(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054739
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】移動体検出システム、及び、移動体検出方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/01 20060101AFI20240410BHJP
G08G 1/015 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
G08G1/01 C
G08G1/015 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】33
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161162
(22)【出願日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】720009479
【氏名又は名称】オンキヨー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大黒 智貴
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA02
5H181AA03
5H181AA05
5H181AA21
5H181CC27
5H181DD01
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】一定時間毎に検出された車両等の移動体の計数結果を容易に認知し、補正可能とすること。
【解決手段】移動体検出システムは、センサーと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記センサーからの振動データに基づくデータにおいて、移動体(例えば、車両)の移動を検出し、検出した移動体の時間帯毎の数を計数し、検出した移動体の時間帯毎の数の計数結果を降雨、又は、センサー近辺における車両の一時停車などの原因によって引き起こされる誤検出による外れ値とするか否かを判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサーと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記センサーからのデータに基づくデータにおいて、移動体の移動を検出し、
検出した移動体の時間帯毎の数を計数し、
検出した移動体の時間帯毎の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする移動体検出システム。
【請求項2】
前記制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、他の時間帯の移動体の数の計数結果と、を比較することで、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の移動体検出システム。
【請求項3】
前記制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の数の計数結果と、を比較することで、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の移動体検出システム。
【請求項4】
前記制御部は、他の時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の数の計数結果との差が、所定の閾値を超える場合、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判定することを特徴とする請求項2に記載の移動体検出システム。
【請求項5】
前記制御部は、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の数の計数結果との差が、所定の閾値を超える場合、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判定することを特徴とする請求項3に記載の移動体検出システム。
【請求項6】
前記制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値と判定した対象時間帯と、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、を他の時間帯と異なる表示態様で表示部に表示させることを特徴とする請求項4又は5に記載の移動体検出システム。
【請求項7】
前記制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値を補正することを特徴とする請求項4又は5に記載の移動体検出システム。
【請求項8】
前記制御部は、対象時間帯と同一の過去の移動体の数の計数結果を補正値とすることを特徴とする請求項7に記載の移動体検出システム。
【請求項9】
前記制御部は、補正した対象時間帯と、対象時間帯の移動体の数の計数結果の補正値と、を表示部に表示された計数結果に挿入、又は、外れ値と判定した、対象時間帯の計数結果に上書きして表示させることを特徴とする請求項8に記載の移動体検出システム。
【請求項10】
センサーと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記センサーからのデータに基づくデータにおいて、移動体の移動を検出し、
検出した移動体を種別に分類し、
分類した移動体の種別の数を時間帯毎に計数し、
時間帯毎の移動体の種別の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする移動体検出システム。
【請求項11】
前記制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、他の時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、を比較することで、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする請求項10に記載の移動体検出システム。
【請求項12】
前記制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、を比較することで、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする請求項10に記載の移動体検出システム。
【請求項13】
前記制御部は、
他の時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果とを比較し、
対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位が、他の時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位から変化した場合、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定することを特徴とする請求項11に記載の移動体検出システム。
【請求項14】
前記制御部は、
対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果とを比較し、
対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位が、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位から変化した場合、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定することを特徴とする請求項12に記載の移動体検出システム。
【請求項15】
前記制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定した場合、対象時間帯と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、を他の時間帯と異なる表示態様で表示部に表示させることを特徴とする請求項13又は14に記載の移動体検出システム。
【請求項16】
前記制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値を補正することを特徴とする請求項13又は14に記載の移動体検出システム。
【請求項17】
前記制御部は、対象時間帯と同一の過去の移動体の数の計数結果を補正値とすることを特徴とする請求項16に記載の移動体検出システム。
【請求項18】
前記制御部は、補正した対象時間帯と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の補正値と、を表示部に表示された計数結果に挿入、又は、外れ値と判定した、対象時間帯の計数結果に上書きして表示させることを特徴とする請求項17に記載の移動体検出システム。
【請求項19】
前記制御部は、
他の時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えておらず、
他の時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果とを比較し、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位が、他の時間帯の種別の数の計数結果の順位から変化した場合、外れ値を補正することを特徴とする請求項13に記載の移動体検出システム。
【請求項20】
前記制御部は、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えておらず、
対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を比較し、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位が、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位から変化した場合、外れ値を補正することを特徴とする請求項14に記載の移動体検出システム。
【請求項21】
前記制御部は、対象時間帯と同一の過去の移動体の数の計数結果を補正値とすることを特徴とする請求項19又は20に記載の移動体検出システム。
【請求項22】
前記制御部は、対象時間帯の移動体の計数結果と、種別の計数結果の補正値と、を表示部に表示された計数結果に挿入、又は、外れ値と判定した、対象時間帯の計数結果に上書きして表示させることを特徴とする請求項21に記載の移動体検出システム。
【請求項23】
移動体は、車両であり、
前記制御部は、検出した移動体である車両を、大型車、又は、小型車に分類する
ことを特徴とする請求項1に記載の移動体検出システム。
【請求項24】
前記制御部は、
他の時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果と、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果とを比較し、
対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果の順位が、他の時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果の順位から変化した場合、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果を外れ値と判定することを特徴とする請求項23に記載の移動体検出システム。
【請求項25】
前記制御部は、
対象時間帯の前、又は、後の時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果と、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果とを比較し、
対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果の順位が、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果の順位から変化した場合、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果を外れ値と判定することを特徴とする請求項23に記載の移動体検出システム。
