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特開2024-54335センサユニット及びセンサユニット付きシート
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054335
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】センサユニット及びセンサユニット付きシート
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20240409BHJP
   A61B 5/113 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
A61B5/11 100
A61B5/113
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024020492
(22)【出願日】2024-02-14
(62)【分割の表示】P 2019177721の分割
【原出願日】2019-09-27
(31)【優先権主張番号】P 2018225627
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(72)【発明者】
【氏名】郭 裕之
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 隆一郎
(72)【発明者】
【氏名】草野 惇至
(57)【要約】
【課題】着座者が着座するためのシートに対し容易に着脱することが可能なセンサユニット及びセンサユニット付きシートを提供する。
【解決手段】センサユニット30は、着座者の生体信号を検出する生体センサと、生体センサと接続され、検出された生体信号を外部へ無線送信するための無線通信部とを含むセンサモジュール31と、センサモジュール31を保持するセンサ保持体32とを備えている。センサ保持体32は、シートクッション1の表面において着座者が当接可能な位置に設けられた被取り付け部に対し、着脱可能となるように取り付けられるシート取り付け部を有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトが当接可能な対象物に取り付けられるセンサユニットであって、
前記ヒトの生体信号を検出する生体センサと、
該生体センサと接続され、検出された前記生体信号を外部へ送信するための通信部と、
前記生体センサ及び前記通信部を保持するセンサ保持体と、を備え、
該センサ保持体は、前記対象物において前記ヒトが当接可能な位置に設けられた被取り付け部に対し、着脱可能となるように取り付けられる取り付け部を有していることを特徴とするセンサユニット。
【請求項2】
着座者が着座するためのシートに取り付けられる前記センサユニットであって、
前記生体センサは、前記着座者の生体信号を検出し、
前記センサ保持体は、前記シートにおいて前記着座者が当接可能な位置に設けられた前記被取り付け部に対し、着脱可能となるように取り付けられる前記取り付け部としてのシート取り付け部を有していることを特徴とする請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項3】
検出された前記生体信号を外部へ無線送信する前記通信部としての無線通信部と、
前記生体センサ及び前記無線通信部と接続され、電力を供給するためのバッテリー部と、をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のセンサユニット。
【請求項4】
前記センサ保持体は、袋状に形成されており、前記生体センサ及び前記通信部を袋内部に保持していることを特徴とする請求項2又は3に記載のセンサユニット。
【請求項5】
前記センサ保持体は、前記シートの着座部となるシートクッションの表面に設けられた前記被取り付け部としてのクッション凹部に対応した形状を有し、該クッション凹部の内部に収納されて取り付けられることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項6】
前記生体センサは、前記センサ保持体と前記シートクッションに設けられた前記クッション凹部との間に挟まれた状態で配置されていることを特徴とする請求項5に記載のセンサユニット。
【請求項7】
前記センサ保持体は、複数の前記生体センサを保持し、
該複数の生体センサは、シート幅方向及び/又はシート前後方向に間隔を空けて配置され、前記着座者が当接可能な位置に対応して配置されていることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項8】
前記センサ保持体は、前記シートに設けられた前記被取り付け部に対し、該被取り付け部を間に挟むようにして取り付け可能なシート取り付け部を有していることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項9】
前記センサ保持体は、前記シートに設けられた前記被取り付け部に対し、互いに面同士で接触させて取り付け可能なシート取り付け部を有していることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項10】
前記センサ保持体の表面には、前記生体センサの保持位置を外部に表示するための位置決め表示部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のセンサユニットを備えたセンサユニット付きシートであって、
クッションパッドに表皮材を被覆して構成されるシートクッションを備え、
前記センサユニットが前記シートクッション上において前記表皮材と前記クッションパッドの間に着脱可能に取り付けられていることを特徴とするセンサユニット付きシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサユニット及びセンサユニット付きシートに係り、特に、着座者が着座するためのシートに取り付けられるセンサユニット及びセンサユニット付きシートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両運転時において運転者の生体情報を計測する機能を備えた車両用シートが知られており、例えば、運転者の生体電位を検出する生体センサを用いて運転者の心拍を計測し、心拍の変化に異常が生じた場合に運転者に素早く報知することが可能な機能を備えたシートが知られている(具体的には、特許文献1参照)。
また、運転者の着座姿勢を検出する生体センサを用いて運転者の身体状態を推定し、推定結果に応じてシートのシート運動を制御し、運転者を疲労した状態から回復させる機能を備えたシートが知られている(具体的には、特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1に記載の車両用シートでは、シートバックを構成するクッションパッドとトリムカバーの間に静電容量結合型のシート状センサが複数配置されており、シート状センサから検出された着座者の生体電気信号に基づいて着座者の心拍を計測することが開示されている。このとき、複数のシート状センサは、クッションパッドに対して接着剤等で貼り付けられて固定されている。
