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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054711
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】3連包袋の自動箱詰め装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/08 20060101AFI20240410BHJP
   B65B 35/24 20060101ALN20240410BHJP
【FI】
B65B5/08
B65B35/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161121
(22)【出願日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】山本 博久
【テーマコード(参考)】
3E003
3E054
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003AB05
3E003BA03
3E003BB02
3E003BC01
3E003BD04
3E003BE01
3E003CA02
3E003CB03
3E003CB06
3E003DA01
3E003DA06
3E054AA13
3E054DC03
3E054DC12
3E054DC17
3E054DD01
3E054FA04
3E054FC04
3E054FC08
3E054FC13
3E054FC16
3E054GA01
3E054GB01
3E054HA07
3E054JA02
(57)【要約】
【課題】3連包袋を確実にかつ効率よく箱詰めする上で有利な3連包袋の自動箱詰め装置を提供する。
【解決手段】ヘッダ付き3連包袋10の第2袋体12Bおよび第3袋体12Cが固定保持された状態で、第1袋体12Aを上方に折り返して、第1袋体12Aの表面1202を上にして第2袋体12Bの裏面1204の上に折り畳むと共にヘッダ18を第3袋体12Cの裏面1204上に位置させたヘッダ付き3連包袋10の折り畳み状態を形成し、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の第1袋体12Aの表面1202と第3袋体12Cの裏面1204を吸着してコンベアベルト26上から移送し箱36内に詰めるようにした。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品名や絵柄が印刷された表面と、前記表面の反対に位置し縦シール部が形成された裏面とを有する第1袋体、第2袋体、第3袋体が連接された3連包袋を折り畳んで箱に詰める3連包袋の自動箱詰め装置であって、
前記裏面を上にして前記3連包袋が載置された状態で走行するコンベアベルトと、
前記3連包袋を前記コンベアベルト上から前記箱内に移送するための停止位置で前記コンベアベルトが停止した状態で、前記第2袋体および前記第3袋体または前記第1袋体および前記第2袋体の前記表面を下方から吸着し前記コンベアベルト上に固定保持する固定用吸着装置と、
前記第2袋体および前記第3袋体または前記第1袋体および前記第2袋体が固定保持された状態で、前記第1袋体または前記第3袋体を上方に折り返して、前記第1袋体の前記表面を上にして前記第2袋体の前記裏面の上に折り畳んだ、または、前記第3袋体の前記表面を上にして前記第2袋体の前記裏面の上に折り畳んだ、前記3連包袋の折り畳み状態を形成する折り返し装置と、
前記コンベアベルトの上方に配置され、折り畳み状態の前記3連包袋の前記第1袋体の前記表面と前記第3袋体の前記裏面を吸着して、または、折り畳み状態の前記3連包袋の前記第1袋体の前記裏面と前記第3袋体の前記表面とを吸着して、前記コンベアベルト上から移送し前記箱内に詰める移送装置と、
を備えることを特徴とする3連包袋の自動箱詰め装置。
【請求項2】
前記3連包袋は、前記第1袋体にヘッダが設けられたヘッダ付き3連包袋であり、
前記折り畳み状態では、前記第1袋体が上方に折り返されて前記第1袋体の前記表面を上にして前記第2袋体の前記裏面の上に折り畳まれると共に、前記ヘッダは前記第3袋体の裏面上に位置される、
ことを特徴とする請求項1記載の3連包袋の自動箱詰め装置。
【請求項3】
前記コンベアベルトは前記3連包袋が載置される搬送面を有し、
前記移送装置は、前記第1袋体の表面または前記第3袋体の表面を吸着する吸着面を有する第1吸着部と、前記第3袋体の裏面または前記第1袋体の裏面を吸着する吸着面を有する第2吸着部とを備え、
前記第1吸着部と前記第2吸着部は、水平方向に延在する支持部材に取り付けられた同一形状の蛇腹状吸着パッドで構成され、
前記第2吸着部を構成する蛇腹状吸着パッドと前記支持部材との間に前記搬送面上での前記第1袋体の表面の高さと前記第3袋体の裏面の高さとの差分、または、前記第3袋体の表面と前記第1袋体の裏面の高さとの差分を吸収する高さ調整部材が介設されている、
ことを特徴とする請求項1記載の3連包袋の自動箱詰め装置。
【請求項4】
前記コンベアベルトは前記3連包袋が載置される搬送面を有し、
前記移送装置は、前記第1袋体の表面または前記第3袋体の表面に吸着する吸着面を有する第1吸着部と、前記第3袋体の裏面または第1袋体の裏面に吸着する吸着面を有する第2吸着部とを備え、
前記第1吸着部と前記第2吸着部は、水平方向に延在する支持部材に取り付けられた同一形状の蛇腹状吸着パッドで構成され、
前記停止位置において、前記搬送面に対する前記第1袋体の表面の高さに、前記第3袋体の裏面の高さがほぼ合致するように、前記第3袋体を上方に変位させる、または、前記搬送面に対する前記第3袋体の表面の高さに、前記第1袋体の裏面の高さがほぼ合致するように変位させる、袋体変位装置が設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の3連包袋の自動箱詰め装置。
【請求項5】
折り畳み状態の前記3連包袋のうち前記第1袋体と前記第2袋体とが重ねられた部分を重ね合わせ部、前記第3袋体の部分を非重ね合わせ部としたとき、または、折り畳み状態の前記3連包袋のうち前記第3袋体と前記第2袋体とが重ねられた部分を重ね合わせ部、前記第1袋体の部分を非重ね合わせ部としたとき、
前記移送装置による前記3連包袋の箱詰めは、前記重ね合わせ部と前記非重ね合わせ部が交互に積み重ねられるように折り畳み状態の前記3連包袋の姿勢を変更しつつ行なう、
ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の3連包袋の自動箱詰め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は3連包袋の自動箱詰め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
連包袋は、製品が収容された複数の袋体が横シール部を介して接続されて構成されたものである。
この種の連包袋を袋体の数の半分の長さに折り畳んで箱に詰める連包袋の自動箱詰め装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-245988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、流通している連包袋は袋体の数が4個以上のものが多いが、袋体の数が3個の3連包袋についても流通が検討されている。
