(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054315
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】外科手術器具の制御
(51)【国際特許分類】
A61B 34/35 20160101AFI20240409BHJP
A61B 17/29 20060101ALI20240409BHJP
A61B 17/3201 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
A61B34/35
A61B17/29
A61B17/3201
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024019726
(22)【出願日】2024-02-13
(62)【分割の表示】P 2022524994の分割
【原出願日】2020-10-23
(31)【優先権主張番号】1915581.1
(32)【優先日】2019-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】516263638
【氏名又は名称】シーエムアール サージカル リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CMR SURGICAL LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(72)【発明者】
【氏名】ウェブスター-スミス(スミス),デイビッド ウィリアム ハイドン
(72)【発明者】
【氏名】ヘアーズ,ルーク デイビッド ロナルド
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーチ,グラハム ジョン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】遠隔外科医入力装置の操作に応答して外科手術器具の操作を制御するための制御システムを提供する。
【解決手段】外科手術器具が、対向可能な第1および第2のエンドエフェクタ要素を備え、制御システムは、時間tで、把持構成への外科医入力装置の構成の変更を検出することと、把持力が第1および第2の対の駆動要素に印加されるように命令することによって、把持構成への外科医入力装置の構成の変更に応答することと、第1および第2のエンドエフェクタ要素が、時間t+Tで依然として閉じた構成にある場合、第1および第2の対の駆動要素に印加される力の低減を命令し、それによって、第1および第2のエンドエフェクタ要素を、続いて、低減された閉力でさらに閉じた構成に保持させることと、を行うように構成されている、制御システム。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の外科手術器具が第1の遠隔外科医入力装置のアクティブ制御下にある間に前記第1の遠隔外科医入力装置の操作に応答して前記第1の外科手術器具の操作を制御するための制御システムであって、前記第1の外科手術器具が、多関節カップリングによってシャフトに接続される、対向可能な第1および第2のエンドエフェクタ要素を備え、前記多関節カップリングが、前記第1のエンドエフェクタ要素が回転することを可能にするように、第1の対の駆動要素によって駆動可能な第1のジョイントと、前記第2のエンドエフェクタ要素が回転することを可能にするように、第2の対の駆動要素によって駆動可能な第2のジョイントと、を含み、前記制御システムは、
時間tで、前記第1の遠隔外科医入力装置の構成の把持構成への変更を検出することと、
前記第1および第2のエンドエフェクタ要素を把持閉力で互いに向かって対向する回転方向に回転させて、前記第1および第2のエンドエフェクタ要素が互いに接触した、またはそれらの間に保持された物体と各々接触した後に、前記把持閉力が印加され続ける、第1の閉じた構成にするように、把持力が前記第1および第2の対の駆動要素に印加されるように命令し、前記第1の遠隔外科医入力装置の構成の前記把持構成への変更に応答することと、
前記第1および第2のエンドエフェクタ要素が、時間t+T(時間Tは器具タイプに依存し器具タイプによって異なる)で依然として前記第1の閉じた構成にあるかどうかを検出することと、
前記第1および第2のエンドエフェクタ要素が、前記時間t+Tで依然として前記第1の閉じた構成にある場合、前記第1および第2の対の駆動要素に印加される前記把持力の低減を命令し、それによって、前記第1および第2のエンドエフェクタ要素を、続いて、低減された前記把持閉力で第2の閉じた構成に保持させることと、を行うように構成されている、制御システム。
【請求項2】
前記把持力の低減を、時間ΔTにわたって徐々に適用されるように命令するように構成されている、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
低減された前記把持力が前記第1および第2の対の駆動要素に印加されているときに、前記第1の遠隔外科医入力装置からの、前記第1の遠隔外科医入力装置による前記第1の外科手術器具のアクティブ制御を解除するコマンドを検出することと、
前記検出された前記第1の外科手術器具のアクティブ制御を解除するコマンドに応答して、
前記第1の遠隔外科医入力装置による前記第1の外科手術器具のアクティブ制御を解除することと、
前記第1の外科手術器具の前記第1および第2のエンドエフェクタ要素を、前記低減された前記把持閉力で前記第2の閉じた構成で維持することと、を行うように構成されており、
前記アクティブ制御とは、前記制御システムが前記第1の遠隔外科医入力装置の操作に応答して前記第1の外科手術器具を制御する状態である、請求項1または2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記第1の遠隔外科医入力装置からの、前記第1の遠隔外科医入力装置による前記第1の外科手術器具のアクティブ制御を有効化するコマンドを時間T’で検出することと、
前記検出された前記第1の外科手術器具のアクティブ制御を有効化するコマンドに応答して、
前記第1の遠隔外科医入力装置による前記第1の外科手術器具のアクティブ制御を有効化することと、
前記第1および第2のエンドエフェクタ要素を前記把持閉力で互いに向かって対向する回転方向に押し合うように、前記把持力が前記第1および第2の対の駆動要素に印加されるように命令することと、を行うように構成されている、請求項3に記載の制御システム。
【請求項5】
前記第1の遠隔外科医入力装置の操作に応答して操作可能な第2の外科手術器具を有し、
前記第2の外科手術器具は、多関節カップリングによってシャフトに接続される、対向可能な第1および第2のエンドエフェクタ要素を備え、前記多関節カップリングが、前記第1のエンドエフェクタ要素が回転することを可能にするように、第1の対の駆動要素によって駆動可能な第1のジョイントと、前記第2のエンドエフェクタ要素が回転することを可能にするように、第2の対の駆動要素によって駆動可能な第2のジョイントと、を含み、
前記第1の遠隔外科医入力装置からの、前記第1の遠隔外科医入力装置による前記第2の外科手術器具のアクティブ制御を有効化するコマンドを前記時間T’の前記第1の外科手術器具のアクティブ制御を有効化するコマンドの後に検出することと、
検出された前記第2の外科手術器具のアクティブ制御を有効化するコマンドに応答して、
前記第1の外科手術器具のアクティブ制御を解除し、かつ前記第2の外科手術器具のアクティブ制御を有効化することと、
