(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054354
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】経腸栄養補給アダプタ及び経腸栄養補給アダプタの使用方法
(51)【国際特許分類】
A61M 39/10 20060101AFI20240409BHJP
A61M 39/00 20060101ALI20240409BHJP
A61J 1/20 20060101ALI20240409BHJP
A61J 15/00 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
A61M39/10
A61M39/00
A61J1/20
A61J15/00
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024021740
(22)【出願日】2024-02-16
(62)【分割の表示】P 2021542272の分割
【原出願日】2019-09-30
(31)【優先権主張番号】62/739,625
(32)【優先日】2018-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100168734
【弁理士】
【氏名又は名称】石塚 淳一
(72)【発明者】
【氏名】バーナード, スティーブン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ボーラス補給を可能にするために、ラミネート紙容器内の経腸栄養フォーミュラなど、流動性材料の容器を補給チューブに接続するためのアダプタが提供される。
【解決手段】アダプタは、容器及び/又は容器のカバーを穿孔することによって、容器から流動性材料を移送することができる。アダプタは、容器に液密な摩擦封止を形成することができる。いくつかの実施形態では、アダプタは、容器がユーザによって反転されたときに、容器の空気間隙内に配置されるのに十分な長さの再使用可能なチューブ通気孔を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器から経腸栄養を供給するためのアダプタであって、
開口部を画定する下端部を備える本体と、
前記本体の上端部から外向きに延びる流体出口ポートであって、前記上端部は、前記下端部とは反対方向を向いており、前記本体は、前記流体出口ポートに前記開口部を流体接続する内部チャンバを備える、流体出口ポートと、
前記流体出口ポートとは異なる位置で前記本体の前記上端部から外向きに延びる通気通路と、を備え、前記通気通路はまた、前記内部チャンバを通って、前記本体の下端部を越える点まで内向きに延びており、前記通気通路の下端部は、第1のスパイク状部を画定する開口部を含み、前記本体の前記下端部は、第2のスパイク状部を画定している、
アダプタ。
【請求項2】
前記通気通路を備える通気チューブの上端部はまた、前記通気通路がその中に流体を有すること、及び/又は前記通気通路が塞がれていることを示すために、キャップ及び/又は可撓性チューブに接続されるように構成されたインジケータポートも備える、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項3】
前記通気通路を塞ぐ及び/又は制限するように構成されたスタイレットを備える、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項4】
前記通気通路を塞ぐ及び/又は制限するように構成されたクランプ及び/又はキャップを備える、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項5】
前記通気チューブは、前記本体の高さの約1.5~約3.0倍の全長を有する、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項6】
前記通気チューブは、前記容器の内側において、前記容器の高さの約0.5~約1.0倍である長さを有する、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項7】
前記本体は、前記内部チャンバの少なくとも一部を画定する内面と前記本体の外面である外面とを有する、少なくとも1つの壁部を備える、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項8】
前記本体は、(a)前記本体の前記下端部の前記開口部から延びるドレインスロット、又は(b)前記本体の前記下端部に隣接する前記本体のドレイン孔のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項9】
前記本体は、前記ドレイン孔から延びるスロットである漏出インジケータを更に備える、請求項8に記載のアダプタ。
【請求項10】
(i)前記流体出口ポートが、経腸栄養補給ラインに封止的に取り付けられるように構成されていること、及び(ii)前記アダプタが、前記本体から半径方向に延びる1つ以上の境界面を備え、前記1つ以上の境界面は、任意選択的に、リブを備え、前記リブは、前記アダプタがシリンジに挿入されたときに、前記シリンジと前記本体の前記リブ間の部分との間に間隙を作るように構成されていること、からなる群から選択される少なくとも1つの構成を有する、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項11】
請求項1に記載のアダプタを備えるキットであって、組成物を収容する前記容器を更に備える、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、概して、ボーラス補給を可能にするために、経腸栄養フォーミュラなどの流動性材料の容器を補給チューブに接続するためのアダプタに関する。アダプタは、容器及び/又は容器のカバーを穿孔することによって、あるいは追加的に又は代替的に、ねじ山及び/又はネック部の外側を覆って封止する可撓性材料により、容器のネック部に接続することによって、流動性材料を容器から移送することができる。
【背景技術】
【0002】
[0002]病院又は介護施設の多くの人々は、食物又は薬物を経口摂取することができない。これらの人々は、典型的には、必要な食物及び/又は薬物を含有する流動性材料の経腸投与を受ける。例えば、経腸投与セットを使用して、このような流動性の医療材料又は栄養材料を収容する容器に、患者補給ライン(例えば、胃瘻補給チューブ)を接続することができる。これらの流動性の医療材料又は栄養材料は、一般に、可撓性パウチなどの可撓性容器に詰められる。経済的理由及び他の理由で、このようなパウチは不都合である。
【0003】
[0003]食品業界では、Tetra Brik(登録商標)及びTetra Prism(登録商標)などの容器が使用される。これらは、液体など、あらゆる種類の注入可能製品に、便利で費用効果の高い軽量の板紙容器を提供する。これらには、様々なサイズ、例えば、0.2リットル~1.5リットル、又は更に大きいサイズがある。これらは不透明であり、したがって、光に反応する経腸投与可能組成物、例えば、ビタミンを含有する組成物に対して完璧である。患者に投与される医療用流体に関して、これらの流体は、典型的には、無菌でなければならない。容器は、殺菌することができ、したがって、最も腐敗しやすい液体食品であっても、冷蔵せずに又は防腐剤を添加することなく、数か月間にわたって鮮度及び栄養価を維持することができる。最後に、容器を無菌状態で気密に閉じ、汚染物質及び/又は酸素が容器に入ることを防止することができる。このような容器は、有利なことに、医薬組成物又は栄養組成物、例えば、経腸医療流体又は経腸栄養流体を収容するために使用され得る。
【0004】
[0004]しかしながら、既存の経腸栄養補給ラインは、既存の容器に接続されるように、例えば直接接続されるように適合されていない。その結果、医療組成物又は栄養組成物、例えば流体は、多くの場合、シリンジなどの中間容器に注入され、次いで補給ラインに接続される。この中間容器への移送は、患者及び医療従事者にとって不便であり、力及び器用さを必要とする。更に、このプロセス中の無菌性を確保することは困難であり、例えば、流動性材料の移送には、流動性材料の周囲への漏出及び暴露のリスクがある。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本発明者らは、本明細書に開示される発明の時点で知られているアダプタに対して有利なアダプタの実施形態を開発した。アダプタのこれらの実施形態は、患者に、例えば胃瘻チューブ(Gチューブ)を介した、より容易かつより清潔なボーラス補給を提供する。
【0006】
[0006]第1の実施形態において、本開示は、組成物を収容する容器(例えば、ラミネート紙容器)にシリンジを流体接続するためのアダプタを提供し、シリンジは、経腸栄養補給ラインに連結される。アダプタは、開口部及びスパイク状部を画定する下端部を備える本体と、本体の上端部から延びる流体出口ポートであって、上端部は、下端部とは反対方向を向いており、本体は、流体出口ポートに開口部を流体接続する内部チャンバを備え、流体出口ポートは、経腸栄養補給ラインに連結されたシリンジに組成物を移送するように構成されている、流体出口ポートと、本体から半径方向に延びる1つ以上の境界面であって、1つ以上の境界面は、任意選択的に、リブを備え、リブは、アダプタがシリンジに挿入されたときに、シリンジと本体のリブ間の部分との間に間隙を作るように構成されている、1つ以上の境界面と、を備える。好ましくは、1つ以上の境界面は、容器が反転されたときにユーザの干渉なしにシリンジ内に自立的に保持される、容器用の支持体を提供する。
【0007】
