(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054629
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】マドラー不要グラス及び製氷皿
(51)【国際特許分類】
A47G 19/22 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
A47G19/22 Z
A47G19/22 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160972
(22)【出願日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】522393033
【氏名又は名称】萩原 純
(74)【代理人】
【識別番号】100147935
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100080230
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 詔二
(72)【発明者】
【氏名】萩原 哲雄
【テーマコード(参考)】
3B001
【Fターム(参考)】
3B001AA02
3B001BB10
3B001CC16
(57)【要約】
【課題】液体を良く攪拌する必要のある混合液体飲料を作る際にも、マドラー無しで、十分に攪拌できるようにしたマドラー不要グラス及びそれに好適な製氷皿を提供する。
【解決手段】グラス内壁に設けられ、攪拌用氷が係合せしめられる氷係合用凹部又は凸部と、グラス外底面に設けられた回転用摩擦低減凹部又は凸部と、を有する、飲料が収容されるグラス本体、を含むマドラー不要グラスであり、前記グラス本体内の前記飲料に前記攪拌用氷が当接するように前記氷係合用凹部又は凸部に前記攪拌用氷を係合せしめ、前記グラス本体を回転せしめることにより、前記グラス本体内の前記飲料が前記攪拌用氷に当接せしめられて攪拌される、マドラー不要グラスとした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラス内壁に設けられ、攪拌用氷が係合せしめられる氷係合用凹部又は凸部と、
グラス外底面に設けられた回転用摩擦低減凹部又は凸部と、を有する、飲料が収容されるグラス本体、を含むマドラー不要グラスであり、
前記グラス本体内の前記飲料に前記攪拌用氷が当接するように前記氷係合用凹部又は凸部に前記攪拌用氷を係合せしめ、前記グラス本体を回転せしめることにより、前記グラス本体内の前記飲料が前記攪拌用氷に当接せしめられて攪拌される、マドラー不要グラス。
【請求項2】
前記グラス外底面が載置される台座部をさらに有し、前記台座部上で前記グラス本体が回転せしめられる、請求項1記載のマドラー不要グラス。
【請求項3】
前記攪拌用氷には貫通孔が形成されてなる、請求項1記載のマドラー不要グラス。
【請求項4】
前記貫通孔が、非正円の貫通孔とされてなる、請求項3記載のマドラー不要グラス。
【請求項5】
前記攪拌用氷に、前記グラス本体内の前記飲料が通る飲み口が形成されてなる、請求項1記載のマドラー不要グラス。
【請求項6】
前記飲み口は、前記攪拌用氷の前記氷係合用凹部又は凸部の存在する位置に対応する位置以外に形成されている、請求項5記載のマドラー不要グラス。
【請求項7】
請求項1記載の攪拌用氷を製氷するための製氷皿であり、前記攪拌用氷の形状に対象物凍結用の凹部が形成されてなる、製氷皿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マドラー無しで飲み物を攪拌することができる新規なグラス及びそれに好適な製氷皿に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、グラスに飲み物と氷を入れて攪拌するには、マドラーで攪拌する必要があった。例えば、ウイスキーの水割りを作る場合、グラスにウイスキーと氷を入れて、水をさらに入れて、マドラーで攪拌することにより、ウイスキーの水割りが完成する。
