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特開2024-54506表示方法、プログラム、及びプロジェクター
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054506
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】表示方法、プログラム、及びプロジェクター
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/74 20060101AFI20240410BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240410BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20240410BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20240410BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
H04N5/74 D
G09G5/00 510B
G09G5/00 X
G09G5/00 550C
G09G5/36 520D
G03B21/14 E
G03B21/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160755
(22)【出願日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】狐塚 勇二
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
2K203FA03
2K203FA23
2K203FA34
2K203FA62
2K203FB03
2K203GB46
2K203GB47
2K203GB48
2K203GB62
2K203GB69
2K203GC24
2K203KA29
2K203KA56
2K203KA58
2K203MA23
5C058BA18
5C058BA27
5C058BA35
5C058BB13
5C058BB25
5C058EA02
5C058EA26
5C058EA27
5C182AA03
5C182AA04
5C182AC13
5C182BA14
5C182CB11
5C182DA70
(57)【要約】
【課題】1つのマーカーを用いて投射画像の投射位置、形状、及びサイズを調整する。
【解決手段】プロジェクター100の表示方法は、マーカーMKが第1位置P1に配置された場合に、第1撮像画像PM1を取得することと、第1辺SD1と平行に第1座標軸AX1を決定し、第2辺SD2と平行に第2座標軸AY1を決定することと、第1投射画像PB1の4隅の座標を第1情報JP1として記憶することと、第2位置P2にマーカーMKが配置された場合に、第2撮像画像PM2を取得することと、第1辺SD1と平行に第3座標軸AX2を決定し、第2辺SD2と平行に第4座標軸AY2を決定することと、第2投射画像PB2の4隅の座標を第2情報JP2として決定することと、第1情報JP1、及び第2情報JP2に基づいて、第2投射画像PB2の投射位置、形状、及びサイズを調整することと、を含む。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1辺と、前記第1辺と交わる第2辺と、を有するマーカーが第1位置に配置された場合に、
前記マーカーと、プロジェクターにより投射された第1投射画像とを含む第1撮像画像を取得することと、
前記第1撮像画像に基づいて、前記マーカーの前記第1辺、及び前記第2辺と、前記第1辺の第1の長さ、及び前記第2辺の第2の長さを特定することと、
前記第1辺と平行で、前記第1の長さを単位長さとする第1座標軸を決定することと、
前記第2辺と平行で、前記第2の長さを単位長さとする第2座標軸を決定することと、
前記第1座標軸、及び前記第2座標軸で規定される座標における前記第1投射画像の4隅の座標を含む第1情報を記憶することと、
前記第1位置と異なる第2位置に、前記マーカーが配置された場合に、
前記マーカーと、前記第1投射画像と異なる、前記プロジェクターにより投射された第2投射画像と、を含む第2撮像画像を取得することと、
前記第2撮像画像に基づいて、前記マーカーの前記第1辺、及び前記第2辺と、前記第1辺の第3の長さ及び前記第2辺の第4の長さを特定することと、
前記第1辺と平行で、前記第3の長さを単位長さとする第3座標軸を決定することと、
前記第2辺と平行で、前記第4の長さを単位長さとする第4座標軸を決定することと、
前記第3座標軸、及び前記第4座標軸で規定される座標における前記第2投射画像の4隅の座標を含む第2情報を決定することと、
前記第1情報、及び前記第2情報に基づいて、前記第2投射画像の投射位置、形状、及びサイズを調整することと、
を含む、表示方法。
【請求項2】
前記第1情報は、前記第1投射画像の中心の座標を含み、
前記第2情報は、前記第2投射画像の中心の座標を含む、
請求項1に記載の表示方法。
【請求項3】
前記第2投射画像の投射位置、形状、及びサイズを調整することは、
前記第2投射画像の中心の座標が、前記第1投射画像の中心の座標と一致するように、前記第2投射画像の投射位置を調整することと、
前記第2投射画像の4隅の座標の各々が、前記第1投射画像の4隅の座標の各々と一致するように、前記第2投射画像の形状、及びサイズを調整することと、
を含む、請求項1又は請求項2に記載の表示方法。
【請求項4】
前記マーカーは、
前記第1辺と前記第2辺とが直交する、請求項1に記載の表示方法。
【請求項5】
前記第1座標軸、及び前記第2座標軸を決定することは、
前記第1撮像画像における前記第1辺と前記第2辺との交点の位置を、前記第1座標軸及び前記第2座標軸の原点の位置とすること、
を含み、
前記第3座標軸、及び前記第4座標軸を決定することは、
前記第2撮像画像における前記第1辺と前記第2辺との交点の位置を、前記第3座標軸及び前記第4座標軸の原点の位置とすること、
を含む、請求項4に記載の表示方法。
【請求項6】
前記第1投射画像は、前記第1辺と平行な第3辺と、前記第2辺と平行な第4辺とを含む矩形形状である、
請求項4又は請求項5に記載の表示方法。
【請求項7】
前記第2撮像画像が、前記第2投射画像の4隅の少なくとも1つを含まない場合に、前記第2撮像画像が適正ではないことを報知すること、
を含む、請求項1に記載の表示方法。
【請求項8】
第1辺と、前記第1辺と交わる第2辺と、を有するマーカーが第1位置に配置された場合に、
前記マーカーと、プロジェクターにより投射された第1投射画像とを含む第1撮像画像を取得することと、
前記第1撮像画像に基づいて、前記マーカーの前記第1辺、及び前記第2辺と、前記第1辺の第1の長さ、及び前記第2辺の第2の長さを特定することと、
前記第1辺と平行で、前記第1の長さを単位長さとする第1座標軸を決定することと、
前記第2辺と平行で、前記第2の長さを単位長さとする第2座標軸を決定することと、
前記第1座標軸、及び前記第2座標軸で規定される座標における前記第1投射画像の4隅の座標を含む第1情報を記憶することと、
前記第1位置と異なる第2位置に、前記マーカーが配置された場合に、
前記マーカーと、前記第1投射画像と異なる、前記プロジェクターにより投射された第2投射画像と、を含む第2撮像画像を取得することと、
前記第2撮像画像に基づいて、前記マーカーの前記第1辺、及び前記第2辺と、前記第1辺の第3の長さ及び前記第2辺の第4の長さを特定することと、
前記第1辺と平行で、前記第3の長さを単位長さとする第3座標軸を決定することと、
前記第2辺と平行で、前記第4の長さを単位長さとする第4座標軸を決定することと、
前記第3座標軸、及び前記第4座標軸で規定される座標における前記第2投射画像の4隅の座標を含む第2情報を決定することと、
前記第1情報、及び前記第2情報に基づいて、前記第2投射画像の投射位置、形状、及びサイズを調整することと、
をプロジェクターのプロセッサーに実行させる、プログラム。
【請求項9】
投射画像を撮像するカメラと、
メモリーと、
少なくとも1つのプロセッサーと、を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサーは、
第1辺と、前記第1辺と交わる第2辺と、を有するマーカーが第1位置に配置された場合に、
前記マーカーと、プロジェクターにより投射された第1投射画像とを含む第1撮像画像を取得することと、
前記第1撮像画像に基づいて、前記マーカーの前記第1辺、及び前記第2辺と、前記第1辺の第1の長さ、及び前記第2辺の第2の長さを特定することと、
前記第1辺と平行で、前記第1の長さを単位長さとする第1座標軸を決定することと、
前記第2辺と平行で、前記第2の長さを単位長さとする第2座標軸を決定することと、
前記第1座標軸、及び前記第2座標軸で規定される座標における前記第1投射画像の4隅の座標を含む第1情報を記憶することと、
前記第1位置と異なる第2位置に、前記マーカーが配置された場合に、
前記マーカーと、前記第1投射画像と異なる、前記プロジェクターにより投射された第2投射画像と、を含む第2撮像画像を取得することと、
前記第2撮像画像に基づいて、前記マーカーの前記第1辺、及び前記第2辺と、前記第1辺の第3の長さ及び前記第2辺の第4の長さを特定することと、
前記第1辺と平行で、前記第3の長さを単位長さとする第3座標軸を決定することと、
前記第2辺と平行で、前記第4の長さを単位長さとする第4座標軸を決定することと、
前記第3座標軸、及び前記第4座標軸で規定される座標における前記第2投射画像の4隅の座標を含む第2情報を決定することと、
前記第1情報、及び前記第2情報に基づいて、前記第2投射画像の投射位置、形状、及びサイズを調整することと、
