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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005478
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】ブローバイガス還流システム
(51)【国際特許分類】
   F01M 13/00 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
F01M13/00 G
F01M13/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105673
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣田 拓
(72)【発明者】
【氏名】木本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】吉川 太一
【テーマコード(参考)】
3G015
【Fターム(参考)】
3G015AA13
3G015BD06
3G015BD10
3G015BD12
3G015BD23
3G015BD28
3G015CA16
3G015DA04
3G015EA11
3G015EA32
3G015FC04
(57)【要約】
【課題】 検出可能な貫通孔の大きさを容易に調節可能にしたブローバイガス還流システムを提供する。
【解決手段】 ブローバイガス還流システム200であって、ブローバイガス通路37と、吸気管7と、管構造1と、管構造は、ブローバイガス通路と吸気管とを接続する内管部81と、内管部の外周に配置され内管部、ヘッドカバー、及び吸気管と協働して外周空間88を画定する外管部80とを有し、吸気管に設けられ外周空間と連通する接続ポート151、351と、吸気管の下流部21に接続された第1接続管73と、接続ポートに設けられ第1接続管に挿入される第2接続管160と、外周空間の圧力を検出する第1圧力センサ40と、吸気管の下流部の圧力を検出する第2圧力センサ25と、異常を判定する制御装置101とを有し、第2接続管は、第1接続管と接続ポートとを連通可能に連結させる連通孔167を有し、第1接続管は連通孔をシール可能なシール部170を有する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のブローバイガス還流システムであって、
ヘッドカバーに形成されたブローバイガス通路と、
吸気管と、
前記ブローバイガス通路と前記吸気管とを接続する管構造と、前記管構造は、前記ブローバイガス通路と前記吸気管とを接続する内管部と、前記内管部の外周に配置され前記内管部、前記ヘッドカバー、及び前記吸気管と協働して外周空間を画定する外管部とを有し、
前記外管部又は前記吸気管に設けられ、前記外周空間と連通する接続ポートと、
前記接続ポート及び前記吸気管の下流部の一方に接続された第1接続管と、
前記接続ポート及び前記吸気管の下流部の他方に設けられ前記第1接続管に挿入される第2接続管と、
前記外周空間の圧力を検出する第1圧力センサと、
前記吸気管の下流部の圧力を検出する第2圧力センサと、
前記外周空間の圧力と前記吸気管の下流部の圧力とに基づいて前記管構造の異常を判定する制御装置とを有し、
前記第2接続管は、前記第1接続管と前記接続ポートとを連通可能に連結させるように貫通した複数の連通孔を有し、
前記第1接続管は、複数の前記連通孔のいくつかをシール可能なシール部を有し、
前記シール部はシールする前記連通孔の個数を選択的に変更することができるブローバイガス還流システム。
【請求項2】
前記シール部は前記第2接続管の外周に配置され、
前記連通孔は、前記第2接続管の先端部に形成され前記第2接続管の長手方向に貫通する第1連通孔と、前記第2接続管の側部に形成され前記第2接続管の径方向に貫通する少なくとも1つの第2連通孔とを有し、
前記第2連通孔の少なくとも1つが前記シール部によってシールされている請求項1に記載のブローバイガス還流システム。
【請求項3】
前記シール部は、前記第1接続管の端部と、前記端部の内周に設けられたリングとを有し、
前記第2連通孔は前記リングによってシールされている請求項2に記載のブローバイガス還流システム。
【請求項4】
前記シール部は、前記端部の外周に設けられた環状のバンドを有し、
前記バンドは前記端部を前記第2接続管に対して締結している請求項3に記載のブローバイガス還流システム。
【請求項5】
前記シール部は、前記第1接続管の端部と、前記端部の外周に設けられた環状のバンドとを有し、
前記端部は可撓性を有し、
前記バンドは前記端部を前記第2接続管に対して締結し、
前記第2連通孔は前記端部によってシールされている請求項2に記載のブローバイガス還流システム。
【請求項6】
前記第2連通孔は、前記第2接続管の前記長手方向に沿って複数設けられている請求項4又は請求項5に記載のブローバイガス還流システム。
【請求項7】
前記第2連通孔は、前記第2接続管の前記径方向に沿って複数設けられている請求項6に記載のブローバイガス還流システム。
【請求項8】
前記吸気管は前記管構造と接続するフランジを有し、
前記接続ポートは前記フランジに形成され、
前記第1接続管は前記吸気管の下流部に接続され、