前記第2の外科手術器具の前記第1および第2のエンドエフェクタ要素を前記把持閉力で互いに向かって対向する回転方向に押し合うように、前記把持力が前記第1および第2の対の駆動要素に印加されるように命令することと、を行うように構成されている、請求項4に記載の制御システム。
【請求項6】
前記第1の外科手術器具が、第2の遠隔外科医入力装置の操作によっても操作可能であり、
前記第2の遠隔外科医入力装置からの、前記第2の遠隔外科医入力装置による前記第1の外科手術器具のアクティブ制御を有効化するコマンドを時間T’で検出することと、
前記検出された前記第1の外科手術器具のアクティブ制御を有効化するコマンドに応答して、
前記第2の遠隔外科医入力装置による前記第1の外科手術器具のアクティブ制御を有効化することと、
前記第1および第2のエンドエフェクタ要素を前記把持閉力で互いに向かって対向する回転方向に押し合うように、前記把持力が前記第1および第2の対の駆動要素に印加されるように命令することと、を行うように構成されている、請求項3に記載の制御システム。
【請求項7】
低減された前記把持力が前記第1および第2の対の駆動要素に印加されているときに、時間T’で前記第1の遠隔外科医入力装置の活動を検出すると、前記第1および第2のエンドエフェクタ要素を前記把持閉力で互いに向かって対向する回転方向に押し合うように、前記把持力が前記第1および第2の対の駆動要素に印加されるように命令するように構成されている、請求項1または2に記載の制御システム。
【請求項8】
前記時間T’における前記第1の遠隔外科医入力装置の前記検出された活動が、
前記第1の外科手術器具上のユーザの存在または注目を示す前記ユーザの動きと、
前記第1の遠隔外科医入力装置のそのワークスペース内の回転もしくは並進、または前記第1の遠隔外科医入力装置と接触する前記ユーザの手の検出と、
前記第1の遠隔外科医入力装置上の入力の作動と、のうちの1つである、請求項7に記載の制御システム。
【請求項9】
前記第1および第2の対の駆動要素に瞬時に前記把持力が印加されるように命令するように構成されている、請求項4~8のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項10】
前記第1および第2の対の駆動要素に時間ΔT’にわたって徐々に前記把持力が増加するように命令するように構成されている、請求項4~8のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項11】
前記第1の遠隔外科医入力装置が、本体およびトリガを備え、前記第1の遠隔外科医入力装置は、前記トリガが、前記本体に対して特定の範囲内のある位置を有するときに、把持構成にある、請求項1~10のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項12】
前記トリガが前記本体に対して特定の範囲内の回転位置にあるとき、前記第1の遠隔外科医入力装置が前記把持構成にある、請求項11に記載の制御システム。
【請求項13】
前記トリガが前記本体に対して特定の範囲内の線形位置にあるとき、前記第1の遠隔外科医入力装置が前記把持構成にある、請求項11に記載の制御システム。
【請求項14】
前記把持力が前記第1および第2の対の駆動要素に、
第1把持力を前記第1の対の駆動要素の第1の駆動要素に印加することと、
第2把持力を前記第2の対の駆動要素の第2の駆動要素に印加することと、によって印加されるように命令するように構成されており、
前記第1把持力および第2把持力の大きさが、同一である、請求項1~13のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項15】
前記第1および第2の対の駆動要素に印加される前記把持力の低減を、器具タイプに応じた態様で命令するように構成されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項16】
前記閉じた構成は過剰把持構成であり、前記第1および第2のエンドエフェクタ要素が、依然として前記時間t+Tで過剰把持構成にあることを検出するように構成されている、請求項1~15のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項17】
前記時間Tは、実施される外科手術の種類と、該外科手術の段階と、前記第1および第2の対の駆動要素の合計実行時間と、任意選択的に前記第1および第2のエンドエフェクタ要素への力によって重み付けされた総過剰把持時間と、前記第1の外科手術器具が前記第1の遠隔外科医入力装置から有効化または解除されているかどうかと、前記外科手術に特異的なリスク因子と、制御システムの駆動態様と、前記第1の外科手術器具を保持するロボットアームのジョイントの温度と、のうちの1つ以上に依存し得る、請求項16に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
外科手術を補助および実施するためにロボットを使用することが知られている。
図1は、典型的な外科手術ロボットシステムを例示する。外科手術ロボット100は、基部102、アーム104、および器具106からなる。基部は、ロボットを支持し、それ自体が、例えば、手術室の床、手術室の天井、またはカートにしっかりと取り付けられ得る。アームは、基部と器具との間に延在する。アームは、その長さに沿って、外科手術器具を患者に対して所望の場所に位置特定するために使用される複数の可撓性ジョイント108によって関節式に連結される。外科手術器具は、ロボットアームの遠位端に取り付けられる。外科手術器具は、外科手術部位にアクセスするように、ポートで患者の身体を貫通する。その遠位端において、器具は、外科手術手技に関与するためのエンドエフェクタ110を備える。
図1では、例示のエンドエフェクタは、一対の顎である。外科医は、遠隔外科医コンソール112を介して外科手術ロボット100を制御する。外科医コンソールは、1つ以上の外科医入力装置114を備える。これらは、ハンドコントローラまたはフットペダルの形態を取り得る。外科医コンソールはまた、ディスプレイ116を備える。
【0002】
制御システム118は、外科医コンソール112を外科手術ロボット100に接続する。制御システムは、外科医入力装置から入力を受信し、これらをロボットアーム104のジョイントおよびエンドエフェクタ110を動かすための制御信号に変換する。制御システムは、これらの制御信号をロボットに送信し、それに応じて、対応するジョイントが駆動される。
【0003】
多くのエンドエフェクタは、
図1に示される顎などの、互いに対して回転可能である2つのエンドエフェクタ要素を含む。これらのエンドエフェクタ要素は、ケーブルによって個別に駆動されることが知られている。これらのケーブルは、エンドエフェクタ要素の開放および閉鎖を駆動し、それにより、それらの間の物体を把持してリリースするか、またはそれらの間の物体を切断するために利用され得る。物体を把持するか、または切断するために、力がケーブルに印加されて、それにより、力を用いてエンドエフェクタ要素を一緒に閉じさせる。
【0004】
外科医は、この種のエンドエフェクタを利用していないとき、この種のエンドエフェクタを閉じた構成で維持することを好む。閉じた構成でエンドエフェクタを維持することは、そのエンドエフェクタ要素を駆動するケーブルに継続的な力の印加を必要とする。外科医は、相当な時間、例えば、最大30分間、器具を使用することができないであろう。非使用期間全体の間、ケーブルを駆動するモータは、高トルクを生成し、したがって、顕著な熱を放散する。
