたCARTを含む。このようなCARTは、CARTファクトリまたは武装化CARTと呼ばれる。ポリペプチドは、例えば、本明細書に記載される抗体またはその断片であり得る。例えば、ポリペプチドは、抗体またはサイトカインであり得る。実施形態では、抗体は、TIGIT、CAIX、GITR、PD-L1、PD-L2.PD-1、またはCCR4に特異的である。
【0095】
例えば、CARをコードするものと同じDNAベクター(例えば、抗原認識ドメイン)または第2の別個のベクターにあってよい第2の発現構築物は、目的の単一または複数の抗原に対して指向する、ミニボディ(scFv-Fc)または抗体またはその断片をコードするのに使用でき、内部リボソーム侵入部位(IRES)の後にクローニングすることができる。図2を参照すると、第2の発現カセットは、蛍光分子または免疫調節ミニボディのいずれかを含む。
【0096】
武装化CARTには、標的部位、例えば腫瘍部位でポリペプチドを同時に分泌するという利点がある。図6、16および17を参照すると、例えば、武装化CARTは抗TIGIT抗体またはその断片を分泌することができる。TIGITは、抗腫瘍およびCD8T細胞依存性免疫応答などの他のT細胞依存性慢性免疫応答を制限するT細胞共抑制受容体である。TIGITは、活性化T細胞とナチュラルキラー(NK)細胞のサブセットに発現される。たとえば、TIGITは腫瘍浸潤性T細胞で高度に発現している。癌モデルでは、TIGITの抗体遮断がCD8T細胞のエフェクター機能と腫瘍クリアランスの向上に寄与した。
【0097】
実施形態では、武装化CARTの抗TIGIT抗体は、図17に記載される、1つ以上の抗TIGIT抗体クローン(またはその断片、例えばFR1、FR2、FR3、FR4、CDR1、CDR2、CDR3、またはフレームワークおよび/またはその中のCDR領域の任意の組み合わせ)を含む。
【0098】
例えば、抗TIGIT抗体は、配列:GYTF....TSYG(配列番号65)を有するVH領域のCDR1、配列:ISAY..NGNT(配列番号66)を有するVH領域のCDR2、配列:ARDPGLWFGLTHDYYFDY(配列番号67)を有するVH領域のCDR3、配列SSNI....GSNT(配列番号68)を有するVL領域のCDR1、配列:RN.......N(配列番号69)を有するVL領域のCDR2、および配列:AAWDDSRSGPV(配列番号70)を有するVL領域のCDR3を含むことができる。
【0099】
例えば、抗TIGIT抗体は、配列:GFTF....SDYS(配列番号71)を有するVH領域のCDR1、配列:INSD..GSRT(配列番号72)を有するVH領域のCDR2、配列:ARGPGFFGFDI(配列番号73)を有するVH領域のCDR3、配列RSNI....GRNS(配列番号74)を有するVL領域のCDR1、配列:SN.......N(配列番号75)を有するVL領域のCDR2、および配列:AAWDARLTGPL(配列番号76)を有するVL領域のCDR3を含むことができる。
【0100】
例えば、抗TIGIT抗体は、配列:GYSF....TNYW(配列番号77)を有するVH領域のCDR1、配列:INPV..NSRT(配列番号78)を有するVH領域のCDR2、配列:ARYYYYAMEV(配列番号79)を有するVH領域のCDR3、配列SSNI....GSNT(配列番号80)を有するVL領域のCDR1、配列:RN.......N(配列番号81)を有するVL領域のCDR2、および配列:EAWDDSLNGPV(配列番号82)を有するVL領域のCDR3を含むことができる。
【0101】
例えば、抗TIGIT抗体は、配列:GYTF....TNYG(配列番号83)を有するVH領域のCDR1、配列:VDNN..NGNI(配列番号84)を有するVH領域のCDR2、配列:ARGLFSSRWYLWFDP(配列番号85)を有するVH領域のCDR3、配列SSDVG...GYNY(配列番号86)を有するVL領域のCDR1、配列:EV.......T(配列番号87)を有するVL領域のCDR2、および配列:SSYTRSSTSYVV(配列番号88)を有するVL領域のCDR3を含むことができる。
【0102】
例えば、抗TIGIT抗体は、配列:GGTF....SSYA(配列番号89)を有するVH領域のCDR1、配列:ILPM..FGST(配列番号90)を有するVH領域のCDR2、配列:ARGRDIVAPSNSGFDV(配列番号91)を有するVH領域のCDR3、配列SNNV....GNQG(配列番号92)を有するVL領域のCDR1、配列:RN.......D(配列番号93)を有するVL領域のCDR2、および配列:SAYDRSLNAWV(配列番号94)を有するVL領域のCDR3を含むことができる。
【0103】
実施形態では、抗TIGIT抗体は、配列番号65、71、77、83、もしくは89のCDR1、配列番号66、72、78、84、もしくは90のCDR2、および配列番号67、73、79、85、もしくは91のCDR3、またはそれらの任意の組み合わせを含むVHを有する重鎖を含み得る。
【0104】
実施形態では、抗TIGIT抗体は、配列番号68、74、80、86、もしくは92のCDR1、配列番号69、75、81、87、もしくは93のCDR2、および配列番号70、76、82、88、もしくは94のCDR3、またはそれらの任意の組み合わせを含むVLを有する軽鎖を含み得る。
【0105】
武装化CARTは、細胞内シグナル伝達ドメインの後に目的のポリペプチドをコードする核酸を含めることで構築できる。好ましくは、細胞内シグナル伝達ドメインと目的のポリペプチドとの間に配置された内部リボソーム侵入部位(IRES)が存在する。当業者は、複数のIRES配列をタンデムで使用することにより、2つ以上のポリペプチドを発現できることを理解することができる。
【0106】
一実施形態では、本明細書に提示される方法および組成物は、例えばT細胞の消耗と戦うため、腫瘍微小環境においてポリペプチドを分泌する力を備えた、第2世代のCXCR4および/またはクローディン4に対して特異性を有するT細胞などの標的特異的T細胞を提供する。
【0107】
CTLへの構築物の導入
CARをコードする発現ベクターは、1つ以上のDNA分子または構築物として導入され得、そこには、該構築物(複数可)を含む宿主細胞の選択を可能にする、少なくとも1つのマーカーが存在してもよい。
【0108】
構築物は、遺伝子および調節領域が適宜単離、ライゲーション、適切なクローニング宿主においてクローニング、制限もしくは配列決定により分析され得る従来の方法、または他の便利な手段で調製することができる。特に、PCRを使用すると、機能単位の全部または一部を含む個々の断片を分離でき、「プライマー修復」、ライゲーション、インビトロ変異誘発などを適宜使用して、1つ以上の変異を導入できる。一旦完成し、適切な配列を有することが実証された構築物(複数可)は、次いで、任意の好都合な手段によってCTLに導入され得る。構築物は、細胞への感染や形質導入のために、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)または他のウイルスのような、非複製型の欠陥のあるウイルスゲノム(レトロウイルスベクターまたはレンチウイルスベクターを含む)の中に組み込むおよびパッケージ化してもよい。構築物は、必要に応じて、トランスフェクションのためのウイルス配列を含み得る。あるいは、構築物は、融合、エレクトロポレーション、バイオリスティック法、トランスフェクション、リポフェクションなどによって導入されてもよい。宿主細胞は、構築物(複数可)を導入する前に培養物中で成長および増大(expand)させ、その後、構築物(複数可)を導入するおよび構築物(複数可)を組み込むための適切な処理を行うことができる。次に、細胞を増大させ、構築物中に存在するマーカーによってスクリーニングする。首尾良く使用できるさまざまなマーカーには、hprt、ネオマイシン耐性、チミジンキナーゼ、ハイグロマイシン耐性などがある。
【0109】
いくつかの例では、構築物が特定の遺伝子座に組み込まれることが望まれる場合、相同組換えのための標的部位を有し得る。例えば、)は、内因性遺伝子をノックアウトし、相同組換えについて当技術分野で知られている材料および方法を使用して、それを(同じ遺伝子座または他の場所で)構築物によってコードされる遺伝子で置き換えることができる。相同組換えのために、.OMEGA.またはO-ベクターのいずれかを使用することができる。例えば、Thomas and Capecchi,Cell(1987)51,503-512;Mansour,et al.,Nature(1988)336,348-352、およびJoyner,et al.,Nature(1989)338,153-156を参照されたい。
【0110】
構築物は、少なくともCARおよび任意選択で別の遺伝子をコードする単一のDNA分子、または1つ以上の遺伝子を有する異なるDNA分子として導入することができる。他の遺伝子には、例えば、治療分子または自殺遺伝子をコードする遺伝子が含まれる。構築物は、同時にまたは連続的に導入され得、それぞれが同じまたは異なるマーカーを有する。
【0111】
構築物DNAのストックの調製やトランスフェクションの実施に使用できる、細菌または酵母の複製起点、選択可能および/または増幅可能なマーカー、原核生物または真核生物での発現用のプロモーター/エンハンサー要素などの有用な要素を含むベクターは、当技術分野でよく知られており、多くは市販されている。
【0112】
使用方法
本発明の態様は、癌に罹患している対象を治療する方法に向けられている。
【0113】
本発明の態様は、さらに対象における癌の進行を停止または低減させるか、または癌の退縮を促進させる方法に向けられている。
【0114】
なおさらに、本発明の態様は、対象における癌細胞の細胞増殖を低減させる方法に向けられている。
【0115】
本発明の態様はまた、細胞の細胞傷害性を誘導する方法に向けられている。例えば、図2および図3を参照すると、CXCR-4発現細胞の特異的な細胞傷害性は、CXCR-4標的化キメラ抗原受容体T細胞によって誘導される。
【0116】
「癌」および「癌性」は、例えば、典型的には無秩序な細胞増殖を特徴とする哺乳動物の生理学的状態を指すか、または記述する。癌の例としては、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病が挙げられるが、これらに限定されない。そのような癌のより具体的な例には、扁平上皮癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、腹膜癌、肝細胞癌、胃腸癌、膵臓癌、神経膠芽腫、子宮頸部癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、ヘパトーマ、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌または子宮癌、唾液腺癌、腎臓癌、肝臓癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝癌、およびさまざまなタイプの頭頸部癌が含まれる。
【0117】
癌において、組織内の正常な細胞間相互作用は破壊され、腫瘍微小環境は増殖する腫瘍に対応するように進化する。腫瘍微小環境(TME)は、周囲の血管、免疫細胞、線維芽細胞、骨髄由来炎症細胞、リンパ球、シグナル伝達分子、細胞外マトリックス(ECM)などの構成要素を含む、腫瘍が存在する細胞環境を指す。腫瘍微小環境は複雑で、免疫系の影響を強く受ける。
【0118】
本発明は、とりわけ(本明細書に記載されているような)トリプルネガティブ乳癌のためのCAR-T細胞療法を提供する。腫瘍部位でのCAR-T細胞による単一特異性、二重特異性、または三重特異性ミニボディ、抗体、またはミニボディ/抗体融合タンパク質の分泌は、免疫抑制性腫瘍微小環境を変化させる(すなわち、調節する)ことにより、さらなる利益をもたらす可能性がある。
【0119】
実施形態では、方法は、癌に罹患している対象に、本明細書に記載の操作された細胞の治療上有効量を投与することを含む。治療上有効量は、癌の重症度と経過、以前の治療、対象の健康状態、体重、薬物への反応、および担当医師の判断に依存し得る。
【0120】
対象は、液性癌(すなわち、血液癌)および/または固形癌(すなわち、腫瘍)などの癌に罹患している可能性がある。癌は良性または悪性であり得、免疫系によって影響を受けるものであり得る。
【0121】
本明細書に記載される実施形態は、癌に罹患している対象を治療するように免疫系を調節することができる。「調節すること」は、阻害の上方制御、誘導、刺激、増強、および/または解放、ならびに阻害、減弱および/または下方制御または抑制を指すことができる。実施形態では、対象の免疫系の活性が調節されるか、癌細胞および/または腫瘍を取り囲む微小環境が調節されるか、あるいはその両方である。例えば、本明細書に記載の実施形態は、腫瘍細胞を殺傷するように免疫系を調節する(または免疫系による腫瘍細胞の殺傷を可能にする)よう、免疫抑制性腫瘍微小環境を変化させ、微小環境依存性免疫抑制を低減することができる。
【0122】
一実施形態は、臨床的予後が不良の高悪性度の乳癌のサブタイプ(例えば、固形腫瘍)であるトリプルネガティブ乳癌(TNBC)に罹患している対象を治療する方法に向けられている。化学療法で治療している間の、高い再発率は新規のターゲティングされた療法の必要性を示している。本明細書に記載されるような免疫療法は、TNBCのエキサイティングな治療選択肢を提示する。例えば、実施形態は、TNBC用の、免疫調節抗体を分泌するCAR T細胞であるキメラ抗原受容体(CAR)T細胞ファクトリを、工学技術により作製することを含む。
【0123】
「個体」または「対象」は哺乳動物であり得る。哺乳動物には、家畜(例:牛、羊、猫、犬、馬)、霊長類(例:ヒトおよびサルなどの非人類霊長類)、ウサギ、げっ歯類(例:マウスおよびラット)が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、個体または対象はヒトである。
【0124】
本発明による細胞は、癌の治療を必要とする患者の癌を治療するために使用することができる。別の実施形態では、本発明による該単離された細胞は、癌、自己免疫障害のウイルス感染の治療を必要とする患者における該治療のための医薬の製造において使用することができる。
【0125】
本発明は、治療を必要とする患者を治療する方法に依存し、該方法は、以下のステップのうちの少なくとも1つを含む:(a)本発明によるキメラ抗原受容体細胞を提供するステップ、および(b)該患者に該細胞を投与するステップ。
【0126】
該治療は、寛解、治癒または予防であり得る。それは、自己免疫療法の一部または同種異系免疫療法治療の一部であり得る。自己とは、患者の治療に使用される細胞、細胞株または細胞集団が、該患者に由来またはヒト白血球抗原(HLA)適合ドナーに由来することを意味する。同種異系とは、患者の治療に使用される細胞または細胞集団が、該患者に由来するのではなく、ドナーに由来することを意味する。
【0127】
本発明は、典型的にはドナーから得られるT細胞の非アロ反応性細胞への形質転換を可能にする限り、同種異系免疫療法に特に適している。これは、標準プロトコルの下で実行され得、必要な回数だけ複製され得る。得られた改変T細胞をプールして、1人または数人の患者に投与し、「既製の」治療用製品として利用可能にすることができる。
【0128】
開示された方法で使用できる細胞は、前項に記載されている。該治療は、癌と診断された患者を治療するために使用することができる。治療され得る癌には、血管新生されていない、またはまだ実質的に血管新生されていない腫瘍、ならびに血管新生腫瘍が含まれる。癌は、非固形腫瘍(例えば、血液腫瘍、例えば、白血病およびリンパ腫)を含んでよく、または固形腫瘍を含んでよい。本発明のCARで治療される癌のタイプには、癌腫、芽細胞腫、および肉腫、ならびに特定の白血病またはリンパ性悪性腫瘍、良性および悪性腫瘍、および悪性腫瘍、例えば、肉腫、癌腫、および黒色腫が含まれるが、これらに限定されない。成人腫瘍/癌および小児腫瘍/癌も含まれる。
【0129】
それは、抗体療法、化学療法、サイトカイン療法、樹状細胞療法、遺伝子療法、ホルモン療法、レーザー光線療法および放射線療法の群から選択される癌に対する1つ以上の療法と組み合わせた治療であり得る。
【0130】
本発明の実施形態によれば、該治療は、免疫抑制治療を受けている患者に投与することができる。実際、本発明は、好ましくは、そのような免疫抑制剤の受容体をコードする遺伝子の不活性化のために少なくとも1つの免疫抑制剤に対して耐性にされた細胞または細胞集団に依存する。この態様では、免疫抑制治療は、患者内で本発明によるT細胞の選択および拡大を助けるはずである。
【0131】
さらなる実施形態では、本発明の細胞組成物は、骨髄移植、フルダラビンなどの化学療法剤、体外照射療法(XRT)、シクロホスファミド、またはOKT3やCAM PATHなどの抗体のいずれかを使用するT細胞除去療法(T cell ablative therapy)と組み合わせて(例えば、前に、同時にまたは後に)患者に投与される。別の実施形態では、本発明の細胞組成物は、CD20と反応する薬剤、例えばリツキサンなどのB細胞除去療法(B-cell ablative therapy)後に投与される。例えば、一実施形態では、対象は、大量化学療法による標準治療を受け、その後末梢血幹細胞移植を受けることができる。特定の実施形態では、移植後、対象は、本発明の増大された免疫細胞の注入を受ける。さらなる実施形態では、増大された細胞は、手術の前または後に投与される。本明細書に記載される方法のうちのいずれかによって得られる該改変細胞は、宿主対移植片(HvG)拒絶および移植片対宿主病(GvHD)に対して治療を必要とする患者を治療するための本発明の特定の態様において使用でき、したがって、本発明の範囲には、宿主対移植片(HvG)拒絶および移植片対宿主病(GvHD)に対して治療を必要とする患者を治療する方法であって、不活化されたTCRアルファおよび/またはTCRベータ遺伝子を含む改変細胞の有効量を該患者に投与することにより該患者を治療することを含む、方法がある。
【0132】
細胞の投与
本発明は、典型的にはドナーから得られるT細胞の非アロ反応性細胞への形質転換を可能にする限り、同種異系免疫療法に特に適している。これは、標準プロトコルの下で実行され得、必要な回数だけ複製され得る。得られた改変T細胞をプールして、1人または数人の患者に投与し、「既製の」治療用製品として利用可能にすることができる。
【0133】
細胞の性質に応じて、細胞は多種多様な方法で宿主生物、例えば哺乳動物に導入することができる。特定の実施形態では、細胞は腫瘍の部位に導入することができるが、代替の実施形態では、細胞は癌に集中する(hone)か、または癌に集中するように改変される。使用される細胞の数は、様々な状況、導入の目的、細胞の寿命、使用されるプロトコル、例えば、投与回数、細胞が増殖する能力、組換え構築物の安定性などに依存する。細胞は、分散液として適用されてもよく、通常、目的の部位またはその近くに注入される。細胞は、生理学的に許容される媒体中にあってよい。
【0134】
いくつかの実施形態では、免疫認識を阻害するために細胞はカプセル化され、腫瘍の部位に配置される。
【0135】
細胞は所望に応じて投与できる。所望の応答、投与方法、細胞の寿命、存在する細胞の数に応じて、様々なプロトコルを使用することができる。投与回数は、少なくとも部分的に上記の要因に依存する。
【0136】
本発明による細胞または細胞集団の投与は、エアロゾル吸入、注射、摂取、輸血、インプラント術または移植を含む、任意の都合のよい方法で行うことができる。本明細書に記載の組成物は、皮下、皮内、腫瘍内、結節内、髄内、筋肉内、静脈内またはリンパ内注射、または腹腔内で患者に投与することができる。一実施形態では、本発明の細胞組成物は、好ましくは、静脈内注射によって投与される。
【0137】
細胞または細胞集団の投与は、好ましくは体重kg当たり10~10個の細胞、好ましくは、10~10個の細胞/kg体重の投与からなることができ、これらの範囲内の細胞数のすべての整数値を含む。細胞または細胞集団は、1回以上の用量で投与することができる。別の実施形態では、該有効量の細胞は、単回用量として投与される。別の実施形態では、該有効量の細胞は、ある期間にわたって2回以上の用量として投与される。投与のタイミングは、主治医の判断の範囲内であり、患者の臨床状態に依存する。細胞または細胞集団は、血液バンクまたはドナーなどの任意の供給源から得ることができる。個々の必要性は変化するが、特定の疾患または状態に対する所与の細胞型の有効量の最適範囲の決定は当技術の範囲内である。有効量は、治療的または予防的利益を提供する量を意味する。投与される投与量は、レシピエントの年齢、健康状態および体重、もしあれば同時治療の種類、治療の頻度および所望の効果の性質に依存するであろう。
【0138】
系は、リガンドに対する細胞応答、発現効率、および適切な場合には分泌レベル、発現産物の活性、患者の特定の必要性など、時間および状況、細胞の損失または個々の細胞の発現活性の結果としての細胞活性の損失率などによって変化し得る多くの変数に影響されることを理解されたい。したがって、個々の患者ごとに、集団全体に投与できる万能細胞があったとしても、各患者はその個人の適切な投与量についてモニターされることが期待され、患者をモニターするそのような慣行は当技術分野では日常的に行われている。
【0139】
核酸ベースの発現系
本発明のCARは、発現ベクターから発現させることができる。そのような発現ベクターを作製するための組換え技術は、当技術分野でよく知られている。
【0140】
本明細書に記載される「DNAベクター」とも呼ばれ得るDNA構築物は、ポリペプチドおよび/またはその断片を分泌するキメラ抗原受容体T細胞を形質導入および産生するために使用されるベクターにクローニングされ得る。例えば、DNA構築物は、腫瘍部位で単一特異性、二重特異性、または三重特異性免疫調節抗体/ミニボディおよび/または抗体融合タンパク質を分泌するキメラ抗原受容体T細胞を形質導入および産生するために使用されるレンチウイルスの産生のためのレンチウイルスベクターにクローニングされ得る。
【0141】
ベクター
「ベクター」という用語は、核酸配列をそれが複製され得る細胞に導入するために挿入することができるキャリア核酸分子を指すために使用される。核酸配列は「外因性」であり得、これは、ベクターが導入される細胞にとって外来であるか、または配列が細胞内の配列と相同であるが、配列が通常見出されない宿主細胞核酸内位置にあることを意味する。ベクターには、プラスミド、コスミド、ウイルス(バクテリオファージ、動物ウイルス、および植物ウイルス)、人工染色体(YACなど)が含まれる。当業者であれば、標準的な組換え技術を用いてベクターを構築するために十分な設備を有しているであろう(例えば、ともに参照により本明細書に組み込まれる、Maniatis et al.,1988およびAusubel et al.,1994を参照されたい)。