を実行する、プロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示方法、プログラム、及びプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、表示面に配置された複数のマーカーや、単一のマーカーを検出し、それらのマーカーにより指示された位置に基づき、投射画像の位置及びサイズを決定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-92337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、1つのマーカーを用いて投射画像のサイズを示す場合には、投射画像のサイズに合わせたマーカーを準備する必要があり、大きな投射画像を表示する時の対応が困難である。複数のマーカーを用いて投射画像のサイズを示す場合には、投射画像のサイズの1辺を示す間隔でマーカーを配置する必要があるため、大きな投射画像を表示する時にはマーカー間の距離が長くなり、マーカーの配置に手間がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る表示方法は、第1辺と、前記第1辺と交わる第2辺と、を有するマーカーが第1位置に配置された場合に、前記マーカーと、プロジェクターにより投射された第1投射画像とを含む第1撮像画像を取得することと、前記第1撮像画像に基づいて、前記マーカーの前記第1辺、及び前記第2辺と、前記第1辺の第1の長さ、及び前記第2辺の第2の長さを特定することと、前記第1辺と平行で、前記第1の長さを単位長さとする第1座標軸を決定することと、前記第2辺と平行で、前記第2の長さを単位長さとする第2座標軸を決定することと、前記第1座標軸、及び前記第2座標軸で規定される座標における前記第1投射画像の4隅の座標を含む第1情報を記憶することと、前記第1位置と異なる第2位置に、前記マーカーが配置された場合に、前記マーカーと、前記第1投射画像と異なる、前記プロジェクターにより投射された第2投射画像と、を含む第2撮像画像を取得することと、前記第2撮像画像に基づいて、前記マーカーの前記第1辺、及び前記第2辺と、前記第1辺の第3の長さ及び前記第2辺の第4の長さを特定することと、前記第1辺と平行で、前記第3の長さを単位長さとする第3座標軸を決定することと、前記第2辺と平行で、前記第4の長さを単位長さとする第4座標軸を決定することと、前記第3座標軸、及び前記第4座標軸で規定される座標における前記第2投射画像の4隅の座標を含む第2情報を決定することと、前記第1情報、及び前記第2情報に基づいて、前記第2投射画像の投射位置、形状、及びサイズを調整することと、を含む。
【0006】
本開示の他の一態様に係るプログラムは、第1辺と、前記第1辺と交わる第2辺と、を有するマーカーが第1位置に配置された場合に、前記マーカーと、プロジェクターにより投射された第1投射画像とを含む第1撮像画像を取得することと、前記第1撮像画像に基づいて、前記マーカーの前記第1辺、及び前記第2辺と、前記第1辺の第1の長さ、及び前記第2辺の第2の長さを特定することと、前記第1辺と平行で、前記第1の長さを単位長さとする第1座標軸を決定することと、前記第2辺と平行で、前記第2の長さを単位長さとする第2座標軸を決定することと、前記第1座標軸、及び前記第2座標軸で規定される座標における前記第1投射画像の4隅の座標を含む第1情報を記憶することと、前記第1位置と異なる第2位置に、前記マーカーが配置された場合に、前記マーカーと、前記第1投射画像と異なる、前記プロジェクターにより投射された第2投射画像と、を含む第2撮像画像を取得することと、前記第2撮像画像に基づいて、前記マーカーの前記第1辺、及び前記第2辺と、前記第1辺の第3の長さ及び前記第2辺の第4の長さを特定することと、前記第1辺と平行で、前記第3の長さを単位長さとする第3座標軸を決定することと、前記第2辺と平行で、前記第4の長さを単位長さとする第4座標軸を決定することと、前記第3座標軸、及び前記第4座標軸で規定される座標における前記第2投射画像の4隅の座標を含む第2情報を決定することと、前記第1情報、及び前記第2情報に基づいて、前記第2投射画像の投射位置、形状、及びサイズを調整することと、をプロジェクターのプロセッサーに実行させる。
【0007】
本開示の他の一態様に係るプロジェクターは、投射画像を撮像するカメラと、メモリーと、少なくとも1つのプロセッサーと、を含み、前記少なくとも1つのプロセッサーは、第1辺と、前記第1辺と交わる第2辺と、を有するマーカーが第1位置に配置された場合に、前記マーカーと、プロジェクターにより投射された第1投射画像とを含む第1撮像画像を取得することと、前記第1撮像画像に基づいて、前記マーカーの前記第1辺、及び前記第2辺と、前記第1辺の第1の長さ、及び前記第2辺の第2の長さを特定することと、前記第1辺と平行で、前記第1の長さを単位長さとする第1座標軸を決定することと、前記第2辺と平行で、前記第2の長さを単位長さとする第2座標軸を決定することと、前記第1座標軸、及び前記第2座標軸で規定される座標における前記第1投射画像の4隅の座標を含む第1情報を記憶することと、前記第1位置と異なる第2位置に、前記マーカーが配置された場合に、前記マーカーと、前記第1投射画像と異なる、前記プロジェクターにより投射された第2投射画像と、を含む第2撮像画像を取得することと、前記第2撮像画像に基づいて、前記マーカーの前記第1辺、及び前記第2辺と、前記第1辺の第3の長さ及び前記第2辺の第4の長さを特定することと、前記第1辺と平行で、前記第3の長さを単位長さとする第3座標軸を決定することと、前記第2辺と平行で、前記第4の長さを単位長さとする第4座標軸を決定することと、前記第3座標軸、及び前記第4座標軸で規定される座標における前記第2投射画像の4隅の座標を含む第2情報を決定することと、前記第1情報、及び前記第2情報に基づいて、前記第2投射画像の投射位置、形状、及びサイズを調整することと、を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係るプロジェクターの構成の一例を示す図。
図2】プロジェクターの制御部の構成の一例を示す図。
図3】第1撮像画像の一例を示す画像図。
図4】第2撮像画像の一例を示す画像図。
図5】第2投射画像の投射位置の調整方法の一例を示す画像図。
図6】第2投射画像の形状及びサイズの調整方法の一例を示す画像図。
図7】制御部の処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
【0010】
[1.プロジェクターの構成]
次に、図1を参照してプロジェクター100の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るプロジェクター100の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、プロジェクター100は、投射部110と、投射部110を駆動する駆動部120と、を備える。投射部110は、光学的な画像の形成を行い、投射面SCに投射画像PBを表示する。投射面SCは、例えば、スクリーンである。
投射部110は、光源部111、光変調装置112及び投射光学系113を備える。駆動部120は、光源駆動部121及び光変調装置駆動部122を備える。
【0011】
本実施形態では、プロジェクター100が、投射面SCとしてスクリーンに投射画像PBを表示する場合について説明するが、これに限定されない。プロジェクター100が、例えば、壁面に投射画像PBを表示してもよい。換言すれば、投射面SCは、例えば、壁面でもよい。
【0012】
光源部111は、ハロゲンランプ、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ等のランプ、又はLED(Light Emitting Diode)、レーザー光源等の固体光源を備える。
また、光源部111は、光源が発した光を光変調装置112に導くリフレクター、及び補助リフレクターを備えてもよい。更に、光源部111は、投射光の光学特性を高めるためのレンズ群、偏光板、又は光源が発した光の光量を光変調装置112に至る経路上で低減させる調光素子等を備えてもよい。
光源駆動部121は、内部バス107に接続され、同じく内部バス107に接続された制御部150の指示に従って、光源部111の光源を点灯及び消灯させる。
【0013】
光変調装置112は、例えば、R、G及びBの三原色に対応した3枚の液晶パネル115を備える。Rは赤色を示し、Gは緑色を示し、Bは青色を示す。すなわち、光変調装置112は、R色光に対応した液晶パネル115と、G色光に対応した液晶パネル115と、B色光に対応した液晶パネル115とを備える。
光源部111が発する光はRGBの3色の色光に分離され、それぞれ対応する液晶パネル115に入射される。3枚の液晶パネル115の各々は、透過型の液晶パネルであり、透過する光を変調して画像光PLを生成する。各液晶パネル115を通過して変調された画像光PLは、クロスダイクロイックプリズム等の合成光学系によって合成され、投射光学系113に射出される。
【0014】
光変調装置112は、光変調装置駆動部122によって駆動される。光変調装置駆動部122は、画像処理部145に接続される。
光変調装置駆動部122には、画像処理部145からR,G,Bの各原色に対応する画像データが入力される。光変調装置駆動部122は、入力された画像データを液晶パネル115の動作に適したデータ信号に変換する。光変調装置駆動部122は、変換したデータ信号に基づいて、各液晶パネル115の各画素に電圧を印加し、各液晶パネル115に投射画像PBに対応する画像を描画する。
なお、光変調装置112は、液晶パネル115に換えて、反射型の液晶パネル、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)の液晶パネル、又は、液晶パネル以外の光変調パネル、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)を備えてもよい。
【0015】
投射光学系113は、入射された画像光PLを投射面SC上に結像させるレンズやミラー等を備える。また、投射光学系113は、投射面SCに投射される画像を拡大又は縮小させるズーム機構や、フォーカスの調整を行うフォーカス調整機構等を備えてもよい。
また、投射光学系113は、入射された画像光PLを投射面SC上に結像させる投射レンズ113Aを備える。
【0016】
プロジェクター100は、操作部131、リモコン受光部133、入力インターフェース135、記憶部137、通信インターフェース141、フレームメモリー143、画像処理部145、制御部150及びカメラ170を更に備える。入力インターフェース135、記憶部137、通信インターフェース141、画像処理部145、制御部150及びカメラ170は、内部バス107を介して互いにデータ通信可能に接続される。
【0017】
操作部131は、プロジェクター100の筐体表面に設けられた各種のボタンやスイッチを備え、これらのボタンやスイッチの操作に対応した操作信号を生成して、入力インターフェース135に出力する。入力インターフェース135は、操作部131から入力された操作信号を制御部150に出力する。
【0018】
リモコン受光部133は、リモコン5から送信される赤外線信号を受光し、受光した赤外線信号をデコードして操作信号を生成する。リモコン受光部133は、生成した操作信号を入力インターフェース135に出力する。入力インターフェース135は、リモコン受光部133から入力された操作信号を制御部150に出力する。
【0019】
記憶部137は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶装置である。記憶部137は、制御部150が実行するプログラム、制御部150が処理したデータ、画像データ等を記憶する。