[0007]一実施形態では、下端部は、スパイク状部を形成し、かつ、開口部の少なくとも一部分も画定する、壁部を備える。
【0008】
[0008]一実施形態では、開口部は、(i)本体の側壁、又は(ii)本体の長手方向軸線のうちの少なくとも1つに対して、10度~80度の角度で配置された平面内にある。
【0009】
[0009]一実施形態では、本体は円筒形である。
【0010】
[0010]一実施形態では、本体の少なくとも一部分は透明である。
【0011】
[0011]一実施形態では、経腸投与キットは、アダプタを備え、(i)組成物を収容する容器、又は(ii)シリンジのうちの少なくとも1つを更に備える。
【0012】
[0012]一実施形態では、本開示は、容器(例えば、ラミネート紙容器)から経腸栄養を供給する方法を提供し、容器は、容器の内部へと予め形成された孔を備える。本方法は、容器にアダプタ(例えば、アダプタの第1の実施形態)を接続する工程であって、容器にアダプタを接続する工程は、容器の予め形成された孔にアダプタのスパイク状部を押し通すことを含む、接続する工程と、アダプタが取り付けられた状態で容器を反転させる工程であって、任意選択的に、アダプタは、容器が反転されたときにユーザの干渉なしにシリンジ内に自立的に保持される、容器用の支持体を提供する、1つ以上の境界面を備える、反転させる工程と、スパイク状部とは反対側のアダプタの端部をシリンジに挿入する工程であって、アダプタの端部をシリンジに挿入する工程により、(i)アダプタの内部チャンバと、(ii)シリンジに挿入されたアダプタの端部にある流体出口ポートとを通して、容器の内部がシリンジに流体接続される、挿入する工程と、容器内の組成物の少なくとも一部分を、アダプタを通して、次いでシリンジを通して、シリンジに取り付けられた第1の端部を有する経腸栄養補給ラインへと導く工程であって、経腸栄養補給ラインの第2の端部は、患者内に配置されている、導く工程と、を含む。
【0013】
[0013]好ましくは、スパイク状部は、少なくとも1つの寸法において予め形成された孔よりも大きく、予め形成された孔にアダプタのスパイク状部を押し通すことにより、孔が少なくとも1つの方向に拡張される。
【0014】
[0014]本方法は、容器内の組成物の少なくとも一部分をアダプタを通して導くように、容器の少なくとも1つの横側面に圧力を加える工程を含み得る。圧力は、容器を圧搾することによって、容器の互いに反対側にある2つの横側面に加えられ得る。
【0015】
[0015]一実施形態では、アダプタを通して容器内の組成物を導く工程は、少なくとも部分的に重力による(例えば、いくつかの実施形態では、完全に重力による)。
【0016】
[0016]一実施形態では、アダプタは、アダプタと容器の拡張された孔との間の摩擦嵌めのみによって容器に接続され、摩擦嵌めにより、拡張された孔において液密封止が形成される。
【0017】
[0017]一実施形態では、本方法は、組成物がアダプタを通して導かれる間、アダプタの本体とシリンジの内面との間の間隙を通して通気する工程を含み、アダプタの本体はスパイク状部を備え、間隙は、アダプタの本体から延びる1つ以上の境界面によって形成され、任意選択的に、1つ以上の境界面は、(i)アダプタの本体から延びる垂直リブ、及び(ii)アダプタの本体を包囲するスリーブからなる群から選択される。
【0018】
[0018]一実施形態では、本方法は、1つ以上の停止面がラミネート紙に当接して、容器の予め形成された孔にアダプタのスパイク状部を押し通すことが停止されるように、アダプタの1つ以上の停止面を容器と係合させる工程を含む。
【0019】
[0019]一実施形態では、アダプタは、少なくとも1つの開口部を有し、アダプタが容器に組み付けられたときに、アダプタの少なくとも1つの開口部は、容器の内部にあり、かつ、アダプタと容器との間に形成された封止部に隣接しており、少なくとも1つの開口部により、容器とそこに取り付けられたアダプタとを反転させて、容器を実質的に排水することが可能になる。アダプタの少なくとも1つの開口部の総面積は、好ましくは、効率的な重力流が可能になるように、アダプタの流体ポートの最小流路面積の少なくとも50%の面積を含む。少なくとも1つの開口部は、好ましくは、封止部に最も近くに、反転している間にアダプタが部分的に除去された場合に外側にゆっくりとしたインジケータ漏出を提供するように、少なくとも1つの開口部の総面積より少なくとも60%小さい面積を含む部分(例えば、幅が減少した部分などの小さい部分)を備える。
【0020】
[0020]一実施形態では、本方法は、容器から患者への経腸栄養の投与を休止する工程を更に含み、休止する工程は、アダプタを容器及び/又は補給チューブから切り離す工程を含み、本方法は、容器を覆う工程、及び/又はアダプタに蓋をする工程を更に含み、方法は、容器を冷蔵し、次いで、容器から患者への経腸栄養の投与を再開する工程を更に含む。
【0021】
[0021]一実施形態では、本開示は、容器から経腸栄養を供給する方法を提供し、容器は、容器の内部へと予め形成された孔を備え、本方法は、容器にアダプタ(例えば、アダプタの第1の実施形態)を接続する工程であって、容器にアダプタを接続する工程は、容器の予め形成された孔にアダプタのスパイク状部を押し通すことを含み、スパイク状部は、少なくとも1つの寸法において予め形成された孔よりも大きく、予め形成された孔にアダプタのスパイク状部を押し通すことにより、孔が少なくとも1つの方向に拡張される、接続する工程と、アダプタが取り付けられた状態で容器を反転させる工程であって、容器を反転させることにより、容器内の組成物の少なくとも一部分が、アダプタを通して、次いで、アダプタに取り付けられた第1の端部を有する経腸栄養補給ラインへと導かれ、経腸栄養補給ラインの第2の端部は、患者内に配置されている、反転させる工程と、を含む。
【0022】
[0022]一実施形態では、本方法は、容器にダプタを接続する工程の前及び/又は後に、経腸栄養補給ラインにアダプタを流体接続する工程を含む。
【0023】
[0023]第2の実施形態において、本開示は、組成物を収容する容器(例えば、ラミネート紙容器)にシリンジを流体接続するためのアダプタを提供し、シリンジは、経腸栄養補給ラインに連結される。アダプタは、開口部を画定する下端部を備える本体と、本体の上端部から外向きに延びる流体出口ポートであって、上端部は、下端部とは反対方向を向いており、本体は、流体出口ポートに開口部を流体接続する内部チャンバを備え、流体出口ポートは、経腸栄養補給ラインに封止的に取り付けられるように構成されている、流体出口ポートと、流体出口ポートとは異なる位置で本体の上端部から外向きに延びる通気チューブと、を備え、通気チューブはまた、内部チャンバを通って、本体の下端部を越える点まで内向きに延びており、通気チューブの下端部は、第1のスパイク状部を画定する開口部を備え、本体の下端部は、第2のスパイク状部を画定している。
【0024】
[0024]一実施形態では、通気チューブの上端部は、キャップ及び/又は可撓性チューブに接続されるように構成されたポートを備え、いくつかの実施形態では、容器の反転前にスタイレットをポート内に挿入し、次いで容器の反転後に除去することができる。
【0025】
[0025]一実施形態では、通気チューブは、本体の高さの約1.5~約3.0倍の全長を有する。
【0026】
[0026]一実施形態では、本体は、内部チャンバの少なくとも一部を画定する内面と本体の外面である外面とを有する、少なくとも1つの壁部を備える。
【0027】
[0027]一実施形態では、キットは、アダプタを備え、組成物を収容する容器を更に備える。
【0028】
[0028]一実施形態では、本開示は、容器(例えば、ラミネート紙容器)から経腸栄養を供給する方法を提供し、容器は、容器の内部へと予め形成された孔を覆うカバーを備える。本方法は、容器にアダプタを接続する工程であって、アダプタは、通気チューブと、通気チューブによって提供される第1のスパイク状部とを備え、容器にアダプタを接続する工程は、予め形成された孔に挿通するように、容器のカバーにアダプタの第1のスパイク状部を押し通すことを含み、容器にアダプタを接続する工程は、アダプタの第2のスパイク状部を予め形成された孔に挿通するように、アダプタを押し続けることを含み、第2のスパイク状部は、少なくとも1つの寸法において予め形成された孔よりも大きく、予め形成された孔にアダプタの第2のスパイク状部を押し通すことにより、孔が少なくとも1つの方向に拡張される、接続する工程と、アダプタが取り付けられた状態で容器を反転させる工程であって、容器を反転させることにより、容器内の組成物の少なくとも一部分が、アダプタを通して、アダプタに取り付けられた第1の端部を有する経腸栄養補給ラインへと導かれ、経腸栄養補給ラインの第2の端部は、患者内に配置されている、反転させる工程と、を含む。
【0029】
[0029]一実施形態では、アダプタは、アダプタと容器の拡張された孔との間の摩擦嵌めのみによって容器に接続され、摩擦嵌めにより、拡張された孔において液密封止が形成される。
【0030】
[0030]一実施形態では、本方法は、1つ以上の停止面がラミネート紙に当接して、容器の予め形成された孔にアダプタの第2のスパイク状部を押し通すことが停止されるように、アダプタの1つ以上の停止面を容器と係合させる工程を含む。アダプタの1つ以上の停止面が容器に当接した状態におけるアダプタの位置ではまた、第1のスパイク状部を備える通気チューブの端部が、容器が反転されたときに形成される空気間隙(例えば、容器の頂部空間)内に配置されることができる。追加的に又は代替的に、例えば、容器の底部まで部分的に又は完全に延びる位置に、通気チューブを別個に挿入してもよい(例えば、本方法が容器にアダプタを取り付ける工程と、別個の工程として通気チューブをアダプタに取り付ける工程とを含み得る、アダプタのモジュール式実施形態)。いくつかの実施形態では、容器を圧搾することによって、容器内の一定の体積の液体が除去された後に通気を行うように、通気チューブを容器内に部分的に挿入することができる。
