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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054457
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】平面アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 19/13 20060101AFI20240410BHJP
   H01Q 1/42 20060101ALI20240410BHJP
   H01Q 9/16 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
H01Q19/13
H01Q1/42
H01Q9/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160667
(22)【出願日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000227892
【氏名又は名称】日本アンテナ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102635
【弁理士】
【氏名又は名称】浅見 保男
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】弁理士法人ひのき国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 元樹
【テーマコード(参考)】
5J020
5J046
【Fターム(参考)】
5J020BA06
5J020BC09
5J020BC12
5J046EA03
(57)【要約】
【課題】 地上デジタル放送を受信可能な平面アンテナを備え、金属導体が平面アンテナに近接されて使用されても平面アンテナの性能を維持すること。
【解決手段】 第1平面アンテナ1aと第2平面アンテナ1bとが同じ平面上に所定の間隔だけ離隔されて線対称に配置された平面アンテナ1を備え、第1平面アンテナ1aと第2平面アンテナ1bとの間を塞ぐと共に、第1アンテナ素子10aおよび第2アンテナ素子10bの一部に重なるように、第1アンテナ素子10aおよび第2アンテナ素子10bの前方に金属導体が配置されている。このように、第1アンテナ素子10aおよび第2アンテナ素子10bの一部に金属導体が重なっていても、第1アンテナ素子10aおよび第2アンテナ素子10bの全部が金属導体で覆われないようにしたので、平面アンテナ1の性能が維持されることが確かめられた。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1アンテナ素子と、該第1アンテナ素子の後方側に所定の間隔で配置した第1後方素子とから構成される第1平面アンテナと、
第2アンテナ素子と、該第2アンテナ素子の後方側に所定の間隔で配置した第2後方素子とから構成され、前記第1平面アンテナが配置された平面上に所定の間隔だけ離隔されて線対称に配置された第2平面アンテナと、
前記第1平面アンテナと前記第2平面アンテナとの間を塞ぐと共に、前記第1アンテナ素子および前記第2アンテナ素子の一部に重なるように、前記第1アンテナ素子および前記第2アンテナ素子の前方に配置された金属導体とを備え、
前記第1アンテナ素子は、中央部に形成された2つの給電点と、該2つの給電点の上側に形成されている第1開口部と、該2つの給電点の下側に形成されている第2開口部とを有しており、前記第2アンテナ素子は、中央部に形成された2つの給電点と、該2つの給電点の上側に形成されている第3開口部と、該2つの給電点の下側に形成されている第4開口部とを有していることを特徴とする平面アンテナ装置。
【請求項2】
前記第1開口部ないし前記第4開口部が、ほぼ同形状の矩形状とされていることを特徴とする請求項1に記載の平面アンテナ装置。
【請求項3】
前記金属導体は前記第1アンテナ素子および前記第2アンテナ素子の前方に所定間隔離隔されて配置されており、前記第1開口部および前記第2開口部の全部と、前記第3開口部および前記第4開口部の全部とが前記金属導体で塞がれないことを特徴とする請求項2に記載の平面アンテナ装置。
【請求項4】
前記第1開口部ないし前記第4開口部が、多角形形状とされていることを特徴とする請求項1に記載の平面アンテナ装置。
【請求項5】
前記金属導体は複数の金属導体とされ、前記第1開口部および前記第2開口部の全部と、前記第3開口部および前記第4開口部の全部とが前記複数の金属導体で塞がれないと共に、前記第1平面アンテナおよび前記第2平面アンテナの前方に所定間隔離隔されて前記複数の金属導体が配置されていることを特徴とする請求項4に記載の平面アンテナ装置。
【請求項6】
樹脂製の箱状のケースに前記第1平面アンテナおよび前記第2平面アンテナが収納されており、前記第1開口部および前記第2開口部の全部と、前記第3開口部および前記第4開口部の全部とが塞がれないように、該ケースの前面に前記金属導体が装着されていることを特徴とする請求項4に記載の平面アンテナ装置。
【請求項7】
前記第1平面アンテナと前記第2平面アンテナとの間を塞ぐと共に、前記第1アンテナ素子および前記第2アンテナ素子の前面の一部に重なるように、前記金属導体が装着されていることを特徴とする請求項4に記載の平面アンテナ装置。
【請求項8】
前記第1後方素子に複数の第5開口部が形成されていると共に、前記第2後方素子に複数の第6開口部が形成されており、前記第1後方素子の両側の側縁が前記第1アンテナ素子方向に屈曲されて第1立上部が形成されていると共に、前記第2後方素子の両側の側縁が前記第2アンテナ素子方向に屈曲されて第2立上部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の平面アンテナ装置。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の平面アンテナ装置が、ケース本体部と、該ケース本体部に嵌合されているケース蓋部とからなる樹脂製の箱状のケースに収納されており、少なくとも前記ケース蓋部が光透過性の材質で形成されていることを特徴とする平面アンテナ装置。
【請求項10】
前記第1後方素子の前面に第2の金属導体が前記複数の第5開口部の全部が塞がれないように装着されていると共に、前記第2後方素子の前面に第3の金属導体が前記複数の第6開口部の全部が塞がれないように装着されていることを特徴とする請求項8に記載の平面アンテナ装置。
【請求項11】
前記第1アンテナ素子および前記第2アンテナ素子に、複数の貫通穴が形成されていることを特徴とする請求項10に記載の平面アンテナ装置。
【請求項12】
前記金属導体は複数の金属導体とされ、前記第1開口部および前記第2開口部の全部と、前記第3開口部および前記第4開口部の全部とが前記複数の金属導体で塞がれないと共に、前記第1平面アンテナおよび前記第2平面アンテナの上面に前記複数の金属導体が装着されていることを特徴とする請求項4に記載の平面アンテナ装置。
【請求項13】
前記複数の金属導体によって、前記第1開口部と前記第2開口部、および、前記第3開口部と前記第4開口部が遮蔽される遮蔽率が50%以下とされていることを特徴とする請求項13に記載の平面アンテナ装置。
【請求項14】
第1アンテナ素子と、該第1アンテナ素子の後方側に所定の間隔で配置した第1後方素子とから構成される第1平面アンテナと、
第2アンテナ素子と、該第2アンテナ素子の後方側に所定の間隔で配置した第2後方素子とから構成され、前記第1平面アンテナが配置された平面上に所定の間隔だけ離隔されて線対称に配置された第2平面アンテナと、
前記第1平面アンテナと前記第2平面アンテナとの間に装着されると共に、前記第1アンテナ素子および前記第2アンテナ素子の上面に装着されている複数に分割された多数の金属導体とを備え、
前記第1アンテナ素子は、中央部に形成された2つの給電点と、該2つの給電点の上側に形成されている第1開口部と、該2つの給電点の下側に形成されている第2開口部とを有しており、前記第2アンテナ素子は、中央部に形成された2つの給電点と、該2つの給電点の上側に形成されている第3開口部と、該2つの給電点の下側に形成されている第4開口部とを有しており、前記第1開口部ないし前記第4開口部が前記多数の金属導体で塞がれていないことを特徴とする平面アンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属導体が装荷されても平面アンテナの性能を維持することのできる平面アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、天候予測等に用いるために環境情報を収集することが求められており、環境情報を測定するセンサーと、測定した環境情報を送信する無線ユニットを屋外に設置する電子機器に搭載することが提案されている。この場合、センサーおよび無線ユニットを動作させる電源として、通常は2次電池やスーパーキャパシタ等の蓄電素子が搭載され、この蓄電素子を充電するためのソーラーパネルが搭載されることが好適とされている。
環境情報を活用した環境情報収集システムにおける計測システムでは、多くの環境観測用センサーを緻密かつ幅広いエリアに設置するために、センサーを内蔵する無線送信ユニットを多数用意して所定の場所に設置すると共に、無線受信ユニットを備える電子機器を多数用意する必要がある。そこで、建物の屋根や外壁などに設置される地上デジタル放送を受信するアンテナにセンサーおよび無線ユニットを搭載することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-048668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に、地上デジタル放送を受信するアンテナ装置であって、環境情報を検出するセンサーと、センサーにより検出された環境情報を収集して収集した環境情報信号を送信する送信機と、ソーラーパネルから供給された電源を蓄電する蓄電素子を有し、蓄電素子から供給された電源によりセンサと送信機を動作させる従来のアンテナ装置100が開示されている。この従来のアンテナ装置100の斜視図を図19に示す。
図19に示すように、従来のアンテナ装置100は、前面カバー111と後面カバー112とからなる縦長の箱状とされたアンテナカバー110を備え、アンテナカバー110には、地上デジタル放送を受信可能なアンテナが内蔵され、アンテナカバー110の背面上部にはセンサー、送信機、蓄電素子を備えるセンサー基板120が内蔵されている。センサーは環境情報を検出する1つ以上のセンサーからなり、蓄電素子はソーラーパネル130から供給された電源を蓄電し、送信機はセンサーで検出された環境情報を監視センターへ向けて送信する。センサーと送信機は、蓄電素子から電源が供給されて動作している。
