(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054348
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】ガス送達システム
(51)【国際特許分類】
A41D 13/005 20060101AFI20240409BHJP
A42B 3/28 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
A41D13/005 103
A42B3/28
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024021242
(22)【出願日】2024-02-15
(62)【分割の表示】P 2022113390の分割
【原出願日】2017-11-17
(31)【優先権主張番号】62/423,430
(32)【優先日】2016-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/813,157
(32)【優先日】2017-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519178032
【氏名又は名称】レインメーカー ソリューションズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】イエーガー、エデュアルド アルバート
(72)【発明者】
【氏名】シュタール、ロバート グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ボウルズ、ジェイコブ ティム
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザが装着するように適合されたヘッドギヤにガスを送達するためのガス送達システムを提供する。
【解決手段】流体送達システムのための磁気クイックコネクト106が、雄型カップリング部材と雌型カップリング部材を備える。雄型カップリング部材は、第1の外側流体連通経路を画定し、かつ第1の磁性材料を含む。第1の内側部材が第1の外側流体連通経路内に配置されて、第1の内側連通経路を画定する。雌型カップリング部材は、第2の外側流体連通経路を画定し、かつ第2の磁性材料を含む。第2の内側部材が第2の外側流体連通経路内に配置されて、第2の内側連通経路を画定する。雄型と雌型のカップリング部材は、第1と第2の磁性材料の間の吸引力によって着脱可能に一体保持され、第1と第2の外側連通経路が流体連通状態に保持され、かつ第1と第2の内側連通経路が流体連通状態に保持される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが装着するように適合されたヘッドギヤにガスを送達するためのガス送達システムであって、
ガス供給源と、
ユーザの少なくとも鼻及び/又は口を収容するように構成された内部領域を有するヘッドギヤと、
一端で前記ガス供給源に連通し、別の端部で前記ヘッドギヤの前記内部領域に連通する流体経路と、
前記流体経路に挿入された、磁気クイックコネクトであって、第1の磁気クイックコネクトカップリング部材と第2の磁気クイックコネクトカップリング部材とを含む前記磁気クイックコネクトと、
を備え、
前記第1の磁気クイックコネクトカップリング部材及び前記第2の磁気クイックコネクトカップリング部材の各々は、前記第1の磁気クイックコネクトカップリング部材及び前記第2の磁気クイックコネクトカップリング部材が互いに磁気的に係合する方向に対して直角である互いに対向する接合面を有し、
前記ヘッドギヤはインタフェースの入力チューブを含み、前記第1の磁気クイックコネクトカップリング部材は前記インタフェースの入力チューブに接続されており、
前記第2の磁気クイックコネクトカップリング部材は、前記流体経路の一部を画定するガス送達チューブに接続されており、
前記第1の磁気クイックコネクトカップリング部材と前記第2の磁気クイックコネクトカップリング部材とを軸方向に切り離すために、少なくとも48オンス(13.344ニュートン)以上の軸方向牽引力が必要であり、
前記第2の磁気クイックコネクトカップリング部材を前記第1の磁気クイックコネクトカップリング部材から切り離すのに必要な切り離し力は、前記第2の磁気クイックコネクトカップリング部材に接続された前記ガス送達チューブの一部が前記切り離し力を超える力を受けた場合に、前記ヘッドギヤを装着したユーザを傷つけることなく前記第1の磁気クイックコネクトカップリング部材と前記第2の磁気クイックコネクトカップリング部材とを切り離す力である、
ガス送達システム。
【請求項2】
前記ガス供給源は空気ファンを備える、請求項1に記載のガス送達システム。
【請求項3】
前記第1の磁気クイックコネクトカップリング部材は、前記インタフェースの入力チューブに取り外し可能に接続可能である、請求項1に記載のガス送達システム。
【請求項4】
前記第1の磁気クイックコネクトカップリング部材は、前記インタフェースの入力チューブと一体形成されている、請求項1に記載のガス送達システム。
【請求項5】
前記第2の磁気クイックコネクトカップリング部材は、前記ガス送達チューブを前記第2の磁気クイックコネクトカップリング部材に接続するように構成されたコネクタを含む、請求項1に記載のガス送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年11月15日に出願された米国特許出願第15/813,157号の継続出願であり、これは、2016年11月17日に出願された米国仮特許出願第62/423,430号の利益を主張する。この両者は、あたかも本明細書に完全に記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願はまた、2016年7月18日に出願された米国仮特許出願第62/363,334号にも関連する。これは、あたかも本明細書に完全に記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本出願はまた、2016年11月17日に代理人整理番号第RNMK0107PRV号で出願され、米国仮特許出願第62/423,415号に指定されたHYDRATION
AND AUDIO SYSTEMという名称の出願にも関連する。その開示はあたかも本明細書に完全に記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
本出願はまた、2016年11月17日に代理人整理番号第RNMK0111PRV号で出願され、米国仮特許出願第62/423,756号に指定されたHYDRATION
SYSTEMS AND COMPONENTS THEREOFという名称の出願にも関連する。その開示は参照により、あたかも本明細書に完全に記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
本開示は一般に流体送達システム及び流体送達システムの様々な構成要素に関する。より具体的には、本開示は磁気クイックコネクトを有する流体送達システム、及び流体送達システム用の磁気クイックコネクトに関する。更に具体的には、特定の実施形態が、例えば水分補給流体用に1つと空気用にもう1つの、2つの流体送達チャンネルを含む、流体送達システムと磁気クイックコネクトに関する。
【背景技術】
【0006】
医学的研究によれば、人の身体的及び精神的健康維持に対して、適切な水分補給維持の重要性が示されている。適切な水分補給を欠けば、重大な結果が発生し得る。これらの結果は、疲労感や吐き気から、意識喪失及びさらには死に至るまでの様々な程度に及ぶ。最適な健康状態を維持するために、医師は一般的に、通常状態で各個人が一日に少なくとも8オンスグラス(240ml)の水を8杯(合計で一日に1ガロン)飲むことを推奨する。人が身体運動をしているか、極端な環境条件にさらされているか、及び/又は体重超過している場合には、そのような条件下ではその人の流体損失速度が増大するので、その人が消費すべき流体量は一般的に増加する。したがって、人が運動しているか、作業しているか、又は単に休息しているかに拘わらず、適切な水分補給と(身体的と精神的の両方における)最大性能を維持するためには、規則的な流体摂取が必要とされ、それには摂取すべき流体が入手可能であることが必要である。
【0007】
入手性の問題への対処を助けるために、様々な携帯機器が開発されてきた。これらの機器には、例えばアルミニウムの水筒とプラスチックの水ボトルが含まれる。これらの機器は適度に軽く、耐久性がありかつ安価ではあるが、いくつかの用途において望まれ、又は極めて重要ですらあり得る、手を使わないで流体を消費する、ということはできない。さらに、これらは腰ベルト又はバックパックのポケットに扱い難い形で取り付けられていることが多く、特定の活動時にはそれらにアクセスすることは実行不能であり、不安全です
らある。その結果、これらの種類の携帯機器を使用する人は、あるべきよりも長い時間、流体なしで済ますことが多い。これは、人が水のボトルや水筒に安全に手を伸ばすためには、その活動の適切な休憩まで待たなければならないという理由によることが多い。不便さ及び/又は安全上の問題のために、これらの機器を使用する人はまた、どのような活動であれその活動中に、のどが渇いたと感じてから初めて、飲み物を取るための適切な休憩を見つけることが多い。しかしながら、このやり方では、人がのどが渇くまでに既に水分不足となっており、したがって、その身体はもはや最適なパフォーマンスを行い得なくなっていることが問題である。さらには、適切に水分補給するまでに長く待ちすぎると、身体は痙攣し始め、苦痛を起こし、かつ身体的活動に従事する個人の能力がさらに減少する可能性がある。その上、人は水を飲むことによって、水分不足からすぐに回復するものでもない。これは、一旦水分不足になると人体の細胞は停止し始めるからである。そして人体の細胞が回復して再び適切に機能し始めるには、水分再補給のゆっくりとしたプロセスによるしかない。
【0008】
最近、水のボトルや水筒よりもいくつもの利点を有し、流体送達機能及び利便性の改善された、個人用水分補給システムが開発された。これらのシステムは、パックに入れてユーザの背中や腰に付けられる、半剛性又は可撓性のあるバッグのような流体容器を含むことが多い。これらのシステムは、長い可撓性のある飲用チューブの一端が容器の出口部に接続され、他端がバイトバルブのあるマウスピースに繋がっているので、ユーザが様々なスポーツ、リクリエーション及び仕事関連の活動に従事しているときに、より頻繁に飲用可能となる。チューブは十分に長く、マウスピースをユーザの口まで持ってくることが可能であり、ユーザはいつでも容器から水を吸引することが可能となる。このタイプの個人用水分補給システム及びそのためのマウスピースの例は、米国特許第5,727,714号、第5,060,833号、第5,085,349号、第6,070,767号及び第7,490,740号明細書に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,727,714号明細書
【特許文献2】米国特許第5,060,833号明細書
【特許文献3】米国特許第5,085,349号明細書
【特許文献4】米国特許第6,070,767号明細書
【特許文献5】米国特許第7,490,740号明細書
【特許文献6】米国特許第7,073,688号明細書
【特許文献7】米国特許第6,283,344号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
個人用水分補給システムは、一般的には従来の水ボトルに対して顕著な進歩を与えたが、引き続きいくつかの欠点を有している。欠点の1つは、例えば、流体容器から下流の、水分補給システムの構成要素は、歴史的に永続的に相互固定されるか、きつい摩擦嵌合によって相互に固定されるかのいずれかであり、これは取り付けも取り外しも困難なものになりやすい。これらのタイプの接続構造は、適切な流体蜜シールを提供するが、流体蜜を提供することと、容器より下流の構成要素をユーザが迅速かつ繰り返し交換可能であることとの両方において最適であるわけではない。さらに、これらの構造は、緊急時又は何かが下流の構成要素の1つに引っかかったりした場合に、下流の構成要素を簡単かつ安全に外すことができる設計にはなっていない。
【0011】
米国特許第7,073,688号に記載されているような、機械的なクイックコネクトが、個人用水分補給システムの下流の構成要素の迅速かつ反復した接続および取り外しを
可能とするために使用されてきた。機械的クイックコネクトは、ユーザが迅速かつ容易に下流の構成要素を交換することも可能にする。その結果、機械的クイックコネクトは多くの用途において極めて有用である。ただし、機械的クイックコネクトの1つの欠点は、一旦接続されてしまうと、リリースボタンを押すことによってのみ取り外し可能なことである。このことは、複数のスポーツ活動や作業関連の活動において重大な安全上の問題を提起する。さらに、流体送達システムにおける機械的クイックコネクトの位置によっては、水分補給システムの接合部品上に提供されたクイックコネクトの雄型部材と雌型部材の接続及び/又は取り外しに、両手が実際に必要とされる場合がある。そして、機械的クイックコネクトはユーザが片手で、あるいは、接続又は切断する機械的クイックコネクトの雄型部材と雌型部材をユーザが目視することなしに、構成要素の取り付け、取り外しをできるようには設計されていないことは確かである。
【0012】
これらの従来システムの別の欠点は、飲用チューブがぶら下がったままであることである。結果として、ユーザが飲用チューブの末端にあるマウスピースをユーザの口から離すときに、チューブがユーザの口から落ちてしまい、次にまた飲み物が欲しいときに、ユーザはその飲用チューブを取り戻して口の中のマウスピースに装着する必要がある。ただし、例えば、ユーザが自転車、レーシングカーあるいはオートバイなどで高速移動しているようなある活動中に、ユーザが飲用チューブをこのように操作することは実用的でも(さらには安全でも)ない可能性がある。また、ユーザがマウスピースを常時口の中に入れていることも必ずしも実用的でも望ましくもない。
【0013】
ヘッドギヤは、ハンドフリーの水分補給に役立つように開発されてきた。ヘッドギヤは、飲用チューブのバイトバルブがユーザの口の前方に調節可能に配置できるように設計される。このタイプのヘッドギヤの様々な異なるタイプは、Bradleyへの米国特許第6,283,344号明細書に記載されており、これを参照により本明細書に援用する。Bradleyの特許に記載の様々なタイプのヘッドギヤはすべて、ユーザの頭に装着されて、飲用チューブの中間部がユーザの口の上方に垂直に位置するように設計されている。Bradleyの特許に使用される構成は、ユーザが自転車等に乗っているとき、流体が背中に取り付けた水分補給パックから重力又はサイフォンによってユーザに提供可能なように設計されており、それにより、水分補給用容器からユーザの口へ吸引するために、ユーザが飲用チューブの末端に位置するバイトバルブで吸い込まなければならない量が減る。ただし、Bradleyの特許に記載のヘッドギヤに使用されるすべてのコネクタは、摩擦嵌合タイプである。その結果、ヘッドギヤから流体容器まで延在する飲用チューブの部分は、ユーザが活動を行っている環境内の物体に引っかかる可能性がある。例えば、自転車に乗って木を通り過ぎるとき、木の枝が飲用チューブに引っかかることがあり得る。飲用チューブがこのように引っかかると、ヘッドギヤはユーザの頭から引きはがされ、及び/又はユーザが怪我をする可能性がある。
【0014】
個人用水分補給システムの別の欠点は、洗浄のためにユーザが容易にアクセス可能な容器を提供できないことであった。この問題に対処するために、概ね対向するリブにより画定される開口部を有し、そのリブ同士をZIPLOCK(登録商標)ブランドの保存バッグと同様に圧縮することでシールされる水分補給バッグが開発された。この問題に対する別の解決策は、キャンプで使用するドライバッグによく似た、トップ部分を巻き込むか折り畳むかして閉じる、巻き込み式トップ、あるいは折り畳み式トップの使用であった。この問題に対して提案された別の解決策は、米国特許第6,820,780号明細書に記載されており、そこには個人用水分補給システムが比較的大径の充填口と嵌合キャップとを有する水分補給バッグを含むように記載されている。これらの各手法の1つの不利な点は、水分補給バッグが極めて可撓性が高いために、ユーザが流体をこぼさないで水分補給バッグに満たすことが面倒か困難であることが多いことである。また、ユーザがバッグに最大容量まで充填することも困難である。さらには、水分補給バッグに充填するためには、
バッグをパックから外さなければならないし、バッグに充填した後はパックの中に詰め込んで戻さなければならないが、これは難しいことがある。
【0015】
上に述べたタイプの個人用水分補給システムの別の欠点は、ユーザは長い飲用チューブで水を吸い上げなければならないことである。このプロセスはストローを介して飲むことによく似ている。ユーザはマウスピースに含まれているバイトバルブを噛んで、マウスピースを吸って水又は他の流体を流体容器からユーザの口まで吸引する。容器からユーザまで流体が送達される速度は、吸引量と、システム内の流体の流れ抵抗の大きさに依存する。このプロセスはかなり単純で簡単であるが、状況によってはユーザにとって厄介である。例えば、ユーザが運動のために既にかなりのエネルギを使って息が荒くなっているか、又はユーザが恐らくは歳を取っているか、及び/又は虚弱である場合に、そうなりやすい。これは、ユーザが容器から流体を吸引して飲むときに、これらのシステムがユーザに呼吸を止めることも要求するからであり、それはユーザが既に激しく呼吸して、息が切れている場合などでは、必ずしも実用的ではない。
【0016】
水分補給システムには、ユーザが容器から流体を吸い上げたり、飲むときに息を止める必要がない様に、動力ポンプ又は加圧機構が提供されてきた。これらの機能を備えたこれまでの水分補給システムではいまだに、上で述べた多くのその他の欠点を有している。その上、ポンプハウジングを、水分補給バッグの出口部に簡単に接続および取り外しできるようには設計されていない。これは例えば、水分補給バッグにポンプを自在に接続又は取り外すことを困難にする可能性がある。またこの結果、ポンプ、電源、及びハウジングの重量が理想的ではない形で分布されてしまうことがある。
【0017】
