(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054331
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】車輪付き車両
(51)【国際特許分類】
F02M 55/02 20060101AFI20240409BHJP
F02M 69/46 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
F02M55/02 310C
F02M69/46 D
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024020454
(22)【出願日】2024-02-14
(62)【分割の表示】P 2020515037の分割
【原出願日】2018-09-11
(31)【優先権主張番号】15/706,224
(32)【優先日】2017-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505125314
【氏名又は名称】インディアン・モーターサイクル・インターナショナル・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン,ゴードン アール.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】エンジンの様々な動作範囲にわたって実質的に一定の圧力変動を維持すること。
【解決手段】車両が開示される。車両は一般に、エンジンを支持するためのフレームと、フレームを支持するための車輪などの1つまたは複数のグランド支持体とを含む。エンジンは、内燃発電プラントと、そのための燃料ポンプ、供給ラインおよび燃料レールを備える燃料供給システムとを含むことができる。燃料レールは、実質的に平坦な内面を有する主壁を有する第1の部材を含むので、一定の圧力変動を維持することができる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両組立体であって、
フレーム組立体と、前記フレーム組立体を支持するために該フレーム組立体に回転可能に取り付けられた少なくとも1つの車輪組立体と、前記フレームによって支持され、少なくとも1つの車輪を駆動するために構成されているエンジンとを備え、
前記エンジンは、第1のシリンダと、第2のシリンダと、吸気口と、前記第1のシリンダおよび第2のシリンダの両方と接続され、壁を有し前記吸気口から前記第1のシリンダおよび第2のシリンダに少なくとも一部の空気が流れるように構成されているマニホールドと、第1の端部から第2の端部へおおよそ燃料レールの軸に沿って延在する外面を有する燃料レールとを備え、前記外面は非反復形状を規定し、前記マニホールドへの噴射前に燃料を選択された圧力で収容し、
前記燃料レールは、前記第1のシリンダおよび第2のシリンダの間に取り付けられ、
前記燃料レールは、第1のシェル外面を有する第1のシェル部材と第2のシェル外面を有する第2のシェル部材とによって形成される前記外面を備え、
前記第1のシェル部材は、(i)外周と、第1の軸に沿って延在する第1の部分および第2の軸に沿って延在する第2の部分とを有する第1の壁であって、前記第1の軸と前記第2の軸とが非整列である第1の壁、および(ii)前記外周において前記第1の壁から実質的に垂直に延在する第2の壁を有し、前記第1の壁は前記非反復形状を含み、
前記第2のシェル部材は、(i)外周と、第3の軸に沿って延在する第3の部分および第4の軸に沿って延在する第4の部分とを有する第3の壁であって、前記第3の軸と前記第4の軸とが非整列である第3の壁、および(ii)前記外周において前記第3の壁から実質的に垂直に延在する第4の壁を有し、
前記第1のシェル部材の前記第2の壁は、前記第1のシェル部材が前記第2のシェル部材に接続できるように、前記第2のシェル部材の前記第4の壁内に嵌合する大きさである、車両組立体。
【請求項2】
前記燃料レールはさらに、該燃料レールの端部付近に第1のローブ部および第2のローブ部から形成される第1のローブを備え、
前記第1のローブ部は、前記第2の軸上で半径を有する前記第1のシェル部材によって形成され、
前記第2のローブ部は、前記第4の軸上で半径を有する前記第2のシェル部材によって形成され、
前記第1のローブは少なくとも1つの半径を有し、その隣接領域に対して拡張する、請求項1に記載の車両組立体。
【請求項3】
前記第1のシェル部材の前記第1の壁は、第5の軸に沿って延在する第5の部分を有し、
前記第1の軸、前記第2の軸および前記第5の軸は、非整列であり、
前記第2のシェル部材の前記第3の壁は、第6の軸に沿って延在する第6の部分を有し、
前記第3の軸、前記第4の軸および前記第6の軸は、非整列である、請求項2に記載の車両組立体。
【請求項4】
前記燃料レールはさらに、第1の部分、第2の部分、および第3の部分を備え、
前記第2のシェル部材の前記第3の壁の前記第1の部分によって規定される、第1のポータル壁部によって規定される、第1のポートと、
前記第2のシェル部材の前記第3の壁の前記第3の部分によって規定される、第2のポータル壁部によって規定される、第2のポートと、を備え、
前記第1のポータル壁部は第1の平面を規定し、
前記第2の部分は、第2の平面を規定し、
前記第2のポータル壁部は第3の平面を規定し、
前記第1の平面および前記第3の平面は、前記第2の平面と鋭角を形成する、
請求項1に記載の車両組立体。
【請求項5】
前記第1のポートは、第1のポータル軸の周りに規定され、
前記第2のポートは、第2のポータル軸の周りに規定され、
前記第1のポータル軸は前記第1の平面に対し垂直に延在し、前記第2のポータル軸は前記第2の平面に対し垂直に延在する、
請求項4に記載の車両組立体。
【請求項6】
前記第1の壁は、実質的に平面状である、請求項1に記載の車両組立体。
【請求項7】
前記第1のシェル部材の前記第1の壁は、第5の軸に沿って延在する第5の部分を有し、
前記第1の壁は、前記第2の軸および前記第5の軸に沿って延在する前記第1の壁の領域において平面状であり、
前記第1の壁は、エンジンの稼働中に前記燃料レール内の前記選択された圧力を維持するように構成されている、請求項1に記載の車両組立体。
【請求項8】
前記第1のシリンダは、第1のシリンダヘッドと第1のシリンダポートとを含み、
前記マニホールドは、前記第1のシリンダ内に空気および燃料が流れるように、前記第1のシリンダヘッドに接続されている、請求項1に記載の車両組立体。
【請求項9】
前記エンジンは、第2のシリンダヘッドと第2のシリンダポートとを含む前記第2のシリンダをさらに備え、
