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特開2024-54507ロボット制御システムおよびロボット制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054507
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】ロボット制御システムおよびロボット制御方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/00 20060101AFI20240410BHJP
   G05B 19/18 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
B25J13/00 Z
G05B19/18 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160756
(22)【出願日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小山 雅隆
(72)【発明者】
【氏名】北原 克幸
(72)【発明者】
【氏名】高橋 一平
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大晴
(72)【発明者】
【氏名】清水 隆司
【テーマコード(参考)】
3C269
3C707
【Fターム(参考)】
3C269AB33
3C269BB16
3C269CC09
3C269EF20
3C269HH03
3C269KK13
3C707JS02
3C707JS05
3C707KV01
3C707LV21
3C707LV23
3C707MT06
(57)【要約】
【課題】周辺機器の能力を制限することなくロボットと周辺機器とをロボットコントローラで生成される制御指令値を用いて同期制御することができるロボット制御システムおよびロボット制御方法を提供する。
【解決手段】ロボット制御システムは、ロボットを構成するロボット軸の駆動を制御するロボット制御回路であって、ロボット軸とは異なる外部軸に対する制御指令値を生成するロボット制御回路と、外部モータと、外部モータを制御するモータ制御回路と、制御指令値に基づく外部軸の回転量を当該回転量に相当するパルス数に変換するパルス発生器と、を備え、モータ制御回路は、パルス発生器により変換されたパルス数をカウントしたカウント数に基づいて外部モータの出力を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットを構成するロボット軸の駆動を制御するロボット制御回路であって、前記ロボット軸とは異なる外部軸に対する制御指令値を生成するロボット制御回路と、
外部モータと、
前記外部モータを制御するモータ制御回路と、
前記制御指令値に基づく前記外部軸の回転量を当該回転量に相当するパルス数に変換するパルス発生器と、を備え、
前記モータ制御回路は、前記パルス発生器により変換された前記パルス数をカウントしたカウント数に基づいて前記外部モータの出力を制御する、ロボット制御システム。
【請求項2】
前記パルス発生器は、
前記制御指令値に基づいて前記外部軸を駆動する外部軸モータと、
前記外部軸モータによる前記外部軸の回転量を検出するエンコーダと、を備え、
前記エンコーダの出力に基づいて前記パルス数を出力する、請求項1に記載のロボット制御システム。
【請求項3】
前記パルス発生器は、前記制御指令値から前記パルス数を有するパルス信号を生成する信号生成回路を含む、請求項1に記載のロボット制御システム。
【請求項4】
前記外部モータは、前記ロボット制御回路で制御可能な外部軸モータの定格出力より大きい定格出力を有する1つのモータまたは定格出力の合計値が前記外部軸モータの定格出力より大きい複数のモータを含む、請求項1から3の何れかに記載のロボット制御システム。
【請求項5】
前記外部モータは、第1外部モータと第2外部モータとを含み、
前記パルス発生器は、
第1外部軸に対する制御指令値に基づく前記第1外部軸の回転量を第1パルス数に変換して前記モータ制御回路に前記第1外部モータの制御信号として出力する第1変換回路と、
第2外部軸に対する制御指令値に基づく前記第2外部軸の回転量を第2パルス数に変換して前記モータ制御回路に前記第2外部モータの制御信号として出力する第2変換回路とを含む、請求項1から3の何れかに記載のロボット制御システム。
【請求項6】
前記モータ制御回路は、
前記第1パルス数をカウントしたカウント数に基づいて前記第1外部モータの出力を制御する第1モータ制御回路と、
前記第2パルス数をカウントしたカウント数に基づいて前記第2外部モータの出力を制御する第2モータ制御回路と、を含む、請求項5に記載のロボット制御システム。
【請求項7】
前記ロボットは、第1ロボットおよび第2ロボットを含み、
前記ロボット制御回路は、前記第1ロボットの第1ロボット軸を制御する第1ロボット制御回路と、前記第2ロボットの第2ロボット軸を制御する第2ロボット制御回路と、を含み、
前記外部モータは、前記第2ロボットのロボット軸を駆動するモータであり、
前記モータ制御回路は、前記第2ロボット制御回路であり、
前記パルス発生器は、
前記第1ロボットの外部軸の駆動を制御するための第1外部軸制御指令値に基づいて前記第1ロボットの外部軸の回転量に相当するパルス数を出力する第1パルス発生器と、
