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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054562
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】管理システム、及び管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20240410BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20240410BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06Q30/06 332
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160858
(22)【出願日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】後藤 良太
(72)【発明者】
【氏名】滝本 秀明
(72)【発明者】
【氏名】内田 篤
(72)【発明者】
【氏名】嶋 厚寛
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB58
5L049BB58
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】対象物を効率的に管理することが可能となる管理システム、及び管理プログラムを提供する事を目的とする。
【解決手段】対象物を管理するための情報処理システム100であって、対象物を管理するための管理オブジェクトであり、オブジェクト表示画面に表示される管理オブジェクトを示す管理オブジェクト関連情報が格納されている管理オブジェクト関連情報DB222と、管理オブジェクト関連情報DB222の管理オブジェクト関連情報に基づいて、管理オブジェクトをオブジェクト表示画面に表示する管理部231と、を備え、オブジェクト表示画面は、仮想三次元空間上における対象物に関する情報を表示する画面であり、オブジェクト表示画面には、少なくとも、対象物を示す対象物オブジェクトが表示されており、管理部231は、対象物オブジェクトの周辺に管理オブジェクトを表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を管理するための管理システムであって、
前記対象物を管理するための管理オブジェクトであり、管理画面に表示される前記管理オブジェクトを示す管理オブジェクト関連情報が格納されている格納手段と、
前記格納手段の前記管理オブジェクト関連情報に基づいて、前記管理オブジェクトを前記管理画面に表示する管理手段と、を備え、
前記管理画面は、仮想三次元空間上における前記対象物に関する情報を表示する画面であり、
前記管理画面には、少なくとも、前記対象物を示す対象物オブジェクトが表示されており、
前記管理手段は、前記対象物オブジェクトの周辺に前記管理オブジェクトを表示する、
管理システム。
【請求項2】
前記管理手段は、前記管理オブジェクトに対して、前記対象物を管理するための管理情報を関連付ける処理、を行う、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記格納手段には、前記対象物を管理するための管理情報が、前記管理オブジェクト関連情報と関連付けられて格納されており、
前記管理手段は、前記格納手段の前記管理情報に基づいて、前記管理オブジェクトの表示態様を特定し、特定した表示態様にて前記管理オブジェクトを表示する、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項4】
前記管理情報は、前記対象物に関する発注を管理するための情報である、
請求項2又は3に記載の管理システム。
【請求項5】
前記対象物は複数存在し、
前記対象物オブジェクトは、複数の前記対象物を示す複数のオブジェクトであり、
前記管理オブジェクトは、ユーザによって指定された複数の前記対象物をまとめて管理するための1個のみのオブジェクトである、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項6】
前記格納手段には、仮想三次元空間上における前記管理オブジェクトの位置を示す管理オブジェクト位置情報が格納されており、
前記管理オブジェクト位置情報は、仮想三次元空間上における前記管理オブジェクトの位置に対応する実三次元空間上の位置を特定可能な情報であり、
実三次元空間上での前記対象物の設置位置を示す対象物設置位置情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記対象物設置位置情報と、前記格納手段の前記管理オブジェクト位置情報とに基づいて、前記対象物の設置位置の正誤を判定する判定手段と、を更に備える、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項7】
対象物を管理するための管理プログラムであって、
コンピュータを、
前記対象物を管理するための管理オブジェクトであり、管理画面に表示される前記管理オブジェクトを示す管理オブジェクト関連情報が格納されている格納手段と、
前記格納手段の前記管理オブジェクト関連情報に基づいて、前記管理オブジェクトを前記管理画面に表示する管理手段と、として機能させ、
前記管理画面は、仮想三次元空間上における前記対象物に関する情報を表示する画面であり、
前記管理画面には、少なくとも、前記対象物を示す対象物オブジェクトが表示されており、
前記管理手段は、前記対象物オブジェクトの周辺に前記管理オブジェクトを表示する、
管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム、及び管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば建物の対象物(例えば「柱」等)を示す対象物オブジェクト(例えば「柱」のオブジェクト等)に対して、対象物に関する情報を関連付けて当該対象物を管理する技術が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-164681
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術においては、例えば建物の構成に基づいて定められる対象物オブジェクト自体を用いて対象物を管理する必要があるという制限があり、当該制限にとらわれずに対象物を効率的に管理する技術が要望されていた。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みなされたもので、対象物を効率的に管理することが可能となる管理システム、及び管理プログラムを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の管理システムは、対象物を管理するための管理システムであって、前記対象物を管理するための管理オブジェクトであり、管理画面に表示される前記管理オブジェクトを示す管理オブジェクト関連情報が格納されている格納手段と、前記格納手段の前記管理オブジェクト関連情報に基づいて、前記管理オブジェクトを前記管理画面に表示する管理手段と、を備え、前記管理画面は、仮想三次元空間上における前記対象物に関する情報を表示する画面であり、前記管理画面には、少なくとも、前記対象物を示す対象物オブジェクトが表示されており、前記管理手段は、前記対象物オブジェクトの周辺に前記管理オブジェクトを表示する。
【0007】
請求項2に記載の管理システムは、請求項1に記載の管理システムにおいて、前記管理手段は、前記管理オブジェクトに対して、前記対象物を管理するための管理情報を関連付ける処理、を行う。
【0008】
