(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054436
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】電動車のフレーム構造
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20190101AFI20240410BHJP
B62D 21/02 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
B60K1/04 A
B62D21/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153156
(22)【出願日】2022-09-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白尾 伸
【テーマコード(参考)】
3D203
3D235
【Fターム(参考)】
3D203AA31
3D203AA33
3D203BA02
3D203CB34
3D203DB05
3D235AA01
3D235BB24
3D235CC12
3D235CC15
3D235FF02
3D235HH61
(57)【要約】
【課題】バッテリ交換の作業効率を向上させることができる電動車のフレーム構造を提供すること。
【解決手段】電動車10のフレーム構造は、フレーム12によりシャーシ11が構成された電動車10のバッテリ40を支持するものである。電動車10のフレーム構造は、フレーム12に電動車10の前輪14と後輪15との間で車両幅方向にわたって設けられバッテリ40の前端側を支持する前スライドレール21と、フレーム12に電動車10の前輪14と後輪15との間で車両幅方向にわたって設けられバッテリ40の後端側を支持する後スライドレール22とを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車のフレームに前記電動車の前輪と後輪との間で車両幅方向にわたって設けられ、バッテリの前端側を支持する前スライドレールと、
前記フレームに前記電動車の前輪と後輪との間で車両幅方向にわたって設けられ前記バッテリの後端側を支持する後スライドレールとを備え、
前記前スライドレール及び前記後スライドレールの一端側からバッテリを挿入し、前記前スライドレール及び前記後スライドレールの他端側から前記バッテリを押し出すことで前記バッテリを交換することを特徴とするフレーム構造。
【請求項2】
請求項1記載のフレーム構造であって、
前記バッテリの車両幅方向の両端には、車両前後方向に延びるように設けられ前記バッテリを補強するバッテリ補強フレームを備えているフレーム構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のフレーム構造であって、
前記前スライドレール及び前記後スライドレールの車幅方向の端部には、車幅方向の外方に向かって車両前後高さ方向に拡張するとともに前記バッテリを案内するガイド部を備えているフレーム構造。
【請求項4】
請求項1又は請求項2記載のフレーム構造であって、
前記前スライドレール及び前記後スライドレールの車両幅方向端部側、又は前記バッテリの車両幅方向端部には、前記バッテリ交換の際に挿入された前記バッテリの移動を制限するストッパ機構を備えているフレーム構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行用電動モータのバッテリを交換可能に搭載した電動車のバッテリを支持するフレーム構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車やトラック等の商用車において、環境負荷低減の観点から、モータのみを駆動源とする電気自動車(EV)や、エンジンとモータとを駆動源とするハイブリッド自動車(HEV)等の電動車が開発されている。このような電動車には、モータを作動させるための大容量のバッテリが搭載されている。
【0003】
しかし、大容量のバッテリは、バッテリ蓄電率が低下すると充電に長時間を必要とする。一方で、電動車におけるバッテリを交換する技術として、特許文献1、2、3に開示される技術が知られている。
【0004】
特許文献1の技術は、電動車の車両の底部にバッテリが搭載されている。バッテリを交換するときは、車両をリフトで持ち上げてフォークリフト等を用いるか専用のバッテリ交換装置等を用いるか等により、下方から蓄電率が低下したバッテリを取り外して退避させ、同様にバッテリ交換装置等を用いて充電済みのバッテリを取り付ける。
