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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054479
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】サッシ構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/18 20060101AFI20240410BHJP
   E06B 1/36 20060101ALI20240410BHJP
   E06B 7/10 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
E06B1/18 X
E06B1/18 Y
E06B1/36 Z
E06B7/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160713
(22)【出願日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】千本 英二郎
(72)【発明者】
【氏名】大内 悠斗
【テーマコード(参考)】
2E011
2E036
【Fターム(参考)】
2E011BA01
2E011DA01
2E011DB04
2E011DC00
2E036JA02
2E036JC01
2E036KA08
2E036LA01
2E036MA06
(57)【要約】
【課題】方立の内部への雨水の浸入を防止できるサッシ構造を提供する。
【解決手段】上下方向に延びてガラス板7を支持する方立5を有し、方立5の内部には、互いに屋内外方向の異なる位置に配置された第1中空部571、第2中空部572、第3中空部573が設けられ、中空部のうちの少なくとも屋外側にある第1中空部571に外気を導入する外気導入部を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びて面材を支持する方立を有し、
前記方立の内部には、互いに屋内外方向の異なる位置に配置された2つ以上の中空部が設けられ、
前記中空部のうちの少なくとも屋外側にある屋外側中空部に外気を導入する外気導入部を備えるサッシ構造。
【請求項2】
水平方向に延び、前記方立の上下方向の中間部に連結される無目を有し、
前記無目には、内部に外気を導入する無目外気導入孔が形成されている請求項1に記載のサッシ構造。
【請求項3】
前記外気導入部は、前記方立に形成され、前記無目の内部に導入された外気を前記屋外側中空部に導入する方立外気導入孔を有する請求項2に記載のサッシ構造。
【請求項4】
水平方向に延び、前記方立の下端部が連結される下枠を有し、
前記下枠には、内部に外気を導入する下枠外気導入孔が形成されている請求項1から3のいずれか1項に記載のサッシ構造。
【請求項5】
前記外気導入部は、前記方立に形成され、前記下枠の内部に導入された外気を前記屋外側中空部に導入する下枠方立間外気導入孔を有する請求項4に記載のサッシ構造。
【請求項6】
前記方立は、
前記中空部の幅方向の一方側および他方側に配置されている一対の枠部材を有し、
前記一対の枠部材は、それぞれの屋外側の端部どうしが連結されるとともに、それぞれの屋内側の端部どうしが連結され、
前記一対の枠部材それぞれの屋外側の端部の間には、屋外端部シール材が設けられている請求項1から3のいずれか一項に記載のサッシ構造。
【請求項7】
前記一対の枠部材のうちのいずれか一方の枠部材の屋外側の端部は、他方の枠部材の屋外側の端部に前記屋外端部シール材を介して重なり、
前記屋外端部シール材は、
前記他方の枠部材の屋外側の端部の屋外側の面に沿って接触する板状部と、
前記板状部から屋外側に突出して前記一方の枠部材の屋外側の端部の屋内側の面と接触する突起部が形成されている請求項6に記載のサッシ構造。
【請求項8】
前記突起部は、幅方向に間隔をあけて複数形成されている請求項7に記載のサッシ構造。
【請求項9】
前記方立は、
前記中空部の幅方向の一方側および他方側に配置されている一対の枠部材を有し、
前記一対の枠部材は、それぞれの屋外側の端部どうしが連結されるとともに、それぞれの屋内側の端部どうしが連結され、
前記一対の枠部材のうちのいずれか一方の枠部材は、屋内外方向の中間部から他方の枠部材側に突出し、他方の枠部材とネジ止めされる突出部を有し、
前記突出部と、前記他方の枠部材との間には、内部シール材が設けられている請求項1から3のいずれか一項に記載のサッシ構造。
【請求項10】
前記方立は、
前記中空部の幅方向の一方側および他方側に配置されている一対の枠部材と、
前記一対の枠部材の幅方向の一方側および他方側に固定され前記面材を支持する一対の面材支持部材と、を有し、
前記一対の枠部材は、それぞれの屋外側の端部どうしが連結されるとともに、それぞれの屋内側の端部どうしが連結され、
前記枠部材と前記面材支持部材との間には、側部シール材が設けられている請求項1から3のいずれか一項に記載のサッシ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サッシ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗などに使用される室内用のパーティションなどに使用されるサッシとして、例えば特許文献1に開示されているような上下方向に延びてガラスなどの面材を支持する方立を有するサッシが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-55407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された室内用のサッシは、雨風に晒されることが想定されていない。このようなサッシを屋外に設置する場合には、方立の内部に雨水が浸入しないように対策する必要がある。
【0005】
