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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054545
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】センサユニット
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/05 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
E03C1/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160825
(22)【出願日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000242378
【氏名又は名称】株式会社KVK
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】蒲 将也
(72)【発明者】
【氏名】三輪 裕哉
【テーマコード(参考)】
2D060
【Fターム(参考)】
2D060BA05
2D060BB01
2D060BC01
2D060BC11
2D060BE09
2D060BF03
2D060CA09
(57)【要約】
【課題】前後方向における水栓のコンパクト化に寄与する。
【解決手段】センサ式水栓用のセンサユニットであって、センサ式水栓は吐水管を有しており、センサユニットは、吐水管に取り付けて用いられ、ケースと、ケースに収容されるセンサ40とを備える。センサ40は、センサ本体41と、センサ本体41から延びるケーブル42と、ケーブル42に接続されたコネクタ43とを有する。吐水管の軸方向を前後方向とし、吐水管の先端側を前後方向の前方、吐水管の基端側を前後方向の後方とし、前後方向に直交する一方向を左右方向、前後方向と左右方向の両方に直交する方向を上下方向とすると、センサ本体41とコネクタ43は、左右方向、及び上下方向のいずれかの方向に並設されている。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ式水栓用のセンサユニットであって、
前記センサ式水栓は吐水管を有しており、
前記センサユニットは、前記吐水管に取り付けて用いられ、ケースと、前記ケースに収容されるセンサとを備え、
前記センサは、センサ本体と、前記センサ本体から延びるケーブルと、前記ケーブルに接続されたコネクタとを有し、
前記吐水管の軸方向を前後方向とし、前記吐水管の先端側を前後方向の前方、前記吐水管の基端側を前後方向の後方とし、前後方向に直交する一方向を左右方向、前後方向と左右方向の両方に直交する方向を上下方向とすると、
前記センサ本体と前記コネクタは、左右方向、及び上下方向のいずれかの方向に並設されていることを特徴とするセンサユニット。
【請求項2】
前記センサユニットは、前記ケースに取り付けられるカバーを有し、
前記カバーは、前記ケースに対する前記センサの後方側への移動を規制する押さえ部を有する請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項3】
前記センサ本体は、前記コネクタを把持する爪を有し、前記爪は、前記コネクタを左右方向の両側、もしくは上下方向の両側から把持する請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項4】
前記ケーブルは、前記コネクタが前記爪に把持された状態において、前記コネクタが前後方向に移動することを許容する移動代を有する請求項3に記載のセンサユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ式水栓用のセンサユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、水栓の先端に吐水制御スイッチや人体検知センサ等の電装品が設置された水栓について記載している。
図23に示すように、水栓60は、吐水管61と、吐水管61の先端に装着された電装品取付用のヘッド62とを備えている。
【0003】
図24に示すように、ヘッド62は、先端側の傾斜面62aに、吐水スイッチ63を有している。また、ヘッド62の下面62b側に、人体感知用のセンサ64を有している。センサ64の後方に、ケーブルとしてのリード線65を介してコネクタ66が接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5-54672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の水栓60では、センサ64とコネクタ66が、吐水管61の前後方向に並設されているため、前後方向における水栓60の寸法が相対的に大きくなるという課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
態様1のセンサユニットは、センサ式水栓用のセンサユニットであって、前記センサ式水栓は吐水管を有しており、前記センサユニットは、前記吐水管に取り付けて用いられ、ケースと、前記ケースに収容されるセンサとを備え、前記センサは、センサ本体と、前記センサ本体から延びるケーブルと、前記ケーブルに接続されたコネクタとを有し、前記吐水管の軸方向を前後方向とし、前記吐水管の先端側を前後方向の前方、前記吐水管の基端側を前後方向の後方とし、前後方向に直交する一方向を左右方向、前後方向と左右方向の両方に直交する方向を上下方向とすると、前記センサ本体と前記コネクタは、左右方向、及び上下方向のいずれかの方向に並設されていることを要旨とする。
【0007】
この構成によれば、センサ本体とコネクタが前後方向に並設されている態様に比べて、センサユニットの前後方向の寸法を相対的に小さくすることができる。そのため、前後方向におけるセンサ式水栓のコンパクト化に寄与することができる。
【0008】
態様2は、態様1のセンサユニットにおいて、前記センサユニットは、前記ケースに取り付けられるカバーを有し、前記カバーは、前記ケースに対する前記センサの後方側への移動を規制する押さえ部を有する。この構成によれば、ケースにカバーを取り付けることによって、ケースに対するセンサの後方側への移動を規制することができる。
【0009】