【0020】
通信インターフェース141は、コネクター及びインターフェース回路を備え、画像供給装置200と通信可能に接続される。本実施形態では、通信インターフェース141は、例えば、Ethernet(登録商標)規格に則って、画像供給装置200と通信するためのインターフェースである。通信インターフェース141は、画像供給装置200から投射画像PBに対応する画像を受信する。
本実施形態では、プロジェクター100が、画像供給装置200から受信した画像を投射面SCに投射画像PBとして投射する場合について説明するが、これに限定されない。プロジェクター100が、例えば、記憶部137又はメモリー150Bに予め記憶された画像を、投射面SCに投射画像PBとして投射してもよい。
【0021】
画像供給装置200は、例えば、パーソナルコンピューターで構成される。画像供給装置200は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)プレイヤーを備える。DVDプレイヤーは、DVDを再生し、DVDに記憶された画像をプロジェクター100へ供給する。
【0022】
本実施形態では、画像供給装置200がパーソナルコンピューターである場合について説明するが、これに限定されない。画像供給装置200が画像をプロジェクター100へ供給すればよい。画像供給装置200が、例えばDVDプレイヤーでもよい。また、画像供給装置200が、例えば、タブレット端末でもよいし、スマートフォンでもよい。
【0023】
カメラ170は、制御部150からの指示に従って、投射面SCに表示された投射画像PBを撮像し、撮像画像PMを生成する。撮像画像PMは、マーカーMKと投射画像PBとを含む。また、撮像画像PMは、第1撮像画像PM1と、第2撮像画像PM2とを含む。例えば、マーカーMKが、第1投射面SC1の第1位置P1に配置された場合に、カメラ170は、制御部150からの指示に従って、第1撮像画像PM1を生成する。そして、カメラ170は、第1撮像画像PM1を制御部150へ出力する。また、例えば、マーカーMKが、第2投射面SC2の第2位置P2に配置された場合に、カメラ170は、制御部150からの指示に従って、第2撮像画像PM2を生成する。そして、カメラ170は、第2撮像画像PM2を制御部150へ出力する。
第2位置P2は、第1位置P1と異なる位置である。第2投射面SC2は、第1投射面SC1と同一のスクリーンでもよいし、第1投射面SC1と異なるスクリーンでもよい。
第1位置P1、マーカーMK、及び第1撮像画像PM1については、図3を参照して更に説明する。
第2位置P2、及び第2撮像画像PM2については、図4を参照して更に説明する。
【0024】
制御部150は、プロセッサー150A及びメモリー150Bを備える。
メモリー150Bは、プロセッサー150Aが実行するプログラムやデータを不揮発的に記憶する記憶装置である。メモリー150Bは、磁気的記憶装置、フラッシュROM(Read Only Memory)等の半導体記憶素子、或いはその他の種類の不揮発性記憶装置により構成される。また、メモリー150Bは、プロセッサー150Aのワークエリアを構成するRAM(Random Access Memory)を含んでもよい。また、メモリー150Bは、HDD、SSD等の不揮発性の記憶装置を含んでもよい。
メモリー150Bは、制御部150により処理されるデータや、プロセッサー150Aが実行する制御プログラムPGを記憶する。
【0025】
プロセッサー150Aは、単一のプロセッサーで構成されてもよいし、複数のプロセッサーがプロセッサー150Aとして機能する構成であってもよい。プロセッサー150Aは、制御プログラムPGを実行してプロジェクター100の各部を制御する。例えば、プロセッサー150Aは、操作部131やリモコン5により受け付けた操作に対応した画像処理の実行指示と、この画像処理に用いるパラメーターとを画像処理部145に出力する。パラメーターには、例えば、投射面SCに投射する投射画像PBの幾何的な歪みを補正するための幾何補正パラメーター等が含まれる。また、プロセッサー150Aは、光源駆動部121を制御して光源部111の点灯と消灯とを制御する。
【0026】
画像処理部145及び制御部150の各々は、例えば、集積回路により構成することができる。集積回路は、LSI、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)を含む。PLDには、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)が含まれる。また、集積回路の構成の一部にアナログ回路が含まれていてもよく、プロセッサーと集積回路との組み合わせであってもよい。プロセッサーと集積回路との組み合わせは、マイクロコントローラー(MCU)、SoC(System-on-a-chip)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。
【0027】
画像処理部145は、メモリー150B又は記憶部137に記憶された画像データをフレームメモリー143に展開する。フレームメモリー143は、複数のバンクを備える。各バンクは、1フレーム分の画像データを書き込み可能な記憶容量を有する。フレームメモリー143は、例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)により構成される。
【0028】
画像処理部145は、制御部150からの指示に従って、フレームメモリー143に展開した画像データに対して、例えば、解像度変換処理又はリサイズ処理、歪曲収差の補正、形状補正処理、デジタルズーム処理、画像の色合いや輝度の調整等の画像処理を行う。
【0029】
制御部150のプロセッサー150Aは、制御プログラムPGを実行することによって、例えば、以下の処理を実行する。
プロセッサー150Aは、通信インターフェース141に、画像供給装置200から投射画像PBに対応する画像を受信させる。そして、プロセッサー150Aは、光変調装置駆動部122を介して、投射画像PBを液晶パネル115に表示させる。更に、プロセッサー150Aは、駆動部120を介して、投射部110に、投射画像PBを示す画像光PLを投射面SCへ投射させる。このようにして、プロジェクター100は、投射画像PBを投射面SCに表示する。
【0030】
[2.制御部の構成]
次に、図2を参照して、プロジェクター100の制御部150の構成について説明する。図2は、プロジェクター100の制御部150の構成の一例を示す図である。図2に示すように、制御部150は、取得部151と、特定部152と、決定部153と、処理部154と、報知部155と、調整部156と、画像記憶部157と、情報記憶部158と、を備える。
具体的には、制御部150のプロセッサー150Aが、メモリー150Bに記憶された制御プログラムPGを実行することによって、取得部151、特定部152、決定部153、処理部154、報知部155、及び調整部156、として機能する。また、制御部150のプロセッサー150Aが、メモリー150Bに記憶された制御プログラムPGを実行することによって、メモリー150Bを、画像記憶部157、及び情報記憶部158、として機能させる。
制御プログラムPGは、「プログラム」の一例に対応する。
プロセッサー150Aは、「少なくとも1つのプロセッサー」の一例に対応する。
【0031】
画像記憶部157は、第1撮像画像PM1と、第2撮像画像PM2とを記憶する。第1撮像画像PM1は、マーカーMKが、第1投射面SC1の第1位置P1に配置された場合に、カメラ170によって生成され、取得部151によって取得される。また、第1撮像画像PM1は、取得部151によって、画像記憶部157に記憶される。
第2撮像画像PM2は、マーカーMKが、第2投射面SC2の第2位置P2に配置された場合に、カメラ170によって生成され、取得部151によって取得される。また、第2撮像画像PM2は、取得部151によって、画像記憶部157に記憶される。
【0032】
情報記憶部158は、第1情報JP1と、第2情報JP2とを記憶する。
第1情報JP1は、第1投射画像PB1の4隅の座標と、第1投射画像PB1の中心CT1の座標とを含む。第1投射画像PB1は、マーカーMKが、第1投射面SC1の第1位置P1に配置された場合に、プロジェクター100によって第1投射面SC1に投射される。第2情報JP2は、第2投射画像PB2の4隅の座標と、第2投射画像PB2の中心CT2の座標とを含む。第2投射画像PB2は、マーカーMKが、第2投射面SC2の第2位置P2に配置された場合に、プロジェクター100によって第2投射面SC2に投射される。
第1情報JP1は、マーカーMKが、第1投射面SC1の第1位置P1に配置された場合に、処理部154によって生成される。また、第1情報JP1は、処理部154によって情報記憶部158に記憶される。第2情報JP2は、マーカーMKが、第2投射面SC2の第2位置P2に配置された場合に、処理部154によって生成される。また、第2情報JP2は、処理部154によって情報記憶部158に記憶される。
【0033】
取得部151は、マーカーMKが、第1投射面SC1の第1位置P1に配置された場合に、第1撮像画像PM1をカメラ170から取得する。また、取得部151は、第1撮像画像PM1を画像記憶部157に記憶させる。また、取得部151は、マーカーMKが、第2投射面SC2の第2位置P2に配置された場合に、第2撮像画像PM2をカメラ170から取得する。また、取得部151は、第2撮像画像PM2を画像記憶部157に記憶させる。
【0034】
特定部152は、第1撮像画像PM1に基づいて、第1方向DX1、第2方向DY1、第1長さLX1、及び第2長さLY1を特定する。第1方向DX1は、第1撮像画像PM1におけるマーカーMKの第1辺SD1の方向である。第2方向DY1は、第1撮像画像PM1におけるマーカーMKの第2辺SD2の方向である。第1長さLX1は、第1撮像画像PM1におけるマーカーMKの第1辺SD1の長さである。第2長さLY1は、第1撮像画像PM1におけるマーカーMKの第2辺SD2の長さである。
第1長さLX1は、「第1の長さ」の一例に対応する。
第2長さLY1は、「第2の長さ」の一例に対応する。
第1方向DX1、第2方向DY1、第1長さLX1、及び第2長さLY1については、図3を参照して更に説明する。
また、特定部152は、第2撮像画像PM2に基づいて、第1方向DX2、第2方向DY2、第3長さLX2、及び第4長さLY2を特定する。第1方向DX2は、第2撮像画像PM2におけるマーカーMKの第1辺SD1の方向である。第2方向DY2は、第2撮像画像PM2におけるマーカーMKの第2辺SD2の方向である。第3長さLX2は、第2撮像画像PM2におけるマーカーMKの第1辺SD1のサイズである。第4長さLY2は、第2撮像画像PM2におけるマーカーMKの第2辺SD2のサイズである。
