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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054794
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】搬送ロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/06 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
B25J9/06 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161274
(22)【出願日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100212026
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真生
(72)【発明者】
【氏名】田代 晃浩
(72)【発明者】
【氏名】土谷 恭平
(72)【発明者】
【氏名】趙 成弼
(72)【発明者】
【氏名】平田 育郎
(72)【発明者】
【氏名】米原 敬祐
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707BS15
3C707CV07
3C707CW07
3C707DS01
3C707ES17
3C707HS26
3C707HS27
3C707HT02
3C707HT20
3C707HT21
3C707HT22
3C707HT36
3C707KS04
3C707KT01
3C707KX07
3C707LV05
(57)【要約】
【課題】作業精度の向上を図る。
【解決手段】本開示の一側面に係る搬送ロボットは、鉛直な第1軸線まわりに回転するように設けられ、第1軸線から遠ざかる方向に延びている第1アームと、鉛直な第2軸線まわりに回転するように第1アームに設けられ、第2軸線から遠ざかる方向に延びている第2アームと、鉛直な第3軸線まわりに回転するように第2アームに接続され、ワークを保持するワーク保持部を支持するように構成されたアーム先端部と、第3軸線から遠ざかるようにアーム先端部に延びる方向と、第3軸線との双方に交差する第1姿勢調節軸線まわりにワークを回転させるように構成された姿勢調節部と、を備える搬送ロボット。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直な第1軸線まわりに回転するように設けられ、前記第1軸線から遠ざかる方向に延びている第1アームと、
鉛直な第2軸線まわりに回転するように前記第1アームに設けられ、前記第2軸線から遠ざかる方向に延びている第2アームと、
鉛直な第3軸線まわりに回転するように前記第2アームに接続され、ワークを保持するワーク保持部を支持するように構成されたアーム先端部と、
前記第3軸線から遠ざかるように前記アーム先端部に延びる方向と、前記第3軸線との双方に交差する第1姿勢調節軸線まわりに前記ワークを回転させるように構成された姿勢調節部と、を備える搬送ロボット。
【請求項2】
前記姿勢調節部による前記第1姿勢調節軸線まわりの前記ワークの可動範囲は、±30°以内である、請求項1に記載の搬送ロボット。
【請求項3】
前記姿勢調節部は、前記第1姿勢調節軸線と前記第3軸線との双方に交差する第2姿勢調節軸線まわりに前記ワークを更に回転させるように構成されている、請求項1又は2に記載の搬送ロボット。
【請求項4】
前記姿勢調節部による前記第2姿勢調節軸線まわりの前記ワークの可動範囲は、±30°以内である、請求項3に記載の搬送ロボット。
【請求項5】
前記姿勢調節部は、前記第2アームと前記アーム先端部との間に設けられており、
前記姿勢調節部は、第4軸線まわりに前記アーム先端部を回転させる第1調節部と、第5軸線まわりに前記アーム先端部を回転させる第2調節部と、を有し、
前記第4軸線及び前記第5軸線は、前記第3軸線に交差する同一平面に含まれ、交点を有するように交差している、請求項3に記載の搬送ロボット。
【請求項6】
前記第4軸線と前記第2姿勢調節軸線とのなす角は、0°よりも大きく、且つ90°よりも小さく、
前記第5軸線と前記第2姿勢調節軸線とのなす角は、-90°よりも大きく、且つ0°よりも小さい、請求項5に記載の搬送ロボット。
【請求項7】
前記第4軸線は、前記第1姿勢調節軸線に相当し、
前記第5軸線は、前記第2姿勢調節軸線に相当する、請求項5に記載の搬送ロボット。
【請求項8】
所定位置に固定された基部を更に備え、
前記第1アームの基端部は、前記基部に設けられており、
前記姿勢調節部は、前記第2アームと前記アーム先端部との間に設けられており、
前記アーム先端部は、前記姿勢調節部に接続された昇降ベース部と、前記ワーク保持部を支持し、前記昇降ベース部が延びる方向に沿って移動するように前記昇降ベース部に設けられた可動部と、前記昇降ベース部が延びる方向に沿って前記可動部を駆動する直動駆動部と、を含む、請求項1又は2に記載の搬送ロボット。
【請求項9】
前記可動部は、前記ワーク保持部が前記アーム先端部の側方に配置されるように、前記ワーク保持部を支持可能である、請求項8に記載の搬送ロボット。
【請求項10】
前記昇降ベース部は、前記第3軸線とは離れた位置に配置された状態で、前記姿勢調節部を介して前記第2アームに接続されている、請求項9に記載の搬送ロボット。
【請求項11】
前記第1姿勢調節軸線まわりに前記ワークの自重に抗する補正力を発生させるバランサ部材を更に備える、請求項1又は2に記載の搬送ロボット。
【請求項12】
前記バランサ部材は、前記第3軸線が延びる方向から見た場合に、前記第3軸線を通る仮想ライン上において、前記バランサ部材、前記第1姿勢調節軸線、及び、前記ワーク保持部が、この順に並ぶように配置される、請求項11に記載の搬送ロボット。
【請求項13】
前記姿勢調節部は、前記第3軸線が延びる方向において、前記第1アームとは異なる高さに配置されている、請求項1又は2に記載の搬送ロボット。
【請求項14】
前記第2アームの基端部が、前記第1アームの先端部の上に設けられており、
前記姿勢調節部は、前記第2アームの上に設けられている、請求項13に記載の搬送ロボット。
【請求項15】
所定位置に固定された基部を更に備え、
前記第1アームの基端部は、前記基部に設けられており、
前記姿勢調節部は、前記第2アームと前記アーム先端部との間に設けられており、
前記アーム先端部は、前記姿勢調節部に接続された昇降ベース部と、前記ワーク保持部を支持し、前記昇降ベース部が延びる方向に沿って移動するように前記昇降ベース部に設けられた可動部と、前記昇降ベース部が延びる方向に沿って前記可動部を駆動する直動駆動部と、を含み、
前記昇降ベース部は、前記第3軸線とは離れた位置に配置された状態で、前記姿勢調節部を介して前記第2アームに接続されており、