【0003】
しかしながら、テレビを見ながら飲み物を飲むのに、マドラーを取りに行くのが面倒だったり、マドラーが無かったりすることがある。
【0004】
また、マドラーで飲み物を攪拌する際に、飲み物がグラスからこぼれてしまったりすることもある。
【0005】
例えば、特許文献1には、受け皿に載置して回転可能としたコップが開示されている。このコップは回転させることで、コップを使ったルーレットのような遊びを行うためのものである。このようなコップで、ウイスキーの水割りを作る場合には、氷も液体と一緒に回転するので、グラスにウイスキー、氷及び水を入れて、やはりマドラーで攪拌する必要がある。
【0006】
また、例えば、特許文献2には、グラス本体が傾きながら回転するようにした攪拌グラスが開示されている。このグラスは、グラス本体を傾斜して回転させることでワインやウイスキーなどを攪拌するためのものである。このようなグラスでウイスキーの水割りを作る場合、氷も液体と一緒に回転するので、グラスにウイスキー、氷及び水を入れて、やはりマドラーで攪拌する必要がある。
【0007】
本発明者が鋭意研究をした結果、特許文献1や特許文献2に記載されるように、グラスを回転させるようにしても、ウイスキーの水割り等の混合液体飲料を作る場合、氷が液体と一緒に回転する限り、混ざり方が悪いことを突き止めた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開昭56-87882
【特許文献2】実用新案登録第3144965号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、液体を良く攪拌する必要のある混合液体飲料を作る際にも、マドラー無しで、十分に攪拌できるようにしたマドラー不要グラス及びそれに好適な製氷皿を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のマドラー不要グラスは、グラス内壁に設けられ、攪拌用氷が係合せしめられる氷係合用凹部又は凸部と、グラス外底面に設けられた回転用摩擦低減凹部又は凸部と、を有する、飲料が収容されるグラス本体、を含むマドラー不要グラスであり、前記グラス本体内の前記飲料に前記攪拌用氷が当接するように前記氷係合用凹部又は凸部に前記攪拌用氷を係合せしめ、前記グラス本体を回転せしめることにより、前記グラス本体内の前記飲料が前記攪拌用氷に当接せしめられて攪拌される、マドラー不要グラスである。
【0011】
前記グラス外底面が載置される台座部をさらに有し、前記台座部上で前記グラス本体が回転せしめられるのが好適である。
【0012】
前記攪拌用氷には貫通孔が形成されてなるのが好適である。
【0013】
前記貫通孔が、非正円の貫通孔とされてなるのが好適である。
【0014】
前記攪拌用氷に、前記グラス本体内の前記飲料が通る飲み口が形成されてなるのが好適である。
【0015】
前記飲み口は、前記攪拌用氷の前記氷係合用凹部又は凸部の存在する位置に対応する位置以外に形成されているのが好適である。
【0016】
本発明の製氷皿は、前記攪拌用氷を製氷するための製氷皿であり、前記攪拌用氷の形状に対象物凍結用の凹部が形成されてなる、製氷皿である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、液体を良く攪拌する必要のある混合液体飲料を作る際にも、マドラー無しで、十分に攪拌できるようにしたマドラー不要グラス及びそれに好適な製氷皿を提供することができるという著大な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明のマドラー不要グラスの一つの実施の形態を示し、マドラー不要グラスで飲料を攪拌する様子を示す模式的斜視図である。
【
図2】
図1のマドラー不要グラスのグラス本体を示す平面図である。
【
図3】(a)は
図1のマドラー不要グラスのグラス外底面を示す平面図であり、(b)は