アンテナカバー110に内蔵されているアンテナは、アンテナカバー110の中央から上部に配置される第1のアンテナと、アンテナカバー110の中央から下部に配置される第2のアンテナとから構成され、ソーラーパネル130がアンテナカバー110の前面のほぼ中央に装着されている。これにより、ソーラーパネル130は第1のアンテナと第2のアンテナとの間に装着されることから、第1のアンテナと第2のアンテナとの動作に極力影響を与えないようになる。
【0005】
ところで、ソーラーパネル130は金属性の電極を備えていることから、上記説明した従来のアンテナ装置100において、ソーラーパネル130を大きくすると、ソーラーパネル130と第1のアンテナおよび第2のアンテナとが重なるように配置されることになるから、ソーラーパネル130と第1のアンテナおよび第2のアンテナとの間が電気的に結合したり、インピーダンスが変化することで、従来のアンテナ装置100の性能が大きく劣化する恐れがあった。このため、ソーラーパネル130の大きさを大きくすることができず、蓄電素子を十分に充電することができない恐れがあるという問題点があった。
そこで、本発明は、例えば、地上デジタル放送を受信可能な平面アンテナを備え、金属導体が平面アンテナに近接されて使用されても平面アンテナの性能を維持することができる平面アンテナ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の平面アンテナ装置は、第1アンテナ素子と、該第1アンテナ素子の後方側に所定の間隔で配置した第1後方素子とから構成される第1平面アンテナと、第2アンテナ素子と、該第2アンテナ素子の後方側に所定の間隔で配置した第2後方素子とから構成され、前記第1平面アンテナが配置された平面上に所定の間隔だけ離隔されて線対称に配置された第2平面アンテナと、前記第1平面アンテナと前記第2平面アンテナとの間を塞ぐと共に、前記第1アンテナ素子および前記第2アンテナ素子の一部に重なるように、前記第1アンテナ素子および前記第2アンテナ素子の前方に配置された金属導体とを備え、前記第1アンテナ素子は、中央部に形成された2つの給電点と、該2つの給電点の上側に形成されている第1開口部と、該2つの給電点の下側に形成されている第2開口部とを有しており、前記第2アンテナ素子は、中央部に形成された2つの給電点と、該2つの給電点の上側に形成されている第3開口部と、該2つの給電点の下側に形成されている第4開口部とを有していることを主要な特徴としている。
また、本発明の平面アンテナ装置において、前記第1開口部ないし前記第4開口部が、ほぼ同形状の矩形状とされている。
さらに、前記金属導体は前記第1アンテナ素子および前記第2アンテナ素子の前方に所定間隔離隔されて配置されており、前記第1開口部および前記第2開口部の全部と、前記第3開口部および前記第4開口部の全部とが前記金属導体で塞がれないようにされている。
さらにまた、本発明の平面アンテナ装置において、前記第1開口部ないし前記第4開口部が、多角形形状とされている。
さらにまた、本発明の平面アンテナ装置において、前記金属導体は複数の金属導体とされ、前記第1開口部および前記第2開口部の全部と、前記第3開口部および前記第4開口部の全部とが前記複数の金属導体で塞がれないと共に、前記第1平面アンテナおよび前記第2平面アンテナの前方に所定間隔離隔されて前記複数の金属導体が配置されている。
さらにまた、本発明の平面アンテナ装置において、樹脂製の箱状のケースに前記第1平面アンテナおよび前記第2平面アンテナが収納されており、前記第1開口部および前記第2開口部の全部と、前記第3開口部および前記第4開口部の全部とが塞がれないように、該ケースの前面に前記金属導体が装着されている。
さらにまた、本発明の平面アンテナ装置において、前記第1平面アンテナと前記第2平面アンテナとの間を塞ぐと共に、前記第1アンテナ素子および前記第2アンテナ素子の前面の一部に重なるように、前記金属導体が装着されている。
さらにまた、本発明の平面アンテナ装置において、前記第1後方素子に複数の第5開口部が形成されていると共に、前記第2後方素子に複数の第6開口部が形成されており、前記第1後方素子の両側の側縁が前記第1アンテナ素子方向に屈曲されて第1立上部が形成されていると共に、前記第2後方素子の両側の側縁が前記第2アンテナ素子方向に屈曲されて第2立上部が形成されている。
さらにまた、本発明の平面アンテナ装置において、ケース本体部と、該ケース本体部に嵌合されているケース蓋部とからなる樹脂製の箱状のケースに収納されており、少なくとも前記ケース蓋部が光透過性の材質で形成されている。
さらにまた、本発明の平面アンテナ装置において、前記第1後方素子の前面に第2の金属導体が前記複数の第5開口部の全部が塞がれないように装着されていると共に、前記第2後方素子の前面に第3の金属導体が前記複数の第6開口部の全部が塞がれないように装着されている。
さらにまた、本発明の他の平面アンテナ装置において、前記第1アンテナ素子および前記第2アンテナ素子に、複数の貫通穴が形成されている。
さらにまた、本発明の平面アンテナ装置において、前記金属導体は複数の金属導体とされ、前記第1開口部および前記第2開口部の全部と、前記第3開口部および前記第4開口部の全部とが前記複数の金属導体で塞がれないと共に、前記第1平面アンテナおよび前記第2平面アンテナの上面に前記複数の金属導体が装着されている。
さらにまた、本発明の平面アンテナ装置において、前記複数の金属導体によって、前記第1開口部と前記第2開口部、および、前記第3開口部と前記第4開口部が遮蔽される遮蔽率が50%以下とされている。
さらにまた、本発明の他の平面アンテナ装置は、第1アンテナ素子と、該第1アンテナ素子の後方側に所定の間隔で配置した第1後方素子とから構成される第1平面アンテナと、第2アンテナ素子と、該第2アンテナ素子の後方側に所定の間隔で配置した第2後方素子とから構成され、前記第1平面アンテナが配置された平面上に所定の間隔だけ離隔されて線対称に配置された第2平面アンテナと、前記第1平面アンテナと前記第2平面アンテナとの間に装着されると共に、前記第1アンテナ素子および前記第2アンテナ素子の上面に装着されている複数に分割された多数の金属導体とを備え、前記第1アンテナ素子は、中央部に形成された2つの給電点と、該2つの給電点の上側に形成されている第1開口部と、該2つの給電点の下側に形成されている第2開口部とを有しており、前記第2アンテナ素子は、中央部に形成された2つの給電点と、該2つの給電点の上側に形成されている第3開口部と、該2つの給電点の下側に形成されている第4開口部とを有しており、前記第1開口部ないし前記第4開口部が前記多数の金属導体で塞がれていないことを主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の平面アンテナ装置は、第1平面アンテナと第2平面アンテナとが同じ平面上に所定の間隔だけ離隔されて線対称に配置された平面アンテナを備え、第1平面アンテナと第2平面アンテナとの間を塞ぐと共に、第1アンテナ素子および第2アンテナ素子の一部に重なるように、第1アンテナ素子および第2アンテナ素子の前方あるいは上面に金属導体が配置されている。このように、第1アンテナ素子および第2アンテナ素子の一部に金属導体が重なっていても、第1アンテナ素子および第2アンテナ素子に形成された開口部の全部が金属導体で覆われないにしたので、平面アンテナの性能が維持されることが確かめられた。
よって、第1アンテナ素子および第2アンテナ素子の一部に重なるように、金属性の電極を備えているソーラーパネルを設けても、平面アンテナ装置の性能が維持されるようになり、本発明の平面アンテナ装置では、十分な発電電力が得られる面積のソーラーパネルを利用することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施例の平面アンテナ装置の構成を示す正面図である。
図2】本発明の第1実施例の平面アンテナ装置の構成を示す側面図である。
図3】本発明の第1実施例の平面アンテナ装置における平面アンテナの構成を示す正面図である。
図4】本発明の第2実施例の平面アンテナ装置の構成を示す正面図である。
図5】本発明の第2実施例の平面アンテナ装置の構成を示す側面図である。
図6】本発明の第2実施例の平面アンテナ装置における平面アンテナの構成を示す正面図である。
図7】本発明の第2実施例の平面アンテナ装置における平面アンテナの後方素子の構成を示す正面図および側面図である。
図8】本発明の第3実施例の平面アンテナ装置の構成を示す斜視図である。
図9】本発明の第4実施例の平面アンテナ装置の構成を示す正面図である。
図10】本発明の第4実施例の平面アンテナ装置における平面アンテナの構成を示す正面図である。
図11】本発明の第4実施例の平面アンテナ装置における平面アンテナの後方素子の構成を示す正面図および側面図である。
図12】本発明の第5実施例の平面アンテナ装置の構成を示す斜視図である。
図13】本発明の第5実施例の平面アンテナ装置におけるVSWRの周波数特性、各周波数におけるVSWRの値を示す図表である。
図14】本発明の第5実施例の平面アンテナ装置の平面アンテナにおけるVSWRの周波数特性、各周波数におけるVSWRの値を示す図表である。
図15】本発明の第6実施例の平面アンテナ装置の構成を分解図で示す斜視図である。
図16】本発明の第6実施例の平面アンテナ装置におけるVSWRの周波数特性、各周波数におけるVSWRの値を示す図表である。
図17】本発明の第7実施例の平面アンテナ装置の構成を示す正面図である。
図18】本発明の第8実施例の平面アンテナ装置の構成を示す正面図である。
図19】本発明の第9実施例の平面アンテナ装置の構成を示す正面図である。
図20】本発明の第9実施例の平面アンテナ装置の構成を示す側面図である。
図21】本発明の第9実施例の平面アンテナ装置における金属導体による開口部の遮蔽率に対するVSWR特性、各遮蔽率におけるVSWRの値を示す図表である。
図22】従来のアンテナ装置の構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<本発明の第1実施例の平面アンテナ装置>
本発明の第1実施例にかかる平面アンテナ装置01の構成を図1ないし図3を参照して説明する。図1は第1実施例の平面アンテナ装置01の構成を示す正面図であり、図2は第1実施例の平面アンテナ装置01の構成を示す側面図であり、図3は第1実施例の平面アンテナ装置01における平面アンテナ1の構成を示す正面図である。
これらの図に示すように、本発明の第1実施例の平面アンテナ装置01は、平面アンテナ1と矩形状の金属導体18とから構成されている。この場合、平面アンテナ1は地上デジタル放送を受信可能とされて、平面アンテナ1の受信周波数帯域は470MHz~710MHzとされ、金属導体18は平面アンテナ1の前方に所定間隔だけ離隔して配置されている。