【0031】
[0031]任意選択的に、アダプタは、反転されたときに空気間隙を増大させる容積を有するチャンバを備えることができ、これにより、通気チューブの必要な長さが最小限に抑えられる。
【0032】
[0032]一実施形態では、本方法は、患者への組成物の投与の前に通気チューブに流体が入ることを防止するために、通気チューブを塞ぐ工程を更に含む。
【0033】
[0033]一実施形態では、本開示は、容器から経腸栄養を供給する方法を提供し、容器は、容器に予め形成された孔を包囲する1つ以上のねじ山を備えるネック部を備え、本方法は、容器にアダプタを接続する工程であって、容器にアダプタを接続する工程は、容器にアダプタの構成要素を接続し、それによって、予め形成された孔にアダプタの通気チューブを挿通することを含み、構成要素は、(i)容器の1つ以上のねじ山に相補的な、アダプタ上の1つ以上のねじ山、(ii)容器のネック部の外側を覆って封止する可撓性材料、及び(iii)これらの組み合わせからなる群から選択される、接続する工程と、アダプタが取り付けられた状態で容器を反転させる工程であって、容器を反転させることにより、容器内の組成物の少なくとも一部分が、アダプタを通して、アダプタに取り付けられた第1の端部を有する経腸栄養補給ラインへと導かれ、経腸栄養補給ラインの第2の端部は、患者内に配置されている、反転させる工程と、を含む。
【0034】
[0034]好ましくは、通気チューブの下端部は、1つ以上の相補的なねじ山から離れており、容器にアダプタを接続することにより、通気チューブの下端部が、容器が反転されたときに形成される空気間隙(例えば、容器の頂部空間)内に配置される。
【0035】
[0035]本方法は、患者への組成物の投与の前に通気チューブに流体が入ることを防止するために、通気チューブを塞ぐ工程を更に含むことができる。
【0036】
[0036]通気チューブは、任意選択的に、第1のスパイク状部とは反対側の通気チューブの端部にポートを備えることができる。一実施形態では、管材のセクションは、通気チューブに接続されてもよく(例えば、ポートに接続される)、通気チューブ内の流体が目視できるように透明であってもよく、管材は、通気孔を調整するために、かつ流れを計測するために、キャップ、バルブ(例えば、バタフライ弁)又はローラークランプを含むことができる。一実施形態では、このような流体は、流体トラップによって(例えば、通気ポート上の可撓性チューブ内に)収容することができる。栄養が通気孔に入った場合に、一定の体積の空気を用いて通気チューブをきれいにするために、可撓性球体又は可撓性チューブなどの空気リザーバがユーザにより使用されてもよい。補給が開始される直前まで、スタイレットを使用して通気通路を塞ぎ、それによって、不注意により流体が通気通路に入ることを防止することができる。通気孔を調整するために、かつ/又は流れを測定するために、スタイレットを部分的に又は完全に除去することができる。
【0037】
[0037]本開示によって提供される1つ以上の実施形態の利点は、取り扱い又は出荷に危険がない状態で、容器の箔を中程度の力で穿孔するのに十分に鋭利にすることができ、適切な流路面積を生成するのに十分な大きさとすることができ、穿刺位置にかかわらず箔フラップを生成するように成形することができ、開いた箔フラップをきれいにするのに十分な長さとすることができ、かつ、任意の接着パッド上など、容器の外側への組成物の移動を回避するのに十分に小さくすることができる、スパイク状部の構成である。
【0038】
[0038]本開示によって提供される1つ以上の実施形態の別の利点は、経腸補給チューブに容易に接続する経腸栄養アダプタである。
【0039】
[0039]本開示によって提供される1つ以上の実施形態の更に別の利点は、容器から流体が流れ出るのを防止し、空気が容器内に流入することを可能にし、かつ、低コストで成形可能である、通気膜又は通気材料である。通気膜又は通気材料は、通気ポート内に配置されてもよく、アダプタを再使用するために、任意選択で、ユーザによって交換されるように作製されてもよい。
【0040】
[0040]本開示によって提供される1つ以上の実施形態の更なる利点では、キャップ、カム、テーパ部、制限部、ピンチクランプ、及び/又はローラークランプなどを用いて通気孔への空気流を機械的に制御することによって、流体流を制御することができる。また、ユーザによりスタイレットが操作される(例えば、引き抜かれる又は回転される)につれて、更に通気孔を調整するために、かつ流れを計測するために、スタイレットの一部分を小さくしても、あるいはテーパ状にしてもよい。
【0041】
[0041]更に、本開示によって提供される1つ以上の実施形態の別の利点は、例えば、容器の表面で栄養全体を封止することによって、経腸栄養容器の箔及び/又はカートンを封止する接着パッドである。
【0042】
[0042]追加の特徴及び利点を本明細書に記載する。これらは、以降の発明を実施するための形態及び図面から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本開示によって提供されるアダプタの第1の実施形態の側面斜視図である。
【
図2A】アダプタの第1の実施形態の側面図である。
【
図2B】アダプタの第1の実施形態の側面図である。
【
図2C】アダプタの第1の実施形態の側面図である。
【
図2D】アダプタの第1の実施形態の側面断面図である。
【
図3A】アダプタの第1の実施形態の側面斜視図である。
【
図3B】アダプタの第1の実施形態の側面斜視図である。
【
図3C】アダプタの第1の実施形態の側面斜視図である。
【
図3D】アダプタの第1の実施形態の側面斜視図である。
【
図4】アダプタの第1の実施形態の上面図であり、
図2Dで使用される断面を特定する図である。
【
図5】アダプタの第1の実施形態に供する前の容器の上面図である。
【
図6A】容器に取り付けられたアダプタの第1の実施形態の側面図である。
【
図6B】容器に取り付けられたアダプタの第1の実施形態の側面断面図である。
【
図7】容器に取り付けられたアダプタの第1の実施形態の上面図である。
【
図8】容器に取り付けられたアダプタの第1の実施形態の側面断面図である。
【
図9】アダプタの第1の実施形態のスパイク状部のプロファイルを容器の孔と比較する上面図である。
【
図10】容器に取り付けられたアダプタの第1の実施形態を有するシリンジのアセンブリの上面図である。
【
図11】シリンジと容器に取り付けられたアダプタの第1の実施形態とのアセンブリの側面図である。
【
図12】シリンジと容器に取り付けられたアダプタの第1の実施形態とのアセンブリの側面断面図である。
【
図13】シリンジへの取り付けのためのアダプタの第1の実施形態の1つのバージョンの側面斜視図である。
【
図14】アダプタが容器のねじ付きポートへの可逆的接続のための1つ以上のねじ山を含む、アダプタの第1の実施形態のあるバージョンを全般的に示す図である。
【
図15】アダプタが容器のねじ付きポートへの可逆的接続のための1つ以上のねじ山を含む、アダプタの第1の実施形態のあるバージョンを全般的に示す図である。
【
図16】アダプタが容器のねじ付きポートへの可逆的接続のための1つ以上のねじ山を含む、アダプタの第1の実施形態のあるバージョンを全般的に示す図である。
【
図17】アダプタが容器のねじ付きポートへの可逆的接続のための1つ以上のねじ山を含む、アダプタの第1の実施形態のあるバージョンを全般的に示す図である。
【
図18】アダプタが容器のねじ付きポートへの可逆的接続のための1つ以上のねじ山を含む、アダプタの第1の実施形態のあるバージョンを全般的に示す図である。
【
図19】アダプタが容器のねじ付きポートへの可逆的接続のための1つ以上のねじ山を含む、アダプタの第1の実施形態のあるバージョンを全般的に示す図である。
【
図20】アダプタの第2の実施形態の第1のバージョンを全般的に示す図である。
【
図21】アダプタの第2の実施形態の第1のバージョンを全般的に示す図である。
【
図22】アダプタの第2の実施形態の第1のバージョンを全般的に示す図である。
【
図23】アダプタの第2の実施形態の第1のバージョンを全般的に示す図である。
【
図24】アダプタの第2の実施形態の第1のバージョンを全般的に示す図である。
【
図25】アダプタの第2の実施形態の第1のバージョンを全般的に示す図である。
【
図26】アダプタの第2の実施形態の第1のバージョンを全般的に示す図である。
【
図27】アダプタの第2の実施形態の第1のバージョンを全般的に示す図である。
【
図28】アダプタの第2の実施形態の第1のバージョンを全般的に示す図である。
【
図29】本開示によって提供されるアダプタの第2の実施形態の第2のバージョンの側面図である。
【
図30】アダプタの第2の実施形態の第2のバージョンの側面図である。
【
図31】アダプタの第2の実施形態の第2のバージョンの側面斜視図である。
【
図32】アダプタの第2の実施形態の第2のバージョンの側面斜視図である。
【
図33】アダプタの第2の実施形態の第2のバージョンの上面図であり、
図34で使用される断面を特定する図である。
【
図34】アダプタの第2の実施形態の第2のバージョンの側面断面図である。
【
図35A】容器に取り付けられたアダプタの第2の実施形態の第2のバージョンの側面図である。
【
図35B】容器に取り付けられたアダプタの第2の実施形態の第2のバージョンの側面断面図である。
【
図36】容器に取り付けられたアダプタの第2の実施形態の第2のバージョンの上面図である。
【
