(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054566
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】情報処理システム、管理サーバ、更新方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06N 20/00 20190101AFI20240410BHJP
H04W 4/70 20180101ALI20240410BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20240410BHJP
【FI】
G06N20/00
H04W4/70
H04W88/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160866
(22)【出願日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】坂本 卓哉
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067BB27
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
【課題】機械学習モデルの更新をより効率良く行う。
【解決手段】情報処理システムは、センサ部が検出した検出データと、予め学習されている機械学習モデルとに基づく推定処理を実行するデバイス制御部を備えるエッジデバイスと、無線通信を用いて、前記エッジデバイスと通信可能な管理サーバとを備え、前記管理サーバは、前記検出データを含む学習データを前記エッジデバイスから取得し、前記学習データを学習データ記憶部に記憶させる取得処理部と、モデル生成部に、前記学習データ記憶部が記憶する前記学習データに基づく学習処理を実行させて、機械学習モデルを生成させるとともに、学習モデル記憶部に、前記機械学習モデルを記憶させる学習処理部と、前記学習モデル記憶部が記憶する前記機械学習モデルを、前記無線通信を用いて、前記エッジデバイスに送信するモデル供給部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ部が検出した検出データと、予め学習されている機械学習モデルとに基づく推定処理を実行するデバイス制御部を備えるエッジデバイスと、
無線通信を用いて、前記エッジデバイスと通信可能な管理サーバと
を備え、
前記管理サーバは、
前記検出データを含む学習データを前記エッジデバイスから取得し、前記学習データを学習データ記憶部に記憶させる取得処理部と、
モデル生成部に、前記学習データ記憶部が記憶する前記学習データに基づく学習処理を実行させて、機械学習モデルを生成させるとともに、学習モデル記憶部に、前記機械学習モデルを記憶させる学習処理部と、
前記学習モデル記憶部が記憶する前記機械学習モデルを、前記無線通信を用いて、前記エッジデバイスに送信するモデル供給部と
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記取得処理部は、前記学習データの送信要求を、前記エッジデバイスに送信し、
前記エッジデバイスは、前記学習データの送信要求に応じて、前記学習データを前記管理サーバに送信する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記取得処理部は、前記エッジデバイスから送信された前記学習データの生成許可要求に応じて、前記学習データの生成が許可されているか否かを判定し、前記学習データの生成が許可されている場合に、前記学習データの送信要求を、前記エッジデバイスに送信する
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記モデル生成部を備える外部接続装置であって、前記管理サーバと通信可能な外部接続装置を備え、
前記学習処理部は、前記機械学習モデルを生成させる生成要求を、前記外部接続装置に送信し、
前記外部接続装置が備える前記モデル生成部は、前記生成要求に応じて、前記機械学習モデルを生成し、生成した前記機械学習モデルを、前記学習モデル記憶部に記憶させる
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記学習データ記憶部と、前記学習モデル記憶部とを備えるストレージ装置であって、前記管理サーバ及び前記外部接続装置と通信可能なストレージ装置を備え、
前記モデル生成部は、前記生成要求に応じて、前記学習データを前記ストレージ装置が備える前記学習データ記憶部から取得する
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記管理サーバは、前記学習データ記憶部と、前記学習モデル記憶部とを備え、
前記学習処理部は、前記学習データを前記学習データ記憶部から取得し、前記学習データを含む前記生成要求を、前記外部接続装置に送信し、
前記モデル生成部は、前記生成要求に応じて、前記機械学習モデルを生成し、生成した前記機械学習モデルを、前記管理サーバに送信し、
前記学習処理部は、前記外部接続装置から受信した前記機械学習モデルを前記学習モデル記憶部に記憶させる
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記エッジデバイスは、前記管理サーバから新たな前記機械学習モデルを受信した場合に、既存の前記機械学習モデルと、新たな前記機械学習モデルとの両方により、前記推定処理を実行し、両方の前記推定処理の結果を比較し、当該比較結果に基づいて、既存の前記機械学習モデルと、新たな前記機械学習モデルとのいずれを採用するか判定する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記エッジデバイスは、前記比較結果に基づく情報を、前記管理サーバに送信する
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記エッジデバイスは、
第1無線通信方式による通信を実行する第1無線通信部と、
前記第1無線通信部による前記第1無線通信方式よりも消費電力が大きく、且つ、通信速度が速い第2無線通信方式による通信を実行する第2無線通信部と
を備え、
前記デバイス制御部は、通常動作モードにおいて、前記第1無線通信部による前記第1無線通信方式を用いて、前記推定処理の結果を送信し、前記機械学習モデルの更新を行う更新モードにおいて、前記第2無線通信部による前記第2無線通信方式を用いて、新たな前記機械学習モデルを受信する
請求項1から請求項8にいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記デバイス制御部は、
前記通常動作モードにおいて、前記第2無線通信部の動作を停止させ、
前記更新モードにおいて、前記第2無線通信部を動作させて、前記第2無線通信方式による通信を実行させる
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記デバイス制御部は、
前記通常動作モードにおいて、前記第1無線通信方式を用いて、前記機械学習モデルの更新を要求する通知を受信した場合に、前記更新モードに変更する
請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記デバイス制御部は、前記第1無線通信方式を用いて、前記機械学習モデルの更新が完了したことを示す情報を送信する
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項13】
センサ部が検出した検出データと、予め学習されている機械学習モデルとに基づく推定処理を実行するデバイス制御部を備えるエッジデバイスと、無線通信を用いて、通信可能な管理サーバであって、
前記検出データを含む学習データを前記エッジデバイスから取得し、前記学習データを学習データ記憶部に記憶させる取得処理部と、
モデル生成部に、前記学習データ記憶部が記憶する前記学習データに基づく学習処理を実行させて、機械学習モデルを生成させるとともに、学習モデル記憶部に、前記機械学習モデルを記憶させる学習処理部と、
前記学習モデル記憶部が記憶する前記機械学習モデルを、前記無線通信を用いて、前記エッジデバイスに送信するモデル供給部と
を備える管理サーバ。
【請求項14】
センサ部が検出した検出データと、予め学習されている機械学習モデルとに基づく推定処理を実行するデバイス制御部を備えるエッジデバイスと、無線通信を用いて、通信可能な管理サーバによる前記機械学習モデルの更新方法であって、
前記管理サーバが、前記検出データを含む学習データを前記エッジデバイスから取得し、前記学習データを学習データ記憶部に記憶させる取得処理ステップと、
前記管理サーバが、モデル生成部に、前記学習データ記憶部が記憶する前記学習データに基づく学習処理を実行させて、機械学習モデルを生成させるとともに、学習モデル記憶部に、前記機械学習モデルを記憶させる学習処理ステップと、
前記管理サーバが、前記学習モデル記憶部が記憶する前記機械学習モデルを、前記無線通信を用いて、前記エッジデバイスに送信するモデル供給ステップと
を含む更新方法。
【請求項15】
センサ部が検出した検出データと、予め学習されている機械学習モデルとに基づく推定処理を実行するデバイス制御部を備えるエッジデバイスと、無線通信を用いて、通信可能な管理サーバのコンピュータに、
前記検出データを含む学習データを前記エッジデバイスから取得し、前記学習データを学習データ記憶部に記憶させる取得処理ステップと、
モデル生成部に、前記学習データ記憶部が記憶する前記学習データに基づく学習処理を実行させて、機械学習モデルを生成させるとともに、学習モデル記憶部に、前記機械学習モデルを記憶させる学習処理ステップと、
前記学習モデル記憶部が記憶する前記機械学習モデルを、前記無線通信を用いて、前記エッジデバイスに送信するモデル供給ステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、管理サーバ、更新方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、センサを有するエッジデバイスを用いた情報処理システムが普及してきている。このような情報処理システムでは、センサで検出した検出データをAIモデル(機械学習モデル)を用いた推定処理を行うものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような情報処理システムでは、環境の変化に対応するため、環境の変化に応じて、エッジデバイスが用いるAIモデル(機械学習モデル)を更新することが望ましい。なお、エッジデバイスが用いるAIモデルは、大きく分けて以下の2種類がある。