前記第2ロボットの外部軸の駆動を制御するための第2外部軸制御指令値に基づいて前記第2ロボットの外部軸の回転量に相当するパルス数を出力する第2パルス発生器と、を含み、
前記第2ロボット制御回路は、前記第1パルス発生器から出力されたパルス数をカウントしたカウント数に基づいて前記第2ロボット軸の出力を制御し、
前記第1ロボット制御回路は、前記第2パルス発生器から出力されたパルス数をカウントしたカウント数に基づいて前記第1ロボット軸の出力を制御する、請求項1から3の何れかに記載のロボット制御システム。
【請求項8】
ロボットを構成するロボット軸の駆動を制御するロボット制御回路から出力された制御指令値であって、前記ロボット軸とは異なる外部軸の駆動を制御するための制御指令値から前記外部軸の回転量に相当するパルス数に変換し、
前記パルス数をカウントしたカウント数に基づいて外部モータの出力を制御する、ロボット制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボット制御システムおよびロボット制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一または複数の関節を備えたロボットは、当該関節を構成するロボット軸を駆動する一または複数のモータを制御するロボットコントローラにより制御される。ロボットコントローラは、例えば下記特許文献1等に開示されているように、ロボットの可動範囲の拡大等の目的で用いられるポジショナまたはスライダ等の周辺機器の動作軸として機能する外部軸も制御可能である。ロボットコントローラがロボット軸および外部軸を制御することにより、ロボットと周辺機器との協調動作が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-217901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ロボットコントローラで制御可能な外部軸を駆動する外部軸モータは、定格出力がロボット軸の定格出力に制限される。ロボットコントローラは、ロボット軸を駆動するモータおよび外部軸を駆動する外部軸モータのそれぞれに電力を供給する複数のサーボアンプを備えている。複数のサーボアンプの能力は互いに同じであり、ロボットの仕様により決定される。このため、外部軸により駆動される周辺機器の能力は、ロボットの仕様により制限される。また、一般的に1つの外部軸出力に対して1つのモータしか制御できない。
【0005】
外部軸モータの制限を排除するために、ロボットコントローラから制御指令を通信により周辺機器のコントローラに伝え、周辺機器のコントローラが外部のモータを制御することも考えられる。しかし、このような方法では、通信経路における信号伝送のために、制御指令を当該通信経路において用いられる通信プロトコル従う信号に変換するための信号変換処理が必要となる。このため、信号変換処理による遅延や通信経路における信号伝送時の遅延が生じ、周辺機器をロボットと同期して動作させることが難しい。
【0006】
そのため、周辺機器をロボットコントローラからの制御指令に基づいて直接的に動作させることが望まれる。一方で、上記特許文献1のようにロボットと周辺機器とを1つのロボットコントローラで制御する場合、周辺機器の能力が制限される問題がある。
【0007】
本開示は上記に鑑みなされたものであり、周辺機器の能力を制限することなくロボットと周辺機器とをロボットコントローラで生成される制御指令値を用いて同期制御することができるロボット制御システムおよびロボット制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係るロボット制御システムは、ロボットを構成するロボット軸の駆動を制御するロボット制御回路であって、前記ロボット軸とは異なる外部軸に対する制御指令値を生成するロボット制御回路と、外部モータと、前記外部モータを制御するモータ制御回路と、前記制御指令値に基づく前記外部軸の回転量を当該回転量に相当するパルス数に変換するパルス発生器と、を備え、前記モータ制御回路は、前記パルス発生器により変換された前記パルス数をカウントしたカウント数に基づいて前記外部モータの出力を制御する。
【0009】
本開示の他の態様に係るロボット制御方法は、ロボットを構成するロボット軸の駆動を制御するロボット制御回路から出力された制御指令値であって、前記ロボット軸とは異なる外部軸の駆動を制御するための制御指令値から前記外部軸の回転量に相当するパルス数に変換し、前記パルス数をカウントしたカウント数に基づいて外部モータの出力を制御する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、周辺機器の能力を制限することなくロボットと周辺機器とをロボットコントローラで生成される制御指令値を用いて同期制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本開示の実施の形態1に係るロボット制御システムの概略構成を示すブロック図である。
図2図2は、本開示の実施の形態2に係るロボット制御システムの概略構成を示すブロック図である。
図3図3は、本開示の実施の形態3に係るロボット制御システムの概略構成を示すブロック図である。
図4図4は、本開示の実施の形態4に係るロボット制御システムの概略構成を示すブロック図である。
