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特開2024-54386可撓性フィルムを穿孔するシステムおよび方法、並びに関連する穿孔工具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054386
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】可撓性フィルムを穿孔するシステムおよび方法、並びに関連する穿孔工具
(51)【国際特許分類】
   B26F 1/04 20060101AFI20240409BHJP
   B26D 7/10 20060101ALI20240409BHJP
   B26D 7/02 20060101ALI20240409BHJP
   B26D 7/18 20060101ALI20240409BHJP
   B26D 3/00 20060101ALI20240409BHJP
   B26F 1/14 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
B26F1/04 Z
B26D7/10
B26D7/02 C
B26D7/18 G
B26D3/00 601B
B26F1/14 A
B26F1/14 E
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024025028
(22)【出願日】2024-02-22
(62)【分割の表示】P 2021509186の分割
【原出願日】2019-08-15
(31)【優先権主張番号】62/719,920
(32)【優先日】2018-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506395943
【氏名又は名称】クリック アンド ソッファ インダストリーズ、インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】メイリン、ハイム
(72)【発明者】
【氏名】ズリ、リモア
(72)【発明者】
【氏名】エルコービー、エイム
(57)【要約】      (修正有)
【課題】可撓性フィルムに穿孔を形成するためのシステムが提供される。
【解決手段】システム10aは、可撓性フィルム120に穿孔を形成するため、1つを打撃するように配列された複数の打撃部材106aを含む打撃工具106で打撃される穿孔工具を有する。穿孔工具には、その内部を貫通する貫通孔が形成されている。当該システム10aは支持プレート104も有する。穿孔工具は、可撓性フィルム120を支持プレート104に対して押圧して孔部を形成するように構成されている。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性フィルムに孔部を形成するためのシステムであって、
可撓性フィルムに孔部を形成する穿孔工具であって、その内部を貫通する貫通孔が形成されているものである、前記穿孔工具と、
支持プレートであって、前記穿孔工具は前記可撓性フィルムを当該支持プレートに対して押圧して前記孔部を形成するように構成されているものである、前記支持プレートと
を有するものである、
システム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、前記穿孔工具はセラミック材で形成されているものある、システム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムにおいて、前記穿孔工具は円筒形状を有し、前記穿孔工具の加工先端部で終端するテーパ部分を有するものである、システム。
【請求項4】
請求項1記載のシステムにおいて、前記可撓性フィルムに複数の孔部を同時形成するように構成された複数の前記穿孔工具を有するものである、システム。
【請求項5】
請求項1記載のシステムにおいて、さらに、
前記穿孔工具を保持する工具ホルダーを有し、当該工具ホルダーは前記穿孔工具を前記可撓性フィルムに押圧するために縦方向に移動するように構成されているものである、システム。
【請求項6】
請求項5記載のシステムにおいて、さらに、
前記穿孔工具に係合するバネ部材をさらに有し、当該バネ部材は、前記穿孔工具が前記可撓性フィルムを前記支持プレートに対して押圧する間、圧縮されるように構成されているものである、システム。
【請求項7】
請求項5記載のシステムにおいて、複数の孔部を前記可撓性フィルムに同時形成するように構成された複数の前記穿孔工具を有し、当該複数の穿孔工具は前記工具ホルダーによって保持されるものである、システム。