また、特許文献2に記載のシート制御装置では、シートバック及びシートクッションの内部にそれぞれ体圧分布センサとしての圧電素子が複数固定されており、乗員の着座姿勢に応じた圧力を電圧信号に変換することで乗員の体圧分布を検出し、乗員の身体状態が疲労状態であると推定した場合には、乗員の疲労を回復させる運動を行うようにシートを制御することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-123359号公報
【特許文献2】特開2017-65504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1、2のような車両用シートでは、生体センサ(センサユニット)がシートバック(シートクッション)のクッションパッドに対して接着剤等で固定される構成となっているため、シートから生体センサを取り外すことが困難であった。
そうすると、ユーザーとなる着座者の要望に応じてセンサユニットの種類を交換し、生体センサから得られる生体情報に基づくアウトプット機能を変更することができず、シートの汎用性に欠ける虞があった。また、適切な交換時期にセンサユニットを交換できなくなる虞があった。
そのほか、ユーザーが車両用シートからセンサユニットを容易に取り外すことができ、車両用シートとは別の作業用イス等に取り付けることができれば、様々なシチュエーションにおいてセンサユニットに基づくアウトプット機能が利用可能になると期待されていた。
【0006】
また、特許文献1、2のような生体センサ付き車両用シートでは、シート状の生体センサがクッションパッドに対し接着剤や両面テープ等で固定されているものの、着座者側にある表皮材に対しては固定されておらず、生体センサの位置がずれてしまい、着座者の生体信号を安定的に検出できなくなる虞があった。
また、車両用シートに生体センサを取り付けるにあたって、シンプルな組み付け構成としながらも、着座者の着座フィーリングを配慮した工夫が求められていた。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ヒトが当接可能な対象物、特に着座者が着座するためのシートに対し容易に着脱することが可能なセンサユニット及びセンサユニット付きシートを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、乗り物用シートだけでなく作業用イス等の様々なシートであっても取り付けることが可能なセンサユニット及びセンサユニット付きシートを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、着座者の生体信号をより安定的に検出することが可能なセンサユニット及びセンサユニット付きシートを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、シンプルな組み付け構成としながらも、着座者の着座フィーリングを配慮したセンサユニット及びセンサユニット付きシートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、本発明のセンサユニットによれば、ヒトが当接可能な対象物に取り付けられるセンサユニットであって、前記ヒトの生体信号を検出する生体センサと、該生体センサと接続され、検出された前記生体信号を外部へ送信するための通信部と、前記生体センサ及び前記通信部を保持するセンサ保持体と、を備え、該センサ保持体は、前記対象物において前記ヒトが当接可能な位置に設けられた被取り付け部に対し、着脱可能となるように取り付けられる取り付け部を有していること、により解決される。
上記構成により、ヒトが当接可能な対象物に対し比較的容易に着脱することが可能なセンサユニットを実現することができる。
【0009】
このとき、着座者が着座するためのシートに取り付けられる前記センサユニットであって、前記生体センサは、前記着座者の生体信号を検出し、前記センサ保持体は、前記シートにおいて前記着座者が当接可能な位置に設けられた前記被取り付け部に対し、着脱可能となるように取り付けられる前記取り付け部としてのシート取り付け部を有していると良い。
上記構成により、着座用シートに対し比較的容易に着脱することが可能なセンサユニットを実現することができ、かつ、乗り物用シートだけでなく作業用イス等の様々なシートであっても取り付けることが可能なセンサユニットを実現できる。
【0010】
このとき、検出された前記生体信号を外部へ無線送信する前記通信部としての無線通信部と、前記生体センサ及び前記無線通信部と接続され、電力を供給するためのバッテリー部と、をさらに備えると良い。
上記構成により、従来のように車両用シートにおいてECU(Election Control Unit)や電源を別途要することなく、シンプルな構成となるセンサユニットを実現でき、ユーザーとなる着座者がシートから取り外して一層持ち運びし易くなる。
【0011】
このとき、前記センサ保持体は、袋状に形成されており、前記生体センサ及び前記通信部を袋内部に保持していると良い。
上記構成により、生体センサ及び通信部が、シート側の構成部品となるシートクッション(シートバック)の表皮材やクッションパッドに直接触れることがなくなるため、シートに対して生体センサ(通信部)の位置ずれを抑制することができ、かつ、生体センサ自体を保護することもでき、着座者の生体信号をより安定的に検出することができる。
なお、シート側の構成部品としては、ヘッドレストやアームレスト、オットマン等であっても良い。
【0012】
このとき、前記センサ保持体は、前記シートの着座部となるシートクッションの表面に設けられた前記被取り付け部としてのクッション凹部に対応した形状を有し、該クッション凹部の内部に収納されて取り付けられると良い。
上記構成により、シートクッションの表面にセンサユニットを取り付けた場合であっても、シートクッションの表面に凹凸が発生してしまうことを抑制できるため、シンプルな組み付け構成としながらも、着座者の着座フィーリングを配慮することができる。
【0013】
このとき、前記生体センサは、前記センサ保持体と前記シートクッションに設けられた前記クッション凹部との間に挟まれた状態で配置されていると良い。
上記構成により、シートに対し生体センサ(センサユニット)を一層安定させて取り付けることができる。
【0014】
このとき、前記センサ保持体は、複数の前記生体センサを保持し、該複数の生体センサは、シート幅方向及び/又はシート前後方向に間隔を空けて配置され、前記着座者が当接可能な位置に対応して配置されていると良い。
