(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054821
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】内視鏡の人間工学的制御
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20240410BHJP
A61B 1/018 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
A61B1/00 714
A61B1/018 515
A61B1/00 711
【審査請求】有
【請求項の数】31
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023092512
(22)【出願日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】63/378,425
(32)【優先日】2022-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ケスター・ジュリアン・バッチェラー
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー・アール・ピロッツィ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・イー・カラハン
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161AA06
4C161BB04
4C161FF11
4C161FF30
4C161HH33
(57)【要約】
【課題】十二指腸内視鏡と胆道鏡の両方を同時に動作することが困難であり、また様々な特徴を小直径の装置に組み込むことが困難であるという従来の医療装置の問題の解決を提供すること。
【解決手段】補助内視鏡のための制御装置は、メイン内視鏡に取り付けられる結合具と、結合具に接続されたハンドピースと、ハンドピースから延び、結合器内に延びる作動シャフトと、作動シャフトを通って延びるプルワイヤを動作させるための、ハンドピース上に位置する第1の制御機構とを備え、プルワイヤは、補助内視鏡を操縦するように構成されており、ハンドピースを結合具に対して移動させると、メインスコープに対する補助スコープの位置を調節することができる。
【選択図】
図8A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補助内視鏡のための制御装置であって、
メイン内視鏡に取り付けられる結合具と、
前記結合具に接続されたハンドピースと、
前記ハンドピースから延び、前記結合具内に延びる作動シャフトと、
前記作動シャフトを通って延びるプルワイヤであり、前記補助内視鏡を操縦するように構成されたプルワイヤを動作させるための、前記ハンドピース上に位置する第1の制御機構と、を備え、
前記ハンドピースを前記結合具に対して移動させて、前記メイン内視鏡に対する前記補助内視鏡の位置を調節することができる、制御装置。
【請求項2】
前記ハンドピースを移動させて、前記結合具を通って延びる前記作動シャフトの量を調節することができる、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記ハンドピースは、スライド軸に沿って前記結合具に対して軸方向に平行移動可能である、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記結合具は、前記メイン内視鏡に結合されるように構成された、前記スライド軸に沿って延びるスライドポストを備え、前記ハンドピースは、前記スライドポストに沿って摺動するように構成される、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記ハンドピースは、前記結合具に対する前記ハンドピースの回転を容易にする受け器を介して前記スライドポストに接続される、請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記ハンドピースは、前記受け器の軸に対して傾いているハンドピース軸に沿って延びる、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記ハンドピースは、前記受け器の軸と整列したハンドピース軸に沿って延びる、請求項5に記載の制御装置。
【請求項8】
前記ハンドピースは、前記スライドポストと同軸のハンドピース軸に沿って延びる、請求項4に記載の制御装置。
【請求項9】
前記ハンドピースの回転は、前記作動シャフトの回転を生じる、請求項4に記載の制御装置。
【請求項10】
前記第1の制御機構は、枢動させると前記プルワイヤを作動させることができ、回転させると前記作動シャフトを回転させることができるジョイスティックを備える、請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
前記ハンドピースは、前記スライドポストの周りで直接回転させると、前記作動シャフトを回転させることができる、請求項9に記載の制御装置。
【請求項12】
前記第1の制御機構は、前記ハンドピースに取り付けられた第1のサムホイールを備える、請求項11に記載の制御装置。
【請求項13】
前記ハンドピースは、前記ハンドピースに対する前記作動シャフトの回転を提供するように構成された第2の制御機構を備える、請求項12に記載の制御装置。
【請求項14】
前記第2の制御機構は、ギヤシステムによって駆動輪に接続された第2のサムホイールを備え、前記駆動輪は、前記作動シャフトを回転させるように構成される、請求項13に記載の制御装置。
【請求項15】
前記ハンドピースは、
前記スライドポストに沿って摺動するように構成されたメイン本体と、
前記メイン本体から延びるピストルグリップと、
を備える、請求項11に記載の制御装置。
【請求項16】
前記第1の制御機構は、前記ハンドピースに取り付けられたレバーを備える、請求項1に記載の制御装置。
【請求項17】
前記作動シャフトのワーキングチャネルに接続する作動シャフトの開口と連通した前記ハンドピースに位置するアパーチャをさらに備える、請求項1に記載の制御装置。
【請求項18】
前記作動シャフトの遠位先端に介入機能を提供するために前記作動シャフトに接続された制御入力と、
前記制御入力を動作させるための、前記ハンドピース上に位置決めされたボタンと、
をさらに備える、請求項1に記載の制御装置。
【請求項19】
前記結合具に対する前記ハンドピースの動きを防止するためのロック機構をさらに備える、請求項1に記載の制御装置。
【請求項20】
前記結合具は、前記補助内視鏡を受けるためのポートを覆うように前記メイン内視鏡に取り付けられるように構成された結合器筐体を備える、請求項1に記載の制御装置。
【請求項21】
メインスコープであって、
メイン制御装置、
前記メイン制御装置から延びる細長シャフトであって、その中を延びるワーキングチャネルを有する細長シャフト、および
前記ワーキングチャネルにアクセスするための、前記メイン制御装置上に位置するアクセスポート
を備えるメインスコープと、
補助スコープであって、
前記アクセスポートに結合されるように構成されたスライドポスト、
前記スライドポストに摺動可能に取り付けられた補助制御装置、
前記補助制御装置から前記スライドポストを通って前記メインスコープの前記ワーキングチャネル内に延びるように構成された補助シャフト、および
前記補助制御装置内に延びて前記補助シャフトに接続する制御入力
を備える補助スコープと、
を備える内視鏡システム。
【請求項22】
前記補助制御装置は、
前記補助シャフト内でプルワイヤを動作させるための第1の制御機構を含むハンドピースと、
前記ハンドピースから延びるスイベル本体と、
前記スライドポストに摺動可能に取り付けられて前記スイベル本体を受ける受け器であって、前記ハンドピースが前記スイベル本体において回転すると、前記スライドポスト内で前記補助シャフトを回転させることができる、受け器と、
介入装置を前記補助シャフト内に受けるための、前記スイベル本体のアクセス開口と、
を備える、請求項21に記載の内視鏡システム。
【請求項23】
前記ハンドピースは、前記スイベル本体および前記受け器によって、前記メイン制御装置とほぼ平行になるように位置決めされる、請求項22に記載の内視鏡システム。
【請求項24】
前記補助制御装置は、
前記補助シャフト内でプルワイヤを動作させるための第1の制御機構を含むハンドピースと、
前記スライドポストに摺動可能に取り付けられて前記ハンドピースを受ける受け器であって、前記ハンドピースが前記受け器内で回転すると、前記スライドポスト内で前記補助シャフトを回転させることができる、受け器と、
介入装置を前記補助シャフト内に受けるための、前記ハンドピースのアクセス開口と、
を備える、請求項21に記載の内視鏡システム。
【請求項25】
前記制御入力を前記ハンドピースに接続して前記制御入力が前記ハンドピースに対して回転できるようにするスイベルリングをさらに備える、請求項24に記載の内視鏡システム。
【請求項26】
前記補助制御装置は、
前記補助シャフト内でプルワイヤを動作させるための第1の制御機構を含むスライド本体であって、前記スライドポスト上で摺動し、前記スライドポストの周りで回転するように構成されたスライド本体と、
前記スライド本体から延びるピストルグリップと、
を備える、請求項21に記載の内視鏡システム。
【請求項27】
前記スライド本体は、前記制御入力を動作させるための1つまたは複数のボタンを含む、請求項26に記載の内視鏡システム。
【請求項28】
前記補助制御装置は、
前記スライドポスト上で摺動するように構成されたスライド本体と、
前記スライド本体に接続されたノブであって、前記補助シャフト内でプルワイヤを動作させ、前記スライドポストに対して前記補助シャフトを回転させるように構成されたノブと、
介入装置を前記補助シャフト内に受けるための、前記スライド本体のアクセス開口と、
を備える、請求項21に記載の内視鏡システム。
【請求項29】
前記ノブは、前記補助シャフトに対する前記ノブの側方移動を提供し、平坦プレート間のピン接続を介して前記補助シャフトの回転を駆動するように構成された枢動結合器を介して前記補助シャフトに接続される、請求項28に記載の内視鏡システム。
【請求項30】
前記補助制御装置は、
前記スライドポスト上で摺動するように構成されたスライド本体と、
前記補助シャフト内でプルワイヤを動作させるための第1のサムホイールと、
前記スライドポスト内で前記補助シャフトを回転させるための第2のサムホイールと、
を備える、請求項21に記載の内視鏡システム。
【請求項31】
前記第2のサムホイールは、駆動輪を回転させるように構成されたウォームギヤシステムを介して前記補助シャフトに接続される、請求項30に記載の内視鏡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本願は、参照によりその内容の全体が組み込まれる、2022年10月5日出願の米国仮特許出願第63/378425号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、一般に、内視鏡など、診断または処置動作を提供するために患者の解剖学的構造の切開部または開口に挿入されるように構成された細長本体を備える医療装置に関する。
【0003】
さらに詳細には、本開示は、細長本体の遠位部分に取り付けられた、またはそこから延びる診断または処置装置を制御または位置決めするために、細長本体の近位部分に取り付けることができる制御装置に関する。
【背景技術】
【0004】
内視鏡は、1)例えば治療装置または組織収集装置などの他の装置の、様々な解剖学的部分に向かう通路の提供、および2)それらの解剖学的部分の撮像のうちの1つまたは複数のために使用することができる。このような解剖学的部分は、胃腸管(例えば食道、胃、十二指腸、膵胆道管(pancreaticobiliary)、腸、および結腸など)、腎領域(例えば腎臓、尿管、膀胱、尿道)、ならびにその他の内臓(例えば生殖器系、洞腔(sinus cavities)、粘膜下領域、気道)などを含み得る。
【0005】
従来の内視鏡は、例えば1つまたは複数の病状の照明、撮像、検出、および診断、解剖学的領域に向かう流体送達(例えば生理食塩水またはその他の調剤の流体チャネルを介した送達)の提供、解剖学的領域を採取または処置するための1つまたは複数の治療装置の通路の提供(例えばワーキングチャネルを介した提供)、ならびに流体(例えば生理食塩水またはその他の調剤)などを収集するための吸引通路の提供など、様々な臨床手順で必要とされ得る。
【0006】
