(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054450
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】圃場管理方法、圃場管理システム、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20240410BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160642
(22)【出願日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】吉峰 拓海
(72)【発明者】
【氏名】宮内 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】近藤 拓也
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L050CC01
(57)【要約】
【課題】精度が高い畝情報を得る。
【解決手段】圃場管理方法は、圃場に形成された複数の畝を示す畝情報に基づいて、複数の畝の地理的な特徴を示す指標値を取得することを含む。圃場管理方法は、取得した指標値が予め定められた基準を満たさない異常畝を決定することと、畝情報のうち、決定した異常畝の情報の補正内容を示す補正情報を取得することと、取得した補正情報に基づいて、畝情報のうち異常畝の情報を更新することと、更新した畝情報を出力することと、を更に含む。
【選択図】
図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場に形成された複数の畝を示す畝情報に基づいて、前記複数の畝の地理的な特徴を示す指標値を取得することと、
取得した前記指標値が予め定められた基準を満たさない異常畝を決定することと、
前記畝情報のうち、決定した前記異常畝の情報の補正内容を示す補正情報を取得することと、
取得した前記補正情報に基づいて、前記畝情報のうち前記異常畝の情報を更新することと、
更新した前記畝情報を出力することと、
を含む、
圃場管理方法。
【請求項2】
前記指標値を取得することが、前記畝情報に基づいて、前記複数の畝が延びる長さ、前記複数の畝が延びる方向、又は、前記複数の畝の代表位置の座標を前記指標値として取得することを含み、
前記補正情報を取得することが、補正後の前記異常畝が延びる長さ、補正後の前記異常畝が延びる方向、又は、補正後の前記異常畝の代表位置の座標を示す補正情報を取得することを含み、
前記異常畝の情報を更新することが、前記補正情報に基づいて、前記異常畝が延びる長さ、前記異常畝が延びる方向、又は、前記異常畝の代表位置の座標が補正されるように前記畝情報を更新することを含む、
請求項1に記載の圃場管理方法。
【請求項3】
前記指標値を取得することが、前記畝情報に基づいて、前記複数の畝のうち互いに隣接する2つの畝の間隔を前記指標値として取得することを含み、
前記補正情報を取得することが、前記異常畝と、前記異常畝と隣接する畝と、の間隔が前記基準を満たすように、前記異常畝を他の畝と統合すること、又は、前記異常畝を削除することを示す補正情報を取得することを含み、
前記異常畝の情報を更新することが、前記補正情報に基づいて、前記畝情報のうち前記異常畝の情報を統合すること、又は、削除することを含む、
請求項1に記載の圃場管理方法。
【請求項4】
前記異常畝を決定することが、その畝について取得された前記指標値と、前記複数の畝について取得された前記指標値から統計的に求められた基準値と、の差が所定閾値を超えて大きい畝を、前記基準を満たさない前記異常畝として決定することを含む、
請求項2又は3に記載の圃場管理方法。
【請求項5】
前記異常畝を決定することが、前記複数の畝について取得された前記指標値の回帰直線を求め、前記回帰直線から、前記基準値を決定することを含む、
請求項4に記載の圃場管理方法。
【請求項6】
前記異常畝を決定することが、前記複数の畝について取得された前記指標値から、前記所定閾値を決定することを含む、
請求項4又は5に記載の圃場管理方法。
【請求項7】
前記補正情報を取得することが、
前記複数の畝のうち、前記異常畝を他の畝と識別可能に表示することと、
表示された前記異常畝の形状の補正を指示するユーザ入力の情報を、前記補正情報として取得することと、
を含む、
請求項1に記載の圃場管理方法。
【請求項8】
それぞれ1以上の畝を含む複数の圃場を示す圃場情報を取得することを更に含み、
前記補正情報を取得することが、
前記圃場情報に基づき、前記複数の圃場のうち前記異常畝を含む1以上の異常圃場を他の圃場と識別可能に表示することと、
1以上の前記異常圃場のうち、処理対象となる対象圃場を選択するユーザ入力を受け付けることと、
選択された前記対象圃場に含まれる前記異常畝を他の畝と識別可能に表示することと、
表示された前記異常畝の形状の補正を指示するユーザ入力に基づく情報を、前記補正情報として取得することと、
を更に含む、
請求項1に記載の圃場管理方法。
【請求項9】
前記異常畝の指標値と、前記基準と、に基づき、前記異常畝が異常と決定された内容を示す補助情報を決定することと、
前記異常畝を他の畝と識別可能に表示することが、前記補助情報に基づく情報を表示することと、
を更に含む、
請求項7又は8に記載の圃場管理方法。
【請求項10】
前記異常圃場を他の圃場と識別可能に表示することが、前記異常圃場に含まれる前記異常畝の数を視認可能に表示することを含む、
請求項8に記載の圃場管理方法。
【請求項11】
圃場に形成された複数の畝を示す畝情報に基づいて、前記複数の畝の地理的な特徴を示す指標値を取得することと、
前記複数の畝の端点と、前記複数の畝の前記端点の位置を補正するユーザ入力を補助する補助線と、を表示することと、
前記補助線を移動させることで、表示された前記複数の畝のうち2以上の畝の端点の座標を補正する補正内容を示すユーザ入力を受け付けることと、
受け付けた前記ユーザ入力に基づいて、前記畝情報のうち前記2以上の畝の端点の座標を更新することと、
更新した前記畝情報を出力することと、
を含む、
圃場管理方法。
【請求項12】
圃場に形成された複数の畝を示す畝情報に基づいて、前記複数の畝の地理的な特徴を示す指標値を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記指標値が予め定められた基準を満たさない異常畝を決定する異常決定部と、
前記畝情報のうち、前記異常決定部が決定した前記異常畝の情報をどのように補正するかを示す補正情報を取得する補正取得部と、
前記補正取得部が取得した前記補正情報に基づいて、前記畝情報のうち前記異常畝の情報を更新する更新部と、
前記更新部が更新した前記畝情報を出力する出力部と、
を備える、
圃場管理システム。
【請求項13】
コンピュータに、
圃場に形成された複数の畝を示す畝情報に基づいて、前記複数の畝の地理的な特徴を示す指標値を取得することと、
取得した前記指標値が予め定められた基準を満たさない異常畝を決定することと、
前記畝情報のうち、決定した前記異常畝の情報の補正内容を示す補正情報を取得することと、
取得した前記補正情報に基づいて、前記畝情報のうち前記異常畝の情報を更新することと、
更新した前記畝情報を出力することと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場管理方法、圃場管理システム、及び、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
農業の情報化が進む近年、収穫量予測や圃場管理などの様々な目的で使用するために、圃場に形成された畝の情報を取得するニーズが高まっている。
【0003】
これに関連して、特許文献1は、圃場を移動した作業装置の軌跡に基づいて畝を検出する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、特許文献1では、作業装置の軌跡に基づき畝を検出する。そのため、測位の誤差や作業の中断等が原因となり、検出された畝が地理的な特徴(例えば、長さや位置、延在方向等)において実際の畝と異なる場合がある。このように、従来技術によれば、畝情報の精度が低くなる恐れがあった。
【0006】
上記の状況に鑑み、本開示は、精度が高い畝情報を得ることを目的の一つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
実施形態に係る圃場管理方法は、圃場(F、F1~F3)に形成された複数の畝(R、R_1~R_n)を示す畝情報(D2)に基づいて、複数の畝(R、R_1~R_n)の地理的な特徴を示す指標値を取得することと、取得した指標値が予め定められた基準を満たさない異常畝(R_k)を決定することと、畝情報(D2)のうち、決定した異常畝(R_k)の情報の補正内容を示す補正情報を取得することと、取得した補正情報に基づいて、畝情報(D2)のうち異常畝(R_k)の情報を更新することと、更新した畝情報(D2)を出力することと、を含む。
【0009】
実施形態に係る圃場管理方法は、圃場(F、F1~F3)に形成された複数の畝(R、R_1~R_n)を示す畝情報(D2)に基づいて、複数の畝(R、R_1~R_n)の地理的な特徴を示す指標値を取得することと、複数の畝(R、R_1~R_n)の端点と、複数の畝(R、R_1~R_n)の端点の位置を補正するユーザ入力を補助する補助線(AL3)と、を表示することと、補助線(AL3)を移動させることで、表示された複数の畝(R、R_1~R_n)のうち2以上の畝(R、R_1~R_n)の端点の座標を補正する補正内容を示すユーザ入力を受け付けることと、受け付けたユーザ入力に基づいて、畝情報(D2)のうち2以上の畝(R)の端点の座標を更新することと、更新した畝情報(D2)を出力することと、を含む。
【0010】
実施形態に係る圃場管理システム(1)は、圃場(F、F1~F3)に形成された複数の畝(R、R_1~R_n)を示す畝情報に基づいて、複数の畝(R、R_1~R_n)の地理的な特徴を示す指標値を取得する情報取得部(110)と、情報取得部(110)が取得した指標値が予め定められた基準を満たさない異常畝(R_k)を決定する異常決定部(120)と、畝情報(D2)のうち、異常決定部(120)が決定した異常畝(R_k)の情報をどのように補正するかを示す補正情報を取得する補正取得部(130)と、補正取得部(130)が取得した補正情報に基づいて、畝情報(D2)のうち異常畝(R_k)の情報を更新する更新部(140)と、更新部が更新した畝情報(D2)を出力することと、を備える。
