(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054456
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】クリーニング装置
(51)【国際特許分類】
B08B 1/20 20240101AFI20240410BHJP
B08B 1/32 20240101ALI20240410BHJP
B08B 7/02 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
B08B1/02
B08B1/04
B08B7/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160663
(22)【出願日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000005061
【氏名又は名称】バンドー化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(74)【代理人】
【識別番号】100159581
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 勝誠
(74)【代理人】
【識別番号】100106264
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 耕治
(74)【代理人】
【識別番号】100139354
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 昌子
(72)【発明者】
【氏名】三橋 浩
(72)【発明者】
【氏名】田中 奨人
(72)【発明者】
【氏名】後藤 公也
【テーマコード(参考)】
3B116
【Fターム(参考)】
3B116AA08
3B116AB13
3B116BA02
3B116BA15
3B116BA23
3B116BC05
(57)【要約】
【課題】本発明は、対象物の搬送方向に突出するように生じたバリを効果的に除去できるクリーニング装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のクリーニング装置は、搬送されるシート状の対象物の少なくとも一方の面をクリーニングするクリーニング装置であって、上記対象物が、搬送方向に平行な一対の側縁を有し、そのうちの少なくとも一方の側縁から幅方向外側に向かって突出するタブを備えており、上記対象物のタブに、上記一方の面側から接触するバリ取りブラシを備え、上記バリ取りブラシが、上記対象物の幅方向に超音波振動する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されるシート状の対象物の少なくとも一方の面をクリーニングするクリーニング装置であって、
上記対象物が、搬送方向に平行な一対の側縁を有し、そのうちの少なくとも一方の側縁から幅方向外側に向かって突出するタブを備えており、
上記対象物のタブに、上記一方の面側から接触するバリ取りブラシを備え、
上記バリ取りブラシが、上記対象物の幅方向に超音波振動するクリーニング装置。
【請求項2】
上記タブの他方の面側から、上記バリ取りブラシと対向して接触する対向バリ取りブラシを備える請求項1に記載のクリーニング装置。
【請求項3】
上記対象物が、上記タブを両方の上記側縁に備えており、
上記バリ取りブラシが一対設けられており、
それぞれの上記側縁に対して上記バリ取りブラシが配設されている請求項1又は請求項2に記載のクリーニング装置。
【請求項4】
上記タブが方形状であり、
上記タブの前縁が上記バリ取りブラシを通過する際に、上記バリ取りブラシが上記タブの前縁の全部に接触する請求項1又は請求項2に記載のクリーニング装置。
【請求項5】
上記一方の面に接触して回転駆動される一対のクリーニングブラシと、
上記対象物の他方の面に上記一対のクリーニングブラシと対向して接触する一対のローラと
を備え、
上記一対のクリーニングブラシが、円柱状の芯金と、複数の毛により形成され、上記芯金の周面へ設けられるブラシ部とを有し、かつ上記ブラシ部が上記一方の面の少なくとも両側縁部に接触し、
上記一対のクリーニングブラシのうち、一方のクリーニングブラシの上記一方の面との接点部分での回転方向が上記対象物の搬送方向に対して順方向であり、他方のクリーニングブラシの上記一方の面との接点部分での回転方向が上記対象物の搬送方向に対して逆方向である請求項1又は請求項2に記載のクリーニング装置。
【請求項6】
上記バリ取りブラシが、上記一対のクリーニングブラシより上記搬送方向の上流側に配置されている請求項5に記載のクリーニング装置。
【請求項7】
表面を帯電させた状態で上記一方の面に接触するクリーニングローラを備え、
上記クリーニングローラの上記一方の面との接点部分での回転方向が上記対象物の搬送方向に対して順方向であり、
上記一方のクリーニングブラシ、上記他方のクリーニングブラシ、及び上記クリーニングローラが上記搬送方向の上流側からこの順に配置され、
上記他方のクリーニングブラシが上記一方の面の幅方向に亘って接触する請求項5に記載のクリーニング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フラットパネルディスプレイ(FPD)のガラス基板、電子部品を搭載するプリント基板、樹脂薄板、フィルム材料、金属薄板等の対象物表面に付着する塵埃などの異物を取り除くためのクリーニング装置が開発されている。
【0003】
このうち、樹脂薄板、フィルム材料等の対象物にあっては、それ自体の製造過程で表面の両側縁部にバリが生じる場合がある。このバリは、その一部が対象物につながっている。上記バリを効果的に除去できるクリーニング装置として、搬送されるシート状の対象物の一方の面に接触して回転駆動される一対のクリーニングブラシを備え、一方のクリーニングブラシの上記一方の面との接点部分での回転方向が上記対象物の搬送方向に対して順方向であり、他方のクリーニングブラシの上記一方の面との接点部分での回転方向が上記対象物の搬送方向に対して逆方向であるクリーニング装置が提案されている(国際公開第2021/112148号公報参照)。
【0004】
この従来のクリーニング装置では、順方向に回転駆動されるクリーニングブラシによって搬送方向の上流側が対象物から浮いて離れているバリを除去し、逆方向に回転駆動されるクリーニングブラシによって搬送方向の下流側が対象物から浮いて離れているバリを除去することができる。従って、当該クリーニング装置は、いずれの方向が浮いて離れているバリも除去できるので、対象物の表面に生じたバリを効果的に除去することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2021/112148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来のクリーニング装置は、対象物のクリーニングする面から上方に浮いているバリに対して有効に機能する。また、対象物の搬送方向に平行な一対の側縁から外側へ突出するようなバリに対しても除去可能であることが知られている。
【0007】
ところで、上記対象物には側縁から幅方向外側に向かって突出するタブを有するものがある。このような対象物では、上記タブから搬送方向と平行に突出するバリが存在し得る。上記従来のクリーニング装置は、この搬送方向と平行に突出するバリに対しては必ずしも十分に除去できるとは限らない。
【0008】
本発明はこのような不都合に鑑みてなされたものであり、対象物の搬送方向に突出するように生じたバリを効果的に除去できるクリーニング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係るクリーニング装置は、搬送されるシート状の対象物の少なくとも一方の面をクリーニングするクリーニング装置であって、上記対象物が、搬送方向に平行な一対の側縁を有し、そのうちの少なくとも一方の側縁から幅方向外側に向かって突出するタブを備えており、上記対象物のタブに、上記一方の面側から接触するバリ取りブラシを備え、上記バリ取りブラシが、上記対象物の幅方向に超音波振動する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のクリーニング装置は、対象物の搬送方向に突出するように生じたバリを効果的に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係るクリーニング装置のローラ構成を示す模式的上面図である。
【
図2】
図1のクリーニング装置のローラ構成を示す模式的側面図である。
【
図3】
図2のクリーニング装置の第1クリーニングユニットの構成を示す模式的側面図である。
【
図4】
図1とは異なるクリーニング装置のローラ構成を示す模式的上面図である。
【
図5】
図4のクリーニング装置のローラ構成を示す模式的側面図である。
【
図6】
図4の第2クリーニングブラシ及びクリーニングローラの構成を示す模式的側面図である。
【
図7】対象物の搬送停止時における
図4の第2クリーニングブラシ及びクリーニングローラの構成を示す模式的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
【0013】
本発明の一実施形態に係るクリーニング装置は、搬送されるシート状の対象物の少なくとも一方の面をクリーニングするクリーニング装置であって、上記対象物が、搬送方向に平行な一対の側縁を有し、そのうちの少なくとも一方の側縁から幅方向外側に向かって突出するタブを備えており、上記対象物のタブに、上記一方の面側から接触するバリ取りブラシを備え、上記バリ取りブラシが、上記対象物の幅方向に超音波振動する。