上記のように、センサ保持体が複数の生体センサを保持しているため、比較的シンプルな構成でシートに対し複数の生体センサをまとめて取り付けることができる。
【0015】
このとき、前記センサ保持体は、前記シートに設けられた前記被取り付け部に対し、該被取り付け部を間に挟むようにして取り付け可能なシート取り付け部を有していると良い。
上記構成により、シンプルな構成で、シートに対し着脱可能なセンサユニットとなる。
【0016】
このとき、前記センサ保持体の表面には、前記生体センサの保持位置を外部に表示するための位置決め表示部が形成されていると良い。
上記構成により、センサ保持体の外部から生体センサの取り付け位置を把握することができ、シートに対する生体センサの位置決めが容易となる。
【0017】
また、上記センサユニットを備えたセンサユニット付きシートであって、クッションパッドに表皮材を被覆して構成されるシートクッションを備え、前記センサユニットが前記シートクッション上において前記表皮材と前記クッションパッドの間に着脱可能に取り付けられているセンサユニット付きシートも実現することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ヒトが当接可能な対象物、特に着座用シートに対し容易に着脱可能なセンサユニットを実現することができ、かつ、様々なシートであっても取り付け可能なセンサユニットを実現できる。
また本発明によれば、着座者がシートから取り外して一層持ち運びし易くなる。
また本発明によれば、シートに対し生体センサの位置ずれを抑制でき、生体センサ自体を保護することもでき、着座者の生体信号をより安定的に検出することができる。
また本発明によれば、シンプルな組み付け構成としながらも、着座者の着座フィーリングを配慮することができる。
また本発明によれば、シートに対し生体センサ(センサユニット)を一層安定させて取り付けることができ、かつ、シンプルな構成でシートに対し複数の生体センサをまとめて取り付けることができる。
また本発明によれば、シートに対する生体センサの位置決めが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態のセンサユニット付きシートの外観斜視図である。
図2A】センサユニットの正面図である。
図2B図2AのII-II断面図であり、センサユニットの構成を示す図である。
図3】無線方式のセンサユニットのハード構成を示す図である。
図4】第2実施形態のセンサユニット付きシートの外観斜視図である。
図5】第3実施形態のセンサユニット付きシートの外観斜視図である。
図6】第4実施形態のセンサユニット付きシートにおいて、有線方式のセンサユニットのハード構成を示す図である。
図7図6の有線方式のセンサユニットのシート配置を示す図である。
図8】以下、第5実施形態のセンサユニット付きシートの外観斜視図である。
図9】有線方式のセンサユニットの正面図である。
図10A】センサモジュール及びクッション材の表面を示す斜視図である。
図10B】センサモジュール及びクッション材の裏面を示す斜視図である。
図11】以下、第6実施形態のセンサユニット付きシートの分解斜視図である。
図12】センサユニット付きシートの斜視図である。
図13】センサユニットの要部拡大図であって、シートバック(シートクッション)に対するシート取り付け部を示す図である。
図14】第7実施形態のセンサユニット付きシートの分解斜視図である。
図15】第8実施形態のセンサユニット付きシートの分解斜視図である。
図16】第9実施形態のセンサユニット付きシートの分解斜視図である。
図17】第10実施形態のセンサユニット付きシートの分解斜視図である。
図18】第11実施形態のセンサユニット付きシートの分解斜視図である。
図19A】センサユニットのシート取り付け部の別実施形態を示す図である。
図19B】シート取り付け部の別実施形態を示す図である。
図20A】センサユニット付きシューズの斜視図である。
図20B】センサユニット付きシューズの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る実施形態について図1図20A,Bを参照して説明する。
本実施形態は、着座者が着座するためのセンサユニット付きシートであって、センサユニットは、着座者の生体信号を検出する生体センサと、生体センサと接続され、検出された生体信号を外部へ無線送信するための無線通信部と、生体センサ及び無線通信部を保持するセンサ保持体とを備え、センサ保持体が、シートクッションの表面において着座者が当接可能な位置に設けられた被取り付け部に対し、着脱可能となるように取り付けられるシート取り付け部を有していることを特徴とするセンサユニット付きシートの発明に関するものである。
なお、センサユニット付きシートのシートバックに対して着座者が着座する側がシート前方側となる。
【0021】
本実施形態のセンサユニット付きシートSは、図1に示すように、車両用シートであって、シートクッション1と、シートバック2と、ヘッドレスト3と、アームレスト4とを備えるシート本体と、シート本体(シートクッション1)の内部に取り付けられ、シートに着座している着座者の生体電位に応じた電気信号を検出し、検出された電気信号を外部へ送信するセンサユニット30と、から主に構成されている。
【0022】
シートクッション1は、図1に示すように、着座者を下方から支持する着座部であって、骨格となる不図示のクッションフレームにクッションパッド10を載置して表皮材20で被覆されて構成されている。
シートバック2は、着座者の背中を後方から支持する背もたれ部であって、骨格となる不図示のバックフレームに不図示のクッションパッドを載置して不図示の表皮材で被覆されて構成されている。
ヘッドレスト3は、着座者の頭を後方から支持する頭部であって、芯材となる不図示のヘッドレストピラーに不図示のクッションパッドを載置して不図示の表皮材で被覆されて構成されている。
アームレスト4は、着座者の腕を下方から支持する腕部であって、シートバック2のシート幅方向の外側面に不図示の取り付けブラケットを介して回動可能に組み付けられている。
【0023】
クッションパッド10は、発泡ウレタン等からなるクッション材であって、図1に示すように、クッションパッド10の表面上のうち、シート幅方向の左右側方部分には、シート前後方向に延びる表皮吊り込み溝11と、左右の表皮吊り込み溝11を連結するようにシート幅方向に延びる表皮吊り込み溝12とがそれぞれ形成されている。
また、クッションパッド10の表面上のうち、センサユニット30に対向する部分には、着座フィーリングを確保すべく、センサユニット30の外形に対応したクッション凹部13が形成されている。
【0024】
表皮材20は、伸縮性を有する布材料や革材料等からなり、例えば、天然繊維や合成繊維からなるベース布に対し導電糸を必要に応じて縫製することで形成されている。