従来の内視鏡検査では、内視鏡の遠位部分を、昇降機を用いるなどして、治療装置を支持および配向するように構成することができる。いくつかのシステムでは、2つの内視鏡を、第1の内視鏡が昇降機を援用してその中に挿入された第2の内視鏡を案内するように協働するように構成することができる。このようなシステムは、到達することが困難な体内の解剖学的位置まで内視鏡を案内するのに有用である可能性がある。例えば、いくつかの解剖学的位置は、曲がりくねった経路を通して挿入した後でなければ内視鏡でアクセスすることができない。例えば、十二指腸内視鏡検査手順(例えば内視鏡的逆行性胆道膵管造影、以下「ERCP」手順)では、メインスコープ(マザースコープ(mother scope)または十二指腸内視鏡とも呼ばれる)のワーキングチャネルを通して前進させることができる補助スコープ(ドータスコープ(daughter scope)または胆道鏡とも呼ばれる)の使用を伴う。さらに、生体検査に使用される組織回収装置など別の装置(例えば処置装置)を、補助スコープ内に挿入することもできる。したがって、メインスコープおよび補助スコープのシャフト内に延びるプルワイヤを使用することなどにより、メインスコープおよび補助スコープのシャフトを押し引きすることによって、処置装置を制御および案内することができる。プルワイヤは、通常は、シャフトの遠位端部に固定され、シャフトの近位端部で制御装置に接続され、その間ではシャフト内で自由に摺動可能である。制御装置上のノブまたはレバーを操作すると、プルワイヤを引っ張ることにより、プルワイヤにシャフトの屈曲を誘発させることができる。通常は、反対の方向へのシャフトの屈曲を生じるために、プルワイヤは対にして配列される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示は、従来の医療装置、特に胆道鏡および十二指腸内視鏡についての解決すべき問題は、特に、1)十二指腸内視鏡と胆道鏡の両方を同時に動作することが困難であること、および2)様々な特徴(例えば操縦性、ワーキングチャネル、および組織収集機構)を小直径の装置に組み込むことが困難であることを含むことを認識している。例えば、1)両手がふさがっていて、ときには不自然な姿勢に保持されているときに、胆道鏡および十二指腸内視鏡の両方を容易に人間工学的に動作することは困難であることがあり、また2)2組の2本のプルワイヤを胆道鏡に含めて4方向制御を実現することは、空間的な制約により困難であることがある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、十二指腸内視鏡に載置して快適な姿勢で操作することができる胆道鏡またはその他の補助スコープなどの内視鏡の人間工学的制御に関するシステム、装置、および方法を提供することにより、上記その他の問題の解決策を提供することができる。例では、第1の手を使用して十二指腸内視鏡を保持してその機能を制御し、第2の手を使用して、胆道鏡を保持してその機能を制御することができる。第2の手を第1の手に対して相対的に動かすと、胆道鏡の様々な動作を制御することができる。例えば、第2の手を上下に動かすことで、十二指腸内視鏡内での胆道鏡の後退および前進を制御することができ、第2の手を回転させることで、胆道鏡のシャフトの回転を生じることができる。胆道鏡の回転操作性により、4本のプルワイヤシステムの必要性を低減または解消することができ、それにより胆道鏡内のスペースを空けて、より大きなワーキングチャネルを得ることができる。本開示では、4本のプルワイヤシステムと比較して、2本のプルワイヤと、疲労を軽減し、制御性を高め、プルワイヤの数をより少なくするように人間工学的に有利な様式で配列された回転能力とを有する内視鏡のための制御装置の複数の例を記載する。
【0010】
例では、補助内視鏡のための制御装置は、メイン内視鏡に取り付けられる結合具と、結合具に接続されたハンドピースと、ハンドピースから延び、結合器内に延びる作動シャフトと、作動シャフトを通って延びるプルワイヤであり、補助内視鏡を操縦するように構成されたプルワイヤを動作させるための、ハンドピース上に位置する第1の制御機構とを備え、ハンドピースを結合具に対して移動させて、メインスコープに対する補助スコープの位置を調節することができる。
【0011】
例では、内視鏡システムは、メイン制御装置、メイン制御装置から延びる細長シャフトであって、その中を延びるワーキングチャネルを有する細長シャフト、およびワーキングチャネルにアクセスするための、メイン制御装置上に位置するアクセスポートを備えるメインスコープと、アクセスポートに結合されるように構成されたスライドポスト、スライドポストに摺動可能に取り付けられた補助制御装置、補助制御装置からスライドポストを通ってメインスコープのワーキングチャネル内に延びるように構成された補助シャフト、および補助制御装置内に延びて補助シャフトに接続する制御入力を備える補助スコープと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の人間工学的制御装置と共に使用することができる、撮像および制御システムと十二指腸内視鏡などの内視鏡とを備える内視鏡システムの概略図である。
【
図2】
図1の撮像および制御システムの概略図であって、内視鏡に接続された撮像および制御システムを示す概略図である。
【
図3A】側視型内視鏡のための光学構成要素を含むカメラモジュールと昇降機機構とを備える
図1および
図2の内視鏡の遠位部分の概略上面図である。
【
図3B】光学構成要素を示す、
図3Aの平面3B-3Bに沿って取った拡大断面図である。
【
図3C】昇降機機構を示す、
図3Aの平面3C-3Cに沿って取った拡大断面図である。
【
図4A】
図1および
図2の内視鏡と共に使用することができる補助スコープとしての使用に適した光学構成要素および機能構成要素を含むカメラモジュールの端面図である。
【
図4B】端子形鋼製で配置されたカメラモジュールの構成要素を示す、
図4Aの断面4B-4Bに沿って取った断面図である。
【
図5】胆道鏡を十二指腸に近接して位置決めするために使用されている十二指腸内視鏡の遠位部分の概略図である。
【
図6】中央軸に対する2方向の屈曲および回転を示す、2本のプルワイヤと回転能力とを有する内視鏡の遠位端部の概略図である。
【
図7】中央軸に対する4方向の屈曲を示す、4本のプルワイヤを有する内視鏡の遠位端部の概略図である。
【
図8A】アタッチメントピースに枢動可能に取り付けられたハンドピースを有する本開示による内視鏡のための制御装置の斜視図である。
【
図8B】ハンドピースからアタッチメントピースを通って延びる内視鏡のシャフトを示す、
図8Aの制御装置の概略断面図である。
【
図9】制御装置の様々な制御運動を示す、
図8Aの制御装置の斜視図である。
【
図10】十二指腸内視鏡に接続されているときの操作者によって保持された状態の
図8Aおよび
図9の制御装置の斜視図である。
【
図11】様々な制御運動が示されている、
図10の制御装置を示す図である。
【
図12A】遠位先端の屈曲を示す第1の状態にある、
図11の制御装置に取り付けられた内視鏡の遠位先端の概略図である。
【
図12B】遠位先端の回転を示す第2の状態にある、
図11の制御装置に取り付けられた内視鏡の遠位先端の概略図である。
【
図12C】遠位先端の伸長を示す第3の状態にある、
図11の制御装置に取り付けられた内視鏡の遠位先端の概略図である。
【
図13】ハンドピースがアタッチメントピース内で回転可能であり360度の回転を容易にする、内視鏡のための制御装置の概略図である。
【
図14】ピストルグリップとトップローディング治療装置とを有する内視鏡のための制御装置の概略図である。
【
図15A】枢動結合器を介してアタッチメントピースに接続された回転可能なノブを有する内視鏡のための制御装置の概略図である。
【
図16A】アタッチメントピースに載置されたハンドピース上に複数のサムホイールを有する内視鏡のための制御装置の概略図である。
【
図16B】シャフトの回転および関節運動を誘発するように構成された
図16Aのサムホイールの概略断面図である。
【
図17】本願に開示されるシステム、処置機器、および構成要素のための再処理方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、撮像および制御システム12と内視鏡14とを備える内視鏡システム10の概略図である。
図1のシステムは、人間工学的制御装置など、本明細書に記載されるシステム、装置、および方法と共に使用されるのに適した内視鏡システムの例示的な例である。いくつかの例によれば、内視鏡14は、撮像のために、かつ/あるいは補助スコープ、および生体検査装置または解剖学的領域に関連する病状の処置のための1つもしくは複数の治療装置などの他の装置の通路を提供するために、解剖学的領域に挿入可能にすることができる。内視鏡14は、有利な態様では、撮像および制御システム12とインタフェースを取り、これに接続することができる。図示の例では、内視鏡14は、十二指腸内視鏡を備えるが、他のタイプの内視鏡も、本開示特徴および教示と共に使用することができる。
【0014】
撮像および制御システム12は、制御ユニット16と、出力ユニット18と、入力ユニット20と、光源ユニット22と、流体源24と、吸引ポンプ26とを備えることができる。
【0015】
撮像および制御システム12は、内視鏡システム10と結合するための様々なポートを含むことができる。例えば、制御ユニット16は、内視鏡14からデータを受信し、内視鏡14にデータを通信するためのデータ入出力ポートを含むことができる。光源ユニット22は、光ファイバリンクを介するなどして内視鏡14に光を伝送するための出力ポートを含むことができる。流体源24は、内視鏡14に流体を伝送するためのポートを含むことができる。流体源24は、ポンプと流体のタンクとを備えることもできるし、あるいは外部のタンク、容器、または格納ユニットに接続することもできる。吸引ポンプ26は、内視鏡14が挿入されている解剖学的領域から流体を引き抜くなどのために内視鏡14を真空引きして吸引力を生成するために使用されるポートを備えることができる。出力ユニット18および入力ユニット20は、例えば外科医または技師などのユーザなど、内視鏡システム10の操作者が内視鏡システム10の機能を制御し、内視鏡14の出力を見るために使用することができる。制御ユニット16は、さらに、内視鏡14が挿入されている解剖学的領域の処置から信号またはその他の出力を生成するために使用することもできる。例では、制御ユニット16は、例えば焼灼、切開、および冷凍などによって解剖学的領域を処置するための電気出力、音響出力、および流体出力などを生成することができる。
【0016】
内視鏡14は、ケーブル区間34および結合器区間36に結合することができる挿入区間28、機能区間30、およびハンドル区間32を備えることができる。結合器区間36を制御ユニット16に接続して、内視鏡14を、入力ユニット20、光源ユニット22、流体源24、および吸引ポンプ26など制御ユニット16の複数の機構に接続することができる。
【0017】
挿入区間28は、ハンドル区間32から遠位方向に延びることができ、ケーブル区間34は、ハンドル区間32から近位方向に延びることができる。挿入区間28は、細長にすることができ、屈曲区間と、機能区間30を取り付けることができる遠位端部とを含むことができる。屈曲区間は、蛇行した解剖学的通路(例えば胃、十二指腸、腎臓、尿管など)を通して遠位端部を操縦するように(例えばハンドル区間32上の制御ノブ38によって)制御可能にすることができる。挿入区間28は、細長にすることができ、
図5の補助スコープ134など機能区間30の1つまたは複数の治療器具の挿入を支持することができる、1つまたは複数のワーキングチャネル(例えば内部ルーメンなど)を含むこともできる。ワーキングチャネルは、ハンドル区間32と機能区間30の間に延びることができる。流体通路、ガイドワイヤ、およびプルワイヤなどの追加の機能も、挿入区間28によって(例えば吸引または灌注通路、およびワイヤ通路などを介して)設けることができる。
【0018】
ハンドル区間32は、制御ノブ38およびポート40Aを備えることができる。制御ノブ38は、挿入区間28を通って延びるプルワイヤまたはその他の作動機構に結合することができる。ポート40A、およびポート40B(
図2)などのその他のポートは、様々な電気ケーブル、ガイドワイヤ、補助スコープ、組織収集装置、および流体チューブなどを挿入区間28に結合するためにハンドル区間32に結合するように構成することができる。例では、ポート40Aを使用して、補助スコープまたは胆道鏡を挿入区間28内に送ることができる。
【0019】
例による撮像および制御システム12は、光源ユニット22、吸引ポンプ26、画像処理ユニット42(
図2)などを収容または支持するための棚を備えた移動プラットフォーム(例えばカート41)上に設けることができる。あるいは、
図1および
図2に示す撮像および制御システム12のいくつかの構成要素を内視鏡14上に直接設けて、内視鏡を「自立型」にすることもできる。
