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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054425
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】開閉装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/15 20060101AFI20240409BHJP
   E06B 9/17 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
E06B9/15 Z
E06B9/15 C
E06B9/15 D
E06B9/17 Q
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024031013
(22)【出願日】2024-03-01
(62)【分割の表示】P 2020010630の分割
【原出願日】2020-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】津田 真伸
(72)【発明者】
【氏名】重村 正和
(57)【要約】
【課題】 開閉体が巻き重なる際の騒音や振動を軽減するとともに巻径の増大を防ぐ。
【解決手段】 空間を仕切るようにして閉鎖動作する開閉体10と、開閉体10を横幅方向の両側で開閉方向へ案内するガイドレール20とを備え、開閉体10をその開放方向側で巻き重ねて収納するようにした開閉装置において、開閉体10には、巻重ねられた際の内面と外面の間に位置するように緩衝材13が設けられ、緩衝材13は、前記内面と前記外面の間に挟まれて弾性変形する。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を仕切るようにして閉鎖動作する開閉体と、前記開閉体を横幅方向の両側で開閉方向へ案内するガイドレールとを備え、前記開閉体をその開放方向側で巻き重ねて収納するようにした開閉装置において、
前記開閉体には、巻重ねられた際の内面と外面の間に位置するように緩衝材が設けられ、前記緩衝材は、前記内面と前記外面の間に挟まれて弾性変形することを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
前記開閉体には、前記緩衝材が前記内面と前記外面に挟まれて弾性変形した後に、前記外面に対し直接当接する当接部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
【請求項3】
前記緩衝材は、前記ガイドレールの外部において、前記開閉体における横幅方向の中央寄りに部分的に配設されていることを特徴とする請求項2記載の開閉装置。
【請求項4】
前記緩衝材は、前記内面又は前記外面に押されて自由端側を弾性的に撓み変形させる撓み変形部を有することを特徴とする請求項1~3何れか1項記載の開閉装置。
【請求項5】
前記開閉体は、横幅方向へ延設されたスラットを開閉方向に複数接続しており、
前記各スラットは、本体片部と、前記本体片部の開放方向側に設けられた接続部と、前記本体片部の閉鎖方向側に設けられて他のスラットの接続部に接続可能な被接続部とから構成され、
前記接続部及び前記被接続部は、前記本体片部から開閉体厚さ方向の一方へ突出しており、
前記緩衝材は、前記本体片部の開閉方向両側の前記接続部と前記被接続部の間で、前記接続部及び前記被接続部よりも前記一方へ突出していることを特徴とする請求項1~4何れか1項記載の開閉装置。
【請求項6】
前記接続部又は前記被接続部は、嵌合凹部を形成しており、前記緩衝材は前記嵌合凹部に嵌り合う嵌合部を有することを特徴とする請求項5記載の開閉装置。
【請求項7】
前記緩衝材は、前記嵌合部に中空部を有することを特徴とする請求項6記載の開閉装置。
【請求項8】
前記緩衝材は、前記嵌合部を、他の部分よりも硬質な材料により形成していることを特徴とする請求項6又は7記載の開閉装置。
【請求項9】
前記緩衝材は、前記嵌合部から部分的に開閉体厚さ方向へ突出して前記嵌合凹部の内面に圧接される抜止め片部を有することを特徴とする請求項6~8何れか1項記載の開閉装置。
【請求項10】
前記緩衝材は、前記スラットに挿通され係止される抜止め部を有することを特徴とする請求項5~9何れか1項記載の開閉装置。
【請求項11】