(1)エッジデバイスが内部でAIモデルを保持しているもの
(2)AIモデルが、クラウド上で保存されており、エッジデバイスがダウンロードして使用するもの
【0005】
しかしながら、従来技術の情報処理システムでは、例えば、エッジデバイスが複数の装置と通信する必要があり、AIモデル(機械学習モデル)の更新処理が煩雑であった。そのため、上述したような情報処理システムでは、AIモデル(機械学習モデル)の更新処理を効率良く行うことが求められている。
【0006】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、機械学習モデルの更新をより効率良く行うことができる情報処理システム、管理サーバ、更新方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、センサ部が検出した検出データと、予め学習されている機械学習モデルとに基づく推定処理を実行するデバイス制御部を備えるエッジデバイスと、無線通信を用いて、前記エッジデバイスと通信可能な管理サーバとを備え、前記管理サーバは、前記検出データを含む学習データを前記エッジデバイスから取得し、前記学習データを学習データ記憶部に記憶させる取得処理部と、モデル生成部に、前記学習データ記憶部が記憶する前記学習データに基づく学習処理を実行させて、機械学習モデルを生成させるとともに、学習モデル記憶部に、前記機械学習モデルを記憶させる学習処理部と、前記学習モデル記憶部が記憶する前記機械学習モデルを、前記無線通信を用いて、前記エッジデバイスに送信するモデル供給部とを備える情報処理システムである。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理システムにおいて、前記取得処理部は、前記学習データの送信要求を、前記エッジデバイスに送信し、前記エッジデバイスは、前記学習データの送信要求に応じて、前記学習データを前記管理サーバに送信してもよい。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理システムにおいて、前記取得処理部は、前記エッジデバイスから送信された前記学習データの生成許可要求に応じて、前記学習データの生成が許可されているか否かを判定し、前記学習データの生成が許可されている場合に、前記学習データの送信要求を、前記エッジデバイスに送信してもよい。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理システムにおいて、前記モデル生成部を備える外部接続装置であって、前記管理サーバと通信可能な外部接続装置を備え、前記学習処理部は、前記機械学習モデルを生成させる生成要求を、前記外部接続装置に送信し、前記外部接続装置が備える前記モデル生成部は、前記生成要求に応じて、前記機械学習モデルを生成し、生成した前記機械学習モデルを、前記学習モデル記憶部に記憶させてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理システムにおいて、前記学習データ記憶部と、前記学習モデル記憶部とを備えるストレージ装置であって、前記管理サーバ及び前記外部接続装置と通信可能なストレージ装置を備え、前記モデル生成部は、前記生成要求に応じて、前記学習データを前記ストレージ装置が備える前記学習データ記憶部から取得してもよい。
【0012】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理システムにおいて、前記管理サーバは、前記学習データ記憶部と、前記学習モデル記憶部とを備え、前記学習処理部は、前記学習データを前記学習データ記憶部から取得し、前記学習データを含む前記生成要求を、前記外部接続装置に送信し、前記モデル生成部は、前記生成要求に応じて、前記機械学習モデルを生成し、生成した前記機械学習モデルを、前記管理サーバに送信し、前記学習処理部は、前記外部接続装置から受信した前記機械学習モデルを前記学習モデル記憶部に記憶させてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理システムにおいて、前記エッジデバイスは、前記管理サーバから新たな前記機械学習モデルを受信した場合に、既存の前記機械学習モデルと、新たな前記機械学習モデルとの両方により、前記推定処理を実行し、両方の前記推定処理の結果を比較し、当該比較結果に基づいて、既存の前記機械学習モデルと、新たな前記機械学習モデルとのいずれを採用するか判定してもよい。
【0014】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理システムにおいて、前記エッジデバイスは、前記比較結果に基づく情報を、前記管理サーバに送信してもよい。
【0015】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理システムにおいて、前記エッジデバイスは、第1無線通信方式による通信を実行する第1無線通信部と、前記第1無線通信部による前記第1無線通信方式よりも消費電力が大きく、且つ、通信速度が速い第2無線通信方式による通信を実行する第2無線通信部とを備え、前記デバイス制御部は、通常動作モードにおいて、前記第1無線通信部による前記第1無線通信方式を用いて、前記推定処理の結果を送信し、前記機械学習モデルの更新を行う更新モードにおいて、前記第2無線通信部による前記第2無線通信方式を用いて、新たな前記機械学習モデルを受信してもよい。
【0016】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理システムにおいて、前記デバイス制御部は、前記通常動作モードにおいて、前記第2無線通信部の動作を停止させ、前記更新モードにおいて、前記第2無線通信部を動作させて、前記第2無線通信方式による通信を実行させてもよい。
【0017】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理システムにおいて、前記デバイス制御部は、前記通常動作モードにおいて、前記第1無線通信方式を用いて、前記機械学習モデルの更新を要求する通知を受信した場合に、前記更新モードに変更してもよい。
【0018】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理システムにおいて、前記デバイス制御部は、前記第1無線通信方式を用いて、前記機械学習モデルの更新が完了したことを示す情報を送信してもよい。
【0019】
また、本発明の一態様は、センサ部が検出した検出データと、予め学習されている機械学習モデルとに基づく推定処理を実行するデバイス制御部を備えるエッジデバイスと、無線通信を用いて、通信可能な管理サーバであって、前記検出データを含む学習データを前記エッジデバイスから取得し、前記学習データを学習データ記憶部に記憶させる取得処理部と、モデル生成部に、前記学習データ記憶部が記憶する前記学習データに基づく学習処理を実行させて、機械学習モデルを生成させるとともに、学習モデル記憶部に、前記機械学習モデルを記憶させる学習処理部と、前記学習モデル記憶部が記憶する前記機械学習モデルを、前記無線通信を用いて、前記エッジデバイスに送信するモデル供給部とを備える管理サーバである。
【0020】
また、本発明の一態様は、センサ部が検出した検出データと、予め学習されている機械学習モデルとに基づく推定処理を実行するデバイス制御部を備えるエッジデバイスと、無線通信を用いて、通信可能な管理サーバによる前記機械学習モデルの更新方法であって、前記管理サーバが、前記検出データを含む学習データを前記エッジデバイスから取得し、前記学習データを学習データ記憶部に記憶させる取得処理ステップと、前記管理サーバが、モデル生成部に、前記学習データ記憶部が記憶する前記学習データに基づく学習処理を実行させて、機械学習モデルを生成させるとともに、学習モデル記憶部に、前記機械学習モデルを記憶させる学習処理ステップと、前記管理サーバが、前記学習モデル記憶部が記憶する前記機械学習モデルを、前記無線通信を用いて、前記エッジデバイスに送信するモデル供給ステップとを含む更新方法である。
【0021】
また、本発明の一態様は、センサ部が検出した検出データと、予め学習されている機械学習モデルとに基づく推定処理を実行するデバイス制御部を備えるエッジデバイスと、無線通信を用いて、通信可能な管理サーバのコンピュータに、前記検出データを含む学習データを前記エッジデバイスから取得し、前記学習データを学習データ記憶部に記憶させる取得処理ステップと、モデル生成部に、前記学習データ記憶部が記憶する前記学習データに基づく学習処理を実行させて、機械学習モデルを生成させるとともに、学習モデル記憶部に、前記機械学習モデルを記憶させる学習処理ステップと、前記学習モデル記憶部が記憶する前記機械学習モデルを、前記無線通信を用いて、前記エッジデバイスに送信するモデル供給ステップとを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、機械学習モデルの更新をより効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1の実施形態による情報処理システムの一例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態による情報処理システムの動作の一例を示す図である。
【
図3】第1の実施形態による情報処理システムの第1変形例の動作の一例を示す図である。
【
図4】第1の実施形態による情報処理システムの第2変形例の動作の一例を示す図である。
【
図5】第2の実施形態による情報処理システムの一例を示すブロック図である。
【
図6】第2の実施形態による情報処理システムの動作の一例を示す図である。
【
図7】第3の実施形態による情報処理システムの一例を示すブロック図である。
【
図8】第3の実施形態による情報処理システムの動作の一例を示す図である。
【
図9】第4の実施形態による情報処理システムの一例を示すブロック図である。
【
図10】第4の実施形態による情報処理システムの動作の一例を示す第1の図である。
【
図11】第4の実施形態による情報処理システムの動作の一例を示す第2の図である。
【
図12】第4の実施形態による情報処理システムの第1変形例の動作の一例を示す図である。