【0005】
モータの熱損失は、ロボットアームを加熱させる。安全規制は、手術室内の表面の最大温度限界を設定し、これは、人々によって接触されることを可能にされる。最大温度限界は、接点の時間の長さに依存する。例えば、最大1分間、オペレータによって触れられることができる手術室内の表面について、医療電気機器およびシステム規格BS EN 60601によって設定された現在の最大温度限界は、48℃である。
【0006】
冷却システムを利用して、ロボットアームを冷却して、最大温度限界を満たすことが知られている。しかしながら、冷却システムは、ロボットアームに追加の複雑さおよび重量を加え、ロボットアームの操作性を制限し得る。
【0007】
したがって、ロボットアーム内のモータによって生成される熱損失を低減して、アーム冷却システムの必要性を低減する、制御システムに対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0008】
本発明の態様によると、遠隔外科医入力装置の操作に応答して外科手術器具の操作を制御するための制御システムであって、外科手術器具が、多関節カップリングによってシャフトに接続される、対向可能な第1および第2のエンドエフェクタ要素を備え、多関節カップリングが、第1のエンドエフェクタ要素が回転することを可能にするように、第1の対の駆動要素によって駆動可能な第1のジョイントと、第2のエンドエフェクタ要素が回転することを可能にするように、第2の対の駆動要素によって駆動可能な第2のジョイントと、を含み、制御システムは、時間tで、把持構成への外科医入力装置の構成の変更を検出することと、第1および第2のエンドエフェクタ要素を把持閉力で互いに向かって対向する回転方向に回転させて閉じた構成にするように、把持力が第1および第2の対の駆動要素に印加されるように命令することによって、把持構成への外科医入力装置の構成の変更に応答することと、第1および第2のエンドエフェクタ要素が、時間t+Tで依然として閉じた構成にある場合、第1および第2の対の駆動要素に印加される力の低減を命令し、それによって、第1および第2のエンドエフェクタ要素を、続いて、低減された閉力でさらに閉じた構成に保持させることと、を行うように構成されている、制御システムが提供される。
【0009】
制御システムは、力の低減を、時間ΔTにわたって徐々に印加されるように命令するように構成され得る。
【0010】
制御システムは、外科医入力装置からのコマンドを検出して、外科医入力装置による外科手術器具のアクティブ制御を解除することと、検出されたコマンドに応答して、外科医入力装置による外科手術器具のアクティブ制御を解除することと、外科手術器具の第1および第2のエンドエフェクタ要素を、低減された閉力でさらに閉じた構成で維持することと、を行うように構成され得る。
【0011】
制御システムは、外科医入力装置からのコマンドを時間T’で検出して、外科医入力装置による外科手術器具のアクティブ制御を有効化することと、検出されたコマンドに応答して、外科医入力装置による外科手術器具のアクティブ制御を有効化することと、第1および第2のエンドエフェクタ要素を把持閉力で互いに向かって対向する回転方向に回転させるように、把持力が第1および第2の対の駆動要素に印加されるように命令することと、を行うように構成され得る。
【0012】
時間T’で検出された命令が、外科手術器具のアクティブ制御を解除し、かつさらなる外科手術器具のアクティブ制御を有効化した、同じ外科医入力装置からのものであり得る。
【0013】
時間T’で検出された命令が、外科手術器具のアクティブ制御を解除し、かつさらなる外科手術器具のアクティブ制御を有効化した、外科医入力装置への異なる外科医入力装置からのものであり得る。
【0014】
制御システムは、時間T’で外科医入力装置の活動を検出すると、第1および第2のエンドエフェクタ要素を把持閉力で互いに向かって対向する回転方向に押し込むように、把持力が第1および第2の対の駆動要素に印加されるように命令するように構成され得る。
【0015】
時間T’における外科医入力装置の検出された活動が、外科手術器具上のユーザの存在または注目を示すユーザの動きであり得る。
【0016】
時間T’における外科医入力装置の検出された活動が、そのワークスペース内の外科医入力装置の回転もしくは並進、または外科医入力装置と接触するユーザの手の検出であり得る。
【0017】
時間T’における外科医入力装置の検出された活動が、外科医入力装置上の入力の作動であり得る。
【0018】
制御システムは、第1および第2の対の駆動要素に瞬時に力が印加されるように命令するように構成され得る。
【0019】
対向可能な第1および第2のエンドエフェクタ要素が、はさみ1丁であり得る。この場合、Tは、1秒<T<10秒の範囲内であり得る。
【0020】
制御システムは、第1および第2の対の駆動要素に時間ΔT’にわたって徐々に力が印加されるように命令するように構成され得る。
【0021】
対向可能な第1および第2のエンドエフェクタ要素が、持針器であり得る。この場合、Tは、30秒<T<3分の範囲内であり得る。
【0022】
外科医入力装置が、本体およびトリガを備え得、トリガが、特定の範囲内にある本体に対してある位置を有するとき、把持構成にあり得る。
【0023】
外科医入力装置の把持構成が、回転位置の特定の範囲内にある本体に対するトリガの回転位置を含み得る。
【0024】
外科医入力装置の把持構成が、線形位置の特定の範囲内にある本体に対するトリガの線形位置を含み得る。
【0025】
制御システムは、把持力が前記第1および第2の対の駆動要素に、第1の把持力を第1の対の駆動要素の第1の駆動要素に印加することと、第2の把持力を第2の対の駆動要素の第2の駆動要素に印加することと、によって印加されるように命令するように構成され得、第1および第2の把持力の大きさが、同一である。
【0026】
制御システムは、器具タイプに依存する機能によって、第1および第2の対の駆動要素に印加される力の低減を命令するように構成され得る。
【0027】
把持力が、最大力であり得る。
【0028】
制御システムは、時間Tの間、外科医入力装置の把持構成を検出し続けるように構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
ここで、添付図面を参照して、本発明を例として説明する。図は、以下の通りである。
【0030】
【
図1】外科手術手技を実施するための外科手術ロボットシステムを例示する。
【
図4】外科手術器具の操作を制御する方法のフローチャートである。
【
図5】外科手術器具の操作を制御するさらなる方法のフローチャートである。
【
図6】外科手術はさみの対に経時的に印加される駆動力を例示するグラフである。
【
図7】外科手術持針器に経時的に印加される駆動力を例示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下は、遠隔外科医コンソールからの外科手術ロボット器具を制御することを説明する。器具およびコンソールが、
図1に例示されるタイプの外科手術ロボットシステムの一部を形成する。
【0032】
外科手術器具は、ロボットアームによって支持されている。ロボットアームは、それ自体が基部によって支持される。手術中、基部は、例えば、床、天井、カートまたは患者ベッドなど、手術室の一部に固定される。ロボットアームは、常に患者の外部にある。ロボットアームは、ジョイントが点在する一連のアームリンクを備える。これらのジョイントは、回転ジョイントであってもよい。基部の遠位にあるロボットアームの端部は、1つ以上のジョイントの動きによって基部に対して関節式に連結され得る。外科手術器具は、ロボットアームの遠位端で駆動アセンブリに取り付けられる。この取付点は、患者の外部にある。