図37】容器に取り付けられたアダプタの第2の実施形態の第2のバージョンの側面断面図である。
【
図38】アダプタの第2の実施形態の第2のバージョンのスパイク状部のプロファイルを容器の孔と比較する上面図である。
【
図39】アダプタが漏出インジケータを含む、アダプタの第2の実施形態の第2のバージョンの変形例を全般的に示す図である。
【
図40】アダプタが漏出インジケータを含む、アダプタの第2の実施形態の第2のバージョンの変形例を全般的に示す図である。
【
図41】アダプタが漏出インジケータを含む、アダプタの第2の実施形態の第2のバージョンの変形例を全般的に示す図である。
【
図42】アダプタが漏出インジケータを含む、アダプタの第2の実施形態の第2のバージョンの変形例を全般的に示す図である。
【
図43】アダプタが容器のねじ付きポートへの可逆的接続のための1つ以上のねじ山を含む、アダプタの第2の実施形態の第2のバージョンの別の変形例を全般的に示す図である。
【
図44】アダプタが容器のねじ付きポートへの可逆的接続のための1つ以上のねじ山を含む、アダプタの第2の実施形態の第2のバージョンの別の変形例を全般的に示す図である。
【
図45】アダプタが容器のねじ付きポートへの可逆的接続のための1つ以上のねじ山を含む、アダプタの第2の実施形態の第2のバージョンの別の変形例を全般的に示す図である。
【
図46】アダプタが容器のねじ付きポートへの可逆的接続のための1つ以上のねじ山を含む、アダプタの第2の実施形態の第2のバージョンの別の変形例を全般的に示す図である。
【
図47】アダプタが容器のねじ付きポートへの可逆的接続のための1つ以上のねじ山を含む、アダプタの第2の実施形態の第2のバージョンの別の変形例を全般的に示す図である。
【
図48】アダプタが容器のねじ付きポートへの可逆的接続のための1つ以上のねじ山を含む、アダプタの第2の実施形態の第2のバージョンの別の変形例を全般的に示す図である。
【
図49】アダプタの第1の実施形態と第2の実施形態との組み合わせを全般的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
[0044]定義
[0045]以下、いくつかの定義を示す。しかしながら定義が以下の「実施形態」の項にある場合もあり、上記の見出し「定義」は、「実施形態」の項におけるそのような開示が定義ではないことを意味するものではない。
【0045】
[0046]本開示及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「1つの」、すなわち「a」、「an」及び「the」には、別段の指示がない限り、複数の参照物も含まれる。したがって、例えば、「1つの流体(a fluid)」又は「その流体(the fluid)」についての言及は、2つ以上の流体を含む。
【0046】
[0047]用語「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含んでいる(comprising)」は、排他的にではなく包含的に解釈されるべきである。同様にして、用語「含む(include)」、「含む(including)」及び「又は(or)」は全て、このような解釈が文脈から明確に妨げられない限りは包括的なものであると解釈される。
【0047】
[0048]これにもかかわらず、本明細書において開示されるデバイス及び装置は、具体的には開示されていない任意の要素を欠く場合がある。したがって、「含む/備える(comprising)」という用語を用いた実施形態の開示は、特定されている構成成分「から本質的になる(consisting essentially of)」実施形態、及び「からなる(consistingof)」実施形態の開示を含む。同様にして、本明細書で開示の方法には、本明細書において具体的に開示されない任意のステップが存在しない場合がある。したがって、「を含む」という用語を用いた実施形態の開示は、特定されているステップ「から本質的になる」実施形態、及び「からなる」実施形態の開示を含む。
【0048】
[0049]「X及び/又はY(X and/or Y)」の文脈にて使用される用語「及び/又は(and/or)」は、「X」又は「Y」又は「X及びY」と解釈されるべきである。同様に、「X又はYのうちの少なくとも1つ(at least one of X or Y)」は、「X」又は「Y」又は「X及びY」と解釈されるべきである。本明細書において使用する場合、用語「例(example)」及び「などの(such as)」は、特にその後に用語の列挙が続くときには、単に例示的かつ説明的なものにすぎず、排他的又は網羅的なものとみなされるべきではない。別途記載のない限り、本明細書で開示される任意の実施形態を、本明細書で開示される任意の別の実施形態と組み合わせることができる。
【0049】
[0050]本明細書で使用するとき、「約(about)」及び「およそ(approximately)」は、数値範囲内、例えば、参照されている数の-10%から+10%の範囲、好ましくは参照されている数の-5%から+5%の範囲内、より好ましくは、参照されている数の-1%から+1%の範囲内、最も好ましくは参照されている数の-0.1%から+0.1%の範囲内の数を指すものと理解される。
【0050】
[0051]「第1」及び「第2」などの数量形容詞は、単に各要素を区別するために使用される。これらの数量形容詞は、その他の要素の存在、相対的な位置づけ、又は何らかの時系列での遂行を暗示するものではない。この点に関して、「第2の」構造の存在は、「第1の」構造が必ずしも存在することを意味するものではない。更に、この点に関して、「第2の」要素は、任意の「第1の」要素の前に、後に、又はそれと同時に、取得及び/又は使用することができる。
【0051】
[0052]用語「経腸組成物」は、ヒトなどの個体による摂取のために処方され、その個体に少なくとも1つの栄養素又は薬物を供給する流動性の流体組成物を意味する。経腸組成物は、好ましくは、150cPs未満、より好ましくは125cPs未満、最も好ましくは100cPs未満の粘度を有する。経腸組成物は、典型的には、タンパク質、脂質、炭水化物のうちの少なくとも1つを含み、任意選択的に、1つ以上のビタミン及びミネラルを含む。本明細書に記載されている多くの実施形態を含む本開示の組成物は、本明細書に開示されている要素、並びに本明細書に記載されている又は記載されていなくとも食生活において有用である任意の追加の又は任意選択の成分、構成成分又は要素を含む、それらからなる、又はそれらから本質的になることができる。
【0052】
[0053]用語「ラミネート紙容器」は、片面がポリエチレンなどの熱可塑性材料でコーティングされている紙又は厚紙などの繊維材料の1つ以上の層を有する容器を意味する。ラミネート紙包装材料の、組成物と接触するように構成される面に、容器は、任意選択的に熱可塑性層でコーティングされ得る、例えばアルミニウム箔などのバリア材料の層を更に備えてもよい。米国特許第6,223,924号及び欧州特許第1088765号に、容器の非限定的な例が開示されており、これらの両文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。他の非限定例としては、タイプTetra Brik(登録商標)、Tetra Brik Aseptic(登録商標)、Tetra Pak(登録商標)、Tetra(登録商標)Prisma、Tetra Recart(登録商標)、Tetra Square(登録商標)、Tetra Top(登録商標)、Elopa(登録商標)、Combiblok(登録商標)、及びPure Pak(登録商標)の容器が挙げられる。容器は、約0.125リットル~約2リットル、好ましくは約0.200リットル~約1.0リットル、最も好ましくは約0.200リットル、約0.250リットル、及び約1.0リットルのうちの1つの容積を有し得る。
【0053】
[0054]本明細書で使用するとき、「上部/頂部(top)」、「下部/底部(bottom)」、「側(side)」、「垂直(vertical)」、及び「水平(horizontal)」などの方向は、静置位置にある容器を基準としており(例えば、反転されていない)、静置状態は、具体的には、容器の孔が容器の上部にあり、同様の状況の構成要素は「上部」にある、かつ、容器の孔とは反対側の容器の端部は「底部」にあり、同様の状況の構成要素は「底部」にある。
【0054】
[0055]添付の特許請求の範囲を含めて本願で使用するとき、「キット」は、特定される構成要素が、1つ以上の容器内に又は1つ以上の容器と物理的に関連付けられ、製造、配送、流通、販売、又は使用のための1つの単位と考えられることを意味する。キットを物理的に関連付けるための好適な容器として、袋、箱、カートン、ボトル、任意の種類若しくはデザイン若しくは材料のパッケージ、オーバーラップ、収縮ラップ、付属の構成要素(例えば、ステープル留めされたもの、接着されたものなど)、又はそれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。単一の包装は、特定される構成要素が含まれている1つ以上の容器でもよく、及び物理的に関連付けられている1つ以上の容器でもよく、そのことにより、製造、流通、販売、又は使用のための1つの単位と考えられる。
【0055】
[0056]実施形態
[0057]本明細書に開示されるアダプタの実施形態は、好ましくは、経腸栄養補給ライン(例えば、Gチューブ)と容器(例えば、ラミネート紙容器)とを接続する。アダプタは、容器内に収容された経腸組成物を、容器から経腸栄養補給ラインへと導くことができる。好ましい実施形態では、アダプタデバイスから組成物が流れているときに、例えば、開口部が下向きになるようにユーザが容器を反転させたときに、アダプタが組成物の漏出を防止するように、アダプタにより、少なくとも一時的に容器との液密封止が形成される。