【
図13】第4の実施形態による情報処理システムの第2変形例の動作の一例を示す図である。
【
図14】第5の実施形態による情報処理システムの一例を示すブロック図である。
【
図15】第5の実施形態による情報処理システムの動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態による情報処理システム、管理サーバ、及び更新方法について、図面を参照して説明する。
【0025】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態による情報処理システム1の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、管理サーバ10と、エッジデバイス20と、ストレージ装置30とを備える。
【0026】
情報処理システム1は、例えば、エッジデバイス20が検出した検出データに基づく推定処理を実行し、推定結果を収集するシステムであり、
図1では、説明の都合上、1台のエッジデバイス20を備える例を説明するが、複数のエッジデバイス20を備えていもよい。
また、情報処理システム1において、管理サーバ10と、エッジデバイス20と、ストレージ装置30とは、ネットワークNW1に接続可能である。
【0027】
エッジデバイス20は、センサ部22が検出した検出データと、予め学習されている機械学習モデルとに基づく推定処理を実行する。エッジデバイス20は、無線通信部21と、センサ部22と、デバイス記憶部23と、デバイス制御部24とを備える。
【0028】
無線通信部21は、ネットワークNW1に接続可能な無線通信が可能な通信部であり、例えば、LPWA(Low Power Wide Area)、無線LAN(Local Area Network)、移動体通信(3G、4G、LTE、5Gなど)、Bluetooth(登録商標)、等の無線通信方式の通信デバイスである。無線通信部21は、ネットワークNW1を介して、管理サーバ10と通信可能である。
【0029】
センサ部22は、検出データ(センシングデータ)を検出するためのセンサであり、温度センサ、湿度センサ、ひずみセンサ、加速度センサ、イメージセンサ(画像を撮像する撮像装置)、音センサ(音を収音する収音器)、等である。センサ部22は、検出した検出データをデバイス制御部24に出力する。
【0030】
デバイス記憶部23は、エッジデバイス20が利用する各種情報を記憶する。デバイス記憶部23は、例えば、学習モデル記憶部231と、検出データ記憶部232とを備える。
【0031】
学習モデル記憶部231は、検出データに基づく推定処理を実行するための機械学習モデル(推定モデル、予測モデル、AIモデルなど)を記憶する。学習モデル記憶部231が記憶する機械学習モデル(AIモデル)は、環境の変化に応じて、再生成されて更新される。機械学習モデルは、無線通信部21による無線通信を用いて、管理サーバ10から供給される。
【0032】
検出データ記憶部232は、センサ部22が検出した検出データを記憶する。検出データ記憶部232が記憶する検出データは、機械学習モデルを用いた推定処理に使用されるとともに、機械学習モデルの再生成の際の学習データに使用される。
【0033】
デバイス制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含むプロセッサなどであり、エッジデバイス20を統括的に制御する。デバイス制御部24は、例えば、センサ部22が検出した検出データと、予め学習されている機械学習モデルとに基づく推定処理を実行する。デバイス制御部24は、モデル更新処理部241と、検出処理部242と、推定処理部243とを備える。
【0034】
モデル更新処理部241は、機械学習モデルを更新する処理を実行する。モデル更新処理部241は、無線通信部21による無線通信を用いて、管理サーバ10から機械学習モデルを取得し、機械学習モデルを学習モデル記憶部231に記憶させる。
【0035】
また、モデル更新処理部241は、管理サーバ10からの学習データの生成要求に応じて、検出データ記憶部232が記憶する検出データを取得し、当該検出データを含む学習データを、無線通信部21による無線通信を用いて、管理サーバ10に送信する。
【0036】
なお、モデル更新処理部241は、所定の時間間隔ごとに、又は所定の条件を満たした場合に、学習データの生成許可要求を、管理サーバ10に送信してもよい。ここで、所定の条件を満たした場合とは、例えば、センサ部22の検出データの傾向変化などにより、環境の変化を検出した場合、又は、推定処理の結果の誤差が閾値を超えた場合、などである。
【0037】
また、モデル更新処理部241は、管理サーバ10から機械学習モデルを受信した場合に、受信した機械学習モデルを学習モデル記憶部231に記憶させる。モデル更新処理部241は、例えば、上述した学習データの生成要求の応答として、管理サーバ10から機械学習モデルを受信する。
【0038】
なお、モデル更新処理部241は、所定の時間間隔ごと(定期的)に、端末情報を含むモデル確認要求を、無線通信部21による無線通信を用いて、管理サーバ10に送信して、モデル確認要求の応答として、管理サーバ10から機械学習モデルを受信してもよい。
【0039】
検出処理部242は、定期的に、センサ部22による検出データを取得し、取得した検出データを検出データ記憶部232に記憶させる。
また、検出処理部242は、推定処理部243に、検出データに基づく推定処理を実行させる。検出処理部242は、推定処理部243から取得した推定処理の結果を、無線通信部21による無線通信を用いて、管理サーバ10に送信する。
【0040】
推定処理部243は、学習モデル記憶部231が記憶する機械学習モデルを用いて、検出データから推定処理を実行する。推定処理部243は、検出処理部242からの要求に応じて、推定処理を実行する。なお、ここでの推定処理は、例えば、検出データから所定に時間後の未来の検出データを予測(推定)する、等の処理である。
【0041】
ストレージ装置30は、例えば、ネットワークNW1に接続可能な記憶装置であり、ネットワークNW1を介して、管理サーバ10と通信可能である。
ストレージ装置30は、NW(ネットワーク)通信部31と、記憶部32とを備える。
【0042】
NW通信部31は、例えば、有線LAN、無線LANなどのネットワークアダプタであり、ネットワークNW1を介して、管理サーバ10と通信可能である。
【0043】
記憶部32は、各種データを記憶する。記憶部32は、学習データ記憶部321と、学習モデル記憶部322とを備える。
学習データ記憶部321は、機械学習モデルを生成するための学習データを記憶する。
学習モデル記憶部322は、機械学習モデルを記憶する。ここで、機械学習モデルは、上述した推定処理を実行するための機械学習済みのモデルである。
【0044】
管理サーバ10は、エッジデバイス20を含む情報処理システム1を管理するサーバ装置である。管理サーバ10は、ネットワークNW1を介して、エッジデバイス20及びストレージ装置30と通信可能である。
管理サーバ10は、NW通信部11と、サーバ記憶部12と、サーバ制御部13とを備える。
【0045】
NW通信部31は、例えば、有線LAN、無線LANなどのネットワークアダプタであり、ネットワークNW1を介して、エッジデバイス20及びストレージ装置30と通信可能である。
【0046】
サーバ記憶部12は、管理サーバ10が利用する各種情報を記憶する。サーバ記憶部12は、例えば、推定結果記憶部121を備える。
推定結果記憶部121は、上述した推定処理の結果データを記憶する。推定結果記憶部121は、例えば、推定処理の結果データと、エッジデバイス20の識別情報(例えば、MAC(Media Access Control)などの端末情報)と、日時情報とを対応付けて記憶する。
【0047】
サーバ制御部13は、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、管理サーバ10を統括的に制御する。サーバ制御部13は、例えば、機械学習モデルの生成、及び更新の制御や、推定処理の結果をエッジデバイス20から収集の制御、等を行う。
サーバ制御部13は、取得処理部131と、学習処理部132と、モデル生成部133と、モデル供給部134とを備える。
【0048】
取得処理部131は、検出データを含む学習データをエッジデバイス20から取得し、学習データを学習データ記憶部321に記憶させる。取得処理部131は、学習データの送信要求を、NW通信部11を介して、エッジデバイス20に送信し、NW通信部11を介して、学習データをエッジデバイス20から取得する。
【0049】
なお、取得処理部131は、定期的(例えば、1カ月ごと、等)に、学習データの送信要求をエッジデバイス20に送信してもよいし、エッジデバイス20からの学習データの送信許可要求に応じて、学習データの送信要求をエッジデバイス20に送信してもよい。すなわち、取得処理部131は、エッジデバイス20から送信された学習データの生成許可要求に応じて、学習データの生成が許可されているか否かを判定し、学習データの生成が許可されている場合に、学習データの送信要求を、エッジデバイス20に送信する。
【0050】
取得処理部131は、例えば、ストレージ装置30が記憶する学習データの生成の許可情報に基づいて、学習データの生成が許可されているか否かを判定してもよい。
取得処理部131は、取得した学習データを、NW通信部11を介して、ストレージ装置30に送信し、ストレージ装置30の学習データ記憶部321に記憶させる。
【0051】
学習処理部132は、後述するモデル生成部133に、学習データ記憶部321が記憶する学習データに基づく学習処理を実行させて、機械学習モデルを生成させるとともに、学習モデル記憶部322に、機械学習モデルを記憶させる。
【0052】
学習処理部132は、NW通信部11を介して、ストレージ装置30の学習データ記憶部321から学習データを取得し、モデル生成部133に、学習データに基づく学習処理を実行させて、機械学習モデルを生成させる。また、学習処理部132は、NW通信部11を介して、ストレージ装置30の学習モデル記憶部322に、機械学習モデルを記憶させる。
【0053】
モデル生成部133は、学習データ記憶部321が記憶する学習データに基づいて、学習処理を実行し、機械学習モデルを生成する。モデル生成部133は、例えば、学習処理部132からの学習データの供給に応じて、学習データを用いて、学習処理を実行し、機械学習モデルを生成する。モデル生成部133は、生成した機械学習モデルを学習処理部132に供給する。
