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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054302
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】パラメータ設定装置
(51)【国際特許分類】
   A01K 89/015 20060101AFI20240409BHJP
   A01K 89/017 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
A01K89/015 A
A01K89/017
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024019132
(22)【出願日】2024-02-13
(62)【分割の表示】P 2020129405の分割
【原出願日】2020-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(72)【発明者】
【氏名】森 成秀
(72)【発明者】
【氏名】林 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】原口 仁志
(72)【発明者】
【氏名】村山 聡
(57)【要約】      (修正有)
【課題】魚釣用電動リールにおけるパラメータを変更する操作の迅速化が図られるようにする。
【解決手段】2以上の所定のパラメータの設定に基づいて魚釣用電動リールのスプールを回転駆動させることのできる動作モードが設定されている状態において、第1操作子が操作された状態が継続される操作継続状態とされることに応じて前記所定のパラメータのうちの変更対象のパラメータを変更するパラメータ変更操作を受け付けるパラメータ設定部を備えて魚釣用電動リールのパラメータ設定装置を構成する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の所定のパラメータの設定に基づいて魚釣用電動リールのスプールを回転駆動させることのできる動作モードが設定されている状態において、第1操作子が操作された状態が継続される操作継続状態とされることに応じて前記所定のパラメータのうちの変更対象のパラメータを変更するパラメータ変更操作を受け付けるパラメータ設定部を備える魚釣用電動リールのパラメータ設定装置。
【請求項2】
前記パラメータ設定部は、前記操作継続状態が解除されることに応じて、当該操作継続状態のもとで変更された前記変更対象のパラメータを確定させる
請求項1に記載のパラメータ設定装置。
【請求項3】
前記パラメータ設定部は、前記操作継続状態において、前記第1操作子と異なる1以上の第2操作子に対して行われる操作に応じて、前記変更対象のパラメータを変更する
請求項1また2に記載のパラメータ設定装置。
【請求項4】
前記パラメータ設定部は、前記操作継続状態でないときに行われる操作に応じて、前記2以上の所定のパラメータのうちから変更対象のパラメータを選択する
請求項1から3のいずれか一項に記載のパラメータ設定装置。
【請求項5】
前記パラメータ設定部は、
前記第1操作子と異なる1以上の第2操作子であって、前記パラメータ変更操作に用いられるのと同じ第2操作子に対して行われる操作に応じて、前記2以上の所定のパラメータのうちから変更対象のパラメータを選択する
請求項4に記載のパラメータ設定装置。
【請求項6】
前記所定のパラメータは、前記スプールの回転速度と、前記スプールが回転を開始してから前記回転速度に到達させる際の加速度と、操作に応じて開始された前記スプールの回転を停止させる条件の判定に用いる条件判定値とを含む
請求項1から5のいずれか一項に記載のパラメータ設定装置。
【請求項7】
前記操作継続状態において、前記動作モードでスプールを回転駆動させる操作を受け付けないようにするスプール駆動制御部を備える
請求項1から6のいずれか一項に記載のパラメータ設定装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のパラメータ設定装置を備えた魚釣用電動リール。
【請求項9】
2以上の所定のパラメータの設定に基づいて魚釣用電動リールのスプールを回転駆動させることのできる動作モードが設定されている状態において、第1操作子が操作された状態が継続される操作継続状態とされることに応じて前記所定のパラメータのうちの変更対象のパラメータを変更するパラメータ変更操作を受け付けるパラメータ設定ステップを備える魚釣用電動リールにおけるパラメータ設定方法。
【請求項10】
魚釣用電動リールが備えるコンピュータを、
2以上の所定のパラメータの設定に基づいて魚釣用電動リールのスプールを回転駆動させることのできる動作モードが設定されている状態において、第1操作子が操作された状態が継続される操作継続状態とされることに応じて前記所定のパラメータのうちの変更対象のパラメータを変更するパラメータ変更操作を受け付けるパラメータ設定部として機能させるためのパラメータ設定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣用電動リールのパラメータ設定装置及びそれを備えた魚釣用電動リール、パラメータ設定方法、及びパラメータ設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
糸長表示モードにおいてタイマ設定モードスイッチが長押し操作されたことに応じて、自動動作条件であるタイマ時間を設定するタイマ設定モードに切り替わり、タイマ設定モードスイッチがプッシュ操作されたことに応じて糸長表示モードに戻るようにされた魚釣用電動リールが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2813690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような魚釣用電動リールでは、ユーザは、自動動作のパラメータを設定するにあたり、釣糸の巻き上げ操作が可能なモードから、パラメータを設定するモードに切り替える操作を行ってから、パラメータを設定する操作を行うことになる。
実釣中の状況にできるだけ迅速に対応するには、自動動作のパラメータを変更する操作もできるだけ迅速に行えるようにすることが好ましい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、魚釣用電動リールにおけるパラメータを変更する操作の迅速化が図られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、2以上の所定のパラメータの設定に基づいて魚釣用電動リールのスプールを回転駆動させることのできる動作モードが設定されている状態において、第1操作子が操作された状態が継続される操作継続状態とされることに応じて前記所定のパラメータのうちの変更対象のパラメータを変更するパラメータ変更操作を受け付けるパラメータ設定部を備える魚釣用電動リールのパラメータ設定装置である。
上記構成によれば、2以上の所定のパラメータの設定に基づいて魚釣用電動リールのスプールを回転駆動させることのできる動作モードが設定された状態において、当該動作モードからパラメータ変更のモードに切り替える操作を行わなくとも、第1操作子を操作継続状態とすることでパラメータを変更する操作を行うことが可能となる。これにより、魚釣用電動リールにおけるパラメータを変更する操作の迅速化が図られる。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記のパラメータ設定装置であって、前記パラメータ設定部は、前記操作継続状態が解除されることに応じて、当該前記操作継続状態のもとで変更されたパラメータを確定させる。