【0005】
特許文献2の技術は、四輪スクータ形式の電動車であり、車両の中央部である座席下にバッテリが搭載されている。バッテリを交換するときは、昇降式の台車等を用いて左側方から蓄電率が低下したバッテリを取り外して退避させ、同様に台車等を用いて左側方から充電済みのバッテリを取り付ける。
【0006】
特許文献3の技術は、トラック形式の電動車であり、車両の側方下部である荷台の下にバッテリが搭載されている。2つバッテリが上下2段に配置された2つの保持ブラケットにそれぞれ保持されており、バッテリを交換するときは、蓄電率が低下したバッテリを保持ブラケットに保持した状態で車両の下側から保持ブラケットごと取り外し、充電済みのバッテリを保持ブラケットにセットして保持ブラケットごと車両の下側に取り付ける。
【0007】
しかし、特許文献1、2、3の技術は、いずれも蓄電率が低下したバッテリを取り外して退避させる工程を必要とし、バッテリ交換の作業効率が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2012-75212号公報
【特許文献2】特開2013-18385号公報
【特許文献3】特開2018-103765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、以上の点に鑑み、バッテリ交換の作業効率を向上させることができる電動車のフレーム構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施例によれば、電動車のフレームに前記電動車の前輪と後輪との間で車両幅方向にわたって設けられ、バッテリの前端側を支持する前スライドレールと、前記フレームに前記電動車の前輪と後輪との間で車両幅方向にわたって設けられ前記バッテリの後端側を支持する後スライドレールとを備え、
前記前スライドレール及び前記後スライドレールの一端側からバッテリを挿入し、前記前スライドレール及び前記後スライドレールの他端側から前記バッテリを押し出すことで前記バッテリを交換することを特徴とする。
【0011】
かかる構成によれば、電動車のフレーム構造は、フレームに電動車の前輪と後輪との間で車両幅方向にわたって設けられバッテリの前端側を案内するとともに支持する前スライドレールと、バッテリの後端側を案内するとともに支持する後スライドレールとを備えているので、前スライドレール及び後スライドレールを介してバッテリを交換式とすることができる。さらに、前スライドレール及び後スライドレールの一端側から交換する充電済みのバッテリを挿入し、前スライドレール及び後スライドレールの他端側から交換される蓄電率が低下したバッテリが押し出されることでバッテリが交換可能となる。これにより充電済みのバッテリの挿入と蓄電率が低下したバッテリの取り出しを同時に行うことができ、所謂ところてん式にバッテリが交換されるので、バッテリ交換の工程を削減してバッテリ交換の作業効率を向上させることができる。
【0012】
さらに、様々な種類の電動車において、前スライドレール及び後スライドレールを共通化することで、様々な種類の電動車で前スライドレール及び後スライドレールを流用活用することができる。これにより、バッテリ容量が固定されず、バッテリの大きさ(容量)を変えることで、車両のホイールベースを調整することができる。
【0013】
好ましくは、前記バッテリの車両幅方向の両端には、車両前後方向に延びるように設けられ前記バッテリを補強するバッテリ補強フレームを備えている。
【0014】
かかる構成によれば、バッテリ補強フレームによりバッテリの剛性を向上させることができ、バッテリを前スライドレール及び後スライドレールに挿入し易くしてバッテリ交換の作業効率を向上させることができる。さらに、バッテリ補強フレームは、バッテリの車両幅方向の両サイドに車両前後方向に延びるように設けられるので、前後方向の剛性を向上させフレームの剛性を補強し、車両前後方向全体としての剛性も向上させることができる。すなわち、バッテリがフレームと一体構造となり、バッテリ(バッテリパックのケース)がフレームの強度部材を兼ねて、フレームの強度(剛性)を向上させることができる。
【0015】
好ましくは、前記前スライドレール及び前記後スライドレールの端部には、外方に向かって車両前後高さ方向に拡張するとともに前記バッテリを案内するガイド部を備えている。
【0016】