【0033】
外科手術器具は、細長いプロファイルを有し、シャフトは、ロボットアームに取り付けられるその近位端と、患者体内の外科手術部位にアクセスするその遠位端との間にわたる。外科手術器具の近位端および器具シャフトは、互いに対して剛性であり、ロボットアームの遠位端に取り付けられたとき、ロボットアームの遠位端に対して剛性であってもよい。患者の体内に切開が行われ、その切開部を通じてポートが配置される。外科手術器具は、そのポートを通じて患者の身体を貫通して、外科手術部位にアクセスし得る。または、外科手術器具は、身体の生来の関口部を通して身体を貫通して、外科手術部位にアクセスしてもよい。器具の近位端で、シャフトは器具インターフェースに接続される。器具インターフェースは、ロボットアームの遠位端で駆動アセンブリと係合する。具体的には、器具インターフェースの個々の器具インターフェース要素は、駆動アセンブリの個々の駆動アセンブリインターフェース要素と係合する。器具インターフェースは、駆動アセンブリと取り外し可能に係合可能である。器具は、いかなるツールも必要とせずに、手動でロボットアームから取り外され得る。これにより、手術中に器具を駆動アセンブリから迅速に取り外し、別の器具を取り付けることが可能になる。
【0034】
外科手術器具の遠位端では、シャフトは、多関節カップリングによってエンドエフェクタに接続される。エンドエフェクタは、外科手術部位で外科手術手技に関与する。
【0035】
図2は、一対の顎をエンドエフェクタ201として有する例示的な器具の遠位端を例示する。シャフト202は、多関節カップリング203によってエンドエフェクタ201に接続される。多関節カップリング203は、数個のジョイントを備える。これらのジョイントは、エンドエフェクタの姿勢が、器具シャフトの方向に対して変更されることを可能にする。エンドエフェクタはまた、ジョイントを備え得る。
図2の例では、多関節カップリング203は、ピッチジョイント204を備える。ピッチジョイント204は、シャフト202の長手方向軸206に垂直であるピッチ軸205を中心に回転する。ピッチジョイント204は、支持体(以下に説明される)、それゆえエンドエフェクタが、シャフトに対してピッチ軸205を中心に回転することを可能にする。
図2の例では、エンドエフェクタは、第1のヨージョイント207および第2のヨージョイント211を備える。第1のヨージョイント207は、第1のヨー軸208を中心に回転する。第2のヨージョイント211は、第2のヨー軸212を中心に回転する。ヨー軸208および212は、両方、ピッチ軸205に対して垂直である。ヨー軸208および212は、平行であってもよい。ヨー軸208および212は、同一線上であってもよい。多関節カップリング203は、支持体を備える。一端では、支持体は、ピッチジョイント204によってシャフト202に接続される。その他端では、支持体は、ヨージョイント207および211によってエンドエフェクタ201に接続される。この支持体は、多関節カップリングの他の構造がより容易に分かることを可能にするために、例示の容易さのために
図2から省略されている。
【0036】
エンドエフェクタは、2つのエンドエフェクタ要素209、210を含む。示されるエンドエフェクタ要素は、対向する顎である。しかしながら、エンドエフェクタ要素は、任意のタイプの対向するエンドエフェクタ要素であり得、そのさらなる例は、後で論じられる。第1のヨージョイント207は、第1のエンドエフェクタ要素209と固定され、第1のエンドエフェクタ要素209が、支持体およびピッチジョイント204に対して第1のヨー軸208を中心に回転することを可能にする。第2のヨージョイント211は、第2のエンドエフェクタ要素210と固定され、第2のエンドエフェクタ要素210が、支持体およびピッチジョイント204に対して第2のヨー軸212を中心に回転することを可能にする。
【0037】
図2に例示されたジョイントは、対の駆動要素によって駆動される。駆動要素は、細長い。それらは、それらの長手方向の範囲に対して横方向に可撓性である。それらは、それらの長手方向の範囲に沿った圧縮および張力に抵抗する。各対の駆動要素は、器具シャフトの他方の端で、器具インターフェースのそれぞれの器具インターフェース要素に固定される。したがって、ロボットアームは、次のように駆動力をエンドエフェクタに伝える:駆動アセンブリインターフェース要素の動きは、器具インターフェース要素が動き、これにより、駆動要素が動き、これにより、関節部および/またはエンドエフェクタの1つ以上のジョイントが動き、これにより、エンドエフェクタが動く。駆動要素は、ケーブルであり得る。駆動要素は、可撓性部分および剛性部分を備え得る。可撓性部分は、器具インターフェースおよび多関節カップリングの構成要素と係合し、剛性部分は、器具シャフトの全体または一部を通って延在する。例えば、可撓性部分はケーブルであってもよく、剛性部分はスポークであってもよい。他の剛性部分は、器具インターフェースまたは器具の多関節カップリング内にあってもよい。例えば、ラックおよびピニオンが、器具インターフェースまたは器具の多関節カップリング内にあってもよい。
【0038】
図2は、第1のヨージョイント207の周りを移動するように制限される、第1の対の駆動要素A1、A2を例示する。駆動要素A1、A2は、第1のヨー軸208を中心に第1のエンドエフェクタ要素209の回転を駆動する。
図2は、第2のヨージョイント211の周りを移動するように制限される、第2の対の駆動要素B1、B2を例示する。駆動要素B1、B2は、第2のヨー軸212を中心に第2のエンドエフェクタ要素210の回転を駆動する。
図2はまた、ピッチジョイント204の周りを移動するように制限される、第三の対の駆動要素C1、C2を示す。駆動要素C1、C2は、ピッチ軸205を中心にエンドエフェクタ201の回転を駆動する。ピッチジョイント204およびヨージョイント207、211は、それらのそれぞれの駆動要素によって個別に駆動される。
【0039】
エンドエフェクタ要素209および210は個別に回転可能である。エンドエフェクタ要素は、対向する回転方向に回転させることができる。例えば、エンドエフェクタ要素を、駆動要素A2およびB1に張力を印加することによって、互いに向かって対向する回転方向に回転させることができる。これは、エンドエフェクタ要素を一緒に閉じ、これは、(i)組織または針またはスレッドなどの、エンドエフェクタ要素間の物体を把持する、および/または(ii)組織またはスレッドなどの、エンドエフェクタ要素間の物体を切断するのに有用である。エンドエフェクタ要素は、駆動要素A1およびB2に張力を印加することによって、対向する回転方向に互いから遠ざかるように回転させられ得る。これは、エンドエフェクタ要素を開き、これは、(i)エンドエフェクタ要素の間で把持された物体を解放すること、および/または(ii)別の切断動作のために準備されたはさみ1丁のエンドエフェクタ要素を再び開くのに有用である。両方のエンドエフェクタ要素は、駆動要素A1およびB1、または代替的にA2およびB2に張力を印加することによって、同じ回転方向に回転させられ得る。これは、エンドエフェクタ要素をピボット軸208および212を中心にヨーイングさせる。これは、エンドエフェクタが外科手術部位の異なる部分にアクセスすることを可能にするのに有用である。代替的に、駆動要素A1、A2、B1、B2のうちの1つのみに張力を印加することによって、一方のエンドエフェクタ要素が回転させられ得る(いずれかの回転方向に)が、他方のエンドエフェクタ要素が定位置に維持される。したがって、エンドエフェクタの把持運動およびヨーイング運動の両方は、同じ対の駆動要素を操作することによって可能にされる:第1のエンドエフェクタ要素209に対してA1、A2、および第2のエンドエフェクタ要素210に対してB1、B2。