【0054】
モデル供給部134は、学習モデル記憶部322が記憶する機械学習モデルを、無線通信を用いて、エッジデバイス20に送信する。モデル供給部134は、例えば、エッジデバイス20からのモデル確認要求に応じて、NW通信部11を介して、ストレージ装置30の学習モデル記憶部322から機械学習モデルを取得し、機械学習モデルを、エッジデバイス20に送信する。
【0055】
次に、図面を参照して、本実施形態による情報処理システム1の動作について説明する。
図2は、本実施形態による情報処理システム1の動作の一例を示す図である。
【0056】
図2に示すように、管理サーバ10は、まず、学習データの生成要求をエッジデバイス20に送信する(ステップS101)。管理サーバ10の取得処理部131は、NW通信部11を介して、エッジデバイス20に学習データの生成要求を送信する。
【0057】
次に、エッジデバイス20は、学習データの生成処理を実行する(ステップS102)。エッジデバイス20のモデル更新処理部241は、無線通信部21による無線通信により、学習データの生成処理を受信し、学習データの生成処理に応じて、検出データ記憶部232が記憶する検出データを取得し、学習データの生成処理として、当該検出データを含む学習データを生成する。
【0058】
次に、エッジデバイス20は、学習データを管理サーバ10に送信する(ステップS103)。モデル更新処理部241は、生成した学習データを、無線通信部21による無線通信を用いて、管理サーバ10に送信する。
【0059】
次に、管理サーバ10は、学習データをストレージ装置30に送信する(ステップS104)。取得処理部131は、NW通信部11を介して、エッジデバイス20から取得した学習データを、NW通信部11を介して、ストレージ装置30に送信する。
【0060】
次に、ストレージ装置30は、学習データを保存する(ステップS105)。ストレージ装置30は、NW通信部31を介して受信した学習データを、学習データ記憶部321に記憶させる。
【0061】
また、管理サーバ10の学習処理部132は、学習データが十分なデータ数であるか否かを判定する(ステップS106)。学習処理部132は、エッジデバイス20から取得した学習データのデータ数が、学習処理を実行するために充分なデータ数が有るか否かを判定する。学習処理部132は、学習データが十分なデータ数である場合(ステップS106:YES)に、処理をステップS107に進める。また、学習処理部132は、学習データが十分なデータ数でない場合(ステップS106:NO)に、処理をステップS103に戻して、学習データが十分確保できるまで待つ。
【0062】
ステップS107において、学習処理部132は、ストレージ装置30から学習データを取得する。学習処理部132は、NW通信部11を介して、ストレージ装置30に、学習データの送信要求を送信する。ストレージ装置30は、学習データの送信要求に応じて、NW通信部31を介して、学習データ記憶部321が記憶する学習データを、管理サーバ10に送信し、学習処理部132は、学習データを取得する。
【0063】
次に、学習処理部132は、機械学習処理の生成処理を実行する(ステップS108)。学習処理部132は、モデル生成部133に対して、取得した学習データによる学習処理を実行させて、新たな機械学習モデルを生成させる。モデル生成部133は、学習処理を実行し、新たな機械学習モデルを生成する。
【0064】
次に、学習処理部132は、機械学習モデルを、ストレージ装置30に送信する(ステップS109)。学習処理部132は、NW通信部11を介して、モデル生成部133に生成させた機械学習モデルを、ストレージ装置30に送信する。
【0065】
次に、ストレージ装置30は。機械学習モデルを保存する(ステップS110)。ストレージ装置30は。NW通信部31を介して受信した機械学習モデルを、学習モデル記憶部322に記憶させる。
【0066】
次に、エッジデバイス20は、モデル確認要求を管理サーバ10に送信する(ステップS111)。モデル更新処理部241は、定期的に、無線通信部21による無線通信を用いて、モデル確認要求を、管理サーバ10に送信する。
【0067】
次に、管理サーバ10のモデル供給部134は、機械学習モデルをストレージ装置30から取得する(ステップS112)。モデル供給部134は、NW通信部11を介して、エッジデバイス20から受信したモデル確認要求に応じて、NW通信部11を介して、ストレージ装置30に、機械学習モデルの送信要求を送信する。ストレージ装置30は、機械学習モデルの送信要求に応じて、NW通信部31を介して、学習モデル記憶部322が記憶する機械学習モデルを、管理サーバ10に送信し、モデル供給部134は、機械学習モデルを取得する。
【0068】
次に、モデル供給部134は、ストレージ装置30から取得した機械学習モデルを、エッジデバイス20に送信する(ステップS113)。モデル供給部134は、NW通信部11を介して、機械学習モデルを、エッジデバイス20に送信する。
【0069】
次に、エッジデバイス20のモデル更新処理部241は、機械学習モデルを更新する(ステップS114)。モデル更新処理部241は、無線通信部21による無線通信により受信した機械学習モデルを、学習モデル記憶部231に記憶させる。
【0070】
次に、エッジデバイス20は、検出処理及び推定処理を実行する(ステップS115)。エッジデバイス20の検出処理部242は、定期的に、センサ部22の検出データを取得し、推定処理部243に対して、検出データ及び更新された機械学習モデルを用いて推定処理を実行させる。
【0071】
なお、
図2に示す処理において、ステップS101からステップS110までの処理が、機械学習モデルの生成処理に対応し、ステップS111からステップS114までの処理が、機械学習モデルの更新処理に対応する。また、ステップS115の処理は、エッジデバイス20の通常動作の処理に対応する。
【0072】
<第1の実施形態の第1変形例>
次に、
図3を参照して、本実施形態による情報処理システム1の変形例(第1変形例)について説明する。
図3は、本実施形態による情報処理システム1の第1変形例の動作の一例を示す図である。ここでは、本実施形態の第1変形例として、エッジデバイス20から機械学習モデルの生成を要求する場合の変形例について説明する。
【0073】
図3に示すように、エッジデバイス20から機械学習モデルの生成を要求する場合に、まず、エッジデバイス20は、学習データの生成許可要求を、管理サーバ10に送信する(ステップS121)。エッジデバイス20のモデル更新処理部241は、所定の時間間隔ごとに、又は所定の条件を満たした場合に、学習データの生成許可要求を、管理サーバ10に送信する。
【0074】
次に、管理サーバ10は、学習データの生成許可を確認する(ステップS122)。管理サーバ10の取得処理部131は、エッジデバイス20から送信された学習データの生成許可要求に応じて、学習データの生成が許可されているか否かを判定する。取得処理部131は、学習データの生成が許可されている場合に、学習データの送信要求を、エッジデバイス20に送信する(ステップS123)。
【0075】
続く、ステップS123からステップS132までの処理は、上述した
図2に示すステップS101からステップS110までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0076】
このように、本実施形態の第1変形例では、エッジデバイス20が、学習データの生成許可要求を管理サーバ10を送信する。管理サーバ10の取得処理部131は、エッジデバイス20から送信された学習データの生成許可要求に応じて、学習データの生成が許可されているか否かを判定し、学習データの生成が許可されている場合に、学習データの送信要求を、エッジデバイス20に送信する。
【0077】
<第1の実施形態の第2変形例>
次に、
図4を参照して、本実施形態による情報処理システム1の変形例(第2変形例)について説明する。
【0078】
図4は、本実施形態による情報処理システム1の第2変形例の動作の一例を示す図である。ここでは、本実施形態の第2変形例として、エッジデバイス20が、既存の機械学習モデルと、新規の機械学習モデルとを比較して、推定の精度が良い方の機械学習モデルを採用する変形例について説明する。
【0079】
図4において、ステップS141からステップS143までの処理は、上述した
図2に示すステップS111からステップS113までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0080】
ステップS144において、エッジデバイス20のモデル更新処理部241は、機械学習モデルを追加する。モデル更新処理部241は、無線通信部21による無線通信により受信した機械学習モデルを、学習モデル記憶部231に追加で記憶させる。
【0081】
次に、エッジデバイス20は、検出処理、及び、既存の機械学習モデルと新規の機械学習モデルとの両方により推定処理を実行する(ステップS145)。エッジデバイス20の検出処理部242は、センサ部22の検出データを取得し、推定処理部243に対して、既存の機械学習モデルと新規の機械学習モデルとの両方を用いて推定処理を実行させる。
【0082】
次に、検出処理部242は、精度比較を行う(ステップS146)。検出処理部242は、既存の機械学習モデルによる推定処理の結果と、新規の機械学習モデルによる推定処理の結果とを比較し、既存の方が精度が良い場合に、処理をステップS147に進め、既存の機械学習モデルをそのまま採用する。ステップS147の処理後に、検出処理部242は、処理をステップS149に進める。
【0083】
また、検出処理部242は、精度比較の結果、新規の方が精度が良い場合に、処理をステップS148に進め、新規の機械学習モデルを採用する。
【0084】
次に、ステップS149において、検出処理部242は、フィードバック情報を、管理サーバ10に送信する。検出処理部242は、無線通信部21による無線通信を用いて、精度比較の結果、既存の機械学習モデルと新規の機械学習モデルとのいずれを採用したのかを示すフィードバック情報を、管理サーバ10に送信する。
【0085】
このように、本実施形態の第2変形例では、エッジデバイス20は、管理サーバ10から新たな機械学習モデル(新規の機械学習モデル)を受信した場合に、既存の機械学習モデルと、新たな機械学習モデルとの両方により、推定処理を実行し、両方の推定処理の結果を比較する。エッジデバイス20は、当該比較結果に基づいて、既存の機械学習モデルと、新たな機械学習モデルとのいずれを採用するか判定する。