図5図5は、本開示の実施の形態5に係るロボット制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、一実施の形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一または相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0013】
[実施の形態1]
図1は、本開示の実施の形態1に係るロボット制御システムの概略構成を示すブロック図である。本実施の形態におけるロボット制御システム1は、ロボット2とロボットコントローラ3とを備えている。ロボット2は、例えば6軸または7軸等の複数の動作軸を有している。以下では、ロボット2の動作軸をロボット軸と称する。ロボット2は、複数のロボット軸をそれぞれ駆動する複数のロボット駆動用モータ4を備えている。例えば、ロボット駆動用モータ4は、サーボモータである。なお、ロボット2は、例えば多関節ロボット、直動軸ロボット、パラレルリンクロボット等、一または複数のロボット駆動用モータ4を備えた作業機械全般を含み得る。
【0014】
ロボットコントローラ3は、ロボット駆動用モータ4を制御するためのロボット制御指令値を生成するロボット制御回路5を備えている。ロボットコントローラ3は、例えばマイクロコントローラ、PLC(Programmable Logic Controller)等のコンピュータを有する。より具体的には、ロボット制御回路5は、プロセッサ、メモリおよび周辺回路を含む。プロセッサは、例えば、CPUまたはMPU等を含む。メモリは、ROM、RAM、レジスタ等を含む。周辺回路は、入出力インターフェイス等を含む。ロボットコントローラ3は、ユーザが操作入力するための入力器または出力表示を行うモニタ等の出力器等を備えていてもよい。
【0015】
ロボット制御回路5は、ロボット制御指令値に基づいて複数のロボット軸に対応する制御指令値を生成する。ロボット制御回路5は、複数のロボット軸に対応する制御指令値を出力する複数の信号出力回路6を備えている。ロボットコントローラ3は、各信号出力回路6から出力された制御指令値に基づいて対応するロボット駆動用モータ4に駆動電力を出力する駆動回路を備えている。駆動回路は、例えばサーボアンプ等を含む。
【0016】
ロボット制御指令値は、ロボット2の先端、すなわち、手先の位置および姿勢を指定する座標値を含む。信号出力回路6は、各ロボット軸における現在の位置および姿勢から手先の位置および姿勢をロボット制御指令値で指定される座標値にするために必要な各ロボット軸の回転量を、各ロボット軸に対する軸指令値として算出する。駆動回路は、対応する軸指令値に基づいて対応するロボット駆動用モータ4に駆動電力を出力する。
【0017】
さらに、ロボット制御回路5は、ロボット軸とは異なる外部軸に対する制御指令値を生成する。以下では、外部軸に対する制御指令値を外部軸制御指令値と称する。ロボット制御回路5は、外部軸制御指令値を出力する外部軸信号出力回路14を含む。ロボット制御システム1は、周辺機器7および周辺機器コントローラ8を備えている。周辺機器7は、ロボット制御回路5により生成された外部軸制御指令値に基づいてその動作が制御される。外部軸制御指令値は、周辺機器7の位置または角度を指定する座標値を含む。ロボット制御回路5は、外部軸における現在の位置または角度から外部軸制御指令値で指定される座標値にするために必要な外部軸の回転量を、外部軸に対する軸指令値として算出する。
【0018】
周辺機器7は、少なくとも1つのモータを備えている。以下では、周辺機器7が備えるモータをロボット駆動用モータ4と区別するために、外部モータ9と称する。周辺機器コントローラ8は、外部モータ9を制御するためのモータ制御回路10を備えている。周辺機器コントローラ8は、例えばマイクロコントローラ、PLC(Programmable Logic Controller)等のコンピュータを有する。より具体的には、モータ制御回路10は、プロセッサ、メモリおよび周辺回路を含む。プロセッサは、例えば、CPUまたはMPU等を含む。メモリは、ROM、RAM、レジスタ等を含む。周辺回路は、入出力インターフェイス等を含む。周辺機器コントローラ8は、ユーザが操作入力するための入力器または出力表示を行うモニタ等の出力器等を備えていてもよい。
【0019】
なお、本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、および/または、それらの組み合わせを含む回路または処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路または回路と見なされる。本明細書において、回路、ユニット、手段、または部は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、または、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラムまたは構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、ユニット、または手段はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェアおよび/またはプロセッサの構成に使用される。
【0020】