請求項3に記載の管理システムは、請求項1に記載の管理システムにおいて、前記格納手段には、前記対象物を管理するための管理情報が、前記管理オブジェクト関連情報と関連付けられて格納されており、前記管理手段は、前記格納手段の前記管理情報に基づいて、前記管理オブジェクトの表示態様を特定し、特定した表示態様にて前記管理オブジェクトを表示する。
【0009】
請求項4に記載の管理システムは、請求項2又は3に記載の管理システムにおいて、前記管理情報は、前記対象物に関する発注を管理するための情報である。
【0010】
請求項5に記載の管理システムは、請求項1に記載の管理システムにおいて、前記対象物は複数存在し、前記対象物オブジェクトは、複数の前記対象物を示す複数のオブジェクトであり、前記管理オブジェクトは、ユーザによって指定された複数の前記対象物をまとめて管理するための1個のみのオブジェクトである。
【0011】
請求項6に記載の管理システムは、請求項1に記載の管理システムにおいて、前記格納手段には、仮想三次元空間上における前記管理オブジェクトの位置を示す管理オブジェクト位置情報が格納されており、前記管理オブジェクト位置情報は、仮想三次元空間上における前記管理オブジェクトの位置に対応する実三次元空間上の位置を特定可能な情報であり、実三次元空間上での前記対象物の設置位置を示す対象物設置位置情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記対象物設置位置情報と、前記格納手段の前記管理オブジェクト位置情報とに基づいて、前記対象物の設置位置の正誤を判定する判定手段と、を更に備える。
【0012】
請求項7に記載の管理プログラムは、対象物を管理するための管理プログラムであって、コンピュータを、前記対象物を管理するための管理オブジェクトであり、管理画面に表示される前記管理オブジェクトを示す管理オブジェクト関連情報が格納されている格納手段と、前記格納手段の前記管理オブジェクト関連情報に基づいて、前記管理オブジェクトを前記管理画面に表示する管理手段と、として機能させ、前記管理画面は、仮想三次元空間上における前記対象物に関する情報を表示する画面であり、前記管理画面には、少なくとも、前記対象物を示す対象物オブジェクトが表示されており、前記管理手段は、前記対象物オブジェクトの周辺に前記管理オブジェクトを表示する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の管理システム、及び請求項7に記載の管理プログラムによれば、対象物オブジェクトの周辺に、対象物を管理するための管理オブジェクトを表示することにより、例えば、対象物オブジェクトとは別のオブジェクトである管理オブジェクトを用いて対象物を管理することができるので、対象物オブジェクトを用いて対象物を管理する必要があるという制限にとらわれず、管理オブジェクトにて対象物を効率的に管理することが可能となる。
【0014】
請求項2に記載の管理システムによれば、管理オブジェクトに対して管理情報を関連付けることにより、例えば、対象物を効率的に管理することが可能となる。
【0015】
請求項3に記載の管理システムによれば、管理情報に基づいて管理オブジェクトの表示態様を特定し、特定した表示態様にて管理オブジェクトを表示することにより、例えば、管理情報に基づいて管理オブジェクトへのユーザの注意を喚起することが可能となる。
【0016】
請求項4に記載の管理システムによれば、管理情報は対象物に関する発注を管理するための情報であることにより、例えば、対象物に関する発注を効率的に管理することが可能となる。
【0017】
請求項5に記載の管理システムによれば、管理オブジェクトは、ユーザによって指定された複数の対象物をまとめて管理するための1個のみのオブジェクトであることにより、例えば、管理オブジェクトを用いて、複数の対象物をまとめて効率的に管理することが可能となる。
【0018】
請求項6に記載の管理システムによれば、取得手段が取得した対象物設置位置情報と、格納手段の前記管理オブジェクト位置情報とに基づいて、対象物の設置位置の正誤を判定することにより、例えば、対象物の設置位置を効率的に管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施の形態に係る情報処理システムを機能概念的に示すブロック図である。
図2】三次元建物関連情報を例示した図である。
図3】仮想三次元空間の説明図である。
図4】管理オブジェクト関連情報を例示した図である。
図5】オブジェクト表示画面の表示例である。
図6図5の一部の拡大図である。
図7】発注関連情報を例示した図である。
図8】表示態様関連情報を例示した図である。
図9】情報表示処理のフローチャートである。
図10】関連付け情報を例示した図である。
図11】実三次元空間を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る管理システム、及び管理プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、管理システム及び管理プログラムに関する。本発明に係る管理システムは、対象物を管理するためのシステムである。
【0022】
「対象物」とは、管理システムによって管理される対象となる物であり、例えば、建設予定、建設中、又は建設済の建物に関連する物、及び、建物以外の任意の物に関連する物等を含む概念である。「対象物」とは、例えば、建物に設けられる免震ダンパー、扉、及びカーテンウォール等を含む概念であり、また、機械系の製作物、あるいは、プラント機器等を含む概念である。
【0023】
そして、以下の実施の形態においては、「対象物」が建物に関連する物である場合について説明する。
【0024】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0025】
(構成)
まず、図1は、本実施の形態に係る情報処理システムを機能概念的に示すブロック図である。
【0026】
図1の情報処理システム100は、管理システムであり、例えば、端末装置1、及びサーバ装置2を備え、これらの各装置が相互に通信可能となっている。
【0027】
(構成‐端末装置)
図1の端末装置1は、ユーザによって携帯される装置であり、例えば、タブレット端末又はスマートフォンであり、一例としては、通信部11、タッチパッド12、ディスプレイ13、記録部14、及び制御部15を備える。
【0028】
なお、端末装置1としては、例えば、パーソナルコンピュータ等の他の端末装置を用いることもできる。また、端末装置1の個数は任意であるが、本実施の形態では、図1に図示されているものを引用して説明する。
【0029】
通信部11は、外部機器(例えば、サーバ装置2)との間で通信を行う通信手段である。タッチパッド12は、ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。ディスプレイ13は、各種の情報を表示する情報表示手段であり、例えば、上記のタッチパッド12と当該ディスプレイ13とがタッチパネルとして一体形成されている。記録部14は、プログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。制御部15は、端末装置1を制御する制御手段であり、例えば、CPU、RAM、及びROM等の内部メモリ等を用いて構成されている。
【0030】
(構成‐サーバ装置)
サーバ装置2は、例えば、通信部21、記録部22、及び制御部23を備える。
【0031】
(構成‐サーバ装置‐通信部)
図1の通信部21は、外部機器(例えば、端末装置1)との間で通信を行う通信手段である。
【0032】
(構成‐サーバ装置-記録部)
図1の記録部22は、サーバ装置2の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。この記録部22は、例えば、三次元建物関連情報データベース221(以下、データベースを「DB」と称する)、管理オブジェクト関連情報DB222、発注関連情報DB223、及び表示態様関連情報DB224を備える。