【0020】
機能区間30は、患者の解剖学的構造を処置および診断するための構成要素を備えることができる。機能区間30は、撮像装置と、照明装置と、
図3A~
図3Cの昇降機54を参照してさらに説明するような昇降機とを備えることができる。
【0021】
図2は、撮像および制御システム12と内視鏡14とを備える
図1の内視鏡システム10の概略図である。
図2は、図示の例では十二指腸内視鏡を備える内視鏡14に結合された撮像および制御システム12の構成要素を概略的に示している。撮像および制御システム12は、制御ユニット16を備えることができ、この制御ユニット16は、画像処理ユニット42、処置生成器(treatment generator)44、および駆動ユニット46、ならびに光源ユニット22、入力ユニット20、および出力ユニット18を含む、またはこれらに結合することができる。結合器区間36は、ケーブル49(
図2では概略的に示す)を介して制御ユニット16に接続されて、内視鏡14を、画像処理ユニット42および処置生成器44などの制御ユニット16の複数の機構に接続することができる。例では、ポート40Aを使用して、ドータスコープまたは補助スコープなどの別の機器または装置を内視鏡14内に挿入することができる。本明細書に記載するように、ポート40Aは、ドータスコープの制御装置の重量を支持することができる様々な取付具に結合するように構成することができる。このような機器および装置は、ケーブル47を介して制御ユニット16に独立して接続することができる。例えば、ケーブル47は、
図8A~
図9の制御入力314を備えることができる。例では、ポート40Bを使用して、結合器区間36を、映像、空気、光、および電気などの様々な入力および出力に接続することができる。制御ユニット16は、内視鏡14の遠位側の目標組織を見るためにカメラを起動するように構成することができる。同様に、制御ユニット16は、内視鏡14またはそこから延びるその他の装置に光を照射するために光源ユニット22を起動するように構成することもできる。
【0022】
画像処理ユニット42および光源ユニット22は、それぞれ有線または無線の電気接続によって(例えば機能区間30にある)内視鏡14とインタフェースを取ることができる。撮像および制御システム12は、これにより、解剖学的領域を照明し、解剖学的領域を表す信号を収集し、解剖学的領域を表す信号を処理し、解剖学的領域を表す画像を出力ユニット18上で表示することができる。撮像および制御システム12は、所望のスペクトル(例えば広帯域白色光、および好ましい電磁波長を用いた狭帯域撮像など)の光を用いて解剖学的領域を照明するために光源ユニット22を含むことができる。撮像および制御システム12は、信号伝送(例えば光源からの光出力、遠位端部内の撮像システムからの映像信号、ならびに診断装置からの診断およびセンサ信号など)のために(例えば内視鏡コネクタを介して)内視鏡14に接続することができる。
【0023】
流体源24(
図1)は、制御ユニット16と連通することができ、空気、生理食塩水、またはその他の流体の1つまたは複数の源、ならびに関連する流体通路(例えば空気チャネル、灌注チャネル、吸引チャネル)およびコネクタ(バーブ継手、流体シール、および弁など)を備えることができる。流体源24は、本開示のバイアス装置または圧力印加装置のための活動化エネルギーとして利用することができる。撮像および制御システム12は、駆動ユニット46を含むこともできるが、これは任意選択の構成要素であってよい。駆動ユニット46は、参照によりその全体を本明細書に組み込む「Rotate-to-Advance Catheterization System」と題するFrassica等によるPCT公開番号WO2011/140118 A1に少なくとも記載されるように、内視鏡14の遠位区間を前進させるための電動式駆動装置を備えることができる。
【0024】
図3A~
図3Cは、
図2の内視鏡14の機能区間30の第1の例を示す図である。
図3Aは、機能区間30の上面図である。
図3Bは、
図3Aの切断面3B-3Bに沿って取った機能区間30の断面図である。
図3Cは、
図3Aの切断面3C-3Cに沿って取った機能区間30の断面図である。
図3A~
図3Cは、十二指腸内視鏡などとして使用される側視型内視鏡カメラモジュール50を示している。側視型内視鏡カメラモジュール50内には、撮像システムの視角が内視鏡14の中央長手方向軸A1の側方にある目標の解剖学的構造に対応するように、照明および撮像システムが位置決めされている。
【0025】
図3Aおよび
図3Bの例では、側視型内視鏡カメラモジュール50は、筐体52と、昇降機54と、流体出口56と、照明レンズ58と、対物レンズ60とを備えることができる。筐体52は、挿入区間28との間に流体密結合を形成することができる。筐体52は、昇降機54のための開口を備えることができる。昇降機54は、
図5の補助スコープ134など、挿入区間28を通して挿入された装置を動かす機構を備えることができる。特に、昇降機54は、
図3Cを参照してさらに詳細に述べるように、軸A1に沿って挿入区間28を通して延びる細長装置を屈曲させることができる装置を備えることができる。昇降機54を使用して、細長装置を軸A1に対して角度をなすように屈曲させることによって、側視型内視鏡カメラモジュール50に隣接する解剖学的領域を処置する、またはこれにアクセスすることができる。昇降機54は、照明レンズ58および対物レンズ60の横に並んで、例えば軸A1の径方向外側に位置する。
【0026】
図3Bから分かるように、挿入区間28は、様々な構成要素(例えば
図5の補助スコープ134)をその中に延ばして機能区間30をハンドル区間32(
図2)と接続することができる中央ルーメン62を備えることができる。例えば、照明レンズ58は、光伝送器64に接続することができ、光伝送器64は、光源ユニット22(
図1)に延びる光ファイバケーブルまたはケーブル束を備えることができる。同様に、対物レンズ60は、プリズム66および撮像ユニット67に結合することができ、撮像ユニット67は、配線68に結合することができる。また、流体出口56Aは、流体線路56Bに結合することができ、流体線路56Bは、流体源24(
図1)に延びるチューブを備えることができる。例えばチューブ、ワイヤ、ケーブルなど、他の細長要素も、中央ルーメン62を通って延びて、機能区間30を、吸引ポンプ26(
図1)および処置生成器44(
図2)などの内視鏡システム10の構成要素と接続することができる。
【0027】
図3Cは、昇降機54を示す、
図3Aの切断面3C-3Cに沿って取った概略断面図である。昇降機54は、筐体52の収容スペース53内に配置することができるデフレクタ55を備えることができる。デフレクタ55は、チューブ59を通って延びてハンドル区間32に接続することができるワイヤ57に接続することができる。ワイヤ57は、ノブを回転させる、レバーを引く、またはハンドル区間32上のボタンを押すことなどによって作動させることができる。ワイヤ57の動きにより、ピン61の周りのデフレクタ55の第1の位置から55'で示すデフレクタ55の第2の位置への例えば時計回りの回転を引き起こすことができる。デフレクタ55をワイヤ57によって作動させて、筐体52の窓65を通って延びる機器63の遠位部分を動かすことができる。
【0028】
筐体52は、デフレクタ55を収容する収容スペース53を備えることができる。
図3Cでは必ずしも正確な縮尺では描かれていない機器63は、中央ルーメン62を通って延びる鉗子、ガイドワイヤ、またはカテーテルなどを備えることができる。機器63は、
図5の補助スコープ134、
図8Bに示す内視鏡301の補助シャフト303、または生体検査を実行するために使用されるものなどの組織収集または回収装置をさらに備えることができる。デフレクタ55の近位端部は、側視型内視鏡カメラモジュール50に設けられたピン61において筐体52に取り付けることができる。デフレクタ55の遠位端部は、デフレクタ55が降下した、または作動していない状態にあるときには、筐体52内で窓65の下方に位置することができる。デフレクタ55の遠位端部は、デフレクタ55がワイヤ57によって持ち上げられた、または作動されたときに、少なくとも部分的には窓65の外に延びることができる。機器63は、デフレクタ55の角度の付いた傾斜表面51上を摺動して、最初は機器63の遠位端部を窓65に向かってそらすことができる。角度の付いた傾斜表面51は、中央ルーメン62の軸に対して第1の角度で窓65から延びる機器63の遠位部分を延ばすことを容易にすることができる。角度の付いた傾斜表面51は、例えばV字ノッチなどの溝69を含み、機器63を受けて、案内することができる。デフレクタ55を作動させると、中央ルーメン62の軸に対して第1の角度よりも直角に近い第2の角度で機器63を屈曲させることができる。ワイヤ57が解放されると、ワイヤ57を押す、または緩めることによって、デフレクタ55を例えば反時計回りに回転させて、降下した位置に戻すことができる。例では、機器63は、胆道鏡または補助スコープ134(
図5)を備えることができる。
【0029】
図3A~
図3Cの側視型内視鏡カメラモジュール50は、画像信号を収集するための光学構成要素(例えば対物レンズ60、プリズム66、撮像ユニット67、配線68)と、光を伝送または生成するための照明構成要素(例えば照明レンズ58、光伝送器64)を含むことができる。側視型内視鏡カメラモジュール50は、電荷結合素子(「CCD」センサ)または相補型金属酸化膜半導体(「CMOS」)センサなどの感光素子を含むこともできる。いずれの例でも、撮像ユニット67を(例えば有線または無線の接続を介して)画像処理ユニット42(
図2)に結合して、画像を表す感光素子からの信号(例えば映像信号)を画像処理ユニット42に伝送して、出力ユニット18などのディスプレイ上に表示することができる。様々な例では、撮像および制御システム12ならびに撮像ユニット67は、内視鏡手順に適した所望の解像度(例えば少なくとも480p、少なくとも720p、少なくとも1080p、少なくとも4K UHDなど)で出力を提供するように構成することができる。
【0030】
したがって、内視鏡14が解剖学的構造内にさらに挿入されるにつれて、
図5を参照して述べるように、内視鏡14を操縦し、かつ歪める複雑さは増大する。さらに、解剖学的構造内のさらに奥の位置に到達するために、例えば補助スコープ134の形態の機器63など、追加の装置を使用することができる。したがって、その後に入れ子状に重ねられる装置の断面積、例えば直径は小さくなっていき、それにより、製造および操作が困難である可能性がある、または介入(例えば患者との相互作用)を繰り返さなければ満足のいく結果を生み出すことが困難である可能性がある、さらに小さな装置が必要になる。本明細書で述べるように、本願では、一対のプルワイヤ対と回転能力のみの内蔵により完全な360度の屈曲能力を有することができ、それにより別のプルワイヤ対をなくして他の機構のためにスペースを空けることができる補助スコープを記載している。
【0031】
図4Aは、端視型(end-viewing)内視鏡カメラモジュール70の端面図であり、
図4Bは、
図4Aの切断面4B-4Bに沿って取った端視型内視鏡カメラモジュール70の断面図である。
図4Aおよび
図4Bはそれぞれ、胃鏡、結腸鏡、および胆道鏡などとして使用されるような端視型内視鏡カメラモジュール70を示している。端視型内視鏡カメラモジュール70内には、撮像システムの視角が、内視鏡14の中央長手方向軸A1と整列して内視鏡14の端部に隣接して(例えば遠位側に)位置する目標の解剖学的構造に対応するように、照明および撮像システムが位置決めされている。
【0032】
図4Aおよび
図4Bの端視型内視鏡カメラモジュール70は、
図1および
図2の内視鏡14の機能区間30の代替例として使用することができる。さらに、端視型内視鏡カメラモジュール70は、
図5の胆道鏡、補助スコープ134内で、および
図6~
図11の人間工学的制御装置のスコープと共に使用することができる。例えば、端視型内視鏡カメラモジュール70は、
図8Bに示す内視鏡301の補助シャフト303または
図14のシャフト509の遠位端部に位置することができる。
【0033】
図4Aおよび
図4Bの例では、端視型内視鏡カメラモジュール70は、筐体72と、治療ユニット74と、流体出口76と、照明レンズ78と、対物レンズ80とを備えることができる。筐体72は、挿入区間28のエンドキャップを備えることにより、ルーメン82にシールを提供することができる。
【0034】
図4Bから分かるように、挿入区間28は、様々な構成要素をその中に延ばして端視型内視鏡カメラモジュール70を例えばハンドル区間32(
図2)と接続することができるルーメン82を備えることができる。例えば、照明レンズ78は、光伝送器84に接続することができ、光伝送器84は、光源ユニット22(