ロボット制御システム1は、パルス発生器11を備えている。パルス発生器11は、外部軸信号出力回路14から出力された外部軸制御指令値をモータ制御回路10に伝達する。そのために、パルス発生器11は、外部軸に対する軸指令値に基づく外部軸の回転量を当該回転量に相当するパルス数に変換する。
【0021】
本実施の形態において、パルス発生器11は、外部軸モータ12と、エンコーダ13と、を備えている。ロボットコントローラ3は、外部軸信号出力回路14から出力された外部軸制御指令値に基づいて外部軸モータ12に電力供給を行う外部軸モータ駆動回路を含んでいる。外部軸モータ12は、外部軸モータ駆動回路により駆動される。エンコーダ13は、外部軸モータ12による外部軸12aの回転量を検出する。パルス発生器11は、エンコーダ13の出力に基づいて外部軸12aの回転量に相当するパルス数を出力する。例えば、パルス発生器11は、所定のパルス幅を有し、回転量に相当するパルス数のパルス波を含む、パルス信号を出力する。
【0022】
周辺機器コントローラ8のモータ制御回路10は、カウンタ15および外部モータ9の数に応じた外部モータ指令値出力回路16を含んでいる。周辺機器コントローラ8は、外部モータ指令値出力回路16から出力された外部モータ指令値に基づいて対応する外部モータ9に駆動電力を出力する駆動回路を備えている。駆動回路は、例えばサーボアンプ等を含む。モータ制御回路10は、パルス発生器11から出力されるパルス数を取得し、カウンタ15が当該パルス数をカウントする。外部モータ指令値出力回路16は、カウンタ15がカウントしたカウント数に基づいて対応する外部モータ9を駆動するための外部モータ指令値を出力する。
【0023】
上記構成によれば、ロボット制御回路5が生成する外部軸制御指令値に基づいて、外部軸12aの回転量が、当該回転量に相当するパルス数に変換され、モータ制御回路10に入力される。この際、モータ制御回路10は、入力された外部軸制御指令値に基づく値、すなわち、パルス数をそのまま外部モータ9を制御するための制御指令値として用いる。したがって、モータ制御回路10は、ロボット制御回路5とモータ制御回路10との間の通信のための信号変換処理を行う必要がなく、外部モータ9を制御するための制御指令値を生成するための演算を改めて行う必要がない。このため、モータ制御回路10は、ロボット制御回路5により生成された制御指令値に対して少ない演算処理量で外部モータ9を駆動することができる。これにより、モータ制御回路10は、外部軸制御指令値に基づいて遅滞なく外部モータ9を駆動することができる。その結果、外部モータ9を備えた周辺機器7とロボット2とを、ロボット制御回路5により生成される制御指令値に基づいて同期制御することができる。
【0024】
しかも、外部モータ指令値出力回路16から出力される外部モータ指令値に基づいて外部モータ9を駆動する駆動回路は、ロボット制御回路5の外部軸信号出力回路14から出力される外部軸指令値に基づいて外部軸モータ12を駆動する駆動回路の能力に制限されない。したがって、外部モータ9の定格出力を、ロボット軸を駆動するロボット駆動用モータ4の定格出力に制限されることなく、動作させる周辺機器7の仕様に合わせて設定することができる。また、1つの外部軸に対する外部軸制御指令値に基づいて複数の外部モータ9を駆動することができる。そのため、周辺機器7における1つの動作軸を複数の外部モータ9で駆動することも可能となる。
【0025】
以上より、本実施の形態におけるロボット制御システム1によれば、周辺機器7の能力を制限することなくロボット2と周辺機器7とをロボットコントローラ3で生成される制御指令値を用いて同期制御することができる。
【0026】
また、本実施の形態によれば、パルス発生器11が外部軸モータ12と、当該外部軸モータ12による外部軸12aの回転量を検出するエンコーダ13とを備えている。これにより、外部軸モータ12の実際の動作量に基づいてモータ制御回路10に伝達されるパルス数を生成することができる。したがって、パルス発生器11として既存の外部軸12aに関する構成を用いて、ロボット2と外部モータ9の定格出力が制限されることのない周辺機器7との同期制御を、容易に実現することができる。
【0027】
上記の通り、外部モータ9の定格出力は、ロボット軸を駆動するロボット駆動用モータ4の定格出力に制限される外部軸モータ12の定格出力による制限を受けない。したがって、外部モータ9は、定格出力の合計値がロボット制御回路5で制御可能な外部軸モータ12の定格出力より大きい複数のモータを含む。あるいは、外部モータ9として、外部軸モータ12の定格出力より大きい定格出力を有する1つのモータが採用されてもよい。
【0028】
[実施の形態2]
図2は、本開示の実施の形態2に係るロボット制御システムの概略構成を示すブロック図である。本実施の形態におけるロボット制御システム1Bが実施の形態1におけるロボット制御システム1と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。本実施の形態におけるロボット制御システム1Bが実施の形態1におけるロボット制御システム1と異なる点は、パルス発生器11Bが、外部軸制御指令値からパルス数を有するパルス信号を生成する信号生成回路17を含むことである。ロボット制御システム1Bは、外部軸信号出力回路14から出力される外部軸指令値に基づいて駆動される外部軸モータおよびこれを駆動する駆動回路を備えていなくてよい。
【0029】