前記マニホールドは、前記第1のシリンダおよび前記第2のシリンダ内に空気および燃料が流れるように、前記第1のシリンダヘッドと前記第2のシリンダヘッドとの両方に接続されており、
前記マニホールドは、第1の取り付けボアと第2の取り付けボアとを含む、請求項8に記載の車両組立体。
【請求項10】
前記燃料レールはさらに、第1の部分、第2の部分、および第3の部分を備え、
前記第2のシェル部材の前記第3の壁の前記第1の部分によって規定される第1のポータル壁部によって規定される第1のポートと、前記第2のシェル部材の前記第3の壁の前記第3の部分によって規定される第2のポータル壁部によって規定される第2のポートと、前記第2のシェル部材の第3の壁のブラケット壁部に固定された取付けブラケットと、を備え、
前記第1の部分は第1の平面を規定し、前記第2の部分は第2の平面を規定し、前記第3の部分は第3の平面を規定し、
前記第1の平面および第3の平面は、前記第2の平面と鋭角を形成し、
前記ブラケット壁部は、実質的に平面状である、請求項9に記載の車両組立体。
【請求項11】
車両組立体であって、
第1のシリンダと、
第2のシリンダと、
吸気口と、
壁を有し、前記吸気口から前記第1のシリンダおよび第2のシリンダに少なくとも一部の空気が流れるように構成されているマニホールドと、を備えるエンジン;および、
噴射前に燃料を選択された圧力で収容する燃料レールを備え、
前記燃料レールは、第1のシェル部材、第2のシェル部材および第1のローブを備え、
前記第1のシェル部材は、(i)外周と、第1の軸に沿って延在する第1の部分および第2の軸に沿って延在する第2の部分とを有する第1の壁であって、前記第1の軸と前記第2の軸とが非整列である第1の壁、および(ii)前記外周において前記第1の壁から実質的に垂直に延在する第2の壁を有し、
前記第2のシェル部材は、(i)外周と、第3の軸に沿って延在する第3の部分および第4の軸に沿って延在する第4の部分とを有する第3の壁であって、前記第3の軸と前記第4の軸とが非整列である第3の壁、および(ii)前記外周において前記第3の壁から実質的に垂直に延在する第4の壁を有し、
前記第1のシェル部材の前記第2の壁は、前記第2のシェル部材の前記第4の壁内に嵌合する大きさであり、
前記第1のローブは、その隣接領域に対して拡張し、前記燃料レールの第1の端部において第1の半径を有する第1のローブ部と、前記燃料レールの第2の端部付近において第2の半径を有する第2のローブ部とによって形成され、前記第1の半径と前記第2の半径とは、同じまたは異なっており、
前記第1のローブ部は、前記第2の軸上で前記第1のシェル部材によって形成され、
前記第2のローブ部は、前記第4の軸上で前記第2のシェル部材によって形成され、
さらに、前記第2のローブ部を概ね通る第1のポートを規定する前記第2のシェル部材の前記第3の壁によって規定される第1のポータル壁部と、第2のポートを規定する前記第2のシェル部材の前記第3の壁によって規定される第2のポータル壁部とを備え、
前記第1のポータル壁部は第1の平面を規定し、
前記第2のポータル壁部は第2の平面を規定し、
前記第1の平面および前記第2の平面は、鋭角であるポータル平面角度で交差し、
前記燃料レールは、前記第1のシリンダおよび第2のシリンダの間の前記マニホールドに取り付けられる、車両組立体。
【請求項12】
前記第1のシェル部材の前記第1の壁は、第5の軸に沿って延在する第5の部分を有し、
前記第1の軸、前記第2の軸および前記第5の軸は、非整列であり、
前記第2のシェル部材の前記第3の壁は、第6の軸に沿って延在する第6の部分を有し、
前記第3の軸、前記第4の軸および前記第6の軸は、非整列である、請求項11に記載の車両組立体。
【請求項13】
前記第1のポートは、第1のポータル軸の周りに規定され、
前記第2のポートは、第2のポータル軸の周りに規定される、
請求項12に記載の車両組立体。
【請求項14】
さらに、フレーム組立体と、前記フレーム組立体を支持するために該フレーム組立体に回転可能に取り付けられた少なくとも1つの車輪組立体と、を備え、
前記エンジンは、前記フレームによって支持され、少なくとも1つの車輪を駆動するように構成され、
前記第1の壁または前記燃料レールの容積のうちの少なくとも1つは、選択された範囲内の前記圧力を維持するように構成される、請求項13に記載の車両組立体。
【請求項15】
前記燃料レールはさらに、前記第2のシェル部材の第3の壁のブラケット壁部に固定された取付けブラケットを備え、
前記ブラケット壁部は、実質的に平面状であり、
前記燃料レールは、前記取付けブラケットを介して第1の固定部材および第2の固定部材によって前記第1のシリンダおよび第2のシリンダに対して前記マニホールドに取り付けられる、請求項14に記載の車両組立体。
【請求項16】
車両用の燃料レールを形成する方法であって、
第1の端部から第2の端部へおおよそ燃料レールの軸に沿って延在する外面を有する燃料収容チャンバを形成するステップを含み、前記外面は非反復形状を有し、マニホールドへの噴射前に燃料を選択された圧力で収容し、
前記燃料収容チャンバを形成するステップは、第1のシェル部材を形成するステップと第2のシェル部材を形成するステップとを含み、
前記第1のシェル部材は、(i)外周と、第1の軸に沿って延在する第1の部分および第2の軸に沿って延在する第2の部分とを有する第1の壁であって、前記第1の軸と前記第2の軸とが非整列である第1の壁、および(ii)前記外周において前記第1の壁から実質的に垂直に延在する第2の壁を有し、前記第1の壁は前記非反復形状を含み、
前記第2のシェル部材は、(i)外周と、第3の軸に沿って延在する第3の部分および第4の軸に沿って延在する第4の部分とを有する第3の壁であって、前記第3の軸と前記第4の軸とが非整列である第3の壁、および(ii)前記外周において前記第3の壁から実質的に垂直に延在する第4の壁を有し、
前記第1のシェル部材の前記第2の壁は、前記第1のシェル部材が前記第2のシェル部材に接続できるように、前記第2のシェル部材の前記第4の壁内に嵌合する大きさであり、
前記方法は、前記燃料レールの前記燃料収容チャンバを、エンジンの第1のシリンダおよび第2のシリンダの間でマニホールドに保持するように構成するステップを含む、方法。
【請求項17】
前記第2のシェル部材の前記第3の壁の第1のポータル壁部を形成するステップと、
前記第1のポータル壁部に第1のポートを形成するステップと、
前記第2のシェル部材の前記第3の壁の第2のポータル壁部を形成するステップと、
前記第2のポータル壁部に第2のポートを形成するステップと、をさらに含み、
前記第1のポータル壁部は第1の平面を規定し、
前記第2のポータル壁部は第2の平面を規定し、
前記第1の平面および前記第2の平面は、前記第2のシェル部材の分離した部分の分離した平面と鋭角を形成する、
請求項16記載の方法。
【請求項18】