前記第3軸線が延びる方向において、前記昇降ベース部の少なくとも一部は、前記第1アームの少なくとも一部及び前記第2アームの少なくとも一部と同じ高さに位置する、請求項14に記載の搬送ロボット。
【請求項16】
前記ワーク保持部を更に備え、
前記ワーク保持部は、前記第3軸線とは離れた位置において前記ワークを下方から支持するように構成されている、請求項1又は2に記載の搬送ロボット。
【請求項17】
前記ワーク保持部を更に備え、
可搬重量が300kg以上である、請求項1又は2に記載の搬送ロボット。
【請求項18】
前記ワーク保持部を更に備え、
前記ワークは、電気自動車の走行用のバッテリーモジュールを含む、請求項1又は2に記載の搬送ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ワークの保持、搬送、組立て、及び、検査等の作業で用いられる水平多関節ロボットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-163516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、作業精度の向上に有用な搬送ロボットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る搬送ロボットは、鉛直な第1軸線まわりに回転するように設けられ、第1軸線から遠ざかる方向に延びている第1アームと、鉛直な第2軸線まわりに回転するように第1アームに設けられ、第2軸線から遠ざかる方向に延びている第2アームと、鉛直な第3軸線まわりに回転するように第2アームに接続され、ワークを保持するワーク保持部を支持するように構成されたアーム先端部と、第3軸線から遠ざかるようにアーム先端部に延びる方向と、第3軸線との双方に交差する第1姿勢調節軸線まわりにワークを回転させるように構成された姿勢調節部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、作業精度の向上に有用な搬送ロボットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、搬送ロボットの一例を模式的に示す斜視図である。
図2図2(a)は、搬送ロボットの一例を模式的に示す上面図である。図2(b)は、搬送ロボットの一例を模式的に示す側面図である。
図3図3(a)及び図3(b)は、姿勢調節部及びその周囲の部材の一例を模式的に示す斜視図である。
図4図4(a)は、姿勢調節部及びその周囲の部材の一例を模式的に示す上面図である。図4(b)は、姿勢調節部による調節の一例を説明するための模式図である。
図5図5(a)は、搬送ロボットの一例を模式的に示す上面図である。図5(b)は、姿勢調節部による調節の一例を説明するための模式図である。
図6図6(a)及び図6(b)は、姿勢調節部及びその周囲の部材の一例を模式的に示す斜視図である。
図7図7(a)は、姿勢調節部及びその周囲の部材の一例を模式的に示す上面図である。図7(b)は、バランサ部材の機能の一例を説明するための模式図である。
図8図8は、搬送ロボットの一例を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照しつつ説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下に示す実施形態では、「平行」、「直交」、「水平」あるいは「鉛直」といった表現を用いるが、厳密にこれらの状態を満たすことを要しない。すなわち、上記した各表現は、製造精度、設置精度、処理精度、検出精度、又は機械構造物の変形などによるずれを許容するものとする。
【0009】
図1は、搬送ロボットの構成を例示する斜視図である。図2(a)は、搬送ロボットの構成を例示する上面図(平面図)であり、図2(b)は、搬送ロボットの構成を例示する側面図である。図1に示される搬送ロボット1は、搬送対象物(以下、「ワークW」という。)を搬送する装置である。搬送ロボット1は、ワークWの搬送を含む作業の少なくとも一部を自動的に実行する。搬送ロボット1は、他のロボット等の装置又は作業員と協働して、ワークWに対する作業の少なくとも一部を実行してもよい。搬送ロボット1にはコントローラが接続されており、搬送ロボット1は、例えば、コントローラによって、ワークWを受け取って目標位置までワークWを搬送するように制御される。
【0010】
搬送ロボット1による搬送対象のワークWの種類は、特に限定されない。ワークWの重量は、300kg以上、450kg以上、又は、600kg以上であってもよい。すなわち、搬送ロボット1の可搬重量が、300kg以上、450kg以上、又は、600kg以上であってもよい。ワークWは、電気自動車の走行用のバッテリーモジュールを含んでもよい。ワークWは、単体のバッテリーモジュールであってもよく、1つにまとめて搬送される複数のバッテリーモジュールであってもよい。また、ワークWは、複数のバッテリーモジュールを一体化したバッテリーユニットであってもよい。搬送ロボット1は、複数のセルが上下に並ぶ棚にワークWを搬送(移載)してもよく、ワークWを取り付ける他のワークにおける取付位置まで、下方からワークWを持ち上げて搬送してもよい。
【0011】
搬送ロボット1は、ワークWを保持して、ワークWを搬送する。一例では、搬送ロボット1は、ワークWを下方から支持した状態で、水平面におけるワークWの位置、及び、ワークWの姿勢を変更するように構成されている。搬送ロボット1は、鉛直方向においてもワークWの位置(高さ位置)を変更可能であってもよい。図1に示されるように、搬送ロボット1は、例えば、基部10と、第1アーム20と、第2アーム30と、アーム先端部70と、ワーク保持部80と、姿勢調節部40と、を備える。
【0012】
基部10は、所定位置に固定されたベース部分である。基部10は、搬送ロボット1に含まれるアーム等の他の部材を支持する。基部10は、例えば、床面又は壁面に固定されている。基部10が床面等の所定位置に固定されることで、ワークWに対する作業を行う領域において搬送ロボット1が固定される。基部10が床面に固定される場合において、床面は水平であってもよい(鉛直方向に対して直交していてもよい)。
【0013】
第1アーム20は、鉛直な第1軸線Ax1まわりに回転するように設けられる。第1軸線Ax1は、鉛直方向(上下方向)に延びる軸線であり、第1アーム20は、第1軸線Ax1まわりに回転可能である。第1アーム20の基端部22が、基部10に設けられてもよい(例えば、基部10の上に取り付けられてもよい)。第1アーム20は、第1軸線Ax1から遠ざかる方向に延びている。第1アーム20は、例えば、水平なラインに沿って、第1軸線Ax1から遠ざかる方向に延びている。第1軸線Ax1は、基部10及び基端部22を通るように設定されてもよい。
【0014】