上記構成によれば、変更されたパラメータを確定させるために所定の操作子を操作するようなことをしなくとも、これまで第1操作子を継続して押圧していた状態を解除することで、変更されたパラメータを確定させることができる。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記のパラメータ設定装置であって、前記パラメータ設定部は、前記操作継続状態において、前記第1操作子と異なる1以上の第2操作子に対して行われる操作に応じて、前記変更対象のパラメータを変更する。
上記構成によれば、ユーザは、第1操作子を操作継続状態としながら、第2操作子を操作するという簡単な操作により変更対象のパラメータの値を変更することができる。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記のパラメータ設定装置であって、前記パラメータ設定部は、前記操作継続状態でないときに行われる操作に応じて、前記2以上の所定のパラメータのうちから変更対象のパラメータを選択する。
上記構成によれば、ユーザは、第1操作子を操作継続状態としていない状態では、2以上の所定のパラメータのうちから変更対象のパラメータを選択する操作を行うことができる。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記のパラメータ設定装置であって、前記パラメータ設定部は、前記第1操作子と異なる1以上の第2操作子であって、前記パラメータ変更操作に用いられるのと同じ第2操作子に対して行われる操作に応じて、前記2以上の所定のパラメータのうちから変更対象のパラメータを選択する。
上記構成によれば、第1操作子について操作継続状態としていない状態のもとで、パラメータ値の変更に用いるのと同じ第2操作子を操作して変更対象のパラメータを選択することが可能になる。これにより、パラメータの変更に関する操作の効率化が図られるとともに、第2操作が共用されることで、パラメータの変更に関する操作に用いる操作子の節減を図ることができる。
【0011】
また、本発明の一態様は、上記のパラメータ設定装置であって、前記所定のパラメータは、前記スプールの回転速度と、前記スプールが回転を開始してから前記回転速度に到達させる際の加速度と、操作に応じて開始された前記スプールの回転を停止させる条件の判定に用いる条件判定値とを含む。
上記構成によれば、1回の自動さそい動作のパラメータとして、スプールが回転を開始してから前記回転速度に到達させる際の加速度が含まれる。加速度のパラメータを変更することにより、例えばさそいにおけるシャクリはじめの鋭さを調整することができる。
【0012】
また、本発明の一態様は、上記のパラメータ設定装置であって、前記操作継続状態において、前記動作モードでスプールを回転駆動させる操作を受け付けないようにするスプール駆動制御部を備える。
上記構成によれば、第1操作子が操作継続状態にある状態では、釣糸を巻き上げるためにスプールを回転駆動させるための操作を行っても、スプールが回転しないようにすることができる。これにより、スプールが回転駆動されているときにパラメータが変更されてしまうことでスプールの回転が不安定になることを防止できる。
【0013】
また、本発明の一態様は、上記のいずれか1つに記載のパラメータ設定装置を備えた魚釣用電動リールである。
【0014】
また、本発明の一態様は、2以上の所定のパラメータの設定に基づいて魚釣用電動リールのスプールを回転駆動させることのできる動作モードが設定されている状態において、第1操作子が操作された状態が継続される操作継続状態とされることに応じて前記所定のパラメータのうちの変更対象のパラメータを変更するパラメータ変更操作を受け付けるパラメータ設定ステップを備える魚釣用電動リールにおけるパラメータ設定方法である。
【0015】
また、本発明の一態様は、魚釣用電動リールが備えるコンピュータを、2以上の所定のパラメータの設定に基づいて魚釣用電動リールのスプールを回転駆動させることのできる動作モードが設定されている状態において、第1操作子が操作された状態が継続される操作継続状態とされることに応じて前記所定のパラメータのうちの変更対象のパラメータを変更するパラメータ変更操作を受け付けるパラメータ設定部として機能させるためのパラメータ設定プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、魚釣用電動リールにおけるパラメータを変更する操作の迅速化が図られるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態の魚釣用電動リールの外観例を示す図である。
図2】本実施形態の魚釣用電動リールの外観例を示す図である。
図3】本実施形態の魚釣用電動リールにおける表示操作パネルの一例を示す図である。
図4】本実施形態の自動巻き上げ動作における時間経過に応じたスプール回転速度の変化例を示す図である。
図5】本実施形態の表示部における表示態様例を示す図である。
図6】本実施形態の魚釣用電動リールの機能構成例を示す図である。
図7】本実施形態における魚釣用電動リールが、自動巻き上げ動作の駆動制御パラメータ設定に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図8】本実施形態における魚釣用電動リールが、巻き上げ操作に応じて実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態>
以下、図面を参照して、本実施形態のパラメータ設定装置としての魚釣用電動リール1について説明する。
本実施形態において、スプールの駆動とは、例えばモータ等を駆動して得られる動力によりスプールを回転させることをいう。
また、本実施形態において、スプールの駆動制御とは、スプールの駆動に関する制御をいう。このようなスプールの駆動制御には、スプールを回転させる制御、スプールの回転を停止させる制御、スプールの回転速度を変更する制御等が含まれる。
また、以降の説明において、スプールの「駆動」について、回転の動作を与えることを明確にすることなどを目的として「回転駆動」と記載する場合がある。
なお、以下の説明では、魚釣用電動リール1が両軸受リールである場合を例に挙げる。なお、図1図2において、各構成部材を視認可能な大きさとするために必要に応じて各構成部材の縮尺を適宜変更している場合がある。
【0019】
[魚釣用電動リールの構造例]
図1、2は、本実施形態の魚釣用電動リール1の外観例を示している。本実施形態の魚釣用電動リール1は、図示しない釣竿に装着可能なリール本体2と、リール本体2に対してハンドル軸線O1回りに回転可能に取り付けられたハンドル3と、リール本体2に対してハンドル軸線O1と平行なスプール軸線O2回りに回転可能とされ、且つ図示しない釣糸が巻かれるスプール4と、クラッチ操作レバー5を有するクラッチ機構6と、を主に備えている。
【0020】
また、本実施形態の魚釣用電動リール1は、リール本体2に設けられたモータ収容筒7内に配置され、スプール4を回転駆動するモータ(図示せず)を備える。
また、魚釣用電動リール1は、モータ収容筒7を塞ぐようにリール本体2に組み合わされ、リール本体2に対してモータを固定するモータホルダ9と、を備えている。
【0021】
本実施形態では、ハンドル軸線O1及びスプール軸線O2は互いに平行に配置され、これらの軸線に沿った方向を左右方向L1として定義する。さらに左右方向L1に直交し、且つスプール4に巻かれた釣糸が繰り出される方向に沿った方向を前後方向L2として定義する。
