(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054678
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】飲料用容器の栓体及びその栓体を備えた魔法瓶
(51)【国際特許分類】
A47J 41/02 20060101AFI20240410BHJP
A47J 41/00 20060101ALI20240410BHJP
B65D 47/08 20060101ALI20240410BHJP
B65D 47/32 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
A47J41/02 104A
A47J41/00 304A
B65D47/08 230
B65D47/32 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161077
(22)【出願日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】518050562
【氏名又は名称】Reach Will 魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084375
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 康夫
(74)【代理人】
【識別番号】100142077
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 真之
(72)【発明者】
【氏名】山口 考克
【テーマコード(参考)】
3E084
4B002
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA22
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084CC05
3E084DA01
3E084DB09
3E084DC05
3E084EA03
3E084EC05
3E084FA06
3E084FB03
3E084GA04
3E084GB04
3E084GB06
3E084KA04
3E084KA19
3E084KB01
3E084LA17
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
3E084LD01
4B002AA02
4B002AA12
4B002BA06
4B002BA15
4B002CA12
4B002CA39
4B002CA50
(57)【要約】
【課題】飲料用容器の内部で発生した炭酸ガスを外界に排出するための圧力調整弁ユニットを備えた栓体において、圧力調整弁ユニットの清掃を容易にする。
【解決手段】本発明は、飲料用容器の開口部に取り付けられる飲み口ユニット4と、飲料用容器の内圧を調整するための圧力調整弁51を有する圧力調整弁ユニット5と、を備えた飲料用容器の栓体に関する。圧力調整弁ユニット5は、圧力調整弁51を収容して飲み口ユニット4に固着される圧力調整弁収納部52と、圧力調整弁収納部52を開閉可能に施蓋する圧力調整弁蓋部53と、を有し、圧力調整弁51は、圧力調整弁蓋部53を開蓋することで圧力調整弁収納部52から取り出し可能となっている。この構成によれば、圧力調整弁ユニット5を構成する部材が簡単に分解可能となっているので、圧力調整弁ユニット5を容易に清掃することができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料用容器の開口部に取り付けられる飲み口ユニットと、前記飲料用容器の内圧を調整するための圧力調整弁を有する圧力調整弁ユニットと、を備えた飲料用容器の栓体において、
前記圧力調整弁ユニットは、前記圧力調整弁を収容して前記飲み口ユニットに固着される圧力調整弁収納部と、前記圧力調整弁収納部を開閉可能に施蓋する圧力調整弁蓋部と、を有し、
前記圧力調整弁は、前記圧力調整弁蓋部を開蓋することで前記圧力調整弁収納部から取り出し可能であることを特徴とする飲料用容器の栓体。
【請求項2】
前記圧力調整弁と圧力調整弁蓋部との間に配設された付勢部を更に有し、
前記圧力調整弁収納部は、前記飲料用容器の内部と連通した貫通孔を有し、