【0011】
実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、圃場(F、F1~F3)に形成された複数の畝(R、R_1~R_n)を示す畝情報(D2)に基づいて、複数の畝(R、R_1~R_n)の地理的な特徴を示す指標値を取得することと、取得した指標値が予め定められた基準を満たさない異常畝(R_k)を決定することと、畝情報(D2)のうち、決定した異常畝(R_k)の情報の補正内容を示す補正情報を取得することと、取得した補正情報に基づいて、畝情報(D2)のうち異常畝(R_k)の情報を更新することと、更新した畝情報(D2)を出力することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
上記の形態によれば、精度が高い畝情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係る、圃場管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る、圃場管理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る、端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係る、圃場管理システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図5】第1実施形態に係る、畝情報の一例を示す図である。
【
図6A】第1実施形態に係る、圃場管理システムが行う処理を表すフローチャートである。
【
図6B】第1実施形態に係る、圃場管理システムが行う処理を表すフローチャートである。
【
図7】第1実施形態に係る、異常畝を含む複数の畝の例を示す図である。
【
図8】第1実施形態に係る、異常畝を含む複数の畝の指標値を示す図である。
【
図9A】第1実施形態に係る、圃場管理システムが行う処理を表すフローチャートである。
【
図9B】第1実施形態に係る、圃場管理システムが行う処理を表すフローチャートである。
【
図10】第1実施形態に係る、圃場管理システムが表示する圃場の選択画面の例を表す図である。
【
図11】第1実施形態に係る、圃場管理システムが表示する異常畝と補助情報の例を示す図である。
【
図12】第1実施形態に係る、圃場管理システムが行う畝情報の更新の例を示す概念図である。
【
図13】変形例に係る、異常畝を含む複数の畝の例を示す図である。
【
図14】変形例に係る、異常畝を含む複数の畝の指標値を示す図である。
【
図15】変形例に係る、異常畝を含む複数の畝の例を示す図である。
【
図16】変形例に係る、異常畝を含む複数の畝の指標値を示す図である。
【
図17】変形例に係る、圃場管理システムが表示する異常畝と補助情報の例を示す図である。
【
図18】変形例に係る、圃場管理システムが行う畝情報の更新の例を示す概念図である。
【
図19】変形例に係る、異常畝を含む複数の畝の例を示す図である。
【
図20】変形例に係る、異常畝を含む複数の畝の指標値を示す図である。
【
図21】変形例に係る、圃場管理システムが表示する異常畝と補助情報の例を示す図である。
【
図22】変形例に係る、圃場管理システムが行う畝情報の更新の例を示す概念図である。
【
図23】変形例に係る、異常畝を含む複数の畝の例を示す図である。
【
図24A】変形例に係る、圃場管理システムが行う処理を表すフローチャートである。
【
図24B】変形例に係る、圃場管理システムが行う処理を表すフローチャートである。
【
図25】変形例に係る、圃場管理システムが表示する異常畝と補助情報の例を示す図である。
【
図26】変形例に係る、圃場管理システムが行う畝情報の更新の例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
本実施形態による圃場管理システム1を、図面を参照して説明する。本実施形態において、
図1に示すように、圃場管理システム1は、圃場管理装置10と、端末装置20と、を備える。圃場管理システム1は、作業装置30(例えば、コンバイン、トラクター、又は、移植機といった農作業可能な車両)が作業する1以上の圃場(例えば、圃場F1~圃場F2)に関連した情報を管理する。なお、複数の圃場を互いに区別しない場合には単に圃場Fとして示し、区別する場合には圃場F1、F2のように数字を付して示す場合がある。
【0015】
複数の圃場Fは、例えば略平行四辺の形状を有する圃場F1と、三角形の形状を有する圃場F2と、を含む。圃場Fにはそれぞれ、互いに略平行に直線に延びる畝Rが形成されている。圃場管理システム1は、1以上の圃場Fごとに、1以上の畝Rを示す畝情報を管理する。なお、圃場管理装置10は、1以上の端末装置20及び作業装置30と、ネットワークNTを介して通信可能に接続されている。ネットワークNTの例として、インターネット、イントラネットが挙げられる。
【0016】
本実施形態の圃場管理システム1は、圃場Fに形成された1以上の畝Rの地理的な特徴(例えば、中心の位置、端点の位置、延在方向の長さ、延在方向、及び、幅等)を示す畝情報を管理する。一般に、畝情報は、圃場Fで作業した作業装置30の位置情報に基づく畝検出によって生成される。例えば測位データの欠損により、畝情報において、例えば実際の畝よりも極端に短い畝(例えば、
図11の畝R_k)が存在する場合がある。本実施形態では、このような長さにエラーがある畝について、畝情報を更新する圃場管理システム1について説明する。
【0017】
圃場管理システム1は、既存の畝情報のうち、特定の地理的な特徴(例えば、延在方向の長さ、延在方向、又は、隣の畝Rとの間隔等)を示す指標値が予め定められた基準を満たさない異常畝を決定する。圃場管理システム1は、異常畝の補正後の地理的な形状を示す補正情報を(例えば、補正を指示するユーザ入力を受け付けることにより)取得する。そして、圃場管理システム1は、補正情報に基づいて、畝情報のうち決定した異常畝の情報を更新する。このため、圃場管理システム1は、精度が高い畝情報を得ることができる。また、本実施形態の圃場管理システム1は、補正を指示するユーザ入力を受け付けるにあたり、形状を修正すべき異常畝を他の畝の情報と識別可能に表示する。また、圃場管理システム1は、補正を指示するユーザ入力を受け付けるにあたり、ユーザ入力を補助する補助情報(例えば、補助線)を表示する。そのため圃場管理システム1は、少ないユーザ負担で精度が高い畝情報を得ることができる。
【0018】
圃場管理システム1の構成を説明する。圃場管理システム1に含まれる圃場管理装置10は、
図2に示すように、入出力装置12と、演算装置14と、通信装置16と、記憶装置18と、を備える。圃場管理装置10は、例えば、クラウドを含めたコンピュータやサーバ装置である。
【0019】
入出力装置12には、演算装置14が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置12は、演算装置14が処理を実行した結果を出力する。入出力装置12は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置12は省略されてもよい。
【0020】
通信装置16は、ネットワークNTと通信可能に接続され、ネットワークNTを介して圃場管理装置10の外部の装置(例えば、端末装置20及び作業装置30)との通信を行う。通信装置16は、1以上の端末装置20と、1以上の作業装置30と、から取得した情報を演算装置14に転送する。また、演算装置14が生成した情報を作業装置30と、端末装置20とのいずれか又は両方に転送する。通信装置16は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0021】
記憶装置18は、本実施形態の圃場管理システム1が後述する処理を実行するための様々なデータ及び命令を含むプログラムP1等を記憶する。記憶装置18は、これらのデータ及び命令を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。プログラムP1は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体M1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよい。または、記憶媒体M1は、プログラムP1を記憶した外部のサーバの記憶装置であってもよい。この場合、プログラムP1はサーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供され得る。
【0022】
演算装置14は、圃場Fに形成された畝Rについての情報を管理するための命令及びデータを含むプログラムP1を記憶装置18から読み出して実行する。例えば、演算装置14は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0023】
演算装置14は、プログラムP1を読み出し実行することで、圃場管理装置10の後述する機能単位(例えば、
図4に示す情報取得部110、異常決定部120、補正取得部130、更新部140、及び、出力部150等)を実現する。
【0024】
圃場管理システム1に含まれる端末装置20は、
図3に示すように、入出力装置22と、演算装置24と、通信装置26と、記憶装置28と、を備える。端末装置20は、例えば、タブレットやスマートフォンといったモバイル機器である。なお、端末装置20は据え置き型のパーソナルコンピュータや、ノート型のコンピュータであってもよい。
【0025】
入出力装置22には、演算装置24が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置22は、演算装置24が処理を実行した結果を出力する。入出力装置22は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、スピーカー、タッチパネルなどを含む。また、端末装置20がパーソナルコンピュータである場合などには、入出力装置22はキーボード、マウス、マイク、ディスプレイ等を含み得る。
