IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラザー工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-液体吐出装置 図1
  • 特開-液体吐出装置 図2
  • 特開-液体吐出装置 図3
  • 特開-液体吐出装置 図4
  • 特開-液体吐出装置 図5
  • 特開-液体吐出装置 図6
  • 特開-液体吐出装置 図7
  • 特開-液体吐出装置 図8
  • 特開-液体吐出装置 図9
  • 特開-液体吐出装置 図10
  • 特開-液体吐出装置 図11
  • 特開-液体吐出装置 図12
  • 特開-液体吐出装置 図13
  • 特開-液体吐出装置 図14
  • 特開-液体吐出装置 図15
  • 特開-液体吐出装置 図16
  • 特開-液体吐出装置 図17
  • 特開-液体吐出装置 図18
  • 特開-液体吐出装置 図19
  • 特開-液体吐出装置 図20
  • 特開-液体吐出装置 図21
  • 特開-液体吐出装置 図22
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005460
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/17 20060101AFI20240110BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B41J2/17 203
B41J2/01 305
B41J2/01 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105649
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】川越 政子
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056EA22
2C056EA27
2C056FA10
2C056HA28
2C056HA29
2C056JC05
2C056JC10
2C056JC13
2C056JC29
(57)【要約】
【課題】プリンタ等の液体吐出装置の上面からの廃液箱へのアクセスが困難な場合であっても、簡単に廃液箱を挿抜できる液体吐出装置を提供する。
【解決手段】インクジェットプリンタ(1)の筐体(11)は、シート(P)が排出される第1開口を有し、筐体(11)において、シート(P)の搬送方向と平行な方向を前後方向とし、第1開口を有する面を前面とした場合、廃液ボックス(60)は、筐体(11)の前面から筐体(11)に挿抜されるものであり、筐体(11)に装着された状態において、廃液ボックス(60)の後面は、シート(P)に液体を吐出する液体吐出ヘッド(41)が走査に伴って移動する領域である走査領域の前に位置し、廃液ボックス(60)の下面は、シート(P)を挟持して排出する排出ローラ(52)及び拍車ローラ(53)によるシート(P)の挟持位置より上に位置する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
印刷媒体に液体を吐出するノズルを具備した液体吐出ヘッドと、
前記筐体に挿抜可能に設けられ、前記液体の廃液を貯留する廃液箱と
を備え、
前記筐体は、前記印刷媒体が排出される第1開口を有するものであり、
前記筐体において、前記印刷媒体の搬送方向と平行な方向を前後方向とし、前記第1開口を有する面を前面とした場合、
前記廃液箱は、前記筐体の前面から前記筐体に挿抜されるものであり、
前記筐体に装着された状態において、
前記廃液箱の少なくとも一部が、前記液体吐出ヘッドのノズルが走査に伴って移動する領域である印刷領域の前に位置し、
前記廃液箱の下面は、前記印刷媒体を挟持して排出する排出ローラ対による前記印刷媒体の挟持位置より上に位置する
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記廃液箱の後面が前記印刷領域の前に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記筐体の前面は、一部が開放可能に構成され、
前記廃液箱は、前記筐体の前面の一部が開放されて形成される第2開口を通って前記筐体に挿抜されるものである
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記筐体の前面に、ユーザの操作を入力する操作パネルをさらに備え、
前記操作パネルは、前記筐体に対して回動可能に構成され、前記操作パネルを回動することで、前記廃液箱が前記第2開口を通って挿抜可能になる
ことを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記廃液箱の下面を支持する支持部をさらに備え、
前記支持部は、少なくとも一部が開放可能に構成され、
前記廃液箱は、前記支持部の少なくとも一部が開放されて形成される開放部を通って挿抜されるものである
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
前記廃液を前記廃液箱に移送する廃液流路をさらに備え、
前記支持部は、少なくとも前記廃液流路と前記廃液箱とを接続する接続部の下を覆うように配置される
ことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
【請求項7】
前記筐体に装着された状態の前記廃液箱は、
前記前後方向に直交する方向である左右方向において、右側に所定の範囲で形成された第1の領域と、左側に所定の範囲で形成された第2の領域との間に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項8】
前記第1の領域および前記第2の領域の少なくとも一方に、前記液体吐出ヘッドに供給される前記液体を収容する液体収容部が配置される
