(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054816
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】車両のフレームアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B62D 21/00 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
B62D21/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036791
(22)【出願日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】10-2022-0127033
(32)【優先日】2022-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、スンミン
(72)【発明者】
【氏名】チャ、ヒョソプ
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BB06
3D203BB07
3D203BB24
3D203BB25
3D203BB56
3D203BC10
3D203BC12
(57)【要約】
【課題】車両のフレームアセンブリを提供する。
【解決手段】本発明は、車両の幅方向に延び、バッテリーの後方に位置し、両端部は外側に折り曲げられて延設され、中央部は下方に湾入して搭乗空間が形成されたリアフロアパネルと、車両の長手方向に延び、バッテリーの外側方に設けられた両側のフレームサイドメンバーの後端を構成し、前端と後端とが傾くように連結されることで、前端は下方に湾入した搭乗空間と同じ高さを成し、後端はリアフロアパネルと一方向に締結されてリアフロアパネルを下方から支持するようにするフレームリアサイドメンバーと、を含む、車両のフレームアセンブリを提供する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の幅方向に延び、バッテリーの後方に位置し、両端部は外側に折り曲げられて延設され、中央部は下方に湾入して搭乗空間が形成されたリアフロアパネルと、
車両の長手方向に延び、バッテリーの外側方に設けられた両側のフレームサイドメンバーの後端を構成し、前端と後端とが傾くように連結されることで、前端は下方に湾入した搭乗空間と同じ高さを成し、後端はリアフロアパネルと一方向に締結されてリアフロアパネルを下方から支持するようにするフレームリアサイドメンバーと、を含む、車両のフレームアセンブリ。
【請求項2】
車両の幅方向に延び、両側のフレームリアサイドメンバーの前端同士を互いに連結する内側クロスメンバーをさらに含み、
内側クロスメンバーは、第1リアマウント部を介してフレームリアサイドメンバーと締結されることを特徴とする、請求項1に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項3】
内側クロスメンバーは、フレームリアサイドメンバーと上下方向にボルト締結されることを特徴とする、請求項2に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項4】
車両の長手方向に延び、リアクロスメンバーと内側クロスメンバーとを互いに連結する複数の内側サイドメンバーと、
車両の幅方向に延び、複数の内側サイドメンバー同士を互いに連結するミドルクロスメンバーと、をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項5】
リアフロアパネルの前方及びバッテリーの上方に位置するセンターフロアパネルをさらに含み、
センターフロアパネルとリアフロアパネルとは、扁平な構造で形成されて車両の長手方向に水平連結されることを特徴とする、請求項1に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項6】
車両の幅方向に延び、両側のフレームリアサイドメンバーの後端同士を互いに連結するリアクロスメンバーをさらに含み、
リアクロスメンバーは、第2リアマウント部を介してフレームリアサイドメンバーと締結されることを特徴とする、請求項1に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項7】
リアクロスメンバーの両端部に設けられたクロスマウント部は、第2リアマウント部と上下方向にボルト締結されることを特徴とする、請求項6に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項8】
リアクロスメンバーは、両端部が外側に折り曲げられて延設され、中央部は下方に湾入してリアフロアパネルを下方から支持することを特徴とする、請求項6に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項9】
リアクロスメンバーの外側部は、クォータDピラー部と端面結合されてリアクロスメンバー、リアフロアパネル及びフレームリアサイドメンバーが車両の側方衝突に対するロードパスを成すようにすることを特徴とする、請求項6に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項10】
フレームリアサイドメンバーを下方から支持し、上方に弾性的に支持されるようにするスプリングシートと、
フレームリアサイドメンバーの前端及び後端に連結されて車両の上下方向の衝撃を吸収するショックアブソーバーと、をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項11】