【0026】
通信装置26は、ネットワークNTと通信可能に接続され、ネットワークNTを介して端末装置20の外部の装置(例えば、圃場管理装置10及び作業装置30)との通信を行う。通信装置26は、圃場管理装置10と、1以上の作業装置30と、から取得した情報を演算装置24に転送する。また、演算装置24が生成した情報を圃場管理装置10と、作業装置30とのいずれか又は両方に転送する。通信装置26は、例えば、NIC、USBなどの種々のインタフェースを含む。
【0027】
記憶装置28は、本実施形態の圃場管理システム1が後述する処理を実行するための様々なデータ及び命令を含むプログラムP2等を記憶する。記憶装置28は、これらのデータ及び命令を記憶する非一時的記憶媒体として用いられる。プログラムP2は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体M2に記録されたコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。または、記憶媒体M2は、プログラムP2を記憶した外部のサーバの記憶装置であってもよい。この場合、プログラムP2はサーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供され得る。
【0028】
演算装置24は、畝Rの表示及び更新に関連する処理を実行するための命令及びデータを含むプログラムP2を記憶装置28から読み出して実行する。例えば、演算装置24は、中央演算処理装置(CPU)などを含む。
【0029】
演算装置24は、プログラムP2を読み出し実行することで、端末装置20の後述する機能単位(例えば、
図4に示す表示部210及び受付部220等)を実現する。
【0030】
なお、作業装置30は、圃場での作業を実行する農機である。作業装置30の例として、収穫機、耕耘機や、施肥機等の各種作業機を牽引するトラクターといった圃場で農作業を行う車両が挙げられる。作業装置30は、例えば、全球測位衛星システム(GNSS;Global Navigation Satellite System)のような位置測量システムを用いて、自身の位置と現在の時刻(例えば、日付、時、分、秒など)を、繰り返し取得する測位装置を有する。本実施形態の測位装置は、例えば、所定の周期(例えば、5秒ごと)に作業装置30の位置及び時刻を計測する場合がある。そして、作業装置30は、圃場において作業を行った位置及びその時刻を示す位置情報を含む稼働情報を圃場管理装置10に出力する場合がある。
【0031】
図2及び
図3に示したような物理構成により、圃場管理装置10及び端末装置20は、
図4に示す機能単位を実現する。一例として、圃場管理装置10の演算装置14は、プログラムP1を実行することで、情報取得部110、異常決定部120、補正取得部130、更新部140、出力部150、及び、情報記憶部160の各機能を実現する。
【0032】
情報記憶部160は、情報取得部110、異常決定部120、及び、補正取得部130が取得又は生成した情報を記憶する。また、情報記憶部160は、更新部140が更新した情報を記憶する。情報記憶部160は記憶した情報を、異常決定部120、補正取得部130、更新部140、及び、出力部150に提供する。情報記憶部160は、例えば、圃場情報D1、及び、畝情報D2を記憶する。
【0033】
圃場情報D1は、圃場管理システム1の処理対象となる1以上の圃場Fについて、それぞれの地理的な特徴を示す情報を格納する。一例として、圃場情報D1は、例えば圃場Fに固有の識別子と対応付けて、その圃場Fの地理的な範囲を示す位置情報を格納している。
【0034】
畝情報D2は、例えば
図5に示すように、1以上の圃場Fに線分として形成された畝Rを特定する情報を格納している。
図5の例では、畝情報D2は、畝Rの識別子(「畝ID」)と、その畝Rが形成されている圃場Fを示す情報(「圃場」)と、畝Rの地理的な位置や特徴を示す情報(「地理情報」)と、を対応付けて記憶している。
【0035】
図5の例では、畝情報D2の「地理情報」は、畝Rの位置を示す「座標」と、畝Rの延在方向の長さを示す「長さ」と、畝Rが延びる方向を示す「畝方向」と、を含む。例えば、「座標」は、畝Rの2端点の座標を示す。また、「長さ」は、線分としての畝Rの長さ(例えば、何メートルか)を示す。「畝方向」は、畝Rが延びる方向(例えば、緯線又は経線を軸とした場合の軸からの角度)を示す。
【0036】
なお、畝情報D2は、圃場Fに形成された線としての畝Rを定義し得る情報であれば、
図5の「地理情報」とは異なるものであってもよい。例えば、畝情報D2は、畝Rの2端点の座標のみを保管してもよい。また、畝情報D2は、2端点の代わりに、畝Rの中心の座標と、長さと、方向と、を示す情報を記憶してもよい。更に、「畝方向」として、緯線又は経線を軸とせず、その畝Rが形成されている圃場Fに特有の直線(例えば、圃場Fの長辺)を軸として、その軸からの角度を記憶していてもよい。また、
図5に示す内容に加えて、畝情報D2は、畝Rの幅、畝Rで行われた農作業の種類や作業時刻、畝Rで栽培されている作物等の情報を更に含んでいてもよい。
【0037】
図4に示す情報取得部110は、後述するように、圃場管理装置10が行う処理に必要な情報(例えば、畝情報D2や後述する指標値の情報)の少なくとも一部を情報記憶部160や外部装置(例えば、端末装置20や作業装置30)から取得する。あるいは、情報取得部110は、情報記憶部160や外部装置から取得した情報に基づいて、後述する処理に必要な情報の少なくとも一部を取得する。
【0038】
異常決定部120は、後述するように、複数の畝Rのうち、情報取得部110が取得した指標値が所定の基準を満たさない異常畝(例えば、
図7のR_k)を決定する。
【0039】
補正取得部130は、後述するように、畝情報D2のうち、異常決定部120が決定した異常畝の補正後の地理的な特徴(例えば、位置、長さ、延在方向の角度等)を示す補正情報を取得する。
【0040】
更新部140は、後述するように、補正取得部130が取得した補正情報に基づき、畝情報D2のうち異常畝を示す情報を更新する。
【0041】
出力部150は、後述するように、更新部140が更新した畝情報D2に基づく出力情報を外部装置(例えば、端末装置20、作業装置30、又は、外部のサーバ装置)に出力する。あるいは、出力部150は、例えば、入出力装置12を用いて表示させるなどして、更新部140が更新した畝情報D2に基づく出力情報を出力する。
【0042】
図4に示すように、一例として、端末装置20の演算装置24は、プログラムP2を実行することで、表示部210、及び、受付部220の各機能を実現する。
【0043】
表示部210は、後述するように、入出力装置12を用いてユーザへ画面(例えば、異常畝と他の畝とが識別可能に示された画面)を表示する。
【0044】
受付部220は、後述するように、入出力装置12を用いて、ユーザ操作(例えば、異常畝の形状を変更するユーザ操作)を受け付ける。
【0045】
(圃場管理システムの動作)
圃場管理システム1は、上述した機能構成により、
図6A、
図6B及び
図9A、
図9Bに示す処理を実行して、複数の圃場Fのうち、異常畝と判別された畝Rの情報を更新する。例えば、圃場管理システム1の圃場管理装置10は、外部装置(例えば、端末装置20)から、複数の畝Rの情報を照会する旨の情報を受信した場合に、
図6A及び
図6Bに示す処理を開始する。一例として、端末装置20の受付部220は、畝Rの情報の表示を指示するユーザ入力を入出力装置22により受け付けたときに、そのユーザ入力を受け付けたことを示す情報を圃場管理装置10に出力する。情報取得部110が当該ユーザ入力の情報を取得すると、圃場管理装置10は
図6A及び
図6Bの処理を開始する。
【0046】
図6Aの処理では、圃場管理装置10の情報取得部110は、まず、ステップS1002において、圃場情報D1と畝情報D2を取得する。例えば、情報取得部110は、情報記憶部160から、情報記憶部160に予め記憶されている圃場情報D1と、例えば
図5に示す畝情報D2を取得する。
【0047】
次に、情報取得部110は、ステップS1004において、処理対象の圃場Fに形成された畝Rの指標値を取得する。例えば、情報取得部110は、圃場情報D1に示される圃場Fを順に処理対象として決定する。そして、畝情報D2の畝Rのうち、畝情報D2の「圃場」が対象圃場と一致する畝Rの指標値を取得する。ここで畝Rの指標値は、その畝Rの形状を示す数値である。本実施形態では、情報取得部110は、
図5の畝情報D2の「長さ」が示す畝Rの長さを指標値として取得する。
【0048】
例えば
図7に示すように、処理対象の圃場F1において左から右に、畝R_1~畝R_nのn本の畝Rが順に設けられている場合について考える。この場合、
図8に示すように、情報取得部110は、畝情報D2に基づき各畝Rの長さを指標値として取得する。なお、
図8では、畝R_iのインデックス値iを横軸に、それぞれのインデックス値iに対応する畝Rの長さが縦軸に示されている。
【0049】
なお、情報取得部110は、畝情報D2において取得すべき指標値そのものが定義されていない場合には、情報取得部110は畝情報D2に基づいて指標値を算出することで、当該指標値を取得してもよい。一例として、畝情報D2の「地理情報」において、各畝Rの両端点の座標のみが定義されている場合には、情報取得部110は、両端点の座標から各畝Rの長さを算出することで、指標値としての畝Rの長さを取得してもよい。
【0050】
次に、異常決定部120は、
図6AのステップS1006において、ステップS1004で取得された指標値を基準値と比較する。例えば異常決定部120は、畝R_1から順に処理対象の畝Rとして決定して、当該処理対象の畝Rの評価値と、基準値と、を比較する。異常決定部120は、例えば、ステップS1004で取得した処理対象の圃場F1に形成された畝Rの指標値の平均値を、指標値と比較されるべき基準値SVとして決定する。なお、異常決定部120は、予め定められた設定により、ステップS1004で取得された指標値の中央値など、他の統計的な値を基準値SVとして決定してもよい。
