(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054403
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】自動運転制御装置、自動運転制御方法及び自動運転制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20240409BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240409BHJP
G08G 1/0968 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/09 V
G08G1/0968
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024027286
(22)【出願日】2024-02-27
(62)【分割の表示】P 2022100223の分割
【原出願日】2018-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】中元 祥吾
(72)【発明者】
【氏名】秦 和也
(57)【要約】
【課題】本発明は、移動体の自動運転制御装置等の技術分野に関し、目的地の入力に要する時間を有効活用することにより、目的地への到着を早くすることを課題とする。
【解決手段】そこで、自動運転可能な移動体の真の目的地である真目的地が設定されるまでの暫定の目的地である暫定目的地を設定し、真目的地が設定される前に暫定目的地に向けて移動体の自動運転を開始させる。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転可能な移動体に搭乗するユーザの移動履歴情報に基づいて、前記移動体の真の目的地である真目的地が設定されるまでの暫定の目的地である暫定目的地を設定する暫定目的地設定手段と、
前記真目的地が設定される前に前記暫定目的地に向けて前記移動体の自動運転を開始させる自動運転制御手段と、
を備えることを特徴とする自動運転制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、移動体の自動運転制御装置等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
運転者が自動車等の移動体に対して運転操作をしなくとも当該移動体の自律走行を可能とする自動運転制御に関する技術の開発が進められている。例えば、特許文献1には、自動運転制御可能な車両に搭載されるコンピュータに目的地が予め記憶されたカード型PC(Personal Computer)が挿入されると、当該コンピュータが目的地までの走行ルートを設定し、車両を目的地まで自動運転させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、コンピュータにカード型PCが挿入されるまで(すなわち、目的地の入力が完了するまで)、自動運転による移動が開始されないため、その分だけ目的地への到着が遅くなってしまう。
【0005】
本願発明が解決しようとする課題としては、こうした事情に鑑み、目的地の入力に要する時間を有効活用することにより、目的地への到着を早くすることができる自動運転制御装置等を提供することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、自動運転可能な移動体に搭乗するユーザの移動履歴情報に基づいて、前記移動体の真の目的地である真目的地が設定されるまでの暫定の目的地である暫定目的地を設定する暫定目的地設定手段と、前記真目的地が設定される前に前記暫定目的地に向けて前記移動体の自動運転を開始させる自動運転制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項7に記載の発明は、自動運転制御装置による自動運転制御方法であって、自動運転可能な移動体に搭乗するユーザの移動履歴情報に基づいて、前記移動体の真の目的地である真目的地が設定されるまでの暫定の目的地である暫定目的地を設定する暫定目的地設定工程と、前記真目的地が設定される前に前記暫定目的地に向けて前記移動体の自動運転を開始させる自動運転制御工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
請求項8に記載の発明は、コンピュータを、自動運転可能な移動体に搭乗するユーザの移動履歴情報に基づいて、前記移動体の真の目的地である真目的地が設定されるまでの暫定の目的地である暫定目的地を設定する暫定目的地設定手段、前記真目的地が設定される前に前記暫定目的地に向けて前記移動体の自動運転を開始させる自動運転制御手段、として機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】自動運転制御装置1の構成例を示すブロック図である。
【
図2】自動運転制御装置200の構成例を示すブロック図である。
【
図3】暫定目的地選択画面510の画面例を示す例である。
【
図4】(A)は暫定方向選択画面520の画面例を示す例であり、(B)は暫定方向選択画面530の画面例を示す例である。
【
図5】暫定目的地変更機能を説明するための概念図である。
【
図6】暫定目的地変更機能を説明するための概念図である。
【
図7】第1の入力待機制御を説明するための概念図である。
【
図8】第2の入力待機制御を説明するための概念図である。
【