なお、表皮材20の裏面には、シートクッション1の着座感を向上させるべく、不図示のワディング材が取り付けられていても良い。
表皮材20の表面上のうち、表皮吊り込み溝12よりもシート前方部分、シート後方部分には、それぞれセンサユニット30を内部に収納するための表皮ポケット21,22が形成されている。また、左右の表皮吊り込み溝11よりもシート幅方向の外側部分においても、それぞれ表皮ポケット23,24が形成されている。
【0025】
表皮ポケット21~24は、表皮材20の本体部分の裏面に対し布材料等を別途縫製で取り付けることで形成される袋状のポケット部分であって、表皮材20の表面上に設けられたポケット開口部21a~24aを通じてセンサユニット30を収納することができる。
前後の表皮ポケット21,22は、シートクッション1のシート幅方向の中央部分に配置されており、それぞれシート前後方向に並ぶように配置されている。
また、左右の表皮ポケット23,24は、シート前後方向において互いに対向する位置に配置されている。
【0026】
センサユニット30は、図2A図2Bに示すように、生体センサ31aを含むセンサモジュール31と、センサモジュール31を保持する袋状のセンサ保持体32と、から主に構成されており、シートクッション1において着座者が当接可能な位置に設けられた表皮ポケット21~24(被取り付け部)に対し、着脱可能となるように取り付けられている。
【0027】
センサモジュール31は、図3に示すように、着座者の生体電位に応じた電気信号を検出する生体センサ31aと、電気信号を受信し外部へ無線送信するための無線通信部31bと、生体センサ31aで検出された電気信号を無線通信部31bへ送信する処理を行う制御部31cと、電力を供給するためのバッテリー部31dと、から主に構成されている。
生体センサ31aは、具体的には、着座者の呼吸信号(電気信号)を検出するセンサであって、より具体的には、着座者の着座圧を検出する面状の圧力センサである。
なお、「着座圧」とは、着座者がセンサユニット付きシートSに着座したときに着座者の生理的活動(呼吸)に応じて周期的に変化する値である。
無線通信部31bは、無線通信技術を利用して外部の端末、例えばタブレット端末、スマートフォン、PC等のコンピュータ、電気機器と接続し、電気信号(データ信号)の送受信をするものである。
制御部31cは、マイクロコンピュータに相当し、電気制御を総合的に実行するものであって、バッテリー部31dは、比較的小型なボタン電池である。
【0028】
センサ保持体32は、図2A図2Bに示すように、略矩形状の袋体からなり、センサモジュール31全体を下方から支持する略平板状のクッション材32aと、センサモジュール31全体を上方から覆うように取り付けられる布部材32bと、センサモジュール31、クッション材32a及び布部材32bを内部に収納する袋状のカバー材32cと、から主に構成されている。
布部材32bは、例えば不織布テープであって、その四方全ての端部が、クッション材32aの表面上に当接し貼り付けられている。なお、接着剤等で貼り付けられても良い。
カバー材32cは、一対の表皮カバーを面同士で重ね合わせて一端部を開口部分とし、残りの端部を縫製することで形成されており、カバー材32cの開口部分の内面には、カバー閉じ部32dとして一対の面ファスナーが設けられている。
また、カバー材32cの内部空間はクッション材32aの外形と略同じ大きさとなるように形成されており、カバー材32cの内部においてセンサモジュール31が位置ズレすることなく収納されている。
【0029】
センサ保持体32の表面には、センサモジュール31の保持位置を外部に表示するための位置決め表示部32eが矩形状の縫製ライン(ステッチ)として形成されている。なお、縫製ラインの代わりに別途矩形状のクッション材(ウレタンスラブ)を貼り付けても良い。
また、センサ保持体32の外面のうち、位置決め表示部32eが形成された表面とは反対側の裏面には、シートクッション1の表皮ポケット21~24(被取り付け部)に対し、互いに面同士で接触させて取り付け可能なシート取り付け部32fが設けられている。
【0030】
シート取り付け部32fは、例えば面ファスナーとして形成されても良いし、そのほか両面テープとして形成され、表皮ポケット21~24の内面に対し着脱可能な粘着力で取り付けられていても良い。面ファスナーを採用する場合には、シート取り付け部32fとしての一方の面ファスナー(例えばフック側)が、表皮ポケット21~24内面に設けられた他方の面ファスナー(例えばループ側)に対し着脱可能となるように構成すると良い。
【0031】
上記構成において、センサユニット30が、不図示の公知な心拍計測装置とネットワークを通じて接続されることで、センサユニット30から送信された着座者の呼吸信号(電気信号)に基づいて、心拍計測装置が着座者の心拍を計測し、心拍の変化に異常が生じた場合に着座者に素早く報知することが可能となる。
なお、センサユニット30からの電気信号に基づいて心拍数を算出する具体的な方法については、公知の算出方法(例えば、特開2015-123359号公報に記載の算出方法)が利用可能であって、具体的な説明については省略する。
【0032】
そのほか、ユーザーとなる着座者の要望に応じて生体センサの種類を変更し、生体センサから検出される生体情報に基づくアウトプット機能を変更することもできる。
具体的には、圧力センサのほか、温度センサや音センサ、光センサ、臭いセンサ、加速度センサ等を採用しても良い。
また、アウトプット機能としては、着座者の心拍の変化を計測して心拍の異常(居眠り状態)を着座者に報知するほか、着座者の着座姿勢を計測してシートのシート運動を制御しリラックスモードや骨格矯正モードを演出すること、着座者の生体情報(例えば、心電図や血圧、体温、呼吸等)に基づいて着座者に対しゲームや映像の演出をすること等が想定される。
【0033】
<センサユニット付きシートの第2実施形態>
次に、第2実施形態となるセンサユニット付きシートS2について、図4に基づいて説明する。
センサユニット付きシートS2では、センサユニット付きシートSと比較して、主にセンサユニット130の構成が異なっている。
センサユニット130は、センサモジュール131と、センサモジュール131を保持するブロック状のセンサ保持体132と、から主に構成されており、シートクッション101のクッションパッド110の表面上に形成された直方体状のクッション凹部113(被取り付け部)に対し、着脱可能となるように取り付けられている。
【0034】
センサモジュール131は、図3に示すセンサモジュール31と同じ構成となっている。
センサ保持体132は、直方体のブロックからなるパッド部材であって、クッション凹部113に対応する形状で形成されており、センサ保持体132の表面上には、センサモジュール131を収納するための収納凹部133が形成されている。
このとき、センサ保持体132(センサ保持体132の外側面)が「シート取り付け部」に相当し、クッション凹部113(被取り付け部)に対し着脱可能となるように取り付けられる。