【0056】
[0058]本開示によって提供される第1の実施形態を、
図1~
図19に全般的に示す。第1の実施形態では、アダプタ100は、経腸栄養補給ライン112を容器114に、好ましくはラミネート紙容器に接続し得る。容器114は、当初、アルミニウム箔などのカバー120によって封止されていてもよく、カバー120は、当初、容器114に予め形成された孔140に重なる、及び/又は封止することができる。容器114の内部に当初配置されている組成物115、例えば、経腸組成物などの流体の投与を可能にするために、カバー120は、アダプタ100によって開口され、容器114の内部からアダプタ100を通って経腸栄養補給ライン112までの通路を確立することができる。したがって、アダプタ100は、容器114に、カバー120内のフラップなどの開口部を形成するためのスパイク状部116を備えることができる。
【0057】
[0059]カバー120は、アダプタ100を容器114に接続する前に、容器114の残部から除去することができるプルタブを備えることができる。例えば、カバー120は、容器114の1つ以上の表面から剥離することができる。しかしながら、カバー120は、スパイク状部116によって、好ましくは、例えばカバー120を穿孔すること及び/又は引き裂くことによって開口され、カバー120に開口部が形成される。本開示は、スパイク状部116の特定の実施形態には限定されず、スパイク状部116は、例えばカバー120を穿孔すること及び/又は引き裂くことによって、カバー120を開口させるように構成された任意の構造であってもよい。
【0058】
[0060]アダプタ100は、好ましくは内部チャンバ122を備えることによって、好ましくは少なくとも部分的に中空である本体118を備えることができる。例えば、本体118は、各々が(i)本体118の外面である外面及び(ii)内部チャンバ122の少なくとも一部分を画定する内面を有する、1つ以上の壁部を有することができる。
【0059】
[0061]スパイク状部116は、本体118の一部であってもよく、例えば、内部チャンバ122内への開口部もまた画定する本体118の下端部117であってもよい。スパイク状部116は、好ましくは、スパイク状部116が挿入される容器114の孔140よりも大きい(すなわち、少なくとも1つの寸法において大きい)プロファイルを有する。例えば、本体118の下端部117により画定される開口部は、本体118の側壁及び/又は本体118の長手方向軸線に対して角度をなす平面内にあってもよい。
図9に示されるように、好ましくは、本体118及び/又はスパイク状部116は、容器114の孔140の円周よりも大きい円周(例えば、より大きい半径)を有する、長手方向軸線に対して垂直な断面を有する。
図1~
図19を再び参照すると、本体118は概ね円筒形であるものとして示されているが、本体118は任意の形状であってもよく、本開示は、特定の形状の本体118に限定されない。
【0060】
[0062]スパイク状部116を形成する本体118の下端部117の開口部は、好ましくは、本体118の側壁及び/又は本体118の長手方向軸線に対して10度~80度の角度の、より好ましくは、本体118の側壁及び/又は本体118の長手方向軸線に対して20度~70度の角度の、最も好ましくは、本体118の側壁及び/又は本体118の長手方向軸線に対して30度~60度の角度の平面内にある。
【0061】
[0063]本体118は、任意選択的に、ドレインスロット180、例えば、本体118の下端部117から上向きに延びる、本体118のスロットを備えることができる。追加的に又は代替的に、本体118は、任意選択的に、ドレイン孔181、例えば、本体118の下端部117に隣接する本体118を貫通して延びる孔を備えることができる。
【0062】
[0064]アダプタ100は、本体118から軸線方向に延びる1つ以上の境界面182、例えば、アダプタ100の本体118から延びる垂直リブ、及び/又はアダプタ100の本体118を包囲するスリーブ(例えば、透明なスリーブ)を更に備えることができる。1つ以上の境界面182は、本明細書でより詳細に後述するように、アダプタが少なくとも部分的に挿入されるシリンジ199の内面に当接することができる。この点に関して、本体118を、アダプタ100が少なくとも部分的に挿入されるシリンジ199の内面から離して、シリンジ199が効果的に排水できるように通気間隙を形成してもよい。一実施形態では、1つ以上の境界面182は、シリンジ199がより大きい直径を有する場合により確実な嵌め合いを提供するように、外向きにテーパ状になっていてもよい。
【0063】
[0065]アダプタ100が容器114内に押し込まれ続けるにつれて、1つ以上の停止面183は、摺動して容器114の上面と当接することができる。したがって、停止面183は、アダプタ100を容器114内に更に押し込むことを防止することができる。
【0064】
[0066]いくつかの実施形態では、1つ以上の境界面182は、1つ以上の停止面183を備えてもよい。例えば、垂直リブを備える1つ以上の境界面182の実施形態は、リブの最下端部に停止面183を備えることができる。別の例として、スリーブを含む1つ以上の境界面182の実施形態は、スリーブの最下端部に停止面183を備えることができる。1つ以上の停止面183は、(存在する場合には)境界面182の一部であってもよく、あるいは別個の構造体であってもよい。
【0065】
[0067]本体118の、停止面183と下端部117の開口部との間の部分は、容器114の孔の側部と係合する液密封止及び摩擦保持区域185を形成することができる。一実施形態では、液密封止及び摩擦保持区域185は、任意選択的に、1つ以上の返し部、1つ以上の隆起部、1つ以上の魚鰓構造体、ゴム材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される機械的固定部材を含むことができる。一実施形態では、アダプタ100を容器114に固定するのを支援するために、保持部材、例えば、アダプタ100の上面170から容器114の底部まで延びる弾性バンドをアダプタ100の上面170に適用することができる。
【0066】
[0068]1つ以上の停止面183が容器114に当接するようにアダプタ100を配置することにより、スパイク状部116をカバー120に押し込み、少なくとも部分的にカバー120を通すことができる。これにより、スパイク状部116は、カバー120及び/又は容器114に開口部を形成することができ、それによって、容器114の内部からアダプタ100を通って経腸栄養補給ライン112へと、経腸組成物115のための通路を確立することができる。この点に関して、本体118は、アダプタ100の上面170に流体出口ポート121を備えることができ、本体118の下端部117によって画定される開口部は、本体118の内部を通って(例えば、内部チャンバ122を通って)、(特に
図2Dに示される)流体出口ポート121に至る。シリンジ199は、アダプタ100の流体出口ポート121を経腸栄養補給ライン112に流体接続することができる。
【0067】
[0069]アダプタ100は、任意選択的に、アダプタ100を通って容器114を出る組成物115を補償するために、空気が(例えば、内部チャンバ122を通って移動することによって)容器114の内部に入ることを可能にするように構成された通気ポート127を備えることができる。通気ポート127は、組成物115が通気ポート127を通って出ることを防止しながら、容器114の外部から(例えば、内部チャンバ122を介して)容器114の内部に空気が入ることを可能にするフィルタを備えてもよい。フィルタは、好ましくは、細菌などの汚染物質が容器114の内部に入ることを防止するように構成された細菌フィルタを含む。これにより、フィルタは、汚染物質が経腸栄養補給ライン112に入ることを防止することができる。しかしながら、アダプタ100のいくつかの実施形態は通気孔を含まず、そのような実施形態では、好ましくは、容器114へのアクセスのみが、内部チャンバ122及び流体出口ポート121によって形成される通路を通っている。
【0068】
[0070]アダプタ100を使用する方法の非限定的な例を、
図5~
図12に全般的に示す。容器114は、孔140を備えることができる。例えば、カバー120を容器114に適用する前に、容器114の本体に孔140を切り込むことができる。追加的に又は代替的に、容器114は、容器114の周囲部分に対して低減された厚さを有し、かつ/又は容器114の切り目によって画定される部分を備えることができ、スパイク状部116は、アダプタ100(例えば、停止面183)を容器114と当接させて配置することによって、孔140を形成することができる。
【0069】
[0071]孔140は、任意の好適な形状、例えば円形又は矩形のものであってもよく、任意の好適な寸法は、例えば、約0.3cm~約3.0cm、好ましくは、約0.6cm~約2cm、より好ましくは、約1.2cm~約1.5cm、最も好ましくは、約1.3cm~約1.4cm、例えば約0.6cmの直径を有してもよい。カバー120は、アダプタ100を接続する前に除去されてもよいが、好ましくは、スパイク状部116は、例えば、(例えば、容器114の内部をアダプタ100の内部チャンバ122に露出させるように)カバー120を穿孔すること及び/又は引き裂くことによって、カバー120を開口させて容器114にアダプタ100を接続する。
【0070】
[0072]例えば、スパイク状部116が、カバー120を穿孔すること及び/又は引き裂くことによってカバー120を開口させ、孔140内に挿入するように、アダプタ100を容器114内に押し込むこと及び/又はねじ込むことができる。容器114の内部へのスパイク状部116の挿入は、組成物115が内部チャンバ122に入ることができるように、本体118の下端部117の開口部を容器114の内部に露出させることができる(