【0142】
「発現ベクター」という用語は、転写され得るRNAをコードする核酸を含む任意のタイプの遺伝子構築物を指す。いくつかの場合では、次に、RNA分子はタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドに翻訳される。他の場合では、これらの配列は、例えばアンチセンス分子またはリボザイムの産生において翻訳されない。発現ベクターは、特定の宿主細胞における作動可能に連結されたコード配列の転写およびおそらくは翻訳に必要な核酸配列を指す、様々な「制御配列」を含むことができる。転写および翻訳を支配する制御配列に加えて、ベクターおよび発現ベクターは、他の機能も果たす核酸配列を含み得、以下に記載される。
【0143】
プロモーターおよびエンハンサー
「プロモーター」は、転写の開始および速度が制御される核酸配列の領域である制御配列である。それは、RNAポリメラーゼおよび他の転写因子などの調節タンパク質および分子が結合して核酸配列の特定の転写を開始できる遺伝的要素を含み得る。「作動可能に配置された」、「作動可能に連結された」、「制御下」、および「転写制御下」という語句は、プロモーターが、その配列の転写開始および/または発現を制御するために、核酸配列に関して正しい機能的位置および/または方向にあることを意味する。
【0144】
プロモーターは一般に、RNA合成の開始部位の位置を特定するように機能する配列を含む。これの最もよく知られている例はTATAボックスであるが、例えば哺乳動物のターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ遺伝子のプロモーターやSV40後期遺伝子のプロモーターなど、TATAボックスのない一部のプロモーターでは、開始部位自体を覆う個別の要素自体が、開始場所を固定するのを助けている。追加のプロモーター要素は、転写開始の頻度を調節する。典型的には、これらは開始部位の上流30 110bpの領域に位置するが、いくつかのプロモーターは開始部位の下流にも機能的要素を含むことが示されている。コード配列をプロモーターの「制御下」に置くために、転写リーディングフレームの転写開始部位の5’末端を選択されたプロモーターの「下流」(すなわち、3’)に配置する。「上流」プロモーターがDNAの転写を刺激し、コードされたRNAの発現を促進する。
【0145】
多くの場合、プロモーター要素間の間隔は柔軟であり、そのため、要素が互いに反転したり移動したりしても、プロモーターの機能は維持される。tkプロモーターでは、活性が低下し始める前に、プロモーター要素間の間隔を50bpまで広げることができる。プロモーターに応じて、個々の要素が協調的にまたは独立して機能して転写を活性化することができると思われる。プロモーターは、核酸配列の転写活性化に関与するシス作用性調節配列を指す「エンハンサー」と組み合わせて使用してもしなくてもよい。
【0146】
プロモーターは、コードセグメントおよび/またはエキソンの上流に位置する5プライム’非コード配列を単離することにより得ることができるように、核酸配列と自然に関連するものであってもよい。このようなプロモーターは、「内因性」と呼ばれ得る。同様に、エンハンサーは、その配列の下流または上流のいずれかに位置する、核酸配列と自然に関連するものであってもよい。あるいは、コード化核酸セグメントを組換えまたは異種プロモーターの制御下に配置することによって特定の利点が得られるが、これは、その自然環境において核酸配列と通常関連しないプロモーターを指す。組換えまたは異種エンハンサーはまた、その自然環境において核酸配列と通常関連しないエンハンサーも指す。そのようなプロモーターまたはエンハンサーは、他の遺伝子のプロモーターまたはエンハンサー、および他のウイルス、または原核細胞または真核細胞から単離されたプロモーターまたはエンハンサー、および「天然に存在しない」、すなわち異なる転写調節領域の異なる要素、および/または発現を変化させる突然変異を含むプロモーターまたはエンハンサーを含み得る。例えば、組換えDNA構築で最も一般的に使用されるプロモーターには、ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトースおよびトリプトファン(trp)プロモーター系が含まれる。プロモーターおよびエンハンサーの核酸配列を合成的に生成することに加えて、配列は、本明細書に開示される組成物に関連して、PCR.TM.を含む組換えクローニングおよび/または核酸増幅技術を使用して生成され得る(それぞれ参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,683,202号および第5,928,906号を参照)。さらに、ミトコンドリア、葉緑体などの非核オルガネラ内の配列の転写および/または発現を指示する制御配列も同様に使用できると考えられる。
【0147】
当然のことながら、発現のために選択された細胞小器官、細胞型、組織、器官、または生物におけるDNAセグメントの発現を効果的に導くプロモーターおよび/またはエンハンサーを使用することが重要であろう。分子生物学の当業者は、タンパク質発現のためのプロモーター、エンハンサー、および細胞型の組み合わせの使用を一般に知っている(例えば、参照により本明細書に組み込まれるSambrook et al.1989を参照)。使用されるプロモーターは、構成的、組織特異的、誘導可能な、および/または組換えタンパク質および/またはペプチドの大規模生産に有利であるような、導入されたDNAセグメントの高レベル発現を指示する適切な条件下で有用であり得る。プロモーターは、異種または内因性であり得る。
【0148】
さらに、プロモーター/エンハンサーの任意の組み合わせを使用して発現を促進することもできる。T3、T7またはSP6細胞質発現系の使用は、別の可能な実施形態である。真核細胞は、適切な細菌ポリメラーゼが送達複合体の一部として、または追加の遺伝子発現構築物として提供される場合、特定の細菌プロモーターからの細胞質転写をサポートできる。
【0149】
組織特異的プロモーターまたは要素の同一性、ならびにそれらの活性を特徴付けるアッセイは、当業者に周知である。
【0150】
コード配列の効率的な翻訳には、特定の開始シグナルも必要になる場合がある。これらのシグナルには、ATG開始コドンまたは隣接する配列が含まれる。ATG開始コドンを含む外因性翻訳制御シグナルを提供する必要がある場合がある。当業者であれば、これを容易に決定し、必要なシグナルを提供することができるであろう。
【0151】
本発明の特定の実施形態において、内部リボソーム侵入部位(IRES)要素の使用は、多重遺伝子、または多シストロン性の、メッセージを作製するために使用され、これらは、本発明において使用され得る。
【0152】
ベクターには、複数の制限酵素部位を含む核酸領域であるマルチクローニングサイト(MCS)を含めることができ、これらのいずれも、標準的な組換え技術と組み合わせてベクターを消化するために使用できる。「制限酵素消化」は、核酸分子の特定の位置でのみ機能する酵素による核酸分子の触媒的切断を指す。これらの制限酵素の多くは市販されている。そのような酵素の使用は、当業者によって広く理解されている。多くの場合、MCS内で切断する制限酵素を使用してベクターを線形化または断片化し、外来配列をベクターにライゲーションできるようにする。「ライゲーション」とは、2つの核酸断片間にホスホジエステル結合を形成するプロセスを指し、これは互いに隣接していてもいなくてもよい。制限酵素およびライゲーション反応を含む技術は、組換え技術の当業者によく知られている。
【0153】
スプライシング部位、終結シグナル、複製起点、および選択可能なマーカーも使用することができる。
【0154】
プラスミドベクター
特定の実施形態では、プラスミドベクターは、宿主細胞を形質転換するための使用が企図される。一般に、宿主細胞と適合性のある種に由来するレプリコンおよび制御配列を含むプラスミドベクターは、これらの宿主に関連して使用される。ベクターは通常、複製部位、ならびに形質転換細胞において表現型選択を提供することができるマーキング配列を保有する。非限定的な例では、大腸菌(E.coli)は、大腸菌種に由来するプラスミドであるpBR322の誘導体を使用してしばしば形質転換される。pBR322にはアンピシリンおよびテトラサイクリン耐性の遺伝子が含まれているため、形質転換された細胞を簡単に同定できる。pBRプラスミド、または他の微生物プラスミドもしくはファージはまた、例えば、微生物がそれ自体のタンパク質の発現のために使用することができるプロモーターを含むか、または含むように改変されなければならない。
【0155】
さらに、宿主微生物と適合性のあるレプリコンおよび制御配列を含むファージベクターは、これらの宿主と関連して形質転換ベクターとして使用され得る。例えば、ファージラムダGEM.TM.11は、例えば、大腸菌LE392などの宿主細胞を形質転換するために使用することができる組換えファージベクターを作製する際に利用することができる。
【0156】
後で精製および分離または切断するためのグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)可溶性融合タンパク質の生成に使用するための、さらに有用なプラスミドベクターには、pINベクター(Inouye et al.,1985)、およびpGEXベクターが含まれる。他の適切な融合タンパク質は、ガラクトシダーゼ、ユビキチンなどを有するものである。
【0157】
発現ベクターを含む細菌宿主細胞、例えば、大腸菌は、任意の多くの適切な培地、例えば、LBで増殖される。当業者に理解されるように、宿主細胞を特定のプロモーターに特異的な薬剤と接触させることにより、例えば培地にIPTGを添加することにより、またはインキュベーションを高温に切り替えることにより、特定のベクターにおける組換えタンパク質の発現を誘導することができる。細菌をさらに2~24時間培養した後、遠心分離により細胞を回収し、洗浄して残留培地を除去する。
【0158】
ウイルスベクター
受容体を介したエンドサイトーシスを介して細胞に感染する、細胞に侵入する、宿主細胞のゲノムに組み込む、ウイルス遺伝子を安定かつ効率的に発現する特定のウイルスの能力は、外来核酸の細胞(例、哺乳動物細胞)への導入のための魅力的な候補となっている。本発明の構成要素は、本発明の1つ以上のCARをコードするウイルスベクターであり得る。本発明の核酸を送達するために使用され得るウイルスベクターの非限定的な例は、以下に記載される。
【0159】
アデノウイルスベクター
核酸の送達のための特定の方法は、アデノウイルス発現ベクターの使用を含む。アデノウイルスベクターはゲノムDNAへの組み込み能力が低いことが知られているが、この特徴は、これらのベクターによって得られる高い遺伝子導入効率によって相殺される。「アデノウイルス発現ベクター」は、(a)構築物のパッケージングをサポートするのに十分な、(b)その中にクローニングされた組織または細胞特異的構築物を最終的に発現するのに十分なアデノウイルス配列を含む構築物を含むことを意味する。遺伝的構成またはアデノウイルスが、36kb、直鎖状、二本鎖DNAウイルスであるという知識により、アデノウイルスDNAの大きな断片を最大7kbの外来配列で置換することができる(Grunhaus and Horwitz,1992)。
【0160】
AAVベクター
アデノウイルス支援トランスフェクションを使用して、核酸を細胞に導入することができる。アデノウイルス共役系(adenovirus coupled system)を使用した細胞系でトランスフェクション効率の増加が報告されている(Kelleher and Vos,1994;Cotten et al.,1992;Curiel,1994)。アデノ随伴ウイルス(AAV)は、組み込みの頻度が高く、非分裂細胞に感染することができるため、本発明の細胞で使用するための魅力的なベクター系であり、したがって、例えば、組織培養(Muzyczka,1992)またはインビボで、哺乳動物細胞への遺伝子の送達に有用である。AAVは感染性の宿主範囲が広い(Tratschin et al.,1984;Laughlin et al.,1986;Lebkowski et al.,1988;McLaughlin et al.,1988)。rAAVベクターの生成および使用に関する詳細は、米国特許第5,139,941号および第4,797,368号に記載されており、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
【0161】
レトロウイルスベクター
レトロウイルスは、それらの遺伝子を宿主ゲノムに組み込むそれらの能力、大量の外来遺伝物質を導入すること、広範囲の種および細胞型に感染すること、および、特別な細胞株にパッケージ化されることにより、送達ベクターとして有用である(Miller,1992)。
【0162】
レトロウイルスベクターを構築するために、核酸(例えば、所望の配列をコードするもの)が、特定のウイルス配列の代わりにウイルスゲノムに挿入されて、複製欠損のあるウイルスを産生する。ビリオンを生成するためには、gag、pol、およびenv遺伝子を含むが、LTRおよびパッケージング構成要素を含まないパッケージング細胞株を構築する(Mann et al.,1983)。レトロウイルスのLTRおよびパッケージング配列とともに、cDNAを含む組換えプラスミドが特別な細胞株に導入されると(たとえば、リン酸カルシウム沈殿などにより)、パッケージング配列により、組換えプラスミドのRNA転写物をウイルス粒子にパッケージ化でき、次にそれは培養培地に分泌される(Nicolas and Rubenstein,1988;Temin,1986;Mann et al.,1983)。次に、組換えレトロウイルスを含む培地を収集し、任意で濃縮し、遺伝子導入に使用する。レトロウイルスベクターはさまざまな種類の細胞に感染することができる。しかしながら、組み込みおよび安定した発現には、宿主細胞の分裂が必要である(Paskind et al.,1975)。
【0163】
レンチウイルスは複雑なレトロウイルスであり、一般的なレトロウイルス遺伝子であるgag、pol、およびenvに加えて、調節または構造機能を持つ他の遺伝子を含有する。レンチウイルスベクターは当技術分野でよく知られている(例えば、Naldini et al.,1996;Zufferey et al.,1997;Blomer et al.,1997、米国特許第6,013,516号および第5,994,136号を参照されたい)。レンチウイルスのいくつかの例には、ヒト免疫不全ウイルス:HIV-1、HIV-2およびサル免疫不全ウイルス:SIVが含まれる。レンチウイルスベクターは、HIV病原性遺伝子を多重弱毒化することによって生成され、例えば、遺伝子env、vif、vpr、vpuおよびnefは削除されており、生物学的に安全なベクターになっている。
【0164】
組換えレンチウイルスベクターは非分裂細胞に感染することができ、インビボとエクスビボの両方で遺伝子導入と核酸配列の発現に使用できる。例えば、適切な宿主細胞がパッケージング機能、すなわちgag、polおよびenv、ならびにrevおよびtatを保有する2つ以上のベクターでトランスフェクトされている非分裂細胞に感染することができる組換えレンチウイルスは、米国特許第5,994,136号に記載され、参照により本明細書に組み込まれる。エンベロープタンパク質と、特定の細胞型の受容体に対してターゲティングするための抗体または特定のリガンドとの結合によって、組換えウイルスをターゲティングすることができる。例えば、特定の標的細胞上の受容体に対するリガンドをコードする別の遺伝子とともに、関心対象の配列(調節領域を含む)をウイルスベクターに挿入することにより、ベクターは今や標的特異的である。
【0165】
他のウイルスベクター
本発明では、他のウイルスベクターをワクチン構築物として使用することができる。ワクシニアウイルス(Ridgeway,1988;Baichwal and Sugden,1986;Coupar et al.,1988)、シンドビスウイルス、サイトメガロウイルスおよび単純ヘルペスウイルスなどのウイルスに由来するベクターを使用することができる。これらは、さまざまな哺乳動物細胞にいくつかの魅力的な特徴を提供する(Friedmann,1989;Ridgeway,1988;Baichwal and Sugden,1986;Coupar et al.,1988;Horwich et al.,1990)。
【0166】
改変ウイルスを使用した送達
送達される核酸は、特異的結合リガンドを発現するように操作された感染性ウイルス内に収容されてもよい。したがって、ウイルス粒子は標的細胞の同族受容体に特異的に結合し、内容物を細胞に送達する。レトロウイルスベクターの特異的ターゲティングを可能にするために設計された新しいアプローチは、ウイルスエンベロープへのラクトース残基の化学的付加によるレトロウイルスの化学修飾に基づいて開発された。この改変により、シアロ糖タンパク質受容体を介した肝細胞の特異的感染が可能になる。
【0167】
組換えレトロウイルスのターゲティングのための別のアプローチが設計され、このアプローチでは、レトロウイルスエンベロープタンパク質に対するビオチン化抗体および特定の細胞受容体に対するビオチン化抗体が使用された。これらの抗体は、ストレプトアビジンを使用することにより、ビオチン成分を介して結合された(Roux et al.,1989)。主要組織適合性複合体クラスIおよびクラスII抗原に対する抗体を使用して、彼らは、これらの表面抗原を保有するさまざまなヒト細胞の、エコトロピックウイルスによる感染を、インビトロで示した(Roux et al.,1989)。
【0168】
ベクター送達と細胞形質転換
細胞のトランスフェクションまたは形質転換のための核酸送達に適した方法は、当業者に知られている。そのような方法には、エクスビボトランスフェクション、注射などによるDNAの直接送達が含まれるが、これらに限定されない。当該技術分野で既知の技術の適用により、細胞は安定的にまたは一時的に形質転換され得る。
【0169】
エクスビボ形質転換
生体外で生体から取り出された真核細胞および組織をトランスフェクトする方法は、当業者に知られている。したがって、本発明の核酸を使用して、細胞または組織をエクスビボで取り出しおよびトランスフェクトすることができると考えられる。特定の態様では、移植された細胞または組織は、生物に配置され得る。好ましい面では、核酸は移植された細胞で発現される。
【0170】
本発明のキット
本明細書に記載される組成物のいずれもキットに含まれ得る。非限定的な例では、細胞治療で使用するための1つ以上の細胞、および/または細胞治療で使用するための1つ以上の細胞を生成するための、組換え発現ベクターを含む試薬を、キットに含めることができる。キットの構成要素は、適切な容器手段で提供される。
【0171】
キットの一部の構成要素は、水性媒体または凍結乾燥された形態のいずれかで包装され得る。キットの容器手段は、概して、構成成分が入れられ、好ましくは適切に分注され得る、少なくとも1つのバイアル、試験管、フラスコ、ボトル、シリンジまたは他の容器手段を含む。キットに2つ以上の構成成分がある場合、キットには通常、追加の構成要素を個別に配置できる第2の、第3の、またはその他の追加の容器も含まれる。しかしながら、構成要素の様々な組み合わせがバイアルに含まれてもよい。本発明のキットはまた、典型的には、商業的販売のために構成要素を厳重に封じ込めて含むための手段を含む。そのような容器は、所望のバイアルが保持される射出成形またはブロー成形プラスチック容器を含み得る。
【0172】
キットの構成要素が1つおよび/または複数の液体溶液で提供される場合、液体溶液は水溶液であり、無菌水溶液が特に有用である。場合によっては、容器手段自体がシリンジ、ピペット、および/または他の同様の装置であってもよく、そこから製剤を身体の感染領域に適用し、動物に注射し、および/またはキットの他の構成要素に適用および/または他の構成要素と混合することもできる。
【0173】
しかしながら、キットの構成要素は、乾燥粉末(複数可)として提供されてもよい。試薬および/または成分が乾燥粉末として提供される場合、粉末は、適切な溶媒の添加により再構成され得る。溶媒はまた、別の容器手段で提供され得ることが想定される。キットはまた、無菌の薬学的に許容される緩衝液および/または他の希釈剤を含むための第2の容器手段を含み得る。
【0174】
本発明の特定の実施形態では、細胞療法に使用される細胞はキットで提供され、場合によっては、細胞は本質的にキットの唯一の構成要素である。キットは、所望の細胞を作製するための試薬および材料を含み得る。特定の実施形態では、試薬および材料は、所望の配列を増幅するためのプライマー、ヌクレオチド、適切な緩衝液または緩衝液試薬、塩などを含み、場合によっては、試薬は、本明細書に記載のCARをコードするベクターおよび/またはDNAを含み、および/またはそのための調節エレメントを含む。
【0175】
特定の実施形態では、個体から1つ以上の試料を抽出するのに適したキット内に1つ以上の装置が存在する。装置は、注射器、メスなどであり得る。
【0176】
本発明のいくつかの場合において、キットは、細胞療法の実施形態に加えて、例えば、化学療法、ホルモン療法、および/または免疫療法などの第2の癌療法も含む。キット(複数可)は、個体の特定の癌に合わせて調整することができ、個体のそれぞれの第2の癌療法を含むことができる。
【0177】
併用療法
本発明の特定の実施形態では、臨床的側面のための本発明の方法は、抗癌剤などの過剰増殖性疾患の治療に有効な他の薬剤と組み合わされる。「抗癌」剤は、例えば、癌細胞を殺傷すること、癌細胞のアポトーシスを誘導すること、癌細胞の増殖率を減少させること、転移の発生率または数を減少させること、腫瘍サイズを減少させること、腫瘍増殖を阻害すること、腫瘍または癌細胞への血液供給の減少させること、癌細胞または腫瘍に対する免疫応答の促進すること、癌の進行の防止または阻害すること、または癌を有する対象の寿命の延ばすことにより、対象の癌に悪影響を与えることができる、より一般的には、これらの他の組成物は、細胞の殺傷または増殖を阻害するのに有効な組み合わせ量で提供される。このプロセスは、癌細胞を、発現構築物および薬剤(複数可)または複数の因子(複数可)と同時に接触させることを含み得る。これは、細胞を単一の組成物または両方の薬剤を含む薬理学的製剤と接触させることによって、または同時に2つの異なる組成物(一方の組成物は発現構築物を含み、もう一方の組成物は第2の薬剤(複数可)を含む)または製剤と、細胞を接触させることによって達成できる。
【0178】