図1)に延びる光ファイバケーブルまたはケーブル束を備えることができる。同様に、対物レンズ80は、配線88に結合することができる撮像ユニット87に結合することができる。また、流体出口76は、流体線路89に結合することができ、流体線路89は、流体源24(
図1)に延びるチューブを備えることができる。例では、流体出口76のうちの1つは、洗浄および灌注流体の回収のために真空に接続されるなど、吸引を行うように構成された流体線路89に接続された入口を備えることができる。例えばチューブ、ワイヤ、ケーブルなど、他の細長要素も、ルーメン82を通って延びて、機能区間30を、吸引ポンプ26(
図1)および処置生成器44(
図2)などの内視鏡システム10の構成要素と接続することができる。例えば、治療ユニット74は、組織分離装置などの切開装置および治療装置など、他の処置構成要素を受けるための大直径ルーメンを備えることができる。
【0035】
端視型内視鏡カメラモジュール70は、電荷結合素子(「CCD」センサ)または相補型金属酸化膜半導体(「CMOS」)センサなどの感光素子を含むこともできる。いずれの例でも、撮像ユニット87を(例えば有線または無線の接続を介して)画像処理ユニット42(
図2)に結合して、画像を表す感光素子からの信号(例えば映像信号)を画像処理ユニット42に伝送して、出力ユニット18などのディスプレイ上に表示することができる。様々な例では、撮像および制御システム12ならびに撮像ユニット87は、内視鏡手順に適した所望の解像度(例えば少なくとも480p、少なくとも720p、少なくとも1080p、少なくとも4K UHDなど)で出力を提供するように構成することができる。
【0036】
図5は、十二指腸D内に位置決めされた本開示による内視鏡100の遠位部分の概略図である。内視鏡100は、機能モジュール102と、挿入区間モジュール104と、制御モジュール106とを備えることができる。制御モジュール106は、制御装置108を含むことができる。制御モジュール106は、制御ユニット16(
図2)を参照して記載したものなど、他の構成要素も含むことができる。さらに、制御モジュール106は、撮像ユニット110、照明ユニット112、および電源ユニット114など、補助スコープ134に接続されるカメラおよび光源を制御する構成要素も備えることができる。内視鏡100は、
図1および
図2の内視鏡14と同様に構成することができる。
【0037】
十二指腸Dは、導管壁120と、オッディ括約筋122と、総胆管124と、主膵管126とを備えることができる。十二指腸Dは、小腸の上側部分を構成する。総胆管124は、胆嚢および肝臓(図示せず)からの胆汁を搬送し、この胆汁をオッディ括約筋122を通して十二指腸D内に注ぐ。主膵管126は、膵臓外分泌部(図示せず)から総胆管124に膵液を搬送する。ときには、例えば癌などの患者の疾病または疾患を診断するために、例えば組織などの生体物質を総胆管124または主膵管126から取り出して、その組織を分析することが望ましいこともある。
【0038】
機能モジュール102は、昇降機部分130を備えることができる。内視鏡100は、ルーメン132と補助スコープ134とをさらに備えることができる。補助スコープ134は、ルーメン136を備えることができる。補助スコープ134は、それ自体が制御モジュール106に結合されたカメラレンズ137および光レンズ(図示せず)などの機能構成要素を含み、解剖学的構造を通した内視鏡100からの補助スコープ134のナビゲーションを容易にし、ルーメン132から延びる構成要素を見ることを容易にすることができる。例では、補助スコープ134は、補助スコープ134をオッディ括約筋122内に案内するためのプルワイヤを含むことができる。例では、補助スコープ134は、
図8Bに示す内視鏡301の補助シャフト303を備えることができる。
【0039】
特定の十二指腸内視鏡手順(例えば内視鏡的逆行性胆道膵管造影、以下「ERCP」手順)では、補助スコープ134などの補助スコープ(ドータスコープまたは胆道鏡とも呼ばれる)を取り付けて、内視鏡100などのメインスコープ(マザースコープまたは十二指腸内視鏡とも呼ばれる)のルーメン132(または
図3Bの内視鏡14の挿入区間28の中央ルーメン62)を通して前進させることができる。補助スコープ134は、オッディ括約筋122内へ案内することができる。そこから、補助スコープ134を操作する外科医は、補助スコープ134をルーメン132を通して胆嚢、肝臓、または胃腸管系内のその他の位置に向かってナビゲートして、様々な手順を実行することができる。外科医は、主膵管126の入口128を通過して、総胆管124の通路129内へ、または入口128内へ、補助スコープ134をナビゲートすることができる。補助スコープ134を使用して追加の装置を解剖学的構造に案内し、ルーメン136を通過させる、またはルーメン136に取り付けることなどによって生体物質を得ることができる。この追加の装置は、光源、カメラ、組織分離器、付属品、および生体検査チャネルなど、それ自体の機能装置を、治療手順のために有することができる。したがって、適当な能力を備えた追加の装置を通すことができるように、補助スコープ134内の利用可能なスペースを増大させることが望ましいこともある。例えば、
図8Bの介入装置305を参照されたい。いくつかの例によれば、内視鏡100は、癌性または前癌物質(例えば癌腫、肉腫、骨肉腫、白血病、およびリンパ腫)の除去、子宮内膜症の評価、および胆管生体検査などに適することができる。
【0040】
ただし、上述のように、内視鏡100、補助スコープ134、および追加の装置のサイズは段階的に小さくなっていくので、追加の装置のサイズは、通常は小さい。例では、内視鏡100のルーメン132は、通常は直径が約4.0mm(約0.157インチ)程度にすることができ、補助スコープ134のルーメン136は、通常は約1.2mm(約0.05インチ)程度にすることができる。したがって、従来の装置では、追加の装置を繰り返し取り出して再挿入しなければ、正確な診断を保証する大きさの十分に大きな組織サンプルを得ることが困難である可能性がある。
【0041】
いくつかの従来の補助スコープでは、4本のプルワイヤを利用して、補助スコープ134の遠位先端を、ルーメン132に通し、オッディ括約筋122内に入れ、入口128を通すように操縦またはナビゲートする。上記のように、4本のプルワイヤを操作して、
図6に示すように補助スコープ134のシャフトを4つの異なる方向に引っ張ることができ、中間の方向の屈曲は、2本のプルワイヤを同時に引っ張ることによって実現する。しかし、プルワイヤが4本あると、補助スコープのシャフト内の利用可能なスペースの大きな部分を占める。本開示では、内視鏡シャフトは、内視鏡シャフトを回転させて遠位先端を内視鏡シャフトの中心軸に対して任意の径方向位置に位置決めしてシャフトの操縦およびナビゲーションを容易にすることができる能力を有する2本のプルワイヤを含むことができる。したがって、例えばより大きな機器を受け入れる、またはより大きな生体検査サンプルを得るためのさらなるワーキングチャネルスペースを備えることができる一方で、依然として内視鏡シャフトを通路129および主膵管126内へ、また通路129および主膵管126を通してナビゲートすることができる。
【0042】
例では、補助スコープ134の長さは、総胆管124、主膵管126、入口128、およびその先の所望の位置に到達することができる能力を提供するような大きさにすることができる。例では、ルーメン132の出口を超えて延びて総胆管124、主膵管126、および入口128に到達するのに望ましい補助スコープ134の長さは、十分なリーチを提供するためには、訳10インチ(約25.4cm)とすることができる。例示的な解剖学的構造では、オッディ括約筋122(ファーテル膨大部)から入口128の分岐までの距離は、約8cm(約3.15インチ)とすることができ、通常は、シャフト252の先端を総胆管124および主膵管126のそれぞれの中にさらに約4cm(約1.6インチ)前進させることが望ましい。したがって、補助スコープ134の先端は、ルーメン132の出口から合計で約12センチメートル(約4.7インチ)延びることができることが望ましいことがある。また、以下で述べるように、スライドポスト320の長さは、約10インチ(約25.4cm)、約6から約8インチ(約15.2cmから約20.3cm)、または約4インチ(約10.2cm)とすることができる。
【0043】
図6は、中心軸CA1に対する2方向の屈曲および回転を示す、2本のプルワイヤおよび回転能力を有する内視鏡200の遠位端部の概略図である。例では、内視鏡200は、
図5の補助スコープ134の例を備えることができる。さらに、内視鏡200は、
図8Bの内視鏡301の補助シャフト303、
図14の内視鏡501のシャフト509、および
図16Aの内視鏡701のシャフト709を備えることができる。内視鏡200は、プルワイヤがその中に位置することができるシャフト202を備えることができる。プルワイヤを引っ張って、例えば矢印204Uで示す上向きの動きおよび矢印204Dで示す下向きの動きを引き起こすことができる。シャフト202は、さらに、矢印206で示すように360度回転させることができる。したがって、シャフト202の遠位先端は、以下で述べるように360度の回転を可能にするなど、中央軸CA1に対する様々な位置に到達するように構成することができる。シャフト202のプルワイヤは、
図9のレバー350など、1つまたは複数の制御機構に接続することができる。例では、制御機構は、1本のプルワイヤを引っ張りながら、同時に他方のプルワイヤを押すように構成することができる。
【0044】
図7は、中央軸CA2に対する4方向の屈曲を示す、4本のプルワイヤを有する内視鏡250の遠位端部の概略図である。例では、内視鏡250は、
図5の補助スコープ134の例を備えることができる。さらに、内視鏡250は、
図8Bの内視鏡301の補助シャフト303、
図14の内視鏡501のシャフト509、
図15の内視鏡601のシャフト609、および
図16Aの内視鏡701のシャフト709を備えることができる。内視鏡250は、プルワイヤがその中に位置することができるシャフト252を備えることができる。プルワイヤを引っ張って、例えば矢印254Uで示す上向きの動き、矢印254Dで示す下向きの動き、矢印254Lで示す左向きの動き、および矢印254Rで示す右向きの動きを引き起こすことができる。シャフト252のプルワイヤは、
図9のレバー350など、1つまたは複数の制御機構に接続することができる。例では、第1の制御機構は、第1のプルワイヤを引っ張りながら、同時に第2の反対側のプルワイヤを押すように構成することができ、第2の制御機構は、第3のプルワイヤを引っ張りながら、同時に第4のプルワイヤを押すように構成することができる。2つの制御機構を同時に操作することにより、中間の方向の屈曲を引き起こすことができる。
【0045】
図6の内視鏡200および
図7の内視鏡250は、両方とも、シャフトの中央軸に対する任意の径方向のそれぞれのシャフトの遠位先端の配向を得ることができる。ただし、
図6の内視鏡200は、2本というより少数のプルワイヤでこの機能を得ることができ、それにより本明細書に記載される内視鏡内のスペースを空けることができる。内視鏡200の回転能力は、
図8A~
図16を参照して述べる制御装置を用いるなど、様々な方法で得ることができる。
【0046】
図8Aは、ハンドピース302とアタッチメントピース304とを備える、本開示による内視鏡301の制御装置300の斜視図である。
図8Bは、ハンドピース302からアタッチメントピース304を通って延びる内視鏡301の補助シャフト303、および制御装置300内へ延びる介入装置305を示す、
図8Aの制御装置300の概略断面図である。
図8Aおよび
図8Bについては、同時に説明する。
【0047】
制御装置300は、ハンドピース302とアタッチメントピース304とを備えることができる。ハンドピース302は、制御本体306と、ハンドル本体308と、スイベル本体310と、アクセス開口312と、制御入力314とを備えることができる。アタッチメントピース304は、受け器316と、スライド本体318と、スライドポスト320と、結合器322とを備えることができる。例では、制御装置300は、
図6のシャフト202または
図7のシャフト252の近位端部に接続することができる。内視鏡301は、補助シャフト303と制御入力314とを備えることができ、これらは制御装置300によって接続することができる。
【0048】
アタッチメントピース304は、ハンドピース302を内視鏡14、メイン内視鏡、別のスコープ、または十二指腸内視鏡に取り付けるための結合具を備えることができる。アタッチメントピース304は、受け器316、スライド本体318、スライドポスト320、および結合器322のうちの1つまたは複数を備えることができる。結合器322は、十二指腸内視鏡などの内視鏡14に取り付けることができる。例では、結合器322は、内視鏡14(