前記開閉体には、前記緩衝材に食い込んで前記緩衝材の外れを阻む外れ止め突起が設けられていることを特徴とする請求項1~10何れか1項記載の開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間を仕切るようにして閉鎖動作する開閉体をその開放側で巻き重ねて収納する開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の開閉装置には、例えば特許文献1に記載されるように、左右方向へ長尺なスラットを上下方向へ複数接続した開閉体と、この開閉体を横幅方向の両側で開閉方向へ案内するガイドレールと、前記開閉体をその開放方向側で巻き取りながら重ねる巻取軸とを具備したものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-173450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の開閉装置によれば、開閉体を巻き取る際に、該開閉体の内面と外面とが当接して、騒音や振動等を発生する。
そこで、前記内面と前記外面の間に緩衝材を挟むことが考えられるが、緩衝材の介在によって巻径が増大してしまうおそれがあるので、工夫を要する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明は、以下の構成を具備するものである。
空間を仕切るようにして閉鎖動作する開閉体と、前記開閉体を横幅方向の両側で開閉方向へ案内するガイドレールとを備え、前記開閉体をその開放方向側で巻き重ねて収納するようにした開閉装置において、前記開閉体には、巻重ねられた際の内面と外面の間に位置するように緩衝材が設けられ、前記緩衝材は、前記内面と前記外面の間に挟まれて弾性変形することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、開閉体が巻き重なる際の騒音や振動を緩衝材によって軽減できる上、緩衝材の弾性変形によって巻径の増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る開閉装置の一例を示す正面図である。
図2】スラットに緩衝材を装着した状態の一例を示す斜視図である。
図3】スラットに緩衝材を装着した状態を示す要部縦断面図である。
図4】開閉体が巻き重ねられて、外側の緩衝材が内側の開閉体表面に当接した直後の状態を示す要部縦断面図である。
図5】開閉体が巻き重ねられて、外側の緩衝材が内側の開閉体表面に当接して弾性変形した状態を示す要部縦断面図である。
図6】緩衝材の他例を示す縦断面図である。
図7】スラット及び緩衝材の他例を示す要部縦断面図である。
図8】スラット及び緩衝材の他例を示す要部縦断面図である。
図9】緩衝材の他例を示す縦断面図である。
図10】緩衝材の他例を(a)~(c)にそれぞれ示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施の形態では、以下の特徴を開示している。
第一の特徴は、空間を仕切るようにして閉鎖動作する開閉体と、前記開閉体を横幅方向の両側で開閉方向へ案内するガイドレールとを備え、前記開閉体をその開放方向側で巻き重ねて収納するようにした開閉装置において、前記開閉体には、巻重ねられた際の内面と外面の間に位置するように緩衝材が設けられ、前記緩衝材は、前記内面と前記外面の間に挟まれて弾性変形する(図1図10参照)。
【0009】
第二の特徴として、前記開閉体には、前記緩衝材が前記内面と前記外面に挟まれて弾性変形した後に、前記外面に対し直接当接する当接部が設けられている(図3図5図7図8及び図10参照)。
【0010】
第三の特徴として、前記緩衝材は、前記ガイドレールの外部において、前記開閉体における横幅方向の中央寄りに部分的に配設されている(図1及び図2参照)。
【0011】
第四の特徴として、前記緩衝材は、前記内面又は前記外面に押されて自由端側を弾性的に撓み変形させる撓み変形部を有する(図3図10参照)。
【0012】
第五の特徴として、前記開閉体は、横幅方向へ延設されたスラットを開閉方向に複数接続しており、前記各スラットは、本体片部と、前記本体片部の開放方向側に設けられた接続部と、前記本体片部の閉鎖方向側に設けられて他のスラットの接続部に接続可能な被接続部とから構成され、前記接続部及び前記被接続部は、前記本体片部から開閉体厚さ方向の一方へ突出しており、前記緩衝材は、前記本体片部の開閉方向両側の前記接続部と前記被接続部の間で、前記接続部及び前記被接続部よりも前記一方へ突出している(図3図7図8及び図10参照)。