化学療法剤および放射線療法剤に対する腫瘍細胞の耐性は、臨床腫瘍学における主要な問題である。現在の癌研究の1つの目標は、化学療法と放射線療法を他の治療法と組み合わせることで、その効果を改善する方法を見つけることである。本発明との関連で、細胞療法は、化学療法、放射線療法、または免疫療法の介入、ならびにアポトーシス促進剤または細胞周期調節剤と併せて同様に使用できると考えられる。
【0179】
あるいは、本発明の治療は、数分から数週間の範囲の間隔で他の薬剤の治療に先行または後行することができる。他の薬剤と本発明が個別に適用される実施形態では、概して各送達の時間の間にかなりの期間が満了しないことを確実にし、その結果、薬剤および本発明の治療が、依然として細胞に対して有利に組み合わされた効果を発揮することができる。そのような場合、互いに約12~24時間以内、より好ましくは互いに約6~12時間以内に両方のモダリティで細胞を接触させることができると考えられる。いくつかの状況では、治療期間を大幅に延長することが望ましい場合があるが、それぞれの投与の間に、数日(2、3、4、5、6または7)から数週間(1、2、3、4、5、6、7または8)が経過する。
【0180】
治療サイクルは必要に応じて繰り返されることが予想される。また、本発明の細胞療法と組み合わせて、様々な標準的な療法、ならびに外科的介入を適用することができると考えられる。
【0181】
化学療法
癌治療には、化学物質と放射線に基づく治療の両方を用いたさまざまな併用療法も含まれる。併用化学療法には、例えば、アブラキサン、アルトレタミン、ドセタキセル、ハーセプチン、メトトレキサート、ノバントロン、ゾラデックス、シスプラチン(CDDP)、カルボプラチン、プロカルバジン、メクロレタミン、シクロホスファミド、カンプトテシン、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ニトロスウレア、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリコマイシン、マイトマイシン、エトポシド(VP16)、タモキシフェン、ラロキシフェン、エストロゲン受容体結合剤、タキソール、ゲムシタビエン、ナベルビン、ファルネシルプロテインタンスフェラーゼ阻害剤、トランスプラチン(transplatinum)、5-フルオロウラシル、ビンクリスチン、ビンブラスチンおよびメトトレキサート、または前述の任意の類似体もしくは誘導体のバリアント、およびこれらの組み合わせが含まれる。
【0182】
特定の実施形態では、個体に対する化学療法は、本発明と組み合わせて、例えば、本発明の投与の前、間、および/または後に採用される。
【0183】
放射線療法
DNA損傷を引き起こしかつ広く使用されてきた他の要因には、γ線、X線として一般に知られているもの、および/または腫瘍細胞への放射性同位元素の誘導送達が含まれる。マイクロ波や紫外線照射など、他の形式のDNA損傷因子も考えられる。これらの要因のすべてが、DNA、DNAの前駆体、DNAの複製と修復、染色体の組み立てと維持に広範囲の損傷を与える可能性が最も高い。X線の線量範囲は、長期間(3~4週間)についての1日の線量50~200レントゲンから、単回線量の2000~6000レントゲンまでである。放射性同位元素の線量範囲は大きく異なり、同位元素の半減期、放出される放射線の強度と種類、新生細胞による取り込みに依存する。
【0184】
本明細書では、細胞に適用される場合の「接触」および「曝露」という用語は、治療用構築物および化学療法剤または放射線治療剤が標的細胞に送達される、または標的細胞と直接並置されるプロセスを説明するために使用される。細胞の殺傷または静止を達成するために、両方の薬剤は、細胞を殺傷するか、または細胞が分裂するのを防ぐのに有効な合計量で細胞に送達される。
【0185】
免疫療法
免疫療法は一般に、癌細胞を標的とするおよび破壊するために免疫エフェクター細胞および分子を使用することに依存する。免疫エフェクターは、例えば、腫瘍細胞の表面上のいくつかのマーカーに特異的な抗体であり得る。抗体単独で治療のエフェクターとして機能し得るか、他の細胞を動員して実際に細胞を殺傷し得る。抗体はまた、薬物または毒素(化学療法剤、放射性核種、リシンA鎖、コレラ毒素、百日咳毒素など)に結合され得、および単にターゲティング剤として機能し得る。あるいは、エフェクターは、腫瘍細胞標的と直接的または間接的に相互作用する表面分子を運ぶリンパ球であってもよい。様々なエフェクター細胞には、細胞傷害性T細胞およびNK細胞が含まれる。
【0186】
したがって、本明細書に記載される本発明の療法以外の免疫療法は、本細胞療法と組み合わせて、併用療法の一部として使用され得る。併用療法の一般的なアプローチを以下に説明する。一般に、腫瘍細胞は、標的にしやすい、すなわち、他の細胞の大部分には存在しないいくつかのマーカーを持たなければならない。多くの腫瘍マーカーが存在し、これらのいずれもが、本発明の状況下で標的化に適している可能性がある。一般的な腫瘍マーカーには、PD-1、PD-L1、CTLA4、癌胎児性抗原、前立腺特異抗原、泌尿器腫瘍関連抗原、胎児性抗原、チロシナーゼ(p97)、gp68、TAG-72、HMFG、シアリルルイス抗原、MucA、MucB、PLAP、エストロゲン受容体、ラミニン受容体、erb Bおよびp155が含まれる。
【0187】
遺伝子
さらに別の実施形態では、二次治療は、本発明の臨床的実施形態の前、後、または同時に治療用ポリヌクレオチドが投与される遺伝子治療である。細胞増殖の誘導物質、細胞増殖の阻害剤、またはプログラムされた細胞死の制御因子を含む、様々な発現産物が本発明に含まれる。
【0188】
手術
癌患者の約60%は、予防的、診断的、病期診断的、治癒的および緩和的手術を含む、何らかの種類の手術を受ける。治癒的手術は、本発明の治療、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、遺伝子療法、免疫療法および/または代替療法などの他の療法と組み合わせて使用できる癌治療である。
【0189】
治癒的手術には、癌性組織の全部または一部が物理的に除去され、切り取られ、および/または破壊される切除が含まれる。腫瘍切除とは、腫瘍の少なくとも一部を物理的に除去することを指す。腫瘍の切除に加えて、手術による治療には、レーザー手術、凍結手術、電気手術、および顕微鏡下手術(モース術)が含まれる。本発明は、表在癌、前癌、または付随的な量の正常組織の除去と組み合わせて使用され得ることがさらに企図される。
【0190】
すべての癌性細胞、組織、または腫瘍の一部を切除すると、体内に空洞が形成されることがある。治療は、灌流、直接注射、または追加の抗癌療法によるその部位への局所適用によって達成され得る。このような治療は、例えば、1、2、3、4、5、6、もしくは7日ごと、もしくは1、2、3、4、および5週間ごと、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、もしくは12か月ごとに繰り返すことができる。これらの治療は、同様に様々な投与量であり得る。
【0191】
他の薬剤
治療の治療効果を改善するために、他の薬剤を本発明と組み合わせて使用することができると考えられる。これらの追加の薬剤には、免疫調節剤、細胞表面受容体とGAP結合の上方制御に影響を与える薬剤、細胞増殖抑制剤と分化剤、細胞接着阻害剤、またはアポトーシス誘導物質に対する過剰増殖細胞の感受性を高める薬剤が含まれる。免疫調節剤には腫瘍壊死因子、インターフェロンアルファ、ベータ、ガンマ;IL-2および他のサイトカイン;F42Kおよび他のサイトカイン類似体;またはMIP-1、MIP-1ベータ、MCP-1、RANTES、およびその他のケモカインが含まれる。さらに、細胞表面受容体またはそれらのリガンド、例えばFas/Fasリガンド、DR4またはDR5/TRAILの上方制御は、過剰増殖細胞に対するオートクリンまたはパラクリン効果の確立により、本発明のアポトーシス誘導能力を増強すると考えられる。GAP結合の数を増やすことによって細胞間シグナル伝達を増加させると、隣接する過剰増殖細胞集団に対する抗過剰増殖効果が増加する。他の実施形態では、細胞増殖抑制剤または分化剤を本発明と組み合わせて使用して、治療の抗過剰増殖効力を改善することができる。細胞接着阻害剤は、本発明の効力を改善すると考えられる。細胞接着阻害剤の例は、焦点接着キナーゼ(FAK)阻害剤およびロバスタチンである。さらに、抗体c225などのアポトーシスに対する過剰増殖細胞の感受性を高める他の薬剤を本発明と組み合わせて使用して、治効を改善することができると考えられる。
【0192】
操作されたCAR T細胞の活性を評価する方法
本発明の態様は、さらに操作されたCAR T細胞の殺傷能力を評価するための方法およびキットに向けられている。具体的には、実施形態は、癌細胞との共培養中のCAR T細胞活性を決定するための免疫複合体分析方法およびキットに向けられている。まず、さまざまな標的癌細胞(例えば、HEK293T、MDA-MB-231、MDA-MB-468、HCC38、およびskrc59)を色素(例えば、ViaStain(商標)Tracer Blue色素)で染色し、プレート(例えば、96ウェルプレート)に播種し、ある期間(例えば、12時間、または一晩)にわたってインキュベートする。次に、異なるT細胞タイプ(例えば、2つの異なるT細胞タイプ)をウェルに(例えば、エフェクターと標的(E:T)の比率が20:1の比率で)追加し、ある期間(例えば、24時間)にわたって共培養させる。最後に、(例えば、明視野および青色蛍光チャネルを使用して)プレートを走査して分析する。免疫複合体をコンフルエンス測定によって分析し、形質導入されていないT細胞の陰性対照と比較した。結果として、データプロットは、試験されたすべての標的細胞とエフェクター細胞の組み合わせについてCAR T細胞の活性を表示した。イメージサイトメトリのプラットフォームを利用することで、エフェクター細胞と標的細胞間の相互作用を視覚的に確認できるため、精度の高いロバストな結果を得ることができる。
【実施例0193】
実施例は、本発明のより完全な理解を促進するために以下に提供される。以下の実施例は、本発明を作製および実施する例示的な様式を例示する。しかしながら、本発明の範囲は、これらの実施例に開示されている特定の実施形態に限定されず、代わりの方法を使用して同様の結果を得ることができるため、例示のみを目的としている。
【0194】
実施例1
免疫調節抗体を分泌するCXCR4およびクローディン4二重特異性キメラ抗原受容体T細胞療法
キメラ抗原受容体は、抗原特異的な抗体断片をT細胞共刺激ドメインおよびCD3ゼータ細胞内シグナル伝達に融合させ、腫瘍細胞を含む目的の細胞上に提示された抗原へのT細胞のリダイレクションを可能にする。本発明は、CXCケモカイン受容体タイプ4およびクローディン4に向けられた一本鎖可変断片(scFv)を含むがこれらに限定されない抗体断片を組み合わせる。scFVをコードするDNAは、例えば限定されないがCD28および41BBおよびCD3-ゼータ細胞内シグナル伝達ドメインなどの免疫学的に関心対象である分子の、例えば限定されないがCD8ヒンジ領域、膜貫通ドメイン、共刺激ドメインなどの必要なCAR-T要素をコードするDNAに、インフレームでクローニングされる。さらに、同じDNAベクターの第2の発現構築物では、目的の単一または複数の抗原に対するミニボディ(scFv-Fc)または抗体が、内部リボソーム侵入部位(IRES)の後にクローニングされる。これらのDNA構築物は、腫瘍部位で単一特異性、二重特異性、または三重特異性免疫調節抗体/ミニボディおよび/または抗体融合タンパク質を分泌するキメラ抗原受容体T細胞を形質導入および産生するために使用されるレンチウイルスの産生のためのレンチウイルスベクターにクローニングされる。
【0195】
トリプルネガティブ乳癌(TNBC)を標的にする治療法は存在しないため、化学療法が患者に対する唯一の治療法である。抗PD_L1のような免疫療法は、TNBCでの成功が限られており(18%の奏功率)、これらの療法だけでは効果的な治療ではないことを示唆している。本発明は、トリプルネガティブ乳癌のための最初のCAR-T細胞療法を提供するであろう。腫瘍部位でのCAR-T細胞による単一特異性、二重特異性、または三重特異性ミニボディ、抗体またはミニボディ/抗体融合タンパク質の分泌は、免疫抑制性腫瘍微小環境を変化させることにより、さらなる利益をもたらす可能性がある。
【0196】
実施例2
Celigoイメージサイトメータを使用するCAR T細胞媒介性細胞傷害性のハイスループット免疫複合体分析法
癌免疫療法は、癌研究の分野で勢いを増している。併用免疫療法ならびにキメラ抗原受容体(CAR)T技術の進歩により、さまざまな癌疾患と闘うための新しい方法が導入されている。操作されたCAR T細胞の殺傷能力を評価するには、直接的な細胞媒介性細胞傷害性アッセイが必要である。従来、これらのアッセイは、標的の癌細胞がCAR T細胞で殺傷された後に、放出されたクロム、カルセインAM、または乳酸脱水素酵素(LDH)分子の量を測定することによって行われている。これらの方法は大量の標的細胞を必要とし、ドナー一次サンプルを扱う場合には理想的でないかもしれない。さらに、それらは、CAR T細胞による殺傷中に形成された免疫複合体を具体的に分析することはできない。画像技術における最近の進歩により、これらの免疫複合体を評価するための新しい方法が開発された。本研究では、Celigoイメージサイトメータを使用して、癌細胞との共培養中にCAR T細胞活性を測定する免疫複合体分析法を実証した。まず、さまざまな標的癌細胞(例えば、HEK293T、MDA-MB-231、MDA-MB-468、HCC38、およびskrc59)を色素(例えば、ViaStain(商標)Tracer Blue色素)で染色し、プレート(例えば、96ウェルプレート)に播種し、ある期間(例えば、12時間、または一晩)にわたってインキュベートする。次に、異なるT細胞タイプ(例えば、2つの異なるT細胞タイプ)をウェルに(例えば、エフェクターと標的(E:T)の比率が20:1の比率で)追加し、ある期間(例えば、24時間)にわたって共培養させる。最後に、(例えば、明視野および青色蛍光チャネルを使用して)プレートを走査して分析する。免疫複合体をコンフルエンス測定によって分析し、形質導入されていないT細胞の陰性対照と比較した。結果として、データプロットは、試験されたすべての標的細胞とエフェクター細胞の組み合わせについてCAR T細胞の活性を表示した。イメージサイトメトリのプラットフォームを利用することで、エフェクター細胞と標的細胞間の相互作用を視覚的に確認できるため、精度の高いロバストな結果を得ることができる。従来の放出アッセイとは異なり、共培養アッセイ中に形成された免疫複合体を解析する能力は、エフェクター細胞の追加の重要な機能情報を提供できる。
【0197】
実施例3
トリプルネガティブ乳癌の二重特異性キメラ抗原受容体T細胞ファクトリ
トリプルネガティブ乳癌(TNBC)は、臨床予後が不良の高悪性度の乳癌のサブタイプである。化学療法で治療している間の、高い再発率は新規のターゲティングされた療法の必要性を示している。免疫療法はTNBCのエキサイティングな治療法の選択肢を提示する。
【0198】
本明細書に記載される実施形態は、TNBC用の、免疫調節抗体を分泌するCAR T細胞であるキメラ抗原受容体(CAR)T細胞ファクトリを、工学技術により作製することを含む。
【0199】
キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は、CARの外因性発現によって患者のT細胞を、腫瘍細胞を殺傷するようにリダイレクトする。CARは、抗体の抗原認識ドメインをT細胞受容体および共受容体の細胞内シグナル伝達ドメインに連結する、膜貫通型融合タンパク質である。固形腫瘍は、CAR-T療法に特有の課題を提示する。血液癌とは異なり、腫瘍に関連する標的タンパク質は腫瘍と健康な組織の間で過剰発現し、その結果、オンターゲット/オフ腫瘍の、T細胞による健康な組織の殺傷が起こる。さらに、腫瘍微小環境(TME)における免疫抑制は、腫瘍を死滅させるCAR-T細胞の活性化を制限する。
【0200】
理論に縛られることを望まないが、TNBC上の2種類の抗原を標的とする二重特異性CARは、オンターゲット/オフ腫瘍のT細胞による殺傷を軽減し、チェックポイント遮断抗体の分泌によって腫瘍微小環境での抑制を取り除く。局所的な免疫回復に続いて、CAR-T細胞とTME内の他の細胞は相乗的に作用して、腫瘍を縮小させおよび排除する。
【0201】
本発明者らの現在の研究では、CARターゲティング部分として機能するように、ヒト一本鎖可変断片(scFv)を評価する。本発明者らは、インビトロで標的細胞を特異的に殺傷するためのscFvの有効性を評価している。この研究では、本発明者らの二重特異性CARの操作で使用されるリードscFvを定義する。今後の研究では、TNBCのヒト化マウスモデルでこの治療法を評価する予定である。
【0202】
実施例4
トリプルネガティブ乳癌の二重特異性CAR T細胞ファクトリ
トリプルネガティブ乳癌(TNBC)は、臨床予後が不良の高悪性度の乳癌のサブタイプである(1)。化学療法で治療している間の、高い再発率は新規のターゲティングされた療法の必要性を示している。免疫療法はTNBCのエキサイティングな治療法の選択肢を提示する。目標は、TNBC用の、免疫調節抗体を分泌するCAR T細胞であるキメラ抗原受容体(CAR)T細胞ファクトリを、工学技術により作製することである(2)。固形腫瘍に対するCARは、オンターゲット/オフ腫瘍の殺傷および免疫抑制的腫瘍微小環境(TME、3)によって阻止される。理論に縛られることなく、TNBC上の2種類の抗原を標的とする二重特異性CARは、オンターゲット/オフ腫瘍のT細胞による殺傷を軽減でき、チェックポイント遮断抗体の分泌によって、腫瘍微小環境での抑制を取り除くことができる。局所的な免疫回復に続いて、CAR-T細胞とTME内の他の細胞は相乗的に作用して、腫瘍を縮小させおよび排除できる。この治療法は、TNBCのヒト化マウスモデルで評価される。
【0203】
目的:(1)CAR-T細胞ターゲティングドメインとして、CXCR4認識一本鎖可変断片(scfv)を評価し、(2)ヒト化マウスモデルにおけるTNBC異種移植片の免疫浸潤を評価する。
【0204】
方法:
インビトロのCAR-Tによる殺傷
CD8+T細胞はレンチウイルスを介してCAR遺伝子で形質導入された。安定した蛍光の、CXCR4形質導入された、TNBC細胞株を、CAR T細胞と共培養した。標的細胞は、Nexcelom、Celigoイメージサイトメータを使用して数えられた。
【0205】
ヒト化マウスモデル
新生仔NSG-SGM3にヒト造血幹細胞を移植した。人為的な免疫系の生着は、12~20週で確認された。400万のCXCR4形質導入TNBC細胞が乳房脂肪パッドに移植された。腫瘍の単一細胞懸濁液のフローサイトメトリー分析を行った。
【0206】
結論:2つのCXCR4形質導入TNBC細胞株に対するさまざまな殺傷動態を有する、CXCR4を標的とする4つのCARが識別された。HCC38は、ヒト化マウスモデルで高度に免疫浸潤された異種移植片として同定された。
【0207】
その他の実施形態:
二重特異性CARの開発
一実施形態では、標的細胞を殺傷するための第2の抗原に対して向けられたscFvを評価することができる。別の実施形態では、二重特異性CARを工学技術により作製することができる。次に、そのような二重特異性CAR-Tファクトリの治療効果を試験することができる。
【0208】
マウスモデルの開発
一実施形態では、腫瘍および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のトランスクリプトーム分析を実施することができる。別の実施形態では、腫瘍微小環境のマルチパラメータIHCを実施することができる。いくつかの実施形態では、浸潤は、第2の造血幹細胞(HSC)ドナーで確認することができる。
【0209】
この実施例の参照文献:
1-Foulkes WD,et al.(2010)Triple-negative breast cancer.The New England journal of medicine.2010;363(20):1938-48.
2-Suarez ER,et al.(2016)Chimeric antigen receptor T cells secreting anti-PD-L1 antibodies more effectively regress renal cell carcinoma in a humanized mouse model.Oncotarget 7(23):34341-34355.
3-Kunert A,et al.(2018)Engineering T cells for adoptive therapy: outsmarting the tumor.Current Opinion in Immunology 51:133-139.
【0210】
実施例5
CAR-Tによる殺傷
安定した蛍光の標的細胞株は、カルボキシル末端核局在化シグナルを有するmCardinalを含むレンチウイルス構築物を用いた形質導入によって作製された。mCardinal発現細胞は、フローサイトメトリーを使用して選別し、蛍光集団を濃縮した。アッセイウェルあたり3000個の標的細胞をプレーティングした。
【0211】
CAR-T細胞を作るために、健康なドナーからのPBMCからCD8+細胞を精製し、インターロイキン-21およびCD3/CD28共刺激ビーズを含む培地で培養した。24時間の培養後、T細胞を、指定のCARを含むレンチウイルスで形質導入した。5~9日の培養後、CAR-T細胞を、10:1または2:1のT細胞(エフェクター)対標的(乳癌細胞株)で標的細胞と混合した。0、24、および48時間の時点で、Celigoイメージサイトメータを使用してアッセイを画像化し、蛍光標的細胞をカウントした。
【0212】
同等物
当業者であれば、ルーチンの実験以上のものを使用せずに、本明細書に具体的に記載された特定の物質および手順に対する多数の同等物を認識または確認できるであろう。そのような同等物は、本発明の範囲内であると考えられ、添付の特許請求の範囲に包含される。
【0213】
配列情報
SEQUENCE LISTING
<110> DANA-FARBER CANCER INSTITUTE, INC.
<120> ENGINEERED CELLS, T CELL IMMUNE MODULATING ANTIBODIES AND METHODS
FOR USING THE SAME
<150> US 62/657,151
<151> 2018-04-13
<150> US 62/643,040
<151> 2018-03-14
<160> 131
<170> PatentIn version 3.5

