(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054714
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】内燃機関の制御装置
(51)【国際特許分類】
F02D 43/00 20060101AFI20240410BHJP
F01N 3/22 20060101ALI20240410BHJP
F02D 41/30 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
F02D43/00 301K
F01N3/22 301B
F02D41/30
F02D43/00 301H
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161125
(22)【出願日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】兼松 崇
【テーマコード(参考)】
3G091
3G301
3G384
【Fターム(参考)】
3G091AB01
3G091BA21
3G091DA10
3G091EA08
3G091EA18
3G091FB03
3G091FC08
3G301JA32
3G301LA01
3G301MA01
3G301NA08
3G301PA11Z
3G301PD12Z
3G384BA05
3G384BA13
3G384DA52
3G384ED07
3G384FA04Z
3G384FA37Z
3G384FA46Z
(57)【要約】
【課題】触媒の高温劣化を防止することができる内燃機関の制御装置を提供すること。
【解決手段】内燃機関への吸入空気量を調整するスロットルバルブと、内燃機関から排出された排気ガスを浄化する触媒と、内燃機関に燃料を噴射するインジェクタとを備えた内燃機関の制御装置であって、触媒温度Tcatが所定値Tth以上である場合に、燃料噴射量を増量するようインジェクタを制御する制御部を備え、制御部は、燃料噴射量の増量に応じた所望の燃料噴射がなされていないと判定した場合に、スロットルバルブの開度を制限するスロットル開度制限制御を実行する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関への吸入空気量を調整するスロットル弁と、前記内燃機関から排出された排気ガスを浄化する触媒と、前記内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射弁と、を備えた内燃機関の制御装置であって、
前記触媒の温度である触媒温度を取得する触媒温度取得部と、
前記触媒温度取得部により取得された前記触媒温度が所定値以上である場合に、燃料噴射量を増量するよう前記燃料噴射弁を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記燃料噴射量の増量に応じた所望の燃料噴射がなされていないと判定した場合に、前記スロットル弁の開度を制限するスロットル開度制限制御を実行することを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項2】
前記内燃機関が、実空燃比を検出する実空燃比検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記実空燃比と目標空燃比との差に基づいて、前記燃料噴射量の増量に応じた所望の燃料噴射がなされているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、排気浄化触媒が高温のときに燃料カットの実行を禁止するエンジンの制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、内燃機関が高回転高負荷領域を連続して運転すると、燃焼室から排出される排気ガスを浄化する触媒が高温になりやすい。このため、エンジン制御装置内で運転パターンに適合した排気系温度モデル(排ガス温度モデル、触媒温度モデルなど)を用いて、触媒の温度が高温かどうかの判定が行われることがある。
【0005】
触媒温度が高温であると判定された場合、燃料噴射量を増量して触媒の高温劣化を回避することが行われることがある。
【0006】
しかしながら、燃料噴射するインジェクタがエンジン制御装置の指示する通りに燃料噴射できなかった場合には、触媒が高温になることで劣化し、排気ガスの酸化還元反応の能力を失ってしまう可能性がある。
【0007】
