(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054461
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】鞍乗型車両
(51)【国際特許分類】
B62J 9/22 20200101AFI20240410BHJP
B62J 45/00 20200101ALI20240410BHJP
【FI】
B62J9/22
B62J45/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160676
(22)【出願日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】大石 伸明
(57)【要約】
【課題】鞍乗型車両において、複数のコントロールユニットを共通のホルダによって安定的に保持すると共に、ホルダを小型化する。
【解決手段】鞍乗型車両は、第1コントロールユニットと、第2コントロールユニットと、ホルダとを備える。ホルダは、第1コントロールユニットと第2コントロールユニットとを共に保持する。ホルダは、収納空間と第1開口とを含む。収納空間には、第1コントロールユニットと第2コントロールユニットとが配置される。第1開口は、収納空間に連通し、ホルダの一側方に向かって開口している。第1コントロールユニットは、第1開口を閉じるように配置される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コントロールユニットと、
第2コントロールユニットと、
第1コントロールユニットと第2コントロールユニットとを共に保持するホルダと、
を備え、
前記ホルダは、
前記第1コントロールユニットと前記第2コントロールユニットとが配置される収納空間と、
前記収納空間に連通し、前記ホルダの一側方に向かって開口した第1開口と、
を含み、
第1コントロールユニットは、前記第1開口を閉じるように配置される、
鞍乗型車両。
【請求項2】
前記ホルダは、前記ホルダにおいて前記第1開口の反対側に位置する第1側壁を含み、
前記第2コントロールユニットは、前記第1側壁と前記第1コントロールユニットとの間に配置される、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項3】
前記ホルダは、前記第1側壁から前記第1開口へ向かって延びる第2側壁をさらに含む、
請求項2に記載の鞍乗型車両。
【請求項4】
前記第2側壁の内面は、前記第1開口へ向かって配置される第1段部を含み、
前記第1コントロールユニットは、前記第1段部に係止している、
請求項3に記載の鞍乗型車両。
【請求項5】
前記第1段部は、前記第2コントロールユニットと面一に配置される、
請求項4に記載の鞍乗型車両。
【請求項6】
前記ホルダは、
前記第2側壁の反対側に配置され、前記第1側壁から前記第1開口へ向かって延びる第3側壁をさらに含む、
請求項3に記載の鞍乗型車両。
【請求項7】
前記第3側壁の内面は、前記第1開口へ向かって配置される第2段部を含み、
前記第1コントロールユニットは、前記第2段部に係止している、
請求項6に記載の鞍乗型車両。
【請求項8】
前記第2段部は、前記第2コントロールユニットと面一に配置される、
請求項7に記載の鞍乗型車両。
【請求項9】
前記ホルダは、
前記ホルダの上方に向かって開口する第2開口をさらに含む、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項10】
前記第1開口側から見て、前記第1コントロールユニットは、前記第2コントロールユニットより大きい、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項11】
前記第1コントロールユニットは、前記第2コントロールユニットと接触している、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項12】
前記第1コントロールユニットと前記第2コントロールユニットとの間に配置され、前記ホルダとは別体の中間部材をさらに備える、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項13】
前記ホルダは、樹脂製である、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項14】
前記第1コントロールユニットは、前記ホルダに固定される、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項15】