【0013】
第六の特徴として、前記接続部又は前記被接続部は、嵌合凹部を形成しており、前記緩衝材は前記嵌合凹部に嵌り合う嵌合部を有する(図3図5図7図8及び図10参照)。
【0014】
第七の特徴として、前記緩衝材は、前記嵌合部に中空部を有する(図3図6図8図10参照)。
【0015】
第八の特徴として、前記緩衝材は、前記嵌合部を、他の部分よりも硬質な材料により形成している(図6参照)。
【0016】
第九の特徴として、前記緩衝材は、前記嵌合部から部分的に開閉体厚さ方向へ突出して前記嵌合凹部の内面に圧接される抜止め片部を有する(図9参照)。
【0017】
第十の特徴として、前記緩衝材は、前記スラットに挿通され係止される抜止め部を有する(図7参照)。
【0018】
第十一の特徴として、前記開閉体には、前記緩衝材に食い込んで前記緩衝材の外れを阻む外れ止め突起が設けられている(図8参照)。
【0019】
<具体的実施態様>
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
以下の説明において、「開閉体厚さ方向」とは、閉鎖状態の開閉体の厚さ方向を意味する。また、「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。
また、「開閉体開閉方向」とは、開閉体が空間を仕切ったり開放したりするためにスライドする方向を意味する。
【0021】
また、「開閉体幅方向外側」とは、開閉体幅方向に沿って開閉体の外側へ向かう方向側を意味する。例えば、向かって右側のガイドレールを基準にすると、開閉体幅方向外側は、右方向側になる。
また、「開閉体幅方向内側」とは、開閉体幅方向に沿って開閉体の内側へ向かう方向側を意味する。例えば、向かって右側のガイドレールを基準にすると、開閉体幅方向内側は、左方向側になる。
【0022】
また、「開閉体厚さ方向外側」とは、開閉体の厚みの中央部から開閉体厚さ方向に沿って離れる方向側を意味する。
また、「開閉体厚さ方向内側」とは、開閉体厚さ方向に沿って開閉体の厚みの中央部へ向かう方向側を意味する。
【0023】
開閉装置1は、図1に示すように、空間を仕切るようにして閉動作する開閉体10と、開閉体10を横幅方向の両側でそれぞれ開閉方向へ案内するガイドレール20と、開閉体10をその開放方向側で巻き重ねて収納する収納部40とを備え、例えば、ガレージや工場、窓サッシ等の開口部分に装着されるシャッター装置を構成している。
【0024】
開閉体10は、横長略矩形状の金属板を曲げ加工してなるスラット11aを、上下に隣接するスラット11a,11a間で回動するように複数連接することで開閉体本体11を構成し、この開閉体本体11の閉鎖方向端部側に、全閉時の当接対象部位Gに当接させるための座板部材12を横幅方向へわたって接続している。
この開閉体10には、巻重ねられた際の内面と外面の間に位置するように緩衝材13が設けられ、この緩衝材13が、前記内面と前記外面の間に挟まれて弾性変形する。
【0025】
各スラット11aは、開閉体幅方向へ連続するように延設された縦断面略凹状の部材であり、略板状(図示例によれば平板状)の本体片部11a1と、この本体片部11a1の開放方向側の端部に設けられた略フック状等の接続部11a2と、本体片部11a1の閉鎖方向側の端部に設けられて他のスラット11aの接続部11a2又は座板部材12を掛止する被接続部11a3とを一体に有する(図2及び図3参照)。
接続部11a2及び被接続部11a3は、本体片部11a1から開閉体厚さ方向の一方(図3によれば左方向)へ突出している。
【0026】
開閉方向に隣り合う二つのスラット11a,11aは、接続部11a2と被接続部11a3の係合によって、その一方が他方に対し回動可能であるとともに、その一方に対し他方を開閉体幅方向へスライドさせることが可能である。
被接続部11a3は、下方側から接続部11a2を挿入して掛止可能なように、下方を開口した縦断面略カール状(換言すれば、下方の開口した縦断面C字状)に形成される。
【0027】
この被接続部11a3は、本体片部11a1内面との間に,緩衝材13を嵌め合わせるための嵌合凹部11a4を形成している。この嵌合凹部11a4は、本体片部11a1とその対向面11a32との間の寸法を、下方へ行くにしたがって徐々に拡げるように窪んでいる。この嵌合凹部11a4には、緩衝材13が嵌め合わせられる。
【0028】