ことを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置。
【請求項9】
前記筐体に前記廃液箱が装着された状態において、前記廃液箱の前面が、前記筐体の前面の後ろ側に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項10】
前記筐体に前記廃液箱が装着された状態において、前記廃液箱の上に画像を読み取る読取部が位置し、前記読取部は、上方に開放できないように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インクジェットプリンタには、廃液を貯留する廃液箱が設けられている。背面から、廃液箱を取り出す形態のプリンタは、廃液箱の交換作業の効率を低下させる。そこで、例えば、特許文献1に示されるように、プリンタの上面を開いて廃液箱を取り出す形態のプリンタも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-146920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、インクエンジンを保護する部材を減らし製品を軽量化するように設計されたプリンタには、FB(Flat Bed:フラットベッド)カバーを上方に開放できないモデルもある。特許文献1の技術では、このようなモデルのプリンタの場合、廃液箱を交換できなくなってしまうという問題点があった。
【0005】
本開示は、上述した課題を解決するためになされたものであり、プリンタ等の液体吐出装置の上面からの廃液箱へのアクセスが困難な場合であっても、簡単に廃液箱を挿抜できる液体吐出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る液体吐出装置は、筐体と、印刷媒体に液体を吐出するノズルを具備した液体吐出ヘッドと、前記筐体に挿抜可能に設けられ、前記液体の廃液を貯留する廃液箱とを備え、前記筐体は、前記印刷媒体が排出される第1開口を有するものであり、前記筐体において、前記印刷媒体の搬送方向と平行な方向を前後方向とし、前記第1開口を有する面を前面とした場合、前記廃液箱は、前記筐体の前面から前記筐体に挿抜されるものであり、前記筐体に装着された状態において、前記廃液箱の少なくとも一部が、前記液体吐出ヘッドのノズルが走査に伴って移動する領域である印刷領域の前に位置し、前記廃液箱の下面は、前記印刷媒体を挟持して排出する排出ローラ対による前記印刷媒体の挟持位置より上に位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、プリンタ等の液体吐出装置の上面からの廃液箱へのアクセスが困難な場合であっても、簡単に廃液箱を挿抜できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態1に係るインクジェットプリンタの外観斜視図の一例である。
図2】実施形態1に係るインクジェットプリンタの記録部の周辺の内部構成を示す図である。
図3】実施形態1に係るインクジェットプリンタの記録部の周辺を上方から見た図である。
図4】実施形態1に係るインクジェットプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
図5】実施形態1に係るインクジェットプリンタの廃液ボックスの断面図である。
図6】実施形態1に係るインクジェットプリンタを右側面から見た模式図である。
図7】実施形態1に係るインクジェットプリンタを右側面から見た模式図である。
図8】実施形態2に係るインクジェットプリンタを右側面から見た模式図である。
図9】実施形態2に係る廃液ボックスと支持部とを概略的に示す図である。
図10】実施形態2に係る支持部が移動した状態を示す図である。
図11】実施形態2に係る支持部が回動した状態を示す図である。
図12】実施形態2に係る支持部の一部が回動した状態を示す図である。
図13】実施形態3に係るインクジェットプリンタの記録部の周辺を上方から見た図である。
図14】実施形態3に係るインクジェットプリンタを右側面から見た模式図である。
図15】実施形態4に係るインクジェットプリンタの外観斜視図の一例である。
図16】変形例1に係るインクジェットプリンタの記録部の周辺を上方から見た図である。
図17】変形例1に係るインクジェットプリンタを右側面から見た模式図である。
図18】変形例2に係るインクジェットプリンタを右側面から見た模式図である。
図19】変形例3に係るインクジェットプリンタを右側面から見た模式図である。
図20】変形例4に係るインクジェットプリンタを右側面から見た模式図である。
図21】変形例5に係るインクジェットプリンタを右側面から見た模式図である。
図22】変形例5に係るインクジェットプリンタを右側面から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
以下、本開示の実施形態1におけるインクジェットプリンタ1について、図1図7を参照して説明する。
【0010】
[インクジェットプリンタの概略構成]
図1は、インクジェットプリンタ1の外観斜視図の一例である。図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、筐体11と、読取部12と、操作パネル13とを備えている。筐体11は、略直方体形状を有している。
【0011】
読取部12は、筐体11の上側に配置され、対象物として、例えばシートPに記録された画像を読み取る。読取部12は、筐体11に対して、ヒンジ(図示略)を回転軸として回動可能に設けられている。
【0012】
操作パネル13は、ユーザの操作を入力するものである。操作パネル13は、筐体11の前面に設けられ、各種操作ボタン及び液晶表示部を有している。以下、図1の矢印に示されるように、インクジェットプリンタ1の上下方向、左右方向、及び前後方向を定義する。本開示では、筐体11においてシートPの搬送方向と平行な方向を前後方向とする。また、筐体11において第1開口20を有する面を前面とする。