【0033】
(構成‐サーバ装置-記録部-三次元建物関連情報DB)
図1の三次元建物関連情報DB221は、三次元建物関連情報を格納する格納手段である。
【0034】
図2は、三次元建物関連情報を例示した図であり、また、図3は、仮想三次元空間の説明図である。なお、図2では、本実施の形態の説明で用いる情報以外は具体的な情報の表示は省略して「…」と図示されている。
【0035】
===三次元空間===
「仮想三次元空間」とは、実三次元空間に対応する仮想的な三次元空間であり、例えば、図2に示す相互に直交する3軸(X軸(水平方向)、Y軸(水平方向)、及びZ軸(垂直方向))によって定義される空間である。
【0036】
「仮想三次元空間」とは、例えば、BIM(Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング))又はCIM(Construction Information Modeling(コンストラクション インフォメーション モデリング))等の三次元CADに関する技術又は概念を用いて定義される各種オブジェクトが設けられる空間を示す概念である。
【0037】
「実三次元空間」とは、実際の三次元空間を示す概念であり、例えば、実際の建物の建設される空間又は建設された建物内の空間等の任意の実施の空間を示す概念であり、例えば、仮想三次元空間の3軸に対応する軸にて位置又は方向等を特定可能な空間である。
【0038】
本実施の形態では、例えば、任意の基準に基づいて実三次元空間と仮想三次元空間とが相互に関連付けられており、仮想三次元空間上の位置から対応する実三次元空間上の位置を特定したり、又は逆に、実三次元空間上の位置から対応する仮想三次元空間上の位置を特定したりすることが可能となるように仮想三次元空間が定義されている場合を例示して説明する。
【0039】
===三次元建物関連情報===
「三次元建物関連情報」は、対象物オブジェクトに関する情報であり、例えば、図2に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。
【0040】
図2の「対象物オブジェクトID」は、対象物オブジェクトを一意に識別するための対象物オブジェクト識別情報(以下、「識別情報」を「ID」とも称する)である。
【0041】
「対象物オブジェクト」とは、対象物を示す三次元オブジェクトであり、例えば、図3の対象物オブジェクトG11~G13等を含む概念である。図3の対象物オブジェクトG11、G12は、建物に設けられる免震ダンパー(対象物)を示す三次元オブジェクトである。また、対象物オブジェクトG13は、建物に設けられる壁(対象物)を示す三次元オブジェクトである。なお、図3では、対象物オブジェクトG11、G12の形状は簡略的に図示されているが、建物に実際に設けられる免震ダンパーの形状と同様な形状としてもよいし、あるいは、一部が簡略表示された形状としてもよい(他の対象物オブジェクトも同様とする)。
【0042】
図2では、対象物オブジェクトIDとして、図3の対象物オブジェクトG11、G12、G13等を識別する「IDa0001」、「IDa0002」、及び「IDa0003」等が図示されている。なお、図2の三次元建物関連情報においては、実際には、建物を構成するあらゆる対象物(例えば、床、階段、天井、柱、窓等)の対象物オブジェクトに関する情報が格納されているが、本実施の形態では、一部の対象物オブジェクトのみに着目して説明する。
【0043】
図2の「名称情報」は、対象物オブジェクトが示す対象物の名称又は種類を示す情報である(図2では、「免震ダンパー」等)。図2の「形状情報」は、対象物オブジェクトの形状を示す形状情報である(図2では、便宜上の記載であり、「Df0001」等)。なお、ここでの「形状」とは、外形及びサイズを含む概念を示すこととする。
【0044】
図2の「位置方向情報」は、対象物オブジェクトの仮想三次元空間上の設置位置及び設置方向を示す情報である(図では、便宜上の記載であり、「Dp0001」等)。なお、位置方向情報については、前述の3軸を基準とした情報(座標又は方向等)を用いてもよい。
【0045】
そして、このような図2の三次元建物関連情報の最上段の情報については、例えば、「IDa0001」が識別する図3の対象物オブジェクトG11が示す対象物の名称又は種類が「免震ダンパー」であることが示されており、また、対象物オブジェクトG11の形状が「Df0001」が示す形状であることが示されており、また、対象物オブジェクトG11の設置位置及び設置方向が「Dp0001」が示す位置及び方向であることが示されている。
【0046】
なお、このような三次元建物関連情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、建物の設計時に建設予定の建物を示す三次元建物関連情報に対応する情報が予め設計者等により生成されており、当該生成された情報をサーバ装置2に入力(例えば、各種データベースから取得して入力、又は、メモリスティック等の各種記録媒体を介して入力)することにより、格納されてるととしてもよい。
【0047】
(構成‐サーバ装置-記録部-管理オブジェクト関連情報DB)
図1の管理オブジェクト関連情報DB222は、管理オブジェクト関連情報を格納する格納手段である。
【0048】
図4は、管理オブジェクト関連情報を例示した図であり、また、図5は、オブジェクト表示画面の表示例であり、また、図6は、図5の一部の拡大図である。
【0049】
===オブジェクト表示画面===
図5の「オブジェクト表示画面」は、少なくとも対象物オブジェクトが表示される管理画面であり、例えば、対象物オブジェクトに加えて管理オブジェクトが表示される画面である。オブジェクト表示画面は、例えば、仮想三次元空間上における対象物に関する情報を表示する画面であり、一例としては、対象物を管理するための各種情報(仮想三次元空間上の情報(各オブジェクト等)及び他の情報を含む)が表示される画面である。また、このオブジェクト表示画面については、例えば、三次元CADに関する技術を含む公知の技術を用いて実現可能であり、ユーザの操作により、視点を変更して表示範囲又は表示角度等を変更したり、拡大表示又は縮小表示等したりすることが可能となるように構成されている。
【0050】
===管理オブジェクト関連情報===
「管理オブジェクト関連情報」は、管理オブジェクトに関する情報であり、具体的には、オブジェクト表示画面に表示される管理オブジェクトを示す情報であり、例えば、図4に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。
【0051】
図4の「管理オブジェクトID」は、管理オブジェクトを一意に識別するための管理オブジェクトIDである。
【0052】
「管理オブジェクト」とは、対象物を管理するための三次元オブジェクトであり、オブジェクト表示画面に表示されるオブジェクトであり、例えば、対象物に関する各種情報が関連付けられるオブジェクト等を示す概念である。管理オブジェクトとは、例えば、図3の管理オブジェクトD11~D13等を含む概念である。図3の管理オブジェクトD11、D12は、当該管理オブジェクトD11、12の周辺に設置されている対象物オブジェクトG11、G12が示す各免震ダンパーを管理するための三次元オブジェクトである。また、管理オブジェクトD13は、当該管理オブジェクトD13の周辺に設置されている対象物オブジェクトG13が示す壁を管理するための三次元オブジェクトである。
【0053】
図4では、管理オブジェクトIDとして、図3の管理オブジェクトD11を識別する「IDa9001」等が図示されている。
【0054】
