(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005458
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】皮膚製剤用の組成物及び皮膚用製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/24 20060101AFI20240110BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20240110BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20240110BHJP
A61K 9/00 20060101ALI20240110BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20240110BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20240110BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240110BHJP
A61Q 1/14 20060101ALI20240110BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20240110BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20240110BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20240110BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
A61K8/24
A61K47/18
A61K47/04
A61K9/00
A61K8/44
A61Q5/02
A61Q19/10
A61Q1/14
A61Q5/12
A61Q17/04
A61Q5/00
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105644
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】若月 明子
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
【Fターム(参考)】
4C076BB31
4C076CC18
4C076DD13F
4C076DD26
4C076DD51F
4C076FF67
4C083AA122
4C083AB011
4C083AB032
4C083AB212
4C083AB242
4C083AB281
4C083AB282
4C083AC012
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC212
4C083AC232
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC372
4C083AC392
4C083AC402
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC442
4C083AC472
4C083AC482
4C083AC581
4C083AC621
4C083AC622
4C083AC642
4C083AC662
4C083AC712
4C083AC782
4C083AC792
4C083AD092
4C083AD132
4C083AD152
4C083AD172
4C083AD242
4C083AD262
4C083AD332
4C083AD352
4C083AD532
4C083AD662
4C083BB07
4C083CC02
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC07
4C083CC19
4C083CC23
4C083CC24
4C083CC31
4C083CC33
4C083CC38
4C083DD08
4C083DD12
4C083DD23
4C083DD28
4C083DD30
4C083DD31
4C083DD41
4C083EE12
4C083EE17
4C083EE28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、ヒスタミン放出抑制効果に優れた皮膚用製剤を得ることができる皮膚製剤用の組成物及び皮膚用製剤を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、下記の一般式(1)で表される両性界面活性剤(A)と、リン酸の重縮合物及び/又はその塩とを含有する皮膚製剤用の組成物及び皮膚用製剤である。
[式中、R
1は炭素数6~25のアルキル基又はアルケニル基を表し、Xは水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、M
1は水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子又はトリエタノールアンモニウムを表し、nは1又は2の整数を示す]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式(1)で表される両性界面活性剤(A)と、
リン酸の重縮合物及び/又はその塩とを
含有する皮膚製剤用の組成物。
【化1】
[式中、R
1は炭素数6~25のアルキル基又はアルケニル基を表し、Xは水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、M
1は水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子又はトリエタノールアンモニウムを表し、nは1又は2の整数を示す]
【請求項2】
皮膚製剤用の組成物に対するリン酸の重縮合物及びその塩の合計重量割合が、0.0005~10重量%である、請求項1に記載の皮膚製剤用の組成物。
【請求項3】
下記の一般式(1)で表される両性界面活性剤(A)と
リン酸の重縮合物及び/又はその塩とを
含有する皮膚用製剤。
【化2】
[式中、R
1は炭素数6~25のアルキル基又はアルケニル基を表し、Xは水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、M
1は水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子又はトリエタノールアンモニウムを表し、nは1又は2の整数を示す]
【請求項4】
皮膚用製剤に対するリン酸の重縮合物及びその塩の合計重量割合が、0.01~10重量%である、請求項3に記載の皮膚用製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚製剤用の組成物及び皮膚用製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚のかゆみは、日常生活の中で頻発する感覚の一つである。かゆみが引き起こす掻破行動は、かゆみを増強するだけでなく、皮膚炎などの症状も悪化させるため、かゆみを抑制できない場合はQOL低下につながることが知られている。
かゆみを抑制する皮膚用製剤として、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)等が知られている。
【0003】
しかしながら、副腎皮質ホルモンは皮膚刺激性が強く、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」で規定される化粧品及び医薬部外品には使用できない。(非特許文献1)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】清水宏著、「あたらしい皮膚科学第2版」、中山書店2011年p.86
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ヒスタミン遊離抑制効果に優れ、かつ、化粧料、医薬部外品、医薬品に配合可能な皮膚用製剤を得ることができる組成物及び皮膚用製剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、下記の一般式(1)で表される両性界面活性剤(A)と、
リン酸の重縮合物及び/又はその塩とを含有する皮膚用製剤用組成物、及び皮膚用製剤である。
【化1】
[式中、R
1は炭素数6~25のアルキル基又はアルケニル基を表し、Xは水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、M
1は水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子又はトリエタノールアンモニウムを表し、nは1又は2の整数を示す]
【発明の効果】
【0007】
本発明の皮膚製剤用の組成物及び皮膚用製剤は、ヒスタミン遊離抑制効果に優れるため、かゆみ抑制効果が高い。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を詳述する。
本願における皮膚用製剤には、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」で規定する化粧品、医薬部外品及び医薬品のうち、ヒトの皮膚に塗布又は散布等するものが含まれる。
これらのうち、化粧品としては、頭皮用化粧料、頭皮以外の皮膚化粧料、浴用化粧品、リップケア用化粧品、ボディパウダー等が挙げられる。医薬品としては、軟膏及び液状の皮膚外用剤等が挙げられる。
【0009】
<両性界面活性剤(A)>
本願第一の発明である皮膚製剤用の組成物は一般式(1)で表される両性界面活性剤(A)を含有する。
【0010】
【化2】
[式中、R
1は炭素数6~25のアルキル基又はアルケニル基を表し、Xは水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、M
1は水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子又はトリエタノールアンモニウムを表し、nは1又は2の整数を示す]
【0011】
一般式(1)において、R1は炭素数6~25のアルキル基又はアルケニル基を表す。
炭素数6~25のアルキル基としては、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、n-ドデシル基、イソドデシル基、n-トリデシル基、イソトリデシル基、n-テトラデシル基、イソテトラデシル基、n-ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、n-ステアリル基、イソステアリル基、n-ノナデシル基、n-イコシル基及びn-テトラコシル基等が挙げられる。