そのため、連包袋の自動箱詰め装置として、3連包袋を確実にかつ効率よく箱詰めするものが求められている。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであり、本発明の目的は、3連包袋を確実にかつ効率よく箱詰めする上で有利な3連包袋の自動箱詰め装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するため本発明の一実施の形態は、商品名や絵柄が印刷された表面と、前記表面の反対に位置し縦シール部が形成された裏面とを有する第1袋体、第2袋体、第3袋体が連接された3連包袋を折り畳んで箱に詰める3連包袋の自動箱詰め装置であって、前記裏面を上にして前記3連包袋が載置された状態で走行するコンベアベルトと、前記3連包袋を前記コンベアベルト上から前記箱内に移送するための停止位置で前記コンベアベルトが停止した状態で、前記第2袋体および前記第3袋体または前記第1袋体および前記第2袋体の前記表面を下方から吸着し前記コンベアベルト上に固定保持する固定用吸着装置と、前記第2袋体および前記第3袋体または前記第1袋体および前記第2袋体が固定保持された状態で、前記第1袋体または前記第3袋体を上方に折り返して、前記第1袋体の前記表面を上にして前記第2袋体の前記裏面の上に折り畳んだ、または、前記第3袋体の前記表面を上にして前記第2袋体の前記裏面の上に折り畳んだ、前記3連包袋の折り畳み状態を形成する折り返し装置と、前記コンベアベルトの上方に配置され、折り畳み状態の前記3連包袋の前記第1袋体の前記表面と前記第3袋体の前記裏面を吸着して、または、折り畳み状態の前記3連包袋の前記第1袋体の前記裏面と前記第3袋体の前記表面とを吸着して、前記コンベアベルト上から移送し前記箱内に詰める移送装置とを備えることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記3連包袋は、前記第1袋体にヘッダが設けられたヘッダ付き3連包袋であり、前記折り畳み状態では、前記第1袋体が上方に折り返されて前記第1袋体の前記表面を上にして前記第2袋体の前記裏面の上に折り畳まれると共に、前記ヘッダは前記第3袋体の裏面上に位置されることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記コンベアベルトは前記3連包袋が載置される搬送面を有し、前記移送装置は、前記第1袋体の表面または前記第3袋体の表面を吸着する吸着面を有する第1吸着部と、前記第3袋体の裏面または前記第1袋体の裏面を吸着する吸着面を有する第2吸着部とを備え、前記第1吸着部と前記第2吸着部は、水平方向に延在する支持部材に取り付けられた同一形状の蛇腹状吸着パッドで構成され、前記第2吸着部を構成する蛇腹状吸着パッドと前記支持部材との間に前記搬送面上での前記第1袋体の表面の高さと前記第3袋体の裏面の高さとの差分、または、前記第3袋体の表面と前記第1袋体の裏面の高さとの差分を吸収する高さ調整部材が介設されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記コンベアベルトは前記3連包袋が載置される搬送面を有し、前記移送装置は、前記第1袋体の表面または前記第3袋体の表面に吸着する吸着面を有する第1吸着部と、前記第3袋体の裏面または第1袋体の裏面に吸着する吸着面を有する第2吸着部とを備え、前記第1吸着部と前記第2吸着部は、水平方向に延在する支持部材に取り付けられた同一形状の蛇腹状吸着パッドで構成され、前記停止位置において、前記搬送面に対する前記第1袋体の表面の高さに、前記第3袋体の裏面の高さがほぼ合致するように、前記第3袋体を上方に変位させる、または、前記搬送面に対する前記第3袋体の表面の高さに、前記第1袋体の裏面の高さがほぼ合致するように変位させる、袋体変位装置が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、折り畳み状態の前記3連包袋のうち前記第1袋体と前記第2袋体とが重ねられた部分を重ね合わせ部、前記第3袋体の部分を非重ね合わせ部としたとき、または、折り畳み状態の前記3連包袋のうち前記第3袋体と前記第2袋体とが重ねられた部分を重ね合わせ部、前記第1袋体の部分を非重ね合わせ部としたとき、前記移送装置による前記3連包袋の箱詰めは、前記重ね合わせ部と前記非重ね合わせ部が交互に積み重ねられるように折り畳み状態の前記3連包袋の姿勢を変更しつつ行なうことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態によれば、3連包袋の第2袋体および第3袋体または第1袋体および第2袋体が固定保持された状態で、第1袋体を上方に折り返して、第1袋体の表面を上にして第2袋体の裏面の上に折り畳むと共にヘッダを第3袋体の裏面上に位置させた、または、第3袋体の表面を上にして第2袋体の裏面の上に折り畳んだ3連包袋の折り畳み状態を形成し、折り畳み状態の3連包袋の第1袋体の表面と第3袋体の裏面、または、第3袋体の表面と第1袋体の裏面を吸着してコンベアベルト上から移送し箱内に詰めるようにした。
そのため、折り畳み状態の3連包袋を箱内に確実に効率よく詰める上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、3連包袋が第1袋体にヘッダが設けられたヘッダ付き3連包袋であり、折り畳み状態では、第1袋体が上方に折り返されて第1袋体の表面を上にして第2袋体の裏面の上に折り畳まれると共に、ヘッダは第3袋体の裏面上に位置されるようした。
そのため、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋を平面視したときにヘッダが第3袋体の輪郭の内側に位置することから、箱詰めの際にヘッダが箱の内面に干渉することないため、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋を確実に効率よく箱詰めする上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、第2吸着部を構成する蛇腹状吸着パッドと支持部材との間に、搬送面上での第1袋体の表面の高さと第3袋体の裏面の高さとの差分、または、第3袋体の表面と第1袋体の裏面の高さとの差分を吸収する高さ調整部材が介設されている。したがって、折り畳み状態が形成された3連包袋を移送装置の第1吸着部と第2吸着部とによって確実に安定して吸着することができ、折り畳み状態の3連包袋を確実に効率よく箱詰めする上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、搬送面に対する第1袋体の表面の高さに、第3袋体の裏面の高さがほぼ合致するように、または第3袋体の表面の高さに、第1袋体の裏面の高さがほぼ合致するように、袋体変位装置によって第3袋体または第1袋体が上方に変位される。したがって、折り畳み状態が形成された3連包袋を第1吸着部と第2吸着部とによって確実に安定して吸着することができ、折り畳み状態の3連包袋を確実に効率よく箱詰めする上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、移送装置による3連包袋の箱詰めを、重ね合わせ部と非重ね合わせ部が交互に積み重ねられるように折り畳み状態の3連包袋の姿勢を変更しつつ行なうようにした。したがって、箱内に収容された折り畳み状態の3連包袋の上下方向の高さの偏りを最小限にすることができることから、箱の容積の無駄を抑制する上で有利となり、箱のコンパクト化を図ると共に、箱のコスト低減を図る上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施の形態に係る3連包袋の自動箱詰め装置の全体構成を示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図を示す。