また、被接続部11a3は、開閉体10が巻き重ねられた際に内側となる開閉体10の外面に直接当接させるための当接部11a31を有する。
すなわち、各スラット11aの下端側には、本体片部11a1の下端側から開閉体厚さ方向の一方へ突出するように被接続部11a3が設けられ、この被接続部11a3の突端部分が、当接部11a31として機能する(図3参照)。
この当接部11a31は、緩衝材13が開閉体10の内面と外面に挟まれて徐々に弾性変形した後に、開閉体10の外面に対し直接当接する。
【0029】
緩衝材13は、ガイドレール20の外部において、開閉体10の各スラット11aにおける横幅方向の中央寄りに部分的に配設される(図1及び図2参照)。
そして、この緩衝材13は、本体片部11a1上下の接続部11a2と被接続部11a3の間に位置するようにして、嵌合凹部11a4内に嵌り合い、開閉体厚さ方向において、接続部11a2及び被接続部11a3よりも反本体片部11a1側へ突出している(図3参照)。
この緩衝材13は、嵌合凹部11a4に嵌り合う嵌合部13aと、この嵌合部13aから反本体片部11a1側(図3によれば左側)へ突出する撓み変形部13bとを一体に有する。
【0030】
嵌合部13aは、嵌合凹部11a4に嵌り合うように下向き突状の断面を有する。
詳細に説明すれば、この嵌合部13aは、図3に示すように、開閉体厚さ方向へ徐々に拡がりながら下方へ突出しており、その突端側に、下方へ開口を向けた逆凹字切欠状の中空部13a1を有する。
【0031】
中空部13a1は、嵌合部13aが嵌合凹部11a4に嵌め合わせられる際に、嵌合部13aの開閉体厚さ方向の弾性的な収縮変形を容易にする。
なお、この中空部13a1の他例としては、周囲が覆われるように嵌合部13aに内在する空洞部とすることも可能である。
【0032】
また、撓み変形部13bは、被接続部11a3の上面側に沿うようにして、嵌合部13aから反本体片部11a1側へ突出する片状に形成され、その突端側を上方へ湾曲させて、その最突端である自由端部を本体片部11a1へ向けている。この自由端部と本体片部11a1の間には、撓み変形部13bの撓み変形を可能にするように適宜間隔の空間が確保される。
図3に示す一例によれば、この撓み変形部13bは、被接続部11a3よりも反本体片部11a1側へ突出する縦断面半円環状に形成され、開閉体10の中央寄りの一部分において、開閉体幅方向へわたり連続している(図2参照)。
【0033】
ガイドレール20は、開閉体10の左右両側にそれぞれ設けられる。
各ガイドレール20は、開閉体10の幅方向の端部側を、開口部に挿入し横断面凹状に囲むようにして、当接対象部位Gと収納部40の間にわたって上下方向へ連続している。このガイドレール20内には、必要に応じて、多光軸センサ等の障害物感知センサが設けられる。
【0034】
また、収納部40は、図1に示すように、開閉体10を出没させるための開口部を下部に形成した収納ケース41内に、開閉体10を巻き取ったり繰出したりする巻取軸42と、該巻取軸42をチェーン及びスプロケット等の動力伝達機構を介して駆動回転したり制動したりする開閉機43と、図示しない制御回路とを備える。
【0035】
巻取軸42は、軸方向の開閉体幅方向へ向けた円筒状に形成され、その外周面に、開閉体10の上端部を接続している。そして、この巻取軸42は、一方向へ回転することで、外周面に開閉体10を巻き重ねてゆき(図4及び図5参照)、逆方向へ回転することで、同開閉体10を下方へ繰出してゆく。
【0036】
次に、上記構成の開閉装置1について、その特徴的な作用効果を詳細に説明する。
開閉体10が巻取軸42に巻き取られると、先ず、図4に示すように、径方向の最も内側になるスラット11aの内面が、巻取軸42の外周面に当接する。
詳細に説明すれば、各スラット11aの緩衝材13が巻取軸42の外周面に当接して弾性的に徐々に撓んだ後、被接続部11a3の当接部11a31が巻取軸42の外周面に当接する。
【0037】
次に、内側の開閉体10に対し、その外側の開閉体10が巻き重ねられる際は、先ず、外側のスラット11aの緩衝材13が、内側のスラット11aの外面に当接する(図4参照)。この時点では、被接続部11a3の当接部11a31と内側のスラット11aの間には隙間Sを有する。
この後、緩衝材13が弾性的に徐々に撓んで、被接続部11a3の当接部11a31が内側のスラット11aの外面に当接する。
【0038】