本開示は、方立の内部への雨水の浸入を防止できるサッシ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係るサッシ構造は、上下方向に延びて面材を支持する方立を有し、前記方立の内部には、互いに屋内外方向の異なる位置に配置された2つ以上の中空部が設けられ、前記中空部のうちの少なくとも屋外側にある屋外側中空部に外気を導入する外気導入部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】サッシの正面図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3図1のB-B線断面図である。
図4】方立の水平断面図である。
図5】無目上側ガラス溝および方立ガラス溝の斜視図である。
図6】方立を幅方向の一方側から見た側面図である。
図7】無目上側ガラス溝および方立ガラス溝の斜視図である。
図8】方立を幅方向の他方側から見た側面図である。
図9】無目の幅方向に直交する鉛直断面図である。
図10】第1無目外気導入孔を示す斜視図である。
図11】無目の上面図である。
図12】下枠の幅方向に直交する鉛直断面図である。
図13】下枠を屋外側から見た図である。
図14】方立を屋内側から見た図である。
図15】方立の下部を幅方向の一方側から見た側面図である。
図16】方立の下部を幅方向の他方側から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1から図3に示すサッシ1は、一方の面が屋外に面し、他方の面が屋内に面して配置される壁部に設けられている。壁部の面に沿った水平方向を幅方向と表記する。図面では、幅方向を矢印Xで示す。幅方向に直交する方向を屋内外方向と表記する。図面では、屋内外方向を矢印Yで示す。図面では、屋外を符号11で示し、屋内を符号12で示す。サッシ1は、下枠2と、上枠3と、一対の縦枠4,4と、方立5と、無目6と、を有する。サッシ1は、ガラス板7を支持している。下枠2、上枠3および一対の縦枠4,4は、四方枠を構成する。方立5は、上下方向に延びている。無目6は、幅方向に延びている。無目6の幅方向のいずれか一方の端部は、縦枠4の上下方向の中間部と連結されている。無目6の幅方向の他方の端部は、方立5の上下方向の中間部と連結されている。サッシ1の構造が特許請求の範囲のサッシ構造に相当する。ガラス板7は、特許請求の範囲の面材に相当する。
【0009】
無目6には、内部に外気を導入するための第1無目外気導入孔671が形成されている。無目6の内部に導入された外気は、方立5の内部に導入される。第1無目外気導入孔671は、特許請求の範囲の無目外気導入孔に相当する。下枠2には、内部に外気を導入するための第1下枠外気導入孔261が形成されている。下枠2の内部に導入された外気は、方立5の内部に導入される。第1下枠外気導入孔261は、特許請求の範囲の下枠外気導入孔に相当する。方立5に外気が導入されることによって、方立5の内部が外気と同圧になる。
【0010】
図4に示すように、方立5は、第1枠部材51と、第2枠部材52と、第1ガラス支持部材53と、第2ガラス支持部材54と、を有する。第1枠部材51、第2枠部材52、第1ガラス支持部材53および第2ガラス支持部材54は、長尺の部材で、上下方向に延びる向きに配置されている。第1ガラス支持部材53および第2ガラス支持部材54は、特許請求の範囲の面材支持部材に相当する。第1枠部材51、第2枠部材52、第1ガラス支持部材53および第2ガラス支持部材54それぞれの水平断面は、上下方向全体にわたって略同じ形状である。第1枠部材51は、第2枠部材52の幅方向の一方側に配置されている。第1ガラス支持部材53は、第1枠部材51の幅方向の一方側に配置されている。第2ガラス支持部材54は、第2枠部材52の幅方向の他方側に配置されている。第1枠部材51と第2枠部材52とは、連結されている。第1ガラス支持部材53は、第1枠部材51に固定されている。第2ガラス支持部材54は、第2枠部材52に固定されている。
【0011】
第1枠部材51および第2枠部材52は、下枠2と上枠3との間全体にわたって上下方向に延びている。第1枠部材51および第2枠部材52は、下枠2および上枠3に連結されている。第1ガラス支持部材53および第2ガラス支持部材54は、下枠2と無目6との間および上枠3と無目6との間において上下方向に延びている。
【0012】
第1枠部材51は、第1枠板部511と、第1屋外板部512と、第1屋内板部513と、第1突出部514と、第2突出部515と、第1屋外爪部516と、第1屋内爪部517と、を有する。第1枠板部511は、平板状である。第1枠板部511は、板面が幅方向を向く姿勢で配置されている。第1枠板部511は、幅方向の一方側の面511cが平坦面である。
【0013】
第1屋外板部512は、第1枠板部511の屋外側の端部511aから幅方向の他方側に突出している。第1屋外板部512の先端部512a、すなわち幅方向の他方側の端部における屋内側には、切り欠き部512bが形成されている。第1屋外板部512における切り欠き部512bよりも基端側、すなわち幅方向の一方側の屋内側の面512cは、屋内側を向く平坦面である。第1屋外爪部516は、第1枠板部511における第1屋外板部512よりもやや屋内側の位置から幅方向の他方側に突出している。第1枠部材51には、第1屋外板部512、第1屋外爪部516および第1枠板部511の屋外側の端部分に囲まれた第1凹部518が形成されている。第1凹部518は、幅方向の他方側に開口している。第1屋内板部513は、第1枠板部511の屋内側の端部511bから幅方向の他方側に突出している。第1屋内爪部517は、第1屋内板部513における先端部513aよりもやや基端側の位置から屋外側に突出している。
【0014】