実質的に平面状であり、前記第1のポータル壁部と第2のポータル壁部との間のブラケット壁部を形成するステップと、
前記第2のシェル部材の前記第3の壁の前記ブラケット壁部に取付けブラケットを固定するステップとをさらに含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記取付けブラケットを貫通する第1の固定部材および第2の固定部材によって、前記燃料レールを前記マニホールドに固定する、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記第1のポータル壁部における前記第1のポートと前記マニホールドに取り付けられた第1の燃料インジェクタとを位置合わせするステップと、
前記第2のポータル壁部における前記第2のポートと前記マニホールドに取り付けられた第2の燃料インジェクタとを位置合わせするステップとをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本開示は車両に関し、特に、車両用のエンジン構成および/または構成要素に関する。
【0002】
〔背景〕
このセクションでは本開示に関連する背景情報を提供するが、これは必ずしも従来技術ではない。
【0003】
操作者などの貨物を動かす車両は、エンジンなどの動力装置を含む。エンジンは、石油、ガソリン、または他の可燃性物質などの物質を動力とし得る。可燃性物質は、燃料タンクからエンジンの燃焼チャンバに供給される。
【0004】
〔概要〕
このセクションは本開示の一般的な概要を提供するものであり、その全範囲またはその特徴のすべてを包括的に開示するものではない。
【0005】
車輪付き車両などの車両が開示される。車輪付き車両は、第1の車輪または車輪組立体と、第2の車輪または車輪組立体とを含むことができる。車輪組立体は、フレームに対して回転可能に取り付けられている。フレームは貨物を運搬または輸送することができ、貨物は、操作者/ユーザ、および/または様々な貨物コンパートメントとすることができる。さらに、フレームは、エンジンに燃料を供給するための燃料タンクと、車輪の少なくとも1つを駆動するための様々なトランスミッション構成要素とを保持または支持することができる。
【0006】
燃料タンクは、エンジンに移送することができる可燃性燃料、例えば石油製品など、を収容することができる。エンジンにおいて、燃料はシリンダ内でピストンを動かすために、燃焼チャンバに噴射または供給されてもよい。様々な実施形態では、燃料収容チャンバが1つまたは複数の燃焼チャンバ内への噴射前に、ある体積の燃料を収容することができる。様々な実施形態では、燃料チャンバは、燃料レールと呼ぶことができる。燃料レールは、エンジンに固定可能に取り付けられた剛性容器として形成することができる。様々な実施形態では、燃料レールはエンジンのマニホールドに堅固に取り付けられ、燃料レールから燃焼チャンバ内に燃料を噴射する1つまたは複数のインジェクタに接続される。
【0007】
様々な実施形態では、フレーム組立体と、フレーム組立体を支持するためにフレーム組立体に回転可能に取り付けられた少なくとも1つの車輪組立体と、フレームによって支持され、少なくとも1つの車輪を駆動するために構成されているエンジンとを含む車両組立体が開示される。エンジンは、第1のシリンダと、吸気口と、壁を有し吸気口から第1のシリンダに少なくとも一部の空気が流れるように構成されているマニホールドと、マニホールドへの噴射前に燃料を選択された圧力で収容するための非反復外面を有する燃料レールとを含むことができる。燃料レールは、第1のシェル部材を含むことができ、第1のシェル部材は、(i)外周と、第1の軸に沿って延在する第1の部分および第2の軸に沿って延在する第2の部分とを有する第1の壁であって、第1の軸と第2の軸とが非整列である第1の壁、および(ii)外周において第1の壁から実質的に垂直に延在する第2の壁を有している。燃料レールは、さらに、第2のシェル部材を含むことができ、第2のシェル部材は、(i)外周と、第3の軸に沿って延在する第3の部分および第4の軸に沿って延在する第4の部分とを有する第3の壁であって、第3の軸と第4の軸とが非整列である第3の壁、および(ii)外周において第3の壁から実質的に垂直に延在する第4の壁を有している。第1のシェル部材の第2の壁は、第2のシェル部材の第4の壁内に嵌合する大きさである。
【0008】
様々な実施形態では、噴射前に燃料を選択された圧力で収容する燃料レールを含む車両組立体が開示される。燃料レールは、第1のシェル部材と第2のシェル部材とを含む。第1のシェル部材は、(i)外周と、第1の軸に沿って延在する第1の部分および第2の軸に沿って延在する第2の部分とを有する第1の壁であって、第1の軸と第2の軸とが非整列である第1の壁、および(ii)外周において第1の壁から実質的に垂直に延在する第2の壁を有している。第2のシェル部材は、(i)外周と、第3の軸に沿って延在する第3の部分および第4の軸に沿って延在する第4の部分とを有する第3の壁であって、第3の軸と第4の軸とが非整列である第3の壁、および(ii)外周において第3の壁から実質的に垂直に延在する第4の壁を有している。第1のシェル部材の第2の壁は、第2のシェル部材の第4の壁内に嵌合する大きさである。燃料レールは、さらに、燃料レールの端部付近に第1のローブ部と第2のローブ部とから形成される第1のローブを含むことができる。第1のローブ部は、第2の軸上で第1のシェル部材によって形成され、第2のローブ部は、第4の軸上で第2のシェル部材によって形成される。燃料レールは、さらに、第2のローブを概ね通る第1のポートを規定する第2のシェル部材の第3の壁の第1のポータル壁部と、第2のポートを規定する第2のシェル部材の第3の壁の第2のポータル壁部とを含むことができる。第1のポータル壁部は第1の平面を規定し、第2のポータル壁部は第2の平面を規定し、第1の平面および第2の平面は、ポータル面において鋭角で交差している。
【0009】
様々な実施形態では、非反復外面構造を有する燃料収容チャンバを形成するステップを含む、車両用燃料レールを形成する方法が開示される。この方法は、(i)外周と、第1の軸に沿って延在する第1の部分および第2の軸に沿って延在する第2の部分とを有する第1の壁であって、第1の軸と第2の軸とが非整列である第1の壁、および(ii)外周において第1の壁から実質的に垂直に延在する第2の壁を有し第1のシェル部材を形成するステップ、ならびに、(i)外周を有する第3の壁と、第3の軸に沿って延在する第3の部分と、第4の軸に沿って延在する第4の部分とを有し、第3の軸および第4の軸が整列されていない第4の壁と、(ii)外周において第3の壁から実質的に垂直に延在する第4の壁とを有する第2のシェル部材を形成するステップを含む。第1のシェル部材の第2の壁は、第2のシェル部材の第4の壁の上に嵌合する大きさである。