信号生成回路17は、プロセッサ、メモリおよび周辺回路を含み得る。プロセッサは、例えば、CPUまたはMPU等を含む。信号生成回路17は、ロボット制御回路5の外部軸信号出力回路14から出力される外部軸に対する軸指令値に対して所定のパルス変換を行い、軸指令値に対応するパルス数を含むパルス指令値を生成する。信号生成回路17は、軸指令値に対応するパルス数のパルスを含むパルス信号をパルス指令値に基づいて生成する。
【0030】
本実施の形態においては、ロボット制御回路5が生成する外部軸12aに対する外部軸制御指令値に基づいて外部軸の回転量が、信号生成回路17において当該回転量に相当するパルス数に変換され、モータ制御回路10に入力される。このため、モータ制御回路10は、ロボット制御回路5により生成された制御指令値に対して少ない演算処理量で外部モータ9を駆動することができる。したがって、外部モータ9を備えた周辺機器7とロボット2とを、ロボット制御回路5により生成される制御指令値に基づいて同期制御することができる。また、本実施の形態では、実際に外部軸モータ12を駆動する必要がないため、消費電力を低減することができる。
【0031】
なお、本実施の形態において、パルス発生器11Bを構成する信号生成回路17は、ロボット制御回路5およびモータ制御回路10とは独立して構成される例を示したが、これに限られない。例えば、信号生成回路17は、ロボットコントローラ3内に配置されてもよい。さらに、この場合、信号生成回路17は、ロボット制御回路5の一部として構成されてもよい。例えば、一のプロセッサが、外部軸制御指令値を生成するとともに、パルス変換を行ってもよい。また、例えば、信号生成回路17は、周辺機器コントローラ8内に配置されてもよい。さらに、この場合、信号生成回路17は、モータ制御回路10の一部として構成されてもよい。
【0032】
[実施の形態3]
図3は、本開示の実施の形態3に係るロボット制御システムの概略構成を示すブロック図である。本実施の形態におけるロボット制御システム1Cが実施の形態1におけるロボット制御システム1と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。なお、図3においては、ロボット制御回路5C、パルス発生器11C、モータ制御回路10および周辺機器7について明示し、ロボット2等の一部の構成は図示を省略している。
【0033】
本実施の形態におけるロボット制御システム1Cが実施の形態1におけるロボット制御システム1と異なる点は、ロボット制御回路5Cが複数の外部軸に対する外部軸制御指令値を出力可能であり、パルス発生器11Cが外部軸の数に応じた変換回路を含んでいることである。図3の例では、ロボット制御回路5Cは、第1外部軸に対する第1外部軸指令値を出力する第1外部軸出力回路14aおよび第2外部軸に対する第2外部軸指令値を出力する第2外部軸出力回路14bを含んでいる。
【0034】
この場合、周辺機器7は、第1外部モータ9aおよび第2外部モータ9bを含んでいる。第1外部モータ9aと第2外部モータ9bとは、互いに異なる駆動軸を構成する。例えば、第1外部モータ9aがポジショナの駆動軸として構成され、第2外部モータ9bがスライダの駆動軸として構成され得る。
【0035】
パルス発生器11Cは、第1変換回路11aおよび第2変換回路11bを含んでいる。第1変換回路11aは、第1外部軸に対する外部軸制御指令値に基づく第1外部軸の回転量を当該回転量に相当する第1パルス数に変換し、モータ制御回路10に第1外部モータ9aの制御信号として出力する。第2変換回路11bは、第2外部軸に対する外部軸制御指令値に基づく第2外部軸の回転量を当該回転量に相当する第2パルス数に変換し、モータ制御回路10に第2外部モータ9bの制御信号として出力する。
【0036】
本実施形態においても、各外部モータ9a,9bの定格出力は、ロボット軸を駆動するロボット駆動用モータ4の定格出力に制限されない。したがって、複数の第1外部モータ9aが第1変換回路11aの出力により制御され得る。同様に、複数の第2外部モータ9bが第2変換回路11bの出力により制御され得る。
【0037】
なお、本実施の形態においては、1つのパルス発生器11Cの中に第1変換回路11aおよび第2変換回路11bを含む態様を例示したが、ロボット制御システム1Cが、第1変換回路11aを含む第1パルス発生器と第2変換回路11bを含む第2パルス発生器とを備えていてもよい。また、本実施の形態においては、1つの周辺機器7に第1外部モータ9aおよび第2外部モータ9bを含む、すなわち、1つの周辺機器7に互いに異なる2つの動作軸を有する構成を例示したが、第1外部モータ9aおよび第2外部モータ9bが互いに異なる周辺機器7の動作軸として構成されてもよい。すなわち、第1周辺機器が、第1外部モータ9aを備え、第2周辺機器が、第2外部モータ9bを備えてもよい。また、外部軸出力の数は、2より多くてもよい。
【0038】
[実施の形態4]
図4は、本開示の実施の形態4に係るロボット制御システムの概略構成を示すブロック図である。本実施の形態におけるロボット制御システム1Dが実施の形態3におけるロボット制御システム1Cと同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0039】