【0086】
以上説明したように、本実施形態による情報処理システム1は、エッジデバイス20と、管理サーバ10とを備える。エッジデバイス20は、センサ部22が検出した検出データと、予め学習されている機械学習モデルとに基づく推定処理を実行するデバイス制御部24を備える。また、管理サーバ10は、無線通信を用いて、エッジデバイス20と通信可能であり、取得処理部131と、学習処理部132と、モデル供給部134とを備える。取得処理部131は、検出データを含む学習データをエッジデバイス20から取得し、学習データを学習データ記憶部321に記憶させる。学習処理部132は、モデル生成部133に、学習データ記憶部321が記憶する学習データに基づく学習処理を実行させて、機械学習モデルを生成させるとともに、学習モデル記憶部322に、機械学習モデルを記憶させる。モデル供給部134は、学習モデル記憶部322が記憶する機械学習モデルを、無線通信を用いて、エッジデバイス20に送信する。
【0087】
これにより、本実施形態による情報処理システム1は、例えば、エッジデバイス20が、管理サーバ10との間で通信(アクセス)するだけで、新規の機械学習モデルを取得することができる。そのため、本実施形態による情報処理システム1では、機械学習モデルの更新の際に、エッジデバイス20の処理を簡略化するとともに、ネットワークNWの通信回数の低減、通信回数の低減による処理の高速化、及び、ネットワークの負荷の軽減化を行うことができる。よって、本実施形態による情報処理システム1は、機械学習モデルの更新をより効率良く行うことができる。
【0088】
また、本実施形態では、取得処理部131は、学習データの送信要求を、エッジデバイス20に送信する。エッジデバイス20は、学習データの送信要求に応じて、学習データを管理サーバ10に送信する。
【0089】
これにより、本実施形態による情報処理システム1は、管理サーバ10を起点にして、エッジデバイス20から学習データを取得して、機械学習モデルの更新を行うことができる。よって、本実施形態による情報処理システム1は、機械学習モデルの更新をさらに効率良く行うことができる。
【0090】
また、本実施形態では、取得処理部131は、エッジデバイス20から送信された学習データの生成許可要求に応じて、学習データの生成が許可されているか否かを判定し、学習データの生成が許可されている場合に、学習データの送信要求を、エッジデバイス20に送信する。
【0091】
これにより、本実施形態による情報処理システム1は、エッジデバイス20を起点にして、機械学習モデルの更新を行うことができる。本実施形態による情報処理システム1は、エッジデバイス20の判定による適切なタイミングで、機械学習モデルの更新を行うことができるため、機械学習モデルの更新をさらに効率良く行うことができる。
【0092】
また、本実施形態では、エッジデバイス20は、管理サーバ10から新たな機械学習モデルを受信した場合に、既存の機械学習モデルと、新たな機械学習モデルとの両方により、推定処理を実行し、両方の推定処理の結果を比較する。エッジデバイス20は、当該比較結果に基づいて、既存の機械学習モデルと、新たな機械学習モデルとのいずれを採用するか判定する。
【0093】
これにより、本実施形態による情報処理システム1は、両方の推定処理の結果、例えば、推定処理の精度の良い方を採用するなどにより、機械学習モデルの更新により、推定精度を向上させることができる。よって、本実施形態による情報処理システム1は、機械学習モデルの更新をさらに効率良く行うことができる。
【0094】
また、本実施形態では、エッジデバイス20は、比較結果に基づく情報を、管理サーバ10に送信する。
これにより、本実施形態による情報処理システム1では、例えば、採用された機械学習モデルの情報、等を管理サーバ10が把握することができる。よって、本実施形態による情報処理システム1では、管理サーバ10が、機械学習モデルの更新を適切に管理することができる。
【0095】
また、本実施形態による管理サーバ10は、センサ部22が検出した検出データと、予め学習されている機械学習モデルとに基づく推定処理を実行するデバイス制御部24を備えるエッジデバイス20と、無線通信を用いて、通信可能な管理サーバであって、取得処理部131と、学習処理部132と、モデル供給部134とを備える。取得処理部131は、検出データを含む学習データをエッジデバイス20から取得し、学習データを学習データ記憶部321に記憶させる。学習処理部132は、モデル生成部133に、学習データ記憶部321が記憶する学習データに基づく学習処理を実行させて、機械学習モデルを生成させるとともに、学習モデル記憶部322に、機械学習モデルを記憶させる。モデル供給部134は、学習モデル記憶部322が記憶する機械学習モデルを、無線通信を用いて、エッジデバイス20に送信する。
これにより、本実施形態による管理サーバ10は、上述した情報処理システム1と同様の効果を奏し、機械学習モデルの更新をより効率良く行うことができる。
【0096】
また、本実施形態による機械学習モデルの更新方法は、管理サーバ10による機械学習モデルの更新方法であって、取得処理ステップと、学習処理ステップと、モデル供給ステップとを含む。ここで、管理サーバ10は、センサ部22が検出した検出データと、予め学習されている機械学習モデルとに基づく推定処理を実行するデバイス制御部24を備えるエッジデバイス20と、無線通信を用いて、通信可能である。取得処理ステップにおいて、管理サーバ10が、検出データを含む学習データをエッジデバイス20から取得し、学習データを学習データ記憶部321に記憶させる。学習処理ステップにおいて、管理サーバ10が、モデル生成部133に、学習データ記憶部321が記憶する学習データに基づく学習処理を実行させて、機械学習モデルを生成させるとともに、学習モデル記憶部322に、機械学習モデルを記憶させる。モデル供給ステップにおいて、管理サーバ10が、学習モデル記憶部322が記憶する機械学習モデルを、無線通信を用いて、エッジデバイス20に送信する。
これにより、本実施形態による更新方法は、上述した情報処理システム1と同様の効果を奏し、機械学習モデルの更新をより効率良く行うことができる。
【0097】
[第2の実施形態]
次に、図面を参照して、第2の実施形態による情報処理システム1aについて説明する。本実施形態では、管理サーバ10のモデル生成部133の代わりに、外部接続装置40のモデル生成部42が機械学習モデルを生成する変形例について説明する。
【0098】
図5は、第2の実施形態による情報処理システム1aの一例を示すブロック図である。
図5に示すように、情報処理システム1aは、管理サーバ10aと、エッジデバイス20と、ストレージ装置30と、外部接続装置40とを備える。
なお、
図5において、上述した
図1に示す第1の実施形態と同一の構成には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0099】
外部接続装置40は、例えば、利用者のパーソナルコンピュータや外部のサーバ装置などであり、ネットワークNW1を介して、管理サーバ10a及びストレージ装置30と接続可能である。
また、外部接続装置40は、NW通信部41と、モデル生成部42とを備える。
【0100】
NW通信部41は、例えば、有線LAN、無線LANなどのネットワークアダプタであり、ネットワークNW1を介して、管理サーバ10a及びストレージ装置30と通信可能である。
【0101】
モデル生成部42は、第1の実施形態のモデル生成部133と同様の機能を有し、学習データ記憶部321が記憶する学習データに基づいて、学習処理を実行し、機械学習モデルを生成する。モデル生成部42は、管理サーバ10aからの機械学習モデルの生成要求に応じて、機械学習モデルを生成し、生成した機械学習モデルを、学習モデル記憶部322に記憶させる。
【0102】
具体的に、モデル生成部42は、管理サーバ10aからの機械学習モデルの生成要求に応じて、NW通信部41を介して、ストレージ装置30の学習データ記憶部321から学習データを取得する。モデル生成部42は、学習データに基づく学習処理を実行して、機械学習モデルを生成する。また、モデル生成部42は、NW通信部41を介して、ストレージ装置30の学習モデル記憶部322に、機械学習モデルを記憶させる。
【0103】
管理サーバ10aは、エッジデバイス20を含む情報処理システム1aを管理するサーバ装置である。管理サーバ10aは、ネットワークNW1を介して、エッジデバイス20、ストレージ装置30、及び外部接続装置40と通信可能である。
管理サーバ10aは、NW通信部11と、サーバ記憶部12と、サーバ制御部13aとを備える。
【0104】
サーバ制御部13aは、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、管理サーバ10aを統括的に制御する。サーバ制御部13aは、取得処理部131と、学習処理部132aと、モデル供給部134とを備える。
【0105】
学習処理部132aは、外部接続装置40のモデル生成部42に、学習データ記憶部321が記憶する学習データに基づく学習処理を実行させて、機械学習モデルを生成させる。学習処理部132aは、NW通信部11を介して、外部接続装置40に、機械学習モデルを生成させる生成要求として、機械学習モデルの生成要求を送信し、外部接続装置40のモデル生成部42に、機械学習モデルを生成させる。
【0106】
次に、図面を参照して、本実施形態による情報処理システム1aの動作について説明する。
図6は、本実施形態による情報処理システムの動作の一例を示す図である。
【0107】
図6において、ステップS201からステップS206までの処理は、上述した
図2に示すステップS101からステップS106までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0108】
ステップS207において、管理サーバ10aは、機械学習モデルの生成要求を外部接続装置40に送信する。すなわち、管理サーバ10aの学習処理部132aは、NW通信部11を介して、機械学習モデルを生成させる生成要求である機械学習モデルの生成要求を、外部接続装置40に送信する。
【0109】