【0051】
次に、異常決定部120は、ステップS1008において、ステップS1006での比較結果が、予め定められた基準を満たすか否かを決定する。例えば、異常決定部120は、処理対象の畝Rの指標値(長さ)と、基準値SVと、の差が所定の閾値th以内であるか否かを決定する。そして、両者の差が閾値th以内であれば(ステップS1008:YES)、異常決定部120は処理をステップS1010に移行する。なお、本実施形態では異常決定部120は、閾値thとして設定により定められた数値を用いる。
【0052】
ステップS1010では、異常決定部120は処理対象の畝Rを、異常畝とは異なる通常畝として決定する。
図7及び
図8の例では、畝R_k以外の畝R_1~R_k-1及び畝R_k+1~畝nが通常畝として決定される。
【0053】
一方、ステップS1008において、異常決定部120は、処理対象の畝Rの指標値(長さ)と、基準値SVと、の差が所定の閾値thを超えている場合には、処理対象の畝Rが所定の基準を満たさないと判別し(ステップS1008:NO)、処理をステップS1012に移行する。ステップS1012では、異常決定部120は処理対象の畝Rを、所定の基準を満たさない異常畝であると決定する。
図7及び
図8の例では、畝R_kが異常畝として決定される。
【0054】
ステップS1010又はステップS1012が終了すると、ステップS1014において、異常決定部120は処理対象の圃場Fのすべての畝Rについて処理が終了したか判別する。例えば処理対象の畝Rが最後の畝(例えば、畝R_n)でない場合など、未処理の畝Rが残っている場合には(ステップS1014:NO)、異常決定部120は次の畝RについてステップS1006から処理を繰り返す。一方、処理対象の畝Rが最後の畝(例えば、畝R_n)である場合など、未処理の畝Rが残っていない場合には(ステップS1014:YES)、異常決定部120は処理をステップS1016に移行する。
【0055】
ステップS1016において、異常決定部120は現在の処理対象の圃場Fが異常畝を含むか否かを決定する。異常決定部120は、ステップS1006からステップS1014のループにおいて、処理対象の圃場Fに形成された畝RのうちいずれかがステップS1012において異常畝と決定された場合に、処理対象の圃場Fが異常畝を含む異常圃場であると決定する。一方、異常決定部120は、ステップS1006からステップS1014のループにおいて、処理対象の圃場Fに形成された畝RのすべてがステップS1010において通常畝と決定された場合に、処理対象の圃場Fが異常畝を含まない通常圃場であると決定する。
【0056】
次に、ステップS1018において、異常決定部120はすべての圃場Fについて処理が終了したか判別する。例えば、圃場情報D1に記憶された圃場Fのうち、ステップS1004からステップS1016までのループでの処理を行っていない圃場Fがある場合には(ステップS1018:NO)、異常決定部120は次の圃場FについてステップS1004から処理を繰り返す。一方、圃場情報D1に記憶された圃場FのすべてについてステップS1004からステップS1016までのループでの処理を完了した場合には、(ステップS1018:YES)、異常決定部120は
図6A及び
図6Bの処理を終了する。
【0057】
図6A及び
図6Bの処理が終わると、次に、圃場管理装置10は
図9A及び
図9Bの処理を開始する。
図9Aの処理では、ステップS1102において、補正取得部130が異常圃場と通常圃場の情報を出力する。例えば、補正取得部130は通信装置16を用いて、圃場情報D1と、圃場情報D1に示される1以上の圃場Fのそれぞれが
図6BのステップS1016において異常圃場と通常圃場のいずれに決定されたかを示す情報と、を端末装置20に出力する。
【0058】
次に、ステップS1104において、端末装置20の表示部210が、異常圃場及び通常圃場を示す情報を、異常圃場と通常圃場が識別可能な態様で表示する。例えば、表示部210は、ステップS1102で出力された情報に基づいて、入出力装置22のタッチパネルに
図10に示すような画面を表示させる。
図10の例では、異常畝を含む異常圃場(圃場F1及び圃場F2)が、通常圃場(例えば、1以上の圃場F)とは異なる態様(例えば、異なる色)で表示される。あるいは、表示部210は、異常畝を含む圃場F1及び圃場F2については、異常圃場であることを示す文字や記号等を付してもよい。
【0059】
次に、
図9AのステップS1106において、受付部220が補正対象の圃場Fを示すユーザ入力を受け付ける。例えば、受付部220は、入出力装置22のタッチパネルに表示された異常圃場である圃場F1又は圃場F2をタッチする操作を受け付ける。あるいは、入出力装置22がマウスやキーボードといった他の入力デバイスを有する場合は、当該入力デバイスを用いて異常圃場を選択する操作を受け付けてもよい。受付部220は、補正対象の圃場Fを示すユーザ入力を受け付けると、通信装置26を用いて、当該ユーザ入力を示す情報を圃場管理装置10に出力する。出力された補正対象の圃場Fを示すユーザ入力の情報は、圃場管理装置10の情報取得部110によって取得される。
【0060】
次に、ステップS1108において、補正取得部130は、補正対象の圃場の異常畝と通常畝の情報を出力する。例えば、補正取得部130は、畝情報D2が示す畝RのうちステップS1106で受け付けた補正対象の圃場F1に形成されたすべての畝R_1~畝R_nの情報と、各畝Rが通常畝であるか異常畝であるかを示す畝識別情報と、を端末装置20へ出力する。本実施形態では、補正取得部130は、圃場情報D1のうち、補正対象の圃場(例えば、圃場F1)の地理的な特徴を示す情報を合わせて出力する。
【0061】
次に、ステップS1110において、端末装置20の表示部210が、異常畝及び通常畝を示す情報を、異常畝と通常畝が識別可能な態様に表示する。例えば、表示部210は、ステップS1108で出力された情報に基づいて、入出力装置22のタッチパネルに
図11に示すような画面を表示させる。
図11の例では、表示部210は、補正対象の圃場F1の特徴を示す情報と、畝情報D2のうち圃場F1に形成された畝R_1~畝R_nの情報と、に基づき、圃場F1を示す情報(例えば、圃場F1の形状と対応する多角形の情報)と、圃場F1に設けられた畝Rの形状と、を表示する。更に表示部210は、畝識別情報に基づき、通常畝(例えば、畝R_1~畝R_k-1及び畝R_k+1~畝R_n)を示す情報とは異なる態様(例えば、異なる色)で異常畝(例えば、畝R_k)を示す情報を表示する。あるいは、表示部210は、異常畝を示す情報を、その畝Rが異常畝であることを示す文字や記号等を付して表示してもよい。
【0062】
次に、
図9AのステップS1112において、受付部220が補正対象の畝R(ここでは畝R_k)を示すユーザ入力を受け付ける。例えば、受付部220は、入出力装置22のタッチパネルに表示された1以上の異常畝のうち、ユーザが補正したいと所望する補正対象の畝Rをタッチする操作を受け付ける。あるいは、入出力装置22がマウスやキーボードといった他の入力デバイスを有する場合は、当該入力デバイスを用いて補正対象の異常畝を選択する操作を受け付けてもよい。受付部220は、受け付けたユーザ入力が示す補正対象の畝R(例えば、畝R_k)を示す情報を圃場管理装置10に出力する。
【0063】
次に、ステップS1114において、圃場管理装置10の補正取得部130は、補正対象の異常畝の異常と決定された内容を示す補助情報を決定する。例えば、補正取得部130は、ステップS1112で出力された補正対象の畝Rが異常畝(例えば、畝R_k)であり、異常畝の指標値と、
図6AのステップS1008で異常畝の判定に用いた所定の基準と、に基づき、補助情報を決定する。例えば、補正取得部130は、ステップS1006~S1012で用いられた指標値が畝Rの長さであり、補正対象の畝R_kの指標値が基準値SVより小さいことを示す情報を補助情報として決定する。また、補正取得部130は、補正対象の畝Rの指標値と、基準値と、を示す情報を補助情報として更に決定する。
【0064】
次に、
図9AのステップS1116において、補正取得部130は、補助情報を出力する。例えば、補正取得部130は通信装置16を用いて、ステップS1114で決定した補助情報を端末装置20へ出力する。
【0065】
次に、ステップS1118において、端末装置20の表示部210は、補正対象の畝R_kを補正するための画面を表示する。例えば、表示部210は、入出力装置22のタッチパネルに、
図9AのステップS1104で表示された補正対象の圃場F1とその畝R_1~畝R_nの形状に加えて、補助情報に基づく内容を表示する。
図11の例では、表示部210は、補助情報に基づき、補正対象の畝R_kの長さを変更するための補助線AL1と、畝R_kの長さを変更することを示唆する矢印AL2と、推定される変更後の長さを示唆する補助線AL3と、を表示する。
【0066】
例えば、表示部210は、
図11に示すように、補助情報が、補正対象の畝R_kの長さが所定の基準を超えて小さいために異常畝と判別されたことを示すことに応じて、
図5に示す畝情報D2のうち当該畝R_kに対応する行の「畝方向」で示された方向に延びる線分である補助線AL1を表示する。
【0067】
また表示部210は、補助情報が、補正対象の畝R_kの長さが所定の基準を超えて小さいことために異常畝と判別されたことを示すことに応じて、補正対象の畝R_kの長さを変更することを示唆する情報(例えば、矢印AL2)を表示する。例えば、矢印AL2は、補正対象の畝R_kの長さを、補助線AL1に沿って畝R_kの長さを基準値に近づけるように変更すること(この例では、伸ばすこと)をユーザに提案する情報である。補正対象の畝R_kの長さを変更することを示唆する補助情報は、矢印AL2に加えて、あるいは矢印AL2に代えて、補助対象の畝R_kの長さを基準値に近づけるように変更することを示唆するテキストボックス(例えば、「畝R_kの長さを伸ばしますか?」等)など、補正対象の畝R_kの長さを、現在の長さから
図6AのステップS1006で決定した基準値に近づけるように変更することを提案する他の情報を含んでもよい。