図6A、
図6B、及び
図8)。
【0071】
[0073]
図9に示すように、スパイク状部116は、好ましくは、スパイク状部116が挿入される容器114の孔140よりも大きい(すなわち、少なくとも1つの寸法において大きい)プロファイルを有する。したがって、スパイク状部116によって孔140が拡大されることができ、好ましくはまた、孔140上において液密封止が形成される。
【0072】
[0074]容器114は、ユーザによって反転され得る。
図10~
図12に示されるように、アダプタ100をシリンジ199に挿入し、それによって、アダプタ100を介して(例えば、本体118の下端部117の開口部、内部チャンバ122、及び流体出口ポート121を介して)、かつシリンジ199を介して、容器114の内部を経腸栄養補給ライン112と流体連通させることができる。
図13に示すように、アダプタ100は、シリンジ199に可逆的に取り付けられるクリップ150を備えることができる。
【0073】
[0075]重力によって、及び/又は容器114に圧力を加えることによって、例えば容器114を(例えば、ポンプを使用せずに)圧搾することによって、組成物115を、アダプタ100を通してシリンジ199へと、次いで、経腸栄養補給ライン112へと導くことができる。組成物115は、経腸栄養補給ライン112を通って患者へと移動することができる。
【0074】
[0076]好ましくは、アダプタ100の1つ以上のパーツ(例えば、本体118)及び/又はシリンジ199は、経腸栄養補給ライン112に入る前の、アダプタ100に、次いでシリンジ199に入る組成物115の流れをユーザが観察することを可能にするように、透明であってもよい。
【0075】
[0077]いくつかの実施形態では、容器114又はシリンジ199からアダプタ100を切り離すこと、容器114に蓋をすること、又はアダプタポート121に蓋をすること、及び容器114を保管すること(例えば、容器114を冷蔵すること)によって、補給を休止することができる。次いで、アダプタ100を容器114又はシリンジ199に再接続することによって、補給を後で再開することができる。好ましくは、アダプタ100は再使用可能であり、すなわち、アダプタ100の洗浄した後で、同じアダプタ100を使用する経腸投与に、別の容器を使用することができる。更にこの点に関して、アダプタ100によって達成される摩擦封止は、ラミネート紙容器などの容器の接続性の損失を(あるとしても)最小限に抑えて、アダプタ100を再使用可能にすることができる。
【0076】
[0078]
図14~
図19は、容器114上の対応するねじ山に可逆的に接続することができる本体118のねじ山119をアダプタ100が有する、第1の実施形態の1つのバージョンを全般的に示す。
【0077】
[0079]第1の実施形態(例えば、アダプタ100)は、本明細書に開示される特徴の結果として、運動技能の最小限の習得で使用することができ、流れを可視化することができ、信頼できる流れを提供することができ、既知の経腸投与法に対して流出を減少させることができる。更に、アダプタ100は、不可逆的な膜閉塞を伴わずに、補給を遅延し、後で終了できるようにし得る。更に、アダプタ100は、容器114と摩擦嵌めを形成することができ、安定性を提供し、片手での使用を可能にする、シリンジ199とのインターフェイスを使用することができる。
【0078】
[0080]本開示によって提供される第2の実施形態を、
図20~
図48に全般的に示すが、本明細書で先に述べたように、別途記載のない限り、本明細書で開示される任意の実施形態を、本明細書で開示される任意の他の実施形態と組み合わせることができる。第2の実施形態では、アダプタ200は、経腸栄養補給ライン212を容器214に、好ましくはラミネート紙容器に接続し得る。容器214は、当初、アルミニウム箔などのカバー220によって封止されていてもよい。容器214の内部に当初配置されている組成物215、例えば、経腸組成物などの流体の投与を可能にするために、カバー220は、アダプタ200によって開口され、容器214の内部からアダプタ200を通って経腸栄養補給ライン212までの通路を確立することができる。
【0079】
[0081]したがって、アダプタ200の第1のバージョン(
図20~
図28)は、容器214に、カバー220内のフラップなどの開口部を形成するための短いスパイク状部316を備えることができる。アダプタ200の第2のバージョン(
図29~
図48)は、短いスパイク状部316を備えることができ、容器214に、カバー220内のフラップなどの開口部を協同的に形成するための長いスパイク状部216を更に備えることができる。
【0080】
[0082]カバー220は、アダプタ200を容器214に接続する前に、容器214の残部から除去することができるプルタブを備えることができる。例えば、カバー220は、容器214の1つ以上の表面から剥離することができる。しかしながら、アダプタ200の第1のバージョン(
図20~
図28)は、好ましくは、短いスパイク状部316を使用してカバー220を穿孔すること及び/又は引き裂くことによって、カバー220を開口させ、次いで、短いスパイク状部316を第1の開口部に押し通して第1の開口部を拡張させ、カバー220に第1の開口部よりも大きい第2の開口部を形成する。
【0081】
[0083]アダプタ200の第1のバージョン(
図20~
図28)では、短いスパイク状部316は、アダプタ200の第1のバージョンの1つ以上のプレート18、好ましくは、1つ以上の水平プレート、例えば、第1のプレート18aから突出することができる。1つ以上のプレート18の各々は、好ましくは、概ね矩形形状又は概ね円形形状を有するが、1つ以上のプレート18はそれぞれ、任意の形状であってもよく、本開示は、特定の形状の1つ以上のプレート18に限定されない。
【0082】
[0084]容器214に当接するようにアダプタ200の第1のバージョン(例えば、1つ以上のプレート18のうち最も下にあるプレート)を配置することにより、短いスパイク状部316をカバー220に押し込み、少なくとも部分的にカバー220を通すことができる。これにより、短いスパイク状部316は、カバー220に開口部を形成することができ、それによって、容器214の内部からアダプタ200の第1のバージョンを通って経腸栄養補給ライン12へと、組成物215のための通路を確立することができる。この点に関して、アダプタ200の第1のバージョンは、1つ以上のプレート18の短いスパイク状部316と同じ側に流体入口を備えることができる。アダプタ200の第1のバージョンは、1つ以上のプレート18の反対側に流体出口ポート221を備えることができ、アダプタ200は、流体入口を流体出口ポート221に流体接続するように、1つ以上のプレート18を貫通して延びるボアを備えることができる。ボアの寸法は、容器214に収容された送達される組成物215(例えば、流体)の種類及び粘度に適合され得る。
【0083】
[0085]経腸栄養補給ライン212は、アダプタ200の流体出口ポート221に流体接続することができる。例えば、経腸栄養補給ライン212の入口端部の直径は、流体出口ポート221の直径と実質的に同じとすることができ、液密封止で流体出口ポート221を包囲することができる。
【0084】
[0086]アダプタ200の第1のバージョン(
図20~
図28)は、アダプタ200を通って容器214から出る組成物215を補償するために、容器214の内部に空気が入ることを可能にするように構成された(例えば、通気チューブ227に接続された)通気ポート888を備えることができる。通気ポート888及び/又は通気チューブ227は、容器214の外部から容器214の内部に空気が入ることを可能にするために、(i)1つ以上のプレート18の短いスパイク状部316と同じ側から、(ii)1つ以上のプレート18の反対側まで延びる通気通路228を備えることができる。
【0085】
[0087]通気ポート888及び/又は通気チューブ227は、組成物215が通気通路228を通って出ることを防止しながら、容器214の外部から通気通路228を通って容器214の内部に空気が入ることを可能にするように、内部に(すなわち、通気通路228内に)配置されたフィルタを備えてもよい。フィルタは、好ましくは、細菌などの汚染物質が容器214の内部に入ることを防止するように構成された細菌フィルタを含む。これにより、フィルタは、汚染物質が経腸栄養補給ライン212に入ることを防止することができる。
【0086】
[0088]アダプタ200の第1のバージョンの実施形態(
図20~
図28)では、アダプタ200は、容器214とアダプタ200との係合時に、容器214の上面及び/又は1つ以上の側面との液密封止を形成するように構成された接着パッド232を備える。1つ以上のプレート18に接着パッド232を接続することができ、接着パッド232の少なくとも一部分は、1つ以上のプレート18の少なくとも一部分と平行である、かつ/又は同一平面上にあることができる。好ましくは、アダプタ200には、接着パッド232を覆う保護フィルムが設けられており、アダプタ200を使用する前に保護フィルムを除去することができる。
【0087】
[0089]したがって、アダプタ200の第1のバージョン(
図20~