次に、外部接続装置40は、ストレージ装置30から学習データを取得する(ステップS208)。外部接続装置40のモデル生成部42は、NW通信部41を介して、ストレージ装置30に、学習データの送信要求を送信する。ストレージ装置30は、学習データの送信要求に応じて、NW通信部31を介して、学習データ記憶部321が記憶する学習データを、外部接続装置40に送信し、モデル生成部42は、学習データを取得する。
【0110】
次に、モデル生成部42は、機械学習モデルの生成処理を実行する(ステップS209)。モデル生成部42は、取得した学習データによる学習処理を実行し、新たな機械学習モデルを生成する。
【0111】
次に、モデル生成部42は、機械学習モデルを、ストレージ装置30に送信する(ステップS210)。モデル生成部42は、NW通信部41を介して、モデル生成部133が生成した機械学習モデルを、ストレージ装置30に送信する。
【0112】
次に、ストレージ装置30は。機械学習モデルを保存する(ステップS211)。ストレージ装置30は。NW通信部31を介して受信した機械学習モデルを、学習モデル記憶部322に記憶させる。
【0113】
以上説明したように、本実施形態による情報処理システム1aは、管理サーバ10aと、エッジデバイス20と、ストレージ装置30と、外部接続装置40とを備える。外部接続装置40は、モデル生成部42を備え、管理サーバ10aと通信可能である。管理サーバ10aは、学習処理部132aを備え、学習処理部132aは、機械学習モデルを生成させる生成要求を、外部接続装置40に送信する。モデル生成部42は、生成要求に応じて、機械学習モデルを生成し、生成した機械学習モデルを、学習モデル記憶部322に記憶させる。
【0114】
これにより、本実施形態による情報処理システム1aは、上述した第1の実施形態と同様の効果を奏し、機械学習モデルの更新をより効率良く行うことができる。また、本実施形態による情報処理システム1aは、外部接続装置40が、機械学習モデルを生成するモデル生成部42を備えるため、管理サーバ10aの処理負荷を軽減することができる。
【0115】
また、本実施形態による情報処理システム1aは、ストレージ装置30を備える。ストレージ装置30は、学習データ記憶部321と、学習モデル記憶部322とを備え、管理サーバ10a及び外部接続装置40と通信可能である。モデル生成部42は、機械学習モデルの生成要求に応じて、学習データをストレージ装置30が備える学習データ記憶部321から取得する。
【0116】
これにより、本実施形態による情報処理システム1aでは、外部接続装置40からストレージ装置30(学習データ記憶部321)を取得するため、管理サーバ10aの処理負荷を軽減することができる。よって、本実施形態による情報処理システム1aは、機械学習モデルの更新をさらに効率良く行うことができる。
【0117】
[第3の実施形態]
次に、図面を参照して、第3の実施形態による情報処理システム1bについて説明する。本実施形態では、管理サーバ10bが、ストレージ装置30の機能を含む変形例について説明する。
【0118】
図7は、第3の実施形態による情報処理システム1bの一例を示すブロック図である。
図7に示すように、情報処理システム1bは、管理サーバ10bと、エッジデバイス20と、外部接続装置40とを備える。
なお、
図7において、上述した
図5に示す第2の実施形態と同一の構成には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0119】
管理サーバ10bは、エッジデバイス20を含む情報処理システム1bを管理するサーバ装置である。管理サーバ10bは、ネットワークNW1を介して、エッジデバイス20、及び外部接続装置40と通信可能である。
管理サーバ10bは、NW通信部11と、サーバ記憶部12aと、サーバ制御部13bとを備える。
【0120】
サーバ記憶部12aは、管理サーバ10bが利用する各種情報を記憶する。サーバ記憶部12aは、例えば、推定結果記憶部121と、学習データ記憶部122と、学習モデル記憶部123とを備える。本実施形態では、サーバ記憶部12aが、学習データ記憶部122と、学習モデル記憶部123とを備える点が、第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる。
【0121】
学習データ記憶部122及び学習モデル記憶部123は、上述した第1の実施形態の学習データ記憶部321及び学習モデル記憶部322と同様の機能を有するため、ここではその説明を省略する。
【0122】
サーバ制御部13bは、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、管理サーバ10bを統括的に制御する。サーバ制御部13bは、取得処理部131aと、学習処理部132bと、モデル供給部134aとを備える。
【0123】
取得処理部131aは、エッジデバイス20から取得した学習データを、学習データ記憶部122に記憶させる点を除いて、上述した第1の実施形態の取得処理部131と同様である。
【0124】
学習処理部132bは、外部接続装置40のモデル生成部42に、学習データ記憶部122が記憶する学習データに基づく学習処理を実行させて、機械学習モデルを生成させる。学習処理部132bは、学習データ記憶部321から学習データを取得し、学習データを含む生成要求を、外部接続装置40に送信する。また、学習処理部132bは、NW通信部11を介して、外部接続装置40から受信した機械学習モデルを学習モデル記憶部123に記憶させる。
【0125】
モデル供給部134aは、学習モデル記憶部123が記憶する機械学習モデルを取得して、エッジデバイス20に送信する点を除いて、上述した第1の実施形態のモデル供給部134と同様である。
【0126】
次に、図面を参照して、本実施形態による情報処理システム1bの動作について説明する。
図8は、本実施形態による情報処理システム1bの動作の一例を示す図である。
【0127】
図8において、ステップS301からステップS303までの処理は、上述した
図2に示すステップS101からステップS103までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0128】
ステップS304において、管理サーバ10bは、学習データを保存する。管理サーバ10bの取得処理部131aは、エッジデバイス20から取得した学習データを、学習データ記憶部122に記憶させる。
【0129】
続く、ステップS305の処理は、上述した
図2に示すステップS105の処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0130】
次に、管理サーバ10bは、機械学習モデルの生成要求及び学習データを、外部接続装置40に送信する(ステップS306)。管理サーバ10bの学習処理部132bは、学習データ記憶部321から学習データを取得し、学習データを含む機械学習モデルの生成要求を、NW通信部11を介して、外部接続装置40に送信する。
【0131】
次に、外部接続装置40は、機械学習モデルの生成処理を実行する(ステップS307)。外部接続装置40のモデル生成部42は、機械学習モデルの生成要求に応じて、管理サーバ10bから受信した学習データに基づいて、学習処理を実行し、機械学習モデルを生成する。
【0132】
次に、モデル生成部42は、機械学習モデルを管理サーバ10bに送信する(ステップS308)、モデル生成部42は、NW通信部41を介して、機械学習モデルを管理サーバ10bに送信する。
【0133】
次に、管理サーバ10bの学習処理部132bは、機械学習モデルを、学習モデル記憶部123に記憶させる(ステップS309)、学習処理部132bは、NW通信部11を介して、外部接続装置40から受信した機械学習モデルを、学習モデル記憶部123に記憶させる。
【0134】
以上説明したように、本実施形態による情報処理システム1bは、管理サーバ10bと、エッジデバイス20と、外部接続装置40とを備える。外部接続装置40は、モデル生成部42を備える。管理サーバ10bは、学習データ記憶部122と、学習モデル記憶部123とを備えるとともに、学習処理部132bを備える。学習処理部132bは、学習データを学習データ記憶部122から取得し、学習データを含む機械学習モデルの生成要求を、外部接続装置40に送信する。外部接続装置40が備えるモデル生成部42は、機械学習モデルの生成要求に応じて、機械学習モデルを生成し、生成した機械学習モデルを、管理サーバ10bに送信する。学習処理部132bは、外部接続装置40から受信した機械学習モデルを学習モデル記憶部123に記憶させる。
【0135】
これにより、本実施形態による情報処理システム1bは、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の効果を奏し、機械学習モデルの更新をより効率良く行うことができる。また、本実施形態による情報処理システム1bは、ストレージ装置30の機能が、管理サーバ10bに内蔵されているため、構成を簡略化することができる。
【0136】
[第4の実施形態]
次に、図面を参照して、第4の実施形態による情報処理システム1cについて説明する。本実施形態では、通信速度が低速で低消費電力のLPWAによる無線通信(第1の無線通信方式)と、LPWAに比べて通信速度が高速で消費電力が大きい高速無線通信(第2の無線通信方式)とを切り替えて使用して、エッジデバイス20aに機械学習モデルを供給する変形例について説明する。
【0137】
なお、従来の情報処理システムでは、エッジデバイスの消費電力を低減するために、LPWA方式などの低消費電力の無線通信を使用することが一般的である。しかしながら、このような従来の情報処理システムでは、LPWA方式の無線通信では、速度が遅いため、エッジデバイスの機械学習モデルを更新する際に、効率が悪いという課題があった。
【0138】
そこで、本実施形態による情報処理システム1cでは、通信速度が低速で低消費電力のLPWAによる無線通信(第1の無線通信方式)と、LPWAに比べて通信速度が高速で消費電力が大きい高速無線通信(第2の無線通信方式)とを切り替えて、機械学習モデルの更新を実行する。
【0139】
図9は、本実施形態による情報処理システム1cの一例を示すブロック図である。
図9に示すように、情報処理システム1cは、管理サーバ10aと、エッジデバイス20aと、ストレージ装置30と、外部接続装置40と、LPWAサーバ50と、LPWAアクセスポイント51とを備える。
なお、
図9において、上述した
図5に示す第2の実施形態と同一の構成には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0140】