炭素数6~25のアルケニル基としては、n-ヘキセニル基、n-ヘプテニル基、n-オクテニル基、n-デセニル基、イソデセニル基、n-ウンデセニル基、n-ドデセニル基、n-テトラデセニル基、イソヘキサデセニル基、n-オクタデセニル基及びn-オクタデカジエニル基等が挙げられる。
R1のうち、皮膚製剤用の組成物及び皮膚用製剤のヒスタミン遊離抑制効果の観点から、好ましくは炭素数6~20のアルキル基又は炭素数6~20のアルケニル基であり、さらに好ましくは炭素数8~18のアルキル基又は炭素数8~18のアルケニル基である。
【0012】
一般式(1)において、Xは水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表す。
炭素数1~3のアルキル基としては、メチル基、エチル基及びプロピル基等が挙げられる。
Xのうち、皮膚製剤用の組成物及び皮膚用製剤のヒスタミン遊離抑制効果の観点から、好ましくは水素原子又はメチル基であり、さらに好ましくは水素原子である。
【0013】
一般式(1)において、M1は水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子又はトリエタノールアンモニウムである。
M1のうち、皮膚製剤用の組成物及び皮膚用製剤のヒスタミン遊離抑制効果の観点から、好ましくはナトリウム原子又はトリエタノールアンモニウムであり、さらに好ましくはナトリウム原子である。
【0014】
一般式(1)において、nは1又は2の整数を表す。
nは皮膚製剤用の組成物及び皮膚用製剤のヒスタミン遊離抑制効果の観点から、好ましくは2である。
【0015】
一般式(1)で示される両性界面活性剤(A)の具体例としては、β-ヘキシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-へプチルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-オクチルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-イソオクチルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-2-エチルヘキシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ノニルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-イソノニルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-デシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-イソデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ウンデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ドデシルアミノプロピオン酸カリウム、β-ドデシルアミノプロピオン酸トリエタノールアンモニウム、β-ヤシ油脂肪酸アミノプロピオン酸ナトリウム(ヤシ油脂肪酸とは、ヤシ油から得られる脂肪酸のことを示し、炭素数8~18の分布を持つ脂肪酸を主成分とする混合脂肪酸である)、β-ヤシ油脂肪酸アミノコミノプロピオン酸トリエタノールアンモニウム、β-イソドデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-トリデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-テトラデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ペンタデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-イソペンタデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-イソテトラデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ヘキサデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-イソヘキサデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ステアリルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-イソステアリルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ノナデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-イコシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-テトラコシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ヘキセニルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ヘプテニルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-オクテニルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-デセニルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-イソデセニルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ウンデセニルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ドデセニルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-テトラドデセニルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-イソヘキサデセニルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-オクタデセニルアミノプロピオン酸ナトリウム及びβ-オクタデカジエニルアミノプロピオン酸ナトリウムが挙げられる。
これらのうち1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0016】
一般式(1)で示される両性界面活性剤(A)としては、皮膚製剤用の組成物及び皮膚用製剤のヒスタミン遊離抑制効果の観点から、好ましくはβ-ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ドデシルアミノプロピオン酸カリウム、及びβ-ドデシルアミノプロピオン酸トリエタノールアンモニウムであり、さらに好ましくはβ-ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウムである。
また、β-ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ドデシルアミノプロピオン酸カリウム、及びβ-ドデシルアミノプロピオン酸トリエタノールアンモニウムを構成成分とすることからβ-ヤシ油脂肪酸アミノプロピオン酸ナトリウム、β-ヤシ油脂肪酸アミノプロピオン酸カリウム、及びβ-ヤシ油脂肪酸アミノプロピオン酸トリエタノールアンモニウムもそれぞれ好ましく、β-ヤシ油脂肪酸アミノプロピオン酸ナトリウムもさらに好ましい。
【0017】
一般式(1)で表される両性界面活性剤(A)は、特開2008-162914号公報等に記載の公知の方法で得ることができ、炭素数6~25の1級アミン1モルに対してアクリル酸メチル1モルをマイケル付加させて、マイケル付加物を得た後、水酸化ナトリウム等のアルカリ性化合物でマイケル付加物を加水分解すること等によって得ることができる。
例えば、好ましくは50~150℃、より好ましくは70~100℃で炭素数6~25の1級アミン1モルに対し、アクリル酸メチル1.17モルを滴下することで反応を行い、アルカリで加水分解することによって、両性界面活性剤(A)を含む両性界面活性剤水溶液が得られる。
【0018】
前述の方法によって得られた両性界面活性剤水溶液に含まれる両性界面活性剤(A)の含有量の測定は、両性界面活性剤水溶液をN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタールを用いて後述の方法でメチルエステル化することでエステルに変換してからメチルエステル化処理後の溶液に含まれるエステルをガスクロマトグラフィー[以下、GCと略記することがある]を用いた下記の<両性界面活性剤水溶液のGCによる定量分析方法>によって定量することで行う。
【0019】
<両性界面活性剤水溶液のGCによる定量分析方法>
両性界面活性剤水溶液(80g)に塩酸(35重量%水溶液、富士フィルム和光純薬(株))を加えてpH2にし、さらに石油エーテル(富士フィルム和光純薬(株)製)20gを加えて混合し、両性界面活性剤水溶液に含まれる両性界面活性剤(A)を石油エーテルに抽出する。
次いで、200mLの分液漏斗を用いて水層と油層に分離し、油層を取り出す。ロータリーエバポレーター(回転数50rpm/min)を用いて、60℃の温浴中、圧力0.09MPaで油層を3時間減圧し、油層中に含まれる石油エーテルを留去する。石油エーテルを留去した後の残留物の重量を記録した後、残留物からサンプリングした試料(0.03g)にN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(1g)を加え、60℃で15分加熱して前記残留物に含まれる両性界面活性剤(A)のメチルエステル化反応を行う。
得られた反応混合物を、下記の測定条件でGCによる分析を行い、メチルエステル化処理で得られた反応混合物中に含まれるエステルの含有量を測定することで、80gの両性界面活性剤水溶液に含まれるエステルのモル数を計算する。80gの両性界面活性剤水溶液に含まれる両性界面活性剤(A)のモル数を両性界面活性剤(A)の分子量に基づいて両性界面活性剤(A)の重量に換算し、80gのメチルエステル化処理前の両性界面活性剤水溶液に含まれる両性界面活性剤(A)の含有量とする。
【0020】
[GC測定の条件]
装置:GC-9A((株)島津製作所製)
検出器:FID
GCパックドカラム:SE-30(ジメチルポリシロキサン含有量5重量%、内径3.2mm、長さ2.1m、GLサイエンス(株)製)
カラム温度:80℃から280℃まで昇温(昇温速度:10℃/min)