図2)のポート40Aに取り付けることができる。スライドポスト320は、制御装置300の可撓性の細長シャフトを挿入することができるスロット324を有するカニューレ状本体を備えることができる。スライドポスト320は、中心軸CA3、あるいは結合軸またはスライド軸に沿って延びることができる。
【0049】
結合器322は、結合器、固定器、マジックテープ(登録商標)材料、ねじ付きカラー、止めねじ、および接着剤など様々な手段を用いて十二指腸内視鏡に取り付けることができる。例では、結合器322は、開口328を有する筐体326を備えることができる。筐体326は、ハンドル区間312(
図2)のポート40Aを覆うように位置決めすることができる。筐体326は、十二指腸内視鏡のハンドル上のポートの上に筐体326を締まり嵌めで嵌合させることができるように、このポートの形状と対合する形状を有することができ、このポートを覆うように嵌合し、固定器またはその他の手段を用いて固定することができる。例えば、開口328の内周は、十二指腸内視鏡上のポートの外周よりわずかに大きくすることができる。例では、開口328は、正方形または長方形などの直線状のプロフィル、あるいは円形または楕円形などの湾曲したプロフィルを有することができる。
【0050】
スライドポスト320は、結合器322から中心軸CA3に沿って延びることができる。スライドポスト320は、結合器322に対して固定位置に維持することができる細長い剛性本体を備えることができる。例では、スライドポスト320は、硬質プラスチックまたは金属で構成することができる。さらなる例では、スライドポスト320は、グースネックチューブなどの可撓性のチューブで構成することもできる。スライドポストは、例えば厚さおよび材料の性質により、ハンドピース302を支持するのに十分な強度を有することができる。スライドポスト320は、制御装置300から延びる胆道鏡のシャフトなどの構成要素をその中に通すことができる内部通路またはルーメンを含むことができる。スロット324は、スライドポスト320の全体または一部に沿って延びることができ、内部通路またはルーメン内まで入ることができる。例では、スロット324は、遠位端部にある結合器322から反対側の近位端部に近い位置まで延びることができる。例では、スロット324は、スライドポスト320の全長に沿って延びることができる。筐体326は、スライドポスト320を接合することができる開口330を含むことができる。
【0051】
スライド本体318は、軸CA3に沿ってスライドポスト320上を摺動するように構成された環状本体を備えることができる。例では、スライド本体318は、摩擦によってスライドポスト320上の適所に保持することができる。例では、スライド本体318は、ロックボタン331を含むことができる。ロックボタン331は、スライド本体318がスライドポスト320に対して相対的に動くのを防止するように構成することができる。例えば、ロックボタン331は、スライドポスト320を押圧して摩擦によって動きを防止する内部表面を有するように構成することができる。例では、ロックボタン331は、スライドポスト320の全長に沿って位置決めされたノッチまたは溝(図面では見えない)と対合する内歯を有するように構成することができる。例では、ロックボタン331は、ばね荷重をかけてロック解除位置にバイアスすることができる。操作者は、ロックボタン331を押下してばねの力を超え、一時的にスライドポスト320に対するスライド本体318の動きを防止することができる。例では、スライド本体318およびスライドポスト320は、軸CA3と平行に延びる対合するレールおよび溝(図では見えない)を含み、スライド本体318が軸CA3の周りで回転するのを防止して、直線的な平行移動のみが許されるようにすることができる。例えば、スライド本体318は、スロット324内に乗り入るタブまたはフランジを含み、スライド本体318とスライドポスト320の間の相対的な回転を防止することができる。
【0052】
受け器316は、スイベル本体310を受けることができる。受け器316およびスイベル本体310は、
図8Bで最もよく分かるように、軸CA4、あるいはハンドピースの軸またはスイベルの軸に沿って延びることができる。例では、内部表面334は、スイベル本体310の対合する円形表面を受ける円形表面を備えることができる。スイベル本体310は、制御本体306およびハンドル本体308の内部構成要素を内部通路338を介してアタッチメントピース304に搬送または移送するハンドピース302の構成要素を備えることができる。スイベル本体310は、受け器316内で回転するように構成することができる。例では、スイベル本体310は、摩擦によって受け器316内の適所に保持することができる。例では、受け器316は、ロックボタン340を含むことができる。ロックボタン331と同様に、ロックボタン340は、ばねで起動することができ、スイベル本体310に摩擦力を印加して相対的な回転を防止するように構成することができる。ロックボタン340は、スイベル本体310内のノッチまたは溝と対合する移動止めを有するように構成されることなどによって、追加の較正を有することができる。
【0053】
スライド本体318は、スライドポスト320と係合する内部表面332(
図8B)を含むことができる。スライド本体318は、受け器316に接続することができ、受け器316は、スイベル本体310を受けるように構成された環状本体を備えることができる。受け器316は、スイベル本体310と係合する内部表面334(
図8B)を備えることができる。スライド本体318は、スロット324を内部表面334によって構成される受け器316のルーメンと接続するアパーチャ336(
図8B)を含むことができる。スイベル本体310は、受け器316とハンドル本体308の間の通過を可能にする内部通路338(
図8B)をさらに備えることができる。したがって、内部表面334、アパーチャ336、スロット324、開口330、および筐体326によって連続した開口を形成することができる。このような通路により、制御装置300の補助シャフト303をアタッチメントピース304内に挿入することを可能にすることができる。
【0054】
補助シャフト303は、
図6のシャフト202など、可撓性の細長シャフトを備えることができ、ハンドピース302に接続することができ、スイベル本体310、受け器316、およびスライドポスト320を通って結合器322内に延びることができる。上記のように、結合器322は、十二指腸内視鏡のワーキングチャネルへのアクセス開口に接続することができる。プルワイヤ342Aおよび342Bは、補助シャフト303内に延びることができ、その中を通って補助シャフト303の遠位端部まで延びることができる。プルワイヤ342Aおよび342Bは、ハンドル本体308内のアクチュエータ344に接続することができる。アクチュエータ344は、プルワイヤ342Aおよび342Bに取り付けることができるドラムまたはバレルを備えることができる。アクチュエータ344は、制御本体306内のアパーチャ352(
図8A)を通って延びるロッドまたはシャフトを介するなどして、レバー350(
図9)に接続することができる。
【0055】
制御入力314は、補助シャフト303内に延びて、補助シャフト303の遠位端部に機能性を提供することができる。制御入力314は、制御ユニット16(
図1および
図2)などの制御装置に接続することができるチューブ、ホース、またはケーブルを備えることができる。制御入力314は、水または空気などの流体、内視鏡301の照明および撮像能力を稼働させるなどのための電気信号、ならびに電気、超音波、切除、および低温などの処置エネルギーを搬送するための通路を含むことができる。例では、制御入力314は、流体チューブ315Aと電力ケーブル315Bを備えることができる。制御入力314は、内視鏡301の能力を稼働させるためのボタン354Aおよび354B(
図8B)に接続することができる。ボタン354Aおよび354Bは、制御本体306内のアパーチャ356Aおよび356Bを通って延びる適当な配線またはケーブル(図示せず)を介して制御入力314に接続することができる。ボタン354Aおよび354Bは、弁またはスイッチを動作させて、流体または電気が制御入力314から補助シャフト303に流れることができるようにするように構成することができる。
【0056】
カテーテル、針、生体検査装置、または組織回収装置などの介入装置305は、アクセス開口312内に挿入して、制御装置300が取り付けられている十二指腸内視鏡のワーキングチャネルに到達するように可撓性の細長シャフト内に延ばすことができる。例では、アクセス開口312は、スイベル本体310の近位表面上など、制御装置300の上部に位置することができる。ただし、アクセス開口312は、ハンドル本体308上など、他の位置に位置決めすることもできる。介入装置305は、いったんアクセス開口312に挿入されると、制御装置300の補助シャフト303に対して固定軸方向位置に留まることができる。例えば、補助シャフト303は、ブレース358を介してスイベル本体310に取り付ける、または固定することができる。例では、ブレース358は、補助シャフト303をその中に位置決めすることができる中央アパーチャと、接着剤または固定器を介するなどしてスイベル本体310に取り付けられた外周とを有する可撓性ディスクを備えることができる。したがって、受け器316に対する相対的なスイベル本体310の回転運動は、受け器316に対する相対的な補助シャフト303の回転をさらにもたらすことができる。同様に、スライドポスト320に対する相対的なスイベル本体310の運動は、軸CA3に対する相対的な補助シャフト303の動きをさらにもたらすことができる。これに加えて、または代替として、補助シャフト303は、固定器、接着剤、およびマジックテープ(登録商標)材料など他の手段によってスイベル本体310に固定することができる。
【0057】
このように構成されているので、受け器316およびスイベル本体310によってハンドル本体308をスライドポスト320に対して支持することができる。したがって、スライドポスト320が結合器322を介してマザースコープまたは十二指腸内視鏡に取り付けられた状態で、
図10および
図11に示すように、ハンドル本体308を、マザースコープに対して相対的に人間工学的位置で保持することができる操作者は右手などの片手でハンドル本体308を動かすことを実施して、補助シャフト303を軸方向に前進および後退させ、回転させ、屈曲させることができる。以下に述べるように、軸CA4に沿ってハンドル本体308を回転させるとマザースコープ内で補助シャフト303の回転を生じさせることができ、スライドポスト320に沿ってハンドル本体308を上昇および下降させると、マザースコープ内で補助シャフト303の後退および前進を生じさせることができ、アクチュエータ344(
図9)を作動させると、マザースコープに対する補助シャフト303の遠位先端の屈曲を生じさせることができる。
【0058】
図9は、制御装置300の様々な制御運動を示す、
図8Aの制御装置300の斜視図である。レバー350は、アパーチャ352(
図8A)でハンドピース302のハンドル本体308に取り付けることができ、またプルワイヤ342Aおよび342B(
図8B)に取り付けることができる。さらに、ボタン354Aおよび354Bは、それぞれアパーチャ356Aおよび356B(
図8A)でハンドル本体308に取り付けて、制御入力314の機構を動作させることができる。
【0059】
レバー350を操作者が作動させて、補助シャフト303内でプルワイヤを動かすことができる。レバー350は、その回転を生じさせるためにアクチュエータ344に接続することができる。例えば、レバー350は、矢印360で示すように上下に動かすことができる。例では、レバー350を上向きに動かすと、
図6に矢印204Uで示すシャフト202に対する動きと同様に、補助シャフト303の上向きの動きを生じさせることができ、レバー350を下向きに動かすと、
図6に矢印204Dで示すシャフト202に対する動きと同様に、補助シャフト303の下向きの動きを生じさせることができる。例では、レバー350は、ロックボタン359を備えることができる。ロックボタン359は、本明細書に記載する他のロックボタンと同様に、ハンドル本体308に対してレバー350を固定するように構成することができる。例では、レバー350は、電動化することができる。レバー350のモータを制御するボタンは、ハンドピース302上、十二指腸内視鏡のクリップ型装置上、またはフットペダル上に含めることができる。例えば、モータは、ハンドル本体308上、またはハンドル本体308内に、レバー350の回転軸に沿って位置決めすることができ、モータは、撮像および制御システム12(
