(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054740
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】脚部用マッサージ装置
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
A61H7/00 322E
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161163
(22)【出願日】2022-10-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】000105707
【氏名又は名称】TBCグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002826
【氏名又は名称】弁理士法人雄渾
(72)【発明者】
【氏名】根岸 海
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100AD02
4C100AD33
4C100BA03
4C100BB05
4C100BC14
4C100CA08
4C100DA10
(57)【要約】
【課題】エアバッグに空気を注入してマッサージを行いながら、同時にО脚/X脚等の下肢の形態矯正のための十分な力を加えることができる脚部用マッサージ装置を提供すること。
【解決手段】上記の課題を解決するための本発明の脚部用マッサージ装置は、脚部のエアバッグによる押圧部において、両脚を束ねてその周囲から装着固定する外部固定具を備え、マッサージを行いながら、同時に下肢形態の矯正促進のための十分な力を掛けることができることを特徴とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
片脚を覆うカバー部と、
前記カバー部に前記脚を押圧する押圧部と、
両脚を束ねてその周囲から装着固定する外部固定具を備え、
前記外部固定具は、前記押圧部の位置においてその周囲から固定することを特徴とする、脚部用マッサージ装置。
【請求項2】
片脚を覆うカバー部と、
前記カバー部に前記脚を押圧する押圧部と、
両脚を束ねてその周囲から装着固定する外部固定具を備え、
前記外部固定具は、前記押圧部よりも上側の位置と、前記押圧部よりも下側の位置の押圧されていない2箇所以上において固定することを特徴とする、脚部用マッサージ装置。
【請求項3】
外部固定具を装着する押圧部は、両脚のふくらはぎ部であることを特徴とする、請求項1に記載の脚部用マッサージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康・美容の目的で、脚部を圧迫刺激して血流やリンパ液の流れを促進・改善し、疲労回復や筋肉のコリをほぐしてむくみ等を軽減しスリムにするためのマッサージを行うとともに、一方で、О脚/X脚等の下肢の形態やバランスの改善施療の目的も同時に兼ねることができることを特徴とする脚部用マッサージ施療のための機器に関する。
【背景技術】
【0002】
人体における下肢部、特にふくらはぎから足首・足先部は、心臓から最も離れた距離にあり、重力に反して血液を心臓に戻す必要があるが、血行が阻害されうっ滞し易い。特に長時間の立ち仕事や靴や靴下による拘束等もあり、リンパ液も同様にうっ滞して脚部のむくみ、冬季の冷え等にも繋がり易い。
またО脚とは、太もも、膝、ふくらはぎの間に隙間ができやすく、文字通りО型になっている下肢形態を指す。一方、X脚は両膝が内側に湾曲した状態で、左右の膝の内側を揃えても足首部からくるぶしの間に隙間ができやすい形態を指す。
従来、間欠的な空気の圧迫による血流等改善を目的とした家庭用マッサージ器がある。身体各部に巻き付けた袋状の空気室(以下エアバッグと呼ぶ)にエアーを送給し、加圧-減圧を繰り返して間欠的に圧迫-緩和することで、身体各部にマッサージ刺激を与えて施療するための機器が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、脚部に装着する長靴形状のエアーブーツ内に空気で膨張する密閉状の複数の袋材を設け、エアー注入口からエアーを送給して、加圧と減圧とによるマッサージを行うようにした空気式マッサージ器具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、膝より下の部位を空気圧でマッサージする前記エアーブーツとは別に、空気を注入することによって膨張する密閉状の袋材によって帯状に形成されたエアーベルトが記載されている。前記エアーベルトは、通常は大腿部に片脚づつ巻いて使用するが、両膝を揃えた状態の外周や腰部に巻いたりすることで、О脚や骨盤の歪を矯正することも可能としている。