【0040】
以下の説明に関連する、対向可能なエンドエフェクタを有する少なくとも2つのタイプの器具が存在する。第1のタイプは、エンドエフェクタ要素がエンドエフェクタ要素間の組織または別の物体を切断するように係合する、切断器具である。第2のタイプは、エンドエフェクタ要素が係合して、エンドエフェクタ要素間の組織または別の物体を把持する、把持器具である。
【0041】
外科医コンソールは、1つ以上の外科医入力装置を含む。各外科医入力装置は、外科医が制御入力を制御システムに提供することを可能にする。外科医入力装置は、例えば、ハンドコントローラ、ペダルなどのフットコントローラ、指もしくは身体の別の部分によって制御されるタッチセンサ式入力、音声制御入力装置、視線制御入力装置、またはジェスチャ制御入力装置であってもよい。外科医入力装置は、外科医が個別に操作し得る数個の入力を提供し得る。
【0042】
図3は、例示的なハンドコントローラ300を例示する。ハンドコントローラは、例えば、ジンバル配置(図示せず)によって外科医コンソールに接続される。これは、ハンドコントローラが外科医コンソールに対して3つの並進自由度で動かされることを可能にする。示されるハンドコントローラは、右手による保持を意図するものである。鏡像ハンドコントローラは、左手によって保持され得る。ハンドコントローラは、手によって把持されるのに好適な本体301を備える。ハンドコントローラは、例えば、ボタン、スイッチ、レバー、スライド入力、またはトラックパッド303などの静電容量センサ入力などの追加の入力を備えてもよい。
図3のハンドコントローラは、トリガ302を備える。トリガ302は、本体301に対して移動可能である。示されるハンドコントローラでは、トリガ302は、本体301に対して回転可能である。代替的に、または追加的に、トリガは、本体301に対して直線的に並進移動し得る。ハンドコントローラは、2つのトリガを備え得、各トリガは、エンドエフェクタ要素209、210の単一の異なる1つを個別に制御するためのものである。
【0043】
外科医は、ハンドコントローラの本体301に対してトリガ302を回転させて、器具のエンドエフェクタ要素209、210に、把持/閉鎖運動で閉じるか、または解放/開放運動で開くように命令し得る。例えば、外科医は、把持運動を命令するためにハンドコントローラの本体301に向かってトリガ302を回転させ得る。外科医は、解放運動を命令するためにハンドコントローラの本体301から離れてトリガ302を回転させ得る。外科医は、ハンドコントローラワークスペース内のハンドコントローラの本体を回転させて、エンドエフェクタ要素の配向の変化を命令し得る。
【0044】
制御システムは、外科医コンソールを外科手術ロボットに接続する。制御システムは、プロセッサおよびメモリを備える。メモリは、プロセッサによって実行され得るソフトウェアコードを非一時的な方法で記憶して、プロセッサに、本明細書に記載の様式で外科医コンソールおよびロボットアームおよび器具を制御させる。制御システムは、外科医入力装置から入力を受信し、これらをロボットアームのジョイント、および/または関節式カップリングのジョイント、および/またはエンドエフェクタのジョイントを動かすための制御信号に変換する。制御システムは、これらの制御信号をロボットアームに送信し、それに応じて、対応するジョイントが駆動される。それによって、外科手術器具の操作は、外科医入力装置の操作に応答して制御システムによって制御される。
【0045】
制御システムが器具を制御しているとき、ハンドコントローラが把持構成にあることを検出すると、制御システムは、力がエンドエフェクタ要素の駆動要素に印加されるように命令して、エンドエフェクタ要素を互いに向かって対向する回転方向に回転させることによって応答する。
図2を参照すると、制御システムは、A2およびB1に印加される力を命令することによって、把持構成を検出することに応答して、それによって、エンドエフェクタ要素を一緒に閉じさせる。
【0046】
ハンドコントローラの把持構成は、本体に対するトリガの回転位置が特定の範囲内にあるものである。特定の範囲は、事前決定され得る。特定の範囲は、器具タイプに依存し得る。トリガが本体に対して直線的に並進移動する場合、ハンドコントローラの把持構成は、本体に対するトリガの線形位置が特定の範囲内にあるものである。特定の範囲は、器具タイプに依存し得る。特定の範囲は、事前決定され得る。
【0047】
把持動作については、エンドエフェクタ要素の高い把持力が望ましい場合がある。例えば、エンドエフェクタが持針器である場合、組織に駆動している間に針をしっかりと保持することを可能にするために、高い把持力が望ましい。別の例として、エンドエフェクタがはさみ1丁である場合、組織の正常な切断を可能にするために高い閉力が望ましい。したがって、制御システムは、エンドエフェクタ要素の把持閉力を引き起こすように、把持力が駆動要素に印加されることを命令することによってハンドコントローラの把持構成を検出することに応答する。
図2を参照すると、制御システムは、把持力がA2に印加され、把持力がB1に印加されるように命令することによって応答する。これは、エンドエフェクタ要素209および210が、把持閉力によって互いに向かって回転し、それによって、エンドエフェクタが把持力によって把持/切断することを可能にする。把持閉力は、エンドエフェクタ要素209および210が、閉じた構成で互いに接触した(またはそれらの間に保持された物体と各々接触した)後に、印加され続ける。把持閉力の継続的な印加は、エンドエフェクタ要素209および210を互い(またはそれらの間に保持される物体)に対して押し付けさせる。把持閉力のこの継続した印加は、過剰把持または過量として知られている。駆動要素に印加される把持力は、それらの駆動要素に印加され得る最大力であり得る。この場合、エンドエフェクタ要素の後続の閉力は、次いで、これらのエンドエフェクタ要素が閉じられ得る最大力である。
【0048】
駆動要素が、
図2の例のように、張力で駆動される場合、駆動要素に印加される最大力は、張力である。各最大力は、例えば、伸張またはスナップによって、駆動要素が故障することなく、その駆動要素に印加され得る最大張力である。駆動要素が圧縮で駆動される場合、駆動要素に印加される最大力は、圧縮力である。各最大力は、例えば、圧縮または破砕によって、駆動要素が故障することなく、その駆動要素に印加され得る最大圧縮力である。駆動要素が張力および圧縮の両方において駆動される場合、例えば、それらがプッシュロッドである場合、最大張力および最大圧縮力が画定される。最大張力は、駆動要素が故障することなく、駆動要素に印加され得る最大力である。最大圧縮力は、駆動要素が故障することなく、圧縮時に駆動要素に印加され得る最大力である。駆動要素がねじりで駆動される場合、例えば、それらが親ねじである場合、駆動要素に印加される最大力は、ねじり力である。各最大力は、駆動要素が故障することなく、その駆動要素に印加され得る最大ねじり力である。
【0049】