第1実施例の平面アンテナ装置01における平面アンテナ1は、図3に示すように同形状の第1平面アンテナ1aと第2平面アンテナ1bとから構成され、第1平面アンテナ1aと第2平面アンテナ1bとは同じ平面上に所定の間隔だけ離隔されて線対称に配置されている。
【0010】
図3に平面アンテナ1の構成が示されており、第1平面アンテナ1aは、ほぼ正方形の第1アンテナ素子10aと第1後方素子16aとから構成され、金属板製の第1アンテナ素子10aには横に長い長方形状の第1開口部11aと、第1開口部11aと同形状の第2開口部12aとが上下に形成されている。第1開口部11aと第2開口部12aとの間であって、第1アンテナ素子10aのほぼ中央部に第1給電点13aと第2給電点14aとの2つの給電点が対面して形成されている。また、第1アンテナ素子10aの後方に所定間隔だけ離隔されてほぼ正方形の第1後方素子16aが配置されている。第1後方素子16aは金属板製とされている。
第2平面アンテナ1bは、第1アンテナ素子10aと同形状とされており、第2平面アンテナ1bを構成する第2アンテナ素子10bおよび第2後方素子16bは、第1アンテナ素子10aおよび第1後方素子16aとそれぞれ同形状とされている。すなわち、金属板製の第2アンテナ素子10bには横に長い長方形状の第3開口部11bと、第3開口部11bと同形状の第4開口部12bとが上下に形成されている。第3開口部11bと第4開口部12bとの間であって、第2アンテナ素子10bのほぼ中央部に第3給電点13bと第4給電点14bとの2つの給電点が対面して形成されている。また、第2アンテナ素子10bの後方に所定間隔だけ離隔されてほぼ正方形の第2後方素子16bが配置されている。第2後方素子16bは金属板製とされている。
【0011】
そして、第1アンテナ素子10aおよび第1後方素子16aの下側面は、第2アンテナ素子10bおよび第2後方素子16bの上側面と対向してほぼ平行に配置されている。そして、所定の間隔だけ離隔されて配置された第1アンテナ素子10aおよび第1後方素子16aと第2アンテナ素子10bおよび第2後方素子16bとの間に給電部17が設けられている。図2に示すように、給電部17から第1アンテナ素子10aに給電する2本の第1給電ライン15aは、第1アンテナ素子10aの後面と第1後方素子16aの前面との間の空間を通って、第1アンテナ素子10aの後面から2つの給電点13a,14aに給電されている。同様に、給電部17から第2アンテナ素子10bに給電する2本の第2給電ライン15bは、第2アンテナ素子10bの後面と第2後方素子16bの前面との間の空間を通って、第2アンテナ素子10bの後面から2つの給電点13b,14bに給電されている。第1給電ライン15aと第2給電ライン15bとはほぼ同じ長さとされて、第1平面アンテナ1aと第2平面アンテナ1bとは給電部17から同位相で励振され、正面方向に対して平面アンテナ1の利得を増大させることが可能となる。
【0012】
第1実施例にかかる平面アンテナ装置01の金属導体18は、平面アンテナ1の前方に所定間隔だけ離隔されて、平面アンテナ1の中心点と金属導体18の中心点とがほぼ一致するよう配置されている。金属導体18は縦長の矩形状とされ、その横幅は第1アンテナ素子10aおよび第2アンテナ素子10bの横幅より狭くされ、金属導体18の縦方向の長さは平面アンテナ1の縦方向の長さより短くされている。この場合、金属導体18の縦方向の長さは、上方から見て金属導体18により第2開口部12aおよび第3開口部11bは塞がれるが、第1開口部11aおよび第4開口部12bの全部は塞がれない長さとされる。以上説明したように金属導体18を配置すると、金属導体18の大きさを大きくすることができ、金属導体18の大きさを大きくして第1実施例にかかる平面アンテナ1の前方の所定範囲が塞がれても平面アンテナ1の性能が維持されることが分かった。
すなわち、金属導体18を設けても設けなくても、ほぼ同等の平面アンテナ1の性能が維持された第1実施例の平面アンテナ装置01とすることができるようになる。
ここで、第1実施例の平面アンテナ装置01において、平面アンテナ1と金属導体18とを樹脂製の箱状のケースに収納することができる。平面アンテナ1と金属導体18とをケースに収納すると、金属導体18に設けられているデバイスを風雨などの外力から保護することができる。例えば、金属導体18に照度センサー、紫外線センサー、温度センサー、湿度センサー、気圧センサー、降雨センサー等の環境情報を取得可能なセンサーや、2次電池などの蓄電素子や環境情報を送信可能な送信機や、増幅器、分岐器などの様々なデバイスを設置することができる。また、金属導体18の範囲を金属製の電極を備えるソーラーパネルとして用いることができる。この場合、金属導体18の大きさを大きくできることから、ソーラーパネルから十分な発電電力を得ることができる。ソーラーパネルは、蓄電素子を充電し、蓄電素子からセンサーおよび送信機に動作電源が供給されるようになる。また、ケースを光透過性の材質で作成してソーラーパネルの発電効率を確保してもよい。すると、第1実施例の平面アンテナ装置01は、地上デジタル放送を受信するアンテナであって、建物の屋根や外壁などに設置されることから、環境情報を取得して送信するデバイスを幅広いエリアに設置することができるようになる。
【0013】
<本発明の第2実施例の平面アンテナ装置>
次に、本発明の第2実施例の平面アンテナ装置02の構成を図4ないし図7を参照して説明する。図4は第2実施例の平面アンテナ装置02の構成を示す正面図であり、図5は第2実施例の平面アンテナ装置02の構成を示す側面図であり、図6は第2実施例の平面アンテナ装置02における平面アンテナ2の構成を示す正面図であり、図7(a)は第2実施例の平面アンテナ装置02の平面アンテナ2における後方素子26の構成を示す正面図であり、図7(b)は後方素子26の構成を示す側面図である。
図4図5に示すように、本発明の第2実施例の平面アンテナ装置02は、平面アンテナ2と5つの矩形状の金属導体28a,28b,28c,28d,28eとから構成されている。この場合、平面アンテナ2は地上デジタル放送を受信可能とされて、平面アンテナ2の受信周波数帯域は470MHz~710MHzとされ、金属導体28a~28eは、平面アンテナ2の前方に所定間隔だけ離隔して配置されている。
第2実施例の平面アンテナ装置02における平面アンテナ2は、図6に示すように同形状の第1平面アンテナ2aと第2平面アンテナ2bとから構成され、第1平面アンテナ2aと第2平面アンテナ2bとは同じ平面上に所定の間隔だけ離隔されて線対称に配置されている。
【0014】
図6に平面アンテナ2の構成が示されており、第1平面アンテナ2aは、4隅が45°の斜辺とされるC面取りされ、縦長とされた第1アンテナ素子20aとやや横長の第1後方素子26aとから構成され、金属板製の第1アンテナ素子20aには多角形とされた横長の第1開口部21aが上部と、第1開口部21aと形状が異なる多角形とされた横長の第2開口部22aが下部に形成されている。第1開口部21aの横幅は第2開口部22aの横幅より短くされるが、縦方向の幅は第2開口部22aより広くされている。第1開口部21aと第2開口部22aとの間であって、第1アンテナ素子20aのほぼ中央部に第1給電点23aと第2給電点24aとの2つの給電点が対面して形成されている。第1アンテナ素子20aの後方には、所定間隔だけ離隔されて第1後方素子26aが配置されている。第1後方素子26aは金属板製とされ、図7(a)(b)に後方素子26として示すように、第1後方素子26aはやや横長の平面部Aと、平面部Aにおける両側の側縁が第1アンテナ素子20aの方向に屈曲されてそれぞれ形成された立上部Bとから構成されている。立上部Bにより第1平面アンテナ2aの性能を高めることが可能となる。なお、第1後方素子26aと第2後方素子26bとは同形状とされることから、図7(a)(b)においては、第1後方素子26aと第2後方素子26bとを後方素子26として記している。
【0015】
第2平面アンテナ2bは、第1アンテナ素子20aと同形状とされており、第2平面アンテナ2bを構成する第2アンテナ素子20bおよび第2後方素子26bは、第1アンテナ素子20aおよび第1後方素子26aとそれぞれ同形状とされている。すなわち、金属板製の第2アンテナ素子20bには金属板製の第1アンテナ素子20aには多角形とされた横長の第3開口部21bが上部に、第3開口部21bと形状が異なる多角形とされた横長の第4開口部22bが下部に形成されている。第4開口部22bの横幅は第3開口部21bの横幅より短くされるが、縦方向の幅は第3開口部21bより広くされている。第3開口部21bと第4開口部22bとの間であって、第2アンテナ素子20bのほぼ中央部に第3給電点23bと第4給電点24bとの2つの給電点が対面して形成されている。第2アンテナ素子20bの後方に所定間隔だけ離隔されて第1後方素子26aと同形状の第2後方素子26bが配置されている。第2後方素子26bは金属板製とされ、図7(a)(b)に後方素子26として示すように、第2後方素子26bはやや横長の平面部Aと、平面部Aにおける両側の側縁が第2アンテナ素子20bの方向に屈曲されてそれぞれ形成された立上部Bとから構成されている。立上部Bにより第2平面アンテナ2bの性能を高めることが可能となる。
【0016】
第1アンテナ素子20aおよび第1後方素子26aの下側面は、第2アンテナ素子20bおよび第2後方素子26bの上側面と対向してお互いに平行に配置されている。そして、第1アンテナ素子20aおよび第1後方素子26aの下側面と、第2アンテナ素子20bおよび第2後方素子26bの上側面との間に給電部27が設けられている。図5図6に示すように、給電部27から第1アンテナ素子20aに給電する2本の第1給電ライン25aは、第1アンテナ素子20aの後面と第1後方素子26aの平面部Aの前面との間の空間を通って、第1アンテナ素子20aの後面から2つの給電点23a,24aに給電されている。同様に、給電部27から第2アンテナ素子20bに給電する2本の第2給電ライン25bは、第2アンテナ素子20bの後面と第2後方素子26bの平面部Aの前面との間の空間を通って、第2アンテナ素子20bの後面から2つの給電点23b,24bに給電されている。第1給電ライン25aと第2給電ライン25bとはほぼ同じ長さとされて、第1平面アンテナ2aと第2平面アンテナ2bとは給電部27から同位相で励振され、正面方向に対して平面アンテナ2の利得を増大させることが可能となる。
【0017】
第2実施例にかかる平面アンテナ装置02の5つの金属導体28a,28b,28c,28d,28eの配置について説明する。金属導体28aは、平面アンテナ2の前方であって、第1アンテナ素子20aの上部を覆うように所定間隔だけ離隔されて配置されている。この場合、平面アンテナ2の縦方向の中心線と金属導体28aの縦方向の中心線とがほぼ一致するよう配置されている。金属導体28aは横長の矩形状とされ、その長さは第1アンテナ素子20aの横幅より短くされ、金属導体28aの縦方向の幅はW1とされ、第1アンテナ素子20aの上部を覆うものの第1開口部21aの全部を塞がない幅W1とされている。