脚部に巻き付けたエアーブーツ内のエアバッグに空気を注入しマッサージを行う際には、エアバッグが膨張する結果、両脚の間隔が広がる。前記エアーベルトで固定し拘束しても、特にふくらはぎから脛部内側に配置したエアバッグが膨らむことで膝下から足先が広がり、膝周りの間にスペースができ易い。被施療者の下肢形態がО脚/X脚である場合にはそれが顕著となり、前記エアーベルトを腰、大腿、膝等に巻くだけではその矯正のための両脚に内側方向に掛かる力が不十分であるという課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、エアバッグに空気を注入してマッサージをしながら、同時に下肢の形態矯正のための十分な力も加えることができる脚部用マッサージ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題について鋭意検討した結果、脚部のエアバッグによる押圧部において、両脚を束ねてその周囲から巻きつけて装着固定する外部固定具を備えた脚部用マッサージ装置とすることで、下肢形態の矯正のための十分な力を掛ける装置を提供することができることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の外部固定具を備えたことを特徴とする脚部用マッサージ装置である。
【0008】
上記課題を解決するための本発明の脚部用マッサージ装置は、片脚を覆うカバー部と、前記カバー部に前記脚を押圧する押圧部と、両脚を束ねてその周囲から装着固定する外部固定具を備え、前記外部固定具は、前記押圧部の位置においてその周囲から両脚を固定することを特徴とする。
この脚部用マッサージ装置を用いれば、押圧部の位置で両脚が固定されるため、押圧部の押圧力による膝下から足先の広がりが抑制される。これにより、マッサージによるO脚化やX脚化を抑制することができる。また、押圧部により押圧した際に、両脚の内側方向に力がかかり、被施療者の下肢形態がО脚/X脚の場合には、脚のねじれや関節等に作用し形態の矯正を促進する効果が期待される。
【0009】
また、上記課題を解決するための本発明の脚部用マッサージ装置は、片脚を覆うカバー部と、前記カバー部に前記脚を押圧する押圧部と、両脚を束ねてその周囲から装着固定する外部固定具を備え、前記外部固定具は、前記押圧部よりも上側の位置と、前記押圧部よりも下側の位置の押圧されていない2箇所以上において両脚を固定することを特徴とする。
このマッサージ装置を用いれば、押圧部の上側と下側の位置で両脚が固定されるため、押圧部の押圧力による膝下から足先の広がりが抑制され、マッサージによるO脚化やX脚化を抑制することができる。
【0010】
また、本発明の脚部用マッサージ装置の一実施態様としては、外部固定具を装着する押圧部は、両脚のふくらはぎ部であることを特徴とする。
この特徴によれば、膝部下側の最も大きい筋肉の周囲を固定するため、押圧部により押圧した際に両脚の内側方向にかかる力が最大化し、О脚/X脚の矯正効果を一層促進することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、エアバッグに空気を注入してマッサージをしながら、同時に下肢の形態矯正のための十分な力も加えることができる脚部用マッサージ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1の実施態様の脚部用マッサージ装置のカバー部(ブーツカフ)を人の下肢に装着した状態での概略外観図である。
【
図2】本発明の第1の実施態様の脚部用マッサージ装置のカバー部(ブーツカフ)の内部の押圧部(エアバッグ)の配置を示す概略透視図である。
【
図3】本発明の第1の実施態様の脚部用マッサージ装置の外部固定具の概略外観図である。
【
図4】本発明の第1の実施態様の脚部用マッサージ装置の外部固定具を装着した状態を示す概略外観図である。
【
図5】本発明の第1の実施態様の脚部用マッサージ装置の外部固定具を装着した状態で押圧された脚部の概略断面図である。
【
図6】本発明の第2の実施態様の脚部用マッサージ装置(外部固定具がブーツカフと一体構造である例)の概略外観図である。