前記第1コントロールユニットを前記ホルダに固定する弾性体製の固定部材をさらに備える、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
鞍乗型車両には、複数のコントロールユニットを収納するホルダを備えるものがある。例えば、特許文献1は、鞍乗型車両における電装品の取付構造を開示している。この電装品の取付構造では、第1制御装置と第2制御装置とが、ホルダとしての上ケースに収容されている。第1制御装置と第2制御装置とは、上下に並んで配置されている。上ケースは、第1ロック板と第2ロック板とを含む。第1ロック板は、第1制御装置と第2制御装置との間に配置される。第2ロック板は、第2制御装置の上面を押さえるように配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した電装品取付構造では、第1ロック板と第2ロック板とによって、第1制御装置と第2制御装置との上ケースからの脱落が抑えられ、第1制御装置と第2制御装置とは上ケースによって安定的に保持される。しかし、第1ロック板と第2ロック板とによって、上ケースが大型化してしまう。
【0005】
上述のように、複数のコントロールユニットを収納するホルダが大型化すると、鞍乗型車両の重量が増大してしまう、或いは、鞍乗型車両の製造コストが増大してしまう。或いは、ホルダの大型化により、鞍乗型車両における複数のコントロールユニットのレイアウトが制限されてしまう。本発明の目的は、鞍乗型車両において、複数のコントロールユニットを共通のホルダによって安定的に保持すると共に、ホルダを小型化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る鞍乗型車両は、第1コントロールユニットと、第2コントロールユニットと、ホルダとを備える。ホルダは、第1コントロールユニットと第2コントロールユニットとを共に保持する。ホルダは、収納空間と第1開口とを含む。収納空間には、第1コントロールユニットと第2コントロールユニットとが配置される。第1開口は、収納空間に連通し、ホルダの一側方に向かって開口している。第1コントロールユニットは、第1開口を閉じるように配置される。
【0007】
本態様に係る鞍乗型車両では、第1コントロールユニットと第2コントロールユニットは、ホルダの収納空間内に配置される。そして、ホルダの第1開口は、第1コントロールユニットによって閉じられる。そのため、第1コントロールユニットが第1開口の蓋として機能することで、第2コントロールユニットのホルダからの脱落が抑えられる。それにより、第1コントロールユニットと第2コントロールユニットとがホルダによって安定的に保持される。また、第1コントロールユニットが第1開口の蓋として機能するため、ホルダから蓋が省略される。それにより、ホルダが小型化される。
【0008】
ホルダは、ホルダにおいて第1開口の反対側に位置する第1側壁を含んでもよい。第2コントロールユニットは、第1側壁と第1コントロールユニットとの間に配置されてもよい。この場合、第1側壁と第1コントロールユニットとによって、第2コントロールユニットの脱落が抑えられる。
【0009】
ホルダは、第1側壁から第1開口へ向かって延びる第2側壁をさらに含んでもよい。この場合、第2側壁によって、第1コントロールユニットと第2コントロールユニットとの脱落が抑えられる。
【0010】
第2側壁の内面は、第1開口へ向かって配置される第1段部を含んでもよい。第1コントロールユニットは、第1段部に係止していてもよい。この場合、第1コントロールユニットが、第1段部によって位置決めされる。また、第2コントロールユニットが無い状態であっても、第1コントロールユニットが、第1段部に係止することで、ホルダに安定的に保持される。そのため、第2コントロールユニットが無い仕様の鞍乗型車両においてもホルダを用いることができる。
【0011】
第1段部は、第2コントロールユニットと面一に配置されてもよい。この場合、第2コントロールユニットが、第1コントロールユニットとホルダとの間に、緩みなく配置される。
【0012】
ホルダは、第3側壁をさらに含んでもよい。第3側壁は、第2側壁の反対側に配置されてもよい。第3側壁は、第1側壁から第1開口へ向かって延びていてもよい。この場合、第3側壁によって、第1コントロールユニットと第2コントロールユニットとの脱落が抑えられる。
【0013】