図2】第1の実施の形態に係る3連包袋の自動箱詰め装置のコンベアベルト、固定用吸着装置、折り返し装置を示す説明図であり、(A)は正面図、(B)は平面図であり、(C)は変形例を示す平面図である。
図3】(A)-(E)は第1の実施の形態に係る3連包袋の自動箱詰め装置の動作状態を段階的に示す説明図である。
図4図1(A)のD-D線矢視図であり、(A)は1段目の3連包袋が箱内に詰められた状態を示す図、(B)は2段目の3連包袋が箱内に詰められた状態を示す図である。
図5】ヘッダ付き3連包袋の説明図であり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は背面図である。
図6】第2の実施の形態に係る3連包袋の自動箱詰め装置の説明図であり、(A)は第1袋体がコンベアベルトの搬送面に載置された状態を示す正面図、(B)は第1袋体が袋体変位装置により上方に変位された状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、本実施の形態の3連包袋の自動箱詰め装置(以下単に自動箱詰め装置という)で用いられる3連包袋について説明する。
なお、本実施の形態では、3連包袋がヘッダ付き3連包袋である場合について説明するが、本発明は、ヘッダ無しの3連包袋にも無論適用可能である。
図5(A)、(B)、(C)に示すように、ヘッダ付き3連包袋10は、製品が収容された第1袋体12A、第2袋体12B、第3袋体12Cの3個の袋体が横シール部14を介して接続されて(連接されて)構成されている。
ヘッダ付き3連包袋10は、例えば、透明や不透明な包装フィルム、あるいは、スナック菓子などの製品の酸化を防止するため遮光性のあるアルミ蒸着フィルムが用いられているが、包装フィルムの種類は限定されるものではない。
各袋体は、商品名や絵柄が印刷された表面1202と、表面1202の反対に位置し縦シール部16が形成された裏面1204とを有している。
ヘッダ付き3連包袋10は、3つの袋体12A、12B、12Cが連接された方向の長さと、長さ方向と直交する幅と、長さ方向および幅方向と直交する高さとを有している。
第1袋体12A、第2袋体12B、第3袋体12Cはヘッダ付き3連包袋10の長さ方向に沿った同一の長さおよび幅方向に沿った均一の幅とを有している。
第1袋体12Aの長さ方向の一端に横シール部14を介してヘッダ18が設けられ、他端に横シール部14が設けられている。
ヘッダ18の先端に横シール部14が設けられ、この先端の横シール部14にヘッダ付き3連包袋10を吊り下げるための孔1802が形成されている。
第2袋体12B、第3袋体12Cの長さ方向の両端に横シール部14が位置し、ヘッダ18、第1袋体12A、第2袋体12B、第3袋体12Cを接続する箇所の横シール部14はミシン目20を介して連接されている。
【0009】
次に、本実施の形態の自動箱詰め装置の構成について説明する。
図1(A)、(B)、(C)に示すように、自動箱詰め装置22は、不図示の製袋充填包装機によって製品が収容されて製造されたヘッダ付き3連包袋10の箱詰めを行なうものである。図中、符号36は箱を示す。
自動箱詰め装置22は、フレーム24と、このフレーム24に組み付けられたコンベアベルト26と、固定用吸着装置28と、折り返し装置30と、移送装置32と、箱搬送装置34と、不図示の制御装置とを含んで構成されている。
フレーム24は、平面視細長の矩形状を呈しており、長手方向の長さと、長さと直交する幅と、長さおよび幅と直交する高さを有している。
【0010】
コンベアベルト26は、フレーム24の長手方向の一側寄りでフレーム24の高さ方向の中間の箇所で水平面に沿ってフレーム24の長手方向に延在している。
図2(A)、(B)に示すように、コンベアベルト26は、一対の搬送ベルト2602が搬送ベルト2602の延在方向と直交する方向に間隔をおいて設けられた、いわゆる2条コンベアベルトで構成されており、一対の搬送ベルト2602の間には空間が確保されている。
一対の搬送ベルト2602は、水平面上を延在する搬送面27を形成しており、コンベアベルト26は、その搬送面27上にヘッダ付き3連包袋10が載置された状態で走行する。
また、図2(B)に示すように、各搬送ベルト2602は、その長手方向に間隔をおいて複数の貫通孔2604が形成された孔空きベルトで構成され、後述する固定用吸着装置28による袋体の吸引が各貫通孔2604を介して確実に行われるように図られている。
コンベアベルト26は、駆動ローラ2610と従動ローラ2612とに掛け回されており、駆動ローラ2610が不図示の駆動モータによって回転されることにより、コンベアベルト26が走行する。
また、本実施の形態では、コンベアベルト26の上流端の上方にヘッダ付き3連包袋10を検知する不図示の非接触センサが設けられており、この非接触センサによる検知信号に基づいて上記制御装置によって駆動モータの回転、停止が制御されることによって、コンベアベルト26の走行、停止が制御される。
【0011】
図1(A)、(B)に示すように、コンベアベルト26の搬送方向の上流側には、不図示の製袋充填包装機から排出されたヘッダ付き3連包袋10を搬送する排出コンベア38が配置されており、ヘッダ付き3連包袋10が排出コンベア38からコンベアベルト26の搬送面27上に移送されるように構成されている。
なお、不図示の製袋充填包装機から排出されたヘッダ付き3連包袋10は、その長さ方向を搬送方向と合致させると共に、裏面1204、すなわち、縦シール部16側を上にし、表面1202を下にした姿勢で、排出コンベア38からコンベアベルト26に移送され、上記姿勢のままでコンベアベルト26によって移送される。
【0012】
図2(A)、(B)に示すように、固定用吸着装置28は、コンベアベルト26の上側に位置する往路部分の長手方向の中間部の下面に負圧を作用させるものである。
固定用吸着装置28は、停止位置でコンベアベルト26が停止した状態で、往路部分の下面の矩形状の範囲に負圧を発生させ、一対の搬送ベルト2602の貫通孔2604を介して第2袋体12Bおよび第3袋体12Cの表面1202を下方から吸着し、コンベアベルト26上に固定保持するものである。
ここで、上記停止位置とは、後述する移送装置32によってヘッダ付き3連包袋10をコンベアベルト26上から吸引して箱36内に移送するためにコンベアベルト26が停止する位置をいう。
固定用吸着装置28によって、第2袋体12Bおよび第3袋体12Cがコンベアベルト26上に固定保持されることにより、後述する折り返し装置30からヘッダ付き3連包袋10に加わる応力によってヘッダ付き3連包袋10がコンベアベルト26から浮き上がって脱落しないように図られ、また、折り返し装置30によって第1袋体10Aを確実に折り返せる位置にヘッダ付き3連包袋10を停止させておくように図られている。
なお、固定用吸着装置28は、コンベアベルト26が停止位置に停止する前の時点から折り返し装置30によるヘッダ付き3連包袋10の折り畳み状態の形成が完了し、移送装置32がヘッダ付き3連包袋10を吸着保持する時点までの期間、負圧を発生させ、それ以外の期間は負圧の発生を解除している。