サンプル注入量:5μL
【0021】
<リン酸の重縮合物及びその塩>
本願第一の発明である皮膚製剤用の組成物はリン酸の重縮合物及び/又はその塩を含有する。
【0022】
リン酸の重縮合物とは、リン酸を構成単量体とするポリマーであり、ポリリン酸とも呼ばれることがある。
リン酸の重縮合物の構造としては、直鎖状のものでも、分岐鎖状のものでも、環状のものでも、網目状構造のものを用いてもよい。
このうち、皮膚製剤用の組成物及び皮膚用製剤のヒスタミン遊離抑制効果の観点から、直鎖状のもの又は環状のものが好ましく用いられる。
リン酸の重縮合物にかかるリン酸の重合度は皮膚用製剤用の組成物及び皮膚用製剤のヒスタミン遊離抑制効果の観点から、重合度が2~2000のものが好ましく用いられ、重合度が2~1000のものが更に好ましく用いられ、重合度3のものが特に好ましく用いられる。
環状のポリリン酸としては、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、ペンタメタリン酸、ヘキサメタリン酸及び環状長鎖ポリリン酸(重合度30~1000)等が挙げられる。
直鎖状のポリリン酸としては、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、ペンタポリリン酸、ヘキサポリリン酸、及び長鎖ポリリン酸(重合度30~1000)等が挙げられる。
リン酸の重縮合物としては、直鎖状のポリリン酸が好ましく、トリポリリン酸が最も好ましい。
【0023】
また、リン酸の重縮合物の塩としては、アルカリ金属塩(リチウム、カリウム及びナトリウム等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム及びマグネシウム等)、アンモニウム塩及びアミン塩等が挙げられる。なかでも、皮膚製剤用の組成物及び皮膚用製剤のヒスタミン遊離抑制効果の観点から、アルカリ金属塩が好ましく用いられ、ナトリウム塩が特に好ましく用いられる。
【0024】
リン酸の重縮合物は、リン酸を脱水縮合することで得ることができる。リン酸の重縮合物の塩は、リン酸を脱水縮合した後に水酸化ナトリウム等のアルカリ化合物で中和することで得ることもできるし、リン酸塩を脱水縮合して得ることもできる。
具体的な製造方法としては、「縮合リン酸塩類の製造」(植田四郎著,電気化学及び工業物理化学,11,30,1962)等に掲載の公知の方法で製造することができる。
【0025】
リン酸の重縮合物及びその塩としては、市場から入手できるものを用いてもよい。
市場から入手できるリン酸の重縮合物及びその塩としては、トリポリリン酸ナトリウム[燐化学工業(株)製又はミテジマ化学(株)製]、テトラポリリン酸ナトリウム[燐化学工業(株)製]、ヘキサメタリン酸ナトリウム[燐化学工業(株)製又はオルガノフードテック(株)製]、ペンタポリリン酸ナトリウム[太平化学産業(株)製]、重合度30~1000のポリリン酸ナトリウム[商品名:長鎖ポリリン酸ナトリウム{燐化学工業(株)製}]、トリメタリン酸三ナトリウム[米山化学工業(株)製]、ピロリン酸四ナトリウム[オルガノフードテック(株)製]及びトリポリリン酸カリウム[オルガノフードテック(株)製]等が挙げられる。
【0026】
これらのリン酸の重縮合物及びその塩のうち、皮膚製剤用の組成物及び皮膚用製剤のヒスタミン遊離抑制効果の観点から、直鎖又は環状のリン酸の重縮合物のアルカリ金属塩が好ましく用いられ、その具体例としては、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ペンタポリリン酸ナトリウム、重合度30~1000のポリリン酸ナトリウム、トリメタリン酸三ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム及びトリポリリン酸カリウムが挙げられ、重合度3~6の直鎖又は環状のリン酸の重縮合物のアルカリ金属塩がさらに好ましく用いられ、その具体例としては、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ペンタポリリン酸ナトリウム及びトリポリリン酸カリウムが挙げられ、トリポリリン酸のアルカリ金属塩が特に好ましく用いられ、その具体例としては、トリポリリン酸ナトリウムが挙げられる。
【0027】
<皮膚製剤用の組成物>
本願第一の発明である皮膚製剤用の組成物は、前記両性界面活性剤(A)とリン酸の重縮合物及び/又はその塩とを含んでいれば、任意の他の成分を含んでいてもよく、なかでも水を含むことが好ましい。
本願第一の発明である皮膚製剤用の組成物は、皮膚用製剤の原料又は皮膚用製剤として用いることができる。
【0028】
皮膚製剤用の組成物の合計重量に基づく前記両性界面活性剤(A)の重量割合はヒスタミン遊離抑制効果の観点から、0.003~10重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.003~9重量%である。
【0029】
皮膚製剤用の組成物の合計重量に基づくリン酸の重縮合物及びその塩の合計重量割合は、ヒスタミン遊離抑制効果の観点から、0.003~10重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.003~9重量%である。
【0030】
皮膚製剤用の組成物に含まれる前記両性界面活性剤(A)の重量に対するリン酸の重縮合物及びその塩の合計重量割合は、ヒスタミン遊離抑制効果の観点の観点から、0.1~1000重量%であることが好ましく、さらに好ましくは100~500重量%である。
【0031】
皮膚製剤用の組成物が水を含む場合リン酸の重縮合物及びその塩溶解性の観点から、水の含有割合は皮膚製剤用の組成物の合計重量に基づいて10~95重量%であることが好ましく、さらに好ましくは30~90重量%である。
【0032】
皮膚製剤用の組成物に含まれる水としては、両性界面活性剤(A)の合成を行う際の反応溶媒として用いた水をそのまま含んでいてもよく、所定の重量割合となるように常水、精製水の他、硬水、軟水、天然水、海洋深層水、温泉水、電解アルカリイオン水、電解酸性イオン水、イオン交換水及びクラスター水等と両性界面活性剤(A)とリン酸の重縮合物及びその塩とを混合しても良い。
【0033】
皮膚製剤用の組成物に含まれる任意の他の成分としては、後述の皮膚用製剤に含まれる、両性界面活性剤(A)以外の両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤溶剤、油性成分、水、溶剤、保湿剤、キレート剤、コンディショニング剤、増粘剤、美白剤、pH調整剤、清涼剤、着色料、紫外線散乱剤、紫外線吸収剤、防腐剤及び酸化防止剤等の公知の化粧料成分が挙げられる。
また、皮膚製剤用の組成物は、両性界面活性剤(A)及びリン酸の重縮合物及び/又はその塩の合成を行った際の未反応物及び反応触媒の残渣等を含んでいても良い。
【0034】
皮膚製剤用の組成物は、両性界面活性剤(A)、リン酸の重縮合物及び/又はその塩並びに必要により用いる水等を所定の割合となるように、攪拌装置を備えた公知の混合装置で混合すること等により得ることが出来る。撹拌装置としては、ヘンシェルミキサー、ボールミル、ジェットミル、ニーダー、プラネタリーミキサー、サンドミル、アトライター、リボンブレンダー、ディスパーミキサー及びホモミキサー等が挙げられ、ディスパーミキサーを好ましく用いることができる。
【0035】
<皮膚用製剤>
本願第二の発明である皮膚用製剤は、前記両性界面活性剤(A)とリン酸の重縮合物及び/又はその塩を含む皮膚用製剤である。
皮膚用製剤としては、化粧料及び医薬品が含まれる。
化粧料としては、頭皮用化粧料、頭皮用以外の化粧料、浴用化粧料、リップケア化粧料及びボディパウダー等が挙げられ、医薬部外品として市販されている化粧料も含まれる。
【0036】
頭皮用化粧品としては、整髪料(ヘアオイル、スタイリング料、セット料、ヘアスティック、ポマード、ヘアクリーム、ヘアミルク、ヘアワックス、ヘアスプレー、ヘアミスト及びヘアフォーム等)、養毛料(トニック、ヘアローション 、ヘアエッセンス、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー及びヘアパック等)、頭皮料(頭皮用トリートメント等)、洗髪料(シャンプー及び洗髪粉等)及びヘアリンス等が挙げられる。
【0037】
頭皮以外の皮膚用化粧品としては、化粧水(スキンローション、ローション、柔軟化粧水、収れん化粧水及びアストリンゼント等)、化粧液(保湿液、美容液及びエッセンス等)、クリーム(油性クリーム、中油性クリーム及び弱油性クリーム等)、乳液(ミルクローション、スキンミルク及びミルク等)、日焼け止め化粧品(UVケアクリーム、UVケアジェル、サンタン及びサンスクリーン剤等)、洗浄料(洗顔料、クレンジング、洗粉、クレンザー、メークアップリムーバー、メーク落とし、フェースウォッシュ、フェイシャルソープ、スクラブボディシャンプー、ボディソープ、ボディウォッシュ及びハンドソープ等)、髭剃り用化粧品(プレシェービング及びアフターシェービング等)、パック、ボディリンス及びマッサージ料等)が挙げられる。
【0038】
メイクアップ用化粧料としては、ファンデーション(フェースカラー及びコンシーラー等)、化粧下地(メークアップベース、メークアッププライマー及びプレメークアップ等)、おしろい(フェースパウダー、ルーセントパウダー、フィニッシュパウダー、ハイライト及びシェーディング等)、口紅(リップスティック、リップルージュ、リップカラー、リップペンシル、練紅、リップグロス及びリップライナー等)、アイメークアップ(アイシャドウ、アイカラー、アイライナー、眉墨、アイブロー、アイブローペンシル及びアイブローブラッシュマスカラ等)等が挙げられる
【0039】
浴用化粧品としては、バスソルト、バスオイル、バスエッセンス、バブルバス及びフォームバス等が挙げられる。
【0040】
リップケア化粧品としては、リップトリートメント、リップクリーム、リップバーム及びリップオイル等が挙げられる。
【0041】
ボディパウダーとしては、タルカムパウダー、バスパウダー、パフュームパウダー、ベビーパウダー及び天瓜粉等が挙げられる。
【0042】
皮膚用製剤の剤型としては、スプレー(ポンプ式スプレー又はエアロゾル)、フォーム、ジェル、ジェル・スプレー、ローション、クリーム、ムース、パック、シート、軟膏、貼付剤、懸濁液又はパウダー等が挙げられる。
【0043】
皮膚用製剤の合計重量に基づく前記両性界面活性剤(A)の重量割合は、ヒスタミン遊離抑制効果の観点から、0.001~10重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.05~10重量%である。
【0044】