さらに、前後方向L2においてスプール4から釣糸が繰り出される方向を前方、その反対方向を後方として定義するとともに、魚釣用電動リール1を後方側(釣り人側)から見た視点で左右を定義する。従って、図1は、魚釣用電動リール1を斜め上、左後方から見た斜視図である。
【0022】
リール本体2は、本体フレーム10と、本体フレーム10の左右両側を覆うサイドカバー20と、本体フレーム10の前部側を覆う前カバー30とを備えている。
【0023】
本体フレーム10は、例えば合成樹脂あるいは金属製(例えばアルミニウムダイキャスト製)の成形部品とされている。本体フレーム10は、スプール4を挟んで左右方向L1に向かい合うように配置された第1側壁11及び第2側壁12と、第1側壁11及び第2側壁12同士を左右方向L1に連結する連結部材13とを備えている。
【0024】
第1側壁11は、スプール4に対して左側(LH)に配置された左側壁とされている。これに対して第2側壁12は、スプール4に対して右側(RH)に配置された右側壁とされている。なお、ハンドル3は、第2側壁12よりもさらに右側(RH)に配置され、第2側壁12を利用して本体フレーム10に取り付けられている。
従って、本実施形態の魚釣用電動リール1は、右側ハンドルタイプのリールとされている。なお、第2側壁12は、コネクタ部23等が取り付けられる関係上、第1側壁11よりも下方に向けて突出するように形成されている。
【0025】
連結部材13は、第1側壁11及び第2側壁12同士を左右方向L1に連結する板状に形成され、第1側壁11の下部付近に配置されている。これにより、第1側壁11及び第2側壁12は、連結部材13を介して強固に連結されている。
なお、連結部材13における左右方向L1の中央部分には、魚釣用電動リール1を釣竿に装着するための装着脚片14が前後方向L2に沿って延びるように形成されている。
【0026】
上述のように構成された本体フレーム10において、第1側壁11と第2側壁12との間には、モータを内部に収容するモータ収容筒7、スプール4及びクラッチ操作レバー5等が少なくとも配置されている。
【0027】
スプール4は、ハンドル軸線O1よりも後方側に位置するように第1側壁11と第2側壁12との間に配置されている。モータ収容筒7は、ハンドル軸線O1よりも前方側に位置するように第1側壁11と第2側壁12との間に配置されている。そのため、本実施形態の魚釣用電動リール1は、モータがスプール4よりも前方側に配置された、いわゆるスプールアウトモータタイプとされている。
【0028】
サイドカバー20は、モータ収容筒7の開口部が形成された第1側壁11を左側(LH)から覆うように本体フレーム10に組み合わされた第1サイドカバー21と、第2側壁12を右側(RH)から覆うように本体フレーム10に組み合わされた第2サイドカバー22と、を備えている。
【0029】
第1サイドカバー21は、左側(LH)に向けて膨らむように形成され、第1側壁11に対して例えばネジ止めされている。
第2サイドカバー22は、右側(RH)に向けて膨らむように形成され、第2側壁12に対して例えばネジ止めされている。
第2サイドカバー22のうち、前方下部に位置する部分には、外部電源からの電力を供給するための電源リールコード、あるいは携帯用バッテリーを接続するためのコネクタ部23が図示しない接続端を下向きにした状態で装着されている。なお各図面では、保護キャップ24によって接続端が保護されている状態を図示している。
【0030】
前カバー30は、本体フレーム10の前部を前方から覆うように本体フレーム10に組み合わされている。具体的には、前カバー30は、モータ収容筒7を前方から覆うように第1側壁11及び第2側壁12の前部に組み合わされるとともに、第1側壁11及び第2側壁12に対して例えばネジ止めされている。なお、前カバー30は、後述するレベルワインド55の移動領域を塞がないように取り付けられている。
【0031】
上述のように構成された本体フレーム10の上部には、カウンターケース40が設けられている。カウンターケース40は、第1側壁11と第2側壁12との間に配置された状態で、第1側壁11の上部及び第2側壁12の上部に例えばネジ止め等によって固定されている。
【0032】
カウンターケース40の本体の上面は、表示操作パネル41として構成されている。表示操作パネル41は、魚釣用電動リール1を使用するユーザに向けての表示と、ユーザによるボタン、スイッチ等の操作子に対する操作が行われる部位である。
【0033】
図3は、魚釣用電動リール1における表示操作パネル41を示している。同図に示されるように、表示操作パネル41は、操作部101と表示部102とを備える。
【0034】
操作部101は、ユーザによるボタン操作が行われる部位である。同図の例では、操作部101において、ボタン操作が行われるボタンとして、第1ボタン111-1(第1操作子の一例)、第2ボタン111-2(第2操作子の一例)、第3ボタン111-3(第2操作子の一例)、の3つのボタンが配置されている。なお、以降の説明にあたり、第1ボタン111-1、第2ボタン111-2、第3ボタン111-3について特に区別しない場合には、ボタン111と記載する。
【0035】
同図におけるボタン111の配置の態様としては、第2ボタン111-2が上で第3ボタン111-3が下となる位置関係により上下方向に沿って配置されている。第1ボタン111-1は、第2ボタン111-2と第3ボタン111-3とが配置される位置よりも左であって、上下方向においては、第2ボタン111-2と第3ボタン111-3との中間に対応する位置にて配置されている。
このようなボタン111の配置における第2ボタン111-2と第3ボタン111-3は、それぞれ、パラメータ値の変更や項目選択等の操作におけるアップボタン、ダウンボタンとして機能させても、ユーザの操作感覚としてなじみやすい。
【0036】
また、操作部101においては、巻き上げスイッチ112が設けられている。巻き上げスイッチ112は、スプール4を回転させて釣糸を巻き上げるための操作が行われる操作子である。
巻き上げスイッチ112は、釣糸を自動で巻き上げるための操作が行われるスイッチである。巻き上げスイッチ112は、シーソー式の感圧スイッチであり、上側スイッチ部112aを押下する操作と、下側スイッチ部112bを押下する操作とが可能とされている。
【0037】
表示部102は、魚釣用電動リール1の動作に応じて所定の内容の表示が行われる部位である。表示部102として備えられる表示デバイスについては特に限定されないが、例えば液晶表示デバイス、有機EL表示デバイス等を挙げることができる。
【0038】
説明を図1図2に戻す。ハンドル3は、手動により釣糸を巻き上げる操作に用いられる。ハンドル3は、本体フレーム10及び第1サイドカバー21よりも右側(RH)に配置されている。ハンドル3は、ハンドル軸線O1回りに回転可能に配置されたハンドル軸部50と、ハンドル軸部50に回転不能に装着されたハンドルアーム51と、ハンドルアーム51の端部にハンドル軸線O1と平行な軸線回りに回転可能に装着されたハンドルノブ52と、を備えている。
ハンドルアーム51と第1サイドカバー21との間には、ハンドル軸線O1と同軸に配置されたドラグ53(スタードラグ)が設けられている。このドラグ53は、釣糸の巻取りに際して、スプール4に対して任意のドラグ力を付与することでスプール4の回転制動を行い、釣糸の切断抑制に寄与する働きをしている。
【0039】
このように構成されたハンドル3からの回転トルクは、クラッチ機構6がクラッチオン状態にあるときに、図示しない回転伝達機構を介してスプール4に直接伝達される。
なお、本実施形態では、ハンドルアーム51の一端部にハンドルノブ52が装着された、いわゆるシングルハンドルタイプを例に挙げて説明しているが、この場合に限定されるものではない。例えば、ハンドルアーム51の両端部にハンドルノブ52を装着し、且つハンドルアーム51の中央部をハンドル軸部50に回転不能に装着した、いわゆるダブルハンドルタイプの魚釣用電動リール1としても構わない。