本実施の形態におけるロボット制御システム1Dが実施の形態3におけるロボット制御システム1Cと異なる点は、モータ制御回路10Dが外部軸の数に応じたモータ制御回路を含んでいることである。より具体的には、モータ制御回路10Dは、第1パルス数をカウントしたカウント数に基づいて第1外部モータ9aの出力を制御する第1モータ制御回路10aと、第2パルス数をカウントしたカウント数に基づいて第2外部モータ9bの出力を制御する第2モータ制御回路10bと、を含む。
【0040】
また、本実施の形態では、第1外部モータ9aおよび第2外部モータ9bが互いに異なる周辺機器7の動作軸として構成されている。すなわち、ロボット制御システム1Dは、第1外部モータ9aを含む第1周辺機器7aと、第2外部モータ9bを含む第2周辺機器7bとを備えている。この場合、第1周辺機器7aを制御する第1周辺機器コントローラ8aと、第2周辺機器7bを制御する第2周辺機器コントローラ8bとが互いに異なるコントローラであってもよい。このように、モータ制御回路10Dは、第1周辺機器コントローラ8aの第1モータ制御回路10aと、第2周辺機器コントローラ8bの第2モータ制御回路10bとを含み得る。
【0041】
なお、本実施の形態においても、実施の形態3と同様に、1つの周辺機器7に第1外部モータ9aおよび第2外部モータ9bを含んでいてもよい。また、1つの周辺機器コントローラ8内のモータ制御回路10Dの中に第1モータ制御回路10aおよび第2モータ制御回路10bが含まれていてもよい。また、外部軸出力の数は、2より多くてもよい。
【0042】
[実施の形態5]
図5は、本開示の実施の形態5に係るロボット制御システムの概略構成を示すブロック図である。本実施の形態におけるロボット制御システム1Eが実施の形態1におけるロボット制御システム1と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0043】
本実施の形態におけるロボット制御システム1Eが実施の形態1におけるロボット制御システム1と異なる点は、周辺機器が他のロボットであることである。ロボット制御システム1Eは、ロボットとして第1ロボット2Eおよび第2ロボット22を含む。さらに、ロボット制御システム1Eは、ロボットコントローラとして第1ロボット2E用の第1ロボットコントローラ3Eおよび第2ロボット22用の第2ロボットコントローラ23を含む。第1ロボットコントローラ3Eは、第1ロボット2Eのロボット軸である第1ロボット軸を制御する第1ロボット制御回路5Eを備えている。第1ロボット制御回路5Eの構成は、後述するカウンタ45を除いて実施の形態1におけるロボット制御回路5と同様である。本実施の形態では、外部軸信号出力回路14から出力される第1ロボット2Eの外部軸に対する外部軸制御指令値を第1外部軸制御指令値と称する。
【0044】
第2ロボットコントローラ23は、第2ロボット22のロボット軸である第2ロボット軸を制御する第2ロボット制御回路25を備えている。第2ロボット制御回路25も、第1ロボット制御回路5Eと同様の構成を有している。すなわち、第2ロボット制御回路25は、ロボット制御指令値に基づいて複数の第2ロボット軸への制御指令値を出力する複数の信号出力回路26を備えている。第2ロボットコントローラ23は、各信号出力回路26から出力された制御指令値に基づいて対応する第2ロボット駆動用モータ24に駆動電力を出力する駆動回路を備えている。駆動回路は、例えばサーボアンプ等を含む。さらに、第2ロボット制御回路25は、第2ロボット軸とは異なる外部軸に対する第2外部軸制御指令値を出力する外部軸信号出力回路34を含む。
【0045】
本実施の形態における第2ロボット駆動用モータ24が、実施の形態1における外部モータ9に相当し、第2ロボット制御回路25が、実施の形態1におけるモータ制御回路10に相当する。
【0046】
また、本実施の形態において、ロボット制御システム1Eは、パルス発生器として、第1パルス発生器11Eおよび第2パルス発生器31を含む。第1パルス発生器11Eは、第1外部軸制御指令値に基づいて第1ロボット2Eの外部軸の回転量に相当するパルス数を出力する。第2パルス発生器31は、第2外部軸制御指令値に基づいて第2ロボット22の外部軸の回転量に相当するパルス数を出力する。
【0047】
第1パルス発生器11Eおよび第2パルス発生器31の構成は、何れも実施の形態1におけるパルス発生器11または実施の形態2におけるパルス発生器11Bと同様の構成を有する。
【0048】
第2ロボット制御回路25は、第1パルス発生器11Eから出力されたパルス数をカウントしたカウント数に基づいて第2ロボット軸の出力を制御する。このために、第2ロボット制御回路25は、カウンタ35を備えている。第2ロボット制御回路25は、第1パルス発生器11Eから出力されるパルス数を取得し、カウンタ35が当該パルス数をカウントする。第2ロボット制御回路25の信号出力回路26は、カウンタ35がカウントしたカウント数に基づいて第2ロボット軸を駆動するための制御指令値を出力する。
【0049】
さらに、第1ロボット制御回路5Eは、第2パルス発生器31から出力されたパルス数をカウントしたカウント数に基づいて第1ロボット軸の出力を制御する。このために、第1ロボット制御回路5Eは、カウンタ45を備えている。第1ロボット制御回路5Eは、第2パルス発生器31から出力されるパルス数を取得し、カウンタ45が当該パルス数をカウントする。第1ロボット制御回路5Eの信号出力回路6は、カウンタ45がカウントしたカウント数に基づいて第1ロボット軸を駆動するための制御指令値を出力する。
【0050】