前記圧力調整弁は、前記付勢部により前記貫通孔の方に付勢された状態で、該貫通孔に挿通されていることを特徴とする請求項1に記載の飲料用容器の栓体。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の飲料用容器の栓体を備えたことを特徴とする魔法瓶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料用容器に炭酸を含む飲料を収容した場合に好適に用いられる飲料用容器の栓体及びその栓体を備えた魔法瓶に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、真空断熱構造を有する飲料用容器と、この飲料用容器の上部開口に着脱可能に取り付けられる栓体と、を備えた魔法瓶が知られている。このような魔法瓶において飲料用容器に炭酸を含む飲料を収容した場合、飲料から発生した炭酸ガスにより飲料用容器の内圧が上昇することで、飲料用容器から栓体が意図せず外れてしまったり、飲料用容器から栓体を取り外したときに炭酸ガスが一気に排出されて飲料が吹きこぼれてしまうことがある。
【0003】
そこで、飲料用容器内部の炭酸ガスを外界に排出することが可能な栓体が開発されている(例えば、特許文献1参照)。このような栓体では、飲料用容器の内部と外界とを連通させる通気路が設けられ、この通気路を仕切るように防水通気フィルタが配置されている。防水通気フィルタは、飲料は透過させないが炭酸ガスは透過させるので、飲料の外界への漏出は防ぎつつ、炭酸ガスを外界に排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような栓体では、栓体からの防水通気フィルタの取り外しが容易ではないので防水通気フィルタの清掃が疎かになりがちで、防水通気フィルタや通気路に汚れが溜まったり雑菌が繁殖して不衛生になり易い。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するものであって、飲料用容器の内部で発生した炭酸ガスを外界に排出するための圧力調整弁ユニットを備えた栓体において、圧力調整弁ユニットを容易に清掃することができる栓体及びそれを備えた魔法瓶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、飲料用容器の開口部に取り付けられる飲み口ユニットと、前記飲料用容器の内圧を調整するための圧力調整弁を有する圧力調整弁ユニットと、を備えた飲料用容器の栓体において、前記圧力調整弁ユニットは、前記圧力調整弁を収容して前記飲み口ユニットに固着される圧力調整弁収納部と、前記圧力調整弁収納部を開閉可能に施蓋する圧力調整弁蓋部と、を有し、前記圧力調整弁は、前記圧力調整弁蓋部を開蓋することで前記圧力調整弁収納部から取り出し可能であることを特徴とする。
【0008】
前記圧力調整弁と圧力調整弁蓋部との間に配設された付勢部を更に有し、前記圧力調整弁収納部は、前記飲料用容器の内部と連通した貫通孔を有し、前記圧力調整弁は、前記付勢部により前記貫通孔の方に付勢された状態で、該貫通孔に挿通されていることが好ましい。
【0009】
また、本発明の魔法瓶は、上記飲料用容器の栓体を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の飲料用容器の栓体によれば、圧力調整弁ユニットを構成する部材が簡単に分解可能となっているので、圧力調整弁ユニットを容易に清掃することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る魔法瓶の分解斜視図。
【
図3】(a)は、上記魔法瓶の栓体に取り付けられる圧力調整弁ユニットの分解斜視図、(b)は、(a)の縦断面図。
【
図4】上記圧力調整弁ユニットが取り付けられた飲み口ユニットの縦断面図。
【
図6】上記魔法瓶において飲み口を外部に露出させた状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態に係る飲料用容器の栓体及びその栓体を備えた魔法瓶について図面を参照して説明する。
図1及び
図2に示すように、魔法瓶1は、飲料用容器2と、飲料用容器2に着脱可能に取り付けられる栓体3と、を備える。
【0013】