図9】自動運転制御装置200による自動運転制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】自動運転制御装置200による暫定目的地設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】自動運転制御装置200による入力待機処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願発明を実施するための形態について、
図1を用いて説明する。
【0011】
図1に示すように、自動運転制御装置1は暫定目的地設定手段1A、自動運転制御手段1Bを備える。
【0012】
暫定目的地設定手段1Aは、自動運転可能な移動体に搭乗するユーザの移動履歴情報に基づいて、前記移動体の真の目的地である真目的地が設定されるまでの暫定の目的地である暫定目的地を設定する。移動体とは、例えば、自動車、バイク、自転車、飛行機等である。
【0013】
自動運転制御手段1Bは、前記真目的地が設定される前に前記暫定目的地に向けて前記移動体の自動運転を開始させる。自動運転の開始には、(1)停止状態から自動運転による移動状態への切り替えと、(2)手動運転による移動状態から自動運転による移動状態への切り替えを含む。
【0014】
自動運転制御装置1によれば、移動体の真目的地が設定されるまでの暫定目的地が設定され、真目的地が設定される前に暫定目的地に向けて移動体の自動運転が開始させられることから、真目的地の入力に要する時間を有効活用して移動することができ、目的地への到着を早くすることができる。また、移動体に搭乗するユーザの移動履歴情報に基づいて暫定目的地を設定することから、ユーザの行動特性を反映した暫定目的地を設定することができ、真目的地への到着を遅らせることとなる暫定目的地を設定する可能性を低下させることができる。
【実施例0015】
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について説明する。なお、以下に説明する実施例は、本願発明を、車両に搭載された自動運転制御装置に適用した場合の実施例である。自動運転制御装置は、自動運転モードと手動運転モードの2つのモードを選択可能となっており、自動運転モードでは、車両の自動運転を実現するための制御を行う。また、本願発明においては少なくとも自動運転機能を備えていればよく、完全自動運転車に本願発明の自動運転制御装置を備えてもよい。
【0016】
[1.自動運転制御装置の構成]
まず、
図2を用いて本実施例に係る自動運転制御装置200の構成について説明する。
図2に示すように、自動運転制御装置200は、制御部211と、不揮発性メモリ、HDD等からなる記憶装置212と、キーボード又はリモートコントローラ、タッチパネル等からなる入力装置213と、表示ユニット214と、バスライン215と、入出力インターフェース部220と、車速センサ221と、角速度センサ222と、加速度センサ223と、舵角センサ224と、GPS受信部225と、データ送受信部226と、無線通信部227と、自動運転実行部228と、を備えて構成されている。
【0017】
車速センサ221は、例えば自動運転制御装置200が搭載されている車両から取得される車速パルス等を用いた速度検出処理等を用いて当該車両の現在速度を検出し、速度データを出力する。角速度センサ222は、当該車両の、例えば方向変化の角速度を検出し、単位時間当たりの角速度データ及び相対方位データを出力する。加速度センサ223は、当該車両の例えば前後方向の加速度を検出し、単位時間当たりの加速度データ等を出力する。舵角センサ224は、当該車両の舵角を検出し、舵角データ等を出力する。GPS受信部225は、GPS衛星からの航法電波を受信し、GPS測位データとして自車位置情報(現在位置情報)である緯度、経度、高度データ、車両の進行方向の絶対方位データ及びGPS速度データ等を出力する。データ送受信部226は、ネットワークを介したサーバ装置との間のデータの送受信に係る処理を行う。無線通信部227は、無線による路車間通信と車車間通信に係る処理を行う。
【0018】
自動運転実行部228は、自動運転モードが選択されている場合に制御部211による制御の下、車両の速度やハンドルを制御する。例えば、自動運転実行部228は、燃料を噴射する量を調節することにより自車両の速度を制御したり、ブレーキをかけることにより自車両の速度を低下させたり、ハンドルの操舵角を調節することにより自車両の進行方向を調整したりする。
【0019】
記憶装置212は、オペレーティングシステムや、自動運転制御プログラム等の各種プログラムを記憶する。なお、各種プログラムは、例えば、サーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしても良いし、CD、DVD、USBメモリ等の記録媒体に記録されたものを読み込んで実行することとしてもよい。
【0020】
また、記憶装置212は、表示ユニット214に地図を表示するための地図画像データや、経路を探索する際に用いる地図情報、道路リンク情報などが格納される。
【0021】
入力装置213は、タッチパネル、キーボード、マウス、その他のコントローラ等により構成され、利用者の入力操作を受け付けて、操作内容を示す操作信号を制御部211に送信する。
【0022】
表示ユニット214は、制御部211の制御下で各種表示データを表示する。表示ユニット214は、グラフィックスコントローラ214aと、VRAM(Video RAM)等のメモリからなるバッファメモリ214bと、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ214c等を備えて構成されている。この構成においてグラフィックスコントローラ214aは、バスライン215を介して制御部211から送られる制御データに基づいて、表示ユニット214全体の制御を行う。また、バッファメモリ214bは、即時表示可能な画像情報を一時的に記憶する。そして、グラフィックスコントローラ214aから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ214cに画像が表示される。