あるいは、折り返し装置30によるヘッダ付き3連包袋10の折り畳み状態の形成が完了した時点から後述する移送装置32による折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の移送が開始される時点までの間、負圧の発生を解除し、それ以外の期間は負圧を発生させてもよい。
このような固定用吸着装置28による負圧の発生、解除の制御は、前述した非接触センサによる検知信号に基づいて上記制御装置によって行なわれる。
【0013】
なお、本実施の形態では、図2(B)に示すように、各搬送ベルト2602として孔空きベルトを用いる場合について説明した。
しかしながら、図2(C)に示す変形例のように、孔が形成されていない通常の搬送ベルト2602Aを用いるようにしてもよい。
その場合は、一対の搬送ベルト2602Aの間の空間に対応する固定用吸着装置28の上面箇所にバキューム孔2810を形成すればよい。
そして、固定用吸着装置28は、停止位置でコンベアベルト26が停止した状態で、バキューム孔2810に負圧を発生させ、一対の搬送ベルト2602Aの間の空間を介して第2袋体12Bおよび第3袋体12Cの表面1202を下方から吸着し、コンベアベルト26上に固定保持する。
このようにすると、第2袋体12Bおよび第3袋体12Cの表面1202のうち最も膨らんだ箇所である袋体の長さ方向および幅方向の中央部分がバキューム孔2810の輪郭の内側に位置することになるため、袋体の膨らんだ箇所をバキューム孔2810で確実に吸着することができ、第2袋体12Bおよび第3袋体12Cをコンベアベルト26上により確実に固定保持する上で有利となる。
【0014】
図2(A)、(B)、図3(A)、(B)、(C)に示すように、折り返し装置30は、第2袋体12Bおよび第3袋体12Cが固定保持された状態で、第1袋体12Aを上方に折り返して、第1袋体12Aの表面1202を上にして第2袋体12Bの裏面1204の上に折り畳むと共にヘッダ18を第3袋体12Cの裏面1204上に位置させたヘッダ付き3連包袋10の折り畳み状態を形成するものである。
本実施の形態では、折り返し装置30は、折り返し爪40と、アクチュエータ42とを含んで構成されている。
折り返し爪40は、一対の搬送ベルト2602の間に配置され、折り返し爪40がアクチュエータ42により支軸44を支点に揺動することによって、第1袋体12Aを、第1袋体12Aと第2袋体12Bの横シール部14間に設けられたミシン目20を支点として上方に折り返して、第1袋体12Aの表面1202を上にして第2袋体12Bの裏面1204の上に折り畳むと共にヘッダ18を第3袋体12Cの裏面1204上に位置させたヘッダ付き3連包袋10の折り畳み状態を形成することができればよく、その形状は実施の形態に限定されない。
アクチュエータ42は、支軸44を正逆方向に揺動させるものである。アクチュエータ42の動作制御は、前述した非接触センサによる検知信号に基づいて上記制御装置によって行われる。アクチュエータ42として、例えば、空圧で動作するロータリアクチュエータあるいは電動モータなどの従来公知のアクチュエータが使用可能である。
したがって、アクチュエータ42によって折り返し爪40は、図2(A)に示すように、搬送面27の下方に退避した退避位置と、図3(B)に示すように、搬送面27の上方に突出して第1袋体12Aを上方に折り返して、第1袋体12Aの表面1202を上にして第2袋体12Bの裏面1204の上に折り畳む折り返し位置との間で揺動される。
また、図3(C)に示すように、ヘッダ付き3連包袋10の折り畳み状態が形成されると、第1袋体12Aは第2袋体12B上に折り畳まれるので、搬送面27に対する第1袋体12Aの表面1202の高さと、第3袋体12Cの裏面1204の高さとの間には、1つの袋体の高さ分の差分が発生することになる。
【0015】
図1(B)、(C)に示すように、移送装置32は、コンベアベルト26の上方に配置され、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の第1袋体12Aの表面1202と第3袋体12Cの裏面1204を吸着してコンベアベルト26上から移送し箱36内に詰めるものである。
なお、図1(B)には、移送装置32の移動過程を説明するために移送装置32が3箇所に移動した状態でそれぞれ描かれている。
図3(A)-(E)に示すように、本実施の形態では、移送装置32は、吸着ヘッド46と、移送ロボット48とを含んで構成されている。
吸着ヘッド46は、支持部材50と、第1吸着部52Aと、第2吸着部52Bと、高さ調整部材54とを備えている。
支持部材50は、細長状を呈し水平方向に延在している。
第1吸着部52Aおよび第2吸着部52Bは、支持部材50に取り付けられた同一形状の蛇腹状吸着パッドで構成されている。
第1吸着部52Aおよび第2吸着部52Bは、不図示の負圧発生装置に管路を介して接続されることにより、第1吸着部52Aおよび第2吸着部52Bに作用する負圧によって袋体を吸着する。また、負圧発生装置からの負圧が解除されることで、第1吸着部52Aおよび第2吸着部52Bによる袋体の吸着が解除されるようになっている。このような負圧発生装置の動作制御は、上記制御装置によって、後述する移送ロボット48の動作に連携して行われる。
高さ調整部材54は、第2吸着部52Bを構成する蛇腹状吸着パッドと支持部材50との間に介設されており、搬送面27上での第1袋体12Aの表面1202の高さと第3袋体12Cの裏面1204の高さとの差分を吸収している。
【0016】
移送ロボット48は、フレーム24の上部に設けられている。
図1(B)に示すように、移送ロボット48は吸着ヘッド46をX軸、Z軸、Z軸周りの3方向に移動させるものである。
すなわち、移送ロボット48は、吸着ヘッド46を、搬送面27に対して上下方向(Z軸方向)に移動させる不図示の上下移動機構と、コンベアベルト26の搬送方向と平行な方向(X軸方向)に移動させる不図示の水平移動機構と、Z軸周り方向に回転移動させる不図示の回転移動機構とを含んで構成されている。
このような移送ロボット48として従来公知の様々なロボットが使用可能であるため、詳細な構成については説明を省略する。
折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の第1袋体12Aの表面1202と第3袋体12Cの裏面1204を吸着した吸着ヘッド46を移送ロボット48により移動させることにより、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10をコンベアベルト26上から移送し箱36内に詰める。
このような移送ロボット48の制御は、予め、移送ロボット48に組み込まれた制御プログラムにしたがって行なわれ、移送ロボット48の制御動作は、前述した制御装置と連携して行なわれるが、このような制御は公知のものであるため、本実施の形態では移送ロボット48の制御動作の詳細についての説明は省略する。
【0017】
図1に示すように、箱搬送装置34は、フレーム24の下部に設けられている。
箱搬送装置34は、フレーム24の下部に、フレーム24の長手方向に沿って設けられたローラコンベア3402で構成されている。