LPWAサーバ50は、エッジデバイス20aとLPWA方式の無線通信を行うためのサーバ装置である。LPWAサーバ50は、LPWAアクセスポイント51を介して、エッジデバイス20aとLPWA方式の無線通信を行い、ネットワークNW1と、LPWA方式の無線通信との間で、中継処理を行う。なお、LPWAサーバ50は、管理サーバ10aに含まれていてもよい。
【0141】
LPWAアクセスポイント51は、エッジデバイス20aとLPWA方式の無線通信を行うためのアクセスポイントである。
【0142】
エッジデバイス20aは、無線通信部21aと、センサ部22と、デバイス記憶部23と、デバイス制御部24aとを備える。
無線通信部21aは、LPWA通信部211と、高速無線通信部212とを備える。
【0143】
LPWA通信部211(第1無線通信部の一例)は、LPWA方式(第1無線通信方式)による通信を実行する。LPWA通信部211は、上述したLPWAアクセスポイント51及びLPWAサーバ50を介して、ネットワークNW1に接続可能である。LPWA通信部211は、LPWAアクセスポイント51を介して、LPWAサーバ50との間で無線通信を行う。
【0144】
高速無線通信部212(第2無線通信部の一例)は、LPWA通信部211によるLPWA方式よりも消費電力が大きく、且つ、通信速度が速い高速無線通信方式(第2無線通信方式)による通信を実行する。高速無線通信方式は、例えば、無線LAN、移動体通信(3G、4G、LTE、5Gなど)、及びBluetooth(登録商標)、等の無線通信方式である。
【0145】
デバイス制御部24aは、例えば、CPUを含むプロセッサなどであり、エッジデバイス20aを統括的に制御する。デバイス制御部24aは、例えば、センサ部22が検出した検出データと、予め学習されている機械学習モデルとに基づく推定処理を実行する。
【0146】
デバイス制御部24aは、通常動作モードにおいて、LPWA通信部211によるLPWA方式を用いて、推定処理の結果を送信する。また、デバイス制御部24aは、機械学習モデルの更新を行う更新モードにおいて、高速無線通信部212による高速無線通信方式を用いて、新たな機械学習モデルを受信する。
【0147】
デバイス制御部24aは、通常動作モードにおいて、高速無線通信部212の動作を停止させ、更新モードにおいて、高速無線通信部212を動作させて、高速無線通信方式による通信を実行させる。
【0148】
また、デバイス制御部24aは、通常動作モードにおいて、LPWA方式を用いて、機械学習モデルの更新を要求する通知を受信した場合に、更新モードに変更する。
また、デバイス制御部24aは、モデル更新処理部241aと、検出処理部242と、推定処理部243とを備える。
【0149】
モデル更新処理部241aは、機械学習モデルを更新する処理を実行する。モデル更新処理部241aは、機械学習モデルを更新する処理を実行する際に、高速無線通信部212による高速無線通信方式を用いる点を除いて、基本的に、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態のモデル更新処理部241と同様である。
モデル更新処理部241aは、高速無線通信部212による無線通信を用いて、管理サーバ10aから機械学習モデルを取得し、機械学習モデルを学習モデル記憶部231に記憶させる。
【0150】
次に、図面を参照して、本実施形態による情報処理システム1cの動作について説明する。
図10は、本実施形態による情報処理システム1cの動作の一例を示す第1の図である。
図10では、ストレージ装置30が、新規の機械学習モデルを記憶している場合の本実施形態における機械学習モデルの更新処理について説明する。
【0151】
図10に示すように、LPWAサーバ50は、まず、LPWAアクセスポイント51を介して、新規の機械学習モデルの適用通知をエッジデバイス20aに送信する(ステップS401)。LPWAサーバ50は、LPWA方式の無線通信により、新規の機械学習モデルの適用通知をエッジデバイス20aに送信する。
【0152】
次に、エッジデバイス20aは、更新モードに変更する(ステップS402)。エッジデバイス20aのデバイス制御部24aは、高速無線通信部212を動作させて、更新モードに変更する。
【0153】
次に、エッジデバイス20aは、新規の機械学習モデルの送信要求を、管理サーバ10aに送信する(ステップS403)。エッジデバイス20aのモデル更新処理部241aは、高速無線通信部212による無線通信を用いて、新規の機械学習モデルの送信要求(モデル確認要求)を管理サーバ10aに送信する。
【0154】
次に、管理サーバ10aは、新規の機械学習モデルをストレージ装置30から取得する(ステップS404)。管理サーバ10aのモデル供給部134は、NW通信部11を介して、エッジデバイス20aから受信した新規の機械学習モデルの送信要求に応じて、NW通信部11を介して、ストレージ装置30に、新規の機械学習モデルの送信要求を送信する。ストレージ装置30は、新規の機械学習モデルの送信要求に応じて、NW通信部31を介して、学習モデル記憶部322が記憶する機械学習モデルを、管理サーバ10aに送信し、モデル供給部134は、機械学習モデルを取得する。
【0155】
次に、管理サーバ10aのモデル供給部134は、ストレージ装置30から取得した新規の機械学習モデルを、エッジデバイス20aに送信する(ステップS405)。モデル供給部134は、高速無線通信部212による無線通信を用いて、新規の機械学習モデルを、エッジデバイス20aに送信する。
【0156】
次に、エッジデバイス20aは、新規の機械学習モデルを取得したか否かを判定する(ステップS406)。エッジデバイス20aのモデル更新処理部241aは、新規の機械学習モデルを取得したか否かを判定し、新規の機械学習モデルを取得した場合(ステップS406:YES)に、処理をステップS407に進める。また、モデル更新処理部241aは、新規の機械学習モデルを取得していない場合(ステップS406:NO)に、処理をステップS403に戻し、新規の機械学習モデルを取得するまで処理を繰り返す。
【0157】
ステップS407において、モデル更新処理部241aは、機械学習モデルを更新する。モデル更新処理部241aは、高速無線通信部212による無線通信により受信した機械学習モデルを、学習モデル記憶部231に記憶させる。
【0158】
次に、モデル更新処理部241aは、通常動作モードに変更する(ステップS408)。モデル更新処理部241aは、高速無線通信部212の動作を停止させて、通常動作モードに変更する。
【0159】
次に、エッジデバイス20aは、検出処理及び推定処理を実行する(ステップS409)。エッジデバイス20aの検出処理部242は、定期的に、センサ部22の検出データを取得し、推定処理部243に対して、検出データ及び更新された機械学習モデルを用いて推定処理を実行させる。
【0160】
また、
図11は、本実施形態による情報処理システム1cの動作の一例を示す第2の図である。
図11では、ストレージ装置30が、新規の機械学習モデルを記憶していない場合の本実施形態における機械学習モデルの更新処理について説明する。
【0161】
図11において、ステップS411からステップS413までの処理は、上述した
図10に示すステップS401からステップS403までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0162】
次に、ステップS414において、管理サーバ10aは、新規の機械学習モデルをストレージ装置30から取得するために、新規の機械学習モデルの送信要求を送信するが、ストレージ装置30が、新規の機械学習モデルを記憶していない。そのため、ストレージ装置30は、新規の機械学習モデルなしの通知を、管理サーバ10aに送信する。
【0163】
次に、管理サーバ10aは、機械学習モデルの生成要求を、外部接続装置40に送信する(ステップS415)。なお、ステップS415からステップS419までの処理は、上述した
図6に示すステップS207からステップS211までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0164】
また、ステップS420からステップS425までの処理は、上述した
図10に示すステップS403からステップS408までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0165】
<第4の実施形態の第1変形例>
次に、
図12を参照して、本実施形態による情報処理システム1cの変形例(第1変形例)について説明する。
図12は、本実施形態による情報処理システム1cの第1変形例の動作の一例を示す図である。ここでは、本実施形態の第1変形例として、管理サーバ10aが、機械学習モデルの更新通知を外部接続装置40に送信する変形例について説明する。
【0166】
図12において、ステップS431からステップS435までの処理は、上述した
図10に示すステップS401からステップS405までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0167】
ステップS436において、管理サーバ10aは、機械学習モデルの更新通知を、外部接続装置40に送信する。すなわち、管理サーバ10aのモデル供給部134は、機械学習モデルが適用されたことを、機械学習モデルの生成元である外部接続装置40に通知する。
【0168】
続く、ステップS437からステップS440までの処理は、上述した
図10に示すステップS406からステップS409までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0169】
<第4の実施形態の第2変形例>
次に、
図13を参照して、本実施形態による情報処理システム1cの変形例(第2変形例)について説明する。
図13は、本実施形態による情報処理システム1cの第2変形例の動作の一例を示す図である。ここでは、本実施形態の第2変形例として、エッジデバイス20aが、機械学習モデルの更新通知をLPWAサーバ50に送信する変形例について説明する。
【0170】
本実施形態におけるエッジデバイス20aのデバイス制御部24aは、LPWA方式を用いて、機械学習モデルの更新が完了したことを示す情報を、例えば、LPWAサーバ50に送信する。
【0171】
図13において、ステップS451からステップS458までの処理は、上述した
図10に示すステップS401からステップS408までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0172】