前記第2接続管は前記接続ポートに接続されている請求項7に記載のブローバイガス還流システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブローバイガス還流システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、気候変動の緩和又は影響軽減を目的とした取り組みが継続され、この実現に向けて有害物質の排出量低減に関する研究開発が行われている。特許文献1は、内燃機関のヘッドカバーに形成されたブローバイガス通路と吸気管とを接続する管構造を開示している。管構造は、ブローバイガス通路と吸気管とを接続する内管部と、内管部の外周に同軸に設けられた外管部とを有する。外管部は、ヘッドカバー及び吸気管に接続し、内管部との間に閉じられた外周空間を形成する。空間は接続管を介して吸気管の下流部に接続されている。これにより、外周空間は吸気管の下流部と同じ圧力になる。外管部又は内管部が破損した場合、又は外管部又は内管部がヘッドカバー又は吸気管から外れた場合には、外周空間の圧力が吸気管の下流部に対して変化する。そのため、外周空間の圧力に基づいて、管構造の異常を検出することができる。内管部に異常が生じる場合でも外管部が正常であればブローバイガスが外部に漏れることはない。また、外管部に異常が生じる場合でも内管部が正常であればブローバイガスが外部に漏れることはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6951492号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
内管部又は外管部に貫通孔が生じた場合、外周空間の圧力が変化するため、外周空間の圧力を監視することによって貫通孔を検出することができる。外周空間の圧力が吸気管の圧力から受ける影響は接続管の圧力損失によって変化する。そのため、検出可能な貫通孔の大きさを変更するためには、接続管を変更する必要がある。しかし、検出可能な貫通孔の大きさに応じて接続管を変更すると作業負荷及びコストが増大するという問題がある。
【0005】
本発明は、以上の背景を鑑み、検出可能な貫通孔の大きさを容易に調節可能にしたブローバイガス還流システムを提供することを課題とする。本発明に係るブローバイガス還流システムは、管構造の内部を流れる流体の漏出を抑制することによって、気候変動の緩和又は影響の軽減に寄与する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、内燃機関(2)のブローバイガス還流システム(200)であって、ヘッドカバー(5)に形成されたブローバイガス通路(37)と、吸気管(7)と、前記ブローバイガス通路と前記吸気管とを接続する管構造(1)と、前記管構造は、前記ブローバイガス通路と前記吸気管とを接続する内管部(81)と、前記内管部の外周に配置され前記内管部、前記ヘッドカバー、及び前記吸気管と協働して外周空間(88)を画定する外管部(80)とを有し、前記外管部又は前記吸気管に設けられ、前記外周空間と連通する接続ポート(151、351)と、前記接続ポート及び前記吸気管の下流部(21)の一方に接続された第1接続管(73)と、前記接続ポート及び前記吸気管の下流部の他方に設けられ前記第1接続管に挿入される第2接続管(160)と、前記外周空間の圧力を検出する第1圧力センサ(40)と、前記吸気管の下流部の圧力を検出する第2圧力センサ(25)と、前記外周空間の圧力と前記吸気管の下流部の圧力とに基づいて前記管構造の異常を判定する制御装置(101)とを有し、前記第2接続管は、前記第1接続管と前記接続ポートとを連通可能に連結させるように貫通した複数の連通孔(167)を有し、前記第1接続管は、複数の前記連通孔のいくつかをシール可能なシール部(170)を有し、前記シール部はシールする前記連通孔の個数を選択的に変更することができる。
【0007】
この態様によれば、シールする連通孔の数を変更することにより、第2接続管によって画定される流路の断面積を調節することができる。これにより外周空間と吸気管の下流部とを接続する流路における圧力損失を調節することができる。よって、検出可能な貫通孔の大きさを容易に調節可能にしたブローバイガス還流システムを提供することができる。
【0008】
上記の態様において、前記シール部は前記第2接続管の外周に配置され、前記連通孔は、前記第2接続管の先端部に形成され前記第2接続管の長手方向に貫通する第1連通孔(168)と、前記第2接続管の側部に形成され前記第2接続管の径方向に貫通する少なくとも1つの第2連通孔(169)とを有し、前記第2連通孔の少なくとも1つが前記シール部によってシールされているとよい。
【0009】
この態様によれば、シール部が第2接続管の外周に配置されているため、第1連通孔をシールすることなく第2連通孔をシールすることができる。よって、第1接続管と接続ポートとの連通を維持しつつ、第2接続管によって画定される流路の断面積を調節することができる。
【0010】
上記の態様において、前記シール部は、前記第1接続管の端部(74)と、前記端部の内周に設けられたリング(171)とを有し、前記第2連通孔は前記リングによってシールされているとよい。
【0011】
この態様によれば、第2連通孔を確実にシールすることができる。
【0012】
上記の態様において、前記シール部は、前記端部の外周に設けられた環状のバンド(172)を有し、前記バンドは前記端部を前記第2接続管に対して締結しているとよい。
【0013】
この態様によれば、第2連通孔をより確実にシールすることができる。
【0014】
上記の態様において、前記シール部は、前記第1接続管の端部と、前記端部の外周に設けられた環状のバンドとを有し、前記端部は可撓性を有し、前記バンドは前記端部を前記第2接続管に対して締結し、前記第2連通孔は前記端部によってシールされているとよい。