【0014】
当該クリーニング装置は、上記一方の面側から対象物のタブに接触するバリ取りブラシを備える。このバリ取りブラシは、対象物の幅方向に超音波振動する。このとき、タブから搬送方向と平行に突出するバリは、その先端部は上記幅方向に延びており、上記バリ取りブラシの超音波振動により幅方向の摩擦を受け、摩滅する。このため、当該クリーニング装置は、対象物の搬送方向に突出するように生じたバリを効果的に除去できる。
【0015】
上記タブの他方の面側から、上記バリ取りブラシと対向して接触する対向バリ取りブラシを備えるとよい。このように上記タブの他方の面側から、上記バリ取りブラシと対向して接触する対向バリ取りブラシを設けることで、バリを両面からブラシで挟み込んで摩滅させることができるので、より確実にバリを除去できる。
【0016】
上記対象物が、上記タブを両方の上記側縁に備えており、上記バリ取りブラシが一対設けられており、それぞれの上記側縁に対して上記バリ取りブラシが配設されているとよい。このように両側縁に上記バリ取りブラシを配設することで、両側縁のタブに生じるバリを効果的に除去できる。
【0017】
上記タブが方形状であり、上記タブの前縁が上記バリ取りブラシを通過する際に、上記バリ取りブラシが上記タブの前縁の全部に接触するとよい。このように方形状のタブの前縁が上記ブラシを通過する際に、上記バリ取りブラシが上記タブの前縁の全部に接触するように構成することで、バリの取残しを低減することができる。
【0018】
上記一方の面に接触して回転駆動される一対のクリーニングブラシと、上記対象物の他方の面に上記一対のクリーニングブラシと対向して接触する一対のローラと備え、上記一対のクリーニングブラシが、円柱状の芯金と、複数の毛により形成され、上記芯金の周面へ設けられるブラシ部とを有し、かつ上記ブラシ部が上記一方の面の少なくとも両側縁部に接触し、上記一対のクリーニングブラシのうち、一方のクリーニングブラシの上記一方の面との接点部分での回転方向が上記対象物の搬送方向に対して順方向であり、他方のクリーニングブラシの上記一方の面との接点部分での回転方向が上記対象物の搬送方向に対して逆方向であるとよい。このように一対のクリーニングブラシを構成することで、順方向に回転駆動されるクリーニングブラシによって搬送方向の上流側が対象物から浮いて離れているバリを除去し、逆方向に回転駆動されるクリーニングブラシによって搬送方向の下流側が対象物から浮いて離れているバリを除去することができる。この一対のクリーニングブラシにより、上記一方の面から上方に浮いているバリ及び対象物の搬送方向に平行な一対の側縁から外側へ突出するようなバリを除去することができる。従って、対象物に生じるバリの多くを除去することができる。
【0019】
上記バリ取りブラシが、上記一対のクリーニングブラシより上記搬送方向の上流側に配置されているとよい。このように上記バリ取りブラシを、上記一対のクリーニングブラシより上記搬送方向の上流側に配置することで、上記バリ取りブラシの超音波振動によって、基端部が切り離されるには至らないまでもタブとの結合が弱まったバリを、上記バリ取りブラシに続く上記一対のクリーニングブラシより除去し得る。このため、タブから搬送方向と平行に突出するバリを、より確実に除去することができる。
【0020】
表面を帯電させた状態で上記一方の面に接触するクリーニングローラを備え、上記クリーニングローラの上記一方の面との接点部分での回転方向が上記対象物の搬送方向に対して順方向であり、上記一方のクリーニングブラシ、上記他方のクリーニングブラシ、及び上記クリーニングローラが上記搬送方向の上流側からこの順に配置され、上記他方のクリーニングブラシが上記一方の面の幅方向に亘って接触するとよい。当該クリーニング装置を上述のように構成することで、バリを効果的に除去できるとともに、除去したバリを含め、対象物の一方の面に付着する異物をその大きさによらず効果的に除去することができる。かつ、当該クリーニング装置は、クリーニングブラシ及びクリーニングローラの合計3本で構成できるため、小型化し易い。
【0021】
ここで、「超音波振動」とは、周波数が16kHz以上の振動をいう。
【0022】
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の一実施形態に係るクリーニング装置について、図面を参照しつつ説明する。
【0023】
〔第一実施形態〕
図1及び
図2に示すクリーニング装置1は、搬送されるシート状の対象物Sの両面をクリーニングするクリーニング装置である。当該クリーニング装置1は、第1クリーニングユニット10と、第2クリーニングユニット20とを備える。
【0024】
(対象物)
当該クリーニング装置1でクリーニングする対象物Sは、シート状であれば特に限定されない。例えば対象物Sとして、FPDのガラス基板、電子部品を搭載するプリント基板、樹脂薄板、金属薄板、金属箔、アルミ箔、フィルム材料や、これらを積層させたもの、あるいはこれらの基材の面上に各種機能物質を塗布した積層体等を挙げることができる。
【0025】
対象物Sは、
図1に示すように、搬送方向に平行な一対の側縁Eを有し、両方の側縁Eから幅方向外側に向かって突出するタブTを備えている。
図1に示す対象物Sでは、タブTは方形状である。中でも
図1に示すように、先端縁を上底、基端縁を下底とし、上底が下底よりも短い等脚台形がましい。また、タブTの4角は、
図1に示すように、角取されていてもよい。
【0026】
このタブTは、対象物Sが第1クリーニングユニット10及び第2クリーニングユニット20を通過する際に、後述するガイドに挟まれて移動する。これにより対象物Sが固定され、対象物Sの両面を効果的にクリーニングすることができる。対象物SのタブTの構成は、ガイドにより案内できる限り特に限定されるものではないが、例えば
図1に示すように複数のタブTが離散的に配置されている構成とすることができる。
【0027】
対象物Sとしては、
図1に示すように、バリS1を有しているものが好ましく、樹脂薄板や金属薄板、又はこれらを積層したものを挙げることができる。当該クリーニング装置1は、中でも金属薄板に対して特に効果が高い。
【0028】
バリS1のうち、対象物Sの表面に生じ易いバリはヒゲバリである。上記ヒゲバリは糸状又は長尺板状の形状を有しており、その長さ方向が対象物Sの長さ方向(搬送方向)と一致し易く、主に対象物S表面の両側縁部並びにタブTの前縁T1及び後縁T2に生じ易い。対象物S表面の両側縁部に位置するヒゲバリは、その一方の端部が対象物S表面とつながっており、他方の端部が対象物S表面から浮いている。従って、バリS1は、
図1及び
図2に示すように、主に対象物Sの両側縁部に、搬送方向(
図1及び
図2の矢印方向)に沿って上流側が対象物Sとつながり下流側が対象物S表面から浮いているヒゲバリS1(以下、「逆方向ヒゲバリS1a」ともいう)と、搬送方向に沿って下流側が対象物Sとつながり上流側が対象物S表面から浮いているヒゲバリS1(以下、「順方向ヒゲバリS1b」ともいう)とからなる。
【0029】
バリS1は、タブTの前縁T1及び後縁T2にも生じる。このバリS1は、タブTを切断により形成した際の切断残りや、レーザ切断する際の界面の結晶成長により形成され、タブTの前縁T1及び後縁T2から搬送方向に突出している(以下、このバリを「搬送方向突出バリS1c」ともいう)。
【0030】
以下、対象物Sが
図1及び
図2に示すようなバリS1(逆方向ヒゲバリS1a、順方向ヒゲバリS1b及び搬送方向突出バリS1c)を有する場合を例にとり説明するが、当該クリーニング装置1の対象物Sが上記ヒゲバリを有するものに限定されることを意味するものではない。
【0031】
また、対象物Sは、可撓性を有するフィルム状のものであってもよいし、可撓性の低い板状のものであってもよい。この点、対象物Sの平均厚さは、特に限定されるものではないが、対象物Sの平均厚さの下限としては、例えば5μmが好ましく、10μmがより好ましく、50μmがさらに好ましい。対象物Sの平均厚さが上記下限未満であると、対象物Sを搬送し難くなるおそれがある。
【0032】
対象物Sは、当該クリーニング装置1の外部に設置される駆動装置(不図示)により
図1及び
図2に示す搬送方向に一定速度で搬送される。対象物Sの搬送速度は特に限定されるものではないが、対象物Sの搬送速度の下限としては、5m/分が好ましく、20m/分がより好ましく、50m/分がさらに好ましい。一方、対象物Sの搬送速度の上限としては、150m/分が好ましく、120m/分がより好ましい。対象物Sの搬送速度が上記下限未満であると、クリーニング効率ひいては対象物Sの生産性が低下するおそれがある。逆に、対象物Sの搬送速度が上記上限を超えると、電力消費が大きくなり過ぎるおそれがある。
【0033】
〔第1クリーニングユニット〕
第1クリーニングユニット10は、
図3に示すように、一対のクリーニングブラシ(第1クリーニングブラシ11及び第2クリーニングブラシ12)と、一対のローラ(第1ローラ13及び第2ローラ14)と、一対のバリ取りブラシ30及び対向バリ取りブラシ31とを備える。また、第1クリーニングユニット10は、集塵ローラ15(第1集塵ローラ15a及び第2集塵ローラ15b)及びスクレーパー16(第1スクレーパー16a及び第2スクレーパー16b)と、異物誘導板17(第1異物誘導板17a及び第2異物誘導板17b)と、異物排出部18と、これらを格納するフレーム19とを備える。