ポンプを含むシステムの作動スイッチにも改良の余地がある。例えば、これらのいくつかのシステムの作動スイッチは、送達チューブそのものに配置されており、ユーザが実際にポンプを動作させるためには手をチューブまで伸ばす必要がある。ユーザが行っている活動によるが、そうすることが実用的である場合とそうでない場合とがある。作動スイッチも自転車のハンドルに配置されているが、この手法では、ユーザはスイッチを動作させるためにハンドルから片方の手を離すことが必要となる。これは自転車の経路及び速度の条件によっては安全でないことがある。Duncan Robinsによる米国特許出願第2004/0045980(A1)号明細書では、飲用チューブのマウスピースに口で動作させるスイッチを備えた、個人用水分補給システムが記述されている。ただし、Robinsの出願に記載された設計は、使用中はユーザがマウスピースを口に保持することが必要であり、これは多くの活動において必ずしも実用的ではないし、望ましくもない。これに代わり、前述した既知の吸引タイプ(すなわちポンプなし)の水分補給システムのように、ユーザが飲用しないときは飲用チューブを自由にぶら下げておき、飲用しようとするときに、飲用チューブをつかんでマウスピースを口に配置する、ということが可能である。ただし、従来の吸引タイプの水分補給システムと同様に、ユーザがこのように飲用チューブを操作することは、必ずしも常に実用的(あるいは安全)であるとは限らない。
【0018】
さらに、水分補給システム(ポンプ式、及びポンプなしの両方)において食塩及び/又は糖分を溶解した液体の使用が増えるに従い、水分補給システム及びその構成部品の清浄度がユーザにとって大きな関心となる。これは、水分補給システムに糖分を使用することで、捕捉された残留分及び/又はバクテリアの蓄積により、特にバイトバルブ、マウスピース、及び/又はポンプの領域に汚染を引き起こす可能性があるからである。したがって、容易に洗浄可能な、水分補給システム及び/又はその構成要素が望ましい。
【0019】
強制送気ヘルメットもまた、例えばレーシング業界においては既知である。強制送気ヘルメットは、ヘルメットの壁にあるポートを介してヘルメットの内部に連通する入力チューブのあるヘルメットインタフェースを有する。強制空気(これはドライバを涼しくさせ
るために冷却されていてもよいし、及び/又はドライバが呼吸する清浄空気の供給源を提供するために濾過されてもよい)の供給源がヘルメットインタフェースの入力チューブに接続される。例えば、ホースの遠位端がヘルメットインタフェースに接続され、かつホースの近位端が空気供給源に接続されてもよい。既知の強制送気システムでは、ホースは入力チューブに締まり嵌めによって接続される。多くの場合、締まり嵌めは、ホースが入力チューブと重なるホースの遠位端の周りをダクトテープ又はジップタイで包むことによって補完して、ホースと入力チューブの間の締まり嵌めの強度を更に補い、また使用時に嵌合が外れないようにする。ただしこれは、緊急時において、ドライバが車両から出ようとするか又は車両から引き出される必要がある場合には、安全上のリスクとなり得る。
【課題を解決するための手段】
【0020】
流体送達システムのための磁気クイックコネクトが、雄型カップリング部材と雌型カップリング部材とを備える。雄型カップリング部材には第1の端部と第2の接合端部が含まれる。雄型カップリング部材は、雄型カップリング部材内に延在する第1の外側流体連通経路を画定する内壁を有する。雄型カップリング部材はさらに、第1の外側流体連通経路内に配置された第1の内側部材を有する。第1の内側部材は、第1の外側流体連通経路内に延在する第1の内側流体連通経路を画定する。雄型カップリング部材はさらに、第2接合端部に隣接して配置された第1磁性材料を含む。
【0021】
雌型カップリング部材には第1の端部と第2の接合端部が含まれる。雌型カップリング部材は、雌型カップリング部材内に延在する第2の外側流体連通経路を画定する内壁を有する。雌型カップリング部材はさらに、第2の外側流体連通経路内に配置された第2の内側部材を有する。第2の内側部材は、第2の外側流体連通経路内に延在する第2の内側流体連通経路を画定する。雌型カップリング部材はさらに、第2接合端部に隣接して配置された第2磁性材料を含む。
【0022】
連結構成において、雄型と雌型のカップリング部材は、第1と第2の磁性材料の間の吸引力によって着脱可能に一体保持されて、第1と第2の外側連通経路が流体連通状態に保持され、かつ第1と第2の内側連通経路が流体連通状態に保持される。
【0023】
いくつかの手法において、雄型カップリング部材の第1の内側連通経路の少なくとも一部が、雄型カップリング部材の第1の外側流体連通経路内に同軸に延在する。同様にいくつかの手法において、雌型カップリング部材の第2の内側連通経路の少なくとも一部が、雌型カップリング部材の第2の外側流体連通経路内に同軸に延在する。
【0024】
雄型カップリング部材の第1の内側部材が突起を含み、いくつかの手法においてはテーパ付き突起を含む。雌型カップリング部材の第2の内側部材が、突起を収容するように適合された凹部を含み、いくつかの手法においてはその凹部はテーパ付きであってもよい。
【0025】
いくつかの手法において、第1の内側部材は、突起の周りに配置された内側Oリングを含む。雄型と雌型のカップリング部材が連結構成にあるとき、内側Oリングは、突起と第2の内側部材の凹部との間に液密シールを形成する。
【0026】
雌型カップリング部材はさらに、外側Oリングを含んでもよい。雄型と雌型のカップリング部材が連結構成にあるとき、外側Oリングは、雄型カップリング部材と雌型カップリング部材との間に流体密シールを形成する。
【0027】
雌型カップリング部材は第2の磁性材料に隣接して配置されたキャップを更に含んでもよい。
【0028】
第1の外側及び内側流体連通経路は好ましくは、第1の磁性材料と同軸に延在する。同様に、第2の外側及び内側の流体連通経路は好ましくは、第2の磁性材料と同軸に延在する。
【0029】
いくつかの手法において、第1の磁性材料はリング形状であって、第1の外側流体連通経路の周りに延在し、かつ第2の磁性材料はリング形状であって、第2の外側流体連通経路の周りに延在する。
【0030】
好ましくは、第1の磁性材料と第2の磁性材料の少なくとも1つは永久磁石である。第1の磁性材料と第2の磁性材料は、強磁性材料とフェリ磁性材料から成る群から選択される材料を備えてもよい。
【0031】
いくつかの手法において、雄型と雌型のカップリング部材を分離するためには、雄型カップリング部材と雌型カップリング部材との間に48重量オンス超で128重量オンス未満の軸方向牽引力が必要である。他の手法では、雄型と雌型のカップリング部材を分離するためには、雄型カップリング部材と雌型カップリング部材との間に64重量オンス超で96重量オンス未満の軸方向牽引力が必要とされる。更に他の手法では、雄型と雌型のカップリング部材を分離するためには、雄型カップリング部材と雌型カップリング部材との間に72重量オンス超で88重量オンス未満の軸方向牽引力が必要とされる。
【0032】
雄型カップリング部材は、雄型カップリング部材の第2接合端部に配置された第1カラーを更に含み、雌型カップリング部材は、雌型カップリング部材の第2接合端部に配置された第2カラーを更に含んでもよい。
【0033】
いくつかの手法において、第1の磁性材料は第1カラー内に配置され、第2の磁性材料は第2カラー内に配置される。
【0034】
第1カラーと第2カラーは、第1と第2のカラーの当接面に向かって開放された環状チャネルを画定してもよい。第1の磁性材料は第1カラー内に画定された環状チャネル内に配置され、第2の磁性材料は第2カラー内に画定された環状チャネル内に配置される。
【0035】
いくつかの手法において、第1カラーは、雄型と雌型のカップリング部材が連結されるときに、雌型カップリング部材に当接する、雄型カップリング部材の表面の少なくとも一部を画定し、第2カラーは、雄型と雌型のカップリング部材が連結されるときに、雄型カップリング部材に当接する、雌型カップリング部材の表面の少なくとも一部を画定する。
【0036】
いくつかの手法において、雄型カップリング部材と雌型カップリング部材の少なくとも1つは、雄型カップリング部材と雌型カップリング部材の少なくとも1つの第1端部に取り外し可能に固定可能なクランプ部を含む。このクランプ部は、少なくとも1つのカップリング部材にホースを固定するようになっている。
【0037】
更に他の手法においては、第1の内側部材と第2の内側部材のうちの少なくとも1つは、ホースを少なくとも1つの内側部材に固定するようになった返り付きのホースコネクタを含む。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】2流路の流体送達システムを含む個人用水分補給及び空気冷却システムを有する、例示的レーシングカーの図である。
【
図2A】マウスピースアセンブリ、磁気クイックコネクト、第1の流体を搬送する第1の流体チャネルを画定する配管、及び第2の流体を配管内に導入するためのスプライサを含む、2流路の流体送達システムを含む個人用水分補給及び空気冷却システムの分解斜視図である。
【
図2B】
図2Aの流体送達システムのスプライサと配管の断面斜視図である。
【
図3A】例示的な2流路流体送達システムのヘルメット構成を示す図である。
【
図3B】別の例示的な2流路流体システムのヘルメット構成を示す図である。
【
図5】
図4Aの磁気クイックコネクトの雄型カップリング部材の分解斜視図である。
【
図6】
図4Aの磁気クイックコネクトの雌型カップリング部材の分解斜視図である。
【
図7B】
図4Aの磁気クイックコネクトの分解側断面図である。
【
図9】水分補給システムの流体送達システムで使用されるマウスピースアセンブリの斜視図である。
【
図10】
図9のマウスピースアセンブリの分解斜視図である。
【
図11】
図9のマウスピースアセンブリの切断線11-11に沿う水平断面図である。
【
図12】水分補給システムの流体送達システムで使用される別のマウスピースアセンブリの分解斜視図である。
【
図13A】ヘルメット及びマウスピースアセンブリを含むヘッドギヤアセンブリの底面図である。
【
図14】ヘッドセット及びマウスピースアセンブリを含む別のヘッドギヤアセンブリの斜視図である。
【
図15】流体送達システムで使用される例示的作動システムの図である。
【
図16】2流路の流体送達システムを含む個人用水分補給及び空気冷却システムの代替実施形態を有する、例示的トロフィートラックの図である。
【
図17】分かり易くするためにトロフィートラックを取り除いた、
図16の個人用水分補給及び空気冷却システムの拡大図である。
【
図18】強制空気ヘルメットなどの強制空気ヘッドギヤで使用される磁気クイックコネクト、クイックコネクトホルダ、及びダストキャップを含む、キットの図である。
【
図19】強制空気ヘルメットの1つのタイプで使用される、
図18の磁気クイックコネクトの図である。
【
図20】レーシングカーの屋根に取り付けられた、
図18のクイックコネクトホルダの図である。
【
図21】
図18の磁気クイックコネクトのホース側コネクタが取り外し可能に取り付けられた、レーシングカーの屋根に取り付けられた
図18のクイックコネクトホルダの図である。
【
図22】強制空気ヘルメットに取り付けられた
図18の磁気クイックコネクトのヘッドギヤ側コネクタで使用される、
図18のダストキャップの図である。
【
図27】
図26の磁気クイックコネクトの切断線27-27に沿う側断面図である。
【
図29】
図26の磁気クイックコネクトの切断線29-29に沿う断面図である。
【
図30】
図23の磁気クイックコネクトのホース側コネクタを下流端部から見た斜視図である。
【
図31】
図23の磁気クイックコネクトのホース側コネクタを、端部キャップと磁性材料を取り除いて、下流端部から見た斜視図である。
【
図34】
図23の磁気クイックコネクトのヘルメット側コネクタを上流端部から見た斜視図である。
【
図35】
図23の磁気クイックコネクトのヘルメット側コネクタを、磁性材料を取り除いて、上流端部から見た斜視図である。
【
図36】
図34のヘルメット側コネクタの上流端部の図である。
【
図37】
図34のヘルメット側コネクタの下流端部の図である。
【
図38】
図21に示すように
図18のクイックコネクトホルダに取り外し可能に接続したときの、
図18の磁気クイックコネクトの、ホース側コネクタを貫通する側断面図である。
【
図39】
図18のダストキャップを取り外し可能に取り付けた状態での、
図18の磁気クイックコネクトの、ヘルメット側コネクタを貫通する断面図である。ヘルメット側コネクタを貫通する断面図は、
図34の切断線39-39に沿う。
【
図40】
図18のヘルメット側コネクタのクランプ部の斜視図である。
【
図41】ヘルメット側コネクタのクランプ部の側面図である。
【
図43】
図18のクイックコネクトホルダの正面斜視図である。
【
図47】
図30に示すホース側コネクタの下流すなわち接合端部に配置された端部キャップ及びOリングの正面図である。
【
図48】
図30に示すホース側コネクタの下流すなわち接合端部に配置された端部キャップの背面図である。
【
図49】
図47に示す端部キャップとOリングの組み合わせを貫通する断面図である。
【
図50】別のタイプの強制空気ヘッドギヤ、すなわち携帯型呼吸器ファンを有する、強制空気溶接ヘルメットで使用される、
図18の磁気クイックコネクトの図である。
【
図51】別のタイプの強制空気ヘッドギヤ、すなわち強制空気呼吸器フェイスシールドで使用される、
図18の磁気クイックコネクトの図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本明細書において本発明は特定の例に関して記述されているが、本発明の範囲はその特定の実施例に限定されないことを理解されたい。むしろ、当業者は、本開示を考察することにより、以下の教示は本明細書で具体的に述べる実施例よりもはるかに広範囲の種々の用途に使用可能であることを理解するであろう。
【0040】
ここで図面を参照する。図面全体を通じて、同様の参照番号は、同様又は対応する構成要素を指す。
図1及び
図2には、本開示による個人用水分補給及び空気冷却システム100が示されている。水分補給及び空気冷却システム100には複数の個別の態様が含まれ
る。水分補給及び空気冷却システム100の複数の個別の態様としては、例えば、流体送達システム101、ヘルメットインタフェース104を有するヘルメット103を含むヘッドギヤアセンブリ102、マウスピースアセンブリ112、磁気クイックコネクト106、第1と第2の配管部116、118を含むチューブ114、及びスプライサ108が含まれる。
【0041】
これらの様々な態様のそれぞれ、及び以下に記述する水分補給及び空気冷却システム100のその他の発明の特徴は、個別及び組み合わせの両方において、本開示によって企図される、明確かつ個別に特許性のある発明をなすことは、はっきりと理解されるべきである。したがって、例えばこれらの個別の態様のそれぞれはすべて、水分補給及び空気冷却システム100の例示的実施形態に組み込まれているが、これらの態様のそれぞれは個別に特許性があるので、本開示の精神から乖離することなく、他の多くの水分補給システム、空気送達システム、及び/又は流体送達システムに、個別又は集合的に使用可能であることは明確に理解されるべきである。したがって、本発明の開示は本明細書に記載の流体送達システムの実施形態に限られるものではないこともまた明確に理解されるべきである。実際に、本開示を考察することで当業者に明らかになるように、水分補給及び空気冷却システム100の1又は複数の態様は、本開示の範囲を逸脱することなしに、他の車両、個人用水分補給システム及び/又は流体送達システムに容易に組み込まれ得る。制限ではなく例示として、本開示の磁気クイックコネクトは、例えば、様々な動力付き又は供給式の空気送達呼吸器システムなどのガス送達システムを含む、個人用水分補給システムとは関係のない多数の流体送達システムに使用し得る。さらには、車両128の運転者側のみを示しているが、1又は複数の水分補給及び空気冷却システム100は、助手席又はリアシートなどの車両128の任意の適切な位置に提供することが可能である。
【0042】
本明細書で詳細を議論するように、個人用水分補給及び空気冷却システム100は、流体送達システム101及び1又は複数の流体供給源(たとえば、第1流体供給源120及び第2流体供給源122)を含み、さらにはオーディオ供給源(例えばオーディオ供給源124)を含み得る。流体送達システム101は、流体供給源120、122の下流のあらゆるもの含む。
【0043】
流体供給源及びオーディオ供給源は車両128のフレームに直接または間接的に支持可能であり、ユーザ126が流体供給源及び/又はオーディオ供給源を自分で搬送する必要がない。具体的には、
図1では、レーシングカーの形態の車両128を運転するユーザ126が示されている。流体供給源及び/又はオーディオ供給源は車両128のキャビン内に配置されて、ユーザ126の背後の位置で、車両128のフレームによって直接または間接的に支持できるようになっていてもよい。
【0044】
図1を参照すると、主流体送出チューブ114は第1のチューブ部116と第2のチューブ部118を有する。第1チューブ部116は、一端が第1流体供給源120に接続されている。第1流体供給源は好ましくは空気源であり、空気をユーザに移動させるファンを含んでもよい。空気は周囲の空気を吸引してもよいし、あるいは空気タンクから吸引してもよい。第1流体供給源120はユーザ126に空気を提供するために使用されてもよい。空気をユーザ126に供給することは、ユーザ126への冷却源の提供に望ましい可能性がある。いくつかの用途において、ユーザ126に濾過されたすなわち清浄な空気を提供することは、ユーザ126に呼吸のための清浄な空気源を確保させ、それによってレース又は他の活動中にユーザ126が望ましくないガスや塵粒子などの粒子を吸入することを制限する。こうして、水分補給及び空気冷却システム100には、ユーザ126への呼吸可能な空気源と共に、冷却源を供給する空気サブシステムが提供される。水分補給及び空気冷却システム100の空気サブシステムの任意の適切な部分にフィルタ又は他の媒体が含まれて、ユーザ126に供給される空気の品質を改良してもよい。例えば、供給源
120にファンが含まれる場合、ファンの入力にフィルタを設けてもよい。
【0045】
第1チューブ部116は、他端がスプライサ108に接続される。本明細書の別のところで詳細を述べるように、スプライサ108には、水分補給液をヘッドギヤアセンブリ102のマウスピースアセンブリ112に送達するために、水分補給入力チューブ110の一部、つまり配管導管110aを受けるように適合されたコネクタが含まれる。第2のチューブ部118は、一端がスプライサ108へ、そして他端が磁気クイックコネクト106へ接続される。磁気クイックコネクト106は一端がヘッドギヤアセンブリ102に固定される。より具体的には、磁気クイックコネクト106は、一端がヘルメット103のヘルメットインタフェース104に固定される。磁気クイックコネクト106を流体送達システム101の流体送達経路に介在させることは、流体送達システム101の上流構成要素の、流体送達システム101の下流の構成要素への取り付け、取り外しを容易にする。
【0046】
磁気クイックコネクト106は、
図1及び
図3Aに示すようにヘルメット103の低い領域でヘルメットインタフェース104に固定してもよいし、あるいは