第3側壁の内面は、第1開口へ向かって配置される第2段部を含んでもよい。第1コントロールユニットは、第2段部に係止していてもよい。この場合、第2コントロールユニットが無い状態であっても、第1コントロールユニットが、第2段部に係止することで、ホルダに安定的に保持される。そのため、第2コントロールユニットが無い仕様の鞍乗型車両においてもホルダを用いることができる。
【0014】
第2段部は、第2コントロールユニットと面一に配置されてもよい。この場合、第2コントロールユニットが、第1コントロールユニットとホルダとの間に、緩みなく配置される。
【0015】
ホルダは、ホルダの上方に向かって開口する第2開口をさらに含んでもよい。この場合、ホルダの上方からの第1コントロールユニット及び第2コントロールユニットへのアクセスが容易となる。
【0016】
第1開口側から見て、第1コントロールユニットは、第2コントロールユニットより大きくてもよい。この場合、第2コントロールユニットのホルダからの脱落が、さらに効果的に抑えられる。
【0017】
第1コントロールユニットは、第2コントロールユニットと接触していてもよい。この場合、第1コントロールユニットと第2コントロールユニットとがコンパクトに配置される。
【0018】
鞍乗型車両は、中間部材をさらに備えてもよい。中間部材は、第1コントロールユニットと第2コントロールユニットとの間に配置されてもよい。中間部材は、ホルダとは別体であってもよい。この場合、断熱材、或いは緩衝材などを中間部材として、第1コントロールユニットと第2コントロールユニットとの間に配置することができる。
【0019】
ホルダは、樹脂製であってもよい。この場合、ホルダが撓みやすいことで、第1コントロールユニットと第2コントロールユニットとのホルダへの取り付けが容易となる。
【0020】
第1コントロールユニットは、ホルダに固定されてもよい。この場合、第1コントロールユニットのホルダからの脱落が抑えられる。
【0021】
鞍乗型車両は、第1コントロールユニットをホルダに固定する弾性体製の固定部材をさらに備えてもよい。この場合、第1コントロールユニットのホルダへの固定が容易になる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、鞍乗型車両において、複数のコントロールユニットが共通のホルダによって安定的に保持されると共に、ホルダが小型化される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】車体フレーム及びコントロールユニット組立体の側面図である。
【
図3】コントロールユニット組立体の斜視図である。
【
図4】コントロールユニット組立体の斜視図である。
【
図5】コントロールユニット組立体の背面図である。
【
図11】第1コントロールユニットが省略されたコントロールユニット組立体の背面図である。
【
図12】第2コントロールユニットが省略されたコントロールユニット組立体の断面図である。
【
図13】変形例に係るコントロールユニット組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る鞍乗型車両1の側面図である。本実施形態に係る鞍乗型車両1は、モーターサイクルである。鞍乗型車両1は、車体フレーム2と、ステアリング装置3と、前輪4と、燃料タンク5と、シート6と、パワーユニット7と、後輪8と、車体カバー9とを備える。
【0025】
車体フレーム2は、ヘッドパイプ11を含む。ヘッドパイプ11は、ステアリング装置3を左右に回転可能に支持している。ステアリング装置3は、フロントフォーク12とハンドル部材13とを含む。フロントフォーク12は、前輪4を回転可能に支持している。ハンドル部材13は、フロントフォーク12の上部に接続されている。
【0026】
燃料タンク5は、ヘッドパイプ11の後方に配置されている。シート6は、燃料タンク5の後方に配置されている。パワーユニット7は、シート6の下方に配置されている。パワーユニット7は、エンジン14とモータ15とを含む。モータ15は、エンジン14を始動するスタータモータである。モータ15は、スタータとジェネレータの機能を有するISG(Integrated Starter Generator)であってもよい。後輪8は、スイングアーム16を介して、車体フレーム2、或いはパワーユニット7に支持されている。後輪8は、スイングアーム16に回転可能に支持されている。
【0027】
車体カバー9は、車体フレーム2の一部を覆っている。車体カバー9は、フロントカバー28と、サイドカバー29とを含む。フロントカバー28は、ヘッドパイプ11の前方に配置される。フロントカバー28には、スクリーン30が取り付けられている。サイドカバー29は、車体フレーム2を側方から覆う。