車両の幅方向に延び、両側のフレームリアサイドメンバーの中間同士を互いに連結するフレームクロスメンバーをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項12】
バッテリーは、両側のフレームサイドメンバーの間及びフレームクロスメンバーの前方に設けられたことを特徴とする、請求項11に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項13】
車両の幅方向に延び、バッテリーを後方から支持するバッテリー後方クロスメンバーをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項14】
フレームリアサイドメンバーの中間は、対角線上方に延設されて前端と後端とを傾くように連結し、フレームリアサイドメンバーの前端の上面と後端の上面とは互いに平行するように形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の車両のフレームアセンブリ。
【請求項15】
リアフロアパネルの上方に突設され、端部が外側に折り曲げられて延設された補強材をさらに含み、
補強材の上端面とリアフロアパネルとは互いに平行するように形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の車両のフレームアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のフレームアセンブリに係り、より詳細には、車両のリアフロアを低床化するためにリアフレームの構造を変更して車両のフレームアセンブリの基本的な耐久性及び剛性を確保するとともに、乗下車性能を確保するようにするための車両のフレームアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フレームタイプのトラック又はバンの場合は、車両下部のサスペンション構造及び車体サイドメンバーの断面高さなどを確保するために、車両後方は地上からリアフロアまでの高さが高く設計されることが一般的である。これにより、車両後方のドアを介した車両後部スペースへの搭乗は不便であるため、車両側方の2列ドアを介した乗車又は下車を行うという問題がある。
また、商用塔車の場合は、地上とリアフロアの高さが非常に高いため、車両の高さも高くなり、これにより塔車後方に別途のステップ構造を適用してきたが、不便さだけでなく、怪我まで誘発するという問題がある。
【0003】
よって、従来のトラック、バン、及びステップ構造が適用された塔車の場合は、一般乗客及び挙動の不便な乗客の乗下車が不便であるので、容易な乗下車のためにリアフロアを低床化するだけでなく、多くの乗客が搭乗するヘイリング(hailing)サービス又はデリバリーサービスを利用するようにするためのパーパスビルトビークル(PBV、Purpose Built Vehicle)の場合は、用途に合わせて乗客を輸送したり、物品及び食品を配達したりするために平らなリアフロアを構成するための方案を必要とする。
【0004】
上記の背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解を増進するためのものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者に既に知られている従来技術に該当することを認めるものと受け入れられてはならないだろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2022-0048166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、車両のリアフロアを低床化するために、リアフロアに、下方に湾入した構造を適用して、車両のフレームアセンブリの基本的な耐久性及び剛性を確保するとともに、デリバリー車両の場合には乗客の乗下車の不便さを解消し、物品搭乗スペースを最大に確保するための、車両のフレームアセンブリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するための手段として、本発明は、車両の幅方向に延び、バッテリーの後方に位置し、両端部は外側に折り曲げられて延設され、中央部は下方に湾入して搭乗空間が形成されたリアフロアパネルと、車両の長手方向に延び、バッテリーの外側方に設けられた両側のフレームサイドメンバーの後端を構成し、前端と後端とが傾くように連結されることで、前端は下方に湾入した搭乗空間と同じ高さを成し、後端はリアフロアパネルと一方向に締結されてリアフロアパネルを下方から支持するようにするフレームリアサイドメンバーと、を含む、車両のフレームアセンブリを構成する。
【0008】
例えば、車両の幅方向に延び、両側のフレームリアサイドメンバーの前端同士を互いに連結する内側クロスメンバーをさらに含み、内側クロスメンバーは、第1リアマウント部を介してフレームリアサイドメンバーと締結されることができる。
【0009】
例えば、内側クロスメンバーは、フレームリアサイドメンバーと上下方向にボルト締結されることができる。
【0010】
例えば、車両の長手方向に延び、リアクロスメンバーと内側クロスメンバーとを互いに連結する複数の内側サイドメンバーと、車両の幅方向に延び、複数の内側サイドメンバー同士を互いに連結するミドルクロスメンバーと、をさらに含むことができる。
【0011】
例えば、リアフロアパネルの前方及びバッテリーの上方に位置するセンターフロアパネルをさらに含み、センターフロアパネルとリアフロアパネルとは、扁平な構造で形成されて車両の長手方向に水平連結されることができる。
【0012】
例えば、車両の幅方向に延び、両側のフレームリアサイドメンバーの後端同士を互いに連結するリアクロスメンバーをさらに含み、リアクロスメンバーは、第2リアマウント部を介してフレームリアサイドメンバーと締結されることができる。