また、金属導体28bは、平面アンテナ2の前方であって、第1アンテナ素子20aの中央部よりやや下方を覆うように所定間隔だけ離隔されて配置されている。この場合、平面アンテナ2の縦方向の中心線と金属導体28aの縦方向の中心線とがほぼ一致するよう配置されている。金属導体28bは横長の矩形状とされ、その横方向の長さは金属導体28aより長いが第1アンテナ素子20aの横幅より短くされ、金属導体28bの縦方向の幅はW2とされ、第1アンテナ素子20aの中央部よりやや下方を覆うものの第2開口部22aの全部を塞がない幅W2とされている。
【0018】
さらに、金属導体28cは、平面アンテナ2の前方であって、第1アンテナ素子20aの下部および第2アンテナ素子20bの上部に重なるように所定間隔だけ離隔されて配置されている。この場合、平面アンテナ2の中心点と金属導体28cの中心点とがほぼ一致するよう配置されている。金属導体28cは縦長の矩形状とされ、その横方向の長さはL1とされ金属導体28aより長いが金属導体28bより短くされて、第1アンテナ素子20aおよび第2アンテナ素子20bの横幅より短くされ、金属導体28cの縦方向の長さはL2とされる。長さL2は、第2開口部22aと第3開口部21bとの間であって、第1アンテナ素子20aの下部および第2アンテナ素子20bの上部に重なる長さL2とされている。
さらにまた、金属導体28dは金属導体28bと同形状とされ、平面アンテナ2の横方向の中心線に対して線対称に配置されている。すなわち、金属導体28dは横長の矩形状とされ、その横方向の長さは金属導体28cより長いが第2アンテナ素子20bの横幅より短くされ、金属導体28dの縦方向の幅はW2とされ、第2アンテナ素子20bの上部を覆うものの第3開口部21bの全部を塞がない幅W2とされている。
さらにまた、金属導体28eは金属導体28aと同形状とされ、平面アンテナ2の横方向の中心線に対して線対称に配置されている。すなわち、金属導体28eは横長の矩形状とされ、その横方向の長さは金属導体28cおよび金属導体28dより短いと共に第2アンテナ素子20aの横幅より短くされ、金属導体28eの縦方向の幅はW1とされ、第2アンテナ素子20bの上部を覆うものの第4開口部22bの全部を塞がない幅W1とされている。
【0019】
ここで、第2実施例の平面アンテナ装置02における5つの金属導体28a~28eの寸法の一例を上げる。金属導体28cの横方向の長さL1は約170mm、縦方向の長さL2は約205mmとされ、金属導体28aおよび金属導体28eの縦方向の幅W1は約60mm、金属導体28bおよび金属導体28dの縦方向の幅W2は約40mmとされ、金属導体28aと金属導体28bとの間隔、または、金属導体28eと金属導体28dとの間隔はそれぞれ約80mmとされる。また、金属導体28bと金属導体28cとの間隔、または、金属導体28cと金属導体28dとの間隔はそれぞれ約15mmとされる。
以上説明したように金属導体28a~28eを配置すると、金属導体28a~28eを総合した面積を大きくすることができ、金属導体28a~28eの面積を大きくして第2実施例にかかる平面アンテナ2の前方の所定範囲が塞がれても平面アンテナ2の性能は維持されることが分かった。
すなわち、金属導体28a~28eを設けても設けなくても、ほぼ同等の平面アンテナ2の性能が維持された第2実施例の平面アンテナ装置02とすることができるようになる。
また、第2実施例の平面アンテナ装置02において、平面アンテナ2と金属導体28a~28eとを樹脂製の箱状のケースに収納することができる。平面アンテナ2と金属導体28a~28eとをケースに収納すると、金属導体28a~28eに設けられているデバイスを風雨などの外力から保護することができる。例えば、金属導体28a~28eの少なくとも1つに照度センサー、紫外線センサー、温度センサー、湿度センサー、気圧センサー、降雨センサー等の環境情報を取得可能なセンサーや、2次電池などの蓄電素子や環境情報を送信可能な送信機や、増幅器、分岐器などの様々なデバイスを設置することができる。さらに、金属導体28a~28eの範囲を金属製の電極を備えるソーラーパネルとして用いることができる。この場合、金属導体28a~28eを総合した面積を大きくできることから、ソーラーパネルから十分な発電電力を得ることができる。ソーラーパネルは、蓄電素子を充電し、蓄電素子からセンサーおよび送信機に動作電源が供給されるようになる。また、ケースを光透過性の材質で作成してソーラーパネルの発電効率を確保してもよい。すると、第2実施例の平面アンテナ装置02は、地上デジタル放送を受信するアンテナであって、建物の屋根や外壁などに設置されることから、環境情報を取得して送信するデバイスを幅広いエリアに設置することができるようになる。
【0020】
<本発明の第3実施例の平面アンテナ装置>
次に、本発明の第3実施例の平面アンテナ装置03の構成を図8を参照して説明する。図8は第3実施例の平面アンテナ装置03の構成を示す斜視図である。
図8に示すように、本発明の第3実施例の平面アンテナ装置03は、箱形のケース31に収納されている前述した図6および図7(a)(b)に示す平面アンテナ2と、ケース31の前面に装着された矩形状の金属導体32とから構成されている。この場合、前述したように平面アンテナ2は地上デジタル放送を受信可能とされて、平面アンテナ2の受信周波数帯域は470MHz~710MHzとされている。
第3実施例の平面アンテナ装置03における平面アンテナ2は、第2実施例の平面アンテナ装置02において前述した通りなのでその説明は省略する。平面アンテナ2が収納されているケース31は、縦長のケース本体部31aと、ケース本体部31aの前面に嵌合されて縦長の箱状を形成するケース蓋部31bとから構成されている。ケース蓋部31bの前面からは、断面が三角形の突出部が突出するよう形成され、この突出部の前面に密着するよう「く」の字状に折曲された金属導体32が中央部に装着されている。
この場合、金属導体32の縦方向の長さは、金属導体32により平面アンテナ2の第2開口部22aおよび第3開口部21bの前方は塞がれるが、第1開口部21aおよび第4開口部22bの前方の全部は塞がれない長さとされる。以上説明したように金属導体32を配置すると、金属導体32の大きさを大きくすることができ、金属導体32の大きさを大きくして第3実施例における平面アンテナ2の前方の所定範囲が塞がれても平面アンテナ2の性能が維持されることが分かった。
すなわち、金属導体32を設けても設けなくても、ほぼ同等の平面アンテナ2の性能が維持された第3実施例の平面アンテナ装置03とすることができるようになる。
ここで、第3実施例の平面アンテナ装置03において、金属導体32に照度センサー、紫外線センサー、温度センサー、湿度センサー、気圧センサー、降雨センサー等の環境情報を取得可能なセンサーや、2次電池などの蓄電素子や環境情報を送信可能な送信機や、増幅器、分岐器などの様々なデバイスを設置することができる。また、金属導体32の範囲を金属製の電極を備えるソーラーパネルとして用いることができる。この場合、金属導体32の大きさを大きくできることから、ソーラーパネルから十分な発電電力を得ることができる。ソーラーパネルは、蓄電素子を充電し、蓄電素子からセンサーおよび送信機に動作電源が供給されるようになる。すると、第3実施例の平面アンテナ装置03は、地上デジタル放送を受信するアンテナであって、建物の屋根や外壁などに設置されることから、環境情報を取得して送信するデバイスを幅広いエリアに設置することができるようになる。
【0021】
<本発明の第4実施例の平面アンテナ装置>
次に、本発明の第4実施例の平面アンテナ装置04の構成を図9ないし図11を参照して説明する。図9(a)は第4実施例の平面アンテナ装置04の構成を示す正面図であり、図9(b)は第4実施例の平面アンテナ装置04の構成を示す側面図であり、図10は第4実施例の平面アンテナ装置04における平面アンテナ3の構成を示す正面図であり、図11(a)は第4実施例の平面アンテナ装置04の平面アンテナ3における後方素子36の構成を示す正面図であり、図11(b)は後方素子36の構成を示す側面図である。
これらの図に示すように、本発明の第4実施例の平面アンテナ装置04は、平面アンテナ3と矩形状の金属導体42とから構成されている。この場合、平面アンテナ3は地上デジタル放送を受信可能とされて、平面アンテナ3の受信周波数帯域は470MHz~710MHzとされている。金属導体42は縦長の矩形状とされ、上部の下面が第1アンテナ素子20aの下部の上面と密着すると共に、金属導体42の下部の下面が第2アンテナ素子20bの上部の上面と密着するよう平面アンテナ3の上に装着されている。すなわち、所定の間隔だけ離隔されて配置された平面アンテナ3における第1アンテナ素子20aと第2アンテナ素子20bとの間を塞ぐと共に、第1アンテナ素子20aの下部の上面および第2アンテナ素子20bの上部の上面に、金属導体42の上部の下面および下部の下面がそれぞれ密着して重なるように装着されている。
なお、第4実施例の平面アンテナ装置04における平面アンテナ3は、同形状の第1平面アンテナ3aと第2平面アンテナ3bとから構成され、第1平面アンテナ3aと第2平面アンテナ3bとは同じ平面上に所定の間隔だけ離隔されて線対称に配置されている。
【0022】
第1平面アンテナ3aは、前述した第1平面アンテナ2aにおける後方素子26aに替えて構成が異なる後方素子36aを備える構成されているが、他の構成は第1平面アンテナ2aと同様とされて、同じ構成には同符号を付している。すなわち、第1平面アンテナ3aは、4隅が45°の斜辺とされるC面取りされ、縦長の第1アンテナ素子20aとやや横長の第1後方素子36aとから構成され、金属板製の第1アンテナ素子20aには多角形とされた横長の第1開口部21aと、第1開口部21aと形状が異なる多角形とされた横長の第2開口部22aとが形成されている。第1開口部21aの横幅は第2開口部22aの横幅より短くされるが、縦方向の幅は第2開口部22aより広くされている。第1開口部21aと第2開口部22aとの間であって、第1アンテナ素子20aのほぼ中央部に第1給電点23aと第2給電点24aとの2つの給電点が対面して形成されている。図10に示すように、第1アンテナ素子20aの横方向の長さはL3とされ、縦方向の長さはL4とされる。第1アンテナ素子20aの後方に所定間隔だけ離隔されて第1後方素子36aが配置されている。第1後方素子36aは金属板製とされ、図11(a)(b)に後方素子36として示すように、第1後方素子36aはやや横長の平面部Aと、平面部Aにおける両側の側縁が第1アンテナ素子20aの方向に屈曲されてそれぞれ形成された立上部Bとから構成されている。立上部Bにより第1平面アンテナ3aの性能を高めることが可能となる。また、平面部Aには上部、中央部、下部に所定間隔で3つの開口部Cが形成されており、3つの開口部Cにより第1後方素子36aの反射特性を向上させることが可能となる。なお、第1後方素子36aと第2後方素子36bとは同構成とされることから、図11(a)(b)においては、第1後方素子36aと第2後方素子36bとを後方素子36として記している。