【0028】
鞍乗型車両1は、コントロールユニット組立体20を含む。
図2は、車体フレーム2及びコントロールユニット組立体20の側面図である。
図2に示すように、車体フレーム2は、第1フレーム17と、第2フレーム18と、第3フレーム19とを含む。第1フレーム17は、ヘッドパイプ11に接続されている。第1フレーム17は、ヘッドパイプ11から後方へ延びている。第2フレーム18は、第1フレーム17の下方に配置されている。第2フレーム18は、ヘッドパイプ11に接続されている。第2フレーム18は、ヘッドパイプ11から後方、且つ、下方へ延びている。第3フレーム19は、第1フレーム17と第2フレーム18とに接続されている。
【0029】
コントロールユニット組立体20は、車体フレーム2に取り付けられている。詳細には、コントロールユニット組立体20は、第2フレーム18と第3フレーム19とに取り付けられている。コントロールユニット組立体20は、サイドカバー29の内側に配置される。
図3及び
図4は、コントロールユニット組立体20の斜視図である。
図5は、コントロールユニット組立体20の背面図である。
図3から
図5に示すように、コントロールユニット組立体20は、第1コントロールユニット21と、第2コントロールユニット22と、ホルダ23とを含む。
【0030】
第1コントロールユニット21は、ECU(エンジンコントロールユニット)である。第1コントロールユニット21は、エンジン14を電気的に制御する。例えば、第1コントロールユニット21は、エンジン14での燃料噴射と点火タイミングとを制御する。
図3及び
図4に示すように、第1コントロールユニット21は、第1ケース24とコネクタ25とを含む。第1ケース24は、エンジン14を制御するための図示しない電子回路を収納している。コネクタ25は、第1ケース24から突出している。なお、図面においては複数のコネクタの一部のみに符号25を付して、他のコネクタの符号は省略されている。
【0031】
第2コントロールユニット22は、MCU(モータコントロールユニット)である。第2コントロールユニット22は、モータ15を電気的に制御する。第2コントロールユニット22は、第2ケース26とコネクタ27とを含む、第2ケース26は、モータ15を制御するための図示しない電子回路を収納している。コネクタ27は、第2ケース26から突出している。なお、図面においては複数のコネクタの一部のみに符号27を付して、他のコネクタの符号は省略されている。
【0032】
ホルダ23は、第1コントロールユニット21と第2コントロールユニット22とを共に保持する。ホルダ23は、樹脂製である。例えば、ホルダ23は、一体的に形成される。
図6及び
図7は、ホルダ23の斜視図である。
図8は、ホルダ23の正面図である。
図9は、ホルダ23の背面図である。
【0033】
図6から
図9に示すように、ホルダ23は、第1側壁31と、第2側壁32と、第3側壁33と、底面34と、収納空間35と、第1開口36と、第2開口37とを含む。なお、以下の説明では、ホルダ23において、底面34が位置する方向が下方、その反対の方向が上方と定義される。ホルダ23において第1側壁31が位置する方向が前方、その反対の方向が後方と定義される。ホルダ23において、第2側壁32が位置する方向が左方、その反対が右方と定義される。
【0034】
収納空間35は、第1側壁31と、第2側壁32と、第3側壁33と、底面34とによって囲まれている。収納空間35には、第1コントロールユニット21と第2コントロールユニット22とが配置される。第1コントロールユニット21と第2コントロールユニット22との間は区画されておらず、第1コントロールユニット21と第2コントロールユニット22とは、共通の収納空間35内に一緒に配置される。
【0035】
第1開口36は、収納空間35に連通している。第1開口36は、ホルダ23の後方に向かって開口している。第1開口36は、ホルダ23の背面全体において開口している。第2開口37は、収納空間35に連通している。第2開口37は、ホルダ23の上方に向かって開口している。第2開口37は、ホルダ23の上面全体において開口している。
【0036】
第1側壁31は、ホルダ23において第1開口36の反対側に位置する。第1側壁31は、第1開口36と向かい合って配置される。第1側壁31は、第2側壁32と第3側壁33と底面34とよりも大きな面積を有する。第1側壁31は、孔38-40を含む。第1側壁31は、凸部41を含む、凸部41は、第1側壁31からホルダ23の外方へ向かって突出している。凸部41は、第1側壁31の内面において凹んだ形状を有している。第1側壁31は、複数のリブ42を含む。複数のリブ42は、第1側壁31の外面から突出している。複数のリブ42は、それぞれホルダ23の上下方向に延びている。なお、図面においては、複数のリブ42の一部のみに符号42を付して、他のリブの符号は省略されている。