かかる構成によれば、前スライドレール及び後スライドレールの端部には、外方に向かって車両前後高さ方向に拡張するとともにバッテリを案内するガイド部が設けられているので、駆動モータ用の大きなバッテリであってもガイド部で案内されて容易に前スライドレール及び後スライドレールの間に挿入することができる。結果、バッテリ交換の作業効率を向上させることができる。
【0017】
好ましくは、前記前スライドレール及び前記後スライドレールの車両幅方向端部側、又は前記バッテリの車両幅方向端部には、前記バッテリ交換の際に挿入された前記バッテリが飛び出さないように移動を制限するストッパ機構を備えている。
【0018】
かかる構成によれば、前スライドレール及び後スライドレールの車両幅方向端部側、又はバッテリの車両幅方向端部には、移動を制限するストッパ機構を備えているので、バッテリ交換の際に挿入されたバッテリが飛び出さないようすることができ、容易にバッテリ交換することができる。結果、バッテリ交換の作業効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0019】
バッテリ交換の作業効率を向上させることができる電動車のフレーム構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る電動車のフレーム構造の一例及びバッテリ交換を説明する図である。
【
図2】
図2(A)は
図1の電動車のフレーム構造を示す平面視における部分断面図である。
図2(B)は
図2(A)の2B矢視図である。
図2(C)は
図2(A)の2C-2C線断面図である。
【
図3】
図3(A)は
図2(B)の3A部拡大図である。
図3(B)は
図3(A)の3B-3B線断面図である。
図3(C)は
図3(A)の3C-3C線断面図である。
【
図4】
図4(A)は充電済みバッテリの挿入前の状態の説明図ある。
図4(B)は充電済みバッテリの挿入時の入口側の作用図である。
図4(C)は
図4(B)の4C矢視図である。
【
図5】
図5(A)は充電済みバッテリの挿入時の出口側の作用図である。
図5(B)は蓄電率が低下したバッテリの取り出し時の出口側の作用図である。
【
図6】ホイールベースの長さが異なる車両におけるバッテリ交換の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は、本発明に係る電動車のフレーム構造の一例の概略構成を概念的(模式的)に示すものとする。また、「前(Fr)」、「後(Rr)」、「左(Le)」、「右(Ri)」、「上(Up)」、「下(Down)」は運転者から見た方向にしたがうものとする。
【実施例0022】
図1に示されるように、電動車10のフレーム構造は、シャーシ11がフレーム12により構成されており、このフレーム12上にバッテリ40が支持されている。バッテリ40は主に駆動用モータに給電するためのものであり、蓄電の容量が大きくサイズも大きい。
【0023】
電動車10は、フレーム12の車両前方側(シャーシ11)に車軸13を介して前輪14が回転可能に設けられ、フレーム12の車両後方側(シャーシ11)に車軸13を介して後輪15が回転可能に設けられている。なお、図には示していないが、シャーシ11に駆動用モータが設けられている形式や、車輪のホイール内に個別に駆動用モータが設けられている所謂ホイールインモータ形式など、駆動用モータの配置はどのような形式であってもよい。また、図では便宜上、バッテリ40を支持するフレーム12と車軸13が設けられているシャーシ11が別体のように示したが、フレーム12はシャーシ11を構成しており、バッテリ40を支持する部分から車軸13が設けられている部分まで全体的にフレームで構成しているものとしてもよい。
【0024】
また、電動車10は、フレーム12に電動車10の前輪14と後輪15との間で車両幅方向にわたって設けられバッテリ40の前端側を案内するとともに支持する前スライドレール21と、フレーム12に電動車10の前輪14と後輪15との間で車両幅方向にわたって設けられバッテリ40の後端側を案内するとともに支持する後スライドレール22とを備えている。
【0025】
これにより、電動車10にセットされている蓄電率が低下したバッテリ40a(40)の交換が必要になった場合、前スライドレール21及び後スライドレール22の一端側(車両幅方向左側)から交換する充電済みのバッテリ40b(40)を挿入し、前スライドレール21及び後スライドレール22の他端側(車両幅方向右側)から交換される蓄電率が低下した想像線で示すバッテリ40a(40)が押し出されることでバッテリ40を交換することができる。さらに、前スライドレール21及び後スライドレール22があることで、フレーム12の車両幅方向の剛性も向上されることができる。