【0013】
インクジェットプリンタ1は、液体吐出装置の一例である。インクジェットプリンタ1は、印刷ジョブにより指定される印刷データを、インクLを吐出することにより、シートPに印刷するインクジェット方式のプリント機能を有する。インクLは、液体の一例である。シートPに印刷される画像は、カラー印刷が可能であってもよいし、モノクロ印刷専用であってもよい。シートPは、例えば、A4サイズの普通紙である。なお、シートPは、他にも、厚紙や薄紙等であってもよい。シートPは、本開示に係る印刷媒体の一例である。
【0014】
インクジェットプリンタ1の前面には、第1開口20が形成されている。第1開口20には、給送トレイ21及び排出トレイ22が、着脱自在に配置される。給送トレイ21は、複数枚のシートPを収容するための収容部であり、上面が開放している。排出トレイ22は、給送トレイ21の上方に配置され、印刷されたシートPが排出される排出部である。換言すると、筐体11は、シートPが排出される第1開口20を有する。
【0015】
また、筐体11の前面には、カバー14が設けられている。カバー14は、筐体11に対して回動可能に設けられている。カバー14の内部には、カートリッジケース140に装着されたインクカートリッジ141が配置されている(図3参照)。
【0016】
操作パネル13は、筐体11に対して回動可能に構成される。操作パネル13の後方には廃液ボックス60(図3参照)が設けられている。廃液ボックス60は、例えば、矩形箱状のタンクである。廃液ボックス60は、筐体11に挿抜可能に設けられ、液体の廃液を貯留する。廃液ボックス60は、本開示に係る廃液箱の一例である。廃液ボックス60は、筐体11の前面から筐体11に挿抜されるものである。図1の例では、操作パネル13を開くことにより、筐体11の前面から廃液ボックス60を挿抜することが可能となっている。
【0017】
また、筐体11の左側面における前部には、外部装置を接続するための接続口16が配置されている。外部装置としては、例えば、USBメモリ、及びPC等が挙げられる。
【0018】
[インクジェットプリンタの内部構成]
次に、インクジェットプリンタ1の内部構成について、図2及び図3を参照して説明する。図2は、インクジェットプリンタ1の記録部4の周辺の内部構成を示す断面図である。図2に示すように、インクジェットプリンタ1は、給送部3と、搬送路Rと、記録部4と、搬送部5とを備えている。
【0019】
給送部3は、軸30と、給送アーム31と、給送ローラ32とを有している。給送ローラ32は、給送トレイ21に収容されたシートPを搬送路Rへ給送する。給送ローラ32は、給送アーム31の先端部に回転可能に支持されている。給送アーム31は、インクジェットプリンタ1のフレームに支持された軸30に回動可能に支持されている。
【0020】
搬送路Rは、給送トレイ21の後端部から上方に延び、ガイド部材33で区画される領域にて湾曲し、記録部4の位置を経由して、排出トレイ22に至る経路である。給送ローラ32は、給送モータ107(図4参照)が駆動することで正回転し、給送トレイ21からシートPを1枚ずつ取り出す。給送トレイ21から取り出されたシートPは、搬送路Rに沿って、記録部4へ向けて搬送される。
【0021】
記録部4は、給送部3の上方に配置され、シートPに画像を記録する。記録部4は、キャリッジ40と、液体吐出ヘッド41と、複数のノズル42と、プラテン43とを有している。キャリッジ40は、キャリッジモータ112(図4参照)の駆動力が伝達されることで、筐体11の左右方向、即ち走査方向に往復移動する。
【0022】
キャリッジ40には、液体吐出ヘッド41が搭載されている。液体吐出ヘッド41の下面には、複数のノズル42が設けられている。複数のノズル42は、前後方向に配列されることにより、ノズル列を形成しており、ノズル面421には、走査方向に並んだ4つのノズル列が形成されている。
【0023】
複数のノズル42からは、右側に位置するノズル列を形成するものから順に、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)のカラーのインクL、及びブラック(K)のインクLが吐出される。なお、ノズル列の配置順はこれに限られるものではなく、製品毎に適宜変更されてもよい。
【0024】
液体吐出ヘッド41は、シートPに液体を吐出するノズル42を具備する。液体吐出ヘッド41は、ピエゾ素子等の振動素子を振動させることによって、ノズル42からインク滴を吐出する。液体吐出ヘッド41の下方には、プラテン43が配置されている。プラテン43は、走査方向におけるシートPの全長に亘って延びている。プラテン43は、記録処理時に、シートPを下側から支持する。
【0025】
プラテン43は、シートPが載置される矩形板状の部材である。プラテン43に支持されたシートPに対して、キャリッジ40が移動する過程において、液体吐出ヘッド41がインク滴を選択的に吐出することによって、シートPに画像が記録される。
【0026】
搬送部5は、搬送ローラ50と、排出ローラ52とを有している。搬送ローラ50及び排出ローラ52は、前後方向において記録部4を挟むように配置されている。搬送ローラ50は、搬送モータ108によって駆動される。
【0027】
搬送ローラ50の下方には、搬送ローラ50と対向する位置にピンチローラ51が設けられている。ピンチローラ51は、搬送ローラ50の回転に伴って回転する。搬送ローラ50及びピンチローラ51が正回転することにより、シートPは、搬送ローラ50及びピンチローラ51に挟持されながら、搬送路Rに沿って記録部4へと搬送される。
【0028】
搬送路Rにおける記録部4よりも下流には、排出ローラ52が設けられている。排出ローラ52の上方には、排出ローラ52と対向する位置に拍車ローラ53が設けられている。排出ローラ52は、搬送モータ108によって駆動される。拍車ローラ53は、排出ローラ52の回転に伴って回転する。排出ローラ52及び拍車ローラ53が正回転することにより、シートPは、排出ローラ52及び拍車ローラ53に挟持されながら、排出トレイ22へ排出される。排出ローラ52及び拍車ローラ53は、本開示に係る排出ローラ対の一例である。
