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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054725
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】薬剤装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/00 20060101AFI20240410BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
B65D85/00 A
F25D23/00 302M
F25D23/00 302L
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161145
(22)【出願日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000102544
【氏名又は名称】エステー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】小野 知子
【テーマコード(参考)】
3E068
3L345
【Fターム(参考)】
3E068AA35
3E068BB02
3E068CC01
3E068DD08
3E068DD11
3E068DE10
3E068EE10
3E068EE11
3E068EE31
3E068EE32
3L345AA02
3L345AA12
3L345AA25
3L345KK04
(57)【要約】
【課題】2つの部品により2つの薬剤を収容でき、コストダウンを図る上で有利で、また、地球環境保護を図る上で有利な薬剤装置を提供すること。
【解決手段】第1の薬剤14Aが収容された第1収容部20を有する容器本体16と、第2の薬剤14Bが収容された第2収容部22を有し容器本体16の上部に結合されるキャップ18とを備える薬剤装置12Aである。第2の薬剤14Bとして可撓性を有するものを用いる。第2収容部22は、複数の上開口部2202Bを有し第2の薬剤14Bの上方への飛び出しを阻止する収容部上壁2202を含んで構成されている。複数の上開口部2202Bのうちの1つは、第2収容部22への第2の薬剤14Bの挿脱を可能とした薬剤脱口として形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の薬剤が収容された第1収容部を有する容器本体と、第2の薬剤が収容された第2収容部を有し前記容器本体の上部に結合されるキャップとを備える薬剤装置であって、
前記第2の薬剤として可撓性を有するものを用い、
前記第2収容部は、上開口部を有し前記第2の薬剤の上方への飛び出しを阻止する収容部上壁を含んで構成され、
前記上開口部は、前記第2収容部への前記第2の薬剤の挿脱を可能とした薬剤挿脱口として形成されている、
ことを特徴とする薬剤装置。
【請求項2】
前記上開口部は複数設けられ、前記複数の上開口部のうちの少なくとも1つが前記薬剤挿脱口として形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の薬剤装置。
【請求項3】
前記上開口部は、ほぼ直線状に並べられて設けられ、
前記薬剤挿脱口として形成された前記上開口部は、端部に並べられた前記上開口部である、
ことを特徴とする請求項1記載の薬剤装置。
【請求項4】
前記第2収容部と前記第2の薬剤は、平面視細長形状を呈し、
前記上開口部は、前記第2収容部の長手方向に間隔をおいて並べられて設けられ、
前記薬剤挿脱口として形成された前記上開口部は、端部に並べられた前記上開口部である、
ことを特徴とする請求項1記載の薬剤装置。
【請求項5】
前記上開口部の縁には、前記第2収容部に収容された前記第2の薬剤の上面に係止可能な係止片が設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の薬剤装置。
【請求項6】
前記第2収容部は、前記収容部上壁に加え、前記第2の薬剤を下方から支える収容部底壁と、前記収容部底壁の周囲から起立して前記収容部上壁に接続され前記第2の薬剤の側方への飛び出しを阻止する収容部周壁とを含んで構成され、
前記キャップは、前記収容部上壁を支持するキャップ上壁と、前記キャップ上壁の周囲から垂設され前記容器本体の上部に結合され前記収容部底壁を前記容器本体の上方に離れた箇所に位置させるキャップ周壁とを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の薬剤装置。
【請求項7】
前記第1の薬剤と前記第2の薬剤は、薬剤成分が互いに異なる、
ことを特徴とする請求項1記載の薬剤装置。
【請求項8】
前記キャップが前記容器本体の上端に結合された状態で、前記キャップは前記第1収容部を大気に開放する通気構造を有している、
ことを特徴とする請求項1記載の薬剤装置。
【請求項9】
収容部を有する容器と、前記収容部に収容される薬剤とを備えた薬剤装置であって、
前記薬剤は可撓性を有し、
前記収容部は、複数の開口部が設けられ前記薬剤の前記収容部外への飛び出しを阻止する収容壁を含んで構成され、
前記複数の開口部のうちの少なくとも1つは、前記収容部への前記薬剤の挿脱を可能とした薬剤挿脱口として形成されている、
ことを特徴とする薬剤容器。