態様3は、態様1又は2のセンサユニットにおいて、前記センサ本体は、前記コネクタを把持する爪を有し、前記爪は、前記コネクタを左右方向の両側、もしくは上下方向の両側から把持する。この構成によれば、コネクタ43の左右方向への移動、もしくは上下方向への移動を規制することができる。
【0010】
態様4は、態様3に記載のセンサユニットにおいて、前記ケーブルは、前記コネクタが前記爪に把持された状態において、前記コネクタが前後方向に移動することを許容する移動代を有する。この構成によれば、コネクタがセンサ本体に対して前後方向に移動した際に、ケーブルとセンサケースの接続箇所や、コネクタとケーブルの接続箇所に過度の応力が付与されることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のセンサユニットによれば、前後方向におけるセンサ式水栓のコンパクト化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、水栓の斜視図である。
図2図2は、水栓の分解斜視図である。
図3図3は、センサユニットの斜視図である。
図4図4は、別角度のセンサユニットの斜視図である。
図5図5は、センサユニットの分解斜視図である。
図6図6は、別角度のセンサユニットの分解斜視図である。
図7図7は、さらに別角度のセンサユニットの分解斜視図である。
図8図8は、ケースの斜視図である。
図9図9は、別角度のケースの斜視図である。
図10図10は、カバーの斜視図である。
図11図11は、別角度のカバーの斜視図である。
図12図12は、図10の12-12線断面図である。
図13図13は、ケースとカバーを組み付けた状態における図12と同方向の断面図である。
図14図14は、センサの斜視図である。
図15図15は、別角度のセンサの斜視図である。
図16図16は、図13の16-16線断面図である。
図17図17は、図13を後方側から見た図である。
図18図18は、ケースに取り付けられた状態のセンサの側面図である。
図19図19は、図18の19-19線断面図である。
図20図20は、カバーに取り付けられた状態のセンサユニットの断面図である。
図21図21は、変更例のケースとカバーの断面図である。
図22図22は、別の変更例のケースとカバーの斜視図である。
図23図23は、従来技術の水栓の分解斜視図である。
図24図24は、従来技術の水栓の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
センサユニットの実施形態を説明する。
図1に示すように、センサ式水栓(以下、水栓10ともいう。)は、キッチンキャビネットのカウンタである壁部11に設置されている。水栓10は、水平方向に延びる壁部11に固定される水栓本体(図示省略)と、水栓本体を覆う水栓カバー12と、水栓本体の上部に取り付けられるレバー13と、水栓カバー12に取り付けられるセンサユニット14とを有する。水栓本体は弁部材(図示省略)を有している。弁部材は、給水管と給湯管(ともに図示省略)に接続されている。
【0014】
図1、2に示すように、水栓カバー12は、壁部11から立設する円筒部12aと、円筒部12aの軸方向における中央部から、円筒部12aの斜め上方に延びる吐水管12bとを有する。吐水管12bの内部は、円筒部12aの内部に貫通している。吐水管12bの下面にセンサユニット14が取り付けられている。
【0015】
図1、2に示すように、水栓10は、吐水管12bの先端部に、接続ブッシュ15を有している。水栓10は、接続ブッシュ15に着脱可能に取り付けられた吐水ヘッド16を有する。吐水ヘッド16にはホース17が接続されている。ホース17における吐水ヘッド16側とは反対側の端部は、吐水管12bに挿入されて、壁部11の貫通孔(図示省略)から壁部11の下方へと延びている。さらに、ホース17は、水栓本体から延びる混合水用の配管(図示省略)に接続されている。吐水ヘッド16は、ホース17とともに水栓カバー12に対して手前側に引き出し可能に構成されている。
【0016】
センサユニット14にはハーネス49(図15参照)が接続されている。ハーネス49は、水栓カバー12の側面に設けられた貫通孔12c(以下、ハーネス用貫通孔ともいう。)を通って、壁部11の下方へと延びている。ハーネス49は、混合水用の配管に取り付けられた電磁弁(図示省略)に接続されている。センサユニット14は、後述する非接触式のセンサ40を有しており、このセンサ40を操作することによって、電磁弁の開閉状態を切り替えることができる。
【0017】
図1に示すように、水栓10は、レバー13を操作することによって、弁部材を操作することができるように構成されている。そして、吐水ヘッド16からの吐止水、湯水の切替え、及び湯水の混合の調節を行うことができるように構成されている。また、水栓10は、センサユニット14に手を近づけることによって、水栓10に触れることなく、吐止水を切り換えることができるように構成されている。
【0018】
以下、センサユニット14について説明する。
<センサユニット14>
図3~7に示すように、センサユニット14は、ケース20と、ケース20に収容されるセンサ40と、ケース20に取り付けられるカバー30とを備える。センサユニット14は、センサ式水栓用として用いられる。センサユニット14を構成する各部材について説明する。
【0019】
(ケース20)
図8に示すように、ケース20は、矩形板状の底壁21を有している。以下では、底壁21が有する二対の辺のうち、一方の一対の辺の延びる方向を前後方向とし、他方の一対の辺の延びる方向を左右方向とし、底壁21の厚さ方向を上下方向とする。
【0020】
図1に示すように、センサユニット14を水栓10に取り付けた状態で、吐水管12bの軸方向と底壁21の前後方向は平行になっている。水栓10を手前側に位置する吐水管12b側から見た場合を基準にして、吐水管12bの手前側を前後方向の前方とし、その反対方向を前後方向の後方とする。また、水栓10を設置した状態で、吐水管12bは、水平方向に対し後方側が斜め下となるように傾斜している。言い換えれば、吐水管12bは、壁部11の表面に対して前方側が斜め上方に傾斜している。そのため、上記前後方向は、壁部11の壁面に対して若干傾斜している。
【0021】