【
図7】本発明の第3の実施態様の脚部用マッサージ装置(外部固定具が押圧部よりも上側の位置と下側の位置に固定する例)の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の外部固定具を備えた脚部用マッサージ装置とは、脚部を圧迫刺激し、血流やリンパ液の流れを促進・改善し疲労回復やむくみ等を軽減するためのマッサージを行うとともに、同時に下肢の形態矯正のための十分な力も加えることができることを特徴とするものである。
О脚/X脚等の下肢の形態やバランスの改善施療の目的にも好適に利用することができる。
【0014】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る外部固定具を備えた脚部用マッサージ装置を詳細に説明する。
なお、実施態様に記載する脚部用マッサージ装置については、本発明に係る脚部用マッサージ装置を説明するために例示したに過ぎず、これに限定されるものではない。
【0015】
[第1の実施態様]
第1の実施態様の脚部用マッサージ装置1Aは、脚部に巻き付けたエアバッグに圧力空気を供給又は排出する操作により、加圧と減圧を繰り返して間欠的に圧迫及び緩和を行うことで、マッサージ刺激を与えて施療するための機器である。
図1は、本発明の脚部用マッサージ装置1Aの外観を示す概略説明図である。脚部用マッサージ装置1Aは、左右脚用のブーツカフ2a、2b(外装カバー)、ブーツカフ2a、2bの内部に配置されたエアバッグ3a~3g(押圧部。
図2参照。)、エアバッグ3a~3gにエアーを供給するエアー供給源(不図示)、エアー供給源のエアー供給量を制御する制御部(不図示)、制御部を操作する操作部(不図示)を備える。
【0016】
<カバー部>
カバー部は、片脚を覆う部材であり、第1の実施態様の脚部用マッサージ装置では、長靴形状のブーツカフ2a、2bである。ブーツカフ2a、2bは、通常脚部の形に合わせた構造に製作され、ファスナー等で開いて左右の脚を入れて閉じられ、脚部形状にフィットする立体的構造になっている。その内部にはエアバッグ3a~3g(
図2参照。)が配置される。
【0017】
ブーツカフの材質は、特に制限されないが、例えば、布、樹脂シート、パルプシートなどが挙げられる。エアバッグによる押圧作用を高めるという観点から、脚部に装着した際に、拡径方向への伸縮を制限するものが好ましい。また、フィット感などの装着性に優れるという観点から、布製、樹脂シート製であることが好ましい。
【0018】
<押圧部>
押圧部は、脚部の表面に圧力を与える手段である。
図2には、第1の実施態様の脚部用マッサージ装置1Aの押圧部であるエアバッグ3a~3gを示す。エアバッグ3a~3gは、ブーツカフ2a、2bの内部にそれぞれ配置され、エアバッグへ空気を供給することにより、膨張して皮膚表面側に圧力を与えることができる。エアバッグは、簡単な装置構成で容易に流体を送給又は排出することが可能であり、バッグの膨張又は収縮を容易に制御することができる。
【0019】
なお、第1の実施態様の押圧部としては、エアバッグを例示しているが、脚部の表面を押圧できる手段であれば、どのような手段でもよい。例えば、空気に代えて、水、オイル、ジェル等の流体を供給する流体バッグを用いてもよい。水、オイル、ジェルなどの流体を用いる場合には、押圧部を加温することができる。その他、ピストンなどの動力装置を利用して押圧してもよい。
【0020】
エアバッグは、圧縮空気が送給又は排出されることにより膨張又は収縮する帯状の袋材である。エアバッグの配置は、特に制限されないが、例えば、ブーツカフ内の脚部皮膚表面側のマッサージを行うべき適切な箇所に複数のエアバッグが配置される。
図2は、本発明の脚部用マッサージ装置内部のエアバッグの配置例を示す透視概念図であり、3a~3gは、脚部の所定位置に配置された各エアバッグを表す。エアバッグ3aは、足の裏(土踏まず)を押圧する足裏押圧部であり、エアバッグ3bは、足の甲(足指の付け根)を押圧する足甲押圧部であり、エアバッグ3cは、足首を左右両側から挟むように押圧する足首押圧部であり(3cは左右両側のエアバッグが一体的に形成)、エアバッグ3d、3fは、ふくらはぎ下部のアキレス腱の内側(3d)と外側(3f)を両側から挟むように押圧するアキレス腱押圧部であり、エアバッグ3e、3gは、ふくらはぎ上部の腓腹筋の内側(3e)と外側(3g)を両側から挟むように押圧する腓腹筋押圧部である。図示した例では片方の脚に7個のエアバッグを足先からふくらはぎまで配置しているが、個数はこれ以上でもこれ以下でもよく、また、これ等以外の膝上、大腿部等の位置を押圧する押圧部を配置してもよい。