【0035】
上記構成であっても、着座用シートに対し比較的容易に着脱することが可能なセンサユニットを実現することができ、かつ、乗り物用シートだけでなく作業用イス等の様々なシートであっても取り付けることが可能となる。
【0036】
<センサユニット付きシートの第3実施形態>
次に、第3実施形態となるセンサユニット付きシートS3について、図5に基づいて説明する。
センサユニット付きシートS3では、センサユニット付きシートSと比較して、主にセンサユニット230の構成が異なっている。
センサユニット230は、複数のセンサモジュール231と、複数のセンサモジュール231をまとめて保持するシート状のセンサ保持体232と、から主に構成されており、シートクッション201のクッションパッド210(被取り付け部)に対し、着脱可能となるように掛け止めされている。
【0037】
センサモジュール231は、図3に示すセンサモジュール31と同じ構成となっており、複数のセンサモジュール231が、シート幅方向及びシート前後方向に間隔を空けて配置され、着座者が当接可能な位置に対応して計4カ所配置されている。
センサ保持体232は、一枚の表皮材であって、クッションパッド210の中央部分の表面上に被覆可能な形状で形成されている。
センサ保持体232の裏面上には、複数のセンサモジュール231が面ファスナーや両面テープによってそれぞれ取り付けられている。
このとき、センサ保持体232が「シート取り付け部」に相当し、クッションパッド210(被取り付け部)に対し着脱可能となるように掛け止めされ取り付けられる。
【0038】
上記構成であっても、着座用シートに対し比較的容易に着脱することが可能なセンサユニットを実現することができ、かつ、乗り物用シートだけでなく作業用イス等の様々なシートであっても取り付けることが可能となる。
また、比較的シンプルな構成で着座用シートに対し複数の生体センサをまとめて取り付けることができる。
【0039】
<センサユニット付きシートの第4実施形態>
次に、第4実施形態となるセンサユニット付きシートS4について、図6図7に基づいて説明する。
センサユニット付きシートS4では、センサユニット付きシートSと比較して、センサユニット330が有線通信方式となっている。
センサユニット330では、図6に示すように、センサモジュール331が、生体センサ331aと、生体センサ331aと接続され、検出された生体信号を外部へ送信するための有線通信部331bとを有している。
有線通信部331bは、図7に示すように、生体センサ331aと、シートクッション301に設けられたECU340とを接続し、生体センサ331aから得られた生体信号をECU340に向けて出力する導電線及び導電線を束ねたハーネスである。
詳しく述べると、有線通信部331bは、センサ保持体332からシート下方に屈曲して延びてクッションパッド310の貫通孔を通過し、さらにシート前方に屈曲してクッションフレームの底面に沿って延びて、ECU340と接続されている。
ECU340は、センサユニット330で検出された生体信号を解析することで、着座者の心拍数を算出することが可能な公知な心拍計測装置の制御部分であって、クッションフレームの底面に取り付けられている。なお、ECU340の周辺部分には、不図示の電源バッテリーが設けられている。
【0040】
上記構成であっても、着座用シートに対し着脱することが可能なセンサユニットを実現することができ、種々の乗り物用シートにおいて交換可能なセンサユニットとなる。
【0041】
<センサユニット付きシートの第5実施形態>
次に、第5実施形態のセンサユニット付きシートS5について、図8図10A,Bに基づいて説明する。
センサユニット付きシートS5のセンサユニット430は有線通信方式となっている。
センサユニット430は、図8図9に示すように、センサモジュール431と、センサモジュール431を内部に保持するクッション状のセンサ保持体432と、から主に構成されており、シートクッション401及びシートバック402(被取り付け部)に対し、それぞれ着脱可能となるように取り付けられている。
以下、シートクッション401に設けられたセンサユニット430について説明する。
【0042】
センサモジュール431は、図9図10A,Bに示すように、複数の生体センサ431aと、複数の生体センサ431aと接続され、検出された生体信号を外部へ送信するための有線通信部431bとを有している。
生体センサ431aは、面状の圧力センサであって、シート幅方向及びシート前後方向に間隔を空けて配置され、着座者が当接可能な位置に対応して計6カ所配置されている。なお、センサの検出精度を高めるべく、生体センサ431aが、着座者の臀部に相当する位置に4カ所配置されている。
有線通信部431bは、生体センサ431aと、シートクッション401に設けられた不図示のECUとを接続する導電線及び導電線を束ねたハーネスである。
【0043】
センサ保持体432は、図8図9に示すように、一枚の座布団(クッション)であって、複数の生体センサ431aを下方から支持する略平板状のクッション材432aと、センサモジュール431及びクッション材432aを内部に収納する袋状のカバー材432cと、から主に構成されている。
センサ保持体432の四隅の裏面には、シートクッション401の表面に対し取り付け可能なシート取り付け部432f(面ファスナー)が取り付けられている。
【0044】
クッション材432aの表面には、生体センサ431aを収納するための複数の収納凹部433と、それぞれの収納凹部433に隣接して設けられ、有線通信部431b(導線)を貫通させるための線状のスリット穴434と、が形成されている。
上記構成において、有線通信部431b(導線)が、生体センサ431aからスリット穴434を貫通してクッション材432aの裏面まで延びている。また、当該クッション材432aの裏面において複数の有線通信部431bが束ねられてハーネスとして延びている。
なお、クッション材432aは、複層構造を有していても良い。その場合には、各層が接着剤等で固定されていると良く、また透明樹脂の台座を下敷き層として有すると良い。透明樹脂を採用することで、有線通信部431bの配線を容易に確認することができる。
なお、スリット穴434の長さ及び幅については適宜調整可能である。
【0045】
カバー材432cは、一対の表皮カバーを面同士で重ね合わせて一端部を開口部分とし、残りの端部を縫製することで形成されており、カバー材432cの開口部分の内面には、カバー閉じ部432dとして線ファスナーが設けられている。
カバー材432cの内部空間はクッション材432aの外形と同じ大きさとなるように形成されており、カバー材432cの表面上に複数の生体センサ431aが位置ズレすることなく収納されている。
カバー材432cの表面には、センサモジュール431の保持位置を外部に表示するための位置決め表示部432eが矩形状の縫製ラインとして形成されている。