第2アーム30は、鉛直な第2軸線Ax2まわりに回転するように第1アーム20に設けられる。第2アーム30は、第1アーム20のうちの先端部24寄りの部分に設けられてもよく、例えば、第1アーム20の先端部24に設けられる。第2軸線Ax2は、鉛直方向に延びる軸線であり、第2アーム30は、第1アーム20に対して第2軸線Ax2まわりに回転可能である。第2アーム30の基端部32が、第1アーム20の先端部24の上に取り付けられてもよい。第2アーム30は、第2軸線Ax2から遠ざかる方向に延びている。第2アーム30は、例えば、水平なラインに沿って、第2軸線Ax2から遠ざかる方向に延びている。第2軸線Ax2は、第1アーム20の先端部24と基端部32とを通るように設定されてもよい。
【0015】
アーム先端部70は、ワーク保持部80を支持するように構成されている。アーム先端部70は、鉛直な第3軸線Ax3まわりに回転するように第2アーム30に接続されている。第3軸線Ax3は、鉛直方向に延びる軸線であり、アーム先端部70は、第2アーム30に対して第3軸線Ax3まわりに回転可能である。アーム先端部70は、第2アーム30のうちの先端部34寄りに配置されてもよく、例えば、第2アーム30の先端部34に接続される。アーム先端部70は、姿勢調節部40を介して第2アーム30の先端部34に接続されてもよい。第3軸線Ax3は、アーム先端部70を通らずに、第2アーム30の先端部34及び姿勢調節部40を通るように設定されてもよい。アーム先端部70は、第3軸線Ax3から離れた位置に配置されてもよい。
【0016】
アーム先端部70は、図2(a)及び図2(b)に示されるように、例えば、昇降ベース部72と、可動部74とを含む。昇降ベース部72は、姿勢調節部40に接続(支持)されている部分である。昇降ベース部72は、第2アーム30の延在方向に交差する方向に延びるように形成されている。第2アーム30の延在方向は、第2軸線Ax2と第3軸線Ax3を最短距離で結ぶ線分が延びる方向で定義される。後述するように、姿勢調節部40によってアーム先端部70の姿勢も変化する。そのため、昇降ベース部72が延びる方向(昇降ベース部72の延在方向)は、鉛直方向に略一致する場合もあり、鉛直方向に対して傾く場合もある。
【0017】
昇降ベース部72の延在方向が鉛直方向に対して傾く場合、昇降ベース部72の延在方向と鉛直方向とのなす角は、30°以下、20°以下、15°以下、又は10°以下である。姿勢調節部40によるアーム先端部70の姿勢の調節が行われておらず、且つワーク保持部80がワークWを保持していない状態(以下、「基準状態」という。)において、昇降ベース部72の延在方向が鉛直であってもよい。基準状態において、上方から見て、第2アーム30の延在方向に沿うライン上に、昇降ベース部72の中心が位置してもよい。基準状態からアーム先端部70が第3軸線Ax3まわりに回転した場合には、上方から見て、第3軸線Ax3から昇降ベース部72の中心に向かって延びるラインが、第2アーム30の延在方向に沿うラインに対して交差してもよい。
【0018】
昇降ベース部72の最上位置(最も上方に位置する箇所)の高さは、第2アーム30の最上位置よりも高くてもよい。昇降ベース部72の最下位置(最も下方に位置する箇所)の高さは、第2アーム30の最下位置よりも低くてもよい。昇降ベース部72の最下位置の高さは、第1アーム20の最下位置よりも低くてもよい。本開示において、「高さ」は、鉛直方向における位置(高さ位置)を意味する。鉛直方向において、昇降ベース部72の少なくとも一部は、第2アーム30の少なくとも一部と同じ高さに位置し、第1アーム20の少なくとも一部と同じ高さに位置してもよい。昇降ベース部72と他の部材との高さ関係は、昇降ベース部72の延在方向が鉛直方向に略一致するようにアーム先端部70が配置された状態で規定される。
【0019】
昇降ベース部72は、第2アーム30の先端部34の側方(周囲)に配置されていてもよい。この場合、平面視(上方から見ること)において、昇降ベース部72と先端部34とは重なっておらず、先端部34の少なくとも一部と、昇降ベース部72の少なくとも一部とが、互いに同じ高さに位置する。可動部74は、ワーク保持部80を支持する部分である。可動部74は、例えば、ワーク保持部80がアーム先端部70の側方に配置されるように、ワーク保持部80を支持する。可動部74は、昇降ベース部72が延びる方向に沿って移動するように昇降ベース部72に設けられている。可動部74は、昇降ベース部72の延在方向に沿って移動可能である。
【0020】
搬送ロボット1は、第1アクチュエータ18を備える。第1アクチュエータ18は、例えば、基部10に配置されており、基部10に対して第1軸線Ax1まわりに第1アーム20を回転させる。第1アクチュエータ18は、モータと減速機とを有する。なお、第1アクチュエータ18の配置位置は基部10に限られず、第1軸線Ax1まわりに第1アーム20を回転させ得る限り搬送ロボット1のいかなる部位に配置されてもよい。第1アクチュエータ18は、例えば第1アーム20に配置されてもよい。第1アクチュエータ18は、ギヤ、及びベルト等の伝達部材を含んでもよい。
【0021】
搬送ロボット1は、第2アクチュエータ28を備える。第2アクチュエータ28は、例えば、第1アーム20に配置されており、第1アーム20に対して第2軸線Ax2まわりに第2アーム30を回転させる。第2アクチュエータ28は、モータと減速機とを有する。なお、第2アクチュエータ28の配置位置は第1アーム20に限られず、第2軸線Ax2まわりに第2アーム30を回転させ得る限り搬送ロボット1のいかなる部位に配置されてもよい。第2アクチュエータ28は、例えば第2アーム30に配置されてもよい。第2アクチュエータ28は、ギヤ、及びベルト等の伝達部材を含んでもよい。
【0022】
搬送ロボット1は、第3アクチュエータ38を備える。第3アクチュエータ38は、例えば、第2アーム30に配置されており、第2アーム30に対して第3軸線Ax3まわりに姿勢調節部40(姿勢調節部40、アーム先端部70、及びワーク保持部80)を回転させる。第3アクチュエータ38は、モータと減速機とを有する。なお、第3アクチュエータ38の配置位置は第2アーム30に限られず、第3軸線Ax3まわりに姿勢調節部40を回転させ得る限り搬送ロボット1のいかなる部位に配置されてもよい。第3アクチュエータ38は、例えば姿勢調節部40に配置されてもよい。第3アクチュエータ38は、ギヤ、及びベルト等の伝達部材を含んでもよい。
【0023】
アーム先端部70は、直動駆動部78を有する。直動駆動部78は、昇降ベース部72に配置されており、昇降ベース部72が延びる方向に沿って可動部74を駆動する機構である。直動駆動部78は、例えば、リニアアクチュエータであり、ボールねじ、ラックアンドピニオン、又は、リニアモータを含む。可動部74が直動駆動部78により駆動されることで、ワーク保持部80(ワーク保持部80に保持されたワークW)が、昇降ベース部72の延在方向に沿って移動する。なお、本開示において、昇降ベース部72の延在方向に沿った移動を「昇降」と称する場合がある。
【0024】