<210> 1
<211> 130
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<220>
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<222> (32)..(33)
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<223> Any amino acid
<220>
<221> MOD_RES
<222> (117)..(117)
<223> Any amino acid
<400> 1
Gln Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Gly Gly Val Val Gln Pro Gly Arg
1 5 10 15
Ser Leu Arg Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly Phe Thr Phe Ser Ser Xaa
20 25 30
Xaa Tyr Gly Met His Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Glu
35 40 45
Trp Val Ala Val Ile Ser Tyr Asp Gly Ser Xaa Lys Xaa Tyr Tyr Ala
50 55 60
Asp Ser Val Lys Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Ser Lys Asn
65 70 75 80
Thr Leu Tyr Leu Gln Met Asn Ser Leu Arg Ala Lys Asp Thr Ala Val
85 90 95
Tyr Tyr Cys Ala Arg Asp Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa
100 105 110
Xaa Xaa Xaa Gly Xaa Asp Val Trp Gly Gln Gly Thr Thr Val Thr Val
115 120 125
Ser Ser
130

<210> 2
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 2
Glu Val Gln Leu Val Glu Ser Gly Gly Gly Val Val Gln Pro Gly Arg
1 5 10 15
Ser Leu Arg Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly Phe Ile Phe Ser Ser Tyr
20 25 30
Gly Met His Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Val
35 40 45
Ala Val Ile Ser Tyr Asp Gly Ser Asn Lys Tyr Tyr Ala Asp Ser Val
50 55 60
Lys Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Ser Lys Asn Thr Leu Tyr
65 70 75 80
Leu Gln Val Ser Ser Leu Arg Ala Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Val Arg Asp Leu Val Ala Ala Ala Gly Thr Ala Phe Asp Ile Trp Gly
100 105 110
Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser
115 120

