(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054480
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】コンベックスルール用測定部品
(51)【国際特許分類】
G01B 3/10 20200101AFI20240410BHJP
G01B 5/02 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
G01B3/10
G01B5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160714
(22)【出願日】2022-10-05
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】309015570
【氏名又は名称】米川 満之
(72)【発明者】
【氏名】米川 満之
【テーマコード(参考)】
2F011
2F062
【Fターム(参考)】
2F011AA01
2F011AA04
2F011AD04
2F062AA21
2F062CC27
2F062EE01
2F062FF03
2F062GG07
2F062LL03
(57)【要約】
【課題】大きな物の長さを1人の作業者で測定が可能であり、高所にある物や狭いカ所にある物の長さを安価に効率良く測定できることを課題とする。
【解決手段】コンベックスルール用測定部品(20)は、
図1の様に樹脂によって作られた上部体(2)とコンベックスルール(21)のスケール(23)の凹部に沿った形状である樹脂製の下部体(3)で構成される摺動部(1)があり、更に上部体(2)や下部体(3)に対して垂直に立てられた測定部(4)がある。スケール(23)を上部体(2)と下部体(3)で挟んで摺動して、測定部品(20)の移動が可能な構造となっている。
測定部品(20)をコンベックスルール(21)のスケール(23)に挟み込んで、摺動しながら測定地点に測定面(5)を移動させて、スケールの先端部分からの長さを読み取る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部体と下部体で構成される摺動部と、
前記摺動部に設けられ、前記上部体又は前記下部体に対して、垂直に立てられた測定部を有し、
前記摺動部は、コンベックスルールのスケールを上部体と下部体で挟んで摺動が可能であることを特徴とするコンベックスルール用測定部品。
【請求項2】
前記摺動部の前記上部体と前記下部体の側面部の一端は、固定され、他端は、前記上部体と下部体が上下に開けられるように固定されていることを特徴とする請求項1に記載のコンベックスルール用測定部品。
【請求項3】
前記測定部は、前記下部体よりも下側に位置している突起部を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンベックスルール用測定部品。
【請求項4】
前記摺動部の前記上部体の裏面部に、抵抗体を設け、スケール間との抵抗を持たせることを特徴とする請求項3に記載のコンベックスルール用測定部品。
【請求項5】
前記摺動部の上部体を透明な部材を用いることを特徴とする請求項4に記載のコンベックスルール用測定部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
コンベックスルールを使った測定部品に関する技術分野。
【背景技術】
【0002】
大きな物や手の届かない場所の測定作業に関して、効率良く作業するための治具の開発が進んでいない。
大きな物を測定する場合に、コンベックスルールのテープ先端のつまみ金物の形状を、物に引っ掛ける形状として測定するものはあるが、手の届かない場所の長さを測定するには至っていない。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンベックスルールを用いて、大きな物を測定する場合に、スケールの先端を1人の作業者が物の端に合わせて、もう1人の作業者がスケール目盛りを読み取るなど、1人の作業者で正確に測定するのは難しい。また、高所にある物の長さを測定する場合には、脚立などを用意して、作業者を高所に移動して測定している。また、狭い場所にある物の大きさを測定する場合に、スケール目盛りが読み取れないため、物の周辺の設備を取り除いてから測定するなど、測定するのに手間がかかっている。
1人の作業者で測定が可能であり、高所にある物や狭いカ所にある物の大きさを安価に効率良く測定できることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段として、請求項1では、上部体(2)と下部体(3)で構成される摺動部(1)と、前記摺動部(1)に設けられ、前記上部体(2)又は前記下部体(3)に対して、垂直に立てられた測定部(4)を有し、前記摺動部(1)は、コンベックスルール(20)のスケール(23)を上部体(2)と下部体(3)で挟んで摺動が可能であることを特徴とするコンベックスルール用測定部品(20)を提供する。
【0006】
上記課題を解決するための手段として、請求項2では、前記摺動部(1)の前記上部体(2)と前記下部体(3)の側面部の一端は、固定され、他端は、前記上部体(2)と下部体(3)が上下に開けられるように固定されていることを特徴とする請求項1に記載のコンベックスルール用測定部品(20)を提供する。
【0007】
上記課題を解決するための手段として、請求項3では、前記測定部(4)は、下部体(3)よりも下側に位置している突起部(8)を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンベックスルール用測定部品(20)を提供する。