飲料用容器2は、例えば、ステンレスにより構成され、略有底円筒状に形成される。飲料用容器2は、外容器と内容器との間に真空断熱層が形成された真空断熱構造を有し(すべて不図示)、内容器に収容した飲料を保冷することができる。飲料は、飲料用容器2の上方に設けられた開口部21から出し入れされ、飲料用容器2の外周面上端には、後述する蓋ユニット6を取り付けるためのネジ山22が周設されている。なお、以下の説明では、飲料用容器2の円筒が伸びる方向を上下方向D1という。
【0014】
栓体3は、飲料用容器2に炭酸飲料や炭酸水、ビールや発泡酒等の炭酸を含む飲料が収容された場合に好適に用いられる。栓体3は、例えば、ポリプロピレン等の耐熱性樹脂から成り、飲み口ユニット4、圧力調整弁ユニット5及び蓋ユニット6を含む。
【0015】
飲み口ユニット4は、上下方向D1に直交するように拡がる略円盤状に形成された飲み口本体部41と、飲み口本体部41の上面から上方に立設された飲み口42と、飲み口本体部41の上面に凹設された圧力調整弁ユニット取付部43と、を有する。飲み口本体部41は、飲料用容器2の開口部21を塞ぐような大きさに形成され、パッキン71を介して開口部21に着脱可能に取り付けられる。飲み口42は、上下方向D1を軸とした略円筒状に形成され、飲料用容器2の内部と連通するようにして飲み口本体部41に設けられている。圧力調整弁ユニット取付部43は、平面視円形の凹部から成り、圧力調整弁ユニット5を収納する。飲み口42及び圧力調整弁ユニット取付部43は、それぞれ平面視において飲み口本体部41の一側及び他側に並設され、以下の説明では、飲み口42が配設された側を正面側、圧力調整弁ユニット取付部43が配設された側を背面側という。
【0016】
蓋ユニット6は、飲み口ユニット4及び圧力調整弁ユニット5を覆うようにして飲料用容器2に取り付けられる。蓋ユニット6は、上下方向D1に直交するように拡がる略円盤状に形成された蓋本体部61と、飲み口42を封止する封止栓62と、封止栓62を操作する際に摘みとなる摘み部63と、摘み部63と封止栓62との間に介在する中筒部64と、中筒部64を保持するアーム部65と、蓋本体部61と飲み口42との間に介在するパッキン66と、を有する。
【0017】
蓋本体部61は、円板状の上面部61aと、上面部61aを貫通して設けられ飲み口42が挿通される円形の飲み口挿通孔61bと、上面部61aの周縁から下方に伸長した側壁部61cと、を有する。蓋本体部61は、側壁部61cの内周面に周設されたネジ山61dが飲料用容器2のネジ山22に螺合することで、飲料用容器2に着脱可能に取り付けられる。また、側壁部61cの外周面には、蓋本体部61を飲料用容器2に取り付ける際に、ユーザの指が滑らないようにするための滑り止め部61eが複数設けられている。
【0018】
封止栓62は、上下方向D1を軸とした略円筒状に形成され、その外周面に飲み口42の内周面に設けられたネジ山42aと螺合するネジ山62aを有する。封止栓62は、ネジ山42a、62aが互いに螺合し、且つ封止栓62の下端部に取り付けられたパッキン62bが飲み口42を塞ぐことで飲み口42を封止し、飲み口42から飲料用容器2に収容された飲料が漏れないようにする。
【0019】
中筒部64は、上下方向D1を軸とした略円筒状に形成され、封止栓62とは互いの上端部を介して接続されている。中筒部64は、封止栓62が飲み口42を封止したときに飲み口42の外周面を覆うような大きさに形成されている。摘み部63は、中筒部64の外周面の略上半分を覆う円形キャップ状に形成され、その外周面にユーザの指が滑らないようにするための滑り止め部63aを複数有する。封止栓62、中筒部64及び摘み部63は、上下方向D1を回動軸として一緒に回動するように一体化されている。
【0020】
アーム部65は、正面側と背面側とを結ぶ横方向D2に沿って伸び、且つ蓋本体部61の上面部61aと略平行となった略平板状に形成され、正面側に中筒部64が挿通される円形の中筒部挿通孔65aを有する。アーム部65は、中筒部挿通孔65aに中筒部64が挿通されたときに中筒部64の外周面の略下半分を覆い、中筒部64の下端に設けられたフランジ部64aと摘み部63の下端部との間に狭持された状態で、中筒部64並びに中筒部64と一体化された封止栓62及び摘み部63を回動可能に保持している。
【0021】