例えば、第2ロボット制御回路25の外部軸信号出力回路34は、第2外部軸制御指令値として、第1ロボット制御回路5Eからの第1外部軸制御指令値に基づいて制御された第2ロボット22の移動量、各第2ロボット軸の現在の位置または姿勢等を示す第2ロボット軸の現在値を出力する。
【0051】
本実施の形態によれば、第1ロボット2Eの周辺機器として動作する第2ロボット22が第1ロボット2Eを制御する第1ロボット制御回路5Eにおいて生成される第1外部軸制御指令値に基づいて制御される。さらに、第1ロボット2Eが第2ロボット22を制御する第2ロボット制御回路25において生成される第2外部軸制御指令値に基づいて制御される。例えば、第2ロボット軸の現在値が当該第2ロボット軸の回転量に相当するパルス数として第1ロボット制御回路5Eにフィードバックされる。これにより、複数のロボット2E,22の協調動作を適切に行うことができる。また、第2ロボット22の各第2ロボット軸を駆動する第2ロボット駆動用モータ24の定格出力は、第1ロボット2Eの各第1ロボット軸を駆動する第1ロボット駆動用モータ4の定格出力より大きくすることができる。すなわち、互いに定格出力が異なる複数のロボットを遅滞なく協調動作させことができる。
【0052】
なお、本実施の形態において、2つのロボット2E,22が協調動作するロボット制御システム1Eを例示したが、複数の第2ロボットが、第1ロボット2Eの周辺機器として動作するように構成されてもよい。すなわち、ロボット制御システムが、3つ以上のロボットを備えてもよい。
【0053】
[他の実施の形態]
以上、本開示の実施の形態について説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
【0054】
例えば、上記複数の実施の形態を互いに組み合わせてもよい。例えば、実施の形態3,4,5において、パルス発生器11,11Cは、実施の形態1のような外部軸モータ12およびエンコーダ13を備えてもよいし、実施の形態2のような信号生成回路17を備えてもよい。また、例えば、実施の形態1,2,3,4におけるロボット制御システム1,1B,1C,1Dが、実施の形態5のように、ロボット制御回路5が、周辺機器7の現在値を、第2パルス発生器を介して取得するようにしてもよい。また、例えば、実施の形態5におけるロボット制御システム1Eが、実施の形態3または4のように、外部軸出力の数またはロボット駆動用モータの数に応じた数のパルス発生器を備えてもよい。
【0055】
また、パルス発生器11,11B,11Cとモータ制御回路10,10Dとの接続は、有線接続であってもよいし、光接続であってもよい。例えば、パルス発生器11,11B,11Cは、パルス数に応じた光出力を行う発光素子を含み、モータ制御回路10,10Dは、発光素子からの光を電気信号に変換する受光素子を含んでもよい。発光素子と受光素子との間に光ファイバ等の光伝送ケーブルが配置されてもよい。また、例えば、パルス発生器11,11B,11Cとモータ制御回路10,10Dは、フォトカプラを介して接続されてもよい。パルス発生器11,11B,11Cとモータ制御回路10,10Dとが光接続されることにより、ロボット2,2Eと周辺機器7,7a,7bまたは他のロボット22とが離れた場所に設置されていても、両者を同期制御することができる。
【0056】
[本開示のまとめ]
[項目1]
本開示の一態様に係るロボット制御システムは、ロボットを構成する少なくとも1つのロボット軸の駆動を制御するロボット制御回路であって、前記ロボット軸とは異なる外部軸に対する制御指令値を生成するロボット制御回路と、外部モータと、前記外部モータを制御するモータ制御回路と、前記制御指令値に基づく前記外部軸の回転量を当該回転量に相当するパルス数に変換するパルス発生器と、を備え、前記モータ制御回路は、前記パルス発生器により変換された前記パルス数をカウントしたカウント数に基づいて前記外部モータの出力を制御する。
【0057】
上記構成によれば、ロボット制御回路が生成する外部軸に対する制御指令値に基づいて外部軸の回転量が、当該回転量に相当するパルス数に変換され、モータ制御回路に入力される。この際、モータ制御回路は、入力された外部軸に対する制御指令値に基づく値、すなわち、パルス数をそのまま外部モータを制御するための制御指令値として用いる。したがって、モータ制御回路は、ロボット制御回路とモータ制御回路との間の通信のための信号変換処理を行う必要がなく、外部モータを制御するための制御指令値を生成するための演算を改めて行う必要がない。このため、モータ制御回路は、ロボット制御回路により生成された制御指令値に対して少ない演算処理量で外部モータを駆動することができる。これにより、モータ制御回路は、外部軸に対する制御指令値に基づいて遅滞なく外部モータを駆動することができる。その結果、外部モータを備えた周辺機器とロボットとを、ロボット制御回路により生成される制御指令値に基づいて同期制御することができる。
【0058】
しかも、外部モータの定格出力を、ロボット軸を駆動するロボット駆動用モータの定格出力に制限されることなく、動作させる周辺機器の仕様に合わせて設定することができる。また、1つの外部軸に対する制御指令値に基づいて複数の外部モータを駆動することもできる。そのため、周辺機器における1つの動作軸を複数の外部モータで駆動することも可能となる。
【0059】