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、触媒の高温劣化を防止することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するため、内燃機関への吸入空気量を調整するスロットル弁と、前記内燃機関から排出された排気ガスを浄化する触媒と、前記内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射弁と、を備えた内燃機関の制御装置であって、前記触媒の温度である触媒温度を取得する触媒温度取得部と、前記触媒温度取得部により取得された前記触媒温度が所定値以上である場合に、燃料噴射量を増量するよう前記燃料噴射弁を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記燃料噴射量の増量に応じた所望の燃料噴射がなされていないと判定した場合に、前記スロットル弁の開度を制限するスロットル開度制限制御を実行する構成を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、触媒の高温劣化を防止することができる内燃機関の制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例に係る内燃機関及びその制御装置の概略構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例に係る内燃機関の制御装置によって実行される触媒高温抑制制御の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施の形態に係る内燃機関の制御装置は、内燃機関への吸入空気量を調整するスロットル弁と、内燃機関から排出された排気ガスを浄化する触媒と、内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射弁と、を備えた内燃機関の制御装置であって、触媒の温度である触媒温度を取得する触媒温度取得部と、触媒温度取得部により取得された触媒温度が所定値以上である場合に、燃料噴射量を増量するよう燃料噴射弁を制御する制御部と、を備え、制御部は、燃料噴射量の増量に応じた所望の燃料噴射がなされていないと判定した場合に、スロットル弁の開度を制限するスロットル開度制限制御を実行することを特徴とする。
【実施例0012】
以下、本発明の一実施例に係る内燃機関の制御装置について図面を参照して説明する。
【0013】
図1に示すように、本発明の一実施例に係る内燃機関1は、例えば直列4気筒のガソリンエンジンで構成されている。なお、内燃機関1の気筒数は4気筒に限られない。
【0014】
内燃機関1は、シリンダブロック2と、シリンダブロック2の上部に締結されたシリンダヘッド3とを含んで構成されている。シリンダブロック2には、シリンダ5が形成されている。シリンダ5には、シリンダ5内を上下に往復動可能なピストン6が収納されている。また、シリンダ5の上部には、燃焼室7が設けられている。
【0015】
内燃機関1は、シリンダ5内でピストン6が往復する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を行う、いわゆる4サイクルのガソリンエンジンである。
【0016】
ピストン6は、コネクティングロッド8を介してクランクシャフト9に連結されている。コネクティングロッド8は、ピストン6の往復運動をクランクシャフト9の回転運動に変換する。
【0017】
シリンダヘッド3には、点火プラグ10と、吸気ポート11と、排気ポート12とが設けられている。点火プラグ10は、燃焼室7内に電極を突出させた状態でシリンダヘッド3に設けられ、図示しないイグナイタによってその点火時期が調整される。
【0018】
吸気ポート11は、燃焼室7と後述する吸気通路16aとを連通している。吸気ポート11には、吸気バルブ14が設けられている。排気ポート12は、燃焼室7と後述する排気通路26aとを連通している。排気ポート12には、排気バルブ24が設けられている。
【0019】
吸気バルブ14及び排気バルブ24は、クランクシャフト9との間に巻き掛けられた図示しないタイミングチェーンまたはタイミングベルトによって開閉される。
【0020】
また、シリンダヘッド3の吸気ポート11側には、吸気管16が接続されている。吸気管16の内部には、吸気ポート11と連通する吸気通路16aが形成されている。吸気通路16aには、電子制御式のスロットル弁としてのスロットルバルブ18が設けられている。
【0021】
スロットルバルブ18は、後述するECU50に電気的に接続されている。したがって、スロットルバルブ18は、ECU50からの指令信号に応じてスロットル開度が制御されることで、内燃機関1への吸入空気量を調整する。
【0022】
また、内燃機関1は、インジェクタ13を備えている。インジェクタ13は、ポート噴射式の燃料噴射弁であり、図示しない燃料タンクから燃料ポンプによって圧送された燃料を、吸気ポート11を介して燃焼室7に噴射する。
【0023】
このように構成された内燃機関1において、吸気通路16aを通過する空気は、スロットルバルブ18により流量が調整された後、吸気ポート11に導入される。そして、吸気ポート11に導入された空気は、インジェクタ13から噴射された燃料と混合され、燃焼室7に導入される。
【0024】
シリンダヘッド3の排気ポート12側には、排気管26が接続されている。排気管26の内部には、排気ポート12と連通する排気通路26aが形成されている。排気通路26a上には、触媒27が設けられている。触媒27は、燃焼室7から排出された排気ガスを浄化する。触媒27は、排気ガス中に含まれる有害物質である炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)を同時に浄化する三元触媒からなる。
【0025】