図1のマドラー不要グラスのグラス外底面が載置される台座部を示す平面図である。
【
図4】(a)は
図1のマドラー不要グラスのグラス本体を示す一部断面側面図であり、(b)は
図1のマドラー不要グラスのグラス外底面が載置される台座部の断面図である。
【
図5】
図1のマドラー不要グラスに好適に用いられる攪拌用氷を示す平面図である。
【
図6】(a)は
図1に示したマドラー不要グラスに飲料を注いでいる様子を示し、(b)は飲料の上部に位置するように攪拌用氷を係合せしめる様子、(c)は飲料を攪拌している様子を示す。
【
図7】本発明のマドラー不要グラスの別の実施の形態を示し、マドラー不要グラスで飲料を攪拌する様子を示す模式的斜視図である。
【
図8】
図7のマドラー不要グラスのグラス本体を示す平面図である。
【
図9】(a)は
図7のマドラー不要グラスのグラス外底面を示す平面図であり、(b)は
図7のマドラー不要グラスのグラス外底面が載置される台座部を示す平面図である。
【
図10】(a)は
図7のマドラー不要グラスのグラス本体を示す一部断面側面図であり、(b)は
図7のマドラー不要グラスのグラス外底面が載置される台座部の断面図である。
【
図11】
図7のマドラー不要グラスに好適に用いられる攪拌用氷を示す平面図である。
【
図12】(a)は
図7に示したマドラー不要グラスに飲料を注いでいる様子を示し、(b)は飲料の上部に位置するように攪拌用氷を係合せしめる様子、(c)は飲料を攪拌している様子を示す。
【
図13】本発明の製氷皿の一つの実施の形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、図示例は例示的に示されたもので、本発明の技術的思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことは言うまでもない。
【0020】
図1~
図6において、符号10Aは本発明のマドラー不要グラスの一つの実施の形態を示す。
マドラー不要グラス10Aは、グラス内壁12に設けられ、攪拌用氷14aが係合せしめられる氷係合用凹部又は凸部16a,16bと、グラス外底面18に設けられた回転用摩擦低減凹部又は凸部20と、を有する、飲料34が収容されるグラス本体24、を含むマドラー不要グラスである。
【0021】
そして、
図1によく示される如く、前記グラス本体24内の前記飲料34に前記攪拌用氷14aが当接するように前記氷係合用凹部又は凸部16a,16bに前記攪拌用氷14aを係合せしめ、前記グラス本体24を回転せしめることにより、前記グラス本体24内の前記飲料34が前記攪拌用氷14aに当接せしめられて攪拌される。図示例では、前記グラス本体24内の前記飲料34上部に前記攪拌用氷14aが位置するように前記氷係合用凹部又は凸部16a,16bに前記攪拌用氷14aが係合せしめられている例を示した。
【0022】
図示例では、マドラー不要グラス10Aは、前記グラス外底面18が載置される台座部26をさらに有し、前記台座部26上で前記グラス本体24が回転せしめられる構成とされている。前記グラス本体24が回転する際に、前記攪拌用氷14aは、前記グラス本体24に係合して固定されているので、前記グラス本体24内の前記飲料34が前記攪拌用氷14aに当接せしめられて攪拌されることとなる。
【0023】
このように、前記グラス本体24内の前記飲料34が前記攪拌用氷14aに当接せしめられて攪拌されるので、前記グラス本体24を手でおさえて、もう一方の手でマドラーで攪拌する手間がなく、マドラーが不要である。また、前記グラス本体24を回転させるだけなので、片手で攪拌できる。
【0024】
さらに、前記グラス本体24が透明の場合、前記グラス本体24内の前記飲料34が攪拌される際に、攪拌される様子が美しい視覚効果を生むという効果もある。前記飲料34としては、冷たい飲料が好ましく、混合飲料が好ましい。混合飲料とは、水とウイスキーの水割り、濃縮乳酸菌飲料を水で薄めてつくる乳酸菌飲料、ガムシロップやミルクを入れて作るアイスコーヒーなど、2種類以上のものを混ぜて作る飲料全てを指す。混合飲料の方が、攪拌される際に、より美しい視覚効果を生むという特徴がある。