【0029】
搬送路Rにおける搬送ローラ50の上流側には、レジセンサ110が設けられている。レジセンサ110は、シートPの前端又は後端が搬送ローラ50との当接位置を通過することを検知するセンサである。レジセンサ110としては、シートPが当接することで揺動するアクチュエータを有するセンサや、光センサ等を用いることができる。
【0030】
レジセンサ110は、シートPがレジセンサ110の位置を通過している状態でオン信号を出力し、シートPがレジセンサ110の位置を通過していない状態でオフ信号を出力する。即ち、シートPの前端がレジセンサ110の位置に到達したタイミングからシートPの後端がレジセンサ110の位置を通過するまでの間はオン信号を出力し、それ以外の間はオフ信号を出力する。レジセンサ110による検知信号は、制御部100(図4参照)へ出力される。
【0031】
また、搬送ローラ50には、搬送ローラ50の回転を検出するロータリエンコーダ120が設けられている。ロータリエンコーダ120は、搬送ローラ50の回転に応じてパルス信号を制御部100へ出力する。ロータリエンコーダ120は、エンコーダディスク121と、光学センサ122とを有する。エンコーダディスク121は、搬送ローラ50の回転と共に回転する。光学センサ122は、回転するエンコーダディスク121を読み取ってパルス信号を生成し、生成したパルス信号を制御部100に出力する。
【0032】
図3は、インクジェットプリンタ1の記録部4の周辺を上方から見た図である。図3に示すように、記録部4には、インクカートリッジ141から供給チューブ142を介して、インクLが供給される。インクカートリッジ141から供給されたインクLは、記録部4のバッファタンク(図示省略)に収容される。バッファタンクの内部は、複数のノズル42と連通している。
【0033】
バッファタンクには、チューブジョイント143が一体的に設けられている。チューブジョイント143には、4本の供給チューブ142の一端が、それぞれ着脱可能に接続されている。4本の供給チューブ142の他端は、4つのインクカートリッジ141にそれぞれ接続されている。
【0034】
図3に示すように、プラテン43の上方には、走査方向(図3の左右方向)に平行に延びる2本のガイドレール91,92が設けられている。キャリッジ40は、2本のガイドレール91,92に取り付けられている。キャリッジ40は、プラテン43と対向する領域において、2本のガイドレール91,92に沿って、走査方向に移動可能に構成されている。なお、ガイドレールは、1本だけでもよい。
【0035】
2本のガイドレール91,92の下側には、2つの支持フレーム93,94が配置されている。2つの支持フレーム93,94は、筐体11の上下方向に延び、走査方向に間隔をあけて配置されている。支持フレーム93は、2本のガイドレール91,92の左端部側、及び搬送ローラ50及び排出ローラ52の左端部側を支持する。支持フレーム94は、2本のガイドレール91,92の右端部側、及び搬送ローラ50及び排出ローラ52の右端部側を支持する。なお、支持フレームは、1本だけでもよい。
【0036】
また、キャリッジ40には、駆動ベルト(図示省略)が取り付けられている。駆動ベルトは、2つのプーリ(図示省略)に巻き掛けられた無端状のベルトである。一方のプーリは、キャリッジモータ112(図4参照)に連結されている。キャリッジモータ112の正転又は逆転の駆動によって、キャリッジモータ112に連結されたプーリが回転し、駆動ベルトが走行する。これにより、キャリッジ40が走査方向に往復移動する。このとき、キャリッジ40に搭載された記録部4も、走査方向に往復移動する。
【0037】
[メンテナンスユニットの構成]
図3に示すように、プラテン43よりも右側には、メンテナンスユニット8が配置されている。メンテナンスユニット8は、キャップ部80と、ポンプ81と、廃液チューブ82とを有している。メンテナンスユニット8は、メンテナンス処理として、ノズル42内のインクL等の廃液を吸引するパージ動作を実行する。廃液チューブ82は、廃液を廃液ボックス60に移送する。廃液チューブ82は、本開示に係る廃液流路の一例である。
【0038】
キャップ部80は、例えばゴム材料からなる。キャップ部80は、メンテナンス処理時に、液体吐出ヘッド41と対向するように対面するように配置され、ノズル42から排出された廃液を受ける。ポンプ81は、図示しないモータにより駆動されて、ノズル42内のインクL等の廃液を吸引する。廃液チューブ82は、キャップ部80からポンプ81を経由して廃液ボックス60に至る。ポンプ81により吸引された廃液は、廃液チューブ82を介して、廃液ボックス60へ排出される。
【0039】
[インクジェットプリンタ1の電気的構成]
図4は、インクジェットプリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。図4に示すように、インクジェットプリンタ1は、上述した各部に加え、制御部100と、給送モータ107と、搬送モータ108と、キャリッジモータ112と、通信インターフェース(I/F)130とを備えている。
【0040】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、EEPROM(登録商標)104、及びASIC105を有し、これらが内部バス106によって接続されている。
【0041】
ROM102には、CPU101が各種動作を制御するためのプログラム等が格納されている。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域、又はデータ処理の作業領域として使用される。
【0042】