【0023】
制御部211は、制御部211全体を制御するCPU211aと、制御部211を制御する制御プログラム等が予め記憶されているROM211bと、各種データを一時的に格納するRAM211cと、により構成されている。制御部211は、車速センサ221、角速度センサ222、加速度センサ223、舵角センサ224及びGPS受信部225と、バスライン215及び入出力インターフェース部220を介して接続されており、それぞれから出力される速度データ、角速度データ及び相対方位データ、舵角データ、GPS測位データ及び車両の進行方向の絶対方位データ、加速度データ等に基づいて、自動運転制御装置200全体の制御を行うとともに、表示ユニット214等の各種構成部材における夫々の動作を制御する。
【0024】
[2.自動運転制御装置200の機能]
次に、自動運転制御装置200の機能について説明する。なお、自動運転制御装置200が搭載されている車両Cの搭乗者が本来意図している真の目的地を「真目的地」といい、自動運転制御装置200のユーザ(例えば、自車両に搭乗している搭乗者)が当該真目的地を設定するまでの間、暫定的に設定される目的地を「暫定目的地」という。
【0025】
[2.1.暫定目的地設定機能]
制御部211は、自動運転モードが選択された場合、又は、自動運転モードが選択された状態で自動運転制御装置200が起動した場合において、真目的地が設定されていない場合に、暫定目的地を設定する。なお、真目的地の設定はユーザによって手動で設定されても、図示しない真目的地推定部がユーザの過去の移動履歴情報に基づいて真目的地を推定してもよい。また、制御部211が暫定目的地を設定する際の車両Cの状態は停止状態であるか又は走行状態であるかを問わない。そして、制御部211は、暫定目的地を設定すると、暫定目的地までの経路を探索し、真目的地が設定される前に暫定目的地に向けて車両Cの自動運転を開始させる。すなわち、車両Cが停止中であれば自動運転による移動を開始させ、また、手動運転モードによる移動中に自動運転モードが選択された場合であれば、手動運転の移動から自動運転の移動に切り替える。なお、制御部211は、自動運転による移動中に真目的地が設定されたことに基づいて、暫定目的地に向けた自動運転から、真目的地に向けた自動運転に切り替える。
【0026】
次に暫定目的地の設定方法について説明する。制御部211は、以下の何れかにより暫定目的地を設定することができる。
(1)ユーザが予め設定した地点
(2)車両Cの現在位置から予め定められたランク以上の道路に接続する地点
(3)ユーザの移動履歴情報に基づく地点
(4)ユーザが選択した地点
【0027】
(1)のように、ユーザが予め暫定目的地とする地点を設定している場合は、制御部211は、当該地点を暫定目的地に設定する。
【0028】
(2)の場合、記憶装置212は、道路を複数に分割してできた道路リンク毎にランクを示すランク情報を対応付けて記憶する。例えば、高速道路はランク1、国道はランク2、都道府県道はランク3、市町村道はランク4、その他の道路をランク5といったランク情報を対応付けておいてもよいし、車線数や道幅に応じてランク情報を設定しておいてもよい。そして、制御部211は、例えば、車両Cが住宅街の道路(ランク5の道路)又は当該道路に接する駐車場に存在している場合に、幹線道路(ランク2の道路)に接続する最も近い地点を暫定目的地に設定することとしてもよい。
【0029】
(3)の場合、記憶装置212は、ユーザ(例えば、父親、母親、子供)毎の過去の移動履歴を示す移動履歴情報を記憶する。尚、当該ユーザが運転者であるかは問わない。また、ユーザの組み合わせ(例えば、父親と母親の組み合わせ、母親と子供の組み合わせ等)毎に移動履歴情報を記憶してもよい。
【0030】
そして、制御部211は、移動履歴情報に基づいて、車両Cの現在位置から所定の範囲内(例えば、半径500m以内)にある地点であって、ユーザが過去に訪問した地点又は通過した地点を暫定目的地として設定する。この所定の範囲は、ユーザが設定することとしてもよいし、自動運転制御装置200の製造者が設定することとしてもよい。
【0031】
また、制御部211は、移動履歴情報に基づいて、車両Cの現在位置から所定の範囲内(例えば、500m以内)にある地点であって、ユーザが最も多く過去に訪問した地点又は最も多く通過した地点を暫定目的地として設定してもよい。また、移動履歴情報に基づいて、ユーザが訪問する可能性のある地点であると推定された地点を暫定目的地として設定してもよい。
【0032】
更に、制御部211は、車両Cが現在位置から移動する場合に通過した複数の地点のうち、ユーザが通過した回数が最多の地点を暫定目的地に設定することとしてもよい。このとき、車両Cが現在位置から移動する場合に通過した複数の地点における「地点」とは、例えば、現在位置を基準として移動可能な方向のそれぞれにおける一番手前の分岐地点とすることができる。具体的には、制御部211は、車両Cの現在位置が南北に伸びる道路に接する駐車場であって、当該道路を北に向かった場合の分岐地点と、当該道路を南に向かった場合の分岐地点の双方を通過したことがある場合に、より通過した回数が多い分岐地点を暫定目的地に設定することとしてもよい。
【0033】
このように、ユーザの移動履歴情報に基づいて暫定目的地を設定することにより、ユーザの行動特性に適合した暫定目的地を設定することができる。なお、ユーザが他の車両(レンタカー等)を利用して移動した際の移動履歴情報を、当該移動履歴を記憶する外部のサーバ装置やユーザの携帯型端末から取得してもよい。
