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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054547
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】RAM及び短絡検出システム
(51)【国際特許分類】
   G11C 29/02 20060101AFI20240410BHJP
   G11C 11/419 20060101ALI20240410BHJP
   G01R 31/28 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
G11C29/02 140
G11C11/419 120
G01R31/28 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160829
(22)【出願日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井路側 晃輔
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 和久
【テーマコード(参考)】
2G132
5B015
5L206
【Fターム(参考)】
2G132AA08
2G132AD15
5B015KA09
5B015KA33
5B015KA36
5B015MM07
5B015NN01
5B015RR06
5L206AA02
5L206EE02
5L206FF01
(57)【要約】
【課題】書き込みビット線と読み出しビット線との短絡の検出漏れを抑制することができるRAMを提供する。
【解決手段】RAM(101、102)は、第1読み出しビット線(RBL1)と、第1書き込みビット線(WBL1)と、第2読み出しビット線(RBL2)と、第2書き込みビット線(WBL2)と、短絡検出時に前記第1及び第2読み出しビット線と前記第1及び第2書き込みビット線との一方をチャージするように構成された充電回路(1)と、前記短絡検出時に前記第1及び第2読み出しビット線と前記第1及び第2書き込みビット線との他方をディスチャージするように構成された放電回路(2)と、を有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1読み出しビット線と、
第1書き込みビット線と、
第2読み出しビット線と、
第2書き込みビット線と、
短絡検出時に前記第1及び第2読み出しビット線と前記第1及び第2書き込みビット線との一方をチャージするように構成された充電回路と、
前記短絡検出時に前記第1及び第2読み出しビット線と前記第1及び第2書き込みビット線との他方をディスチャージするように構成された放電回路と、
を有する、RAM。
【請求項2】
メモリセルと、
前記メモリセルと前記第1読み出しビット線との間に設けられる第1スイッチと、
前記メモリセルと前記第1書き込みビット線との間に設けられる第2スイッチと、
前記メモリセルと前記第2読み出しビット線との間に設けられる第3スイッチと、
前記メモリセルと前記第2書き込みビット線との間に設けられる第4スイッチと、
を有し、
前記短絡検出時に前記第1~第4スイッチはオフ状態である、請求項1に記載のRAM。
【請求項3】
前記短絡検出時はスタンバイ時であり、
前記充電回路は、前記短絡検出時に前記第1及び第2読み出しビット線をチャージするように構成され、
前記放電回路は、前記短絡検出時に前記第1及び第2書き込みビット線をディスチャージするように構成される、請求項1に記載のRAM。
【請求項4】
読み出しワード線と、
書き込みワード線と、
を有し、
前記第1読み出しビット線と前記第1書き込みビット線との間の距離、及び、前記第2読み出しビット線と前記第2書き込みビット線との間の距離はそれぞれ、前記読み出しワード線と前記書き込みワード線との間の距離より短い、請求項1に記載のRAM。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のRAMと、
前記RAMの消費電流に基づき前記短絡検出を行うように構成された短絡検出装置と、