【0034】
<クリーニングブラシ>
一対のクリーニングブラシ(第1クリーニングブラシ11及び第2クリーニングブラシ12)は、例えばローラ状であり、対象物Sの一方の面に接触して回転駆動される。第1クリーニングブラシ11の上記一方の面との接点部分での回転方向が対象物Sの搬送方向に対して逆方向であり、第2クリーニングブラシ12の上記一方の面との接点部分での回転方向が対象物Sの搬送方向に対して順方向である。つまり、当該クリーニング装置1は、上記一対のクリーニングブラシのうち、一方のクリーニングブラシ(第2クリーニングブラシ12)の上記一方の面との接点部分での回転方向が対象物Sの搬送方向に対して順方向であり、他方のクリーニングブラシ(第1クリーニングブラシ11)の上記一方の面との接点部分での回転方向が対象物Sの搬送方向に対して逆方向である。
【0035】
(第1クリーニングブラシ)
第1クリーニングブラシ11は、
図3に示すように、円柱状の芯金11aと、複数の毛により形成され、芯金11aの周面へ設けられるブラシ部11bとを有する。なお、ブラシ部11bは、複数の毛を芯金11aの周面へ直接的に植設してもよいし、起毛状の織物を芯金11aの表面に巻き付けて構成してもよい。
【0036】
この第1クリーニングブラシ11は、上記一方の面との接点部分での回転方向が対象物Sの搬送方向に対して逆方向であるので、主として逆方向ヒゲバリS1aを除去できる。つまり、第1クリーニングブラシ11は上記回転方向が逆方向であるので、ブラシ部11bの毛先が搬送方向下流側からバリS1に接触する。逆方向ヒゲバリS1aは、搬送方向に沿って下流側が対象物S表面から浮いているので、この隙間にブラシ部11bの毛先が容易に入り込み、逆方向ヒゲバリS1aを上方へ押し上げるので、逆方向ヒゲバリS1aを対象物Sから剥ぎ取ることができる。
【0037】
以下、第1クリーニングブラシ11の構成について説明する。
【0038】
芯金11aは、導電性材料で構成される。上記導電性材料としては、例えばステンレスやアルミニウムなどの金属材料等を挙げることができる。
【0039】
芯金11aの中心軸が第1クリーニングブラシ11の回転軸となる。当該クリーニング装置1では、上記回転軸が搬送方向と略垂直であり、かつ対象物Sの一方の面と略平行である。なお、「面と略平行」とは、その面とのなす角度が±10°以内であることを意味し、「搬送方向と略垂直」とは、搬送方向とのなす角度が90°±10°以内であることを意味する。
【0040】
芯金11aの直径(平均径)としては、ブラシ部11bの毛の強度等から適宜決定されるが、例えば6mm以上16mm以下とされる。なお、「平均」とは、任意の10箇所で測定した量の平均値を指すものとする。以下、本明細書を通じて同様である。
【0041】
芯金11aの長さとしては、除去すべきバリS1の対象物Sの幅方向の分布をカバー可能な長さとされる。
【0042】
ブラシ部11bは、上記一方の面の少なくとも両側縁部に設けられている。これにより第1クリーニングブラシ11は、対象物Sの一方の面の少なくとも両側縁部に接触することができる。ブラシ部11bが対象物Sの一方の面に接触する領域としては、平面視で上記一方の面の少なくとも両側縁部から幅方向に1/5を覆う範囲とすることが好ましく、1/3を覆う範囲とすることがより好ましい。上記範囲を覆うことで、ブラシ部11bと対象物Sの一方の面との接触抵抗を低減しつつ、バリS1の除去漏れを抑止できる。
【0043】
一方、ブラシ部11bは、芯金11aの全長にわたって設けられてもよい。この場合、第1クリーニングブラシ11が対象物Sの一方の面の幅方向に亘って接触するので、対象物S表面の除塵効果を得ることができる。
【0044】
ブラシ部11bを形成する毛として、物理的に異物が付着し易いものが好ましく、例えば合成樹脂製の繊維が挙げられる。上記合成樹脂としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレンや、テトラフルオルエチレン、クロロトリフルオルエチレン、ポリテトラフルオルエチレン、ポリクロロトリフルオルエチレン等のフッ素含有樹脂などを挙げることができる。中でも適度な剛性を確保し易くバリS1の除去効率が高いポリエステルが好ましい。
【0045】
また、ブラシ部11bを形成する毛として、電界の力により異物を吸着可能な電荷を帯電し得るものが好ましく、例えばカーボンブラック、炭素繊維、金属粉、金属ウィスカ等の導電性材料を含有する合成樹脂製の繊維が好適に使用できる。このようにブラシ部11bを形成する毛として異物が付着し易いものを用いることで、対象物Sの一方の面から除去したバリS1をそのまま回収できるので、バリS1が異物として再び対象物Sに付着することを抑止できる。なお、第1クリーニングブラシ11は帯電させて用いることが好ましいが、電界の力が作用しなくても異物はブラシ部11bに付着するので、第1クリーニングブラシ11は必ずしも帯電させなくてもよい。
【0046】
ブラシ部11bの毛の断面形状は特に限定されるものではなく、ブラシ部11bとして、例えば毛の断面形状が円形状、楕円形状、星型形状等のものを用いることができる。また、ブラシ部11bの外形も特に限定されるものではなく、ブラシ部11bとして、例えば外形が直線状、波曲線形状、曲線と直線とが組み合わされて構成された形状等のものを用いることができる。なお、ブラシ部11bのバリS1の除去効果を高められる観点から、ブラシ部11bを形成する毛として、例えば断面形状が星型形状のものが好適に使用できる。
【0047】
ブラシ部11bの毛の平均長さの下限としては、3mmが好ましく、4mmがより好ましい。一方、ブラシ部11bの毛の平均長さの上限としては、15mmが好ましく、10mmがより好ましい。ブラシ部11bの毛の平均長さが上記下限未満であると、毛先がバリS1と対象物Sの表面との隙間に十分に入り込めず、除去できないバリS1が生じるおそれがある。逆に、ブラシ部11bの毛の平均長さが上記上限を超えると、毛の可撓性が大きくなり過ぎ、バリS1を掻き取れないおそれがある。
【0048】
ブラシ部11bの毛の剛性指数の下限としては、20が好ましく、30がより好ましい。一方、ブラシ部11bの毛の剛性指数の上限としては、100が好ましく、75がより好ましい。ブラシ部11bの毛の剛性指数が上記下限未満であると、バリS1の除去効率が低下するおそれがある。逆に、ブラシ部11bの毛の剛性指数が上記上限を超えると、対象物Sの表面を傷つけるおそれがある。
【0049】
ブラシ部11bの毛の繊度の下限としては、4Dが好ましく、5Dがより好ましい。一方、ブラシ部11bの毛の繊度の上限としては、13Dが好ましく、10Dがより好ましい。ブラシ部11bの毛の繊度が上記下限未満であると、剛性が不足し、バリS1の除去効率や異物の除去効率が低下するおそれがある。逆に、ブラシ部11bの毛の繊度が上記上限を超えると、対象物Sの表面を傷つけるおそれがある。
【0050】
第1クリーニングブラシ11の直径(芯金11aの直径とブラシ部11bの毛の平均長さとの和)の下限としては、15mmが好ましく、20mmがより好ましい。一方、第1クリーニングブラシ11の直径の上限としては、50mmが好ましく、45mmがより好ましい。第1クリーニングブラシ11の直径が上記下限未満であると、ブラシ部11bの毛の長さを十分に確保できず、除去できないバリS1が生じるおそれがある。逆に、第1クリーニングブラシ11の直径が上記上限を超えると、当該クリーニング装置1が不必要に大きくなり過ぎるおそれがある。
【0051】
第1クリーニングブラシ11の押し込み量の下限としては、0.3mmが好ましく、0.4mmがより好ましい。一方、第1クリーニングブラシ11の押し込み量の上限としては、3mmが好ましく、2mmがより好ましい。第1クリーニングブラシ11の押し込み量が上記下限未満であると、バリS1を十分に掻き取れないおそれがある。逆に、第1クリーニングブラシ11の押し込み量が上記上限を超えると、毛が対象物Sの一方の面に強く当たるため、バリS1に毛先が当接するまでに毛が後方(搬送方向の下流側)に曲がってしまう。このため、毛先がバリS1と対象物Sの表面との隙間に十分に入り込めず、除去できないバリS1が生じるおそれがある。なお、押し込み量は、第1クリーニングブラシ11の回転軸と、後述する第1ローラ13の回転軸との距離を対象物Sの厚さに応じて調整することで制御することができる。ここで、「押し込み量」とは、クリーニングブラシの半径からクリーニングブラシの回転軸と対象物表面との距離を減じた値である。この数値が正である場合、クリーニングブラシの毛先が対象物表面と接触する。
【0052】
第1クリーニングブラシ11の周速度の下限としては、1m/分が好ましく、3m/分がより好ましい。一方、第1クリーニングブラシ11の周速度の上限としては、30m/分が好ましく、15m/分がより好ましい。第1クリーニングブラシ11の周速度が上記下限未満であると、対象物Sの一方の面のバリS1を十分に掻き取れないおそれがある。逆に、第1クリーニングブラシ11の周速度が上記上限を超えると、ブラシ部11bと対象物Sの一方の面との間の摩擦力が大きくなるため、対象物Sの搬送速度を維持できなくなるおそれがある。
【0053】
第1クリーニングブラシ11は、回転駆動されると共に、上記接点部分が回転軸方向に振動するとよい。このように第1クリーニングブラシ11を回転軸方向に振動させることで、搬送方向に垂直な方向に沿って対象物Sから浮いて離れているバリS1に対しても掻き起こし易くなるため、バリS1をさらに効果的に除去できる。
【0054】