皮膚用製剤の合計重量に基づくリン酸の重縮合物及びその塩の合計重量割合は、ヒスタミン遊離抑制効果の観点から、0.001~10重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.05~10重量%である。
【0045】
皮膚用製剤に含まれる前記両性界面活性剤(A)の重量に対するリン酸の重縮合物及びその塩の合計重量割合は、ヒスタミン遊離抑制効果の観点から、0.1~5000重量%であることが好ましく、さらに好ましくは1~3000重量%である。
【0046】
本発明の皮膚用製剤は、前記両性界面活性剤(A)とリン酸の重縮合物及びその塩の他に、任意の他の成分を含有していてもよい。
任意の他の成分としては、両性界面活性剤(A)以外の両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤溶剤、油性成分、水、溶剤、保湿剤、キレート剤、コンディショニング剤、増粘剤、美白剤、pH調整剤、清涼剤、着色料、紫外線散乱剤、紫外線吸収剤、防腐剤及び酸化防止剤等の公知の化粧料成分が挙げられる。
また、皮膚用製剤は、両性界面活性剤(A)の合成を行った際の未反応物及び反応触媒の残渣等を含んでいても良い。
【0047】
両性界面活性剤(A)以外の両性界面活性剤としては、アルキルジメチル酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルイミダゾリニウムベタイン、スルホベタイン型両性界面活性剤及びアミノ酸系界面活性剤等が挙げられる。
【0048】
アルキルジメチル酢酸ベタインとしては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン[別名:ラウリルベタイン]、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン[別名:ミリスチルベタイン]及びステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン[別名:ステアリルベタイン]等が挙げられる。
【0049】
脂肪酸アミドプロピルベタインとしては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン[別名:ラウラミドプロピルベタイン]、ミリスチン酸アミドプロピルベタイン[別名:ミリスタミドプロピルベタイン]、イソステアリン酸アミドプロピルベタイン及びヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン[別名:コカミドプロピルベタイン]等が挙げられる。
【0050】
アルキルイミダゾリニウムベタインとしてはN-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム[別名:ラウロアンホ酢酸Na]及びN-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム[別名:ココアンホ酢酸Na]等が挙げられる。
【0051】
スルホベタイン型両性界面活性剤としては、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン及びコカミドプロピルヒドロキシスルタイン等が挙げられる。
【0052】
アミノ酸系界面活性剤としては、ラウリルアスパラギン酸ナトリウム、ミリスチルアスパラギン酸ナトリウム、ラウリル-β-アミノプロピオン酸ナトリウム及びラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム[別名:ラウロイルメチルアラニンNa]等が挙げられる。
【0053】
アニオン性界面活性剤としては、エーテルカルボン酸又はその塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩、脂肪酸塩及びアシル化アミノ酸塩等が挙げられる。
【0054】
エーテルカルボン酸塩又はその塩としては、ポリオキシエチレン(平均重合度4)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム[別名:ラウレス-4カルボン酸Na]、ポリオキシエチレン(平均重合度6)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム[別名:ラウレス-6カルボン酸Na]、ポリオキシエチレン(平均重合度4)トリデシルエーテルカルボン酸ナトリウム[別名:トリデセス-4カルボン酸Na]及びポリオキシエチレン(平均重合度7)トリデシルエーテルカルボン酸ナトリウム[別名:トリデセス-7カルボン酸Na]等が挙げられる。
【0055】
硫酸エステル塩としては、ラウリル硫酸ナトリウム[別名:ラウリル硫酸Na]、ポリオキシエチレン(平均重合度3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム[別名:ラウレス-3硫酸Na]、ポリオキシエチレン(平均重合度3)ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン[別名:ラウレス-3硫酸TEA]、ポリオキシエチレン(平均重合度3)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム[別名:PEG-3ヤシ脂肪酸アミドMEA硫酸Na]及びポリオキシエチレン(平均重合度3)アルキル(炭素数12-13)エーテル硫酸ナトリウム[別名:(C12,C13)パレス-3硫酸Na]等が挙げられる。
【0056】
スルホン酸塩としてはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム[別名:ドデシルベンゼンスルホン酸Na]、ポリオキシエチレン(平均重合度2)スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム塩[別名:スルホコハク酸ラウレス2Na]、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム[別名:スルホコハク酸ラウリル2Na]及びポリオキシエチレン(平均重合度5)スルホコハク酸ラウロイルエタノールアミド二ナトリウム等が挙げられる。
【0057】
リン酸エステル塩としては、ラウリルリン酸ナトリウム[別名:ラウリルリン酸Na]及びポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム[別名:トリラウレス-4リン酸]等が挙げられる。
【0058】
脂肪酸塩としては、ミリスチン酸ナトリウム[別名:ミリスチン酸Na]、ミリスチン酸カリウム[別名:ミリスチン酸K]、ミリスチン酸トリエタノールアミン[別名:ミリスチン酸TEA]、ラウリン酸ナトリウム[別名:ラウリン酸Na]、ラウリン酸カリウム[別名:ラウリン酸K]、ラウリン酸トリエタノールアミン[別名:ラウリン酸TEA]、ステアリン酸ナトリウム[別名:ステアリン酸Na]、ステアリン酸トリエタノールアミン[別名:ステアリン酸TEA]、パルミチン酸ナトリウム[別名:パルミチン酸Na]及びパルミチン酸トリエタノールアミン[別名:パルミチン酸TEA]等が挙げられる。
【0059】
アシル化アミノ酸塩としては、N-ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム[別名:ココイルメチルタウリンNa]、N-ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム[別名:ココイルサルコシンNa]、N-ラウロイルサルコシンナトリウム[別名:ラウロイルサルコシンNa]、N-ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン[別名:アシルグルタミン酸TEA]、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン[別名:ココイルグルタミン酸TEA]、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム[別名:ココイルグルタミン酸Na]及びラウロイル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン[別名:ラウロイルグルタミン酸TEA]等が挙げられる。
【0060】
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩及びアミン塩が挙げられる。
【0061】
第4級アンモニウム塩としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム[別名:ステアルトリモニウムクロリド]、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム[別名:ベヘントリモニウムクロリド]、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム[別名:ジステアリルジモニウムクロリド]及びエチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム[別名:クオタニウム―33]等が挙げられる。
【0062】
アミン塩としては、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド[別名:ステアラミドエチルジエチルアミン]及びベヘン酸ジメチルアミノエチルアミド[別名:ベヘナミドプロピルジメチルアミン]等が挙げられる。
【0063】
ノニオン性界面活性剤としては、炭素数4~24のアルコールのアルキレンオキシド(炭素数2~8)付加物、炭素数8~24の脂肪酸とアルキレンオキシド(炭素数2~8)重合物とのエステル、多価(2価~10価)アルコールの高級脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及び脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
【0064】
炭素数4~24のアルコールのアルキレンオキシド(炭素数2~8)付加物としては、ポリオキシエチレン(平均重合度10)ポリオキシプロピレン(平均重合度7)ブチルエーテル[別名:PPG-7ブテス-10]、ポリオキシエチレン(平均重合度20)ラウリルエーテル[別名:ラウレス-20]、ポリオキシエチレン(平均重合度20)オレイルエーテル[別名:オレス-20]、ポリオキシエチレン(平均重合度12)ポリオキシプロピレン(平均重合度2)セチルエーテル[別名:PPG-2セテス-12]及びポリオキシエチレンセテアリルエーテルとポリオキシエチレンオレイルエーテルの混合物[別名:セレトス-5]等が挙げられる。
【0065】