【請求項26】
前記制御部は、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多い場合、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果を外れ値とすることを特徴とする請求項23に記載の移動体検出システム。
【請求項27】
前記制御部は、他の時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えておらず、
対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多い場合、外れ値を補正することを特徴とする請求項23に記載の移動体検出システム。
【請求項28】
前記制御部は、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えておらず、
対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多い場合、外れ値を補正することを特徴とする請求項23に記載の移動体検出システム。
【請求項29】
前記制御部は、
小型車の補正値を、補正対象時間帯の移動体の数の計数結果と、過去の対象時間帯の小型車の計数結果を過去の対象時間帯の移動体の数の計数結果で割った値と、の積とし、
大型車の補正値を、補正対象時間帯の移動体の数の計数結果と、過去の対象時間帯の大型車の計数結果を過去の対象時間帯の移動体の数の計数結果で割った値と、の積とすることを特徴とする請求項27又は28に記載の移動体検出システム。
【請求項30】
前記制御部は、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値と判定した対象時間帯と、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果と、を他の時間帯と異なる表示態様で表示部に表示させることを特徴とする請求項24~28のいずれか1項に記載の移動体検出システム。
【請求項31】
前記制御部は、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果を補正した場合、補正した対象時間帯と、対象時間帯の大型車及び小型車の計数結果の補正値を表示部に表示された大型車及び小型車の数の計数結果に挿入、又は、外れ値と判定した、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果に上書きして表示させることを特徴とする請求項24~28いずれか1項に記載の移動体検出システム。
【請求項32】
センサーからのデータに基づくデータにおいて、移動体の移動を検出し、
検出した移動体の時間帯毎の数を計数し、
検出した移動体の時間帯毎の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする移動体検出方法。
【請求項33】
センサーからのデータに基づくデータにおいて、移動体の移動を検出し、
検出した移動体を種別に分類し、
分類した移動体の種別の数を時間帯毎に計数し、
時間帯毎の移動体の種別の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする移動体検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の移動を検出する移動体検出システム、及び、移動体検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
出願人は、振動センサーを用いて、車両等の移動体を検出する発明を出願している(特願2020-117429号)。特願2020-117429号に係る発明においては、振動データに基づくデータにおいて、所定の閾値を超えるピーク値にマークが打たれ、所定時間内に2つ以上のマークがある場合、高いピーク値を中心とした所定時間の振動データが切り出され、切り出された振動データに基づいて、移動体の移動が検出される。
【0003】
しかし、特願2020-117429号に係る発明により、一定時間毎の大型車、小型車の台数を調査する一般的な交通量調査を行う場合、降雨、又は、センサー近辺における車両の一時停車などの原因により、
図5のように一部の時間帯において計数した車両数が他の時間帯に比べ、大幅に多くなる、又は、少なくなるといった、計数した車両と実際の通過車両が大幅に異なる「外れ値」が生じる場合がある。「外れ値」が生じた場合、交通量の調査者は、「外れ値」を検出し、補正を手動で行わなければならないといった手間が問題となる。
【0004】
なお、特許文献1には、振動センサーを用いて、車両の種類(乗用車、トラック、トラクタ等)を類別する車両類別装置が開示されている。また、引用文献2には、プローブカーを用いて「渋滞」又は「積雪等」を判定する発明であって、プローブカーが走行している区間であるリンクと、その周辺リンクとを照合し、「異常値」を除去するリンク情報作成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05-174293号公報
【特許文献2】特開2009-245341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、上記従来の発明では、計数結果に誤検出による外れ値が発生している場合、交通量の調査者は、外れ値を検出し、検出した外れ値の補正を手動で行わなければならず、手間がかかるという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、一定時間毎に検出された車両等の移動体の計数結果を容易に補正可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明の移動体検出システムは、センサーと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記センサーからのデータに基づくデータにおいて、移動体の移動を検出し、検出した移動体の時間帯毎の数を計数し、検出した移動体の時間帯毎の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする。
【0009】
本発明では、制御部は、検出した移動体(例えば、車両)の時間帯毎の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定する。これにより、作業者は、計数結果において、外れ値を手動で検出する必要がないため、検出された外れ値を容易に補正することが可能となる。
【0010】
第2の発明の移動体検出システムは、第1の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、他の時間帯の移動体の数の計数結果と、を比較することで、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする。
【0011】
第3の発明の移動体検出システムは、第1の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の数の計数結果と、を比較することで、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする。
【0012】
第4の発明の移動体検出システムは、第2の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、他の時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の数の計数結果との差が、所定の閾値を超える場合、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判定することを特徴とする。
【0013】
第5の発明の移動体検出システムは、第3の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の数の計数結果との差が、所定の閾値を超える場合、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判定することを特徴とする。
【0014】
第6の発明の移動体検出システムは、第4又は第5の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値と判定した対象時間帯と、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、を他の時間帯と異なる表示態様で表示部に表示させることを特徴とする。
【0015】
本発明では、制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値と判定した対象時間帯と、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、を他の時間帯と異なる表示態様で表示部に表示させる。これにより、使用者は、表示された内容を確認することで、計数結果から外れ値となる時間帯を容易に認知することができる。
【0016】
第7の発明の移動体検出システムは、第4又は第5の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値を補正することを特徴とする。
【0017】
本発明では、制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値を補正する。これにより、外れ値が、実際の移動体の数に近い値に補正される。
【0018】
第8の発明の移動体検出システムは、第7の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯と同一の過去の移動体の数の計数結果を補正値とすることを特徴とする。
【0019】
第9の発明の移動体検出システムは、第8の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、補正した対象時間帯と、対象時間帯の移動体の数の計数結果の補正値と、を表示部に表示された計数結果に挿入、又は、外れ値と判定した、対象時間帯の計数結果に上書きして表示させることを特徴とする。
【0020】
本発明では、制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果を補正した場合、対象時間帯と、対象時間帯の移動体の数の計数結果の補正値を表示部に表示された計数結果に挿入、又は、外れ値と判定した、対象時間帯の計数結果に上書きして表示させる。これにより、使用者は、表示された内容を確認することで、計数結果から補正された時間帯を容易に認知することができる。
【0021】
第10の発明の移動体検出システムは、センサーと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記センサーからのデータに基づくデータにおいて、移動体の移動を検出し、検出した移動体を種別に分類し、分類した移動体の種別の数を時間帯毎に計数し、時間帯毎の移動体の種別の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする。
【0022】
本発明では、制御部は、時間帯毎の移動体(例えば、車両)の種別(例えば、大型車、小型車)の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定する。これにより、作業者は、計数結果において、外れ値を手動で検出する必要がないため、検出された外れ値を容易に補正することが可能となる。
【0023】
第11の発明の移動体検出システムは、第10の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、他の時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、を比較することで、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする。
【0024】
第12の発明の移動体検出システムは、第10の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、を比較することで、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする。