第1クリーニングブラシ11を振動させる場合、その振幅の下限としては、1mmが好ましく、2mmがより好ましい。一方、上記振幅の上限としては、10mmが好ましく、5mmがより好ましい。上記振幅が上記下限未満であると、振動によるバリS1の除去向上効果が十分に得られないおそれがある。逆に、上記振幅が上記上限を超えると、所望の振動周期とするためには第1クリーニングブラシ11を対象物Sの幅方向に高速に移動させる必要が生じ、当該クリーニング装置1の製造コストを不要に大きくするおそれや、電力消費が不要に増大してしまうおそれがある。
【0055】
また、振動周期は対象物Sの搬送速度にも依存するが、対象物Sが1m移動するために要する時間をt(秒)とするとき、上記振動周期の上限としては、1/3tが好ましく、1/5tがより好ましい。上記振動周期が上記下限未満であると、バリS1に対して斜め方向から接する角度が浅くなるため、振動によるバリS1の除去向上効果が十分に得られないおそれがある。上記振動周期の下限としては、特に限定されないが、例えば1/20tとできる。上記振動周期が上記下限未満であると、第1クリーニングブラシ11を対象物Sの幅方向に高速に移動させる必要が生じ、当該クリーニング装置1の製造コストを不要に大きくするおそれや、電力消費が不要に増大してしまうおそれがある。
【0056】
(第2クリーニングブラシ)
第2クリーニングブラシ12は、
図3に示すように、円柱状の芯金12aと、複数の毛により形成され、芯金12aの周面へ設けられるブラシ部12bとを有する。第2クリーニングブラシ12は、第1クリーニングブラシ11と接触するように配置することもできるが、第2クリーニングブラシ12は第1クリーニングブラシ11と離れて配置されること、つまり一対のクリーニングブラシは離間して配置されることが好ましい。
【0057】
この第2クリーニングブラシ12は、上記一方の面との接点部分での回転方向が対象物Sの搬送方向に対して順方向であるので、主として順方向ヒゲバリS1bを除去できる。つまり、第2クリーニングブラシ12は上記回転方向が順方向であるので、ブラシ部12bの毛先が搬送方向上流側からバリS1に接触する。順方向ヒゲバリS1bは、搬送方向に沿って上流側が対象物S表面から浮いているので、この隙間にブラシ部12bの毛先が容易に入り込み、順方向ヒゲバリS1bを上方へ押し上げるので、順方向ヒゲバリS1bを対象物Sから剥ぎ取ることができる。
【0058】
以下、第2クリーニングブラシ12の構成について説明する。第2クリーニングブラシ12は、第1クリーニングブラシ11と回転方向が異なるため、その周速度が異なる点及びこの相違点に起因する構成が異なる点を除き第1クリーニングブラシ11と同様に構成できる。以下、上記相違点について説明し、第1クリーニングブラシ11と同様の構成については詳細説明を省略する。
【0059】
第2クリーニングブラシ12の周速度は、対象物Sの搬送速度より大きいことが好ましい。このように第2クリーニングブラシ12の周速度を対象物Sの搬送速度より大きくすることで、より確実にブラシ部12bの毛先をバリS1と対象物Sの表面との隙間に入れ込むことができる。
【0060】
第2クリーニングブラシ12の周速度と対象物Sの搬送速度との速度差の下限としては、1m/分が好ましく、3m/分がより好ましい。一方、上記速度差の上限としては、30m/分が好ましく、15m/分がより好ましい。上記速度差が下限未満であると、対象物Sの一方の面のバリS1を十分に掻き取れないおそれがある。逆に、上記速度差が上記上限を超えると、ブラシ部12bと対象物Sの一方の面との間の摩擦力が大きくなるため、対象物Sの搬送速度を維持できなくなるおそれがある。
【0061】
上述のように第1クリーニングブラシ11と第2クリーニングブラシ12とは、周速度の絶対値が異なり、一般に第2クリーニングブラシ12の方の周速度が大きく設定される。第2クリーニングブラシ12の方の周速度を大きくする方法としては、第1クリーニングブラシ11と第2クリーニングブラシ12とを同径として、第2クリーニングブラシ12の回転速度を大きくする方法が挙げられる。この方法では第1クリーニングブラシ11及び第2クリーニングブラシ12として、同種のクリーニングブラシを用いることができるので、当該クリーニング装置1の製造の低コスト化、容易化が促進される。また、別の方法としては、
図3に示すように、第2クリーニングブラシ12の直径を第1クリーニングブラシ11の直径より大きくとる方法が挙げられる。このとき直径の比は、同一の回転速度で所望の周速度が得られるように周速度の比となるように決定するとよい。この方法にあっては、同一の回転速度で当該クリーニング装置1を運転できるので、運転制御を容易化できる。
【0062】
<ローラ>
一対のローラ(第1ローラ13及び第2ローラ14)は、対象物Sの他方の面に上記一対のクリーニングブラシと対向して接触する。具体的には、第1ローラ13が対象物Sの他方の面に第1クリーニングブラシ11と対向して接触し、第2ローラ14が対象物Sの他方の面に第2クリーニングブラシ12と対向して接触する。
【0063】
(第1ローラ)
第1ローラ13は、第1クリーニングブラシ11と略平行にかつ対向する位置に回転自在に配設されている。
【0064】
この第1ローラ13は、対象物Sの搬送に伴って連れ回りする。つまり、第1ローラ13は、対象物Sの移動に伴って、対象物Sとの間の摩擦力で回転し、第1ローラ13自体の回転軸は、回転駆動されていない。
【0065】
第1ローラ13は、一部又は全部が導電性材料で形成される。このような導電性材料としては、例えばステンレス、アルミニウム等の金属材料や導電性樹脂が挙げられる。対象物Sに対する第1クリーニングブラシ11のブラシ部11bの押し込み量を正確に制御するためには、対象物Sをその下面で保持する第1ローラ13の硬度が高い方が有利である。この観点から、上記導電性材料としては硬度を確保し易い金属材料が好ましい。なお、第1ローラ13は、このような導電性材料のみで形成してもよく、このような導電性材料で形成された芯金の外周面を合成樹脂等の絶縁層が覆うような構成としてもよい。
【0066】
第1クリーニングブラシ11を帯電させて用いる場合、第1ローラ13は接地される。これにより、第1クリーニングブラシ11の電界の力による吸着効果が促進され、対象物Sの一方の面から除去されたバリS1が第1クリーニングブラシ11に吸着され易くなる。又は、第1ローラ13には電圧を印加しない構成とすることもできる。
【0067】
第1ローラ13の長さとしては、第1クリーニングブラシ11の芯金11aの長さと同じとするとよい。また、第1ローラ13の直径としては、特に限定されるものではないが、第1クリーニングブラシ11の直径と同じとするとよい。
【0068】
(第2ローラ)
第2ローラ14は、第2クリーニングブラシ12と略平行にかつ対向する位置に回転自在に配設されている。
【0069】
第2ローラ14は、第1ローラ13と同様に構成することができるので、詳細説明を省略する。なお、第2クリーニングブラシ12の直径が第1クリーニングブラシ11の直径よりも大きくされている場合にあっては、第2ローラ14の直径は第1ローラ13の直径と同じとすることが好ましい。第1ローラ13及び第2ローラ14の直径を同じ大きさとすることで、対象物Sを水平に搬送し易くすることができる。
【0070】
<バリ取りブラシ>
バリ取りブラシ30は、対象物SのタブTに、上記一方の面側から接触する。
【0071】
バリ取りブラシ30は、対象物Sの幅方向に超音波振動する。バリ取りブラシ30は、バリS1のうち主に搬送方向突出バリS1cの除去に効果がある。バリ取りブラシ30が幅方向に超音波振動すると、バリ取りブラシ30が搬送方向突出バリS1cと接触すると、この搬送方向突出バリS1cを激しく擦り、摩滅させることができる。この摩滅により搬送方向突出バリS1cが除去される。ここで、「幅方向に振動する」とは、振動に幅方向の成分が含まれていることを意味する。必ずしも搬送方向の成分が0であることを意味せず、従って、バリ取りブラシ30が幅方向に対して斜めに振動する場合も含み得る。ただし、除去効率の観点から搬送方向に対して垂直に振動することが好ましい。
【0072】
バリ取りブラシ30の超音波振動の振幅の下限としては、0.1mmが好ましく、0.15mmがより好ましい。一方、上記振幅の上限としては、0.5mmが好ましく、0.3mmがより好ましい。上記振幅が上記下限未満であると、搬送方向突出バリS1cを十分に摩滅できないおそれがある。逆に、上記振幅が上記上限を超えると、バリ取り効果の向上に比して振動のための消費電力が増大し過ぎ、電力効率が低下するおそれがある。また、機械的な負荷も大きくなり、装置の耐久性を損なうおそれがある。
【0073】
バリ取りブラシ30の超音波振動の周波数の下限としては、20kHzが好ましく、30kHzがより好ましい。一方、上記周波数の上限としては、100kHzが好ましく、50kHzがより好ましい。バリ取りブラシ30が搬送方向突出バリS1cに接触している時間は有限であるので、上記周波数が上記下限未満であると、搬送方向突出バリS1cを擦る回数が不足し、搬送方向突出バリS1cを十分に除去でないおそれがある。逆に、上記周波数が上記上限を超えると、バリ取り効果の向上に比して振動のための消費電力が増大し過ぎ、電力効率が低下するおそれがある。また、機械的な負荷も大きくなり、装置の耐久性を損なうおそれがある。
【0074】
当該クリーニング装置1では、バリ取りブラシ30が一対設けられており、対象物Sのそれぞれの側縁Eに対してバリ取りブラシ30が配設されている。このように両側縁Eにバリ取りブラシ30を配設することで、両側縁EのタブTに生じるバリS1を効果的に除去できる。