なお、位置決め表示部432eのほか、センサユニット430の前後向き(左右向き)を位置確認するための位置決め表示部が別途形成されても良い。
【0046】
上記構成であっても、着座用シートに対し容易に着脱することが可能なセンサユニットを実現することができ、かつ、種々の乗物用シートにおいて交換可能なセンサユニットとなる。
また、比較的シンプルな構成で着座用シートに対し複数の生体センサをまとめて取り付けることができ、位置決めすることができる。
【0047】
上記構成において、図10Aに示すように、クッション材432aの表面には収納凹部433が形成されているところ、クッション材432aの裏面においても、有線通信部431bを収納するための収納凹部が別途形成されていても良い。
そのようにすれば、クッション材432aに生体センサ431a及び有線通信部431bが取り付けられたときに、クッション材432aの表面及び裏面が略面一となるため、着座者の着座感が良好となる。
なお、クッション材432aの表面及び裏面は略面一となることが望ましいが、特に限定されることなく、クッション材432aのうち、生体センサ431aを取り付けた部分がやや突出していても良いし、やや窪んでいても良い。
【0048】
上記構成において、図10Aに示すように、クッション材432aの表面には、生体センサ431aを位置決めするための収納凹部433が形成されているところ、代わりの位置決め方法として、所定のマーキング(三角マーキング)を施すことや、ガバリ(治具)を用いることとしても良い。
【0049】
<センサユニット付きシートの第6実施形態>
次に、第6実施形態のセンサユニット付きシートS6について、図11図13に基づいて説明する。
センサユニット付きシートS6では、センサユニット付きシートS5と比較して、主にセンサユニット530のシート取り付け部533の構成が異なっている。
センサユニット530は、生体センサ531aを含むセンサモジュール531と、センサモジュール531を内部に保持するクッション状のセンサ保持体532と、から構成されており、シートクッション501及びシートバック502(被取り付け部)に対し、それぞれ着脱可能となるように取り付けられている。
以下、シートバック502に設けられたセンサユニット530について説明する。
【0050】
センサ保持体532は、一枚の座布団(クッション)である。
センサ保持体532の長尺方向(上下方向)の両端部には、シートバック502の表面に対し取り付け可能なシート取り付け部533がそれぞれ取り付けられている。
【0051】
シート取り付け部533は、センサ保持体532の上端部に縫製によって取り付けられ、ヘッドレスト503側に向かって延びている上方カバー533aと、センサ保持体532の下端部に縫製によって取り付けられ、シートクッション501側に向かって延びている下方カバー533bと、を備えている。
上方カバー533aの延出方向の略中央部分には、ヘッドレスト503の一対のピラー503aを挿入するための一対の挿入穴534が形成されている。
また、上方カバー533aの延出端部には、シート幅方向に長尺な断面略J字形状の係合フック535(係合部材)が接着剤によって固定されている。
下方カバー533bの延出端部には、シート幅方向に長尺な矩形状の係合部材536(被係合部材)が接着剤によって固定されている。
係合フック535及び係合部材536は、樹脂製のトリムコードであって、係合部材536に対し係合フック535を掛け止めすることができる。
【0052】
上記構成において、シートバック502にセンサユニット530を取り付けるためには、まず図12に示すように、シートバック502に対しシート取り付け部533を覆うようにして取り付ける。具体的には、上方カバー533a及び下方カバー533bによってシートバック502の前面、上面、底面及び後面を被覆する。
このとき、上方カバー533aの挿入穴534に対し、ヘッドレスト503のピラー503aが挿入された状態にする。
そして図13に示すように、シートバック502の裏面の下端部において、下方カバー533bの係合部材536に対し、上方カバー533aの係合フック535を掛け止めする。
【0053】
なお、シートクッション501に設けられたセンサユニット530の取り付け方法も同様である。
具体的には、図12に示すように、シート取り付け部533によってシートクッション501の上面、前面、底面及び後面を被覆する。
そして図13に示すように、シートクッション501の後端部において、前方カバー533bの係合部材536に対し、後方カバー533aの係合フック535を掛け止めする。
【0054】
上記構成であっても、着座用シートに対し容易に着脱することが可能なセンサユニットを実現することができ、かつ、種々の乗り物用シートにおいて交換可能なセンサユニットとなる。
【0055】
<センサユニット付きシートの第7実施形態>
次に、第7実施形態のセンサユニット付きシートS7について、図14に基づいて説明する。
センサユニット付きシートS7では、センサユニット付きシートS6と比較して、センサユニット630のシート取り付け部633の構成が異なっている。
センサユニット630は、センサモジュール631と、センサモジュール631を内部に保持するクッション状のセンサ保持体632と、センサ保持体632の表面に取り付けられ、シートクッション601(シートバック602)に取り付け可能なシート取り付け部633と、から主に構成されている。
以下、シートクッション601に設けられたセンサユニット630について説明する。
【0056】
シート取り付け部633は、センサ保持体632の表面に縫製や接着剤によって取り付けられた長尺な表皮カバーであって、シートクッション601の表皮材620の一部としてクッションパッド610を被覆している。
シート取り付け部633の外縁のうち、前端部及びシート幅方向の両端部には、線ファスナー633aが全体にわたって設けられており、表皮材620に設けられた線ファスナー620aと一組になって噛み合わさることで、シートクッション601に対しセンサユニット630を取り付けることができる。
このとき、シート取り付け部633の外縁のうち後端部には、線ファスナー633aを設けないこととしている。そのようにすることで、センサユニット付きシートS7を容易に製造することができ、かつ、センサユニット630の組み付け作業も容易になる。
【0057】
上記構成により、表皮材を着せ替えるようにして、シートクッション601に対しセンサユニット630を取り付けることができる。
【0058】
<センサユニット付きシートの第8実施形態>
次に、第8実施形態のセンサユニット付きシートS8について、図15に基づいて説明する。
センサユニット付きシートS8では、センサユニット付きシートS6と比較して、センサユニット730のシート取り付け部733の構成が異なっている。