図8、9に示すように、ケース20は、底壁21の前端部から上方に延びる前壁22と、底壁21の左右両端部から上方に延びる一対の側壁23とを有しており、ケース20の上端部と後端部は開放されている。一対の側壁23は、前壁22に繋がっており、前壁22に連続して延びている。一対の側壁23における上端部の内側に、側壁23の前端部から後端部側に向かって連続して延びるとともに上方が凹となる溝部23aを有している。
【0022】
以下、ケース20の詳細について説明する。
図8に示すように、底壁21は、底壁21の後端部における左右方向の中央部に、貫通孔21aを有している。上方側から見た際に、貫通孔21aは、左右方向に長い四角形状となっている。貫通孔21aの周縁には、上方に延びる周壁21bを有している。この貫通孔21aは、後述する天壁31の貫通孔31aとともに、吐水管12bの下面とセンサユニット14の天壁31との間に浸入した液体を排出するための排出孔として機能する。
【0023】
なお、上記液体としては、特に制限されず、水や洗剤等を挙げることができる。
図8、9、13に示すように、周壁21bのうち、底壁21の最も後端部側に位置する周壁(以下、固定壁21b1ともいう。)は、上方斜め前方に傾斜して延びており、その中央部にネジ孔21cを有している。このネジ孔21cにネジ(図示省略)を挿通させた状態で、ネジを水栓カバー12が有するネジ孔12d(図2参照)に螺合させることによって、センサユニット14は水栓カバー12に固定される。
【0024】
図8、9、13に示すように、周壁21bのうち、底壁21の最も前端部側に位置する周壁21b2は、上下方向における中央部から下側が、底壁21の前方側に傾斜している。これにより、ケース20の底壁21には、後方に向かうにつれて上方に窪む凹部21dが形成されている。ケース20の底壁21が上記凹部21dを有することによって、センサユニット14を水栓カバー12に固定する際に、ネジを締め付けるための治具が、底壁21に干渉することを抑制することができる。
【0025】
図8に示すように、底壁21の後端部には、底壁21の厚さが他の箇所よりも薄くなった薄肉部21eを有する。薄肉部21eは、底壁21の後端部から側壁23の後端部に亘って連続して延びている。薄肉部21eは、後述する側壁23の薄肉部23cとともに、カバー30の後壁32を収容する収容部として機能する。
【0026】
図9、13に示すように、前壁22は、底壁21から上方斜め前方に傾斜して延びつつ、途中で屈曲して、上方に延びている。ここで、「上方斜め前方」も上方に含まれるものとする。すなわち、上記「底壁21の前端部から上方に延びる前壁22」における「上方」とは、底壁21の厚さ方向に完全に一致する態様に限定されず、底壁21の厚さ方向から若干ずれた方向、例えば±45°以内の方向を含むものとする。
【0027】
図8、9に示すように、前壁22は、前壁22の上端部における左右方向の中央部に切欠22aを有する。切欠22aは、下方が凸となる略半円形の周縁を有している。切欠22aの周縁は、センサユニット14を水栓10の吐水管12bの下面に取り付けた際に、吐水管12bの下面の形状に沿う形状となっている。
【0028】
図8、13に示すように、前壁22の上端部における後面には、後方に突出する鍔部(以下、第1鍔部22bともいう。)を有する。第1鍔部22bは、切欠22aの周縁に沿って延びている。第1鍔部22bの下方には、第1鍔部22bに所定の間隔をおいて、前壁22の後方に突出する鍔部(以下、第2鍔部22cともいう。)を有する。
【0029】
第1鍔部22bと第2鍔部22cの突出長さは、略等しく構成されている。第1鍔部22bの左右方向の端部は、後述する側壁23の垂下壁25に繋がっている。言い換えれば、第1鍔部22bの左右両端部は、一対の側壁23に連続している。また、第2鍔部22cの左右方向の端部は、側壁23における上端部よりも下方側に繋がっている。
【0030】
また、第1鍔部22bは、左右両端部に、左右方向の内側に突出する係止壁22dを有する。後述のように、係止壁22dは、センサユニット14を吐水管12bに取り付ける際に、吐水管12bの下面に設けられた切欠12eに係止させる。
【0031】
図13に示すように、第1鍔部22bと第2鍔部22cの間隔は、後述するカバー30の天壁31の厚さより若干大きく構成されている。そして、第1鍔部22bと第2鍔部22cの間に、カバー30の天壁31の前端部を挿入することができるように、天壁31の前端部の形状に沿った形状を有している。言い換えれば、第1鍔部22bと第2鍔部22cは、第1鍔部22bと第2鍔部22cの間に天壁31の前端部を挟み込むことができる形状を有している。
【0032】
図16に示すように、側壁23は、底壁21の左右両端部から上方に延びている。側壁23と底壁21の接続部分は、曲面で構成されている。すなわち、前後方向からケース20を見た際に、ケース20の下端部はR面取りされており、このR面取りされた形状が、前後方向に沿って延びている。
【0033】
図8に示すように、一対の側壁23のうち、左側に位置する側壁23は、中央部に略矩形状の窓23bを有している。後述するように、ケース20内にセンサ40を収容すると、窓23bからセンサカバー47の突出部47aが露出した状態となる。側壁23の後端部の内側には、底壁21の薄肉部21eに連続して延びる薄肉部23cを有する。薄肉部23cの前後方向の幅は略一定になっている。
【0034】
図8、16に示すように、側壁23は、側壁23の上端部から左右方向の内側に延びる上壁24と、上壁24における左右方向の内側の端部から、下方に延びる垂下壁25を有する。
【0035】
図16に示すように、側壁23の上端部、上壁24、及び垂下壁25によって、上方が凹となる溝部23aが形成されている。言い換えれば、溝部23aは、断面逆U字状の下方に開いた凹溝となっている。この溝部23aは、側壁23の前端部から後端部側に向かって連続して延びている。具体的には、図8に示すように、側壁23の前端部から、側壁23の後端部側における薄肉部23cよりも前方側の位置まで連続して延びている。
【0036】
ここで、「側壁23の上端部」とは、側壁23の上方の端面のみを意味するのではなく、側壁23の上方の端面の近傍を含むものとする。
図8、9に示すように、側壁23の前端部は、底壁21から上方斜め前方に傾斜した形状を有している。また、側壁23の後端部も、底壁21から上方斜め前方に傾斜した形状を有している。側壁23の上端部は、前後方向に沿って延びている。側壁23の後端部の傾斜角度は、前壁22や、底壁21の固定壁21b1と略同じ傾斜角度となっている。