図3Bに示すようにヘルメット103の上部領域で固定してもよい。
【0047】
いくつかの手法において、磁気クイックコネクト106はヘルメットインタフェース104でヘルメット103に直接連結される。例えば、ヘルメットインタフェース104には入力チューブが含まれ、磁気クイックコネクト106はヘルメットインタフェース104の入力チューブに連結されてもよい。さらに他の手法では、本明細書のどこかでより詳細を述べるように、磁気クイックコネクト106のヘルメット側部分がヘルメット103のヘルメットインタフェース104に直接組み込まれていてもよい。また、本発明の文書を考察することにより、流体送達システム101の液体サブシステム、空気サブシステム又は両方のサブシステムに対する広範な潜在的用途が存在することを当業者は理解するであろう。さらに、多くの用途では、フルフェースヘルメット103に取り付けられた流体送達システム101を含まない。実際に、本特許文書による流体送達システム101の態様を、広範な非ヘルメット型及び/又は非車両関連用途にユーザは使用可能である。水分補給及び空気冷却システム100は、広範なヘッドギヤアセンブリ102と共に使用され得ることが、明確に企図されている。2流路の流体送達システム101の例示的な潜在用途としては、例えば動力付き又は供給式の空気呼吸器が装備された、消防士のヘルメットがある。安全ヘルメット、溶接ヘルメット、保護面、化学防護服、バイオハザード防護服、フード、及びヘッドカバーを含む、動力付き又は供給式の空気呼吸器システムに接続されるように構成された他の保護システムもまた潜在的な用途であって、本特許開示による2流路流体送達システム101は、現状で水分補給の選択肢を欠いているそのような現行システムのユーザにも水分補給を可能とする。ただし、流体送達システム101の水分補給機能がこれらの保護システムのユーザにとって望ましくないとしても、磁気クイックコネクト106を動力付き又は供給式のこれらの保護システムに介在させて、空気送達システムにおける下流の構成要素の上流の構成要素への連結及び切り離しに利点があるようにしてもよい。
【0048】
流体送達システム101の液体サブシステムの態様は、同様に空気サブシステムなしで使用してもよい。例えば、多様なヘルメットを本特許開示のヘッドギヤアセンブリ102の形成に使用してもよい。それには、バイク用ヘルメット(ハーフ、スリークォータ、オープンフェース、及びフルフェース)、オートレース用ヘルメット(オープンフェース又はフルフェース)、自転車用ヘルメット、スケートボード用ヘルメット、スノーボード及びスキー用ヘルメット、登山用ヘルメット、軍用及び他の戦術用ヘルメット、消防ヘルメット、安全ヘルメット、並びに救助用ヘルメットなどがあるが、これに限るものではない。本特許開示のヘッドギヤアセンブリ102は、ヘルメット103以外のヘッドギヤ、例
えばヘッドブラケットで形成されてもよい。非ヘルメットベースのヘッドギヤアセンブリの例示的潜在用途には、バックパッカー、ジョガー、ハイカー、登山家、労働者、消防士、警官、及び軍人が例として挙げられる。
【0049】
次に
図4A~
図4Cを参照すると、磁気クイックコネクト106には、雄型カップリング部材130と雌型カップリング部材158が含まれる。ここで、雄型カップリング部材130と雌型カップリング部材158に関する本明細書に記載の特徴は、雄型カップリング部材130又は雌型カップリング部材158のいずれかに組み込まれ得ることが、明確に企図されている。さらに、雄型カップリング部材130と雌型カップリング部材158の位置は
図4A~
図4Cに示すものから反転していてもよい。したがって、例えば、磁気クイックコネクト106のカップリング部材は、下流カップリング部材及び上流カップリング部材と総称することもできる。
【0050】
雄型カップリング部材130には、第1の端部132と第2の接合端部134が含まれる。雄型カップリング部材130には、調節可能なクランプ部136が更に含まれる。調節可能なクランプ部136は「C型クランプ」の形状であってよく、例えばねじ又は他の締結具を介して雄型カップリング部材130に取り外し可能に接続可能であってよい。このように、調節可能なクランプ部136により、雄型カップリング部材130をヘルメット103のヘルメットインタフェース104に固定することが可能となる。例えば、ユーザが調節可能なクランプ部136を外して、ヘルメットインタフェース104の入力チューブなどの配管を雄型カップリング部材130内に配置することが可能である。次にユーザは、調節可能なクランプ部136を雄型カップリング部材130に再接続することにより、雄型カップリング部材130をヘルメット103のヘルメットインタフェース104に固定する。雄型カップリング部材130をヘルメット103に固定する、他の適切な機構及び締結具は、本明細書で明確に企図されている。
【0051】
図4Cに示すように、外側流体連通経路138が雄型カップリング部材130の第1の端部132から第2の接合端部134まで延在する。好適な手法においては、本明細書の別のところで詳細を述べるように、内側流体連通経路140が第2の接合端部134から雄型カップリング部材130の中へ延在する。
【0052】
図5を少しだけ参照すると、雄型カップリング部材130には、空洞144に配置された第1の磁性材料142が含まれる。第1の磁性材料142は、糊又は他の任意の適切な固定用締結具又は接着剤を使用して、空洞144内に固定できる。
【0053】
雄型カップリング部材130はさらに、外側流体連通経路138を画定する、外側経路壁146を含む。好適な手法では、外側流体連通経路138が、第1の供給源120からの大気又は供給空気の流れを雄型カップリング部材130を通して提供する。
【0054】
雄型カップリング部材130はさらに、外側流体連通経路138内に配置される内側部材148を含む。好適な手法では、内側部材148は外側経路壁146に取り外し可能にスプライン接続される。例えば、内側部材148には、1又は複数の、好ましくは3つのフィン150が設けられ、それが外側経路壁146に配置された溝152に係合するようになっていてもよい。溝152へのフィン150の係合が、内側部材148を雄型カップリング部材130内の所定位置に保持する役目をする。内側部材148は、任意の適切な手法によって所定位置に保持されてよい。例えば、内側部材14が取り外し可能な内側部材148であることが意図されている場合、フィン150が溝152と摩擦嵌合を形成してもよい。内側部材148が雄型カップリング部材130内に留まることが意図されている場合、接着剤を用いてフィン150を溝152に固定してもよい。さらに別の手法においては、内側部材148が雄型カップリング部材130と一体形成されてもよい。
【0055】
内側部材148は、内側流体連通経路140を画定する内側経路壁154を画定する。好適な手法では、内側流体連通経路140が、供給源122からの水又は他の水分補給用液体の流れを雄型カップリング部材130を通して提供する。いくつかの手法において、内側部材148には、受け部149が含まれて、配管導管111を受け部149内に受けるようになっている。他の手法(図示せず)において、内側部材148には、返り部分が含まれて、配管導管111を返り部分の周りに受けるようになっている。配管導管は、例えばマウスピースアセンブリ112に接続されてもよい。
【0056】
好適な手法においては、内側部材148が、外側経路壁146により画定される外側流体連通経路138と同軸の、内側流体連通経路140を提供する。内側部材148を雄型カップリング部材130と同軸に配置することは、例えばフィン150によって提供されてもよい。こうして、内側部材148が、内側流体連通経路140を介して、第1の流体(例えば水又は他の水分補給液)の連通を提供し、その一方で、雄型カップリング部材130が、外側流体連通経路138を介して、第2の流体(例えば空気)の連通を提供する。
【0057】
図4Cと
図5に示す手法においては、内側部材148の内側流体連通経路140は、外側経路壁146によって画定される外側流体連通経路138と同軸であるが、他の手法では、内側流体連通経路140は外側流体連通経路138と同軸ではない。そのような手法においては、内側流体連通経路140の中心軸は、外側流体連通経路138の中心軸に対して軸がずれている。更なる例においては、内側流体連通経路140は、外側流体連通経路138を画定する外側経路壁146の近傍に、又は隣接して、又は接触して、配置される内側経路壁154によって画定されてもよい。
【0058】
好適な手法においては、雄型カップリング部材130の内側部材148は、本明細書の別の所で詳細を議論するように、雌型カップリング部材158の内側部材180にある対応する凹部153と係合するための突起151を含む。特に好適な手法においては、突起151にはテーパがついており、凹部153を画定する壁には対応するテーパがついている。
【0059】
一手法において、内側部材148は、雄型カップリング部材130の外側経路壁146と一体形成されるか又はそれに恒久的に固定されて、内側部材148と雄型カップリング部材130が単一片を画定する。
【0060】
別の手法においては、内側部材148は雄型カップリング部材130に、取り外し可能に接続可能となっている。例えば、内側部材148のフィン150は、外側経路壁146の溝152に、取り外し可能に挿入可能となっていてもよい。雄型カップリング部材130にはさらにロック機構が備えられて、内側部材148を雄型カップリング部材130内の所定位置に固定してもよい。そのようなロック機構は、雄型カップリング部材130の外側経路壁146に対して内側部材148を僅かに回転させて、内側部材148のフィン150を1又は複数のロックタブに固定してもよい。こうして、ユーザは、ヘルメット103に2つの流体流を所望するときに内側部材148を雄型カップリング部材130内に挿入し、2つの流体流を所望しないか、又はそれが使用できないときに、内側部材148を雄型カップリング部材130から取り外すことが可能である。
【0061】
一手法において、雄型カップリング部材130はヘルメット103のヘルメットインタフェース104に取り外し可能に固定される。他の手法では、磁気クイックコネクト106のヘルメット側のカップリング部材(雄型又は雌型)は、ヘルメット103と一体的に形成される。例えば、雄型カップリング部材130がヘルメット103に統合されて、ヘ
ルメット103にヘルメットと一体化した磁気クイックコネクトインタフェースを提供してもよい。これは、外側流体連通経路138と、所望により、外側流体連通経路138内に配置された内側流体連通経路140と、配管側すなわち上流のカップリング部材(例えば雌型カップリング部材158)と着脱可能に連結して、それによって磁気クイックコネクト106を形成する、第1の磁性材料142とを有する。こうして、ヘルメットと一体化した磁気クイックコネクトインタフェースが、本明細書に記載の雄型カップリング部材130と実質的に同じように作用し得る。ヘルメットと一体化した磁気クイックコネクトインタフェースは、流体送達システム内の構成要素点数を減らす。
【0062】
磁気クイックコネクト106はさらに、第1端部160と第2接合端部162とを有する雌型カップリング部材158を含む。雌型カップリング部材158の第2接合端部162は、本明細書の他の所で述べたように、雄型カップリング部材130の第2接合端部134に固定(例えば磁気的に固定)されるようになっている。
【0063】
雌型カップリング部材158には、調節可能なクランプ部164が含まれる。雄型カップリング部材130の調節可能なクランプ部136と同様に、雌型カップリング部材158の調節可能なクランプ部164は、「C字型クランプ」の形態をとってよい。そして、例えばねじやそのほかの締結具を使用して、雌型カップリング部材158に、取り外し可能に接続可能であってよい。このように、調節可能なクランプ部164により、雌型カップリング部材158を配管部118などの配管に固定することが可能となる。例えば、ユーザは、調節可能なクランプ部164を外して、配管部118を雌型カップリング部材158の本体内に配置することが可能である。次にユーザは、調節可能なクランプ部164を雌型カップリング部材158に再接続することにより、配管部118を雌型カップリング部材158に固定することができる。配管を雌型カップリング部材158に固定する、他の適切な機構及び締結具は、本明細書で明確に企図されている。
【0064】
図4Cに示すように、外側流体連通経路166が雌型カップリング部材158の第1の端部160から第2の接合端部162まで延在する。好適な手法においては、本明細書の別のところで詳細を述べるように、内側流体連通経路168が第2の接合端部162から雌型カップリング部材158の中へ延在する。
【0065】
図6をちょっとだけ参照すると、雌型カップリング部材158には、空洞172に配置される第2の磁性材料170が含まれる。第2の磁性材料170は、糊又は他の任意の適切な固定用締結具又は接着剤を使用して、空洞172内に固定できる。第2の磁性材料170は、雄型カップリング部材130の第1の磁性材料142と、同じ又は類似であってよい。第1と第2の磁性材料は、強磁性材料とフェリ磁性材料から成る群から選択される材料を備えてもよい。好ましくは、第1と第2の磁性材料の少なくとも1つは永久磁石である。第1と第2の磁性材料142、170は、両者間の磁気的な引力が雄型カップリング部材130と雌型カップリング部材158とを着脱可能に保持し、好ましくはOリング178を十分に圧縮して気密又は実質的に気密のシールを付与するほどの、十分な磁気特性を有するように選択される。結果として、磁気クイックコネクト106の雄型と雌型のカップリング部材130、158は、相互に、迅速かつ繰り返し、接続および取り外しをすることが可能である。
【0066】
雌型カップリング部材158はさらに、外側流体連通経路166を画定する、外側経路壁176を含む。好適な手法では、外側流体連通経路166が、第1の供給源120からの大気又は供給空気の流れを雌型カップリング部材158を通して提供する。
【0067】
雌型カップリング部材158の外側流体連通経路166は、例えば
図4Cに示すように、雄型カップリング部材130の外側流体連通経路138との流体連通を提供するような
、寸法及び配向である。
【0068】
雌型カップリング部材158はさらに、外側流体連通経路166内に配置された内側部材180を含む。好適な手法では、内側部材180は外側経路壁176に取り外し可能にスプライン接続される。例えば、内側部材180には、1又は複数の、好ましくは3つのフィン182が設けられ、それが外側経路壁176に配置された溝184に係合するようになっていてもよい。溝184へのフィン182の係合が、内側部材180を雄型カップリング部材158内の所定位置に保持する役目をする。
【0069】
内側部材180は、内側流体連通経路168を画定する内側経路壁186を画定する。好適な手法では、内側流体連通経路168が、供給源122からの水又は他の水分補給用液体の流れを雌型カップリング部材158を通して提供する。いくつかの手法において、内側部材180には、返り付きの部分181が含まれて、配管導管110bの一端を返り付きの部分181に受けるようになっている。他の手法では、内側部材180は、雄型カップリング部材130の受け部149と同様に、配管導管110bの端部を受け部内に受けるように適合された受け部を含んでもよい。配管導管110bのもう一方の端部は、本明細書の他の所で詳細を述べるように、例えばスプライサ108の出口ノズル198に接続されてもよい。
【0070】
好適な手法においては、内側部材180が、外側経路壁176により画定される外側流体連通経路166と同軸の、内側流体連通経路168を提供する。内側部材180を雌型カップリング部材158内に同軸に配置することは、例えばフィン182によって提供されてもよい。こうして、内側部材180が、内側流体連通経路168を介して、第1の流体(例えば水又は他の水分補給液)の連通を提供し、その一方で、雌型カップリング部材158が、外側流体連通経路166を介して、第2の流体(例えば空気)の連通を提供する。
【0071】
図4Cと
図6に示す手法においては、内側部材180の内側流体連通経路168は、外側経路壁176によって画定される外側流体連通経路166と同軸であるが、他の手法では、内側流体連通経路168は外側流体連通経路166と同軸ではない。そのような手法においては、内側流体連通経路168の中心軸は、外側流体連通経路176の中心軸に対して軸方向にずれている。更なる例においては、内側流体連通経路168は、外側流体連通経路166を画定する外側経路壁176の近傍に、又は隣接して、又は接触して、配置される内側経路壁186によって画定されてもよい。ただし、雄型及び雌型のカップリング部材130、158は、それらが連結しているときは、外側流体連通経路138、166は互いに流体連通し、かつ内側流体連通経路140、168は互いに流体連通するが、外側流体連通経路138、166と内側流体連通経路140、168は相互に分離されるように、構成されるべきである。
【0072】
図4Cに示すように、好適な手法においては、雌型カップリング部材158の内側部材180は、雄型カップリング部材130の内側部材148にある対応する突起151を受けるための凹部153を含む。特に好適な手法においては、凹部153にはテーパがついており、突起151には対応するテーパがついている。
【0073】
テーパ角は、突起の軸から15°~50°の範囲であり、より好ましくは20°~40°の範囲であり、さらに好ましくは25°~35°である。このように、突起151及び突起を受ける領域、すなわち凹部153にテーパがついていることは、雄型と雌型のカップリング部材が、互いに自動的に中心合わせすることを支援する。また、Oリング156と突起受け面との間のシールの品質を向上させる。
【0074】
雄型と雌型のカップリング部材130、158の間に、液密又は実質的に液蜜のシールを提供するために、内側部材148の突起151に、Oリング156が備えられてもよい。Oリング156は、雄型と雌型のカップリング部材130、158が一緒に連結されたときに、突起151と凹部153を画定する壁との間に圧縮されるような、位置と寸法である。
【0075】
雄型と雌型のカップリング部材130、158の間に、気密又は実質的に気密のシールを提供するために、Oリング178が、雄型と雌型のカップリング部材130、158のそれぞれの、2つの接合端部134、162の間で、圧縮されるように提供されてもよい。好ましくは、Oリング178は、雄型と雌型のカップリング部材130、158が一緒に連結されるとき、雄型カップリング部材130の、外側流体連通経路138の外側経路壁146と外側面130aの間の環状領域、及び雌型カップリング部材158の、外側流体連通経路166の外側経路壁176と外側面158aとの間の環状領域において、圧縮されるような位置となっている。Oリング178は、雄型又は雌型のカップリング部材130、158のそれぞれの接合端部のいずれかに設けられてもよい。ただし、例示の実施形態においては、雌型カップリング部材158の接合端部162に設けられたキャップ174に配置されている。