第1突出部514は、第1見付片514aと、第1見込片514bと、を有する。第1見付片514aは、第1枠板部511の屋内外方向の中間部から幅方向の他方側に突出している。第1見込片514bは、第1見付片514aの幅方向の他方側の端部から屋外側に突出している。第1突出部514は、上下方向から見た形状がL字形状である。第1見込片514bの屋外側の端部には、幅方向の他方側に突出する第1凸部514cが形成されている。
【0015】
第2突出部515は、第2見付片515aと、第2見込片515bと、を有する。第2見付片515aは、第1枠板部511の屋内外方向の中間部で第1突出部514よりも屋外側となる位置から幅方向の他方側に突出している。第2見込片515bは、第2見付片515aの幅方向の他方側の端部から屋外側に突出している。第2突出部515は、上下方向から見た形状がL字形状である。第2見込片515bの屋外側の端部には、幅方向の他方側に突出する第2凸部515cが形成されている。
【0016】
第2枠部材52は、第2枠板部521と、第2屋外板部522と、第2屋内板部523と、第2屋外爪部524と、第2屋内爪部525と、屋外突出片526と、屋内突出片527と、を有する。第2枠板部521は、平板状である。第2枠板部521は、板面が幅方向を向く姿勢で配置されている。第2枠板部521は、幅方向の他方側の面521cが平坦面である。
【0017】
第2屋外板部522は、第2枠板部521の屋外側の端部521aから幅方向の一方側に突出している。第2屋外板部522の屋外側の面522cは、平坦面である。第2屋外爪部524は、第2屋外板部522の先端部522a、すなわち幅方向の一方側の端部から屋外側に突出している。第2屋外爪部524の先端部524a、すなわち屋外側の端部は、幅方向の他方側に屈曲している。屋外突出片526は、第2枠板部521の屋外側の端部521aから屋外側に突出している。屋外突出片526は、第2屋外板部522よりも屋外側に配置されている。屋外突出片526の屋内外方向の中間部には、幅方向の一方側に突出する凸部526aが形成されている。凸部526aは、第2屋外爪部524の先端部524aと幅方向に間隔をあけて対向している。
【0018】
第2枠部材52には、第2屋外板部522の屋外側の面に沿って屋外端部シール材55が取り付けられている。屋外端部シール材55は、第2屋外板部522の上下方向の全体にわたって取り付けられている。屋外端部シール材55は、板状部551と、2つの突起部552,552と、を有する。板状部551は、平板状である。板状部551は、板面が屋内外方向を向き、第2屋外板部522の屋外側の面に沿って設けられる。屋外端部シール材55は、第2屋外爪部524と屋外突出片526との間に配置されている。屋外端部シール材55の幅方向の一方側の端部は、第2屋外爪部524の先端部524aに屋外側から押さえられている。屋外端部シール材55の幅方向の他方側の端部は、屋外突出片526の凸部526aに屋外側から押さえられている。
【0019】
2つの突起部552,552は、屋外端部シール材55の屋外側の面における幅方向の中間部から屋外側に突出している。2つの突起部552,552は、互いに幅方向に間隔をあけて配置されている。幅方向の一方側に配置されている突起部552は、第2屋外爪部524の先端部524aの幅方向の他方側に隣接している。幅方向の他方側に配置されている突起部552は、屋外突出片526の凸部526aの幅方向の一方側に隣接している。2つの突起部552,552の先端部、すなわち屋外側の端部は、第2屋外爪部524の先端部524aおよび屋外突出片526の凸部526aよりも屋外側に突出し、第1屋外板部512の屋内側の面512cに接触している。
【0020】
第2屋内板部523は、第2枠板部521の屋内側の端部521bから幅方向の一方側に突出している。第2屋内爪部525は、第2屋内板部523の先端部523a、すなわち幅方向の一方側の端部から屋内側に突出している。屋内突出片527は、第2枠板部521の屋内側の端部521bから屋内側に突出している。屋内突出片527は、第2屋内板部523よりも屋内側に配置されている。第2枠部材52には、第2屋内板部523、第2屋内爪部525および屋内突出片527に囲まれた第2凹部528が形成されている。第2凹部528は、屋内側に開口している。
【0021】
第1枠部材51と第2枠部材52とは、以下のように連結される。第1枠板部511と第2枠板部521とが幅方向に間隔をあけて対向する。第1凹部518に第2屋外板部522が嵌めこまれる。屋外突出片526の526aが第1屋外板部512の切り欠き部512bに嵌め込まれる。第1屋外板部512の屋内側の面512cと、第2屋外板部522の屋外側の面522cと、が屋外端部シール材55を介して対向する。屋外端部シール材55の2つの突起部552,552の先端部が第1屋外板部512の屋内側の面512cと接触する。第2凹部528に第1屋内爪部517が嵌めこまれる。第1見込片514bおよび第2見込片515bの幅方向の他方側の面は、第2枠板部521の幅方向の一方側の面と隙間をあけて対向する。第1凸部514cおよび第2凸部515cそれぞれと、第2枠板部521との間には、わずかな隙間が設けられている。第1見込片514bと第2枠板部521との間には、内部シール材56が設けられている。内部シール材56は、第1見込片514bと第2枠板部521との隙間を塞いでいる。第2見込片515bと第2枠板部521との間には、シール材は設けられておらず、隙間が形成されている。
【0022】
第1枠部材51と第2枠部材52との間には、3つの中空部571,572,573が屋内外方向に並んで形成されている。屋外側に位置する第1中空部571は、第1枠板部511、第2枠板部521、第1屋外板部512、屋外突出片526、第1突出部514に囲まれている。第1中空部571は、特許請求の範囲の屋外側中空部に相当する。屋内外方向の中間部であり第1中空部571の屋内側に隣接する第2中空部572は、第1枠板部511、第2枠板部521、第1突出部514、第2突出部515に囲まれている。第2中空部572の屋内側に位置する第3中空部573は、第1枠板部511、第2枠板部521、第2突出部515、第1屋内板部513、屋内突出片527に囲まれている。