【0015】
この態様によれば、簡易な構成で第2連通孔をシールすることができる。
【0016】
上記の態様において、前記第2連通孔は、前記第2接続管の長手方向に沿って複数設けられているとよい。
【0017】
この態様によれば、第2接続管に形成される第2連通孔の数を増やすことができる。よって、断面積の大きさを段階的に調節することができる。
【0018】
上記の態様において、前記第2連通孔は、前記第2接続管の径方向に沿って複数設けられているとよい。
【0019】
この構成によれば、第2接続管に形成される第2連通孔の数を増やすことができる。よって、断面積の大きさを段階的に調節することができる。
【0020】
上記の態様において、前記吸気管は前記管構造と接続するフランジ(66)を有し、前記接続ポートは前記フランジに形成され、前記第1接続管は前記吸気管の下流部に接続され、前記第2接続管は前記接続ポートに接続されているとよい。
【0021】
この態様によれば、ブローバイガス還流システムにおいて、吸気管に第2接続管を設けることが容易になる。
【発明の効果】
【0022】
以上の構成によれば、検出可能な貫通孔の大きさを容易に調節可能にしたブローバイガス還流システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1実施形態に係るブローバイガス還流システムを適用した内燃機関を示す模式図
図2】管構造とヘッドカバー及び吸気管との位置関係を示す模式図
図3】管構造とヘッドカバー及び吸気管との接続を示す断面図
図4】管構造のIV-IV断面図
図5】管構造のV-V断面図
図6】管構造の正面図
図7】管構造を吸気管側から視た側面図
図8】管構造をヘッドカバー側から視た側面図
図9】内燃機関の故障判定装置を示すブロック図
図10】シール部及び第2接続管を示す図
図11】シール部及び第2接続管を示す図
図12】変形例に係るシール部及び第2接続管を示す図
図13】変形例に係るシール部及び第2接続管を示す図
図14】別の変形例に係る管構造及び第2接続管を示す図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明に係るブローバイガス還流システム200について説明する。図1に示すように、ブローバイガス還流システム200は、車両に搭載されたガソリンエンジンである内燃機関2に適用されている。
【0025】
内燃機関2は、シリンダ(不図示)が形成された内燃機関本体3と、吸気装置4とを有する。内燃機関本体3のシリンダにはピストン(不図示)が往復動可能に受容されている。内燃機関本体3の上部にはヘッドカバー5が形成されている。ヘッドカバー5は、燃焼室(不図示)を構成している。
【0026】
吸気装置4は、内燃機関本体3に吸気を供給するための装置である。吸気装置4は、内燃機関本体3に接続された吸気管7を有する。吸気管7の内側には、吸気通路10が形成されている。ヘッドカバー5と吸気通路10とは、管構造1及びPCVパイプ11によって接続されている。
【0027】
吸気通路10には、上流側から、エアクリーナー12、過給機であるターボチャージャー13のコンプレッサ14、インタークーラー15、及びスロットルバルブ16が順に設けられている。空気は、エアインレット(不図示)から吸い込まれ、エアクリーナー12で異物が除去された後、コンプレッサ14において加圧される。その後、空気は、インタークーラー15で冷却され、スロットルバルブ16において流量が調整され、燃焼室に供給される。また、スロットルバルブ16の下流側には、吸気マニホールド18が設けられている。以下、説明の便宜上、吸気通路10におけるコンプレッサ14より上流側の部分を吸気管上流部20(吸気管7の上流部)、コンプレッサ14より下流側の部分を吸気管下流部21(吸気管7の下流部)と記載する。
【0028】
ターボチャージャー13は、内燃機関2の熱効率を高めるための装置である。ターボチャージャー13は、排気通路(不図示)内に配置されたタービン(不図示)及びコンプレッサ14によって構成されている。
【0029】
コンプレッサ14は、外殻をなす中空のコンプレッサハウジング(不図示)と、コンプレッサハウジング内に回転可能に受容されたコンプレッサホイール(不図示)とを有する。コンプレッサハウジングは、コンプレッサ入口部22と、コンプレッサ出口部23とを有する。コンプレッサ入口部22は吸気通路10におけるエアクリーナー12の下流側に接続され、コンプレッサ出口部23は吸気通路10におけるインタークーラー15の上流側に接続されている。コンプレッサホイールは、タービンの回転と連動して回転する。コンプレッサホイールは、コンプレッサ入口部22からの空気を回転によって圧縮(加圧)し、圧縮した空気をコンプレッサ出口部23から吸気通路10に送り出す。
【0030】
インタークーラー15は、ターボチャージャー13によって圧縮された空気を冷却する装置である。インタークーラー15は、公知の空冷式インタークーラーや水冷式インタークーラーを含む。インタークーラー15で冷却された空気は、スロットルバルブ16の開閉によって流量が調整される。
【0031】
スロットルバルブ16は、アクセルペダル(不図示)に連動して回動し、吸気量を調整する。スロットルバルブ16は、吸気通路10内に設けられた短円筒形のスロットルボディ(不図示)内に取り付けられている。スロットルバルブ16は、例えば、ディスクが回転して開閉を行うバタフライバルブである。スロットルバルブ16は、ディスクの回転によって下流の吸気マニホールド18に送達される空気の流量を調整する。別の実施形態では、スロットルバルブ16は、ゲートバルブであっても良い。吸気管下流部21であって、スロットルバルブ16の下流側の部分には、吸気マニホールド18内の吸気圧を検出する第2圧力センサ25が設けられている。