第3長さLX2は、「第3の長さ」の一例に対応する。
第4長さLY2は、「第4の長さ」の一例に対応する。
第1方向DX2、第2方向DY2、第3長さLX2、及び第4長さLY2については、図4を参照して更に説明する。
【0035】
決定部153は、第1方向DX1と平行で、第1長さLX1を単位長さとする第1座標軸AX1を決定し、第2方向DY1と平行で、第2長さLY1を単位長さとする第2座標軸AY1を決定する。また、決定部153は、第1方向DX2と平行で、第3長さLX2を単位長さとする第3座標軸AX2を決定し、第2方向DY2と平行で、第4長さLY2を単位長さとする第4座標軸AY2を決定する。
第1座標軸AX1、及び第2座標軸AY1については、図3を参照して更に説明する。
第3座標軸AX2、及び第4座標軸AY2については、図4を参照して更に説明する。
【0036】
処理部154は、第1投射画像PB1の4隅の各々について、第1座標軸AX1、及び第2座標軸AY1で規定される座標を求めて、第1投射画像PB1の4隅の座標を第1情報JP1として、情報記憶部158に記憶させる。第1投射画像PB1の4隅は、第1投射画像PB1の4つの頂点に対応する。また、処理部154は、第1投射画像PB1の中心CT1について、第1座標軸AX1、及び第2座標軸AY1で規定される座標を求めて、第1投射画像PB1の中心CT1の座標を第1情報JP1として、情報記憶部158に記憶させる。
また、処理部154は、第2投射画像PB2の4隅の各々について、第3座標軸AX2、及び第4座標軸AY2で規定される座標を求めて、第2投射画像PB2の4隅の座標を第2情報JP2として、情報記憶部158に記憶させる。第2投射画像PB2の4隅は、第2投射画像PB2の4つの頂点に対応する。また、処理部154は、第2投射画像PB2の中心CT2について、第3座標軸AX2、及び第4座標軸AY2で規定される座標を求めて、第2投射画像PB2の中心CT2の座標を第2情報JP2として、情報記憶部158に記憶させる。
第1投射画像PB1の4つの頂点、及び中心CT1については、図3を参照して更に説明する。
第2投射画像PB2の4つの頂点、及び中心CT2については、図4を参照して更に説明する。
【0037】
報知部155は、第2撮像画像PM2が、第2投射画像PB2の4隅の少なくとも1つを含まない場合に、第2撮像画像PM2が適正ではないことを報知する。報知部155は、例えば、リモコン5のLCD(Liquid Crystal Display)に、第2撮像画像PM2が適正ではないことを表示する。また、報知部155は、例えば、プロジェクター100に、OSD(On Screen Display)として、第2撮像画像PM2が適正ではないことを表示する。
【0038】
調整部156は、第1情報JP1、及び第2情報JP2に基づいて、第2投射画像PB2の投射位置、形状、及びサイズを調整する。調整部156は、例えば、第2投射画像PB2の中心CT2の座標が、第1投射画像PB1の中心CT1の座標と一致するように、第2投射画像PB2の投射位置を調整する。調整部156は、例えば、投射レンズ113Aの投射光PLの方向を調整することによって、第2投射画像PB2の投射位置を調整する。
また、調整部156は、例えば、第2投射画像PB2の4隅の座標の各々が、第1投射画像PB1の4隅の座標の各々と一致するように、第2投射画像PB2の形状、及びサイズを調整する。調整部156は、例えば、液晶パネル115に描画する第2投射画像PB2の形状を調整することによって、第2投射画像PB2の形状を調整する。また、調整部156は、例えば、投射光学系113のズーム機構を調整することによって、第2投射画像PB2のサイズを調整する。
【0039】
本実施形態では、調整部156は、第2投射画像PB2の4隅の座標の各々が、第1投射画像PB1の4隅の座標の各々と一致するように、第2投射画像PB2の形状、及びサイズを調整するがこれに限定されない。調整部156は、第1情報JP1、及び第2情報JP2に基づいて、第2投射画像PB2の投射位置、形状、及びサイズを調整すればよい。
調整部156は、例えば、第2投射画像PB2の4隅の座標の各々が、第1投射画像PB1の4隅の座標の所定倍の各々と一致するように、第2投射画像PB2のサイズを調整してもよい。所定倍は、例えば、1/2倍である。この場合には、第2撮像画像PM2に含まれるマーカーMKの第3長さLX2を基準とする第2投射画像PB2のサイズが、第1撮像画像PM1に含まれるマーカーMKの第1長さLX1を基準とする第1投射画像PB1のサイズの1/2倍に調整される。
【0040】
[3.第1撮像画像の具体例]
次に、図3を参照して、第1撮像画像PM1の具体例について説明する。図3は、第1撮像画像PM1を示す画像図である。
図3に示すように、第1撮像画像PM1は、マーカーMKの画像と、第1投射画像PB1とを含む。破線で示す撮像領域AR1は、第1撮像画像PM1を生成するときのカメラ170の撮像領域である。なお、本実施形態では、第1投射面SC1における撮像領域AR1の法線方向にプロジェクター100を配置する場合について説明する。
本実施形態では、マーカーMKの画像を、単に「マーカーMK」と記載する場合がある。マーカーMKは、L字状に形成された板状部材である。マーカーMKは、例えば、樹脂、アルミニウム等によって構成される。マーカーMKは、第1位置P1に配置される。マーカーMKは、例えば、磁石によって、第1投射面SC1の第1位置P1に固定される。また、マーカーMKは、例えば、接着剤によって、第1投射面SC1の第1位置P1に固定されてもよい。
【0041】
マーカーMKは、第1辺SD1と、第2辺SD2とを有する。第1辺SD1と第2辺SD2とは、交点TS1で直交に交差する。すなわち、第1辺SD1の一方側の端点、ここでは、左側の端点と、第2辺SD2の一方側の端点、ここでは、上側の端点とが、交点TS1に位置する。換言すれば、第1辺SD1は、交点TS1から右向きに延びる辺であり、第2辺SD2は、交点TS1から下向きに延びる辺である。
第1長さLX1は、第1撮像画像PM1における第1辺SD1の長さであり、第2長さLY1は、第1撮像画像PM1における第2辺SD2の長さである。本実施形態では、第1長さLX1は、第2長さLY1よりも大きい。
【0042】
第1座標軸AX1は、第1方向DX1と平行で、第1長さLX1を単位長さとする座標軸である。第1座標軸AX1は、交点TS1を原点RG1とし、第1方向DX1と平行な方向に延びる。第1座標軸AX1で規定される座標X1は、原点RG1からの距離が第1長さLX1の何倍であるかを示す。
第2座標軸AY1は、第2方向DY1と平行で、第2長さLY1を単位長さとする座標軸である。第2座標軸AY1は、交点TS1を原点RG1とし、第2方向DY1と平行な方向に延びる。第2座標軸AY1で規定される座標Y1は、原点RG1からの距離が第2長さLY1の何倍であるかを示す。
第1座標軸AX1と第2座標軸AY1とは、第1座標系CD1を構成する。処理部154は、第1投射画像PB1の4隅、及び、第1投射画像PB1の中心CT1の各々について、第1座標系CD1における座標を求める。第1投射画像PB1の4隅、すなわち、第1投射画像PB1の4つの頂点は、頂点VT11、頂点VT12、頂点VT13、及び頂点VT14である。処理部154は、第1座標系CD1における、頂点VT11、頂点VT12、頂点VT13、及び頂点VT14の各々と、中心CT1との座標を求める。
【0043】
図3では、第1投射画像PB1は、長辺SD3が第1座標軸AX1と平行で、短辺SD4が第2座標軸AY1と平行な長方形である。長辺SD3は、頂点VT11と頂点VT12とを結ぶ辺、及び、頂点VT13と頂点VT14とを結ぶ辺である。短辺SD4は、頂点VT11と頂点VT14とを結ぶ辺、及び、頂点VT12と頂点VT13とを結ぶ辺である。また、長辺SD3の長さは、例えば、第1長さLX1の第1所定数倍であり、短辺SD4の長さは、第2長さLY1の第2所定数倍である。例えば、第1所定数倍、及び第2所定数倍の各々は「5倍」である。
中心CT1は、第1投射画像PB1における2本の対角線の交点と一致する。2本の対角線は、頂点VT11と頂点VT13とを結ぶ対角線、及び頂点VT12と頂点VT14とを結ぶ対角線である。
長辺SD3は、「第3辺」の一例に対応する。
短辺SD4は、「第4辺」の一例に対応する。
長方形は、「矩形」の一例に対応する。
【0044】
図3を参照して説明したように、第1座標軸AX1は、第1方向DX1と平行で、第1長さLX1を単位長さとする座標軸であり、第2座標軸AY1は、第2方向DY1と平行で、第2長さLY1を単位長さとする座標軸である。また、処理部154は、第1投射画像PB1の4隅、及び、第1投射画像PB1の中心CT1の各々について、第1座標軸AX1と第2座標軸AY1とで構成される第1座標系CD1における座標を求める。したがって、第1撮像画像PM1に含まれる第1投射画像PB1の投射位置、形状、及びサイズを、第1撮像画像PM1に含まれるマーカーMKの画像によって規定できる。
【0045】
[4.第2撮像画像の具体例]
次に、図4を参照して、第2撮像画像PM2の具体例について説明する。図4は、第2撮像画像PM2を示す画像図である。
図4に示すように、第2撮像画像PM2は、マーカーMKの画像と、第2投射画像PB2とを含む。破線で示す撮像領域AR2は、第2撮像画像PM2を生成するときのカメラ170の撮像領域である。なお、本実施形態では、第2投射面SC2における撮像領域AR2の法線方向にプロジェクター100を配置する場合について説明する。
マーカーMKは、第2位置P2に配置される。マーカーMKは、例えば、磁石によって、第2投射面SC2の第2位置P2に固定される。また、マーカーMKは、例えば、接着剤によって、第2投射面SC2の第2位置P2に固定されてもよい。
【0046】
マーカーMKは、第1辺SD1と、第2辺SD2とを有する。第1辺SD1と第2辺SD2とは、交点TS1で直交に交差する。すなわち、第1辺SD1の一方側の端点、ここでは、左側の端点と、第2辺SD2の一方側の端点、ここでは、上側の端点とは、交点TS1に位置する。換言すれば、第1辺SD1は、交点TS1から右向きに延びる辺であり、第2辺SD2は、交点TS1から下向きに延びる辺である。
第3長さLX2は、第2撮像画像PM2における第1辺SD1の長さであり、第4長さLY2は、第2撮像画像PM2における第2辺SD2の長さである。第3長さLX2は、第4長さLY2よりも大きい。
また、図4に示す第3長さLX2は、図3に示す第1長さLX1よりも小さく、図4に示す第4長さLY2は、図3に示す第2長さLY1よりも小さい。また、図4に示すマーカーMKと図3に示すマーカーMKとは、同一のマーカーMKであるため、図4に示す第3長さLX2の第4長さLY2に対する比は、図3に示す第1長さLX1の第2長さLY1に対する比と一致する。換言すれば、第2撮像画像PM2におけるマーカーMKの画像は、図3に示す第1撮像画像PM1におけるマーカーMKの画像と相似である。