ステップS459において、エッジデバイス20aは、LPWAアクセスポイント51を介して、LPWAサーバ50に、機械学習モデルの更新通知を送信する。エッジデバイス20aのデバイス制御部24aは、LPWA通信部211による無線通信を用いて、機械学習モデルの更新が完了したことを示す機械学習モデルの更新通知をLPWAサーバ50に送信する。
【0173】
次に、エッジデバイス20aは、検出処理及び推定処理を実行する(ステップS460)。エッジデバイス20aの検出処理部242は、定期的に、センサ部22の検出データを取得し、推定処理部243に対して、検出データ及び更新された機械学習モデルを用いて推定処理を実行させる。
【0174】
以上説明したように、本実施形態による情報処理システム1cは、管理サーバ10aと、エッジデバイス20aと、ストレージ装置30と、外部接続装置40と、LPWAサーバ50とを備える。エッジデバイス20aは、LPWA通信部211(第1無線通信部)と、高速無線通信部212(第2無線通信部)と、デバイス制御部24aとを備える。LPWA通信部211は、LPWA方式(第1無線通信方式)による通信を実行する。高速無線通信部212は、LPWA通信部211によるLPWA方式よりも消費電力が大きく、且つ、通信速度が速い高速無線通信方式(第2無線通信方式)による通信を実行する。デバイス制御部24aは、通常動作モードにおいて、LPWA通信部211によるLPWA方式を用いて、推定処理の結果を送信し、機械学習モデルの更新を行う更新モードにおいて、高速無線通信部212による高速無線通信方式を用いて、新たな機械学習モデルを受信する。
【0175】
これにより、本実施形態による情報処理システム1cは、通常動作モードにおいて、消費電力の低いLPWA方式(第1無線通信方式)による通信を用い、機械学習モデルを更新する更新モードにおいて、通信速度の速い高速無線通信方式(第2無線通信方式)による通信を用いる。そのため、本実施形態による情報処理システム1cは、通常動作で低消費電力を維持しつつ、機械学習モデルの更新において高速通信により、効率良く通信を行うことができる。よって、本実施形態による情報処理システム1cは、機械学習モデルの更新をより効率良く行うことができる。
【0176】
また、本実施形態では、デバイス制御部24aは、通常動作モードにおいて、高速無線通信部212の動作を停止させ、更新モードにおいて、高速無線通信部212を動作させて、高速無線通信方式による通信を実行させる。
【0177】
これにより、本実施形態による情報処理システム1cは、通常動作モードにおいて、高速無線通信部212の動作を停止させているため、さらに消費電力を低減することができる。
【0178】
また、本実施形態では、デバイス制御部24aは、通常動作モードにおいて、LPWA方式を用いて、機械学習モデルの更新を要求する通知を受信した場合に、更新モードに変更する。
これにより、本実施形態による情報処理システム1cは、機械学習モデルの更新の際に、高速無線通信に切り替えることができる。
【0179】
また、本実施形態では、デバイス制御部24aは、LPWA方式を用いて、機械学習モデルの更新が完了したことを示す情報を送信する。
これにより、本実施形態による情報処理システム1cは、機械学習モデルの更新が完了したことを、低消費電力により、外部に通知することができる。
【0180】
なお、上述した本実施形態の第1変形例と、第2変形例とは、単独で実施する例を説明したが、これに限定されるものではなく、本実施形態の第1変形例と、第2変形例とを組み合わせて実現してもよい。
【0181】
[第5の実施形態]
次に、図面を参照して、第5の実施形態による情報処理システム1dについて説明する。本実施形態では、エッジデバイス20bが、機械学習モデルを取得できない場合に、通常運転モードに変更する変形例について説明する。
【0182】
図14は、第5の実施形態による情報処理システム1dの一例を示すブロック図である。
図14に示すように、情報処理システム1dは、管理サーバ10aと、エッジデバイス20bと、ストレージ装置30と、外部接続装置40と、LPWAサーバ50と、LPWAアクセスポイント51とを備える。
なお、
図14において、上述した
図9に示す第4の実施形態と同一の構成には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0183】
エッジデバイス20bは、無線通信部21aと、センサ部22と、デバイス記憶部23と、デバイス制御部24bとを備える。
無線通信部21aは、LPWA通信部211と、高速無線通信部212とを備える。
【0184】
デバイス制御部24bは、例えば、CPUを含むプロセッサなどであり、エッジデバイス20bを統括的に制御する。デバイス制御部24bの基本的な機能は、上述した第4の実施形態のデバイス制御部24aと同様である。デバイス制御部24bは、機械学習モデルを取得できない場合に、通常運転モードに変更する点が、第4の実施形態のデバイス制御部24aと異なる。
【0185】
また、本実施形態における外部接続装置40は、新規の機械学習モデルを生成した場合に、機械学習モデルの更新通知を、LPWAサーバ50に送信する。
また、本実施形態におけるLPWAサーバ50は、機械学習モデルの更新通知の受信に応じて、新規の機械学習モデルの適用通知を、エッジデバイス20bに送信する。
【0186】
次に、
図15を参照して、本実施形態による情報処理システム1dの動作について説明する。
図15は、本実施形態による情報処理システム1dの動作の一例を示す第1の図である。
図15では、ストレージ装置30が、新規の機械学習モデルを記憶していない場合の本実施形態における機械学習モデルの更新処理について説明する。
【0187】
図15において、ステップS501からステップS509までの処理は、上述した
図11に示すステップS411からステップS419までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0188】
ステップS510において、外部接続装置40は、機械学習モデルの更新通知を、LPWAサーバ50に送信する。外部接続装置40のモデル生成部42は、NW通信部41及びネットワークNW1を介して、機械学習モデルの更新通知を、LPWAサーバ50に送信する。
【0189】
また、ステップS511において、エッジデバイス20bは、通常動作モードに変更する。エッジデバイス20bのモデル更新処理部241bは、機械学習モデルを取得できない場合に、高速無線通信部212の動作を停止させて、通常動作モードに変更する。
【0190】
また、ステップS512からステップS519までの処理は、上述した
図12に示すステップS431からステップS439までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0191】
以上説明したように、本実施形態による情報処理システム1dは、管理サーバ10aと、エッジデバイス20bと、ストレージ装置30と、外部接続装置40と、LPWAサーバ50と、LPWAアクセスポイント51とを備える。デバイス制御部24bは、機械学習モデルを取得できない場合に、通常運転モードに変更する。また、本実施形態における外部接続装置40は、新規の機械学習モデルを生成した場合に、機械学習モデルの更新通知を、LPWAサーバ50に送信し、LPWAサーバ50は、機械学習モデルの更新通知の受信に応じて、新規の機械学習モデルの適用通知を、エッジデバイス20bに送信する。
これにより、本実施形態による情報処理システム1dは、上述した第4の実施形態と同様の効果を奏し、機械学習モデルの更新をより効率良く行うことができる。
【0192】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態において、管理サーバ10(10a、10b)は、1台の装置で構成される例を説明したが、これに限定されるものではなく、複数のサーバ装置によって構成されてもよい。
【0193】
また、上記の第4及び第5の実施形態において、LPWAサーバ50は、管理サーバ10aに含まれて構成されてもよい。また、LPWAサーバ50は、LPWAアクセスポイント51の他に、LPWA中継器を介して、エッジデバイス20a(20b)と接続されてもよい。
【0194】
また、上記の第4及び第5の実施形態は、第2の実施形態に対して適用する例を説明したが、これに限定されるものではなく、第1の実施形態、又は第3の実施形態など、他の実施形態に適用してもよい。
【0195】
なお、上述した情報処理システム1(1a~1d)が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した情報処理システム1(1a~1d)が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した情報処理システム1(1a~1d)が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0196】
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0197】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に情報処理システム1(1a~1d)が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0198】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0199】
1,1a,1b,1c,1d…情報処理システム
10,10a,10b…管理サーバ
11,31,41…NW通信部
12,12a…サーバ記憶部
13,13a,13b…サーバ制御部
21,21a…無線通信部
22…センサ部
23…デバイス記憶部
24,24a,24b…デバイス制御部
30…ストレージ装置
32…記憶部
40…外部接続装置
50…LPWAサーバ
51…LPWAアクセスポイント
121…推定結果記憶部
131…取得処理部
132,132a,132b…学習処理部
133,42…モデル生成部
134…モデル供給部
211…LPWA通信部
212…高速無線通信部
231,322,123…学習モデル記憶部
232…検出データ記憶部
241,241a,241b…モデル更新処理部
242…検出処理部
243…推定処理部
321,122…学習データ記憶部
NW1…ネットワーク