【0025】
第13の発明の移動体検出システムは、第11の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、他の時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果とを比較し、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位が、他の時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位から変化した場合、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定することを特徴とする。
【0026】
例えば、移動体が車両であり、移動体である車両が、「大型車」、「中型車」、「小型車」の種別に分類されるとする。そして、他の時間帯の移動体の種別の計数結果の順位が、「小型車」、「中型車」、「大型車」であったにも関わらず、対象時間帯の移動体の種別の計数結果の順位が、「大型車」、「小型車」、「中型車」であったとする。この場合、対象時間帯の順位が、他の時間帯の順位から変化しているため、計数結果が外れ値である可能性が高い。このため、本発明では、制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位が、他の時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位から変化した場合、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定する。
【0027】
第14の発明の移動体検出システムは、第12の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果とを比較し、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位が、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位から変化した場合、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定することを特徴とする。
【0028】
第15の発明の移動体検出システムは、第13又は第14の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定した場合、対象時間帯と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、を他の時間帯と異なる表示態様で表示部に表示させることを特徴とする。
【0029】
本発明では、制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定した場合、対象時間帯と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、他の時間帯と異なる表示態様で表示部に表示させる。これにより、使用者は、表示された内容を確認することで、計数結果から外れ値となる時間帯を容易に認知することができる。
【0030】
第16の発明の移動体検出システムは、第13又は第14の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値を補正することを特徴とする。
【0031】
本発明では、制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値を補正する。これにより、外れ値が、実際の移動体の数に近い値に補正される。
【0032】
第17の発明の移動体検出システムは、第16の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯と同一の過去の移動体の数の計数結果を補正値とすることを特徴とする。
【0033】
第18の発明の移動体検出システムは、第17の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、補正した対象時間帯と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の補正値と、を表示部に表示された計数結果に挿入、又は、外れ値と判定した、対象時間帯の計数結果に上書きして表示させることを特徴とする。
【0034】
本発明では、制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を補正した場合、対象時間帯と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の補正値を表示部に表示された計数結果に挿入、又は、外れ値と判定した、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果に上書きして表示させる。これにより、使用者は、表示された内容を確認することで、集計結果から補正された時間帯を容易に認知することができる。
【0035】
第19の発明の移動体検出システムは、第13の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、他の時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えておらず、他の時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果とを比較し、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位が、他の時間帯の種別の数の計数結果の順位から変化した場合、外れ値を補正することを特徴とする。
【0036】
第20の発明の移動体検出システムは、第14の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えておらず、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を比較し、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位が、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位から変化した場合、外れ値を補正することを特徴とする。
【0037】
第21の発明の移動体検出システムは、第19又は第20の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯と同一の過去の移動体の数の計数結果を補正値とすることを特徴とする。
【0038】
第22の発明の移動体検出システムは、第21の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の移動体の計数結果と、種別の計数結果の補正値と、を表示部に表示された計数結果に挿入、又は、外れ値と判定した、対象時間帯の計数結果に上書きして表示させることを特徴とする。
【0039】
第23の発明の移動体検出システムは、第1の発明の移動体検出システムにおいて、移動体は、車両であり、前記制御部は、検出したデータに基づいて、大型車、又は、小型車に分類することを特徴とする。
【0040】
第24の発明の移動体検出システムは、第23の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、他の時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果と、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果とを比較し、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果の順位が、他の時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果の順位から変化した場合、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果を外れ値と判定することを特徴とする。
【0041】
第25の発明の移動体検出システムは、第23の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果と、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果とを比較し、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果の順位が、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果の順位から変化した場合、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果を外れ値と判定することを特徴とする。
【0042】
第26の発明の移動体検出システムは、第23の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多い場合、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果を外れ値とすることを特徴とする。
【0043】
例えば、移動体を検出するエリアが、住宅街であった場合、住宅街では、一般的に、「大型車」よりも「小型車」の方が多いため、「大型車」の計数結果が、「小型車」の計数結果よりも多くなる可能性は低く、外れ値である可能性が高い。このため、本発明では、制御部は、対象時間帯の大型車の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多い場合、対象時間帯の大型車の計数結果及び小型車の計数結果を外れ値と判定する。
【0044】
第27の発明の移動体検出システムは、第23の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、他の時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えておらず、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多い場合、外れ値を補正することを特徴とする。
【0045】
第28の発明の移動体検出システムは、第23の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えておらず、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多い場合、外れ値を補正することを特徴とする。
【0046】
第29の発明の移動体検出システムは、第27又は第28の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、小型車の補正値を、補正対象時間帯の移動体の数の計数結果と、過去の対象時間帯の小型車の計数結果を過去の対象時間帯の移動体の数の計数結果で割った値と、の積とし、大型車の補正値を、補正対象時間帯の移動体の数の計数結果と、過去の対象時間帯の大型車の計数結果を過去の対象時間帯の移動体の数の計数結果で割った値と、の積とすることを特徴とする。
【0047】
第30の発明の移動体検出システムは、第24~第28のいずれかの発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値と判定した対象時間帯と、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果と、を他の時間帯と異なる表示態様で表示部に表示させることを特徴とする。
【0048】
第31の発明の移動体検出システムは、第24~第28のいずれかの発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果を補正した場合、補正した対象時間帯と、対象時間帯の大型車及び小型車の計数結果の補正値を表示部に表示された大型車及び小型車の数の計数結果に挿入、又は、外れ値と判定した、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果に上書きして表示させることを特徴とする。
【0049】
第32の発明の移動体検出方法は、センサーからのデータに基づくデータにおいて、移動体の移動を検出し、検出した移動体の時間帯毎の数を計数し、検出した移動体の時間帯毎の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする。