【0068】
更に、補正取得部130は、補助情報が示す基準値に基づいて、推定される変更後の畝R_kの長さを示唆する補助情報(例えば、基準値まで変更した場合の端点の位置を表す補助線AL3)を更に表示する。推定される変更後の畝R_kの長さを示唆する補助情報は、例えば、補助線AL3に加えて、あるいは、これに代えて、基準値の長さの畝R_k(例えば、
図12のR_k´)を点線で示すなど、基準値まで変更した場合の畝R_kを示す他の情報を含んでもよい。
【0069】
次に、ステップS1120において、受付部220は、補正対象の畝R_kの補正内容を示すユーザの入力を受け付ける。例えば、受付部220は、入出力装置22のタッチパネルを用いて、ステップS1118で表示された
図11の画面上で、畝R_kの長さを変更するユーザ操作(例えば、補助線にそって畝R_kをドラッグする操作、長さの数値を直接入力する操作等)を受け付ける。ここでは受付部220は、補正対象の畝R_kが延びる方向のうち、畝R_kを伸縮させる方向(例えば、例えば
図11の上側に向けて畝R_kを伸ばすか、下側に向けて伸ばすか)を指定するユーザ入力(例えば、伸ばす側に位置する端点をタップする入力等)を受け付けてもよい。ユーザは、入出力装置22を用いて、補正対象の畝R_kの長さを所望の方向に変更して、所望の長さ(例えば、実際の畝R_kの長さ)になるように、
図11の画面を参照して、補正を指示する入力を行い得る。受付部220は、通信装置26を用いて、受け付けた補正内容を示すユーザ入力に基づく情報(例えば、補正対象の畝R_kの修正後の長さを示す情報)を圃場管理装置10に出力する。
【0070】
次に、ステップS1122において、補正取得部130が、ステップS1120で出力された補正内容を示す情報を取得する。例えば、補正取得部130は、通信装置16を用いて、端末装置20の受付部220が出力した、補正対象の畝R_kの修正後の長さ、及び、畝を伸縮させる方向を示す情報を取得する。
【0071】
次に、ステップS1124において、更新部140が補正情報に基づき異常畝の情報を更新する。例えば、更新部140は、畝情報D2のうち、ステップS1112で受け付けたユーザ入力が示す補正対象の畝R_kに対応する情報を、ステップS1122で取得した補正情報に基づき更新する。例えば、更新部140は、畝情報D2の畝R_kの行の「長さ」を、補正情報が示す修正後の長さに変更する。更新部140は、必要がある場合には(例えば「座標」が畝Rの2端点の位置を示す場合等)、「座標」の位置を修正後の長さに対応する位置に変更する。例えば、「座標」が畝Rの2端点の位置を示す場合には、更新部140は、ステップS1120で指定された方の端点の「座標」を補正後の長さに応じた位置に変更する。
【0072】
そして、ステップS1126において、出力部150は、更新部140が更新した畝情報D2に基づく情報を出力する。例えば、出力部150は、更新部140が更新した補正後の畝R_k′の情報を端末装置20に出力する。この場合、例えば端末装置20の表示部210は、入出力装置22のタッチパネルに、長さが補正された畝R_k´を含む、複数の畝Rを表示する。あるいは、出力部150は、補正後の畝R_k´を含む畝情報D2を、外部装置(例えば、外部のサーバ装置)に出力する。
【0073】
なお、出力部150は、いずれの畝が補正されたかを示す情報を更に出力してもよい。この場合、端末装置20の表示部210は、補正後の畝R_k´を他の畝と識別可能に示した画面を表示してもよい。表示部210は、例えば、補正された畝R_k´を、補正していない畝Rとは違う色等で表示する、あるいは、補正されたことを示す文字または記号を付して表示してもよい。更に、出力部150は畝情報D2に、畝R_k´が補正されたこと、及び、補正前の畝R_kの地理的な特徴を示す情報(補正前の畝情報D2の対応する情報)を付して出力してもよい。この場合、表示部210は、例えば
図12に示すように、補正された畝R_k´に、補正前の畝R_kを示す情報(破線部)を付して表示してもよい。
【0074】
このように、本実施形態の圃場管理システム1では、異常決定部120が、圃場Fに形成された複数の畝Rの地理的な特徴を示す指標値が予め定められた基準を満たさない異常畝を決定する。そして、補正取得部130が、異常畝の情報の補正後の地理的な特徴を示す補正情報を取得する。また、更新部140が、取得した補正情報に基づいて、畝情報のうち異常畝の情報を更新する。そのため、高い精度の畝情報D2を得ることができる。また、ユーザ入力に基づき補正情報を取得するにあたり、端末装置20の表示部210が異常畝を通常畝と識別可能に表示する。この際に、表示部210が、異常畝の形状の補正を指示するユーザ入力を補助する補助情報を表示する。このため、圃場管理システム1は、畝情報D2を実際の畝に応じて補正するにあたり、ユーザの負担が少ない。
【0075】
(変形例)
実施形態において説明した構成は一例であり、機能を阻害しない範囲で構成を変更することができる。
【0076】
(第1変形例)
例えば、第1実施形態では、処理対象の圃場Fが平行四辺形の形状を有し、略同一の長さを有する畝Rが形成されている圃場F1である場合について説明した。ここでは、処理対象の圃場Fが、
図13の圃場F2のように、三角形の形状を有するなど、一定の傾向で指標値が変動する(畝R_1から畝R_nまで順に短くなる)畝Rを有する場合についての処理を説明する。なお、ここでは、畝情報D2において、畝R_kについて本来の長さよりも短い長さが記録されているものとする。
【0077】
例えば、異常決定部120は、
図6AのステップS1004で、
図14で示すように、畝R_1~畝R_nの指標値を取得する。この場合、異常決定部120が、
図6AのステップS1006において、畝R_1~畝R_nの長さが一定の傾向で変動することに応じて、統計的に基準値SVを決定する。一例として、異常決定部120は、畝R_1~畝R_nの長さに基づいて回帰直線RL:長さ=a+bi(i=1~n)を求める。そして異常決定部120は、ステップS1006で、この回帰直線により求めた畝R_iの基準値SVと、畝R_iの指標値と、を比較する。このようにして、異常決定部120は、ステップS1006~ステップS1014のループで畝R_iが異常畝か通常畝かを決定し得る。なお、異常決定部120は、圃場F1のように、各畝Rが略一定の長さを有する圃場Fが処理対象の圃場であっても、回帰直線RLを用いて基準値SVを求めてもよい。
【0078】
なお、異常決定部120は、インデックス値iを変数とする回帰直線:長さ=a+biに代えて、位置x(例えば、右端の畝R_1の中心と左端の畝R_nの中心を通る直線をx軸とした場合の各畝R_iの位置x)を変数とする回帰直線:長さ=a+bxを用いてもよい。
【0079】
更に、例えば、異常決定部120は、
図14のグラフの数値データに対して、Hampelフィルタを用いた方法のような、外れ値検出を実行して、外れ値として検出された指標値に対応する畝R_iを異常畝として決定してもよい。
【0080】
本変形例の圃場管理システム1は、一定の傾向で指標値が変動する畝Rを有する圃場Fでも、複数の畝Rの指標値に基づいて異常畝を検出することで、少ないユーザ負担で畝情報D2の精度を向上することができる。
【0081】
(第2変形例)
上記第1実施形態では、処理対象の圃場F1に略平行に形成された畝R_1~畝R_nのうちR_kについて、
図5の畝情報D2において「長さ」の情報にエラーがある場合について説明した。ここでは、
図15に示すように、畝情報D2において一部の畝(畝R_k)が延びる方向(「畝方向」)の情報にエラーが存在する場合についての処理を説明する。
【0082】
例えば、情報取得部110は、
図6AのステップS1004において、畝情報D2の畝Rのうち、畝情報D2の「圃場」が対象圃場である圃場F1と一致する畝Rの指標値を取得する。ここで、情報取得部110は、
図16に示すように、
図5の畝情報D2の「畝方向」が示す畝Rが延びる方向を示す数値(例えば、緯線又は経線を軸とした場合の角度)を指標値として取得する。
【0083】
そして、異常決定部120が、
図6AのステップS1006において、ステップS1004で取得した処理対象の圃場F1に形成された畝Rの角度の平均値を、指標値と比較されるべき基準値SVとして決定する。そして、異常決定部120が、ステップS1006において畝Rの角度と基準値SVとを比較し、ステップS1008~ステップS1012において、処理対象の畝Rを通常畝又は異常畝として決定する。
【0084】
この変形例では、
図9AのステップS1110において、端末装置20の表示部210が、通常畝(畝R_1~畝R_k-1及び畝R_k+1~畝R_n)と、角度にエラーがある異常畝(畝R_k)とを識別可能に表示する。そして、
図9AのステップS1112において、受付部220が補正対象の畝R_kを示すユーザ入力を受け付ける。
【0085】
ステップS1114において、圃場管理装置10の補正取得部130は、補助情報を決定する。ここでは、補正取得部130は、
図6A及び
図6BのステップS1006~ステップS1012で用いられた指標値が方向を示す角度であること、畝R_kの方向を示す角度が基準値SVより大きいか小さいかを示す情報を補助情報として決定する。また、補正取得部130は、補正対象の畝Rの指標値と、基準値と、を示す情報を補助情報として更に決定する。
【0086】
次に、
図9AのステップS1116において、補正取得部130は、補助情報を示す情報を端末装置20へ出力する。そして、ステップS1118において、端末装置20の表示部210は、補正対象の畝R_kを補正するための画面を表示する。例えば、表示部210は、入出力装置22のタッチパネルに、
図17に含まれる補正対象の圃場F1とその畝R_1~畝R_nの形状に加えて、補助情報に基づく内容を表示する。
図17の例では、表示部210は、補正対象の畝R_kの方向を変更するための補助線AL1と、畝R_kの方向を変更することを示唆する矢印AL2と、を表示する。
【0087】
例えば、表示部210は、補助情報が、補正対象の畝R_kの方向が基準値の方向よりも所定の基準を超えて異なるために異常畝と判別されたことを示すことに応じて、