【請求項8】
請求項7記載のシステムにおいて、前記工具ホルダーは複数の受容部を有しており、前記複数の受容部の各々は、前記複数の穿孔工具のうちの1つを受容するのに利用できるものである、システム。
【請求項9】
請求項8記載のシステムにおいて、第1の用途において、前記複数の受容部の第1の部分は前記複数の穿孔工具の一部分を受容し、第2の用途において、前記複数の受容部の第2の部分は前記複数の穿孔工具の一部分を受容するものであり、前記第1の部分は前記第2の部分とは少なくとも部分的に異なるものである、システム。
【請求項10】
請求項1記載のシステムにおいて、さらに、
打撃工具を有し、当該打撃工具は、前記穿孔工具を打撃するように構成され、それにより、前記穿孔工具が前記支持プレートに対して前記可撓性フィルムを押圧して前記孔部が形成されるものである、システム。
【請求項11】
請求項10記載のシステムにおいて、さらに、
前記穿孔工具を複数保持する工具ホルダーを有し、当該工具ホルダーは、前記穿孔工具を前記可撓性フィルムに押圧するために縦方向に移動するように構成されているものである、システム。
【請求項12】
請求項10記載のシステムにおいて、前記打撃工具は複数の打撃部材を有し、当該打撃部材の各々は、前記複数の穿孔工具のうち対応する1つを打撃するように配列されているものである、システム。
【請求項13】
請求項1記載のシステムにおいて、前記穿孔工具の加工先端部は加熱されるものであるシステム。
【請求項14】
請求項1記載のシステムにおいて、さらに、
前記支持プレートに対して前記可撓性フィルムを保持する保持プレートを有し、当該保持プレートには、前記穿孔工具が前記可撓性フィルムを前記支持プレートに対して押圧する間、前記穿孔工具の加工先端部が延長する穴部が形成されているものである、システム。
【請求項15】
請求項1記載のシステムにおいて、前記穿孔工具に形成された前記貫通孔は、前記孔部が形成されることによって生じる前記可撓性フィルムの切断部分を受容するように構成されるものである、システム。
【請求項16】
請求項1記載のシステムにおいて、さらに、
前記孔部を形成することによって生じる前記可撓性フィルムの切断部分を回収する洗浄システムを有するものである、システム。
【請求項17】
請求項1記載のシステムにおいて、さらに、
前記可撓性フィルムを移動させる供給システムを有するものである、システム。
【請求項18】
請求項17記載のシステムにおいて、前記供給システムは、前記可撓性フィルムの主スプールと、前記可撓性フィルムを前記主スプールから受容するための下流側スプールとを有するものであるシステム。
【請求項19】
請求項1記載のシステムにおいて、前記穿孔工具を用いて前記孔部を形成する間、前記可撓性フィルムは移動状態にある、システム。
【請求項20】
請求項1記載のシステムにおいて、前記穿孔工具を用いて前記孔部を形成する間、前記可撓性フィルムは静止状態にある、システム。
【請求項21】
請求項1記載のシステムにおいて、複数の孔部を前記可撓性フィルムに同時形成するように構成された複数の前記穿孔工具を有し、当該複数の穿孔工具は、少なくとも2つの異なるタイプの穿孔工具を有するものである、システム。
【請求項22】
請求項21記載のシステムにおいて、前記2つの異なるタイプの穿孔工具は、それぞれの加工先端部の直径が異なっているものであるシステム。
【請求項23】
請求項1記載のシステムにおいて、前記支持プレートの上面の少なくとも一部は、軟柔軟素材でできており、それにより前記穿孔工具によって前記可撓性フィルムを前記上面に押圧した際、前記上面が変形するものである、システム。
【請求項24】
請求項23記載のシステムにおいて、前記支持プレートの前記上面の変形により、前記貫通孔に隣接した前記上面の成形部分が形成され、当該成形部分により前記可撓性フィルムの切断部分が前記貫通孔へ押し込まれるものである、システム。
【請求項25】
請求項1記載のシステムにおいて、さらに、
前記システムの動作を制御する制御システムを有し、当該制御システムの制御は、前記穿孔工具が前記可撓性フィルムを前記支持プレートに対して押圧して前記孔部を形成することを含むものである、システム。
【請求項26】
請求項1記載のシステムにおいて、さらに、
前記穿孔工具によって形成される前記孔部を検査する検査システムを有するものである、システム。
【請求項27】
請求項1記載のシステムにおいて、さらに、
前記穿孔工具と係合する工具ホルダーを有し、前記穿孔工具の一部は前記工具ホルダーに形成された孔部に固定されるものである、システム。