【0050】
第33の発明の移動体検出方法は、センサーからのデータに基づくデータにおいて、移動体の移動を検出し、検出した移動体を種別に分類し、分類した移動体の種別の数を時間帯毎に計数し、時間帯毎の移動体の種別の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】時間帯毎の計数結果から外れ値を検出する移動体検出システムの処理動作を示すフローチャートである(第1実施形態)。
【
図2】時間帯毎の計数結果から外れ値をマークした計数結果を示す表である(第1実施形態)。
【
図3】時間帯毎の計数結果から外れ値を検出し、検出した外れ値を補正する移動体検出システムの処理動作を示すフローチャートである(第2実施形態)。
【
図4】移動体の種別毎に分類した時間帯毎の計数結果から外れ値をマークし、補正した計数結果を示す表である(第2実施形態)。
【
図5】移動体検出システムの外れ値が発生した計数結果を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明の実施形態について、説明する。本発明の実施形態に係る移動体検出システムは、例えば、車両等の移動体の移動を検出し、移動体を検出した数を計数(カウント)する。移動体検出システムは、振動センサー、CPU(Central Processing Unit )等の制御部等を備える。移動体検出システムは、1つの装置から構成されていてもよいし、2以上の装置から構成されていてもよい。また、振動センサーによって検出された振動データに基づく移動体の検出は、例えば、(クラウド)サーバーによって行われるようになっていてもよい。なお、以下で説明する処理等は、基本的に制御部によって実行されるが、「制御部は、~する。」という「~する」処理において、「制御部は」の文言を省略している場合がある。
【0053】
振動センサーは、例えば、道路等に設置されている。振動センサーは、振動センサーの前を通過した車両から道路に伝わる振動を検出し、振動データを出力する。制御部は、振動センサーから出力される振動データに基づいて、特徴量を抽出し、抽出した特徴量をノイズ(雑音)、又は、車両通過による振動に分類する。そして、制御部は、車両通過による振動として分類した数を、通過車両の数として計数する。特徴量の抽出について、出願人による特許出願である特願2020-117429号を参照されたい。
【0054】
(第1実施形態)
時間帯毎の計数結果から、外れ値を検出する移動体検出システムの処理動作について、
図1に示すフローチャートに基づいて説明する。制御部は、移動体の数の計数結果を時間帯毎に読み込む(S1)。例えば、制御部は、振動センサーによって検出されたデータに基づいて、
図2に示すように、15分毎に移動体の数を計数する。次に、制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の移動体の数の計数結果との差が閾値を超えているか否かを判断する(S2)。本実施形態においては、制御部は、50台を閾値とし、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の移動体の数の計数結果との差が50台を超えているか否かを判断する。
【0055】
制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の移動体の数の計数結果との差が閾値を超えていると判断した場合(S2:Yes)、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判断し、外れ値と判断した対象時間帯と、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、を他の時間帯と異なる表示様態で表示部に表示させる(S3)。制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の移動体の数の計数結果との差が閾値を超えていないと判断した場合(S2:No)、処理を行わずに、次のステップに進む。
【0056】
ある時間帯の計数結果が、他の時間の計数結果と大きく異なる場合、外れ値である可能性が高い。このため、本実施形態では、制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の移動体の数の計数結果との差が閾値を超えていると判断した場合、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判断する。
【0057】
次に、制御部は、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多いか否かを判断する(S4)。制御部は、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多いと判断した場合(S4:Yes)、対象時間帯の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果を外れ値と判断し、外れ値と判断した対象時間帯と、対象時間帯の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果と、を他の時間帯と異なる表示様態で表示部に表示させる(S5)。制御部は、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多くないと判断した場合(S4:No)、処理を終了する。
【0058】
ここで、例えば、移動体を検出するエリアが、住宅街であった場合、住宅街では、一般的に、「大型車」よりも「小型車」の方が多いため、「大型車」の計数結果が、「小型車」の計数結果よりも多くなる可能性は低く、外れ値である可能性が高い。このため、本実施形態では、制御部は、対象時間帯の大型車の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多い場合、対象時間帯の大型車の計数結果及び小型車の計数結果を外れ値と判定する。
【0059】
移動体検出システムによって計数された、時間帯毎の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果と、大型車の数の計数結果と小型車の数の計数結果とが合計された計数結果と、が示されている表を
図2に示す。
図2に示すように、外れ値と判断された対象時間帯と、大型車の数の計数結果と小型車の数の計数結果の計数結果とが合計された計数結果と、が他の時間帯と異なる表示様態になるように、色を変えてマークされている。
【0060】
(第2実施形態)
時間帯毎の計数結果から、外れ値を検出し、検出した外れ値を補正する移動体検出システムの処理動作について、
図3に示すフローチャートに基づいて説明する。本実施形態では、対象時間帯の計数結果が外れ値と判断された場合、計数結果が補正される点(後述のS26(
図3))が、第1実施形態と異なる。
【0061】
まず、制御部は、移動体の数の計数結果を時間帯毎に読み込む(S21)。次に、制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の移動体の数の計数結果との差が閾値を超えているか否かを判断する(S22)。
【0062】
制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の移動体の数の計数結果との差が閾値を超えていると判断した場合(S22:Yes)、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判断し、外れ値と判断した対象時間帯と、対象時間帯の計数結果と、を他の時間帯と異なる表示様態で表示部に表示させる(S23)。制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の移動体の数の計数結果との差が閾値を超えていないと判断した場合(S22:No)、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多いか否かを判断する(S24)。
【0063】
制御部は、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多いと判断した場合(S24:Yes)、対象時間帯の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果を外れ値と判断し、外れ値と判断した対象時間帯と、対象時間帯の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果と、を他の時間帯の異なる表示様態で表示部に表示させる(S25)。
【0064】
次に、制御部は、道路交通センサス実施要綱規定の車種判別補正方法に記載されている計算式を適用し、外れ値を補正する(S26)。大型車の移動体の数の計数結果の補正値と、小型車の移動体の数の計数結果の補正値は、以下の式で求めることができる。
小型車の補正値=補正対象時間帯の小型車の計数結果のデータ×(過去の対象時間帯の小型車の計数結果のデータ/過去の対象時間帯の合計計数結果のデータ)
大型車の補正値=補正対象時間帯の大型車の計数結果のデータ×(過去の対象時間帯の大型車の計数結果のデータ/過去の対象時間帯の合計計数結果のデータ)
上記の式により、大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果との補正を行うことができる。
【0065】
制御部は、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多くないと判断した場合(S24:No)、処理を終了する。
【0066】
移動体検出システムによって計数された時間帯毎の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果と、大型車の数の計数結果と小型車の数の計数結果とが合計された計数結果が示されている表を
図4に示す。
図4に示すように、外れ値と判断された対象時間と、大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果と、が他の時間帯と異なる表示様態となるように色を変えてマークされている。また、
図4においては、大型車の補正された数の計数結果と、小型車の補正された数の計数結果と、大型車の補正された数の計数結果と小型車の補正された数の計数結果とが合計された計数結果が挿入されている。
【0067】
以上説明したように、本実施形態では、制御部は、検出した車両の時間帯毎の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定する。これにより、作業者は、計数結果において、外れ値を手動で検出する必要がないため、検出された外れ値を容易に補正することが可能となる。
【0068】
また、本実施形態では、制御部は、時間帯毎の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果と、を外れ値とするか否かを判定する。これにより、作業者は、計数結果において、外れ値を手動で検出する必要がないため、検出された外れ値を容易に補正することが可能となる。
【0069】
また、本実施形態では、制御部は、対象時間帯の車両の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値と判定した対象時間帯と、対象時間帯の車両の数の計数結果と、を他の時間帯と異なる表示態様で表示部に表示させる。これにより、使用者は、表示された内容を確認することで、計数結果から外れ値となる時間帯を容易に認知することができる。
【0070】
また、本実施形態では、制御部は、対象時間帯の車両の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値を補正する。これにより、外れ値が、実際の移動体の数に近い値に補正される。
【0071】
また、本実施形態では、制御部は、対象時間帯の車両の数の計数結果を補正した場合、対象時間帯と、対象時間帯の車両の数の計数結果の補正値を表示部に表示された計数結果に挿入して表示させる。これにより、使用者は、表示された内容を確認することで、計数結果から補正された時間帯を容易に認知することができる。
【0072】