図6AのステップS1006で決定した角度の基準値SVに対応する方向に延びる線分である補助線AL1を補助情報として決定する。補助線AL1は、一例として、補正対象の畝R_kの中心を通る線分である。なお、補助線AL1は、補正対象の畝R_k上の、中心以外の点(例えば、いずれかの端点等)を通る線分であってもよい。
図17の例では、表示部210は、補助情報に基づいて、補正対象の畝R_kの方向を変更することを示唆する情報(例えば、矢印AL2)を表示する。例えば、矢印AL2は、補正対象の畝R_kの方向を示す角度を基準値に近づけるように変更すること(この例では、反時計回りに回転させること)をユーザに提案する情報である。補正対象の畝R_kの方向を変更することを示唆する情報は、矢印AL2に加えて、あるいは矢印AL2に代えて、補助対象の畝R_kの方向を示す角度を基準値に近づけるように変更することを提案するテキストボックス(例えば、「畝R_kの方向を変更しますか?」等)など、補正対象の畝R_kの方向を、現在の方向から
図6AのステップS1006で決定した基準値に近づけるように変更することを提案する他の情報を含んでもよい。
【0088】
次に、ステップS1120において、受付部220は、補正対象の畝R_kの補正内容を示すユーザの入力を受け付ける。例えば、受付部220は、
図17の画面を表示して、畝R_kの方向を変更するユーザ操作(例えば、ドラッグ操作、方向の数値を直接入力する操作等)を受け付ける。ユーザは、入出力装置22を用いて、補正対象の畝R_kの方向が所望の方向(例えば、実際の畝R_kの方向)になるように、
図17の画面を参照して、補正を指示する入力を行い得る。例えばユーザは、異常畝である畝R_kの方向を補正して、正常畝(例えば、
図18の畝R_k´)にすることを示すユーザ入力を行う場合がある。受付部220は、通信装置26を用いて、受け付けた補正内容に対応する情報(例えば、補正対象の畝R_kの修正後の方向を示す情報)を圃場管理装置10に出力する。
【0089】
次に、ステップS1122において、補正取得部130が、ステップS1120で出力された補正内容を示す情報を取得する。そして、ステップS1124において、更新部140が、補正情報に基づき、
図5の畝情報D2のうち異常畝(畝R_k)の方向(「畝方向」)情報を更新してもよい。例えば更新部140は、
図18に示すように、補正情報に基づき、
図5の畝情報D2のうち異常畝(畝R_k)の方向を示す情報を正常畝(畝R_k´)に更新する。そして、
図9BのステップS1126において、出力部150が、更新部140が更新した畝情報D2に基づく情報を出力する。
【0090】
本変形例の圃場管理システム1は、畝Rが延びる方向が基準を超えて他の畝Rと異なる異常畝を検出することで、畝Rの方向のエラーを有する畝情報D2の精度を、少ないユーザ負担で向上することができる。
【0091】
(第3変形例)
本変形例では、
図19に示すように、畝情報D2において一部の畝(
図19の畝R_k及び畝R_k+1)の位置(例えば、隣の畝Rとの間隔)にエラーが存在する場合についての処理を説明する。例えば、
図19は、本来一つの畝であった畝R_kと畝R_k+1の間にデータの欠落が生じたため、畝情報D2が、隣接する畝Rとの間隔が極めて小さい畝R_kと畝R_k+1を含むことになった例である。
【0092】
例えば、情報取得部110は、
図6AのステップS1004において、畝情報D2の畝Rのうち、畝情報D2の「圃場」が対象圃場である圃場F1と一致する畝Rの指標値を取得する。ここで、情報取得部110は、
図5の畝情報D2が示す補正対象の畝R_kの地理的な位置に基づいて、畝R_1~畝R_nのうち隣接する2つの畝の距離を求める。例えば、情報取得部110は、畝R_iの任意の点と、隣接する畝R_i+1の任意の点と、の間の距離のうちで最小の距離(又は、距離の平均値あるいは中央値)を隣接する2つの畝Rの距離として求める。あるいは、情報取得部110は、畝情報D2の「座標」が示す畝R_iの代表位置(例えば、中心)と、隣接する畝R_i+1の代表位置(例えば、中心)と、の距離を、畝間の距離として求めてもよい。また、情報取得部110は、単純に端点の一方(例えば、南北に畝Rが延びている場合、北側の端点又は南側の端点)を代表位置として、端点どうしの距離を畝Rの間隔として決定してもよい。
【0093】
なお、情報取得部110は、両隣との間隔に対応するため、両端の畝R_1及び畝R_nを除く畝R_2~畝R_n-1については、2つの指標値を決定し得る。例えば、
図20の例では、畝R_1については、インデックス値が1と2の間に示されている距離のみが指標値として決定される。一方、畝R_1については、インデックス値が1と2の間に示されている距離と、インデックス値が2と3の間に示されている距離と、の2つの指標値が決定され得る。この場合、インデックス値がkとk+1の間に示されている距離は、畝R_kと、畝R_k+1の両方の指標値となり得る。
【0094】
そして、異常決定部120が、
図6AのステップS1006において、ステップS1004で取得した処理対象の圃場F1に形成された畝Rそれぞれの隣接する畝Rとの畝間の距離の平均値(又は、中央値)を、処理対象の畝Rの指標値と比較されるべき基準値SVとして決定する。そして、異常決定部120が、ステップS1006において畝Rの間隔と基準値SVとを比較する。このとき、異常決定部120は、処理対象の畝Rの指標値(両隣との距離)のすべて(2つの指標値が決定されている場合その両方)が、基準値SVとの差が閾値th以内であれば、ステップS1008において所定の基準を満たすと判別して、そのステップS1010で通常畝として決定する。一方、処理対象の畝Rの指標値(両隣との距離)の1つでも、基準値SVとの差が閾値thを超えていれば、ステップS1008において所定の基準を満たさないと判別し、ステップS1012においてその畝Rを異常畝として決定する。
【0095】
この変形例では、
図9AのステップS1110において、端末装置20の表示部210が、通常畝(畝R_1~畝R_k-1及び畝R_k+2~畝R_n)と、間隔にエラーがある異常畝(畝R_k及び畝R_k+1)とを識別可能に表示する。そして例えば、
図9AのステップS1112において、受付部220が、畝R_k又は畝R_k+1又はその両方を補正対象の畝Rとすることを示すユーザ入力を受け付ける。
【0096】
ステップS1114において、圃場管理装置10の補正取得部130は、補助情報を決定する。ここでは、補正取得部130は、
図6AのS1006~S1012で用いられた指標値が畝間の距離であること、及び、畝R_kと畝R_k+1の畝間の距離が基準値SVより小さいことを示す情報を補助情報として決定する。
【0097】
次に、
図9AのステップS1116において、補正取得部130は、補助情報を端末装置20へ出力する。そして、ステップS1118において、端末装置20の表示部210は、補正対象の畝R_k及び畝R_k+1を補正するための画面を表示する。例えば、表示部210は、入出力装置22のタッチパネルに、
図21に含まれる補正対象の圃場F1に形成された畝R_1~畝R_nの形状に加えて、補助情報に基づく内容を表示する。
図21の例では、表示部210は、畝R_1~畝R_nのうち、補正対象の畝R_kと畝R_k+1の構成を変更することを示唆する補助線AL1と、テキストボックスAL4と、を表示する。
【0098】
例えば、表示部210は、R_kと畝R_k+1の距離が基準値SVより小さいことを示す補助情報に基づき、
図21に示すように、補正対象の畝(例えば、畝R_kと畝R_k+1)を統合した場合の畝(例えば、畝R_k´)を示す補助線AL1を表示する。
図21の例では、表示部210は、補助情報に基づき、補正対象の畝R_kとR_k+1の統合を示唆する情報(例えば、テキストボックスAL4)と、を補助情報として更に表示する場合がある。
【0099】
例えば、テキストボックスAL4は、処理対象の圃場F1において、隣接する2つの畝Rどうしの間隔がすべて所定の基準を満たすように畝Rの構成を変更すること(この例では、畝R_kと畝R_k+1を統合すること)をユーザに提案する情報である。この補正対象の畝R_kとR_k+1の統合を示唆する情報は、例えば、統合するか否かをユーザが選択するためのインタフェース(たとえば、「統合する」及び「統合しない」と表示されたボタン)など、隣接する2つの畝Rどうしの間隔がすべて所定の基準を満たすように畝Rの構成を変更することを提案する他の情報であってもよい。
【0100】
次に、ステップS1120において、受付部220は、補正対象の畝R_kの補正内容を示すユーザの入力を受け付ける。例えば、受付部220は、
図21の画面上で、畝R_kと畝R_k+1を統合するユーザ操作(例えば、所定のジェスチャーや、「統合する」ボタンをタッチする操作等)を受け付ける。受付部220は、通信装置26を用いて、受け付けた補正内容に対応する情報(例えば、補正対象の畝R_k及び畝R_k+1を統合することを示す情報)を圃場管理装置10に出力する。
【0101】
次に、ステップS1122において、補正取得部130が、ステップS1120で出力された補正内容を示す情報を取得する。そして、ステップS1124において、更新部140が、
図22に示すように、補正情報に基づき、
図5の畝情報D2のうち異常畝(畝R_k及び畝R_k+1)の情報を統合する。この場合、例えば更新部140は、畝情報D2のうち畝R_k及び畝R_k+1の情報を削除し、新たに畝R_k´の情報を生成する。一例として、更新部140は、畝情報D2の「座標」において畝R_k及び畝R_k+1の2端部がそれぞれ定義されている場合、これら4端点のうち最も遠い組み合わせを畝R_k´の端点座標として決定する。そして、更新部140は、これら2端点の距離を「長さ」として、2端点を結ぶ線分の方向を「畝方向」として決定する場合がある。
【0102】
本変形例において、
図23に示すように、畝情報D2において、ノイズが原因で本来畝Rではない畝R_nが定義されている場合のように、隣接する畝(畝R_n-1)からの距離と基準値SVとの差が閾値thを超えて大きい場合について説明する。なお、畝R_n-1は、隣接する畝R_n-2との距離が基準値SVとの差が閾値thの間に収まる。この場合、異常決定部120は、
図6A及び