上述のように構成された内燃機関1は、内燃機関の制御装置としてのECU(Engine Control Unit)50によってその運転状態が制御されるようになっている。ECU50は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えるマイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUは、RAMの一時記憶機能を利用するとともにROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。ROMには、各種制御定数や各種マップ等が予め記憶されている。
【0026】
ECU50の入力側には、CAN等の規格の通信ラインを介して、水温センサ28、O2センサ29、排気温センサ30、クランク角センサ32、吸気温センサ41、エアフローセンサ42、アクセル開度センサ43等の各種センサ類が接続されている。
【0027】
水温センサ28は、シリンダブロック2に形成されたウォータジャケット2a内を流通する冷却水の温度(冷却水温度)、すなわちエンジン水温を検出する。
【0028】
O2センサ29は、触媒27よりも排気方向上流側に設けられている。O2センサ29は、空燃比に対して理論空燃比を基準にしてリッチ側とリーン側とで出力が急変する出力特性を有する酸素センサである。なお、酸素センサとしては、O2センサ29に代えて、空燃比に対してリニアな出力特性を有するA/Fセンサを用いてもよい。
【0029】
排気温センサ30は、内燃機関1から排出され触媒27に流入する排気ガスの温度(以下、「排気温」という)を検出し、検出信号をECU50に出力する。
【0030】
クランク角センサ32は、クランクシャフト9の回転角度を検出し、検出信号をECU50に出力する。ECU50は、クランク角センサ32から入力された検出信号に基づきエンジン回転速度を算出する。
【0031】
吸気温センサ41は、吸気通路16aにおけるスロットルバルブ18の上流側を通過する空気の温度(吸気温度)を検出し、検出信号をECU50に出力する。
【0032】
エアフローセンサ42は、吸気通路16aにおけるスロットルバルブ18の下流側を通過する空気の量(吸入空気量)を検出し、検出信号をECU50に出力する。
【0033】
アクセル開度センサ43は、図示しないアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出し、検出信号をECU50に出力する。
【0034】
ECU50の出力側には、CAN等の規格の通信ラインを介して、前述した点火プラグ10、インジェクタ13、スロットルバルブ18等の各種装置が接続されている。
【0035】
ECU50は、ドライバによる操作や内燃機関1の運転状態等に基づいて、点火プラグ10、インジェクタ13及びスロットルバルブ18を制御する。また、ECU50は、通信ラインを介して各種のセンサ、アクチュエータ及び他の制御ユニットと通信する通信機能を有する。
【0036】
ECU50は、インジェクタ13への通電を制御することで、内燃機関1への燃料噴射時期すなわち燃料噴射タイミング、及び、燃料噴射量を制御する制御部51としての機能を有する。ECU50は、後述するように触媒高温抑制制御中、所定条件を満たした場合に燃料噴射量を増量するようインジェクタ13を制御するようになっている。
【0037】
ECU50は、例えば内燃機関1の運転状態に基づき、排気系温度モデルを用いた演算により触媒温度を推定し、その推定した触媒温度を触媒27の触媒温度Tcatとして取得する触媒温度取得部52としての機能を有する。排気系温度モデルを用いた演算式は、ECU50のROMに記憶されている。
【0038】
ECU50は、上述の通り推定した触媒温度Tcatが所定値Tth以上の高温状態にあるか否かを判定する触媒温度高温判定部53としての機能を有する。前述の所定値Tthは、触媒27が劣化し、排気ガスの酸化還元反応の能力を失う可能性があると判断できる温度の下限であって、予め実験的に求めてECU50のROMに記憶されている。
【0039】
ECU50は、内燃機関1の運転状態に基づいて目標空燃比AFtを算出する目標空燃比算出部54としての機能を有する。ここで、後述する触媒高温抑制制御中における目標空燃比AFtは、触媒27が高温にならないような、つまり触媒27が劣化しない温度を保持できるような燃料量に応じた空燃比であり、例えば理論空燃比よりもリッチ側の空燃比に設定される。
【0040】
ECU50は、O2センサ29から入力される検出信号に基づいて、内燃機関1の実空燃比AFrを検出する実空燃比検出部55としての機能を有する。
【0041】
ECU50は、触媒温度取得部52により取得された触媒温度Tcatが所定値Tth以上である場合に、燃料噴射量を所定量増量するようインジェクタ13を制御する触媒高温抑制制御を実行するようになっている。
【0042】
触媒高温抑制制御が実行されると、燃焼室7内の温度が低下し、燃焼室7から排気される排気ガスの温度も低下する。これにより、触媒27に流入する排気ガスの温度が低下し、触媒27の高温化が抑制される。
【0043】
ECU50は、上述の触媒高温抑制制御中に、燃料噴射量の増量に応じた所望の燃料噴射がなされていないと判定した場合に、スロットルバルブ18の開度(以下、「スロットル開度」という)を制限するスロットル開度制限制御を実行するようになっている。