図4の「名称情報」は、管理オブジェクトが管理する対象物の名称又は種類を示す情報である(図4では、「ダンパー」等)。図4の「形状情報」は、管理オブジェクトの形状を示す形状情報である(図4では、便宜上の記載であり、「Df9001」等)。なお、本実施の形態では、各管理オブジェクトは相互に同一形状及び同一サイズであり、平面視でいわゆる小判形状(又は略楕円形状)となっているが、この形状に限らず、相互に異なる形状としてもよいし、小判形状以外の任意の形状としてもよい。なお、ここでの「形状」とは、外形及びサイズを含む概念を示すこととする。
【0055】
図4の「位置方向情報」は、管理オブジェクトの仮想三次元空間上の設置位置及び設置方向を示す情報である(図では、便宜上の記載であり、「Dp9001」等)。なお、位置方向情報については、前述の3軸を基準とした情報(座標又は方向等)を用いてもよい。また、この位置方向情報は、図5のオブジェクト表示画面内における管理オブジェクトの表示位置を示す情報となる。
【0056】
そして、このような図4の管理オブジェクト関連情報の最上段の情報については、例えば、「IDa9001」が識別する図3等の管理オブジェクトD11が管理する対象となる対象物の名称又は種類が「ダンパー」であることが示されており、また、管理オブジェクトD11の形状が「Df9001」が示す形状であることが示されており、また、管理オブジェクトD11の設置位置及び設置方向が「Dp9001」が示す位置及び方向であることが示されている。
【0057】
なお、このような管理オブジェクト情報の具体的な格納手法は任意であるが、概略的には、例えば、管理者等のユーザが、サーバ装置2に対して情報を入力することにより、当該情報に基づいて格納されることとしてもよい。
【0058】
具体的には、図4の管理オブジェクトIDについては、サーバ装置2が一意となる情報を生成して格納することとしてもよい。また、図4の名称情報については、ユーザが情報を入力し、当該情報が格納されることとしてもよい。また、図4の形状情報については、管理オブジェクトとして相互に同一形状及び同一サイズのものを用いる場合、予めユーザによって定められた共通の情報を格納することとしてもよい。
【0059】
また、図4の位置方向情報については、ユーザが、自己の端末装置1を介してサーバ装置2にアクセスし、図2の三次元建物関連情報が示す仮想三次元空間上の対象物オブジェクトを端末装置1のディスプレイ13に表示し、当該対象物オブジェクトの周辺位置を指定する操作(例えば、ディスプレイ13に表示される仮想空間上の位置をタップして指定する操作等)及び対象物オブジェクトの設置方向を指定する操作を、タッチパッド12を介して行うことにより、各操作により指定された位置及び方向を示す位置方向情報をサーバ装置2に入力し、サーバ装置2が当該入力された位置方向情報を格納することとしてもよい。
【0060】
ここでは、例えば、ユーザが、図3の対象物オブジェクトG11の周辺位置として管理オブジェクトD11が図示されている位置に対応する位置を指定し、且つ、図3に示す表示方向を指定する操作を行い、名称情報としての「ダンパー」を入力する操作を行った場合、サーバ装置2は、図4の最上段の情報を格納することになる。
【0061】
なお、実際には、ユーザが端末装置1側で各種操作又は情報入力を行った場合、端末装置1とサーバ装置2との間で、前述の各種操作又は情報入力に関する通信が行われることになるが、この端末装置1とサーバ装置2との間の通信としては、公知の通信を適用することができるので、当該通信の詳細の説明は省略する(本願における他の箇所での通信の説明も同様とする)。
【0062】
(構成‐サーバ装置-記録部-発注関連情報DB)
図1の発注関連情報DB223は、発注関連情報を格納する格納手段である。図7は、発注関連情報を例示した図である。
【0063】
「発注関連情報」は、対象物を管理するための管理情報であり、具体的には、管理オブジェクトに関連付けられる情報である。発注関連情報は、例えば、対象物に関する発注を管理するための情報であり、一例としては、対象物を建物に設置又は施工等するために発注が必要となる発注物(対象物自体(対象物の一部又は全部を含む)、及び、対象物を施工するために必要となる他の物等を含む)についての発注を管理するための情報である。発注関連情報は、例えば、図7に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。
【0064】
図7の「関連管理オブジェクトID」は、発注関連情報が関連付けられている管理オブジェクトを示す関連管理オブジェクトIDである(図7では、図3の管理オブジェクトD11を示す「IDa9001」等)。
【0065】
図7の「発注物情報」は、発注物(つまり、対象物を建物に設置又は施工等するために発注が必要となる物)を示す情報である(図7では、発注物の名称であり「ダンパー装置」等)。
【0066】
図7の「発注情報」は、発注物の発注に関する各種情報であり、例えば、発注の担当者を示す「発注担当者」(図7では、便宜上の記載であり「AA」等)、発注を行う予定の日付を示す「発注予定日」(図7では、2021年8月1日を示す「20210801」等)、実際に発注を行った日付を示す「発注日」(図7では、2021年8月2日を示す「20210802」等)、発注物が発注者側(つまり、発注物を発注した者側)に納品される予定の日付を示す「納品予定日」(図7では、2021年9月30日を示す「20210930」等)、及び発注物が発注者側に実際に納品された日付を示す「納品日」(図7では、2021年9月19日を示す「20210919」等)を含む概念である。なお、この発注情報については、例えば、発注物の発注に関する各種情報(一例としては、発注に関する一連のタスクに関する情報等)が含まれるものと解釈してもよく、図7に例示した情報に限らず、他の情報が含まれることと解釈してもよい。
【0067】
そして、このような図7の発注関連情報の最上段の情報については、例えば、最上段に示す各情報を含む発注関連情報が「IDa9001」が識別する管理オブジェクト(図3の管理オブジェクトD11)に関連付けられていることが示されており、また、発注物が「ダンパー装置」であることが示されており、また、当該「ダンパー装置」の発注担当者が「AA」であることが示されており、また、当該ダンパー装置の発注予定日、発注日、納品予定日、及び納品日が図7に図示されている情報が示す各日付であること等が示されている。
【0068】
なお、このような発注関連情報は、後述の発注関連情報格納処理を行うことにより格納される。
【0069】
(構成‐サーバ装置-記録部-表示態様関連情報DB)
図1の表示態様関連情報DB224は、表示態様関連情報を格納する格納手段である。図8は、表示態様関連情報を例示した図である。
【0070】
「表示態様関連情報」は、管理オブジェクトの表示態様を特定するための情報であり、具体的には、発注関連情報に基づいて表示態様を特定するための情報であり、例えば、図8に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。
【0071】
「表示態様」とは、表示のあり様であり、例えば、表示色、表示サイズ(拡大表示)、及び表示状態(点滅表示)等を含む概念であるが、本実施の形態では、「表示態様」が「表示色」を示す場合について説明する。
【0072】
図8の「条件情報」は、表示態様を特定するための条件を示す情報である。図8では、
図7の発注関連情報の発注情報における発注日が2021年8月5日以前であることを示す「発注日が2021年8月5日以前」、発注情報の発注担当者が「AA」であることを示す「発注担当者がAA」、及び発注情報の納品予定日が2021年9月20日以降であることを示す「納品予定日が2021年9月20日以降」等が例示されている。
【0073】
図8の「優先度情報」は、関連付けられている条件(詳細には、当該条件に関連付けられている表示色)が優先される度合いである優先度を示す情報である。図8では、優先度を「1」~「3」等の数値で示しており、小さい値の数値程優先度が高いことを示している。すなわち、例えば、図8の最上段の「優先度情報」=「1」の条件の優先度が最も高いこと等が示されている。
【0074】