炭素数8~24の脂肪酸とアルコール又はアルキレンオキシド(炭素数2~8)重合物とのエステルとしては、モノステアリン酸グリセリル[別名:ステアリン酸グリセリル]、モノカプリル酸グリセリル[別名:カプリル酸グリセリル]、モノミリスチン酸グリセリル[別名:ミリスチン酸グリセリル]、モノオレイン酸グリセリル[別名:オレイン酸グリセリル]、モノステアリン酸エチレングリコール[別名:ステアリン酸グリコール]、モノラウリン酸ソルビタン[別名:ラウリン酸ソルビタン]、モノパルミチン酸ソルビタン[別名:パルミチン酸ソルビタン]、モノステアリン酸ソルビタン[別名:ステアリン酸ソルビタン]、モノオレイン酸ソルビタン[別名:オレイン酸ソルビタン]、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(平均重合度6)ソルビタン[別名:オレイン酸PEG-6ソルビタン]、ポリオキシエチレン(平均重合度20)ステアリルエーテル[別名:ステアレス-20]、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリコール(平均重合度23)[別名:ステアリン酸PEG-23]、ジステアリン酸ポリオキシエチレングリコール(平均重合度3)[別名:ジステアリン酸PEG-3]、ジステアリン酸ポリオキシエチレングリコール(平均重合度150)[別名:ジステアリン酸PEG-150]、ジステアリン酸ポリオキシエチレングリコール(平均重合度190)[別名:ジステアリン酸PEG-190]及びポリオキシエチレン(平均重合度60)硬化ヒマシ油[別名:PEG-60水添ヒマシ油]等が挙げられる。
【0066】
多価(2価~10価)アルコールの高級脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物としては、カプリル酸及びカプリン酸のグリセリンエステルにポリエチレンオキシド(平均重合度6)を付加重合したもの[別名:(カプリル酸/カプリン酸)PEG-6グリセリズ]、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(平均重合度10)ソルビタン[別名:ラウリン酸PEG-10ソルビタン]、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(平均重合度80)ソルビタン[別名:ラウリン酸PEG-80ソルビタン]、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(平均重合度6)ソルビタン[別名:オレイン酸PEG-6ソルビタン]、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(平均重合度3)ソルビタン[別名:オレイン酸PEG-3ソルビタン]、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(平均重合度40)ソルビタン[別名:オレイン酸PEG-40ソルビタン]、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(平均重合度6)ソルビタン[別名:ステアリン酸PEG-6ソルビタン]、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(平均重合度40)ソルビタン[別名:ステアリン酸PEG-40ソルビタン]、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(平均重合度160)ソルビタン[別名:トリイソステアリン酸PEG-160ソルビタン]並びにポリオキシエチレン(重合度120)ジオレイン酸メチルグルコシド[別名:ジオレイン酸PEG-120メチルグルコース]等が挙げられる。
【0067】
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、モノオレイン酸デカグリセリル[別名:オレイン酸ポリグリセリル-10]、モノラウリン酸デカグリセリル[別名:ラウリン酸ポリグリセリル-10]、イソステアリン酸デカグリセリル[別名:イソステアリン酸ポリグリセリル-10]、ジステアリン酸ポリグリセリル[別名:ジステアリン酸ポリグリセリル-10]、ステアリン酸ポリグリセリル[別名:ステアリン酸ポリグリセリル-10]、ポリリシノレイン酸ヘキサグリセリル[別名:ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6]及びモノイソステアリン酸ジグリセリル[別名:イソステアリン酸ポリグリセリル-2]等が挙げられる。
【0068】
脂肪酸アルカノールアミドとしては、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド[別名:コカミドMEA]、ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド[別名:コカミドメチルMEA]及びヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド[別名:コカミドDEA]等が挙げられる。
【0069】
水としては、常水、精製水の他、硬水、軟水、天然水、海洋深層水、温泉水、電解アルカリイオン水、電解酸性イオン水、イオン交換水及びクラスター水等が挙げられる。
【0070】
油性成分としては、液体油脂、固体油脂、炭化水素油、合成エステル油、シリコーン油及び精油等が挙げられる。
【0071】
液体油脂としては、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミア種子油、コーン油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、コムギ胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、シロバナワタ種子油、ダイズ油、ピーナッツ油、チャ実油、コウスイガヤ油、コメヌカ油、ホホバ油、コメ胚芽油、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル[別名:トリエチルヘキサノイン]及びトリイソパルミチン酸グリセリル[別名:トリイソパルミチン]等が挙げられる。
【0072】
固体油脂としては、カカオ脂、ヤシ油、キャンデリラロウ、ミツロウ、シア脂、馬油、水添ヤシ油、パーム油、牛脂、ラノリン、水添牛脂、パーム核油、水添パーム油、豚脂、モクロウ及び水添ヒマシ油等が挙げられる。
【0073】
炭化水素油としては、2,2,4,6,6-ペンタメチルヘプタン[別名:イソドデカン]、2,2,4,4,6,8,8-ヘプタメチルノナン[別名:イソヘキサデカン]、ヘキサメチルテトラコサン[別名:スクワラン]、2,6,10,15,19,23-ヘキサメチルテトラコサ-2,6,10,14,18,22-ヘキサエン[別名:スクワレン]、ワセリン、パラフィン、水添ポリイソブテン、オゾケライト、2,6,10,14-テトラメチルペンタデカン、セレシン及びマイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0074】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、エチルヘキサン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジエチルヘキサン酸グリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、カプリル酸とカプリン酸とグリセリンとのトリエステル[別名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル]、ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸及びロジン酸とジペンタエリスリトールとのヘキサエステル[別名:ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル]、リンゴ酸ジイソステアリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、パルミチン酸エチルヘキシル、トリミリスチン酸グリセリル[別名:トリミリスチン]、リシノレイン酸メチル、オレイン酸オレイル、アジピン酸ジイソブチル、ラウロイルグルタミン酸とフィトステロールとオクチルドデカノールとのエステル[別名:ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)]、アジピン酸ジヘプチルウンデシル、ラウリン酸エチル、セバシン酸ジエチルヘキシル、ミリスチン酸イソセチル、パルミチン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸ジエチルヘキシル、クエン酸トリエチル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(平均重合度3)トリメチロールプロパン[別名:トリイソステアリン酸PEG-3トリメチロールプロパン]、トリイソステアリン酸ジグリセリル[別名:トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2]並びにテトライソステアリン酸スクロース等が挙げられる。
【0075】
シリコーン油としては、鎖状ポリシロキサン、環状ポリシロキサン及び変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、アルキル変性ポリシロキサン及びフッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
【0076】
鎖状シロキサンとしては、メチルフェニルポリシロキサン[別名:ジフェニルジメチコン]、カプリリルメチコン、ジメチコン、ジビニルジメチルポリシロキサンで架橋したジメチルポリシロキサン[別名:(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー]及びフェニルビニルジメチルポリシロキサンで架橋したジメチルポリシロキサン共重合体[別名:(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー]等が挙げられる、
【0077】
環状シロキサンとしては、デカメチルシクロペンタシロキサン[別名:シクロペンタシロキサン]及びドデカメチルシクロヘキサシロキサン[別名:シクロヘキサシロキサン]等が挙げられる。
【0078】
変性ポリシロキサンとしてはアミノプロピルジメチコン、アルキル(C26-28)ジメチコン、アルキル(C30-45)ジメチコン、ポリオキシエチレン(平均重合度10)・メチルポリシロキサン共重合体[別名:PEG-10ジメチコン]、ポリオキシエチレン(平均重合度12)・メチルポリシロキサン共重合体[別名:PEG-12ジメチコン]及びポリオキシエチレン(平均重合度9)ジメチルシロキシエチルジメチコン[別名:PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン]等が挙げられる。