図6で最もよくわかるように、Oリング178は好ましくはキャップ174に設けられた環状溝に配置される。
【0076】
Oリング178を環状溝内に保持するために接着剤が用いられてもよい。より望ましくは、環状溝はC字形であり、溝の開口がOリングの直径よりも狭くなっている。こうして、溝の壁がOリングをキャップ174内に保持するようになっている。C字型の溝は、キャップの3D印刷によりキャップ174内に形成してもよいし、あるいは、
図27~
図28及び
図47~
図49に関連して後で述べるように2つの同心リングを用いて形成してもよい。
【0077】
一手法において、内側部材180は、雌型カップリング部材158の外側経路壁176と一体形成されるか又はそれに恒久的に固定されて、内側部材180と雌型カップリング部材158が単一片を画定する。
【0078】
別の手法においては、内側部材180は雌型カップリング部材158に、取り外し可能に接続可能となっている。例えば、内側部材180のフィン182は、外側経路壁176の溝184に、取り外し可能に挿入可能となっていてもよい。雌型カップリング部材158にはさらにロック機構が備えられて、内側部材180を雌型カップリング部材158内の所定位置に固定してもよい。そのようなロック機構は、雌型カップリング部材158の外側経路壁176に対して内側部材180を僅かに回転させて、内側部材180のフィン182を1又は複数のロックタブに固定してもよい。こうして、ユーザは、ヘルメット103に2つの流体流を所望するときに内側部材180を雌型カップリング部材158内に挿入し、2つの流体流を所望しないか、それが使用できないときに、内側部材180を雌型カップリング部材158から取り外すことが可能である。
【0079】
図示した実施形態では、磁気クイックコネクト106の下流端に雄型カップリング部材130があるが、他の実施形態において、雌型カップリング部材158が磁気クイックコネクト106の下流端にあってもよい。
【0080】
説明した手法では、磁気クイックコネクト106が、ヘッドギヤアセンブリ102の近位端となっているが、他の手法において、磁気クイックコネクト106は流体送達システム101の流体送達経路内の異なる位置に挿入されてもよい。いくつかの手法においてはさらに、第2の磁気クイックコネクトが流体送達システム101で画定される流体送達経路の1つまたは両方に含まれてもよい。
【0081】
接続されると、雄型カップリング部材130と雌型カップリング部材158が全体として磁気クイックコネクト106を形成する。雄型カップリング部材130と雌型カップリング部材158のアライメントは、雄型カップリング部材130の内側部材148を雌型カップリング部材158の内側部材180に整列させることによって促進することができる。例えば
図4Cに示すように、雌型カップリング部材158の内側部材180には、雄型カップリング部材130の内側部材148のテーパのついた(例えば円錐形の)突起151とOリング156を受けるようになったテーパ付きの凹部153が含まれてもよい。テーパ角は好ましくは前述の範囲に設定される。
【0082】
また、例えば
図4Cに示されるように、接続されると、雄型カップリング部材130の外側流体連通経路138は、雌型カップリング部材158の外側流体連通経路166と流体連通する。こうして、空気などの流体が第1の流体連通チャネル167(これには磁気クイックコネクト106の外側流体連通経路138、166が含まれる)を介して自由に流れることができ、空気源(例えば第1の流体供給源120)からヘッドギヤアセンブリ102へ空気を連通させることが可能である。
【0083】
同様に、接続されると、雄型カップリング部材130の内側流体連通経路140は、雌型カップリング部材158の内側流体連通経路168と流体連通する。こうして、水や他の水分補給液などの第2の流体が第2の流体連通チャネル169(これには磁気クイックコネクト106の内側流体連通経路140、168が含まれる)を介して自由に流れることができ、供給源(例えば第2の流体供給源122)からヘッドギヤアセンブリ102へ水分補給液を連通させることができる。
【0084】
磁気クイックコネクト106の雄型及び雌型のカップリング部材130、158は、それらを連結又は解放しようとするときにユーザ126が片手で、かつ実際にカップリング部材130、158を見ないで、カップリング部材130、158及びその関連構成要素を連結及び解放できるように構成されてもよい。例えば、雄型と雌型のカップリング部材130、158では、2つのカップリング部材130、158間の磁気的な吸引力が、ユーザ126が2つのカップリング部材を相互に近くに持ってくるだけで(必ずしも接触させなくても)、2つのカップリング部材130、158間の磁気的な吸引力で2つのカップリング部材130、158が自動的に整列されて流体蜜に連結されるように構成されてもよい。結果として、ユーザ126は結合又は解放するときに磁気クイックコネクト106の雄型及び雌型のカップリング部材130、158を目視可能である必要がない。さらに、カップリング部材130、158の間の磁気吸引力の大きさが増加するに連れて、ユーザ126は、2つのカップリング部材130、158間の磁気的な吸引力で部材130、158を自動的に整列させて流体蜜に連結させるために、カップリング部材130、158をそれほど近くにまで持ってくる必要がなくなる。
【0085】
また、雌型カップリング部材158を放して、2つのカップリング部材130、158間の磁気的な吸引力が整列を完成させて部材130、158を互いに流体蜜に連結させるようにするために、ユーザ126は、2つのカップリング部材130、158間の磁気的な吸引力により与えられる触覚的なフィードバックを頼りに、雌型カップリング部材158を雄型カップリング部材130に十分近づけたかまた十分に整列させたかどうかを知ることが可能である。磁気吸引力の結果として2つのカップリング部材130、158が連結されるとき、2つのカップリング部材が流体蜜に一体化したことにより、聞き取れる「クラック」音のような、はっきりした聞き取り可能な音が生成されるように、2つのカップリング部材130、158間の磁気的な吸引力の大きさを設定することも可能である。その結果、ユーザ126は、2つのカップリング部材を連結するときにそれを可視化しなくても、クラック音又は他の明確な音を聞いて、カップリング部材130、158が流体
蜜に適切に連結されたことを確認できる。
【0086】
さらには、流体送達システム101の流体送達経路に磁気クイックコネクト106を含めることで、広範なユーザ又は用途に対して、従来の既知の水分補給システムの設計よりも流体送達システム101の安全性もまた大幅に高められる。例えば、雄型と雌型のカップリング部材130、158は、2つのカップリング部材130、158を互いに近づけた時にそれらの間の磁気吸引力が部材130、158を自動的に整列させて連結するのに十分であるように構成されるが、雄型と雌型のカップリング部材130、158を引き離すのに要する力の大きさを、ユーザ126が車両128を運転中に配管114の一部に力がかかったとしても、ユーザ126を傷つけることなく連結部材が外れるような程度に設定することも可能である。同様に、ユーザ126が車両128を衝突させたか、あるいはユーザ126が急いで車両128のキャビンから退出しなければならない何かほかの緊急事態が発生した場合に、ユーザ126が車両128から退避するか、ユーザ126がレース場のクルーによって車両128から救出される際に、雄型と雌型カップリング部材130、158は容易かつ自動的に分離されるようになっている。これらの安全機能は、車両128のキャビン内での火事や、ユーザ126の脊椎損傷の場合に特に重要であろう。
【0087】
カップリング部材130、158間の磁気吸引力は、例えば、(i)第1及び/又は第
2の磁性材料142、170の厚さを増やす、(ii)相手の磁性材料に対向する第1及び/又は第2の磁性材料142、170の磁極の断面積(「対向断面積」)を増やす、(iii)第1及び/又は第2の磁性材料142、170の磁束密度(B)及び/又は磁化(M
)を増やす、及び/又は(iv)第1と第2の磁性材料142、170と、雄型と雌型のカップリング部材130、158の接合端134、162の接合面とのそれぞれの間の任意の非磁性材料の厚さ及び/又は透磁率(μ)を減らす、ことによって増加させることが可能である。反対に、カップリング部材130、158間の磁気吸引力は、例えば、パラメータ(i)~(iv)を反対方向に調節することにより減少させることが可能である。
【0088】
いくつかの方法において、雄型と雌型のカップリング部材を分離するためには、雄型カップリング部材と雌型カップリング部材との間に48重量オンス超で128重量オンス未満の軸方向牽引力が必要である。他の手法では、雄型と雌型のカップリング部材を分離するためには、雄型カップリング部材と雌型カップリング部材との間に64重量オンス超で96重量オンス未満の軸方向牽引力が必要とされる。更に他の手法では、雄型と雌型のカップリング部材を分離するためには、雄型カップリング部材と雌型カップリング部材との間に72重量オンス超で88重量オンス未満の軸方向牽引力が必要とされる。
【0089】
再び
図1を参照すると、車両128には磁気クイックコネクトホルダ202が備えられてもよい。磁気クイックコネクトホルダ202は好ましくは、車両128内のユーザの頭の近く(例えば車両の屋根又は側壁)に配置される。磁気クイックコネクトホルダ202は、雌型カップリング部材158を受ける寸法である。雄型カップリング部材130と同様に、磁気クイックコネクトホルダ202は、雌型カップリング部材158と磁気的に結合するための第1の磁性材料を含む。こうして、雄型カップリング部材130から雌型カップリング部材158を分離すると、ユーザ126は雌型カップリング部材158を車両128に取り付けられた磁気クイックコネクトホルダ202にしっかりと連結させて、磁気クイックコネクト106の上流部分(及びそこに接続された流体送達システム101の上流部分)を、次にすぐ使用可能となるようにしておくことができる。雌型カップリング部材158が一貫してアクセス可能な状態に維持されるので、例えば、ドライバが交代する時、又はドライバが車両128のメンテナンスを遂行しようとするときに、磁気クイックコネクトホルダ202により、必要とされる迅速なドライバの離脱及び到着が可能となる。さらに、雌型カップリング部材158を不使用時に磁気クイックコネクトホルダ202に固定することによって、雌型カップリング部材158の内側及び外側流体連通経路1
68、166は、効果的に密閉される。こうして、不使用時に、磁気クイックコネクト106のホース側コネクタ158への埃、破片、ガスの侵入が阻止される。
【0090】
他の手法においては、雌型カップリング部材158は車両128に、直接固定されるようになっていてもよい。これは例えば、車両128が、金属製ロールケージの内表面などの、磁性面を含む場合に可能である。
【0091】
図1に示すように、水分補給及び空気冷却システム100は、流体を流体送達システム101に連通するための第2の流体供給源122を含む。第2の流体供給源122は好ましくは、水や他の水分補給液などの、飲料液を備え、かつ飲料液を貯蔵する容器と飲料液を配管流体送達システム101を介してユーザ126へ送るためのポンプとを含んでもよい。このように、水分補給及び空気冷却システム100は飲用可能液体をユーザ126へ供給する水分補給サブシステムを含む。本明細書の他の所で詳細を述べるように、水分補給サブシステムは、水分補給流体送達又は入力チューブ110とヘッドギヤアセンブリ102とを含み、ヘッドギヤアセンブリには、ヘルメット103内のユーザの口の近くに支持されたマウスピースアセンブリ112が含まれる。ヘッドギヤアセンブリ102のマウスピースアセンブリ112は、磁気クイックコネクト106と入力チューブ110を介して第2の流体供給源122と流体連通して接続される。
【0092】
図示した実施形態では、水分補給入力チューブ110は、チューブ導管110a、チューブ導管110b、及びチューブ導管110a、110bを流体連通して接続するスプライサ108における第2の流体チャネル200を含む。他の実施形態では、水分補給入力チューブ110には、供給源122から磁気クイックコネクト106までの流体送達経路を構成する、追加の又はより少ない構成要素が含まれてもよい。
【0093】
例えば
図1、
図2、
図3A、
図3Bに示すように、チューブ114で部分的に画定される第1の流体連通チャネル167内に配置された第2の流体連通チャネル169の中へ水分補給液(例えば水)を送達するために、流体送達システム101には、チューブ114のチューブ部116と118の間に配置されたスプライサ108が設けられてもよい。スプライサ108は、第2の流体連通チャネル169を第1の流体連通チャネル167内に接合又は挿入する。その結果、第2の流体連通チャネル169が、スプライサ108から、少なくともヘッドギヤアセンブリ102のヘルメットインタフェース104までの下流で、第1の流体連通チャネル167内、すなわちその内部に延在する。
【0094】
ここで
図8A~
図8Dを参照すると、スプライサ108にはスプライサ本体188が含まれる。スプライサ108には更に、第1のスプライサクランプ190と第2のスプライサクランプ192が含まれてよい。磁気クイックコネクト106の調節可能なクランプ部136、164と同様に、第1のスプライサクランプ190と第2のスプライサクランプ192の片方又は両方が「C字型クランプ」の形態をとってよい。そして、例えばねじやそのほかの締結具を使用して、スプライサ本体188に、取り外し可能に接続可能であってよい。このように、第1と第2のスプライサクランプ190、192が、スプライサ108を配管、例えば配管部116と118にそれぞれ固定されるようにする。例示的な使用において、ユーザはスプライサクランプ190を外して、スプライサ本体188に隣接して配管部116を配置してもよい。次にユーザは、第1のスプライサクランプ190をスプライサ本体188に再接続することにより、配管部116をスプライサ本体188に固定する。同様に、ユーザは第2のスプライサクランプ192を外して、スプライサ本体188に隣接して配管部118を配置してもよい。次にユーザは、第2のスプライサクランプ192をスプライサ本体188に再接続することにより、配管部118を雌型連結部材188に固定する。配管をスプライサ本体188に固定する、他の適切な機構及び締結具は、本明細書で明確に企図されている。
【0095】
いくつかの手法において、スプライサ本体188とスプライサクランプ190、192が複数の隆起と溝を形成する。隆起と溝は、例えば1又は複数のねじ領域を形成してもよい。1又は複数のねじ領域が、例えば配管部116、118を受けるようになっていてもよい。このようにして、スプライサクランプ部190、192は、配管部116、118をスプライサ108に対して回転させる必要なしに、圧縮及び摩擦の嵌合力により配管部116、118をスプライサ108に固定するようになっていてもよい。
【0096】
スプライサ108は、外側流体連通経路194を画定する。外側流体連通経路194は、第1の配管部116からの流体を第2の配管部118へ連通させるようになっている。例えば、スプライサ108は、第1の配管部116からの空気流を受けて、その空気流を第2の配管部118へ連通させてもよい。
【0097】
スプライサ108は、さらに二次流体入口196、二次流体出口198、及び入口196と出口198を流体接続する二次流体チャネル200を含む。二次流体入口196は、二次流体チャネル200の上流である、水分補給入力チューブ110の一部、すなわち配管導管110aに接続するための、返り付きホースコネクタ197などのホースコネクタを含んでもよい。流体流は二次流体出口198を通って二次流体出口198へ通過してもよい。二次流体出口198は、同じように、チューブ110bに接続するための返り付きホースコネクタ199のような、ホースコネクタを含んでもよい。チューブ110bは一端が二次流体出口198に接続され、他端は雌型カップリング部材158の内側部材180の上流端にある返り付きホースコネクタ181に接続される。
【0098】
いくつかの手法において、水分補給及び空気冷却のシステム100はまた、オーディオ供給源124を含む補助通信システムを含んでよい。用途によっては、オーディオ供給源124は、例えばインターホン又は双方向無線を含んでもよい。第2の流体連通チャネル169がスプライサ108によって第1の流体連通チャネル167に導入された手法と同様に、1又は複数のワイヤもまた-補助通信システムのマイクロフォン及び/又はスピーカを補助通信システムのオーディオ供給源124に接続するためにースプライサ108において、又は流体送達システム101に設けられた別のスプライサにおいて、流体送達システム101の第1の流体連通チャネル1167に導入されてもよい。補助通信システムは、マウスピースアセンブリ112に含まれるマイクロフォン254及び/又はヘルメット103に含まれるスピーカなどの下流の構成要素に電力を供給するための電気配線を含んでもよい。補助通信システムはまた、あるいはその代わりに、マウスピースアセンブリ112に含まれたマイクロフォン254又はスピーカなどの下流の構成要素へのオーディオ通信リンクを提供してもよい。これに代わり、従来技術のように、補助通信システムの配線は、流体送達システム101の配管114の完全に外部に配置されてもよい。例えば、
図13に示すように、補助通信システムのマイクロフォン254とヘルメットスピーカに適用可能な配線は、ヘルメットの底部で、ヘルメット発泡体とヘルメット103の壁の間においてヘルメット103に導入されてもよい。後でより詳細を述べるように、そのような補助オーディオシステムのマイクロフォンブーム267は、補助オーディオシステムのマクロフォン254を支えるだけではなく、流体送達システム101の水分補給サブシステムのマウスピースアセンブリ112の支持にも使用されてよい。
【0099】
図9は例示的なマウスピースアセンブリ112を示す。
図1と
図2に示したように、マウスピースアセンブリ112は水分補給及び空気冷却システム100のヘッドギヤアセンブリ102で使用されてもよい。ただし、そのほかに、マウスピースアセンブリ112は、マイクロフォンブームなどの支持部材の端部に配置されたマイクロフォンを含む、他のヘッドセットで使用されてもよい。
【0100】
マウスピースアセンブリ112は、ユーザ126からのオーディオ通信およびユーザへの飲用流体の送達を可能とするように構成される。これらの機能を提供するために、マイクロフォン254は、支持部材又はマイクロフォンブーム267の端部に配置される。流体通路316(
図11でよくわかる)を画定する導管261もまた支持部材267で支持される。マウスピース264は、マイクロフォン254の前に位置するように、通路316の遠位端に提供される。マウスピースには、流体導管261と流体連通する出口ポート266が含まれる。流体通路316の近位端には、