図8の「表示色情報」は、管理オブジェクトの表示色を示す情報である(図8では、強調表示するための色であり例えば「赤色」、「橙色」、及び「黄色」等)。
【0075】
そして、このような図8の表示態様関連情報については、例えば、発注日が「2021年8月5日以前」となっている図7の発注関連情報が関連付けられている管理オブジェクトの表示色として「赤色」を特定し、また、発注担当者が「AA」となっている発注関連情報が関連付けられている管理オブジェクトの表示色として「橙色」を特定し、また、納品予定日が「2021年9月20日以降」となっている発注関連情報が関連付けられている管理オブジェクトの表示色として「黄色」を特定すること等が示されている。また、これらの内の複数の条件の該当した場合、数値の値がより小さい優先度情報となっている条件情報が示す条件に対応する表示色を特定することが示されている。すなわち、例えば、図8の全てに該当した場合、「優先度情報」=「1」の「表示色情報」=「赤色」が示す「赤色」を管理オブジェクトの表示色として特定すること等が示されている。
【0076】
なお、このような管理オブジェクト情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、管理者等のユーザが、サーバ装置2に対して情報を入力することにより、当該情報に基づいて格納されることとしてもよい。
【0077】
(構成‐サーバ装置-制御部)
図1の制御部23は、サーバ装置2を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(他の装置の制御部も同様にして構成されていることとする)。
【0078】
制御部23は、機能概念的には、例えば、管理部231を備える。管理部231は、管理オブジェクト関連情報DDB222の管理オブジェクト関連情報に基づいて、管理オブジェクトをオブジェクト表示画面(管理画面)に表示する管理手段であり、具体的には、対象物オブジェクトの周辺に管理オブジェクトを表示する。また、管理部231は、例えば、管理オブジェクトに対して、対象物を管理するための管理情報を関連付ける処理を行う。また、管理部231は、例えば、発注関連情報DB223の発注関連情報に基づいて、管理オブジェクトの表示態様を特定し、特定した表示態様にて管理オブジェクトを表示する。なお、この制御部23の各部によって行われる処理については、後述する。
【0079】
(処理)
次に、本実施の形態に係る情報処理システム100によって実行される発注関連情報格納処理、及び情報表示処理について説明する。
【0080】
(処理-発注関連情報格納処理)
まず、発注関連情報格納処理について説明する。「発注関連情報格納処理」は、図7の発注関連情報を格納する処理であり、概略的には、サーバ装置2の管理部231によって実行される処理である。発注関連情報格納処理は、管理オブジェクトに対して、対象物を管理するための管理情報を関連付ける処理であり、例えば、後述の第1ステップ~第3ステップを含む処理である。
【0081】
===第1ステップ===
第1ステップでは、管理者等のユーザが、自己の端末装置1を介してサーバ装置2にアクセスし、図2の三次元建物関連情報が示す仮想三次元空間上の対象物オブジェクト及び図4の管理オブジェクト関連情報が示す仮想三次元空間上の管理オブジェクトを、端末装置1のディスプレイ13に表示し、タッチパッド12を介して、発注関連情報を関連付ける対象となる管理オブジェクトをタップして選択して、管理オブジェクトに管理される対象となる対象物に関する発注物を示す情報をサーバ装置2に入力する。
【0082】
ここでは、例えば、図3に図示されている各オブジェクトがディスプレイ13に表示されることとし、ユーザが、管理オブジェクトD11をタップして選択した上で、管理オブジェクトD11に管理される対象物である「免震ダンパー」に関する発注物を示す情報として「ダンパー装置」をサーバ装置2に入力する。
【0083】
===第2ステップ===
第2ステップでは、サーバ装置2の管理部231は、図4の管理オブジェクト関連情報を参照して、第1ステップでユーザに選択された管理オブジェクトを識別する管理オブジェクトIDを特定し、また、サーバ装置2に入力された発注物を示す情報を取得する。次に、特定した管理オブジェクトID及び取得した発注物を示す情報を、図7の関連管理オブジェクトID及び発注物情報として格納する。
【0084】
ここでは、例えば、第1ステップで図3の管理オブジェクトD11が選択されたので、図4の管理オブジェクト関連情報を参照して、管理オブジェクトIDとして「IDa9001」を特定し、また、発注物を示す情報として「ダンパー装置」を取得した上で、図7の関連管理オブジェクトID及び発注物情報として、「IDa9001」及び「ダンパー装置」を格納する。
【0085】
===第3ステップ===
第3ステップでは、第2ステップで格納した図7の「関連オブジェクトID」に関連付けられる「発注情報」を、各ユーザからの入力情報に基づいて格納する。具体的には任意であるが、例えば、あらゆるユーザが容易に情報入力可能となるように、所定の情報入力用ユーザインターフェース(以下、「情報入力用UI」)を予め生成し、当該情報入力用UIを介してユーザに図7の発注情報を示す情報をサーバ装置2に入力させ、入力された情報に基づいて、発注情報を格納するように構成してもよい。
【0086】
ここでは、例えば、各管理オブジェクトに関連付けられる情報を入力させるための情報入力用UIとして、図7の「発注情報」の欄に示す各項目名(「発注担当者」、「発注予定日」等)の表示と、当該項目名に対応する情報を入力させるための入力欄とを有する表形式のユーザインターフェースを利用する場合について説明する。なお、このユーザインターフェースには、入力するユーザが発注物を確認できるように、第2ステップで格納した発注物情報である「ダンパー装置」等も表の1個の項目として表示されていることとする。
【0087】
ユーザは、自己の端末装置1を介して、情報入力用UIにおける「ダンパー装置」の発注担当者及び発注予定日の入力欄に、「AA」を示す情報及び「2021年8月1日」を示す情報を入力した場合、これらの情報がサーバ装置2に入力され、管理部231は、当該入力された情報に基づいて、図7の「発注物情報」=「ダンパー装置」に関連付けられている「発注情報」(つまり、管理オブジェクトD11に関連付けられている「発注情報」)における「発注担当者」及び「発注予定日」として「AA」及び「20210801」を格納する。
【0088】
より詳細には、限定されるものではないが、いわゆる夜間バッチにて図7の発注情報を格納するように構成してもよい。すなわち、例えば、情報入力用UIを介してサーバに入力された情報を、管理部231が、1日における夜間の時間帯(例えば、午前0時~午前3時の時間帯等)に、まとめて図1の発注関連情報DB223に格納するように構成してもよい。あるいは、バリエーションとしては、夜間バッチは適用せずに、情報入力用UIを介してサーバに入力された情報を、情報入力があった都度、情報入力の直後に格納するように構成してもよい。
【0089】
また、図7の発注情報における発注日、納品予定日、及び納品日を格納する処理は、前述の発注担当者及び発注予定日を格納する処理と同様であるが、「ダンパー装置」に関する各日付が判明し次第、各ユーザが、情報入力用UIを介して情報を入力することにより、管理部231が各情報を格納することになる。これにて、発注関連情報格納処理の説明を終了する。
【0090】
(処理-情報表示処理)
次に、情報表示処理について説明する。図9は、情報表示処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。「情報表示処理」は、オブジェクト表示画面を表示するための処理であり、概略的には、サーバ装置2の管理部231によって実行される処理である。この情報表示処理は、例えば、ユーザが自己の端末装置1を介して、所定操作を行った場合に、実行を開始する。