制御システムは、第2のエンドエフェクタ要素に向かって第1のエンドエフェクタ要素の回転を駆動する駆動要素に第1の把持力が印加されるように命令する。
図2の例では、制御システムは、第1の把持力がA2に印加されて、エンドエフェクタ要素209を駆動して、エンドエフェクタ要素210に向かって回転させるように命令する。これは、第1の最大力であり得る。制御システムは、第1のエンドエフェクタ要素に向かって第2のエンドエフェクタ要素の回転を駆動する駆動要素に第2の把持力が印加されるように命令する。
図2の例では、制御システムは、第2の把持力がB1に印加されて、エンドエフェクタ要素210を駆動して、エンドエフェクタ要素209に向かって回転させるように命令する。これは、第2の最大力であり得る。
【0050】
第1の把持力の値および第2の把持力の値は、器具タイプに依存し得る。第1の把持力および第2の把持力は、同じであり得る。例えば、エンドエフェクタ要素が合致し、それらのエンドエフェクタ要素の各々を駆動する駆動要素が合致する場合、
図2の例のように、エンドエフェクタ要素が完全に閉じられず、かつ互いに対して力を及ぼす構成について、制御システムは、第1の駆動要素A2および第2の駆動要素B1の両方に同じ把持力が印加されるように命令し得る。あるいは、第1の把持力および第2の把持力は、異なってもよい。例えば、エンドエフェクタ要素が異なっている場合、第1のエンドエフェクタ要素に印加される第1の把持駆動力は、エンドエフェクタ要素の所望の把持閉力を達成するために、第2のエンドエフェクタ要素に印加される第2の把持駆動力とは異なり得る。この例は、ステープラなどの非対称の器具である。
【0051】
把持器具については、把持閉力は、第1および第2のエンドエフェクタ要素の間の物体の把持を可能にするのに十分である。この把持は、抵抗力下であってもよく、例えば、持針器は、針をしっかりと組織内に駆動している間に、針を把持する。例えば、把持閉力は、10~15Nの範囲内であり得る。切断器具については、把持閉力は、第1のエンドエフェクタ要素と第2のエンドエフェクタ要素との間の物体(典型的には、組織)の切断を可能にするのに十分である。例えば、把持閉力は、5~10Nの範囲内であり得る。
【0052】
エンドエフェクタ要素が把持閉力によって互いに対して押し合う閉じた構成で器具を維持することは、高トルクを生成するようにモータがその動きを駆動することを必要とし、これは、顕著な熱損失を引き起こす。
【0053】
図4は、モータによって生成された熱損失を低減するために、制御システムによって実装される方法を例示する。
【0054】
ステップ401では、制御システムは、外科医入力装置の構成が把持構成に変更されたか否かを検出する。ハンドコントローラ300は、ハンドコントローラの本体301に対するトリガ302の回転(または線形)位置を感知する位置センサを含み得る。制御システムは、位置センサから、トリガの感知された回転(または線形)位置を受信する。制御システムは、トリガの受信された感知された回転(または線形)位置が、その器具タイプの把持構成の指定された範囲内にある場合、構成が把持構成に変更されたと決定する。制御システムは、トリガの受信された感知された回転(または線形)位置が、その器具タイプの把持構成の指定された範囲内にない場合、構成が把持構成に変更されていないと決定する。
【0055】
ステップ401で、外科医入力装置の構成が把持構成に変更されていないと制御システムが検出した場合、制御システムは、ステップ401に戻る。制御システムは、ステップ401を繰り返す前に、時間間隔T1の間、待機し得る。
【0056】
ステップ401で、外科医入力装置の構成が把持構成に変更されたと制御システムが検出した場合、制御システムは、ステップ402に移動する。把持構成への変更が検出される時間は、時間tとされる。ステップ402で、制御システムは、対向する把持力がエンドエフェクタ要素の駆動要素に印加されるように命令し、それによって、エンドエフェクタを把持閉力によって閉じた構成に閉じる。
図2の例では、これは、A2およびB1に把持駆動力を印加することである。閉じた構成は、(i)エンドエフェクタ要素が接触しているか(はさみ1丁の場合のように)、または(ii)エンドエフェクタ要素が両方、それらの間に保持される物体と接触している(組織などの物体を保持する一対の顎の場合のように)か、のいずれかである。閉じた構成は、過剰把持構成である。言い換えると、エンドエフェクタ要素は、それらの相対位置を維持するために必要とされる力よりも大きい力で互い(またはそれらの間の物体)に対して押し合っている。
【0057】
ステップ402に続き、制御システムは、ステップ403に移動する。ステップ403では、制御システムは、第1および第2のエンドエフェクタ要素が、時間t+Tで依然として閉じた構成にあるかどうかを検出する。器具は、時間Tの間、外科医入力装置のアクティブ制御下にあった場合がある。言い換えると、器具は、時間Tの間、「有効化」されている。この場合、制御システムは、時間Tの間、外科医入力装置の把持構成を検出し続けたことになる。あるいは、器具は、tとt+Tとの間のある時点で、外科医入力装置のアクティブ制御下にあることを停止した可能性がある。言い換えると、器具は、「解除」されている。この場合、制御システムは、tとt+Tとの間のある時点で、外科医入力装置の把持構成を検出することを続けなかったことになる。
【0058】
時間Tは、器具タイプに依存する。器具がはさみ1丁である例では:Tは、有効化された器具について、1秒<T<30秒、もしくは10秒<T<20秒、または解除された器具について、1秒<T<10秒、もしくは4秒<T<6秒の範囲内であり得る。Tは、5秒であってもよい。器具が持針器である例では:Tは、有効化された器具について、1分<T<8分、もしくは4分<T<5分、または解除された器具について、30秒<T<3分、もしくは40秒<T<90秒の範囲内であり得る。Tは、60秒であってもよい。Tはまた、他の因子に依存してもよい。例えば、Tは、実施される外科手術と、手術の段階と、関心対象のシステム/モータの合計実行時間と、任意選択的に過剰把持力によって重み付けされた総過剰把持時間と、器具が外科医入力装置から有効化または解除されているかどうかと、針ホルダが組織または針を保持しているか否かなどの手術に特異的なリスク因子と、システムの駆動態様と、器具が視野内にあるか否かと、器具を保持するロボットアームのジョイントの温度と、のうちの1つ以上に依存し得る。
【0059】
ステップ403で、制御システムが、第1および第2のエンドエフェクタ要素が、依然として閉じた構成にあることを検出した場合、制御システムは、ステップ401に戻る。例えば、時間Tが経過する前に、外科医は、例えば、切断動作の後にはさみ1丁の顎を開くことによって、器具の操作を再開し得る。
【0060】
ステップ403で、制御システムが、第1および第2のエンドエフェクタ要素が、依然として時間t+Tで閉じた構成にあることを検出した場合、ステップ404に移動する。ステップ404では、制御システムは、低減された力がエンドエフェクタ要素を閉じさせる駆動要素に印加されるように命令する。
図2の例では、これは、A2およびB1に印加される駆動力を低減させることになる。
【0061】
力が駆動要素に対して低減される因子は、器具タイプに依存し得る。力低減値は、器具タイプのみに依存し得る。各器具タイプの力低減値は、経験的に決定され得る。力低減値が器具タイプのみに依存し得る器具タイプの例は、顎および有窓把持器である。
【0062】