【0023】
上述しているように、第2突出部515の第2見込片515bと第2枠板部521との間には、シール材は設けられておらず、隙間が形成されている。第1中空部571と第2中空部572とは、第2見込片515bと第2枠板部521との隙間を介して空気や水の流通が可能である。第1突出部514の第1見込片514bと第2枠板部521との隙間は、内部シール材56によって塞がれている。第2中空部572と第3中空部573とは、空気や水が流通不可能である。
【0024】
第1ガラス支持部材53と第2ガラス支持部材54とは、幅方向に略対称となる形状である。以下では、第1ガラス支持部材53の形態を説明し、第2ガラス支持部材54形態の説明を省略する。第2ガラス支持部材54を説明する場合は、第1ガラス支持部材53に対応する部分を第1ガラス支持部材53と同じ名称および符号を使用する。第1ガラス支持部材53は、ガラス受け531と、押縁532と、を有する。押縁532は、ガラス受け531の屋外側に配置されている。ガラス受け531は、固定板部533と、屋内板部534と、屋外突出片535と、第1爪部536と、を有する。固定板部533は、平板状である。固定板部533は、板面が幅方向を向く姿勢で、第1枠板部511の幅方向の一方側の面511cに固定される。固定板部533の幅方向の他方側の面における屋内外方向の両端部および中間部の1箇所の合計3箇所には、凸部539が形成されている。屋内外方向に隣り合う凸部539の間には、側部シール材57が設けられている。側部シール材57は、固定板部533と第1枠板部511との隙間を塞いでいる。固定板部533は、第1枠板部511に幅方向の一方側からネジ58で固定されている。
【0025】
屋外突出片535は、固定板部533の屋外側の端部から幅方向の一方側に突出している。第1爪部536は、固定板部533の屋外側の端部よりも屋内側の位置から幅方向の一方側に突出している。第1爪部536の先端部分、すなわち幅方向の一方側の端部は、屋外側に屈曲している。ガラス受け531には、屋外突出片535、第1爪部536および固定板部533の第1爪部536よりも屋外側の部分に囲まれた凹部531aが形成されている。屋内板部534は、固定板部533の屋内側の端部から幅方向の一方側に突出している。屋内板部534は、屋外突出片535よりも幅方向の一方側に突出している。
【0026】
押縁532は、屋外板部537と、第2爪部538と、を有する。屋外板部537は、平板状である。屋外板部537は、板面が屋内外方向を向く姿勢でガラス受け531に取り付けられる。第2爪部538は、屋外板部537の幅方向の他方側の端部から屋内側かつ幅方向の他方側に向かう斜め方向に延びてから、屈曲して屋内側かつ幅方向の一方側に向かう方向に延びている。押縁532は、ガラス受け531に以下のように固定される。
第2爪部538が凹部531aに嵌め込まれる。屋外突出片535の幅方向の一方側に屋外板部537が配置されている。第1ガラス支持部材53には、ガラス受け531と押縁532に囲まれた幅方向の一方側に開口する方立ガラス溝53aが形成されている。方立ガラス溝53aには、ガラス板7の縁部が嵌めこまれている。屋内板部534には、ガラス押え71を留めるための爪部534aが形成されている。屋外板部537には、ガラス押え71を留めるための爪部537aが形成されている。
【0027】
第1ガラス支持部材53および第2ガラス支持部材54の屋内外方向の寸法は、第1枠部材51および第2枠部材52の屋内外方向の寸法よりも小さい。第1ガラス支持部材53は、第1枠板部511の屋内外方向の中央部に固定されている。第1枠板部511の幅方向の一方側の面511cにおける第1ガラス支持部材53よりも屋外側の部分および第1屋外板部512の屋外側の面は、屋外に露出している。第1枠板部511の幅方向の一方側の面511cにおける第1ガラス支持部材53よりも屋内側の部分および第1屋内板部513の屋内側の面は、屋内に露出している。
【0028】
第2ガラス支持部材54は、第2枠板部521の屋内外方向の中央部に固定されている。第2枠板部521の幅方向の他方側の面521cにおける第2ガラス支持部材54よりも屋外側の部分および屋外突出片526は、屋外に露出している。第2枠板部521の幅方向の他方側の面における第2ガラス支持部材54よりも屋内側の部分および屋内突出片527は、屋内に露出している。第2中空部572は、第1ガラス支持部材53と第2ガラス支持部材54とに幅方向から挟まれる位置に配置されている。第1中空部571は、第1ガラス支持部材53および第2ガラス支持部材54よりも屋外側に配置されている。第1中空部571は、ガラス板7よりも屋外側に配置されている。
【0029】
図5および図6に示すように、互いに重なって配置されている第1ガラス支持部材53の固定板部533および第1枠板部511には、互いに重なる位置に孔部が形成されている。固定板部533に形成された孔部を第1方立外気導入孔581と表記する。第1枠板部511に形成された孔部を第2方立外気導入孔582と表記する。第1方立外気導入孔581および第2方立外気導入孔582は、特許請求の範囲の方立外気導入孔に相当する。
【0030】
図7および図8に示すように、互いに重なって配置されている第2ガラス支持部材54の固定板部533および第2枠板部521には、互いに重なる位置に孔部が形成されている。互いに重なって配置されている第2ガラス支持部材54および第2枠板部521に形成された孔部についても、固定板部533に形成された孔部を第1方立外気導入孔581と表記する。第2枠板部521に形成された孔部を第2方立外気導入孔582と表記する。第1方立外気導入孔581および第2方立外気導入孔582は、特許請求の範囲の方立外気導入孔に相当する。
【0031】