【0026】
また、電動車10のフレーム構造は、バッテリ40の車両幅方向の両サイドには、車両前後方向に延びるように設けられバッテリ40を補強するバッテリ補強フレーム41を備えている。バッテリ補強フレーム41は、バッテリ40のセル等を含むパック内に一体的に設けられている。なお、実施例では、バッテリ補強フレーム41をバッテリパック内に一体的に設けたが、これに限定されず、バッテリパック外に設けてもよく、バッテリ補強フレーム41をバッテリ40と一体的に扱うことができれば形式は問わない。
【0027】
次にスライドレール及びその端部周辺について説明する。
図2、
図3に示されるように、前スライドレール21及び後スライドレール22は、それらが対向する内側に車両幅方向に沿って設けられバッテリ40を案内する断面凸状のガイドレール23を備えている。バッテリ40には、ガイドレール23を摺動可能に嵌める溝状のスライド部42が形成されている。これにより、バッテリ40の交換時にはバッテリ40を容易にスライド移動させることができ、バッテリ40のセット時にはバッテリ40をがたつかないように保持することができる。
【0028】
また、バッテリ40の挿入口24及び取出し口25となる前スライドレール21及び後スライドレール22の端部には、外方に向かって車両前後高さ方向に拡張するとともにバッテリ40を案内するガイド部26を備えている。
【0029】
図2~
図5に示されるように、前スライドレール21及び後スライドレール22の車両幅方向端部側には、バッテリ40交換の際に挿入されたバッテリ40が飛び出さないように移動を制限するストッパ機構30を備えている。
【0030】
ストッパ機構30は、フレーム12に上下方向進退可能に設けられた突起部31と、この突起部31を上方に付勢する弾性部材(ばね)34と、この弾性部材34を保持する弾性部材支持部35と、この弾性部材支持部35を進退させるシリンダ36と、このシリンダ36の進退を制御する制御スイッチ部(不図示)とを備えている。
【0031】
なお、実施例では、ストッパ機構30はシリンダ36や電気的な制御スイッチ部等により構成したが、これに限定されず、シリンダ36や電子制御部品を使用せずに、機械部品、リンク、ワイヤー、ばね等から突起部31を進退させる構成や、単なる爪部品としてもよく、バッテリ40の移動を制限できればストッパ機構30の構成は問わない。
【0032】
また、実施例では、前スライドレール21及び後スライドレール22の車両幅方向端部側にストッパ機構30を設けたが、これに限定されず、バッテリ40毎にバッテリ40自体の車両幅方向端部にストッパ機構30設けてもよい。
【0033】
次にバッテリ40交換時における電動車10のフレーム構造の作用について説明する。なお、図では理解しやすくするために、挿入されるバッテリ40のみ、または、外されるバッテリ40のみを表示する。
【0034】
挿入口24側について説明する。
図4(A)に示されるように、バッテリ40の挿入口24は、ガイド部26が形成され、ストッパ機構30の突起部31は突出した状態である。この状態で、充電済みのバッテリ40を挿入口24に移動させる。なお、バッテリ40の移動には図示せぬ汎用リフト、昇降式台車等を使用してよい。また、ストッパ機構30の突起部31は、突出した状態で傾斜面32がガイド部26と面一となる位置にある。
【0035】
図4(B)に示されるように、さらにバッテリ40を移動させると、バッテリ40がガイド部26に案内され、容易に挿入口24に挿入される。このとき、バッテリ40は突出した突起部31の傾斜面32に当接し、さらにバッテリ40が前進すると傾斜面32を摺動しつつ突起部31を押し下げ、挿入口24の奥へ前進する。このように挿入口24側では、バッテリ40を挿入するだけで突起部31が後退する(引っ込む)ので、容易にバッテリ40を挿入することができる。
【0036】
取出し口25側について説明する。
図5(A)に示されるように、バッテリ40の交換前の状態では、ストッパ機構30の突起部31が上方に突出している。突起部31にはバッテリ40のスライド移動方向に対して切り立ったストップ面33が形成されているため、バッテリ40はストップ面33に当接して移動が制限される。
【0037】
図5(B)に示されるように、バッテリ40の交換時は、ストッパ機構30の制御スイッチ部を操作することでシリンダ36を後退させる。すると突起部31も後退してフレーム12側に収納され、バッテリ40の移動制限が解除される。
【0038】