【0010】
さらに適用可能な範囲が、本明細書の記載から明らかにされる。この概要における詳細な説明および特定な例は、一例を示すためのものに過ぎず、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0011】
〔図面〕
本明細書で説明される図面は、選ばれた実施形態のみの例示を目的とし、実装可能な形態の全てを例示するものではない。また、この図面は本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0012】
図1は、様々な実施形態による自動二輪車の斜視図であり、
図2は、様々な実施形態によるエンジンの部分分解図であり、
図3は、様々な実施形態によるエンジンの部分分解図であり、
図4は、様々な実施形態による燃料収容チャンバの平面図であり、
図5は、様々な実施形態による燃料収容チャンバの底面図であり、
図6は、様々な実施形態による燃料収容チャンバの斜視図であり、
図7は、様々な実施形態による燃料収容チャンバの正面図であり、
図8は、様々な実施形態による燃料収容チャンバの第2の部材の内面図であり、
図9は、様々な実施形態による燃料収容チャンバの第1の部材の内面図であり、
対応する参照番号は、図面のいくつかの図を通して対応する部分を示す。
【0013】
〔詳細な説明〕
以下、添付の図面を参照して、例示的な実施形態をより完全に説明する。
【0014】
最初に
図1を参照すると、車両が例示的に示されている。車両は、一般に自動二輪車10と呼ぶことができる二輪車を含み得る。自動二輪車10は、Chieftain(登録商標)自動二輪車またはRoadmaster(登録商標)自動二輪車のような任意の適切な自動二輪車であってよく、両方とも、ミネソタ州メディナに事業所を有するインディアン・自動二輪車・インターナショナル(Indian Motorcycle International、LLC)から販売されている。さらに、自動二輪車または車両は、米国特許出願公開第2016/0298807号に開示されている車両と同様であってよい。
【0015】
一般に、自動二輪車10は、第1の車輪12と第2の車輪14とを含む。車輪12、14は共に、タイヤ、リムおよび他の公知の構成要素を含む車輪組立体として提供され得る。車輪12、14は自動二輪車10の操作中に地面または他の適切な面に係合でき、フレーム組立体または構造体16に対して回転することができる。フレーム組立体16は、様々な構成要素を含むことができることを理解されたく、様々な構成要素には、車輪12、14、サスペンション構成要素18、フェアリング構成要素20、およびハンドルバー24などのステアリング構成要素など、他の構成要素に接続された金属管および同様の構成要素が含まれる。さらに、フレーム16は、操作中に車両10に座るために操作者が使用することができる座席または座席組立体28を支持することができる。
【0016】
フレーム16は、エンジン40を保持または支持することができる。エンジン40は本明細書でさらに論じられるような様々な構成要素を含み、パワートレイン組立体42の一部であって、これは、さらにトランスミッション構成要素または組立体44を含み得る。ユーザによる車両10の操作を可能にするために、本技術分野で一般的に理解されているものなど、様々な他の構成要素を車両10に組み込むことができることを理解されたい。ユーザは、トランスミッション44を介して、エンジン40から第2の車輪14などの1つ以上の車輪に動力を伝達するために、エンジン40を制御するなど車両を操作することができる。
【0017】
様々な実施形態では、エンジン40は、ミネソタ州メディナに事業所を有するインディアン・モーターサイクル・インターナショナル(Indian Motorcycle International、LLC)から販売されているThunderstroke(登録商標)エンジンなどのエンジンを含むことができる。エンジン40は、火花点火エンジンを含むことができ、火花点火エンジンは、ガソリンなどの石油製品に点火してピストンを動かす。ガソリンまたは他の適切な燃料は、エンジン40に供給するために、まず燃料タンク50内に収容することができる。スロットルボディ94(
図3)は、吸気組立体52を通ってマニホールド84(
図2)に入る空気の流れまたは体積を制御するために、ユーザによって操作される。
【0018】
エンジン40は、マニホールド84およびスロットルボディ94を含む様々な構成要素および他の様々な構成要素を含む。エンジン40は、第1のシリンダ60および第2のシリンダ62を含む1つまたは複数のシリンダ内に、1つまたは複数の燃焼チャンバを含む。第1のシリンダ60は、前側または前方のシリンダであってもよく、第2のシリンダ62は後ろ側または後方のシリンダであってもよい。しかしながら、シリンダ60、62の位置は単に例示的なものであることが理解される。さらに、シリンダ60、62の各々は、当業者に一般に理解されているものを含む様々な構成要素を含んでよいが、本項では詳しく説明しない。しかしながら、シリンダ60は、シリンダ部64と、シリンダヘッド66と、シリンダカバーまたはロッカーカバー68とを含むことができる。シリンダ60の様々な構成要素は個別に、またはさらに別体の個別の構成要素として形成することができ、上述した個々の構成要素は、単に例示的なものに過ぎないことを理解されたい。第2のシリンダ62はまた、シリンダ70と、シリンダヘッド72と、ロッカーまたはシリンダカバー74とを含む構成要素を含むことができる。
【0019】
シリンダ60、62の様々な部位において、第1のシリンダ60内の第1のシリンダ入口または接続ポート78、ならびに第2のシリンダ62内の第2のシリンダ入口または接続ポート80などの、1つまたは複数のポートまたは入口を含むことができる。ポート78、80には、吸気マニホールド84が接続されるように構成されている。吸気マニホールド84は、第1のマニホールド排気口86および第2のマニホールド排気口88を含む排気口を介して、またはそれを通して、それぞれのシリンダ60、62に接続される。ポート78、80へのマニホールド排気口86、88の選択された接続は、選択され、それぞれのアダプタ86a、88aを含むことができ、および/または選択されたそれぞれのバンドクランプ86b、88bを含むことができる。それぞれのアダプタ86a、88aおよび/またはそれぞれのバンドクランプ86b、88bは、エンジン40の組立および/または動作中に、それぞれの構成要素に対して適切な許容差および/または動きを提供することを補助し得る。2つの排気口86、88は、壁または本体92によってマニホールド入口90に接続されている。吸気組立体52は