互いに重なって配置されている第1ガラス支持部材53の第1方立外気導入孔581および第1枠板部511の第2方立外気導入孔582と、互いに重なって配置されている第2ガラス支持部材54の第1方立外気導入孔581および第2枠板部521の第2方立外気導入孔582とは、形状や屋内外方向および上下方向の位置が異なっていてもよい。第1ガラス支持部材53の第1方立外気導入孔581および第2ガラス支持部材54の第1方立外気導入孔581は、いずれも第2中空部572と繋がる位置に形成されている。
【0032】
図9に示すように、無目6は、1つの長尺の部材で構成されている。無目6は、幅方向に延びる向きに配置されている。無目6の幅方向に直交する鉛直断面は、幅方向全体にわたって略同じ形状である。無目6の形状は、屋内外方向に略対称である。無目6は、屋外上板部611と、屋内上板部621と、屋外端板部612と、屋内端板部622と、屋外下板部613と、屋内下板部623と、第1上溝板部631と、第2上溝板部632と、第3上溝板部633と、第1下溝板部641と、第2下溝板部642と、第3下溝板部643と、中板部651と、を有する。
【0033】
屋外上板部611と屋内上板部621とは、屋内外方向に対称である。屋外上板部611および屋内上板部621は、平板状である。屋外上板部611および屋内上板部621は、それぞれ板面が上下方向を向く姿勢で同じ高さに配置されている。屋外上板部611は、屋内上板部621の屋外側に間隔をあけて配置されている。屋外端板部612と、屋内端板部622とは、屋内外方向に対称である。屋外端板部612および屋内端板部622は、平板状である。屋外端板部612および屋内端板部622は、それぞれ板面が屋内外方向を向く姿勢で同じ高さに配置されている。屋外端板部612の上端部は、屋外上板部611の屋外側の端部と接続されている。屋内端板部622の上端部は、屋外端板部612の屋内側の端部と接続されている。
【0034】
屋外下板部613と屋内下板部623とは、屋内外方向に対称である。屋外下板部613および屋内下板部623は、平板状である。屋外下板部613および屋内下板部623は、それぞれ板面が上下方向を向く姿勢で同じ高さに配置されている。屋外下板部613の屋外側の端部は、屋外端板部612の下端部と接続されている。屋内下板部623の屋内側の端部は、屋内端板部622の下端部と接続されている。屋外下板部613は、屋内下板部623の屋外側に間隔をあけて配置されている。
【0035】
第1上溝板部631と第2上溝板部632とは、屋内外方向に対称である。第1上溝板部631および第2上溝板部632は、平板状である。第1上溝板部631および第2上溝板部632は、それぞれ板面が屋内外方向を向く姿勢で同じ高さに配置されている。第1上溝板部631の下端部は、屋外上板部611の屋内側の端部と接続されている。第2上溝板部632の下端部は、屋内上板部621の屋外側の端部と接続されている。第1上溝板部631と第2上溝板部632とは、幅方向に間隔をあけて対向している。第3上溝板部633は、平板状である。第3上溝板部633は、板面が上下方向を向く姿勢で第1上溝板部631と第2上溝板部632との間に配置されている。第3上溝板部633の屋外側の端部は、第1上溝板部631の上下方向の中間部に屋内側から接続されている。第3上溝板部633の屋内側の端部は、第2上溝板部632の上下方向の中間部に屋外側から接続されている。
【0036】
無目6には、第1上溝板部631および第2上溝板部632における第3上溝板部633よりも上側の部分および第3上溝板部633に囲まれた上方に開口する無目上側ガラス溝634が形成されている。無目上側ガラス溝634には、ガラス板7の下縁部が嵌めこまれる。第1上溝板部631には、ガラス押え71を留めるための爪部631aが形成されている。第2上溝板部632には、ガラス押え71を留めるための爪部632aが形成されている。図7および図5に示すように、無目上側ガラス溝634は、幅方向の両端部それぞれが方立ガラス溝53aの下端部と連続している。無目上側ガラス溝634の内部と方立ガラス溝53aの内部とは、空気の流通が可能である。
【0037】
図9に示すように、第1下溝板部641と第2下溝板部642とは、屋内外方向に対称である。第1下溝板部641および第2下溝板部642は、平板状である。第1下溝板部641および第2下溝板部642は、それぞれ板面が屋内外方向を向く姿勢で同じ高さに配置されている。第1下溝板部641の上端部は、屋外下板部613の屋内側の端部と接続されている。第2下溝板部642の上端部は、屋内下板部623の屋外側の端部と接続されている。第1下溝板部641と第2下溝板部642とは、幅方向に間隔をあけて対向している。
【0038】
第3下溝板部643は、屋内外方向に対称である。第3下溝板部643は、屋外側傾斜部643aと、水平部643bと、屋内側傾斜部643cと、を有する。屋外側傾斜部643aは、平板状であり、板面が屋外側から屋内側に向かって漸次上側に向かう姿勢に配置されている。水平部643bは、平板状であり、板面が水平面となる向きに配置されている。水平部643bの屋外側の端部が、屋外側傾斜部643aの屋内側かつ上側の端部と接続されている。屋内側傾斜部643cは、平板状であり、板面が屋外側から屋内側に向かって漸次下側に向かう姿勢に配置されている。屋内側傾斜部643cの屋外側かつ上側の端部は、水平部643bの屋内側の端部と接続されている。第3下溝板部643は、第1下溝板部641と第2下溝板部642との間に配置されている。第3下溝板部643の屋外側の端部は、屋外下板部613と第1下溝板部641との接続部に上側かつ屋内側から接続されている。第3下溝板部643の屋内側の端部は、屋内下板部623と第2下溝板部642との接続部に上側かつ屋外側から接続されている。
【0039】
無目6には、第1下溝板部641および第2下溝板部642および第3下溝板部643に囲まれた下方に開口する無目下側ガラス溝644が形成されている。無目下側ガラス溝644には、ガラス板7の上縁部が嵌めこまれる。第1下溝板部641には、ガラス押え71を留めるための爪部641aが形成されている。第2下溝板部642には、ガラス押え71を留めるための爪部642aが形成されている。無目下側ガラス溝644の幅方向の両端部それぞれは、方立ガラス溝53aの上端部と連続している。無目下側ガラス溝644の内部と方立ガラス溝53a内部とは、空気の流通可能である。