また、本実施形態では、制御部は、時間帯毎の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果と、大型車の数の計数結果と小型車の数の計数結果とが合計された計数結果と、を外れ値とするか否かを判定する。これにより、作業者は、計数結果において、外れ値を手動で検出する必要がないため、検出された外れ値を容易に補正することが可能となる。
【0073】
また、本実施形態では、制御部は、対象時間帯の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果と、を外れ値と判定した場合、対象時間帯と、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果と、他の時間帯と異なる表示態様で表示部に表示させる。これにより、使用者は、表示された内容を確認することで、計数結果から外れ値となる時間帯を容易に認知することができる。
【0074】
また、本実施形態では、制御部は、対象時間帯の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果と、を外れ値と判定した場合、外れ値を補正する。これにより、外れ値が、実際の移動体の数に近い値に補正される。
【0075】
また、本実施形態では、制御部は、対象時間帯の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果と、を補正した場合、対象時間帯と、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果の補正値を表示部に表示された計数結果に挿入して表示させる。これにより、使用者は、表示された内容を確認することで、集計結果から補正された時間帯を容易に認知することができる。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は、上述の実施形態には限られるものではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
【0077】
上述の実施形態においては、移動体が車両である場合について説明した。これに限らず、移動体は、車両以外であってもよく、また、車両を含んでいてもよい。例えば、移動体は、四輪車両、二輪車両、及び、歩行者であり、大型四輪車両、中型四輪車両、小型四新車両、大型二輪車両、中型二輪車両、小型二輪車両、又は、歩行者に分類されるようになっていてもよい。この場合、例えば、制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位が、他の時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位から変化した場合、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定する。
【0078】
例えば、他の時間帯の移動体の種別の計数結果の順位が、「小型四輪車両」、「中型四輪車両」、「大型四輪車両」(以下、省略)であったにも関わらず、対象時間帯の移動体の種別の計数結果の順位が、「大型四輪車両」、「小型四輪車両」、「中型四輪車両」であったとする。この場合、対象時間帯の順位が、他の時間帯の順位から変化しているため、計数結果が外れ値である可能性が高い。このため、制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位が、他の時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位から変化した場合、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定する。
【0079】
上述の実施形態では、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の車両の数の計数結果と、対象時間帯の車両の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えた場合、外れ値と判定する場合について説明した。これに限らず、対象時間帯と比較する時間帯は、対象時間帯の前、又は、後以外の他の時間帯であってもよい。
【0080】
上述の実施形態においては、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多いと判断した場合、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果を外れ値と判断する場合について、説明した。これに限らず、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果の順位が、他の時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果の順位から変化した場合であってもよい。
【0081】
上述の実施形態では、制御部は、道路交通センサス実施要綱規定の車種判別補正方法に記載されている計算式を適用し、外れ値を補正する場合について、説明した。これに限らず、対象時間帯と同一の過去の車両の数の計数結果を補正値として、補正が行われてもよい。
【0082】
上述の実施形態では、制御部は、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の車両の数の計数結果と、対象時間帯の車両の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えておらず、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多い場合、外れ値を補正する場合について、説明した。これに限らず、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多いか否かに関わらず、対象時間帯の他の時間帯の車両の数の計数結果と、対象時間帯の車両の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えていた場合、補正が行われてもよい。
【0083】
上述の実施形態では、制御部は、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の車両の数の計数結果と、対象時間帯の車両の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えておらず、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多い場合、外れ値を補正する場合について、説明した。これに限らず、対象時間帯の他の時間帯の車両の数の計数結果と、対象時間帯の車両の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えているか否かに関わらず、対象時間帯の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果との順位が、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果との順位、又は、他の時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果の順位から変化した場合、対象時間帯と同一の過去の車両の数の計数結果を補正値として、補正が行われてもよい。
【0084】
上述の実施形態では、制御部は、外れ値を補正した場合、表示されている計数結果に、大型車の補正された数の計数結果と、小型車の補正された数の計数結果と、大型車の補正された数の計数結果と小型車の補正された数の計数結果とが合計された計数結果を挿入する場合について、説明した。これに限らず、対象時間帯の計数結果に補正した計数結果を上書きしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、移動体の移動を検出する移動体検出システム、及び、移動体検出方法に好適に採用され得る。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の移動を検出する移動体検出システム、及び、移動体検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
出願人は、振動センサーを用いて、車両等の移動体を検出する発明を出願している(特願2020-117429号)。特願2020-117429号に係る発明においては、振動データに基づくデータにおいて、所定の閾値を超えるピーク値にマークが打たれ、所定時間内に2つ以上のマークがある場合、高いピーク値を中心とした所定時間の振動データが切り出され、切り出された振動データに基づいて、移動体の移動が検出される。
【0003】
しかし、特願2020-117429号に係る発明により、一定時間毎の大型車、小型車の台数を調査する一般的な交通量調査を行う場合、降雨、又は、センサー近辺における車両の一時停車などの原因により、
図5のように一部の時間帯において計数した車両数が他の時間帯に比べ、大幅に多くなる、又は、少なくなるといった、計数した車両と実際の通過車両が大幅に異なる「外れ値」が生じる場合がある。「外れ値」が生じた場合、交通量の調査者は、「外れ値」を検出し、補正を手動で行わなければならないといった手間が問題となる。
【0004】
なお、特許文献1には、振動センサーを用いて、車両の種類(乗用車、トラック、トラクタ等)を類別する車両類別装置が開示されている。また、引用文献2には、プローブカーを用いて「渋滞」又は「積雪等」を判定する発明であって、プローブカーが走行している区間であるリンクと、その周辺リンクとを照合し、「異常値」を除去するリンク情報作成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05-174293号公報
【特許文献2】特開2009-245341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、上記従来の発明では、計数結果に誤検出による外れ値が発生している場合、交通量の調査者は、外れ値を検出し、検出した外れ値の補正を手動で行わなければならず、手間がかかるという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、一定時間毎に検出された車両等の移動体の計数結果を容易に補正可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明の移動体検出システムは、センサーと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記センサーからのデータに基づくデータにおいて、移動体の移動を検出し、検出した移動体の時間帯毎の数を計数し、検出した移動体の時間帯毎の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする。
【0009】
本発明では、制御部は、検出した移動体(例えば、車両)の時間帯毎の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定する。これにより、作業者は、計数結果において、外れ値を手動で検出する必要がないため、検出された外れ値を容易に補正することが可能となる。
【0010】
第2の発明の移動体検出システムは、第1の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、他の時間帯の移動体の数の計数結果と、を比較することで、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする。
【0011】
第3の発明の移動体検出システムは、第1の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の数の計数結果と、を比較することで、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする。
【0012】
第4の発明の移動体検出システムは、第2の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、他の時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の数の計数結果との差が、所定の閾値を超える場合、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判定することを特徴とする。