【0075】
バリ取りブラシ30は、他のローラ等と干渉しない限り任意の位置に配置することができるが、その配置位置としては、一対のクリーニングブラシより上記搬送方向の上流側が好ましい。このようにバリ取りブラシ30を、一対のクリーニングブラシより上記搬送方向の上流側に配置することで、バリ取りブラシ30の超音波振動によって、基端部が切り離されるには至らないまでもタブTとの結合が弱まったバリS1を、バリ取りブラシ30に続く一対のクリーニングブラシにより除去し得る。このため、タブTから上記搬送方向と平行に突出するバリS1を、より確実に除去することができる。
【0076】
タブTの前縁T1がバリ取りブラシ30を通過する際に、バリ取りブラシ30がタブTの前縁T1の全部に接触することが好ましい。対象物Sの幅方向のバリ取りブラシ30の長さを調整することで、前縁T1の全部に接触させることができる。このようにタブTの前縁T1がバリ取りブラシ30を通過する際に、バリ取りブラシ30がタブTの前縁T1の全部に接触するように構成することで、バリS1の取残しを低減することができる。なお、タブTが方形状である場合、バリ取りブラシ30がタブTの前縁T1の全部に接触すれば、バリ取りブラシ30はタブTの後縁T2の全部にも接触することとなる。従って、この構成で後縁T2のバリS1についても取残しを低減することができる。
【0077】
バリ取りブラシ30は、
図3に示すように、基台30aと、ブラシ部30bとを有する。基台30aは、ブラシ部30bを固定し支持する台座であり、ステンレスやアルミニウムなどの金属材料や樹脂、木材等で構成することができる。ブラシ部30bのブラシ素材としては、第1クリーニングブラシ11のブラシ部11bと同様とすることができるほか、ナイロンなどの一般的に繊維として用いられる合成繊維、植物性繊維や動物性繊維などの天然繊維、鋼線や真鍮線、ステンレス線などの金属繊維等を対象物Sに合わせて用いることができる。なお、ブラシ部30bは、帯電させてもよいが、帯電は必須の構成ではない。
【0078】
また、当該クリーニング装置1が、バリ取りブラシ30の取付位置を調整できる位置決め機構、及び/又は対象物Sへの当接圧を調整するためのダンパー機構を備えていることが好ましい。対象物Sの材質の違い等に応じてバリ取りブラシ30の位置や当接圧を調整することで、搬送方向突出バリS1cのバリ取り効率を高めることができる。
【0079】
<対向バリ取りブラシ>
対向バリ取りブラシ31は、タブTの他方の面側から、バリ取りブラシ30と対向して接触する。このようにタブTの他方の面側から、バリ取りブラシ30と対向して接触する対向バリ取りブラシ31を設けることで、バリS1を両面からブラシで挟み込んで摩滅させることができるので、より確実にバリS1を除去できる。
【0080】
対向バリ取りブラシ31は、基台31aと、ブラシ部31bとを有する。対向バリ取りブラシ31は、バリ取りブラシ30と同様に構成できるので、詳細説明を省略する。
【0081】
<その他の構成>
集塵ローラ15は、帯電かつ回転駆動されながら、表面が一対のクリーニングブラシの外周側と接触するよう、一対のクリーニングブラシと略平行に配設される。また、スクレーパー16は集塵ローラ15表面に付着した異物を掻き取り、異物誘導板17は、掻き取られた異物を、後述する異物回収部19aを経て異物排出部18へ誘導する。異物排出部18は、異物を第1クリーニングユニット10の外部へ排出する。
【0082】
集塵ローラ15、スクレーパー16、異物誘導板17及び異物排出部18は、一対のクリーニングブラシ、一対のローラと共にフレーム19の内側に収容されている。フレーム19は、対象物Sの搬送方向に略直交し、搬送方向の前後に配設される前板及び後板と、搬送方向に略平行かつ対象物S表面に対して略垂直に配設される一対の側板と、対象物S表面に略平行に配設される天板とを有する。上記天板は、上記一対の側板、前板及び後板の各上端に接続されている。
【0083】
図3に示す第1クリーニングユニット10では、第1クリーニングブラシ11の外周側に接触する第1集塵ローラ15aと、第2クリーニングブラシ12の外周側に接触する第2集塵ローラ15bとが独立して設けられ、それぞれの集塵ローラ15に一対のスクレーパー16(一対の第1スクレーパー16a及び一対の第2スクレーパー16b)が設けられている。また、それぞれのスクレーパー16に異物誘導板17(一対の第1異物誘導板17a及び一対の第2異物誘導板17b)が設けられている。以下、第1集塵ローラ15a、第1スクレーパー16a及び第1異物誘導板17aについて説明するが、第2集塵ローラ15b、第2スクレーパー16b及び第2異物誘導板17bについても同様の構成とできる。
【0084】
(第1集塵ローラ)
第1集塵ローラ15aの材質として、導電性材料が用いられる。このような導電性材料としては、例えばステンレス、アルミニウム等の金属材料が挙げられる。第1集塵ローラ15aとしてアルミニウム等の酸化し易い導電性材料を使用する場合には、第1集塵ローラ15aの表面にニッケルめっきや金めっき等の耐食性のめっき処理を行なうことが好ましい。
【0085】
第1クリーニングブラシ11を帯電させる場合、第1集塵ローラ15aには、第1クリーニングブラシ11への印加電圧よりも高い電圧を印加する。これにより、第1集塵ローラ15a表面が第1クリーニングブラシ11の外周側よりも電位が高くなるので、第1クリーニングブラシ11に付着した異物が第1集塵ローラ15a表面に吸着され、第1クリーニングブラシ11に付着の異物が第1集塵ローラ15aに移動する。これにより、第1クリーニングブラシ11に集積される異物の除去作業を省略又は軽減できる。
【0086】
なお、第1集塵ローラ15aの回転方向は、いずれの方向であってもよい。
【0087】
(第1スクレーパー)
第1スクレーパー16aは、例えば矩形状の板であり、軸方向に亘って第1集塵ローラ15a表面に接触可能な部分を有している。
図3の第1クリーニングユニット10では、第1スクレーパー16aは側面視で第1集塵ローラ15aの両側に一対設けられているが、第1スクレーパー16aの配設数は1であってもよい。ここで、第1スクレーパー16aの第1集塵ローラ15a表面に接触する長辺を先端部と呼ぶこととする。
【0088】
第1スクレーパー16aは、熱硬化性ポリウレタン等の合成樹脂製の弾性体などで形成される。第1集塵ローラ15aの回転に伴い、第1集塵ローラ15a表面に接触する第1スクレーパー16aの先端部によって第1集塵ローラ15a表面に付着した異物が掻き取られる。これにより、第1集塵ローラ15a表面が異物の除去された清浄な状態となる。
【0089】
(第1異物誘導板)
第1異物誘導板17aは、例えば矩形状の板であり、第1スクレーパー16aの直下から後述するフレーム19に設けられた異物回収部19aの直上に亘って、一方の面が上方に向くように配設されている。また、第1異物誘導板17aは異物回収部19a側が下がるように傾斜して設けられている。この配置により、第1スクレーパー16aにより掻き取られた異物は、第1異物誘導板17aの表面に落下し、第1異物誘導板17aの傾斜によって異物回収部19aの直上に誘導され、異物回収部19aに落下して回収される。
【0090】
なお、
図3に示す第1クリーニングユニット10では、一対のクリーニングブラシに対して集塵ローラ15、スクレーパー16及び異物誘導板17が独立して設けられているが、1つの集塵ローラ15を一対のクリーニングブラシの外周側に接触するように配置することで、集塵ローラ15、スクレーパー16及び異物誘導板17を共有する構成とすることも可能である。
【0091】
(異物回収部)
フレーム19の前板及び後板の下部やフレーム19の中央下部等には、異物回収部19a、19bが設けられている。
図3に示す第1クリーニングユニット10では、異物回収部19a、19bはフレーム19の一部として構成されているが、フレーム19とは独立して構成することもできる。
【0092】
傾斜して設けられる異物誘導板17の下端の直下に設けられている異物回収部19aは、異物誘導板17から落下する異物を回収する。異物回収部19aは、1つの異物誘導板17に対して1つ設けられてもよいが、
図3のフレーム19の中央下部の異物回収部19aのように、1つの異物回収部19aで2以上の異物誘導板17からの異物を回収するように設けてもよい。
【0093】
バリ取りブラシ30及び対向バリ取りブラシ31の直下に設けられている異物回収部19bは、バリ取りブラシ30及び対向バリ取りブラシ31から落下する異物を回収する。
【0094】
異物回収部19a、19bの形状は、特に限定されないが、皿状、すなわち端部が上方へ屈曲した平板とすることが好ましい。異物回収部19a、19bの形状を皿状とすることで、回収した異物が異物回収部19a、19bの外へ散逸することを抑止できる。
【0095】
(異物排出部)
異物排出部18は、異物回収部19a、19bに回収された異物を第1クリーニングユニット10の外部へ排出する。異物排出部18は、それぞれの異物回収部19a、19bに設けられている(異物回収部19bに対応する異物排出部18は
図3では不図示)。
図3に示す第1クリーニングユニット10では、異物排出部18は、吸引ダクトとして構成され、吸引装置(不図示)により、異物回収部19a、19bに溜まった異物を吸引ダクトを介して吸引し、第1クリーニングユニット10の外部へ排出する。
【0096】
なお、異物排出部18の構成は、吸引ダクトに限定されるものではなく、例えばブラシ等により掃き出す構成など、他の構成を採用することもできる。
【0097】
〔第2クリーニングユニット〕