EEPROM104には、電源オフ後も保持すべき設定情報が格納される。制御部100は、ROM102から読み出した制御プログラムに基づいて、給送モータ107、搬送モータ108、キャリッジモータ112、及び液体吐出ヘッド41等を制御する。
【0043】
ASIC105には、給送モータ107、搬送モータ108、キャリッジモータ112、液体吐出ヘッド41、レジセンサ110、ロータリエンコーダ120、操作パネル13、及び通信I/F130等が接続されている。
【0044】
ASIC105は、給送モータ107、搬送モータ108、及びキャリッジモータ112に駆動電流を供給する。制御部100は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御によって、給送モータ107、搬送モータ108、及びキャリッジモータ112の回転を制御する。
【0045】
また、制御部100は、液体吐出ヘッド41の振動素子に駆動電圧を印加することによって、ノズル42からインク滴を吐出させる。また、制御部100は、レジセンサ110から出力される検出信号に基づいて、シートPが搬送ローラ50との当接位置を通過したことを検知する。また、制御部100は、ロータリエンコーダ120から出力されるパルス信号に基づいて搬送ローラ50の回転量を検知する。
【0046】
通信I/F130は、LAN等のネットワークに接続され、インクジェットプリンタ1用のドライバが組み込まれたPC等の外部装置との接続を可能にしている。インクジェットプリンタ1は、通信I/F130を介して、印刷ジョブを受信可能である。
【0047】
シートPへの記録時において、制御部100は、搬送部5によってシートPを搬送方向に搬送しつつ、キャリッジ40と共に液体吐出ヘッド41を走査方向に移動させながらインクLを吐出させることにより、シートPに画像を記録する。
【0048】
[廃液ボックスの構成]
次に、廃液ボックス60の構成について、図3図5、及び図6を参照して説明する。図5は、廃液ボックス60の断面図である。図5に示すように、廃液ボックス60は、廃液ケース61と、廃液吸収体62と、接続部63とを有し、廃液を貯留するものである。廃液には、ノズル42から排出されたインクLや、インクL以外の洗浄液、出荷調整液等の液体も含まれる。
【0049】
廃液ケース61は、合成樹脂材料等からなり、上方が開放された矩形箱状のケースである。廃液ケース61の内部には、廃液吸収体62が配置されている。廃液吸収体62は、例えば、廃液を吸収することができる不織布、スポンジ、又は綿等で構成されている。廃液ボックス60は、廃液吸収体62が廃液を吸収することによって、ノズル42から排出された廃液を収容する。
【0050】
接続部63は、廃液ケース61に対して、廃液チューブ82を接続するための部分である。接続部63は、廃液ケース61における右側面に突設されている。接続部63の外周に廃液チューブ82の内周が接続されることで、廃液ケース61の内部と廃液チューブ82の内部とが連通する。これにより、メンテナンス処理時において、メンテナンスユニット8から排出された廃液が廃液ボックス60内に貯留される。なお、図3に示すように、接続部63は、廃液ケース61の右側面に設けるものとしたが、これに限らず、例えば、廃液ケース61の後側又は左側等の側面に設けてもよい。
【0051】
図6及び図7は、インクジェットプリンタ1を右側面から見た模式図である。図6は、操作パネル13が閉じた状態を示し、図7は、操作パネル13が開いた状態を示す。図6及び図7において、支持部65は、廃液ボックス60の下面を支持する。また、図7に示すように、第2開口151は、操作パネル13を回動することで形成される。なお、操作パネル13とともに、操作パネル13の背面に位置する筐体11の一部が回動することで、第2開口151が形成されるようにしてもよい。廃液ボックス60は、操作パネル13が回動することにより形成される第2開口151から、前後方向に沿って挿抜可能に配置されている。換言すると、筐体11の前面は、一部が開放可能に構成され、廃液ボックス60は、筐体11の前面の一部が開放されて形成される第2開口151を通って筐体11に挿抜されるものである。即ち、廃液ボックス60は、図3に示される矢印に沿って、筐体11の前面から挿抜可能に配置されている。
【0052】
図3及び図6に示すように、筐体11に装着された状態において、廃液ボックス60の少なくとも一部は、印刷領域Q11の前に位置する。ここで、印刷領域Q11は、液体吐出ヘッド41のノズル42が走査に伴って移動する領域である。更に、図3及び図6に示すように、廃液ボックス60の後面60bは、印刷領域Q11の前に位置する。ただし、廃液ボックス60と印刷領域Q11との位置関係は図3及び図6に示す例に限られず、廃液ボックス60の後面60bが印刷領域Q11の前に位置していなくてもよい。すなわち、廃液ボックス60が装着された状態において、廃液ボックス60の後面60bが上面視において印刷領域Q11と重なるように配置されてもよい。
【0053】
また、図6に示すように、廃液ボックス60は、筐体11に装着された状態において、供給チューブ142の移動範囲である領域Q12の前に位置する。また、筐体11に廃液ボックス60が装着された状態において、廃液ボックス60の前面60aは、筐体11の前面の後ろ側に位置する。
【0054】
また、図6及び図7に示すように、筐体11に装着された状態において、廃液ボックス60の下面は、シートPを挟持して排出する排出ローラ対(排出ローラ52及び拍車ローラ53)によるシートPの挟持位置より上に位置する。
【0055】
また、図3に示すように、筐体11に装着された状態の廃液ボックス60は、前後方向に直交する方向である左右方向において、右側に所定の範囲で形成された第1の領域Q21と、左側に所定の範囲で形成された第2の領域Q22との間に位置する。図3の例では、第1の領域Q21には、液体吐出ヘッド41に供給されるインクLを収容するインクカートリッジ141が配置される。また、第2の領域Q22には、インクジェットプリンタ1を制御する制御基板17が配置される。換言すると、第1の領域Q21および第2の領域Q22の少なくとも一方に、液体吐出ヘッド41に供給されるインクLを収容するインクカートリッジ141が配置されてもよい。ここで、インクカートリッジ141は、本開示に係る液体収容部の一例である。ただし、第1の領域Q21及び第2の領域Q22に配置される構成要素は上述した例に限られず、他の構成要素が第1の領域Q21又は第2の領域Q22に配置されてもよい。