【0040】
スプール4は、フレーム本体における第1側壁11と第2側壁12との間に配置されているとともに、第1側壁11及び第2側壁12のそれぞれに図示しない軸受を介してスプール軸線O2回りに回転可能に支持されている。
スプール4は、スプール軸線O2回りに回転する図示しないスプール回転軸部と、スプール回転軸部と同軸に配置されるとともに、スプール回転軸部と連動して回転する糸巻胴部4aとを備えている。
【0041】
クラッチ機構6は、クラッチ操作レバー5の操作によって、ハンドル3からの回転トルクを図示しない回転伝達機構を介してスプール4に伝達可能なクラッチオン状態と、伝達不能なクラッチオフ状態とに切換可能とされている。従って、クラッチオン状態において、ハンドル3を回転操作することで、ハンドル3の回転操作に伴う回転トルクをスプール4に伝達することができ、スプール4をスプール軸線O2回りに回転させることが可能とされている。これにより、手巻き操作が可能となる。
なお、クラッチ機構6がクラッチオフ状態である場合には、ハンドル3の回転操作に伴う回転トルクがスプール4に伝達されず、該スプール4は自由回転可能な状態(スプールフリーな状態)となる。
【0042】
クラッチ操作レバー5は、クラッチ機構6をクラッチオン状態とクラッチオフ状態とに切り換え操作するための切換レバーである。クラッチ操作レバー5は、スプール4よりも後方において、第1側壁11と第2側壁12との間に配置されているとともに、スプール軸線O2回りに揺動するように上下に移動可能とされている。
【0043】
なお、回転伝達機構は、ハンドル3の回転を増速した状態で回転トルクをスプール4に伝達するように構成されている。さらに回転伝達機構は、クラッチ機構6がクラッチオン状態にある場合、ハンドル3の回転操作に伴う回転トルクをスプール4に伝達するだけでなく、レベルワインド機構(不図示)にも伝達するように構成されている。レベルワインド機構は、釣糸をスプール4に偏りなく均等に巻き取らせるための機構である。
【0044】
さらに回転伝達機構は、クラッチ機構6がクラッチオフ状態にある場合においてモータが駆動されたときに、当該モータの駆動に伴う回転トルクをスプール4に伝達することが可能とされている。これにより、自動巻操作が可能となる。なお、回転伝達機構は、モータの回転を減速した状態で回転トルクをスプール4に伝達する。
【0045】
[電動ジギングモードについて]
本実施形態の魚釣用電動リール1は、電動ジギングモードがオンの状態では、以下のようにしてユーザが行う巻き上げスイッチ112の操作に応じて、釣糸の巻き上げ動作を実行することができる。電動ジギングモードは、2以上の所定のパラメータの設定に基づいて魚釣用電動リールのスプールを回転駆動させることのできる動作モードの一例である。
【0046】
電動ジギングモードでは、巻き上げスイッチ112の上側スイッチ部112aは、釣糸の巻き上げのためのスプール4の回転駆動をオンオフする操作に割り当てられる。
つまり、ユーザが上側スイッチ部112aの押圧を開始すると、スプール4の回転駆動が開始され、釣糸の巻き上げも開始される。そのままユーザが上側スイッチ部112aの押圧を継続している間は、スプール4も回転駆動が継続され、釣糸の巻き上げも継続される。ユーザが上側スイッチ部112aの押圧を解除すると、スプール4の回転駆動が停止され、釣糸の巻き上げも停止される。
電動ジギングモードにおいて、はじめに上側スイッチ部112aの押圧が行われたときには、予め設定された最大速度未満のスプールの回転速度(中間巻き上げ速度)で釣糸の巻き上げが行われる。その後において、上側スイッチ部112aの押圧が継続されたままさらに押し込まれるようにして操作が行われると、巻き上げ速度が最大にまで増加した状態で釣糸の巻き上げが行われる。
【0047】
また、電動ジギングモードでは、巻き上げスイッチ112の下側スイッチ部112bは、自動さそい動作(自動ジャーク、2以上の所定のパラメータの設定に基づいて魚釣用電動リールのスプールを回転駆動させることの一例)を実行させるための操作が割り当てられる。
つまり、ユーザが下側スイッチ部112bを1回押圧する操作(1クリック操作)を行うことに応じて、予め設定された駆動制御情報に従って、或る期間にわたってスプール4が回転駆動され、釣糸を巻き上げる動作が行われる。
【0048】
本実施形態の自動さそい動作に対応する駆動制御情報を構成する駆動制御パラメータ(2以上の所定のパラメータの一例)は、巻き上げ長さ[LENGTH](条件判定値の一例)、速度[SPEED]、及び加速度[ACCEL]の3つである。
巻き上げ長さ[LENGTH]は、1回の自動さそい動作において巻き上げられる釣糸の長さである。巻き上げ長さ[LENGTH]は、スプール4に巻き取られる釣糸の長さに相当する。
速度[SPEED]は、自動さそい動作において釣糸を巻き上げる際のスプール4の回転速度である。
加速度[ACCEL]は、自動さそい動作においてスプール4が回転を開始してから速度[SPEED]に到達させる際の加速度(角加速度)である。
【0049】
図4は、上記の巻き上げ長さ[LENGTH]、速度[SPEED]、及び加速度[ACCEL]の駆動制御パラメータの設定による1回の自動さそい動作に対応するスプール4の挙動の例を示している。同図においては、横軸が時間であり、縦軸が回転速度である。
時刻t0において、ユーザにより巻き上げスイッチ112の下側スイッチ部112bを1回押圧する操作が行われると、時刻t0から或る一定のタイムラグ(遅延)を経た時刻t1からスプール4の回転が開始される。
【0050】
時刻t1にて回転が開始されたスプール4は、設定された加速度[ACCEL]に従った加速度で回転速度を増加させていく。そして、時刻t2に至ってスプール4の回転速度が速度[SPEED]に到達する。同図における時刻t1から時刻t2における回転速度の傾きの度合いが加速度[ACCEL]の値に応じて変化する。時刻t2以降において、スプール4は、速度[SPEED]による一定速度で回転する。
【0051】
例えば駆動制御パラメータとして、加速度[ACCEL]を設けずに、常に一定の加速度で速度[SPEED]に到達するようにスプール4が回転駆動されてよい。しかしながら、例えば実際にユーザが釣竿を動かしながら行うさそい動作においては、状況に応じて、さそいにおけるはじめのシャクリの鋭さを変えることが釣果につながる場合がある。そこで、本実施形態のように加速度[ACCEL]の駆動制御パラメータを設けるようにすれば、自動さそい動作において、上記のようなさそいにおけるシャクリはじめの鋭さをユーザの意図に応じて変更できる。
【0052】
魚釣用電動リール1は、時刻t1にてスプール4の回転が開始されて以降、スプール4に巻き取られていく釣糸の長さを計測している。そして、時刻t3に至って巻き取られた釣糸の長さが巻き上げ長さ[LENGTH]に達すると、スプール4の回転駆動を停止させるため、モータへの電流の供給を停止させる。このような巻き上げ長さ[LENGTH]は、スプール4の回転を停止させる条件が満たされたか否かの判定に用いる条件判定値となる。
【0053】
モータは、電流の供給を停止しても慣性により即座に停止せずに或る程度回転してから停止する、オーバーランと呼ばれる現象が生じる。同図の例では、時刻t3以降のオーバーランが生じた期間においてスプール4の回転速度が減速され、時刻t4にてスプール4の回転が停止している。
【0054】
巻き上げスイッチ112の下側スイッチ部112bが1回操作されたことに応じて、魚釣用電動リール1は、同図に示されるようにしてスプール4の回転速度を変化させていくようにして1回の自動さそい動作を実行する。このようなスプール4の回転速度に応じて変化する巻き上げ速度により釣糸の巻き上げが行われることで、自動によるさそいの動きが得られる。