<210> 3
<211> 120
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 3
Gln Val Gln Leu Gln Gln Ser Gly Pro Gly Leu Val Lys Pro Ser Gln
1 5 10 15
Thr Leu Ser Leu Thr Cys Ala Val Ser Gly Asp Ser Val Ser Ser Asn
20 25 30
Phe Val Ala Trp Asn Trp Ile Arg Gln Ser Pro Ser Arg Gly Leu Glu
35 40 45
Trp Leu Gly Arg Thr Tyr Tyr Arg Ser Arg Trp Tyr Asn Asp Tyr Ala
50 55 60
Val Ser Val Gln Ser Arg Ile Arg Val Thr Pro Asp Thr Ser Lys Asn
65 70 75 80
Gln Phe Ser Leu His Leu Asp Ser Val Thr Pro Glu Asp Thr Ala Val
85 90 95
Tyr Tyr Cys Ala Arg Gly Gln His Ser Gly Phe Asp Phe Trp Gly Gln
100 105 110
Gly Thr Leu Val Thr Val Ser Ser
115 120

<210> 4
<211> 126
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 4
Gln Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Ala
1 5 10 15
Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Thr Ser Tyr
20 25 30
Gly Ile Ser Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Met
35 40 45
Gly Trp Ile Ser Ala Tyr Asn Gly Asn Thr Asn Tyr Ala Gln Lys Leu
50 55 60
Gln Gly Arg Val Thr Met Thr Thr Asp Thr Ser Thr Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Met Glu Leu Arg Ser Leu Arg Ser Asp Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Ala Arg Asp Thr Pro Gly Ile Ala Ala Arg Arg Tyr Tyr Tyr Tyr Gly
100 105 110
Met Asp Val Trp Gly Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser
115 120 125