【0034】
(3)の場合、制御部211は、移動時の天候、気温、曜日、時間帯などを考慮に加えて暫定目的地を設定することとしてもよい。具体的には、記憶装置212に記憶させる移動履歴情報には、ユーザが過去に訪問・通過した地点と、その際の天候、気温、曜日、時間帯の少なくとも何れかに関する情報である過去環境情報を含ませる。また、制御部211は、現在の天候、気温、曜日、時間帯の少なくとも何れかに関する情報である現在環境情報を取得する。そして、制御部211は、現在環境情報と過去環境情報の少なくとも何れか一方に基づいて暫定目的地を設定する。
【0035】
例えば、記憶装置212が、A地点を訪問した際の天候が晴、気温が25度~30度の間、曜日が日曜日、時間帯が14時~16時の間であることを示す過去環境情報を含む移動履歴情報を記憶している場合に、制御部211が、現在の天候が晴、現在の気温が25度~30度の間、現在の曜日が日曜日、現在の時間帯が14時~16時の間であるという現在環境情報を取得したときには、暫定目的地としてA地点を設定する。また、環境情報は、天候、気温、曜日、時間帯の少なくとも何れかに関する情報であるので、例えば、記憶装置212が、B地点を訪問した際の曜日が月曜日、時間帯が7時~9時の間であることを示す過去環境情報を含む移動履歴情報を記憶している場合に、制御部211が、現在の曜日が月曜日、現在の時間帯が7時~9時の間であるという現在環境情報を取得したときには、暫定目的地としてB地点を設定することとしてもよい。
【0036】
(3)の場合、天候、気温、曜日、時間帯の少なくとも何れかに応じたユーザの行動特性を反映した暫定目的地を設定することができる。
【0037】
(4)の場合、例えば
図3に示すように、ユーザに暫定目的地の候補を提示して選択させる暫定目的地選択画面510をディスプレイ214cに表示させてもよい。制御部211は、ボタン511がタッチされた場合、小金井公園を暫定目的地に設定し、ボタン512がタッチされた場合、井の頭公園を暫定目的地に設定する。また、制御部211は、ボタン513がタッチされた場合、他の暫定目的地の候補を表示させる。なお、暫定目的地選択画面510に表示する暫定目的地の候補は、上記(1)~(3)で示した地点を表示させることとしてもよい。
【0038】
なお、ユーザは、上記(1)~(4)の何れの設定方法で暫定目的地を設定するかを選択できることが好ましい。本実施例では、(1)の設定方法をオプション1、(2)の設定方法をオプション2、(3)の設定方法をオプション3、(4)の設定方法をオプション4と対応付け、ユーザがオプションを選択できる構成とする。そして、記憶装置212は、ユーザが選択したオプションを示す暫定目的地オプション情報を記憶することとする。
【0039】
[2.2.暫定方向設定機能]
制御部211は、[2.1.暫定目的地設定機能]における暫定目的地を設定することに代えて、車両Cが現在位置から移動する方向であって、ユーザが指定した方向(「暫定方向」という)を、真目的地が設定されるまでに暫定的に設定することとしてもよい。例えば、
図4(A)に示すように、車両Cの現在位置を示す地図と、ユーザに暫定方向を選択させる暫定方向選択画面520をディスプレイ214cに表示させ、スワイプ操作により暫定方向を入力させることとしてもよい。例えば、暫定方向選択画面520においてスワイプ操作により北東が選択された場合には、制御部211は北東を暫定方向として設定する。また、
図4(B)に示すように、ユーザに暫定方向の候補を示す矢印531を提示して、選択させる暫定方向選択画面530をディスプレイ214cに表示させてもよい。制御部211は、タッチされた矢印531が示す方向を暫定方向に設定する。そして、制御部211は、暫定方向を設定すると、真目的地が設定される前に暫定方向に向けて車両Cの自動運転を開始させる。なお、制御部211は、暫定方向を設定した場合には、暫定方向に存在する地点までの経路を探索し、当該経路を移動することとしてもよい。
【0040】
なお、制御部211は、暫定方向選択画面520によりユーザが方向を指定した場合に、車両Cの現在位置から所定の距離にある地点(所定の距離に幅をもたせてもよい(例えば、現在位置から600m~800m離れた地点))であって、ユーザが指定した方向(方向(角度)に幅をもたせてもよい(例えば、ユーザが指定した方向の±10°の範囲))にある地点を暫定目的地に設定することとしてもよい。このとき、上記オプション1~オプション4に加え、暫定方向に基づいて暫定目的地を設定するオプション5をユーザが更に選択できる構成としてもよい。また、制御部211は、ユーザが指定した方向にある地点を含む地域の代表地点を暫定目的地に設定することとしてもよい。例えば、制御部211は、ユーザが現在位置から北西方向に位置する川越市のある地点を指定した場合に、川越市の代表地点である川越駅や川越市役所を暫定目的地として設定することとしてもよい。
【0041】
[2.3.暫定目的地変更機能]
制御部211は、暫定目的地又は暫定方向を設定した後に、その経路上にリスク地点が存在する場合に、当該リスク地点を暫定目的地に変更する。例えば、