【0037】
図13に示すように、側壁23の前端部、上端部、及び後端部が上記の形状を有していることによって、ケース20を左右方向から見た際に、ケース20は、略平行四辺形の形状を有している。
【0038】
ケース20の材質は特に制限されない。ケース20の材質としては、例えば樹脂を採用することができる。
(カバー30)
図10に示すように、カバー30は、矩形板状の天壁31を有している。天壁31が有する二対の辺のうち、一方の一対の辺の延びる方向を前後方向とし、他方の一対の辺の延びる方向を左右方向とし、天壁31の厚さ方向を上下方向とする。天壁31の前後方向の長さは、ケース20の側壁における前後方向の長さと略等しく構成されている。
【0039】
図1に示すように、センサユニット14を水栓10に取り付けた状態で、吐水管12bの軸方向と天壁31の前後方向は平行になっている。すなわち、吐水管12bの前後方向とカバー30の前後方向は等しくなっている。
【0040】
図10に示すように、天壁31は、天壁31の後端部から、天壁31の厚さ方向である下方に延びる後壁32を有する。
後述のように、後壁32は、カバー30がケース20に取り付けられた際に、ケース20の収容部に収容されて、ケース20の後端部を塞ぐ。後壁32は、ケース20に対するセンサ40の後方側への移動を規制する押さえ部としても機能する。
【0041】
図4に示すように、センサユニット14を吐水管12bの下面に取り付けて用いる際には、後壁32の後方側に、後壁32と水栓カバー12の間をシールする板状のシール部材33が取り付けられる。
【0042】
以下、カバー30の詳細について説明する。
図10、16に示すように、天壁31は、下方が凸となるように構成されている。具体的には、左右方向の中央部が、下方に位置するように湾曲した曲面を有しており、この曲面が前後方向に沿って延びている。
【0043】
図11、16に示すように、天壁31は、左右方向の中央部よりも若干左側の位置に、壁面が垂直に延びる段差部31bを有する。後述のように、段差部31bは、ケース20にカバー30を取り付けた際にセンサ40に当接する当接部として機能する。
【0044】
図16に示すように、天壁31は、左右方向の両端部に、上方に向かって延びる縦壁34と、縦壁34の上端部から左右方向の外側に延びる横壁35を有する。さらに、天壁31は、横壁35の外側の端部から上方に向かって突出する凸部36を有する。この凸部36は、天壁31の前端部から後端部まで連続して延びている。すなわち、天壁31は、天壁31の左右両端部に、前後方向に延びるとともに上方が凸となる凸部36を有している。
【0045】
図16に示すように、ケース20の側壁23の溝部23aにカバー30の天壁31の凸部36が係合するようにケース20にカバー30を取り付けると、天壁31の縦壁34と側壁23の垂下壁25は、左右方向の内側の面が略面一となる。
【0046】
図10~12に示すように、天壁31は、天壁31の後端部における左右方向の中央部に、貫通孔31aを有している。上方側から見た際に、貫通孔31aは、左右方向に長い四角形状となっている。この貫通孔31aは、ケース20の底壁21の貫通孔21aよりも若干小さく構成されている。
【0047】
図11、12に示すように、貫通孔31aの周縁には、下方斜め後方に延びる周壁31cを有している。周壁31cのうち、貫通孔31aの後方側の周縁に位置する周壁(以下、後端周壁31c1ともいう。)は、後壁32と一体になっている。後端周壁31c1の下端部に、貫通孔31aの周縁に沿って下方に突出するとともに、左右方向に延びる係合壁31dを有する。
【0048】
図13に示すように、カバー30にケース20を取り付けると、ケース20の底壁21の貫通孔21aと、カバー30の天壁31の貫通孔31aとが重なる位置に配置される。具体的には、底壁21の貫通孔21aにおける周壁21bの上端部と、天壁31の貫通孔31aにおける周壁31cの下端部とが、近接した状態となる。
【0049】
また、上方から見た際に、底壁21の貫通孔21aの内周側に、天壁31の貫通孔31aの周縁が位置する状態となる。さらに、天壁31の後端周壁31c1が有する係合壁31dが、底壁21の貫通孔21aの内部に位置した状態となる。
【0050】
上記係合壁31dは、カバー30がケース20に取り付けられた状態でケース20に係合することによって、ケース20に対してスライドさせる方向(前方)とは反対方向(後方)へのカバー30の移動を規制する係合部として機能する。すなわち、ケース20からカバー30を外れにくくすることができる。
【0051】
ただし、係合壁31dは、ケース20に取り付けられたカバー30の後方側への移動を完全に規制するものではなく、所定の力を加えることによって、カバー30の後方側への移動を許容する。すなわち、所定の力を加えることによって、カバー30とケース20がわずかに弾性変形して、係合部と被係合部が互いに離れるように移動し、係合部の係合が解除される。
【0052】
天壁31の貫通孔31aは、ケース20の底壁21の貫通孔21aとともに、吐水管12bの下面とセンサユニット14の天壁31との間に浸入した液体を排出するための排出孔として機能する。すなわち、排出孔が、ケース20とカバー30の両方に跨って設けられた状態となる。
【0053】
図12に示すように、カバー30の後壁32は、天壁31の後端部から下方斜め後方に傾斜して延びている。ここで、「下方斜め後方」も下方に含まれるものとする。すなわち、上記「下方に延びる後壁32」における「下方」とは、天壁31の厚さ方向に完全に一致する態様に限定されず、天壁31の厚さ方向から若干ずれた方向、例えば±45°以内の方向を含むものとする。
【0054】
図10に示すように、後壁32は、左右方向の中央部において、下端部から上方に延びる切欠32aを有する。この切欠32aは略矩形状となっている。
図17に示すように、カバー30をケース20に取り付けた際に、この切欠32aの周縁が、底壁21の固定壁21b1の外周を囲むように構成されている。そのため、この切欠32aを、固定壁用切欠ともいう。
【0055】
また、後壁32は、固定壁用切欠に連続して、センサユニット14に接続されたハーネス49を挿通させる切欠32b(以下、ハーネス用切欠ともいう。)を有している。センサユニット14が水栓カバー12に取り付けられた状態で、ハーネス用切欠は、水栓カバー12の側面に設けられた貫通孔12cの周縁に部分的に重なる位置となる。
【0056】