【0023】
第2平面アンテナ3bは、前述した第1平面アンテナ2bにおける後方素子26bに替えて構成が異なる後方素子36bを備える構成されているが、他の構成は第1平面アンテナ2bと同様とされて、同じ構成には同符号を付している。また、第2平面アンテナ3bは第1平面アンテナ3aと同形状とされており、第2平面アンテナ3bを構成する第2アンテナ素子20bおよび第2後方素子36bは、第1アンテナ素子20aおよび第1後方素子36aとそれぞれ同形状とされている。すなわち、金属板製の第2アンテナ素子20bには金属板製の第1アンテナ素子20aには多角形とされた横長の第3開口部21bと、第3開口部21bと形状が異なる多角形とされた横長の第4開口部22bとが形成されている。第3開口部21bの横幅は第4開口部22bの横幅より短くされるが、縦方向の幅は第4開口部22bより広くされている。第3開口部21bと第4開口部22bとの間であって、第2アンテナ素子20bのほぼ中央部に第3給電点23bと第4給電点24bとの2つの給電点が対面して形成されている。第2アンテナ素子20bにおいても、横方向の長さはL3とされ、縦方向の長さはL4とされる。第2アンテナ素子20bの後方に所定間隔だけ離隔されて第1後方素子36aと同形状の第2後方素子36bが配置されている。第2後方素子36bは金属板製とされ、図11(a)(b)に後方素子36として示すように、第1後方素子36bはやや横長の平面部Aと、平面部Aにおける両側の側縁が第2アンテナ素子20bの方向に屈曲されてそれぞれ形成された立上部Bとから構成されている。立上部Bにより第2平面アンテナ3bの性能を高めることが可能となる。また、平面部Aには上部、中央部、下部に所定間隔で3つの開口部Cが形成されており、3つの開口部Cにより第2後方素子36bの反射特性を向上させることが可能となる。
第1アンテナ素子20aおよび第1後方素子36aの下側面は、第2アンテナ素子20bおよび第2後方素子36bの上側面と対向してお互いに平行に配置されている。上記下側面と上記上側面との間の空間に給電部27が設けられている。図9(b)、図10に示すように、給電部27から第1アンテナ素子20aに給電する2本の第1給電ライン25aは、第1アンテナ素子20aの後面と第1後方素子36aの平面部Aの前面との間の空間を通って、第1アンテナ素子20aの後面から2つの給電点23a,24aに給電されている。同様に、給電部27から第2アンテナ素子20bに給電する2本の第2給電ライン25bは、第2アンテナ素子20bの後面と第2後方素子36bの平面部Aの前面との間の空間を通って、第2アンテナ素子20bの後面から2つの給電点23b,24bに給電されている。第1給電ライン25aと第2給電ライン25bとはほぼ同じ長さとされて、第1平面アンテナ3aと第2平面アンテナ3bとは給電部27から同位相で励振され、正面方向に対して平面アンテナ3の利得を増大させることが可能となる。
【0024】
第4実施例にかかる平面アンテナ装置04の金属導体42の上部の下面は、第1アンテナ素子20aの下部の上面と重なり、金属導体42の下部の下面は第2アンテナ素子20bの上部の上面と重なるよう密着されて装着されている。この場合、平面アンテナ3の縦方向の中心線と金属導体42の縦方向の中心線とがほぼ一致するよう配置されている。金属導体42は縦長の矩形状とされ、その横方向の長さはL1、縦方向の長さはL2とされる。長さL1は第1アンテナ素子20aおよび第2アンテナ素子20bの横幅より短くされ、長さL2は、第2開口部22aと第3開口部21bとの間の第1アンテナ素子20aの下部および第2アンテナ素子20bの上部を覆う長さとされている。
【0025】
第4実施例の平面アンテナ装置04においては、平面アンテナ3と金属導体42とを樹脂製の箱状のケース41に収納することができる。平面アンテナ3と金属導体42とをケース41に収納すると、金属導体42に設けられているデバイスを風雨などの外力から保護することができる。例えば、金属導体42に照度センサー、紫外線センサー、温度センサー、湿度センサー、気圧センサー、降雨センサー等の環境情報を取得可能なセンサーや、2次電池などの蓄電素子や環境情報を送信可能な送信機や、増幅器、分岐器などの様々なデバイスを設置することができる。また、金属導体42の範囲を金属製の電極を備えるソーラーパネルとして用いることができる。この場合、金属導体42の大きさを大きくできることから、ソーラーパネルから十分な発電電力を得ることができる。ソーラーパネルは、蓄電素子を充電し、蓄電素子からセンサーおよび送信機に動作電源が供給されるようになる。また、ケース41を光透過性の材質で作成してソーラーパネルの発電効率を確保してもよい。すると、第4実施例の平面アンテナ装置04は、地上デジタル放送を受信するアンテナであって、建物の屋根や外壁などに設置されることから、環境情報を取得して送信するデバイスを幅広いエリアに設置することができるようになる。
ここで、第4実施例の平面アンテナ装置04における各部の寸法の一例を上げる。金属導体42の横方向の長さL1は約170mm、縦方向の長さL2は約205mmとされ、第1アンテナ素子20aおよび第2アンテナ素子20bの横方向の長さL3は約200mm、縦方向の長さL4は約230mmとされる。
以上説明したように金属導体42を配置したので、金属導体42の面積を大きくすることができ、金属導体42の面積を大きくして第4実施例の平面アンテナ装置04にかかる平面アンテナ3の前方の所定範囲が塞がれても平面アンテナ3の性能は維持されるようになる。
すなわち、金属導体42を設けても設けなくても、ほぼ同等の平面アンテナ3の性能が維持された第4実施例の平面アンテナ装置04とすることができるようになる。
なお、第4実施例の平面アンテナ装置04において、金属導体42の設置範囲は、第1アンテナ素子20aにおける第1開口部21aおよび第2開口部22aの全部、および、第2アンテナ素子20bにおける第3開口部21bおよび第2開口部22bの全部を隠さない範囲とすることができる。さらに、金属導体42に加えて複数の金属導体を設けるようにしてもよい。この場合においても、増やした金属導体の設置範囲は第1開口部21a~第4開口部22bの全部を隠さない範囲とする。
【0026】
<本発明の第5実施例の平面アンテナ装置>
次に、本発明の第5実施例の平面アンテナ装置05の構成を図12を参照して説明する。図12は第5実施例の平面アンテナ装置05の構成を示す斜視図である。
図12に示すように、本発明の第5実施例の平面アンテナ装置05は、本発明の第4実施例の平面アンテナ装置04におけるケース41に替えて樹脂製のケース本体部51aとケース蓋部51bとからなる箱形のケース51を備えた平面アンテナ装置とされている。ケース51に収納されている平面アンテナ3は、前述したように地上デジタル放送を受信可能とされて、平面アンテナ3の受信周波数帯域は470MHz~710MHzとされている。
第5実施例の平面アンテナ装置05における平面アンテナ3は、前述した通りなのでその説明は省略し、平面アンテナ3の上に金属導体42が前述したように装着されている。平面アンテナ3および金属導体42が収納されている樹脂製のケース51は、縦長のケース本体部51aと、ケース本体部51aの前面に嵌合されて縦長の箱状を形成するケース蓋部51bとから構成されている。ケース蓋部51bの前面からは、断面が三角形の突出部が突出するよう形成されている。
【0027】
第5実施例の平面アンテナ装置05においては、平面アンテナ3と金属導体42とが樹脂製の箱状のケース51に収納されていることから、金属導体42に設けられているデバイスを風雨などの外力から保護することができる。例えば、金属導体42に照度センサー、紫外線センサー、温度センサー、湿度センサー、気圧センサー、降雨センサー等の環境情報を取得可能なセンサーや、2次電池などの蓄電素子や環境情報を送信可能な送信機や、増幅器、分岐器などの様々なデバイスを設置することができる。また、金属導体42の範囲を金属製の電極を備えるソーラーパネルとして用いることができる。この場合、金属導体42の大きさを大きくできることから、ソーラーパネルから十分な発電電力を得ることができる。ソーラーパネルは、蓄電素子を充電し、蓄電素子からセンサーおよび送信機に動作電源が供給されるようになる。また、ケース51を光透過性の材質で作成するとソーラーパネルの発電効率を確保することができる。この場合、ケース蓋部51bが光透過性の材質で作成されていれば、ケース本体部51aは光透過性の材質で作成されていなくてもよい。これにより、第5実施例の平面アンテナ装置05は、地上デジタル放送を受信するアンテナであって、建物の屋根や外壁などに設置されることから、環境情報を取得して送信するデバイスを幅広いエリアに設置することができるようになる。
【0028】
前述したように金属導体42を配置したので、金属導体42の面積を大きくすることができ、金属導体42の面積を大きくして第5実施例にかかる平面アンテナ3の前方の所定範囲が塞がれても平面アンテナ3の性能は維持されるようになる。
すなわち、金属導体42を設けても設けなくても、ほぼ同等の平面アンテナ3の性能が維持された第5実施例の平面アンテナ装置05とすることができるようになる。
なお、第5実施例の平面アンテナ装置05において、金属導体42の設置範囲は、第1アンテナ素子20aにおける第1開口部21aおよび第2開口部22aの全部、および、第2アンテナ素子20bにおける第3開口部21bおよび第2開口部22bの全部を隠さない範囲とすることができる。さらに、金属導体42に加えて複数の金属導体を設けるようにしてもよい。この場合においても、増やした金属導体の設置範囲は第1開口部21a~第4開口部22bの全部を隠さない範囲とする。
【0029】
次に、本発明の第5実施例の平面アンテナ装置05の電気的特性を図13(a)(b)に示す。図13(a)は470MHz~710MHzの周波数帯域における電圧定在波比(VSWR)の周波数特性を示すグラフであり、図13(b)は470MHz~710MHzの周波数帯域における各周波数のVSWRの値を示す図表である。
第5実施例の平面アンテナ装置05の受信周波数帯域は470MHz~710MHzとされ、図13(a)(b)を参照すると、470MHzないし550MHzにおいては約2.1~約2.4の良好なVSWR値が得られており、約550MHz~約700MHzにおいては2.0未満のより良好なVSWR値が得られている。特に、680MHzにおいては約1.1の最も良好なVSWR値が得られている。このように、第5実施例の平面アンテナ装置05は470MHz~710MHzにおいて、2.5以下のVSWR値を得ることができる。