図5に示すように、地点301を暫定目的地に設定した場合において、その経路上にある地点401がリスク地点である場合、暫定目的地を地点301から地点401に変更する。リスク地点とは、分岐地点であって、特に、何れか一方の分岐方向に移動した場合に、当該分岐地点に戻るのに移動時間、移動距離、移動に要する料金(例えば通行料金)の少なくとも何れかが予め設定された値を超えることになる分岐地点である。例えば、一般道路における高速道路(有料道路を含む)の入口(IC)方向への分岐を含む分岐地点、高速道路における高速道路の出口(IC)方向への分岐を含む分岐地点、高速道路における分岐地点(例えばジャンクション)、一方通行路の入口へ進入する分岐を含む分岐地点(一方通行路に進入してしまうと旋回して同じ道を通行して分岐地点に戻ることはできず、回り道をしなければならないため、移動時間、移動距離が増加する)などである。また、リスク地点は、交通渋滞の発生する可能性の高い地点を含む道路への分岐地点であってもよいし、事故が発生する可能性の高い地点を含む道路への分岐地点であってもよい。尚、リスク地点は記憶装置212に地図情報として記憶されていてもよいし、外部のサーバ装置から取得してきてもよい。
【0042】
制御部211は、当初設定した暫定目的地又は暫定方向への経路上の渋滞情報(渋滞の先頭位置と終了位置を示す情報)を取得し、渋滞情報を参照してリスク地点を特定してもよい。例えば、
図6に示すように、地点301を暫定目的地に設定した場合において、通常(渋滞がない場合)であれば地点401をリスク地点として特定して暫定目的地を変更するが、現在位置(車両Cの位置)から地点401までの間に渋滞が発生している場合には、当該渋滞に巻き込まれることにより大幅な遅延が生じることをリスクと捉えて、当該渋滞の終了位置より手前にある地点であって、暫定目的地に向かうにあたり当該渋滞の少なくとも一部を回避することができる分岐方向を含む地点である地点402をリスク地点として特定して暫定目的地を変更する
【0043】
[2.4.真目的地入力待機機能]
ユーザによる真目的地の入力が、車両Cが暫定目的地へ到着するまでに完了しない場合には、暫定目的地への到着後の移動先が未設定となり、任意の方向に向けて移動を継続してしまうと真目的地から遠ざかってしまうおそれがある。そこで、制御部211は、真目的地の入力を待機するための制御を行う。なお、制御部211がユーザの過去の移動履歴情報に基づいて真目的地を設定することとしてもよい。例えば、制御部211がユーザの過去の移動履歴情報を参照して推定した目的地をユーザに提示し(例えば、「目的地は○○ですか?」といったメッセージをディスプレイ214cに表示させる)、その提示に対してユーザが承認した場合に、ユーザに提示した目的地を真目的地として設定することとしてもよい。
【0044】
[2.4.1.移動開始前・真目的地入力待機機能]
制御部211は、車両Cの停車中に暫定目的地を設定した場合に、現在位置から暫定目的地までの経路を探索し、車両Cが暫定目的地に到達するまでの移動所要時間Ttを算出する。このとき、制御部211は渋滞や天候等の遅延要因を考慮して、移動所要時間Ttを算出することが好ましい。例えば、制御部211は、渋滞が発生している場合には当該渋滞の規模に応じた時間を加算したり、天候が雪である場合は平均移動速度を低く見積もって移動所要時間Ttを算出したりする。また、制御部211は、ユーザが真目的地の入力を完了するまでの入力所要時間Tiを取得する。そして、制御部211は、移動所要時間Ttと入力所要時間Tiに基づいて、車両Cが暫定目的地に到達する前に、ユーザが真目的地の入力を完了するか否かを判定し、車両Cが暫定目的地に到達する前に、ユーザが真目的地の入力を完了すると判定した場合に、暫定目的地に向けた移動体の自動運転による移動を開始させ、車両Cが暫定目的地に到達する前に、ユーザが真目的地の入力を完了しないと判定した場合に、車両Cを現在位置に待機させる。
【0045】
なお、ユーザの過去の入力所要時間の平均値を示す情報を記憶装置212又は外部のサーバ装置等に記憶させておき、制御部211は当該平均値を入力所要時間Tiとして取得することとしてもよい。また、年齢、性別又は車両の購入時期の少なくとも何れかに応じた入力所要時間(例えば、平均入力所要時間)を示す情報を記憶装置212又は外部のサーバ装置等に記憶させておき、制御部211は当該情報を参照して、ユーザの年齢、性別、車両の購入時期に基づいて入力所要時間Tiを取得することとしてもよい。例えば、記憶装置212は、年齢が18歳~29歳であれば入力所要時間は20秒という情報を記憶したり、年齢が30歳~39歳且つ性別が女性であれば入力所要時間は35秒という情報を記憶したり、年齢が50歳~59歳且つ車両の購入時期が1年以内であれば入力所要時間は60秒という情報を記憶したりする。そして、制御部211は、ユーザの条件に合致する情報に基づいて入力所要時間Tiを取得する。
【0046】
また、制御部211は、ユーザが真目的地を入力している最中も、移動所要時間Ttの算出、入力所要時間Tiの取得、及び、移動所要時間Ttと入力所要時間Tiの比較を行い、車両Cが暫定目的地に到達する前に、ユーザが真目的地の入力を完了するか否かを判定する。そして、制御部211は、ユーザが真目的地の入力を開始してから所定時間経過後に、ユーザの入力途中であっても、車両Cが暫定目的地に到達する前にユーザが真目的地の入力を完了すると判定した場合に、暫定目的地に向けた車両Cの自動運転による移動を開始させる。
【0047】
[2.4.2.移動開始後・真目的地入力待機機能]
制御部211は、車両Cの暫定目的地への経路を探索して自動運転による移動を開始した後であって、ユーザによる真目的地の入力が完了していない場合に、車両Cが暫定目的地に到達するまでの移動所要時間Ttを算出する。このとき、制御部211は渋滞や天候等の遅延要因を考慮して、移動所要時間Ttを算出することが好ましい。また、制御部211は、ユーザが真目的地の入力を完了するまでの入力所要時間Tiを取得する。そして、制御部211は、移動所要時間Ttと入力所要時間Tiに基づいて、車両Cが暫定目的地に到達する前に、ユーザが真目的地の入力を完了するか否かを判定し、車両Cが暫定目的地に到達する前に、ユーザが真目的地の入力を完了すると判定した場合に、暫定目的地に向けた移動体の自動運転による移動を継続し、車両Cが暫定目的地に到達する前に、ユーザが真目的地の入力を完了しないと判定した場合に、暫定目的地の所定の範囲内に車両Cを存在させるための入力待機制御を行う。例えば、