また、後壁32に取り付けられたシール部材33(図4参照)も、固定壁用切欠と、ハーネス用切欠と略同じ形状の切欠33aを有している。そのため、センサユニット14を水栓カバー12に取り付けた際に、シール部材33によって、ケース20の固定壁21b1と水栓カバー12のネジ孔12dの周囲をシールすることができる。また、ケース20のハーネス用切欠と、水栓カバー12のハーネス用の貫通孔12cの周囲を部分的にシールすることができる。
【0057】
カバー30の材質は特に制限されない。カバー30の材質としては、例えば樹脂を採用することができる。
(センサ40)
図14、15に示すように、センサ40は、センサ本体41と、センサ本体41から延びるケーブル42と、ケーブル42に接続されたコネクタ43とを有する。
【0058】
センサ本体41は、センサケース44と、センサケース44に収容される素子(図示省略)と、センサケース44に取り付けられるセンサカバー47とを備える。
センサケース44は、上下方向の寸法よりも前後方向と左右方向の寸法が大きい直方体で構成された横長の箱状部(以下、第1箱状部45ともいう。)を有する。また、センサケース44は、第1箱状部45に連続して第1箱状部45の左側の端部から上方に延びる縦長の箱状部(以下、第2箱状部46ともいう。)を有する。
【0059】
第1箱状部45は、上面に、上方に突出するとともに、前後方向に延びる当接壁(以下、第1当接壁45aともいう。)を有する。第2箱状部46は、右側の側面に、右方に突出するとともに、上下方向に延びる当接壁(以下、第2当接壁46aともいう。)を有する。第2当接壁46aは、前後方向に所定の間隔をおいて、4つ並設されている。
【0060】
図14、15に示すように、センサケース44は、コネクタ43を把持する爪44aを有する。センサケース44は、第1箱状部45の右側の端部における上端部に爪44aを2つ有するとともに、下端部に爪44aを1つ有する。上端部の2つの爪44aは、前後方向に並設されている。これらの爪44aは、湾曲して右方に延びた状態で、上下方向からコネクタ43を把持している。上下方向からコネクタ43を把持することによって、コネクタ43の上下方向への移動が規制されている。また、爪44aが湾曲しているため、上下方向に加えて、左右方向へのコネクタ43の移動も規制されている。
【0061】
図14、15に示すように、センサカバー47は、センサケース44の第2箱状部46を覆う位置に取り付けられている。具体的には、センサカバー47は、第2箱状部46の前後、上下、及び左側を覆う位置に取り付けられている。
【0062】
センサカバー47は、左側の側面に突出部47aを有する。突出部47aは、側壁23の窓23bよりも若干小さく構成されており、センサ40がセンサユニット14のケース20に取り付けられた際に、側壁23の窓23bから露出する。センサ本体41は、この突出部47aの周囲に配置されて、ケース20の側壁23とセンサカバー47の間をシールする環状のシール部材48を備える。
【0063】
図14、15に示すように、ケーブル42は、センサ本体41のセンサケース44の下端部から、4本延びている。これらのケーブル42は、センサケース44の下端部から前方に延びた後、若干撓んだ状態で後方側に湾曲している。さらに、4本のケーブル42は、コネクタ43に接続されている。ケーブル42の湾曲した箇所は、コネクタ43がセンサケース44に対して前後方向に僅かに移動することを許容する移動代として機能する。移動代が無い場合、コネクタ43がセンサケース44に対して前後方向に移動した際に、ケーブル42とセンサケース44の接続箇所や、コネクタ43とケーブル42の接続箇所に過度の応力が付与される虞がある。上記移動代を有することによって、過度の応力が付与されることを抑制することができる。
【0064】
図14、15に示すように、コネクタ43は、センサケース44から延びるケーブル42が接続される雌型コネクタ43aと、当該雌型コネクタ43aに接続される雄型コネクタ43bとを有する。雄型コネクタ43bに、ハーネス49が接続される。
【0065】
図5~7に示すように、センサユニット14のケース20にセンサ40を取り付けた状態において、センサ本体41とコネクタ43は、左右方向に並設されている。
センサ40は、非接触式のセンサ40であり、人の手を近づけると、その手を検知して、混合水用の配管に取り付けられた電磁弁の開閉状態を切り替えることができる。非接触式のセンサ式としては、特に制限されず、公知の非接触式のセンサを採用することができる。公知の非接触式のセンサとしては、例えば光電センサ、レーザセンサ、赤外線センサ、電波センサ等が挙げられる。
【0066】
<センサユニット14の組立手順>
図5~7に示すように、センサユニット14を組立てる際は、まず、ケース20の後端部側から、ケース20内にセンサ40を挿入する。センサカバー47の突出部47aを、ケース20の側壁23の内側から窓23bに挿入して、突出部47aを窓23bから露出させる。
【0067】
図18、19に示すように、センサカバー47の突出部47aをケース20の窓23bに挿入することによって、ケース20に対するセンサ40の位置がある程度決まった状態となる。すなわち、センサカバー47の前端部が、ケース20の前壁22における第1鍔部22bと第2鍔部22cに当接した状態となる。
【0068】
次に、ケース20の後端部側から、前方に向かってカバー30を近づける。ケース20に対して、カバー30を後方側から前方側にスライドさせる。その際、予めカバー30の後壁32におけるハーネス用切欠32bに、センサユニット14に接続されたハーネス49を挿通させておく。
【0069】
カバー30の天壁31の凸部36を、ケース20の側壁23の溝部23aに係合させる。また、カバー30の天壁31の前端部を、ケース20の前壁22における第1鍔部22bと第2鍔部22cの間に挟み込まれるように挿入する。これにより、カバー30における天壁31の前端部が、第1鍔部22bの下面側に第1鍔部22bと重なった状態で配置される。また、カバー30の後壁32がケース20の収容部に収容された状態で、カバー30は取り付けられる。
【0070】
図13に示すように、ケース20の底壁21の貫通孔21aと、カバー30の天壁31の貫通孔31aとが重なる位置に配置されることによって、ケース20とカバー30に跨って排出孔が形成される。天壁31の貫通孔31aは、底壁21の貫通孔21aよりも小さく、且つ、上方から見た際に、底壁21の貫通孔21aの内周側に、天壁31の貫通孔31aが位置した状態となる。さらに、天壁31の貫通孔31aの周縁の係合壁31dが、底壁21の貫通孔21aの内部に位置する。