【0091】
===SA1===
図9のSA1においてサーバ装置2の管理部231は、記録部22からオブジェクト表示画面(図5)を表示するための情報を取得する。
【0092】
具体的には処理は任意であるが、例えば、図2の三次元建物関連情報及び図4の管理オブジェクト関連情報を取得する。
【0093】
ここでは、例えば、図2及び図4に例示されている三次元建物関連情報及び管理オブジェクト関連情報を取得する。
【0094】
===SA2===
図9のSA2においてサーバ装置2の管理部231は、オブジェクト表示画面に表示する管理オブジェクトの表示態様として表示色を特定する。
【0095】
具体的には処理は任意であるが、例えば、図7の発注関連情報及び図8の表示態様関連情報に基づいて、SA1で取得した管理オブジェクト関連情報が示す各管理オブジェクトの表示色を特定する。詳細には、例えば、以下の第1ステップ及び第2ステップを行う。
【0096】
=第1ステップ=
第1ステップでは、SA1で取得した管理オブジェクト関連情報が示す1個の管理オブジェクトを「処理対象管理オブジェクト」として選択し、図7の発注関連情報を参照して、「処理対象管理オブジェクト」に関連付けられている発注関連情報(具体的には、発注情報)を特定し、図8の表示態様関連情報を参照して、特定した発注関連情報が示す各情報が該当する条件を示す条件情報を特定し、特定した条件情報に関連付けられている表示色情報を特定する。
【0097】
=第2ステップ=
第2ステップでは、第1ステップで特定した表示色情報が1個の場合(つまり、「処理対象管理オブジェクト」に関連付けられている発注関連情報が図8の1個の条件情報が示す条件に該当する場合)、前述の特定した表示色情報が示す表示色を、「処理対象管理オブジェクト」の表示色として特定する。
【0098】
また、第2ステップでは、第1ステップで特定した表示色情報が2個以上の場合(つまり、「処理対象管理オブジェクト」に関連付けられている発注関連情報が図8の2個以上の条件情報が示す条件に該当する場合)、図8の表示態様関連情報を参照して、前述の特定した各条件情報に関連付けられている優先度情報に基づいて優先度を特定し、最も優先度が高い条件を示す条件情報に関連付けられている1個の表示色情報が示す表示色を、「処理対象管理オブジェクト」の表示色として特定する。
【0099】
また、第2ステップでは、第1ステップで特定した表示色情報が0個の場合(つまり、「処理対象管理オブジェクト」に関連付けられている発注関連情報が図8の条件情報が示す条件の何れにも該当しない場合)、予め定められた所定の表示色(例えば、強調表示しない表示色であり、例えば、対象物オブジェクトの表示色と同じ「灰色」等の表示色)を、「処理対象管理オブジェクト」の表示色として特定する。
【0100】
そして、第1ステップ及び第2ステップを、SA1で取得した管理オブジェクト関連情報が示す全ての管理オブジェクトに関して行うことにより、全ての管理オブジェクトの表示色を特定する。
【0101】
=具体例=
ここでは、例えば、SA1で取得した管理オブジェクト関連情報が、図7の最上段の情報等である場合、最上段の情報については、以下の処理を行うことになる。
【0102】
まず、第1ステップでは、「IDa9001」が識別する管理オブジェクトD11(図3)を、「処理対象管理オブジェクト」として選択し、図7の発注関連情報を参照して、「処理対象管理オブジェクト」を示す「IDa9001」に関連付けられている発注情報である「発注担当者」=「AA」等の図示されている情報等を特定し、図8の表示態様関連情報を参照して、特定した発注情報が示す各情報が該当する条件を示す条件情報として、図8の1段目~3段目の情報を特定し、「表示色情報」=「赤色」、「橙色」、及び「黄色」を特定する。
【0103】
次に、第2ステップでは、第1ステップで特定した表示色情報が2個以上であるので、図8の表示態様関連情報を参照して、前述の特定した各条件情報に関連付けられている「優先度情報」=「1」~「3」に基づいて優先度を特定し、最も優先度が高い条件を示す条件情報(「優先度情報」=「1」に関連付けられている最上段の条件情報)に関連付けられている1個の表示色情報が示す表示色である「赤色」を、「IDa9001」が識別する管理オブジェクトD11の表示色として特定する。
【0104】
===SA3===
図9のSA3においてサーバ装置2の管理部231は、SA1及びSA2の処理結果に基づいて、オブジェクト表示画面を、ユーザの端末装置1におけるディスプレイ13に表示する。
【0105】
具体的には処理は任意であるが、例えば、概略的には、SA1で取得した図2の三次元建物関連情報が示す対象物オブジェクトと、SA1で取得した図4の管理オブジェクト関連情報が示す管理オブジェクトとを、仮想三次元空間に配置する処理を行い、当該各オブジェクトが配置された仮想三次元空間上の各情報を表示するオブジェクト表示画面を表示するための画面情報を生成し、生成した画面情報を端末装置1に送信することにより、オブジェクト表示画面を、ディスプレイ13に表示する。
【0106】
特に、対象オブジェクト及び管理オブジェクトについては、仮想三次元空間上に、図2及び図4の形状情報が示す形状等で、図2及び図4の位置方向情報が示す設置位置及び設置方向に設置されることになり、また、図2及び図4の位置方向情報の設置位置については、管理オブジェクトが関連する対象オブジェクトの周辺位置となるように格納されているので、オブジェクト表示画面では、管理オブジェクトが関連する対象オブジェクトの周辺に表示されることになる。
【0107】
また、対象物オブジェクトについては、オブジェクト表示画面において、強調表示しない表示色(例えば「灰色」)で表示し、また、管理オブジェクトについては、SA2で特定した表示色で表示することとする。また、管理オブジェクトについては、図4の名称情報を管理オブジェクトの所定位置に表示することとする。
【0108】
ここでは、例えば、SA1で取得した図2の三次元建物関連情報が示す対象物オブジェクトG11~G13等(図3)と、SA1で取得した図4の管理オブジェクト関連情報が示す管理オブジェクトD11~D13等(図3)とを、仮想三次元空間に配置する処理を行い、図5のオブジェクト表示画面を、ディスプレイ13に表示する。
【0109】
特に、対象物オブジェクトG11~G13等は、オブジェクト表示画面において、強調表示しない表示色(例えば「灰色」)で表示し、また、管理オブジェクトD11については、SA2で「赤色」を特定したので、オブジェクト表示画面において、「赤色」で表示し、且つ、図4の「IDa9001」に関連付けられている「ダンパー」を示すテキスト情報を天面(図6参照)に表示することとする。また、管理オブジェクトD12及びD13もSA2で特定した表示色で表示する。このように表示色も用いて管理オブジェクトを強調表示することができるので、ユーザが設定した条件(図8の条件情報)に該当する発注関連情報が関連付けられている管理オブジェクトへの注意を喚起することが可能となる。
【0110】
なお、本実施の形態では、図5のオブジェクト表示画面においては、各オブジェクトが、図3で例示した仮想三次元空間の各オブジェクトが同様な方向から表示された状態が一例として図示されているが、これに限らない。例えば、ユーザが端末装置1を介して、表示方向を指定する操作(例えば、図3の+Z方向寄りの位置を視点として表示するための操作等)又は表示範囲を指定する操作(例えば、図3では不図示の、より+X方向側に設置されている各オブジェクトを表示する操作等)、あるいは、全体の縮尺を指定する操作(例えば、拡大又は縮小する操作等)を行った場合、サーバ装置2の管理部231は、当該操作に応じたオブジェクト表示画面を表示することになる。すなわち、仮想三次元空間に配置する処理が行われた各オブジェクトが、ユーザの操作に応じて表示されることになる。
【0111】
===SA4===