【0013】
第5の発明の移動体検出システムは、第3の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の数の計数結果との差が、所定の閾値を超える場合、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判定することを特徴とする。
【0014】
第6の発明の移動体検出システムは、第4又は第5の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値と判定した対象時間帯と、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、を他の時間帯と異なる表示態様で表示部に表示させることを特徴とする。
【0015】
本発明では、制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値と判定した対象時間帯と、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、を他の時間帯と異なる表示態様で表示部に表示させる。これにより、使用者は、表示された内容を確認することで、計数結果から外れ値となる時間帯を容易に認知することができる。
【0016】
第7の発明の移動体検出システムは、第4又は第5の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値を補正することを特徴とする。
【0017】
本発明では、制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値を補正する。これにより、外れ値が、実際の移動体の数に近い値に補正される。
【0018】
第8の発明の移動体検出システムは、第7の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯と同一の過去の移動体の数の計数結果を補正値とすることを特徴とする。
【0019】
第9の発明の移動体検出システムは、第8の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、補正した対象時間帯と、対象時間帯の移動体の数の計数結果の補正値と、を表示部に表示された計数結果に挿入、又は、外れ値と判定した、対象時間帯の計数結果に上書きして表示させることを特徴とする。
【0020】
本発明では、制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果を補正した場合、対象時間帯と、対象時間帯の移動体の数の計数結果の補正値を表示部に表示された計数結果に挿入、又は、外れ値と判定した、対象時間帯の計数結果に上書きして表示させる。これにより、使用者は、表示された内容を確認することで、計数結果から補正された時間帯を容易に認知することができる。
【0021】
第10の発明の移動体検出システムは、センサーと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記センサーからのデータに基づくデータにおいて、移動体の移動を検出し、検出した移動体を種別に分類し、分類した移動体の種別の数を時間帯毎に計数し、時間帯毎の移動体の種別の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする。
【0022】
本発明では、制御部は、時間帯毎の移動体(例えば、車両)の種別(例えば、大型車、小型車)の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定する。これにより、作業者は、計数結果において、外れ値を手動で検出する必要がないため、検出された外れ値を容易に補正することが可能となる。
【0023】
第11の発明の移動体検出システムは、第10の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、他の時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、を比較することで、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする。
【0024】
第12の発明の移動体検出システムは、第10の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、を比較することで、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする。
【0025】
第13の発明の移動体検出システムは、第11の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、他の時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果とを比較し、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位が、他の時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位から変化した場合、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定することを特徴とする。
【0026】
例えば、移動体が車両であり、移動体である車両が、「大型車」、「中型車」、「小型車」の種別に分類されるとする。そして、他の時間帯の移動体の種別の計数結果の順位が、「小型車」、「中型車」、「大型車」であったにも関わらず、対象時間帯の移動体の種別の計数結果の順位が、「大型車」、「小型車」、「中型車」であったとする。この場合、対象時間帯の順位が、他の時間帯の順位から変化しているため、計数結果が外れ値である可能性が高い。このため、本発明では、制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位が、他の時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位から変化した場合、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定する。
【0027】
第14の発明の移動体検出システムは、第12の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果とを比較し、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位が、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位から変化した場合、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定することを特徴とする。
【0028】
第15の発明の移動体検出システムは、第13又は第14の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定した場合、対象時間帯と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、を他の時間帯と異なる表示態様で表示部に表示させることを特徴とする。
【0029】
本発明では、制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定した場合、対象時間帯と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、他の時間帯と異なる表示態様で表示部に表示させる。これにより、使用者は、表示された内容を確認することで、計数結果から外れ値となる時間帯を容易に認知することができる。
【0030】
第16の発明の移動体検出システムは、第13又は第14の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値を補正することを特徴とする。
【0031】
本発明では、制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値を補正する。これにより、外れ値が、実際の移動体の数に近い値に補正される。
【0032】
第17の発明の移動体検出システムは、第16の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯と同一の過去の移動体の数の計数結果を補正値とすることを特徴とする。
【0033】
第18の発明の移動体検出システムは、第17の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、補正した対象時間帯と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の補正値と、を表示部に表示された計数結果に挿入、又は、外れ値と判定した、対象時間帯の計数結果に上書きして表示させることを特徴とする。
【0034】
本発明では、制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を補正した場合、対象時間帯と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の補正値を表示部に表示された計数結果に挿入、又は、外れ値と判定した、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果に上書きして表示させる。これにより、使用者は、表示された内容を確認することで、集計結果から補正された時間帯を容易に認知することができる。
【0035】
第19の発明の移動体検出システムは、第13の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、他の時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えておらず、他の時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果とを比較し、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位が、他の時間帯の種別の数の計数結果の順位から変化した場合、外れ値を補正することを特徴とする。
【0036】
第20の発明の移動体検出システムは、第14の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えておらず、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の種別の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を比較し、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位が、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位から変化した場合、外れ値を補正することを特徴とする。
【0037】
第21の発明の移動体検出システムは、第19又は第20の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯と同一の過去の移動体の数の計数結果を補正値とすることを特徴とする。
【0038】
第22の発明の移動体検出システムは、第21の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の移動体の計数結果と、種別の計数結果の補正値と、を表示部に表示された計数結果に挿入、又は、外れ値と判定した、対象時間帯の計数結果に上書きして表示させることを特徴とする。
【0039】
第23の発明の移動体検出システムは、第1の発明の移動体検出システムにおいて、移動体は、車両であり、前記制御部は、検出したデータに基づいて、大型車、又は、小型車に分類することを特徴とする。
【0040】