ここで、金属導体42の影響を検証するために、第5実施例の平面アンテナ装置05における平面アンテナ3単体の電気的特性を図14(a)(b)に示す。図14(a)は470MHz~710MHzの周波数帯域における電圧定在波比(VSWR)の周波数特性を示すグラフであり、図14(b)は470MHz~710MHzの周波数帯域における各周波数のVSWRの値を示す図表である。
図14(a)(b)を参照すると、470MHzないし550MHzにおいては約1.7~約2.2のVSWR値が得られており、約550MHz~約700MHzにおいては2.0未満のより良好なVSWR値が得られている。特に、680MHzにおいては約1.2の最も良好なVSWR値が得られている。
ここで、図13(a)(b)に示す電気的特性と図14(a)(b)に示す電気的特性とを対比すると、図14(a)(b)に示す平面アンテナ3単体の電気的特性が若干良好なVSWR値を示しているが、全周波数帯域に渡り観察するとほぼ同様の電気的特性とされており、金属導体42による悪影響は見られないことが分かる。従って、前述したように金属導体42を設けても設けなくても、ほぼ同等の平面アンテナ3の性能が維持された第5実施例の平面アンテナ装置05とすることができるようになる。
なお、第4実施例の平面アンテナ装置04の電気的特性は、図13(a)(b)に示す電気的特性と同じ電気的特性となっている。
【0030】
<本発明の第6実施例の平面アンテナ装置>
次に、本発明の第6実施例の平面アンテナ装置06の構成を図15を参照して説明する。図15は第6実施例の平面アンテナ装置06の構成を分解図で示す斜視図である。
図15に示すように、本発明の第6実施例の平面アンテナ装置06は、平面アンテナ3と3つの矩形状の金属導体42a、42b、42cとから構成されている。この場合、平面アンテナ3は第4実施例の平面アンテナ装置04の平面アンテナ3と同様であり、地上デジタル放送を受信可能とされて、平面アンテナ3の受信周波数帯域は470MHz~710MHzとされている。金属導体42aは、第1後方素子36aの平面部Aの前面に密着して装着されており、金属導体42bは、その上部の下面が第1アンテナ素子20aの下部の上面と重なり、金属導体42bの下部の下面は第2アンテナ素子20bの上部の上面と重なるよう密着されて装着されており、金属導体42cは、第2後方素子36bの平面部Aの前面に密着して装着されている。
第6実施例の平面アンテナ装置06における平面アンテナ3は、第4実施例の平面アンテナ装置04において説明したように、同形状の第1平面アンテナ3aと第2平面アンテナ3bとから構成され、第1平面アンテナ3aと第2平面アンテナ3bとは同じ平面上に所定の間隔だけ離隔されて線対称に配置されている。第6実施例の平面アンテナ装置06における平面アンテナ3の構成は、第4実施例の平面アンテナ装置04において説明した通りであって、第6実施例の平面アンテナ装置06においては平面アンテナ3を構成する各部の符号を同様としていることから、平面アンテナ3の詳細な説明は省略する。
【0031】
また、第6実施例にかかる平面アンテナ装置06の金属導体42aは第1後方素子36aの平面部Aの前面に上部と中央部の開口部Cを塞ぐように密着して装着されており、金属導体42aは第1後方素子36aの上部と中央部の開口部Cを塞ぐ大きさの矩形状とされている。金属導体42bは所定の間隔だけ離隔されて配置された平面アンテナ3における第1アンテナ素子20aと第2アンテナ素子20bとの間を塞ぐと共に、第1アンテナ素子20aの下部の上面および第2アンテナ素子20bの上部の上面に、金属導体42bの上部の下面および下部の下面がそれぞれ密着して重なるように装着されており、金属導体42bは、第1アンテナ素子20aの下部と重なると共に第2アンテナ素子20bの上部と重なる大きさの矩形状とされている。金属導体42cは第2後方素子36bの平面部Aの前面に下部と中央部の開口部Cを塞ぐように密着して装着されており、金属導体42cは第2後方素子36bの平面部Aの下部と中央部の開口部Cを塞ぐ大きさの矩形状とされている。この場合、平面アンテナ3の縦方向の中心線と金属導体42a、42b、42cの縦方向の中心線とがほぼ一致するよう配置されている。
【0032】
第6実施例の平面アンテナ装置06においては、平面アンテナ3と3つの金属導体42a、42b、42cとが樹脂製の箱状のケース51に収納されている。ケース51は、第5実施例の平面アンテナ装置05のケース51と同様であり、ケース51は、縦長のケース本体部51aと、ケース本体部51aの前面に嵌合されて縦長の箱状を形成するケース蓋部51bとから構成されている。ケース蓋部51bの前面からは、断面が三角形の突出部が突出するよう形成されている。このようなケース51の内部に、3つの金属導体42a、42b、42cが収納されることで、3つの金属導体42a、42b、42cに設けられているデバイスを風雨などの外力から保護することができる。例えば、金属導体42a、42b、42cの少なくとも1つに照度センサー、紫外線センサー、温度センサー、湿度センサー、気圧センサー、降雨センサー等の環境情報を取得可能なセンサーや、2次電池などの蓄電素子や環境情報を送信可能な送信機や、増幅器、分岐器などの様々なデバイスを設置することができる。さらに、金属導体42a、42b、42cの範囲を金属製の電極を備えるソーラーパネルとして用いることができる。この場合、金属導体42a、42b、42cを総合した面積を大きくできることから、ソーラーパネルから十分な発電電力を得ることができる。ソーラーパネルは、蓄電素子を充電し、蓄電素子からセンサーおよび送信機に動作電源が供給されるようになる。また、ケース51を光透過性の材質で作成するとソーラーパネルの発電効率を確保することができる。この場合、ケース蓋部51bが光透過性の材質で作成されていれば、ケース本体部51aは光透過性の材質で作成されていなくてもよい。これにより、第6実施例の平面アンテナ装置06は、地上デジタル放送を受信するアンテナであって、建物の屋根や外壁などに設置されることから、環境情報を取得して送信するデバイスを幅広いエリアに設置することができるようになる。
【0033】
以上説明したように3つの金属導体42a、42b、42cを配置したので、総合した3つの金属導体42a、42b、42cの面積を大きくすることができ、3つの金属導体42a、42b、42cの面積を大きくして第6実施例の平面アンテナ装置06にかかる平面アンテナ3の前方の所定範囲が塞がれても平面アンテナ3の性能は維持されるようになる。
すなわち、3つの金属導体42a、42b、42cを設けても設けなくても、ほぼ同等の平面アンテナ3の性能が維持された第6実施例の平面アンテナ装置06とすることができるようになる。
なお、第6実施例の平面アンテナ装置06において、3つの金属導体42a、42b、42cの内の金属導体42aの設置範囲は、第1アンテナ素子20aにおける第1開口部21aおよび第2開口部22aの全部、および、第2アンテナ素子20bにおける第3開口部21bおよび第2開口部22bの全部を隠さない範囲とすることができる。
【0034】
次に、本発明の第6実施例の平面アンテナ装置06の電気的特性を図16(a)(b)に示す。図16(a)は470MHz~710MHzの周波数帯域における電圧定在波比(VSWR)の周波数特性を示すグラフであり、図16(b)は470MHz~710MHzの周波数帯域における各周波数のVSWRの値を示す図表である。
第6実施例の平面アンテナ装置06の受信周波数帯域は470MHz~710MHzとされ、図16(a)(b)を参照すると、470MHzないし580MHzにおいては約1.7~約1.9の2.0未満の良好なVSWR値が得られており、590MHzでは2.0のVSWR値となるが、約600MHz~約695MHzにおいては1.7~2.0の良好なVSWR値が得られている。このように、第6実施例の平面アンテナ装置06は470MHz~710MHzにおいて、2.2以下のVSWR値が得られる。
そして、平面アンテナ3単体の電気的特性である図14(a)(b)に示す電気的特性と図16(a)(b)に示す電気的特性とを対比すると、全周波数帯域においてほぼ同様の電気的特性とされており、3つの金属導体42a、42b、42cによる悪影響は見られないことが分かる。従って、3つの金属導体42a、42b、42cを設けても設けなくても、ほぼ同等の平面アンテナ3の性能が維持された第6実施例の平面アンテナ装置06とすることができるようになる。
【0035】
<本発明の第7実施例の平面アンテナ装置>
次に、本発明の第7実施例の平面アンテナ装置07の構成を図17を参照して説明する。図17は第7実施例の平面アンテナ装置07の構成を示す正面図である。
図17に示す本発明の第7実施例の平面アンテナ装置07は、第6実施例の平面アンテナ装置06における第1アンテナ素子20aおよび第2アンテナ素子20bを構成の異なる第1アンテナ素子40aおよび第2アンテナ素子40bに置き換えており、他の構成は第6実施例の平面アンテナ装置06と同様とされている。
すなわち、本発明の第7実施例の平面アンテナ装置07は、ケース本体部51aとケース蓋部51bとからなる箱形のケース51を備えている。ケース51には、平面アンテナ4と3つの矩形状の金属導体42a、42b、42cとが収納されている。この場合、平面アンテナ4において第1アンテナ素子40aおよび第2アンテナ素子40bを除く構成は、第6実施例の平面アンテナ装置06の平面アンテナ3と同様であり、第6実施例の平面アンテナ装置06において説明した通りであって、第7実施例の平面アンテナ装置07において、第1アンテナ素子40aおよび第2アンテナ素子40bを除く構成には各部の符号を同様としていることから、第1アンテナ素子40aおよび第2アンテナ素子40bを除く平面アンテナ4の詳細な説明は省略する。なお、平面アンテナ4は、地上デジタル放送を受信可能とされて、平面アンテナ4の受信周波数帯域は470MHz~710MHzとされている。また、金属導体42a、42b、42cは、第6実施例の平面アンテナ装置06において説明したとおりとされている。
【0036】
第7実施例の平面アンテナ装置07において平面アンテナ4は、同形状の第1平面アンテナ4aと第2平面アンテナ4bとから構成され、第1平面アンテナ4aと第2平面アンテナ4bとは同じ平面上に所定の間隔だけ離隔されて線対称に配置されている。第1平面アンテナ4aは、第1アンテナ素子40aと、第1アンテナ素子40aの後方に所定間隔だけ離隔されて配置された第1後方素子36aとから構成されている。第1アンテナ素子40aは、4隅が45°の斜辺とされるC面取りされ、縦長の金属板製とされて、多角形とされた横長の第1開口部21aと、第1開口部21aと形状が異なる多角形とされた横長の第2開口部22aとが形成されている。さらに、第1開口部21aおよび第2開口部22aを取り囲むように全面に多数の貫通穴48aが形成されている。また、第2平面アンテナ4bは、第2アンテナ素子40bと、第2アンテナ素子40bの後方に所定間隔だけ離隔されて配置された第2後方素子36bとから構成されている。第2アンテナ素子40bは、4隅が45°の斜辺とされるC面取りされ、縦長の金属板製とされて、多角形とされた横長の第3開口部21bと、第3開口部21bと形状が異なる多角形とされた横長の第4開口部22bとが形成されている。さらに、第3開口部21bおよび第4開口部22bを取り囲むように全面に多数の貫通穴48bが形成されている。