【0056】
[実施形態1の効果]
以上説明した実施形態1のインクジェットプリンタ1は、筐体11と、印刷媒体に液体を吐出するノズルを具備した液体吐出ヘッド41と、筐体11に挿抜可能に設けられ、上記液体の廃液を貯留する廃液ボックス60とを備え、筐体11は、シートPが排出される第1開口20を有するものであり、筐体11において、シートPの搬送方向と平行な方向を前後方向とし、第1開口20を有する面を前面とした場合、廃液ボックス60は、筐体11の前面から筐体11に挿抜されるものであり、筐体11に装着された状態において、廃液ボックス60の少なくとも一部が、液体吐出ヘッド41のノズル42が走査に伴って移動する領域である印刷領域Q11の前に位置し、廃液ボックス60の下面は、シートPを挟持して排出する排出ローラ52及び拍車ローラ53によるシートPの挟持位置より上に位置する。
【0057】
廃液ボックス60の少なくとも一部が印刷領域Q11の前に位置しているので、廃液ボックス60を筐体11の前面から取り出しやすい。また、廃液ボックス60の下面が、排出ローラ52及び拍車ローラ53によるシートPのニップ位置(排出ローラ対によるシートPの把持位置)より上に位置しているので、排紙されるシートPの搬送路を妨げることもない。その結果、筐体11の上部を開閉できない場合でも、筐体11の前面から廃液ボックス60を挿抜する構成を実現することができる。
【0058】
また、インクジェットプリンタ1は、廃液ボックス60の後面が印刷領域Q11の前に位置する。廃液ボックス60の後面が印刷領域Q11の前に位置しているので、液体吐出ヘッド41と読取部12との間の距離を小さくすることができる。その結果、筐体11の高さを抑えて、インクジェットプリンタ1の小型化を図ることができる。
【0059】
また、インクジェットプリンタ1の筐体11の前面は、一部が開放可能に構成され、廃液ボックス60は、筐体11の前面の一部が開放されて形成される第2開口151を通って前記筐体に挿抜されるものである。
【0060】
筐体11の前面に、廃液ボックス60を筐体11に対して挿抜する第2開口151が形成される。しかも、筐体11の前面は、ユーザに正対する位置であることから、廃液ボックス60の挿抜のためのハンドリングには適した位置といえる。したがって、廃液ボックス60の挿抜に係るユーザの利便性を向上させることができる。
【0061】
また、インクジェットプリンタ1は、筐体11の前面に、ユーザの操作を入力する操作パネル13をさらに備え、操作パネル13は、筐体11に対して回動可能に構成され、操作パネル131を回動することで、廃液ボックス60が第2開口151を通って挿抜可能になる。
【0062】
操作パネル13を回動させるという簡単な操作により、筐体11の前面に、廃液ボックス60を筐体11に対して挿抜することができるようになる。その結果、筐体11の挿抜に係るユーザの利便性をさらに向上させることができる。
【0063】
また、インクジェットプリンタ1は、筐体11に装着された状態の廃液ボックス60は、廃液ボックス60が、左右方向において、右側に所定の範囲で形成された第1の領域Q21と、左側に所定の範囲で形成された第2の領域Q22との間に位置する。
【0064】
上記構成によれば、廃液ボックス60が筐体11の左右方向においてほぼ中間に配置される。その結果、筐体11の内部の右側の空間と左側の空間をより効率的に利用することができる。
【0065】
また、インクジェットプリンタ1は、第1の領域Q21および第2の領域Q22の少なくとも一方に、液体吐出ヘッド41に供給されるインクLを収容するインクカートリッジ141が配置される。
【0066】
インク補充の都度ユーザがアクセスするインクカートリッジ141が、廃液ボックス60と同様に筐体11の前面に近い、第1の領域Q21または第2の領域Q22に配置される。また、廃液ボックス60とインクカートリッジ141が高さ方向に重ならないように配置される。その結果、ユーザの利便性を向上させ、かつ、筐体11の高さを抑えて、インクジェットプリンタ1の小型化を図ることができる。
【0067】
また、筐体11に廃液ボックス60が装着された状態において、廃液ボックス60の前面が、筐体11の前面の後ろ側に位置する。この構成によれば、廃液ボックス60の前面を筐体11の前面の後ろ側に位置させることにより、筐体11の前面から廃液ボックス60が突出することがなくなる。その結果、筐体11の外観のデザインの自由度を向上させることができる。
【0068】
〔実施形態2〕
次に、本開示の実施形態2に係るインクジェットプリンタ1Aについて図面を参照して説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0069】
図8は、実施形態2のインクジェットプリンタ1Aを右側面から見た模式図である。インクジェットプリンタ1Aの操作パネル13Aは、筐体11に固定されており、回動しない。また、インクジェットプリンタ1Aは、廃液ボックス60の下面を支持する支持部65Aを備える。支持部65Aは、少なくとも一部が開放可能に構成される。本実施形態において、廃液ボックス60は、支持部65Aの少なくとも一部が開放されて形成される開放部を通って挿抜されるものである。なお、開放部の詳細については、後述の構成例1~3において詳述する。
【0070】
図9は、実施形態2に係る廃液ボックス60と支持部65Aとを概略的に示す図である。図9の例で、支持部65Aは廃液ボックス60の底面の一部を覆っている。また、支持部65Aは、少なくとも廃液チューブ82と廃液ボックス60とを接続する接続部63の下を覆うように配置される。
【0071】