図7において、地点401が暫定目的地に設定されている場合であれば、暫定目的地の所定の範囲を示す円350内に存在させるための入力待機制御を行う。この所定の範囲は、ユーザが設定することとしてもよいし、自動運転制御装置200の製造者が設定することとしてもよい。
【0048】
[2.4.2.1.第1の入力待機制御(周回路移動)]
制御部211は、第1の入力待機制御として、ユーザによる真目的地の入力が完了するまで、車両Cが所定の範囲内(円350内)を移動するよう制御する。具体的には、制御部211は、ユーザによる真目的地の入力が完了するまで所定の範囲内(円350内)を周回する経路である周回路を移動させる。例えば、
図7に示すように、制御部211は周回路410を検索し、車両Cを周回させる。周回路410は、暫定目的地までの経路の一部を含む周回路であってもよいし、当該経路から外れた周回路であってもよい。周回路410は、ユーザによる真目的地の入力が完了した場合に、真目的地への移動をなるべく早く開始できるように、所定の範囲内(円350内)の周回路のうち周回時間又は周回距離が最小の周回路であることが好ましい。また、周回路410は、ユーザによる真目的地の入力が完了する予定の時間である入力完了予定時間までに、暫定目的地までの経路上における当該暫定目的地より以前の地点(例えば、
図7の地点404、405)に戻る周回路であることが好ましい。暫定目的地より先(車両Cの自動運転開始位置を基準とする)の地点に戻る周回路を選択した場合、真目的地に移動するために暫定目的地に一旦戻らないといけない場合もあり、ユーザの苛立ちを誘引する可能性もあるためである。更に、周回路410は、ユーザによる真目的地の入力が完了する予定時刻から所定時間内に、暫定目的地に戻る周回路であってもよい。
【0049】
[2.4.2.2.第2の入力待機制御(停車)]
制御部211は、第2の入力待機制御として、ユーザによる真目的地の入力が完了するまで、所定の範囲内に停車させることとしてもよい。具体的には、制御部211は、ユーザによる真目的地の入力が完了するまで、所定の範囲内の駐車場に停車させる。例えば、
図8に示すように、制御部211は所定の範囲内(円350内)の駐車場420を検索し(駐車場の空車情報を参照して入庫可能な駐車場を検索することが好ましい)、車両Cを停車させる。駐車場420は、ユーザによる真目的地の入力が完了した場合に、真目的地への移動をなるべく早く開始できるように、所定の範囲内(円350内)の駐車場のうち暫定目的地に近いことが好ましい。また、駐車場420は、ユーザによる真目的地の入力が完了する予定時刻から所定時間内に、暫定目的地までの経路上における当該暫定目的地より以前の地点に接する駐車場であることが好ましい。暫定目的地より先(車両Cの自動運転開始位置を基準とする)の地点に接する駐車場を選択した場合、真目的地に移動するために暫定目的地に一旦戻らないといけない場合もあり、ユーザの苛立ちを誘引する可能性もあるためである。
【0050】
なお、ユーザは、第1の入力待機制御と第2の入力待機制御の何れの制御を選択できることにしてもよいし、第2の入力待機制御で所定の範囲内に駐車場がないと判定された場合に、第1の入力待機制御を行うこととしてもよい。本実施例では、第1の入力待機制御をオプションA、第2の入力待機制御をオプションBと対応付け、ユーザがオプションを選択できる構成とする。そして、記憶装置212は、ユーザが選択したオプションを示す入力待機制御オプション情報を記憶することとする。
【0051】
[3.自動運転制御処理]
次に、
図9に示すフローチャートを用いて、自動運転制御装置200の制御部211による自動運転制御処理について説明する。なお、自動運転制御処理は、自動運転モードが選択された場合、又は、自動運転モードが選択された状態で自動運転制御装置200が起動した場合に開始する。
【0052】
まず、自動運転制御装置200の制御部211は、暫定目的地設定処理を行う(ステップS101)。なお、暫定目的地設定処理については後述する。
【0053】
次に、制御部211は、車両Cの現在位置から暫定目的地までの経路を探索する(ステップS102)。
【0054】
次に、制御部211は、ステップS102の処理で探索した経路上にリスク地点があるか否かを判定する(ステップS103)。制御部211は、経路上にリスク地点があると判定した場合には(ステップS103:YES)、リスク地点を暫定目的地に変更し(ステップS104)、ステップS102の処理に移行する。一方、制御部211は、経路上にリスク地点がないと判定した場合には(ステップS103:NO)、ユーザに真目的地の入力を催促する(ステップS105)。例えば、制御部211はユーザに真目的地の入力を催促するメッセージを、ディスプレイ214cに表示させたり、図示しないスピーカから発声させたりする。
【0055】
次に、制御部211は、暫定目的地までの移動所要時間Tt及び真目的地の入力所要時間Tiを取得する(ステップS106)。
【0056】