図2Aに示す流体送達チューブ111へ接続するためのホースコネクタ268が設けられてもよい。
【0101】
マウスピースアセンブリ112には、中にマイクロフォン254を収納する、マイクロフォン空洞を画定するマイクロフォンケース252が含まれてもよい。
図9に示すマイクロフォンケース252は、マイクロフォン254を収納する。本実施形態のケース252は2つの半体部分から構成される。使用時にユーザ126に対面するように意図された、ケースの前側256を画定する前半体部270と、ケースの後ろ側258を画定する後ろ半体部272である。前半体部270は凹部領域278を画定し、後ろ半体部272は凹部領域284を画定し、
図10に示すように半体部同士を組み立ててマイクロフォン254としたときにこれらが一緒にマイクロフォン空洞を形成する。前側256と後ろ側258には、音が自由にケース252を通ってマイクロフォン254に入るようにする、複数の開口260が含まれてもよい。
【0102】
マイクロフォンケース252は支持部材267で支持される。流体導管261と、それが画定する流体供給通路316が、次にマイクロフォンケース252に取り付けられる。流体導管は飲用流体をユーザ126へ供給するように構成される。導管261は、ケース252と一体的に形成されてもよいし、ケース252の外表面に直接取り付けられる分離した部品であってもよい。ただし他の手法においては、流体導管261とそれが画定する通路316は、マイクロフォン254及び/又は支持部材267に直接取り付けられてもよい。
【0103】
流体導管261の遠位端には、一体的に形成されたマウスピース264又は分離したマウスピースが含まれてよい。マウスピースは好ましくは導管261の遠位端でケース252の前側256に配置されて、マイクロフォン254に隣接してその前方となるようにされる。マウスピースには、通路316と流体連通して、流体をユーザの口に供給できるようになった出口266が含まれる。
図2でよくわかるように、導管261の近位端に設けられたホースコネクタ268にその遠位端が接続されたチューブ111によって、流体がマウスピースアセンブリ112に供給される。チューブ111の近位端は、前述したように磁気クイックコネクト106と、水分補給入力導管110を構成する1又は複数の他の配管部分及び/又は流体導管を介して、水分補給容器(例えば供給源122)に接続されてよい。
【0104】
マウスピースアセンブリ112は支持部材267(マイクロフォンブームとしても知られる)の遠位端に配置される。支持部材267の近位端は、ヘルメット又はヘッドブラケットなどのヘッドギヤに接続されるか接続されるように構成されることが好ましい。マウスピースアセンブリが取り付けられたヘッドギヤをユーザ216が装着したとき、位置調節してマウスピースアセンブリをユーザの口の前に配置されるようにできるために、支持部材267は可撓性であることが好ましい。可撓性の支持部材267については後でより詳細を述べる。
【0105】
図10と
図11を参照すると、ケース252の前半体部270と後ろ半体部272は、組み立てられたときにマイクロフォン254を挟み込んでもよい。半体部同士は、締結具、接着剤、クリップ、又は当技術分野で知られている他の手段によって固定されてよい。
他の実施形態では、ケース252は3つ以上の構成要素で形成されて組み立てられてもよい。例えば、マウスピースアセンブリ112は3つ以上の構成要素を含み、それらが組み立てられてケース252及び/又は導管261を形成してもよい。
【0106】
前半体部270には、前面274と1又は複数の側壁276が含まれ、側壁は前面から実質的に垂直に延在して凹部領域278を画定する。後ろ半体部272には、背面280と1又は複数の側壁282が含まれ、側壁は背面から実質的に垂直に延在して凹部領域284を画定する。前面274には、音がケース252を通してマイクロフォン254に入るようにする1又は複数の開口260を画定する、ほぼ平坦な部分288が含まれてよい。同様に、背面280には、1又は複数の開口260を画定する、ほぼ平坦な部分292が含まれてよい。平坦部分288、292はマイクロフォン254の形状に一致する形状であってよい。マイクロフォン254には、マイクロフォンの電子機器298を収納するハウジング296が含まれてよい。ハウジング296には、対向面300があって、これは平坦であってよい。面300の1つまたは両方には、1又は複数の受音孔302が画定されて、少ない障害で音波が電子機器298に到達できるようにしてもよい。例示した実施形態では、この面300は円形である。ケース252の平坦部288、292もまた円形であって、マイクロフォンのハウジング296の形に一致してもよい。勿論、違う実施形態ではマイクロフォン254とケース252は他の形状であってもよい。
【0107】
前半体部270には、内壁304と外壁306が含まれ、それらは互いに離間している。内壁304と外壁306の間の距離は、第1の半体部270の長さに沿って変化してもよい。内壁304の第1の面308が、側壁276と協働して前側の受け領域278を画定する。内壁304の第2の面310が、外壁306の内表面312と協働して、少なくとも部分的に流体通路316を画定する。
【0108】
1又は複数の実施形態において、ハウジングの各半体部270、272は、上記の多くの特徴が一体的に形成される、単一品のアセンブリとして形成されてもよい。半体部は、金属、プラスチック、又は複合材料で形成されてよい。また、機械加工、鋳造、射出成型、又は3Dプリンティングで形成されてもよい。ただし、使用する製造技術によって前半体部270及び後ろ半体部272の形成に要する部品点数が規定されるかもしれない。
【0109】
流体導管261が、流体をチューブ111からマウスピース264の出口266まで搬送する、ケース252の流体供給通路316を画定する。1又は複数の実施形態において、流体通路316にはバルブ室318が含まれる。バルブ320はバルブ室318内に配置される。バルブ320は、所定のクラッキング圧力以上の流体をマウスピース264の出口266に流れさせる、逆止弁であってもよい。他方で、チューブ111内の圧力がバルブ320のクラッキング圧力より下に落ちると、流体がマウスピースから供給源122へチューブ111を通って逆方向に流れることが阻止される。さらに、空気はバルブ320によってチューブ111内に入ることが防止されるので、供給源122から吸い上げられてチューブ111に充填される水分補給流体は、ポンプが作動していない場合でもチューブ111内にとどまる。そうして次に供給源122内のポンプを作動させたときの出口266への流体の送達時間を小さくする。さらに、バルブ320はマウスピース264の近くに位置しているため、流体圧がチューブ111のクラッキング圧力の閾値より低い場合に、出口266から流出する可能性のある水分補給液の量を制限する助けともなる。
【0110】
バルブ320は、付勢部材によってシール面に着座するように付勢された閉鎖部材を含み、流体圧力が閾値未満の時には流体がマウスピースへ流入することを禁止する。付勢部材の付勢力は、供給源122のポンプの作動に応じて閉鎖部材がシール面から外れるような大きさであるか、又はそのように選択される。ただし、バルブ320は、この構造を持つバルブに限定されるものではなく、前述したクラッキング圧力特性を持つ任意の逆止弁
、一方向性バルブ又は双方向性バルブも使用可能である。
【0111】
バルブ320は、ボール型の逆止弁であってもよい。バルブ室318は、通常第1の部分322と、第1の部分よりも大きい直径を有する第2の部分324を含んでもよい。第1の部分322は、複数の突起326を有するボールガイドを含んでもよい。バルブ320のチェックボール328が突起326の上に座る。各突起が、チェックボール328が下流方向に行き過ぎないようにするストッパ330を画定してもよい。チェックボール328の上流方向への過度な移動は、環状プレート332によって防止される。環状プレート332は第2の部分324に配置され、第1の肩部333に着座する。環状プレート332は、流体の通過を可能とする内側孔を画定する。内側孔はバルブ320の入口334を画定する。Oリング又はガスケットなどのシール部材336がチェックボール328と環状プレート332の間に配置される。シール部材336は、突起326の尖端338に着座される。コイルばねなどの付勢部材340がチェックボール328をシール部材336に押し付けて入口334を閉じる。付勢部材340は第2の肩部342に着座してもよい。付勢部材は、流体圧力がクラッキング圧力の閾値よりも低い場合にはボール328をOリング336へしっかりと押し付け、流体圧力が閾値よりも高い場合にはボール328を下流方向に変位させて、流体がマウスピース264へ通じることを可能とする。
【0112】
ホースコネクタ268がマウスピースアセンブリ112の流体供給通路316をチューブ111へ接続する。コネクタは雌型継手又は雄型継手であってよい。例示の実施形態では、コネクタは雌型継手である。雌型継手268は、外側表面346を通路316の壁に係合させ、かつ先端348を環状プレート332に当接させて、通路316内に収納されてもよい。先端348には、通路316への入口344を画定する孔が含まれる。継手268の後端350は通路316から延在してもよい。継手268は、チューブ111をその中に受ける孔を画定する内側表面352を有する、クイックコネクト継手(プッシュ接続継手としても知られる)であってよい。継手268は、チューブ111を把持して、チューブが継手から不意に外れないようにする構造が孔の中に配置されている。継手268は、チューブ111を継手268から外れさせる、リリースカラーを含んでもよい。
【0113】
本実施形態において、前半体部270は、マウスピース264の出口266から先端348に画定された入口344まで延在する流体通路316を画定し、かつそこに配置されたバルブ室318を含む。マウスピース264は、平坦部分288から概略離れる方向に延在し、かつマイクロフォン254に隣接している。1又は複数の実施形態において、マウスピース264は前面300の周囲内に配置されている。マウスピース264には、先端部325の周りに配置された、隆起リング327が含まれてもよい。この隆起リング327は、ユーザの唇に係合するように人間工学的に形成される。
【0114】
1又は複数の実施形態において、ケース252は、半体部の1つのみを含み、それがマイクロフォンハウジング296の前側、後ろ側、あるいはその他の部分のいずれかに取り付けられる。例えば、マウスピースアセンブリ112は前半体部270のみを含んでもよい。前半体部270は、クリップ、締結具、テープ、又は接着剤によりマイクロフォンハウジング296に接続されてもよい。クリップは、前半体部、ハウジング296、又はその両方に、一体形成された構造であってもよい。
【0115】
マクロフォン254は、可撓性支持部材267の端部に配置され、時にはこの両者がユニットとして一緒に提供される。可撓性支持部材の端部は、マイクロフォン254のハウジング296内に配置される。ハウジング296は、支持部材267を収納するための開口を画定してもよい。マイクロフォン254の電気配線は、支持部材267及びハウジング296を貫通して延在して、マイクロフォンの電子機器298に接続されてもよい。支持部材267は、マイクロフォン配線を囲む、熱収縮チューブなどの、スリーブ体を含ん
でもよい。支持部材267はまた、スリーブ体の内部又はスリーブ体の外部に1又は複数の硬化要素を含んでもよい。硬化要素は、マウスピースを配置したらそこに保持するように十分に固くあるべきであり、その上十分な可撓性を有して、ユーザがマウスピースアセンブリ112を所望位置に配置できるように、マウスピースの位置をヘッドギヤに対して修正することが可能である。硬化要素はまた、スリーブ体との組み合わせで作用してこの機能を提供してもよい。硬化要素は、支持部材267が曲げられたり、湾曲されたり、あるいは少なくとも第1の位置と第2の位置の間の他に配置されることを可能とし、支持部材を所定位置に保持するように操作可能である。硬化要素は、金属、プラスチック、又は他の材料でできた、らせん形のラップ配管であってよい。このらせん形のラップ配管は、スリーブ体の外側又はスリーブ体の内側に配置されてもよいし、あるいはスリーブ体を構成してもよい。
【0116】
図12は代替実施形態によるマウスピースアセンブリ400を示す。マウスピースアセンブリ400の特徴の多くはマウスピースアセンブリ112と同様であり、ここでは繰り返して説明しない。上記の実施形態と同様に、前カバー402は後ろカバー404と協働してマイクロフォン254をマイクロフォン収納領域に収納する。あるいは、後ろカバーが省略されて、前カバーだけがマイクロフォン254に接続されてもよい。前カバー402は、流体供給導管408を支持する。流体供給導管408は、前カバー402と一体的に形成されてもよいし、あるいは前カバーの外表面に取り付けられるか、又はマイクロフォン254に直接取り付けられる分離した部品であってもよい。流体供給導管408は、流体供給導管408の遠位端に配置されたマウスピース410を含む。好ましくは、マウスピース410は、マイクロフォン254の近くの前カバー402の外表面から延在する。流体は、流体供給導管408内に画定され、入口422を有する通路412によって、マウスピース410の出口へ供給される。通路412はこうして、マウスピースアセンブリ112の通路316と同様に前カバー402内に画定されてよい。コネクタ414が流体通路412の近位端に設けられて、流体供給導管408を、流体送達チューブ416又は流体送達システム101の流体送達チューブ111などの、流体送達チューブに接続してもよい。コネクタ414は、前カバー402に一体形成された構造であってもよいし、前カバーに取り付けられた個別の構成要素であってもよい。例えば、コネクタ414にはねじ山があって、カバー402のねじ穴にねじ止めされてもよい。
【0117】
例示の実施形態では、コネクタ414はチューブ416の内径内に受けることができる雄型コネクタである。好ましくは、コネクタ414は返り付きホースコネクタであるが、任意の適切なコネクタが使用可能である。チューブ416をコネクタ414にさらに固定するため、又は単純に美的な理由のために、クリップ428をチューブの上に挿入してもよい。クリップ428は、例えばばね鋼又はプラスチックなどの弾性材料でできた、チューブをコネクタ414に押し付けるC型クリップであってよい。
【0118】
マウスピースアセンブリ112、400は例示したコネクタに限定されるものではない。多くの異なるタイプの流体用コネクタが当技術分野では知られており、マウスピースアセンブリに設けられた流体供給通路を流体供給チューブに流体連通接続するのに使用され得る。
【0119】
バルブ430を設けて、マウスピース410からの流体の漏洩を防止してもよい。バルブ430は、極力マウスピースアセンブリ400の近くの位置に配置して、マウスピース410の出口から滴る水量を最小化すべきである。バルブ430は、マウスピースアセンブリ400の流体通路412内に配置してもよいし、マウスピースアセンブリの外部の流体送達経路に挿入してもよい。例示の実施形態においては、バルブ430はマウスピースアセンブリ400の外部にあり、チューブ416の近位端に設けられている。バルブ430の他端は、例えば、流体送達システム101の流体送達チューブ111に接続される。
バルブ430は、シール面に対して付勢されて着座する、変位可能なバルブ閉鎖部材432を含んでもよい。バルブ430は、ボール型逆止弁320に類似のボール型逆止弁などの逆止弁であってもよいし、又は水分補給サブシステムの流体送達システムに適した、クラッキング圧力閾値を持つ他の任意の逆止弁、一方向性バルブ又は双方向性バルブであってもよい。
【0120】
図13A,13Bを参照すると、流体とオーディオを組み合わせた送達システムが、ヘルメット103などのヘッドギヤに統合されて、ヘッドギヤアセンブリ102を形成してもよい。ヘルメット103は、チンガード454を備えたシェル452を有するフルフェースヘルメットであってもよい。チンガード454は、ヘルメットの主要部分と協働してアイポート456を画定する。ヘルメット1403は、アイポート456を覆う、枢動可能なシースルーシールド(図示せず)を含んでもよい。
【0121】
ヘルメット103はインタフェース104にポート458を画定してもよい。これは、水分補給及び空気送達システム100を形成するために、雄型カップリング部材130が磁気クイックコネクト106の雌型カップリング部材158と連結するときに、ヘルメット103の内部と主流体送達チューブ114との間に流体連通を提供する。こうして、冷却用及び/又は呼吸可能な空気が供給源120からチューブ114によってポート458を介してヘルメット103の内部へ提供可能となる。ポート458はまた、水分補給及び空気送達システム100の入力チューブ111がそこを通して延在し、その一端でマウスピースアセンブリ112のコネクタ268に接続することを可能とし、またもう一方の端部の内側部材148において雄型カップリング部材130の内側連通経路140に接続される。このように、水などの水分補給流体が供給源122から、チューブ110a、スプライサ108、チューブ1110b、磁気クイックコネクト106の内側流体連通経路140、168、チューブ111、及び流体通路316を通って出口266へ送達され得る。こうして、以下でより完全に説明するように、ユーザ216は、所望するときにマウスピース264の出口266から水分補給流体を飲むことができる。
【0122】
いくつかの手法において、ポート458は、オーディオ送達システムもヘルメット103の内部で受信可能とし得る。例えば、例示の実施形態において、オーディオコード462がヘルメット103の底部端の下でヘルメットに入る。ただし、他の実施形態では、オーディオコード462はポート458を介してヘルメットに入ってもよい。ポート458は、
図13に示す実施形態では、ヘルメット103のチンガード454に設けられているが、
図3Bに示す実施形態では、ポート458はヘルメット103の頂点に配置されてもよい。他の位置もまた可能である。ポート458は、所望の位置でシェルとパッドを貫通して画定される開口であってよい。ヘルメットインタフェース104は、ポート458と流体連通し、かつポート458を覆うように、ヘルメット上に配置されてよい。
【0123】
いくつかの実施形態において、インタフェース104は、締結具又はクリップによって、チンガード454などにおいてヘルメット103に接続される、個別の構成要素であって、ポート458を覆う。他の実施形態では、インタフェース104の少なくとも部分が、ヘルメット103のシェル452と一体に形成される。
【0124】
図13Bはさらに、マウスピースアセンブリ112、支持部材267、及び関連するオーディオシステムの、ヘルメット103内での可能性のある1つの配置を示す。分かりやすくするために、流体送達システム101の他の態様は