図28)は、容器214から経腸栄養を供給する方法において使用することができ、容器214は、容器の内部へと予め形成された孔を備え、この方法は、容器214にアダプタ200の第1のバージョンを接続する工程であって、容器214にアダプタ200の第1のバージョンを接続する工程は、容器214の予め形成された孔にアダプタ200の短いスパイク状部316を押し通すことを含み、短いスパイク状部316は、少なくとも1つの寸法において予め形成された孔よりも大きく、予め形成された孔にアダプタ200の第1のバージョンの短いスパイク状部316を押し通すことにより、孔が少なくとも1つの方向に拡張される、接続する工程と、アダプタ200の第1のバージョンが取り付けられた状態で容器214を反転させる工程であって、容器214を反転させることにより、容器214内の組成物215の少なくとも一部分がアダプタ200の第1のバージョンを通して、次いで、アダプタ200の第1のバージョンに取り付けられた第1の端部を有する経腸栄養補給ライン212へと導かれ、経腸栄養補給ライン212の第2の端部は、患者内に配置されている、反転させる工程と、を含む。好ましくは、この方法は、容器214にアダプタ200の第1のバージョンを接続する工程の前及び/又は後に、経腸栄養補給ライン212にアダプタ200の第1のバージョンを流体接続する工程を含む。
【0088】
[0090]アダプタ200の第2のバージョン(
図29~
図48)では、好ましくは、例えば、長いスパイク状部216によってカバー220を穿孔すること及び/又は引き裂くことによって、カバー220を開口させて、カバー220に第1の開口部を形成し、次いで、それに続いて短いスパイク状部316を第1の開口部に押し通して第1の開口部を拡張させ、カバー220に第1の開口部よりも大きい第2の開口部を形成する。
【0089】
[0091]本開示は、長いスパイク状部216及び短いスパイク状部316の特定の実施形態には限定されず、長いスパイク状部216及び短いスパイク状部316は、例えばカバー220を穿孔すること及び/又は引き裂くことによって、カバー120を開口させるように構成された任意の構造であってもよい。更に、「短い」及び「長い」は、任意の特定の長さを示すものではなく、代わりに、互いに対するスパイク状部216及び316の相対長さを示すにすぎない。
【0090】
[0092]アダプタ200の第2の実施形態(例えば、第1のバージョン及び/又は第2のバージョン)は、好ましくは内部チャンバ222を備えることによって、好ましくは少なくとも部分的に中空である本体218を備えることができる。通気チューブ227は、内部チャンバ222を通って、上面270から外向き及び上面270から内向きのいずれにも延びることができる。
【0091】
[0093]アダプタ200の第1のバージョン(
図20~
図28)では、通気チューブ227は、好ましくは、短いスパイク状部316に隣接する点まで延びる。アダプタ200の第2のバージョン(
図29~
図48)では、通気チューブ227は、好ましくは、短いスパイク状部316を越える点まで延びる。好ましくは、第2のバージョンにおける通気チューブ227の全長は、長手方向において本体218の約1.5~約3.0倍の長さであってよく、かつ/又は通気チューブ227は、容器214の内側において、容器214の高さの約0.5~約1.0倍の長さ(例えば、容器214の高さの約0.5~約0.75倍の長さ)である長さを有し得る。
【0092】
[0094]更に、アダプタ200の第2のバージョン(
図29~
図48)に関して、通気チューブ227の最下端部は、
図35Bに示すように、流体送達のために容器214が反転されているとき、容器214の頂部空間内で終端することができる。通気チューブ227の最下端部は、長いスパイク状部216を形成することができる。
【0093】
[0095]アダプタ200の第2の実施形態(例えば、第1のバージョン及び/又は第2のバージョン)では、任意選択的に、通気チューブ227の上端部は、通気チューブ227がその中に流体を有すること、及び/又は塞がれていることを示すために、キャップ及び/又は可撓性チューブに接続されるように構成されたインジケータポートを備えることができる。このような実施形態では、スタイレット999を使用して通気チューブ227を塞ぐ及び/又は制限することができる。追加的に又は代替的に、クランプ及び/又はキャップを使用して通気チューブ227を塞ぐ及び/又は制限することができる。
【0094】
[0096]アダプタ200の第2のバージョン(
図29~
図48)では、通気チューブ227は、長いスパイク状部216でカバー220を穿刺する力を低減するために、低減されたプロファイルを有することができる。通気チューブ227は、流体が通気チューブ227に入ることを最小限に抑えるために、長いスパイク状部216において、低減された内部断面を有することができる。
【0095】
[0097]いくつかの実施形態では、アダプタ200はモジュール式であり得る。例えば、通気チューブ227は、本体218とは別個の部品であってもよく、容器214へのアダプタ200の接続とは別に、アダプタ200の本体218を通して通気チューブ227を挿入することができる。
【0096】
[0098]アダプタ200の第2の実施形態(例えば、第1のバージョン及び/又は第2のバージョン)では、短いスパイク状部316は、本体218の一部であってもよく、例えば、内部チャンバ122内への開口部もまた画定する本体218の下端部217であってもよい。短いスパイク状部316は、好ましくは、短いスパイク状部316が挿入される容器214の予め形成された孔240よりも大きい(すなわち、少なくとも1つの寸法において大きい)プロファイルを有する。例えば、本体218の下端部217により画定される開口部は、本体218の側壁及び/又は本体218の長手方向軸線に対して角度をなす平面内にあってもよい。好ましくは、本体218及び/又は短いスパイク状部316は、容器214の孔240の円周よりも大きい円周(例えば、より大きい半径)を有する、長手方向軸線に対して垂直な断面を有する。本体218は概ね円筒形であるものとして示されているが、本体218は任意の形状であってもよく、本開示は、特定の形状の本体218に限定されない。
【0097】
[0099]アダプタ200の第2の実施形態(例えば、第1のバージョン及び/又は第2のバージョン)では、短いスパイク状部316を形成する本体218の下端部217の開口部は、好ましくは、本体218の側壁及び/又は本体218の長手方向軸線に対して10度~80度の角度の、より好ましくは、本体218の側壁及び/又は本体218の長手方向軸線に対して20度~70度の角度の、最も好ましくは、本体218の側壁及び/又は本体218の長手方向軸線に対して30度~60度の角度の平面内にある。
【0098】
[0100]同様に、アダプタ200の第2のバージョン(
図29~
図48)では、長いスパイク状部216を形成する通気チューブ227の下端部の開口部は、好ましくは、本体218の側壁及び/又は本体218の長手方向軸線に対して10度~80度の角度の、より好ましくは、本体218の側壁及び/又は本体218の長手方向軸線に対して20度~70度の角度の、最も好ましくは、本体218の側壁及び/又は本体218の長手方向軸線に対して30度~60度の角度の平面内にある。
【0099】
[0101]アダプタ200の第2の実施形態(例えば、第1のバージョン及び/又は第2のバージョン)では、通気チューブ227は、アダプタ200を通って容器214から出る組成物215を補償するために、容器214の内部に空気が入ることを可能にするように構成され得る。通気チューブ227は、組成物215が通気チューブ227を通って出ることを防止しながら、容器214の外部から容器214の内部に空気が入ることを可能にするフィルタを備えてもよい。フィルタは、好ましくは、細菌などの汚染物質が容器214の内部に入ることを防止するように構成された細菌フィルタを含む。これにより、フィルタは、汚染物質が経腸栄養補給ライン212に入ることを防止することができる。
【0100】
[0102]通気チューブ227は、第2のバージョンでは、例えば長いスパイク状部216とは反対側の通気チューブ227の端部に通気ポート888を備えることができる。一実施形態では、管材のセクションは、通気ポート888に接続されてもよく(例えば、通気チューブ227に接続される)、通気チューブ227内の流体が目視できるように透明であってもよく、管材は、通気孔を調整し、流れを計測するために、キャップ、バルブ(例えば、バタフライ弁)又はローラークランプを含むことができる。補給が開始される直前まで、スタイレット999を使用して通気通路を塞ぎ、それによって、不注意により流体が通気通路に入ることを防止することができる。
【0101】
[0103]アダプタ200の第2の実施形態(例えば、第1のバージョン及び/又は第2のバージョン)では、本体218は、任意選択的に、ドレインスロット280、例えば、本体218の下端部217から上向きに延びる本体218のスロットを備えることができる。追加的に又は代替的に、本体218は、任意選択的に、ドレイン孔281、例えば、本体218の下端部217に隣接する本体218を貫通して延びる孔を備えることができる。
【0102】
[0104]アダプタ200の第2のバージョン(
図29~
図48)では、アダプタ200は、本体218から軸線方向に延びる1つ以上の境界面282、例えば、アダプタ200の本体218から延びる垂直リブ、及び/又はアダプタ200の本体218を包囲するスリーブを更に備えることができる。アダプタ200は、アダプタ200が容器214内に押し込まれ続けるにつれて、摺動して容器214の上面と当接することができる1つ以上の停止面283を備えることができる。1つ以上の停止面283は、(存在する場合には)境界面282の一部であってもよく、あるいは別個の構造体であってもよい。停止面283は、アダプタ200を容器214へと更に押し込むことを防止することができる。
【0103】