【請求項10】
前記収容部と前記薬剤は、平面視細長形状を呈し、
前記開口部は、前記薬剤容器の長手方向に間隔をおいて並べられて設けられ、
前記薬剤挿脱口として形成された前記開口部は、前記収容部の長手方向の端部に並べられた前記開口部である、
を備えることを特徴とする請求項9記載の薬剤容器。
【請求項11】
前記開口部の縁には、前記収容部に収容された前記薬剤に係止可能な係止片が設けられている、
ことを特徴とする請求項9記載の薬剤装置。
【請求項12】
前記容器は被載置面に載置され、
前記収容壁は、上開口部を有し前記薬剤の上方への飛び出しを阻止する収容部上壁と、前記の薬剤を下方から支える収容部底壁と、前記収容部底壁の周囲から起立して前記収容部上壁に接続され前記薬剤の側方への飛び出しを阻止する収容部周壁とを含んで構成され、
前記容器は、前記収容壁に加え、前記収容部上壁を支持する容器上壁と、前記容器上壁の周囲から垂設され前記収容部底壁を前記被載置面の上方に離れた箇所に位置させる支持壁とを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項9記載の薬剤装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中の悪臭を吸収する脱臭剤や、あるいは、空気中の水分を吸収する除湿剤、空気中に芳香成分を揮散する芳香剤などの薬剤を収容する薬剤装置に関する。
【0002】
例えば、互いに薬剤成分の異なる2つの薬剤を収容する薬剤装置として、冷蔵庫内の脱臭を行なうため、異なる悪臭成分を吸収するため2種類の脱臭剤を収容するようにしたものが提供されている(特許文献1)。
この薬剤装置では、第1の脱臭剤を収容する下部容器と、この下部容器の上部に結合され第2の薬剤を収容する上部容器とを備えている。
そして、第2の薬剤を収容する収容部の開口部が上方に開放状に形成されているため、薬剤装置の転倒時などに開口部から第2の薬剤が飛び出さないように、第2の薬剤を収容する収容部の開口部に蓋を取り付けて市場に流通されている。
すなわち、互いに薬剤成分の異なる2つの薬剤を収容する薬剤装置の容器は、下部容器と上部容器と蓋との3つの部品で構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-304092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、従来構造では、2つの薬剤を収容する場合、容器の部品点数が3つ以上と多くなり、薬剤装置のコストダウンを図る上で不利があった。
また、成型容器を製造するに際して異なる金型をそれぞれ製造する必要があり、薬剤装置の製造コストが上昇する。
また、この種の薬剤を収容する容器は、材料としてプラスチックを用い型成形で製造されるため、部品点数が多くなると使用するプラスチックの量も多くなり、プラスチックの廃棄量が多くなる。
そのため、使用するプラスチック量を削減するため、地球環境保護の観点から何らかの改善が求められていた。
同様に、1つの薬剤を収容する場合でも、従来構造では、容器の部品点数が2つ以上となり、薬剤装置のコストダウンを図る上で不利があり、また、地球環境保護の観点から何らかの改善が求められていた。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、2つの部品により2つの薬剤を収容でき、コストダウンを図る上で有利で、また、地球環境保護を図る上で有利な薬剤装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、1つの部品により1つの薬剤を収容でき、コストダウンを図る上で有利で、また、地球環境保護を図る上で有利な薬剤装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明の一実施の形態は、第1の薬剤が収容された第1収容部を有する容器本体と、第2の薬剤が収容された第2収容部を有し前記容器本体の上部に結合されるキャップとを備える薬剤装置であって、前記第2の薬剤として可撓性を有するものを用い、前記第2収容部は、上開口部を有し前記第2の薬剤の上方への飛び出しを阻止する収容部上壁を含んで構成され、前記上開口部は、前記第2収容部への前記第2の薬剤の挿脱を可能とした薬剤挿脱口として形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、収容部を有する容器と、前記収容部に収容される薬剤とを備えた薬剤装置であって、前記薬剤は可撓性を有し、前記収容部は、複数の開口部が設けられ前記薬剤の前記収容部外への飛び出しを阻止する収容壁を含んで構成され、前記複数の開口部のうちの少なくとも1つは、前記収容部への前記薬剤の挿脱を可能とした薬剤挿脱口として形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態によれば、薬剤挿脱口を兼ねる上開口部から第2の薬剤を第2収容部に挿脱できるので、第1の薬剤と第2の薬剤との2つの薬剤を収容する薬剤装置の容器を、容器本体とキャップとの2つの部品で構成でき、コストダウンを図る上で有利となり、また、使用するプラスチック材料の量を削減でき、地球環境の保護を図る上で有利となる。