ワーク保持部80は、第3軸線Ax3とは異なる位置においてワークWを保持するエンドエフェクタである。ワーク保持部80は、ハンドとも称される。平面視において、ワーク保持部80に保持されたワークWは、第3軸線Ax3に重なっていない。ワーク保持部80は、ワークWを保持でき得る限り、どのように構成されてもよい。図1等には、ワークWを下方から支持することで、ワークWを保持するワーク保持部80が例示されている。なお、ワーク保持部80は、上方からワークWを保持してもよい(例えば、把持してもよい)。図1等に例示されるワーク保持部80は、アーム先端部70に接続(支持)された状態で第3軸線Ax3から遠ざかる方向に延びている。
【0025】
本開示の図1等に例示される搬送ロボット1において、第3軸線Ax3から遠ざかるようにワーク保持部80が延びる方向を、ワーク保持部80の延在方向と定義し、「方向D1」と表記する。方向D1は、昇降ベース部72の延在方向に対して直交していてもよい。ワーク保持部80の延在方向(方向D1)における両端部のうちの第3軸線Ax3から近い端部を「端部80a」とし、第3軸線Ax3から遠い端部を「端部80b」とする。端部80aは、ワーク保持部80の基端部であり、端部80bは、ワーク保持部80の先端部である。方向D1は、ワーク保持部80の端部80aから端部80bに向かう方向に相当する。
【0026】
ワーク保持部80は、アーム先端部70の側方に設けられてもよい。この場合、平面視において、アーム先端部70のうちの少なくとも昇降ベース部72と、ワーク保持部80とが重なっていない。ワーク保持部80は、少なくともワークWを下方から支持可能な底部を含む。ワークWが直方体状である場合に、ワーク保持部80の底部は、ワークWの最も面積が大きい面を支持してもよい。一例では、ワーク保持部80は、底部82と、一対の側壁84aと、側壁84bと、を含む。
【0027】
底部82は、板状に形成されており、昇降ベース部72の延在方向に対して直交する上面を含む。底部82の上面にワークWが載せられることで、底部82(ワーク保持部80)がワークWを支持する。底部82(底部82の上面)は、矩形状に形成されている。この場合、底部82(底部82の上面)は、方向D1と、方向D1に直交する方向(以下、「方向D2」という。)に延びるように形成されている。方向D2は、方向D1に直交し、且つ、底部82の上面に沿った方向である。矩形状の底部82のうちの方向D2に延びる1つの側縁(側面)が、アーム先端部70の可動部74に接続されている。例えば、上記側縁(側面)の方向D2における中央部分が、可動部74に支持されている。
【0028】
一対の側壁84aは、底部82のうちの方向D1に沿う一対の側縁から上方に向かってそれぞれ突出している。一対の側壁84aは、方向D2におけるワークWの移動を規制する。側壁84bは、底部82の方向D2に沿う一対の側縁のうちの端部80aに位置する側縁から上方に向かって突出している。方向D2に沿う上記一対の側縁のうちの端部80bに位置する側縁には、いずれの側壁も設けられていない。側壁84bは、端部80bから端部80aに向かうワークWの移動を規制する。
【0029】
図1に戻り、姿勢調節部40は、ワーク保持部80に保持されたワークWの姿勢を調節する部分である。姿勢調節部40によってワーク保持部80の姿勢(基部10に対する姿勢)が調節されることで、ワーク保持部80に保持されたワークWの姿勢が調節される。姿勢調節部40は、第2アーム30とアーム先端部70との間に設けられてもよい。姿勢調節部40は、例えば、第2アーム30の先端部34に、第2アーム30に対して第3軸線Ax3まわりに回転可能に設けられている。姿勢調節部40は、第3軸線Ax3まわりに回転可能である。
【0030】
姿勢調節部40は、第1アーム20と異なる高さに配置されてもよい。姿勢調節部40は、第2アーム30(例えば、第2アーム30の先端部34寄りの部分、又は先端部34)の上に設けられてもよい。姿勢調節部40の最下位置は、第1アーム20の最上位置よりも高くてもよい。
【0031】
姿勢調節部40は、第3軸線Ax3から遠ざかるようにアーム先端部70に延びる方向と第3軸線Ax3との双方に交差する第1姿勢調節軸線AxpまわりにワークWを回転させる。本開示における交差には、いわゆる立体交差のように、ねじれの関係にあることも含む。第3軸線Ax3から遠ざかるようにアーム先端部70に延びる方向は、例えば、第3軸線Ax3と、アーム先端部70の中心(例えば、昇降ベース部72の中心)とを最短距離で結ぶ線分が延びる方向に相当する。第1姿勢調節軸線Axpは、例えば、方向D1に直交し、且つ第3軸線Ax3に直交するように設定される。この場合、第1姿勢調節軸線Axpは、第3軸線Ax3と方向D1とを含む(第3軸線Ax3と方向D1とで規定される)平面に対して直交して延びている。
【0032】
第1姿勢調節軸線Axpは、姿勢調節部40を通るように設定されてもよく、例えば、第3軸線Ax3と交点を有するように交差してもよい。
姿勢調節部40に対して第1姿勢調節軸線Axpまわりにアーム先端部70が回転することで、方向D1の傾きが変化する。これにより、ワーク保持部80に保持されたワークWの第1姿勢調節軸線Axpまわりの姿勢(角度)が変化する。
【0033】
第1姿勢調節軸線AxpまわりのワークW(ワーク保持部80)の可動範囲は、±30°以内であってもよい。上記可動範囲は、例えば、第3軸線Ax3に直交する平面と方向D1とのなす角度が変化する範囲である。第1姿勢調節軸線Axpまわりの上記可動範囲は、±20°以内、±15°以内、又は、±10°以内であってもよい。図1等に例示される搬送ロボット1では、上記可動範囲がプラスの範囲である場合、端部80aの下端に対して端部80bの下端が高くなり、上記可動範囲がマイナスの範囲である場合、端部80aの下端に対して端部80bの下端が低くなる。プラスの範囲での上記角度の絶対値の大きさと、マイナスの範囲での上記角度の絶対値の大きさとが互いに異なっていてもよい。
【0034】
姿勢調節部40は、第1姿勢調節軸線Axpと第3軸線Ax3との双方に交差する第2姿勢調節軸線AxrまわりにワークWを更に回転させてもよい。第2姿勢調節軸線Axrは、例えば、第1姿勢調節軸線Axpに直交し、第3軸線Ax3に対して交差する。第2姿勢調節軸線Axrは、方向D1と実質的に平行である。第2姿勢調節軸線Axrは、姿勢調節部40を通るように設定されてもよく、例えば、第3軸線Ax3と第1姿勢調節軸線Axpとの交点を通るように設定される。なお、第1姿勢調節軸線Axp及び第2姿勢調節軸線Axrは、第3軸線Ax3とは離れた位置において、交点を有するように交差していてもよい。
【0035】
平面視において、図2(a)に示されるように、第2姿勢調節軸線Axrは、第3軸線Ax3と、上記基準状態でのアーム先端部70の方向D2における中央とを通るように設定されてもよい。姿勢調節部40に対して第2姿勢調節軸線Axrまわりにアーム先端部70が回転することで、方向D2の傾きが変化する。これにより、ワーク保持部80に保持されたワークWの第2姿勢調節軸線Axrまわりの姿勢(角度)が変化する。