センサユニット730は、センサモジュール731と、センサモジュール731を内部に保持するクッション状のセンサ保持体732と、センサ保持体732の幅方向(シート幅方向)の両端部に取り付けられ、シートクッション701に取り付け可能なシート取り付け部733が取り付けられている。
なお、センサユニット付きシートS8は、シートクッション701をシート幅方向の外側から保護する樹脂製の保護カバー734を左右に備えている。
【0059】
シート取り付け部733は、センサ保持体732の左右両端部に縫製で取り付けられ、シート幅方向の外側に延びている左カバー733a及び右カバー733bを備えている。
左カバー733a、右カバー733bの延出端部が、それぞれシートクッション701及び保護カバー734の間に挟み込まれることで、シートクッション701に対しセンサユニット730を取り付けることができる。
【0060】
<センサユニット付きシートの第9実施形態>
次に、第9実施形態のセンサユニット付きシートS9について、図16に基づいて説明する。
センサユニット付きシートS9では、センサユニット付きシートS6と比較して、センサユニット830のシート取り付け部833の構成が異なっている。
センサユニット830は、センサモジュール831と、センサモジュール831を内部に保持するクッション状のセンサ保持体832と、センサ保持体832の上端部に取り付けられ、シートバック802に取り付け可能なシート取り付け部833が取り付けられている。
なお、センサユニット付きシートS8は、シートバック802の裏面において上方位置に取り付けられたJ字形状のフック834と、フック834よりも下方位置に配置され、シートバック802に対して回転可能に取り付けられたテーブル835と、を備えている。
【0061】
シート取り付け部833は、センサ保持体832の上端部に縫製で取り付けられ、上方に延びている長尺なカバーであって、ヘッドレスト803の一対のピラー803aを挿入するための一対の挿入穴833aと、フック834に掛け止めするための掛け止め穴833bと、を備えている。
また、シート取り付け部833の延出端部が、シートバック802及びテーブル835の間に挟み込まれている。
上記構成により、既存部品を利用して、シートバック802に対しセンサユニット830を取り付けることができる。
なお、既存部品としてアームレストを利用して、シートバック802に対しセンサユニット830を取り付けても良い。
【0062】
<センサユニット付きシートの第10、11実施形態>
次に、第10、第11実施形態のセンサユニット付きシートS10,S11について、図17図18に基づいて説明する。
センサユニット付きシートS10は、ソファタイプの着座シートである。当該シートS10のシートクッション901の表面にクッション状(座布団状)のセンサユニット930が着脱可能に取り付けられている。
センサユニット付きシートS11は、事務椅子タイプの着座シートである。
当該シートS11のシートクッション1001の表面にクッション状(座布団状)のセンサユニット1030が着脱可能に取り付けられている。
これらセンサユニット930,1030は、例えば面ファスナーを用いてシートクッション901,1001に取り付けられていると良い。
【0063】
<その他の別実施形態>
上記実施形態では、図1に示すように、センサユニット30がシートクッション1の内部に取り付けられているが、特に限定されることなく変更可能であって、シートバック2の内部に取り付けられていても良いし、ヘッドレスト3の内部に取り付けられていても良いし、アームレスト4の内部や外部に取り付けられていても良い。また、不図示のオットマンの内部や外部に取り付けられていても良い。
また、センサユニット30が、着座者が着座するためのシートに取り付けられているが、特に限定されることなく、ヒトが当接可能な対象物の内部や外部に取り付けられていても良い。
【0064】
上記実施形態では、図2Bに示すように、センサユニット30が、シートクッション1の表皮材20(表皮ポケット21~24)の面に対し取り付け可能なシート取り付け部32f(面ファスナーや両面テープ)を有しているが、特に面ファスナーや両面テープに限定されることなく変更可能である。
具体的には図19Aに示すように、センサユニット30Aが、シート取り付け部32Afとして矩形板状の磁石を内部に有しても良い。そのように構成すれば、センサユニット30Aが、シートクッションやシートバックのクッションパッドに設けられた金属ワイヤ(例えば、表皮材掛け止め用の金属ワイヤ)に対し、着脱可能となるように取り付けられることとなる。あるいは、シートクッションやシートバックの骨格となる金属フレームに対し、着脱可能となるように取り付けられる。
また具体的には、図19Bに示すように、センサユニット30Bが、シート取り付け部32Bfとして取り付けバンドを外面(裏面)に有していても良い。そのように構成すれば、シート取り付け部32Bfが、アームレスト(被取り付け部)の外面に対し、アームレストを間に挟むようにして着脱可能に取り付けられることとなる。
【0065】
上記実施形態では、図4に示すように、センサモジュール131(生体センサ)が、ブロック状のセンサ保持体132の表面上に収納されているが、特に限定されることなく、センサ保持体132の裏面上に設けられた収納凹部に収納されていても良い。
その場合、センサモジュール131(生体センサ)が、上下方向においてセンサ保持体132とシートクッション101(クッションパッド110)に設けられたクッション凹部113との間に挟まれた状態で配置されることとなる。
そのように構成すれば、シートに対し生体センサを一層安定させて取り付けることができる。また、センサ保持体132のブロックの厚みを極力小さくすることで、着座者の生体信号をより検出し易くすることもできる。
【0066】
上記実施形態では、図8に示すように、センサユニット付きシートS5が、クッション状(座布団状)のセンサユニット430を備えているところ、当該センサユニット430が、無線通信又は有線通信を利用した充電手段(充電部)をさらに有しても良いし、充電残量を表示する残量表示部を有しても良い。
また、センサユニット430が、着座者の携帯電話と無線通信し、当該携帯電話の表示部に、センシング情報に基づいた所定の演出画面を表示させる表示処理部を有しても良い。
また、センサユニット430が、センシング機能の故障を判定する故障判定部をさらに有しても良く、故障時には故障していることを報知する故障報知部(故障表示部)を有しても良い。なお、故障表示部は、着座者の着座面よりもシート前方位置に配置されていると良い。
また、センサユニット430の形状、生体センサ431aの形状について矩形状に限定されることなく、三角形状や円形状等であっても良く、位置決めし易い形状であると良い。
【0067】
上記実施形態では、図8に示すように、センサユニット430が一枚のクッション(座布団)として構成されているところ、当該クッションの外面や内面にポケット部をさらに有していても良い。このとき、当該ポケット部にECUやバッテリー、タブレット等が挿入されても良い。なお、当該ポケット部は、センサユニット430の本体部に対して着脱可能に取り付けられてると良い。