図9のSA4においてサーバ装置2の管理部231は、発注関連情報を表示するための所定操作がユーザによって行われた場合に、SA3で表示したオブジェクト表示画面上に発注関連情報を更に表示する。
【0112】
具体的な処理は任意であるが、例えば、ユーザが、タッチパッド12を介して、オブジェクト表示画面上の管理オブジェクトに対して所定操作(例えば、ロングタップ操作(1秒等の所定時間以上タップして選択し続ける操作等))を行った場合、端末装置1が、所定操作が行われた管理オブジェクトを示す管理オブジェクトIDをサーバ装置2に送信する。一方、サーバ装置2の管理部231は、端末装置1からの管理オブジェクトIDを取得し、図7の発注関連情報を参照して、取得した管理オブジェクトIDと同じ関連オブジェクトIDに関連付けられている発注情報を取得した上で、取得した発注情報を端末装置1に送信することにより、オブジェクト表示画面上に、所定操作が行われた管理オブジェクトに関連付けられている発注関連情報(具体的には、発注情報)を表示する。
【0113】
なお、バリエーションとしては、ユーザが、タッチパッド12を介して、オブジェクト表示画面上の管理オブジェクトに対して所定操作を行った場合、端末装置1が、当該所定操作された管理オブジェクトを示す情報をサーバ装置2に送信し、サーバ装置2が、図4の管理オブジェクト関連情報を参照して、当該端末装置1からの情報に基づいて、所定操作された管理オブジェクトを示す管理オブジェクトIDを特定して取得した上で、前述の各処理を行うように構成してもよい。
【0114】
ここでは、例えば、ユーザが、図5の管理オブジェクトD11をロングタップ操作した場合、端末装置1が、所定操作が行われた管理オブジェクトを示す管理オブジェクトIDである「IDa9001」をサーバ装置2に送信する。一方、サーバ装置2の管理部231は、端末装置1からの管理オブジェクトIDである「IDa9001」を取得し、図7の発注関連情報を参照して、取得した管理オブジェクトIDである「IDa9001」と同じ関連オブジェクトIDに関連付けられている発注情報として図7に図示されている各情報を取得した上で、取得した発注情報を端末装置1に送信することにより、オブジェクト表示画面上に、当該発注情報を表示する。
【0115】
なお、発注情報の表示態様は任意であり、例えば、タップして選択された管理オブジェクトに関する発注情報であることが認識可能となるように、発注情報を選択された管理オブジェクトの近傍に表示してもよいし、あるいは、前述の管理オブジェクト周辺に表示される矩形の表示欄に発注情報を表示し、当該表示欄と前述の管理オブジェクトとを線で結んで表示してもよい。これにて、情報表示処理の説明を終了する。
【0116】
(本実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、対象物オブジェクトの周辺に、対象物を管理するための管理オブジェクトを表示することにより、例えば、対象物オブジェクトとは別のオブジェクトである管理オブジェクトを用いて対象物を管理することができるので、対象物オブジェクトを用いて対象物を管理する必要があるという制限にとらわれず、管理オブジェクトにて対象物を効率的に管理することが可能となる。
【0117】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0118】
(管理情報について)
上記実施の形態では、管理情報が対象物に関する発注を管理する情報である場合について説明したが、これに限らない。例えば、対象物の作業の進捗又は出来高を管理する情報、対象物の状態を管理する情報等の他の情報を管理情報としても用いてもよい。
【0119】
(複数の対象物の管理について)
また、上記実施の形態では、1個の対象物(例えば、図3の対象物オブジェクトG11が示す「免震ダンパー」等)を、1個の管理オブジェクト(例えば、図3の管理オブジェクトD11)を用いて管理する場合について説明したが、これに限らない。
【0120】
例えば、2個以上の対象物を、1個のみの管理オブジェクトを用いてまとめて管理するように構成してもよいし、あるいは、1個のみの対象物を、2個以上の管理オブジェクトを用いて管理するように構成してもよい。
【0121】
特に、2個以上の対象物を、1個のみの管理オブジェクトを用いてまとめて管理するように構成することは、例えば、対象物が、1個の物を生成するための複数の部品又は部材である場合等に有効である。一例としては、対象物が、カーテンウォールを形成するための「ガラス部分」及び当該カーテンウォールを形成するための「フレーム部分」である場合、1個のみの管理オブジェクトを用いて、カーテンウォールを形成するための「ガラス部分」に関する発注物である「ガラス部材」の発注情報、及び、カーテンウォールを形成するための「フレーム部分」に関する発注物である「アルミフレーム部材」の発注情報を管理することが可能となる。つまり、1個のみの管理オブジェクト情報として、ユーザが、カーテンウォールを形成するための「ガラス部分」及び「フレーム部分」を指定した場合、これらの「ガラス部分」及び「フレーム部分」をまとめて管理することが可能となる。
【0122】
(対象物の設置位置の正誤の判定について)
また、上記実施の形態において、対象物の設置位置の正誤を判定する機能を実装してもよい。具体的な実装手法は任意であるが、例えば、サーバ装置2の記録部22に関連付け情報を格納し、また、制御部23に、取得部及び判定部を設ける場合について説明する。
【0123】
図10は、関連付け情報を例示した図であり、図11は、実三次元空間を例示した図である。なお、図11においては、図3の対象物オブジェクトG11~G13に対応する免震ダンパー31~32、及び壁33が、施工された状態の実三次元空間における実際の建物が図示されている。
【0124】
===関連付け情報===
「関連付け情報」とは、対象物と当該対象物を管理するための管理オブジェクトとが関連付けられた情報であり、例えば、一例としては、図10の各項目の情報が相互に関連付けられている。なお、図10の管理オブジェクトIDは、図4の同一名称の情報と同様である。
【0125】
図10の「対象物ID」は、対象物を一意に識別するための情報であり、図10では、図11の免震ダンパー31を一意に識別するための対象物IDとしての「IDa8001」等である。
【0126】
そして、図10の最上段の情報においては、例えば、「IDa9001」が示す図3の管理オブジェクトD11の管理対象となる対象物が「IDa8001」が示す図11の免震ダンパー31であることが示されている。なお、この関連付け情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、管理者等のユーザが情報を入力することにより格納されることとしてもよい。
【0127】
===取得部及び管理部===
取得部は、実三次元空間上での対象物の設置位置を示す対象物設置位置情報を取得する取得手段である。管理部は、取得手段が取得した対象物設置位置情報と、格納手段の管理オブジェクト位置情報(図4の管理オブジェクト関連情報における位置方向情報)とに基づいて、対象物の設置位置の正誤を判定する判定手段である。
【0128】
===処理例===
対象物の設置位置の正誤を判定する処理(以下、「設置位置判定処理」)の一例について説明する。この処理では、例えば、後述の第1ステップ~第5ステップを実行する。
【0129】
ここでは、例えば、図11に示すように、図3の対象物オブジェクトG11~G13に対応する免震ダンパー31~32、及び壁33が、施工された状態の建物において、免震ダンパー31の設置位置の正誤を判定する場合を例示して説明する。また、各対象物である免震ダンパー31~32、及び壁33に対して、各々を識別する対象物IDを示すコード情報C31、C32、C33が付されていることとする。
【0130】