第24の発明の移動体検出システムは、第23の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、他の時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果と、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果とを比較し、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果の順位が、他の時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果の順位から変化した場合、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果を外れ値と判定することを特徴とする。
【0041】
第25の発明の移動体検出システムは、第23の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果と、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果とを比較し、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果の順位が、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果の順位から変化した場合、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果を外れ値と判定することを特徴とする。
【0042】
第26の発明の移動体検出システムは、第23の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多い場合、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果を外れ値とすることを特徴とする。
【0043】
例えば、移動体を検出するエリアが、住宅街であった場合、住宅街では、一般的に、「大型車」よりも「小型車」の方が多いため、「大型車」の計数結果が、「小型車」の計数結果よりも多くなる可能性は低く、外れ値である可能性が高い。このため、本発明では、制御部は、対象時間帯の大型車の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多い場合、対象時間帯の大型車の計数結果及び小型車の計数結果を外れ値と判定する。
【0044】
第27の発明の移動体検出システムは、第23の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、他の時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えておらず、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多い場合、外れ値を補正することを特徴とする。
【0045】
第28の発明の移動体検出システムは、第23の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の移動体の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えておらず、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多い場合、外れ値を補正することを特徴とする。
【0046】
第29の発明の移動体検出システムは、第27又は第28の発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、小型車の補正値を、補正対象時間帯の移動体の数の計数結果と、過去の対象時間帯の小型車の計数結果を過去の対象時間帯の移動体の数の計数結果で割った値と、の積とし、大型車の補正値を、補正対象時間帯の移動体の数の計数結果と、過去の対象時間帯の大型車の計数結果を過去の対象時間帯の移動体の数の計数結果で割った値と、の積とすることを特徴とする。
【0047】
第30の発明の移動体検出システムは、第24~第28のいずれかの発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値と判定した対象時間帯と、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果と、を他の時間帯と異なる表示態様で表示部に表示させることを特徴とする。
【0048】
第31の発明の移動体検出システムは、第24~第28のいずれかの発明の移動体検出システムにおいて、前記制御部は、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果を補正した場合、補正した対象時間帯と、対象時間帯の大型車及び小型車の計数結果の補正値を表示部に表示された大型車及び小型車の数の計数結果に挿入、又は、外れ値と判定した、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果に上書きして表示させることを特徴とする。
【0049】
第32の発明の移動体検出方法は、センサーからのデータに基づくデータにおいて、移動体の移動を検出し、検出した移動体の時間帯毎の数を計数し、検出した移動体の時間帯毎の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする。
【0050】
第33の発明の移動体検出方法は、センサーからのデータに基づくデータにおいて、移動体の移動を検出し、検出した移動体を種別に分類し、分類した移動体の種別の数を時間帯毎に計数し、時間帯毎の移動体の種別の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0051】
本発明によれば、一定時間毎に検出された車両等の移動体の計数結果を容易に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】時間帯毎の計数結果から外れ値を検出する移動体検出システムの処理動作を示すフローチャートである(第1実施形態)。
【
図2】時間帯毎の計数結果から外れ値をマークした計数結果を示す表である(第1実施形態)。
【
図3】時間帯毎の計数結果から外れ値を検出し、検出した外れ値を補正する移動体検出システムの処理動作を示すフローチャートである(第2実施形態)。
【
図4】移動体の種別毎に分類した時間帯毎の計数結果から外れ値をマークし、補正した計数結果を示す表である(第2実施形態)。
【
図5】移動体検出システムの外れ値が発生した計数結果を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、本発明の実施形態について、説明する。本発明の実施形態に係る移動体検出システムは、例えば、車両等の移動体の移動を検出し、移動体を検出した数を計数(カウント)する。移動体検出システムは、振動センサー、CPU(Central Processing Unit )等の制御部等を備える。移動体検出システムは、1つの装置から構成されていてもよいし、2以上の装置から構成されていてもよい。また、振動センサーによって検出された振動データに基づく移動体の検出は、例えば、(クラウド)サーバーによって行われるようになっていてもよい。なお、以下で説明する処理等は、基本的に制御部によって実行されるが、「制御部は、~する。」という「~する」処理において、「制御部は」の文言を省略している場合がある。
【0054】
振動センサーは、例えば、道路等に設置されている。振動センサーは、振動センサーの前を通過した車両から道路に伝わる振動を検出し、振動データを出力する。制御部は、振動センサーから出力される振動データに基づいて、特徴量を抽出し、抽出した特徴量をノイズ(雑音)、又は、車両通過による振動に分類する。そして、制御部は、車両通過による振動として分類した数を、通過車両の数として計数する。特徴量の抽出について、出願人による特許出願である特願2020-117429号を参照されたい。
【0055】
(第1実施形態)
時間帯毎の計数結果から、外れ値を検出する移動体検出システムの処理動作について、
図1に示すフローチャートに基づいて説明する。制御部は、移動体の数の計数結果を時間帯毎に読み込む(S1)。例えば、制御部は、振動センサーによって検出されたデータに基づいて、
図2に示すように、15分毎に移動体の数を計数する。次に、制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の移動体の数の計数結果との差が閾値を超えているか否かを判断する(S2)。本実施形態においては、制御部は、50台を閾値とし、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の移動体の数の計数結果との差が50台を超えているか否かを判断する。
【0056】
制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の移動体の数の計数結果との差が閾値を超えていると判断した場合(S2:Yes)、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判断し、外れ値と判断した対象時間帯と、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、を他の時間帯と異なる表示様態で表示部に表示させる(S3)。制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の移動体の数の計数結果との差が閾値を超えていないと判断した場合(S2:No)、処理を行わずに、次のステップに進む。
【0057】
ある時間帯の計数結果が、他の時間の計数結果と大きく異なる場合、外れ値である可能性が高い。このため、本実施形態では、制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の移動体の数の計数結果との差が閾値を超えていると判断した場合、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判断する。
【0058】
次に、制御部は、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多いか否かを判断する(S4)。制御部は、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多いと判断した場合(S4:Yes)、対象時間帯の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果を外れ値と判断し、外れ値と判断した対象時間帯と、対象時間帯の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果と、を他の時間帯と異なる表示様態で表示部に表示させる(S5)。制御部は、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多くないと判断した場合(S4:No)、処理を終了する。
【0059】
ここで、例えば、移動体を検出するエリアが、住宅街であった場合、住宅街では、一般的に、「大型車」よりも「小型車」の方が多いため、「大型車」の計数結果が、「小型車」の計数結果よりも多くなる可能性は低く、外れ値である可能性が高い。このため、本実施形態では、制御部は、対象時間帯の大型車の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多い場合、対象時間帯の大型車の計数結果及び小型車の計数結果を外れ値と判定する。
【0060】
移動体検出システムによって計数された、時間帯毎の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果と、大型車の数の計数結果と小型車の数の計数結果とが合計された計数結果と、が示されている表を
図2に示す。
図2に示すように、外れ値と判断された対象時間帯と、大型車の数の計数結果と小型車の数の計数結果の計数結果とが合計された計数結果と、が他の時間帯と異なる表示様態になるように、色を変えてマークされている。
【0061】
(第2実施形態)
時間帯毎の計数結果から、外れ値を検出し、検出した外れ値を補正する移動体検出システムの処理動作について、
図3に示すフローチャートに基づいて説明する。本実施形態では、対象時間帯の計数結果が外れ値と判断された場合、計数結果が補正される点(後述のS26(
図3))が、第1実施形態と異なる。
【0062】
まず、制御部は、移動体の数の計数結果を時間帯毎に読み込む(S21)。次に、制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の移動体の数の計数結果との差が閾値を超えているか否かを判断する(S22)。