を有する、短絡検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中に開示されている発明は、RAM(Random Access Memory)及び当該RAMを有する短絡検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で開示されているRAMは、第1メモリセルからのデータ読み出しと、第2メモリセルへのデータ書き込みを、同時又はほぼ同時に行うことができる。このようなRAMは、データの処理を高速に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2007/018043号(段落0002)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で開示されているRAMにおいて、書き込みビット線と読み出しビット線とが短絡している場合、ライト動作とリード動作とが同時に起こると、データ読み出しを行うメモリセルに書き込まれている値が反転し、出力不良となるおそれがある。
【0005】
しかしながら、ライト動作とリード動作とが僅かにずれると、出力不良が起こらなくなる。したがって、出力不良を頼りに書き込みビット線と読み出しビット線との短絡を検出すると、検出漏れのおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書中に開示されているRAMは、第1読み出しビット線と、第1書き込みビット線と、第2読み出しビット線と、第2書き込みビット線と、短絡検出時に前記第1及び第2読み出しビット線と前記第1及び第2書き込みビット線との一方をチャージするように構成された充電回路と、前記短絡検出時に前記第1及び第2読み出しビット線と前記第1及び第2書き込みビット線との他方をディスチャージするように構成された放電回路と、を有する。
【0007】
本明細書中に開示されている短絡検出システムは、上記構成のRAMと、前記RAMの消費電流に基づき前記短絡検出を行うように構成された短絡検出装置と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本明細書中に開示されているRAM及び短絡検出システムによれば、書き込みビット線と読み出しビット線との短絡の検出漏れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、比較例に係る2port RAMの要部を示す概略図である。
図2図2は、第2書き込みビット線と第2読み出しビット線とに短絡がある場合の比較例に係る2port RAMの要部を示す概略図である。
図3図3は、第2書き込みビット線と第2読み出しビット線とに短絡がある場合の比較例に係る2port RAMの要部を示す概略図である。
図4図4は、ライト動作とリード動作とのタイミングを示すタイミングチャートである。
図5図5は、ライト動作とリード動作とのタイミングを示すタイミングチャートである。
図6図6は、スタンバイ時の比較例に係る2port RAMの要部を示す概略図である。
図7図7は、第1,2実施形態に係る2port RAMの要部を示す概略図である。
図8図8は、第2書き込みビット線と第2読み出しビット線とに短絡がある場合であってスタンバイ時の第1実施形態に係る2port RAMの要部を示す概略図である。
図9図9は、短絡検出システムの概略図である。
図10図10は、第2書き込みビット線と第2読み出しビット線とに短絡がある場合であってテストモード時の第2実施形態に係る2port RAMの要部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、MOS(Metal Oxide Semiconductor)電界効果トランジスタとは、ゲートの構造が、「導電体または抵抗値が小さいポリシリコン等の半導体からなる層」、「絶縁層」、及び「P型、N型、又は真性の半導体層」の少なくとも3層からなる電界効果トランジスタをいう。つまり、MOS電界効果トランジスタのゲートの構造は、金属、酸化物、及び半導体の3層構造に限定されない。
【0011】
<2port RAM(比較例)>
図1は、比較例(=後出の実施形態と対比される一般的な構成例)に係る2port RAMの要部を示す概略図である。
【0012】
比較例に係る2port RAM100は、第1読み出しビット線RBL1と、第1書き込みビット線WBL1と、第2読み出しビット線RBL2と、第2書き込みビット線WBL2と、を有する。
【0013】
比較例に係る2port RAM100は、入力専用ポート(不図示)及び出力専用ポート(不図示)を有する。第1読み出しビット線RBL1は、リード動作時に選択されたメモリセルからデータを読み出すために用いられる。
【0014】
書き込みビット線WBL1は、ライト動作時に選択されたメモリセルにデータを書き込むために用いられる。
【0015】