【0047】
第3座標軸AX2は、第1方向DX2と平行で、第3長さLX2を単位長さとする座標軸である。第3座標軸AX2は、交点TS2を原点RG2とし、第1方向DX2と平行な方向に延びる。第3座標軸AX2で規定される座標X2は、原点RG2からの距離が第3長さLX2の何倍であるかを示す。
第4座標軸AY2は、第2方向DY2と平行で、第4長さLY2を単位長さとする座標軸である。第4座標軸AY2は、交点TS2を原点RG2とし、第2方向DY2と平行な方向に延びる。第4座標軸AY2で規定される座標Y2は、原点RG2からの距離が第4長さLY2の何倍であるかを示す。
第3座標軸AX2と第4座標軸AY2とは、第2座標系CD2を構成する。処理部154は、第2座標系CD2における、第2投射画像PB2の4隅、及び、第2投射画像PB2の中心CT2の各々の座標を求める。第2投射画像PB2の4隅、すなわち、第2投射画像PB2の4つの頂点は、頂点VT21、頂点VT22、頂点VT23、及び頂点VT24である。処理部154は、第2座標系CD2における、頂点VT21、頂点VT22、頂点VT23、及び頂点VT24の各々と、中心CT2との座標を求める。
【0048】
図4では、第2投射画像PB2は、4角形である。
中心CT2は、第2投射画像PB2における2本の対角線の交点と一致する。2本の対角線は、頂点VT21と頂点VT23とを結ぶ対角線、及び頂点VT22と頂点VT24とを結ぶ対角線である。
【0049】
図4を参照して説明したように、第3座標軸AX2は、第1方向DX2と平行で、第3長さLX2を単位長さとする座標軸であり、第4座標軸AY2は、第2方向DY2と平行で、第4長さLY2を単位長さとする座標軸である。また、処理部154は、第2投射画像PB2の4隅、及び、第2投射画像PB2の中心CT2の各々について、第3座標軸AX2と第4座標軸AY2とで構成される第2座標系CD2における座標を求める。したがって、第2撮像画像PM2に含まれる第2投射画像PB2の投射位置、形状、及びサイズを、第2撮像画像PM2に含まれるマーカーMKの画像によって規定できる。
【0050】
[5.第2投射画像の調整方法の具体例]
次に、図5及び図6を参照して、第2投射画像PB2の調整方法について説明する。図5は、第2投射画像PB2の投射位置の調整方法の一例を示す画像図である。図6は、第2投射画像PB2の形状及びサイズの調整方法の一例を示す画像図である。
まず、図5を参照して、第2投射画像PB2の投射位置の調整方法について説明する。図5に示す第2撮像画像PM2Aは、図4に示す第2撮像画像PM2を撮像したときのマーカーMKの位置、及びプロジェクター100の位置を同一の状態に保持して、第2投射画像PB2Aをカメラ170で撮像した撮像画像PMである。第2投射画像PB2Aは。第2投射画像PB2の投射位置を調整した後の投射画像PBである。
【0051】
図5の矢印V1で示すように、調整部156は、図4に示す第2投射画像PB2の中心CT2の第2座標系CD2における座標が、図3に示す第1投射画像PB1の中心CT1の第1座標系CD1における座標と一致するように、第2投射画像PB2を移動する。
中心CT2は、第2投射画像PB2の中心である。中心CT2Aは、第2投射画像PB2Aの中心である。中心CT2Aの第2座標系CD2における座標は、図3に示す中心CT1の第1座標系CD1における座標と一致する。
頂点VT21A、頂点VT22A、頂点VT23A、及び頂点VT24Aは、第2投射画像PB2Aの4つの頂点である。頂点VT21Aは、第2投射画像PB2の頂点VT21に対応する。頂点VT22Aは、第2投射画像PB2の頂点VT22に対応する。頂点VT23Aは、第2投射画像PB2の頂点VT23に対応する。頂点VT24Aは、第2投射画像PB2の頂点VT24に対応する。
【0052】
図5を参照して説明したように、調整部156は、第2投射画像PB2の中心CT2の座標が、第1投射画像PB1の中心CT1の座標と一致するように、第2投射画像PB2の投射位置を調整する。したがって、第2投射画像PB2の投射位置を適正に調整できる。
【0053】
次に、図6を参照して、第2投射画像PB2の形状及びサイズの調整方法について説明する。なお、調整部156は、図5を参照して説明したように、第2投射画像PB2を平行移動した後に、第2投射画像PB2Aの形状及びサイズの調整処理を実行する。
図6に示す第2撮像画像PM2Bは、図4に示す第2撮像画像PM2を撮像したときのマーカーMKの位置、及びプロジェクター100の位置を同一の状態に保持して、第2投射画像PB2Bをカメラ170で撮像した撮像画像PMである。第2投射画像PB2Bは、第2投射画像PB2Aの形状及びサイズを調整した後の投射画像PBである。
【0054】
頂点VT21B、頂点VT22B、頂点VT23B、及び頂点VT24Bは、第2投射画像PB2Bの4つの頂点である。中心CT2Bは、第2投射画像PB2Bの中心である。中心CT2Bの第2座標系CD2における座標は、図5に示す中心CT2Aの第2座標系CD2における座標と一致し、図3に示す中心CT1の第1座標系CD1における座標と一致する。
【0055】
図6の矢印V21で示すように、調整部156は、頂点VT21Aの位置を移動する。すなわち、図5に示す第2投射画像PB2Aの頂点VT21Aの第2座標系CD2における座標が、図3に示す第1投射画像PB1の頂点VT11の第1座標系CD1における座標と一致するように、頂点VT21Aの位置を移動する。頂点VT21Bは、頂点VT21Aの移動後の位置を示す。頂点VT21Bの第2座標系CD2における座標は、図3に示す頂点VT11の第1座標系CD1における座標と一致する。
また、図6の矢印V22で示すように、調整部156は、頂点VT22Aの位置を移動する。すなわち、図5に示す第2投射画像PB2Aの頂点VT22Aの第2座標系CD2における座標が、図3に示す第1投射画像PB1の頂点VT12の第1座標系CD1における座標と一致するように、頂点VT22Aの位置を移動する。頂点VT22Bは、頂点VT22Aの移動後の位置を示す。頂点VT22Bの第2座標系CD2における座標は、図3に示す頂点VT12の第1座標系CD1における座標と一致する。
【0056】
また、図6の矢印V23で示すように、調整部156は、頂点VT23Aの位置を移動する。すなわち、図5に示す第2投射画像PB2Aの頂点VT23Aの第2座標系CD2における座標が、図3に示す第1投射画像PB1の頂点VT13の第1座標系CD1における座標と一致するように、頂点VT23Aの位置を移動する。頂点VT23Bは、頂点VT23Aの移動後の位置を示す。頂点VT23Bの第2座標系CD2における座標は、図3に示す頂点VT13の第1座標系CD1における座標と一致する。
また、図6の矢印V24で示すように、調整部156は、頂点VT24Aの位置を移動する。すなわち、図5に示す第2投射画像PB2Aの頂点VT24Aの第2座標系CD2における座標が、図3に示す第1投射画像PB1の頂点VT14の第1座標系CD1における座標と一致するように、頂点VT24Aの位置を移動する。頂点VT24Bは、頂点VT24Aの移動後の位置を示す。頂点VT24Bの第2座標系CD2における座標は、図3に示す頂点VT14の第1座標系CD1における座標と一致する。
【0057】
図6を参照して説明したように、第2投射画像PB2の4隅の座標の各々が、第1投射画像PB1の4隅の座標の各々と一致するように、第2投射画像PB2の形状、及びサイズを調整する。したがって、第2投射画像PB2の形状、及びサイズを適正に調整できる。
本実施形態では、第2投射画像PB2は、長辺が第3座標軸AX2と平行で、短辺が第4座標軸AY2と平行な長方形である。また、第2投射画像PB2の形状は、図3に示す第1投射画像PB1の形状と相似である。また、第2投射画像PB2の第1投射画像PB1に対する相似比は、第2撮像画像PM2におけるマーカーMKの第1撮像画像PM1におけるマーカーMKに対する相似比と同一である。
【0058】
[6.制御部の処理]
次に、図7を参照して、制御部150の処理の一例について説明する。図7は、制御部150の処理の一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、ステップS101において、制御部150は、マーカーMKが、第1位置P1に配置されたか否かを判定する。制御部150は、例えば、操作部131からのユーザーの操作に基づいて、マーカーMKが、第1位置P1に配置されたか否かを判定する。
マーカーMKが、第1位置P1に配置されていないと制御部150が判定した場合(ステップS101;NO)には、処理が待機状態になる。マーカーMKが、第1位置P1に配置されたと制御部150が判定した場合(ステップS101;YES)には、処理がステップS103へ進む。
そして、ステップS103において、取得部151は、第1撮像画像PM1をカメラ170から取得する。取得部151は、例えば、第1撮像画像PM1をカメラ170に生成させ、生成された第1撮像画像PM1をカメラ170から取得する。
次に、ステップS105において、特定部152は、第1撮像画像PM1に基づいて、第1方向DX1、及び第1長さLX1を特定する。第1方向DX1は、第1撮像画像PM1におけるマーカーMKの第1辺SD1の方向である。第1長さLX1は、第1撮像画像PM1におけるマーカーMKの第1辺SD1の長さである。
次に、ステップS107において、特定部152は、第1撮像画像PM1に基づいて、第2方向DY1、及び第2長さLY1を特定する。第2方向DY1は、第1撮像画像PM1におけるマーカーMKの第2辺SD2の方向である。第2長さLY1は、第1撮像画像PM1におけるマーカーMKの第2辺SD2の長さである。
【0059】
次に、ステップS109において、決定部153は、第1方向DX1と平行で、第1長さLX1を単位長さとする第1座標軸AX1を決定し、第2方向DY1と平行で、第2長さLY1を単位長さとする第2座標軸AY1を決定する。
次に、ステップS111において、処理部154は、第1投射画像PB1の4隅の各々について、第1座標軸AX1、及び第2座標軸AY1で規定される座標を求めて、第1投射画像PB1の4隅の座標を第1情報JP1として、情報記憶部158に記憶させる。また、処理部154は、第1投射画像PB1の中心CT1について、第1座標軸AX1、及び第2座標軸AY1で規定される座標を求めて、第1投射画像PB1の中心CT1の座標を第1情報JP1として、情報記憶部158に記憶させる。
【0060】
次に、ステップS113において、制御部150は、マーカーMKが、第2位置P2に配置されたか否かを判定する。制御部150は、例えば、操作部131からのユーザーの操作に基づいて、マーカーMKが、第2位置P2に配置されたか否かを判定する。