第2クリーニングユニット20は、一対のクリーニングブラシ(第3クリーニングブラシ21及び第4クリーニングブラシ22)と、一対のローラ(第3ローラ23及び第4ローラ24)と、集塵ローラ及びスクレーパーと、フレームとを備える。
【0098】
一対のクリーニングブラシ(第3クリーニングブラシ21及び第4クリーニングブラシ22)は、第1クリーニングユニット10の一対のクリーニングブラシと同様に、円柱状の芯金と、複数の毛により形成され、上記芯金の周面へ設けられるブラシ部とを有し、ブラシ部が対象物Sの他方の面の少なくとも両側縁部に接触するように回転駆動される。また、第3クリーニングブラシ21の上記他方の面との接点部分での回転方向が対象物Sの搬送方向に対して逆方向であり、第4クリーニングブラシ22の上記他方の面との接点部分での回転方向が対象物Sの搬送方向に対して順方向である。つまり、当該クリーニング装置1は、上記一対のクリーニングブラシのうち、他方のクリーニングブラシ(第4クリーニングブラシ22)の上記他方の面との接点部分での回転方向が対象物Sの搬送方向に対して順方向であり、他方のクリーニングブラシ(第3クリーニングブラシ21)の上記他方の面との接点部分での回転方向が対象物Sの搬送方向に対して逆方向である。
【0099】
一対のローラは、対象物Sの一方の面に上記一対のクリーニングブラシと対向して接触する。具体的には、第3ローラ23が対象物Sの一方の面に第3クリーニングブラシ21と対向して接触し、第4ローラ24が対象物Sの他方の面に第4クリーニングブラシ22と対向して接触する。
【0100】
上述のように一対のクリーニングブラシ及び一対のローラの接触する対象物Sの面が異なる点、第1クリーニングユニット10はバリ取りブラシ30及び対向バリ取りブラシ31が、第2クリーニングユニット20は備えない点以外、第2クリーニングユニット20は、第1クリーニングユニット10と同様に構成できるので、他の詳細説明は省略する。
【0101】
〔ガイド〕
当該クリーニング装置1は、対象物SがタブTを有するので、ガイドを備えることが好ましい。このようにガイドを備えることで、対象物SのタブTが各ブラシに突入する際に引っ掛からずスムーズに通過できるようになる。
【0102】
上記ガイドは、第1クリーニングユニット10に取り付けられる第1ガイドと、第2クリーニングユニット20に取り付けられる第2ガイドとを有する構成とできる。このようにクリーニングユニット毎にガイドを設けることで、当該クリーニング装置1のユニット化を行い易く、当該クリーニング装置1の製造効率を高められる。以下、第1ガイドと第2ガイドとは同様に構成できるので、第1ガイドを例に取り説明する。
【0103】
第1ガイドは、例えば搬送方向に沿って対象物Sの両側に配置される一対の帯状体から構成される。各帯状体は対向する2枚の板を有し、上記2枚の板の間を対象物SのタブTが通過可能に構成されている。上記板としては、ステンレス等の金属製の板を用いることができる。
【0104】
上記2枚の板は、搬送方向の上流側の端部が上流側に向かって上下方向に拡幅しているとよい。この構成により、搬送方向上流側から移動してきたタブTを確実に上記2枚の板の間に挟み込むことができる。
【0105】
また、上記2枚の板は、少なくとも搬送方向の下流側の端部で共にタブTに当接するように上下方向の幅が調整されている。この構成により、対象物Sが上下方向に揺動することを抑止できるので、一対のクリーニングブラシ及び一対のローラを対象物Sに確実に接触させることができる。
【0106】
なお、一対の帯状体は、対象物Sの幅方向に連続していてもよいが、少なくとも一対のクリーニングブラシ及び一対のローラが対象物Sと接触する位置には、配設されない。
【0107】
なお、上記実施形態では第1クリーニングユニット10が第1ガイドを有し、第2クリーニングユニット20が第2ガイドを有する場合を説明したが、第1ガイド及び第2ガイドを一体化して、1つのガイドとして設けることも可能である。
【0108】
〔利点〕
当該クリーニング装置1は、上記一方の面側から対象物SのタブTに接触するバリ取りブラシ30を備える。このバリ取りブラシ30は、対象物Sの幅方向に超音波振動する。このとき、タブTから搬送方向と平行に突出するバリS1は、その先端部は上記幅方向に延びており、バリ取りブラシ30の超音波振動により幅方向の摩擦を受け、摩滅する。このため、当該クリーニング装置1は、対象物Sの搬送方向に突出するように生じたバリS1を効果的に除去できる。
【0109】
また、当該クリーニング装置1は、順方向に回転駆動される第2クリーニングブラシ12及び第4クリーニングブラシ22によって搬送方向の上流側が対象物Sから浮いて離れているバリS1を除去し、逆方向に回転駆動される第1クリーニングブラシ11及び第3クリーニングブラシ21によって搬送方向の下流側が対象物Sから浮いて離れているバリS1を除去することができる。これらのクリーニングブラシにより、対象物Sの両面から上方に浮いているバリS1及び対象物Sの搬送方向に平行な一対の側縁Eから外側へ突出するようなバリS1を除去することができる。従って、当該クリーニング装置1は、対象物Sに生じるバリS1の多くを除去することができる。
【0110】
[第二実施形態]
以下、本発明の第二実施形態について適宜図面を参照しつつ詳説する。
【0111】
図4及び
図5に示すクリーニング装置2は、搬送されるシート状の対象物Sの一方の面をクリーニングするクリーニング装置である。
【0112】
対象物Sは、搬送方向に平行な一対の側縁Eを有し、両方の側縁Eから幅方向外側に向かって突出するタブTを備えている。対象物Sは、第一実施形態の対象物Sと同様であるので、同一符号を付して、他の詳細説明を省略する。
【0113】
当該クリーニング装置2は、対象物SのタブTに、上記一方の面側から接触するバリ取りブラシ30を備え、バリ取りブラシ30が、対象物Sの幅方向に超音波振動する。また、当該クリーニング装置2は、タブTの他方の面側から、バリ取りブラシ30と対向して接触する対向バリ取りブラシ31を備える。バリ取りブラシ30及び対向バリ取りブラシ31は、第一実施形態のバリ取りブラシ30及び対向バリ取りブラシ31と同様に構成できるので、同一符号と付して詳細説明を省略する。
【0114】
当該クリーニング装置2は、上記一方の面に接触して回転駆動される一対のクリーニングブラシ(第1クリーニングブラシ41及び第2クリーニングブラシ42)と、上記対象物Sの他方の面に上記一対のクリーニングブラシと対向して接触する一対のローラ(第1ローラ43及び第2ローラ44)と、表面を帯電させた状態で上記一方の面に接触するクリーニングローラ45と、上記対象物Sの他方の面にクリーニングローラ45と対向して接触する第3ローラ46とを備える。
【0115】
当該クリーニング装置2では、上記一対のクリーニングブラシのうち、一方のクリーニングブラシ(第1クリーニングブラシ41)の上記一方の面との接点部分での回転方向が対象物Sの搬送方向に対して順方向であり、他方のクリーニングブラシ(第2クリーニングブラシ42)の上記一方の面との接点部分での回転方向が対象物Sの搬送方向に対して逆方向である。また、クリーニングローラ45の上記一方の面との接点部分での回転方向が対象物Sの搬送方向に対して順方向である。
【0116】
当該クリーニング装置2は、上記一方のクリーニングブラシ(第1クリーニングブラシ41)、上記他方のクリーニングブラシ(第2クリーニングブラシ42)、及びクリーニングローラ45が上記搬送方向の上流側からこの順に配置されている。また、上記他方のクリーニングブラシ(第2クリーニングブラシ42)が上記一方の面の幅方向に亘って接触している。
【0117】
<第1クリーニングブラシ>
第1クリーニングブラシ41は、第一実施形態における第2クリーニングブラシ12と同様に構成できるので、詳細説明を省略する。この第1クリーニングブラシ41は、上記一方の面との接点部分での回転方向が対象物Sの搬送方向に対して順方向であるので、主として順方向ヒゲバリS1bを除去できる。
【0118】
<第2クリーニングブラシ>
第2クリーニングブラシ42は、上述のように対象物Sの一方の面の幅方向に亘って接触している。この点以外は、第2クリーニングブラシ42は、第一実施形態における第1クリーニングブラシ11と同様に構成できるので、他の構成の詳細説明は省略する。
【0119】
第2クリーニングブラシ42は、対象物Sの一方の面との接点部分での回転方向が対象物Sの搬送方向に対して逆方向となるよう回転駆動される。従って、第2クリーニングブラシ42は、主として逆方向ヒゲバリS1aを除去できる。また、第2クリーニングブラシ42は対象物Sの一方の面の幅方向に亘って接触しているので、対象物Sの一方の面に接触する際に、対象物Sの一方の面に付着の異物が掻き起こされる。なお、上記掻き起こしにより比較的大きなミリサイズの異物が掻き起こされるので、第2クリーニングブラシ42によって対象物Sの一方の面から比較的大きなミリサイズの異物が効果的に除去される。
【0120】
<クリーニングローラ>
クリーニングローラ45は、
図5に示すように、円柱状の芯金45aと、この芯金45aの周面を覆う円筒状の内層部45bと、この内層部45bの外周面を覆う薄膜円筒状の外層部45cとを有する。
【0121】
芯金45aは、導電性材料で構成される。上記導電性材料としては、例えばステンレスやアルミニウムなどの金属材料を挙げることができる。
【0122】