このように、各スラット11aの内面が、その内側の巻取軸42外周面又はスラット11a表面に接触する際、先ず、緩衝材13が当接して徐々に弾性的に撓み、この後で、被接続部11a3の当接部11a31がスラット11a表面に当接する。したがって、これら段階的な当接により、騒音や振動等の衝撃を軽減することができる。
しかも、各緩衝材13が効果的な撓み変形をするため、開閉体10の巻径の増大を抑制することができる。
【0039】
また、軟質の緩衝材13がその内側の部材(巻取軸42又はスラット11a)を押圧する際の押圧力は、硬質の被接続部11a3がその内側の部材に当接した後、略一定の低い押圧力に保たれる。このため、各スラット11aの外側面に緩衝材13によるゴム跡や摩耗粉が付くようなことを軽減することができる。
したがって、緩衝材13を、ガイドレール20内に配置することなく、幅方向において撓みの大きい開閉体10の幅方向中央寄りに配置して、開閉体10の巻重ね音等を効果的に低減することができる。
【0040】
<変形例>
次に、上記構成の変形例について説明する。
なお、以下の変形例は、上記開閉装置1の構成の一部を変更したものであるため、主にその変更部分について詳述し、重複する詳細説明は省略する。
【0041】
図6に示す緩衝材13’は、二色成形等によって、嵌合部13aを、撓み変形部13bよりも硬質な弾性材料により形成したものである。
例えば、この緩衝材13’をゴム材料から形成する場合、嵌合部13aのゴム硬度が、撓み変形部13bのゴム硬度よりも高く設定される。
【0042】
よって、上記構成の緩衝材13’によれば、嵌合部13aが弾性変形して嵌合凹部11a4から意図せずに抜けてしまうのを防ぐことができる。
【0043】
また、図7に示す態様は、上記構成のスラット11aをスラット11a’に置換し、緩衝材13を緩衝材13”に置換したものである。
【0044】
スラット11a’は、嵌合凹部11a4の底部に貫通孔11a41を設けたものである。
緩衝材13”は、嵌合部13aの下端側に、断面矢印状の抜止め部13a2を設けたものである。
抜止め部13a2は、弾性的に収縮してスラット11a’の貫通孔11a41に挿通され、貫通孔11a41の下方側で弾性的に復元して、抜止として機能する。
【0045】
よって、図7に示す態様によれば、緩衝材13”が意図せずに外れてしまうようなことを、抜止め部13a2によって効果的に阻むことができる。
【0046】
また、図8に示す態様は、上記構成のスラット11aをスラット11a”に置換したものである。
スラット11a”は、本体片部11a1の下端側を部分的に切り起こすように曲げて、緩衝材13に対し開閉体厚さ方向に食い込む外れ止め突起11a11を設けたものである。
【0047】
よって、図8に示す態様によれば、緩衝材13が意図せずに外れてしまうようなことを、外れ止め突起11a11によって効果的に阻むことができる。
【0048】
また、上記開閉装置1において、緩衝材13は、図9に示す緩衝材13X1に置換することが可能である。
緩衝材13X1は、嵌合部13aから部分的に開閉体厚さ方向へ突出して嵌合凹部11a4の内面に圧接される抜止め片部13a3を有する。
【0049】
抜止め片部13a3は、嵌合部13aの開閉体厚さ方向の一方側の面と他方側の面に複数設けられる。各抜止め片部13a3は、図示する好ましい一例によれば、嵌合部13aから突出しながら、嵌合凹部11a4の深さ方向に対する逆方向(図示例によれば上方向)へ傾斜している。
なお、図9に示す一例では、抜止め片部13a3を、嵌合部13aに対し開閉体厚さ方向の一方側と他方側に設けたが、他例としては、その一方を省くことも可能である。
また、抜止め片部13a3の形状や個数は、図示例以外の形状や個数にすることが可能である。
また、抜止め片部13a3の材質は、任意であるが、軟質材料(例えば、ゴムやエラストマー樹脂等)であることが好ましい。
【0050】
上記構成の緩衝材13X1を用いれば、抜止め片部13a3により、嵌合部13aと嵌合凹部11a4の内面との間に、局部的に圧接力が高くなる部分を形成することができ、ひいては、緩衝材13が嵌合凹部11a4から抜け出てしまうのを効果的に防ぐことができる。
【0051】
なお、上記実施態様によれば、図4に示すように開閉体10を内巻きする仕様としたが、他例としては、スラット11aの表面(図4によれば右側の面)が巻取軸42の中心を向くようにした外巻き仕様とすることも可能であり、この場合も、緩衝材13による衝撃緩和等の効果を得ることができる。
【0052】
また、上記実施態様によれば、撓み変形部13bを縦断面半円環状に形成したが、他例としては、図10(a)~(c)に示す態様や、図示例以外の弾性変形可能な形状とすることが可能である。