図1)、およびハンドル本体308上の別のボタンまたはスイッチ、あるいは十二指腸内視鏡またはフットペダルに取り付けることができる係留装置などから電源に接続することができる。例では、駆動ユニット46(
図2)は、制御入力314を通してレバー350まで延ばすことができる可撓性駆動シャフトを回転させて、プルワイヤの作動または作動シャフトの回転を提供するなど、本明細書に記載する制御機構のいずれかに動力入力を提供することができるモータを含むことができる。したがって、レバー350の制御装置は、ハンドピース302から遠隔に、例えば足で操作するなど操作者が使用するのにより便利または人間工学的な位置に位置決めしてもよい。したがって、ハンドピース302の他の動作は、レバー350を操作する位置に手を置いておく必要なく、より自由に操作者が実行することができる。
【0060】
矢印362で示すように、ハンドル本体308においてハンドピース302に回転を加えることができる。矢印362で示すハンドピース302の動きにより、スイベル本体310を受け器316内で軸CA4の周りで回転させることができる。例では、ハンドル本体308を上向きに動かすと、
図6に矢印206で示すシャフト202に対する中心軸CA1の周りの時計回りの動きと同様に、補助シャフト303の回転を生じさせることができ、ハンドル本体308を下向きに動かすと、
図6に矢印206で示すシャフト202に対する中心軸CA1の周りの反時計回りの動きと同様に、補助シャフト303の回転を生じさせることができる。
【0061】
矢印364で示すように、ハンドル本体308においてハンドピース302に直線運動を加えることができる。矢印364で示すハンドピース302の動きは、スイベル本体310に、受け器316をスライドポスト320に沿って押し引きさせることができる。例では、
図10~
図12Cを参照してさらに詳細に述べるように、ハンドル本体308を上向きに動かすと、内視鏡14の遠位先端に対して後方への補助シャフト303の平行移動を生じさせることができ、ハンドル本体308を下向きに動かすと、内視鏡14の遠位先端に対して前方への補助シャフト303の平行移動を生じさせることができる。
【0062】
図10は、走者者によって保持されている
図8Aおよび
図9の制御装置300の斜視図である。
図10の例では、操作者の左手LHが、内視鏡14のハンドル区間32を把持することができ、操作者の右手RHが、内視鏡301のハンドル本体308を把持することができる。例では、
図10から分かるように、スライドポスト320、受け器316、およびスイベル本体310は、ハンドル本体308を内視鏡14とほぼ平行に保持するように構成することができる。すなわち、ハンドル本体308の大きい方の寸法に沿って延びる軸は、ハンドル区間32の大きい方の寸法に沿って延びる軸とほぼ平行に延びることができる。この姿勢により、左手LHに対する右手RHの人間工学的に快適な姿勢が得られ、ハンドル区間32に対して制御装置300を本能的に操作することが可能になる。
【0063】
内視鏡14および内視鏡301の両方の重量は、左手LHおよび右手RHの両方によって支持することができる。左手LHを使用して、従来通りのやり方で内視鏡14を操作することができる。左手LHをしっかり保持すると、右手RHによる内視鏡301の操作に抵抗をもたらすことができる。すなわち、左手LHは、内視鏡14を支持して、受け器316におけるハンドル本体308のねじれ、およびスライドポスト320に沿ったハンドル本体308の平行移動に抵抗することができる。
【0064】
右手RHを
図10において下向きに動かすと、受け器316をスライドポスト320に沿って下向きに内視鏡14に向かって摺動させることができ、右手RHを
図10において上向きに動かすと、受け器316をスライドポスト320に沿って上向きに内視鏡14から遠ざかるように摺動させることができる。
図11の矢印364を参照されたい。
【0065】
右手RHの手首を曲げると、ハンドル本体308を受け器316に対してねじることができる。例えば、右手RHの手首を
図10において前方に尺側偏位で曲げると、(スライドポスト320の長さを内視鏡14に向かって下向きに見て)補助シャフト303の時計回りの回転を生み出すことができ、右手RHの手首を
図10において後方に橈側偏位で曲げると、(スライドポスト320の長さを内視鏡14に向かって下向きに見て)補助シャフト303の反時計回りの回転を生み出すことができる。
図11の矢印362を参照されたい。
【0066】
右手RHの親指を
図10において上向きに動かすと、レバー350(
図12)を上向きに押すことができ、右手RHの親指を
図10において下向きに動かすと、レバー350(
図12)を下向きに押すことができる。
図11の矢印360を参照されたい。
【0067】
図11~
図12Cを参照して述べるように、右手RHを動かすことによって、補助シャフト303の遠位先端366(
図12A~
図12C)の動きをもたらす制御装置300の制御運動を生じることができる。
【0068】
図11は、
図10の制御装置300を、矢印370(
図12A)、矢印372(
図12B)、および矢印374(
図12C)でそれぞれ示す、矢印360、362、および364で示す遠位先端366の動きを誘発する様々な制御運動とともに示す図である。
【0069】
矢印360の方向にレバー350を動かすと、矢印370の方向の補助シャフト303の遠位先端の動き、例えば径方向屈曲などをもたらすことができる。レバー350は、補助シャフト303を通って延びるプルワイヤ342Aおよび342Bを引っ張って、補助シャフト303の遠位先端を屈曲させることができる。
【0070】
矢印362の方向にハンドル本体308を動かすと、矢印372の方向の補助シャフト303の遠位先端の動き、例えば回転などをもたらすことができる。ハンドル本体308を回転させると、補助シャフト303をスライドポスト320および内視鏡14内でねじれさせることができる。
【0071】
矢印364の方向にハンドル本体308を動かすと、矢印374の方向の補助シャフト303の遠位先端の動き、例えば軸方向平行移動などをもたらすことができる。ハンドル本体308を押し引きすることにより、スライドポスト320および内視鏡14内で補助シャフト303を押し引きすることができる。
【0072】
本明細書に記載するように、
図8A~
図12Cのアタッチメントピース304は、十二指腸内視鏡などの別のスコープ上での制御装置ハンドピース302の支持を提供することができる。したがって、操作者は、常に手を制御装置300上に置いておかなくても、制御装置300を使用に好都合が位置に維持することができる。スライドポスト320、受け器316、およびスイベル本体310は、操作者が疲労および反復性ストレス障害を低減させるのに快適なように、ハンドピース302を他のスコープに対して位置決めすることができる。さらに、ハンドピース302は、ハンドピース302をアタッチメントピース304に対して動かすことができるようにして補助シャフト303の動きを制御するなど、内視鏡301の操作が簡略化されるようにアタッチメントピース304に接合することができる。さらに、プルワイヤおよび処置動作など、内視鏡301を操作するための制御機構は、ハンドピース302上で人間工学的位置に位置付けることができる。例では、ハンドピース302上に置いた手で、その手を位置決めし直すことなく、補助シャフト303の全ての動き(すなわち軸方向の動き、径方向の屈曲、および回転)を実行し、内視鏡301の全ての動作(灌注、処置エネルギー、撮像など)を制御することができる。
【0073】
図13は、補助スコープ401の制御装置400の概略図である。例では、補助スコープ401は、
図5の補助スコープ134を備えることができる。制御装置400は、ハンドピース402と、アタッチメントピース404とを備えることができる。例では、制御装置400は、
図6のシャフト202または
図7のシャフト252の近位端部に接続することができる。
【0074】
ハンドピース402は、制御本体406と、ハンドル本体408と、スイベル本体410と、アクセス開口412とを備えることができる。ハンドピース402は、シャフト403および制御入力414に接続することができる。アタッチメントピース404は、受け器416と、スライド本体418と、スライドポスト420と、開口430を有する結合器422とを備えることができる。アタッチメントピース404は、
図8A~
図11のアタッチメントピース304と同様に構成することができる。
【0075】
制御本体406およびハンドル本体408は、
図8A~
図11の制御本体306およびハンドル本体308と同様に構成することができる。ただし、制御装置300のスイベル本体310は、スイベル本体410で置き換えることができ、このスイベル本体410は、制御本体406およびハンドル本体408が軸CA6の周りでさらに容易に360度回転することを可能にするように構成することができる。すなわち、ハンドル本体408の軸は、受け器416の軸と整列することができる。
図8A~
図12Cの例と同様に、ハンドル本体408の軸は、軸CA6に対して傾けることができる。したがって、制御装置400の動作は、ハンドル本体408の受け器416に対する人間工学的配列、およびスイベルリング417が含まれること以外は、制御装置300の動作と同様にすることができる。
【0076】
例では、スライド本体418は、摩擦によってスライドポスト420上の適所に保持することができる。例では、スライド本体418は、
図8Aのロックボタン331と同様のロックボタンを含むことができる。例では、受け器416は、
図8Aのロックボタン340と同様のロックボタンを含むことができる。
【0077】
制御入力414は、スイベルリング417を通して制御装置400に取り付けることができる流体チューブ415Aと電力ケーブル415Bを備えることができる。スイベルリング417は、制御本体406およびハンドル本体408が軸CA6の周りで回転する間も制御入力414が静止したまま留まることを可能にすることができる。例では、ハンドル本体408およびスイベル本体410は、剛性接続することができ、スイベルリング417を通って延びることができる。したがって、ハンドル本体408を回転させると、スイベルリング417および受け器416の両方の中でスイベル本体410の回転を生じることができる。ただし、スイベルリング417は、静止したまま留まるので、制御入力414が軸CA6の周りで回転しなければならないということは回避することができる。スイベルリング417の内部は、ロータリユニオンなど、流体チューブ415Aおよび電力ケーブル415Bの出力をシャフト403に提供するための流体結合器および電気結合器を含むことができる。
【0078】
制御本体406は、制御入力414を操作するボタンを受けるためのアパーチャ456Aおよび456Bを含むことができる。制御本体406は、シャフト403内に延びるプルワイヤを操作するためのアクチュエータを受けるアパーチャ452も含むことができる。アクセス開口412を使用して、介入装置305(
図8A)などの別の機器をシャフト403内に送ることができる。
【0079】
図13の例は、操作者が、制御入力415からの干渉を受けずに、複数の回転入力を軸CA6に沿ってハンドル本体408に提供し、望ましい場合にはハンドル本体408およびシャフト403を軸CA6の周りで完全に一回転させることができるようにすることができる。したがって、プルワイヤを作動して、シャフト403が解剖学的構造内の所望の位置に到達するのを容易にすれば、シャフト403の遠位先端を、軸CA6に対して任意の配向に容易に位置決めすることができる。
【0080】
図14は、ピストルグリップ502とトップローディング治療装置504とを有する内視鏡501の制御装置500の概略図である。制御装置500は、ハンドピース506と、制御入力507と、アタッチメントピース508と、シャフト509とを備えることができる。ハンドピース506は、ピストルグリップ502がそこから延びるスライド本体510を備えることができる。アタッチメントピース508は、スライドポスト512と、結合器514とを備えることができる。治療装置504は、介入装置305(
図8A)または機器63(
図3C)と同様に構成することができる。例では、制御装置500は、
図6のシャフト202または
図7のシャフト252の近位端部に接続することができる。
【0081】
アタッチメントピース508は、
図8A~
図11のアタッチメントピース304と同様に構成することができる。スライドポスト512は、結合器514から中心軸CA7に沿って延びることができる。スライドポスト512は、結合器514に対して固定位置に維持することができる細長い剛性本体を備えることができる。例では、スライドポスト512は、硬質プラスチックまたは金属で構成することができる。さらなる例では、スライドポスト512は、グースネックチューブなどの可撓性のチューブで構成することもできる。スライドポスト512は、スライド本体510から延びるシャフト509などの構成要素をその中に通すことができる内部通路516またはルーメンを含むことができる。