図13Bから省略されている。
【0125】
図13Bを参照すると、マウスピースアセンブリ112をユーザの口の前に配置するために、マウスピースアセンブリ112はヘルメット103内のチンガード454の後ろで、支持部材267の遠位端に支持される。マウスピースアセンブリ112は、
図13Aに
示すようにマウスピース264の出口266がユーザの方向を向くように又はユーザに対面するように、ヘルメット103内に配置される。支持部材267は、当技術分野において通常そうであるように、接着剤又は他の適切な締結具を使用してシェル452の内壁に取り付けられる。マイクロフォンコード462は、支持部材267を通して、マウスピースアセンブリ112内のマイクロフォン254まで延在する。支持部材267とマイクロフォンコードは一体形成されてもよいし、支持部材がマイクロフォンコードの周りを包んでもよい。上記のように、支持部材267は堅いがそれでも可撓性のある構成要素であって、マウスピースアセンブリ112を所定位置に保持する一方で、ユーザにとって最も快適な位置へマウスピースアセンブリ112を再配置させることも可能である。
【0126】
支持部材267がシェル452の内壁に適切に接続されると、ヘルメット103に設けたオーディオジャック476により、マイクロフォンをコード462を介してオーディオシステム124に電気接続することができる。オーディオジャック476には十分な接点があって、イヤホン又はスピーカ480を有する耳栓もまたイヤホンジャック478に差し込んで、オーディオジャック476に電気接続することが可能である。オーディオジャック476が、例えばトランシーバ又はインターホンを備えるオーディオシステム124に接続された第2のオーディオコードのコネクタに接合される場合には、ユーザ126は、オーディオシステム124に接続されている他の人(搭乗者及び/又はクルーメンバなど)とも通話及び聞き取りをすることが可能である。スピーカ480は、ヘルメットに接続されてもよいし、あるいは、例えばヘッドフォンや耳栓などの、ユーザが装着する個人用スピーカであってもよい。
【0127】
上記のマウスピースアセンブリのいずれも、マウスピースアセンブリをユーザの口付近に支持するのに適した各種のヘッドギヤを有する水分補給システムで利用され得ることもまた理解されるであろう。ヘッドギヤには、例えば、ヘッドブラケットから延びるマイクロフォンブームのある、任意の種類の従来型のヘッドセットが含まれてもよい。ただし、説明したマウスピースアセンブリの支持構造は、他の多種のヘッドギヤに接続又は支持されてもよい。例えばいくつかの実施形態において、ヘッドギヤは、ヘルメット又は安全帽などの安全ヘッドギヤを含んでもよい。他の実施形態では、ヘッドギヤには、例えば帽子、ヘッドブラケット、又は人の頭に装着する目的のその他の任意の衣類又は装置が含まれてよい。適用可能なヘッドギヤが安全用のヘッドギヤである場合には、支持構造は、安全ヘッドギヤに取り付けられる構造であってもよいし、安全ヘッドギヤに既に取り付けられていてもよいし、又は支持構造の少なくとも一部が安全ヘッドギヤと一体形成されていてもよい。さらに、本特許文書のヘッドセットは、例えばバイク用ヘルメット(ハーフ、スリークォータ、オープンフェース、及びフルフェース)、オートレース用ヘルメット、自転車用ヘルメット、スノーボード及びスキー用ヘルメット、登山用ヘルメット、軍用及び他の戦術用ヘルメット、消防ヘルメット、安全ヘルメット、及び救助用ヘルメットなどを含む任意の種類のヘルメットに取り付けられるか、それに一体化されてもよい。さらには、以下の開示から理解されるように、本明細書に記載のマウスピースアセンブリは、システム100のようにはユーザに対する空気供給を併用しない、水分補給システムに使用されてもよい。
【0128】
図14を参照すると、1又は複数の実施形態においてマウスピースアセンブリ112はユーザの頭に装着されるように適合されたヘッドギヤ550に利用される。ヘッドギヤ550にはヘッドマウントブラケット554を有するヘッドセット552が含まれてもよく、またヘッドマウントブラケットは、U字型のばね部材558で接続された、2つの対向する支持部材556を含むように構成されてもよい。支持部材556はユーザの耳を包み込むようになっていてもよい。2つの対向する支持部材が互いに引き離されると、U字型のばね部材が付勢力を生み、対向する支持部材を互いの方向へ付勢しようとする。さらに、ヘッドブラケットマウントは、ユーザの頭に装着されたときに、2つの対向する支持部
材がユーザの頭の反対側に接触するように構成されることが好ましい。いくつかの実施形態において、ヘッドブラケットマウントは、ユーザの頭に装着されたときに、2つの対向する支持部材がユーザの頭の反対側に接触してU字型のばね部材がユーザの頭蓋骨の基部の周りを包むように構成される。ヘッドセットはまた、U字型ばね部材の少なくとも中間部の周りに配置されたパッド560を更に備えてもよい。
【0129】
マウスピースアセンブリ112のブーム267は、コネクタ562によって支持部材556の1つに接続されて、マウスピースアセンブリ112をヘッドセット552へ取り付けてもよい。コネクタ562は支持部材556に枢動するように取り付けられてもよい。コネクタ562は、ブーム267の近位部をその中に収納するチューブ状部を含んでもよい。マイクロフォンワイヤはコネクタ562を通って延びて、少なくとも1つの支持部材556に入ってもよい。ヘッドセット552は有線又は無線であってもよい。有線の場合には、オーディオプラグ(図示せず)を有するオーディオケーブルが支持部材556の1つから出て、普通のオーディオジャックに接続され、それによってヘッドセット552がオーディオシステムに電気接続されるようになっていてもよい。1又は複数のスピーカが1又は複数の支持部材556に備えられてもよい。
【0130】
ヘッドセット552は、近位端で流体容器と流体連通する主流体供給チューブ572を介して、供給源122などの流体容器を含む水分補給システムでの使用に適合される。流体供給チューブ572は、コネクタ、バルブ、あるいはその他の水分補給構成要素によって接続される複数の配管部分を含んでもよい。ヘッドセット552は、マウスピースアセンブリ112をチューブ572に接続する支持部材564を含んでもよい。他の実施形態では、チューブ572はマウスピースアセンブリ112のコネクタ268に直接接続されてもよい。
【0131】
支持部材564はコネクタ562又は支持部材267、あるいはその両方の上に支持されていてもよい。いくつかの実施形態において、支持部材564の1又は複数の部分は、支持部材564と一体的に形成されてもよい。他の実施形態においては、支持部材564とコネクタ562は、相互接続された別々の構成要素である。例えば、支持部材564には、コネクタ562のチューブ体及び/又はブーム267を受ける開口を画定する一対のクリップ570が含まれてもよい。支持部材564には、上流端566と下流端568がある。
【0132】
上流端566は、返り付きホースコネクタ若しくは雌型プッシュ接続コネクタなどの従来型継手、又は米国特許仮出願第62/363,334号明細書及び米国特許出願第15/652,847号明細書(これらは参照により本明細書に援用する)に記載の磁気クイックコネクトなどの磁気クイックコネクト574によって、チューブ572に接続可能である。
【0133】
磁気クイックコネクト574は例えば雄型カップリング部材576と雌型カップリング部材578を含んでもよい。ここで、雄型カップリング部材576と雌型カップリング部材578に関する本明細書に記載の特徴は、雄型カップリング部材又は雌型カップリング部材のいずれかに組み込まれ得ることが、明確に企図されている。さらに、雄型カップリング部材576と雌型カップリング部材578の位置は逆転してもよい。したがって、例えば、磁気クイックコネクト574のカップリング部材は、下流カップリング部材及び上流カップリング部材と一般的に称することもできる。
【0134】
例示の実施形態において、雄型カップリング部材576はチューブ572の端部に設けられ、雌型カップリング部材578は支持部材564の端部566に設けられる。ただし他の実施形態においては、雌型カップリング部材578はチューブ572に設けられ、雄
型カップリング部材576は支持部材564に設けられる。
【0135】
磁気クイックコネクトの雄型部材576は、返り付きホースコネクタまたは雌型ホースコネクタなどのホースコネクタによってチューブ572に接続可能な、雄型部材576内に形成された流体入口部を含む。一手法において、雌型部材578は、支持部材564を通って延在する流体通路と流体連通する、流体出口部を含む。支持部材564の下流端部は、返り付きホースコネクタまたは雌型ホースコネクタなどのホースコネクタを介して、チューブ580などの流体送達チューブに接続可能である。チューブ580の他端は、前述したようにマウスピースアセンブリ112のホースコネクタ268に接続される。
【0136】
上記の実施形態において、支持部材564は、流体が上流端566から下流端568に移動する流体通路を含む。ただし他の実施形態においては、支持部材564がチューブ状の空洞を画定して、チューブ580がそこを貫通して雌型部材578の下流端に接続する。そのような実施形態では、チューブ580は支持部材564を貫通して延在し、その近位端が雌型(又は下流)カップリング部材578に接続(及び流体連通)される。
【0137】
雄型部材576には、雌型部材578の流体入口部と接続する流体出口部が含まれる。例えば、雄型部材576には、流体出口部を画定する突起があり、雌型部材578には、流体入口部を画定する受器があってもよい。突起は、例えば
図4Cに示すような、好ましくは前述したようなテーパ角を有する、受器の内部に受け入れられる。各カップリング部材776、778は、前述したように雄型部材576を雌型部材578に選択的に連結するための磁石を含んでいる。
【0138】
次に
図15において、流体送達システム101はさらに、第2の流体供給源122の動作を遠隔操作するための無線動作システム500を含む。スイッチ502、好ましくはマイクロスイッチが、第2の流体供給源122に動作可能に接続され、マイクロスイッチ502の動作で第2の流体供給源122の動作を制御する。マイクロスイッチ502は、車両128を操舵するためにユーザ126の手がステアリングホイール504を把持する場所の十分近くの位置のステアリングホイール504上に取り付けられる。こうして、ユーザ126がステアリングホイール504から手を離すことなく、ユーザ126はマイクロスイッチ502を操作可能である。
図15に示す実施形態では、マイクロスイッチ502は左手のグリップ位置の十分近くに取り付けられている。別の実施形態では、マイクロスイッチ502は右手のグリップ位置の十分近くに取り付けられていてもよい。更に別の実施形態では、第1のマイクロスイッチ502が左手のグリップ位置の十分近くに取り付けられ、第2のマイクロスイッチ502が右手のグリップ位置の十分近くに取り付けられてもよい。マイクロスイッチ502はステアリングホイール504の周囲のバー部分に取り付けられてもよいし、あるいはステアリングホイール504のハブに取り付けられてもよい。さらに、マイクロスイッチ502はステアリングホイール504の前部分、後ろ部分、及び/又は横部分に取り付けられてもよい。
【0139】
好適な手法において、マイクロスイッチ502は、コントローラ506と、ステアリングホイール504のマイクロスイッチ502付近に取り外し可能に取り付けられた無線送信器508との間の無線接続を介して、第2の流体供給源122に動作可能に接続される。ただし他の手法においては、マイクロスイッチ502は、コントローラ506に配線で接続されることにより、第2の流体供給源122に動作可能に接続されてもよい。コントローラ506は次に、第2の流体供給源122に動作可能に接続され、第2の流体供給源122の動作を制御する。
【0140】
マイクロスイッチ502は、マイクロスイッチ502の近くに設けられた取り付け手段510を用いてステアリングホイール504に取り付けられてもよい。
図15に示す手法
において、取り付け手段510は、一対の結束バンドと細長い熱収縮チューブ片808を含む。他の実施形態において取り付け手段は、マイクロスイッチ502を所望位置に取り付けるための、他の適切な構造を備えてもよい。ステアリングホイール504に無線送信器508を取り外し可能に取り付けるために、無線送信器508は同様に付加された取り付け手段を含んでもよい。
【0141】
図15に示すように、ケーブル512はマイクロスイッチ502を送信器508に連結して、無線作動システム500を形成する。例示の実施形態において、ケーブル512は、一端でマイクロスイッチ502に電気接続され、第2の端部には従来型の先端スリーブのミニジャック又はケーブルジャックなどの電気コネクタが含まれる。これはマイクロスイッチ502を、送信器508の一端に設けられた(接合ソケットコネクタなどの)接合電気コネクタを介して送信器508に電気結合させるためのものである。無線送信器508の一端に設けられた接合電気コネクタは、電気コネクタを取り外し可能に受ける。
【0142】
無線送信器508は好ましくはFOBの形態であって、例えばBluetooth(登録商標)送信器、より好ましくはBluetooth(登録商標) Low Energy(“BLE”)送信器であってよい。
【0143】
マイクロスイッチ502は好ましくは常時開のスイッチであって、ユーザ126がマイクロスイッチ502のボタンを押すと閉じ、ユーザがマイクロスイッチ502のボタンを離すと開くようになっている。いくつかの手法において、無線送信器508は、マイクロスイッチ502が閉じているときに第1の信号を送信するように構成される。第1の信号は例えば、第2の流体供給源122からの流体を流体送達システム101を介してユーザ126へポンプ輸送するために、第2の流体供給源122に電力を送るようにコントローラ506に命令してもよい。マイクロスイッチが開のとき、無線送信器508もまた第2の信号を送信するように構成されてもよい。第2の信号は、例えば第2の流体供給源122に電力を送らないようにコントローラ506に命令してもよい。コントローラ506が第2の信号を受信すると、コントローラがその前に第2の流体供給源122に電力を送っていた場合には第2の流体供給源122への電力の送付を停止し、それによって流体送達システム101からユーザ126への流体のポンプ輸送が停止される。他方で、コントローラ506がその前に第2の信号を受信していて、既に第2の流体供給源122への電力の送付を停止している場合には、コントローラ506は第2の流体供給源122へ電力を送らないことをただ継続するだけである。そうして、無線送信器508から第1の信号が再びコントローラ506に送信されると、コントローラ506は第2の流体供給源122へ再び電力を送り、流体送達システム101を通してユーザ126へ流体が再びポンプ輸送され始める。このようにして、ユーザ126は第2の流体供給源122からの流体の送達を、マイクロスイッチ502を単に押すか離すかで、要求に応じて制御可能である。重要なことには、例示の実施形態において、ユーザ126は、ステアリングホイール504から手を全く離すことなしに、マイクロスイッチ502を押すこと及び離すことが可能である。その結果ユーザ126が車両128でいかに高速移動中であるかに拘わらず、又は横断中の地形の困難さに拘わらず、ユーザ126は両方の手をステアリングホイール504上に置いたまま、かつ車両128を運転したまま所望通りに、流体送達システム101に第2の流体供給源122内の水分補給流体を送達するように命令することが可能である。
【0144】
コントローラ506は、上記のように、ユーザ126がマイクロスイッチ502を押している限り流体を供給するように構成されてはいるが、コントローラ506はまた、コントローラ506が第1のコマンドを受信するたびに(例えばユーザがマイクロスイッチを押すとき、ユーザ126がマイクロスイッチ502を押し続ける長さに関係せずに)決められた一定量の流体を提供するように構成されてもよい。この一定量は例えば、特定の継
続時間または容量の噴射であってもよい。
【0145】
ユーザ126は、様々な条件下で車両128を運転している間、マイクロスイッチ502を安全かつ便利に操作可能であるという事実を考えると、ユーザ126が第2の流体供給源122からより定期的に流体を飲み、したがって搭乗中、レース中などにおいてユーザ126は水分補給された状態に維持される可能性が非常に高い。
【0146】
本明細書に示す、流体送達システム101の流体送達経路を画定する構成要素は、本質的に例示的なものであり、流体送達システム101の他の実施形態においては、追加の構成要素、より少ない構成要素、又は完全に異なる構成要素が、流体送達システム101の流体送達経路の形成に使用されてもよい。ただし一般的に言えば、流体送達経路と第1及び第2の流体供給源120、122の間の流体連通を確立するために、流体送達システム101は典型的には第1と第2の流体供給源120、122に取り付けられるように適合された近位端を有する流体送達経路を含む。さらに、各流体送達経路は、第1と第2の流体供給源120、122のそれぞれからユーザへガス及び液体の流体を送達するための出口を含むことができる。例えば、液体はマウスピースアセンブリ112の出口ポートを通って送達され、ガスはヘルメット103のポート458を通って送達することができる。好適な実施形態において、磁気クイックコネクト106などの磁気クイックコネクト、及びスプライサ108などの第2の流体入口が、流体送達システム101の流体送達経路に挿入される。
【0147】
図16を参照すると、例示的なトロフィートラックの形態の車両128が示されている。車両128用の2流路の流体送達システム101を含む、個人用の水分補給及び空気冷却システム100の可能性のあるレイアウトもまた示されている。車両128から取り出したシステム100の拡大図を
図17に示す。同様なレイアウトは、例示のトロフィートラック以外の車両128にも使用され得る。さらに、システムは搭乗者に対しても複製され得る。
【0148】
図16と
図17の個人用水分補給及び冷却システム100は、これまでに述べたシステム100の全ての特徴を含んでもよい。ただし、
図16と
図17のシステム100は、システム100のガスサブシステムと液体サブシステムにそれぞれ使用することのできる、例示的な第1と第2の流体供給源120、122を更に示す。さらに、供給源122からスプライサ108までの配管110が少し違った構成を有する。それはシステム100の第2の流体供給源122が、供給源122を車両128から取り外さずに再充填できるからである。
【0149】
本実施形態における第1の流体供給源120は、外気と送風機602の取入口の間にフィルタ素子604を有する密閉型のファン又は送風機602の形態を取る。フィルタ604はユーザ126に送達される塵や他の破片を除去し、それによってユーザ126に呼吸のための清浄な空気の供給源を確保する。ファン602は、例えばParker Pumper社のFresh Air Blowerであってよい。これはRaceReady