【0053】
緩衝材13X2(図10(a)参照)は、嵌合凹部11a4に嵌り合う嵌合部13aと、この嵌合部13aの上端側から反本体片部11a1側(図10によれば左側)へ突出して下方へ湾曲した撓み変形部13b’とを一体に有する。
この緩衝材13X2を用いれば、撓み変形部13b’内に水滴や異物等が付着するのを防ぐことができ、ひいては、撓み変形部13b’を効果的に撓ませて、開閉体巻重ね時の緩衝効果を良好に得ることができる。
【0054】
また、緩衝材13X3(図10(b)参照)は、嵌合凹部11a4に嵌り合う嵌合部13aと、この嵌合部13aの上端側から反本体片部11a1側(図10によれば左側)へ突出する縦断面横向きT字状の撓み変形部13eとを一体に有する。
撓み変形部13eは、嵌合部13aの上端側から突出する突片部13e1と、この突片部の突端から開閉体開閉方向の両側へ延設された延設片部13e2とを有し、開閉体幅方向へ連続している。
この緩衝材13X3を用いれば、開閉体巻重ね時に、縦断面横向きT字状の撓み変形部13eを弾性的に撓ませて、良好な緩衝効果を得ることができる。
【0055】
また、緩衝材13X4(図10(c)参照)は、嵌合凹部11a4に嵌り合う嵌合部13aと、この嵌合部13aの上端側から反本体片部11a1側(図10によれば左側)へ突出する中空状の弾性変形部13cとを一体に有する。
弾性変形部13cは、その内部に、開閉体幅方向へ連続するとともに端部側が外部に開放された中空部13dを有する。
この緩衝材13X4を用いれば、弾性変形部13cを中空部13dによって効果的に圧縮変形させることができ、ひいては、開閉体巻重ね時の緩衝効果を良好に得ることができる。
【0056】
また、上記実施態様によれば、好ましい態様として撓み変形部13bを設けたが、他例としては、撓み変形部13bを有さずに弾性的に収縮する態様とすることも可能である。
【0057】
また、上記実施態様によれば、上記緩衝材を開閉体幅方向に短尺状に形成したが、他例としては、この緩衝材を、開閉体幅方向に長尺状に形成した態様や、開閉体の幅方向全長に設けた態様、図示例よりも開閉体幅方向に短くした態様等とすることも可能である。
【0058】
また、図1に示す一例では、緩衝材13を、開閉体10の上下方向の略全長にわたって上下方向に間隔を置いて複数設けるようにした、開閉体10において巻重ねられない部分(開閉体閉鎖方向端部側の所定範囲)については緩衝材13を省くことが可能である。
【0059】
また、図1に示す一例によれば、緩衝材13を開閉体10の幅方向中央に単数設けたが、他例としては、緩衝材13を開閉体幅方向における開閉機43寄りに設けた態様等、緩衝材13を幅方向中央以外の部分に設けることも可能である。
さらに他例としては、緩衝材13を、開閉体幅方向にわたり所定間隔又は均等間隔に複数配設することも可能である。
【0060】
また、上記構成の緩衝材は、開閉体10に対し厚さ方向の一方側と他方側のうち、その一方又は両方に設けることが可能であり、特に一方のみに設ける場合、外部の風による悪影響や、いたずら防止等の観点より、開閉体閉鎖時の屋内側に配設するのが好ましい。
【0061】
また、上記実施の態様では開閉体10を上下方向に開閉するようにしたが、他例としては、開閉体10を左右方向に開閉する態様、開閉体10を水平方向や傾斜方向に開閉する態様等とすることも可能である。
【0062】
また、上記実施の態様では、単数の巻取軸42を用いて開閉体10を巻き取る1軸式の巻取装置を構成したが、他例としては、開放動作する開閉体10を、その開放方向側の方向変換軸により方向変換した後に巻取軸により巻き取るようにした2軸式の巻取装置を構成することも可能である。
【0063】
本発明は上述した実施態様に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0064】
1:開閉装置
10:開閉体
11:開閉体本体
11a,11a’,11a”:スラット
11a1:本体片部
11a2:接続部
11a3:被接続部
11a31:当接部
13,13’,13X1,13X2,13X3,13X4:緩衝材
13a:嵌合部
13a1:中空部
13a2:抜止め部
13a3:抜止め片部
13b,13b’,13e:撓み変形部
20:ガイドレール
40:収納部
42:巻取軸
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
図9
図10