【0082】
スライド本体510は、制御装置500のその他の構成要素を載置するためのプラットフォームを備えることができる。例えば、シャフト509内でプルワイヤを動作させるためのアクチュエータ518、および制御入力507を動作させるためのボタン520Aおよび520Bである。例えば、ボタン520Aは、流体チューブ522Aを動作させるように構成することができ、ボタン520Bは、電力ケーブル522Bを動作させるように構成することができる。
【0083】
スライド本体510は、スライドポスト512の周りに嵌合するように構成された内部通路524を有する本体を備えることができる。スライド本体510は、シャフト509を受ける通路526も含むことができる。シャフト509は、スライド本体510に対して固定して、スライド本体510によるシャフト509の押し引きおよび回転を容易にすることができる。スライド本体510は、スライドポスト512の軸CA7と同軸のハンドル軸に沿って延びることができる。スライド本体510は、スライドポスト512に対して相対的に移動することができ、スライドポスト512は、スライド本体510をスライドポスト512に沿って結合器514に向かってさらに下方に前進させると、スライド本体510の上部または近位表面からさらに外部に延びることができる。本明細書に記載する他の例と同様に、スライド本体510は、スライドポスト512と摩擦係合することができ、操作者によって作動可能な様々なロック機構によって適所にロックすることができる。
【0084】
シャフト509は、スライド本体510をスライドポスト512に沿って結合器514に向かってさらに下方に前進させると、シャフト509をスライドポスト512および結合器514からさらに押し出すことができるように、スライド本体510に取り付けることができる。さらに、スライド本体510をスライドポスト512の周りで回転させると、シャフト509をスライドポスト512内で回転させることができる。シャフト509は、スライド本体510との連係した、または同等の軸方向運動および回転運動を容易にする様々な様式で、スライド本体510に固定する、または取り付けることができる。
【0085】
ピストルグリップ502は、スライド本体510に人間工学的な握りを提供するためにスライド本体510に接続することができる。ボタン520Aおよびボタン520Bは、ピストルグリップ502を把持する手の親指が容易に届くようにスライド本体510上に位置決めすることができる。同様に、アクチュエータ518は、ピストルグリップ502を把持する手の親指が容易に届くようにスライド本体510上に位置決めすることができる。
【0086】
図15Aは、枢動結合器603(
図15B)を介してハンドピース606に接続されたノブ602を有する内視鏡601の制御装置600の概略図である。
図15Bは、
図15Aの枢動結合器603の概略断面図である。
図15Aおよび
図15Bについては、同時に説明する。
【0087】
制御装置600は、制御入力607と、アタッチメントピース608と、シャフト609とをさらに備えることができる。ハンドピース606は、ノブ602を取り付けることができるスライド本体610を備えることができる。アタッチメントピース608は、スライドポスト612と、結合器614とを備えることができる。例では、制御装置600は、
図6のシャフト202または
図7のシャフト252の近位端部に接続することができる。
【0088】
アタッチメントピース608は、
図8A~
図11のアタッチメントピース304と同様に構成することができる。スライドポスト612は、結合器614から中心軸CA8に沿って延びることができる。スライドポスト612は、結合器614に対して固定位置に維持することができる細長い剛性本体を備えることができる。例では、スライドポスト612は、硬質プラスチックまたは金属で構成することができる。さらなる例では、スライドポスト612は、グースネックチューブなどの可撓性のチューブで構成することもできる。スライドポスト612は、スライド本体610から延びるシャフト609などの構成要素をその中に通すことができる内部通路616またはルーメンを含むことができる。
【0089】
スライド本体610は、制御装置600のその他の構成要素を載置するためのプラットフォームを備えることができる。例えば、シャフト609内でプルワイヤを動作させるためのノブ602、および制御入力607を動作させるためのボタン620Aおよび620Bである。例えば、ボタン620Aは、流体チューブ622Aを動作させるように構成することができ、ボタン620Bは、電力ケーブル622Bを動作させるように構成することができる。
【0090】
スライド本体610は、スライドポスト612の周りに嵌合するように構成された内部通路624を有する本体を備えることができる。スライド本体610は、シャフト609を受ける内部通路も含むことができる。アクセス開口618をスライド本体610に含めて、介入装置305(
図8A)または機器63(
図3C)などの治療装置をシャフト609内に挿入できるようにすることができる。スライド本体610は、スライドポスト612の軸CA8と同軸のハンドル軸に沿って延びることができる。スライド本体610は、スライドポスト612に対して相対的に移動することができ、スライドポスト612は、スライド本体610をスライドポスト612に沿って結合器614に向かってさらに下方に前進させると、スライド本体610の上部または近位表面からさらに外部に延びることができる。
【0091】
シャフト609は、スライド本体610をスライドポスト612に沿って結合器614に向かってさらに下方に前進させると、シャフト609をスライドポスト612および結合器614からさらに押し出すことができるように、スライド本体610に取り付けることができる。ただし、スライド本体610をスライドポスト612および軸CA8の周りで回転させてシャフト609の回転を誘発するのではなく、ノブ602を軸CA9の周りで回転させて、シャフト609を回転させることができる。本明細書に記載する他の例と同様に、スライド本体610は、スライドポスト612と摩擦係合することができ、操作者によって作動可能な様々なロック機構によって適所にロックすることができる。
【0092】
図15Bから分かるように、枢動結合器603は、ノブ602をシャフト609に接続することができる。枢動結合器603は、ジョイスティックとして機能して、シャフト609の回転および屈曲を可能にすることができる。枢動結合器603は、シャフト609から延びるブラケット650と、ノブ602から延びるポスト652とを備えることができる。ポスト652は、枢動ピン656によってブラケット650に取り付けることができるプレート654を含むことができる。プルワイヤ658Aおよびプルワイヤ658Bは、シャフト609から延びて、ノブ602に接続することができる。シャフト609は、ブラケット660を介してスライド本体610内で支持することができる。ブラケット660は、スライド本体610の軸CA8に沿った動きがシャフト609の動きを生じるように、シャフト609を軸CA9に沿って適所に保持するように構成することができる。ただし、ブラケット660は、シャフト609がスライド本体610内で回転できるようにするように構成することができる。したがって、ノブ602は、シャフト609の軸CA9に沿った回転を誘発するように構成することができる。例えば、ノブ602の回転は、枢動ピン656およびプレート654の回転を誘発することができ、これにより、ブラケット650およびシャフト609の回転を誘発することができる。プレート654およびブラケット650は、ノブ602の回転をシャフト609に伝達することを可能にするが、枢動ピン656上でのプレート654とブラケット650の間の相対的な回転を許容する、平坦または平面状のプレートを備えることができる。ただし、枢動ピン656は、ノブ602がブラケット650に対して枢動ピン656上で枢動することを可能にするように構成することができる。枢動ピン656上でのノブ602の枢動により、プルワイヤ658Aおよびプルワイヤ658Bを作動することができる。
【0093】
図15Aおよび
図15Bの構成は、操作者がいずれも手首の動きを用いて片手でシャフト609に回転入力を与え、またシャフト609に屈曲運動を与えることができるようにすることができる。例えば、手首の内側および外側の動きによって、ノブ602およびシャフト609の回転を引き起こすことができ、手首の屈曲および伸張の動きによって、プルワイヤ658Aおよびプルワイヤ658Bのうちの一方の引張りを引き起こすことができる。ボタン620Aおよびボタン620Bには、ノブ602上に置かれた手の親指により、スライド本体610上でアクセスすることができる。
【0094】
図16Aは、ハンドピース704に接続されたサムホイール702Aおよびサムホイール702Bを有する内視鏡701の制御装置700の概略図である。
図16Bは、シャフト709の回転および関節運動を誘発するように構成された
図16Aのサムホイール702Aおよびサムホイール702Bの概略断面図である。
図16Aおよび
図16Bについては、同時に説明する。
【0095】
制御装置700は、制御入力707と、アタッチメントピース708と、シャフト709とをさらに備えることができる。ハンドピース706は、サムホイール702Aおよび702Bを取り付けることができるスライド本体710を備えることができる。アタッチメントピース708は、スライドポスト712と、結合器714とを備えることができる。例では、制御装置700は、
図6のシャフト202または
図7のシャフト252の近位端部に接続することができる。
【0096】
アタッチメントピース708は、
図8A~
図11のアタッチメントピース304と同様に構成することができる。スライドポスト712は、結合器714から中心軸CA10に沿って延びることができる。スライドポスト712は、結合器714に対して固定位置に維持することができる細長い剛性本体を備えることができる。例では、スライドポスト712は、硬質プラスチックまたは金属で構成することができる。さらなる例では、スライドポスト712は、グースネックチューブなどの可撓性のチューブで構成することもできる。スライドポスト712は、スライド本体710から延びるシャフト709などの構成要素をその中に通すことができる内部通路716またはルーメンを含むことができる。内部通路716は、スライド本体710の外側にアクセス開口を含み、介入装置305(
図8A)または機器63(
図3C)などの治療装置のシャフト709内への挿入を可能にすることもできる。
【0097】
スライド本体710は、制御装置700のその他の構成要素を載置するためのプラットフォームを備えることができる。例えば、シャフト709を回転させるためのサムホイール702A、ならびにシャフト709内でプルワイヤ750Aおよびプルワイヤ750Bを動作させるためのサムホイール702Bを、スライド本体710に載置することができる。また、ボタン720Aは、流体チューブ722Aを動作させるように構成することができ、ボタン720Bは、電力ケーブル722Bを動作させるように構成することができる。
【0098】
スライド本体710は、スライドポスト712の周りに嵌合するように構成された内部通路624を有する本体を備えることができる。スライド本体710は、スライドポスト712の軸CA10と同軸のハンドル軸に沿って延びることができる。スライド本体710は、スライドポスト712に対して相対的に移動することができ、スライドポスト712は、スライド本体710をスライドポスト712に沿って結合器714に向かってさらに下方に前進させると、スライド本体710の上部または近位表面からさらに外部に延びることができる。本明細書に記載する他の例と同様に、スライド本体710は、スライドポスト712と摩擦係合することができ、操作者によって作動可能な様々なロック機構によって適所にロックすることができる。
【0099】
シャフト709は、スライド本体710をスライドポスト712に沿って結合器714に向かってさらに下方に前進させると、シャフト709をスライドポスト712および結合器714からさらに押し出すことができるように、スライド本体710に取り付けることができる。ただし、スライド本体710をスライドポスト712および軸CA10の周りで回転させてシャフト709の回転を誘発するのではなく、サムホイール702Aを回転させて、シャフト709を回転させることができる。
【0100】
図16Bから分かるように、サムホイール702Aは、スライド本体710内で車軸752A上に載置することができ、サムホイール702Bは、スライド本体710内で車軸752B上に載置することができる。