【0036】
第2姿勢調節軸線AxrまわりのワークW(ワーク保持部80)の可動範囲は、±30°以内であってもよい。上記可動範囲は、第3軸線Ax3に直交する平面と方向D2とのなす角度が変化する範囲である。姿勢調節部40による第2姿勢調節軸線Axrまわりの上記可動範囲は、±20°以内、±15°以内、又は、±10°以内であってもよい。上記可動範囲がプラスの範囲である場合、ワーク保持部80の左端部(方向D2における一端部)の下端に対して右端部(方向D2における他端部)の下端が高くなり、上記可動範囲がマイナスの範囲である場合、ワーク保持部80の左端部の下端に対して右端部の下端が低くなる。
【0037】
搬送ロボット1において、姿勢調節部40及びワーク保持部80を除いた部分(基部10、第1アーム20、第2アーム30、及び、アーム先端部70)は、スカラ(SCARA:Selective Compliance Assembly Robot Arm)型の多関節アームである。搬送ロボット1は、スカラ型の多関節アーム部分によりワーク保持部80の位置を変更する機能に加えて、姿勢調節部40を備えることで、ワーク保持部80の姿勢を調節する機能を有する。
【0038】
ここで、姿勢調節部40による姿勢の調節を行わない場合を仮定する。ワークWがワーク保持部80に保持(支持)されていない場合、例えば、方向D1及び方向D2は、水平な状態に維持されている。ワークWがワーク保持部80に載せられると、ワークWの自重によって、端部80aの下端に対して端部80bの下端が低くなるように方向D1が水平なラインに対して傾き得る。ワークWが300kg以上の重量を有する場合、ワークWの自重に起因した方向D1の傾きが顕著になる。また、ワークWの自重に起因して、方向D2も水平なラインに対して傾き得る。
【0039】
姿勢調節部40は、ワークWの姿勢を目標姿勢に維持するように動作する。ワークWの目標姿勢は、例えば、水平な姿勢に設定される。姿勢調節部40は、ワークWの自重に起因した方向D1の傾きを減少させるように(方向D1の傾きを補正するように)動作してもよい。姿勢調節部40は、方向D1の傾きに加えて、方向D2の傾きを減少させるように(方向D2の傾きを補正するように)動作してもよい。
【0040】
一例では、搬送ロボット1に動作を教示(ティーチング)する段階において、作業員等が、姿勢調節部40による姿勢の調節を行わずに、ワーク保持部80がワークWを保持した状態で、ワークWの傾き(例えば、方向D1及び方向D2それぞれの傾き)を計測する。そして、作業員等は、姿勢調節部40による駆動量を変化させつつ、ワークW(例えば、方向D1及び方向D2)が目標姿勢となる駆動量を、搬送ロボット1を動作させるコントローラに記憶する。搬送ロボット1が実作業を行う段階において、上記コントローラは、記憶した駆動量に従って姿勢調節部40を制御する。これにより、ワークWの自重等に起因したワークWの傾きが補正されて、ワークWの姿勢が目標姿勢に近づくように調節されつつ、搬送ロボット1がワークWを搬送する。なお、教示する段階ではなく、実作業を行う段階において、ワークWの傾きをセンサ(例えば、カメラ、ジャイロセンサ又は加速度センサ等)で検出して、コントローラが、センサによる検出値に基づいて、ワークWの姿勢が目標姿勢に近づくように姿勢調節部40を制御してもよい。
【0041】
姿勢調節部40は、ワークWの姿勢(例えば、方向D1の傾き、又は、方向D1及び方向D2それぞれの傾き)を調節し得る限り、どのように構成されてもよい。姿勢調節部40は、図3(a)、図3(b)、及び図4(a)に示されるように、例えば、第1調節部44と、第2調節部45とを有する。第1調節部44は、第4軸線Ax4まわりにアーム先端部70を回転させるアクチュエータである。第2調節部45は、第5軸線Ax5まわりにアーム先端部70を回転させるアクチュエータである。第1調節部44及び第2調節部45それぞれは、例えば、モータ及び減速機等を含む。姿勢調節部40は、第1調節部44及び第2調節部45によるアーム先端部70の回転により、第1姿勢調節軸線Axp及び第2姿勢調節軸線Axrまわりにアーム先端部70を回転させる。
【0042】
第4軸線Ax4及び第5軸線Ax5は、互いに交差するように設定されている。第4軸線Ax4及び第5軸線Ax5は、第3軸線Ax3に交差する同一平面に含まれる軸線であり、交点(共有点)を有するように交差していてもよい。第4軸線Ax4及び第5軸線Ax5は、例えば、第3軸線Ax3上で交点を有するように設定されてもよく、第3軸線Ax3とは離れた位置で交点を有するように設定されてもよい。上記第1姿勢調節軸線Axp及び上記第2姿勢調節軸線Axrのそれぞれは、第4軸線Ax4及び第5軸線Ax5の交点を通る。
【0043】
第2姿勢調節軸線Axrと第4軸線Ax4とのなす角(以下、「角度θ4」という。)は、0°よりも大きく、且つ90°(+90°)よりも小さい。角度θ4は、図4(a)に示されるように、平面視において、第2姿勢調節軸線Axrを0°とした場合の第2姿勢調節軸線Axrに対する第4軸線Ax4の角度である。また、第2姿勢調節軸線Axr、第4軸線Ax4、及び第5軸線Ax5の交点まわりの円周において、反時計まわりの方向への角度がプラスであり、時計まわりの方向への角度がマイナスであると定義する。
【0044】
第2姿勢調節軸線Axrと第5軸線Ax5とのなす角(以下、「角度θ5」という。)は、-90°よりも大きく、且つ0°よりも小さい。角度θ5は、平面視において、アーム先端部70が上記基準状態(第1調節部44及び第2調節部45による駆動が行われていない状態)であり、第2姿勢調節軸線Axrを0°とした場合の第2姿勢調節軸線Axrに対する第5軸線Ax5の角度である。角度θ4の絶対値及び角度θ5の絶対値は、互いに略一致していてもよく、互いに異なっていてもよい。角度θ4の絶対値、及び角度θ5の絶対値のそれぞれは、10°~80°であってもよく、20°~70°であってもよく、30°~60°であってもよい。一例では、角度θ4が45°である場合に、角度θ5は-45°である。
【0045】
図4(b)には、図3(a)、図3(b)、及び図4(a)に示される姿勢調節部40と、姿勢調節部40に接続(連結)されているアーム先端部70が、説明のために、より模式的に示されている。姿勢調節部40は、姿勢調節基部47、連結部材48、及び連結部材49を有する。姿勢調節基部47は、第3軸線Ax3まわりに回転可能となるように第2アーム30の先端部34に取り付けられている。連結部材48は、姿勢調節基部47に対して第4軸線Ax4まわりに回転可能となるように姿勢調節基部47に取り付けられている。連結部材49は、連結部材48に対して第5軸線Ax5まわりに回転可能となるように連結部材48に取り付けられている。アーム先端部70(昇降ベース部72)は、連結部材49に取り付けられており、ワーク保持部80は、アーム先端部70の可動部74に取り付けられている。
【0046】