【0032】
吸気マニホールド18は、内燃機関本体3のシリンダに空気を分配する装置である。吸気マニホールド18の所定の位置には、接続口26が形成されている。接続口26には、PCVパイプ11の一端が接続されている。
【0033】
PCVパイプ11は、吸気マニホールド18の接続口26と、ヘッドカバー5とを接続している。PCVパイプ11によって吸気マニホールド18と燃焼室とが連通されている。PCVパイプ11には、PCVバルブ27が設けられている。
【0034】
PCVバルブ27は、燃焼室からクランクケース(不図示)に漏れ出したブローバイガスを排出するチェックバルブである。PCVバルブ27は、内燃機関2の運転時に、吸気マニホールド18に生じた負圧によって開放される。これにより、クランクケース内のブローバイガスが吸気マニホールド18に吸引される。
【0035】
ヘッドカバー5(第1部材)は、ヘッドカバー本体部30と、ヘッドカバー本体部30に設けられたパイプ側接続部31及び第1接続部32とを有する。パイプ側接続部31には、PCVパイプ11の他端が接続されている。
【0036】
図1及び図3に示すように、第1接続部32は、ヘッドカバー本体部30と後述する管構造1とを接続している。第1接続部32は、ヘッドカバー本体部30に接続された第1壁33と、第1壁33から突出した第1外接続管34及び第1内接続管35とを有する。第1内接続管35は、第1外接続管34の内側に間隔をおいて配置されている。第1内接続管35の内周面は、ブローバイガス通路37(第1通路)を画定している。第1外接続管34の内周面、第1内接続管35の外周面及び第1壁33の外面は第1室39を画定している。第1室39には、第1室39の内部の圧力を検出する第1圧力センサ40が設けられている。第1外接続管34の外周面には、径方向外向きに延出する延出部41が形成されている。延出部41は、第1外接続管34の円周方向にわたって設けられている。延出部41は、外方を向く当接面42を有している。
【0037】
吸気管7(第2部材)における吸気管上流部20には、第2接続部62が形成されている。具体的には、第2接続部62は、エアインレットとターボチャージャー13との間の部分に対応する部分に形成されている。第2接続部62は、吸気管7と後述する管構造1とを接続している。第2接続部62は、吸気管7に接続された第2壁63と、第2壁63から突出した第2外接続管64及び第2内接続管65とを有する。また、第2接続部62には、ラジエータ(不図示)に接続された水配管71が設けられている。水配管71内には内燃機関2を冷却するためのエンジン冷却水が流れている。
【0038】
第2壁63は、吸気管7の外面に接続されたフランジ66を有する。フランジ66は、吸気管側面67と、吸気管側面67と相反する管構造側面68とを有する。フランジ66は、吸気管側面67において吸気管7の外面に当接し、管構造側面68において管構造1の端部と当接している。吸気管7の外面と吸気管側面67との間にはシールリング70が設けられている。シールリング70は、ブローバイガスの漏出を防止する。
【0039】
第2内接続管65は、第2外接続管64の内側に間隔をおいて配置されている。第2内接続管65の内周面には、第2内接続管65に沿って延びる円筒形の補強部材(不図示)が取り付けられていても良い。第2内接続管65の内周面は、吸気通路10の一部(第2通路)を画定している。
【0040】
第2通路は、吸気管上流部20であって、エアインレットとターボチャージャー13との間の部分に連通している。第2外接続管64の内周面、第2内接続管65の外周面及び第2壁63の外面は、第2室69を画定している。第2室69は、吸気管下流部21であって、スロットルバルブ16より下流側の部分と第1接続管73によって接続されている。
【0041】
図2に示すように、吸気管7の吸気管上流部20は、ヘッドカバー5に対して前方に設けられている。吸気管7は左右に延び、一端側においてエアクリーナー12に接続されている。吸気管7の他端側は、図示しないが下方に屈曲し、ターボチャージャー13に接続され、更に下流側に延びている。吸気管7とヘッドカバー5とは、管構造1によって接続されている。
【0042】
管構造1は、ヘッドカバー5と吸気管7との間に前後方向に延びている。図1及び図3に示すように、管構造1の一方の端部は、ヘッドカバー5の第1接続部32に接続されている。管構造1の他方の端部は、吸気管7の第2接続部62に接続されている。
【0043】
図3~5に示すように、管構造1は、二重管で構成されている。管構造1は、ヘッドカバー5の第1接続部32及び吸気管7の第2接続部62より軟らかい材料で形成されている。管構造1は、例えばゴムや樹脂等の可撓性を有する材料によって形成されている。管構造1は、外管部80と、内管部81とを有する。外管部80は、内管部81の外周に配置され、内管部81と間隔をおいて配置されている。外管部80の外周面の長手方向における中間部と、内管部81の内周面の長手方向における中間部とは、接続部82によって接続されている。接続部82は、外管部80及び内管部81と一体に形成されている。
【0044】