【請求項28】
請求項27記載のシステムにおいて、前記穿孔工具の前記一部は接着剤を用いて前記孔部内に固定されるものである、システム。
【請求項29】
請求項27記載のシステムにおいて、前記穿孔工具の前記一部は締結装置を用いて前記孔部内に固定されるものである、システム。
【請求項30】
請求項27記載のシステムにおいて、前記工具ホルダーは、前記穿孔工具を前記可撓性フィルムに押圧するために縦方向に移動するように構成されており、前記工具ホルダーは、前記穿孔工具の一部を受容するように構成された受容部を有するものである、システム。
【請求項31】
可撓性フィルムに孔部を形成する方法であって、
支持プレートを提供する工程と、
孔部を形成するために、穿孔工具によって前記可撓性フィルムを前記支持プレートに対して押圧する工程であって、前記穿孔工具にはその内部を貫通する貫通孔が形成されているものである、前記押圧する工程と
を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月20日付で出願した米国特許仮出願第62/719,920号に対して利益を主張するものであり、その全体がこの参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、可撓性フィルム(flexible films)の穿孔形成、特に、斯かる可撓性フィルムを穿孔するための改良されたシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
可撓性フィルムは、包装産業、例えば食品包装産業(果物の包装、野菜の包装など)で使用される場合が多い。斯かる可撓性フィルムには、穿孔/孔部が形成される場合がある。斯かる穿孔は、例えば、レーザーシステムや針ベースシステムを用いて形成される。従来の穿孔形成システムは、種々の欠陥、例えば高価な所有経費、高価な使用経費、穿孔の不均一性、穿孔形状の劣悪さなどの欠陥を有する傾向にある。
【0004】
したがって、可撓性フィルムに穿孔/孔部を形成するための改良されたシステムおよび方法の提供が望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の例示的実施形態によれば、可撓性フィルムに孔部を形成するためのシステムが提供される。当該システムは、可撓性フィルムに孔部を形成するための穿孔工具を有する。穿孔工具には、当該工具を貫通する貫通孔が形成されている。当該システムは支持プレートも有する。穿孔工具は、可撓性フィルムを支持プレートに対して押圧して孔部を形成するように構成されている。
【0006】
本発明の別の例示的実施形態によれば、可撓性フィルムに孔部を形成するための方法が提供される。当該方法は、支持プレートを提供する工程と、孔部を形成するために、穿孔工具によって可撓性フィルムを支持プレートに対して押圧する工程とを有しており、穿孔工具には、その内部を貫通する貫通孔が形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明は、以下の詳細な説明を添付の図面に関連付けて一読することにより最も良く理解される。一般的な方法に従い、図面の種々の特徴は原寸に比例したものではない。むしろ、種々の特徴の寸法は、明確化のため、任意に拡張または縮小されている。
図1A-1B】図1A~1Bは、本発明の例示的実施形態による、2つの穿孔部材(対応する穿孔工具を含む)のブロック図である。
図2図2は、本発明の例示的実施形態による、穿孔部材アレイのブロック図である。
図3図3は、本発明の例示的実施形態による、3つの工具ホルダーの上面図である。
図4A図4A~4Bは、本発明の例示的実施形態による、可撓性フィルムに穿孔/孔部を形成するシステムの側面および上面ブロック図である。
図4B図4A~4Bは、本発明の例示的実施形態による、可撓性フィルムに穿孔/孔部を形成するシステムの側面および上面ブロック図である。
図5A図5A~5Bは、本発明の例示的実施形態による、可撓性フィルムに穿孔/孔部を形成する別のシステムの側面および上面ブロック図である。
図5B図5A~5Bは、本発明の例示的実施形態による、可撓性フィルムに穿孔/孔部を形成する別のシステムの側面および上面ブロック図である。
図6A図6A~6?は、本発明の例示的実施形態による、可撓性フィルムに穿孔/孔部を形成する方法を示した連続ブロック図である。
図6B図6A~6?は、本発明の例示的実施形態による、可撓性フィルムに穿孔/孔部を形成する方法を示した連続ブロック図である。
図6C図6A~6?は、本発明の例示的実施形態による、可撓性フィルムに穿孔/孔部を形成する方法を示した連続ブロック図である。