図3に示すように、マニホールド84に接続され、エンジン40を操作するためにユーザによって制御可能なスロットルボディ94を含む。
【0020】
操作者は、エンジン40内に空気を流入させるようにスロットルボディ94を操作する、ステアリング組立体またはハンドルバー24などのスロットル機構を操作することができる。燃料は、少なくとも、スロットルボディ94内のスロットルの位置と、エンジン40の作動のために決定された状態とに基づいて供給される。決定された状態は、エンジン制御モジュール(ECM)または他の制御モジュールによって記憶され、制御され得る。
【0021】
燃料は、第1の燃料インジェクタ100および第2の燃料インジェクタ102を含む燃料インジェクタを介して、燃料タンク50からマニホールド84に供給される。燃料インジェクタは、マニホールド内の燃料インジェクタポート104、106内に嵌め込まれる。インジェクタ100、102は、ECMを介すなどして、マニホールド84内への燃料の噴射を制御するために、それぞれコネクタ108、110のようなコネクタを含むことができる。マニホールド84の本体92は、内部容積93を形成または規定する。燃料は、燃料タンク50からインジェクタ100、102を通って容積93内に噴射される。空気はまた、吸気口52を通ってマニホールド84に入り、少なくとも最初はマニホールド内の燃料と混合されてもよい。次いで、混合物は、燃焼のためにシリンダ60、62に送られ、エンジン40に動力を与える。ECMは、マニホールド84に接続されたMAPまたはTMAPセンサ133を含む様々なセンサから圧力および/または温度などの情報を得ることができる。
【0022】
様々な実施形態では、中間燃料収容チャンバまたは組立体120がインジェクタ100、102に動作可能に接続される。燃料収容チャンバ120は、一般に燃料レールと呼ばれることもある。燃料は、それぞれのインジェクタ100、102の制御に基づいてマニホールド84内に噴射するために、燃料チャンバ120内に収容される。燃料収容チャンバ120は、一般に、燃料供給ライン124を介して燃料タンク50に接続されている。燃料タンク50から燃料チャンバ120への燃料の送出、または送出を補助するために、ポンプ125を設けることができる。様々な実施形態では、燃料タンク50内のサンプ内にポンプ125が配置される。本明細書で説明するように、ポンプ125は、選択された速度および/または圧力で燃料を燃料チャンバ120に供給することができる。
【0023】
燃料レール120は、選択された接続機構によってマニホールド84に固定される。様々な実施形態では、第1のコネクタ128および第2のコネクタ130は、燃料レール120に接続されたブラケット138内に形成された接続通路または貫通孔132および134を貫通することができる。様々な実施形態では、コネクタ128、130の2つのみが、燃料レール120をマニホールド84に接続するために使用される。2つのコネクタ128、130は、それぞれの通路または貫通孔132、134内のブラケット138を貫通することができ、マニホールド84の本体92内に形成されたタップ付きまたはねじ付き孔142、144と係合することができる。しかしながら、コネクタ128、130の2つのみを燃料レール120をマニホールド84に保持するために使用できるが、一方で、3つ、4つ、またはそれ以上、または1つだけのような他の選択された数のコネクタを使用することができることを理解されたい。さらに、コネクタ128、130は、マニホールドに固定されたスタッドに接続するためのボルト、リベット、ナットなどの任意の適切なコネクタであり得ることを理解されたい。
【0024】
図4、
図5、
図6、
図7、
図8および
図9を参照して、燃料レール120をより詳細に説明する。本明細書でさらに説明するように、燃料レール120は、内部容積192を有するチャンバ190を含む。様々な実施形態では、燃料レール120のチャンバは、第1のピースまたは部材160と第2のピースまたは部材164とを備えて形成される。様々な実施形態では、2つの部材160、164は、上部シェル部材または部分160と下部シェル部材または部分164とを含むシェル部材またはシェル部分とも呼ばれ得る。2つの部材160、164は、2つの別体の個別の部材として形成される場合、互いに嵌合してもよく、本明細書でさらに論じられる。
【0025】
第1の部材160は第1の壁すなわち主壁166を含み、第1の壁166の外周170から延びる第2の壁168を有する。第2の壁168は、側壁とも呼ばれ、縁部172まで延びる。第2の部材164はまた、第1の壁178の周囲から延在する第2の壁または側壁180を有する第1の壁または主壁178を含む。側壁180は、縁部184まで延びることができる。一般に、それぞれの側壁168、180は、それぞれの主壁または第1の壁166、178に対してそれぞれの外周170、182で実質的に垂直に延在する。
【0026】
一般に、第1の側壁または第1の外周壁168を有する第1の部材160は、第2の部材164の側壁180よりもわずかに大きい内部寸法を有するように形成される。したがって、第1の部材160は、第2の部材164と嵌合することができる。様々な実施形態では、第1の部材160および第2の部材164は、互いにろう付けされ、したがって、ろう付けのために、それらの間に隙間が設けられる。一般に、第1の側壁168の内部寸法と第2の側壁180の外部寸法との間の隙間または寸法は、約-0.025mm~約0.3mmであってもよく、さらに約0.02mm~約0.13mmを含んでもよい。
【0027】
2つの部材160、164を含む燃料レール120は、ステンレス鋼合金を含む選択された鋼合金を含む適切な材料で形成することができる。種々のステンレス鋼合金には、SAE J405 UNS S30403の名称を有するステンレス鋼合金が含まれ得る。しかしながら、第1の部材160および第2の部材164を形成するために、他の適切な材料が使用されてもよいことが理解される。様々な実施形態では、ステンレス鋼合金から第1の部材160および第2の部材164を形成することにより、選択されたろう付け材料および/または技術が第1の部材160と第2の部材164との間の強力かつ堅固な接続を確実に行うことが可能になる。
【0028】
燃料レール120は、内部容積192を形成または規定する主保持チャンバ組立体190を形成する2つの部材160、164を含む。保持チャンバ190は、実質的にピーナッツ状、球根状、またはローブ状などの適切な形状に形成することができる。様々な実施形態では、第1の部材160は、第1のローブまたはローブ部194である。さらに、第1の部材160は、第1軸196に沿って延在する半径上に形成されるまたは該半径を有するローブ部194を含むことができる。第1の部材160は、第2の軸200に沿って延在する第2の部分198を含むことができる。第1の部材160は、第3の軸206に沿って延在する第3の部分204をさらに含むことができる。軸196、200、206の各々は、整列されていなくてもよく、したがって、互いに対して角度をなして延在していてもよい。したがって、部分194、198、204の各々は互いに対して整列せずに、互いに対して角度をなして延在することもできる。