<210> 5
<211> 121
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 5
Gln Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Gly Gly Val Val Gln Pro Gly Arg
1 5 10 15
Ser Leu Arg Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly Phe Thr Phe Ser Ser Tyr
20 25 30
Pro Met His Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Met
35 40 45
Thr Val Ile Ser Ser Asp Gly Arg Asn Lys Tyr Tyr Pro Asp Ser Val
50 55 60
Lys Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Ser Lys Asn Thr Leu Tyr
65 70 75 80
Leu Gln Met Asn Ser Leu Arg Pro Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Ala Arg Gly Gly Tyr His Asp Phe Trp Ser Gly Pro Asp Tyr Trp Gly
100 105 110
Gln Gly Thr Leu Val Thr Val Ser Ser
115 120

<210> 6
<211> 127
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 6
Glu Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Gly Gly Leu Val Gln Pro Gly Gly
1 5 10 15
Ser Leu Arg Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly Phe Thr Phe Ser Ser Tyr
20 25 30
Ala Met Ser Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Val
35 40 45
Ala Asn Ile Lys Gln Asp Gly Ser Glu Lys Tyr Tyr Val Asp Ser Val
50 55 60
Lys Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Ala Lys Asn Ser Leu Tyr
65 70 75 80
Leu Gln Met Asn Ser Leu Arg Ala Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Ala Arg Asp Gln Val Ser Gly Ile Thr Ile Phe Gly Gly Lys Trp Arg
100 105 110
Ser Pro Asp Val Trp Gly Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser
115 120 125

<210> 7
<211> 126
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 7
Gln Val Thr Leu Lys Glu Ser Gly Gly Gly Val Val Gln Pro Gly Arg
1 5 10 15
Ser Leu Arg Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly Phe Thr Phe Thr Asn Tyr
20 25 30
Gly Leu His Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Val
35 40 45
Ala Val Ile Ser His Asp Gly Thr Lys Lys Tyr Tyr Ala Asp Ser Val
50 55 60
Lys Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Ser Ser Glu Asn Thr Leu Tyr
65 70 75 80
Leu Gln Met Asn Ser Leu Arg Pro Glu Asp Ser Ala Leu Tyr Tyr Cys
85 90 95
Ala Arg Asp Gly Gly Tyr Cys Ser Gly Gly Arg Cys Tyr Ser Tyr Gly
100 105 110
Met Asp Val Trp Gly Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser
115 120 125

<210> 8
<211> 122
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 8
Gln Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Gly Gly Val Val Leu Pro Gly Arg
1 5 10 15
Ser Leu Arg Leu Ser Cys Val Ala Ser Gly Phe Thr Phe Arg Arg Tyr
20 25 30
Gly Met His Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Val
35 40 45
Ser Leu Ile Ser Tyr Asp Gly Ser Lys Thr Phe Tyr Gly Glu Ser Val
50 55 60
Lys Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Ser Lys Asn Thr Leu Tyr
65 70 75 80
Leu Gln Met Asn Ser Leu Arg Ala Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Ala Arg Ala Thr Val Thr Thr Asp Gly Tyr Tyr Tyr Met Asp Val Trp
100 105 110
Gly Lys Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser
115 120

<210> 9
<211> 114
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<220>
<221> MOD_RES
<222> (12)..(14)
<223> Any amino acid
<220>
<221> MOD_RES
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<223> Any amino acid
<220>
<221> MOD_RES
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<223> Any amino acid
<220>
<221> MOD_RES
<222> (29)..(30)
<223> Any amino acid
<220>
<221> MOD_RES
<222> (32)..(35)
<223> Any amino acid
<220>
<221> MOD_RES
<222> (42)..(42)
<223> Any amino acid
<220>
<221> MOD_RES
<222> (45)..(45)
<223> Any amino acid
<220>
<221> MOD_RES
<222> (53)..(54)
<223> Any amino acid
<220>
<221> MOD_RES
<222> (56)..(56)
<223> Any amino acid
<220>
<221> MOD_RES
<222> (92)..(92)
<223> Any amino acid
<220>
<221> MOD_RES
<222> (96)..(102)
<223> Any amino acid
<400> 9
Gln Ser Val Leu Thr Gln Pro Pro Ser Val Ser Xaa Xaa Xaa Pro Gly
1 5 10 15
Gln Thr Val Thr Ile Ser Cys Xaa Gly Xaa Xaa Ser Xaa Xaa Gly Xaa
20 25 30
Xaa Xaa Xaa Val Ser Trp Tyr Gln Gln Xaa Pro Gly Xaa Ala Pro Lys
35 40 45
Leu Leu Ile Tyr Xaa Xaa Asn Xaa Arg Pro Ser Gly Ile Pro Asp Arg
50 55 60
Phe Ser Gly Ser Lys Ser Gly Asn Thr Ala Ser Leu Thr Ile Thr Gly
65 70 75 80
Leu Gln Ala Lys Asp Ala Lys Lys Tyr Tyr Cys Xaa Ser Trp Asp Xaa
85 90 95
Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Val Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val
100 105 110
Leu Gly

<210> 10
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 10
Gln Pro Val Leu Thr Gln Pro Arg Ser Val Ser Gly Ser Pro Gly Gln
1 5 10 15
Ser Val Thr Ile Ser Cys Thr Gly Thr Ile Ser Asp Val Gly Gly His
20 25 30
Asn Phe Val Ser Trp Tyr Gln Gln Asn Pro Gly Lys Ala Pro Lys Leu
35 40 45
Ile Ile Phe Glu Val Thr Lys Arg Pro Ala Gly Val Pro Asp Arg Phe
50 55 60
Ser Gly Ser Lys Ser Gly Asn Thr Ala Ser Leu Thr Val Ser Gly Leu
65 70 75 80
Gln Ala Glu Asp Glu Gly Glu Tyr Tyr Cys Ser Ser Tyr Gly Gly Ser
85 90 95
Asn Asp Val Ile Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Ser Val Leu Gly
100 105 110

<210> 11
<211> 111
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 11
Gln Ser Val Leu Thr Gln Pro Pro Ser Val Ser Lys Gly Leu Arg Gln
1 5 10 15
Thr Ala Thr Leu Thr Cys Thr Gly Asn Ser Asn Asn Val Gly Asn Gln
20 25 30
Gly Ala Ala Trp Leu Gln Gln His Gln Gly His Pro Pro Lys Leu Leu
35 40 45
Ser Tyr Arg Asn Asn Asn Arg Pro Ser Gly Ile Ser Glu Arg Phe Ser
50 55 60
Ala Ser Arg Ser Gly Asn Thr Ala Ser Leu Thr Ile Thr Gly Leu Gln
65 70 75 80
Pro Glu Asp Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Ser Ala Met Asp Asn Arg Leu
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Lys Thr Tyr Val Phe Gly Thr Gly Gly Lys Val Thr Val Leu Gly
100 105 110

<210> 12
<211> 109
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 12
Ser Ser Glu Leu Thr Gln Asp Pro Ala Val Ser Val Ala Leu Gly Gln
1 5 10 15
Thr Val Arg Ile Thr Cys Gln Gly Asp Ser Leu Arg Lys Phe Phe Ala
20 25 30
Ser Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Ala Pro Val Leu Val Ile Tyr
35 40 45
Gly Lys Asn Ser Arg Pro Ser Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser
50 55 60
Asn Ser Arg Asn Thr Ala Ser Leu Thr Ile Thr Gly Ala Gln Ala Glu
65 70 75 80
Asp Glu Gly Asp Tyr Tyr Cys Asn Ser Arg Asp Ser Arg Asp Asn His
85 90 95
Gln Val Phe Gly Ala Gly Thr Lys Val Thr Val Leu Ser
100 105

<210> 13
<211> 108
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 13
Glu Ile Val Leu Thr Gln Ser Pro Ala Thr Leu Ser Val Ser Pro Gly
1 5 10 15
Lys Arg Ala Thr Leu Ser Cys Arg Ala Ser Gln Ser Val Asn Thr Asn
20 25 30
Leu Ala Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Ala Pro Arg Leu Leu Ile
35 40 45
Tyr Gly Ala Ser Ser Arg Ala Thr Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly
50 55 60
Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr Leu Thr Ile Ser Arg Leu Glu Pro
65 70 75 80
Glu Asp Phe Ala Val Tyr Tyr Cys Gln His Tyr Gly Ser Ser Pro Leu
85 90 95
Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile Lys Arg
100 105

<210> 14
<211> 107
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 14
Ser Ser Glu Leu Thr Gln Asp Pro Ala Val Ser Val Ala Leu Gly Gln
1 5 10 15
Thr Val Arg Ile Thr Cys Gln Gly Asp Ser Leu Arg Ser Tyr Tyr Ala
20 25 30
Ser Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Ala Pro Val Leu Val Ile Tyr
35 40 45
Gly Lys Asn Asn Arg Pro Ser Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser
50 55 60
Lys Ser His Asn Thr Ala Tyr Leu Thr Ile Thr Gly Ala Gln Ala Glu
65 70 75 80
Asp Glu Ala Asp Tyr Phe Cys Asn Ser Arg Ser Gly Ser Gln Arg Val
85 90 95
Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Gly
100 105

<210> 15
<211> 111
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 15
Gln Ser Val Leu Thr Gln Pro Pro Ser Ala Ser Gly Thr Pro Gly Gln
1 5 10 15
Arg Val Thr Ile Ser Cys Ser Gly Ser Arg Ser Asn Ile Gly Ser Asn
20 25 30
Thr Val Asn Trp Tyr Gln Gln Leu Pro Gly Thr Ala Pro Lys Leu Leu
35 40 45
Ile Tyr Thr Asn Asn Gln Arg Pro Ser Gly Val Pro Asp Arg Phe Ser
50 55 60
Gly Ser Lys Ser Gly Thr Ser Ala Ser Leu Ala Ile Thr Gly Leu Gln
65 70 75 80
Ala Glu Asp Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Leu Ser Phe Asp Ser Ser Leu
85 90 95
Thr Ser Tyr Val Phe Gly Thr Gly Thr Lys Val Thr Val Leu Gly
100 105 110

<210> 16
<211> 112
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 16
Gln Ser Val Leu Thr Gln Pro Pro Ser Ala Ser Gly Thr Pro Gly Gln
1 5 10 15
Arg Val Thr Ile Ser Cys Ser Gly Ser Arg Ser Asn Ile Gly Gly Asn
20 25 30
Thr Val Asn Trp Tyr Gln Gln Leu Pro Gly Thr Ala Pro Lys Leu Leu
35 40 45
Ile Tyr Ala Asn Asn Gln Arg Pro Ser Gly Val Pro Asp Arg Phe Ser
50 55 60
Gly Ser Lys Ser Gly Thr Ser Ala Ser Leu Ala Ile Ser Gly Leu Arg
65 70 75 80
Ser Glu Asp Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Ala Ala Trp Asp Asp Asn Leu
85 90 95
Ser Gly His Val Val Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Arg
100 105 110

<210> 17
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 17
Ser Tyr Gly Met His
1 5

<210> 18
<211> 17
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 18
Val Ile Ser Tyr Asp Gly Ser Asn Lys Tyr Tyr Ala Asp Ser Val Lys
1 5 10 15
Gly

<210> 19
<211> 12
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 19
Asp Leu Val Ala Ala Ala Gly Thr Ala Phe Asp Ile
1 5 10

<210> 20
<211> 14
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 20
Thr Gly Thr Ile Ser Asp Val Gly Gly His Asn Phe Val Ser
1 5 10

<210> 21
<211> 7
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 21
Glu Val Thr Lys Arg Pro Ala
1 5

<210> 22
<211> 10
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 22
Ser Ser Tyr Gly Gly Ser Asn Asp Val Ile
1 5 10

<210> 23
<211> 7
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 23
Ser Asn Phe Val Ala Trp Asn
1 5

<210> 24
<211> 18
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 24
Arg Thr Tyr Tyr Arg Ser Arg Trp Tyr Asn Asp Tyr Ala Val Ser Val
1 5 10 15
Gln Ser

<210> 25
<211> 8
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 25
Gly Gln His Ser Gly Phe Asp Phe
1 5

<210> 26
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 26
Thr Gly Asn Ser Asn Asn Val Gly Asn Gln Gly Ala Ala
1 5 10

<210> 27
<211> 7
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 27
Arg Asn Asn Asn Arg Pro Ser
1 5

<210> 28
<211> 11
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<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 28
Ser Ala Trp Asp Asn Arg Leu Lys Thr Tyr Val
1 5 10

<210> 29
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 29
Ser Tyr Gly Ile Ser
1 5

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<211> 17
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 30
Trp Ile Ser Ala Tyr Asn Gly Asn Thr Asn Tyr Ala Gln Lys Leu Gln
1 5 10 15
Gly

<210> 31
<211> 17
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 31
Asp Thr Pro Gly Ile Ala Ala Arg Arg Tyr Tyr Tyr Tyr Gly Met Asp
1 5 10 15
Val

<210> 32
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<213> Artificial Sequence
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peptide
<400> 32
Gln Gly Asp Ser Leu Arg Lys Phe Phe Ala Ser
1 5 10

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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
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peptide
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Gly Lys Asn Ser Arg Pro Ser
1 5

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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 34
Asn Ser Arg Asp Ser Arg Asp Asn His Gln Val
1 5 10

<210> 35
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
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<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 35
Ser Tyr Pro Met His
1 5

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<211> 17
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 36
Val Ile Ser Ser Asp Gly Arg Asn Lys Tyr Tyr Pro Asp Ser Val Lys
1 5 10 15
Gly

<210> 37
<211> 12
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<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 37
Gly Gly Tyr His Asp Phe Trp Ser Gly Pro Asp Tyr
1 5 10

<210> 38
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
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Arg Ala Ser Gln Ser Val Asn Thr Asn Leu Ala
1 5 10

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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
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<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 39
Gly Ala Ser Ser Arg Ala Thr
1 5