また、金属導体42aは、第1後方素子36aの平面部Aの前面に密着して装着されており、金属導体42bは、その上部の下面が第1アンテナ素子40aの下部の上面と重なり、金属導体42bの下部の下面は第2アンテナ素子40bの上部の上面と重なるよう密着されて装着されており、金属導体42cは、第2後方素子36bの平面部Aの前面に密着して装着されていることは、第6実施例の平面アンテナ装置06において説明したとおりである。
【0037】
第7実施例の平面アンテナ装置07においてはケース51の内部に、3つの金属導体42a、42b、42cが収納されることで、3つの金属導体42a、42b、42cに設けられているデバイスを風雨などの外力から保護することができる。また、金属導体42a、42b、42cの少なくとも1つに照度センサー、紫外線センサー、温度センサー、湿度センサー、気圧センサー、降雨センサー等の環境情報を取得可能なセンサーや、2次電池などの蓄電素子や環境情報を送信可能な送信機や、増幅器、分岐器などの様々なデバイスを設置したり、金属導体42a、42b、42cの範囲を金属製の電極を備えるソーラーパネルとすることが、第7実施例の平面アンテナ装置07には好適となる。すなわち、ケース51を光透過性の材質で作成すると、ケース51を透過した光は金属導体42bに照射されると共に、第1アンテナ素子40aの貫通穴48aおよび第2アンテナ素子40bの貫通穴48bを透過して、第1後方素子36aの前面に装着された金属導体42aによる電極を備えるソーラーパネルや、第2後方素子36bの前面に装着された金属導体42cによる電極を備えるソーラーパネルにそれぞれ照射される。これにより、金属導体42a、42b、42cによる電極を備える1つ以上のソーラーパネルで効率よく発電することができることから、十分な発電電力を確保することができる。この場合は、ケース蓋部51bが光透過性の材質で作成されていれば、ケース本体部51aは光透過性の材質で作成されていなくてもよい。ソーラーパネルは、蓄電素子を充電し、蓄電素子からセンサーおよび送信機に動作電源が供給されるようになる。これにより、第7実施例の平面アンテナ装置07は、地上デジタル放送を受信するアンテナであって、建物の屋根や外壁などに設置されることから、環境情報を取得して送信するデバイスを幅広いエリアに設置することができるようになる。
【0038】
以上説明したように3つの金属導体42a、42b、42cを配置したので、総合した3つの金属導体42a、42b、42cの面積を大きくすることができ、3つの金属導体42a、42b、42cの面積を大きくして第7実施例の平面アンテナ装置07にかかる平面アンテナ4の前方の所定範囲が塞がれても平面アンテナ4の性能は維持されるようになる。
すなわち、3つの金属導体42a、42b、42cを設けても設けなくても、ほぼ同等の平面アンテナ4の性能が維持された第7実施例の平面アンテナ装置07とすることができるようになる。この場合、本発明の第7実施例の平面アンテナ装置07の電気的特性は、第6実施例の平面アンテナ装置06における図16(a)(b)に示す電気的特性と同様となる。
なお、第1アンテナ素子40aの貫通穴48aおよび第2アンテナ素子40bの貫通穴48bは、図示するように丸形状でもよいが、多角形としてもでもよい。また、第1アンテナ素子40aおよび第2アンテナ素子40bに貫通穴48a、48bを形成することに替えて、第1アンテナ素子40aおよび第2アンテナ素子40bをフィルムなどの樹脂に蒸着印刷などを施して、細い線状導体とし、メッシュ形状で構成してもよい。さらに、第7実施例の平面アンテナ装置07において、3つの金属導体42a、42b、42cの内の金属導体42aの設置範囲は、第1アンテナ素子40aにおける第1開口部21aおよび第2開口部22aの全部、および、第2アンテナ素子40bにおける第3開口部21bおよび第2開口部22bの全部を隠さない範囲とすることができる。
【0039】
<本発明の第8実施例の平面アンテナ装置>
次に、本発明の第8実施例の平面アンテナ装置08の構成を図18を参照して説明する。図18は第8実施例の平面アンテナ装置08の構成を示す正面図である。
図18に示す本発明の第8実施例の平面アンテナ装置08は、第5実施例の平面アンテナ装置05における金属導体42をソーラーパネルユニット62a、62b、62cからなるソーラーパネル群に置き換えており、他の構成は第5実施例の平面アンテナ装置05と同様とされている。
すなわち、本発明の第8実施例の平面アンテナ装置08は、ケース本体部51aとケース蓋部51bとからなる箱形のケース51を備えている。ケース51には、平面アンテナ3とソーラーパネルユニット62a、62b、62cからなるソーラーパネル群とが収納されている。この場合、平面アンテナ3の構成は、第5実施例の平面アンテナ装置05の平面アンテナ3と同様であって、第5実施例の平面アンテナ装置05において説明した通りとされており、第8実施例の平面アンテナ装置08においては各部の符号を同様としていることから、平面アンテナ3の詳細な説明は省略する。なお、平面アンテナ3は、地上デジタル放送を受信可能とされて、平面アンテナ3の受信周波数帯域は470MHz~710MHzとされている。
【0040】
第8実施例の平面アンテナ装置08において平面アンテナ3の上にソーラーパネルユニット62a、62b、62cからなるソーラーパネル群が装着されている。すなわち、第1平面アンテナ3aにおける第1アンテナ素子20aの前面には矩形状の20個の大小のソーラーパネルからなるソーラーパネルユニット62aが装着され、第2平面アンテナ3bにおける第2アンテナ素子20bの前面には矩形状の20個の大小のソーラーパネルからなるソーラーパネルユニット62cが装着されている。さらに、第1平面アンテナ3aと第2平面アンテナ3bとの間に矩形状の15個のソーラーパネルからなるソーラーパネルユニット62bが配置されている。ソーラーパネルユニット62aにおけるソーラーパネルは、第1アンテナ素子20aの第1開口部21aおよび第2開口部22aをほぼ塞がない位置に装着され、ソーラーパネルユニット52cにおけるソーラーパネルは、第2アンテナ素子20bの第3開口部21bおよび第4開口部22bをほぼ塞がない位置に装着されている。
なお、第1平面アンテナ3aは、第1アンテナ素子20aと、第1アンテナ素子20aの後方に所定間隔だけ離隔されて配置された第1後方素子36aとから構成されている。また、第2平面アンテナ3bは、第2アンテナ素子20bと、第2アンテナ素子20bの後方に所定間隔だけ離隔されて配置された第2後方素子36bとから構成されている。
【0041】
第8実施例の平面アンテナ装置08においてはケース51の内部に、ソーラーパネルユニット62a、62b、62cからなるソーラーパネル群が収納されることで、ソーラーパネルユニット62a、62b、62cからなるソーラーパネル群を風雨などの外力から保護することができる。また、ケース51におけるケース蓋部51bは光透過性の材質で作成されており、ケース51を透過した光はソーラーパネルユニット62a、62b、62cからなるソーラーパネル群に照射される。これにより、ソーラーパネルユニット62a、62b、62cからなるソーラーパネル群で効率よく発電することができ、十分な発電電力を確保することができる。ところで、ソーラーパネルユニット62a、62b、62cにおける少なくとも1つのソーラーパネルに照度センサー、紫外線センサー、温度センサー、湿度センサー、気圧センサー、降雨センサー等の環境情報を取得可能なセンサーや、2次電池などの蓄電素子や環境情報を送信可能な送信機や、増幅器、分岐器などの様々なデバイスを設置することができる。この場合、ソーラーパネルユニット62a、62b、62cは、蓄電素子を充電し、蓄電素子からセンサーおよび送信機に動作電源が供給されるようになる。すると、第8実施例の平面アンテナ装置08は、地上デジタル放送を受信するアンテナであって、建物の屋根や外壁などに設置されることから、環境情報を取得して送信するデバイスを幅広いエリアに設置することができるようになる。
【0042】
以上説明したようにソーラーパネルユニット62a、62b、62cからなるソーラーパネル群を配置したので、総合したソーラーパネルユニット62a、62b、62cからなるソーラーパネル群の面積を大きくすることができ、ソーラーパネルユニット62a、62b、62cからなるソーラーパネル群がそれぞれ備える電極の面積を大きくして第8実施例の平面アンテナ装置08にかかる平面アンテナ3の前方の所定範囲が塞がれても平面アンテナ3の性能は維持されるようになる。
すなわち、ソーラーパネルユニット62a、62b、62cからなるソーラーパネル群を設けても設けなくても、ほぼ同等の平面アンテナ3の性能が維持された第8実施例の平面アンテナ装置08とすることができるようになる。
なお、第8実施例の平面アンテナ装置08において、平面アンテナ3を第2実施例の平面アンテナ装置02が備える平面アンテナ2に置き換えてもよい。また、ソーラーパネルユニット62a、62b、62cにおけるソーラーパネルを様々なデバイスを設置することができる金属導体に置き換えてもよい。
【0043】
<本発明の第9実施例の平面アンテナ装置>
次に、本発明の第9実施例の平面アンテナ装置09の構成を図19および図20を参照して説明する。図19は第9実施例の平面アンテナ装置09の構成を示す正面図であり、図20は第9実施例の平面アンテナ装置09の構成を示す側面図である。
図19図20に示すように、本発明の第9実施例の平面アンテナ装置09は、平面アンテナ2と5つの矩形状の金属導体28a,28b,28c,28d,28eとから構成されている。この場合、平面アンテナ2は地上デジタル放送を受信可能とされて、平面アンテナ2の受信周波数帯域は470MHz~710MHzとされ、金属導体28a~28eは、平面アンテナ2の上面に密着して装着されている。
第9実施例の平面アンテナ装置09における平面アンテナ2は、第2実施例の平面アンテナ装置02において説明した平面アンテナ2であるから詳細な説明は省略するが、平面アンテナ2は、同形状の第1平面アンテナ2aと第2平面アンテナ2bとから構成され、第1平面アンテナ2aと第2平面アンテナ2bとは同じ平面上に所定の間隔だけ離隔されて線対称に配置されている。
【0044】