【0037】
第1側壁31は、上面部43と、下面部44と、前段部45とを含む。下面部44は、上面部43の下方に配置される。下面部44は、上面部43よりも後方に配置される。
図4に示すように、前段部45は、上面部43と下面部44との間に配置される。前段部45は、下面部44から前方へ上面部43に向かって延びている。前段部45は、第1側壁31において左右方向に延びている。孔38は、上面部43に配置される。孔39,40は、下面部44に配置される。凸部41は、上面部43に配置される。複数のリブ42は、下面部44に配置される。複数のリブ42は、前段部45から下方に延びている。
【0038】
第2側壁32は、第1側壁31から後方へ向かって延びている。第2側壁32は、第1側壁31から第1開口36へ向かって延びている。第2側壁32は、底面34から上方へ向かって延びている。第2側壁32は、底面34から第2開口37へ向かって延びている。第2側壁32には、ケーブルガイド46が接続されている。ケーブルガイド46は、コネクタ25、或いはコネクタ27に接続される図示しないケーブルを案内する。第2側壁32は、第1前部47と、第1後部48と、第1段部49とを含む。
【0039】
第1前部47は、第1側壁31に接続されている。第1後部48は、第1前部47の後方に配置される。第1後部48は、第1前部47よりも外側方に配置される。第1段部49は、第1前部47と第1後部48との間に配置される。第1段部49は、第1開口36へ向かって配置される。第1段部49は、第1前部47から、外側方へ、第1後部48に向かって延びている。第1段部49は、第2側壁32において上下方向に延びている。第2側壁32は、第1切り欠き51を含む。第1切り欠き51は、第2側壁32の後縁から前方へ延びている。第1切り欠き51を通して、第1コントロールユニット21がホルダ23の外部に露出する。
【0040】
第3側壁33は、第2側壁32の反対側に配置される。第3側壁33は、第1側壁31から後方へ向かって延びている。第3側壁33は、第1側壁31から第1開口36へ向かって延びている。第3側壁33は、底面34から上方へ向かって延びている。第3側壁33は、底面34から第2開口37へ向かって延びている。
図7及び
図9に示すように、第3側壁33は、第2前部52と、第2後部53と、第2段部54とを含む。
【0041】
第2前部52は、第1側壁31に接続されている。第2後部53は、第2前部52の後方に配置される。第2後部53は、第2前部52よりも外側方に配置される。第2段部54は、第2前部52と第2後部53との間に配置される。第2段部54は、第1開口36へ向かって配置される。第2段部54は、第2前部52から、外側方へ、第2後部53に向かって延びている。第2段部54は、第3側壁33において上下方向に延びている。第3側壁33は、第2切り欠き55を含む。第2切り欠き55は、第3側壁33の後縁から前方へ延びている。第2切り欠き55を通して、第1コントロールユニット21がホルダ23の外部に露出する。
【0042】
底面34は、第1側壁31から後方へ延びている。底面34は、ホルダ23において左右方向に延びている。
図7に示すように、底面34は、第3前部56と、第3後部57と、第3段部58とを含む。第3前部56は、第1側壁31に接続されている。第3後部57は、第3前部56の後方に配置される。第3後部57は、第3前部56よりも下方に配置される。第3段部58は、第3前部56と第3後部57との間に配置される。第3段部58は、第3前部56から、下方へ、第3後部57に向かって延びている。第3段部58は、底面34において左右方向に延びている。
【0043】
図10は、
図8におけるX-X断面図である。
図3,4,10に示すように、第1コントロールユニット21は、第1開口36を閉じるように配置される。第2コントロールユニット22は、第1側壁31と第1コントロールユニット21との間に配置される。第1コントロールユニット21と第2コントロールユニット22とは、収納空間35において前後に積層して配置される。第1コントロールユニット21と第2コントロールユニット22との間には、ホルダ23は配置されていない。第1コントロールユニット21と第2コントロールユニット22とは互いに接触している。