【0044】
上述の所望の燃料噴射がなされている状態とは、触媒高温抑制制御によって触媒27の高温化が抑制可能な空燃比を実現可能な燃料噴射の状態であって、以下の方法により判定可能である。
【0045】
具体的には、ECU50は、実空燃比AFrと目標空燃比AFtとの差ΔAFに基づいて、燃料噴射量の増量に応じた所望の燃料噴射がなされているか否かを判定する。ECU50は、前述の差ΔAFが所定の閾値ΔAFth以上である場合に、燃料噴射量の増量に応じた所望の燃料噴射がなされていないと判定する。
【0046】
実空燃比AFrと目標空燃比AFtとの差ΔAFは、例えば、「ΔAF=AFr-AFt」又は「ΔAF=|AFt-AFr|」の計算により求められる。
【0047】
スロットル開度制限制御では、ECU50は、内燃機関1の負荷すなわちエンジン負荷と、エンジン回転速度とに基づいて、図示しないスロットル開度制限マップを参照することによりスロットル開度を制限する。
【0048】
これにより、スロットル開度が小さくされて吸入空気量が減少することから、実空燃比AFrが小さくなる。この結果、実空燃比AFrと目標空燃比AFtとの差ΔAFも小さくなり、その差ΔAFを所定の閾値ΔAFth未満に抑えることができる。よって、上述の所望の燃料噴射が実現され、触媒27の高温化が抑制される。
【0049】
スロットル開度制限マップは、エンジン負荷とエンジン回転速度とをパラメータとして、制限されたスロットル開度が対応付けられたマップであり、予め実験的に求めてECU50のROMに記憶されている。スロットル開度制限マップにおいては、エンジン負荷が高い程、又はエンジン回転速度が高い程、若しくは双方が高い程、スロットル開度の制限量が大きくなるよう定義されている。エンジン負荷は、例えば、内燃機関1の吸入空気量とエンジン回転速度とから算出される。
【0050】
次に、
図2のフローチャートを参照して、本実施例に係るECU50によって実行される触媒高温抑制制御の処理の流れについて説明する。この触媒高温抑制制御の処理は、所定の短い周期で繰り返し実行される。
【0051】
図2に示すように、ECU50は、排気系温度モデルを用いた演算により触媒温度Tcatを推定する(ステップS1)。
【0052】
次いで、ECU50は、ステップS1で推定した触媒温度Tcatが所定値Tth以上であるか否かを判定する(ステップS2)。ECU50は、ステップS2において触媒温度Tcatが所定値Tth以上でないと判定した場合には、処理をステップS1に戻す。
【0053】
ECU50は、ステップS2において触媒温度Tcatが所定値Tth以上であると判定した場合には、触媒27が高温劣化する可能性のある高温状態にあると判断して、触媒高温抑制制御を実行して燃料噴射量を所定量増量する(ステップS3)。
【0054】
次いで、ECU50は、実空燃比AFrと目標空燃比AFtとの差ΔAFが所定の閾値ΔAFth以上であるか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4では、ECU50は、触媒高温抑制制御による燃料噴射量の増量に応じた所望の燃料噴射がなされているか否かを判定する。
【0055】
ECU50は、ステップS4において実空燃比AFrと目標空燃比AFtとの差ΔAFが所定の閾値ΔAFth以上でないと判定した場合には、本処理を終了する。
【0056】
ECU50は、ステップS4において実空燃比AFrと目標空燃比AFtとの差ΔAFが所定の閾値ΔAFth以上であると判定した場合には、スロットル開度制限制御を実行してスロットル開度を制限して(ステップS5)、本処理を終了する。
【0057】
以上のように、本実施例に係る内燃機関の制御装置は、触媒高温抑制制御中に、燃料噴射量の増量に応じた所望の燃料噴射がなされていないと判定した場合に、スロットル開度を制限するスロットル開度制限制御を実行するよう構成されている。
【0058】
この構成により、本実施例に係る内燃機関の制御装置は、スロットル開度制限制御によって吸入空気量を抑えることができ、触媒27が高温劣化するような高温状態を回避可能な所望の燃料噴射を行うことができる。これにより、触媒27の高温劣化を防止することができる。
【0059】
また、本実施例に係る内燃機関の制御装置は、実空燃比AFrと目標空燃比AFtとの差ΔAFに基づいて、燃料噴射量の増量に応じた所望の燃料噴射がなされているか否かを判定するよう構成されている。
【0060】
この構成により、本実施例に係る内燃機関の制御装置は、実空燃比AFrと目標空燃比AFtとの差ΔAFに基づき容易に、燃料噴射量の増量に応じた所望の燃料噴射がなされているか否かを判定することができる。
【0061】
なお、本実施例においては、燃料噴射弁としてポート噴射式のインジェクタ13を用いた例について説明したが、これに限らず、燃料噴射弁として直噴式のインジェクタを用いてもよい。
【0062】
また、本実施例において、ECU50は、排気系温度モデルを用いた演算により触媒温度を推定したが、これに限らず、例えば、排気温センサ30により検出した排気温に基づき、触媒温度モデルを用いた演算により触媒温度を推定してもよい。
【0063】
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。