第1調節部44が、連結部材48を第4軸線Ax4まわりに回転させることで、連結部材49、アーム先端部70、及びワーク保持部80が第4軸線Ax4まわりに回転する。第2調節部45が、連結部材49を第5軸線Ax5まわりに回転させることで、アーム先端部70、及びワーク保持部80が第5軸線Ax5まわりに回転する。姿勢調節部40は、第1調節部44による第4軸線Ax4まわりのトルクと第2調節部45による第5軸線Ax5まわりのトルクによって、ワーク保持部80を第1姿勢調節軸線Axpまわりに回転させる力(トルク)を生成し、ワーク保持部80を第2姿勢調節軸線Axrまわりに回転させる力(トルク)を生成する。
【0047】
以上に例示した姿勢調節部40と異なり、姿勢調節部40は、1つのアクチュエータによって第1姿勢調節軸線Axpまわりにアーム先端部70を回転させ、他の1つのアクチュエータによって第2姿勢調節軸線Axrまわりにアーム先端部70を回転させてもよい。図5(a)及び図5(b)に示されるように、第1調節部44は、第4軸線Ax4が第1姿勢調節軸線Axpに相当するように設けられてもよい。また、第2調節部45は、第5軸線Ax5が第2姿勢調節軸線Axrに相当するように設けられてもよい。姿勢調節部40は、第1調節部44による第4軸線Ax4まわりの回転に伴って、第5軸線Ax5の水平面に対する角度が変化するように構成されてもよい。
【0048】
図5(a)及び図5(b)に例示される姿勢調節部40において、第2調節部45が設けられずに、第1調節部44のみが設けられてもよい。すなわち、姿勢調節部40は、第2姿勢調節軸線Axrまわりにアーム先端部70を回転させずに、第1姿勢調節軸線Axpまわりにアーム先端部70を回転させてもよい。
【0049】
搬送ロボット1は、図6(a)、図6(b)、及び図7(a)に示されるように、姿勢調節部40に代えて、姿勢調節部40Aを有してもよい。姿勢調節部40Aは、バランサ部材50を更に備える点において、姿勢調節部40と相違する。バランサ部材50は、第1姿勢調節軸線AxpまわりにワークWの自重に抗する力(以下、「補正力」という。)を発生させる部材である。バランサ部材50は、第1姿勢調節軸線Axpを基準としたときに、ワークWの自重と第1姿勢調節軸線Axpからの距離によって発生するモーメント(重力負荷モーメント)を低減する補正力を発生させる。
【0050】
姿勢調節部40は、ワークWを保持した状態のワーク保持部80を第1姿勢調節軸線Axpまわりに回転させて、先端部である端部80bを持ち上げる際に、ワークWの自重によるモーメントを上回るトルクを発生させる必要がある。バランサ部材50は、第1姿勢調節軸線Axpまわりにアーム先端部70を回転させて端部80bを持ち上げる際に、姿勢調節部40(例えば、第1調節部44及び第2調節部45、又は、第1調節部44)が発生させる必要があるトルクを低減するような補正力を発生させる。
【0051】
図7(a)に示されるように、鉛直方向から見た場合に、第3軸線Ax3を通る仮想ラインIL上において、バランサ部材50、第1姿勢調節軸線Axp(第1姿勢調節軸線Axpと仮想ラインILとの交点)、及び、アーム先端部70が、この順に並んでいてもよい。仮想ラインILは、例えば、平面視において、第3軸線Ax3から遠ざかるようにアーム先端部70に向かって延びる方向に沿い、且つ第3軸線Ax3を通る仮想的なラインである。姿勢調節部40が、第2姿勢調節軸線Axrまわりにもワーク保持部80を回転させる場合、仮想ラインILは、平面視における第2姿勢調節軸線Axrに相当する。
【0052】
ワーク保持部80は、ワークWの重心が上記仮想ラインIL上に位置するように、ワークWを保持してもよい。この場合、上記仮想ラインIL上において、バランサ部材50、第1姿勢調節軸線Axp上にある点(例えば、第4軸線Ax4と第5軸線Ax5との交点)、及び、ワークWの重心が、この順に並ぶ。図7(a)に示される上面図においては、バランサ部材50の中心が「xb」で表され、仮想ラインILと第1姿勢調節軸線Axpとの交点が「x0」で表され、ワークWの重心が「xg」で表されている。図7(b)には、バランサ部材50の機能を説明するための模式図が示されている。
【0053】
交点x0は、第1姿勢調節軸線Axpまわりの回転における原点を意味する。交点x0から、水平方向においてある距離だけ離れてワークWの重心xgが位置する。ワークWの自重によるモーメントは、ワークWの自重を表す力Fwを、交点x0と重心xgとの最短距離で乗算することで求めることができる。バランサ部材50は、交点x0に関して、重心xgとは反対側に位置する。バランサ部材50によって力Fbがアーム先端部70等に付与されるとすると、上記重力モーメント(姿勢調節部40により発生させるべきトルク)は、力Fbを交点x0と位置xbとの間の最短距離で乗算して得られる値だけ低減され得る。
【0054】
バランサ部材50は、例えば、コイルバネであり、バネの弾性力によって、上記補正力(力Fb)を発生させる。一例では、姿勢調節部40の姿勢調節基部47と連結部材49とが、バランサ部材50を介して互いに接続されるように構成されている。バランサ部材50は、連結部材49に下向きの力を付与するように構成されている。なお、バランサ部材50は、ワークWの自重に起因した上記モーメントを低減し得る限り、どのように構成されていてもよい。
【0055】
図1等に示される例とは異なり、姿勢調節部40が、第2アーム30の先端部34の下に設けられてもよい。図1等に示される例とは異なり、第2アーム30の基端部32が、第1アーム20の先端部24の下に設けられてもよい。第2アーム30が第1アーム20の下方に位置する場合において、姿勢調節部40が、第2アーム30の先端部34の上に設けられてもよく、第2アーム30の先端部34の下に設けられてもよい。
【0056】
図1等に示される例とは異なり、アーム先端部70の昇降ベース部72が、第1アーム20及び第2アーム30と異なる高さに配置されてもよい。昇降ベース部72の最下位置が、第2アーム30の最上位置よりも高くてもよい。第3軸線Ax3まわりに昇降ベース部72を回転させた際の可動領域の少なくとも一部が、鉛直方向から見て、第2アーム30と重なっていてもよい。
【0057】
図1等に示される例とは異なり、アーム先端部70(ワークW)を昇降させる機構が、搬送ロボットにおいて基部と第1アームとの間に設けられてもよい。図8に示される搬送ロボット1Bは、基部12Bと、アームベース14Bと、第1アーム20Bと、第2アーム30Bと、アーム先端部70Bと、ワーク保持部80Bと、姿勢調節部40Bと、を備える。
【0058】
基部12Bは、底面又は壁面等に固定されており、直動駆動部16によりアームベース14Bを昇降させる。アームベース14Bは、昇降可能に基部12Bに設けられており、基部12Bから水平な方向に突出している。第1アーム20Bは、搬送ロボット1の第1アーム20に対応しており、鉛直な第1軸線Ax1まわりに回転するようにアームベース14Bに設けられている。第2アーム30Bは、搬送ロボット1の第2アーム30に対応しており、鉛直な第2軸線Ax2まわりに回転するように第1アーム20Bの先端部に設けられている。