【0021】
図示しないが、エアバッグ3a~3gにエアーを供給するエアー供給源、エアー供給源のエアー供給量を制御する制御部、制御部を操作する操作部を備える。
エアー供給源は、通常電気で駆動する空気ポンプであって、前記エアバッグと空気チューブで繋がれ、空気注入する。
制御部は、前記各エアバッグへの圧力空気の注入/排気を、電磁弁等で開閉することでコントロールし、適宜エアバッグ毎の圧力を時間軸で加圧-減圧する制御がなされるプログラムを備えた仕組みとなっている。
操作部は、制御部の操作を行うことができる操作画面やボタンスイッチなどである。
なお、エアバッグへの空気の注入/排気の制御は、プログラムにより自動制御してもよいし、操作部により注入/排気を操作してもよい。
【0022】
<外部固定具>
外部固定具とは、両脚を揃えてその周囲から固定する部材であり、押圧部により脚部の表面に圧力を加える際に、両脚が離れないように固定するための部材である。
外部固定具により、О脚/X脚の下肢形態を矯正するための十分な力を両脚の内側方向に掛けることが可能であり、О脚/X脚の下肢形態の矯正を促進する効果が期待される。
また、両脚の周囲から巻き付けて両脚を固定すると、押圧部により脚部の表面を押圧する際に、両脚の移動による押圧力の逃げを抑制できることから、押圧力を上昇するまでの時間を短縮することが可能である。
【0023】
図3に、外部固定具の一例として、両脚の周囲から巻き付けて固定・拘束する帯状のベルト(外部固定具4A)を示す。外部固定具4Aは、端部に面ファスナー5を有し、巻き付けたベルトを固定できるようになっている。
また、
図4に、外部固定具4Aを装着した状態を示す。
図4に示すように、外部固定具4Aは、押圧部の位置においてその周囲から固定することを特徴としている。
【0024】
外部固定具4Aは、通常ポリウレタン繊維等の伸縮性を備えた化学繊維又は天然繊維からなる布製帯状のベルトであって、適宜長さを調節して固定できるように端部に面ファスナーやボタンなどを備えるものが好適に用いられる。但し、これに限らず、帯状・ひも状等で両脚を固定できる十分な強度・剛性を保持できる固定具であれば、構造、材質、形状、寸法(長さ・幅・厚さ)等、特に上記したものに限定されるものではない。
【0025】
図4に示す例では、ふくらはぎ上部の腓腹筋を押圧する押圧部(エアバッグ3e、3g)の位置で、ブーツカフ2a、2bの上から両脚を束ねて外部固定具4Aを巻き付けて固定している。これにより、両脚部が密着するように固定され、両膝部が内側方向に押し合っている。なお、外部固定具4Aを装着する位置は上記に限ることなく、各エアバッグのある押圧部の位置であればどれでもよい。特に膝上、膝下部位置を固定することがО脚/X脚の矯正には好ましく、その中でも両脚間のスペースが空きやすいふくらはぎ部において固定することで、外側から拘束し内側部を押圧する力を高めることが好ましい。
【0026】
また、第1の実施態様の外部固定具4Aは、ブーツカフ2a、2bとは別体のベルトであるが、外部固定具をブーツカフ等のカバー部に固着し、外部固定具とカバー部を一体構造としてもよい。
外部固定具とカバー部が別体である場合には、外部固定具により固定する位置を任意に選択することができるという利点がある。一方、外部固定具とカバー部が一体構造である場合には、カバー部を脚部に装着後にスムーズに両脚のカバー部を固定することができるという利点や、部品点数が少なく、本体を収納するときに一緒に簡易に片づけられるという利点等がある。
【0027】
図5は、上記の第1の実施態様における押圧部の脚部の概略断面図である。エアバッグ3e、3g(押圧部)のブーツカフ2a、2bの上から外部固定具4Aを装着し拘束することにより、エアバッグ3eの作用により両脚が内側方向に押される力が働いて近づくとともに、エアバッグ3e、3gの膨張により両脚表面への押圧力が高まる様子を表している。
【0028】
また、押圧部に外部固定具4Aを装着することにより、目標圧力への上昇時の応答時間が短くなるという好ましい副次効果が得られる。これは、外部固定具4Aを使用して周囲から拘束することにより、エアバッグ内のボリュームが少なくなる結果として膨張が抑制され圧縮空気の流量が削減されるためである。