外管部80は、管構造1の一方の端部において、ヘッドカバー5(図1及び図2参照)を受容するヘッドカバー受容部83を内管部81とともに構成している。外管部80は、管構造1の他方の端部において、吸気管7を受容する吸気管受容部84を内管部81とともに構成している。ヘッドカバー受容部83は、外管部80の長手方向における中間部から外管部80の一方の端部に向けて開口している。吸気管受容部84は、外管部80の長手方向における中間部から外管部80の他方の端部に向けて開口している。
【0045】
外管部80の一方の端部には、ヘッドカバー5(図1及び図2参照)の第1外接続管34が嵌め入れられている。これにより、ヘッドカバー受容部83は第1外接続管34を受容している。第1外接続管34の外周面は、外管部80の内周面に接触している。第1外接続管34の端部及び内周面と管構造1との間には隙間が形成されている。外管部80の一方の端部は、延出部41の当接面42に当接している。
【0046】
外管部80の他方の端部には、吸気管7の第2外接続管64が嵌め入れられている。これにより、吸気管受容部84は第2外接続管64を受容している。第2外接続管64の内周面は、内管部81の外周面に接触している。第2外接続管64の外周面と外管部80との間には隙間が形成されている。
【0047】
内管部81は、ブローバイガス通路37と吸気管7とを接続している。すなわち、内管部81は、ブローバイガス通路37と吸気通路10とを連通させている。内管部81は、長手方向における一方の端部から他方の端部まで、直線状に延びている。
【0048】
内管部81の一方の端部には、ヘッドカバー5(図1及び図2参照)の第1内接続管35が嵌め入れられている。これにより、ヘッドカバー受容部83は第1内接続管35を受容している。内管部81の他方の端部には、吸気管7の第2内接続管65が嵌め入れられている。これにより、吸気管受容部84は第2内接続管65を受容している。このように、内管部81に第1内接続管35及び第2内接続管65が嵌め入れられることにより、内管部81は、ブローバイガス通路37と吸気通路10とを接続している。
【0049】
内管部81の一方の端部から他方の端部までの長さは、外管部80の一方の端部から他方の端部までの長さよりも長い。また、内管部81の一方の端部は、外管部80の一方の端部に対して突出している。内管部81の他方の端部は、外管部80の他方の端部に対して突出している。内管部81の他方の端部の外周面には、内管部81の長手方向に延びる複数の補強リブ86が設けられている。
【0050】
図7に示すように、複数の補強リブ86はそれぞれ、内管部81の外周面から径方向に突出するように設けられている。各補強リブ86は、周方向に隣り合う補強リブ86に対して、互いに等しい間隔をおいて配置されている。
【0051】
図4~8に示すように、接続部82は、管構造1の長手方向に延びている。接続部82には、内管部81の長手方向と平行に貫通する複数の第1通路孔87が形成されている。複数の第1通路孔87は、内管部81を中心として周方向に間隔をおいて配置されている。管構造1の他方側(すなわち、吸気管7側)からの側面視において、各第1通路孔87は、複数の補強リブ86と重ならない位置に配置されている。複数の第1通路孔87は、内管部81の長手方向に延びる中心軸について回転対称に配置されている。別の実施形態では、複数の第1通路孔87は、互いに等間隔に配置されていても良い。各第1通路孔87は、内管部81に延び、内管部81の両方の端面に開口している。これにより、複数の第1通路孔87は、図1に示すヘッドカバー5の第1室39と吸気管7の第2室69とを接続している。このように、ヘッドカバー5の第1室39、吸気管7の第2室69及び複数の第1通路孔87は図3に示す外周空間88を構成している。外周空間88は、外管部80、内管部81、ヘッドカバー5、及び吸気管7が協働することによって画定されている。
【0052】
したがって、上記のように第1室39に設けられた第1圧力センサ40は外周空間88内の圧力を検出する。また、上記のように第2室69に接続された第1接続管73は、外周空間88と吸気管下流部21とを接続する。
【0053】
図3に示すように、外管部80の両端部の外周面にはそれぞれ、リング状の金属シール90が取り付けられている。金属シール90は、外管部80の円周方向に沿って延びている。金属シール90は、外管部80を径方向中心に向けて締め付け、管構造1を第1外接続管34及び第2外接続管64に対して固定している。外管部80の両端部において、外周面には、金属シール90を所定の場所に取り付けるべくガイドするためのガイド機構91がそれぞれ設けられている。各ガイド機構91は、円周方向に延び、径方向外向きに突出する2つのリッジ92を含む。金属シール90は、2つのリッジ92の間に設けられる。2つのリッジ92の突出高さは、金属シール90の厚みよりも大きいと良い。管構造1の長手方向の中間部における管構造1の外径は、各端部における管構造1の外径のそれぞれより小さい。
【0054】
図3及び図10-11に示すように、フランジ66の内部には、フランジ第1流路150が画定されている。フランジ第1流路150は、一端において第2室69に接続されている。フランジ第1流路150の他端には、接続ポート151が形成されている。接続ポート151は、フランジ66の外面に開口しているとよい。フランジ第1流路150における中央部分には、フランジ第2流路152が接続されている。
【0055】
フランジ第2流路152は、フランジ第1流路150からフランジ66の吸気管側面67に延びている。フランジ第2流路152の端部は、吸気管側面67において開口している。吸気管7の外面と吸気管側面67との間にはシールリング153が設けられている。シールリング153は、フランジ第2流路152を外気に対してシールする。
【0056】