【0059】
アーム先端部70Bは、鉛直な第3軸線Ax3まわりに回転するように第2アーム30Bの先端部に姿勢調節部40Bを介して設けられている。ワーク保持部80Bは、アーム先端部70Bに支持(接続)され、第3軸線Ax3から離れた位置において、ワークWを保持する。
【0060】
姿勢調節部40Bは、第2アーム30Bとアーム先端部70Bとの間に設けられている。姿勢調節部40Bは、第2アーム30Bの下に設けられてもよい。姿勢調節部40Bは、少なくとも第1姿勢調節軸線Axpまわりにワーク保持部80Bを回転させる。姿勢調節部40Bは、第1姿勢調節軸線Axp及び第2姿勢調節軸線Axrまわりにワーク保持部80Bをそれぞれ回転させてもよい。搬送ロボット1Bにおいて、第1姿勢調節軸線Axpは、第3軸線から遠ざかるようにアーム先端部70Bに延びる方向と、第3軸線Ax3との双方に交差しており、第2姿勢調節軸線Axrは、第1姿勢調節軸線Axpと第3軸線Ax3との双方に交差している。
【0061】
一例では、姿勢調節部40Bは、第2アーム30Bの先端部に接続された姿勢調節基部47Bと、姿勢調節基部47Bとアーム先端部70Bとの間に、上下に並ぶ第1調節部44B及び第2調節部45Bと、を含む。第1調節部44Bは、電力の供給を受けて、図示しない第4軸線Ax4に相当する第1姿勢調節軸線Axpまわりに、ワーク保持部80Bを回転させる。第2調節部45Bは、電力の供給を受けて、図示しない第5軸線Ax5に相当する第2姿勢調節軸線Axrまわりにワーク保持部80Bを回転させる。なお、第1姿勢調節軸線Axpと第2姿勢調節軸線Axrとの配置関係に制限はなく、第1姿勢調節軸線Axpと第2姿勢調節軸線Axrとは互いに同じ高さに設けられてもよく、第2姿勢調節軸線Axrが第1姿勢調節軸線Axpよりも上に設けられてもよい。また、第1姿勢調節軸線Axpに一致しない第4軸線Ax4まわりの回転と第2姿勢調節軸線Axrに一致しない第5軸線Ax5まわりの回転とを合成して、第1姿勢調節軸線Axp、及び第2姿勢調節軸線Axrまわりにワーク保持部80Bを回転させるように、第1調節部44Bと第2調節部45Bとが設けられてもよい。さらには、ワークWの自重と第1姿勢調節軸線Axpからの距離によって発生するモーメント(重力負荷モーメント)を低減する補正力を発生させるために、搬送ロボット1Bにバランサ部材50が備えられてもよい。
【0062】
搬送ロボット1,1Bにおいて、第1アーム20,20B及び第2アーム30,30Bとは別の水平に延びるアームが設けられてもよい。以上に説明した種々の例のうちの1つの例において、他の例において説明した事項の少なくとも一部が組み合わされてもよい。
【0063】
[まとめ]
本開示は、以下の(1)~(18)に記載の構成を含む。
【0064】
(1)鉛直な第1軸線Ax1まわりに回転するように設けられ、第1軸線Ax1から遠ざかる方向に延びている第1アーム20,20Bと、鉛直な第2軸線Ax2まわりに回転するように第1アーム20,20Bに設けられ、第2軸線Ax2から遠ざかる方向に延びている第2アーム30,30Bと、鉛直な第3軸線Ax3まわりに回転するように第2アーム30,30Bに接続され、ワークWを保持するワーク保持部80,80Bを支持するように構成されたアーム先端部70,70Bと、第3軸線Ax3から遠ざかるようにアーム先端部70,70Bに延びる方向と、第3軸線Ax3との双方に交差する第1姿勢調節軸線AxpまわりにワークWを回転させるように構成された姿勢調節部40,40A,40Bと、を備える搬送ロボット1,1B。
スカラ型の多関節アーム(水平多関節アーム)は、水平方向に自由度を有するために、鉛直方向に対しては剛性が高く、撓み難い構造である。しかしながら、ワークの重量が大きい場合には、アームの関節部におけるモーメント剛性又はアーム自身の剛性に応じて、多関節アームの先端が沈むように撓みが生じ得る。その結果、多関節アームの先端で保持されたワークの姿勢が目標姿勢(例えば、水平)に保たれず、搬送を含む作業の精度が低下し得る。これに対して、上記搬送ロボット1,1Bでは、ワークWが第1姿勢調節軸線Axpまわりに回転可能とされることで、ワークWの第1姿勢調節軸線Axpまわりの角度を補正することができ、ワークWの自重に起因した多関節アームでの撓みの影響を低減することできる。そのため、ワークWの姿勢を第1姿勢調節軸線Axpまわりにおいて目標とする姿勢(例えば、水平)に保持した状態で、ワークWの搬送を含む作業を行うことができる。従って、搬送ロボット1,1Bは、作業精度の向上に有用である。
【0065】
(2)姿勢調節部40,40A,40Bによる第1姿勢調節軸線AxpまわりのワークWの可動範囲は、±30°以内である、上記(1)に記載の搬送ロボット1,1B。
上記可動範囲は、ワークWの姿勢を調整するのに十分な範囲であり、例えば、姿勢調節部40Aにおいては、上記可動範囲に合わせて設計及び設置するバランサ部材50の簡素化、小型化、又は軽量化を図ることができる。
【0066】
(3)姿勢調節部40,40A,40Bは、第1姿勢調節軸線Axpと第3軸線Ax3との双方に交差する第2姿勢調節軸線AxrまわりにワークWを更に回転させるように構成されている、上記(1)又は(2)に記載の搬送ロボット1,1B。
この場合、第2姿勢調節軸線AxrまわりのワークWの姿勢も目標とする姿勢(例えば、水平)に保持した状態で、ワークWの搬送を含む作業を行うことができる。従って、作業精度の向上に更に有用である。
【0067】
(4)姿勢調節部40,40A,40Bによる第2姿勢調節軸線AxrまわりのワークWの可動範囲は、±30°以内である、上記(3)に記載の搬送ロボット1,1B。
上記可動範囲は、ワークWの姿勢を調整するのに十分な範囲であり、例えば、姿勢調節部40Aにおいては、上記可動範囲に合わせて設計及び設置するバランサ部材50の簡素化、小型化、又は軽量化を図ることができる。
【0068】
(5)姿勢調節部40,40A,40Bは、第2アーム30,30Bとアーム先端部70,70Bとの間に設けられており、姿勢調節部40,40A,40Bは、第4軸線Ax4まわりにアーム先端部70,70Bを回転させる第1調節部44,44Bと、第5軸線Ax5まわりにアーム先端部70,70Bを回転させる第2調節部45,45Bと、を有し、第4軸線Ax4及び第5軸線Ax5は、第3軸線Ax3に交差する同一平面に含まれ、交点を有するように交差している、上記(3)又は(4)に記載の搬送ロボット1,1B。
この場合、ワークWの第1姿勢調節軸線Axp及び第2姿勢調節軸線Axrまわりの姿勢をそれぞれ適切に調節することができる。
【0069】
(6)第4軸線Ax4と第2姿勢調節軸線Axrとのなす角は、0°よりも大きく、且つ90°よりも小さく、第5軸線Ax5と第2姿勢調節軸線Axrとのなす角は、-90°よりも大きく、且つ0°よりも小さい、上記(5)に記載の搬送ロボット1,1B。