【0071】
図19に示すように、ケース20にカバー30を取り付けると、カバー30の天壁31における左右方向の中央部が、センサケース44の第1当接壁45aに当接する。カバー30の天壁31がセンサケース44の第1当接壁45aに当接することによって、センサ40はケース20に対して下方側に押圧された状態となる。そして、図18に示すように、センサケース44の下端部が、ケース20の底壁21に当接した状態で位置決めされる。
【0072】
図18、19に示すように、天壁31の段差部31bが、センサケース44の4つの第2当接壁46aに当接する。カバー30の天壁31がセンサケース44の第2当接壁46aに当接することによって、センサ40はケース20に対して左方側に押圧された状態となる。そして、センサカバー47の突出部47aの周囲が、シール部材48を介して、側壁23の窓23bの周縁に接触した状態で位置決めされる。すなわち、突出部47aの周囲に配置されたシール部材48が、窓23bの周縁に接触した状態で、センサ40の位置が固定される。そのため、シール部材48は、窓23bの周縁に接触する接触部として機能する。シール部材48を省略して、センサカバー47の突出部47aの周囲が、直接、窓23bの周縁に接触するように構成されていてもよい。
【0073】
シール部材48が窓23bの周縁に接触した状態でセンサ40の位置が固定されることによって、センサカバー47の突出部47aと窓23bの間からケース20内に液体が浸入することを抑制することができる。
【0074】
さらに、ケース20にカバー30を取り付けると、カバー30の後壁32がセンサカバー47の後端部に当接する。カバー30の後壁32が、押さえ部としてセンサカバー47の後端部に当接することによって、センサ40は前方側に押圧された状態となる。これにより、ケース20に対するセンサ40の後方側への移動が規制される。そして、センサカバー47の前端部が、ケース20の前壁22における第1鍔部22bと第2鍔部22cに当接した状態でセンサ40は位置決めされる。以上のように、ケース20にカバー30を取り付けると、センサ40は、カバー30によって複数の方向から押圧されることによって、ケース20内での位置が固定される。
【0075】
カバー30が、ケース20に対するセンサ40の位置を固定する部材として機能するため、センサ40の位置を固定するための部材を別途用いる必要がない。そのため、センサユニット14を構成する部材の数を少なくして、センサユニット14の構成を簡略化することができる。
【0076】
また、ケース20にカバー30を取り付けると、カバー30の後壁32が、センサ40のコネクタ43における後端部に当接する。これによって、ケース20の後方側に向かうコネクタ43の移動が規制される。
【0077】
<水栓に対するセンサユニットの取付け手順>
図2に示すように、水栓10の吐水管12bは、吐水管12bの前端部における下面側に一対の切欠12eを有している。一対の切欠12eは、左右方向に所定の間隔をおいて設けられている。一対の切欠12eは、吐水管12bの前端部から後方に向かって切り欠かれている。
【0078】
一対の切欠12eの間隔は、センサユニット14の一対の係止壁22dの間隔と略等しく構成されており、一対の切欠12eに、センサユニット14の一対の係止壁22dを係止させることができるように構成されている。
【0079】
図2に示すように、水栓10にセンサユニット14を取り付ける際は、センサユニット14の後端部側を、前後方向の前方から吐水管12b側に一方向にスライドさせる。そして、センサユニット14の係止壁22dを、吐水管12bの一対の切欠12eに係止させる。これによって、吐水管12bに対するセンサユニット14の下方への移動、すなわちセンサユニット14の脱落が規制される。
【0080】
さらに、センサユニット14の固定壁21b1のネジ孔21cにネジを挿通させて、このネジを水栓カバー12が有するネジ孔12dに螺合させ、ネジの頭部を固定壁21b1に当接させることによって、センサユニット14は水栓カバー12に固定される。
【0081】
以上の手順によって、センサユニット14は取り付けられる。センサユニット14は、天壁31が上下方向の上方に位置する状態で、吐水管12bの下面に取り付けられる。また、以上の手順を反対の順序で行うことによって、水栓10からセンサユニット14を取り外すことができる。すなわち、センサユニット14は水栓10に着脱可能に取り付けることができる。また、水栓10からセンサユニット14を取り外した後、さらに、上記センサユニット14の組立手順を反対の順序で行うことによって、センサユニット14のケース20から、センサ40を取り外すことができる。
【0082】
<作用及び効果>
本実施形態の作用について説明する。
図20に示すように、吐水管12bの下面にセンサユニット14を取り付けると、センサユニット14の底壁21と天壁31の前後方向は、吐水管12bの軸方向である前後方向と平行になる。言い換えれば、水栓10に取り付けられた状態において、ケース20の底壁21、及びカバー30の天壁31は、前後方向の後方側が水平方向に対して斜め下となるように傾斜する。
【0083】
図20に示すように、吐水管12bは、下面側に水抜き用の貫通孔12fを有している。また吐水管12bの先端部には、接続ブッシュ15が取り付けられており、接続ブッシュ15も水抜き用の貫通孔15aを有している。これらの貫通孔12f、15aは、上下方向において重なる位置に設けられている。これらの貫通孔12f、15aは、例えば、ホース17の表面を伝って吐水管12bの内部に液体が浸入した際に、浸入した液体を外部に排出するために用いられる。
【0084】
水栓10は、水栓10の吐水管12bの下面にセンサユニット14を取り付けた際に、吐水管12bの下面とセンサユニット14の天壁31との間に隙間を有している。この隙間は、上記吐水管12bと接続ブッシュ15の貫通孔12f、15aの下方に位置する。そのため、吐水管12bと接続ブッシュ15の貫通孔12f、15aから排出された液体は、センサユニット14の天壁31上に滴下される。
【0085】
また、ケース20と吐水管12bとの間には、上記隙間Sとは別の隙間を有している。この隙間からも、センサユニット14の天壁31上に液体が浸入するように構成されている。