接続ポート151には第2接続管160が設けられている。第2接続管160は、接続ポート151及びフランジ第1流路150を介して第2室69と接続している。すなわち、接続ポート151はフランジ第1流路150を介して外周空間88と連通している。第2接続管160は接続ポート151及びフランジ第1流路150を介して外周空間88と接続している。第2接続管160は、金属等の剛性を有する材料によって形成されているとよい。第2接続管160には、複数の連通孔167が形成されている。
【0057】
複数の連通孔167は、第1連通孔168と、第2連通孔169とを含む。第1連通孔168は、第2接続管160の先端部に形成され第2接続管160の長手方向に貫通している。第2連通孔169は、第2接続管160の側部に形成され第2接続管160の径方向に貫通している。
【0058】
第2連通孔169は、第2接続管160の長手方向に沿って複数設けられているとよい。第2連通孔169は、第2接続管160の径方向に沿って複数設けられているとよい。第2連通孔169は、図示のように丸孔であってもよく、長手方向に延びる長孔であってもよい。複数の第2連通孔169は、互いに等しい大きさに形成されていてもよい。複数の第2連通孔169は、互いに異なる大きさに形成されていてもよい。第2接続管160は、第1接続管73に挿入されている。
【0059】
図1及び図3に示すように、第1接続管73は、一端側において第2接続管160を受容している。第1接続管73は、他端側において吸気管下流部21と接続している。これにより、第1接続管73は、第2接続管160と吸気管下流部21とを接続している。すなわち、第1接続管73は、外周空間88と吸気管下流部21とを接続している。
【0060】
図10-11に示すように、第1接続管73は、その一端側にシール部170を有している。シール部170は、第1接続管73の一端側の端部74と、端部74の内周に設けられたリング171と、端部74の外周に設けられたバンド172とによって構成されている。第1接続管73の端部74は少なくとも、可撓性を有する材料によって形成されている。端部74は、例えばゴムによって形成されているとよい。
【0061】
リング171は、環状に形成されている。リング171は、ゴム等の弾性変形可能な材料によって形成されているとよい。リング171は、端部74と別体に設けられていてもよく、一体に形成されていてもよい。リング171には、第2接続管160が挿通されている。これにより、第2接続管160の外周にシール部170が配置される。リング171に第2接続管160が挿通されることにより、複数の第2連通孔169がリング171によってシールされる。
【0062】
図10では、第2連通孔169の一部がシールされている。図11では、図10より多くの第2連通孔169がシールされている。本実施形態では、図示のように、リング171の大きさを調節することにより、シールする第2連通孔169の数を変更することができる。また、シールする第2連通孔169の数は、端部74に対するリング171の取り付け位置を第1接続管73の延びる方向に沿って調節することによって変更されてもよい。図示しないが、第2連通孔169は、そのすべてがシールされてもよく、シールされていなくてもよい。
【0063】
バンド172は、環状に形成され、第1接続管73の円周方向に沿って延びている。バンド172は、第1接続管73の端部74を径方向中心に向けて締め付けている。すなわち、バンド172は端部74を第2接続管160に対して締結している。これにより、第2連通孔169がシールされている。バンド172は、第1接続管73の長手方向において、リング171と対応する位置に設けられているとよい。
【0064】
上記のように、第2接続管160は第1接続管73に挿入され、第2接続管160に複数の連通孔167が形成されている。第2接続管160に形成された複数の連通孔167により、第1接続管73と第2接続管160とは連通可能になっている。すなわち、第2接続管160に形成された複数の連通孔167により、外周空間88と吸気管下流部21とは連通可能になっている。
【0065】
図12及び図13に示すように、シール部170の変形例として、リング171が省略されていてもよい。すなわち、シール部170は、第1接続管73の一端側の端部74と、端部74の外周に設けられたバンド172とによって構成されていてもよい。バンド172は、端部74を第2接続管160に対して締結している。これにより、第2連通孔169は端部74によってシールされている。この変形例では、バンド172の締結位置を第2接続管160の延びる方向に沿って変位させることにより、シールする第2連通孔169の数を変更することができる。
【0066】
次に、図1及び図9を参照して、上記の管構造1の異常判定装置100について説明する。本実施形態に係る内燃機関2が搭載された車両は、内燃機関2を制御する制御装置101と、大気圧を検出する大気圧センサ102と、車内に報知を行うための警報器103とを備えている。制御装置101、大気圧センサ102及び警報器103は、第1圧力センサ40及び第2圧力センサ25とともに管構造1の異常判定装置100を構成している。
【0067】
制御装置101は、第1圧力センサ40、第2圧力センサ25及び大気圧センサ102によって検出された圧力の値を取得する。制御装置101は、取得した圧力の値に基づいて、管構造1が異常であるか否かを判定する。管構造1が異常であると判定した場合には、制御装置101は、管構造1の異常を示す信号を警報器103に送信する。制御装置101からの信号を受信すると、警報器103は、管構造1の異常を示す警報を発生させる。すなわち、警報器103は、管構造1の異常を車両のドライバーに対して報知する。ここでは、管構造1の異常とは、管構造1の破損及び破断や、管構造1の少なくとも一部がヘッドカバー5又は吸気管7から外れていることを指す。