また、第2の薬剤の第2収容部への挿入作業は、第2の薬剤を撓ませながら行えるため、簡単に円滑に行なうことができ、生産時の手間が少なくなり有利となる。また、取り出し作業も容易に行えるため、廃棄時の分別を容易に行える上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、薬剤挿脱口を兼ねる上開口部から薬剤を収容部に挿脱できるので、薬剤を収容する容器を、1つの部品で構成でき、コストダウンを図る上で有利となり、また、使用するプラスチック材料の量を削減でき、地球環境の保護を図る上で有利となる。
また、薬剤の収容部への挿脱作業は、薬剤を撓ませながら行えるため、簡単に円滑に行なうことができ、使い勝手に優れる薬剤装置を提供する上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の薬剤と第2の薬剤が収容された第1の実施の形態の薬剤装置の斜視図である。
図2】第1の薬剤と第2の薬剤を取り除いた第1の実施の形態の薬剤装置の容器の斜視図である。
図3】容器本体の斜視図である。
図4】容器本体の断面正面図である。
図5】容器本体の断面側面図である。
図6】キャップの斜視図である。
図7】キャップを斜め下方から見た斜視図である。
図8】キャップの平面図である。
図9】第2の薬剤が第2収容部に収容された状態の平面図であり、第2の薬剤を実線で、キャップを想像線で示している図である。
図10】第2の薬剤が収容された状態を、第2の薬剤の直上の水平面で切断した第2の薬剤と第2収容部との関係を示す断面平面図である。
図11】第2の薬剤が収容された状態を、第2の薬剤の幅方向の中央を通る鉛直面で切断した第2の薬剤と第2収容部との関係を示す断面正面図である。
図12】第2の薬剤の斜視図である。
図13】薬剤が収容された第2の実施の形態の薬剤装置の斜視図である。
図14】薬剤を取り除いた第2の実施の形態の薬剤装置の容器の斜視図である。
図15】容器を斜め下方から見た斜視図である。
図16】薬剤が収容された状態を、薬剤の幅方向の中央を通る鉛直面で切断した薬剤と収容部との関係を示す断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
まず、図1図12を参照して第1の実施の形態から説明する。
図1に示すように、第1の実施の形態は、2つの薬剤と、それら薬剤を収容する容器とからなる薬剤装置12Aである。
薬剤装置12Aは、冷蔵庫内の脱臭を行なうためのものである。
2つの薬剤のうちの一方の薬剤を第1の薬剤14Aとし、他方の薬剤を第2の薬剤14Bとして説明する。
第1の薬剤14Aと第2の薬剤14Bは、同じ脱臭薬剤である。
第1の薬剤14Aは、野菜等から生じるメチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチルなどの悪臭を吸収するものであり、第1の薬剤14Aには、揮発性を有するゲル状の基剤に活性炭を混入したものなどの従来公知の様々な薬剤が使用可能であり、ゲル状の基材が揮散し体積が減少することで交換時期が把握される。
図12に示すように、第2の薬剤14Bは、第1の薬剤と同様に野菜等から生じる悪臭を吸収するものであり、粒状の活性炭などの従来公知の薬剤が使用可能である。
本実施の形態では、第2の薬剤14Bは、多数の粒状の脱臭剤が通気性および可撓性を有する扁平で細長状の袋に封入されて構成され、したがって、第2の薬剤14Bは可撓性を有している。
なお、第2の薬剤14Bとして、粒状や粉状の脱臭剤を可撓性、揮発性を有する扁平で細長状のゲル基剤に混入することで可撓性を持たせるなど任意である。
なお、本発明において、可撓性を有する薬剤とは、粉末や粒状の薬剤が可撓性を有する袋に収容されこの袋を含む全体が可撓性を有する場合や、薬剤自体がゲル状などを呈して可撓性を有する場合などを広く含む。
【0009】
図1に示すように、第1の薬剤14Aと第2の薬剤14Bを収容する容器は、容器本体16と、容器本体16の上部に取り付けられるキャップ18との2つの部品で構成され、容器本体16とキャップ18は共に平面視細長形状を呈している。
第1の薬剤14Aは容器本体16に収容され、第2の薬剤14Bはキャップ18に収容されている。
図3図5に示すように、容器本体16は、第1の薬剤14Aのゲル状の基材が揮散し体積が減少することで交換時期が把握できるように透明なプラスチック材料で形成されている。
プラスチック材料は、気体(空気)および第1の薬剤14Aの透過を不能とした、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル,ポリ塩化ビニルなど従来公知の様々な材料が使用可能である。
容器本体16は、第1の薬剤14Aが収容される平面視細長形状の第1収容部20を有し、第1収容部20は、平面視細長形状の底面壁1602と、底面壁1602の周縁から起立する側面壁1604とで構成されている。
側面壁1604の上端内側は、容器本体16内に第1の薬剤14Aを収容するための平面視細長形状の本体開口部1606となっており、したがって、第1収容部20の上部は本体開口部1606を介して上方に開放されている。
図4図5に示すように、側面壁1604の上端外周は、上端外周壁1610と、上端外周壁1610の上端全周から外側に突出された容器本体側係止凸部1612と、上端外周壁1610の下端に設けられた段差部1614とを備えた容器本体側嵌合部1616となっている。
容器本体側嵌合部1616にはキャップ18が挿脱可能に結合される。
【0010】