箱搬送装置34は、箱36をX軸方向に搬送するものであり、箱36を所定位置に搬送してその所定位置に保持し、移送装置32による折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の箱詰めの動作が終了すると、箱36を所定位置からフレーム24外へ搬送するものである。上記所定位置とは、移送装置32による折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の箱詰めが行なわれる位置である。
このような箱搬送装置34の動作制御は、前述した制御装置によって、移送ロボット48の動作に連携して行われる。
【0018】
図1(A)-(C)に示すように、箱36はダンボール箱であり、箱搬送装置34に載置される長方形状の底部3602と、底部3602の四辺から起立する4つの側部3604と、各側部3604の上端に接続された上側の4つのフラップ3606とを備えている。
なお、底部3602は、各側部3604の下端に接続された下側の4つのフラップを内側に折り込むことで形成され、上側の4つのフラップ3606を内側に折り込んで上部を閉塞することで箱36の梱包が完成する。
【0019】
箱36は、平面視長方形を呈し、長方形の長辺に沿った長さと、長方形の短辺に沿った幅と、長さおよび幅と直交する高さとを備えており、長さ方向を箱搬送装置34の搬送方向に合致させ、幅方向を箱搬送装置34の搬送方向と直交する方向に合致させた状態で箱搬送装置34上に載置されている。
箱搬送装置34上において、箱36の上側の4つのフラップ3606は起立され、箱36の内部が上方に開放された状態となっている。
また、図1(A)に示すように、箱36の幅方向で対向する一対の側部3604間の内側の寸法を幅方向の内寸W0とし、箱36の長さ方向で対向する一対の側部3604間の内側の寸法を長さ方向の内寸L0とする。
また、図1(B)に示すように、箱36の上側の4つのフラップ3606を折り畳み箱36の上部を閉塞した状態で、箱36の底部3602から上側のフラップ3606までの内側の高さ方向の寸法を高さ方向の内寸H0とする。
本実施の形態では、図4(A)に示すように、箱36の幅方向の内寸W0は、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の長さ方向の寸法L1とほぼ合致する寸法で形成されている。
また、図1(A)に示すように、箱36の長さ方向の内寸L0は、ヘッダ付き3連包袋10の幅方向の寸法W1のほぼ4倍の寸法で形成されている。
なお、箱36の高さ方向の内寸H0は、箱36内に収容すべき折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の数の仕様、言い換えると、箱36内で積み重ねて収容される折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の段数によって異なる。
本実施の形態では、図1(A)に示すように、箱36の高さ方向の内寸H0は、各袋体の高さ方向の寸法H1の6倍の寸法で形成され、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10を3段積み重ねて箱36内に収容することが可能な場合について説明する。
また、箱36の上面、側面、下面などには、箱36内に収容された製品を示すイラストや文字、数字、記号などを表示するための印刷がなされ、あるいは、シールが貼り付けられており、箱36の上下方向の位置(天地)が定められている。
本実施の形態では、説明を簡略化するため、箱搬送装置34上において、箱36の上下(天地)は反転されておらず、起立した4つの上側のフラップ3606で囲まれた開口の上部から箱36内に折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10を収容するものとする。
【0020】
次に、図3を参照して自動箱詰め装置22の動作について説明する。
予め、空の箱36は、箱搬送装置34によって所定位置に保持されているものとする。
不図示の製袋充填包装機から排出されたヘッダ付き3連包袋10が排出コンベア38からコンベアベルト26の搬送面27上に移送されてくる。
前述したように、ヘッダ付き3連包袋10は、裏面1204を上にして表面1202をコンベアベルト26の搬送面27に載置した状態で、かつ、ヘッダ18と反対側に位置する第3袋体12Cを搬送方向前方に位置させ、ヘッダ18を搬送方向後方に位置させた状態で移送される。
不図示の非接触センサの検知信号に基づいて不図示の制御装置によってコンベアベルト26が停止位置に停止する。
そして、図3(A)に示すように、停止位置でコンベアベルト26が停止した状態で、制御装置の制御により固定用吸着装置28が第2袋体12Bおよび第3袋体12Cの表面1202を下方から吸着することでヘッダ付き3連包袋10がコンベアベルト26上に固定保持される。
【0021】
次に、図3(B)に示すように、折り返し装置30は、固定用吸着装置28によるヘッダ付き3連包袋10のコンベアベルト26上への固定保持状態が維持された状態で、すなわち、第2袋体12Bおよび第3袋体12Cが固定保持された状態で、折り返し爪40を退避位置から折り返し位置に揺動させることにより、第1袋体12Aを上方に折り返して、第1袋体12Aの表面1202を上にして第2袋体12Bの裏面1204の上に折り畳むと共にヘッダ18を第3袋体12Cの裏面1204上に位置させたヘッダ付き3連包袋10の折り畳み状態を形成する。
したがって、搬送面27上での第1袋体12Aの表面1202の高さと第3袋体12Cの裏面1204の高さとの差分が1個の袋体の高さ分生じている。
【0022】
そして、図3(C)、(D)に示すように、固定用吸着装置28によってヘッダ付き3連包袋10がコンベアベルト26上に固定保持され、かつ、折り返し装置30の折り返し爪40が折り返し位置に位置した状態で、制御装置の制御により移送ロボット48によって、吸着ヘッド46がコンベアベルト26の搬送面27の上方から下降し、第1吸着部52Aにより第1袋体12Aの表面1202が吸着されると共に、第2吸着部52Bにより第3袋体12Cの裏面1204が吸着される。
前述したように、高さ調整部材54が第2吸着部52Bを構成する蛇腹状吸着パッドと支持部材50との間に介設されており、搬送面27上での第1袋体12Aの表面1202の高さと第3袋体12Cの裏面1204の高さとの差分を吸収しているので、第1吸着部52Aによる第1袋体12Aの表面1202の吸着と第2吸着部52Bによる第3袋体12Cの裏面1204の吸着とが確実になされる。
また、このように固定用吸着装置28によってヘッダ付き3連包袋10がコンベアベルト26上に固定保持され、かつ、折り返し装置30の折り返し爪40が折り返し位置に位置した状態で、第1吸着部52A、第2吸着部52Bによる第1袋体12Aの表面1202、第3袋体12Cの裏面1204の吸着を行なうようにすることで、ヘッダ付き3連包袋10を形成する包装フィルムの弾性力によって第1袋体12Aが折り返す前の形状に復元しまうことが防止される。したがって、第1吸着部52A、第2吸着部52Bによる第1袋体12Aの表面1202、第3袋体12Cの裏面1204の吸着を確実に実行できるにように図られている。
そして、第1吸着部52A、第2吸着部52Bによる第1袋体12Aの表面1202、第3袋体12Cの裏面1204の吸着がなされた段階(時点)で、制御装置の制御により固定用吸着装置28によるヘッダ付き3連包袋10の吸着が解除され、言い換えると、固定用吸着装置28によるヘッダ付き3連包袋10のコンベアベルト26上での固定保持が解除される。