芯金45aの中心軸がクリーニングローラ45の回転軸となり、回転自在に配設されている。当該クリーニング装置2では、上記回転軸が搬送方向と略垂直であり、かつ対象物Sの一方の面と略平行である。このクリーニングローラ45は、対象物Sの搬送に伴って連れ回りする。つまり、クリーニングローラ45は、対象物Sの移動に伴って、対象物Sとの間の摩擦力で回転し、クリーニングローラ45の回転軸は、回転駆動されていない。
【0123】
内層部45bの材質として、導電性を有する弾性部材が用いられる。このような弾性部材として、例えばカーボンを含むポリエステル系ウレタン等が挙げられる。
【0124】
外層部45cの材質としては、対象物Sの一方の面に付着の異物を電界の力により吸着する電荷を帯電し得るものであればよく、例えばアクリル混合ポリウレタンやフッ素混合ポリウレタンなどのポリウレタンが挙げられる。外層部45cをポリウレタンで形成することで、シリコーン樹脂やブチルゴムなどで形成する場合に比べて耐摩耗性が優れ、可塑剤や低分子量物による汚染を低減することができる。
【0125】
上記アクリル混合ポリウレタンとは、ポリエステルポリウレタン又はポリエーテルポリウレタンを主成分とし、さらに(1)熱可塑性ポリウレタン及びシリコン・アクリル共重合樹脂、(2)アクリル樹脂(例えばメタクリル酸-メタクリル酸メチル共重合体からなる主鎖にアミノエチル基がグラフトされてなるグラフト化合物)及び熱可塑性ポリウレタン、又は(3)アクリル樹脂、ポリウレタン及びフッ素系表面コーティング剤を含む混合物を意味する。外層部45cの材質としてアクリル混合ポリウレタンを用いることにより、マイナスに帯電し易い異物が対象物Sの一方の面から除去され易くなる。なお、「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば50質量%以上含有される成分である。
【0126】
また、上記フッ素混合ポリウレタンとは、ポリウレタンを主成分とするもので、熱可塑性ポリウレタン及びウレタン・フッ素共重合体を含む混合物を意味する。外層部45cの材質としてフッ素混合ポリウレタンを用いることにより、プラスに帯電し易い異物が対象物Sから除去され易くなる。
【0127】
外層部45cの平均厚さの下限としては、2μmが好ましく、5μmがより好ましい。一方、外層部45cの平均厚さの上限としては、500μmが好ましく、50μmがより好ましい。外層部45cの平均厚さが上記下限未満であると、クリーニングローラ45表面を十分に帯電させることができず、異物の吸着効果が十分に得られないおそれがある。逆に、外層部45cの平均厚さが上記上限を超えると、異物を吸着するための良好な帯電特性が得られないおそれがある。
【0128】
上述のようにクリーニングローラ45は、表面が搬送される対象物Sと接触することにより連れ回りする。つまり、クリーニングローラ45は、対象物Sの一方の面との接点部分において対象物Sの搬送方向と順方向となるよう回転する。クリーニングローラ45は帯電しているので、搬送される対象物Sの一方の面がクリーニングローラ45表面と近接する際、電界の力により対象物Sの一方の面の異物がクリーニングローラ45に吸着される。当該クリーニング装置2では、この電界の力によるクリーニングローラ45表面への吸着により微細な異物も効果的に除去できる。
【0129】
帯電して用いられるクリーニングローラ45への印加電圧の下限としては、例えば-400Vであり、-200Vが好ましい。一方、上記印加電圧は、例えば0V未満であり、-50V以下が好ましい。クリーニングローラ45への印加電圧を上記範囲とすることで、比較的微細な異物を効率的に除去することができる。なお、印加電圧の基準電位(0V電位)は、第3ローラ46の回転軸である。以降に述べる印加電圧の基準電位についても同様である。
【0130】
<ローラ>
第1ローラ43は、第1クリーニングブラシ41と略平行にかつ対向する位置に回転自在に配設されている。第2ローラ44は、第2クリーニングブラシ42と略平行にかつ対向する位置に回転自在に配設されている。また、第3ローラ46は、クリーニングローラ45と略平行にかつ対向する位置に回転自在に配設されている。
【0131】
これらのローラは、接地されており、対象物Sの搬送に伴って連れ回りする。これらのローラは、第一実施形態の第1ローラ13と同様に構成することができるので、詳細説明を省略する。
【0132】
<その他の構成>
当該クリーニング装置2は、第1クリーニングブラシ41と略平行に配設され、表面を帯電させた状態で第1クリーニングブラシ41の外周側に接触させる第1集塵ローラと、上記第1集塵ローラ表面に付着した異物を掻き取る第1スクレーパーとを備えてもよい。上記第1集塵ローラ及び第1スクレーパーは、第一実施形態の第1集塵ローラ15a及び第1スクレーパー16aと同様に構成できるので、詳細説明を省略する。
【0133】
また、当該クリーニング装置2は、
図6に示すように、帯電かつ回転駆動させつつクリーニングローラ45表面に接触させるブラシローラ47と、第2クリーニングブラシ42及びブラシローラ47と略平行に配設され、表面を帯電させた状態で第2クリーニングブラシ42及びブラシローラ47の外周側に接触させる1の第2集塵ローラ48と、第2集塵ローラ48表面に付着した異物を掻き取る第2スクレーパー49とをさらに備える。
【0134】
(ブラシローラ)
ブラシローラ47は、クリーニングローラ45と略平行に配設される。
【0135】
ブラシローラ47は、円柱状の芯金47aと、複数の毛により形成され、芯金47aの周面へ設けられるブラシ部47bとを有する。
【0136】
芯金47a及びブラシ部47bとしては、例えば第一実施形態で説明した第1クリーニングブラシ11の芯金11a及びブラシ部11bと同様の材質のものを用いることができる。
【0137】
なお、回転駆動されるブラシローラ47の回転方向は、いずれの方向でもよいが、クリーニングローラ45とブラシローラ47との接点部分において互いの周面における移動方向が逆向きとなるとよい。このようにブラシローラ47を回転させることで、クリーニングローラ45表面に付着の異物が掻き起こされ易くなるため、異物がブラシローラ47に移動し易くなる。この場合、ブラシローラ47は、クリーニングローラ45と同じ回転方向に回転駆動することとなる。
【0138】
ブラシローラ47には、クリーニングローラ45への印加電圧よりも同極性かつ絶対値が高い電圧を印加する。これにより、ブラシローラ47の外周側がクリーニングローラ45表面よりも電位が高くなるので、クリーニングローラ45表面に付着した異物がブラシローラ47に吸着され、クリーニングローラ45表面の異物がブラシローラ47に移動する。
【0139】
具体的なブラシローラ47への印加電圧(芯金47aに印加される電圧)の下限としては、-800Vが好ましく、-600Vがより好ましい。一方、上記印加電圧の上限としては、-200Vが好ましく、-300Vがより好ましい。
【0140】
(第2集塵ローラ)
第2集塵ローラ48は、帯電かつ回転駆動されながら、表面が第2クリーニングブラシ42の外周側及びブラシローラ47の外周側と接触するよう、第2クリーニングブラシ42及びブラシローラ47と略平行に配設される。
【0141】
第2集塵ローラ48の材質は、第一実施形態で説明した第1集塵ローラ15aと同様とできる。
【0142】
第2集塵ローラ48の回転方向は、いずれの方向であってもよい。第2集塵ローラ48は、後述する第2スクレーパー49により第2集塵ローラ48表面から掻き取られる異物が回収され易い回転方向で駆動するとよい。
【0143】
第2集塵ローラ48には、ブラシローラ47への印加電圧よりも同極性かつ絶対値が高い電圧を印加する。これにより、第2集塵ローラ48表面が第2クリーニングブラシ42及びブラシローラ47の外周側よりも電位が高くなるので、第2クリーニングブラシ42及びブラシローラ47に付着した異物が第2集塵ローラ48表面に吸着され、第2クリーニングブラシ42及びブラシローラ47に付着の異物が第2集塵ローラ48に移動する。これにより、第2クリーニングブラシ42及びブラシローラ47に集積される異物の除去作業を省略又は軽減できる。
【0144】
具体的な第2集塵ローラ48への印加電圧の下限としては、-1500Vが好ましく、-1200Vがより好ましい。一方、上記印加電圧の上限としては、-400Vが好ましく、-600Vがより好ましい。上記印加電圧を上記範囲内とすることで、ブラシローラ47に付着した異物を第2集塵ローラ48の外周面に吸着させることができる。
【0145】
また、第2集塵ローラ48への印加電圧とブラシローラ47への印加電圧との差の絶対値の下限としては、200Vが好ましく、300Vがより好ましい。一方、上記差の絶対値の上限としては、600Vが好ましく、500Vがより好ましい。上記差を上記範囲内とすることで、ブラシローラ47に付着した異物を第2集塵ローラ48の外周面に効果的に吸着させることができる。
【0146】
(第2スクレーパー)
第2スクレーパー49は、例えば矩形状の板であり、軸方向に亘って第2集塵ローラ48表面に接触可能な部分を有している。第2スクレーパー49は、例えば第一実施形態の第1スクレーパー16aと同様のものを用いることができるので、詳細説明を省略する。
【0147】
(停止機構)
当該クリーニング装置2は、対象物Sの搬送停止時に動作する停止機構を備えてもよい。上記停止機構としては、例えば
図7に示すように、クリーニングローラ45を対象物Sの表面と接触しない位置に移動させる機構を挙げることができる。以下、
図7に示す停止機構について説明する。
【0148】
この停止機構では、対象物Sの搬送が停止した際に速やかにクリーニングローラ45を上方へ移動させ、対象物Sの表面と非接触状態とする。具体的には、例えば対象物Sの搬送速度が0となったことを検知し、この検知信号に従ってクリーニングローラ45を上方へ移動させる方法を用いることができるが、この方法に限定されるものではない。