【0029】
同様に、
図5を参照すると、第2の部材164は、同様の部分を含むことができる。従って、第2の部材164は、第1の軸214に沿って形成される半径上に形成されるまたは該半径に沿って延在する第2のローブまたはロッベッド部分210を含むことができる。第2の部材164は、第2の軸218に沿って延在する第2の部分216と、第3の軸224に沿って延在する第3の部分220とをさらに含む。この場合も、軸214、218、224の各々は一般に、互いに対して整列せずに、したがって、互いに対して角度をなして延びることができる。
【0030】
したがって、様々な実施形態では、チャンバ190が非整列または非直線の構成を含むか、または有する。様々な実施形態では、第1の部材160の第1の部分194および第3の部分204などの非隣接または非連続部分は、離間またはオフセットしていたとしても、互いに実質的に平行であってもよい。そのような場合、第2の部材164の第1の部分210および第3の部分220もまた、離間またはオフセットしていたとしても、互いに平行であってもよい。したがって、第1の部材160は、少なくともexternalまたはexteriorの形状において、第2の部材164に対して概ね対称的に形成されることが理解される。これにより、第1の部材164は上述したように、第2の部材164と、小さなまたはきつい許容差で嵌合することができる。
【0031】
第1の主壁166を含む第1の部材160は、外部表面領域166aおよび内部表面領域166bを含む表面領域にわたって平坦または平面状であってもよい。主壁166は、不連続または湾曲部分166cなどの非平面状部分を含むことができることを理解されたい。壁166の実質的な部分または大部分は、実質的に平面状または平坦である。壁166は、選択された範囲または許容差内で実質的に平面状であってもよいことがさらに理解され、範囲または許容差は、約1ミリメートル(mm)の最低点からの最大高さまたは距離を含み、さらに約0.5mmを含み、さらに約0.01~約0.1mmを含む。したがって、壁166の平面部分は、約0.5mmの最大高さを有するピークおよび値を有してもよく、したがって、実質的に平坦または平面状である。壁166の平面部分は、壁166の全面積の少なくとも約98%を形成することができ、これは、少なくとも約90%、少なくとも約40%を含む。
【0032】
第1の部材160は、壁166と側壁168との間、ならびに各領域または部分194、198および204の間の外周170において、実質的に径または湾曲した推移部を含み得る。第2の部材164はまた、概ね、周辺部182および部分210、216および224の間など、様々な部分またはセクションの間に湾曲または半径方向の縁部または推移部を含んでもよい。径または曲線を有する部分は、力の集積点または力の焦点を最小化または排除してもよい。本明細書で論じるように、燃料レール120は、マニホールド84内に噴射する前に燃料収容領域または容積を形成することができる。燃料レール内の燃料は、約300キロパスカル(kPa)(約3バール)~約500kPa(約5バール)(約400kPa(約4バール)を含む)の呼び絶対圧力または平均絶対圧力で操作することができる。噴射サイクル中、例えば、1つ以上のインジェクタ100、102がマニホールド84内に燃料を噴射するように作動されるとき、燃料レール120の内部容積192内の圧力(例えば、脈動圧力)の変化は、部材160、164に加えられる力の変化を引き起こし得る。湾曲領域は、部材160、164に加えられる局所的な力を実質的に排除または最小限に抑えることができる。
【0033】
第1の部材160のローブ部194は、隣接する部分198の外側の寸法または横断寸法198aよりも大きい半径194bを有する湾曲したまたは丸みを帯びたエッジ194aを含むことができる。したがって、ローブ領域194は、隣接セクション198に対して概ね球根状に見えるか、または拡張して見えることがある。第2の部材164はまた、隣接するセクション216の横断寸法または外側寸法216aよりも概ね大きい半径210aを含む、概ねローブ状または球根状の部分210を含む。したがって、ローブ部210はまた、隣接する領域216に対して概ね球根状または拡張した寸法を有する。
【0034】
第2の部材164はさらに、主壁178によって規定される平らでない、または様々な隆起した壁部を含む。例えば、第1の部分210は、隣接する部分216に対して隆起した壁部240を含む。第3の部分220は、隣接する部分216に対して隆起した壁244を含む。したがって、部分216は一般に、2つの部分210と220との間に下部谷領域を含むか、または形成することができる。ブラケットまたは取付部材138は一般に、第2の部材164の第2の部分または中間部分216に固定された中心領域または部分138aを含む。ブラケット138は、溶接、ろう付け、接着剤、または機械的ファスナなどの任意の適切な方法で第2の部材164に固定することができる。
【0035】
上述したように、ブラケット138は、2つの取付け穴または貫通孔132および134を形成または規定する。貫通孔132、134は上述したように、ファスナ128、130を通すための直径などのように適切な寸法を有する。マニホールド84へのファスナ128、130の選択された固定を確実にするために、種々のスペーサまたは隆起した部分248を、1つまたは複数の貫通孔132、134それぞれのの近くに、またはそれに隣接して固定することができる。ブラケット138は、導管258のような選択された部分と係合またはこれを保持するために、オフセット脚またはアーム252のようなオフセット部分を含んでもよい。導管258は、燃料タンク50からの容積192への燃料の入口などのように入口とすることができる。入口を通して、燃料は、選択された圧力で燃料レール120の容積192に供給される。
【0036】
入口258は、第2の部材164の側壁184への固定などの選択された方法で燃料レール120に固定することができる。様々な実施形態では、ニップルまたは貫通孔領域262が、側壁184によって、および側壁184を貫通して形成されてもよい。入口導管258は、溶接、接着剤、ろう付けなどによって、ニップル262などでチャンバ190に固定される。ニップル262は、第2の部材164の内部領域から側壁184を通って容積192を打ち抜くことによって形成することができる。したがって、ニップル262は、第1の部材160を第2の部材164に組み付ける前に形成することができる。ニップル262は入口258に対する追加の支持および構造を提供し、入口導管258の燃料レールチャンバ120への接続の剛性および寿命を高める。