また、アーム部65は、背面側においてヒンジ部8を介して蓋本体部61に連結されている。ヒンジ部8は、横方向D2と上下方向D1の両方に直交した方向に伸びる1本のヒンジ棒81と、アーム部65の背面側の端部から互いに離間して横方向D2に伸びるように並設された一対のヒンジ片82、82と、ヒンジ片82、82の各々においてヒンジ棒81を通すように設けられた一対のヒンジ穴83、83と、蓋本体部61の上面部61aの背面側の端部から互いに離間して上方向に伸びるように並設された一対のヒンジ片84、84と、ヒンジ片84、84の各々においてヒンジ棒81を通すように設けられた一対のヒンジ穴85、85と、により構成される。ヒンジ片84、84間の距離は、ヒンジ片84、84がヒンジ片82、82の間に配置されるように調整されている。
【0022】
飲料用容器2には、飲料用容器2と蓋本体部61とを連結する連結部23が設けられている。連結部23は、飲料用容器2の外周面に巻き付けられた輪状の輪状部23aと、輪状部23aの一部から外方に引き出された帯状の帯状部23bと、を有する。帯状部23bの先端は、蓋本体部61のヒンジ片84、84の間に入る太さに形成され、ヒンジ棒81を通すためのヒンジ穴86を有する。
【0023】
ヒンジ棒81をヒンジ穴83、85、86に差し込むことで、アーム部65が、中筒部64(並びに封止栓62及び摘み部63)を保持した状態で、ヒンジ棒81を旋回軸として蓋本体部61に対して旋回可能となる。また、蓋本体部61のネジ山61dと飲料用容器2のネジ山22との螺合を解除したときに、蓋本体部61が連結部23により飲料用容器2に連結されているので、蓋本体部61の脱落を防止することができる。
【0024】
図3(a)(b)に示すように、圧力調整弁ユニット5は、飲料用容器2の内圧を調整するための圧力調整弁51と、圧力調整弁51を収納する圧力調整弁収納部52と、圧力調整弁収納部52を開閉可能に施蓋する圧力調整弁蓋部53と、圧力調整弁蓋部53と圧力調整弁51との間に配設された付勢部54と、圧力調整弁51に取り付けられる第1のO(オー)リング55と、圧力調整弁収納部52と飲み口ユニット4の圧力調整弁ユニット取付部43(不図示)との間に配設される第2のOリング56と、を有する。付勢部54は、図例では、上下方向D1に圧縮可能となるように配置されたコイルばねにより構成されている。
【0025】
圧力調整弁51は、上下方向D1に直交して拡がる円板状に形成された中間部51aと、中間部51aの下面中央から下方に向かって伸びる略円柱状の弁体51bと、中間部51aの上面中央から上方に向かって伸びる略円柱状のばね支持部51cと、ばね支持部51cの下端から外方に向かって突設された複数のばね保持部51dと、を有する。ばね保持部51dは、その周囲にコイルばね(付勢部)54の下端が巻回されることでコイルばね54を保持する。第1のOリング55は、例えば、シリコーンゴム等の耐熱性を有するゴムやエラストマー等の弾性部材から成り、圧力調整弁51の中間部51aの下面に当接するまで弁体51bに差し込まれる。
【0026】
圧力調整弁収納部52は、上下方向D1を軸とした有底円筒状に形成され、その底面中央を上下方向D1に貫通して設けられた円形の貫通孔52aと、内周面に周設されたネジ山52bと、を有する。貫通孔52aは、その直径が弁体51bの直径と略等しくなるように形成され、弁体51bがちょうど通る大きさになっている。
【0027】
圧力調整弁蓋部53は、上下方向D1を軸とした略有頂円筒状に形成され、その頂部53aの中心から下方に向かって棒状に伸びるばね保持部53bと、外周面の下側に周設され圧力調整弁収納部52のネジ山52bと螺合するネジ山53cと、ネジ山53cの上側に設けられたフランジ部53dと、頂部53aの上面中央に設けられた長尺な窪み部53eと、窪み部53eの中心から上下方向D1に沿ってばね保持部53bを貫通して設けられた脱気孔53fと、を有する。ばね保持部53bは、その周囲にコイルばね54の上端が巻回されることでコイルばね54を保持する。脱気孔53fは、圧力調整弁51のばね支持部51cを収納することができる大きさに形成されている。
【0028】
図4に示すように、圧力調整弁収納部52は、飲み口ユニット4の圧力調整弁ユニット取付部43に固着される。ここで、圧力調整弁ユニット取付部43は、圧力調整弁収納部52の貫通孔52aに対応した位置に、貫通孔52a及び飲み口ユニット4の内腔(飲料用容器2の内部)の両方と連通した連通孔43aを有する。これにより、飲料用容器2の内部は、連通孔43a及び貫通孔52aを介して、圧力調整弁収納部52の内部と連通することになる。連通孔43aは、貫通孔52aと同様に、弁体51bがちょうど通る大きさに構成されている。第2のOリング56は、連通孔43a及び貫通孔52aを取り囲むように配置されている。