【0063】
制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の移動体の数の計数結果との差が閾値を超えていると判断した場合(S22:Yes)、対象時間帯の移動体の数の計数結果を外れ値と判断し、外れ値と判断した対象時間帯と、対象時間帯の計数結果と、を他の時間帯と異なる表示様態で表示部に表示させる(S23)。制御部は、対象時間帯の移動体の数の計数結果と、対象時間帯の前、又は、後の移動体の数の計数結果との差が閾値を超えていないと判断した場合(S22:No)、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多いか否かを判断する(S24)。
【0064】
制御部は、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多いと判断した場合(S24:Yes)、対象時間帯の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果を外れ値と判断し、外れ値と判断した対象時間帯と、対象時間帯の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果と、を他の時間帯の異なる表示様態で表示部に表示させる(S25)。
【0065】
次に、制御部は、道路交通センサス実施要綱規定の車種判別補正方法に記載されている計算式を適用し、外れ値を補正する(S26)。大型車の移動体の数の計数結果の補正値と、小型車の移動体の数の計数結果の補正値は、以下の式で求めることができる。
小型車の補正値=補正対象時間帯の小型車の計数結果のデータ×(過去の対象時間帯の小型車の計数結果のデータ/過去の対象時間帯の合計計数結果のデータ)
大型車の補正値=補正対象時間帯の大型車の計数結果のデータ×(過去の対象時間帯の大型車の計数結果のデータ/過去の対象時間帯の合計計数結果のデータ)
上記の式により、大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果との補正を行うことができる。
【0066】
制御部は、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多くないと判断した場合(S24:No)、処理を終了する。
【0067】
移動体検出システムによって計数された時間帯毎の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果と、大型車の数の計数結果と小型車の数の計数結果とが合計された計数結果が示されている表を
図4に示す。
図4に示すように、外れ値と判断された対象時間と、大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果と、が他の時間帯と異なる表示様態となるように色を変えてマークされている。また、
図4においては、大型車の補正された数の計数結果と、小型車の補正された数の計数結果と、大型車の補正された数の計数結果と小型車の補正された数の計数結果とが合計された計数結果が挿入されている。
【0068】
以上説明したように、本実施形態では、制御部は、検出した車両の時間帯毎の数の計数結果を外れ値とするか否かを判定する。これにより、作業者は、計数結果において、外れ値を手動で検出する必要がないため、検出された外れ値を容易に補正することが可能となる。
【0069】
また、本実施形態では、制御部は、時間帯毎の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果と、を外れ値とするか否かを判定する。これにより、作業者は、計数結果において、外れ値を手動で検出する必要がないため、検出された外れ値を容易に補正することが可能となる。
【0070】
また、本実施形態では、制御部は、対象時間帯の車両の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値と判定した対象時間帯と、対象時間帯の車両の数の計数結果と、を他の時間帯と異なる表示態様で表示部に表示させる。これにより、使用者は、表示された内容を確認することで、計数結果から外れ値となる時間帯を容易に認知することができる。
【0071】
また、本実施形態では、制御部は、対象時間帯の車両の数の計数結果を外れ値と判定した場合、外れ値を補正する。これにより、外れ値が、実際の移動体の数に近い値に補正される。
【0072】
また、本実施形態では、制御部は、対象時間帯の車両の数の計数結果を補正した場合、対象時間帯と、対象時間帯の車両の数の計数結果の補正値を表示部に表示された計数結果に挿入して表示させる。これにより、使用者は、表示された内容を確認することで、計数結果から補正された時間帯を容易に認知することができる。
【0073】
また、本実施形態では、制御部は、時間帯毎の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果と、大型車の数の計数結果と小型車の数の計数結果とが合計された計数結果と、を外れ値とするか否かを判定する。これにより、作業者は、計数結果において、外れ値を手動で検出する必要がないため、検出された外れ値を容易に補正することが可能となる。
【0074】
また、本実施形態では、制御部は、対象時間帯の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果と、を外れ値と判定した場合、対象時間帯と、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果と、他の時間帯と異なる表示態様で表示部に表示させる。これにより、使用者は、表示された内容を確認することで、計数結果から外れ値となる時間帯を容易に認知することができる。
【0075】
また、本実施形態では、制御部は、対象時間帯の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果と、を外れ値と判定した場合、外れ値を補正する。これにより、外れ値が、実際の移動体の数に近い値に補正される。
【0076】
また、本実施形態では、制御部は、対象時間帯の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果と、を補正した場合、対象時間帯と、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果の補正値を表示部に表示された計数結果に挿入して表示させる。これにより、使用者は、表示された内容を確認することで、集計結果から補正された時間帯を容易に認知することができる。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は、上述の実施形態には限られるものではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
【0078】
上述の実施形態においては、移動体が車両である場合について説明した。これに限らず、移動体は、車両以外であってもよく、また、車両を含んでいてもよい。例えば、移動体は、四輪車両、二輪車両、及び、歩行者であり、大型四輪車両、中型四輪車両、小型四新車両、大型二輪車両、中型二輪車両、小型二輪車両、又は、歩行者に分類されるようになっていてもよい。この場合、例えば、制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位が、他の時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位から変化した場合、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定する。
【0079】
例えば、他の時間帯の移動体の種別の計数結果の順位が、「小型四輪車両」、「中型四輪車両」、「大型四輪車両」(以下、省略)であったにも関わらず、対象時間帯の移動体の種別の計数結果の順位が、「大型四輪車両」、「小型四輪車両」、「中型四輪車両」であったとする。この場合、対象時間帯の順位が、他の時間帯の順位から変化しているため、計数結果が外れ値である可能性が高い。このため、制御部は、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位が、他の時間帯の移動体の種別の数の計数結果の順位から変化した場合、対象時間帯の移動体の種別の数の計数結果を外れ値と判定する。
【0080】
上述の実施形態では、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の車両の数の計数結果と、対象時間帯の車両の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えた場合、外れ値と判定する場合について説明した。これに限らず、対象時間帯と比較する時間帯は、対象時間帯の前、又は、後以外の他の時間帯であってもよい。
【0081】
上述の実施形態においては、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多いと判断した場合、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果を外れ値と判断する場合について、説明した。これに限らず、対象時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果の順位が、他の時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果の順位から変化した場合であってもよい。
【0082】
上述の実施形態では、制御部は、道路交通センサス実施要綱規定の車種判別補正方法に記載されている計算式を適用し、外れ値を補正する場合について、説明した。これに限らず、対象時間帯と同一の過去の車両の数の計数結果を補正値として、補正が行われてもよい。
【0083】
上述の実施形態では、制御部は、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の車両の数の計数結果と、対象時間帯の車両の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えておらず、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多い場合、外れ値を補正する場合について、説明した。これに限らず、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多いか否かに関わらず、対象時間帯の他の時間帯の車両の数の計数結果と、対象時間帯の車両の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えていた場合、補正が行われてもよい。
【0084】
上述の実施形態では、制御部は、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の車両の数の計数結果と、対象時間帯の車両の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えておらず、対象時間帯の大型車の数の計数結果が、小型車の数の計数結果よりも多い場合、外れ値を補正する場合について、説明した。これに限らず、対象時間帯の他の時間帯の車両の数の計数結果と、対象時間帯の車両の数の計数結果との差が、所定の閾値を超えているか否かに関わらず、対象時間帯の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果との順位が、対象時間帯の前、又は、後の時間帯の大型車の数の計数結果と、小型車の数の計数結果との順位、又は、他の時間帯の大型車及び小型車の数の計数結果の順位から変化した場合、対象時間帯と同一の過去の車両の数の計数結果を補正値として、補正が行われてもよい。
【0085】
上述の実施形態では、制御部は、外れ値を補正した場合、表示されている計数結果に、大型車の補正された数の計数結果と、小型車の補正された数の計数結果と、大型車の補正された数の計数結果と小型車の補正された数の計数結果とが合計された計数結果を挿入する場合について、説明した。これに限らず、対象時間帯の計数結果に補正した計数結果を上書きしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、移動体の移動を検出する移動体検出システム、及び、移動体検出方法に好適に採用され得る。