【0037】
第2の部材164は、主壁または第1の壁178および第1の領域210を通る第1のポート270をさらに含むか、または規定する。第1のポート270は、燃料またはレールポートとも呼ばれる。第1のインジェクタカップ274がポート270に嵌め込まれ、内部レール部分276および外部レール部分278を含んでもよい。外部レール部分278はインジェクタカップを形成し、それぞれのインジェクタ100、102のうちの1つまたは複数と係合する1つまたは複数の接触壁または停止壁280を含むことができる。インジェクタカップ274は、溶接、接着剤、ろう付けなどの適切な固定機構によって第2の部材164に固定される。したがって、インジェクタ100のようなインジェクタは、燃料レール120をマニホールド84に組み立てた後、燃料レール120に対して選択された回転位置などの選択された位置に保持することができる。言い換えれば、インジェクタカップ274はインジェクタ100/102と係合および/または捕縛することができる。
【0038】
ポート270は、中心またはポータル軸284の周りに、第1の部分210またはポータル壁を貫通して形成される。軸284は一般に、第1の部分210の少なくとも一部によって形成されるか、またはそれによって規定される平面286を通過するか、またはそれに垂直である。軸284および平面286は一般に、第1の部材160の縁部172によって規定または形成される軸など、長手方向の軸に対してある角度をなして形成されてもよい。第2の部材の中央または第2の部分216は、平面286に対してやはりある角度をなす平面288を形成または規定することができる。
【0039】
第3の領域220はまた、第3の領域のポータル壁に第2のポータル290を形成または規定することができる。第2のポータル290は、燃料またはレールポータルとも呼ばれる。第2のポータル290はまた、第3の領域220の少なくとも一部によって形成または規定される平面296に対して実質的に垂直であるポータル軸294の周りに形成されてもよい。
【0040】
平面286もまた一般に、第2の領域216の平面288と平行ではなく、それに対して鈍角であるポータル角度をなしてよい。平面286および288は、第2の領域216の外側の角度で交差することができる。平面286はまた、非整列であってもよく、第1の領域210の平面286に対して鋭角であるポータル角度をなしてもよい。平面286および296は、部分210、220のいずれかにおいて角度をなするように交差しなくてもよい。それぞれのポート270、290の軸284および294は一般に、それぞれのインジェクタ100、102のそれぞれの長手方向の軸100a、102aと整列するように形成することができる。したがって、インジェクタ100、102は、それぞれのポート270、290内に配置することができる。
【0041】
したがって、燃料レール120は、上述のように、非線形、非対称、または互いに整列していない様々な部分またはセクションを有することができる。例えば、第1の部材の第1のセクション190および第1の部材160の第3のセクション204は、互いに整列または平行でなくてもよい。しかしながら、様々な実施形態では、第1のセクション194および第3のセクション204は、整列されていなくてもよく、平行かつオフセットされていてもよく、または離間されていてもよい。第2の部材164のマッチングセクションは第1の部材160および第2の部材164のマッチングのために、第1の部材160と類似または同一の構成で形成されてもよい。従って、燃料レール120は上述したように、単一の長手方向の軸線に沿って延在するように形成されていなくてもよい。燃料レール120は非整列部分を有するが、繰り返しまたは連続パターンを有する外面を有する必要はない。燃料レール120は、ローブ部194、第1の部材160の第2および第3のセクション198、204、ならびに第2の部材164のそれぞれの部分のような、上述した部分のみを有することができる。しかしながら、燃料レール120は上述したように、エンジン40の隣接する部分に対して精密な許容差を有し、一方、比較的大きい内部容積192を有する外面を有するように形成される。
【0042】
第2のインジェクタカップ300は、第2のポータル290内に嵌め込まれる。第2のインジェクタカップ300は、第1のインジェクタカップ274と同様に、外部またはインジェクタ係合カップ部分302および内部部分304を含む。第2のインジェクタカップ300はまた、インジェクタ100、102のそれぞれ1つに係合するための停止壁または係合壁308を含むことができる。したがって、インジェクタカップ274、300は、それぞれのインジェクタ100、102を燃料レール120に回転可能に固定することができる。
【0043】
上述のように、第1の部材160および第2の部材164を含む燃料レール120は、上述のように選択されたステンレス鋼合金を含む選択された材料で形成されてもよい。ブラケット138および入口258はまた、第1の部材160および第2の部材164の材料と同一の材料から形成されてもよい。様々な実施形態において、それぞれの部分の各々は、異なる材料から形成されてもよい。また、各部分は、適宜形成することができる。様々な実施形態では、第1の部材160および第2の部材164は、選択された材料の適切なサイズのブランクから打ち抜かれてもよい。第1および第2の部材160、164は、約0.84mm~約0.94mmを含む、約0.7mm~約1.0mmの厚さを有するブランクまたはストック材料から打ち抜かれてもよい。様々な実施形態では、ストック材料は、標準的なASTM 20ゲージステンレス鋼から選択することができる。
【0044】
燃料レール120は、複数の個々の部品から形成される場合、適切な方法で一緒に組み立てられるか、または形成されてもよい。例えば、インジェクタカップ274、300は、適切な方法で、それぞれの部分210、220においてポート270、290にろう付けされてもよい。次に、第1の部材160を第2の部材164でろう付けすることができる。入口258はまた、ニップル262にろう付けされてもよい。したがって、燃料レール120の容量は、約28,860mm3を含む、約10,000mm3~約50,000mm3とすることができる。
【0045】