駆動要素に印加される力を低減することによって、エンドエフェクタ要素は、低減された閉力と共に、さらに閉じた構成で保持される。これは、駆動要素を駆動するモータが生成に必要なトルクを低減させ、したがって、それらのモータによって熱として放散される電力を低減する。
【0063】
エンドエフェクタ要素のさらに閉じた構成は、好適には、過剰把持構成ではない。言い換えると、ステップ404で駆動要素に印加される力は、(i)エンドエフェクタ要素が接触している(はさみ1丁の場合と同様)、または(ii)エンドエフェクタ要素がそれらの間に保持される物体と接触している(組織などの物体を保持する一対の顎の場合と同様)のいずれかの閉じた構成でエンドエフェクタ要素を保持するために必要とされる力を越えて、エンドエフェクタ要素に追加の力をそれ以上印加しないように低減される。エンドエフェクタ要素が、それらに印加される力の非存在下でそれらの位置を維持する場合、好適には、低減された閉力は、ゼロである。
【0064】
ステップ404における力の低減は、時間ΔTにわたって徐々に適用され得る。有効化された器具の場合、10ms<ΔT<500msである。ΔTは、100msであってもよい。解除された器具の場合、1s<ΔT<5sである。ΔTは、2秒であってもよい。力の低減は、経時的に直線的に印加され得る。これは、印加された力の急激な変化によって引き起こされる、エンドエフェクタ要素のぎこちない動きを防止するのを助ける。あるいは、ステップ404における力の低減は、瞬時であってもよい。
【0065】
任意選択的に、制御システムは、エンドエフェクタ要素が時間t+Tで依然として閉じた構成にあることを検出するのに加えて、外科医が外科医入力装置による外科手術器具のアクティブ制御を解除したことも検出する場合のみ、ステップ404で力の低減を適用し得る。
【0066】
図5は、
図4のステップ404で、低減された力が駆動要素に印加されたときに、制御システムによって実装され得る、追加の方法を例示する。
【0067】
ステップ501は、
図4のステップ404から続く。ステップ501で、制御システムは、外科医入力装置、またはより一般的には、外科医コンソールが、外科医入力装置によって外科手術器具のアクティブ制御が解除されるように命令したか否かを決定する。外科医入力装置上の入力、例えば、ボタンが、アクティブ化されて、外科医コンソールモニタのモニタ上に表示されるメニューから選択肢を選択し得る。メニュー上の選択肢のうちの1つは、外科医入力装置による外科手術器具のアクティブ制御を解除することであり得る。外科医入力装置による外科手術器具のアクティブ制御は、外科医入力装置が外科医入力装置上のユーザの手の存在をもはや検出しなくなる結果として、解除され得る。外科医入力装置による外科手術器具のアクティブ制御は、ユーザが存在しないか、または外科手術器具の動作に関与しないかのいずれかを外科医コンソールが検出することの結果として、解除され得る。例えば、運動トラッカは、ユーザの存在および/または注目を検出するために、ユーザの身体運動を追跡するために使用され得る。例えば、運動トラッカは、ユーザの頭部および/または眼の運動を追跡し得る。これにより、制御システムは、ユーザが存在しているか、および/または注意を払うかを推定する。ユーザが存在しないか、または外科手術器具に注意を払っていないことを検出すると、外科医入力装置によるその外科手術器具のアクティブ制御が解除され得る。ユーザの存在および/または注目を検出するための検出器は、外科医用コンソールの支持構造上、外科医用コンソールのディスプレイ上、または外科医入力装置自体上に位置し得る。任意選択的に、制御システムは、外科医入力装置が別の外科手術器具のアクティブ制御の有効化を命令したことを追加的に決定し得る。
【0068】
ステップ501に対する答えがはいの場合、制御システムは、並行して実装されるステップ502および503に移動する。ステップ502では、制御システムは、外科医入力装置から外科手術器具のアクティブ制御を解除する。外科医入力装置が、別の外科手術器具のアクティブ制御の有効化を追加的に命令した場合、制御システムは、外科医入力装置によるその他の外科手術器具のアクティブ制御を有効化する。
【0069】
ステップ503では、制御システムは、低減された閉力が引き続き印加されるように命令することによって、外科手術器具の第1および第2のエンドエフェクタ要素を、さらに閉じた構成で維持し続ける。これらの低減された閉力は、
図4のステップ404から継続的に印加されている。
【0070】
制御システムは、次いで、ステップ504に移動する。ステップ504では、制御システムは、外科医入力装置のアクティブ制御が有効化されるように外科医入力装置が命令したか否かを決定する。この命令は、ステップ501で解除される外科手術器具のアクティブ制御を命令したのと同じ外科医入力装置に由来し得る。あるいは、このコマンドは、別の外科医入力装置に由来し得る。例えば、外科医は、
図3に例示されるタイプの2つのハンドコントローラを制御し得、一方は、左手によって制御され、他方は、右手によって制御される。外科医は、左手のコントローラによる器具の制御を解除し、その後、右手のコントローラによる同じ器具の制御を有効化し得る。
【0071】
ステップ504では、外科手術器具のアクティブ制御を有効化するように外科医入力装置が命令したと制御システムが決定した場合、制御システムは、ステップ504に戻る。制御システムは、ステップ504を繰り返す前に、時間間隔T2を待機し得る。
【0072】
ステップ504では、外科手術器具のアクティブ制御を有効化するように外科医入力装置が命令したと制御システムが決定した場合、制御システムは、並列に実装されるステップ505および506に移動する。外科医入力装置が、それによって有効化される外科手術器具の制御を命令する時間は、時間T’とされる。
【0073】
ステップ505では、制御システムは、ステップ504でそれを命令した外科医入力装置によって外科手術器具のアクティブ制御を有効化する。
【0074】
ステップ506で、制御システムは、エンドエフェクタを把持閉力で閉じさせるように、対向する把持力がエンドエフェクタ要素の駆動要素に印加されるように命令する。
図2の例では、これは、A2およびB1に把持駆動力を印加することである。好適には、ステップ402で印加されたのと同じ対向する把持力が、ステップ506で印加される。
【0075】
ステップ501では、制御システムは、低減された閉力が引き続き印加されるように命令することによって、外科手術器具の第1および第2のエンドエフェクタ要素を、さらに閉じた構成で維持し続ける。これらの低減された閉力は、
図4のステップ404から継続的に印加されている。
【0076】
制御システムは、次いで、ステップ508に移動する。ステップ508では、制御システムは、外科医入力装置の任意の活動が検出されたか否かを決定する。検出された活動は、例えば、そのワークスペース内の外科医入力装置の移動であってもよい。例えば、外科医入力装置の回転または並進。検出された活動は、例えば、外科医入力装置上の入力の作動であってもよい。例えば、ボタンを押すこと、スイッチを切り替えること、ジョイスティックを動かすこと、トラックパッドもしくはトラッキングボールを動かすこと、またはスライダを摺動させること。
【0077】
ステップ508で、外科医入力装置の活動がないことが検出された場合、制御システムは、ステップ501に戻る。制御システムは、ステップ501を繰り返す前に、時間間隔T3を待機し得る。
【0078】
ステップ508で、外科医入力装置の活動が検出されたと制御システムが決定した場合、制御システムは、ステップ509に移動する。ステップ509で、制御システムは、エンドエフェクタを把持閉力で閉じさせるように、対向する把持力がエンドエフェクタ要素の駆動要素に印加されるように命令する。