マーカーMKが、第2位置P2に配置されていないと制御部150が判定した場合(ステップS113;NO)には、処理が待機状態になる。マーカーMKが、第2位置P2に配置されたと制御部150が判定した場合(ステップS113;YES)には、処理がステップS115へ進む。
そして、ステップS115において、取得部151は、第2撮像画像PM2をカメラ170から取得する。取得部151は、例えば、第2撮像画像PM2をカメラ170に生成させ、生成された第2撮像画像PM2をカメラ170から取得する。
次に、ステップS117において、特定部152は、第2撮像画像PM2に基づいて、第1方向DX2、及び第3長さLX2を特定する。第1方向DX2は、第2撮像画像PM2におけるマーカーMKの第1辺SD1の方向である。第3長さLX2は、第2撮像画像PM2におけるマーカーMKの第1辺SD1の長さである。
次に、ステップS119において、特定部152は、第2撮像画像PM2に基づいて、第2方向DY2、及び第4長さLY2を特定する。第2方向DY2は、第2撮像画像PM2におけるマーカーMKの第2辺SD2の方向である。第4長さLY2は、第2撮像画像PM2におけるマーカーMKの第2辺SD2の長さである。
【0061】
次に、ステップS121において、決定部153は、第1方向DX2と平行で、第3長さLX2を単位長さとする第3座標軸AX2を決定し、第2方向DY2と平行で、第4長さLY2を単位長さとする第4座標軸AY2を決定する。
次に、ステップS123において、処理部154は、第2投射画像PB2の4隅の各々について、第3座標軸AX2、及び第4座標軸AY2で規定される座標を求めて、第2投射画像PB2の4隅の座標を第2情報JP2として、情報記憶部158に記憶させる。また、処理部154は、第2投射画像PB2の中心CT2について、第3座標軸AX2、及び第4座標軸AY2で規定される座標を求めて、第2投射画像PB2の中心CT2の座標を第2情報JP2として、情報記憶部158に記憶させる。
【0062】
次に、ステップS125において、調整部156は、第2投射画像PB2の中心CT2の座標が、第1投射画像PB1の中心CT1の座標と一致するように、第2投射画像PB2の投射位置を調整する。
次に、ステップS127において、調整部156は、第2投射画像PB2の4隅の座標の各々が、第1投射画像PB1の4隅の座標の各々と一致するように、第2投射画像PB2の形状、及びサイズを調整する。その後、処理が終了する。
【0063】
ステップS103は、「第1撮像画像を取得すること」の一例に対応する。ステップS105、及びステップS107は、「第1撮像画像に基づいて、サイズを特定すること」の一例に対応する。ステップS109は、「第1座標軸を決定すること」、及び「第2座標軸を決定すること」の一例に対応する。ステップS111は、「第1投射画像の4隅の座標を含む第1情報を記憶すること」の一例に対応する。ステップS115は、「第2撮像画像を取得すること」の一例に対応する。ステップS117及びステップS119は、「第2撮像画像に基づいて、サイズを特定すること」の一例に対応する。ステップS121は、「第3座標軸を決定すること」、及び「第4座標軸を決定すること」の一例に対応する。ステップS123は、「第2投射画像の4隅の座標を含む第2情報を決定すること」の一例に対応する。ステップS125、及びステップS127は、「第2投射画像の投射位置、形状、及びサイズを調整すること」の一例に対応する。
【0064】
[7.本実施形態及び作用効果]
以上、図1図7を参照して説明したように、本実施形態に係る表示方法は、第1辺SD1と、第1辺SD1と交わる第2辺SD2とを有するマーカーMKが第1位置P1に配置された場合に、マーカーMKと、プロジェクター100により投射された第1投射画像PB1とを含む第1撮像画像PM1を取得することと、第1撮像画像PM1に基づいて、マーカーMKの第1辺SD1、及び第2辺SD2と、第1辺SD1の第1長さLX1及び第2辺SD2の第2長さLY1を特定することと、第1辺SD1と平行で、第1長さLX1を単位長さとする第1座標軸AX1を決定することと、第2辺SD2と平行で、第2長さLY1を単位長さとする第2座標軸AY1を決定することと、第1座標軸AX1、及び第2座標軸AY1で規定される座標における第1投射画像PB1の4隅の座標を含む第1情報JP1を記憶することと、第1位置P1と異なる第2位置P2に、マーカーMKが配置された場合に、マーカーMKと、第1投射画像PB1と異なる、プロジェクター100により投射された第2投射画像PB2とを含む第2撮像画像PM2を取得することと、第2撮像画像PM2に基づいて、マーカーMKの第1辺SD1、及び第2辺SD2と、第1辺SD1の第3長さLX2及び第2辺SD2の第4長さLY2を特定することと、第1辺SD1と平行で、第3長さLX2を単位長さとする第3座標軸AX2を決定することと、第2辺SD2と平行で、第4長さLY2を単位長さとする第4座標軸AY2を決定することと、第3座標軸AX2、及び第4座標軸AY2で規定される座標における第2投射画像PB2の4隅の座標を含む第2情報JP2を決定することと、第1情報JP1、及び第2情報JP2に基づいて、第2投射画像PB2の投射位置、形状、及びサイズを調整することと、を含む。
【0065】
この構成によれば、マーカーMKが第1位置P1に配置された場合に、第1撮像画像PM1に基づいて、第1辺SD1と平行で、第1長さLX1を単位長さとする第1座標軸AX1を決定し、第2辺SD2と平行で、第2長さLY1を単位長さとする第2座標軸AY1を決定する。そして、第1座標軸AX1、及び第2座標軸AY1で規定される座標における第1投射画像PB1の4隅の座標を含む第1情報JP1を記憶する。マーカーMKが第2位置P2に配置された場合に、第2撮像画像PM2に基づいて、第1辺SD1と平行で、第3長さLX2を単位長さとする第3座標軸AX2を決定し、第2辺SD2と平行で、第4長さLY2を単位長さとする第4座標軸AY2を決定する。そして、第3座標軸AX2、及び第4座標軸AY2で規定される座標における第2投射画像PB2の4隅の座標を含む第2情報JP2を決定する。また、第1情報JP1、及び第2情報JP2に基づいて、第2投射画像PB2の投射位置、形状、及びサイズを調整する。
よって、第1撮像画像PM1における第1座標軸AX1は、第2撮像画像PM2における第3座標軸AX2に対応し、第1撮像画像PM1における第2座標軸AY1は、第2撮像画像PM2における第4座標軸AY2に対応する。また、第1情報JP1に含まれる第1投射画像PB1の4隅の座標は、第1座標軸AX1及び第2座標軸AY1で規定され、第2情報JP2に含まれる第2投射画像PB2の4隅の座標は、第3座標軸AX2及び第4座標軸AY2で規定される。したがって、第1情報JP1に含まれる第1投射画像PB1の4隅の座標と、第2情報JP2に含まれる第2投射画像PB2の4隅の座標とに基づいて、第2投射画像PB2の投射位置、形状、及びサイズを適正に調整できる。例えば、第2投射画像PB2の4隅の座標の各々を、第1投射画像PB1の4隅の座標の各々と一致するように第2投射画像PB2を調整することによって、第2投射画像PB2の投射位置、形状、及びサイズを適正に調整できる。
【0066】
また、本実施形態に係るプロジェクター100表示方法において、第1情報JP1は、第1投射画像PB1の中心CT1の座標を含み、第2情報JP2は、第2投射画像PB2の中心CT2の座標を含む。
したがって、例えば、第2投射画像PB2の中心CT2の座標を、第1投射画像PB1の中心CT1の座標と一致するように第2投射画像PB2の位置を調整することによって、第2投射画像PB2の投射位置を適正に調整できる。
【0067】
また、本実施形態に係る表示方法において、第2投射画像PB2の投射位置、形状、及びサイズを調整することは、第2投射画像PB2の中心CT2の座標が、第1投射画像PB1の中心CT1の座標と一致するように、第2投射画像PB2の投射位置を調整することと、第2投射画像PB2の4隅の座標の各々が、第1投射画像PB1の4隅の座標の各々と一致するように、第2投射画像PB2の形状、及びサイズを調整することと、を含む。
よって、第2投射画像PB2の中心CT2の座標が、第1投射画像PB1の中心CT1の座標と一致するように、第2投射画像PB2の投射位置を調整するため、第2投射画像PB2の投射位置を適正に調整できる。また、第2投射画像PB2の4隅の座標の各々が、第1投射画像PB1の4隅の座標の各々と一致するように、第2投射画像PB2の形状、及びサイズを調整するため、第2投射画像PB2の形状、及びサイズを適正に調整できる。したがって、第2投射画像PB2の投射位置、形状、及びサイズを適正に調整できる。
【0068】
また、本実施形態に係る表示方法において、マーカーMKは、第1辺SD1と第2辺SD2とが直交する。
また、上述のように、第1撮像画像PM1に基づいて、第1辺SD1と平行に第1座標軸AX1を決定し、第2辺SD2と平行に第2座標軸AY1を決定する。また、第2撮像画像PM2に基づいて、第1辺SD1と平行に第3座標軸AX2を決定し、第2辺SD2と平行に第4座標軸AY2を決定する。
よって、第1座標軸AX1と第2座標軸AY1とが直交するように、第1座標軸AX1と第2座標軸AY1とが決定され、第3座標軸AX2と第4座標軸AY2とが直交するように、第3座標軸AX2と第4座標軸AY2とが決定される。すなわち、第1座標軸AX1と第2座標軸AY1とが直交座標系を構成し、第3座標軸AX2と第4座標軸AY2とが直交座標系を構成する。したがって、第1座標軸AX1及び第2座標軸AY1と、第3座標軸AX2及び第4座標軸AY2とを適正に決定できる。
【0069】
また、本実施形態に係る表示方法において、第1座標軸AX1、及び第2座標軸AY1を決定することは、第1撮像画像PM1における第1辺SD1と第2辺SD2との交点TS1の位置を、第1座標軸AX1及び第2座標軸AY1の原点RG1の位置とすること、を含み、第3座標軸AX2、及び第4座標軸AY2を決定することは、第2撮像画像PM2における第1辺SD1と第2辺SD2との交点TS2の位置を、第3座標軸AX2及び第4座標軸AY2の原点RGの位置とすること、を含む。
よって、第1座標軸AX1及び第2座標軸AY1の原点RG1の位置が、第1撮像画像PM1における第1辺SD1と第2辺SD2との交点TS1の位置と一致する。また、第3座標軸AX2及び第4座標軸AY2の原点RGの位置が、第2撮像画像PM2における第1辺SD1と第2辺SD2との交点TS2の位置と一致する。したがって、第1座標軸AX1及び第2座標軸AY1の原点RG1の位置と、第3座標軸AX2及び第4座標軸AY2の原点RGの位置とを適正に決定できる。
【0070】
また、本実施形態に係る表示方法において、第1投射画像PB1は、第1辺SD1と平行な第3辺SD3と、第2辺SD2と平行な第4辺SD4とを含む矩形形状である。
したがって、例えば、第1辺SD1と第2辺SD2とが直交する場合には、第1投射画像PB1、及び第2投射画像PB2の各々を、長方形形状に投射できる。
【0071】