【0040】
中板部651は、平板状である。中板部651は、板面が屋内外方向を向く姿勢で、第3上溝板部633と第3下溝板部643との間に配置されている。中板部651の下端部は、第3下溝板部643の屋内外方向の中央部に上側から接続されている。中板部651の上端部は、第3上溝板部633の屋内外方向の中央部に下側から接続されている。無目6の内部には、2つの中空部661,662が屋内外方向に並んで形成されている。屋外側の第1中空部661は、屋外上板部611、屋外端板部612、屋外下板部613、第1上溝板部631における第3上溝板部633よりも下側の部分、第3上溝板部633における中板部651よりも屋外側の部分、第3下溝板部643における中板部651よりも屋外側の部分、および中板部651に囲まれている。屋内側の第2中空部662は、屋内上板部621、屋内端板部622、屋内下板部623。第2上溝板部632における第3上溝板部633よりも下側の部分、第3上溝板部633における中板部651よりも屋内側の部分、第3下溝板部643における中板部651よりも屋内側の部分および中板部651に囲まれている。
【0041】
図9から図10に示すように、屋外下板部613における屋内側、すなわち第1下溝板部641と接続される側の端部近傍には、上下方向に貫通する第1無目外気導入孔671が形成されている。第1無目外気導入孔671は、屋外に配置されている。第3上溝板部633における中板部651よりも屋外側の部分には、上下方向に貫通する第2無目外気導入孔672が形成されている。第2無目外気導入孔672の上側には、無目上側ガラス溝634が配置されている。
【0042】
上述しているように、無目6の内部に導入された外気は、方立5の内部に導入される。外気は、以下のようにして方立5の内部に導入される。外気は、図9に示す第1無目外気導入孔671を介して、無目6の第1中空部661に流入する。外気は、無目6の第1中空部661から第2無目外気導入孔672を介して無目上側ガラス溝634の内部に流入する。外気は、図5および図7に示す無目上側ガラス溝634の内部から無目上側ガラス溝634と連続する方立ガラス溝53aの内部に流入する。外気は、方立ガラス溝53aから第1方立外気導入孔581および第2方立外気導入孔582を介して、方立5の第2中空部572に流入する。図4に示すように、方立5の第2中空部572は、第1中空部571と繋がっているため、外気は、方立5の第2中空部572から第1中空部571にも流入する。このようにして無目6の内部の第1中空部571に外気が導入される。外気を方立5の内部に導入するための、無目上側ガラス溝634、方立ガラス溝53a、第1方立外気導入孔581および第2方立外気導入孔582は、特許請求の範囲の外気導入部に相当する。
【0043】
図12に示すように、下枠2は、下枠本体21と、押縁22と、を有する。下枠本体21および押縁22は、長尺の部材である。下枠本体21および押縁22は、幅方向に延びる向きに配置されている。下枠本体21および押縁22それぞれの幅方向に直交する鉛直断面は、幅方向全体にわたって略同じ形状である。下枠本体21は、上板部211と、第1溝板部212と、第2溝板部213と、第1中間板部214と、第2中間板部215と、屋外板部216と、屋内板部217と、第1下板部218と、第2下板部219と、を有する。
【0044】
上板部211は、平板状である。上板部211は、板面が水平面となる姿勢に配置されている。上板部211の上面は、下枠本体21における屋内側の上面を構成している。第1溝板部212は、平板状である。第1溝板部212は、板面が屋内外方向を向く姿勢に配置されている。第1溝板部212の上端部は、上板部211の屋外側の端部と接続されている。第2溝板部213は、平板状である。第2溝板部213は、板面が水平面となる姿勢に配置されている。第1中間板部214は、第2溝板部213の屋外側の端部から下方に延びる第1板部214aと、第1板部214aの下端部から屋外側に延びる第2板部214bと、第2板部214bの屋外側の端部から屋外側に向かって漸次下側に向かう斜め方向に延びる第3板部214cと、第3板部214cの屋外側かつ下側の端部から下方に延びる第4板部214dと、を有する。第2溝板部213と第1板部214aとの角部には、屋外側に突出する爪部214eが形成されている。
【0045】
第1下板部218は、平板状である。第1下板部218は、板面が水平面となる向きに配置されている。第1下板部218の屋外側の端部は、第4板部214dの下端部と接続されている。第2中間板部215は、平板状である。第2中間板部215は、板面が水平面となる向きに配置されている。第2中間板部215の屋内側の端部は、第4板部214dの上下方向の中間部に屋外側から接続されている。屋外板部216は、平板状である。屋外板部216は、板面が屋内外方向を向く姿勢に配置されている。屋外板部216は、第2中間板部215の屋外側に配置されている。第2中間板部215の屋外側の端部は、屋外板部216の上下方向の中間部に屋内側から接続されている。屋外板部216の下端部は、第4板部214dの下端部と同じ高さに配置されている。屋外板部216の上端部は、第2溝板部213と略同じ高さに配置されている。屋外板部216の下端部には、屋内側に突出する下側突出片216aが形成されている。下側突出片216aは、第1下板部218と同じ高さに配置されている。屋外板部216の上端部には、屋内側に突出する上側突出片216bが形成されている。
【0046】
屋内板部217は、平板状である。屋内板部217は、板面が屋内外方向を向く姿勢に配置されている。屋内板部217の上端部は、上板部211の屋内側の端部と接続されている。第2下板部219は、平板状である。第2下板部219は、板面が水平面となる向きに配置されている。第2下板部219の屋内側の端部は、屋内板部217の下端部と接続されている。第1下板部218と第2下板部219とは同じ高さに配置されている。第1下板部218および第2下板部219は、床部に取り付けられた固定部材25に固定されている。