また、この固定保持の解除と同時にあるいは前後して、折り返し装置30の折り返し爪40が折り返し位置から退避位置に揺動され、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の第1袋体12Aの表面1202に対する折り返し爪40の拘束が解除される。
【0023】
次いで、図3(E)に示すように、制御装置の制御により移送ロボット48によって、吸着ヘッド46が上方に移動しつつ空の箱36の上方に移動し、Z軸周りに90度回転したのち、吸着ヘッド46が下方に移動し、第1吸着部52Aおよび第2吸着部52Bによる吸着が解除されることで、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10が箱36の底部3602に載置される。なお、移送ロボット48のZ軸周りの角度は、搬送面27上で吸着固定装置28によって固定された状態の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10に対して、吸着ヘッド46による吸着を実行する際の角度を0度として定義されるものとする。
すなわち、図4(A)に示すように、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の長さ方向を、箱36の幅方向と合致させた状態で箱36の底部3602に載置する。
このような図3(A)-(E)で示す一連の動作を、吸着ヘッド46のX軸方向の位置(箱36の長さ方向の位置)をヘッダ付き3連包袋10の幅方向の寸法分ずつ移動させつつ、3回繰り返すことによって、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10をその幅方向に4個に並べて載置することにより、箱36の底部3602に1段目の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10が収容される。
なお、移送ロボット48によって折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10がコンベアベルト26の搬送面27上から移送されると、制御装置の制御により折り返し装置30の折り返し爪40が退避位置に位置した状態が維持されると共に、固定用吸着装置28による負圧の発生が実行され、次のヘッダ付き3連包袋10の折り畳みを行なうための準備がなされる。
【0024】
1段目の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10が収容されたならば、図3(A)-(E)で示す一連の動作を4回繰り返すことによって、1段目の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の上に2段目の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10をそれぞれ積み重ねる。
ただし、2段目の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の箱36への移送に際しては、移送ロボット48は、図4(A)に示す1段目の場合と異なり、図4(B)に示すように、吸着ヘッド46をZ軸周りに-90度回転させて載置する。
すなわち、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10のうち第1袋体12Aと第2袋体12Bとが重ねられた部分を重ね合わせ部11A、第3袋体12Cの部分を非重ね合わせ部11Bとしたとき、移送装置32によるヘッダ付き3連包袋10の箱詰めは、重ね合わせ部11Aと非重ね合わせ部11Bが交互に積み重ねられるように折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の姿勢を変更しつつ行なう。
このように折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の重ね合わせ部11Aと非重ね合わせ部11Bが交互に積み重ねられることで箱36内に収容された折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の高さに偏りが生じることが抑制されている。
このように4個の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10を2段積み重ねることで合計8個の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10が箱36内に収容される。
ここで、合計12個のヘッダ付き3連包袋10を収容する場合には、2段目の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の上に3段目の折り畳み状態の4個のヘッダ付き3連包袋10を積み重ねれば良く、その場合は、3段目の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の姿勢は、1段目の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10と同一の姿勢となるようにすればよい。
この場合、3段目の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10では、第1袋体12Aの表面1202と第3袋体12Cの裏面1204との間に1つの袋体の高さ分の差分が生じるものの箱36内に収容された折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の高さに生じる偏りは最小限となっている。
【0025】
また、合計10個のヘッダ付き3連包袋10を収容する場合には、2段目の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の上に3段目の折り畳み状態の2個のヘッダ付き3連包袋10を積み重ねれば良く、その場合は、3段目の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の姿勢は、その長さ方向が、2段目の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の長さ方向に対して例えば斜め45度の傾斜をもつような姿勢としてもよい。このような傾斜した姿勢とすることで箱36を開梱した場合の美観を向上する上で有利となる。
なお、合計10個のヘッダ付き3連包袋10を収容する場合、2個の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10を1段目に位置するように箱詰めしてもよいし、1段目と2段目との間に位置するように箱詰めしてもよく、その配置の順番は任意である。
また、2個の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の姿勢を傾斜させることなく、すなわち、2個の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の長さ方向と、隣合う段の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の長さ方向とを合致させてもよく、姿勢をどのように設定するかは要求仕様に応じて適宜設定される。
【0026】