ここで、支持部65Aの構成例1~3について、図面を参照して説明する。構成例1は、支持部65Aが下方向に移動可能に構成された例である。構成例2は、支持部65Aが回動可能に構成された例である。構成例3は、支持部65Aの一部が回動可能に構成された例である。
【0072】
<構成例1>
図10は、支持部65Aを下方向(図10の矢印A2方向)に移動させた状態を示す図である。支持部65Aが下方向に移動することにより、廃液ボックス60は第1開口20を通って矢印A1方向に挿抜される。廃液ボックス60を挿抜する際に、給送トレイ21及び排出トレイ22が取り外されてもよい。
【0073】
<構成例2>
図11は、支持部65Aが端部65bを回転軸として回動した状態を示す図である。支持部65Aが回動することにより、廃液ボックス60は第1開口20を通って矢印A1方向に挿抜される。廃液ボックス60を挿抜する際に、給送トレイ21及び排出トレイ22が取り外されてもよい。
【0074】
<構成例3>
図12は、支持部65Aの一部65cが回動した状態を示す図である。この例で、支持部65Aの一部65cが回動し、廃液ボックス60は第1開口20を通って矢印A1方向に挿抜される。廃液ボックス60を挿抜する際に、給送トレイ21及び排出トレイ22が取り外されてもよい。
【0075】
以上説明したように、実施形態2に係るインクジェットプリンタ1Aは、廃液ボックス60の下面を支持する支持部65Aを備え、支持部65Aは、少なくとも一部が開放可能に構成される。また、廃液ボックス60は、支持部65Aの少なくとも一部が開放されて形成される開放部を通って挿抜されるものである。
【0076】
実施形態2に係るインクジェットプリンタ1Aによれば、支持部65の少なくとも一部を開放して廃液ボックス60を下に移動させて取り出す構成を実現することができる。これにより、例えば、筐体11の前面に操作パネル13が設けられていないインクジェットプリンタ1A、あるいは、筐体11の前面に操作パネル13が開閉できないように固定されているインクジェットプリンタ1Aの場合であっても、筐体11の前面から廃液ボックス60を挿抜することができる。
【0077】
また、実施形態2に係るインクジェットプリンタ1Aは、上記廃液を廃液ボックス60に移送する廃液チューブ82を備え、支持部65Aは、少なくとも廃液チューブ82と廃液ボックス60とを接続する接続部63の下を覆うように配置される。
【0078】
実施形態2に係るインクジェットプリンタ1Aによれば、接続部63の下が支持部65Aによって覆われるようにすることで、廃液チューブ82の中で廃液が漏れやすい部分を下から覆うことができる。その結果、漏れた廃液がシートPに付着することを防止できる。
【0079】
〔実施形態3〕
次に、本開示の実施形態3に係るインクジェットプリンタ1Bについて図面を参照して説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態1~2にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0080】
図13は、実施形態3のインクジェットプリンタ1Bの記録部4の周辺を上方から見た図である。また、図14は、インクジェットプリンタ1Bを右側面から見た模式図である。インクジェットプリンタ1Bの廃液ボックス60Bは、操作パネル13の右側に配置される。廃液ボックス60Bは操作パネル13と前後方向で重なる位置に配置されてもよい。廃液ボックス60Bの前側は、図14に示すように、筐体11の前面11aにより覆われている。
【0081】
廃液ボックス60Bの挿抜方法は、実施形態2に係る挿抜方法(上述の構成例1~3で説明した挿抜方法)と同様である。すなわち、廃液ボックス60Bは、廃液ボックス60Bを支持する支持部65Bの少なくとも一部が開放されて形成される開放部を通って挿抜される。
【0082】
〔実施形態4〕
次に、本開示の実施形態4に係るインクジェットプリンタ1Cについて図面を参照して説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態1~3にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0083】
図15は、実施形態4のインクジェットプリンタ1Cの外観斜視図の一例である。インクジェットプリンタ1Cの操作パネル13Cは、インクジェットプリンタ1Cの上面に設けられている。インクジェットプリンタ1Cの廃液ボックス60は、実施形態3と同様に筐体11の前面の後側に配置されている。
【0084】
廃液ボックス60の挿抜方法は、実施形態2に係る挿抜方法(上述の構成例1~3で説明した挿抜方法)と同様である。すなわち、廃液ボックス60は、廃液ボックス60を支持する支持部(図示略)の少なくとも一部が開放されて形成される開放部を通って挿抜される。
【0085】
〔変形例〕
(変形例1)
上記した実施形態では、廃液ボックス60の後面が印刷領域Q11の前に位置する構成を説明した(図3等)。廃液ボックスと印刷領域との位置関係は、図3に示す例に限られない。図16は、変形例1に係るインクジェットプリンタ1Dの記録部4の周辺の内部構成を示す図である。また、図17は、変形例1に係るインクジェットプリンタ1Dを右側面から見た模式図である。廃液ボックス60Dの後面は、図16及び図17に示すように、印刷領域Q11の前端よりも後方に位置する。
【0086】
(変形例2)
また、廃液ボックスと印刷領域との位置関係は上述した例に限られず、例えば図18に示すものであってもよい。図18は、変形例2に係るインクジェットプリンタ1Eを右側面から見た模式図である。図18の例では、廃液ボックス60Eの後面が印刷領域Q11の前に位置する。より詳細には、廃液ボックス60Eは、実施形態1における廃液ボックス60に比べて、前後方向の長さが長くなるように構成されている。また、廃液ボックス60Eの後面が印刷領域Q11の前に位置するため、図18に示すように、印刷領域Q11と廃液ボックス60Eとが側面視において横並びとなる位置に配置できる。これにより、インクジェットプリンタ1Eの製品の上下方向の高さを低く構成することができる。