図6BのステップS1006~ステップS1012において、隣接する畝R_n-2と畝R_nのうち一方との距離が基準値SVから所定の閾値以内に収まるR_n-1は通常畝と決定し、隣接するすべての畝R(すなわち、畝R_n-1)との距離が閾値を超えて基準値SVと異なる畝R_nを異常畝として決定する。
【0103】
この場合、
図9AのステップS1114において、圃場管理装置10の補正取得部130は、畝R_nが、隣接するすべての畝(すなわち、畝R_n―1)との距離が基準値SVよりも閾値thを超えて大きいことを補助情報として決定する。
【0104】
ステップS1118において、端末装置20の表示部210は、補正対象の畝R_nを補正するための画面を表示する。例えば、表示部210は、入出力装置22のタッチパネルに、畝R_nの削除を示唆するテキストボックスを(例えば、
図21のテキストボックスAL4のように)表示する。
【0105】
次に、ステップS1120において、受付部220は、畝R_nを削除するユーザ操作(例えば、畝R_nをタッチする操作等)を受け付ける。受付部220は、通信装置26を用いて、受け付けた補正内容に対応する情報(例えば、補正対象の畝R_nを削除することを示す情報)を圃場管理装置10に出力する。
【0106】
次に、ステップS1122において、補正取得部130が、ステップS1120で出力された補正内容を示す情報を取得する。そして、ステップS1124において、更新部140が、補正情報に基づき、
図5の畝情報D2のうち異常畝(畝R_n)の情報を削除する。そして、
図9BのステップS1126において、出力部150が、更新部140が更新した畝情報D2に基づく情報を出力する。
【0107】
本変形例の圃場管理システム1は、畝Rが隣接する畝Rとの間隔が基準を超えて小さい(又は大きい)異常畝を検出することで、畝Rの間隔のエラーを有する畝情報D2の精度を、少ないユーザ負担で向上することができる。
【0108】
(第4変形例)
また、上記実施形態では、更新部140は、異常畝として決定された畝Rのうち、補正対象として選択された畝Rの形状を補正した。しかし、これに限らず、圃場管理システム1は複数の畝Rの形状を同時に補正してもよい。例えば、作業装置30が農薬散布機器のような農機と、当該農機を牽引するトラクターと、を含む場合などでは、作業装置30の長さにより、畝情報D2において畝R_1~畝R_nの端部が実際の畝R_1~畝R_nと異なる場合がある。本変形例の圃場管理システム1は、
図9A及び
図9Bの処理の代わりに
図24A及び
図24Bの処理を実行することにより、処理対象の圃場Fに形成された複数の畝Rの端部を一度に揃えることができる。
【0109】
例えば、本変形例の圃場管理システム1は、第1実施形態と同様に
図6A及び
図6Bの処理を終了させたのち、
図24の処理を開始する。
【0110】
図24Aの処理では、ステップS2102において、
図9AのステップS1102と同様に、補正取得部130が異常圃場と通常圃場の情報を出力する。次に、ステップS2104において、
図9AのステップS1104と同様に、端末装置20の表示部210が異常圃場と通常圃場を識別可能に表示する。更に、ステップS2106において、
図9AのステップS1106と同様に、受付部220が補正対象の圃場Fを示すユーザ入力を受け付ける。受付部220は、補正対象の圃場Fを示すユーザ入力を受け付けると、通信装置26を用いて、当該ユーザ入力を示す情報を圃場管理装置10に出力する。出力された補正対象の圃場Fを示すユーザ入力の情報は、圃場管理装置10の情報取得部110によって取得される。
【0111】
次に、ステップS2108において、
図9AのステップS1108と同様に、補正取得部130は、補正対象の圃場の異常畝と通常畝の情報を出力する。そして、ステップS2110において、
図9AのステップS1110と同様に、端末装置20の表示部210が、異常畝と通常畝とを識別可能に表示する。例えば、表示部210は、ステップS2108で出力された情報に基づいて、入出力装置22のタッチパネルに、
図25に示すように、処理対象の圃場F1と、圃場F1に形成された畝R_1~畝R_nを示す画面を表示させる。
図25では、異常畝(例えば、畝R_k)と、通常畝(例えば、畝R_1~畝R_k-1及び畝R_k+1~畝R_n)と、が識別可能に(例えば、違う色で)表示されている。
【0112】
次に、
図24AのステップS2112において、受付部220が補正対象の畝R(ここでは畝R_1~R_n)を示すユーザ入力(例えば、所定のジェスチャー入力、あるいは、「一括補正」のボタンにタッチする入力等)を受け付ける。このとき受付部220は、補正対象の畝R_kの長さを、いずれの端点の方向に伸縮させるかを指定するユーザ入力(例えば、変動させる端点付近をタップする操作、変動させる端点の方向に畝Rをなぞる操作等)を合わせて受け付ける。また、受付部220は、複数の補正対象の畝Rを指定する入力(例えば、複数の畝Rをタッチする入力)を受け付けてもよい。受付部220は、補正対象の畝Rを示すユーザ入力を受け付けると、通信装置26を用いて、当該ユーザ入力を示す情報を圃場管理装置10に出力する。出力された補正対象の畝Rを示すユーザ入力の情報は、圃場管理装置10の補正取得部130によって取得される。
【0113】
次に、ステップS2114において、圃場管理装置10の補正取得部130は、補助情報を決定する。例えば、補正取得部130は、ステップS1006~S1012で用いられた指標値が長さであり、異常畝の指標値が基準値SVよりも小さいことを示す情報を補助情報として決定する。また、補正取得部130は、補正対象の畝Rの指標値と、基準値と、を示す情報を補助情報として更に決定する。
【0114】
次に、
図24AのステップS2116において、補正取得部130は、
図9AのステップS1116と同様に、補助情報を示す情報を出力する。
【0115】
次に、
図24BのステップS2118において、端末装置20の表示部210は、異常畝を含む補正対象の複数の畝R_kを補正するための画面を表示する。例えば、表示部210は、入出力装置22のタッチパネルに、
図24AのステップS2104で表示された補正対象の圃場F1とその畝R_1~畝R_nの形状に加えて、補助情報に基づく内容を表示する。
図25の例では、表示部210は、第1実施形態のステップS1114と同様に、補正対象の畝R_kの長さを変更するための補助線AL1と、畝R_kの長さを変更することを示唆する矢印AL2を表示する。また、表示部210は当該補助線AL3をステップS2114で決定した初期位置に表示する。
【0116】
また、表示部210は、補助線AL1及び矢印AL2に加えて、補正対象の複数の畝R(例えば、畝R_1~畝R_n)の端点を補正内容のユーザ入力を受け付けるための補助情報(例えば、補助線AL3)を表示する。例えば、表示部210は、処理対象の圃場F1の外周の辺のうち、ステップS2112で受け付けた伸縮方向の端点に面する辺(例えば、その端点と距離が最も近い辺)と並行に延びる、異常畝(例えば、畝R_k)をステップS2112で指定された端点の方向に、
図6AのステップS1006で決定した基準値の長さまで伸ばした場合の端点の位置を通る線分を、補助線AL3の初期位置として決定して、当該初期位置に補助線AL3を表示してもよい。
【0117】
次に、ステップS2120において、受付部220は、補正対象の畝R_kの補正内容を示すユーザの入力を受け付ける。例えば、受付部220は、入出力装置22のタッチパネルを用いて、ステップS2118で表示された
図25の画面上で、畝R_kの長さを変更し、畝R_1~畝R_kの端点を揃えるユーザ操作(例えば、補助線AL3を、補助線AL1に沿って平行移動させる操作等)を受け付ける。このとき、表示部210は、畝R_1~畝R_kの端点を補助線AL3に整列するように変動させる。なお、受付部220は、補助線AL3を平行に移動させるのみならず、その角度及び位置を変更するユーザ入力(例えば、補助線AL3をドラッグするユーザ入力)を受け付けて、このユーザ入力に基づき、補助線AL3を回転又は移動させてもよい。
【0118】
ユーザは、
図25の画面上で、入出力装置22を用いて、補正対象の畝R_kの長さが所望の長さ(例えば、実際の畝R_kの長さ)になるように補助線AL3を移動させる。受付部220は、通信装置26を用いて、受け付けた補正内容を示すユーザ入力に基づく情報(例えば、補正対象の畝R_kの修正後の長さと、畝R_1~畝R_nの補正後の端点の位置と、を示す情報)を圃場管理装置10に出力する。
【0119】
次に、ステップS2122において、補正取得部130が、ステップS2120で出力された補正内容を示す情報を取得する。
【0120】
次に、ステップS2124において、更新部140が補正情報に基づき、補正対象の複数の畝Rの情報を更新する。例えば、更新部140は、畝情報D2のうち、ステップS2114で受け付けたユーザ入力が示す補正対象の畝R_1~畝R_nに対応する情報を、ステップS2120で取得した補正情報に基づき更新する。
【0121】
例えば、更新部140は、例えば「座標」が畝Rの2端点の位置を示す場合には、
図26に示すように、ステップS2120で示された補助線AL3の位置と、各畝Rの「座標」及び「畝方向」が示す線分とが交わる位置に、端点の「座標」を変更する。
【0122】
そして、ステップ2126において、
図9BのステップS1126と同様に、出力部150が、更新部140が更新した畝情報D2に基づく情報を出力する。
【0123】
なお、本変形例における複数の畝Rを変更する操作は、異常圃場のみならず、通常圃場について行ってもよい。この場合、例えば
図24AのステップS2106において、受付部220が通常圃場を選択する操作を受け付ける。そして、圃場管理システム1の各部位が、ステップS2108~ステップS2112において、通常畝について本変形例と同様の処理を行い、処理対象の複数の畝Rを指定する情報を取得する。そして、異常畝を含まない処理対象の複数の畝Rについて、圃場管理システム1の各部位が、ステップS2114~ステップS2124と同様の処理を行ってもよい。
【0124】
本変形例の圃場管理システム1は、補正対象に設けられた複数の畝Rの形状を一括して変更することができるため、畝情報D2の精度を高めるにあたってユーザの負担が小さい。
【0125】
(他の変形例)
上記の実施形態及び変形例では、異常決定部120は、