【0029】
コイルばね54の上端及び下端を、それぞれ圧力調整弁蓋部53のばね保持部53b及び圧力調整弁51のばね保持部51dで保持した状態で、フランジ部53dが圧力調整弁収納部52の上端部に当接するまでネジ山52b、53cを螺合させる。そうすると、圧力調整弁51は、弁体51bに取り付けられた第1のOリング55が圧力調整弁収納部52の内底面に当接するまで、コイルばね54により貫通孔52aの方に付勢される。このとき、弁体51bは、圧力調整弁収納部52の貫通孔52a及び圧力調整弁ユニット取付部43の連通孔43aへと挿通され、これら貫通孔52a及び連通孔43aを閉塞する。なお、圧力調整弁蓋部53の圧力調整弁収納部52への取り付けは、窪み部53eにユーザの指や硬貨を差し込んで圧力調整弁蓋部53を時計回りに回転させることで、容易にネジ山52b、53cを螺合させて行うことができる。
【0030】
この状態で、
図5に示すように、飲料用容器2に炭酸を含む飲料Bが収容されると、飲料Bから発生した炭酸ガスGにより飲料用容器2及び飲み口ユニット4の内圧が上昇する。そして、内圧が所定値まで上昇すると、内圧により圧力調整弁51がコイルばね54による下方への付勢力に逆らって上方へと押し上げられ、弁体51bが貫通孔52a及び連通孔43aから抜けることで、貫通孔52a及び連通孔43aが開放される。
【0031】
そうすると、飲料用容器2及び飲み口ユニット4内に溜まっていた炭酸ガスGは、開放された貫通孔52a及び連通孔43aを通って圧力調整弁収納部52の内部へと流れ込み、更に脱気孔53fを通って圧力調整弁収納部52から排出される。圧力調整弁収納部52から排出された炭酸ガスは、飲み口ユニット4と蓋ユニット6との隙間、更には蓋本体部61のネジ山61dと飲料用容器2のネジ山22との隙間を通って外界へと排出される。
【0032】
上記のように構成することで、飲料用容器2に炭酸を含む飲料Bを収容した場合でも、飲料用容器2の内圧が所定値よりも高くなることを防止して、内圧を適度に調整することができる。これにより、内圧が高くなり過ぎることによって飲み口42から封止栓62が意図せず外れてしまったり、飲み口42から封止栓62を外したときに炭酸ガスGの排出に伴って飲料Bが吹き出してしまうのを抑制することができる。
【0033】
飲み口42から封止栓62を外すには、封止栓62と一体に形成された摘み部63を反時計回りに回転させてネジ山42a、62aの螺合を解除する。そうすると、
図6に示すように、中筒部64(並びに封止栓62及び摘み部63)が飲み口42から離れる方向にアーム部65を介してヒンジ棒81を旋回軸として旋回可能となり、蓋本体部61の飲み口挿通孔61bから突出した飲み口42を外部に露出させることができる。これにより、飲み口42を通じて飲料用容器2に収容された飲料を外部に排出することが可能となる。
【0034】
魔法瓶1の使用後には、
図4に戻って、圧力調整弁蓋部53を反時計回りに回転させ、ネジ山52b、53cの螺合を解除して圧力調整弁蓋部53を開蓋する。これにより、圧力調整弁蓋部53と共にコイルばね54、圧力調整弁51及び第1のOリング55を圧力調整弁収納部52から取り出すことが可能となる。このように、圧力調整弁蓋部53、コイルばね54、圧力調整弁51及び第1のOリング55が圧力調整弁収納部52に対して着脱可能となっており、圧力調整弁ユニット5を構成する各部材が簡単に分解可能となっているので、これら各部材に加えて圧力調整弁収納部52の内側や貫通孔52a及び連通孔43aを容易に清掃することができる。これにより、圧力調整弁ユニット5を常に清潔に保つことができる。
【0035】
なお、本発明に係る飲料用容器の栓体及びその栓体を備えた魔法瓶は、上記実施形態に限定されず種々の変形が可能である。例えば、付勢部は、必ずしもコイルばねにより構成される必要はなく、圧力調整弁を下方に押圧する弾性体により構成されてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 魔法瓶
2 飲料用容器
21 開口部
3 栓体
4 飲み口ユニット
5 圧力調整弁ユニット
51 圧力調整弁
52 圧力調整弁収納部
52a 貫通孔
53 圧力調整弁蓋部
54 付勢部(コイルばね)