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<213> Artificial Sequence
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peptide
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Gln His Tyr Gly Ser Ser Pro Leu Thr
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<213> Artificial Sequence
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<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
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Ser Tyr Ala Met Ser
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<213> Artificial Sequence
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<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 42
Asn Ile Lys Gln Asp Gly Ser Glu Lys Tyr Tyr Val Asp Ser Val Lys
1 5 10 15
Gly

<210> 43
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<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 43
Asp Gln Val Ser Gly Ile Thr Ile Phe Gly Gly Lys Trp Arg Ser Pro
1 5 10 15
Asp Val

<210> 44
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 44
Gln Gly Asp Ser Leu Arg Ser Tyr Tyr Ala Ser
1 5 10

<210> 45
<211> 7
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 45
Gly Lys Asn Asn Arg Pro Ser
1 5

<210> 46
<211> 9
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
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<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 46
Asn Ser Arg Ser Gly Ser Gln Arg Val
1 5

<210> 47
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 47
Asn Tyr Gly Leu His
1 5

<210> 48
<211> 17
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 48
Val Ile Ser His Asp Gly Thr Lys Lys Tyr Tyr Ala Asp Ser Val Lys
1 5 10 15
Gly

<210> 49
<211> 17
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 49
Asp Gly Gly Tyr Cys Ser Gly Gly Arg Cys Tyr Ser Tyr Gly Met Asp
1 5 10 15
Val

<210> 50
<211> 13
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 50
Ser Gly Ser Arg Ser Asn Ile Gly Ser Asn Thr Val Asn
1 5 10

<210> 51
<211> 7
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
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<400> 51
Thr Asn Asn Gln Arg Pro Ser
1 5

<210> 52
<211> 11
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 52
Leu Ser Phe Asp Ser Ser Leu Thr Ser Tyr Val
1 5 10

<210> 53
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 53
Arg Tyr Gly Met His
1 5

<210> 54
<211> 17
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 54
Leu Ile Ser Tyr Asp Gly Ser Lys Thr Phe Tyr Gly Glu Ser Val Lys
1 5 10 15
Gly

<210> 55
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 55
Ala Thr Val Thr Thr Asp Gly Tyr Tyr Tyr Met Asp Val
1 5 10

<210> 56
<211> 13
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 56
Ser Gly Ser Arg Ser Asn Ile Gly Gly Asn Thr Val Asn
1 5 10

<210> 57
<211> 7
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
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<400> 57
Ala Asn Asn Gln Arg Pro Ser
1 5

<210> 58
<211> 12
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
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<400> 58
Ala Ala Trp Asp Asp Asn Leu Ser Gly His Val Val
1 5 10

<210> 59
<211> 8
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 59
Gly Phe Thr Val Ser Ser Asn Tyr
1 5

<210> 60
<211> 7
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 60
Ile Tyr Ser Gly Gly Ser Thr
1 5

<210> 61
<211> 11
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 61
Ala Arg Asp Asn Pro Leu Ser Ala Phe Asp Ile
1 5 10

<210> 62
<211> 6
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 62
Gln Ser Ile Asn Ser Trp
1 5

<210> 63
<211> 3
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
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<400> 63
Lys Ala Ser
1

<210> 64
<211> 9
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 64
Gln Gln Tyr Asp Asp Leu Pro Leu Thr
1 5

<210> 65
<211> 8
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 65
Gly Tyr Thr Phe Thr Ser Tyr Gly
1 5

<210> 66
<211> 8
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 66
Ile Ser Ala Tyr Asn Gly Asn Thr
1 5

<210> 67
<211> 18
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 67
Ala Arg Asp Pro Gly Leu Trp Phe Gly Leu Thr His Asp Tyr Tyr Phe
1 5 10 15
Asp Tyr

<210> 68
<211> 8
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 68
Ser Ser Asn Ile Gly Ser Asn Thr
1 5

<210> 69
<211> 3
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 69
Arg Asn Asn
1

<210> 70
<211> 11
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 70
Ala Ala Trp Asp Asp Ser Arg Ser Gly Pro Val
1 5 10

<210> 71
<211> 8
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 71
Gly Phe Thr Phe Ser Asp Tyr Ser
1 5

<210> 72
<211> 8
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 72
Ile Asn Ser Asp Gly Ser Arg Thr
1 5

<210> 73
<211> 11
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 73
Ala Arg Gly Pro Gly Phe Phe Gly Phe Asp Ile
1 5 10

<210> 74
<211> 8
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 74
Arg Ser Asn Ile Gly Arg Asn Ser
1 5

<210> 75
<211> 3
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 75
Ser Asn Asn
1

<210> 76
<211> 11
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 76
Ala Ala Trp Asp Ala Arg Leu Thr Gly Pro Leu
1 5 10

<210> 77
<211> 8
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 77
Gly Tyr Ser Phe Thr Asn Tyr Trp
1 5

<210> 78
<211> 8
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 78
Ile Asn Pro Val Asn Ser Arg Thr
1 5

<210> 79
<211> 10
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 79
Ala Arg Tyr Tyr Tyr Tyr Ala Met Glu Val
1 5 10

<210> 80
<211> 8
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 80
Ser Ser Asn Ile Gly Ser Asn Thr
1 5

<210> 81
<211> 3
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 81
Arg Asn Asn
1

<210> 82
<211> 11
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 82
Glu Ala Trp Asp Asp Ser Leu Asn Gly Pro Val
1 5 10

<210> 83
<211> 8
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 83
Gly Tyr Thr Phe Thr Asn Tyr Gly
1 5

<210> 84
<211> 8
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 84
Val Asp Asn Asn Asn Gly Asn Ile
1 5

<210> 85
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 85
Ala Arg Gly Leu Phe Ser Ser Arg Trp Tyr Leu Trp Phe Asp Pro
1 5 10 15

<210> 86
<211> 9
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 86
Ser Ser Asp Val Gly Gly Tyr Asn Tyr
1 5

<210> 87
<211> 3
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 87
Glu Val Thr
1

<210> 88
<211> 12
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 88
Ser Ser Tyr Thr Arg Ser Ser Thr Ser Tyr Val Val
1 5 10

<210> 89
<211> 8
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 89
Gly Gly Thr Phe Ser Ser Tyr Ala
1 5

<210> 90
<211> 8
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 90
Ile Leu Pro Met Phe Gly Ser Thr
1 5

<210> 91
<211> 16
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 91
Ala Arg Gly Arg Asp Ile Val Ala Pro Ser Asn Ser Gly Phe Asp Val
1 5 10 15

<210> 92
<211> 8
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 92
Ser Asn Asn Val Gly Asn Gln Gly
1 5

<210> 93
<211> 3
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 93
Arg Asn Asp
1

<210> 94
<211> 11
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
peptide
<400> 94
Ser Ala Tyr Asp Arg Ser Leu Asn Ala Trp Val
1 5 10

<210> 95
<211> 328
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<221> NON_CONS
<222> (315)..(316)
<400> 95
Met Glu Gly Ile Ser Ile Tyr Thr Ser Asp Asn Tyr Thr Glu Glu Met
1 5 10 15
Gly Ser Gly Asp Tyr Asp Ser Met Lys Glu Pro Cys Phe Arg Glu Glu
20 25 30
Asn Ala Asn Phe Asn Lys Ile Phe Leu Pro Thr Ile Tyr Ser Ile Ile
35 40 45
Phe Leu Thr Gly Ile Val Gly Asn Gly Leu Val Ile Leu Val Met Gly
50 55 60
Tyr Gln Lys Lys Leu Arg Ser Met Thr Asp Lys Tyr Arg Leu His Leu
65 70 75 80
Ser Val Ala Asp Leu Leu Phe Val Ile Thr Leu Pro Phe Trp Ala Val
85 90 95
Asp Ala Val Ala Asn Trp Tyr Phe Gly Asn Phe Leu Cys Lys Ala Val
100 105 110
His Val Ile Tyr Thr Val Asn Leu Tyr Ser Ser Val Leu Ile Leu Ala
115 120 125
Phe Ile Ser Leu Asp Arg Tyr Leu Ala Ile Val His Ala Thr Asn Ser
130 135 140
Gln Arg Pro Arg Lys Leu Leu Ala Glu Lys Val Val Tyr Val Gly Val
145 150 155 160
Trp Ile Pro Ala Leu Leu Leu Thr Ile Pro Asp Phe Ile Phe Ala Asn
165 170 175
Val Ser Glu Ala Asp Asp Arg Tyr Ile Cys Asp Arg Phe Tyr Pro Asn
180 185 190
Asp Leu Trp Val Val Val Phe Gln Phe Gln His Ile Met Val Gly Leu
195 200 205
Ile Leu Pro Gly Ile Val Ile Leu Ser Cys Tyr Cys Ile Ile Ile Ser
210 215 220
Lys Leu Ser His Ser Lys Gly His Gln Lys Arg Lys Ala Leu Lys Thr
225 230 235 240
Thr Val Ile Leu Ile Leu Ala Phe Phe Ala Cys Trp Leu Pro Tyr Tyr
245 250 255
Ile Gly Ile Ser Ile Asp Ser Phe Ile Leu Leu Glu Ile Ile Lys Gln
260 265 270
Gly Cys Glu Phe Glu Asn Thr Val His Lys Trp Ile Ser Ile Thr Glu
275 280 285
Ala Leu Ala Phe Phe His Cys Cys Leu Asn Pro Ile Leu Tyr Ala Phe
290 295 300
Leu Gly Ala Lys Phe Lys Thr Ser Ala Gln His Val Ser Thr Glu Ser
305 310 315 320
Glu Ser Ser Ser Phe His Ser Ser
325

<210> 96
<211> 117
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 96
Glu Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Gly Gly Leu Ile Gln Pro Gly Gly
1 5 10 15
Ser Leu Arg Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly Phe Thr Val Ser Ser Asn
20 25 30
Tyr Met Ser Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Val
35 40 45
Ser Val Ile Tyr Ser Gly Gly Ser Thr Tyr Tyr Ala Asp Ser Val Lys
50 55 60
Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Ser Lys Asn Thr Leu Tyr Leu
65 70 75 80
Gln Met Asn Ser Leu Arg Ala Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys Ala
85 90 95
Arg Asp Asn Pro Leu Ser Ala Phe Asp Ile Trp Gly Gln Gly Thr Leu
100 105 110
Val Thr Val Ser Leu
115

<210> 97
<211> 107
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 97
Asp Ile Val Met Thr Gln Thr Pro Ser Thr Leu Ser Ala Ser Val Gly
1 5 10 15
Asp Arg Val Thr Ile Thr Cys Arg Ala Ser Gln Ser Ile Asn Ser Trp
20 25 30
Leu Ala Trp Tyr Gln Gln Lys Ser Gly Lys Ala Pro Lys Leu Leu Ile
35 40 45
Tyr Lys Ala Ser Ser Leu Gly Ser Gly Val Pro Ser Arg Phe Ser Gly
50 55 60
Ser Gly Ser Asp Ile Glu Phe Thr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Pro
65 70 75 80
Asp Asp Phe Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Gln Tyr Asp Asp Leu Pro Leu
85 90 95
Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Val Glu Ile Lys
100 105

<210> 98
<211> 97
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 98
Glu Val Gln Leu Val Glu Ser Gly Gly Gly Leu Ile Gln Pro Gly Gly
1 5 10 15
Ser Leu Arg Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly Phe Thr Val Ser Ser Asn
20 25 30
Tyr Met Ser Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Val
35 40 45
Ser Val Ile Tyr Ser Gly Gly Ser Thr Tyr Tyr Ala Asp Ser Val Lys
50 55 60
Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Ser Lys Asn Thr Leu Tyr Leu
65 70 75 80
Gln Met Asn Ser Leu Arg Ala Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys Ala
85 90 95
Arg

<210> 99
<211> 117
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 99
Glu Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Gly Gly Leu Ile Gln Pro Gly Gly
1 5 10 15
Ser Leu Arg Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly Phe Thr Val Ser Ser Asn
20 25 30
Tyr Met Ser Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Val
35 40 45
Ser Val Ile Tyr Ser Gly Gly Ser Thr Tyr Tyr Ala Asp Ser Val Lys
50 55 60
Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Ser Lys Asn Thr Leu Tyr Leu
65 70 75 80
Gln Met Asn Ser Leu Arg Ala Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys Ala
85 90 95
Arg Asp Asn Pro Leu Ser Ala Phe Asp Ile Trp Gly Gln Gly Thr Leu
100 105 110
Val Thr Val Ser Leu
115

<210> 100
<211> 95
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 100
Asp Ile Gln Met Thr Gln Ser Pro Ser Thr Leu Ser Ala Ser Val Gly
1 5 10 15
Asp Arg Val Thr Ile Thr Cys Arg Ala Ser Gln Ser Ile Ser Ser Trp
20 25 30
Leu Ala Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Lys Ala Pro Lys Leu Leu Ile
35 40 45
Tyr Lys Ala Ser Ser Leu Glu Ser Gly Val Pro Ser Arg Phe Ser Gly
50 55 60
Ser Gly Ser Gly Thr Glu Phe Thr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Pro
65 70 75 80
Asp Asp Phe Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Gln Tyr Asn Ser Tyr Ser
85 90 95

<210> 101
<211> 107
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 101
Asp Ile Val Met Thr Gln Thr Pro Ser Thr Leu Ser Ala Ser Val Gly
1 5 10 15
Asp Arg Val Thr Ile Thr Cys Arg Ala Ser Gln Ser Ile Asn Ser Trp
20 25 30
Leu Ala Trp Tyr Gln Gln Lys Ser Gly Lys Ala Pro Lys Leu Leu Ile
35 40 45
Tyr Lys Ala Ser Ser Leu Gly Ser Gly Val Pro Ser Arg Phe Ser Gly
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Ser Gly Ser Asp Ile Glu Phe Thr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Pro
65 70 75 80
Asp Asp Phe Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Gln Tyr Asp Asp Leu Pro Leu
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Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Val Glu Ile Lys
100 105