【0086】
図20の矢印で示すように、ケース20の底壁21、及びカバー30の天壁31が、後方側が水平方向に対して斜め下となるように傾斜していることによって、天壁31上に滴下された液体を、天壁31上に留まりにくくすることができる。そして、天壁31上に滴下された液体を、後方側に流しやすくなる。
【0087】
また、天壁31と底壁21の両貫通孔31a、21aで構成された排出孔を通じて、センサユニット14の外部に液体を効率良く排出することができる。センサユニット14の天壁31は、天壁31上に滴下された液体を排出するための流路として機能する。この流路に排出孔が連通した状態となる。
【0088】
また、排出孔がケース20とカバー30に跨って形成されているため、液体をより確実に排出することができる。
また、天壁31は、吐水管12bの軸方向から天壁31を見た際に、下方が凸となる曲面を有しているため、天壁上に滴下された液体は、天壁における左右方向の中央部に集まりやすい。そのため、天壁31上に滴下された液体を効率良く集めて排出することができる。
【0089】
図19に示すように、センサユニット14は、ケース20の側壁23が有する上方が凹となる溝部23aに、カバー30の天壁31が有する上方が凸となる凸部36を係合させている。仮に、天壁31上に滴下された液体が、側壁23と天壁31の隙間からケース20内に浸入しようとすると、天壁31の凸部36を乗り越える必要がある。そのため、側壁23と天壁31の隙間からケース20内に液体が浸入することを好適に抑制することができる。言い換えれば、カバー30とケース20の係合部分からケース20内に液体が浸入することを好適に抑制することができる。
【0090】
図8、13に示すように、第1鍔部22bの左右方向の端部が、側壁23の垂下壁25に繋がっており、カバー30における天壁31の前端部が、第1鍔部22bの下面側に第1鍔部22bと重なった状態で配置されている。これにより、ケース20の前壁22と、カバー30の天壁31の前端部との間から液体が内部に浸入することを抑制することができる。天壁31の後方側が斜め下に傾斜していることと相乗的に作用して、ケース20の前壁22とカバー30の天壁31の隙間から液体が内部に浸入することを抑制することができる。
【0091】
さらに、天壁31の前端部が、前壁22の第1鍔部22bと第2鍔部22cの間に挟み込まれていることによって、液体の浸入をより好適に制することができる。
図13に示すように、天壁31の貫通孔31aは、底壁21の貫通孔21aよりも小さく、且つ、上方から見た際に、底壁21の貫通孔21aの内周側に、天壁31の貫通孔31aが位置した状態となる。さらに、天壁31の貫通孔31aの周縁の係合壁31dが、底壁21の貫通孔21aの内部に位置する。これらによって、天壁31の貫通孔31aを流通する液体が、底壁21の貫通孔21aへと流通しやすくなる。
【0092】
図2、5~7に示すように、センサユニット14は、水栓10に着脱可能に取り付けられ、さらに、ケース20からカバー30を取り外すことによって、ケース20からセンサ40を取り外し可能に構成されている。例えば、センサユニット14のセンサ40を交換する作業を行う際に、水栓10からセンサユニット14のみを取り外して、壁部11上で交換作業を行うことができる。センサユニット14を取り外すために、水栓カバー12等、他の部材を取り外す必要が無く、また、壁部11の下面側で作業を行う必要もない。そのため、センサ40の交換作業を簡単に行うことが可能になる。また、ケースからカバーを取り外すという簡単な操作によって、ケースからセンサを取り外すことができる。これらによって、水栓10のメンテナンス性が向上する。
【0093】
また、センサユニット14のカバー30は、ケース20に対してスライドさせるというより簡単な動作によって、取付け、又は取り外しが可能である。
また、水栓10にセンサユニット14を取り付ける際のセンサユニット14の移動方向(後方)と、ケース20にカバー30を取り付ける際のカバー30のスライド方向(前方)とが反対の方向である。そのため、一旦、水栓10にセンサユニット14を取り付けると、カバー30は、ケース20から取り外す方向(後方)に移動しにくくなる。よって、ケース20からカバー30を外れにくくすることができる。
【0094】
図5~7に示すように、センサユニット14のケース20にセンサ40を取り付けた状態において、センサ本体41とコネクタ43は、左右方向に並設されている。これによって、センサ本体41とコネクタ43が前後方向に並設されている態様に比べて、センサユニット14の前後方向の寸法を相対的に小さくすることができる。そのため、前後方向における水栓10のコンパクト化に寄与することができる。
【0095】
なお、上記「左右方向に並設されている」とは、左右方向から見た際に、センサ本体41とコネクタ43の少なくとも一部が前後方向に重なっていることを意味するものとする。センサ本体41とコネクタ43のうち、いずれか前後方向の寸法が長い方に対して、前後方向の寸法が短い方が完全に重なっている(前後方向に収まっている)ことが好ましい。
【0096】
本実施形態の効果について説明する。
(1)センサ40は、センサ本体41と、センサ本体41から延びるケーブル42と、ケーブル42に接続されたコネクタ43とを有する。吐水管12bの軸方向を前後方向とし、吐水管12bの先端側を前後方向の前方、吐水管12bの基端側を前後方向の後方とし、前後方向に直交する一方向を左右方向、前後方向と左右方向の両方に直交する方向を上下方向とする。センサ本体41とコネクタ43は、左右方向、及び上下方向のいずれかの方向に並設されている。
【0097】
センサ本体41とコネクタ43が前後方向に並設されている態様に比べて、センサユニット14の前後方向の寸法を相対的に小さくすることができる。したがって、前後方向における水栓10のコンパクト化に寄与することができる。
【0098】
(2)センサユニット14は、ケース20に取り付けられるカバー30を有し、カバー30は、ケース20に対するセンサ40の後方側への移動を規制する押さえ部を有する。したがって、ケース20にカバー30を取り付けることによって、ケース20に対するセンサ40の後方側への移動を規制することができる。
【0099】
(3)センサ本体41は、コネクタ43を把持する爪44aを有し、爪44aは、コネクタ43を上下方向の両側から把持する。したがって、コネクタ43の上下方向への移動を規制することができる。