図6AのステップS1006及びステップS1008において、閾値thとして設定により定められた数値を用いた。しかし、これに限らず、異常決定部120は、基準値SVと処理対象の畝Rの指標値の差が、所定の割合(例えば、基準値SVの5%)より大きい場合に、処理対象の畝Rが所定の基準を満たさない異常畝と決定してもよい。あるいは、異常決定部120は、処理対象の圃場Fの全畝Rの指標値の標準偏差δを求めて、基準値SVと処理対象の畝Rの差がδの所定倍(例えば、3δ)よりも大きい場合に、処理対象の畝Rが所定の基準を満たさない異常畝であると決定してもよい。このように、異常決定部120は、割合により閾値thを求めてもよく、統計量に基づき閾値thを求めてもよい。
【0126】
また、上記実施形態及び変形例では、畝情報D2は、予め情報記憶部160に記憶されていた。しかしこれに限らず、例えば作業装置30の出力する、圃場Fで作業している作業装置30の位置情報に基づいて、情報取得部110が畝情報D2を作成してもよい。このために、例えば、情報取得部110は、作業装置30が位置情報を出力するたびにこの位置情報を情報記憶部160に記憶してもよい。そして、情報取得部110は、ステップS1002において、既知の任意の畝検出方法を用いて、畝情報D2を作成してもよい。
【0127】
また、上記実施形態及び変形例では、それぞれ修正すべき対象の指標値の種類が既知であるとして説明した。しかし、圃場管理システム1は、複数種類の地理的な特徴に対応する指標値毎に、基準を満たさない異常畝であるかを決定してもよい。例えば、圃場管理システム1が、
図6A及び
図6Bの処理を、長さを指標値とした処理と、畝方向の角度を指標値とした処理と、畝間の間隔を指標値にした処理と、を含む複数種類の指標値について繰り返す。そして、その異常畝と判定された指標値が長さであるか、角度であるか、畝間隔であるか、に基づいて、
図9AのステップS1114において、補正取得部が対応する補助情報を決定する場合がある。そして、ステップS1118において、表示部210が決定された補助情報に基づいて、ユーザ入力を補助する情報を表示する場合がある。そして、ステップS1120において、受付部220がその補助情報に対応する補正後の地理的な特徴を示すユーザ入力を受け付けて、ステップS1122において補正取得部130が当該ユーザ入力に基づく補正情報を取得する場合がある。そして、更新部140が、補正情報に基づき、畝情報D2のうち、補正内容に対応する項目を更新する場合がある。このとき、受付部220は、変更する内容(例えば、長さの変更、方向の変更、畝R_1~畝R_nの統合又は削除、のうちユーザが所望する内容)を選択するユーザ入力(例えば、「長さ」、「角度」、「畝間隔」等の変更を示すアイコンのいずれをタップする入力)を受け付けてもよい。そして、ステップS1114において、このユーザ入力を示す情報に基づいて、補正取得部130が補助情報を決定してもよい。あるいは、畝Rが延びる方向に指をスライドする操作を受け付けた場合には長さを変更することを、回転させる方向に指をスライドする操作を受け付けた場合には角度を変更することを、それぞれ補正内容として決定するなど、補正取得部130は、ユーザ入力の種類に応じて補助情報を決定してもよい。
【0128】
(付記)
各実施の形態で記載した圃場管理方法と、圃場管理システムと、プログラムとは以下のように言うことができる。
【0129】
第1の態様に係る圃場管理方法は、
圃場に形成された複数の畝を示す畝情報に基づいて、前記複数の畝の地理的な特徴を示す指標値を取得することと、
取得した前記指標値が予め定められた基準を満たさない異常畝を決定することと、
前記畝情報のうち、決定した前記異常畝の情報の補正内容を示す補正情報を取得することと、
取得した前記補正情報に基づいて、前記畝情報のうち前記異常畝の情報を更新することと、
更新した前記畝情報を出力することと、
を含む。
【0130】
第2の態様に係る圃場管理方法は、第1の態様に係る圃場管理方法であって、
前記指標値を取得することが、前記畝情報に基づいて、前記複数の畝が延びる長さ、前記複数の畝が延びる方向、又は、前記複数の畝の代表位置の座標を前記指標値として取得することを含み、
前記補正情報を取得することが、補正後の前記異常畝が延びる長さ、補正後の前記異常畝が延びる方向、又は、補正後の前記異常畝の代表位置の座標を示す補正情報を取得することを含み、
前記異常畝の情報を更新することが、前記補正情報に基づいて、前記異常畝が延びる長さ、前記異常畝が延びる方向、又は、前記異常畝の代表位置の座標が補正されるように前記畝情報を更新することを含む。
【0131】
第3の態様に係る圃場管理方法は、第1の態様に係る圃場管理方法であって、
前記指標値を取得することが、前記畝情報に基づいて、前記複数の畝のうち互いに隣接する2つの畝の間隔を前記指標値として取得することを含み、
前記補正情報を取得することが、前記異常畝と、前記異常畝と隣接する畝と、の間隔が前記所定の基準を満たすように、前記異常畝を他の畝と統合すること、又は、前記異常畝を削除することを示す補正情報を取得することを含み、
前記異常畝の情報を更新することが、前記補正情報に基づいて、前記畝情報のうち前記異常畝の情報を統合すること、又は、削除することを含む。
【0132】
第4の態様に係る圃場管理方法は、第1~第3の態様のいずれかに係る圃場管理方法であって、
前記異常畝を決定することが、その畝について取得された前記指標値と、前記複数の畝について取得された前記指標値から統計的に求められた基準値と、の差が所定閾値を超えて大きい畝を、前記基準を満たさない前記異常畝として決定することを含む。
【0133】
第5の態様に係る圃場管理方法は、第4の態様に係る圃場管理方法であって、
前記異常畝を決定することが、前記複数の畝について取得された前記指標値の回帰直線を求め、前記回帰直線から、前記基準値を決定することを含む。
【0134】
第6の態様に係る圃場管理方法は、第4又は第5の態様に係る圃場管理方法であって、
前記異常畝を決定することが、前記複数の畝について取得された前記指標値から、前記所定閾値を決定することを含む。
【0135】
第7の態様に係る圃場管理方法は、第1~第6の態様のいずれかに係る圃場管理方法であって、
前記補正情報を取得することが、
前記複数の畝のうち、前記異常畝を他の畝と識別可能に表示することと、
表示された前記異常畝の形状の補正を指示するユーザ入力の情報を、前記補正情報として取得することと、
を含む。
【0136】
第8の態様に係る圃場管理方法は、第1~第7の態様のいずれかに係る圃場管理方法であって、
それぞれ1以上の畝を含む複数の圃場を示す圃場情報を取得することを更に含み、
前記補正情報を取得することが、
前記圃場情報に基づき、前記複数の圃場のうち前記異常畝を含む1以上の異常圃場を他の圃場と識別可能に表示することと、
1以上の前記異常圃場のうち、処理対象となる対象圃場を選択するユーザ入力を受け付けることと、
選択された前記対象圃場に含まれる前記異常畝を他の畝と識別可能に表示することと、
表示された前記異常畝の形状の補正を指示するユーザ入力に基づく情報を、前記補正情報として取得することと、
を更に含む。
【0137】
第9の態様に係る圃場管理方法は、第7又は第8の態様に係る圃場管理方法であって、
前記異常畝の指標値と、前記所定の基準と、に基づき、前記異常畝が異常と決定された内容を示す補助情報を決定することと、
前記異常畝を他の畝と識別可能に表示することが、前記補助情報に基づく情報を表示することと、
を更に含む。
【0138】
第10の態様に係る圃場管理方法は、第8又は第9の態様に係る圃場管理方法であって、
前記異常圃場を他の圃場と識別可能に表示することが、前記異常圃場に含まれる前記異常畝の数を視認可能に表示することを含む。
【0139】
第11の態様に係る圃場管理方法は、
圃場に形成された複数の畝を示す畝情報に基づいて、前記複数の畝の地理的な特徴を示す指標値を取得することと、
前記複数の畝の端点と、前記複数の畝の前記端点の位置を補正するユーザ入力を補助する補助線と、を表示することと、
前記補助線を移動させることで、表示された前記複数の畝のうち2以上の畝の端点の座標を補正する補正内容を示すユーザ入力を受け付けることと、
受け付けた前記ユーザ入力に基づいて、前記畝情報のうち前記2以上の畝の端点の座標を更新することと、
更新した前記畝情報を出力することと、
を含む。
【0140】
第12の態様に係る圃場管理システムは、
圃場に形成された複数の畝を示す畝情報に基づいて、前記複数の畝の地理的な特徴を示す指標値を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記指標値が予め定められた基準を満たさない異常畝を決定する異常決定部と、
前記畝情報のうち、前記異常決定部が決定した前記異常畝の情報をどのように補正するかを示す補正情報を取得する補正取得部と、
前記補正取得部が取得した前記補正情報に基づいて、前記畝情報のうち前記異常畝の情報を更新する更新部と、
前記更新部が更新した前記畝情報を出力する出力部と、
を備える。
【0141】
第13の態様に係るプログラムは、
コンピュータに、
圃場に形成された複数の畝を示す畝情報に基づいて、前記複数の畝の地理的な特徴を示す指標値を取得することと、
取得した前記指標値が予め定められた基準を満たさない異常畝を決定することと、
前記畝情報のうち、決定した前記異常畝の情報の補正内容を示す補正情報を取得することと、
取得した前記補正情報に基づいて、前記畝情報のうち前記異常畝の情報を更新することと、
更新した前記畝情報を出力することと、
を実行させる。
【符号の説明】
【0142】
1 圃場管理システム
10 圃場管理装置
12 入力装置
14 演算装置
16 通信装置
110 情報取得部
120 異常決定部
130 補正取得部
140 更新部
150 出力部
160 情報記憶部
20 端末装置
22 入力装置
24 演算装置
26 通信装置
210 表示部
220 受付部
30 作業装置
NT ネットワーク
F、F1~F3 圃場
R、R_1~R_n 畝
P1、P2、P3 プログラム
M1、M2、M3 記憶媒体
D1 圃場情報
D2 畝情報
AL1 補助線
AL2 矢印
AL3 補助線
AL4 テキストボックス
RL 回帰直線