【0047】
押縁22は、押縁上板部221と、押縁溝板部222と、押縁屋外板部223と、を有する。押縁上板部221は、平板状である。押縁上板部221は、板面が水平面となる姿勢に配置されている。押縁溝板部222は、押縁上板部221の屋内側の端部から下方に延びている。押縁溝板部222の下端部には、屋内側に突出する爪部222aが形成されている。押縁屋外板部223は、押縁上板部221の屋外側の端部から下方に延びている。押縁屋外板部223の下端部には、屋内側に突出してから下方に屈曲して突出する爪部223aが形成されている。
【0048】
下枠本体21と押縁22とは、以下のように固定される。押縁溝板部222の下端部の爪部222aが、第2溝板部213と第1板部214aとの角部の爪部214eに固定される。押縁屋外板部223の下端部の223aが、屋外板部216の上端部の上側突出片216bに固定される。押縁上板部221は、下枠本体21の上板部211と略同じ高さに配置される。押縁溝板部222は、第1溝板部212と屋内外方向に間隔をあけて対向する。押縁屋外板部223は、屋外板部216の上に連続して配置される。
【0049】
下枠2には、第1溝板部212、第2溝板部213および押縁溝板部222に囲まれた上方に開口する下枠ガラス溝23が形成されている。下枠ガラス溝23には、ガラス板7の下縁部が嵌めこまれる。第1溝板部212には、ガラス押え71を留めるための爪部212aが形成されている。押縁溝板部222には、ガラス押え71を留めるための爪部222bが形成されている。下枠ガラス溝23の幅方向の両端部は、方立ガラス溝53aの下端部と連続している。下枠ガラス溝23の内部と方立ガラス溝53aの内部とは、空気の流通が可能である。
【0050】
下枠2には、2つの中空部が形成されている。一方の第1中空部241は、下枠本体21の第1中間板部214における第2中間板部215よりも上側の部分、第2中間板部215、屋外板部216における第2中間板部215よりも上側の部分、押縁22の押縁上板部221、押縁溝板部222および押縁屋外板部223に囲まれている。他方の第2中空部242は、下枠本体21の上板部211、第1溝板部212、第2溝板部213、第1中間板部214、屋内板部217、第1下板部218、第2下板部219および固定部材25に囲まれている。第1中空部241は、屋外に配置されている。
【0051】
図12および図13に示すように、下枠本体21の屋外板部216における第2中間板部215よりも上側の部分には、屋内外方向に貫通する第1下枠外気導入孔261が形成されている。図12および図14に示すように、押縁22の押縁溝板部222の下部側には、屋内外方向に貫通する第2下枠外気導入孔262が形成されている。下枠2の内部における第1中空部241には、第1下枠外気導入孔261を介して外気が導入する。
【0052】
上述しているように、下枠2の内部に導入された外気は、方立5の内部に導入される。外気は、以下のようにして方立5の内部に導入される。図15および図16に示すように、外気は、第1下枠外気導入孔261を介して、下枠2の第1中空部241に流入する。外気は、下枠2の第1中空部241から第2下枠外気導入孔262を介して下枠ガラス溝23の内部に流入する。第2下枠外気導入孔262は、図12および図14を参照する。外気は、下枠ガラス溝23の内部から下枠ガラス溝23と連続する方立ガラス溝53aの内部に流入する。外気は、方立ガラス溝53aから第1下枠方立間外気導入孔583および第2下枠方立間外気導入孔584を介して、方立5の第2中空部572に流入する。
【0053】
第1下枠方立間外気導入孔583および第2下枠方立間外気導入孔584は、方立5の下部側に形成されている。第1下枠方立間外気導入孔583および第2下枠方立間外気導入孔584は、上述している第1方立外気導入孔581および第2方立外気導入孔582と同様の構成である。第1下枠方立間外気導入孔583は、第1ガラス支持部材53の固定板部533および第2ガラス支持部材54の固定板部533に形成された孔部である。第2下枠方立間外気導入孔584は、第1枠部材51の第1枠板部511および第2枠部材52の第2枠板部521に形成された孔部である。図15に示すように、第1ガラス支持部材53の固定板部533に形成された第1下枠方立間外気導入孔583と第1枠部材51の第1枠板部511に形成された第2下枠方立間外気導入孔584とは、幅方向に重なっている。図16に示すように、第2ガラス支持部材54の固定板部533に形成された第1下枠方立間外気導入孔583と第2枠部材52の第2枠板部521に形成された第2下枠方立間外気導入孔584とは幅方向に重なっている。
【0054】
方立5の第2中空部572は、第1中空部571と繋がっているため、外気は、方立5の第2中空部572から第1中空部571にも流入する。このようにして無目6の内部の第1中空部571に外気が導入される。外気を方立5の内部に導入するための、第1下枠外気導入孔261、下枠2の第1中空部241、第2無目外気導入孔672、下枠ガラス溝23、方立ガラス溝53a、第1下枠方立間外気導入孔583および第2下枠方立間外気導入孔584は、特許請求の範囲の外気導入部に相当する。
【0055】
方立5の内部における少なくとも屋外側の第1中空部571は、外気導入部によって外気が導入されることによって、外気と同圧になる。このため、屋外側の第1中空部571に、屋外の雨水や、湿気の多い外気が吸い込まれることが無く、方立5の内部への雨水の浸入を防止できる。
【0056】
無目6には、内部に外気を導入する第1無目外気導入孔671が形成されている。無目6の内部は、第1無目外気導入孔671から外気が導入されることによって、外気と同圧になる。このため、無目6の内部に、屋外の雨水や、湿気の多い外気が吸い込まれることがなく、無目6の内部への雨水の浸入を防止できる。