また、本実施形態に係る表示方法において、第2撮像画像PM2が、第2投射画像PB2の4隅の少なくとも1つを含まない場合に、第2撮像画像PM2が適正ではないことを報知すること、を含む。
よって、第2撮像画像PM2が、第2投射画像PB2の4隅の少なくとも1つを含まない場合に、第2撮像画像PM2が適正ではないことが報知される。また、第2撮像画像PM2が、第2投射画像PB2の4隅の少なくとも1つを含まない場合には、第2投射画像PB2の4隅の座標を求めることができないため、第2投射画像PB2の投射位置、形状、及びサイズを調整することができない。したがって、第2撮像画像PM2が適正ではないことをユーザーが確認できる。
【0072】
また、本実施形態に係るプロジェクター100の制御プログラムPGは、第1辺SD1と、第1辺SD1と交わる第2辺SD2とを有するマーカーMKが第1位置P1に配置された場合に、マーカーMKと、プロジェクター100により投射された第1投射画像PB1とを含む第1撮像画像PM1を取得することと、第1撮像画像PM1に基づいて、マーカーMKの第1辺SD1、及び第2辺SD2と、第1辺SD1の第1長さLX1及び第2辺SD2の第2長さLY1を特定することと、第1辺SD1と平行で、第1長さLX1を単位長さとする第1座標軸AX1を決定することと、第2辺SD2と平行で、第2長さLY1を単位長さとする第2座標軸AY1を決定することと、第1座標軸AX1、及び第2座標軸AY1で規定される座標における第1投射画像PB1の4隅の座標を含む第1情報JP1を記憶することと、第1位置P1と異なる第2位置P2に、マーカーMKが配置された場合に、マーカーMKと、第1投射画像PB1と異なる、プロジェクター100により投射された第2投射画像PB2とを含む第2撮像画像PM2を取得することと、第2撮像画像PM2に基づいて、マーカーMKの第1辺SD1、及び第2辺SD2と、第1辺SD1の第3長さLX2及び第2辺SD2の第4長さLY2を特定することと、第1辺SD1と平行で、第3長さLX2を単位長さとする第3座標軸AX2を決定することと、第2辺SD2と平行で、第4長さLY2を単位長さとする第4座標軸AY2を決定することと、第3座標軸AX2、及び第4座標軸AY2で規定される座標における第2投射画像PB2の4隅の座標を含む第2情報JP2を決定することと、第1情報JP1、及び第2情報JP2に基づいて、第2投射画像PB2の投射位置、形状、及びサイズを調整することと、をプロジェクター100のプロセッサー150Aに実行させる。
この構成によれば、本実施形態に係るプロジェクター100の制御プログラムPGは、本実施形態に係る表示方法と同様の効果を奏する。
【0073】
本実施形態に係るプロジェクター100は、投射画像PBを撮像するカメラ170と、メモリー150Bと、プロセッサー150Aと、を含み、プロセッサー150Aは、第1辺SD1と、第1辺SD1と交わる第2辺SD2とを有するマーカーMKが第1位置P1に配置された場合に、マーカーMKと、プロジェクター100により投射された第1投射画像PB1とを含む第1撮像画像PM1を取得することと、第1撮像画像PM1に基づいて、マーカーMKの第1辺SD1、及び第2辺SD2と、第1辺SD1の第1長さLX1及び第2辺SD2の第2長さLY1を特定することと、第1辺SD1と平行で、第1長さLX1を単位長さとする第1座標軸AX1を決定することと、第2辺SD2と平行で、第2長さLY1を単位長さとする第2座標軸AY1を決定することと、第1座標軸AX1、及び第2座標軸AY1で規定される座標における第1投射画像PB1の4隅の座標を含む第1情報JP1を記憶することと、第1位置P1と異なる第2位置P2に、マーカーMKが配置された場合に、マーカーMKと、第1投射画像PB1と異なる、プロジェクター100により投射された第2投射画像PB2とを含む第2撮像画像PM2を取得することと、第2撮像画像PM2に基づいて、マーカーMKの第1辺SD1、及び第2辺SD2と、第1辺SD1の第3長さLX2及び第2辺SD2の第4長さLY2を特定することと、第1辺SD1と平行で、第3長さLX2を単位長さとする第3座標軸AX2を決定することと、第2辺SD2と平行で、第4長さLY2を単位長さとする第4座標軸AY2を決定することと、第3座標軸AX2、及び第4座標軸AY2で規定される座標における第2投射画像PB2の4隅の座標を含む第2情報JP2を決定することと、第1情報JP1、及び第2情報JP2に基づいて、第2投射画像PB2の投射位置、形状、及びサイズを調整することと、を実行する。
【0074】
この構成によれば、本実施形態に係るプロジェクター100は、本実施形態に係る表示方法と同様の効果を奏する。
【0075】
[8.他の実施形態]
上述した本実施形態は、好適な実施の形態である。ただし、上述の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形実施が可能である。
【0076】
本実施形態では、調整部156は、第2投射画像PB2の投射位置を調整し、第2投射画像PB2の形状、及びサイズを調整する場合について説明するが、これに限定されない。第2投射画像PB2の投射位置、形状、及びサイズを調整すればよい。例えば、調整部156は、第2投射画像PB2の4隅の座標の各々が、第1投射画像PB1の4隅の座標の各々と一致するように、第2投射画像PB2の投射位置、形状、及びサイズを調整してもよい。
【0077】
また、本実施形態では、第1情報JP1が、第1投射画像PB1の4隅、及び中心CT1の各々の座標を含み、第2情報JP2が、第2投射画像PB2の4隅、及び中心CT1の各々の座標を含む場合について説明するが、これに限定されない。第1情報JP1が、第1投射画像PB1の4隅の各々の座標を含み、第2情報JP2が、第2投射画像PB2の4隅の各々の座標を含めばよい。換言すれば、例えば、調整部156が、第1投射画像PB1の中心CT1の座標を、第1投射画像PB1の4隅の4隅の各々の座標から算出し、第2投射画像PB2の中心CT2の座標を、第2投射画像PB2の4隅の座標の各々の座標から算出してもよい。
【0078】
また、本実施形態では、処理部154が、第2情報JP2を情報記憶部158に記憶させる場合について説明したが、これに限定されない。処理部154が、第2情報JP2を決定すればよい。換言すれば、処理部154が、第2投射画像PB2の4隅と中心CT2の各々について、第3座標軸AX2、及び第4座標軸AY2で規定される座標を求めればよい。
【0079】
また、本実施形態では、マーカーMKは、第1辺SD1と第2辺SD2とが直交する場合について説明するが、これに限定されない。マーカーMKは、第1辺SD1と第2辺SD2とが所定角度で交差してもよい。所定角度は、例えば、60度である。また所定角度は、例えば、120度である。
【0080】
また、本実施形態では、決定部153が、交点TS1の位置を、第1座標軸AX1及び第2座標軸AY1の原点RG1の位置とし、交点TS2の位置を、第3座標軸AX2及び第4座標軸AY2の原点RGの位置とする場合について説明するがこれに限定されない。決定部153が、第1撮像画像PM1におけるマーカーMKの画像に基づいて、第1座標軸AX1及び第2座標軸AY1の原点RG1の位置を決定すればよい。また、決定部153が、第2撮像画像PM2におけるマーカーMKの画像に基づいて、第3座標軸AX2及び第4座標軸AY2の原点RG2の位置を決定すればよい。
決定部153が、例えば、第1撮像画像PM1におけるマーカーMKの第1辺SD1の右端の位置を、第1座標軸AX1及び第2座標軸AY1の原点RG1の位置に決定してもよい。この場合には、決定部153は、第2撮像画像PM2におけるマーカーMKの第1辺SD1の右端の位置を、第3座標軸AX2及び第4座標軸AY2の原点RG2の位置に決定する。
また、決定部153が、例えば、第1撮像画像PM1におけるマーカーMKの第2辺SD2の下端の位置を、第1座標軸AX1及び第2座標軸AY1の原点RG1の位置に決定してもよい。この場合には、決定部153は、第2撮像画像PM2におけるマーカーMKの第2辺SD2の下端の位置を、第3座標軸AX2及び第4座標軸AY2の原点RG2の位置に決定する。
【0081】
また、本実施形態では、第1投射画像PB1は、第1辺SD1と平行な第3辺SD3と、第2辺SD2と平行な第4辺SD4とを含む長方形形状である場合について説明するが、これに限定されない。第1投射画像PB1は、四角形形状であればよい。第1投射画像PB1は、例えば、平行四辺形形状でもよい。この場合には、第2投射画像PB2は、第1投射画像PB1と相似な平行四辺形形状に調整される。また、第1投射画像PB1は、例えば、台形形状でもよい。この場合には、第2投射画像PB2は、第1投射画像PB1と相似な台形形状に調整される。
【0082】
また、本実施形態では、マーカーMKがL字状に形成された板状部材である場合について説明するが、これに限定されない。マーカーMKが、第1辺SD1と、第1辺SD1と交差する第2辺SD2とを有すればよい。例えば、マーカーMKが、三角形状に形成された板状部材でもよい。例えば、マーカーMKが、直角三角形状や長方形形状に形成された板状部材でもよい。この場合には、直角を挟む2つの辺を、第1辺SD1及び第2辺SD2とすることが好ましい。この場合には、第1辺SD1と第2辺SD2とが直交する。
【0083】
また、図1及び図2に示す各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、プロジェクター100の他の各部の具体的な細部構成についても、趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0084】
また、図7に示すフローチャートの処理単位は、制御部150の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。図7のフローチャートに示す処理単位の分割の仕方や名称によって制限されることはなく、処理内容に応じて、更に多くの処理単位に分割することもできるし、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。また、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
【0085】
また、本開示に係る表示方法は、プロジェクター100が備えるプロセッサー150Aに、表示方法に対応した制御プログラムPGを実行させることで実現できる。また、この制御プログラムPGは、コンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体に記録しておくことも可能である。記録媒体としては、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。