図1図6に示すように、キャップ18は、透明または着色したプラスチック材料からなり、第2の薬剤14Bを収容する平面視細長形状の第2収容部22を有している。
キャップ18は、気体(空気)および第2の薬剤14Bの透過を不能とした、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル,ポリ塩化ビニルなど従来公知の様々な材料が使用可能である。
平面視した場合、キャップ18の輪郭は容器本体16の輪郭と同一の細長形状に形成され、第2収容部22は、第1収容部20の幅よりも小さく、第1収容部20の長さよりも小さい寸法で平面視細長形状に形成されている。
図6図7図10図11に示すように、第2収容部22は、複数の上開口部2202Bを有し第2の薬剤14Bの上方への飛び出しを阻止する収容部上壁2202と、第2の薬剤14Bを下方から支える収容部底壁2204と、収容部底壁2204の周囲から起立して収容部上壁2202に接続され第2の薬剤14Bの側方への飛び出しを阻止する収容部周壁2206とを含んで構成されている。
収容部上壁2202は、第2収容部22の幅方向に延在し第2収容部22の長手方向に間隔をおいて設けられた複数(2つ)の上部帯板2202Aと、それら2つの上部帯板2202Aの間と、各上部帯板2202Aの外側に設けられた合計3つの上開口部2202Bを備えている。
したがって、3つの上開口部2202Bは第2収容部22の長手方向に沿ってほぼ直線状に並べられている。
本実施の形態では、3つの上開口部2202Bは、平面視形状が第2の薬剤14Bよりも小さい寸法で形成され、詳細には、第2の薬剤14Bの幅よりも大きい幅で、また、第2収容部22に沿った長さが第2の薬剤14Bの厚さよりも大きい寸法で形成されている。
3つの上開口部2202Bのうち両端に並べられた上開口部2202Bは、可撓性を有する細長形状の第2の薬剤14Bを第2収容部22に対して挿脱できる薬剤挿脱口として形成されている。
なお上開口部2202Bの個数は、1つでもよく4つ以上であってもよく、1つの場合にはその1つの上開口部2202Bが薬剤挿脱口として形成される。
【0011】
収容部底壁2204は、第2収容部22の幅方向に延在し第2収容部22の長手方向に間隔をおいて設けられた複数(3つ)の底部帯板2204Aを含んで構成されている。
2つの上部帯板2202Aは、平面視した場合、図8に示すように、第2収容部22の長手方向に隣り合う底部帯板2204Aの中央に配置されている。
収容部周壁2206は、各底部帯板2204Aの長手方向の両端から起立する一対の側部帯板2206Aと、第2収容部22の長手方向の両端において上下方向に均一の高さを有して第2収容部22の幅方向に延在する一対の端部帯板2206Bとを含んで構成されている。
したがって、第2の薬剤14Bが第2収容部22に収容された状態で、第2の薬剤14Bの長手方向の両端は、図10図11に示すように、一対の端部帯板2206Bの間でそれら端部帯板2206Bの近傍に位置し、第2の薬剤14Bの幅方向の両端は、図10に示すように、一対の側部帯板2206Aの間でそれら側部帯板2206Aの近傍に位置し、第2の薬剤14Bが第2収容部22の長手方向および幅方向に飛び出すことが阻止され、したがって、第2の薬剤14Bが側方に飛び出すことが阻止される。
一対の端部帯板2206Bの上端には、両端に並べられた上開口部2202Bに円弧状に突出し、第2収容部22に収容された第2の薬剤14Bの上面に係止可能な係止片2206Cが設けられている。すなわち、係止片2206Cは、第2収容部22の長手方向の端部に位置する上開口部2202Bの縁に第2収容部22の長手方向の中央に向かって円弧状に突出している。
【0012】
キャップ18は、図6図7に示すように、第2収容部22を構成する収容部上壁2202、収容部底壁2204、収容部周壁2206に加え、キャップ上壁1802とキャップ周壁1804とを含んで構成されている。
キャップ上壁1802は、第2収容部22の外側で本体開口部1606の上方に位置する枠板状を呈している。
キャップ上壁1802は、上開口部2202Bの幅方向の両側を延在する一対の縦上壁1802Aと、一対の縦上壁1802Aの延在方向の両端を接続する一対の横上壁1802Bとを有している。
一対の縦上壁1802Aは、第2収容部22の幅方向の外側で本体開口部1606の上方において第2収容部22の長手方向に延在し3つの上開口部2202Bの幅方向の両端を縁取っている。
一対の横上壁1802Bは、第2収容部22の長手方向の外側で本体開口部1606の上方において第2収容部22の幅方向に延在し第2収容部22の長手方向の両端に並べられた各上開口部2202Bの長手方向の端部を縁取っている。
一対の端部帯板2206Bは、第2収容部22の長手方向の両端に並べられた上開口部2202Bの縁を縁取る一対の横上壁1802Bの箇所から垂設され、2つの上部帯板2202Aの幅方向の両端は、一対の縦上壁1802Aに連結されており、したがって、キャップ上壁1802は収容部上壁2202を支持しており、また、一対の側部帯板2206Aの上端は、一対の縦上壁1802Aに連結され、したがって、キャップ上壁1802は収容部周壁2206を支持している。
一対の横上壁1802Bには、複数の横上開口部1803が設けられている。
なお、詳細には、第2収容部22は、収容部上壁2202、収容部底壁2204、収容部周壁2206に加え、3つの上開口部2202Bの幅方向の両端を縁取る一対の縦上壁1802Aの部分と、両端に並べられた各上開口部2202Bの長手方向の端部を縁取る一対の横上壁1802Bの部分とを含んで構成されている。