第2読み出しビット線RBL2は、リード動作時に選択されたメモリセルからデータを読み出すために用いられる。
【0016】
書き込みビット線WBL2は、ライト動作時に選択されたメモリセルにデータを書き込むために用いられる。
【0017】
比較例に係る2port RAM100は、n個のメモリセルM_1~M_nと、n本の読み出しワード線RWL_1~RWL_nと、n本の書き込みワード線WWL_1~WWL_nと、n個の第1スイッチQ1_1~Q1_nと、n個の第2スイッチQ2_1~Q2_nと、n個の第3スイッチQ3_1~Q3_nと、n個の第4スイッチQ4_1~Q4_nと、充電回路1と、を備える。
【0018】
読み出しワード線RWL_1は、リード動作時にメモリセルM_1を選択するために用いられる。他の読み出しワード線RWL_2~RWL_nも同様に、それぞれに対応するメモリセルM_2~M_nをリード動作時に選択するために用いられる。
【0019】
書き込みワード線WWL_1は、ライト動作時にメモリセルM_1を選択するために用いられる。他の書き込みワード線WWL_2~WWL_nも同様に、それぞれに対応するメモリセルM_2~M_nをライト動作時に選択するために用いられる。
【0020】
第1スイッチQ1_1~Q1_n、第2スイッチQ2_1~Q2_n、第3スイッチQ3_1~Q3_n、及び第4スイッチQ4_1~Q4_nは、小型化の観点から、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタであることが望ましい。
【0021】
第1スイッチQ1_1は、メモリセルM_1と第1読み出しビット線RBL1との間に設けられる。第1スイッチQ1_1のオン状態とオフ状態とは、読み出しワード線RWL_1の電圧レベルに応じて切り替わる。他の第1スイッチQ1_2~Q1_nも同様である。
【0022】
第2スイッチQ2_1は、メモリセルM_1と第1書き込みビット線WBL1との間に設けられる。第2スイッチQ2_1のオン状態とオフ状態は、書き込みワード線WWL_1の電圧レベルに応じて切り替わる。他の第2スイッチQ2_2~Q2_nも同様である。
【0023】
第3スイッチQ3_1は、メモリセルM_1と第2読み出しビット線RBL2との間に設けられる。第3スイッチQ3_1のオン状態とオフ状態は、読み出しワード線RWL_1の電圧レベルに応じて切り替わる。他の第3スイッチQ3_2~Q3_nも同様である。
【0024】
第4スイッチQ4_1は、メモリセルM_1と第2書き込みビット線WBL2との間に設けられる。第4スイッチQ4_1のオン状態とオフ状態は、書き込みワード線WWL_1の電圧レベルに応じて切り替わる。他の第4スイッチQ4_2~Q4_nも同様である。
【0025】
充電回路1は、第1読み出しビット線RBL1、第1書き込みビット線WBL1、第2読み出しビット線RBL2、及び第2書き込みビット線WBL2の一部又は全部をチャージするように構成される回路である。
【0026】
ここで、図2に示すように、メモリセルM_nにデータ「0」が書き込まれており、第2書き込みビット線WBL2と第2読み出しビット線RBL2とが短絡している場合について考察する。なお、メモリセルにデータ「0」が書き込まれている場合、メモリセル内のインバータINV1の出力はLOWレベルになり、メモリセル内のインバータINV2の出力はHIGHレベルになる。逆に、メモリセルにデータ「1」が書き込まれている場合、メモリセル内のインバータINV1の出力はHIGHレベルになり、メモリセル内のインバータINV2の出力はLOWレベルになる。
【0027】
図2に示す状態において、メモリセルM_1にデータ「1」を書き込むライト動作とメモリセルM_nからデータ「0」を読み出すリード動作とが同時に行われると、第2書き込みビット線WBL2と第2読み出しビット線RBL2との短絡経路によって、図3に示すようにメモリセルM_nに書き込まれているデータが「0」から「1」に反転する。
【0028】
このメモリセルM_nの出力不良が検出できれば、書き込みビット線と読み出しビット線との短絡が検出できる。
【0029】
図4のタイミングチャートのように、メモリセルM_1にデータ「1」を書き込むライト動作とメモリセルM_nからデータ「0」を読み出すリード動作とのずれが0.4nSであれば、図3に示すようにメモリセルM_nに書き込まれているデータが「0」から「1」に反転する。しかしながら、図5のタイミングチャートのように、メモリセルM_1にデータ「1」を書き込むライト動作とメモリセルM_nからデータ「0」を読み出すリード動作とのずれが0.5nSになれば、メモリセルM_nに書き込まれているデータの反転が再現できない。