【0068】
次に、管構造1の異常を判定する方法の一例を説明する。以下では、第1圧力センサ40によって検出された圧力の値をP1、第2圧力センサ25によって検出された圧力の値をP2、大気圧センサ102によって検出された圧力の値をP3と定義する。
【0069】
例えば、制御装置101は、第1圧力センサ40によって検出された圧力P1と、第2圧力センサ25によって検出された圧力P2とを比較する。制御装置101は、圧力P1と圧力P2との値の差が所定の閾値a以下であるときに、管構造1が異常でないと判定する。この場合、管構造1は破損あるいは破断しておらず、ヘッドカバー5及び吸気管7に対して正常に取り付けられている。
【0070】
また、制御装置101は、大気圧センサ102によって検出された圧力P3と、圧力P1とを比較する。制御装置101は、圧力P1と圧力P3との値の差が所定の閾値b以下であるときに、管構造1が異常であると判定しても良い。この場合、第1室39内の圧力が大気圧と近い値を有していることから、外管部80に異常が発生していることが考えられる。
【0071】
また、制御装置101は、圧力P1が圧力P2よりも所定の閾値c以上大きい値を有しているときに、管構造1が破損していると判定しても良い。この他、制御装置101は、公知の判定方法を用いて管構造1の異常を判定しても良い。
【0072】
次に、本実施形態に係る管構造1を有する内燃機関2の効果について説明する。図3及び図10-11に示すように、ブローバイガス還流システム200は、ヘッドカバー5に形成されたブローバイガス通路37と、吸気管7と、ブローバイガス通路37と吸気管7とを接続する内管部81を有する管構造1とを有している。管構造1は、内管部81の外周に配置され内管部81、ヘッドカバー5、及び吸気管7と協働して外周空間88を画定する外管部80を有している。吸気管7のフランジ66には外周空間88と連通する接続ポート151が設けられている。接続ポート151には第2接続管160が設けられている。吸気管下流部21には第1接続管73が設けられている。第2接続管160は第1接続管73に挿入されている。
【0073】
この構成によれば、外周空間88と吸気管下流部21とが、接続ポート151、第2接続管160、及び第1接続管73を介して接続される。
【0074】
また、第2接続管160は複数の連通孔167を有している。複数の連通孔167は、第1接続管73と接続ポート151とを連通可能に連結させている。第1接続管73は複数の連通孔167のいくつかをシール可能なシール部170を有している。これにより、第2接続管160によって画定される流路の断面積を小さくすることができる。
【0075】
また、シール部170は、その位置や大きさを変更することにより、シールする連通孔167の個数を選択的に変更することができる。これにより、第2接続管160によって画定される流路の断面積の大きさを調節することができる。
【0076】
また、図9に示す制御装置101は、第1圧力センサ40の検出した圧力P1と第2圧力センサ25の検出した圧力P2とに基づいて、管構造1の異常を検出する。
【0077】
例えば、管構造1が破損して外管部80に所定以上の大きさの貫通孔が生じた場合には、圧力P1と圧力P2との差は所定の時間以内に所定の閾値aに達する。これにより、管構造1の異常が検出される。圧力P1と圧力P2との差は、外管部80に生じた貫通孔から流出する流体の量と、吸気管下流部21から第1接続管73を介して外周空間88に供給される流体の量とによって決まる。したがって、外周空間88と吸気管下流部21とを接続する流路の断面積を変更することにより、制御装置101が検出可能な貫通孔の大きさのレベルを変更することができる。
【0078】
具体的には、第2接続管160によって画定される流路の断面積を小さくすることにより、制御装置101は、より小さい貫通孔を検出することができる。また、第2接続管160によって画定される流路の断面積を大きくすることにより、所定のレベルより小さい貫通孔が管構造1に生じた場合には、管構造1の異常が検出されないようにすることができる。
【0079】
本実施形態では、シール部170は第2連通孔169のいくつかをシールしている。このため、シール部170の位置や大きさを変更することにより、第2接続管160によって画定される流路の断面積を調節することができる。これにより、制御装置101が検出可能な管構造1の貫通孔の大きさのレベルを調節することができる。よって、検出可能な貫通孔の大きさを容易に調節可能にしたブローバイガス還流システム200を提供することができる。このようなブローバイガス還流システム200を提供することにより、流路の断面積を調節するために第1接続管73全体を別の接続管に変更する場合と比較して、作業負荷及びコストを低減することができる。
【0080】
図3及び図10-11に示すように、シール部170は第2接続管160の外周に配置されている。複数の連通孔167は、第1連通孔168と、少なくとも1つの第2連通孔169とを有している。第1連通孔168は、第2接続管160の先端部に形成され第2接続管160の長手方向に貫通している。第2連通孔169は、第2接続管160の側部に形成され第2接続管160の径方向に貫通している。第2連通孔169の少なくとも1つは、シール部170によってシールされている。