【0013】
キャップ周壁1804は、キャップ上壁1802の周囲全周から均一の厚さ、均一の長さで垂設された上周壁1804Aと、上周壁1804Aの下方に離れた箇所おいて上周壁1804Aと平行して延在する下周壁1804Bと、上下方向に延在しそれら上周壁1804Aと下周壁1804Bとを接続すると共にそれらの間に複数の側部開口部1806を形成するキャップ縦壁1804Cとを備えている。
なお、キャップ縦壁1804Cの内面に補強リブ1804Rを設けるなど任意である。
上周壁1804Aの外面と下周壁1804Bの外面とキャップ縦壁1804Cの外面とは連続する面で形成されている。
図7に示すように、下周壁1804Bの内面の幅方向において互いに対向する2箇所と、長手方向において対向する1箇所には、それぞれ内側に突出するキャップ側係止凸部1808が設けられ、従って6つのキャップ側係止凸部1808が設けられている。
キャップ18の容器本体側嵌合部1616への結合時、キャップ18を本体開口部1606に被せ、それら6つのキャップ側係止凸部1808を容器本体側係止凸部1612を乗り越えさせて上端外周壁1610に至らせると、下周壁1804Bの下端は容器本体側嵌合部1616の段差部1614に当接し、6つのキャップ側係止凸部1808の上端が容器本体側係止凸部1612に係止し、キャップ18と容器本体16とが結合された状態が保持される。
【0014】
なお、容器本体16からキャップ18を取り外す際には、キャップ18を撓めつつキャップ側係止凸部1808を容器本体側係止凸部1612の上方に抜き出せばよい。
キャップ18が容器本体16の上端に結合された状態で、図11に示すように、収容部底壁2204はキャップ周壁1804により容器本体16の上方に離れた箇所に配置される。
キャップ18が容器本体16の上端に結合された状態で、容器本体16の内部は、キャップ周壁1804の側部開口部1806、横上壁1802Bの横上開口部1803を介して大気に開放され、また、第2の薬剤14Bの周囲の複数の側部帯板2206Aの間の空間および複数の上開口部2202Bを介して大気に開放されている。
すなわち、キャップ18が容器本体16の上端に結合された状態で、キャップ18は第1収容部20を大気に開放する通気構造を有し、第1収容部20に収容された第1の薬剤14Aの脱臭効果(薬剤効果)が奏されるように図られている。
また、キャップ18が容器本体16の上端に結合された状態で、第2の薬剤14Bは、3つの上開口部2202Bを介して大気に開放され、また、収容部底壁2204を構成する底部帯板2204Aの間の空間および収容部周壁2206を構成する側部帯板2206Aの間の空間、第2収容部22よりも下方に位置するキャップ18内の空間、複数の側部開口部1806を介して大気に開放され、第2収容部22に収容された第2の薬剤14Bの脱臭効果(薬剤効果)が奏されるように図られている。
【0015】
本実施の形態の薬剤装置12Aは、市場流通時には、第1の薬剤14Aが収容された容器本体16の上部に非通気性のフィルムやアルミ箔が被せられて本体開口部1606が閉塞される。
そして、非通気性のフィルムやアルミ箔の上に、透明な非通気性のフィルムからなる袋に封入された第1の薬剤14Aが載せられ、その上からキャップ18が容器本体16の上部に被せられ、容器本体側嵌合部1616を介してキャップ18が容器本体16の上端に結合される。
このように容器本体16とキャップ18とが結合された状態でシュリンクフィルムで包装され、市場に流通される。
【0016】
薬剤装置12Aの購入者は、使用時、シュリンクフィルムを破り薬剤装置12Aを取り出し、容器本体16からキャップ18を取り外し、非通気性のフィルムやアルミ箔の上に載せられた袋から第2の薬剤14Bを取り出した後、非通気性のフィルムやアルミ箔を剥して本体開口部1606を開放する。
また、取り出した第2の薬剤14Bを、端部に並べられた上開口部2202Bから第2収容部22に挿入して収容する。
第2の薬剤14Bを第2収容部22に収容したならば、キャップ18を容器本体16の本体開口部1606に被せ、キャップ18のキャップ周壁1804の下端を容器本体16の側面壁1604の上部に、容器本体側嵌合部1616およびキャップ側係止凸部1808を介して結合する。
このようにキャップ18と容器本体16とを結合した状態で、冷蔵庫内に適宜箇所に配置する。
薬剤装置12Aの使用時、仮に薬剤装置12Aが倒されても、第2の薬剤14Bは、収容部上壁2202を構成する複数の上部帯板2202Aにより上方への飛び出しが阻止され、複数の側部帯板2206Aにより側方への飛び出しが阻止され、第2収容部22外へ飛び出すことがないので、薬剤装置12Aを起こしてそのまま使用できる。
第2収容部22に収容された第2の薬剤14Bの上面に係止可能な係止片2206Cは何れの上開口部2202Bに設けてもよく、あるいは、省略してもよいが、本実施の形態では、係止片2206Cを設けているので、薬剤装置12Aが倒されても第2の薬剤14Bの上方への飛び出しがより確実に阻止される。
【0017】
このように本実施の形態によれば、2つの薬剤14A、14Bを収容する薬剤装置12Aの容器を、容器本体16とキャップ18との2つの部品で構成できるので、コストダウンを図る上で有利となり、また、使用するプラスチック材料の量を削減でき、地球環境の保護を図る上で有利となる。