図6D図6A~6?は、本発明の例示的実施形態による、可撓性フィルムに穿孔/孔部を形成する方法を示した連続ブロック図である。
図7A-C】図7A~Cは、本発明の例示的実施形態による、可撓性フィルムに穿孔/孔部を形成する方法を示した穿孔工具の加工先端部の連続拡大断面図である。
図8A-B】図8A~Bは、本発明の例示的実施形態による、支持プレートの側面および上面ブロック図である。
図9A-B】図9A~Bは、本発明の例示的実施形態による、別の支持プレートの側面および上面ブロック図である。
図10A-B】図10A~Bは、本発明の例示的実施形態による、さらに別の支持プレートの側面および上面ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1A~1Bは、穿孔部材100a、100bを示している。穿孔部材100a、100bは、各々、スリーブ100a1(例えば、金属スリーブなど)を有している。穿孔工具100b1、100b2はスリーブ100a1に挿入されている。例えば、穿孔工具100b1、100b2は、接着剤、締結装置(例えば、ネジ、ボルトなど)、あるいは保持機構または方法を用いて、それぞれのスリーブ100a1内に保持される。バネ100c1は、各スリーブ100a1の一部分の周囲に提供されている。穿孔部材100a、100bは異なる穿孔工具100b1、100b2を有しており、したがって互いに異なっている点に注目されたい。例示的な穿孔工具は、セラミック素材(例えば、アルミナ素材、ジルコニア強化アルミナ素材、ルビー素材、窒化ケイ素素材など)製であってもよい。
【0009】
穿孔工具100b1、100b2には、各々、(i)穿孔工具の上部(工具の上部がスリーブ100a1に係合している部分)から(ii)各穿孔工具100b1、100b2の加工先端部100d1、100d2へ延長する貫通孔100e1、100e2が形成されている。本発明の穿孔工具は、特に加工先端部が研磨されていてもよいし、望ましい形状を有するようにその他の方法で成形されていてもよい。図1A~1Bに提供される例に示されるように、穿孔工具100b1、100b2は円筒形状であり、加工先端部100d1、100d2で終端するテーパ部分100f1、100f2を有しており、それぞれに貫通孔100e1、100e2が形成されている。本発明の望ましい態様は、穿孔工具が異なる特徴、例えば、異なる設計の加工先端部を有していることである。図1A~1Bは、穿孔工具100b1の加工先端部100d1が穿孔工具100b2の加工先端部100d2とは異なっていることを示している。特定の例では、穿孔工具の円筒部分の外径は同じであるが、加工先端部は異なっていてもよい。
【0010】
図2は、工具ホルダー102によって保持される複数の穿孔部材100a、100bを示している。任意数の穿孔部材100a、100b(対応する穿孔工具100b1、100b2を含む)が、任意数の列において、工具ホルダー102で保持されていてもよい。所定の工具ホルダー102は、異なるスタイルまたはモデルの穿孔工具100b1、100b2を持つ穿孔部材100a、100b(または他の穿孔部材)を有していてもよい。
【0011】
図3は、3つの異なる工具ホルダー102を示している。工具ホルダー102は、各々、同一設計、同数の列、穿孔部材(例えば、穿孔部材100a、100b、または他の穿孔部材)を受容するための同数の受容部(例えば、孔部)を有している。図3に示される3つの工具ホルダー102は、各々、異なる場所に異なる数の穿孔部材を有している。図3に示されるように、工具ホルダー102の中空受容部(empty receiver)は孔部102bとして示されており、工具ホルダー102の充填受容部(filled receiver)(例えば、穿孔部材で占有される受容部)は充填孔102aとして示されている。
【0012】
図4A~4Bおよび図5A~5Bは、可撓性フィルム120に穿孔を形成するように構成された各例示的システム10a、10bを示している。システム10a、10bは、可撓性フィルム120を供給するための供給システムを各々有している。当該例において、供給システムは、それぞれのシステム10a、10bを用いた処理(例えば、穿孔)用として、可撓性フィルム120を提供する主スプール116を各々有している。供給システムは、穿孔後に可撓性フィルム120を受容するように構成された下流側スプールも有している。システム10a、10bは、支持プレート104も各々有している。穿孔工具(例えば、図1A~1Bの穿孔工具100b1、100b2を参照)は、可撓性フィルム120を支持プレート104に押圧して孔部を形成するように構成されている。