【0149】
クリーニングローラ45を上方へ移動させる移動距離としては、対象物Sの表面と非接触であれば特に限定されないが、例えば1mm以上10mm以下とできる。上記移動距離が上記下限未満であると、クリーニングローラ45が対象物Sの表面と接触するおそれがある。逆に、上記移動距離が上記上限を超えると、当該クリーニング装置2の他の構成要素と干渉するおそれがある。例えば、クリーニングローラ45を上方へ移動させると、ブラシローラ47に強く当接することとなるが、上記移動距離が上記上限以下であれば、ブラシローラ47の毛が撓むことで吸収され、ブラシローラ47の動作と干渉することを抑止できる。
【0150】
以下、この停止機構の動作を説明する。
図6には、対象物Sが搬送されている場合の各ローラの回転方向が示されている。クリーニングローラ45は連れ回りするように構成されており、対象物Sの搬送がクリーニングローラ45を対象物Sの搬送方向に対して順方向に回転させようとし、回転駆動されているブラシローラ47がクリーニングローラ45を対象物Sの搬送方向に対して逆方向に回転させようとする。両者が回転させようとする方向は互いに逆方向であるが、ブラシローラ47は毛の部分でクリーニングローラ45と接触するためブラシローラ47を連れ回す力が弱いこと、ブラシローラ47のクリーニングローラ45に対する押し込み量が適度に調整されていることなどから、クリーニングローラ45は対象物Sに対して連れ回りする。
【0151】
ここで対象物Sの搬送が停止した場合、クリーニングローラ45を対象物Sに接触したままとしていると、対象物Sの搬送がクリーニングローラ45を対象物Sの搬送方向に対して順方向に回転させようとする力が働かないため、ブラシローラ47がクリーニングローラ45を対象物Sの搬送方向に対して逆方向に回転させることとなる。この場合、
図7に示すように、クリーニングローラ45は、対象物Sを搬送方向の上流側に押し返すように回転するから、クリーニングローラ45を対象物Sに接触させたままとしておくと、第2クリーニングブラシ42との間で対象物Sに皺を発生させてしまうおそれがある。上記停止機構は、クリーニングローラ45を対象物Sの表面と接触しない位置に移動させることで、このクリーニングローラ45による対象物Sの皺の発生を抑止することができる。
【0152】
なお、上記停止機構の構成は、クリーニングローラ45を上方へ移動させる方法に限定されるものではなく、例えば第3ローラ46を下方へ移動させる構成としてもよい。
【0153】
〔ガイド〕
当該クリーニング装置2においても、対象物SがタブTを有するので、ガイドを備えることが好ましい。上記ガイドは、例えば第一実施形態の第1ガイドと同様に構成することができるので、詳細説明を省略する。
【0154】
〔利点〕
当該クリーニング装置2は、バリS1を効果的に除去できるとともに、除去したバリS1を含め、対象物Sの一方の面に付着する異物をその大きさによらず効果的に除去することができる。かつ、当該クリーニング装置2は、第1クリーニングブラシ41、第2クリーニングブラシ42及びクリーニングローラ45の合計3本で構成できるため、小型化し易い。
【0155】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
【0156】
上記実施形態では、対象物が、タブを両方の側縁に備えている場合を説明したが、上記タブは、一対の側縁うちの一方の側縁のみから幅方向外側に向かって突出していてもよい。この場合、バリ取りブラシは上記対象物のタブに一方の面側から接触するように配設される。あるいは、タブを両方の側縁に備えている場合であっても、一方の側縁に位置するタブにのみバリ取りブラシを配置しても、一定の効果を奏する。
【0157】
上記実施形態では、対象物のタブが方形状である場合を説明したが、タブの形状は方形状に限定されるものではなく、例えば半円状等であってもよい。
【0158】
上記実施形態では、対向バリ取りブラシを備える場合を説明したが、対向バリ取りブラシは必須の構成ではなく、省略可能である。対向バリ取りブラシを備えない、すなわちバリ取りブラシのみで構成されるクリーニング装置であっても、同様の効果を奏する。
【0159】
上記第一実施形態では、当該クリーニング装置が対象物の両面をクリーニングする場合を説明したが、本発明のクリーニング装置は、対象物の片面のみをクリーニングするものであってもよい。この場合、例えば第2クリーニングユニットを省略し、第1クリーニングユニットのみとすることができる。
【0160】
逆に、上記第二実施形態では、当該クリーニング装置が対象物の一方の面をクリーニングする場合を説明したが、本発明のクリーニング装置は、対象物の両面をクリーニングするものであってもよい。この場合、対象物の両面をクリーニングするクリーニング装置にあっては、対象物の他方の面に接触する一対のクリーニングブラシ及び表面を帯電させた状態で上記他方の面に接触するクリーニングローラをさらに備えることとなる。
【0161】
対象物の表面のクリーニングを一つの面のみ行う場合、バリ取りブラシとクリーニングブラシ等とが配設される面は異なってもよい。つまり、バリ取りブラシが対象物のタブに一方の面側から接触し、クリーニングブラシ等は他方の面から接触する構成とすることも可能である。
【0162】
さらに、当該クリーニング装置の対象物の表面をクリーニングする構成として、上記第一実施形態及び第二実施形態以外の構成を採用してもよい。あるいは、表面をクリーニングする構成を備えていなくともよい。タブのバリ取りのみを目的としてバリ取りブラシのみを備えるクリーニング装置とすることも可能である。
【0163】
上記第一実施形態では、対象物の搬送方向の上流側に回転方向が逆方向であるクリーニングブラシを配置し、下流側に回転方向が順方向であるクリーニングブラシを配置したが、この順序は逆、つまり対象物の搬送方向の上流側に回転方向が順方向であるクリーニングブラシを配置し、下流側に回転方向が逆方向であるクリーニングブラシを配置することもできる。また、第1クリーニングユニットと第2クリーニングユニットとで配置順序を一致させる必要はなく、両者で順序が異なってもよい。さらに、第1クリーニングユニットの一対のクリーニングブラシと第2クリーニングユニットの一対のクリーニングブラシとが入れ子に配置されてもよい。具体的には、例えば対象物の一方の面に接触し順方向に回転する第1クリーニングブラシ、他方の面に接触し順方向に回転する第2クリーニングブラシ、一方の面に接触し逆方向に回転する第3クリーニングブラシ、他方の面に接触し逆方向に回転する第4クリーニングブラシの順に配置することも可能である。
【0164】
上記実施形態では、一対のクリーニングブラシの回転軸が対象物の搬送方向と略垂直であり、かつ対象物の一方の面と略平行である場合を説明したが、上記回転軸は対象物の搬送方向と略垂直でなくともよい。つまり、上記回転軸が対象物の幅方向に対して傾斜を有してもよい。このように回転軸を対象物の幅方向に対して傾斜を有する配置、すなわち幅方向に対して非平行かつ非垂直とすることで、一対のクリーニングブラシを振動させた場合と同様の効果が得られる。
【0165】
上記第二実施形態では、第1集塵ローラにより第1クリーニングブラシの異物除去作業を行い、第2集塵ローラにより第2クリーニングブラシ及びクリーニングローラの異物除去作業を行う場合を説明したが、異物除去作業を行う集塵ローラの構成はこれに限定されるものではない。例えば第1クリーニングブラシ、第2クリーニングブラシ及びクリーニングローラにそれぞれ集塵ローラを設ける構成や、第1クリーニングブラシ及び第2クリーニングブラシの異物除去作業に共通の第1集塵ローラを設け、クリーニングローラの異物除去作業に第2集塵ローラを設ける構成等とすることもできる。
【0166】
また、異物除去を行う手段は上記実施形態の集塵ローラ等を用いる構成に限定されるものではなく、他の構成を採用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0167】
以上説明したように、本発明のクリーニング装置は、対象物の搬送方向に突出するように生じたバリを効果的に除去できる。
【符号の説明】
【0168】
1、2 クリーニング装置
10 第1クリーニングユニット
11 第1クリーニングブラシ
11a 芯金
11b ブラシ部
12 第2クリーニングブラシ
12a 芯金
12b ブラシ部
13 第1ローラ
14 第2ローラ
15 集塵ローラ
15a 第1集塵ローラ
15b 第2集塵ローラ
16 スクレーパー
16a 第1スクレーパー
16b 第2スクレーパー
17 異物誘導板
17a 第1異物誘導板
17b 第2異物誘導板
18 異物排出部
19 フレーム
19a、19b 異物回収部
20 第2クリーニングユニット
21 第3クリーニングブラシ
22 第4クリーニングブラシ
23 第3ローラ
24 第4ローラ
30 バリ取りブラシ
30a 基台
30b ブラシ部
31 対向バリ取りブラシ
31a 基台
31b ブラシ部
41 第1クリーニングブラシ
42 第2クリーニングブラシ
43 第1ローラ
44 第2ローラ
45 クリーニングローラ
45a 芯金
45b 内層部
45c 外層部
46 第3ローラ
47 ブラシローラ
47a 芯金
47b ブラシ部
48 第2集塵ローラ
49 第2スクレーパー
S 対象物
S1 バリ
S1a 逆方向ヒゲバリ
S1b 順方向ヒゲバリ
S1c 搬送方向突出バリ
E 側縁
T タブ
T1 前縁
T2 後縁