【0057】
方立5の第1中空部571には、無目6を介して外気が導入される。方立5の屋外側に方立5内部へ外気を直接導入する孔などを設ける必要がない。このため、方立5に外気を導入するための孔を設けることによって、方立5の内部に雨水が直接入り込むことを防止できる。
【0058】
下枠2には、内部に外気を導入する第1下枠外気導入孔261が形成されている。下枠2の内部は、外気と同圧になるため、屋外の雨水や、湿気の多い外気を吸い込むことが無く、下枠2の内部への雨水の浸入を防止できる。
【0059】
方立5の第1中空部571に下枠2を介して外気を導入できる。方立5の屋外側に下枠2の内部に外気を直接導入する孔などを設ける必要がない。このため、方立5に外気を導入するための孔を設けることによって、方立5の内部に雨水が直接入り込むことを防止できる。
【0060】
第1枠部材51の第1屋外板部512と第2枠部材52の第2屋外板部522との間には、屋外端部シール材55が設けられている。屋外端部シール材55は、第1枠部材51の第1屋外板部512と第2枠部材52の第2屋外板部522との隙間から方立5の内部への雨水の浸入を防止できる。屋外端部シール材55が設けられていることにより、方立5に屋外の風圧が作用しても気密性を確保できる。このため、方立5の意匠性を向上させるために方立の幅寸法を小さくしても、気密性を確保できる。
【0061】
方立5の内部が外気と同圧になり、第1枠部材51の第1屋外板部512と第2枠部材52の第2屋外板部522とが万が一離れる方向に変位した場合でも、屋外端部シール材55の突起部552は、第1枠部材51の第1屋外板部512の屋内側の面512cと接触して、屋外端部シール材と一方の枠部材の屋外側の端部の屋内側の面との間に隙間が生じることを防止できる。このため、第1枠部材51の第1屋外板部512と第2枠部材52の第2屋外板部522との間から方立5の内部へ雨水の浸入することを防止できる。
【0062】
屋外端部シール材55の突起部552は、2つ設けられている。第1枠部材51の第1屋外板部512と第2枠部材52の第2屋外板部522とが位置ずれした場合でも、2つ突起部552のいずれかが第1枠部材51の第1屋外板部512の屋内側の面512cと接触する。このため、第1枠部材51の第1屋外板部512と第2枠部材52の第2屋外板部522との間から方立5の内部へ雨水の浸入することを防止できる。
【0063】
内部シール材56によって第1枠部材51の第1突出部514と第2枠部材52の第2枠板部521との隙間が塞がれることによって、下枠2の内部に雨水が入り込んだとしても、第1突出部514よりも屋内側への雨水が浸入することを防止できる。第1枠部材51と第2枠部材52とがネジ止めされる位置と、内部シール材56が設けられる位置とが近いため、内部シール材56を第1枠部材51の第1突出部514および第2枠部材52の第2枠板部521の両方に接触させることができ、方立5水密性が安定させることができる。
【0064】
第1枠部材51および第2枠部材52は、第1ガラス支持部材53および第2ガラス支持部材54と別の部材であるため、ガラス板7を支持するための溝部を設ける必要が無く、幅寸法を抑えることができる。第1枠部材51と第1ガラス支持部材53との間、第2枠部材52と第2ガラス支持部材54との間には、側部シール材57が設けられている。側部シール材57は、第1枠部材51と第1ガラス支持部材53との隙間、第2枠部材52と第2ガラス支持部材54との隙間を介した屋内への雨水の浸入を防止できる。
【0065】
本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、方立5に外気を導入するための外気導入孔を方立5に設けてもよい。方立5に外気を導入するルートは、上記以外であってもよい。方立5に外気を導入するルートは、1つであってもよいし、複数であってもよい。方立5に設けられる中空部の数は、2つや4つ以上であってもよい。方立5に設けられた複数の中空部のうちの少なくとも屋外側の中空部に外気を導入すればよい。方立5や無目6が支持する面材は、ガラス板7以外であってもよい。
【0066】
第1枠部材51の第1屋外板部512と第2枠部材52の第2屋外板部522との間には、屋外端部シール材55が設けられていなくてもよい。屋外端部シール材55の形態は、上記以外であってもよい。第1枠部材51の第1突出部514と第2枠部材52の第2枠板部521との間に内部シール材56が設けられていなくてもよい。内部シール材56の数や形態は上記以外であってもよい。第1枠部材51と第1ガラス支持部材53との間、第2枠部材52と第2ガラス支持部材54との間には、側部シール材57が設けられていなくてもよい。側部シール材57の形態は、上記以外であってもよい。第1枠部材51には、第1突出部514および第2突出部515が設けられていなくてもよい。第1枠部材51に代わって第2枠部材52に第1枠部材51側に突出する突出部が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 サッシ、2 下枠、3 上枠、4 縦枠、5 方立、6 無目、7 ガラス板、51 第1枠部材、52 第2枠部材、53 第1ガラス支持部材、54 第2ガラス支持部材、55 屋外端部シール材、56 内部シール材、57 側部シール材、58 ネジ、241 第1中空部、242 第2中空部、261 第1下枠外気導入孔、262 第2下枠外気導入孔、514 第1突出部、515 第2突出部、571 第1中空部、572 第2中空部、573 第3中空部、581 第1方立外気導入孔、582 第2方立外気導入孔、583 第1下枠方立間外気導入孔、584 第2下枠方立間外気導入孔、671 第1無目外気導入孔、672 第2無目外気導入孔
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