ブラケット138はまた、第2の部材164および入口258にろう付けされる。したがって、ブラケット138は、第1の部材160および第2の部材164に対して入口を支持する。また、貫通孔132、134を含むブラケット138は、燃料レール120をマニホールド84に固定することを可能にすると共に、マニホールド84および第1および第2の部材160、164のチャンバ組立体190に対して入口258を支持する。燃料レール120をマニホールド84に固定すると、インジェクタ100、102をそれぞれのインジェクタカップ274、300と係合させることによって、インジェクタ100、102もマニホールド84および燃料レール120に対して回転方向に固定される。図示した通り、
図2および
図5を参照すれば、ブラケット138は、燃料レール120を、実質的にポート270、290の間で、燃料レール120の軸線200のような軸線を概ね横切る点または線上に取り付けることを可能にする。
【0046】
上述のように、エンジン40の燃料システムは一般に、選択された圧力で燃料をマニホールド84に供給することができる。最初に、燃料ポンプ125は、絶対圧力で約400kPaである選択された作動圧力で、タンク50からライン124まで燃料を加圧することができる。インジェクタ100、102は、エンジン40の作動およびECMまたは他の適切なモジュールからの選択された入力に基づいて選択された時間および速度で燃料を燃料レール120から噴射する。噴射によって、ポンプで形成される燃料レール120内の約400kPaの圧力が変動し得る。
【0047】
実質的に平坦な主壁166を含む燃料レール120は、インジェクタ100、102を介してマニホールド84内に燃料を噴射することによって、燃料レール120上または内で受ける力を、実質的に平坦なそれぞれの内面および外面166a、166bを有して減衰または低減することができる。さらに、燃料レール120の容積もまた、燃料レール120上または内部の力を小さくしたり減らしたりするのを助けるように働きかけることができる。
【0048】
自動二輪車10は、燃料ポンプ125、供給ライン124および燃料レール120を含むような燃料システムを含む。供給ライン124および燃料レール120内を含む燃料システムは、加圧されて、一般に絶対圧力で約400kPaの作動圧力で作動することができる。しかしながら、圧力は変化してもよく、例えば、脈動圧力は、噴射する間、前および後に存在してもよい。しかしながら、燃料レール120内の圧力トレース(すなわち、経時的な圧力変化)は約675kPa~約350kPaであり、これはさらに約650kPa~約360kPaを含み、さらに約675kPa~約342kPaを含むことができる。一般に、燃料レール120は、圧力が、エンジン40の選択された定常状態での動作中に、作動燃料システムの圧力に選択された変動(すなわち、高くまたは低く)が生じさせることを可能にできる。エンジン40の定常状態は、エンジンの任意の所与のクランク角度が含まれ得る。選択された圧力変動は、作動燃料システムの圧力から約160kPaを含む、約100kPa~約200kPaの最大変動を有することができる。
【0049】
理論に縛られるものではないが、実質的に平坦な内面166bを有する主壁166を有する第1の部材160を含む燃料レール120は、エンジン40の様々なタイミングおよび動作範囲にわたって実質的に一定の圧力トレース(すなわち、選択された圧力変動)を維持することを可能にかつ/または補助し、操作に用いるためのエンジン40の適切かつ選択された較正を可能にする。上述のように、選択された容積を含む燃料レール120は、エンジン40の様々なタイミングおよび動作範囲にわたって実質的に一定の圧力トレース(すなわち、選択された圧力変動)を維持することを可能にするか、または代替的に補助し、操作に用いるためのエンジン40の適切かつ選択された較正を可能にすることができる。したがって、燃料レール120は、動作圧力または作動圧力の約50%以下の最大脈動圧力または選択された圧力変動を有する圧力トレースを維持するように構成される。選択された一定の圧力トレースは、追加のダンパなしで燃料レール120のみによって維持することができる。様々な実施形態では、燃料レール120(実質的に平坦な内面166bを有する主壁166および/または第2の部材164の選択された容積および/または主壁178のみを含む)のみが、選択された圧力変動を可能にする。これはまた、選択された圧力トレースを達成するための接続を減少させ得る。
【0050】
実施形態の前述の説明は、例示および説明の目的で提供される。これは、網羅的であることも、本開示を限定することも意図していない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、一般に、その特定の実施形態に限定されないが、適用可能な場合は代替可能であり、たとえ具体的に図示または説明されていなくても、選択された実施形態で使用することができる。同一のことを、あらゆる方法によって変更することもできる。そのような変形は、本開示からの逸脱と見なされるべきではなく、そのようなすべての変形は本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0051】
例示的な実施形態は十分に開示されており、当業者が発明の範囲を完全に理解できるように提供されている。本開示の実施形態を完全に理解するために、特定の構成要素、装置および方法の例など、多数の特定の詳細が記載される。特定の詳細を採用する必要がないこと、例示的な実施形態は多くの異なる形態で実施され得ること、および開示の範囲を限定するように解釈されるべきでないことは、当業者にとって明らかであろう。いくつかの例示的な実施形態では、周知のプロセス、周知のデバイス構造および周知の技術については詳細には説明されない。
【0052】
本明細書で使用される用語は特定の例示的な実施形態を説明するためだけのものであり、限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、明確に示さない限り、複数形も同様に含むことが意図され得る。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】
図1は、様々な実施形態による自動二輪車の斜視図である。
【
図2】
図2は、様々な実施形態によるエンジンの部分分解図である。
【
図3】
図3は、様々な実施形態によるエンジンの部分分解図である。
【
図4】
図4は、様々な実施形態による燃料収容チャンバの平面図である。
【
図5】
図5は、様々な実施形態による燃料収容チャンバの底面図である。
【
図6】
図6は、様々な実施形態による燃料収容チャンバの斜視図である。
【
図7】
図7は、様々な実施形態による燃料収容チャンバの正面図である。
【
図8】
図8は、様々な実施形態による燃料収容チャンバの第2の部材の内面図である。
【
図9】
図9は、様々な実施形態による燃料収容チャンバの第1の部材の内面図である。