[0105]例えば、垂直リブを備える1つ以上の境界面282の実施形態は、リブの最下端部に停止面283を備えることができる。別の例として、スリーブを含む1つ以上の境界面282の実施形態は、スリーブの最下端部に停止面283を備えることができる。更に別の例として、停止面283は、本体218から延びる環状リムであってもよい。
【0104】
[0106]本体218の、停止面283と下端部217の開口部との間の部分は、容器214の孔の側部と係合する液密封止及び摩擦保持区域285を形成することができる。一実施形態では、液密封止及び摩擦保持区域285は、任意選択的に、1つ以上の返し部、1つ以上の隆起部、1つ以上の魚鰓構造体、ゴム材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される機械的固定部材を含むことができる。一実施形態では、アダプタ200を容器214に固定するのを支援するために、保持部材、例えば、アダプタ200の上面270から容器214の底部まで延びる弾性バンドをアダプタ200の上面270に適用することができる。
【0105】
[0107]1つ以上の停止面283が容器214に当接するようにアダプタ200を配置することにより、第1のスパイク状部216及び第2のスパイク状部316をカバー220に押し込み、少なくとも部分的にカバー220を通すことができる。これにより、第1のスパイク状部216及び第2のスパイク状部316は、カバー220及び/又は容器214に開口部を形成することができ、それによって、容器214の内部からアダプタ200を通って経腸栄養補給ライン212へと、経腸組成物215のための通路を確立することができる。この点に関して、本体218は、アダプタ200の上面270に流体出口ポート221を備えることができ、本体218の下端部217によって画定される開口部は、本体218の内部を通って(例えば、内部チャンバ222を通って)、(特に
図37に示される)流体出口ポート221に至る。内部チャンバ222は、任意選択的に、反転されたときに空気間隙を増大させる容積を有することができ、これにより、通気チューブ227の必要な長さが最小限に抑えられる。
【0106】
[0108]アダプタ200の流体出口ポート221は、経腸栄養補給ライン212に流体接続され得る。例えば、経腸栄養補給ライン212の入口端部の直径は、流体出口ポート221の直径と実質的に同じとすることができ、液密封止で流体出口ポート221を包囲することができる。
【0107】
[0109]アダプタ200の第2のバージョンを使用する方法の非限定的な例を、
図35A~
図37に全般的に示す。容器214は、孔240を備えることができる。例えば、カバー120を容器214に適用する前に、容器214の本体に孔240を切り込むことができる。追加的に又は代替的に、容器214は、容器214の周囲部分に対して低減された厚さを有し、かつ/又は容器214の切り目によって画定される部分を備えることができ、第1のスパイク状部216及び第2のスパイク状部316は、容器214と当接させてアダプタ214(例えば、1つ以上の停止面183)を配置することによって、孔240を形成することができる。
【0108】
[0110]孔240は、任意の好適な形状、例えば円形又は矩形のものであってもよく、任意の好適な寸法は、例えば、約0.3cm~約3.0cm、好ましくは、約0.6cm~約2cm、より好ましくは、約1.2cm~約1.5cm、最も好ましくは、約1.3cm~約1.4cm、例えば約0.6cmの直径を有してもよい。カバー220は、アダプタ200を接続する前に除去されてもよいが、好ましくは、長いスパイク状部216は、例えばカバー220を穿孔すること及び/又は引き裂くことによって、カバー220を開口させ、短いスパイク状部316は更に、カバー220を開口させて、(例えば、容器214の内部をアダプタ200の内部チャンバ222に露出させるように)容器214にアダプタ200を接続する。
【0109】
[0111]例えば、カバー220を穿孔すること及び/又は引き裂くことによって、長いスパイク状部216がカバー220を開口させ、孔240内に挿入し、次いで、短いスパイク状部316がカバー220を引き裂き、孔240内に挿入するように、アダプタ200を容器214内に押し込むこと及び/又はねじ込むことができる。容器214の内部への第1のスパイク状部216及び第2のスパイク状部316の挿入は、組成物215が内部チャンバ222に入ることができるように、本体218の下端部217の開口部を容器214の内部に露出させることができる(
図35A、
図35B及び
図36)。
【0110】
[0112]
図38に示されるように、短いスパイク状部316は、好ましくは、短いスパイク状部316が挿入される容器214の予め形成された孔240よりも大きい(すなわち、少なくとも1つの寸法において大きい)プロファイルを有する。したがって、短いスパイク状部316によって、孔240が拡大されることができ、好ましくはまた、孔240において液密封止が形成される。
【0111】
[0113]容器214は、ユーザによって反転され得る。
図35A~
図38に示されるように、アダプタ200は、アダプタ200を介して(例えば、本体218の下端部217の開口部、内部チャンバ222、及び流体出口ポート221を介して)、容器114の内部を経腸栄養補給ライン212と流体連通させることができる。
【0112】
[0114]重力によって、及び/又は容器214に圧力を加えることによって、例えば容器214を(例えば、ポンプを使用せずに)圧搾することによって、組成物215を、アダプタ200を通して、経腸栄養補給ライン212へと導くことができる。組成物215は、経腸栄養補給ライン212を通って患者へと移動することができる。
【0113】
[0115]通気チューブ227は、好ましくは、容器214がユーザによって反転されたときに、容器214の空気間隙内に配置されるのに十分な長さである(
図35B)。更にこの点に関して、内部チャンバ222は、充填されているときに、好ましくは、空気間隙の容積を増大させ、通気チューブ227に入る流体を最小限に抑える。
【0114】
[0116]好ましくは、アダプタ200の1つ以上のパーツ(例えば、本体218)は、経腸栄養補給ライン212に入る前のアダプタ200に入る組成物215の流れをユーザが観察することを可能にするように、透明であってもよい。
【0115】
[0117]いくつかの実施形態では、容器214又は補給チューブ212からアダプタ200を切り離すこと、容器214又はアダプタ200に蓋をすること、及び容器214を保管すること(例えば、容器214を冷蔵すること)によって、補給を休止することができる。次いで、アダプタ200を容器214又は補給チューブ212に再接続することによって、補給を後で再開することができる。好ましくは、アダプタ200は再使用可能であり、すなわち、アダプタ200を洗浄した後で、同じアダプタ200を使用する経腸投与に、別の容器を使用することができる。更にこの点に関して、アダプタ200によって達成される摩擦封止は、ラミネート紙容器などの容器の接続性の損失を(あるとしても)最小限に抑えて、アダプタ200を再使用可能にすることができる。それにもかかわらず、いくつかの実施形態では、アダプタ200は、容器214への適用後に廃棄される単回使用デバイスであり得る。
【0116】
[0118]第2の実施形態(例えば、アダプタ200)は、本明細書に開示される特徴の結果として、運動技能の最小限の習得で使用することができ、流れを可視化することができ、信頼できる流れを提供することができ、接着剤又フィルタのコストを回避することができる。更に、アダプタ200は、不可逆的な膜閉塞を伴わずに、補給を遅延し、後で終了できるようにし得る。
【0117】
[0119]
図39~
図42は、漏出インジケータ284、例えば、ドレイン孔281から延びるスロットをアダプタ200が有する第2の実施形態の1つのバージョンを全般的に示す。
図43~
図48は、容器214上の対応するねじ山に可逆的に接続することができる本体218のねじ山219をアダプタ200が有する実施形態を全般的に示す。
【0118】
[0120]
図49に示される本開示の一態様では、第1の実施形態100と第2の実施形態200とを組み合わせることができる。この点に関して、本体218は、流体出口ポート121(例えば、流体出口ポート121)、通気ポート27(例えば、通気ポート127)、及び1つ以上のプレート通気ポート18(例えば、第1のプレート18a)のうちの1つ以上を備える上部部分10を備えることができる。
【0119】
[0121]本明細書に開示されるアダプタの様々な実施形態(例えば、第1の実施形態及び第2の実施形態、それらの各バージョン、並びにこれらの組み合わせ)は、ポリオレフィン、例えばポリプロピレン又はポリエチレンを含むがこれらには限定されないプラスチック材料又はポリマー材料から作製されてもよく、成形技術によって、例えば射出成形によって製造されてもよい。アダプタ10は、好ましくは、酸素に対して低い透過性を有する材料から作製される。更に、アダプタ10は、例えば、エチレンオキシド(ETO)、γ線、β線、過酸化物、又は当業者には既知の任意の他の好適な薬品のうちの1つ以上によって殺菌可能であってもよく、例えば、レトルト加工可能又は殺菌可能であってもよい。
【0120】
[0122]本明細書に記載される現在好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者には明らかである。かかる変更及び改変は、本発明の主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、かつ意図される利点を損なわずに、行うことができる。それゆえ、そのような変更及び改変は、添付の特許請求の範囲に包含されることが意図されている。
【外国語明細書】