【0100】
(4)ケーブル42は、コネクタ43が爪44aに把持された状態において、コネクタ43が前後方向に移動することを許容する移動代を有する。したがって、コネクタ43がセンサ本体41に対して前後方向に移動した際に、ケーブル42とセンサケース44の接続箇所や、コネクタ43とケーブル42の接続箇所に過度の応力が付与されることを抑制することができる。
【0101】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0102】
・本実施形態において、センサユニット14の天壁31は、当該天壁31の左右両端部に、前後方向に延びるとともに上方が凸となる凸部36を有していたが、この態様に限定されない。
【0103】
図21に示すように、天壁31が、全体的に下方が凸となるように湾曲しており、左右方向の両端部の壁面37が上方を向いていてもよい。この態様では、左右方向の両端面が凸部として機能する。
【0104】
・本実施形態において、溝部23aは、ケース20の一対の側壁23における上端部の内側に設けられていたが、この態様に限定されない。溝部23aは、側壁の上端部に設けられた態様に限定されない。例えば、溝部23aは、側壁23の上端部よりも下方の位置に設けられていてもよい。
【0105】
・本実施形態において、ケース20の一対の側壁23に設けられた溝部23aは、上方が凹となっており、カバー30の天壁31に設けられた凸部36は、上方が凸となっていたが、この態様に限定されない。上記溝部23aは、左右方向の一方が凹であるとともに、上記凸部36は、左右方向の一方が凸であってもよい。また、上記溝部23aは、下方が凹であるとともに、上記凸部36は、下方が凸であってもよい。上記溝部23aと凸部36は、斜め上方や斜め下方に凹、もしくは凸であってもよい。
【0106】
・本実施形態において、カバー30の天壁31に設けられた凸部36は、天壁31の前端部から後端部側に向かって連続して延びていたが、この態様に限定されない。凸部36は、天壁31の前端部よりも後方側の位置から、後端部側に向かって連続して延びていてもよい。
【0107】
・本実施形態では、ケース20の底壁21の貫通孔21aと、カバー30の天壁31の貫通孔31aとで排出孔が形成されていたが、排出孔は省略されていてもよい。
図22に示すように、例えばケース20の底壁21における固定壁21b1に切欠21fが設けられていてもよい。また、カバー30の天壁31の後壁32に上下方向に沿う溝32cが形成されていてもよい。この態様では、ケース20にカバー30を取り付けると、液体を排出するための流路に連通した排出溝を有する態様になる。
【0108】
・ケース20の底壁21と、カバー30の天壁31のいずれか一方のみに排出孔が設けられ、いずれか他方には排出溝が設けられていてもよい。
・ケース20の底壁21とカバーの天壁31は、排出孔や排出溝を有していなくてもよい。天壁31の後端部と水栓カバー12の隙間から、液体が排出されるように構成されていてもよい。
【0109】
・センサユニット14の天壁31は、湾曲した曲面を有していたが、この態様に限定されない。センサユニット14の天壁31は、平面で構成されていてもよい。
・水栓10に取り付けられた状態において、ケース20の底壁21、及びカバー30の天壁31は、前後方向の後方側が水平方向に対して斜め下となるように傾斜していたが、この態様に限定されない。ケース20の底壁21、及びカバー30の天壁31の前後方向は、吐水管12bの軸方向に平行でなくてもよい。例えば、ケース20の底壁21、及びカバー30の天壁31の前後方向は、水平方向に平行であってもよい。同様に、センサユニット14の天壁31によって構成される流路は、水平方向に延びていてもよい。
【0110】
・本実施形態において、水栓カバー12は、円筒部12aの軸方向における中央部から、円筒部12aの斜め上方に延びる管状の吐水管12bを有していたが、この態様に限定されない。吐水管12bは、壁部11に平行に延びていてもよいし、前方に対して斜め下となるように傾斜して延びていてもよい。
【0111】
・本実施形態では、ケース20にカバー30を取り付けると、カバー30の天壁31と後壁32がセンサ40に当接することによって、ケース20に対するセンサ40の位置が固定されたが、この態様に限定されない。カバー30の天壁31や後壁32は、センサ40に当接しなくてもよい。
【0112】
・本実施形態において、カバー30は、ケース20に対してスライドさせて取り付けられていたが、この態様に限定されない。スライド以外の方法でカバー30は取り付けられてもよい。スライド以外の方法としては、例えばスナップフィットの形態で取り付けられてもよいし、ネジや接着剤を用いて取付けられていてもよい。
【0113】
・本実施形態において、センサユニット14のケース20にセンサ40を取り付けた状態において、センサ本体41とコネクタ43は、左右方向に並設されていたが、この態様に限定されない。センサ本体41とコネクタ43は、上下方向に並設されていてもよい。左右方向と上下方向が組み合わさっていてもよい。
【0114】
・本実施形態において、センサ40のコネクタ43は、センサケース44の爪44aによって上下方向から把持されていたがこの態様に限定されない。センサケース44の爪44aによって前後方向から把持されていてもよいし、左右方向から把持されていてもよい。上下、左右、前後のいずれかの方向に対して斜めの方向から把持されていてもよい。
【0115】
・本実施形態において、水栓カバー12は、壁部11から立設する円筒部12aを有していたが、この態様に限定されない。円筒部12aは、横断面が多角形状や楕円形状の筒状であってもよい。
【0116】
・本実施形態において、カバー30は省略されていてもよい。例えばケース20の形状が、カバー30の天壁31がケース20に一体に設けられた形状を有しており、後方側が開放された筒状に構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0117】
10…水栓(センサ式水栓)、12b…吐水管、14…センサユニット、20…ケース、21…底壁、23…側壁、23a…溝部、30…カバー、31…天壁、36…凸部、40…センサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図24