第9実施例の平面アンテナ装置09が第2実施例の平面アンテナ装置02と異なる構成は、5つの矩形状の金属導体28a,28b,28c,28d,28eの配置態様とされている。すなわち、図20に示されるように第9実施例の平面アンテナ装置09においては、金属導体28aは、平面アンテナ2の前方であって、第1アンテナ素子20aの上部および第1開口部21aの上部を覆うように第1アンテナ素子20aの上面に密着して装着されている。この場合、平面アンテナ2の縦方向の中心線と金属導体28aの縦方向の中心線とがほぼ一致するよう配置されている。金属導体28aは横長の矩形状とされ、その長さは第1アンテナ素子20aの横幅より短くされ、第1アンテナ素子20aの上部および第1開口部21aの上部を覆うものの第1開口部21aの全部を塞がない幅とされている。
また、金属導体28bは、平面アンテナ2の前方であって、第1アンテナ素子20aの中央部よりやや下部および第2開口部22aの下部を覆うように第1アンテナ素子20aの上面に密着して装着されている。この場合、平面アンテナ2の縦方向の中心線と金属導体28aの縦方向の中心線とがほぼ一致するよう配置されている。金属導体28bは横長の矩形状とされ、その横方向の長さは金属導体28aより長いが第1アンテナ素子20aの横幅より短くされ、第1アンテナ素子20aの中央部よりやや下部および第2開口部22aの下部を覆うものの第2開口部22aの全部を塞がない幅とされている。
【0045】
さらに、金属導体28cは縦長の矩形状とされ、上部の下面が第1アンテナ素子20aの下部の上面と密着すると共に、金属導体28cの下部の下面が第2アンテナ素子20bの上部の上面と密着するよう平面アンテナ2の上に装着されている。すなわち、所定の間隔だけ離隔されて配置された平面アンテナ2における第1アンテナ素子20aと第2アンテナ素子20bとの間を塞ぐと共に、第1アンテナ素子20aの下部の上面および第2アンテナ素子20bの上部の上面に、金属導体28cの上部の下面および下部の下面がそれぞれ密着して重なるように装着されている。この場合、平面アンテナ2の中心点と金属導体28cの中心点とがほぼ一致するよう配置されている。金属導体28cの横方向の長さは金属導体28aより長いが金属導体28bより短くされて、第1アンテナ素子20aおよび第2アンテナ素子20bの横幅より短くされ、金属導体28cの縦方向の長さは第2開口部22aと第3開口部21bとの間であって、第1アンテナ素子20aの下部および第2アンテナ素子20bの上部に重なる長さとされている。
さらにまた、金属導体28dは金属導体28bと同形状とされ、平面アンテナ2の横方向の中心線に対して線対称に配置されている。すなわち、金属導体28dは横長の矩形状とされ、その横方向の長さは金属導体28cより長いが第2アンテナ素子20bの横幅より短くされ、第2アンテナ素子20bの上部を覆うものの第3開口部21bの全部を塞がない幅とされている。
さらにまた、金属導体28eは金属導体28aと同形状とされ、平面アンテナ2の横方向の中心線に対して線対称に配置されている。すなわち、金属導体28eは横長の矩形状とされ、その横方向の長さは金属導体28cおよび金属導体28dより短いと共に第2アンテナ素子20aの横幅より短くされ、第2アンテナ素子20bの上部を覆うものの第4開口部22bの全部を塞がない幅とされている。
上記説明したように、第9実施例の平面アンテナ装置09においては、5つの矩形状の金属導体28a,28b,28c,28d,28eが第1アンテナ素子20aと第2アンテナ素子20bの上面に密着して装着されている構成とされている。なお、金属導体28a,28b,28c,28d,28eと第1アンテナ素子20aと第2アンテナ素子20bの上面との間は絶縁されている。
【0046】
第9実施例の平面アンテナ装置09においては、平面アンテナ2と5つの矩形状の金属導体28a,28b,28c,28d,28eとを前述した樹脂製のケース本体部51aとケース蓋部51bとからなる箱形のケース51に収納している。平面アンテナ2と金属導体28a,28b,28c,28d,28eとをケース51に収納すると、金属導体28a,28b,28c,28d,28eに設けられているデバイスを風雨などの外力から保護することができる。例えば、金属導体28a,28b,28c,28d,28eに照度センサー、紫外線センサー、温度センサー、湿度センサー、気圧センサー、降雨センサー等の環境情報を取得可能なセンサーや、2次電池などの蓄電素子や環境情報を送信可能な送信機や、増幅器、分岐器などの様々なデバイスを設置することができる。また、金属導体28a,28b,28c,28d,28eの範囲を金属製の電極を備えるソーラーパネルとして用いることができる。この場合、金属導体28a,28b,28c,28d,28eを総合した面積を大きくできることから、ソーラーパネルから十分な発電電力を得ることができる。ソーラーパネルは、蓄電素子を充電し、蓄電素子からセンサーおよび送信機に動作電源が供給されるようになる。また、ケース51を光透過性の材質で作成するとソーラーパネルの発電効率を確保することができる。この場合、ケース蓋部51bが光透過性の材質で作成されていれば、ケース本体部51aは光透過性の材質で作成されていなくてもよい。これにより、第9実施例の平面アンテナ装置09は、地上デジタル放送を受信するアンテナであって、建物の屋根や外壁などに設置されることから、環境情報を取得して送信するデバイスを幅広いエリアに設置することができるようになる。
【0047】
以上説明したように金属導体28a,28b,28c,28d,28eを配置したので、金属導体28a,28b,28c,28d,28eを総合した面積を大きくすることができ、金属導体28a,28b,28c,28d,28eの面積を大きくして第9実施例の平面アンテナ装置09にかかる平面アンテナ2の前方の所定範囲が塞がれても平面アンテナ2の性能は維持されるようになる。
すなわち、金属導体28a,28b,28c,28d,28eを設けても設けなくても、ほぼ同等の平面アンテナ2の性能が維持された第9実施例の平面アンテナ装置09とすることができるようになる。
【0048】
第9実施例の平面アンテナ装置09においては、金属導体28aにより第1開口部21aの上部が塞がれ、金属導体28bにより第2開口部22aの下部が塞がれると共に、金属導体28dにより第3開口部21bの上部が塞がれ、金属導体28eにより第4開口部22bの下部が塞がれている。このように、第1開口部21aないし第4開口部22bが金属導体28a,28b,28d,28eで塞がれて遮蔽される面積の割合である遮蔽率について次に説明する。
第9実施例の平面アンテナ装置09において第1開口部21aないし第4開口部22bが金属導体28a,28b,28d,28eで塞がれて遮蔽される遮蔽率[%]を0%から80%まで変化させた際のVSWR特性を示すグラフを図21(a)に示し、各遮蔽率におけるVSWRの値を示す図表を図21(b)に示す。この場合、測定周波数は平面アンテナ2の受信周波数帯域とされる470MHz~710MHzの中心周波数である590MHzとされている。
図21(a)(b)を参照すると、遮蔽率が大きくなるにつれてVSWR値が劣化していき、遮蔽率が約50%とされるまでは2.5以下のVSWR値が得られているが、遮蔽率が約50%を超えると2.5を超えるVSWR値となることが分かる。例えば、遮蔽率が50%の時は2.48のVSWR値が得られるが、遮蔽率が60%の時はVSWR値が2.60となり、遮蔽率が70%の時はVSWR値が2.72となり、遮蔽率が80%になるとVSWR値が3.77まで劣化するようになる。このことから、第9実施例の平面アンテナ装置09においては、2.5以下のVSWR値が得られるように金属導体28a,28b,28d,28eで第1開口部21aないし第4開口部22bが遮蔽される遮蔽率[%]を50%以下とするのが好適とされる。
なお、図21(a)(b)のVSWR特性は測定周波数を590MHzとしたが、受信周波数帯域とされる470MHz~710MHzにおける590MHz以外の周波数としても、図21(a)(b)に示すVSWR特性とほぼ同様のVSWR特性となる。また、第2実施例の平面アンテナ装置02においても、第1開口部21aないし第4開口部22bが金属導体28a,28b,28d,28eで遮蔽される遮蔽率[%]に対するVSWR特性は図21(a)(b)と同様となり、第2実施例の平面アンテナ装置02においても、遮蔽率[%]を50%以下とするのが好適とされる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
上記説明した本発明の実施例の平面アンテナ装置は、平面アンテナと、平面アンテナの前方に配置した金属導体、あるいは、平面アンテナを構成するアンテナ素子の上面に装着した金属導体とから構成され、金属導体に照度センサー、紫外線センサー、温度センサー、湿度センサー、気圧センサー、降雨センサー等の環境情報を取得可能なセンサーや、増幅器や分岐器などの様々なデバイスを設置することができる。設置する場合は、金属板を敷いて、その表裏面に設置してもよいし、個別のデバイスをばらばらに設置してもよい。また、金属導体範囲をソーラーパネルとしてもよい。そして、平面アンテナを地上デジタル放送を受信するアンテナとすると、本発明の実施例の平面アンテナ装置は建物の屋根や外壁などに設置されることから、環境情報を取得して送信するデバイスを幅広いエリアに設置することができるようになる。
上記説明した本発明の実施例の平面アンテナ装置では、平面アンテナの広範囲に金属導体を設置できるので、デバイス装着の自由度が増すことができる。また、本発明の実施例の平面アンテナ装置が全体を収納するケースを備えている場合は、ケースの内部にも設置できるので、デバイスの保護ができるという効果を奏することができる。さらに、金属導体の範囲をソーラーパネルとすることで広い範囲で発電が可能となり、より大きな電力が得られるようになる。
【符号の説明】
【0050】
01,0203,04,05,06,07,08,09 平面アンテナ装置、1,2,3,4 平面アンテナ、1a,2a,3a,4a 第1平面アンテナ、1b,2b,3b,4b 第2平面アンテナ、10a,20a,40a 第1アンテナ素子、10b,20b,40b 第2アンテナ素子、11a,21a 第1開口部、11b,21b 第3開口部、12a,22a 第2開口部、12b,22b 第4開口部、13a,23a 第1給電点、13b,23b 第3給電点、14a,24a 第2給電点、14b,24b 第4給電点、15a,25a 第1給電ライン、15b,25b 第2給電ライン、16a,26a,36a 第1後方素子、16b,26b,36b 第2後方素子、17,27 給電部、18 金属導体、26 後方素子、28a,28b,28c,28d,28e 金属導体、31,41,51 ケース、31a,51a ケース本体部、31b,51b ケース蓋部、32 金属導体、36 後方素子、42 金属導体、42a,42b,42c 金属導体、48a,48b 貫通穴、52a,51b,52c ソーラーパネルユニット、100 アンテナ装置、110 アンテナカバー、111 前面カバー、112 後面カバー、120 センサー基板、130 ソーラーパネル、A 平面部、B 立上部、C 開口部
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