なお、キャップ18の上部帯板2202Aを省略して第2収容部22の上部を上方に開放状に形成し、この第2収容部22の上部を開閉する蓋板を設け、薬剤装置12Aを容器本体16とキャップ18と蓋板との3つの部品で構成する場合に比べ、約2割以上のプラスチック使用量を削減できた。
【0018】
また、第2の薬剤14Bの第2収容部22への挿入作業は、端部に並べられた上開口部2202Bから第2の薬剤14Bを挿入するので、第2の薬剤14Bのたわみ量を少なくした状態で第2の薬剤14Bの長手方向の一端を挿入する作業となり、第2の薬剤14Bの挿入作業を簡単に円滑に行なうことができ、また、第2収容部22から第2の薬剤14Bを取り出す場合にも、同様に簡単に円滑に行なうことができ、薬剤装置12Aの使い勝手を向上する上で有利となる。
なお、3つの上開口部2202Bの全てを薬剤挿脱口として形成してもよく、この場合には、3つの上開口部2202Bのうちの何れか1つの上開口部2202Bから第2収容部22に挿入できる。
ただし、端部に並べられた上開口部2202Bから第2の薬剤14Bを挿入すると、上述のように、第2の薬剤14Bの挿脱作業を簡単に円滑に行なう上で有利となる。
また、本実施の形態では、並べられた端部に位置する上開口部2202Bの縁には、第2収容部22の長手方向に突出する係止片2206Cが設けられているので、薬剤14Bの第2収容部22への挿入時に、この係止片2206Cをガイドとして利用でき、薬剤14Bの挿入作業をより簡単により円滑に行なう上で有利となる。
この並べられた端部に位置する上開口部2202Bから第2の薬剤14Bを挿入すると、第2の薬剤14Bのたわみ量を少なくした状態で第2の薬剤14Bの長手方向の一端を挿入していくため、第2の薬剤14Bの挿脱作業を簡単に円滑に行なうことができるという効果は、第2収容部22と第2の薬剤14Bの平面視形状が円形や正方形などの場合も同様に奏される。
【0019】
なお、薬剤挿脱口は1つで足りるため、本実施の形態のように両端に並べられた2つの上開口部2202Bを薬剤挿脱口として形成する必要はなく、いずれか一方の上開口部2202Bを薬剤挿脱口として形成すればよい。
この場合には、薬剤挿脱口として形成した上開口部2202B以外の上開口部2202Bを、薬剤挿脱口として形成した上開口部2202Bよりも小さい寸法で形成し、どの上開口部2202Bが薬剤挿脱口であるかを明確にするなど任意である。
【0020】
本実施の形態では、第1の薬剤14Aと第2の薬剤14Bが共に脱臭剤である場合について説明したが、第1の薬剤14Aと第2の薬剤14Bは脱臭剤に限定されず、エチレンガス吸着剤、芳香剤や消臭剤、防虫剤、殺虫剤、防かび剤、忌避剤など従来公知の様々な薬剤が使用可能である。
また、本実施の形態では、第1の薬剤14Aと第2の薬剤14Bが共に空気中の特性成分を吸収するという用途が同一である脱臭剤である場合について説明したが、第1の薬剤14Aとして芳香剤を用い、第2の薬剤14Bとして芳香剤、防虫剤、殺虫剤などを用いるなど、第1の薬剤14Aと第2の薬剤14Bには用途が異なる薬剤を用いてもよい。
また、本実施の形態では、第2の薬剤14Bと第2収容部22とを平面視細長形状にした場合について説明したが、第2の薬剤14Bと第2収容部22との形状は平面視細長形状に限定されず、正方形や円形など従来公知の様々な形状を採用可能である。
ただし、第2の薬剤14Bと第2収容部22とを平面視細長形状にすると、第2の薬剤14Bが撓み易くなることから、第2の薬剤14Bの第2収容部22への挿脱を簡単に行なえ、また、第2の薬剤14Bの量を増大しても、第2の薬剤14Bの第2収容部22への挿脱を簡単に行なえることから、第2の薬剤14Bの量を増大する上で有利となる。
【0021】
次に、図13図16を参照して第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、図13に示すように、1つの薬剤14Cと、薬剤14Cを収容する1つの容器30とからなる薬剤装置12Bである。
薬剤14Cは芳香剤であり、図12に示す第1の実施の形態の第2の薬剤14Bと同様に、粒状や粉状の芳香剤が、通気性および可撓性を有する扁平で平面視細長状の袋に封入されて構成され、薬剤14Cは可撓性を有している。
【0022】
容器30は、薬剤14Cが収容される収容部32を有し、本実施の形態では、容器30は被載置面に載置されるものである。
容器30と収容部32は平面視細長形状を呈している。
図14図16に示すように、収容部32は、薬剤14Cの芳香成分を揮散させるための複数の開口部が設けられ薬剤14Cの収容部32外への飛び出しを阻止する収容壁34を含んで構成されている。
収容壁34は、第1の実施の形態の第2収容部22と同様に、複数の上開口部3402Bを有し薬剤14Cの上方への飛び出しを阻止する収容部上壁3402と、薬剤14Cを下方から支える収容部底壁3404と、収容部底壁3404の周囲から起立して収容部上壁3402に接続され薬剤14Cの側方への飛び出しを阻止する収容部周壁3406とを含んで構成されている。
収容部上壁3402は、収容部32の幅方向に延在し収容部32の長手方向に間隔をおいて設けられた複数(2つ)の上部帯板3402Aと、それら2つの上部帯板3402Aの間と、各上部帯板3402Aの外側に設けられた合計3つの上開口部3402Bを備えている。