【0079】
溶剤としては、エタノール、イソプレンジオール[別名:イソペンチルジオール]、変性アルコール、ジプロピレングリコール[別名:DPG]、1,2-ヘキサンジオール[別名:1,2-ヘキサンジオール]、イソドデカン、イソプロパノール、酢酸ブチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル[別名:エトキシジグリコール]及びプロピレングリコール[別名:PG]等が挙げられる。
【0080】
保湿剤としては、グリセリン、1,3-ブチレングリコール[別名:BG]、硬化ナタネ油アルコール[別名:水添ナタネ油アルコール]、ソルビトール、酢酸ナトリウム[別名:乳酸Na]、ピロリドンカルボン酸ナトリウム[別名:PCN-Na]、ヒアルロン酸ナトリウム[別名:ヒアルロン酸Na]及びコンドロイチン硫酸ナトリウム[別名:コンドロイチン硫酸Na]等が挙げられる。
【0081】
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸[別名:EDTA]、エチレンジアミン四酢酸の2ナトリウム塩[別名:EDTA-2Na]、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム[別名:グルコン酸Na]及びアスコルビン酸等が挙げられる。
【0082】
コンディショニング剤としては、ヒドロキシエチルセルロースに塩化グリシジルトリメチルアンモニウムを付加して得られる4級アンモニウム塩の重合体[別名:ポリクオタニウム-10]、アクリル酸アミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドから得られる4級アンモニウム塩の重合体[別名:ポリクオタニウム-7]、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸との共重合体[別名:ポリクオタニウム-22]、酢酸ビニルとビニルピロリドンの共重合体[別名:(VP/VA)コポリマー]、グアーガムに塩化グリシジルトリメチルアンモニウムを付加した4級アンモニウム塩[別名:グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド]、ポリエチレングリコール20000[別名:PEG-400]、ポリアクリル酸ナトリウム[別名:ポリアクリル酸Na]並びにヒドロキシエチルセルロース及びD-パントテニルアルコール[別名:パンテノール]等が挙げられる。
【0083】
増粘剤としては、グアーガム、キサンタンガム、デンプン、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、セタノール、ミリスチルアルコール、カルボキシビニルポリマー[別名:カルボマー]、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム[別名:ポリアクリル酸Na]、デンプンにアクリル酸をグラフト重合したもののナトリウム塩[別名:アクリル酸Naグラフトデンプン]、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト[別名:ジステアルジモニウムヘクトライト]、タルク、ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド[別名:コカミドメチルMEA]並びにジステアリン酸グリコール及びアクリル酸・メタクリル酸アルキル(炭素数10~30)共重合体[別名:(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー]等が挙げられる。
【0084】
美白剤としては、トラネキサム酸、アルブチン及びハイドロキノン等が挙げられる。
【0085】
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、塩酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びトリエタノールアミン等が挙げられる。
【0086】
着色料としては、青色1号、青色2号、緑色3号及び赤色1号等が挙げられる。
【0087】
清涼剤としては、メントール、ハッカ油、チモール、サリチル酸メチル及びカンフル等が挙げられる。
【0088】
紫外線散乱剤としては、酸化チタン及び酸化亜鉛等が挙げられる。
【0089】
紫外線吸収剤としては、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ジメチルパラアミノ安息香酸と2-エチルヘキシルアルコールとのエステル[別名:ジメチルPABAエチルヘキシル]及びt-ブチルメトキシジベンゾイルメタン等が挙げられる。
【0090】
防腐剤としては、フェノキシエタノール、o-シメン-5-オール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン及びイソブチルパラベン等が挙げられる。
【0091】
酸化防止剤としては、ビタミンE[別名:トコフェロール]、ジブチルヒドロキシトルエン[別名:BHT]、ブチルヒドロキシアニソール[別名:BHA]、グリチルリチン酸ジカリウム[別名:グリチルリチン酸2K]及びパルミチン酸アスコルビル、ローズマリー葉エキス等が挙げられる。
【0092】
本発明の皮膚用製剤に必要に応じて用いることができる公知の化粧料成分の種類とその含有量は、それぞれ以下の通りである。
両性界面活性剤(A)以外の両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、水、油性成分、溶剤及び保湿剤は、皮膚用製剤の全重量に基づき、好ましいのはそれぞれ50重量%以下、さらに好ましいのは10重量%以下である。
キレート剤、コンディショニング剤、増粘剤及び美白剤及は、皮膚用製剤の全重量に基づき、好ましいのはそれぞれ30重量%以下、さらに好ましいのは10重量%以下である。
pH調整剤、清涼剤、着色料、紫外線散乱剤、紫外線吸収剤、防腐剤及び酸化防止剤は、皮膚用製剤の全重量に基づき、好ましいのはそれぞれ10重量%以下、さらに好ましいのは5重量%以下である。
【0093】
皮膚用製剤は、両性界面活性剤(A)、リン酸の重縮合物及びその塩並びに任意の他の成分を攪拌機で混合することで製造できる。撹拌機としては、ヘンシェルミキサー、ボールミル、ジェットミル、ニーダー、プラネタリーミキサー、サンドミル、アトライター、リボンブレンダー、ディスパーミキサー及びホモミキサー等が挙げられ、ディスパーミキサーを好ましく用いることができる。
【0094】
本発明の皮膚用製剤は、25℃で固状、液状又はペースト状であることが好ましく、取り扱い易さの観点からさらに好ましいのは液状である。
【0095】
本発明の皮膚用製剤は、洗髪料、頭皮料、化粧水、日焼け止め化粧料、パック及び医薬品として用いられることが好ましく、シャンプー、洗顔料、ローション、クリーム、ハンドクリーム、クレンジングオイル、コンディショナー、パック、メイク落としシート、汗拭きシート、髪の毛のふき取りシート並びに軟膏又は液状の医薬品として用いられることが更に好ましい。
【実施例0096】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0097】
<製造例1>
攪拌装置、還流冷却機、滴下漏斗、及び温度計を装備した2Lの4つ口フラスコにラウリルアミン[ニッサンアミンBB{日油(株)製、ニッサンアミンは日油(株)の登録商標である}]185gを仕込み、窒素置換したのちに70℃に昇温し、アクリル酸メチル[東亜合成(株)製]101gを滴下漏斗から3時間かけて滴下し同温度で反応を行った。その後、100℃に昇温し7時間反応を行い、同温度でゲージ圧が2.7kPaになるまで減圧し、残存したアクリル酸メチルを除去した。
得られた反応溶液に、32gの49重量%水酸化ナトリウム水溶液と964gの水を仕込んで150℃で6時間加水分解反応を行った。
得られた加水分解後の溶液がpH6.0になるように、pHを測定しながら乳酸を添加した。添加した乳酸の総重量は62.5gであった。
乳酸添加後の溶液を90℃で加温することにより、溶液中のメタノールを留去し、両性界面活性剤水溶液1を得た。
両性界面活性剤水溶液1から1gサンプリングを行い、サンプリングした溶液中に含まれる両性界面活性剤の同定を行い、その含量を実施例1と同様の方法によって測定した。
両性界面活性剤水溶液1は両性界面活性剤としてβ-ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウムを29.00重量%含むものであった。
【0098】
<両性界面活性剤水溶液1のGCによる定量分析方法>
両性界面活性剤水溶液1(80g)に塩酸[35重量%水溶液、富士フィルム和光純薬(株)製]を加えてpH2にしたサンプルに石油エーテル[富士フィルム和光純薬(株)製]20gを加えて混合し、両性界面活性剤水溶液1に含まれるβ-ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウムを石油エーテルに抽出した。
次いで、200mLの分液漏斗を用いて水層と油層に分離し、油層を取り出した。ロータリーエバポレーター(回転数50rpm/min)を用いて、60℃の温浴中、圧力0.09MPaで油層を3時間減圧し、石油エーテルを留去した。石油エーテルを留去した後の残留物の重量を記録した後、残留物からサンプリングした試料(0.03g)にN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール[東京化成工業(株)]1gを加え、60℃で15分加熱して、前記残留物に含まれるβ-ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウムのメチルエステル化反応を行った。得られた反応混合物をGC分析の測定試料とした。
得られた反応混合物からGC測定用に秤量してサンプリングした試料にn-デカンの1重量%エタノール溶液を2g加えた後、さらにエタノール50mLを加えて試料溶液を作製しGCによる分析を行い、分析で得られたGCスペクトルのβ-ドデシルアミノプロピオン酸メチルとn-デカンとのピーク面積比から、残留物からGC測定用にサンプリングした試料に含まれるβ-ドデシルアミノプロピオン酸メチルの含有量を計算した。
β-ドデシルアミノプロピオン酸メチルの含有量を、β-ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウムの分子量に基づいてβ-ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウムの重量に換算することで両性界面活性剤水溶液1に含まれるβ-ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウムの含有量を求めた。