次に、制御部211は、移動所要時間Ttが入力所要時間Ti以下であるか否かを判定する(ステップS107)。制御部211は、移動所要時間Ttが入力所要時間Ti以下であると判定した場合には(ステップS107:YES)、ステップS106の処理に移行する。一方、制御部211は、移動所要時間Ttが入力所要時間Ti以下ではないと判定した場合には(ステップS107:NO)、暫定目的地への自動運転による移動を開始させる(ステップS108)。すなわち、制御部211は、真目的地の入力が暫定目的地の到着までに間に合うと判定するまで現在位置で待機させる。そして、真目的地の入力が暫定目的地の到着までに間に合うと判定した場合に自動運転による移動を開始させる。なお、ステップS106及びステップS107の処理は、当該フローチャートが車両Cの移動状態において開始された場合にはスキップすることとする。
【0057】
次に、制御部211は、真目的地の入力が完了したか否かを判定する(ステップS109)。制御部211は、真目的地の入力が完了したと判定した場合には(ステップS109:YES)、真目的地へ向けて自動運転による移動を開始させ(ステップS113)、当該フローチャートに示す処理を終了する。一方、制御部211は、真目的地の入力が完了していないと判定した場合には(ステップS109:NO)、暫定目的地までの移動所要時間Tt及び真目的地の入力所要時間Tiを取得する(ステップS110)。なお、制御部211は、ユーザが真目的地の入力中である場合には、入力完了予定時刻までの残り時間を入力所要時間Tiとして取得する。なお、入力完了予定時刻までの残り時間は、ユーザが真目的地の入力を開始してからその時点までの入力速度を考慮して算出することとしてもよい。
【0058】
次に、制御部211は、移動所要時間Ttが入力所要時間Ti以下であるか否かを判定する(ステップS111)。制御部211は、移動所要時間Ttが入力所要時間Ti以下ではないと判定した場合には(ステップS111:NO)、ステップS109の処理に移行する。一方、制御部211は、移動所要時間Ttが入力所要時間Ti以下であると判定した場合には(ステップS111:YES)、入力待機処理を行い(ステップS112)、次いで、真目的地へ向けて自動運転による移動を開始させ(ステップS113)、当該フローチャートに示す処理を終了する。なお、入力待機処理については後述する。
【0059】
次に、
図10に示すフローチャートを用いて、自動運転制御装置200の制御部211による暫定目的地設定処理について説明する。
【0060】
まず、制御部211は、記憶装置212に記憶されている暫定目的地オプション情報を参照し、オプション1が選択されているか否かを判定する(ステップS151)。制御部211は、オプション1が選択されていると判定した場合には(ステップS151:YES)、ユーザが予め設定した地点を暫定目的地に設定し(ステップS152)、暫定目的地設定処理を終了する。
【0061】
制御部211は、オプション1が選択されていないと判定した場合には(ステップS151:NO)、次いで、オプション2が選択されているか否かを判定する(ステップS153)。制御部211は、オプション2が選択されていると判定した場合には(ステップS153:YES)、車両Cの現在位置から予め定められたランク以上の道路に接続する地点を暫定目的地に設定し(ステップS154)、暫定目的地設定処理を終了する。
【0062】
制御部211は、オプション2が選択されていないと判定した場合には(ステップS153:NO)、次いで、オプション3が選択されているか否かを判定する(ステップS155)。制御部211は、オプション3が選択されていると判定した場合には(ステップS155:YES)、ユーザの移動履歴情報に基づく地点を暫定目的地に設定し(ステップS156)、暫定目的地設定処理を終了する。
【0063】
制御部211は、オプション3が選択されていないと判定した場合には(ステップS155:NO)、次いで、オプション4が選択されているか否かを判定する(ステップS157)。制御部211は、オプション4が選択されていると判定した場合には(ステップS157:YES)、例えば、暫定目的地選択画面510をディスプレイ214cに表示させ、暫定目的地選択画面510においてユーザが選択した地点を暫定目的地に設定し(ステップS158)、暫定目的地設定処理を終了する。
【0064】
制御部211は、オプション4が選択されていない(すなわち、オプション5が選択されている)と判定した場合には(ステップS157:NO)、例えば、暫定方向選択画面520をディスプレイ214cに表示させ、暫定方向選択画面520においてユーザが選択した方面にある地点を暫定目的地に設定し(ステップS159)、暫定目的地設定処理を終了する。
【0065】
次に、
図11に示すフローチャートを用いて、自動運転制御装置200の制御部211による入力待機処理について説明する。
【0066】
まず、制御部211は、記憶装置212に記憶されている入力待機制御オプション情報を参照し、オプションAが選択されているか否かを判定する(ステップS201)。制御部211は、オプションAが選択されていると判定した場合には(ステップS201:YES)、暫定目的地から所定の範囲内の周回路を探索する(ステップS202)。
【0067】
次いで、制御部211は、車両Cを自動運転により周回路のスタート地点(例えば、
図7の地点404)へ移動させる(ステップS203)。
【0068】
次いで、制御部211は、車両Cが周回路のスタート地点に到着したか否かを判定する(ステップS204)。制御部211は、車両Cが周回路のスタート地点に到着していないと判定した場合には(ステップS204:NO)、ステップS203の処理へ移行する。一方、制御部211は、車両Cが周回路のスタート地点に到着したと判定した場合には(ステップS204:YES)、次いで、真目的地の入力が完了したか否かを判定する(ステップS205)。
【0069】
制御部211は、真目的地の入力が完了したと判定した場合には(ステップS205:YES)、入力待機処理を終了する。一方、制御部211は、真目的地の入力が完了していないと判定した場合には(ステップS205:NO)、車両Cを自動運転により周回路を移動させる(ステップS206)。