【0013】
システム10a、10bは、複数の穿孔部材(対応する穿孔工具を含む)を保持する工具ホルダー102と、(穿孔スリーブ100a1を通して)穿孔工具を打撃するように構成された打撃工具106(対応する穿孔スリーブ100a1との接触を通して、複数の穿孔工具(例えば、穿孔工具100b1、100b2、または他の穿孔工具)のうちの対応する1つを打撃するように配列された複数の打撃部材106aを含む)であって、これにより各穿孔工具が支持プレート104に対して可撓性フィルム120を押圧して孔部(例えば、図7B~7Cの孔部120aを参照)が形成されるものである、前記打撃工具106と、支持プレート104に対して可撓性フィルム120を保持するための保持プレート108とをさらに有する。保持プレート108には、押圧中に穿孔工具の加工先端部(例えば、図1A~1Bの加工先端部100d1、100d2を参照)が延長する複数の穴部が形成されている。
【0014】
システム10a、10bは、システム10a、10bの動作を制御する制御システム400(可撓性フィルム120を支持プレート104に押圧して孔部120aを形成する穿孔工具100b1、100b2の制御を含む)と、穿孔工具100b1、100b2を用いて形成される孔部120aを検査するための検査システム402(例えば、カメラおよび/または他の撮像要素、および画像処理工具を含む)と、孔部120aの形成工程によって生じる可撓性フィルム120の切断部分を回収するための洗浄システム404とをさらに有する(ブロック図形式で示されている)。
【0015】
図4A~4Bにおいて、システム10aは、静的配置状態で可撓性フィルム120に孔部を形成するように構成されている。具体的には、可撓性フィルム120に孔部を形成する押圧工程の各サイクル中、可撓性フィルム120は移動しない状態にある。これに対し、図5A~5Bにおいて、システム10b(図4A~4Bのシステム10aと同じ基本要素を含む)は、動的配置状態で、可撓性フィルム120に孔部(例えば、図7B~7Cの孔部120aを参照)を形成するように構成されている。具体的には、可撓性フィルム120に孔部120aを形成する押圧工程の各サイクル中、可撓性フィルム120は移動状態にある(例えば、図5Bの右側方向、すなわち可撓性フィルム120の動きを示す2つの矢印を参照)。
【0016】
図6A~6Bは、可撓性フィルムに穿孔を形成する方法を示す一連のブロック図である。図6Aは、打撃部材106aと穿孔部材100a/100b(すなわち、図6A~6Dにおいて、任意の穿孔部材、例えば穿孔部材100aまたは100bが利用できる)との間が接触する前の構成を示している。図6Bにおいて、(打撃工具106の一部である)打撃部材106aが下降し、穿孔部材100a/100bと接触する。図6Bで示すように、(打撃部材106aを有する)打撃工具106と保持プレート108との間の相互連結により保持プレート108が下降し、その結果保持プレート108は、可撓性フィルム120を支持プレート104に対して保持する。図6Cにおいて、穿孔部材100a/100bは下降し、穿孔工具100b1/100b2によって可撓性フィルム120に穿孔が形成される(詳細は7A~7Cに示される)。図6Dにおいて、(打撃部材106aを有する)打撃工具106は上昇し、システムの構成要素の位置が図6Aの位置まで戻される。図6A~6Dは、単一の打撃部材106aが単一の穿孔部材100a/100bを打撃することにより、単一の穿孔工具100b1/100b2が動作することが図示されているが、任意数の打撃部材106a(並びに穿孔部材100a/100bおよび穿孔工具100b1/100b2)が任意数の縦列および横列に配列され、同時に動作されて、可撓性フィルム120に多数の穿孔が形成されてもよいことを理解されたい。
【0017】
図7A~7Cは、穿孔工具100b1、100b2の加工先端部100d1、100d2に関する一連のブロック図である。すなわち、異なるタイプの(異なる特徴を有する)穿孔工具が利用されてもよい。図7A~7C(および本発明適用の他の部分)においては、簡略化のため、穿孔工具100b1、100b2を示す。穿孔工具100b1が使用される場合、それは図1Aに示される加工先端部100d1を有することは理解されたい。同様に、穿孔工具100b2が使用される場合、それは図1Bに示される加工先端部100d2を有する。図7Aにおいて、加工先端部100d1、100d2が可撓性フィルム120に接近しつつある。図7Bにおいて、加工先端部100d1、100d2は可撓性フィルム120を切断(あるいは穿孔)し、可撓性フィルム120に孔部120aを形成する。