この場合、単一のモータで第1姿勢調節軸線AxpまわりにワークWを回転させる場合に比べて、モータ1つあたりの負荷トルクを低減、又は第1姿勢調節軸線AxpまわりでワークWに作用させるトルクを増幅させることができる。
【0070】
(7)第4軸線Ax4は、第1姿勢調節軸線Axpに相当し、第5軸線Ax5は、第2姿勢調節軸線Axrに相当する、上記(5)に記載の搬送ロボット1,1B。
この場合、第1姿勢調節軸線Axp及び第2姿勢調節軸線Axrまわりの姿勢をそれぞれ独立して調節することができる。
【0071】
(8)所定位置に固定された基部10を更に備え、第1アーム20の基端部22は、基部10に設けられており、姿勢調節部40,40Aは、第2アーム30とアーム先端部70との間に設けられており、アーム先端部70は、姿勢調節部40,40Aに接続された昇降ベース部72と、ワーク保持部80を支持し、昇降ベース部72が延びる方向に沿って移動するように昇降ベース部72に設けられた可動部74と、昇降ベース部72が延びる方向に沿って可動部74を駆動する直動駆動部78と、を含む、上記(1)~(7)のいずれか1つに記載の搬送ロボット1。
ワーク保持部80を含む部分を昇降させる機構の大きさは、昇降機構が昇降させる部分の重量に依存する。上記構成では、基部と第1アームとの間に昇降機構を設ける場合に比べて、昇降機構が昇降させる部分の重量を小さくできる。そのため、第1アームからワーク先端部までを支持する部分の構造が簡素化され、搬送ロボット1全体での小型化を図ることができる。
【0072】
(9)可動部74は、ワーク保持部80がアーム先端部70の側方に配置されるように、ワーク保持部80を支持可能である、上記(8)に記載の搬送ロボット1。
この場合、ワーク保持部80が昇降しても、アーム先端部70によって保持されたワークWがアーム先端部70の昇降ベース部72と干渉することが避けられる。そのため、昇降ベース部72が延びる方向でのワークWの可動領域を大きくすることができる。
【0073】
(10)昇降ベース部72は、第3軸線Ax3とは離れた位置に配置された状態で、姿勢調節部40を介して第2アーム30に接続されている、上記(9)に記載の搬送ロボット1。
この場合、第2アーム30と干渉せずに、昇降ベース部72を延ばすことができる。そのため、昇降ベース部72が延びる方向でのワークWの可動領域を大きくすることができる。
【0074】
(11)第1姿勢調節軸線AxpまわりにワークWの自重に抗する補正力を発生させるバランサ部材50を更に備える、上記(1)~(10)のいずれか1つに記載の搬送ロボット1,1B。
この場合、第1姿勢調節軸線AxpまわりにワークWを回転させるためのトルクを減少させることができる。そのため、姿勢調節部40A,40Bに含まれるモータの小型化又は軽量化を図ることができる。
【0075】
(12)バランサ部材50は、第3軸線Ax3が延びる方向から見た場合に、第3軸線Ax3を通る仮想ラインIL上において、バランサ部材50、第1姿勢調節軸線Axp、及び、ワーク保持部80,80Bが、この順に並ぶように配置される、上記(11)に記載の搬送ロボット1,1B。
この場合、第1姿勢調節軸線AxpまわりにワークWを回転させるためのトルクを更に減少させることができる。
【0076】
(13)姿勢調節部40,40Aは、第3軸線Ax3が延びる方向において、第1アーム20とは異なる高さに配置されている、上記(1)~(7)のいずれか1つに記載の搬送ロボット1。
この場合、第1アーム20及び第2アーム30が互いに重なるように配置した際に、姿勢調節部40,40Aと第1アーム20との干渉を避けることができる。そのため、第1アーム20及び第2アーム30の可動範囲を大きくすることができる。
【0077】
(14)第2アーム30の基端部32が、第1アーム20の先端部24の上に設けられており、姿勢調節部40,40Aは、第2アーム30の上に設けられている、上記(13)に記載の搬送ロボット1。
この場合、第1アーム20及び第2アーム30が互いに重なるように配置した際に、姿勢調節部40,40Aと第1アーム20との干渉をより確実に避けることができる。
【0078】
(15)所定位置に固定された基部10を更に備え、第1アーム20の基端部22は、基部10に設けられており、姿勢調節部40,40Aは、第2アーム30とアーム先端部70との間に設けられており、アーム先端部70は、姿勢調節部40,40Aに接続された昇降ベース部72と、ワーク保持部80を支持し、昇降ベース部72が延びる方向に沿って移動するように昇降ベース部72に設けられた可動部74と、昇降ベース部72が延びる方向に沿って可動部74を駆動する直動駆動部78と、を含み、昇降ベース部72は、第3軸線Ax3とは離れた位置に配置された状態で、姿勢調節部40,40Aを介して第2アーム30に接続されており、第3軸線Ax3が延びる方向において、昇降ベース部72の少なくとも一部は、第1アーム20の少なくとも一部及び第2アーム30の少なくとも一部と同じ高さに位置する、上記(14)に記載の搬送ロボット1。
この場合、昇降ベース部72が延びる方向での可動部74の可動領域が、第1アーム20の少なくとも一部及び第2アーム30の少なくとも一部と同じ高さまで延びている。そのため、ワークWを支持するワーク保持部80を、第1アーム20又は第2アーム30と同じ高さまで移動させることができる。
【0079】
(16)ワーク保持部80,80Bを更に備え、ワーク保持部80,80Bは、第3軸線Ax3とは離れた位置においてワークWを下方から支持するように構成されている、上記(1)~(15)のいずれか1つに記載の搬送ロボット1,1B。
【0080】
(17)ワーク保持部80,80Bを更に備え、可搬重量が300kg以上である、上記(1)~(15)のいずれか1つに記載の搬送ロボット1,1B。
この場合、ワークWの自重に伴う多関節アームの撓みの程度が大きくなり得るので、第1姿勢調節軸線AxpまわりのワークWの姿勢を調節するのがより有益である。
【0081】
(18)ワーク保持部80,80Bを更に備え、ワークWは、電気自動車の走行用のバッテリーモジュールを含む、上記(1)~(15)のいずれか1つに記載の搬送ロボット1,1B。
この場合、ワークWの自重に伴う多関節アームの撓みの程度が大きくなり得るので、第1姿勢調節軸線AxpまわりのワークWの姿勢を調節するのがより有益である。
【符号の説明】
【0082】
1,1B…搬送ロボット、10…基部、20,20B…第1アーム、Ax1…第1軸線、30,30B…第2アーム、Ax2…第2軸線、40,40A,40B…姿勢調節部、Ax3…第3軸線、Ax4…第4軸線、Ax5…第5軸線、Axp…第1姿勢調節軸線、Axr…第2姿勢調節軸線、50…バランサ部材、70,70B…アーム先端部、72…昇降ベース部、74…可動部、78…直動駆動部、80,80B…ワーク保持部、W…ワーク。
図1
図2
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図5
図6
図7
図8