このように定められた個数の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の箱詰めが完了したならば、箱搬送装置34によって箱36が所定位置から搬送方向下流に搬送されると共に、次に箱詰めを行なう空の箱36が所定位置に搬送されて停止され、次の箱詰め動作の準備が完了する。
以下、上述したように一連の動作が繰り返して行われる。
なお、箱詰めが完了され梱包された箱36を開梱すると、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の第1袋体12Aの表面1202が上方を向き、第3袋体12Cの裏面1204が上方を向いた状態となっているため、開梱時に見栄えの違和感を与えることはない。
【0027】
なお、本実施の形態では、説明を簡略化するために、箱36の上下(天地)を反転させることなく開口した箱36の上部から箱36内にヘッダ付き3連包袋10を箱詰めする場合について説明した。
しかしながら、予め、箱36の上下(天地)を反転させた状態とし開口した底部3602から箱36内にヘッダ付き3連包袋10を箱詰めする場合も多く、この場合は、箱36の上部の4つのフラップ3606が折り畳まれることで底部3602を形成すると共に、箱36の下部の4つのフラップが開放された状態となる。
以下、このように箱36の天地を反転させて箱詰めを行なう場合について説明しておく。
なお、以下では、1つの箱36内に折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10を合計10個収容するものとして説明する。
【0028】
まず、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10を45度傾けて2列並べる(すなわち、開梱時、最上段に2列の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10が位置している)。
この際、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10は第2袋体12Bおよび第3袋体12Cの表面1202が箱36の4つのフラップ3606に対面するように載置される。したがって、開梱時、最上段の2列の連包袋の第2袋体12Bおよび第3袋体12Cの表面1202が上を向いた状態となる。
次いで、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10を、本実施の形態の1段目の場合と同様に、4個並べて2段目として箱36内に収容する
3段目については、本実施の形態の2段目の場合と同様に、2段目と3段目とで、重ね合わせ部11Aと非重ね合わせ部11Bが交互に積み重ねられるように折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の姿勢を変更しつつ行なう。
このようにして合計10個の3連包袋が箱詰めされる。
このように箱36の天地を反転して箱詰めを行なう場合においても、前述した場合と同様に、2個の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10を1段目と2段目との間に位置するように箱詰めしてもよく、あるいは、3段目に位置するように箱詰めしてもよく、その配置の順番は任意である。
また、箱36の天地を反転して箱詰めを行なう場合、箱36を開梱する場合には、箱36の天地は正規の位置となるため、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の第2袋体12Bおよび第3袋体12Cの表面1202が上方を向いた状態となっていることから、見栄えの違和感を与えることは無い。
すなわち、箱36の天地を正規の位置として箱詰めしても、箱36の天地を反転して箱詰めしても、何れの場合であっても、箱36を開梱した場合に、箱36内の折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の見栄えの違和感を与えることはない。
【0029】
また、上述した第1の実施の形態および変形例では、10個あるいは12個のヘッダ付き3連包袋10を箱詰めする場合について説明したが、箱詰めするヘッダ付き3連包袋10の数は任意である。
【0030】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ヘッダ付き3連包袋10の第2袋体12Bおよび第3袋体12Cが固定保持された状態で、第1袋体12Aを上方に折り返して、第1袋体12Aの表面1202を上にして第2袋体12Bの裏面1204の上に折り畳むと共にヘッダ18を第3袋体12Cの裏面1204上に位置させたヘッダ付き3連包袋10の折り畳み状態を形成し、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の第1袋体12Aの表面1202と第3袋体12Cの裏面1204を吸着してコンベアベルト26上から移送し箱36内に詰めるようにした。
折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10を形成する場合、本実施の形態とは逆に、ヘッダ18と反対側に位置する第3袋体12Cを第2袋体12Bの上に折り返すようにすると、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10を平面視したときにヘッダ18が第1袋体12Aの輪郭の外側に位置することから、箱詰めの際に、ヘッダ18が箱36の内面に干渉して邪魔となり、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10を箱36内に確実に効率よく詰める上で不利となる。
これに対して、本実施の形態では、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10を平面視したときにヘッダ18が第3袋体12Cの輪郭の内側に位置することから、箱詰めの際にヘッダ18が箱36の内面に干渉することないため、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10を確実に効率よく箱詰めする上で有利となる。
また、箱詰めされた折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10のヘッダ18が箱36の内面に干渉して変形しないので、開梱後に箱36内から取り出したヘッダ付き3連包袋10にヘッダ18の折り癖が残ってしまい、店頭で展示する際のヘッダ付き3連包袋10の見栄えを損ねるといった不具合が生じない。
なお、ヘッダ無しの3連包袋の場合には、実施の形態のように第1袋体10Aを第2袋体10Bの上に折り畳んでもよく、あるいは、第3袋体12Cを第2袋体12Bの上に折り畳んでもよく、折り畳み状態のヘッダ無しの3連包袋を箱36内に確実に効率よく詰める上で有利となる。
また、第3袋体12Cを第2袋体12Bの上に折り畳む場合には、第3袋体12Cの下方に折り返し爪40を配置すると共に、固定吸着装置28の第1吸着部52Aおよび第2吸着部52Bによって第1袋体12Aの表面、第2袋体12Cの表面を吸着するように構成すればよい。
また、第3袋体12Cを第2袋体12Bの上に折り畳む場合には、移送装置32の第1吸着部52Aおよび第2吸着部52Bの配置位置を図3の配置位置とは反転させ、第2吸着部52Bによって第1袋体12Aの裏面を吸着し、第1吸着部52Aによって第3袋体12Cの表面を吸着するように構成すればよい。
【0031】