【0029】
<脚部用マッサージ装置の使用方法>
次に、脚部用マッサージ装置1Aの使用方法について説明する。脚部用マッサージ装置1Aのブーツカフ2a、2bのファスナーを開いて左右の脚を入れ、できるだけ隙間を少なくフィットする様に脚の位置を調整した後にファスナーを閉じる。
各エアバッグ3a~3gは、エアー供給源に接続され、制御部に記憶されたプログラムによりエアバッグ毎にその圧力を増大又は減少させてマッサージ効果を発揮する。また、その圧力の大小や押圧時間も選択できるようになっている。
外部固定具4Aの固定位置と締め付け強さは、一旦巻き付けて仮止めした後に、操作部を操作して圧力の増大及び減少状態を確認し、被施療者にとって適当な圧力の強さになるように適宜調整する。
圧力の強さ、押圧時間、サイクル等を含め、適当な条件とプログラムを選択することで両脚部に適度なマッサージ効果と同時に下肢形態の改善のための繰り返し刺激が与えられる。
【0030】
[第2の実施態様]
図6は、第2の実施態様の脚部用マッサージ装置1Bの概略外観図である。この脚部用マッサージ装置1Bは、外部固定具4Bとブーツカフ2bが一体構造となっている。具体的には、布製帯状のベルトからなる外部固定具4Bが、ブーツカフ2b側に縫製により固着されており、両脚を固定する際には、ベルトをブーツカフ2a、2bの周囲に回し掛けて面ファスナー5により固定する。
【0031】
なお、上記において、少なくとも1ヵ所が押圧部において固定されていればよい。このため、外部固定具を2個以上使用して、2ヵ所以上のエアバッグ押圧部において固定してもよく、また1ヵ所は押圧部で他の箇所が押圧部以外の位置で固定されていてもよい。
【0032】
[第3の実施態様]
図7は、第3の実施態様の脚部用マッサージ装置1Cの概略説明図である。この脚部用マッサージ装置1Cでは、押圧部として、ふくらはぎ下部のアキレス腱を両側から挟むように押圧するアキレス腱押圧部(エアバッグ3d、3f)、ふくらはぎ上部の腓腹筋を両側から挟むように押圧する腓腹筋押圧部(エアバッグ3e、3g)を備え、外部固定具として、上記の2押圧部よりも上側の位置で両脚を固定する外部固定具4Ca、上記の2押圧部よりも下側の位置で両脚を固定する外部固定具4Cbを備える。
【0033】
図7に示すように、膝上と足首の2ヵ所にブーツカフの上から両足を束ねてそれぞれ外部固定具4Ca、4Cbを巻き付けることによって、両膝と両足首が密着するように固定されるため、エアバッグ3d~3gの膨張による膝下から足先の広がりが抑制され、O脚化やX脚化を抑制することができる。なお、第3の実施態様の外部固定具4Ca、4Cbにより固定される位置は、上記や図示した位置のみに限定されるものではなく、ふくらはぎの中間のエアバッグが無い部分や大腿部等に固定してもよい。被施療者がX脚の場合は、足首側が離れる傾向にあるため、足首を固定することが好ましい。
【実施例0034】
次に第1の実施態様の脚部用マッサージ装置1Aを用いた実施例を以下に示す。
図2における7個のエアバッグ3aから3gに対して順次空気を送給(加圧)し、一定時間の圧力保持後、空気の排出(減圧)を繰り返すことで、計15分間のマッサージを行った。その前後で直立状態の被験者の右足-左足間距離を、床上35cm(O脚が目立ち易い)位置において、ノギスで実測採寸した。
実施例では、
図4に示したように、外部固定具4Aをエアバッグ3e、3gの位置において装着した状態でマッサージを行った。比較例では、外部固定具4Aを装着しないで実施例と同様にマッサージを行った。
【0035】
【0036】
表1に示すように、実施例では被験者3名共に両脚間隔距離が減少し、平均で-8.0mmの効果が見られた。一方、比較例は平均で+0.2mmであった。
【0037】
なお、上述した実施態様はあくまで一例を示すものである。本発明に係る外部固定具を備えた脚部用マッサージ装置は、上述した実施態様に限られるものではなく、請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、上述した実施態様に係る外部固定具を備えた脚部用マッサージ装置を変形してもよい。
本発明の外部固定具を備えた脚部用マッサージ装置は、健康・美容の目的で、脚部を圧迫刺激して血流やリンパ液の流れを促進・改善し、疲労回復や筋肉のコリをほぐしてむくみ等を軽減しスリムにするためのマッサージを行うとともに、同時にО脚/X脚等の下肢の形態やバランスの改善施療の目的にも好適に利用可能である。