【0030】
つまり、ライト動作とリード動作とが僅かにずれると、出力不良が起こらなくなる。したがって、出力不良を頼りに書き込みビット線と読み出しビット線との短絡を検出すると、検出漏れのおそれがあった。
【0031】
また、比較例に係る2port RAM100では、ライト動作又はリード動作を開始するためのクロック入力を待っているスタンバイ時において、図6に示すように、充電回路1は、第1読み出しビット線RBL1、第1書き込みビット線WBL1、第2読み出しビット線RBL2、及び第2書き込みビット線WBL2を充電する。
【0032】
比較例に係る2port RAM100のスタンバイ時において、書き込みビット線と読み出しビット線との短絡を検出する術はなかった。
【0033】
上記の考察に鑑み、以下では、書き込みビット線と読み出しビット線との短絡の検出漏れを抑制することができる新規な実施形態を提案する。
【0034】
<2port RAM(第1実施形態)>
図7は、第1実施形態に係る2port RAMの要部を示す概略図である。なお、図7において、図1と同一の部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0035】
第1実施形態に係る2port RAM101は、第1読み出しビット線RBL1と、第1書き込みビット線WBL1と、第2読み出しビット線RBL2と、第2書き込みビット線WBL2と、を有する。
【0036】
第1実施形態に係る2port RAM101は、n個のメモリセルM_1~M_nと、n本の読み出しワード線RWL_1~RWL_nと、n本の書き込みワード線WWL_1~WWL_nと、n個の第1スイッチQ1_1~Q1_nと、n個の第2スイッチQ2_1~Q2_nと、n個の第3スイッチQ3_1~Q3_nと、n個の第4スイッチQ4_1~Q4_nと、充電回路1と、放電回路2と、を備える。
【0037】
第1読み出しビット線RBL1と第1書き込みビット線WBL1との間の距離L1、及び、第2読み出しビット線RB2と第2書き込みビット線WB2との間の距離L2はそれぞれ、読み出しワード線RWL_k(kは1以上n以下の自然数)と書き込みワード線WWL_kとの間の距離L3より短い。この構成では、書き込みビット線と読み出しビット線との短絡が発生し易いため、当該短絡を確実に検出することが要求される。
【0038】
充電回路1は、短絡検出時(書き込みビット線と読み出しビット線との短絡を検出するとき)に第1及び第2読み出しビット線RBL1及びRBL2と第1及び第2書き込みビット線WBL1及びWBL2との一方をチャージするように構成される。より詳細には、本実施形態では、充電回路1は、スタンバイ時に第1及び第2読み出しビット線RBL1及びRBL2をチャージするように構成される。
【0039】
放電回路2は、短絡検出時に第1及び第2読み出しビット線RBL1及びRBL2と第1及び第2書き込みビット線WBL1及びWBL2との他方をディスチャージするように構成される。より詳細には、本実施形態では、放電回路2は、スタンバイ時に第2書き込みビット線WBL1及びWBL2をディスチャージするように構成される。
【0040】
図8は、第2書き込みビット線WBL2と第2読み出しビット線RBL2とに短絡がある場合であってスタンバイ時の第1実施形態に係る2port RAMの要部を示す概略図である。図8に示すように、放電回路2のディスチャージによって第2書き込みビット線WBL2の電圧がLOWレベルであり、充電回路1のチャージによって第2読み出しビット線RBL2の電圧がHIGHレベルである。このため、第2書き込みビット線WBL2と第2読み出しビット線RBL2との短絡経路に電流が流れる。その結果、書き込みビット線と読み出しビット線との短絡がある場合、書き込みビット線と読み出しビット線との短絡が無い場合に比べて、スタンバイ時の第1実施形態に係る2port RAM101の消費電流が大きくなる。
【0041】
スタンバイ時の第1実施形態に係る2port RAM101の消費電流測定によって書き込みビット線と読み出しビット線との短絡を検出することができるので、ライト動作とリード動作とがシビアに同時に起こるように調整せずとも書き込みビット線と読み出しビット線との短絡を検出することができる。したがって、第1実施形態に係る2port RAM101は、書き込みビット線と読み出しビット線との短絡の検出漏れを抑制することができる。
【0042】