【0087】
(変形例3)
上述の実施形態2~4では、支持部の少なくとも一部が開放されて形成される開放部を通って廃液ボックスが挿抜される構成について説明した。廃液ボックスの挿抜に係る構成は上述した例に限られず、他の構成であってもよい。図19は、変形例3に係るインクジェットプリンタ1Fを右側面から見た模式図である。インクジェットプリンタ1Fは、廃液ボックスカバー66を備える。廃液ボックスカバー66は、筐体11の前面に開閉可能に設けられている。廃液ボックスカバー66は、支持部65の端部65aを回転軸として回動する。廃液ボックス60Fは、廃液ボックスカバー66を開くことにより形成される開口部を通って挿抜される。
【0088】
(変形例4)
また、他の例として、廃液ボックスの挿抜に係る構成は、図20に示すものであってもよい。図20は、変形例4に係るインクジェットプリンタ1Gを右側面から見た模式図である。この例で、インクジェットプリンタ1Gは、廃液ボックスカバー66Gを備える。廃液ボックスカバー66Gは、筐体11の前面に着脱可能に設けられている。廃液ボックス60Gは、廃液ボックスカバー66Gを筐体11から取り外すことにより形成される開口部を通って挿抜される。
【0089】
(変形例5)
また、他の例として、廃液ボックスの挿抜に係る構成は、図21及び図22に示すものであってもよい。図21及び図22は、変形例4に係るインクジェットプリンタ1Hを右側面から見た模式図である。この例で、インクジェットプリンタ1Hの支持部65Hは着脱可能に設けられている。廃液ボックス60Hは、支持部65Hを筐体11から取り外すことにより形成される開口部を通って挿抜される。
【0090】
(他の変形例)
また、上記した実施形態及び変形例では、液体吐出装置がインクジェットプリンタ1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H(以下「インクジェットプリンタ1等」という)であるものとしたが、これに限らず、他にも、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、ファックス機能等の複数の機能を備えたMFP(Multi-Function Peripheral)であってもよい。
【0091】
また、上記した実施形態及び変形例では、インクジェットプリンタ1等は、キャリッジ40を走査方向に移動させながら、ノズル42からインクLを吐出するシリアル式のインクジェットプリンタであるとしたが、これに限定されない。例えば、インクジェットプリンタ1等は、液体吐出ヘッド41が筐体11に対して固定され、走査方向におけるシートPの全長に亘って延びたライン式のインクジェットプリンタであってもよい。
【0092】
また、上記した実施形態及び変形例では、廃液ボックス60、60B、60D、60E、60F、60G、60H(以下「廃液ボックス60等」という)は、搬送ローラ50及び排出ローラ52の両方の下方に配置されるものとしたが、これに限定されない。例えば、廃液ボックス60等は、搬送ローラ50及び排出ローラ52のうちいずれか一方の下方に配置されていてもよい。また、搬送ローラ50及び排出ローラ52の上方に、廃液ボックス60等が配置されていてもよい。
【0093】
また、上記した実施形態及び変形例では、廃液ボックス60等は、2本のガイドレール91,92の下方に配置されているものとしたが、これに限定されない。例えば、廃液ボックス60等は、2本のガイドレール91,92のいずれか一方の下方に配置されていてもよい。また、廃液ボックス60等は、2本のガイドレール91,92の上方に配置されていてもよい。
【0094】
また、上記した実施形態及び変形例では、廃液ボックス60等は、メンテナンスユニット8によるメンテナンス処理時において、ノズル42から排出された廃液を貯留するものとしたが、これに限定されない。例えば、インクジェットプリンタ1,1Aは、フラッシング処理を行うフラッシングユニットを備えていてもよい。ここで、フラッシング処理とは、キャリッジ40をフラッシングユニットと対向する位置に移動させた状態で、液体吐出ヘッド41を駆動させることにより、シートPに向けたインクLの排出とは別に、複数のノズル42から廃液ガイド71に向けてインクLを排出させる動作である。また、メンテナンスユニット8及びフラッシングユニットとは別のクリーニング部材を使用した際に生じる廃液を、廃液ボックス60等に貯留するようにしてもよい。
【0095】
また、上記した実施形態及び変形例では、読取部12は、筐体11に対して、ヒンジ(図示略)を回転軸として回動可能に設けられているものとしたが、これに限定されない。例えば、筐体11に廃液ボックス60が装着された状態において、廃液ボックス60の上に読取部12が位置し、読取部12は、上方に開放できないように構成されていてもよい。このように、読取部12は、上方に開放できないように構成されていても廃液ボックス60は筐体11の前面から筐体11に挿抜できる。つまり、筐体11の上面からの廃液ボックス60のアクセスが困難な場合であっても、簡単に廃液ボックス60を挿抜できる。
【0096】
本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0097】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H インクジェットプリンタ
4 記録部
5 搬送部
11 筐体
12 読取部
40 キャリッジ
41 液体吐出ヘッド
42 ノズル
43 プラテン
50 搬送ローラ
52 排出ローラ
60、60B、60D、60E、60F、60G、60H 廃液ボックス
91、92 ガイドレール
151 第2開口
L インク
Q21 第1の領域 Q22 第2の領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22