【0070】
次いで、制御部211は、車両Cが周回路のゴール地点(例えば、
図7の地点405)に到着したか否かを判定する(ステップS207)。制御部211は、車両Cが周回路のゴール地点に到着していないと判定した場合には(ステップS207:NO)、ステップS206の処理へ移行する。一方、制御部211は、車両Cが周回路のゴール地点に到着したと判定した場合には(ステップS207:YES)、次いで、真目的地の入力が完了したか否かを判定する(ステップS208)。
【0071】
制御部211は、真目的地の入力が完了したと判定した場合には(ステップS208:YES)、入力待機処理を終了する。一方、制御部211は、真目的地の入力が完了していないと判定した場合には(ステップS208:NO)、ステップS203の処理に移行する。
【0072】
他方、制御部211は、ステップS201の処理において、オプションAが選択されていない(すなわち、オプションBが選択されている)と判定した場合には(ステップS201:NO)、暫定目的地から所定の範囲内の駐車場を探索する(ステップS209)。
【0073】
次いで、制御部211は、車両Cを自動運転により駐車場へ移動させる(ステップS210)。
【0074】
次いで、制御部211は、車両Cが駐車場に到着したか否かを判定する(ステップS211)。制御部211は、車両Cが駐車場に到着していないと判定した場合には(ステップS211:NO)、ステップS210の処理へ移行する。一方、制御部211は、車両Cが駐車場に到着したと判定した場合には(ステップS211:YES)、次いで、真目的地の入力が完了したか否かを判定する(ステップS212)。
【0075】
制御部211は、真目的地の入力が完了したと判定した場合には(ステップS212:YES)、入力待機処理を終了する。一方、制御部211は、真目的地の入力が完了していないと判定した場合には(ステップS212:NO)、車両Cを駐車場に停止(駐車)させる(ステップS213)。
【0076】
次いで、制御部211は、真目的地の入力が完了したか否かを判定する(ステップS214)。制御部211は、真目的地の入力が完了していないと判定した場合には(ステップS214:NO)、ステップS213の処理に移行させる。一方、制御部211は、真目的地の入力が完了したと判定した場合には(ステップS214:YES)、入力待機処理を終了する。
【0077】
以上説明したように、本実施例に係る自動運転制御装置200の制御部211(「暫定目的地設定手段」、「自動運転制御手段」の一例)は、自動運転可能な車両C(「移動体」の一例)に搭乗するユーザの移動履歴情報に基づいて、車両Cの真の目的地である真目的地が設定されるまでの暫定の目的地である暫定目的地を設定し、真目的地が設定される前に暫定目的地に向けて車両Cの自動運転を開始させる。
【0078】
したがって、本実施例に係る自動運転制御装置200によれば、車両Cの真目的地が設定されるまでの暫定目的地が設定され、真目的地が設定される前に暫定目的地に向けて車両Cの自動運転が開始させられることから、真目的地の入力に要する時間を有効活用して移動することができ、真目的地への到着を早くすることができる。また、車両Cに搭乗するユーザの移動履歴情報に基づいて暫定目的地を設定することから、ユーザの行動特性を反映した暫定目的地を設定することができ、真目的地への到着を遅らせることとなる暫定目的地を設定する可能性を低下させることができる。
【0079】
また、制御部211は、現在地点から所定の範囲内にある地点であって、ユーザが過去に訪問した地点又は通過した地点から暫定目的地を選択することがある。この場合、車両Cに搭乗するユーザの行動特性を反映した暫定目的地を設定することができ、真目的地への到着を遅らせることとなる暫定目的地を設定する可能性を低下させることができる。
【0080】
更に、制御部211は、現在地点から所定の範囲内にある地点であって、ユーザが最も多く過去に訪問した地点又は最も多く通過した地点から暫定目的地を選択することがある。この場合、車両Cに搭乗するユーザの行動特性を反映した暫定目的地を設定することができ、真目的地への到着を遅らせることとなる暫定目的地を設定する可能性を低下させることができる。
【0081】
更にまた、制御部211は、ユーザが現在位置から移動する場合に通過した地点のうち、通過した回数が最多の地点を暫定目的地に設定することがある。この場合、車両Cに搭乗するユーザの行動特性を反映した暫定目的地を設定することができ、真目的地への到着を遅らせることとなる暫定目的地を設定する可能性を低下させることができる。
【0082】
更にまた、制御部211(「取得手段」の一例)は、現在環境情報(「現在の天候又は気温の少なくとも何れかに関する情報」の一例)を取得し、移動履歴情報は、ユーザが過去に訪問した地点と、その際の天候又は気温の少なくとも何れかに関する情報である過去環境情報を含み、制御部211は、現在環境情報と、過去環境情報を含む移動履歴情報とに基づいて、暫定目的地を設定する。この場合、暫定目的地に設定する地点を、車両Cに搭乗するユーザが過去に訪問又は通過した地点から選択する際に、環境情報を考慮して選択することができる。すなわち、ユーザの行動特性をより反映した暫定目的地を設定することができ、真目的地への到着を遅らせることとなる暫定目的地を設定する可能性を低下させることができる。
【0083】
更にまた、制御部211は、自動運転中に真目的地が設定されたことに基づいて、暫定目的地に向けた自動運転から、真目的地に向けた自動運転に切り替える。これにより、車両Cを自動運転により真目的地に移動させることができる。