以上より、周辺機器の能力を制限することなくロボットと周辺機器とをロボット制御回路で生成される制御指令値を用いて同期制御することができる。
【0060】
[項目2]
項目1のロボット制御システムにおいて、前記パルス発生器は、前記制御指令値に基づいて前記外部軸を駆動する外部軸モータと、前記外部軸モータによる前記外部軸の回転量を検出するエンコーダと、を備え、前記エンコーダの出力に基づいて前記パルス数を出力してもよい。これによれば、外部軸モータの実際の動作量に基づいてモータ制御回路に伝達されるパルス数を生成することができる。したがって、パルス発生器として既存の外部軸に関する構成を用いて、外部モータの定格出力が制限されることのないロボットと周辺機器との同期制御を、容易に実現することができる。
【0061】
[項目3]
項目1のロボット制御システムにおいて、前記パルス発生器は、前記制御指令値から前記パルス数を有するパルス信号を生成する信号生成回路を含んでもよい。これによれば、ロボット制御回路で生成される外部軸に対する制御指令値が信号生成回路によりパルス数に変換されて、モータ制御回路に伝達される。これにより、外部モータを備えた周辺機器とロボットとを、ロボット制御回路により生成される制御指令値に基づいて同期制御することができる。また、本実施の形態では、実際に外部軸モータを駆動する必要がないため、消費電力を低減することができる。
【0062】
[項目4]
項目1から3の何れかのロボット制御システムにおいて、前記外部モータは、前記ロボット制御回路で制御可能な外部軸モータの定格出力より大きい定格出力を有する1つのモータまたは定格出力の合計値が前記外部軸モータの定格出力より大きい複数のモータを含んでもよい。
【0063】
[項目5]
項目1から4の何れかのロボット制御システムにおいて、前記外部モータは、第1外部モータと第2外部モータとを含み、前記パルス発生器は、第1外部軸に対する制御指令値に基づく前記第1外部軸の回転量を第1パルス数に変換して前記モータ制御回路に前記第1外部モータの制御信号として出力する第1変換回路と、第2外部軸に対する制御指令値に基づく前記第2外部軸の回転量を第2パルス数に変換して前記モータ制御回路に前記第2外部モータの制御信号として出力する第2変換回路とを含んでもよい。
【0064】
[項目6]
項目5のロボット制御システムにおいて、前記モータ制御回路は、前記第1パルス数をカウントしたカウント数に基づいて前記第1外部モータの出力を制御する第1モータ制御回路と、前記第2パルス数をカウントしたカウント数に基づいて前記第2外部モータの出力を制御する第2モータ制御回路と、を含んでもよい。
【0065】
[項目7]
項目1から6の何れかのロボット制御システムにおいて、前記ロボットは、第1ロボットおよび第2ロボットを含み、前記ロボット制御回路は、前記第1ロボットの第1ロボット軸を制御する第1ロボット制御回路と、前記第2ロボットの第2ロボット軸を制御する第2ロボット制御回路と、を含み、前記外部モータは、前記第2ロボットのロボット軸を駆動するモータであり、前記モータ制御回路は、前記第2ロボット制御回路であり、前記パルス発生器は、前記第1ロボットの外部軸の駆動を制御するための第1外部軸制御指令値に基づいて前記第1ロボットの外部軸の回転量に相当するパルス数を出力する第1パルス発生器と、前記第2ロボットの外部軸の駆動を制御するための第2外部軸制御指令値に基づいて前記第2ロボットの外部軸の回転量に相当するパルス数を出力する第2パルス発生器と、を含み、前記第2ロボット制御回路は、前記第1パルス発生器から出力されたパルス数をカウントしたカウント数に基づいて前記第2ロボット軸の出力を制御し、前記第1ロボット制御回路は、前記第2パルス発生器から出力されたパルス数をカウントしたカウント数に基づいて前記第1ロボット軸の出力を制御してもよい。
【0066】
上記構成によれば、第1ロボットの周辺機器として動作する第2ロボットが第1ロボットを制御する第1ロボット制御回路において生成される第1外部軸制御指令値に基づいて制御される。さらに、第1ロボットが第2ロボットを制御する第2ロボット制御回路において生成される第2外部軸制御指令値に基づいて制御される。これにより、複数のロボットの協調動作を適切に行うことができる。また、第2ロボットの各第2ロボット軸を駆動する第2ロボット駆動用モータの定格出力は、第1ロボットの各第1ロボット軸を駆動する第1ロボット駆動用モータの定格出力より大きくすることができる。すなわち、互いに定格出力が異なる複数のロボットを遅滞なく協調動作させことができる。
【0067】
[項目8]
本開示の他の態様に係るロボット制御方法は、ロボットを構成する少なくとも1つのロボット軸の駆動を制御するロボット制御回路から出力された制御指令値であって、前記ロボット軸とは異なる外部軸の駆動を制御するための制御指令値から前記外部軸の回転量に相当するパルス数に変換し、前記パルス数をカウントしたカウント数に基づいて外部モータの出力を制御する。
【符号の説明】
【0068】
1,1B,1C,1D,1E ロボット制御システム
2 ロボット
2E 第1ロボット
5,5C ロボット制御回路
5E 第1ロボット制御回路
9,9a,9b 外部モータ
10,10D モータ制御回路
11,11B,11C パルス発生器
11E 第1パルス発生器
12 外部軸モータ
12a 外部軸
13 エンコーダ
17 信号生成回路
22 第2ロボット
25 第2ロボット制御回路
31 第2パルス発生器
図1
図2
図3
図4
図5