例えば、第1実施形態に係る2port RAM101の出荷前検査において、図9に示す短絡検出システム200を構築するとよい。短絡検出システム200は、第1実施形態に係る2port RAM101と、短絡検出装置300と、を備える。短絡検出装置300は、第1実施形態に係る2port RAM101の電源電圧印加ピンP1及びグラウンド電圧印加ピンP2と接続される。短絡検出装置300は、第1実施形態に係る2port RAM101の電源電圧印加ピンP1に電源電圧を印加し、第1実施形態に係る2port RAM101のグラウンド電圧印加ピンP2にグラウンド電位を印加する。短絡検出装置300は、スタンバイ時の第1実施形態に係る2port RAM101の消費電流を測定し、その測定した消費電流に基づき書き込みビット線と読み出しビット線との短絡を検出する。具体的には、短絡検出装置300は、測定した消費電流が閾値より大きいときに書き込みビット線と読み出しビット線との短絡を検出し、測定した消費電流が閾値以下であるときに書き込みビット線と読み出しビット線との短絡を検出しない。
【0043】
なお、スタンバイ時において、第1スイッチQ1_1~Q1_n、第2スイッチQ2_1~Q2_n、第3スイッチQ3_1~Q3_n、及び第4スイッチQ4_1~Q4_nは、オフ状態である。これにより、スタンバイ時において、書き込みビットと読み出しビット線との短絡経路に電流が流れることで、メモリセルに書き込まれているデータが反転することを防止することができる。
【0044】
また、第1実施形態に係る2port RAM101では、スタンバイ時に第1及び第2読み出しビット線RBL1及びRBL2がチャージされるので、スタンバイ時からリード動作に遷移したときにメモリセルからデータを読み易くなる。
【0045】
<2port RAM(第2実施形態)>
第2実施形態に係る2port RAM102の要部を示す概略図は、第1実施形態に係る2port RAM101の要部を示す概略図と同一である(図7参照)。
【0046】
第2実施形態に係る2port RAM102は、テストモードを有する。
【0047】
充電回路1は、短絡検出時(書き込みビット線と読み出しビット線との短絡を検出するとき)に第1及び第2読み出しビット線RBL1及びRBL2と第1及び第2書き込みビット線WBL1及びWBL2との一方をチャージするように構成される。より詳細には、本実施形態では、充電回路1は、テストモード時に第2書き込みビット線WBL1及びWBL2をチャージするように構成される。
【0048】
放電回路2は、短絡検出時に第1及び第2読み出しビット線RBL1及びRBL2と第1及び第2書き込みビット線WBL1及びWBL2との他方をディスチャージするように構成される。より詳細には、本実施形態では、放電回路2は、テストモード時に第1及び第2読み出しビット線RBL1及びRBL2をディスチャージするように構成される。
【0049】
図10は、第2書き込みビット線WBL2と第2読み出しビット線RBL2とに短絡がある場合であってテストモード時の第2実施形態に係る2port RAMの要部を示す概略図である。図10に示すように、充電回路1のチャージによって第2書き込みビット線WBL2の電圧がHIGHレベルであり、放電回路2のディスチャージによって第2読み出しビット線RBL2の電圧がLOWレベルである。このため、第2書き込みビット線WBL2と第2読み出しビット線RBL2との短絡経路に電流が流れる。その結果、書き込みビット線と読み出しビット線との短絡がある場合、書き込みビット線と読み出しビット線との短絡が無い場合に比べて、テストモード時の第2実施形態に係る2port RAM102の消費電流が大きくなる。
【0050】
テストモードはスタンバイ時とは別個に設けられるため、本実施形態のようにテストモードにおいて第1及び第2読み出しビット線RBL1及びRBL2がディスチャージされても、スタンバイ時からリード動作に遷移したときにメモリセルからデータを読み出し難くなるという不具合は起きない。
【0051】
本実施形態では、例えばスタンバイ時において、第1及び第2読み出しビット線RBL1及びRBL2と第1及び第2書き込みビット線WBL1及びWBL2との両方が充電回路1によってチャージされるようにすればよい。これにより、スタンバイ時からリード動作に遷移したときにメモリセルからデータを読み出し易くなる。
【0052】
なお、本実施形態の変形例としては、充電回路1が、テストモード時に第1及び第2読み出しビット線RBL1及びRBL2をチャージするように構成され、放電回路2が、テストモード時に第2書き込みビット線WBL1及びWBL2をディスチャージするように構成されてもよい。
【0053】
<その他>