【0013】
例えば、リアクロスメンバーの両端部に設けられたクロスマウント部は、第2リアマウント部と上下方向にボルト締結されることができる。
【0014】
例えば、リアクロスメンバーは、両端部が外側に折り曲げられて延設され、中央部は下方に湾入してリアフロアパネルを下方から支持することができる。
【0015】
例えば、リアクロスメンバーの外側部は、クォータDピラー部と端面結合されることで、リアクロスメンバー、リアフロアパネル及びフレームリアサイドメンバーが車両の側方衝突に対するロードパスを成すようにすることができる。
【0016】
例えば、フレームリアサイドメンバーを下方から支持し、上方に弾性的に支持されるようにするスプリングシートと、フレームリアサイドメンバーの前端及び後端に連結されて車両の上下方向の衝撃を吸収するショックアブソーバーと、をさらに含むことができる。
【0017】
例えば、車両の幅方向に延び、両側のフレームリアサイドメンバーの中間同士を互いに連結するフレームクロスメンバーをさらに含むことができる。
【0018】
例えば、バッテリーは、両側のフレームサイドメンバーの間及びフレームクロスメンバーの前方に設けられることができる。
【0019】
例えば、車両の幅方向に延び、バッテリーを後方から支持するバッテリー後方クロスメンバーをさらに含むことができる。
【0020】
例えば、フレームリアサイドメンバーの中間は、対角線上方に延設されて前端と後端とを傾くように連結し、フレームリアサイドメンバーの前端の上面と後端の上面とは互いに平行するように形成されることができる。
【0021】
例えば、リアフロアパネルの上方に突設され、端部が外側に折り曲げられて延設された補強材をさらに含み、補強材の上端面とリアフロアパネルとは互いに平行するように形成されることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の車両のフレームアセンブリによれば、車両のリアフロアを低床化するために、リアフロアパネルに、下方に湾入した構造を適用して、車両のフレームアセンブリの基本的な耐久性及び剛性を確保するとともに、デリバリー車両の場合には乗客の乗下車の不便さを解消し、物品搭乗スペースを最大に確保することができるようにすることができる。
【0023】
本発明で得られる効果は、上述した効果に限定されず、上述していない別の効果は、以降の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されることができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態による車両のフレームアセンブリを下方から見た図である。
【
図2】本発明の一実施形態による車両のフレームアセンブリの拡大図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるフレームリアサイドメンバーを示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態による車両のフレームアセンブリの外観斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態による車両のフレームアセンブリの側方断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による車両のフレームアセンブリの後方断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるリアクロスメンバーの外側部と端面結合されるクォータDピラー部を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるシート又は棚が配置された外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書又は出願に開示されている本発明の実施形態についての特定の構造的又は機能的説明は、単に本発明による実施形態を説明するための目的で例示されたものであり、本発明による実施形態は、様々な形態で実施でき、本明細書又は出願に説明された実施形態に限定されるものと解釈されてはならない。
【0026】
本発明による実施形態は、多様な変更を加えることができ、種々の形態を有することができるので、特定の実施形態を図面に例示し、本明細書又は出願に詳細に説明しようとする。しかし、これは、本発明の概念による実施形態を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物又は代替物を含むものと理解されるべきである。
【0027】
別に定義されない限り、技術的或いは科学的用語を含んで、ここで使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同一の意味を有する。 一般に使用される辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上において有する意味と一致する意味であると解釈されるべきであり、本明細書において明白に定義しない限りは、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0028】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明することにより、本発明を詳細に説明する。各図面に提示された同一の参照符号は、同一の部材を示す。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、車両のフレームアセンブリを構成するフレームリアサイドメンバーの構造を変更して車両のリアフロアを低床化し、これにより車両のフレームアセンブリの基本的な耐久性及び剛性を確保するとともに、乗下車性能を確保することを提案する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態による車両のフレームアセンブリを下方から見た図、