3つの上開口部3402Bは、平面視形状が薬剤14Cよりも小さい寸法で形成され、詳細には、薬剤14Cの幅よりも大きい幅で、また、収容部32に沿った長さが薬剤14Cの厚さよりも大きい寸法で形成されている。
3つの上開口部3402Bのうち両端に並べられた上開口部3402Bは、可撓性を有する細長形状の薬剤14Cを収容部32に対して挿脱できる薬剤挿脱口として形成されている。
なお上開口部3402Bの個数は、1つでもよく4つ以上であってもよく、1つの場合にはその1つの上開口部3402Bが薬剤挿脱口として形成される。
【0023】
収容部底壁3404は、収容部32の幅方向に延在し収容部32の長手方向に間隔をおいて設けられた複数(3つ)の底部帯板3404Aを含んで構成されている。
2つの上部帯板3402Aは、平面視した場合、収容部32の長手方向に隣り合う底部帯板3404Aの中央に配置されている。
収容部周壁3406は、各底部帯板3404Aの長手方向の両端から起立する一対の側部帯板3406Aと、収容部32の長手方向の両端において上下方向に均一の高さを有して収容部32の幅方向に延在する一対の端部帯板3406Bとを含んで構成されている。
したがって、薬剤14Cが収容部32に収容された状態で、薬剤14Cの長手方向の両端は、図16に示すように、また、図10に示す第1の実施の形態と同様に、一対に端部帯板3406Bの間でそれら端部帯板3406Bの近傍に位置し、薬剤14Cの幅方向の両端は、一対の側部帯板3406Aの間でそれら側部帯板3406Aの近傍に位置し、薬剤14Cが収容部32の長手方向および幅方向に飛び出すことが阻止され、したがって、薬剤14Cが側方に飛び出すことが阻止される。
一対の端部帯板3406Bの上端には、両端に並べられた上開口部3402Bに円弧状に突出し、収容部32に収容された第2の薬剤14Cの上面に係止可能な係止片3406Cが設けられている。すなわち、係止片3406Cは、収容部32の長手方向の端部に位置する上開口部3402Bの縁に収容部32の長手方向の中央に向かって円弧状に突出している。
【0024】
容器30は、収容壁34に加え、収容部32の上部外側に位置する容器上壁3002と、被載置面に載置可能で被載置面に載置された状態で、被載置面から収容部32を上方に離れた箇所で支持する支持壁3004を含んで構成されている。
容器上壁3002は、収容部上壁3402の周囲に枠板状に延在している。
容器上壁3002は、上開口部3402Bの両側を延在する一対の縦上壁3002Aと、一対の縦上壁3002Aの延在方向の両端を接続する一対の横上壁3002Bとを有している。
一対の縦上壁3002Aは、収容部32の幅方向の外側で収容部32の長手方向に延在し3つの上開口部3402Bの幅方向の両端を縁取っている。
一対の横上壁3002Bは、収容部32の長手方向の外側で収容部32の幅方向に延在し収容部32の長手方向の両端に並べられた各上開口部3402Bの長手方向の端部を縁取っており、一対の端部帯板3406Bは、収容部32の長手方向の両端に並べられた上開口部3402Bの縁を縁取る横上壁3002Bの箇所から垂設されている。
一対の横上壁3002Bには、複数の横上開口部3003が設けられている。
なお、詳細には、収容部32は、収容部上壁3402、収容部底壁3404、収容部周壁3406に加え、3つの上開口部3402Bの幅方向の両端を縁取る一対の縦上壁3002Aの部分と、両端に並べられた各上開口部3402Bの長手方向の端部を縁取る一対の横上壁3002Bの部分とを含んで構成されている。
【0025】
支持壁3004は、容器上壁3002の周囲全周から均一の厚さ、均一の長さで垂設された上周壁3004Aと、上周壁3004Aの下方に離れた箇所おいて上周壁3004Aと平行して延在する下周壁3004Bと、上下方向に延在しそれら上周壁3004Aと下周壁3004Bとを接続すると共にそれらの間に複数の側部開口部3006を形成する容器縦壁3004Cとを備え、下周壁3004Bの下端が載置面に載置される。
なお、容器縦壁3004Cの内面に補強リブ3004Rを設けるなど任意である。
また、薬剤14Cが収容部32に収容された状態で、薬剤14Cは、3つの上開口部3402Bを介して大気に開放され、また、収容部底壁3404を構成する底部帯板3404Aの間の空間および収容部周壁3406を構成する側部帯板3406Aの間の空間、横上開口部3003、側部開口部3006を介して大気に開放され、収容部32に収容された第2の薬剤14Cの芳香効果(薬剤効果)が奏されるように図られている。
【0026】
本実施の形態の薬剤装置12Bは、市場流通時には、薬剤14Cは、透明な非通気性のフィルムからなる袋に封入され、この袋が支持壁3004の内側に収容された状態で、包装袋に封入され、市場に流通される。
薬剤装置12Bの購入者は、使用時、包装袋から薬剤装置12Bを取り出し、袋から薬剤14Cを取り出し、取り出した薬剤14Cを、端部に並べられた上開口部3402Bから収容部32に挿入して収容する。
このように収容部32に薬剤14Cを収容したならば、薬剤装置12Bを、床や棚などの部屋内の適宜箇所の載置面に載置する。
薬剤装置12Bの使用時、仮に薬剤装置12Bが倒されても、薬剤14Cは、収容部上壁3402を構成する複数の上部帯板3402Aにより上方への飛び出しが阻止され、複数の側部帯板3406Aにより側方への飛び出しが阻止され、収容部32外へ飛び出すことがないので、薬剤装置12Bを起こしてそのまま使用できる。