Products社から購入できる。その他の多くの適切な新鮮空気の送風機もまた、市場で簡単に入手可能である。
【0150】
第2の流体供給源122は、水や電解質入りのスポーツドリンクなどの飲用液体を含む流体容器606を含んでもよい。CAMELBAK(登録商標)社により提供されるものなどの可撓性容器は、本発明文書の水分補給及び冷却システム100の流体容器606としての使用に特に適切である。
図16からわかるように、そのような容器は例示したトロフィートラックなどの車両128のキャビン内の多くの場所にうまく適合する。
【0151】
CAMELBAK(登録商標)社により提供されるような可撓性のある水分補給用容器は、本発明文書のシステム100における流体容器606として特に適切であるが、任意の適切な密閉可能容器を流体容器606として使用可能である。例えば、用途によって容器606は、剛性、半剛性、又は可撓性の材料で作製することができる。さらにはいくつかの用途において、断熱性のボトルや水差しなどの、断熱された容器を、容器606として使用することが好ましい場合もある。あるいは、いくつかの実施形態において容器606を断熱スリーブ内に入れてもよい。
【0152】
容器606の特定の形状に拘わらず、その構築に使用される材料(特に容器606内の流体に接触する可能性のあるものはすべて)は、人による消費を意図した液体との接触に適したものでなければならない。このことは、容器606から流体送達システム101の液体チャネルを通ってユーザ126に輸送される流体に接触し得る、水分補給及び冷却システム100の液体サブシステムの他の部分についても当てはまる。
【0153】
本実施形態において、第2の流体供給源122は、流体制御ユニット608も含む。流体制御ユニット608にはハウジング610内に収納されたポンプ(図示せず)が含まれる。ポンプは、容器の出口部分を通って容器606と流体連通する。ポンプは、流体送達システム101の水分補給入力チューブ110の近位端とも流体連通する。流体制御ユニット608も、無線作動システム500と無線でつながったコントローラ506を含む。コントローラ506は次に、流体制御ユニット608のポンプ及び電源に電気的及び動作的に接続されており、無線作動システム500により命令されると、ポンプのモータを駆動するために必要な電力を供給する。結果として、前に説明したように、無線作動システム500を使用して流体制御ユニット608のポンプの動作をコントローラ506経由で無線制御する。
【0154】
流体制御ユニット608と無線作動システム500が全体として無線ポンプシステムを構成する。また、無線作動システム500が好ましくは流体制御ユニットのポンプ動作の制御に使用されるのに対し、他の実施形態においてはポンプやコントローラ506に電気的に接続されたマイクロスイッチ502が使用されてもよい。ただし、スイッチ502をポンプやコントローラ506に電気接続するための少なくとも2つの導体の必要性がなくなることの他に、無線作動システム500は、コントローラ608においてポンプやコントローラ506に電気接続されたスイッチ502よりも多くの利点を提供可能である。
【0155】
同時係属中の米国特許出願第15/652,847号明細書に記載されている流体制御装置106及び無線作動システム140(その説明は本明細書に完全に記載されているかの如く参照により本明細書に援用される)が、本発明文書の制御ユニット608及び無線作動システム500として使用されてもよい。
【0156】
流体供給源122は、車両128のキャビン内のフレーム又はロールケージ部材から直接吊り下げられてもよい。あるいはそれに代わって、バッグ内に配置されて、それをフレーム又はロールケージ部材から吊り下げてもよい。
【0157】
本実施形態の水分補給入力チューブ110は、近位端で流体制御ユニット106のポンプの出力部に、かつ遠位端でYコネクタ612の1つの分枝に接続されるチューブ部110cを含む。Yコネクタ612の第2の分枝はチューブ部110aの近位端に接続される。Yコネクタ612の第3の分枝は再充填チューブ614aの近位端に接続される。チューブ614の遠位端は一方向性バルブである、ホースコネクタ616に接続される。ホースコネクタ616は、返り付きのホースコネクタなどのホースコネクタを用いてチューブ616の遠位端につながる。ホースコネクタ616の遠位端は好ましくは、本明細書で既に説明したような、雄型又は雌型の機械式クイックコネクト又は磁気クイックコネクトを
含む。
【0158】
上記の構成により、ドライバ126がピットストップ又はドライバ交代のために入って来たとき、相補的なコネクタを有する再充填容器のホースをコネクタ616の遠位端に接続して、容器606内の流体を再充填することができる。そうして、制御ユニット608内のポンプを逆方向に駆動するか、再充填システムのポンプを使用して、コネクタ614、コネクタ612、チューブ部110c、及び制御ユニット608を経由して液体を再充填容器から容器606へポンプ輸送して、再充填容器からの液体を容器606へ移送することができる。
【0159】
コントロールユニット608のポンプは、例えば、送信器508又はコントローラ506に接続された別の送信器のボタンが押されると、逆方向に駆動できる。一手法において、無線送信器508は、送信器508のボタンが押されると、第3の信号を送信するように構成されている。この第3の信号は、ポンプを反対方向に駆動させるために、流体制御ユニット608内のポンプに反対極性の電力を送信するようにコントローラ506に命令してもよい。
【0160】
次に
図18では、本発明文書の別の態様を述べる。この図は、強制空気ヘルメット103などの強制空気ヘッドギヤで使用される磁気クイックコネクト626、クイックコネクトホルダ202、及びダストキャップ622を含む、キット620を示す。本実施形態において、キットの要素626、202、622は、ボックス624などのパッケージ624に、ボックス本体に一体ヒンジで接続された蓋625付きで、一括収容されている。ボックス624の基部には、クイックコネクト626、クイックコネクトホルダ202、及びダストキャップ622を収納するための切り抜きを有するフォーム包装材料628が含まれてもよい。
【0161】
磁気クイックコネクト626は、上流カップリング部材630と下流カップリング部材632を含む。上流端630と下流のカップリング部材は、本明細書においてはそれぞれ、ホース側コネクタと、ヘルメット又はヘッドギヤ側コネクタ632とも称される。
【0162】
磁気クイックコネクト626は、第1の流体と第2の流体、例えばガスと液体を下流端から上流端へ輸送する、2流路のクイックコネクトであってもよいし、1つの流体、例えばガスを上流端から下流端へ輸送するための単一流路のクイックコネクトであってもよいし、又は選択的に単一流路又は2流路となるクイックコネクトであってもよい。
【0163】
例示のキット620は、クイックコネクト626、ダストキャップ622、及びクイックコネクトホルダ202を含むが、別の実施形態では、キット620にはこれより少ないか、これより多いアイテムが含まれてもよい。例えば、キットには、クイックコネクト626だけ、クイックコネクト626とダストキャップ622だけ、又はクイックコネクト626とクイックコネクトホルダ202だけが含まれてもよい。いくつかの手法においてはさらに、カップリング部材63が、ヘルメット103又は他のヘッドギヤに一体化されてもよい。そうしてキットにはホース側コネクタ630のみが含まれてもよい。
【0164】
図19は、強制空気ヘルメット103のヘルメットインタフェース104の入力チューブに接続された単一流路磁気クイックコネクト626を示す。より具体的には、ヘルメット側コネクタ632が、ヘルメットインタフェース104の入力チューブに接続され、ホース側コネクタがチューブ114の遠位端に接続される。チューブ114の近位端は、清浄空気ブロワ602などの第1の流体供給源120に接続されてよい。
【0165】
この構成により、ユーザ126は呼吸用の清浄空気を供給され得る。ただしそれでも、
上流と下流のコネクタ630、632は、磁気クイックコネクト106の雄型カップリング部材130と雌型カップリング部材158に関して上で述べたように、容易かつ安全に分離することができる。
【0166】
図19では、横側に位置するヘルメットインタフェース104を有する強制空気ヘルメット103で使用される磁気コネクト626を示すが、クイックコネクト626は、他の位置にあるヘルメットインタフェース104を有する強制空気ヘルメットで使用してもよい。例えば、磁気クイックコネクト626は
図3Bに示すヘルメット103に使用されてもよい。さらに、磁気クイックコネクト626は、他の強制空気ヘッドギヤに使用されてもよい。磁気クイックコネクト626を使用し得る他のタイプの強制空気ヘッドギヤの、2つの非制限的な実施例を
図50、51に示す。
【0167】
図50は別のタイプの強制空気ヘッドギヤ、すなわち強制空気溶接ヘルメット902で使用される、磁気クイック626の図である。
図50では、ヘッドギヤ側コネクタ632が、バイザーヘルメットインタフェース906の入力チューブに接続され、ホース側コネクタは、チューブ114の遠位端に接続される。チューブ114の近位端は、呼吸器ファン904などの携帯型呼吸器ファンに接続されて流体連通する。呼吸器ファン904は、ホース114、クイックコネクト626及びバイザーインタフェース908を経由してユーザの顔の周りの、バイザー906の内部空間に濾過された空気を提供する。呼吸器ファン904は、好ましくはユーザ126の腰の周りに装着されるサイズである。さらに、ファン904には、ベルト又はユーザ126のベルトに取り付けるための手段を含んでもよい。
【0168】
図51は別のタイプの強制空気ヘッドギヤ、すなわち強制空気呼吸器フェイスシールド906で使用される、磁気クイックコネクタ626を示す。
図51では、ヘッドギヤ側コネクタ632が、インタフェース104の入力チューブに接続され、ホース側コネクタは、チューブ114の遠位端に接続される。チューブ114の近位端は、携帯呼吸器ファン904に接続されて流体連通し、ホース114、クイックコネクト626及びヘルメットインタフェース104を経由してヘルメット902の内部に濾過された空気を提供する。
【0169】
磁気クイックコネクト626とそのそれぞれのコネクタ630、632を次に
図23~
図37との関連で説明する。磁気クイックコネクト626とそのそれぞれのコネクタ630、632は、磁気クイックコネクト106とそのそれぞれのコネクタ130、158と多くの同じ特徴を共有している。したがって、類似の特徴を共通の参照符号で表示し、その特徴を重ねて説明する必要のない様にした。
【0170】
磁気クイックコネクト106とは違って、クイックコネクト626は単一流路のガスだけのクイックコネクトである。従ってヘルメット側コネクタ632には内側部材148が含まれず、ホース側コネクタ630にも内側部材180は含まれない。結果として、「雄型」コネクタも「雌型」コネクタも存在しない。しかしながら、クイックコネクタ106のコネクタ130、152に関して説明したように、コネクタ630、632間の磁気吸引力は、接合端部134、162が互いに近づけられたときにコネクタ同士を自動的に整列させ、その結果、ちょうど磁気コネクト106のように、クイックコネクト626の片手での、非目視操作を可能とする。
【0171】
さらに、内側部材148、180が省略されているので、磁気クイックコネクト630はそこを貫通する第1の流体連通チャネル167を有するだけである。第1の連通チャネル167は、ヘルメット側コネクタの連通経路136と、ホース側コネクタの流体連通経路166とを備える。
【0172】
例示のカップリング部材632、630にはそれぞれの内側部材148、180がないが、カップリング部材がそれぞれスロット152、184を含む。したがって、2流路の磁気クイックコネクト626が所望される場合、内側部材148、180のフィン150、182をそれぞれのスロットに着座させることによってコネクタ632、630に内側部材148、180を追加することができる。こうして、製造工程時に単純に内側部材150、182を含めるか省略するかによって、クイックコネクト626を単一流路、又は2流路のクイックコネクトとして構築することが可能である。
【0173】
カップリング部材158と同様に、カップリング部材630は、カップリング部材630の接合端162に設けられたキャップ174を含む。Oリング178は好ましくはキャップ174に設けられた環状溝650に配置される。
図28、49で最もよくわかるように、環状溝は好ましくはC字型であって、キャップ174の接合面の開口はOリング178の直径よりも狭い。環状リング650が矩形形状であれば、Oリング178は、たとえ最初に接着剤で溝650の中に固定されたとしても、時間の経過とともに脱落する可能性がある。他方で、環状溝650が上記のようにC字型であれば、Oリング178は、たとえカップリング部材632及び/又はクイックコネクトホルダ202に対して繰り返し取り付け、取り外しをされた後も、溝の中に安全に固定され得る。
【0174】
一体品で製造された環状キャップ174内にC字型の環状溝を、機械加工、鋳造、又は射出成型で作ることはできない。ただし、環状キャップ174が3D印刷されれば、キャップ174が一体品で製造されたとしてもキャップ174内にC字型の溝650を直接形成することが可能である。他方で、
図28及び
図47~
図49で最もよくわかるように、キャップ174が図に示すように2つの同心リング652、654でできていれば、C字型溝640は、射出成型、鋳造、又は機械加工によって簡単に形成可能である。
【0175】
下流カップリング部材632には、雄型カップリング部材のような調節可能なクランプ部136が含まれる。調節可能なクランプ部136は「C型クランプ」の形状であってよく、例えばねじ又は他の締結具を介してカップリング部材632に取り外し可能に接続可能であってよい。このように、調節可能なクランプ部136により、雄型カップリング部材632を、ヘルメット103又は溶接ヘルメット902などのその他のヘッドギヤのヘルメットインタフェース104の入力部に固定することが可能となる。同様に、カップリング部材632をバイザーインタフェース908の入力部に固定可能となる。例えば、ユーザが調節可能なクランプ部136を外して、ヘルメットインタフェース104の入力チューブなどの配管をカップリング部材632本体内に配置することが可能である。そうしてユーザは、調節可能なクランプ部136をカップリング部材632に再接続することにより、カップリング部材632をヘルメット103又は他のヘッドギヤのヘルメットインタフェース104に固定する。カップリング部材632をヘルメット103に固定する、他の適切な機構及び締結具は、本明細書で明確に企図されている。
【0176】
本実施形態において、調節可能なクランプ部材は、調節可能なクランプ部136と一緒に成形されたねじ溝付きのインサート635に中へねじ込まれるねじ633によって、カップリング部材632に取り付けられる。
【0177】
調節可能なクランプ部材136は、クランプ部材136の内表面に配置された摩擦パッド640を含んでもよい。クランプ部材136がカップリング部材630に取り付けられるとき、摩擦パッド640は、カップリング部材630が取り付けられようとしている入力チューブの表面に係合して押し付けられるような寸法となっており、それによってカップリング部材630をヘルメットインタフェース104などの強制空気ヘッドギヤの入力チューブへ固定する摩擦力が増加する。
【0178】
上流カップリング部材630の第1の端部160は、チューブ114内のらせんによって形成されたねじ637にねじ込むことによってホース114に固定されてもよい。このことは、ホース114のねじ637に係合する、上流カップリング部材630の第1の端部160の本体内側に、整合するねじ638を設けることによって達成され得る。カップリング部材630をホース114に固定するための他の適切な機構及び締結装置は、カップリング部材158に関して説明したような調節可能なクランプ部164の使用を含めて、本明細書において明確に企図されている。
【0179】
図28及び
図30、
図31でよくわかるように、カップリング部材630のチューブ体631が凹部633を画定し、それが環状の第2の磁性材料170と環状キャップ174をそこに受ける大きさとなっている。第2の磁性材料170と環状キャップ174は、例えば接着剤を含む任意の適切な手段を用いてチューブ体631に固定されてよい。環状溝635が当接する棚部637に設けられて、環状の第2の磁性材料170のチューブ体631への接着を容易にしてもよい。同様に、環状溝639が環状キャップ174の後ろ側に設けられて、環状キャップ174の環状の第2の磁性材料170とチューブ体631への接着剤結合を容易にしてもよい。
【0180】
図28及び
図34、
図35でよくわかるように、カップリング部材632のチューブ体641が、環状の第1の磁性材料142をそこに受ける大きさを有する凹部643を画定する。第1の磁性材料142は、例えば接着剤を含む任意の適切な手段を用いてチューブ体641に固定されてよい。環状溝645が当接する棚部647に設けられて、環状の第1の磁性材料142の、チューブ体641の接合面への接着を容易にしてもよい。
【0181】
クイックコネクトホルダ202の動作をここで
図20、
図21、
図38、
図43~
図46に関連して説明する。
図20は、レーシングカー又はトロフィートラックなどの車両128の屋根に取り付けられた、キット620のクイックコネクトホルダ202を示す。
図21は、車両128の屋根に取り付けられたクイックコネクトホルダ202であって、クイックコネクト626のホース側コネクタ630の下流端がクイックコネクトホルダ202の面に取り外し可能に取り付けられている。既に説明したように、コネクタ630の上流端は、チューブ114の遠位端に接続され、チューブ114の近位端は、清浄空気ブロワ602などの第1の流体供給源120と流体連通している。
【0182】
前述した構成により、ユーザ126は車両から出るときにホース側コネクタ630をヘルメット側コネクタ632から外して、後での使用に備えて簡便に格納するためにそれをクイックコネクトホルダ202に置いてもよい。これは、チューブ114とコネクタ630がドライバが代わる際の邪魔にならないこと、及び新ドライバ/ユーザ126にとってすぐに使用可能であることを確保にすることによって、設備への損傷を最小化し、潜在的なドライバ交代をスピード化することができる。さらに、ドライバ又はユーザ126は、車両128のキャビン内に着座したのちに容易にチューブ114とコネクタ630を配置し、コネクタをクイックコネクトホルダ202から外して、コネクタ630をヘルメット側のコネクタ632に片手で取り付けることができる。