【0068】
上記実施形態では、図8に示すように、センサユニット430がシートクッション401に着脱可能に取り付けられている。そのため、独立してセンサ保持体432(カバー材432c)のデザインを変更したり、洗濯したりすることができる。
一方で、センサユニット430がシートクッション401(表皮材420)に一体的に取り付けられていても良い。そのようにすれば、センサユニット430の内部の電子部品を好適に保護することができる(外部に露出することを抑制できる)。
なお、表皮材420にセンサユニット430を一体的に取り付ける場合には、図10Aに示す生体センサ431a付きのクッション材432aをカバー材432cの内部に収納した後に、クッション材432a、カバー材432c及び表皮材420を一緒に縫製すると良い。
【0069】
上記実施形態では、図8に示すように、センサユニット430が、シートクッション401及びシートバック402に取り付けられ、着座者の着座圧をセンシングしているところ、その他のシート構成部品にさらに取り付けられても良い。
具体的には、センサユニット430が、アームレストやオットマン等に取り付けられても良い。
そのようにすれば、センサユニット430が着座者の着座圧をセンシングするだけでなく、着座者の手の動作や脚の動作についてもセンシングすることができる。
また、センサユニット430が、着座者の着座圧をリバーシブルにセンシングすることができても良い。そうすれば、シートクッション401上にセンサユニット430を裏返しにして取り付けることもでき、別のセンシング情報を取得することも可能となる。
また、センサユニット430が、前後逆さに取り付けられた場合であっても、左右逆さに取り付けられた場合であってもセンシングできると良い。その場合には、前後対称(左右対称)となるように生体センサ431aが配置されていると良い。
また、センサユニット430は一枚のクッション(座布団)であるところ、例えば2つ折りに畳むことができても良い。折り畳むときには、生体センサ431aや有線通信部431bが折り目を避けて配置されると良い。あるいは、敢えて折り目に重なるように配置されても良い。
【0070】
上記実施形態では、図10Bに示すように、クッション材432aの裏面において複数の有線通信部431b(導線)が束ねられて延びているところ、当該有線通信部431b(導線)の配策方向、ハーネスの配策方向については適宜変更可能である。
また、有線通信部431b(ハーネス)がセンサ保持体432の開口部から外側に飛び出しているところ、有線通信部431bの飛び出す位置については、センサ保持体432の開口部の隅でなくても良い。すなわち、センサ保持体432の開口部の中央部分であっても良いし、センサ保持体432の所定位置に別途形成した貫通穴の位置であっても良い。
【0071】
上記実施形態では、図11に示すように、センサユニット530がシートバック502に取り付けられているところ、センサユニット530が不図示のリクライニング装置を避けた位置に配置されていると良い。あるいは、リクライニング装置の構成部品を利用してさらに掛け止めするようにしても良い。
【0072】
上記実施形態では、図1図19A,Bに示すように、センサユニット付きシートS1-S11について説明しているが、着座シートに限定されることなく、例えば図20A,Bに示すようなセンサユニット付きシューズS12であっても良い。
センサユニット付きシューズS12は、シューズ内部においてセンサユニット1130付きの中敷き1101(インナ―ソール)を備えていると良い。
具体的には、センサユニット1130が複数設けられ、中敷き1101の上部に形成された収納凹部1101aにそれぞれ収納されていると良い。
そのほか、センサユニット付きの床であっても良い。
【0073】
上記実施形態では、具体例として自動車に用いられる車両用シートについて説明したが、特に限定されることなく、二輪車用の二輪シート、電車やバス等の車両用シート、飛行機や船等の乗り物用シートのほか、作業用の事務イス、車イス、ショッピングカートの子供用イス等の種々のシートに対して利用することができる。
【0074】
本実施形態では、主として本発明に係るセンサユニット及びセンサユニット付きシートに関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
特に、センサユニットの配置や構成について、上記の実施形態にて説明したものは、あくまで一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0075】
S,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8,S9,S10,S11 センサユニット付きシート
1,101,201,301,401,501,601,701,901,1001 シートクッション
2,402,502,602,802 シートバック
3,503,803 ヘッドレスト
503a,803a ピラー
4 アームレスト(被取り付け部)
10,110,210,310,610 クッションパッド
11,12 表皮吊り込み溝
13,113 クッション凹部
20,620 表皮材
620a 線ファスナー
21,22,23,24 表皮ポケット(被取り付け部)
21a,22a,23a,24a ポケット開口部
30(30A,30B),130,230,330,430,530,630,730,830,930,1030 センサユニット
31,131,231,331,431,531,631,731,831 センサモジュール
31a,331a,431a,531a 生体センサ
31b,331b,431b 無線通信部,有線通信部(通信部)
31c 制御部
31d バッテリー部
32,132,232,332,432,532,632,732,832 センサ保持体
32a,432a クッション材
32b 布部材
32c,432c カバー材
32d,432d カバー閉じ部
32e,432e 位置決め表示部
32f(32Af,32Bf),432f シート取り付け部(取り付け部)
133,433 収納凹部
434 スリット穴
533,633,733,833 シート取り付け部(取り付け部)
533a 上方カバー(後方カバー)
533b 下方カバー(前方カバー)
633a 線ファスナー
733a 左カバー
733b 右カバー
833a 挿入穴
833b 掛け止め穴
534 挿入穴
535 係合フック
536 係合部材
734 保護カバー
834 フック
835 テーブル
340 ECU
S12 センサユニット付きシューズ
1101 中敷き
1101a 収納凹部
1130 センサユニット
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20A
図20B