収容部32に収容された薬剤14Cの上面に係止可能な係止片3406Cは何れの上開口部3402Bに設けてもよく、あるいは、省略してもよいが、本実施の形態では係止片3406Cを設けているので、薬剤装置12Bが倒されても薬剤14Cの上方への飛び出しがより確実に阻止される。
【0027】
このように本実施の形態の薬剤装置12Bによれば、薬剤14Cを収容する容器30を、1つの部品で構成できるので、コストダウンを図る上で有利となり、また、使用するプラスチック材料の量を削減でき、地球環境の保護を図る上で有利となる。
また、薬剤14Cの収容部32への挿脱作業は、薬剤14Cが可撓性を有することから、端部に並べられた上開口部3402Bから薬剤14Cを撓ませながら簡単に円滑に行なうことができ、使い勝手に優れる薬剤装置12Bを提供する上で有利となる。
【0028】
この場合、薬剤14Cの収容部32への挿入作業は、端部に並べられた上開口部3402Bから薬剤14Cを挿入するので、薬剤14Cのたわみ量を少なくした状態で薬剤14Cの長手方向の一端を挿入しく作業となり、薬剤14Cの挿入作業を簡単に円滑に行なうことができ、また、収容部32から薬剤14Cを取り出す場合にも、同様に簡単に円滑に行なうことができ、薬剤装置12Bの使い勝手を向上する上で有利となる。
なお、3つの上開口部3402Bの全てを薬剤挿脱口として形成してもよく、この場合には、3つの上開口部3402Bのうちの何れか1つの上開口部3402Bから収容部32に挿入できる。
ただし、端部に並べられた上開口部3402Bから薬剤14Cを挿入すると、上述のように、薬剤14Cの挿脱作業を簡単に円滑に行なう上で有利となる。
また、本実施の形態では、並べられた端部に位置する上開口部3402Bの縁には、収容部32の長手方向に突出する係止片3406Cが設けられているので、薬剤14Cの収容部32への挿入時に、この係止片3406Cをガイドとして利用でき、薬剤14Cの挿入作業をより簡単により円滑に行なう上で有利となる。
この並べられた端部に位置する上開口部3402Bから薬剤14Cを挿入すると、薬剤14Cのたわみ量を少なくした状態で薬剤14Cの長手方向の一端を挿入していくため、薬剤14Cの挿脱作業を簡単に円滑に行なうことができるという効果は、収容部32と薬剤14Cの平面視形状が円形や正方形などの場合も同様に奏される。
【0029】
なお、薬剤挿脱口は1つで足りるため、本実施の形態のように両端に並べられた2つの上開口部3402Bを薬剤挿脱口として形成する必要はなく、いずれか一方の上開口部3402Bを薬剤挿脱口として形成すればよい。
この場合には、薬剤挿脱口として形成した上開口部3402B以外の上開口部3402Bを、薬剤挿脱口として形成した上開口部3402Bよりも小さい寸法で形成し、どの上開口部3402Bが薬剤挿脱口であるかを明確にするなど任意である。
【0030】
なお、本実施の形態では、薬剤14Cが芳香剤である場合について説明したが、薬剤14Cは芳香剤に限定されず、脱臭剤や消臭剤、防虫剤、殺虫剤、防かび剤、忌避剤など従来公知の様々な薬剤14Cが使用可能である。
また、本実施の形態では、薬剤14Cと収容部32とを平面視細長形状にした場合について説明したが、薬剤14Cと収容部32との形状は平面視細長形状に限定されず、正方形や円形など従来公知の様々な形状を採用可能である。ただし、薬剤14Cと収容部32とを平面視細長形状にすると、第1の実施の形態と同様に、薬剤14Cが撓み易くなることから、薬剤14Cの収容部32への挿脱を簡単に行なえ、また、薬剤14Cの収容部32からの飛び出しを防止する上で有利となり、さらに薬剤14Cの量を増大しても、薬剤14Cの収容部32への挿脱を簡単に行なえることから、薬剤14Cの量を増大する上で有利となる。
また、本実施の形態では、薬剤装置12Bを載置面に載置して使用する場合について説明したが、壁や天井に吊り下げて使用してもよい。この場合には、容器30の適宜箇所にフックなどの吊り下げ具が係止する係止孔を設ければよい。
【符号の説明】
【0031】
12A、12B 薬剤装置
14A 第1の薬剤
14B 第2の薬剤
14C 薬剤
16 容器本体
1602 底面壁
1604 側面壁
1606 本体開口部
1610 上端外周壁
1612 容器本体側係止凸部
1614 段差部
1616 容器本体側嵌合部
18 キャップ
1802 キャップ上壁
1802A 縦上壁
1802B 横上壁
1803 横上開口部
1804 キャップ周壁
1804A 上周壁
1804B 下周壁
1804C キャップ縦壁
1804R 補強リブ
1806 側部開口部
1808 キャップ側係止凸部
20 第1収容部
22 第2収容部
2202、3402 収容部上壁
2202A、3402A 上部帯板
2202B、3402B 上開口部
2204、3404 収容部底壁
2204A、3404A 底部帯板
2206、3406 収容部周壁
2206A、3406A 側部帯板
2206B、3406B 端部帯板
2206C、3406C 係止片
30 容器
3002 容器上壁
3002A 縦上壁
3002B 横上壁
3003 横上開口部
3004 支持壁
3004A 上周壁
3004B 下周壁
3004C 容器縦壁
3004R 補強リブ
3006 側部開口部
32 収容部
34 収容壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16