【0055】
[自動さそい動作に対応する駆動制御パラメータの設定について]
次に、自動さそい動作に対応する駆動制御パラメータ(巻き上げ長さ[LENGTH]、速度[SPEED]、及び加速度[ACCEL])の設定操作の手順例について説明する。本実施形態において、自動さそい動作に対応する駆動制御パラメータの設定操作は、電動ジギングモードがオンとされた状態のもとで行うことが可能とされている。
本実施形態における駆動制御パラメータの設定は、パラメータ値の変更対象とする駆動制御パラメータの選択と、変更対象として選択された駆動制御パラメータのパラメータ値の変更とを含む。
【0056】
図5は、電動ジギングモードがオンの状態における表示部102の表示例を示している。同図の表示部102においては、速度エリアAR10、水深エリアAR20、及びパラメータ表示エリアAR30が配置される。
速度エリアAR10は、現在において設定されているスプール4の回転速度が段階数により表示されるエリアである。
水深エリアAR20は、現在において仕掛けが位置している水深を表示するエリアである。
【0057】
パラメータ表示エリアAR30は、駆動制御パラメータごとの現在において設定されているパラメータ値が表示されるエリアである。パラメータ表示エリアAR30においては、巻き上げ長さ表示エリアAR31-1、速度表示エリアAR31-2、加速度表示エリアAR31-3が含まれる。巻き上げ長さ表示エリアAR31-1、速度表示エリアAR31-2、加速度表示エリアAR31-3について、特に区別しない場合には、個別パラメータ表示エリアAR31と記載する。
巻き上げ長さ表示エリアAR31-1は、巻き上げ長さ[LENGTH]としての駆動制御パラメータのパラメータ値が表示されるエリアである。
速度表示エリアAR31-2は、速度[SPEED]としての駆動制御パラメータのパラメータ値が表示されるエリアである。
加速度表示エリアAR31-3は、加速度[ACCEL]としての駆動制御パラメータのパラメータ値が表示されるエリアである。
【0058】
同図においては、パラメータ表示エリアAR30において巻き上げ長さ表示エリアAR31-1が強調表示された状態となっている例が示されている。このように巻き上げ長さ表示エリアAR31-1が強調表示された状態は、駆動制御パラメータ(巻き上げ長さ[LENGTH]、速度[SPEED]、及び加速度[ACCEL])のうち、巻き上げ長さ[LENGTH]がパラメータ値の変更対象として選択されていることを示す。
パラメータ表示エリアAR30は、駆動制御パラメータ(巻き上げ長さ[LENGTH]、速度[SPEED]、及び加速度[ACCEL])のいずれが変更対象として選択されているかに応じて、巻き上げ長さ表示エリアAR31-1、速度表示エリアAR31-2、加速度表示エリアAR31-3のうちのいずれかが強調表示されている状態にある。
【0059】
なお、強調表示の態様として、同図では、選択対象の個別パラメータ表示エリアAR31を他の個別パラメータ表示エリアAR31に対して明暗を反転させた表示としている。強調表示の態様としては、特に限定されるものではなく、例えば、選択対象の個別パラメータ表示エリアAR31の枠や文字を太くするなどしたり、カラー表示の場合には、背景色あるいは文字色を変更したりしてもよい。
【0060】
なお、電動ジギングモードがオンとされたことに応じて初期表示されたときのパラメータ表示エリアAR30においては、例えば、最後に電動ジギングモードをオフとしたときの状態を引き継いで個別パラメータ表示エリアAR31の強調表示が行われるようにされてよい。あるいは、予め定められた特定の駆動制御パラメータに対応する個別パラメータ表示エリアAR31が強調表示されていてもよい。
【0061】
電動ジギングモードにおいて同図の状態のパラメータ表示エリアAR30が表示されているとき、ユーザは、以下に説明する操作によって、変更対象として選択されている巻き上げ長さ[LENGTH]のパラメータ値を変更することができる。
この場合、ユーザは、操作部101における第1ボタン111-1を押圧した状態を継続させる。つまり、ユーザは、第1ボタン111-1について押圧操作が継続される操作継続状態とする。これにより、魚釣用電動リール1は、第2ボタン111-2または第3ボタン111-3に対する操作を、パラメータ値を変更する操作として受け付け可能となる。
【0062】
ユーザは、巻き上げ長さ[LENGTH]のパラメータ値を増加させる場合には、第1ボタン111-1を押圧した状態を継続させながら、第2ボタン111-2を操作する。第2ボタン111-2が1回押圧されるごとに、パラメータ値がインクリメントされるように増加する。
また、ユーザは、巻き上げ長さ[LENGTH]のパラメータ値を減少させる場合には、第1ボタン111-1を押圧した状態を継続させながら、第3ボタン111-3を操作する。第3ボタン111-3が1回押圧されるごとに、パラメータ値がデクリメントされるように減少する。
【0063】
なお、ユーザが第2ボタン111-2を長押ししたことに応じて、第2ボタン111-2の押圧が解除されるまでパラメータ値が連続的にインクリメントされてよい。また、ユーザが第3ボタン111-3を長押ししたことに応じて、第3ボタン111-3の押圧が解除されるまでパラメータ値が連続的にデクリメントされてよい。
【0064】
巻き上げ長さ表示エリアAR31-1においては、上記の操作により変更された巻き上げ長さ[LENGTH]のパラメータ値が反映されるようにして表示が行われる。これにより、ユーザは、自分の操作によって変更されたパラメータ値を確認できる。
【0065】
ユーザは、所望のパラメータ値に変更すると、これまで継続させていた第1ボタン111-1の押圧を解除する。これにより、魚釣用電動リール1は、パラメータ値を変更する第2ボタン111-2と第3ボタン111-3に対する操作を受け付け不可とする。また、魚釣用電動リール1は、巻き上げ長さ[LENGTH]を、第1ボタン111-1の押圧が解除されたときに巻き上げ長さ表示エリアAR31-1にて表示されていたパラメータ値で確定させて、駆動制御パラメータの設定を完了させる。
【0066】
なお、第1ボタン111-1が押圧されている状態においては、魚釣用電動リール1は、巻き上げスイッチ112に対する操作を無効としてよい。つまり、第1ボタン111-1が押圧されている状態においては、ユーザが上側スイッチ部112aを操作してもスプール4は回転せず、下側スイッチ部112bを操作しても自動さそい動作は行われないようにされてよい。
これにより、スプール4が回転中の状態において駆動制御パラメータが変更されることによりスプール4の回転が不安定となることを防ぐことができる。
【0067】
また、電動ジギングモードにおいて、ユーザは、パラメータ値の変更対象とする駆動制御パラメータを以下の操作によって選択することができる。
ユーザは、電動ジギングモードにおいて、第1ボタン111-1については押圧せずに、第2ボタン111-2または第3ボタン111-3に対する操作を行う。
【0068】
ユーザが第2ボタン111-2を1回押圧するごとに、パラメータ表示エリアAR30において、これまで強調表示されていた個別パラメータ表示エリアAR31の1つ上段の個別パラメータ表示エリアAR31が強調表示される状態に変化する。新たに強調表示された個別パラメータ表示エリアAR31に対応する駆動制御パラメータが、パラメータ値の変更対象として選択されることになる。
【0069】
なお、最も上段の個別パラメータ表示エリアAR31が強調表示された状態において、第2ボタン111-2を1回押圧する操作が行われた場合、当該操作は無効とされてもよいし、巡回により最も下段の個別パラメータ表示エリアAR31が強調表示される状態に変化してもよい。