「コード情報」とは、対象物を識別する対象物IDを示すコードの情報であり、例えば、QRコード(登録商標)等の二次元コード又は他のコード等を含む概念であり、ここでは、二次元コードであることとして説明する。そして、コード情報C31は、免震ダンパー31の対象物IDである「IDa8001」を示す二次元コードであることとし、コード情報C32、C33は、免震ダンパー32及び壁33の対象物IDを示す二次元コードであることとする。
【0131】
=第1ステップ=
第1ステップでは、点検者等のユーザが、自己の端末装置1を保持した状態で、図11の設置済の免震ダンパー31の近傍に訪れる(つまり、端末装置1と共に免震ダンパー31の近傍に訪れる)。
【0132】
=第2ステップ=
第2ステップでは、ユーザが、端末装置1のカメラ(不図示)を用いて免震ダンパー31のコード情報C31を撮影して所定操作を行った場合、端末装置1は、免震ダンパー31の対象物IDである「IDa8001」を読み取り、また、端末装置1の現在位置を特定する。
【0133】
なお、現在位置の特定手法は任意であり、例えば、所定の電波信号(例えば、GPS電波信号、又は、建物内の予め定められて端末装置1側で設置位置が既知となっているビーコン装置からの電波信号等)を端末装置1が受信し、当該受信した電波信号に基づいて現在位置を特定する手法等を用いてもよいし、あるいは、ユーザが通り芯等の任意の基準物を基準として自己で特定した位置を入力し、当該入力した位置に基づいて特定する手法を用いてもよい。
【0134】
=第3ステップ=
第3ステップでは、端末装置1は、第2ステップで読み取った対象物IDである「IDa8001」及び特定した端末装置1の現在位置を示す現在位置情報を、サーバ装置2に送信する。
【0135】
=第4ステップ=
第4ステップでは、サーバ装置2の取得部は、第3ステップで送信された対象物IDである「IDa8001」及び現在位置情報を取得する。特に、端末装置1はユーザによって対象物の近傍で保持されている状態であることを想定し、現在位置情報については、対象物の設置位置を示す対象物設置位置情報として取得する。
【0136】
=第5ステップ=
第5ステップでは、サーバ装置2の判定部は、第4ステップで取得した現在位置情報(つまり、対象物設置位置情報)と、図4の管理オブジェクト関連情報の位置方向情報とに基づいて、対象物である免震ダンパー31の設置位置の正誤を判定する。
【0137】
具体的な処理は任意であるが、例えば、図10の関連付け情報を参照して、第4ステップで取得した対象物IDである「IDa8001」に関連付けられている管理オブジェクトIDである「IDa9001」を特定し、図4の管理オブジェクト関連情報を参照して、特定した「IDa9001」に関連付けられている位置方向情報である「Dp9001」を、判定の対象となっている免震ダンパー31(図11)を管理する管理オブジェクトの仮想三次元空間上での設置位置及び設置方向を示す位置方向情報として取得する。
【0138】
次に、前述の取得した位置方向情報である「Dp9001」が示す仮想三次元空間上の位置を、実三次元空間上の位置に変換する。ここで、例えば、仮想三次元空間上の位置から対応する実三次元空間上の位置に変換するための情報(例えば、変換用のテーブル又は演算式等)が格納されていることとし、当該情報に基づいて変換してもよい。
【0139】
次に、変換された実三次元空間上の位置(つまり、「Dp9001」が示す仮想三次元空間上の位置に対応する実三次元空間上の位置)と、第4ステップで取得した対象物設置位置情報(つまり、コード情報C31の撮影時の端末装置1の位置である現在位置を示す現在位置情報)が示す実三次元空間上の位置とを比較し、これらの位置の相互間の距離が所定距離内(例えば、1m以内等)である場合、免震ダンパー31は想定通りの位置に設置されているので、免震ダンパー31の設置位置が正しいものと判定し、一方、これらの位置の相互間の距離が所定距離内(例えば、1m以内等)でない場合(つまり、所定距離よりも長い距離分だけ離れている場合)、免震ダンパー31は想定通りの位置に設置されていないので、免震ダンパー31の設置位置が誤っているものと判定する。
【0140】
ここでは、例えば、前述の各位置の相互間の距離が30cmであることとし、この場合、免震ダンパー31の設置位置は正しいものと判定する。
【0141】
なお、この後の処理は任意であるが、例えば、判定結果をユーザ側に端末装置1を介して通知してもよいし、あるいは、記録部22に記録してもよい。なお、設置位置が誤っているものと判定した場合、端末装置1の現在位置に起因して当該判定が行われた可能性もあるので、適切に点検を行わせるための案内情報として、「点検対象の近くで撮影してください」等のメッセージを通知してもよい。
【0142】
また、ここでは、端末装置1を用いて点検する場合を例示して説明したが、遠隔操作制御又は自動制御により飛行するドローン等の飛行体に対して、端末装置1の上記の各機能を実装した上で、当該でドローンを端末装置1の代わりに用いてもよい。
【0143】
(基準について)
また、実三次元空間と仮想三次元空間とを相互に関連付けるための基準は任意であり、例えば、建物の通り芯、階数、又は座標等を基準用いてもよいし、他の公知の基準を用いてもよい。
【0144】
(各情報について)
また、図1のサーバ装置2のDBに格納されている各情報については、各図で例示された情報とは異なる他の情報が格納されていることとしてもよい。例えば、図2の三次元建物関連情報及び図4の管理オブジェクト関連情報において、名称情報としては、相互に同じ情報が格納されていることとしてもよい。
【0145】
(用語の解釈について)
また、図4の管理オブジェクト関連情報の位置方向情報は、管理オブジェクトの仮想三次元空間上の設置位置(つまり、管理オブジェクトの仮想三次元空間上の位置)を示す情報であるので、「管理オブジェクト位置情報」に対応するものと解釈してもよい。また、位置方向情報については、設置位置を示す設置位置情報と、設置方向を示す方向情報とに分けてもよい。
【0146】
(他の特徴について)
例えば、図7の発注関連情報の発注情報において、「納品日」が格納された場合に、発注物の管理が終了したことを示す情報を、関連付けられている管理オブジェクトを介して出力してもよい。例えば、関連する管理オブジェクトの表示色を、管理終了を示す色(一例としては、「水色」等)に変更してもよい。あるいは、管理が不要となる観点から、管理オブジェクトをオブジェクト表示画面から消去してもよい。
【0147】
また、例えば、サーバ装置の管理部231は、予め定められているルール等(建具リストに関する図面情報等)に基づいて、対象物オブジェクトの設置位置又は設置方向を基準にして、管理オブジェクトの設置位置又は設置方向を自動的に決定して図4の位置方向情報として格納するように構成してもよい。
【0148】
また、例えば、管理オブジェクトについては、以下に示す様々な場面で利用してもよい。例えば、管理オブジェクトの位置に基づいて、エレベーターやクレーンによる縦移動の制御、自走台車等による横移動の制御、又はドローンの飛行制御を行うことで自動搬送を可能にしてもよい。
【0149】
(組み合わせについて)
また、実施の形態で説明した技術と、変形例で説明した技術を任意に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0150】
1 端末装置
2 サーバ装置
11 通信部
12 タッチパッド
13 ディスプレイ
14 記録部
15 制御部
21 通信部
22 記録部
23 制御部
31 免震ダンパー
32 免震ダンパー
33 壁
100 情報処理システム
221 三次元建物関連情報DB
222 管理オブジェクト関連情報DB
223 発注関連情報DB
224 表示態様関連情報DB
231 管理部
C31 コード情報
C32 コード情報
C33 コード情報
D11 管理オブジェクト
D12 管理オブジェクト
D13 管理オブジェクト
G11 対象物オブジェクト
G12 対象物オブジェクト
G13 対象物オブジェクト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11