具体的には、フレキシブルディスク、HDD、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリー、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、記録媒体は、画像処理装置が備える内部記憶装置であるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。
また、表示方法に対応した制御プログラムPGをサーバー装置等に記憶させておき、サーバー装置からプロジェクター100に、制御プログラムPGをダウンロードすることで表示方法を実現することもできる。
【0086】
[9.本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
(付記1)
第1辺と、前記第1辺と交わる第2辺と、を有するマーカーが第1位置に配置された場合に、前記マーカーと、プロジェクターにより投射された第1投射画像とを含む第1撮像画像を取得することと、前記第1撮像画像に基づいて、前記マーカーの前記第1辺、及び前記第2辺と、前記第1辺の第1の長さ、及び前記第2辺の第2の長さを特定することと、前記第1辺と平行で、前記第1の長さを単位長さとする第1座標軸を決定することと、前記第2辺と平行で、前記第2の長さを単位長さとする第2座標軸を決定することと、前記第1座標軸、及び前記第2座標軸で規定される座標における前記第1投射画像の4隅の座標を含む第1情報を記憶することと、前記第1位置と異なる第2位置に、前記マーカーが配置された場合に、前記マーカーと、前記第1投射画像と異なる、前記プロジェクターにより投射された第2投射画像と、を含む第2撮像画像を取得することと、前記第2撮像画像に基づいて、前記マーカーの前記第1辺、及び前記第2辺と、前記第1辺の第3の長さ及び前記第2辺の第4の長さを特定することと、前記第1辺と平行で、前記第3の長さを単位長さとする第3座標軸を決定することと、前記第2辺と平行で、前記第4の長さを単位長さとする第4座標軸を決定することと、前記第3座標軸、及び前記第4座標軸で規定される座標における前記第2投射画像の4隅の座標を含む第2情報を決定することと、前記第1情報、及び前記第2情報に基づいて、前記第2投射画像の投射位置、形状、及びサイズを調整することと、を含む、表示方法。
【0087】
これにより、第1情報に含まれる第1投射画像の4隅の座標と、第2情報に含まれる第2投射画像の4隅の座標とに基づいて、第2投射画像の投射位置、形状、及びサイズを適正に調整できる。例えば、第2投射画像の4隅の座標の各々を、第1投射画像の4隅の座標の各々と一致するように第2投射画像を調整することによって、第2投射画像の投射位置、形状、及びサイズを適正に調整できる。これにより、マーカーを配置する手間を低減できる。
【0088】
(付記2)
前記第1情報は、前記第1投射画像の中心の座標を含み、前記第2情報は、前記第2投射画像の中心の座標を含む、付記1に記載の表示方法。
【0089】
これにより、例えば、第2投射画像の中心の座標を、第1投射画像の中心の座標と一致するように第2投射画像の位置を調整することによって、第2投射画像の投射位置を適正に調整できる。
【0090】
(付記3)
前記第2投射画像の投射位置、形状、及びサイズを調整することは、前記第2投射画像の中心の座標が、前記第1投射画像の中心の座標と一致するように、前記第2投射画像の投射位置を調整することと、前記第2投射画像の4隅の座標の各々が、前記第1投射画像の4隅の座標の各々と一致するように、前記第2投射画像の形状、及びサイズを調整することと、を含む、付記2に記載の表示方法。
【0091】
これにより、第2投射画像の4隅の座標の各々が、第1投射画像の4隅の座標の各々と一致するように、第2投射画像の形状、及びサイズを調整するため、第2投射画像の形状、及びサイズを適正に調整できる。
【0092】
(付記4)
前記マーカーは、前記第1辺と前記第2辺とが直交する、付記1から付記3のいずれか1つに記載の表示方法。
【0093】
これにより、第1座標軸と第2座標軸とが直交するように、第1座標軸と第2座標軸とが決定され、第3座標軸と第4座標軸とが直交するように、第3座標軸と第4座標軸とが決定される。したがって、第1座標軸及び第2座標軸と、第3座標軸及び第4座標軸とを適正に決定できる。
【0094】
(付記5)
前記第1座標軸、及び前記第2座標軸を決定することは、前記第1撮像画像における前記第1辺と前記第2辺との交点の位置を、前記第1座標軸及び前記第2座標軸の原点の位置とすること、を含み、前記第3座標軸、及び前記第4座標軸を決定することは、前記第2撮像画像における前記第1辺と前記第2辺との交点の位置を、前記第3座標軸及び前記第4座標軸の原点の位置とすること、を含む、付記1から付記4のいずれか1つに記載の表示方法。
【0095】
これにより、第1座標軸及び第2座標軸の原点の位置が、第1撮像画像における第1辺と第2辺との交点の位置と一致する。また、第3座標軸及び第4座標軸の原点の位置が、第2撮像画像における第1辺と第2辺との交点の位置と一致する。したがって、第1座標軸及び第2座標軸の原点の位置と、第3座標軸及び第4座標軸の原点の位置とを適正に決定できる。
【0096】
(付記6)
前記第1投射画像は、前記第1辺と平行な第3辺と、前記第2辺と平行な第4辺とを含む矩形形状である、付記1から付記5のいずれか1つに記載の表示方法。
【0097】
これにより、例えば、第1辺と第2辺とが直交する場合には、第1投射画像、及び第2投射画像の各々を、長方形形状に投射できる。
【0098】
(付記7)
前記第2撮像画像が、前記第2投射画像の4隅の少なくとも1つを含まない場合に、前記第2撮像画像が適正ではないことを報知すること、を含む、付記1から付記6のいずれか1つに記載の表示方法。
【0099】
これにより、第2撮像画像が適正ではないことをユーザーが確認できる。
【0100】
(付記8)
第1辺と、前記第1辺と交わる第2辺と、を有するマーカーが第1位置に配置された場合に、前記マーカーと、プロジェクターにより投射された第1投射画像とを含む第1撮像画像を取得することと、前記第1撮像画像に基づいて、前記マーカーの前記第1辺、及び前記第2辺と、前記第1辺の第1の長さ、及び前記第2辺の第2の長さを特定することと、前記第1辺と平行で、前記第1の長さを単位長さとする第1座標軸を決定することと、前記第2辺と平行で、前記第2の長さを単位長さとする第2座標軸を決定することと、前記第1座標軸、及び前記第2座標軸で規定される座標における前記第1投射画像の4隅の座標を含む第1情報を記憶することと、前記第1位置と異なる第2位置に、前記マーカーが配置された場合に、前記マーカーと、前記第1投射画像と異なる、前記プロジェクターにより投射された第2投射画像と、を含む第2撮像画像を取得することと、前記第2撮像画像に基づいて、前記マーカーの前記第1辺、及び前記第2辺と、前記第1辺の第3の長さ及び前記第2辺の第4の長さを特定することと、前記第1辺と平行で、前記第3の長さを単位長さとする第3座標軸を決定することと、前記第2辺と平行で、前記第4の長さを単位長さとする第4座標軸を決定することと、前記第3座標軸、及び前記第4座標軸で規定される座標における前記第2投射画像の4隅の座標を含む第2情報を決定することと、前記第1情報、及び前記第2情報に基づいて、前記第2投射画像の投射位置、形状、及びサイズを調整することと、をプロジェクターのプロセッサーに実行させる、プログラム。
【0101】
これにより、付記8に記載のプログラムは、付記1に記載の表示方法と同様の効果を奏する。
【0102】
(付記9)
投射画像を撮像するカメラと、メモリーと、少なくとも1つのプロセッサーと、を含み、前記少なくとも1つのプロセッサーは、第1辺と、前記第1辺と交わる第2辺と、を有するマーカーが第1位置に配置された場合に、前記マーカーと、プロジェクターにより投射された第1投射画像とを含む第1撮像画像を取得することと、前記第1撮像画像に基づいて、前記マーカーの前記第1辺、及び前記第2辺と、前記第1辺の第1の長さ、及び前記第2辺の第2の長さを特定することと、前記第1辺と平行で、前記第1の長さを単位長さとする第1座標軸を決定することと、前記第2辺と平行で、前記第2の長さを単位長さとする第2座標軸を決定することと、前記第1座標軸、及び前記第2座標軸で規定される座標における前記第1投射画像の4隅の座標を含む第1情報を記憶することと、前記第1位置と異なる第2位置に、前記マーカーが配置された場合に、前記マーカーと、前記第1投射画像と異なる、前記プロジェクターにより投射された第2投射画像と、を含む第2撮像画像を取得することと、前記第2撮像画像に基づいて、前記マーカーの前記第1辺、及び前記第2辺と、前記第1辺の第3の長さ及び前記第2辺の第4の長さを特定することと、前記第1辺と平行で、前記第3の長さを単位長さとする第3座標軸を決定することと、前記第2辺と平行で、前記第4の長さを単位長さとする第4座標軸を決定することと、前記第3座標軸、及び前記第4座標軸で規定される座標における前記第2投射画像の4隅の座標を含む第2情報を決定することと、前記第1情報、及び前記第2情報に基づいて、前記第2投射画像の投射位置、形状、及びサイズを調整することと、を実行する、プロジェクター。
【0103】
これにより、付記9に記載のプロジェクターは、付記1に記載の表示方法と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0104】
100…プロジェクター、110…投射部、112…光変調装置、113…投射光学系、115…液晶パネル、120…駆動部、121…光源駆動部、122…光変調装置駆動部、141…通信インターフェース、145…画像処理部、150…制御部、150A…第1プロセッサー(少なくとも1つのプロセッサー)、150B…第1メモリー、151…取得部、152…特定部、153…決定部、154…処理部、155…報知部、156…調整部、157…画像記憶部、158…情報記憶部、170…カメラ、200…画像供給装置、AR1、AR2…撮像領域、AX1…第1座標軸、AX2…第3座標軸、AY1…第2座標軸、AY2…第4座標軸、CD1…第1座標系、CD2…第2座標系、CT1、CT2、CT2A…中心、DX1、DX2…第1方向、DY1、DY2…第2方向、JP1…第1情報、JP2…第2情報、LX1…第1長さ(第1の長さ)、LY1…第2長さ(第2の長さ)、LX2…第3長さ(第3の長さ)、LY2…第4長さ(第4の長さ)、MK…マーカー、P1…第1位置、P2…第2位置、PB…投射画像、PB1…第1投射画像、PB2、PB2A、PB2B…第2投射画像、PG…制御プログラム(プログラム)、PM…撮像画像、PM1…第1撮像画像、PM2、PM2A、PM2B…第2撮像画像、RG1、RG2…原点、SD1…第1辺、SD2…第2辺、SD3…長辺(第3辺)、SD4…短辺(第4辺)、TS1、TS2…交点。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7