発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【0054】
例えば、上記各実施形態に係るRAMは、入力専用ポート及び出力専用ポートを有する2port RAMであったが、2port RAMの代わりに、互いに独立した第1入出力ポート及び第2入出力ポートを有するDual port RAMが用いられてもよい。
【0055】
以上説明したRAM(101、102)は、第1読み出しビット線(RBL1)と、第1書き込みビット線(WBL1)と、第2読み出しビット線(RBL2)と、第2書き込みビット線(WBL2)と、短絡検出時に前記第1及び第2読み出しビット線と前記第1及び第2書き込みビット線との一方をチャージするように構成された充電回路(1)と、前記短絡検出時に前記第1及び第2読み出しビット線と前記第1及び第2書き込みビット線との他方をディスチャージするように構成された放電回路(2)と、を有する構成(第1の構成)である。
【0056】
上記第1の構成のRAMは、書き込みビット線と読み出しビット線との短絡の検出漏れを抑制することができる。
【0057】
上記第1の構成のRAMにおいて、メモリセル(M_1~M_n)と、前記メモリセルと前記第1読み出しビット線との間に設けられる第1スイッチ(Q1_1~Q1_n)と、前記メモリセルと前記第1書き込みビット線との間に設けられる第2スイッチ(Q2_1~Q2_n)と、前記メモリセルと前記第2読み出しビット線との間に設けられる第3スイッチ(Q3_1~Q3_n)と、前記メモリセルと前記第2書き込みビット線との間に設けられる第4スイッチ(Q4_1~Q4_n)と、を有し、前記短絡検出時に前記第1~第4スイッチはオフ状態である構成(第2の構成)であってもよい。
【0058】
上記第2の構成のRAMは、短絡検出時において、書き込みビットと読み出しビット線との短絡経路に電流が流れることで、メモリセルに書き込まれているデータが反転することを防止することができる。
【0059】
上記第1又は第2の構成のRAMにおいて、前記短絡検出時はスタンバイ時であり、前記充電回路は、前記短絡検出時に前記第1及び第2読み出しビット線をチャージするように構成され、前記放電回路は、前記短絡検出時に前記第1及び第2書き込みビット線をディスチャージするように構成される構成(第3の構成)であってもよい。
【0060】
上記第3の構成のRAMでは、スタンバイ時に第1及び第2読み出しビット線がチャージされるので、スタンバイ時からリード動作に遷移したときにメモリセルからデータを読み出し易くなる。
【0061】
上記第1~第3いずれかの構成のRAMにおいて、読み出しワード線と、書き込みワード線と、を有し、前記第1読み出しビット線と前記第1書き込みビット線との間の距離、及び、前記第2読み出しビット線と前記第2書き込みビット線との間の距離はそれぞれ、前記読み出しワード線と前記書き込みワード線との間の距離より短い構成(第4の構成)であってもよい。
【0062】
上記第4の構成のRAMは、書き込みビット線と読み出しビット線との短絡が発生し易いので、書き込みビット線と読み出しビット線との短絡の検出漏れを抑制することがより一層効果的となる。
【0063】
以上説明した短絡検出システム(200)は、上記第1~第3いずれかの構成のRAMと、前記RAMの消費電流に基づき前記短絡検出を行うように構成された短絡検出装置(300)と、を有する構成(第5の構成)である。
【0064】
上記第5の構成の短絡検出システムでは、RAMの書き込みビット線とRAMの読み出しビット線との短絡の検出漏れを抑制することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 充電回路
2 放電回路
100 比較例に係る2port RAM
101 第1実施形態に係る2port RAM
102 第2実施形態に係る2port RAM
200 短絡検出システム
300 短絡検出装置
INV1、INV2 インバータ
M_1~M_n メモリセル
P1 電源電圧印加ピン
P2 グラウンド電圧印加ピン
Q1_1~Q1_n 第1スイッチ
Q2_1~Q2_n 第2スイッチ
Q3_1~Q3_n 第3スイッチ
Q4_1~Q4_n 第4スイッチ
RBL1、RBL2 第1読み出しビット線、第2読み出しビット線
RWL_1~RWL_n 読み出しワード線
WBL1、WBL2 第1書き込みビット線、第2書き込みビット線
WWL_1~WWL_n 書き込みワード線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10