【0025】
また、本明細書において、グラスとは、飲料を入れて飲むための器を指し、必ずしもガラス製の器を意味するものではない。前記グラス本体24としては、飲料を入れて飲むための器であればよいもので、コップやジョッキ等の全ての飲み物の器が含まれる。また、前記グラス本体24の材質としては、ガラスに限らず、プラスチック、例えばステンレス等の金属、セラミック、等でも飲み物の器を作製できる材質であればいずれも適用できる。また、それらを複合した材質でもよい。なお、攪拌の際の演出効果を高めるためには、透明なガラスで作製したグラスが好適である。
【0026】
図2によく示される如く、前記氷係合用凹部又は凸部16a,16bは、図示例では凹部とされている。
【0027】
図3及び
図4によく示される如く、マドラー不要グラス10Aでは、グラス外底面18に設けられた回転用摩擦低減凹部又は凸部20には、中心部の凹部21と、外周に設けられた複数の凸部19が含まれる。
【0028】
台座部26には、上記した回転用摩擦低減凹部又は凸部20に対応して、環状外周窪み28と、その中心に設けられた凸部22とが形成されている。前記回転用摩擦低減凹部又は凸部20の中心部の凹部21と、外周に設けられた複数の凸部19に、環状外周窪み28と、その中心に設けられた凸部22とが対応するように前記グラス外底面18が載置されることで、摩擦が低減した状態で容易に回転されることができる。
【0029】
図5に、本発明に用いられる攪拌用氷の一つの実施の形態として、攪拌用氷14aをよく示す。攪拌用氷14aは、液体を凍らせた氷であり、本発明に用いられる攪拌用氷としては、水のほか、ミルク、カルピス、砂糖水などの液体を凍らせた氷でもよい。また、本発明に用いられる攪拌用氷としては、一定形状のステンレス鋼やプラスチック等に水を封入し、冷凍庫に入れることで、飲み物が薄まることを防ぐことができる氷、いわゆる溶けない氷でもよい。
【0030】
また、本発明に用いられる攪拌用氷としては、水などの液体に浮いても浮かなくてもよい。
【0031】
攪拌用氷14aの例では、貫通孔30が形成されている。水などの液体(飲料)の抵抗を受けやすくするためである。また、攪拌用氷14aの貫通孔30としては、ハート型の例を示した。前記貫通孔30としては、非正円の貫通孔が好適である。正円、即ち丸だと、水などの液体(飲料)の抵抗を受けにくいためである。従って、非正円の貫通孔、例えば、三角やハート型などの、丸ではない貫通孔が好ましい。
【0032】
また、貫通孔30の他、攪拌用氷14aには、短手方向端部に抵抗用凹部31を有する。この抵抗用凹部31があることにより、水などの液体(飲料)の抵抗を増やし、攪拌し易くする効果がある。
【0033】
さらに、攪拌用氷14aには、その長手方向端部に前記グラス本体24内の前記飲料34が通る飲み口33が形成されている。前記飲み口33としては、攪拌用氷14aの長手方向端部に形成された凹部である。なお、攪拌用氷14aは形状としては、グラス本体24に対応して種々に変化して作製する。このため、前記抵抗用凹部31や前記飲み口33の形状や位置は種々に変化して作製する。
【0034】
前記飲み口33は、前記氷係合用凹部又は凸部16a,16bの存在する位置に対応する位置以外に形成されるのが好ましい。前記氷係合用凹部又は凸部16a,16bの存在する位置から、飲料を飲むのは難しいからである。
【0035】
上記のように構成されたマドラー不要グラス10Aを使って、飲料を攪拌する様子を
図6に示す。
【0036】
図6に示されるように、マドラー不要グラス10Aに飲料34を注ぐ(
図6(a))。符号32は飲料34の容器である。飲料34としては、例えば、ウイスキーと水とを順番に注ぐ。次に、飲料34の上部に位置するように、前記氷係合用凹部又は凸部16a,16bに攪拌用氷14aを係合せしめる(