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<211> 98
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 102
Gln Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Ala
1 5 10 15
Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Thr Ser Tyr
20 25 30
Gly Ile Ser Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Met
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Gly Trp Ile Ser Ala Tyr Asn Gly Asn Thr Asn Tyr Ala Gln Lys Leu
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65 70 75 80
Met Glu Leu Arg Ser Leu Arg Ser Asp Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Ala Arg

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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 103
Gln Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Ala
1 5 10 15
Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Thr Ser Tyr
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Gly Ile Ser Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Met
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Gly Trp Ile Ser Ala Tyr Asn Gly Asn Thr Asn Tyr Ala Gln Lys Leu
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65 70 75 80
Met Glu Leu Arg Ser Leu Arg Ser Asp Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
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Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val Ser Ser
115 120 125

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<211> 98
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 104
Gln Ser Val Leu Thr Gln Pro Pro Ser Ala Ser Gly Thr Pro Gly Gln
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Arg Val Thr Ile Ser Cys Ser Gly Ser Ser Ser Asn Ile Gly Ser Asn
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Thr Val Asn Trp Tyr Gln Gln Leu Pro Gly Thr Ala Pro Lys Leu Leu
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Ile Tyr Ser Asn Asn Gln Arg Pro Ser Gly Val Pro Asp Arg Phe Ser
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Gly Ser Lys Ser Gly Thr Ser Ala Ser Leu Ala Ile Ser Gly Leu Gln
65 70 75 80
Ser Glu Asp Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Ala Ala Trp Asp Asp Ser Leu
85 90 95
Asn Gly

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<211> 110
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 105
Ser Tyr Glu Leu Thr Gln Pro Pro Ser Ala Ser Gly Thr Pro Gly Gln
1 5 10 15
Arg Val Thr Ile Ser Cys Ser Gly Ser Ser Ser Asn Ile Gly Ser Asn
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Thr Val Ser Trp Tyr Gln Gln Leu Pro Gly Thr Ala Pro Lys Leu Leu
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Ile Tyr Arg Asn Asn Gln Arg Pro Ser Gly Val Pro Asp Arg Phe Ser
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Gly Ser Lys Ser Gly Thr Ser Ala Ser Leu Ala Ile Asn Gly Leu Gln
65 70 75 80
Ser Glu Asp Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Ala Ala Trp Asp Asp Ser Arg
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Ser Gly Pro Val Phe Gly Gly Gly Thr Arg Leu Thr Val Leu
100 105 110

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<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 106
Glu Val Gln Leu Val Glu Ser Gly Gly Gly Leu Val Gln Pro Gly Gly
1 5 10 15
Ser Leu Arg Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly Phe Thr Phe Ser Ser Tyr
20 25 30
Trp Met His Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Val Trp Val
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Lys Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Ala Lys Asn Thr Leu Tyr
65 70 75 80
Leu Gln Met Asn Ser Leu Arg Ala Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Ala Arg

<210> 107
<211> 118
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 107
Glu Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Gly Gly Leu Val Lys Pro Gly Gly
1 5 10 15
Ser Leu Arg Leu Ser Cys Glu Ala Ser Gly Phe Thr Phe Ser Asp Tyr
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Ser Met Ser Trp Ile Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Val
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Leu Gln Met Asn Ser Leu Arg Ala Glu Asp Thr Ala Met Tyr Tyr Cys
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100 105 110
Leu Val Thr Val Ser Ser
115

<210> 108
<211> 98
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 108
Gln Ser Val Leu Thr Gln Pro Pro Ser Ala Ser Gly Thr Pro Gly Gln
1 5 10 15
Arg Val Thr Ile Ser Cys Ser Gly Ser Ser Ser Asn Ile Gly Ser Asn
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Thr Val Asn Trp Tyr Gln Gln Leu Pro Gly Thr Ala Pro Lys Leu Leu
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Ile Tyr Ser Asn Asn Gln Arg Pro Ser Gly Val Pro Asp Arg Phe Ser
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Gly Ser Lys Ser Gly Thr Ser Ala Ser Leu Ala Ile Ser Gly Leu Gln
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Ser Glu Asp Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Ala Ala Trp Asp Asp Ser Leu
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Asn Gly

<210> 109
<211> 110
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 109
Ser Tyr Glu Leu Thr Gln Pro Pro Ser Ala Ser Gly Thr Pro Gly Gln
1 5 10 15
Arg Val Thr Ile Ser Cys Ser Gly Ser Arg Ser Asn Ile Gly Arg Asn
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Ser Val Asn Trp Tyr Gln Gln Leu Pro Gly Thr Ala Pro Lys Leu Leu
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Ile Tyr Ser Asn Asn Gln Arg Pro Ser Gly Val Pro Gly Arg Phe Ser
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Gly Ser Arg Ser Gly Thr Ser Ala Ser Leu Ala Ile Ser Gly Leu Gln
65 70 75 80
Ser Glu Asp Glu Thr Asp Tyr Tyr Cys Ala Ala Trp Asp Ala Arg Leu
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Thr Gly Pro Leu Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Ser Val Leu
100 105 110

<210> 110
<211> 98
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 110
Glu Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Glu
1 5 10 15
Ser Leu Lys Ile Ser Cys Lys Gly Ser Gly Tyr Ser Phe Thr Ser Tyr
20 25 30
Trp Ile Gly Trp Val Arg Gln Met Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Met
35 40 45
Gly Ile Ile Tyr Pro Gly Asp Ser Asp Thr Arg Tyr Ser Pro Ser Phe
50 55 60
Gln Gly Gln Val Thr Ile Ser Ala Asp Lys Ser Ile Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Leu Gln Trp Ser Ser Leu Lys Ala Ser Asp Thr Ala Met Tyr Tyr Cys
85 90 95
Ala Arg

<210> 111
<211> 117
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 111
Glu Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Glu
1 5 10 15
Ser Leu Lys Ile Ser Cys Lys Gly Ser Gly Tyr Ser Phe Thr Asn Tyr
20 25 30
Trp Ile Gly Trp Val Arg Gln Met Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Met
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Gly Ile Ile Asn Pro Val Asn Ser Arg Thr Ile Tyr Ser Pro Ser Phe
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Gln Gly Gln Val Thr Ile Ser Val Asp Lys Ser Val Thr Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Leu Gln Trp Ser Ser Leu Lys Ala Ser Asp Thr Ala Met Tyr Tyr Cys
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100 105 110
Val Thr Val Ser Ser
115

<210> 112
<211> 98
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 112
Gln Ser Val Leu Thr Gln Pro Pro Ser Ala Ser Gly Thr Pro Gly Gln
1 5 10 15
Arg Val Thr Ile Ser Cys Ser Gly Ser Ser Ser Asn Ile Gly Ser Asn
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Thr Val Asn Trp Tyr Gln Gln Leu Pro Gly Thr Ala Pro Lys Leu Leu
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Ile Tyr Ser Asn Asn Gln Arg Pro Ser Gly Val Pro Asp Arg Phe Ser
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Gly Ser Lys Ser Gly Thr Ser Ala Ser Leu Ala Ile Ser Gly Leu Gln
65 70 75 80
Ser Glu Asp Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Ala Ala Trp Asp Asp Ser Leu
85 90 95
Asn Gly

<210> 113
<211> 110
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 113
Leu Pro Val Leu Thr Gln Pro Pro Ser Ala Ser Gly Thr Pro Gly Gln
1 5 10 15
Arg Val Thr Ile Ser Cys Ser Gly Ser Ser Ser Asn Ile Gly Ser Asn
20 25 30
Thr Val Asn Trp Tyr Gln Gln Leu Pro Gly Thr Ala Pro Lys Leu Leu
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Ile Tyr Arg Asn Asn Gln Arg Pro Ser Gly Val Pro Asp Arg Phe Ser
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Gly Ser Thr Ser Gly Thr Ser Ala Ser Leu Ala Ile Ser Gly Leu Gln
65 70 75 80
Ser Glu Asp Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Glu Ala Trp Asp Asp Ser Leu
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Asn Gly Pro Val Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu
100 105 110

<210> 114
<211> 98
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 114
Gln Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Ala
1 5 10 15
Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Thr Ser Tyr
20 25 30
Gly Ile Ser Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Met
35 40 45
Gly Trp Ile Ser Ala Tyr Asn Gly Asn Thr Asn Tyr Ala Gln Lys Leu
50 55 60
Gln Gly Arg Val Thr Met Thr Thr Asp Thr Ser Thr Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Met Glu Leu Arg Ser Leu Arg Ser Asp Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Ala Arg

<210> 115
<211> 122
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 115
Glu Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Ala
1 5 10 15
Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Thr Asn Tyr
20 25 30
Gly Ile Ser Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Gly Gly Leu Glu Trp Met
35 40 45
Gly Trp Val Asp Asn Asn Asn Gly Asn Ile Asn Tyr Ala Gln Lys Phe
50 55 60
Leu Gly Arg Val Thr Met Thr Thr Asp Thr Ser Thr Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Met Glu Leu Arg Ser Leu Arg Ser Asp Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
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100 105 110
Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val Ser Ser
115 120

<210> 116
<211> 99
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 116
Gln Ser Ala Leu Thr Gln Pro Ala Ser Val Ser Gly Ser Pro Gly Gln
1 5 10 15
Ser Ile Thr Ile Ser Cys Thr Gly Thr Ser Ser Asp Val Gly Gly Tyr
20 25 30
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Met Ile Tyr Glu Val Ser Asn Arg Pro Ser Gly Val Ser Asn Arg Phe
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65 70 75 80
Gln Ala Glu Asp Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Ser Ser Tyr Thr Ser Ser
85 90 95
Ser Thr Leu

<210> 117
<211> 112
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 117
Gln Ser Ala Leu Thr Gln Pro Ala Ser Val Ser Gly Ser Pro Gly Gln
1 5 10 15
Ser Ile Thr Ile Ser Cys Thr Gly Thr Ser Ser Asp Val Gly Gly Tyr
20 25 30
Asn Tyr Val Ser Trp Tyr Gln Gln His Pro Gly Lys Ala Pro Lys Leu
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Met Ile Tyr Glu Val Thr Glu Arg Pro Ser Gly Val Ser Asn Arg Phe
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65 70 75 80
Gln Ala Glu Asp Glu Gly Asp Tyr Tyr Cys Ser Ser Tyr Thr Arg Ser
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Ser Thr Ser Tyr Val Val Phe Gly Gly Gly Thr Lys Val Thr Val Leu
100 105 110

<210> 118
<211> 98
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 118
Gln Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Ser
1 5 10 15
Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Gly Thr Phe Ser Ser Tyr
20 25 30
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Gly Gly Ile Ile Pro Ile Phe Gly Thr Ala Asn Tyr Ala Gln Lys Phe
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85 90 95
Ala Arg

<210> 119
<211> 123
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 119
Gln Val Gln Leu Gln Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Ser
1 5 10 15
Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Gly Thr Phe Ser Ser Tyr
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Ala Ile Ser Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Met
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Gly Gly Ile Leu Pro Met Phe Gly Ser Thr Asn Tyr Ala Gln Lys Phe
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Gln Gly Arg Leu Thr Leu Ile Ala Asp Glu Ser Thr Arg Thr Val Tyr
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Leu Glu Leu Asn Ser Leu Thr Ser Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
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Trp Gly Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser
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<210> 120
<211> 98
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 120
Gln Ala Gly Leu Thr Gln Pro Pro Ser Val Ser Lys Gly Leu Arg Gln
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Ser Ala

<210> 121
<211> 110
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 121
Ser Tyr Glu Leu Thr Gln Pro Pro Ser Val Ser Lys Gly Leu Arg Gln
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Thr Ala Thr Leu Thr Cys Thr Gly Asn Ser Asn Asn Val Gly Asn Gln
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100 105 110

<210> 122
<211> 125
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 122
Gln Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Ala
1 5 10 15
Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Thr Ser Tyr
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Gly Ile Ser Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Met
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115 120 125

<210> 123
<211> 118
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 123
Glu Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Gly Gly Leu Val Lys Pro Gly Gly
1 5 10 15
Ser Leu Arg Leu Ser Cys Glu Ala Ser Gly Phe Thr Phe Ser Asp Tyr
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Ser Met Ser Trp Ile Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Val
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<210> 124
<211> 117
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polypeptide
<400> 124
Glu Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Glu
1 5 10 15
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<210> 125
<211> 122
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
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<400> 125
Glu Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Ala
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<210> 126
<211> 123
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<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
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<400> 126
Gln Val Gln Leu Gln Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Ser
1 5 10 15
Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Gly Thr Phe Ser Ser Tyr
20 25 30
Ala Ile Ser Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Met
35 40 45
Gly Gly Ile Leu Pro Met Phe Gly Ser Thr Asn Tyr Ala Gln Lys Phe
50 55 60
Gln Gly Arg Leu Thr Leu Ile Ala Asp Glu Ser Thr Arg Thr Val Tyr
65 70 75 80
Leu Glu Leu Asn Ser Leu Thr Ser Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
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Ala Arg Gly Arg Asp Ile Val Ala Pro Ser Asn Ser Gly Phe Asp Val
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100 105 110

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20 25 30
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図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図12
図13
図14
図15-1】
図15-2】
図16
図17-1】
図17-2】
図17-3】
図17-4】
図17-5】
図18
図19
図20-1】
図20-2】
図21
図22A
図22B
図22C
図22D
【配列表】
2024054286000001.app
【手続補正書】
【提出日】2024-03-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キメラ抗原受容体およびポリペプチドをコードする核酸を含む操作された細胞であって、前記キメラ抗原受容体が、癌細胞の表面上の2種類以上の抗原に特異的であり、前記ポリペプチドが、前記操作された細胞から分泌され得る抗体またはその断片を含む、前記操作された細胞。