【0044】
図11は、第1コントロールユニット21が省略されたコントロールユニット組立体20の背面図である。
図11に示すように。第2コントロールユニット22は、第2側壁32の第1前部47と、第3側壁33の第2前部52との間に配置される。第2コントロールユニット22は、底面34の第3前部56上に配置される。第3側壁33は、第2前部52の内面から突出する複数の位置決めリブ59を含む。第2コントロールユニット22は、ホルダ23内において複数の位置決めリブ59によって位置決めされる。なお、図面においては、複数の位置決めリブ59の一部のみに符号59が付されており、他の位置決めリブの符号は省略されている。
図10に示すように、第1段部49は、第2コントロールユニット22と面一に配置される。第2段部54は、第2コントロールユニット22と面一に配置される。
【0045】
図5に示すように、ホルダ23の背面視において、第1開口36は、第1コントロールユニット21よりも大きい。ホルダ23の背面視において、第1コントロールユニット21は、第2コントロールユニット22より大きい。詳細には、ホルダ23の背面視において、第1コントロールユニット21は、左右方向において、第2コントロールユニット22より大きい。ホルダ23の背面視において、第1コントロールユニット21は、上下方向において、第2コントロールユニット22より大きい。
【0046】
第1コントロールユニット21は、第2側壁32の第1後部48と、第3側壁33の第2後部53との間に配置される。第2コントロールユニット22は、底面34の第3後部57上に配置される。第1コントロールユニット21は、第2側壁32の第1段部49に係止している。第1コントロールユニット21は、第3側壁33の第2段部54に係止している。第1コントロールユニット21は、底面34の第3段部58に係止している。
【0047】
第1コントロールユニット21は、ホルダ23に固定されている。それにより、第1コントロールユニット21が第1開口36の蓋として機能する。詳細には、コントロールユニット組立体20は、第1コントロールユニット21をホルダ23に固定する弾性体製の固定部材61を含む。固定部材61は、第2側壁32と第3側壁33との間に亘って配置される。固定部材61は、第2側壁32と第3側壁33とに係止することで、ホルダ23に固定される。固定部材61は、例えば弾性体製のバンドである。
【0048】
図8に示すように、第2側壁32は、第1係止爪62を含む。第1係止爪62は、第1切り欠き51の前方に配置されている。第3側壁33は、第2係止爪63を含む。第2係止爪63は、第2切り欠き55の前方に配置されている。固定部材61は、第1係止爪62と第2係止爪63とに係止する。例えば、
図10に示すように、固定部材61の両端に留め具81,82がそれぞれ取り付けられている。留め具81,82は、第1係止爪62と第2係止爪63とにそれぞれ係止する。固定部材61は、第1切り欠き51と第2切り欠き55とを通して、第1コントロールユニット21に接触する。
【0049】
第1コントロールユニット21は、固定部材61の弾性力によって第1~第3段部49,54,58に向かって押し付けられており、第1~第3段部49,54,58に接触している。それにより、第1コントロールユニット21は、ホルダ23に固定されている。また、
図4及び
図7に示すように、底面34は、係止爪64を含む。係止爪64は、第1コントロールユニット21に係止して、第1コントロールユニット21の底部の後方への移動を規制する。
【0050】
図2に示すように、コントロールユニット組立体20は、第1フレーム17の外側方に配置されている。コントロールユニット組立体20は、第1側壁31を、鞍乗型車両1の外側方に向けて配置される。言い換えれば、コントロールユニット組立体20は、第1開口36を、鞍乗型車両1の内側方に向けて配置される。コントロールユニット組立体20は、第2フレーム18と第3フレーム19とに固定される。
【0051】
図5に示すように、ホルダ23は、第1固定部66と、第2固定部67と、第3固定部68とを含む。第1固定部66は、第3側壁33に接続されている。
図2に示すように、第1固定部66は、第2フレーム18に取り付けられる。第1固定部66は、ボルト71によって第2フレーム18に固定される。第2固定部67は、底面34に接続されている。
図2に示すように、第2固定部67は、第3フレーム19に取り付けられる。第2固定部67は、ボルト72によって第3フレーム19に固定される。第3固定部68は、第2固定部67と同様に、底面34に接続されている。