図2の例では、これは、A2およびB1に把持駆動力を印加することである。好適には、ステップ403で印加されたのと同じ対向する把持力が、ステップ509で印加される。
【0079】
ステップ506または509における力の増加は、時間ΔT’にわたって徐々に適用され得る。ΔT’は、印加される過剰把持力に依存し得る。10ms<ΔT’<500msである。ΔT’は、100msであってもよい。力の増加は、経時的に直線的に印加され得る。これは、印加された力の急激な変化によって引き起こされる、エンドエフェクタ要素のぎこちない動きを防止するのを助ける。あるいは、ステップ506または509における力の増加は、瞬時であってもよい。
【0080】
ステップ506または509に従って、制御システムは、
図4のステップ403に戻る。制御ループの次の反復では、ステップ506または509で対向する把持力が印加された時間が、時間tとされる。
【0081】
図6は、例示的な外科手術はさみの対の駆動要素に経時的に印加される駆動力を例示するグラフである。時間tでは、把持構成が
図4のステップ401で検出される。把持力Fgripが、駆動要素に印加される。時間Tの後、制御システムは、
図4のステップ403で、エンドエフェクタ要素が依然として閉じた構成にあると検出する。低減された力Fredが、駆動要素に印加される。FgripからFredへの低減は、時間ΔTにわたって徐々に起こる。制御システムが、外科医入力装置の活動(
図5のステップ508において)、または器具のアクティブ制御が外科医入力装置によって有効化されたこと(
図5のステップ501において)のいずれかを検出したときに、時間T’まで、低減された力Fredが駆動要素に印加される。時間T’で、把持力Fgripが、駆動要素に印加される。これは、瞬時に行われる。あるいは、はさみ1丁または別の外科手術器具を用いて、外科医入力装置の活動または器具のアクティブ制御が外科医入力装置によって有効化されたことを検出すると、制御システムは、Fgripまで力を増加させるのではなく、駆動要素へのFredの力の印加を維持し得る。はさみ1丁のアクティブ制御が有効化されたとき、はさみの刃に対する外科医の次の動作は、別の切断動作のためにそれらを開くことである可能性が高い。したがって、駆動要素にFgripを印加することによって、はさみの刃の間の閉力を把持力に戻すことが望ましくない場合がある。
【0082】
図7は、例示的な持針器の駆動要素に経時的に印加される駆動力を例示するグラフである。時間tでは、把持構成が
図4のステップ401で検出される。把持力Fgripが、駆動要素に印加される。時間Tの後、制御システムは、
図4のステップ403で、エンドエフェクタ要素が依然として閉じた構成にあると検出する。低減された力Fredが、駆動要素に印加される。FgripからFredへの低減は、時間ΔTにわたって徐々に起こる。制御システムが、外科医入力装置の活動、または器具のアクティブ制御が外科医入力装置によって有効化されたことのいずれかを検出したときに、時間T’まで、低減された力Fredが駆動要素に印加される。把持力Fgripまでの力の増加が、駆動要素に印加される。FredからFgripへの増加は、時間ΔT’にわたって徐々に起こる。持針器のアクティブ制御が有効化されるとき、持針器に対する外科医の次の動作は、針の把持を維持し、それを組織内に駆動することである可能性が高い。この動作は、針上の組織によって印加される抵抗力に起因して、高い把持力で針を把持する持針器から利益を得る。したがって、Fgripを印加することによって、持針器要素の間の閉力を把持力まで戻すことが望ましい。
【0083】
本明細書に説明される方法は、エンドエフェクタ要素が周期Tにわたって閉じた構成にあった後に、エンドエフェクタ要素に印加される力を低減することによって、モータによって生成される熱損失を低減する。過剰把持は、特に駆動要素の伸長において、器具に歪みを引き起こす。装置が過剰把持構成にある時間を低減することによって、本明細書に説明される方法は、器具の経年劣化を低減させることを支援する。
【0084】
図4および
図5のフローチャートの例示的なステップは、単に本明細書で対処する問題に関連するステップである。制御システムは、
図4および
図5に示される制御ループの間に、多くの他のステップを実施する。これらの他のステップは、
図4および
図5には示されていない。
【0085】
【0086】
エンドエフェクタは、任意の好適な形態を取り得る。例えば、エンドエフェクタは、湾曲はさみ1丁、単極はさみ1丁などの電気外科手術器具、持針器、一対の顎、または有窓把持器であってもよい。
【0087】
本明細書に説明されるロボットは、外科手術以外の目的のものであってもよい。例えば、ポートは、自動車エンジンなどの製造品内の検査ポートであってもよく、ロボットは、エンジン内部を見るための視認ツールを制御し得る。
【0088】
本明細書によって、本出願人は、本明細書に説明される各個々の特徴および2つ以上のかかる特徴の任意の組み合わせを、かかる特徴または組み合わせが、当業者に共通する一般知識に照らして、全体として本明細書に基づいて行うことができるような程度まで、かかる特徴または特徴の組み合わせが、本明細書に開示する任意の問題を解決するかにかかわらず、かつ特許請求の範囲を限定することなく、分離して開示する。本出願人は、本発明の態様が、任意のかかる個々の特徴または特徴の組み合わせからなり得ることを示している。前述の説明を考慮すると、本発明の範囲内で様々な修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の外科手術器具が第1の遠隔外科医入力装置のアクティブ制御下にある間に前記第1の遠隔外科医入力装置の操作に応答して前記第1の外科手術器具の操作を制御するための制御システムであって、前記第1の外科手術器具が、多関節カップリングによってシャフトに接続される、対向可能な第1および第2のエンドエフェクタ要素を備え、前記多関節カップリングが、前記第1のエンドエフェクタ要素が回転することを可能にするように、第1の対の駆動要素によって駆動可能な第1のジョイントと、前記第2のエンドエフェクタ要素が回転することを可能にするように、第2の対の駆動要素によって駆動可能な第2のジョイントと、を含み、前記制御システムは、
時間tで、前記第1の遠隔外科医入力装置の構成の把持構成への変更を検出することと、
前記第1および第2のエンドエフェクタ要素を把持閉力で互いに向かって対向する回転方向に回転させて、前記第1および第2のエンドエフェクタ要素が互いに接触した、またはそれらの間に保持された物体と各々接触した後に、前記把持閉力が印加され続ける、第1の閉じた構成にするように、把持力が前記第1および第2の対の駆動要素に印加されるように命令し、前記第1の遠隔外科医入力装置の構成の前記把持構成への変更に応答することと、
前記第1および第2のエンドエフェクタ要素が、時間t+T(時間Tは器具タイプに依存し器具タイプによって異なる)で依然として前記第1の閉じた構成にあるかどうかを検出することと、
前記第1および第2のエンドエフェクタ要素が、前記時間t+Tで依然として前記第1の閉じた構成にある場合、前記第1および第2の対の駆動要素に印加される前記把持力の低減を命令し、それによって、前記第1および第2のエンドエフェクタ要素を、続いて、低減された前記把持閉力で第2の閉じた構成に保持させることと、を行うように構成されている、制御システム。