【0099】
[GC測定条件]
装置:GC-9A((株)島津製作所製)
検出器:FID
GCパックドカラム:SE-30(ジメチルポリシロキサン含有量5重量%、内径3.2mm、長さ2.1m、GLサイエンス(株)製)
カラム温度:80℃から280℃まで昇温(昇温速度:10℃/min)
サンプル注入量:5μL
【0100】
<実施例1~7及び比較例1~3>
製造例1で得られた両性界面活性剤水溶液1、リン酸の重縮合物及びその塩、副腎皮質ホルモン並びに水を表1に記載した割合で混合し、実施例1~7にかかる本願発明の皮膚製剤用の組成物及び比較例1~3にかかる比較用の皮膚製剤用の組成物を得た。
なお、表1において括弧内に記載した数字は、各原料から水を除いて残留する成分(有効成分と呼ばれることもある)の割合に換算した値である。
さらに、実施例1~7及び比較例1~3の皮膚製剤用の組成物のそれぞれについて、後述の方法によってヒスタミン放出抑制率の算出及び皮膚刺激性を測定し、表1に記載した。
【0101】
(ヒスタミン放出抑制率の算出方法)
ラット肥満細胞[RBL-2H3細胞(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 JCRB細胞バンク)]を、ウシ胎児血清(FBS、Sigma-Aldrich製)10%を含むEagle’s minimal essential medium(DMEM、ナカライテスク製)培地に対し、100,000cells/mLの密度で96ウェルプレート(Corning製)の各ウェルに100μL播種し、CO2インキュベーター[製品名:MCO-18AIC(SANYO製)]を使用して37℃、5%CO2条件下で24時間培養後、各ウェル内の上清を除去した。
更に、各ウェル中に残った溶液に450ng/mL DNP-IgE(Sigma-Aldrich製)を含むEagle’s minimal essential medium(DMEM、ナカライテスク製)培地を100μL添加し、37℃、5%CO2条件下で24時間培養し、各ウェル内の上清を除去した。
実施例1~7及び比較例1~3にかかる皮膚製剤用の組成物をそれぞれ精製水で60倍希釈したもの、及び比較対象としての精製水を、各ウェル中に残った溶液に100μLずつ添加し、37℃で10分間反応を行った。さらに、各ウェル内のDNP-BSA(Sigma―Aldrich製)の濃度が10μg/mLとなるようにDNP-BSAを添加し、さらに37℃で30分間反応を行い、反応後の上清を回収してヒスタミン放出量測定のサンプルとした。
ヒスタミン放出量は、前述のヒスタミン放出量測定のサンプルをHistamine ELISA Kit(Oxford Biomedical Research製)に記載の方法で処理した溶液の吸光度(620nm)をプレートリーダー[商品名:infinite 200Pro(TECAN製)]で測定し、得られた吸光度と検量線とを用いてを算出した。
各サンプルのヒスタミン放出量を、精製水を添加したサンプルのヒスタミン放出量で割った値を100倍してヒスタミン放出抑制率(%)を算出した。
【0102】
(皮膚刺激性試験)
実施例1~7及び比較例1~3にかかる皮膚製剤用の組成物並びに比較対象としての精製水を、500μLヒト3次元培養表皮モデル[J-TEC製]に添加し、CO2インキュベーター[製品名:MCO-18AIC(SANYO社製)]を使用して37℃、5~10%CO2濃度の条件で24時間静置した。
静置後、ヒト3次元培養表皮モデルから皮膚製剤用の組成物を除去し、pH7のリン酸緩衝液[富士フィルム和光純薬(株)製]500μLでヒト三次元培養表皮モデルを3回洗浄後、3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-2,5-Diphenyltetrazoliumbromide[富士フィルム和光純薬(株)製)]溶液(別名:MTT溶液)500μLを洗浄後のヒト三次元培養表皮モデル添加した。MTT溶液を添加したヒト3次元培養表皮モデルをCO2インキュベーター[製品名:MCO-18AIC(SANYO製)]を使用して25℃、5~10%CO2濃度の条件で3時間静置後、ヒト3次元培養表皮モデルを取り出した。
取り出したヒト3次元培養表皮モデルをイソプロピルアルコール[富士フィルム和光純薬(株)製]300μLに2時間浸漬し、浸漬後のイソプロピルアルコール溶液吸光度をマイクロプレートリーダー[商品名:infinite 200Pro(TECAN製)]を用い、570nmにおける吸光度を測定した。
精製水で上記処理を行った場合の吸光度をヒト3次元培養表皮モデルの細胞生存率を100%として、吸光度の相対値から各皮膚製剤用の組成物におけるヒト3次元培養表皮モデルの細胞生存率を算出した。
細胞生存率が60%より大きい場合は刺激性無、細胞生存率が60%以下の場合は刺激性有として評価した。
【0103】
【0104】
なお、表1に記載した成分としては、以下のものを用いた。
・トリポリリン酸ナトリウム[燐化学工業(株)製]
・テトラポリリン酸ナトリウム[燐化学工業(株)製]
・ヘキサメタリン酸ナトリウム[燐化学工業(株)製]
・長鎖ポリリン酸ナトリウム(重合度30~1000)[燐化学工業(株)製]
・トリメタリン酸三ナトリウム[米山化学工業(株)製]
・デキサメタゾン[Sigma-Aldrich製]
【0105】
<皮膚用製剤:実施例8~30及び比較例4~14>
製造例1で得られた本発明の両性界面活性剤水溶液1、リン酸の重縮合物及びその塩並びに後述する任意の他の成分を表2~10に記載した割合で混合し、実施例8~13及び比較例4~5にかかる皮膚用製剤であるシャンプー、実施例14にかかる皮膚用製剤であるポンプフォーマー用洗顔料、実施例15~16にかかるクリーム洗顔料、実施例17にかかるローション、実施例18にかかるクリーム、実施例19及び比較例6にかかるハンドクリーム、実施例20及び比較例7にかかるクレンジングオイル、実施例21及び比較例8にかかるコンディショナー、実施例22及び比較例9にかかるノンカチオンコンディショナー、実施例23及び比較例10にかかるUVケアクリーム、実施例24及び比較例11にかかるUVケアジェル、実施例25及び比較例12にかかるパック、実施例26及び比較例13にかかるメイク落としシート、実施例27にかかる汗拭きシート、実施例28にかかる髪の毛ふき取りシート並びに実施例29~30及び比較例14にかかる軟膏を作成した。さらに、これらの皮膚用製剤について後述の方法でかゆみ抑制効果を評価し、結果を表2~10に記載した。
【0106】
<シャンプーのかゆみ抑制効果>
普段から頭皮にかゆみを感じている20歳から60歳の日本人男女合計10名が、40℃のお湯で十分に髪を濡らした後、実施例8~13及び比較例4~5のシャンプー1gで頭皮を洗浄し、40℃のお湯で十分にすすいだ後、ヘアドライヤーで髪を5分間乾燥することを一日一回、毎日繰り返した。
使用開始7日目に、下記基準によって評価を行った。
・かゆみが弱まったと感じた人が5~10人 : 〇
・かゆみが弱まったと感じた人が1~4人 : △
・かゆみが弱まったと感じた人が0人 : ×
【0107】
<ポンプフォーマー用洗顔料及びクリーム洗顔料のかゆみ抑制効果>
普段から皮膚にかゆみを感じている20歳から60歳の日本人男女合計10名が、40℃のお湯で十分に顔を濡らした後、実施例14~16のポンプフォーマー用洗顔料及びクリーム洗顔料1gで顔を洗浄し、40℃のお湯で十分にすすいだ後、タオルドライを5分間することを一日一回、毎日繰り返した。
使用開始7日目に、下記基準によって評価を行った。
・かゆみが弱まったと感じた人が5~10人 : 〇
・かゆみが弱まったと感じた人が1~4人 : △
・かゆみが弱まったと感じた人が0人 : ×
【0108】
<ローション、クリーム、ハンドクリーム及びクレンジングオイルのかゆみ抑制効果>
普段から皮膚にかゆみを感じている20歳から60歳の日本人男女合計10名が、実施例17~20及び比較例6~7のローション、クリーム、ハンドリーム及びクレンジングオイルを皮膚に塗布することを一日一回、毎日繰り返した。
使用開始7日目に、下記基準によって評価を行った。
・かゆみが弱まったと感じた人が5~10人 : 〇
・かゆみが弱まったと感じた人が1~4人 : △
・かゆみが弱まったと感じた人が0人 : ×
【0109】
<コンディショナー及びノンカチオンコンディショナーのかゆみ抑制効果>
普段から頭皮にかゆみを感じている20歳から60歳の日本人男女合計10名が、40℃のお湯で十分に髪を濡らした後、10重量%に希釈したポリオキシエチレン(重合度2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液[エマール20C、花王(株)製(エマールは花王(株)の登録商標である)]1gで洗浄し、40℃のお湯で十分にすすいだ。次に実施例21~22及び比較例8~9のコンディショナー1gで頭髪に均一に塗布し、髪全体になじませた後、40℃の温水で十分にすすいだ後、ヘアドライヤーで髪を5分間乾燥した。前述の髪を洗浄、コンディショナーの塗布、すすぎ及び乾燥する作業を一日一回、毎日繰り返した。
使用開始7日目に、下記基準によって評価を行った。
・かゆみが弱まったと感じた人が5~10人 : 〇
・かゆみが弱まったと感じた人が1~4人 : △
・かゆみが弱まったと感じた人が0人 : ×
【0110】
<UVケアクリーム及びUVケアジェルのかゆみ抑制効果>
普段から皮膚にかゆみを感じている20歳から60歳の日本人男女合計10名が、実施例23~24及び比較例10~11のUVケアクリーム及びUVケアジェルで顔に塗布することを一日一回、毎日繰り返した。
使用開始7日目に、下記基準によって評価を行った。
・かゆみが弱まったと感じた人が5~10人 : 〇
・かゆみが弱まったと感じた人が1~4人 : △
・かゆみが弱まったと感じた人が0人 : ×
【0111】
<パックのかゆみ抑制効果>
普段から皮膚にかゆみを感じている20歳から60歳の日本人男女合計10名が、実施例25及び比較例12のパックで10分間パックを一日一回、毎日繰り返した。
使用開始7日目に、下記基準によって評価を行った。
・かゆみが弱まったと感じた人が5~10人 : 〇
・かゆみが弱まったと感じた人が1~4人 : △
・かゆみが弱まったと感じた人が0人 : ×
【0112】
<メイク落としシート、汗拭きシート及び髪の毛ふき取りシートのかゆみ抑制効果>
普段から皮膚にかゆみを感じている20歳から60歳の日本人男女合計10名が、実施例26~28及び比較例13のメイク落としシート、汗拭きシート及び髪の毛ふき取りシートでふき取りをすることを一日一回、毎日繰り返した。