図2に示すように、第3固定部68は、第3フレーム19に取り付けられる。第3固定部68は、ボルト73によって第3フレーム19に固定される。
【0052】
以上説明した本実施形態に係る鞍乗型車両1では、第1コントロールユニット21と第2コントロールユニット22は、ホルダ23の収納空間35内に配置される。そして、ホルダ23の第1開口36は、第1コントロールユニット21によって閉じられる。そのため、第1コントロールユニット21が第1開口36の蓋として機能することで、第2コントロールユニット22のホルダ23からの脱落が抑えられる。それにより、第1コントロールユニット21と第2コントロールユニット22とがホルダ23によって安定的に保持される。また、第1コントロールユニット21が第1開口36の蓋として機能するため、ホルダ23から蓋が省略される。それにより、ホルダ23が小型化される。
【0053】
第1コントロールユニット21は、固定部材61によってホルダ23に固定された状態で、第1段部49と第2段部54とに接触している。そのため、
図12に示すように、第2コントロールユニット22が省略されても、第1コントロールユニット21のみを固定部材61によってホルダ23に保持することができる。そのため、第1コントロールユニット21と第2コントロールユニット22との両方が搭載される仕様の鞍乗型車両と、第2コントロールユニット22が搭載されない仕様の鞍乗型車両とにおいて、ホルダ23を共用することができる。
【0054】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0055】
鞍乗型車両1は、上述した実施形態のものに限らず、オフロードモータサイクル、スクータ、或いはモペッドなどの他の種類の車両であってもよい。鞍乗型車両1におけるコントロールユニット組立体20の配置は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、コントロールユニット組立体20は、フロントカバー28の後方に配置されてもよい。コントロールユニット組立体20は、シート6の下方に配置されてもよい。或いは、コントロールユニット組立体20は、シート6よりも後方に配置されてもよい。
【0056】
第1コントロールユニット21は、ECUに限らず、他の種類のコントロールユニットであってもよい。第2コントロールユニット22は、MCUに限らず、他の種類のコントロールユニットであってもよい。第2コントロールユニット22は、スタータモータに限らず、エンジン14の駆動力をアシストするモータ、エンジン14の電子スロットルを制御するモータ、或いはスクリーン30を移動させるモータなどの他の種類のモータを制御するものであってもよい。
【0057】
第1コントロールユニット21と第2コントロールユニット22との形状は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、第1コントロールユニット21と第2コントロールユニット22とは同じ大きさであってもよい。或いは、第1コントロールユニット21は、第2コントロールユニット22より小さくてもよい。
【0058】
ホルダ23の構造は、上述した実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、リブ、或いは孔は省略されてもよい。ホルダ23を車体フレーム2に固定するための固定部66-68の位置、或いは数は、変更されてもよい。第1コントロールユニット21をホルダ23に固定する手段は固定部材61に限らず、ネジ、或いはスナップフィットなどの他の固定手段であってもよい。
【0059】
上記の実施形態では、第1コントロールユニット21と第2コントロールユニット22との間には何も配置されていない。しかし、
図13に示すように、第1コントロールユニット21と第2コントロールユニット22との間に、ホルダ23とは別体の中間部材69が配置されてもよい。例えば、中間部材69は、断熱材であってもよい。或いは、中間部材69は、緩衝材であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明によれば、鞍乗型車両において、複数のコントロールユニットが共通のホルダによって安定的に保持されると共に、ホルダが小型化される。
【符号の説明】
【0061】
21:第1コントロールユニット
22:第2コントロールユニット
23:ホルダ
31:第1側壁
32:第2側壁
33:第3側壁
35:収納空間
36:第1開口
37:第2開口
49:第1段部
54:第2段部
61:固定部材
69:中間部材