【0081】
この構成によれば、シール部170が第2接続管160の外周に配置されているため、第1連通孔168をシールすることなく第2連通孔169をシールすることができる。よって、第1接続管73と接続ポート151との連通を維持しつつ、第2接続管160によって画定される流路の断面積を調節することができる。
【0082】
シール部170は、第1接続管73の端部74と、端部74の内周に設けられたリング171とを有している。第2連通孔169はリング171によってシールされている。この構成によれば、リング171によって第2連通孔169を確実にシールすることができる。
【0083】
シール部170は、端部74の外周に設けられた環状のバンド172を有している。バンド172は端部74を第2接続管160に対して締結している。この構成によれば、バンド172を締め付けることにより、第2連通孔169を確実にシールすることができる。また、バンド172は第1接続管73の外周に設けられているため、シール作業を容易に行うことができる。
【0084】
シール部170は、第1接続管73の端部74と、端部74の外周に設けられた環状のバンド172とを有している。端部74は可撓性を有し、バンド172は端部74を第2接続管160に対して締結し、第2連通孔169は端部74によってシールされている。この構成によれば、簡易な構成で第2連通孔169をシールすることができる。
【0085】
第2連通孔169は、第2接続管160の長手方向に沿って複数設けられている。この構成によれば、第2接続管160に形成される第2連通孔169の数を増やすことができる。よって、シール部170がシール可能な第2連通孔169の数を増やすことができる。よって、第2接続管160によって画定される流路の断面積の大きさを段階的に調節することができる。また、シール部170の大きさや位置を第2接続管160の長手方向において変更することによって、シールする第2連通孔169の数を容易に調節することができる。
【0086】
第2連通孔169は、第2接続管160の径方向に沿って複数設けられている。この構成によれば、第2接続管160に形成される第2連通孔169の数を増やすことができる。よって、シール部170がシール可能な第2連通孔169の数を増やすことができる。よって、第2接続管160によって画定される流路の断面積の大きさを段階的に調節することができる。
【0087】
図3に示すように、吸気管7は管構造1と接続するフランジ66を有している。接続ポート151はフランジ66に形成され、第1接続管73は吸気管下流部21に接続され、第2接続管160は接続ポート151に接続されている。この構成によれば、第2接続管160を、フランジ66に接続することができる。よって、ブローバイガス還流システム200において、吸気管7に第2接続管160を設けることが容易になる。
【0088】
フランジ66には、フランジ第1流路150に接続されたフランジ第2流路152が形成されている。フランジ第2流路152の一端部は、吸気管側面67において開口している。これにより、フランジ66が吸気管7の外面から外れたときにも、圧力P1と圧力P2とに基づいて管構造1の異常を検出することができる。
【0089】
また、別の変形例として、図14に示すように、第2接続管160は管構造1に接続されていてもよい。この変形例では、管構造1は金属によって形成されているとよい。外管部80には、外管流路350が画定されている。外管流路350は、一端において第1通路孔87に接続されている。外管流路350の他端には、接続ポート351が形成されている。接続ポート351は、外管部80の外面に開口しているとよい。
【0090】
接続ポート351には第2接続管160が設けられている。第2接続管160は、外管部80と別個に形成されていてもよく、外管部80と一体に形成されていてもよい。本実施形態では、第2接続管160は、金属によって形成されているとよい。第2接続管160は、接続ポート351及び外管流路350を介して外周空間88と接続している。第2接続管160は、第1接続管73に挿入されている。
【0091】
この構成によれば、第2接続管160を管構造1に設けることができる。また、外周空間88と第2接続管160とを接続する流路である外管流路350を容易に形成することができる。
【0092】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。上記実施形態では、第2接続管160は第1接続管73に挿入されているが、第1接続管73が第2接続管160に挿入されていても良い。上記実施形態ではシール部170はバンド172を有していたが、バンド172は省略されても良い。上記実施形態では第1圧力センサ40は第1室39に設けられているが、第1圧力センサ40は第2室69に設けられていても良い。
【符号の説明】
【0093】
1 : 管構造
2 :内燃機関
5 :ヘッドカバー
7 :吸気管
21 :吸気管下流部(吸気管の下流部)
25 :第2圧力センサ
37 :ブローバイガス通路(第1通路)
40 :第1圧力センサ
66 :フランジ
73 :第1接続管
74 :端部
80 :外管部
81 :内管部
88 :外周空間
101 :制御装置
151 :接続ポート
160 :第2接続管
167 :連通孔
168 :第1連通孔
169 :第2連通孔
170 :シール部
171 :リング
172 :バンド
200 :第1実施形態に係るブローバイガス還流システム
351 :接続ポート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14