使用開始7日目に、下記基準によって評価を行った。
・かゆみが弱まったと感じた人が5~10人 : 〇
・かゆみが弱まったと感じた人が1~4人 : △
・かゆみが弱まったと感じた人が0人 : ×
【0113】
<軟膏のかゆみ抑制効果>
普段から皮膚にかゆみを感じている20歳から60歳の日本人男女合計10名が、実施例29~30及び比較例14の軟膏を皮膚に塗布することを一日一回、毎日繰り返した。
使用開始7日目に、下記基準によって評価を行った。
・かゆみが弱まったと感じた人が5~10人 : 〇
・かゆみが弱まったと感じた人が1~4人 : △
・かゆみが弱まったと感じた人が0人 : ×
【0114】
【0115】
【0116】
【0117】
【0118】
【0119】
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】
なお、表2~10に記載した成分としては、以下のものを用いた。
・トリポリリン酸ナトリウム[燐化学工業(株)製]
・テトラポリリン酸ナトリウム[燐化学工業(株)製]
・ヘキサメタリン酸ナトリウム[燐化学工業(株)製]
・長鎖ポリリン酸ナトリウム(重合度30~1000)[燐化学工業(株)製]
・トリメタリン酸三ナトリウム[米山化学工業(株)製]
・ポリオキシエチレン(重合度2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムの26重量%水溶液[商品名:ビューライトNA-25S{三洋化成工業(株)製(ビューライトは三洋化成工業(株)の登録商標である)}]
・ポリオキシエチレン(重合度2)ラウリルエーテル酢酸ナトリウムの28重量%水溶液[商品名:ビューライトLCA-25N{三洋化成工業(株)製}]
・ラウリルグリコールカルボン酸Naの29重量%水溶液[商品名:ビューライトSHAA{三洋化成工業(株)製}]
・N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウムの29重量%水溶液[商品名:Plantapon Amino SCG-L{BASF社製(Plantaponはコグニス・アイピー・マネージメント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングの登録商標である)}]
・ラウロイル-L-グルタミン酸トリエタノールアミンの30重量%水溶液[商品名:アミソフト LT-12{味の素ヘルシーサプライ(株)製(アミソフトは味の素(株)の登録商標である)}]
・N-ラウロイルサルコシンナトリウム30重量%水溶液[商品名:ソイポン SLE{川研ファインケミカル(株)製(ソイポンは川研ファインケミカル(株)の登録商標である)}]
・N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム[商品名:アミライト GCK-11{味の素ヘルシーサプライ(株)製(アミライトは味の素(株)の登録商標である)}]
・オレフィン(炭素数14~16)スルホン酸ナトリウムの37%水溶液[商品名:リポランLJ-441{ライオン(株)製(リポランはライオン・スペシャリティケミカルズ(株)の登録商標である)}]
・コカミドプロピルベタインの30重量%水溶液[商品名:レボンHC-30W{三洋化成工業(株)製}]
・2-ヤシ油脂肪酸-N-ヒドロキシエチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインの43重量%水溶液[商品名:レボンCIB{三洋化成工業(株)製}]
・ラウリン酸[商品名:NAA-122{日油(株)製(NAAは日油(株)の登録商標である)}]
・ステアリン酸[商品名:NAA―172{日油(株)製}]
・パルミチン酸[商品名:NAA-160{日油(株)製}]
・1,3-ブチレングリコール[ナカライテスク(株)製]
・グリセリン[商品名:化粧品用濃グリセリン{花王(株)製}]
・ポリクオタニウム-22(40重量%水溶液)[商品名:MERQUAT280{ルブリゾール製(MERQUATはルブリゾル アドバンスド マテリアルズ,インコーポレイテッドの登録商標である)}]
・ポリクオタニウム-7(9重量%水溶液)[商品名:MERQUAT550(ルブリゾール製)]
・ポリクオタニウム-10[商品名:Sensomer 10M Polymer(ルブリゾール製)]
・ジメチコン[商品名:KF-96A-2CS{信越化学工業(株)製}]
・ビタミンE[商品名:D-α-トコフェロール{東京化成工業(株)製}]
・ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド[商品名:アミノーンC-11S{花王(株)製(アミノーンは花王(株)の登録商標である)}]
・トリイソステアリン酸PEG-160ソルビタン[商品名:レオドールTW-IS399C{花王(株)製(レオドールは花王(株)の登録商標である)}]
・ジステアリン酸PEG-190[商品名:エマルミン862{三洋化成工業(株)製(エマルミンは三洋化成工業(株)の登録商標である)}]
・ジステアリン酸グリコール[商品名:EMALEX EG-di-S{日本エマルジョン(株)製(EMALEXは日本エマルジョン(株)の登録商標である)}]
・メントール[商品名:l-メントール{富士フィルム和光純薬(株)製}]
・クエン酸[富士フィルム和光純薬(株)製]
・水酸化カリウム[ナカライテスク(株)製]
・イソプレンジオール[(株)クラレ製]
・エタノール[富士フィルム和光純薬(株)製]
・キサンタンガム[Jungbunzlauer International AG製]
・ヒアルロン酸Na[商品名:ヒアルロン酸 FCH-120{キッコーマンバイオケミファ(株)製}]
・アクリル酸Naグラフトデンプン[商品名:サランジュールST-100MC{三洋化成工業(株)製(サランジュールは三洋化成工業(株)の登録商標である)}]
・ベヘニルアルコール[高級アルコール工業(株)製]
・ステアリルアルコール[商品名:ハイノール 18SS{高級アルコール工業(株)製(ハイノールは高級アルコール工業(株)の登録商標である}]
・イソステアリン酸[商品名:イソステアリン酸EX{高級アルコール工業(株)製}]
・トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル[商品名:TCG-M{高級アルコール工業(株)製}]
・ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル[商品名:コスモール168ARV{日清オイリオグループ(株)製(コスモールは日清オイリオグループ(株)の登録商標である)}]
・ホホバ油[商品名:脱臭ホホバオイルM{綿半トレーディング(株)製}]
・パルミチン酸エチルヘキシル[商品名:コーヨーPOC{交洋ファインケミカル(株)製}]
・シア脂[商品名:精製シアバター{生活の木(株)製}]
・トリエチルヘキサノイン[商品名:T.I.O{日清オイリオ(株)製}]
・水添ナタネ油アルコール[商品名:アルコールNO.20-B{高級アルコール工業(株)製}]
・シクロペンタシロキサン[商品名:KF-995{信越化学工業(株)製}]
・ミネラルオイル[商品名:Carnation{Sonneborn LLC製(Carnationはソンボーンエルエルシーの登録商標である)}]
・PEG-60水添ヒマシ油[商品名:HCO-60{日光ケミカルズ(株)製}]
・PPG-2セテス-12[商品名:アルファピュールHSG{三洋化成工業(株)製(アルファピュールは三洋化成工業(株)の登録商標である)}]
・オレイン酸ソルビタン[商品名:イオネットS-80{三洋化成工業(株)製(イオネットは三洋化成工業(株)の登録商標である)}]
・オレイン酸PEG-9[商品名:イオネットMO-400{三洋化成工業(株)製}]
・セトレス-5[商品名:エマルミン50{三洋化成工業(株)製}]
・フェノキシエタノール[商品名:ニューポールEFP{三洋化成工業(株)製(ニューポールは三洋化成工業(株)の登録商標である)}]
・メチルパラベン[商品名:Microcare MHB{ソー・ジャパン(株)製(Microcareはソー スペシャリティーズ(ユーケー)リミテッドの登録商標である)}]
・ベヘントリモニウムクロリド[商品名:VARISOFT BT 85 Pellets{Evonik Operations GmbH製(VARISOFTはエボニック ゴールドシュミット コーポレーションの登録商標である)}]
・セテアリルアルコール[商品名:コノール1668{新日本理化(株)製(コノールは新日本理化(株)の登録商標である)}]
・セチルアルコール[商品名:セタノール{高級アルコール工業(株)製}]
・ステアリン酸グリセリル[商品名:TG-C{三洋化成工業(株)製}]
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース[商品名:食品添加物用メトローズ{信越化学工業(株)製}]
・酸化チタン[商品名:MICRO TITANIUM DIOXIDE MT-100TV{テイカ(株)製}]
・酸化亜鉛[商品名:MICRO ZINC OXIDE MZ-300{テイカ(株)製}]
・リンゴ酸ジイソステアリル[商品名:コスモール222{日清オイリオ(株)製}]
・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル[商品名:Uvinul MC80{BASF(株)製(Uvinulはビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアの登録商標である)}]
・t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン[商品名:Escalol 517{Asuland製(Escalolはアイエスピー インベストメンツ インコーポレーテッドの登録商標である)}]
・カルボマー[商品名:NTC-CARBOMER 380{日光ケミカルズ(株)製}]
・トラネキサム酸[富士フィルム和光純薬(株)製]
・イソプロピルメチルフェノール[商品名:ビオゾール{大阪化成(株)製(ビオゾールは大阪化成(株)の登録商標である)}]
・ワセリン[商品名:ノムコートW{日清オイリオグループ(株)製}]
【0124】
表1に記載した通り、両性界面活性剤(A)とリン酸の重縮合物及び/又はその塩を含む皮膚製剤用の組成物は、ヒスタミンの放出抑制効果に優れ、皮膚刺激性が少ない。
また、表2~10に記載した通り、両性界面活性剤(A)とリン酸の重縮合物及び/又はその塩を含む皮膚用製剤は、かゆみ抑制効果に優れる。
本発明の皮膚製剤用の組成物は、ヒスタミンの放出抑制に対する効果に優れ、低皮膚刺激性であるため、化粧料や皮膚外用剤の原料に適する。また、本発明の皮膚用製剤はかゆみ止め効果に優れるため、化粧料や皮膚外用剤に好適である。