支持プレート104の上面の少なくとも一部は、穿孔工具を用いて可撓性フィルム120を上面に押圧すると当該上面が変形するように、柔軟素材(compliant material)(例えば、ゴム素材、別の柔軟素材など)で形成されている。上面の変形の結果、穿孔工具100b1、100b2の貫通孔100e1、100e2に隣接する上面に成形部分104'が形成される。この成形部分104'により、穿孔工具100b1、100b2の貫通孔100e1、100e2内に可撓性フィルム120の切断部分120'が押し込まれる。当該切断部分120'は、洗浄システム(例えば、図4A~4Bおよび図5A~5Bの洗浄システム404を参照)と関連付けられた貫通孔100e1、100e2を通してさらに上昇する。例えば、洗浄システムは、切断部分120'を除去が必要となるまで貫通孔100e1、100e2内に回収したままにしておいてもよい。さらに、切断部分120'は、真空システムまたは他のシステムを用いて貫通孔100e1、100e2から除去されてもよいし、貫通孔100e1、100e2に入る前にシステム外に除去されてもよい。さらに、切断部分120'を可撓性フィルム120から除去するため、異なるタイプの洗浄システム、例えば、ブラシベースの洗浄システムなどが利用されてもよい。
【0018】
図8A~8B、9A~9B、および10A~10Bは、柔軟素材でできた支持プレート104の上面の少なくとも一部に関して、3つの異なる例を示している。図4A~4B、5A~5B、6A~6D、および7A~7Cの各々が支持プレート104を示している。斯かる支持プレート104の例は、図8A~8B(すなわち支持プレート104a)、9A~9B(すなわち支持プレート104b)、および10A~10B(すなわち支持プレート104c)に示されている。斯かる支持プレートまたは本発明の範囲の他の支持プレートのいずれも、図4A~4B、5A~5B、6A~6D、および7A~7Cの支持プレート104であってよい。図8A~8Bにおいて、下層104a2の上に上層104a1を有する2層の支持プレート104aが示されている(例えば、下層は上層と比べて硬質の異なる素材であってよい。例えば、下層の例示的素材はスチールである)。図9A~9Bにおいて、(柔軟素材などの単一素材で形成された)支持プレート104bが提供されている。図10A~10Bにおいて、柔軟素材でできたインサート104c2が、基部構造104c1の基部孔部104c3に提供されている(この場合、孔部120aの形成に関連して、柔軟素材でできたインサート104c2は、可撓性フィルムを当該インサート104c2に押圧する穿孔工具100b1、100b2と整列する)。
【0019】
本明細書記載の本発明のシステムおよび方法を用いて形成される孔部(例えば、穿孔)120aは、特に小型サイズにおいて、均一性、真円度などの改良された特徴を有する。孔部の直径の例示的範囲は、45~150ミクロン、200ミクロン未満、150ミクロン未満、100ミクロン未満、75ミクロン未満、および50ミクロン未満である。勿論、本発明の範囲には、より大きい孔部も想定されている。
【0020】
本発明の特定の例示的実施形態によれば、穿孔工具の加工先端部は加熱されてもよい。加工先端部は、孔部を形成するために、加工先端部と、穿孔工具の別の部分、穿孔部材の別の部分、および/またはシステムの別の部分との間の熱伝達によって加熱されてもよい。
【0021】
本発明はその例示的実施形態との関連で記載および図示されているが、本発明の要旨および範囲から逸脱することなく、前述および他の内容の種々の変更、削除、および追加が可能であることは当業者には理解されるであろう。むしろ、特許請求の範囲の均等物の範囲内で、本発明から逸脱することなく、詳細に亘って種々の変更が可能である。
図1A-1B】
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A-C】
図8A-B】
図9A-B】
図10A-B】
【手続補正書】
【提出日】2024-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性フィルムに孔部を形成するためのシステムであって、
可撓性フィルムに孔部を形成する穿孔工具であって、その内部を貫通する貫通孔が形成されているものである、前記穿孔工具と、
支持プレートであって、前記穿孔工具は前記可撓性フィルムを当該支持プレートに対して押圧して前記孔部を形成するように構成されているものである、前記支持プレートと
を有するものである、
システム。
【外国語明細書】