【0070】
また、ユーザが第3ボタン111-3を1回押圧するごとに、パラメータ表示エリアAR30において、これまで強調表示されていた個別パラメータ表示エリアAR31の1つ下段の個別パラメータ表示エリアAR31が強調表示される状態に変化する。この場合にも、新たに強調表示された個別パラメータ表示エリアAR31に対応する駆動制御パラメータが、パラメータ値の変更対象として選択されることになる。
【0071】
なお、最も下段の個別パラメータ表示エリアAR31が強調表示された状態において、第3ボタン111-3を1回押圧する操作が行われた場合、当該操作は無効とされてもよいし、巡回により最も上段の個別パラメータ表示エリアAR31が強調表示される状態に変化してもよい。
【0072】
このようにして、本実施形態の魚釣用電動リール1は、巻き上げ長さ[LENGTH]、速度[SPEED]、及び加速度[ACCEL]それぞれの駆動制御パラメータのパラメータ値を変更する操作(パラメータ変更操作)が可能とされている。
そのうえで、上記の駆動制御パラメータのパラメータ値を変更する操作は、電動ジギングモードがオンとされている状態のもとで行われる。つまり、ユーザは、例えば電動ジギングモードから駆動制御パラメータを変更する設定モードに変更する操作を行うことなく、電動ジギングモードのもとで駆動制御パラメータのパラメータ値を変更する操作を行うことができる。これにより、ユーザは、実釣中においても自動さそい動作の駆動制御パラメータを迅速に変更できる。
【0073】
また、パラメータ値を変更する操作と、パラメータ値の変更対象となる駆動制御パラメータを選択する操作とは、いずれも第2ボタン111-2と第3ボタン111-3とを用いるようにされている。このようにパラメータ値を変更する操作と、駆動制御パラメータを選択する操作とで共通の操作子が用いられるようにすることで、魚釣用電動リール1に設ける操作子の数を節減できる。
【0074】
[魚釣用電動リールの機能構成例]
図6を参照して、魚釣用電動リール1の機能構成例について説明する。同図において、図1図2と同一部分には、同一符号を付して適宜説明を省略する。
同図の魚釣用電動リール1は、操作部101、表示部102、制御部103、記憶部104、モータ駆動回路105、モータ8、スプール4、回転センサ106を備える。
【0075】
制御部103は、魚釣用電動リール1における各種の制御を実行する。制御部103としての機能は、魚釣用電動リール1が備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
制御部103は、パラメータ設定部131、及びスプール駆動制御部132を備える。
パラメータ設定部131は、操作部101に対して行われた操作に応じて、駆動制御パラメータ(回転速度、駆動時間、停止時間)を、第1駆動制御情報として設定する。
スプール駆動制御部132は、駆動制御情報に基づいて、スプール4の駆動制御を実行する。
【0076】
記憶部104は、魚釣用電動リール1に対応する各種の情報を記憶する。記憶部104は、駆動制御情報記憶部141及び中間巻き上げ速度記憶部142を備える。
駆動制御情報記憶部141は、駆動制御情報を記憶する。駆動制御情報は、自動さそい動作においてスプール4を駆動制御するのに利用される情報である。駆動制御情報には、前述のように、巻き上げ長さ[LENGTH]、速度[SPEED]、及び加速度[ACCEL]の駆動制御パラメータが含まれる。
中間巻き上げ速度記憶部142は、中間巻き上げ速度を記憶する。中間巻き上げ速度は、電動ジギングモードにおいて、上側スイッチ部112aが押圧されたことに応じてスプール4を回転駆動させる際に指定されるスプール4の回転速度についてのパラメータである。
中間巻き上げ速度は、例えば、ユーザが操作を行うことで、スプール4の最大回転速度よりも低い範囲で任意に設定可能とされる。
【0077】
[処理手順例]
図7のフローチャートを参照して、魚釣用電動リール1が、自動さそい動作に対応する駆動制御パラメータを設定するための処理手順例について説明する。同図の処理は、電動ジギングモードがオンとされている状態のもとで実行される。
【0078】
ステップS101:魚釣用電動リール1におけるパラメータ設定部131は、第2ボタン111-2に対する1回の押圧操作が行われたか否かを判定する。
【0079】
ステップS102:パラメータ設定部131は、第2ボタン111-2に対する1回の押圧操作が行われたことを判定すると、当該第2ボタン111-2に対する1回の押圧操作が行われたときに、第1ボタン111-1が押圧された状態にあったか否かについて判定する。
【0080】
ステップS103:ステップS102にて第1ボタン111-1が押圧された状態にあったことが判定された場合、パラメータ設定部131は、現在において変更対象として選択されている駆動制御パラメータの現在のパラメータ値をインクリメントする。
パラメータ設定部131は、インクリメントしたパラメータ値を、例えばRAM(Random Access Memory)やレジスタ等に暫定値として記憶させてよい。
また、パラメータ設定部131は、インクリメントにより変更されたパラメータ値が、対応の個別パラメータ表示エリアAR31にて表示されるように表示制御を実行する。
なお、ステップS103に至った段階で、現在のパラメータ値が既に最大値である場合には、ステップS103の処理はスキップされてよい。この場合、第2ボタン111-2は1回の押圧操作が行われたのであるが、パラメータ値は最大のまま変化しない。あるいは、ステップS103に至った段階で、現在のパラメータ値が既に最大値である場合には、巡回して最小のパラメータ値に変更されるようにしてもよい。
【0081】
ステップS104:ステップS102にて第1ボタン111-1が押圧された状態になかったことが判定された場合、パラメータ設定部131は、変更対象として選択される駆動制御パラメータを変更する。
駆動制御パラメータには選択順が設定されている。当該ステップS104において、パラメータ設定部131は、これまで変更対象として選択されていた駆動制御パラメータに対して選択順が1つ逆順となる駆動制御パラメータを、新たに変更対象として選択する。
具体的に、駆動制御パラメータの選択順は、図5に例示した巻き上げ長さ表示エリアAR31-1、速度表示エリアAR31-2、加速度表示エリアAR31-3の順に応じて、巻き上げ長さ[LENGTH]、速度[SPEED]、及び加速度[ACCEL]の順で設定されてよい。この場合、例えば、これまで速度[SPEED]が変更対象として選択されていた場合、ステップS104によっては、巻き上げ長さ[LENGTH]が新たに変更対象として選択されることになる。
なお、選択順が1番目の巻き上げ長さ[LENGTH]が選択された状態のもとでステップS104に至った場合、パラメータ設定部131は、駆動制御パラメータの選択を変更せずに巻き上げ長さ[LENGTH]のままとしてもよいし、選択順を巡回して、選択順が最後(3番目)の加速度[ACCEL]を新たに選択してもよい。
【0082】
ステップS105:ステップS101にて第2ボタン111-2に対する1回の押圧操作が行われなかったことが判定された場合、あるいはステップS103、S104の処理の後、パラメータ設定部131は、第3ボタン111-3に対する1回の押圧操作が行われたか否かを判定する。
【0083】
ステップS106:パラメータ設定部131は、第3ボタン111-3に対する1回の押圧操作が行われたことを判定すると、今回の第3ボタン111-3に対する1回の押圧操作が行われたときに、第1ボタン111-1が押圧された状態にあったか否かについて判定する。
【0084】