図2は、本発明の一実施形態による車両のフレームアセンブリの拡大図である。
【0031】
図1は、本実施形態に関連する構成要素を中心に示すものであって、実際車両の車体フレームの実現においては、これより少ない或いは多い構成要素を含むことができるのは言うまでもない。
【0032】
図1及び
図2を参照すると、一実施形態による車両のフレームアセンブリは、バッテリー10、リアフロアパネル30、フレームリアサイドメンバー100、スプリングシート200、内側サイドメンバー400、ミドルクロスメンバー420、内側クロスメンバー500、バッテリー後方クロスメンバー550、リアクロスメンバー600、第1リアマウント部700、第2リアマウント部750及びフレームクロスメンバー800を含むことができる。まず、バッテリー後方クロスメンバー550は、車両の幅方向に延び、バッテリー10を後方から支持することができる。車両は、走行性能確保のために重心を最大限に下げる必要がある。このため、車両において最も重い構成の一つである高電圧バッテリー10は、車両の重心の面で安定性が確保されるように車両のフレームアセンブリの下面部に配置することができる。また、バッテリー10は、後述する両側のフレームサイドメンバー同士の間の空間及び後述するフレームクロスメンバー800の前方に位置し、車両の外部衝撃の際に、バッテリー10の周辺に配置されたフレームで保護されることができる。
【0033】
また、リアフロアパネル30は、車両の幅方向に延び、バッテリー10の後方に位置する。リアフロアパネル30は、両端部が外側に折り曲げられて延設され、中央部は下方に湾入した形状に形成されることにより、湾入形状部分を搭乗空間にして乗客の乗下車性能及び物品の搭載性能を確保することができる。リアフロアパネル30の形状は、断面図である
図5を参照して後述する。
【0034】
次いで、フレームリアサイドメンバー100は、車両の長手方向に延び、バッテリー10の外方に設けられた両側のフレームサイドメンバーの後端20を構成することができる。フレームリアサイドメンバー100を基準としてさらに前端、中間及び後端に区分することができ、これを基準に説明する。フレームリアサイドメンバー100は、前端と後端とが傾くように連結され、前端は下方に湾入した搭乗空間と同じ高さをなし、後端はリアフロアパネル30と一方向に締結されることができる。これにより、フレームリアサイドメンバー100は、リアフロアパネル30を下方から支持するようにすることができる。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態によるフレームリアサイドメンバー100を示す図である。
【0036】
図3を参照すると、フレームリアサイドメンバー100は、車両のサスペンション系のジオメトリ構成であって、前端と後端とが上下段差のあるキックアップ形状を有することができる。また、フレームリアサイドメンバー100は、スプリングシート200、ショックアブソーバー300を介して車両のサスペンション性能が実現されるようにすることができる。
【0037】
ここで、スプリングシート200は、フレームリアサイドメンバー100を下方から支持し、上方に弾性支持されるようにすることができ、ショックアブソーバー300は、フレームリアサイドメンバー100の前端及び後端に連結されて車両の上下方向の衝撃力を緩和させることができる。ショックアブソーバー300は、フレームリアサイドメンバー100の上下段差による剛性低下に対応して剛性を増大させることができ、乗客の搭乗感を増大させることができる。また、フレームリアサイドメンバー100は、中間が対角線上方に延設され、前端と後端とを傾くように連結することができる。また、フレームリアサイドメンバー100は、前端の上面と後端の上面とが互いに平行するように形成することにより、前端の上面は第1リアマウント部700を介して内側クロスメンバー500と締結され、後端の上面は第2リアマウント部750を介してリアクロスメンバー600と締結されることができる。
【0038】
第1リアマウント部700及び第2リアマウント部750を説明する前に、
図1及び
図2の車両のフレームアセンブリを構成する他の構成要素について説明する。
【0039】
まず、内側クロスメンバー500は、車両の幅方向に延び、両側のフレームリアサイドメンバー100の前端同士を互いに連結することができる。内側クロスメンバー500は、バッテリー後方クロスメンバー550の前方及びバッテリー10の上方に位置するように配置してフレームアセンブリの中間部の剛性を増大させることができる。内側クロスメンバー500が第1リアマウント部700においてフレームリアサイドメンバー100と上下方向にボルト締結されるようにして、乗客の乗下車又は物品の搭載の際に外部衝撃力を分散させることができる。
【0040】
また、内側サイドメンバー400は、車両の長手方向に延び、車両の中央を基準に対称的に複数設けられることができる。内側サイドメンバー400は、後述するリアクロスメンバー600と内側クロスメンバー500とを互いに連結することにより、車両のフレームアセンブリの基本的な耐久性及び剛性をさらに増大させることができる。内側クロスメンバー500とフレームクロスメンバー800は、車両の幅方向に延びて車両のフレームアセンブリの幅方向の剛性及び耐久性を増大させることができ、内側サイドメンバー400は、車両の長手方向に延びて車両のフレームアセンブリの長手方向の剛性及び耐久性を増大させることができる。