図6(b))。図示の例では、飲料34を注いでから前記氷係合用凹部又は凸部16a,16bに攪拌用氷14aを係合せしめているが、順番としては逆でもよく、前記氷係合用凹部又は凸部16a,16bに攪拌用氷14aを係合せしめてから、攪拌用氷14aの隙間から飲料34を注ぐようにしてもよい。
【0037】
そして、グラス本体24を台座部26の上で回転させて、飲料34を攪拌する(
図6(c))。図の例では、矢印の方向である時計回りに回転させているが、回転方向に限定はなく、反時計回りに回転させてもよい。このようにして、マドラーを使用すること無く、混合飲料などの飲料34を十分に攪拌することができる。
【0038】
次に、
図7~
図12に、本発明の別の実施の形態を示す。
図7~
図12において、符号10Bは本発明のマドラー不要グラスの別の実施の形態を示す。
【0039】
マドラー不要グラス10Bは、グラス内壁42に設けられ、攪拌用氷14bが係合せしめられる氷係合用凹部又は凸部46a,46bと、グラス外底面48に設けられた回転用摩擦低減凹部又は凸部50と、を有する、飲料34が収容されるグラス本体44、を含むマドラー不要グラスである。
【0040】
そして、
図7によく示される如く、前記グラス本体44内の前記飲料34上部に前記攪拌用氷14bが位置するように前記氷係合用凹部又は凸部46a,46bに前記攪拌用氷14bを係合せしめ、前記グラス本体44を回転せしめることにより、前記グラス本体44内の前記飲料34が前記攪拌用氷14bに当接せしめられて攪拌される。
【0041】
図示例では、マドラー不要グラス10Bは、前記グラス外底面48が載置される台座部60をさらに有し、前記台座部60上で前記グラス本体44が回転せしめられる構成とされている。前記グラス本体44が回転する際に、前記攪拌用氷14bは、前記グラス本体44に係合して固定されているので、前記グラス本体44内の前記飲料34が前記攪拌用氷14bに当接せしめられて攪拌されることとなる。
【0042】
このように、前記グラス本体44内の前記飲料34が前記攪拌用氷14bに当接せしめられて攪拌されるので、前記グラス本体44を手でおさえて、もう一方の手でマドラーで攪拌する手間がなく、マドラーが不要である。また、前記グラス本体44を回転させるだけなので、片手で攪拌できる。
【0043】
さらに、前記グラス本体44が透明の場合、前記グラス本体44内の前記飲料34が攪拌される際に、攪拌される様子が美しい視覚効果を生むという効果もある。
【0044】
また、前記グラス本体44としては、コップやジョッキ等の全てのグラス状の飲料容器が含まれる。
【0045】
図8によく示される如く、前記氷係合用凹部又は凸部46a,46bは、図示例では凸部とされている。
【0046】
図9及び
図10によく示される如く、マドラー不要グラス10Bでは、グラス外底面48に設けられた回転用摩擦低減凹部又は凸部50には、外周に設けられた複数の凸部49が含まれる。
【0047】
台座部60には、上記した回転用摩擦低減凹部又は凸部50に対応して、環状外周窪み52と、その中心に設けられ、環状外周窪み52よりも深い窪みとされた中心窪み54とが形成されている。前記回転用摩擦低減凹部又は凸部50の外周に設けられた複数の凸部49に、前記環状外周窪み52と、前記中心窪み54とが対応するように前記グラス外底面48が載置されることで、摩擦が低減した状態で容易に回転されることができる。
【0048】
図11に、本発明に用いられる攪拌用氷の別の実施の形態として、攪拌用氷14b及び攪拌用氷14cをよく示す。攪拌用氷14b及び攪拌用氷14cと攪拌用氷14aの違いは形状の違いだけである。
【0049】
攪拌用氷14b及び攪拌用氷14cは、前記氷係合用凹部又は凸部46a,46bに係合する形状とされている。
【0050】
図11(a)に示される如く、攪拌用氷14bには貫通孔56が形成されている。攪拌用氷14bの貫通孔56としては、ハート型の例を示した。
【0051】