【0183】
図38及び
図43~
図46に示すように、クイックコネクトホルダ202には、延伸する台座部662を有する基端部660が含まれる。台座部662には、接着剤などによって環状の第1の磁性材料142が固定される、環状チャネルが含まれる。好ましくは、台座部662は、カップリング部材662の接合端部の外径の寸法に一致する大きさである。さらに、環状の第1の磁性材料142は、カップリング部材630で使用される第1の磁性材料142と同じ寸法と磁気特性を持っている。こうして、カップリング部材630は、クイックコネクトホルダ202の接合端部664の近くに持ってこられると、自動的に整列して連結するようになる。
【0184】
クイックコネクトホルダ202の後ろ側668は、接着パッド670を含むことが望ましい。接着パッド670は両面接着パッドであることが望ましい。キット620で出荷される場合には、接着パッド670の外側に面する側は、保護コーティングを上に含むことが望ましい。ユーザ126は保護コーティングを剥がして、クイックコネクトホルダ202を車両128の屋根に固定してもよい。代替又は追加として、ねじ付きのインサート672が基部660の中に同時成形されて、
図38、46でよくわかるように、インサートの口が基部660の後ろ側668に露出されてもよい。接着パッド670に穴674を設けて、ボルトが接着パッド670を通してねじ付きインサート672内へ延在するようにしてもよい。ねじ付きインサート672は、クイックコネクトホルダ202を車両128の屋根に接続する、追加又は代替の手段を提供する。
【0185】
図22は、強制空気ヘルメットの入力チューブに取り付けられる、磁気クイックコネクト626のヘッドギヤ側コネクタ632に使用される、キット620のダストキャップ622を示す。
【0186】
ダストキャップ622の後ろ側はカップリング部材632の接合端部134を収納する寸法となっている。さらに、ダストキャップの一部がカップリング部材632の側面上に延在し、接合端部134を好ましくない塵や破片から保護するようになっていることが望ましい。
図39、42からよくわかるように、一片の円形磁気テープ680が、ダストキャップ622の後ろ側のほぼ平坦部分682に固定される。磁気テープ680は、適切な接着剤によってダストキャップ622の後ろ側のほぼ平坦部分682に固定されてもよい。
【0187】
上記の構造により、ダストキャップ622の後ろ側をカップリング部材632の接合端部134の近くに持ってくることで、ダストキャップ622をカップリング部材632に磁気的に固定してもよい。
【0188】
添付の特許請求の範囲に記載の請求項に加えて、以下に記載する請求項は、本開示の様々な態様に関して提示され得る特許請求の範囲の、更なる例示的かつ非限定的な例を提供する。
[1]
流体送達システムのための磁気クイックコネクトであって、前記磁気クイックコネクトは、
第1端部と第2接合端部とを有する雄型カップリング部材であって、前記雄型カップリング部材内に延在する第1の外側流体連通経路を画定する内壁を有する前記雄型カップリング部材と、
第1端部と第2接合端部とを有する雌型カップリング部材であって、前記雌型カップリング部材内に延在する第2の外側流体連通経路を画定する内壁を有する雌型カップリング部材と、
を備え、
前記雄型カップリング部材はさらに、
前記第1の外側流体連通経路内に配置された第1の内側部材であって、前記第1の内側部材は前記第1の外側流体連通経路内に延在する第1の内側流体連通経路を画定する、第1の内側部材と、
前記第2接合端部に隣接して配置された、第1磁性材料と、
を含み、
前記雌型カップリング部材はさらに、
前記第2の外側流体連通経路内に配置された第2の内側部材であって、前記第2の内側部材は前記第2の外側流体連通経路内に延在する第2の内側流体連通経路を画定する、第
2の内側部材と、
前記第2接合端部に隣接して配置された、第2磁性材料と、
を含み、
前記雄型と前記雌型のカップリング部材は、連結構成において、前記第1と前記第2の磁性材料の間の吸引力によって着脱可能に一体保持され、前記第1と前記第2の外側連通経路が流体連通状態に保持され、かつ前記第1と前記第2の内側連通経路が流体連通状態に保持される、磁気クイックコネクト。
[2]
前記雄型カップリング部材の前記第1の内側連通経路の少なくとも一部が、前記雄型カップリング部材の前記第1の外側流体連通経路内に同軸に延在する、請求項1に記載の磁気クイックコネクト。
[3]
前記雌型カップリング部材の前記第2の内側連通経路の少なくとも一部が、前記雌型カップリング部材の前記第2の外側流体連通経路内に同軸に延在する、請求項1に記載の磁気クイックコネクト。
[4]
前記雄型カップリング部材の前記第1の内側部材が、テーパ付き突起を含み、前記雌型カップリング部材の前記第2の内側部材が、前記テーパ付き突起を受けるように適合されたテーパ付き凹部を含む、請求項1に記載の磁気クイックコネクト。
[5]
前記第1の内側部材は、前記テーパ付き突起の周りに配置された内側Oリングを含み、前記雄型と雌型のカップリング部材が連結構成にあるとき、前記内側Oリングは、前記テーパ付き突起と前記第2の内側部材の前記テーパ付き凹部との間に液密シールを形成する、請求項4に記載の磁気クイックコネクト。
[6]
前記雌型カップリング部材は、外側Oリングを更に備え、前記外側Oリングは、前記雄型と雌型のカップリング部材が連結構成にあるとき、前記雄型カップリング部材と前記雌型カップリング部材との間に流体蜜シールを形成する、請求項1に記載の磁気クイックコネクト。
[7]
前記外側Oリングは、前記雌型磁気カップリング部材の接合面に形成された環状溝に着座させられる、請求項6に記載の磁気クイックコネクト。
[8]
前記環状溝はC字型であって、前記環状溝の開口部が前記Oリングの直径よりも狭い、請求項7に記載の磁気クイックコネクト。
[9]
前記雌型カップリング部材は前記第2の磁性材料に隣接して配置された磁石キャップを更に備える、請求項1に記載の磁気クイックコネクト。
[10]
前記磁石キャップは、前記雄型と雌型のカップリング部材が連結構成にあるとき、前記雄型カップリング部材と前記雌型カップリング部材との間に流体密シールを形成するためのOリングを着座させる環状溝を含む、請求項9に記載の磁気クイックコネクト。
[11]
前記第1の外側及び内側流体連通経路は、前記第1の磁性材料と同軸に延在し、かつ前記第2の外側及び内側流体連通経路は、前記第2の磁性材料と同軸に延在する、請求項1に記載の磁気クイックコネクト。
[12]
前記第1の磁性材料はリング形状であって、前記第1の外側流体連通経路の周りに延在し、かつ前記第2の磁性材料はリング形状であって、前記第2の外側流体連通経路の周りに延在する、請求項1に記載の磁気クイックコネクト。
[13]
前記第1の磁性材料と前記第2の磁性材料の少なくとも1つは永久磁石を備える、請求項1に記載の磁気クイックコネクト。
[14]
前記第1の磁性材料と前記第2の磁性材料のそれぞれは、強磁性材料とフェリ磁性材料から成る群から選択される材料を備える、請求項1に記載の磁気クイックコネクト。
[15]
前記雄型と雌型のカップリング部材を分離するためには、前記雄型カップリング部材と前記雌型カップリング部材との間に48重量オンス超で128重量オンス未満の軸方向牽引力を必要とする、請求項1に記載の磁気クイックコネクト。
[16]
前記雄型と雌型のカップリング部材を分離するためには、前記雄型カップリング部材と前記雌型カップリング部材との間に64重量オンス超で96重量オンス未満の軸方向牽引力を必要とする、請求項1に記載の磁気クイックコネクト。
[17]
前記雄型と雌型のカップリング部材を分離するためには、前記雄型カップリング部材と前記雌型カップリング部材との間に72重量オンス超で88重量オンス未満の軸方向牽引力を必要とする、請求項1に記載の磁気クイックコネクト。
[18]
前記雄型カップリング部材は、前記雄型カップリング部材の前記第2接合端部に配置された第1カラーを更に備え、かつ前記雌型カップリング部材は、前記雌型カップリング部材の前記第2接合端部に配置された第2カラーを更に備える、請求項1に記載の磁気クイックコネクト。
[19]
前記第1の磁性材料は前記第1カラー内に配置され、前記第2の磁性材料は前記第2カラー内に配置される、請求項18に記載の磁気クイックコネクト。
[20]
前記第1カラーと前記第2カラーの少なくとも1つは、他方のカップリング部材の接合面に向かって開放された環状チャネルを画定する、請求項19に記載の磁気クイックコネクト。
[21]
前記第1の磁性材料は前記第1カラーによって画定される環状チャネル内に配置され、前記第2の磁性材料は前記第2カラーによって画定される環状チャネル内に配置される、請求項20に記載の磁気クイックコネクト。
[22]
前記第1カラーは、前記雄型と雌型のカップリング部材が連結されるときに、前記雌型カップリング部材に当接する、前記雄型カップリング部材の表面の少なくとも一部を画定し、前記第2カラーは、前記雄型と雌型のカップリング部材が連結されるときに、前記雄型カップリング部材に当接する、前記雌型カップリング部材の表面の少なくとも一部を画定する、請求項20に記載の磁気クイックコネクト。
[23]
前記雄型カップリング部材と雌型カップリング部材の少なくとも1つは、前記雄型カップリング部材と雌型カップリング部材の少なくとも1つの前記第1端部に取り外し可能に固定できるクランプ部を更に備え、前記クランプ部は前記少なくとも1つのカップリング部材に流体導管を固定するように適合された、請求項1に記載の磁気クイックコネクト。[24]
前記第1の内側部材と第2の内側部材のうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つの内側部材にホースを固定するように適合された返り付きのホースコネクタを更に備える、請求項1に記載の磁気クイックコネクト。
[25]
前記第1の内側部材と第2の内側部材のうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つの内側部材にホースを固定するように適合された雌型のコネクタを更に備える、請求項1に記載の磁気クイックコネクト。
[26]
流体送達システムのための磁気クイックコネクトであって、前記磁気クイックコネクトは、
第1の接合端部と前記第1の接合端部に隣接して配置された第1の磁性材料とを有する、使用側カップリング部材であって、前記使用側カップリング部材内に延在する第1の流体連通経路を画定する内壁を有する、使用側カップリング部材と、
第2の接合端部と前記第2の接合端部に隣接して配置された第2の磁性材料とを有する、送達側カップリング部材であって、前記送達側カップリング部材内に延在する第2の流体連通経路を画定する内壁を有する、送達側カップリング部材と、
を備え、
連結構成において、前記使用側と送達側のカップリング部材は、前記第1と第2の磁性材料の間の吸引力によって着脱可能に一体保持されて、前記第1と第2の連通経路が流体連通状態に保持される、磁気クイックコネクト。
[27]
前記連結構成において、前記使用側と送達側のカップリング部材は、前記磁気クイックコネクトを介してガスを連通する、実質的に気密連通経路を提供する、請求項26に記載の磁気クイックコネクト。
[28]
前記連通されるガスには空気が含まれる、請求項27に記載の磁気クイックコネクト。[29]
前記使用側のカップリング部材の前記第1の流体連通経路内に、取り外し可能な第1の内側部材を固定するために、前記使用側のカップリング部材の前記内壁に選択的に係合するように適合された、取り外し可能な第1の内側部材であって、
前記第1の流体連通経路内に固定されるとき、前記第1の流体連通経路内に延在する第1の内部連通経路を画定する、取り外し可能な第1の内側部材と、
前記送達側カップリング部材の前記第2の流体連通経路内に、取り外し可能な第2の内側部材を固定するために、前記送達側のカップリング部材の前記内壁に選択的に係合するように適合された、取り外し可能な第2の内側部材であって、前記第2の流体連通経路内に固定されるとき、前記第2の流体連通経路内に延在する第2の内部連通経路を画定する、取り外し可能な第2の内側部材と、
を更に備え、
前記連結構成において、前記使用側と送達側のカップリング部材は、前記第1と第2の磁性材料の間の吸引力によって着脱可能に一体保持されて、前記第1と第2の連通経路が流体連通状態に保持される、請求項26に記載の磁気クイックコネクト。
[30]
前記連結構成において、前記使用側と送達側のカップリング部材は、前記磁気クイックコネクトを介して液体を連通する、実質的に液密連通経路を提供する、請求項29に記載の磁気クイックコネクト。
[31]
前記第1の内側部材が前記第1の流体連通経路内に固定されるとき、前記取り外し可能な第1の内側部材の前記第1の内部連通経路の少なくとも一部が、前記使用側カップリング部材の前記第1の流体連通経路内に同軸に延在する、請求項29に記載の磁気クイックコネクト。
[32]
前記第2の内側部材が前記第2の流体連通経路内に固定されるとき、前記取り外し可能な第2の内側部材の前記第2の内部連通経路の少なくとも一部が、前記送達側カップリング部材の前記第2の流体連通経路内に同軸に延在する、請求項29に記載の磁気クイック
コネクト。
[33]
前記第1の取り外し可能な内側部材はテーパ付き突起を含み、前記第2の取り外し可能な内側部材は、前記使用側と送達側のカップリング部材が連結構成にあるときに、前記テーパ付き突起を受けるように適合されたテーパ付き凹部を含む、請求項29に記載の磁気クイックコネクト。
[34]
前記第2の取り外し可能な内側部材はテーパ付き突起を含み、前記第1の取り外し可能な内側部材は、前記使用側と送達側のカップリング部材が連結構成にあるときに、前記テーパ付き突起を受けるように適合されたテーパ付き凹部を含む、請求項29に記載の磁気クイックコネクト。
[35]
前記使用側のカップリング部材は、ヘッドギヤアセンブリに取り外し可能に接続可能である、請求項26に記載の磁気クイックコネクト。
[36]
前記使用側のカップリング部材は、ヘッドギヤアセンブリと一体的に形成されている、請求項26に記載の磁気クイックコネクト。
[37]
流体送達システムにおいて第1の流体経路の中に第2の流体経路を導入するためのスプライサであって、
第1の流体経路を画定するスプライサ本体と、
第1の導管を、前記第1の流体経路の第1端部と流体連通する前記スプライサ本体に接続するように構成された第1のコネクタと、
第2の導管を、前記第1の流体経路の第2端部と流体連通する前記スプライサ本体に接続するように構成された第2のコネクタと、
前記スプライサ本体の壁を介して、前記スプライサ本体の外部に配置された外部ポートから前記第1流体経路内に配置された内部ポートまで延在する、第2の流体経路を画定する、第1の流体入口導管であって、前記外部ポートは前記スプライサ本体の外側の第3の導管へ接続するように適合され、前記内部ポートは前記第1の流体経路内の第4の導管に接続するように適合された、流体入口導管と、
を備える、スプライサ。
[38]
前記第1のコネクタは第1の調節可能締結具を備え、前記第2のコネクタは第2の調節可能締結具を備える、請求項37に記載のスプライサ。
[39]
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタは、前記スプライサ本体を通過する空気の流れを容易にするために前記第1と第2の導管と前記スプライサ本体との間に実質的な気密シールを形成する、請求項38に記載のスプライサ。
[40]
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタの内の少なくとも1つはクランプを備える、請求項37に記載のスプライサ。
[41]
前記流体入口導管の前記内部及び外部ポートは、前記スプライサ本体を通る液体の通過を容易にするために、前記第3及び第4の導管と実質的な液蜜シールを形成するように適合された、請求項37に記載のスプライサ。
[42]
前記流体入口導管の前記内部ポートの少なくとも一部が、前記第1の流体経路の中央領域に配置される、請求項37に記載のスプライサ。
[43]
前記第2の流体経路の少なくとも一部は、前記スプライサ本体内の前記第1の流体経路
と同軸に延在する、請求項37に記載のスプライサ。
[44]
前記流体入口導管の、前記内部ポートと前記外部ポートの少なくとも1つは、前記第3又は第4の導管に接続するための、返り付きホースコネクタを含む、請求項37に記載のスプライサ。
[45]
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタの少なくとも1つは、前記第1又は第2の導管のらせん突起を受けるためのらせん溝を含む、請求項37に記載のスプライサ。
[56]
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタの少なくとも1つは、前記少なくとも1つの第1のコネクタと前記第2のコネクタを前記スプライサ本体に固定するための締結具を受ける、少なくとも1つのねじ穴を含む、請求項37に記載のスプライサ。
[47]
前記流体入口導管の前記外部ポートは、前記スプライサ本体の長手方向に平行な、実質的な長手方向に延在する、請求項37に記載のスプライサ。
[48]
前記内部ポートを所定位置に支持するために、前記スプライサ本体の内表面から前記流体入口導管の前記内部ポートまで延在する支持部材を更に備える、請求項37に記載のスプライサ。
[49]
上流カップリング部材の第1の端部から接合端部まで延在する第1の流体連通経路を有する、磁気クイックコネクトのホース側カップリング部材であって、前記接合端部は、前記磁気クイックコネクトの対応するヘッドギヤ側のカップリング部材と磁気的に係合するように構成され、前記ホース側のカップリング部材の前記第1の端部は空気送達ホースに接続するように適合された、ホース側カップリング部材と、
ダストキャップ又は磁気クイックコネクトホルダ、あるいはその両方と、
を備える、キット。
[50]
前記磁気クイックコネクトのヘッドギヤ側のカップリング部材を更に備え、
前記ヘッドギヤ側のカップリング部材は、前記ヘッドギヤ側のカップリング部材の第1の端部から接合端部まで延在する第2の流体連通経路を含み、
前記接合端部は前記ホース側カップリング部材及び前記ダストキャップとに選択的に磁気係合するように構成され、
前記ヘッドギヤ側のカップリング部材の前記第1の端部はヘッドギヤインタフェースの入力チューブに係合するように適合され、
前記カップリング部材が連結構成にあるとき、前記第1と第2の流体連通経路は流体連通する、請求項49に記載のキット。
【0189】
例示的実施形態及び特許請求の範囲を以上に記載したが、これらの実施形態が本発明の可能なすべての形態を記述することを意図するものではない。むしろ、本明細書に使用する用語は制限のためではなく説明のための用語であり、本発明の精神および範囲から逸脱することなしに様々な変更をなし得ることが理解される。さらに、様々な実装される実施形態の特徴を組み合わせて、本発明の更なる実施形態を形成してもよい。