ステップS107:ステップS106にて第1ボタン111-1が押圧された状態にあったことが判定された場合、パラメータ設定部131は、現在において変更対象として選択されている駆動制御パラメータの現在のパラメータ値をデクリメントする。
パラメータ設定部131は、デクリメントしたパラメータ値を、例えばRAMやレジスタ等に暫定値として記憶させてよい。
また、パラメータ設定部131は、デクリメントにより変更されたパラメータ値が、対応の個別パラメータ表示エリアAR31にて表示されるように表示制御を実行する。
なお、ステップS107に至った段階で、現在のパラメータ値が既に最小値である場合には、ステップS107の処理はスキップされてよい。この場合、第3ボタン111-3は1回の押圧操作が行われたのであるが、パラメータ値は最小のまま変化しない。あるいは、ステップS103に至った段階で、現在のパラメータ値が既に最小値である場合には、巡回して最大のパラメータ値に変更されるようにしてもよい。
【0085】
ステップS108:ステップS106にて第1ボタン111-1が押圧された状態になかったことが判定された場合、パラメータ設定部131は、これまで変更対象として選択されていた駆動制御パラメータに対して選択順が1つ正順となる駆動制御パラメータを、新たに変更対象として選択する。
なお、選択順が最後(3番目)の加速度[ACCEL]が選択された状態のもとでステップS108に至った場合、パラメータ設定部131は、駆動制御パラメータの選択を変更せずに加速度[ACCEL]のままとしてもよいし、選択順を巡回して、選択順が1番目の巻き上げ長さ[LENGTH]を新たに選択してもよい。
【0086】
ステップS109:ステップS105にて第3ボタン111-3に対する1回の押圧操作が行われなかったことが判定された場合、あるいはステップS107、S108の処理の後、パラメータ設定部131は、第1ボタン111-1について、これまで押圧されていた状態から押圧が解除された状態に変化したか否かを判定する。
第1ボタン111-1について押圧が解除された状態に変化していないと判定された場合には、ステップS101に処理が戻される。
【0087】
ステップS110:ステップS109にて第1ボタン111-1について押圧が解除された状態に変化したと判定されると、パラメータ設定部131は、駆動制御情報記憶部141に記憶されている駆動制御パラメータのうち、現在において変更対象として選択されている駆動制御パラメータのパラメータ値を、現在において暫定値として記憶させているパラメータ値により更新する。これにより、ステップS103またはステップS107により変更された駆動制御パラメータのパラメータ値が確定される。
なお、ステップS109にて第1ボタン111-1について押圧が解除された状態に変化したと判定されたとき、駆動制御情報記憶部141に記憶されているパラメータ値と、個別パラメータ表示エリアAR31にて表示されているパラメータ値とが同じであった場合には、ステップS110はスキップされてよい。ステップS110の処理の後は、ステップS101に処理が戻される。
【0088】
図8のフローチャートを参照して、魚釣用電動リール1が、電動ジギングモードがオンとされた状態のもとでの巻き上げスイッチ112に対する操作に応じて実行する処理手順例について説明する。
ステップS201:魚釣用電動リール1においてスプール駆動制御部132は、巻き上げスイッチ112における上側スイッチ部112aに対する押圧操作が開始されたか否かを判定する。電動ジギングモードにおいては、前述のように、上側スイッチ部112aに対する押圧が継続されている間において、スプール4が回転駆動され、釣糸の巻き上げが行われる。
【0089】
ステップS202:上側スイッチ部112aに対する押圧操作が開始されたことを判定すると、スプール駆動制御部132は、上側スイッチ部112aに対する押圧操作とともに、第1ボタン111-1が押圧された状態にあるか否かを判定する。
第1ボタン111-1が押圧された状態にないと判定された場合には、ステップS208に処理が遷移する。この場合には、次に説明するステップS203がスキップされることになるため、スプール4が回転駆動されないため、釣糸の巻き上げは行われない。つまり、スプール駆動制御部132は、第1ボタン111-1が押圧された状態のもとでは、上側スイッチ部112aを押圧する操作を、スプール4を回転させる操作として受け付けないようにされる。
【0090】
ステップS203:第1ボタン111-1が押圧された状態にないと判定された場合、スプール駆動制御部132は、中間巻き上げ速度記憶部142が記憶する中間巻き上げ速度でスプール4を回転駆動するための駆動制御を開始する。
【0091】
ステップS204:中間巻き上げ速度でステップS203によりスプール4を回転駆動するための駆動制御を開始させた後、スプール駆動制御部132は、押圧された状態にある上側スイッチ部112aにて検出される押力が増加するように変化したか否かを判定する。
【0092】
ステップS205:押力が増加するように変化したことが判定された場合、スプール駆動制御部132は、スプール4の回転速度について現在よりも高い所定値を設定し、スプール4を回転駆動する。なお、現在のスプール4の回転速度が最大となっている場合には、ステップS205の処理がスキップされてよい。
【0093】
ステップS206:スプール駆動制御部132は、これまで継続されていた上側スイッチ部112aの押圧された状態が解除されたか否かを判定する。
上側スイッチ部112aの押圧された状態が解除されていないと判定された場合には、ステップS204に処理が戻される。
【0094】
ステップS207:ステップS206にて上側スイッチ部112aの押圧された状態が解除されたことが判定されると、スプール駆動制御部132は、スプール4の回転駆動を停止させる。
【0095】
ステップS208:ステップS201にて上側スイッチ部112aに対する押圧操作が開始されないことが判定された場合、あるいはステップS202にて第1ボタン111-1が押圧された状態にないことが判定された場合、あるいはステップS207の処理の後、スプール駆動制御部132は、下側スイッチ部112bを1回押圧する操作が行われたか否かについて判定する。下側スイッチ部112bを1回押圧する操作は、1回の自動さそい動作の実行を指示する操作である。
下側スイッチ部112bを1回押圧する操作が行われないと判定された場合には、ステップS201に処理が戻される。
【0096】
ステップS209:下側スイッチ部112bを1回押圧する操作が行われたことが判定された場合、スプール駆動制御部132は、下側スイッチ部112bを1回押圧する操作とともに、第1ボタン111-1が押圧された状態にあったか否かを判定する。
第1ボタン111-1が押圧された状態にあったことが判定された場合には、ステップS201に処理が戻される。つまり、スプール駆動制御部132は、第1ボタン111-1が押圧された状態のもとでは、下側スイッチ部112bを1回押圧する操作を、自動さそい動作の実行を指示する操作として受け付けないようにされる。
【0097】
ステップS210:ステップS209にて第1ボタン111-1が押圧された状態にないことが判定された場合、スプール駆動制御部132は、駆動制御情報記憶部141が記憶する駆動制御情報に含まれる駆動制御パラメータに従ってスプール4を回転駆動させる。
これにより、下側スイッチ部112bを1回押圧する操作に応じた1回の自動さそい動作が実行される。ステップS210の処理の後は、ステップS201に処理が戻される。
【0098】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。
[第1変形例]