【0008】
上記課題を解決するための手段として、請求項4では、前記摺動部(1)の前記上部体(2)の表面部に、抵抗体(11)を貼り付けて、スケール(23)間との抵抗を持たせることを特徴とする請求項3に記載のコンベックスルール用測定部品(20)を提供する。
【0009】
上記課題を解決するための手段として、請求項5では、前記摺動部(1)の上部体(2)を透明な部材を用いることを特徴とする請求項4に記載のコンベックスルール用測定部品(20)を提供する。
【発明の効果】
【0010】
1人の作業者でも測定ができ、コンベックスルール(21)のスケール目盛り近辺まで人間が近づかなくても測定可能な部品を提供し、測定を安価に効率良く作業できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】下部体を開けた状態の摺動部側から見た斜視図
【
図4】下部体を開けた状態の測定部側から見た斜視図
【
図5】測定部品をコンベックスルールに取付けた斜視図
【
図6】測定部品をコンベックスルールに組み込んだ写真
【
図7】測定物をコンベックスルールの先端部と測定部品で挟み込んだ写真
【
図9】測定部品とコンベックスルールの一体型の写真
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明は、以下のものに特定されない。
コンベックスルール用測定部品(20)は、
図1の様に樹脂によって作られた上部体(2)とコンベックスルール(21)のスケール(23)の凹部に沿った形状である樹脂製の下部体(3)で構成される摺動部(1)があり、更に上部体(2)や下部体(3)に対して垂直に立てられた測定部(4)がある。
前記摺動部(1)は、コンベックスルール(21)のスケール(23)を上部体(2)と下部体(3)で挟んで摺動して、測定部品(20)の移動が可能な構造となっている。
【0013】
図2の様に、測定部(4)は、垂直に立てられた測定面(5)と測定面(5)と一体となった2つの突起部(8)と、測定面(5)に対し90度折り曲げた水平部(6)とからなっている。
前記上部体(2)に垂直に測定部(4)を設置する方法として、1つは、前記上部体(2)の表面に、4点の固定部(7)を設け、前記測定部(4)の水平部(6)を4点の固定部(7)で支えることで、測定部(4)を上部体(2)に設置することができる。もう1つの方法として、上部体(2)の側面に水平にスリットを設け、前記測定部(4)の水平部(6)をスリットに差し込むことで、測定部(4)を上部体(2)に設置することができる。
【0014】
図3の様に、前記上部体(2)の側面部の一端と前記下部体(3)の側面部の一端は、ヒンジによって合わせることにより、前記上部体(2)と下部体(3)が上下に開けられるような構造になっている。
更に上部体(2)の側面部の他端には、凹部(10)が設けられ、下部体(3)の側面部の他端の凸部(9)と合わせることで、前記上部体(2)と前記下部体(3)が、コンベックスルール(21)のスケール(23)を挟み込む構造となっている。
また、測定部品(20)の凸部(9)と凹部(10)を外すことで、測定部品(20)をコンベックスルールより取り外すことができる。
【0015】
図1の様に、前記測定部(4)は、下部体(3)よりも下側に位置している突起部(8)を有して、下部体の底が接触しないで、突起部(8)により測定部品(20)の全体を支える構造としている。
また、コンベックスルール(21)の先端部(22)と前記測定部(4)の測定面(5)と突起部(8)により、測定物を挟み込み、スケールを引っ張って測定することもできる。(
図8参照)
更に、測定部品(20)を使わない時に、先端部(22)と重ね合わせるような構造として、本来のコンベックスルール(21)と同じ機能を持たせるようにしている。(先端を測定対象物にひっかけて測定するなど)(
図6参照)
【0016】
図4の様に、前記上部体(2)の裏面部に、抵抗体(11)としてスポンジや板バネを取付けて、スケール(23)間との抵抗を持たせることやスケール(23)が湾曲となるようにしている。
【0017】
前記摺動部(1)の上部体(2)や下部体(3)をアクリル樹脂など透明な部材を用いることにより、コンベックスルール(21)のスケール目盛りを見やすい構造とすることもできる。
【0018】
本発明の測定部品(20)をコンベックスルール(21)に取付けた状態を
図5に示す。コンベックスルール(21)のスケール(23)に測定部品(20)を挟んで摺動させて測定位置に移動させた後、先端部(22)から測定部品(20)までの距離のスケール目盛りを読み取り、長さを測定する。
【0019】
家屋の高所にある梁の幅を測定する場合に、測定部品(20)を取り付けたコンベックスルール(21)を梁の角部に測定部品(20)の測定部(4)を合わせて、そのまま摺動させながら、梁の反対側の角部に先端部(22)を合わせ、その状態を保って、コンベックスルールを手元に取り寄せ、測定部品(20)の測定部(4)のスケール目盛りを読み取り、梁の幅を測定する。(
図7参照)
【0020】
コンベックスルール製造時に測定部品(20)をスケール(23)に組み込んで、測定部品をコンベックス一体型とすることもできる。この場合は、上部体(2)と下部体(3)を、切り離すことはできない。(
図9参照)
【符号の説明】
【0021】
1 摺動部
2 上部体
3 下部体
4 測定部
5 測定面
6 水平部
7 固定部
8 突起部
9 凸部
10 凹部
11 抵抗体
12 ヒンジ
20 測定部品
21 コンベックスルール
22 先端部
23 スケール