また、本実施の形態によれば、移送装置32の第1吸着部52Aと第2吸着部52Bが、水平方向に延在する支持部材50に取り付けられた同一形状の蛇腹状吸着パッドで構成され、第2吸着部52Bを構成する蛇腹状吸着パッドと支持部材50との間に、搬送面27上での第1袋体12Aの表面1202の高さと第3袋体12Cの裏面1204の高さとの差分を吸収する高さ調整部材54が介設されている。
したがって、折り畳み状態が形成されたヘッダ付き3連包袋10を移送装置32の第1吸着部52Aと第2吸着部52Bとによって確実に安定して吸着することができ、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10を確実に効率よく箱詰めする上で有利となる。
なお、第3袋体12Cを第2袋体12Bの上に畳むようにした場合には、同様に、第3袋体12Cの表面1202の高さと第1袋体12Aの裏面1204の高さとの差分を吸収する高さ調整部材54を、第2吸着部52Bを構成する蛇腹状吸着パッドと支持部材50との間に設ければ良い。
【0032】
また、本実施の形態によれば、移送装置32によるヘッダ付き3連包袋10の箱詰めは、重ね合わせ部11Aと非重ね合わせ部11Bが交互に積み重ねられるように折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の姿勢を変更しつつ行なうようにした。
したがって、箱36内に収容された折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の上下方向の高さの偏りを最小限にすることができることから、箱36の容積の無駄を抑制する上で有利となり、箱36のコンパクト化を図ると共に、箱36のコスト低減を図る上で有利となる。
【0033】
(第2の実施の形態)
次に、図6を参照して第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、移送装置32に高さ調整部材54を設ける代わりに第3袋体12Cを上方に変位させる袋体変位装置56を設けた点が第1の実施の形態と異なっており、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
すなわち、ヘッダ付き3連包袋10では、コンベアベルト26が停止位置で停止した状態で、ヘッダ付き3連包袋10の第3袋体12Cの下方に折り返し爪40を配置する必要が無いため、第2の実施の形態では、停止位置で停止した第3袋体12Cの下方に袋体変位装置56を設けた。
袋体変位装置56は、図6(B)に示すように、コンベアベルト26の停止位置において、搬送面27に対する第1袋体12Aの表面1202の高さに、第3袋体12Cの裏面1204の高さがほぼ合致するように、第3袋体12Cを上方に変位させるものである。
そして、図6(B)に示すように、コンベアベルト26の停止位置において、搬送面27に対する第1袋体12Aの表面1202の高さに、第3袋体12Cの裏面1204の高さがほぼ合致するように、第3袋体12Cを上方に変位させる袋体変位装置56が設けられている。
【0034】
袋体変位装置56は、アクチュエータ58と、変位板60とを含んで構成されている。
アクチュエータ58は、一対の搬送ベルト2602の間で搬送面27よりも下方の箇所に設けられた空圧シリンダで構成されている。
空圧シリンダは、軸状に形成されたシリンダ本体5802と、シリンダ本体5802の軸方向の一端から出没するロッド5804とを備え、シリンダ本体5802は一端を上方に向けて配置されている。
変位板60は、搬送面27と平行する上面を有する平板状であり、下面の中心がロッド5804の先端に取り付けられている。
そして、コンベアベルト26の停止位置において、変位板60の上面が、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10の第3袋体12Cの表面1202に正対するように設けられている。
空圧シリンダの非作動時にロッド5804がシリンダ本体5802に没入することで、変位板60は、搬送面27よりも下方に位置する下方位置に移動する。
空圧シリンダの作動時にロッド5804がシリンダ本体5802から突出することで、変位板60は、搬送面27よりも上方に位置する上方位置に移動する。
したがって、コンベアベルト26の停止位置において、空圧シリンダが作動されることで、搬送面27に対する第1袋体12Aの表面1202の高さに、第3袋体12Cの裏面1204の高さがほぼ合致するように、変位板60によって第3袋体12Cが上方に変位される。
このような空気シリンダの動作制御は、前述した制御装置によって、移送ロボット48の動作に連携して行われる。
なお、アクチュエータ58は、変位板60によって第3袋体12Cを上方に変位することができればよいのであって、空気シリンダの他、電磁ソレノイドや、モータとリンク機構とを組み合わせたものを用いてもよく、従来公知の様々なアクチュエータが使用可能である。
【0035】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと、コンベアベルト26の停止位置において、搬送面27に対する第1袋体12Aの表面1202の高さに、第3袋体12Cの裏面1204の高さがほぼ合致するように、袋体変位装置56によって第3袋体12Cが上方に変位されるので、折り畳み状態が形成されたヘッダ付き3連包袋10の第1袋体12Aの表面1202と第3袋体12Cの裏面1204とを第1吸着部52Aと第2吸着部52Bとによって確実に安定して吸着することができ、折り畳み状態のヘッダ付き3連包袋10を確実に効率よく箱詰めする上で有利となる。
なお、第3袋体12Cを第2袋体12Bの上に畳むようにした場合には、同様に、3連包袋10の第1袋体12Aの下方に袋体変位装置56を設ければ良い。
【0036】
また、実施の形態では、ヘッダ付き3連包袋10が、ヘッダ18と反対側に位置する第3袋体12Cを搬送方向前方に位置させ、ヘッダ18を搬送方向後方に位置させた状態で排出コンベア38からコンベアベルト26に移送される場合について説明した。
しかしながら、これとは逆に、ヘッダ付き3連包袋10が、ヘッダ18と反対側に位置する第3袋体12Cを搬送方向後方に位置させ、ヘッダ18を搬送方向前方に位置させた状態で排出コンベア38からコンベアベルト26に移送される場合であっても本発明は無論適用可能である。
その場合は、折り返し爪40を設ける場所を、搬送方向において実施の形態とは逆の箇所に変更すればよく、その他の構成は実施の形態と同様である。
【符号の説明】
【0037】
10 ヘッダ付き3連包袋(3連包袋)
11A 重ね合わせ部
11B 非重ね合わせ部
12A 第1袋体
12B 第2袋体
12C 第3袋地
1202 表面
1204 裏面
14 横シール部
16 縦シール部
18 ヘッダ
1802 孔
20 ミシン目
22 自動箱詰め装置
24 フレーム
26 コンベアベルト
2602 搬送ベルト
2604 貫通孔
2610 駆動ローラ
2612従動ローラ
27 搬送面
28 固定用吸着装置
30 折り返し装置
32 移送装置
34 箱搬送装置
36 箱
3602 底部
3604 側部
3606 フラップ
38 排出コンベア
40 折り返し爪
42 アクチェーター
44 支軸
46 吸着ヘッド
48 移送ロボット
50 支持部材
52A 第1吸着部
52B 第2吸着部
54 高さ調整部材
56 袋体変位装置
58 アクチュエータ
5802 シリンダ本体
5804 ロッド
60 変位板
図1
図2
図3
図4
図5
図6