上記実施形態の駆動制御情報において、第3ボタン111-3の操作に応じて開始されたスプール4の回転を停止させる条件の判定に用いられる条件判定値としての駆動制御パラメータは、巻き上げ長さ[LENGTH]である。
しかしながら、条件判定値としての駆動制御パラメータは、巻き上げ長さ[LENGTH]以外に、例えば、駆動時間[TIME]であってよい。駆動時間[TIME]は、スプール4を回転駆動させる時間である。具体的には、駆動時間[TIME]は、例えば第3ボタン111-3の操作が検知されてスプール4を駆動するモータへの電流の供給を開始してから、モータへの電流の供給を停止させるまでの時間であってよい。
また、ユーザの操作により、条件判定値である駆動制御パラメータとして、巻き上げ長さ[LENGTH]と駆動時間[TIME]とのいずれかを選択可能なようにされてもよい。
【0099】
[第2変形例]
上記実施形態において、変更対象のパラメータの選択や変更対象の駆動制御パラメータのパラメータ値の変更の操作には、2つの第2ボタン111-2及び第3ボタン111-3がそれぞれアップボタン、ダウンボタンとして用いられていた。
しかしながら、変更対象のパラメータの選択や変更対象の駆動制御パラメータのパラメータ値の変更の操作に用いられる操作子の数は、2つに限定されるものではなく、例えば1つであってもよい。
操作子が1つである場合として、当該操作子がボタンである場合には、1回押圧操作されるごとに、選択される変更対象のパラメータ、あるいはパラメータ値が巡回的に変更されるようにしてよい。また、当該操作子がレバー等である場合には、所定の一方向にレバーを位置させることに応じて正順で変更対象のパラメータ、あるいはパラメータ値が変更され、もう1つの方向にレバーを位置させることに応じて逆順で変更対象のパラメータ、あるいはパラメータ値が変更されてよい。
【0100】
[第3変形例]
上記実施形態においては、ボタン111(第1ボタン111-1、第2ボタン111-2、第3ボタン111-3)は、物理的な操作子として設けられた例を挙げている。しかしながら、ボタン111は、例えばタッチパネルとしての表示部102において表示される画像としての操作子であってよい。
【0101】
[第4変形例]
なお、魚釣用電動リール1は、外部の端末装置と通信可能に接続されてよい。魚釣用電動リール1と外部の端末装置との通信は、無線であっても有線であってもよい。また、外部の端末装置は、例えば魚群探知の情報をユーザに向けて表示するようなものであってもよいし、魚釣用電動リール1を用いた釣りに関して所定のサポートを行うアプリケーションが動作するスマートフォン等であってもよい。
そのうえで、本実施形態の自動さそい動作に対応する駆動制御情報や中間巻き上げ速度の情報は、外部の端末装置に記憶されるようにしてもよい。この場合、駆動制御情報における駆動制御パラメータや中間巻き上げ速度の変更に関する操作が、外部の端末装置に対する操作として可能なようにされてよい。
このように駆動制御情報や中間巻き上げ速度の情報を外部の端末装置が記憶する場合、自動さそい動作や中間巻き上げ速度によるスプール4の駆動制御を実行させるためには、外部の端末装置の制御によって魚釣用電動リール1に駆動制御情報や中間巻き上げ速度の情報が設定される。魚釣用電動リール1は、設定された駆動制御情報や中間巻き上げ速度の情報に基づいてスプール4を駆動制御することで、自動さそい動作を行う。
【0102】
なお、上記実施形態における魚釣用電動リール1としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の魚釣用電動リール1としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 魚釣用電動リール
4 スプール
8 モータ
41 表示操作パネル
101 操作部
102 表示部
103 制御部
104 記憶部
105 モータ駆動回路
106 回転センサ
131 パラメータ設定部
132 スプール駆動制御部
141 駆動制御情報記憶部
142 中間巻き上げ速度記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-02-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動制御情報に基づいて制御される魚釣用電動リールと、前記魚釣用電動リールと通信可能で、前記駆動制御情報を設定する外部の端末装置と、を備えるパラメータ設定装置であって、
前記端末装置は、前記スプールの駆動制御に関する前記駆動制御情報を記憶し、前記駆動制御情報を構成する所定の駆動制御パラメータを設定操作するように構成し、
前記魚釣用電動リールは、前記所定の駆動制御パラメータを設定するパラメータ設定部、及び、前記駆動制御パラメータに基づいて、スプールの駆動制御を実行するスプール駆動制御部を有する制御部を備える、
ことを特徴とするパラメータ設定装置。
【請求項2】
前記駆動制御パラメータは、前記スプールに巻き取られる釣糸の長さに相当する巻き上げ長さに関するパラメータ、前記スプールの回転速度に相当する速度に関するパラメータ、前記スプールが回転を開始してから前記速度に到達させる際の加速度に関するパラメータ、及び、前記スプールを回転駆動させる時間に関するパラメータのうち、少なくともいずれか1つのパラメータを有する、
請求項1に記載のパラメータ設定装置。
【請求項3】
前記駆動制御パラメータは、前記スプールに巻き取られる釣糸の長さに相当する巻き上げ長さに関するパラメータ、前記スプールの回転速度に相当する速度に関するパラメータ、前記スプールが回転を開始してから前記速度に到達させる際の加速度に関するパラメータ、及び、前記スプールを回転駆動させる時間に関するパラメータのうち、少なくともいずれか2つのパラメータを有し、
前記操作部は、前記少なくともいずれか2つのパラメータから、変更対象のパラメータを選択する操作と、選択されたパラメータのパラメータ値を変更する操作とを、共通の操作子によって操作する、
請求項1に記載のパラメータ設定装置。
【請求項4】
前記表示操作パネルは、前記駆動制御パラメータの現在において設定されている駆動制御パラメータ値が表示するパラメータ表示エリア有する表示部をさらに備え、
前記パラメータ表示エリアは、前記巻き上げ長さ に関するパラメータのパラメータ値が表示される巻き上げ長さ表示エリア、前記速度に関するパラメータのパラメータ値が表示される速度表示エリア、前記加速度に関するパラメータのパラメータ値が表示される加速度表示エリアの少なくともいずれか1つを表示させる、
請求項2又は3に記載のパラメータ設定装置。
【請求項5】
さそい動作に対応する駆動制御情報を構成する駆動制御パラメータよってスプールを駆動制御する魚釣用電動リールと、前記魚釣用電動リールと通信可能な外部の端末装置と、を備えるパラメータ設定装置であって、
前記端末装置は、前記さそい動作に対応する前記駆動制御情報を構成する駆動制御パラメータを記憶し、前記駆動制御パラメータを設定操作するように構成し、
前記魚釣用電動リールは、前記所定の駆動制御パラメータを設定するパラメータ設定部、及び、前記駆動制御パラメータに基づいて、スプールの駆動制御を実行するスプール駆動制御部を有する制御部を備える、
ことを特徴とするパラメータ設定装置。
【請求項6】
前記さそい動作に対応する前記駆動制御情報を構成する前記駆動制御パラメータは、前記スプールに巻き取られる釣糸の長さに相当する巻き上げ長さに関するパラメータ、前記スプールの回転速度に相当する速度に関するパラメータ、前記スプールが回転を開始してから前記速度に到達させる際の加速度に関するパラメータ、及び、前記スプールを回転駆動させる時間に関するパラメータのうち、少なくともいずれか1つのパラメータを有する、
請求項5に記載のパラメータ設定装置。