この状態で挿入口24側から充電済みのバッテリ40を挿入すると、中にある蓄電率が低下したバッテリ40が押し出される。このように、充電済みのバッテリ40の挿入と蓄電率が低下したバッテリ40の取り出しを同時に行うことができ、所謂ところてん式にバッテリ40が交換されるので、バッテリ交換の工程を削減してバッテリ交換の作業効率を向上させることができる。
【0039】
次ホイールベースの異なる車両へのバッテリ交換について説明する。
図6に示されるように、電動車10のホイールベースは、
図1に示す電動車10のホイールベースよりも大きい。そのため、
図6に示す電動車10の前スライドレール21と後スライドレール22との距離L1も大きい。
【0040】
また、
図6の電動車10の前スライドレール21及び後スライドレール22を
図1の電動車10と共通化することで、前スライドレール21及び後スライドレール22を流用活用することができる。これにより、バッテリ容量が固定されず、バッテリ40の大きさ(容量)を変えることで、車両のホイールベースを調整することができる。
【0041】
以上に述べた電動車10のフレーム構造の効果について説明する。
本発明の実施例によれば、電動車10のフレーム構造は、フレーム12に電動車10の前輪14と後輪15との間で車両幅方向にわたって設けられバッテ40リの前端側を案内するとともに支持する前スライドレール21と、バッテリ40の後端側を案内するとともに支持する後スライドレール22とを備えているので、前スライドレール21及び後スライドレール22を介してバッテリ40を交換式とすることができる。さらに、前スライドレール21及び後スライドレール22の一端側から交換する充電済みのバッテリ40を挿入し、前スライドレール21及び後スライドレール22の他端側から交換される蓄電率が低下したバッテリ40が押し出されることでバッテリ40が交換可能となる。これにより充電済みのバッテリ40の挿入と蓄電率が低下したバッテリ40の取り出しを同時に行うことができ、所謂ところてん式にバッテリ40が交換されるので、バッテリ交換の工程を削減してバッテリ交換の作業効率を向上させることができる。
【0042】
さらに、様々な種類の電動車において、前スライドレール21及び後スライドレール22を共通化することで、様々な種類の電動車で前スライドレール21及び後スライドレール22を流用活用することができる。これにより、バッテリ容量が固定されず、バッテリ40の大きさ(容量)を変えることで、車両のホイールベースを調整することができる。
【0043】
さらに、バッテリ補強フレーム41によりバッテリ40の剛性を向上させることができ、バッテリ40を前スライドレール21及び後スライドレール22に挿入し易くしてバッテリ交換の作業効率を向上させることができる。さらに、バッテリ補強フレーム41は、バッテリ40の車両幅方向の両サイドに車両前後方向に延びるように設けられるので、前後方向の剛性を向上させフレーム12の剛性を補強し、車両前後方向全体としての剛性も向上させることができる。すなわち、バッテリ20がフレーム12と一体構造となり、バッテリ20(バッテリパックのケース)がフレーム12の強度部材を兼ねて、フレーム12の強度(剛性)を向上させることができる。
【0044】
さらに、前スライドレール21及び後スライドレール22の端部には、外方に向かって車両前後高さ方向に拡張するとともにバッテリ40を案内するガイド部26が設けられているので、駆動モータ用の大きなバッテリ40であってもガイド部26で案内されて容易に前スライドレール21及び後スライドレール22の間に挿入することができる。結果、バッテリ交換の作業効率を向上させることができる。
【0045】
前スライドレール21及び後スライドレール22の車両幅方向端部側、又はバッテリ40の車両幅方向端部には、移動を制限するストッパ機構30を備えているので、バッテリ交換の際に挿入されたバッテリ40が飛び出さないようすることができ、容易にバッテリ交換することができる。結果、バッテリ交換の作業効率を向上させることができる。
【0046】
尚、本発明の実施例では、前スライドレール21と後スライドレール22を車両幅方向に沿って配置したが、これに限定されず、前スライドレール21と後スライドレール22を車両前後方向に配置し(この場合、左スライドレールと右スライドレールとになる)、車両前後方向に充電済みのバッテリ40を挿入しつつ、蓄電率が低下したバッテリ40を押し出して取り出すようにしてもよい。
【0047】
即ち、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。