また、貫通孔56の他、攪拌用氷14bには、短手方向端部に抵抗用凹部57を有する。この抵抗用凹部57があることにより、水などの液体(飲料)の抵抗を増やし、攪拌し易くする効果がある。
【0052】
さらに、攪拌用氷14bには、その長手方向端部に前記グラス本体44内の前記飲料34が通る飲み口59が形成されている。前記飲み口59としては、攪拌用氷14bの長手方向端部に形成された凹部である。なお、攪拌用氷14bは形状としては、グラス本体44に対応して種々に変化して作製する。このため、前記抵抗用凹部57や前記飲み口59の形状や位置は種々に変化して作製する。
【0053】
前記飲み口59は、前記氷係合用凹部又は凸部46a,46bの存在する位置に対応する位置以外に形成されるのが好ましい。前記氷係合用凹部又は凸部46a,46bの存在する位置から、飲料を飲むのは難しいからである。
【0054】
図11(b)において、攪拌用氷14cは、貫通孔の無い攪拌用氷の例を示した。
【0055】
また、攪拌用氷14cには、短手方向端部に抵抗用凹部61を有する。この抵抗用凹部61があることにより、水などの液体(飲料)の抵抗を増やし、攪拌し易くする効果がある。
【0056】
さらに、攪拌用氷14cには、その長手方向端部に前記グラス本体44内の前記飲料34が通る飲み口63が形成されている。前記飲み口63としては、攪拌用氷14cの長手方向端部に形成された凹部である。なお、攪拌用氷14cは形状としては、グラス本体44に対応して種々に変化して作製する。このため、前記抵抗用凹部61や前記飲み口63の形状や位置は種々に変化して作製する。
【0057】
前記飲み口63は、前記氷係合用凹部又は凸部46a,46bの存在する位置に対応する位置以外に形成されるのが好ましい。前記氷係合用凹部又は凸部46a,46bの存在する位置から、飲料を飲むのは難しいからである。
【0058】
上記のように構成されたマドラー不要グラス10Bを使って、飲料を攪拌する様子を
図12に示す。
【0059】
図12に示されるように、マドラー不要グラス10Bに飲料34を注ぐ(
図12(a))。符号32は飲料34の容器である。飲料34としては、例えば、ウイスキーと水とを順番に注ぐ。次に、飲料34の上部に位置するように、前記氷係合用凹部又は凸部46a,46bに攪拌用氷14bを係合せしめる(
図12(b))。図示の例では、飲料34を注いでから前記氷係合用凹部又は凸部46a,46bに攪拌用氷14bを係合せしめているが、順番としては逆でもよく、前記氷係合用凹部又は凸部46a,46bに攪拌用氷14bを係合せしめてから、攪拌用氷14bの隙間から飲料34を注ぐようにしてもよい。
【0060】
そして、グラス本体44を台座部60の上で回転させて、飲料34を攪拌する(
図12(c))。図の例では、矢印の方向である時計回りに回転させているが、回転方向に限定はなく、反時計回りに回転させてもよい。このようにして、マドラーを使用すること無く、混合飲料などの飲料34を十分に攪拌することができる。
【0061】
図13に、本発明の製氷皿62を示す。製氷皿62は、本発明に用いられる攪拌用氷、例えば上記した攪拌用氷14a~14cを製氷するための製氷皿であり、前記攪拌用氷14a~14cの形状に対象物凍結用の凹部66が形成されている。図示の例では、製氷皿62は、前記攪拌用氷14bの形状に対象物凍結用の凹部66が形成された例を示した。このような製氷皿62を用いて製氷することで、本発明に用いられる攪拌用氷を作製することができる。
【符号の説明】
【0062】
10A,10B:マドラー不要グラス、12,42:グラス内壁、14a,14b,14c:攪拌用氷、16a,16b,46a,46b:氷係合用凹部又は凸部、18,48:グラス外底面、19,22,49:凸部、20,50:回転用摩擦低減凹部又は凸部、21:凹部、24,44:グラス本体、26,60:台座部、28:環状外周窪み、30:貫通孔、31:抵抗用凹部、32:飲料の容器、33,59,63:飲み口、34:飲料、52:環状外周窪み、54:中心窪み、56:貫通孔、57,61:抵抗用凹部、62:製氷皿、66:対象物凍結用の凹部。