【0041】
また、ミドルクロスメンバー420は、車両の幅方向に延び、フレームアセンブリの後方部で複数の内側サイドメンバー400同士を互いに連結することができる。一方、ミドルクロスメンバー420の下方には、フレームクロスメンバー800が車両の幅方向に延びて両側のフレームリアサイドメンバー100の中間同士を互いに連結することができる。フレームクロスメンバー800は、フレームリアサイドメンバー100に連結され、車両のフレームアセンブリ後方の基本的な耐久性及び剛性を増大させることができる。
【0042】
図5は、本発明の一実施形態による車両のフレームアセンブリの側方断面図である。
【0043】
図5を参照すると、バッテリー10、リアフロアパネル30、センターフロアパネル40、ミドルクロスメンバー420、バッテリー後方クロスメンバー550、リアクロスメンバー600及びフレームクロスメンバー800の上下位置関係を確認することができる。センターフロアパネル40は、リアフロアパネル30の前方及びバッテリー10の上方に位置し、内側クロスメンバー500を介して下方から支持されることができる。このとき、センターフロアパネル40とリアフロアパネル30とが車両の長手方向に水平連結され、互いに扁平な構造で形成されてフラットな構造を成すことを確認することができる。このように形成されたセンターフロアパネル40及びリアフロアパネル30のフラットな構造は、車両のフロアを最大限に下げて車両の乗下車及び物品の搭載の際に便宜をさらに増大させることができる。
【0044】
図4は、本発明の一実施形態による車両のフレームアセンブリの外観斜視図である。また、
図6は、本発明の一実施形態による車両のフレームアセンブリの後方断面図である。
【0045】
図4を参照すると、リアクロスメンバー600は、車両の幅方向に延び、両側のフレームリアサイドメンバー100の後端同士を互いに連結することができる。リアクロスメンバー600は、リアフロアパネル30を下方から支持することができ、両端にはクロスマウント部650が形成されることにより、第2リアマウント部750においてフレームリアサイドメンバー100と上面結合されて締結されることができる。クロスマウント部650と第2リアマウント部750とは、上下方向にボルト締結構造を形成することにより、車体とシャーシフレームとが結合されるようにすることができる。リアクロスメンバー600の両端部には、外側に折り曲げられて延設された部分にクロスマウント部650が設けられることができる。また、リアクロスメンバー600の中央部は、下方に湾入してリアフロアパネル30を下方から支持することにより、車両のフレームアセンブリの剛性を増大させることができる。
【0046】
図7は、本発明の一実施形態によるリアクロスメンバー600の外側部分と端面結合されるクォータDピラー部1000を示す図である。
【0047】
図7を参照すると、リアクロスメンバー600の外側部は、クォータDピラー部1000と端面結合されてリアクロスメンバー600、リアフロアパネル30及びフレームリアサイドメンバー100が車両の側方衝突に対するロードパスをなすようにすることができる。車両の側方衝突時の衝突による衝撃力は、ホイールハウスインナー450から車両のフレームアセンブリへの分散が必要である。このため、リアクロスメンバー600の外側部は、クォータDピラー部1000と端面結合されることにより、ホイールハウスインナー450からクォータDピラー部1000、リアクロスメンバー600、リアフロアパネル30及びフレームリアサイドメンバー100へ伝達されることができる。したがって、フレームリアサイドメンバー100に上下段差が存在する場合にも、車両の外部衝撃に対する1つのロードパスを形成することにより、車両のフレームアセンブリの剛性を確保することができる。
【0048】
図8は、本発明の一実施形態によるシート又は棚950が配置された外観斜視図である。
【0049】
図8を参照すると、補強材900の上部に、乗客が搭乗可能なシート又は物品の搭載が可能な棚が配置されることができる。補強材900は、リアフロアパネル30の上方に突設され、端部が外側に折り曲げられて延設されることができる。また、補強材900の上端面とリアフロアパネル30とは互いに平行するように形成することにより、車両の後方におけるリアフロアパネル30を介した乗客の乗下車性能及び物品の搭載性能がさらに増大することができる。
【0050】
結局、本発明の車両のフレームアセンブリによれば、車両のリアフロアを低床化するために、リアフロアに、下方に湾入した構造を適用して、車両のフレームアセンブリの基本的な耐久性及び剛性を確保するとともに、デリバリー車両の場合には乗客の乗下車の不便さを解消し、物品搭乗スペースを最大に確保することができる。
【0051】
本発明は、特定の実施形態に関連して図示及び説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術思想から逸脱することなく、本発明に様々な改良及び変更を加え得るのは、当業分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【符号の説明】
【0052】
10 バッテリー
20 フレームサイドメンバーの後端
30 リアフロアパネル
40 センターフロアパネル
100 フレームリアサイドメンバー
200 スプリングシート
300 ショックアブソーバー
400 内側サイドメンバー
420 ミドルクロスメンバー
450 ホイールハウスインナー
500 内側クロスメンバー
550 バッテリー後方クロスメンバー
600 リアクロスメンバー
650 クロスマウント部
700 第1リアマウント部
750 第2リアマウント部
800 フレームクロスメンバー
900 補強材
950 シート又は棚
1000 クォータDピラー部