図16Bは、スライドポスト712に向かって下向きに見たスライド本体710の断面図を含むことができる。例では、車軸752Aは、駆動ギヤ754と係合したウォームギヤを備えることができる。駆動ギヤ754は、出力ギヤ756と係合することができ、出力ギヤ756は、駆動輪758に結合することができる。
【0101】
シャフト709は、ブラケット760を介してスライド本体710内で支持することができる。ブラケット760は、スライド本体710の軸CA10に沿った動きがシャフト709の動きを生じるように、シャフト709を軸CA10に沿って適所に保持するように構成することができる。ただし、ブラケット760は、シャフト709がスライド本体710内で回転できるようにするように構成することができる。したがって、サムホイール702Aは、シャフト709の軸CA10に沿った回転を誘発するように構成することができる。例えば、サムホイール702Aの回転は、駆動ギヤ754の回転を誘発することができ、これにより、出力ギヤ756の回転を誘発することができる。出力ギヤ756は、シャフト709と摩擦係合することができる駆動輪758を回転させることができる。駆動輪758は、サムホイール702Aが押されたときにシャフト709を押すことができるゴムディスクを備えることができる。他の回転可能なゴムディスクをスライド本体710内に含めて、シャフト709を軸方向位置では保持しながら、シャフト709の回転を可能にすることもできる。例では、ゴムディスクは、シャフト709内の溝内に乗り入って、軸方向の固定を実現しながら、回転は可能にするように構成することができる。サムホイール702Bを車軸752B上で回転させると、プルワイヤ750Aおよびプルワイヤ750Bを作動することができる。ドラムまたはバレルを車軸752B上に載置して、サムホイール702Bの引張り能力(例えば増大したてこ比)を提供することもできる。
【0102】
図16Aおよび
図16Bの構成は、操作者が親指の動きを用いて片手でシャフト709に回転入力を与え、またシャフト709に屈曲運動を与えることができるようにすることができる。例えば、サムホイール702Bを上向きに動かすと、シャフト709の第1の方向の屈曲を誘発することができ、サムホイール702Bを下向きに動かすと、第1の方向とは反対の第2の方向のシャフト709の屈曲を誘発することができる。例えば、サムホイール702Aを上向きに動かすと、シャフト709の軸CA10の周りの第1の方向の回転を誘発することができ、サムホイール702Aを下向きに動かすと、第1の方向とは反対の第2の方向のシャフト709の回転を誘発することができる。ボタン720Aおよびボタン720Bには、スライド本体710上に置かれた手の親指により、スライド本体710上でアクセスすることができる。
【0103】
図17は、本願に開示する処置機器の再処理方法800を示す流れ図である。
図8Aの制御装置300、
図13の制御装置400、
図14の制御装置500、
図15Aの制御装置600、および
図16Aの制御装置700、ならびにそれらに取り付けることができる挿入区間および作動シャフトなど、上述の処置機器は、一度使用された後で廃棄されることもあるし、繰り返し複数回使用されることもある。繰返し複数回使用される構成の場合には、例えば、
図17の最処理方法が必要になる、または使用することができる。操作者は、処置機器が処置に使用された後で使用済み処置機器を回収し、その処置機器を工場などに輸送する(ステップS1)。次いで、操作者は、回収され輸送された使用済み処置機器を洗浄し、滅菌する(ステップS2)。次に、操作者は、使用済み処置機器の受入検査を実行する(ステップS3)。その後、操作者は、使用済み処置機器を分解し(ステップS4)、使用済み処置機器の一部の部品を新しい部品と交換する(ステップS5)。ステップS5の後で、操作者は、新しい、または再処理済みの処置機器を組み立てる(ステップS6)。いくつかの例では、ステップS6は、装置が再処理、改修、または再生されたものであることを示すラベルまたはその他のマークを付加するなど、装置が元の状態から変更されていることを示す識別子を付加することを含むことがある。ステップS6の後で、操作者は、新しい処置機器の検査(ステップS7)、滅菌および格納(ステップS8)、および輸送(ステップS9)を順番に実行する。本実施形態による処置機器は、再処理して複数回使用することができる人間工学的制御装置を有する。したがって、本開示の人間工学的制御装置は、医療手順のコストを削減することができるという利点がある。
【0104】
(実施例)
実施例1は、補助内視鏡のための制御装置であって、メイン内視鏡に取り付けられる結合具と、結合具に接続されたハンドピースと、ハンドピースから延び、結合具内に延びる作動シャフトと、作動シャフトを通って延びるプルワイヤであり、補助内視鏡を操縦するように構成されたプルワイヤを動作させるための、ハンドピース上に位置する第1の制御機構と、を備え、ハンドピースを結合具に対して移動させて、メイン内視鏡に対する補助内視鏡の位置を調節することができる、制御装置である。
【0105】
実施例2では、実施例1の主題は、任意選択で、ハンドピースを移動させて、結合具を通って延びる作動シャフトの量を調節することができることを含む。
【0106】
実施例3では、実施例2の主題は、任意選択で、ハンドピースが、スライド軸に沿って結合具に対して軸方向に平行移動可能であることを含む。
【0107】
実施例4では、実施例3の主題は、任意選択で、結合具が、メイン内視鏡に結合されるように構成された、スライド軸に沿って延びるスライドポストを備え、ハンドピースが、スライドポストに沿って摺動するように構成されることを含む。
【0108】
実施例5では、実施例4の主題は、任意選択で、ハンドピースが、結合具に対するハンドピースの回転を容易にする受け器を介してスライドポストに接続されることを含む。
【0109】
実施例6では、実施例5の主題は、任意選択で、ハンドピースが、受け器の軸に対して傾いているハンドピース軸に沿って延びることを含む。
【0110】
実施例7では、実施例5~6のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択で、ハンドピースが、受け器の軸と整列したハンドピース軸に沿って延びることを含む。
【0111】
実施例8では、実施例4~7のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択で、ハンドピースが、スライドポストと同軸のハンドピース軸に沿って延びることを含む。
【0112】
実施例9では、実施例4~8のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択で、ハンドピースの回転が、作動シャフトの回転を生じることを含む。
【0113】
実施例10では、実施例9の主題は、任意選択で、第1の制御機構が、枢動させるとプルワイヤを作動させることができ、回転させると作動シャフトを回転させることができるジョイスティックを備えることを含む。
【0114】
実施例11では、実施例9~10のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択で、ハンドピースをスライドポストの周りで直接回転させると、作動シャフトを回転させることができることを含む。
【0115】
実施例12では、実施例11の主題は、任意選択で、第1の制御機構が、ハンドピースに取り付けられた第1のサムホイールを備えることを含む。
【0116】
実施例13では、実施例12の主題は、任意選択で、ハンドピースが、ハンドピースに対する作動シャフトの回転を提供するように構成された第2の制御機構を備えることを含む。
【0117】
実施例14では、実施例13の主題は、任意選択で、第2の制御機構が、ギヤシステムによって駆動輪に接続された第2のサムホイールを備え、駆動輪が、作動シャフトを回転させるように構成されることを含む。
【0118】
実施例15では、実施例11~14のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択で、ハンドピースが、スライドポストに沿って摺動するように構成されたメイン本体と、メイン本体から延びるピストルグリップと、を備えることを含む。
【0119】
実施例16では、実施例1~15のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択で、第1の制御機構が、ハンドピースに取り付けられたレバーを備えることを含む。
【0120】
実施例17では、実施例1~16のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択で、作動シャフトのワーキングチャネルに接続する作動シャフトの開口と連通したハンドピースに位置するアパーチャをさらに含む。
【0121】
実施例18では、実施例1~17のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択で、作動シャフトの遠位先端に介入機能を提供するために作動シャフトに接続された制御入力と、制御入力を動作させるための、ハンドピース上に位置決めされたボタンと、をさらに含む。
【0122】
実施例19では、実施例1~18のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択で、結合具に対するハンドピースの動きを防止するためのロック機構をさらに含む。
【0123】
実施例20では、実施例1~19のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択で、結合具が、補助内視鏡を受けるためのポートを覆うようにメイン内視鏡に取り付けられるように構成された結合器筐体を備えることを含む。
【0124】
実施例21は、メイン制御装置、メイン制御装置から延びる細長シャフトであって、その中を延びるワーキングチャネルを有する細長シャフト、およびワーキングチャネルにアクセスするための、メイン制御装置上に位置するアクセスポートを備えるメインスコープと、アクセスポートに結合されるように構成されたスライドポスト、スライドポストに摺動可能に取り付けられた補助制御装置、補助制御装置からスライドポストを通ってメインスコープのワーキングチャネル内に延びるように構成された補助シャフト、および補助制御装置内に延びて補助シャフトに接続する制御入力を備える補助スコープと、を備える内視鏡システムである。
【0125】
実施例22では、実施例21の主題は、任意選択で、補助制御装置が、補助シャフト内でプルワイヤを動作させるための第1の制御機構を含むハンドピースと、ハンドピースから延びるスイベル本体と、スライドポストに摺動可能に取り付けられてスイベル本体を受ける受け器であって、ハンドピースがスイベル本体において回転すると、スライドポスト内で補助シャフトを回転させることができる、受け器と、介入装置を補助シャフト内に受けるための、スイベル本体のアクセス開口と、を備えることを含む。
【0126】
実施例23では、実施例22の主題は、任意選択で、ハンドピースが、スイベル本体および受け器によって、メイン制御装置とほぼ平行になるように位置決めされることを含む。
【0127】
実施例24では、実施例21~23のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択で、補助制御装置が、補助シャフト内でプルワイヤを動作させるための第1の制御機構を含むハンドピースと、スライドポストに摺動可能に取り付けられてハンドピースを受ける受け器であって、ハンドピースが受け器内で回転すると、スライドポスト内で補助シャフトを回転させることができる、受け器と、介入装置を補助シャフト内に受けるための、ハンドピースのアクセス開口と、を備えることを含む。
【0128】
実施例25では、実施例24の主題は、任意選択で、制御入力をハンドピースに接続して制御入力がハンドピースに対して回転できるようにするスイベルリングを含む。
【0129】
実施例26では、実施例21~25のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択で、補助制御装置が、補助シャフト内でプルワイヤを動作させるための第1の制御機構を含むスライド本体であって、スライドポスト上で摺動し、スライドポストの周りで回転するように構成されたスライド本体と、スライド本体から延びるピストルグリップと、を備えることを含む。
【0130】
実施例27では、実施例26の主題は、任意選択で、スライド本体が、制御入力を動作させるための1つまたは複数のボタンを含むことを含む。
【0131】
実施例28では、実施例21~27のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択で、補助制御装置が、スライドポスト上で摺動するように構成されたスライド本体と、スライド本体に接続されたノブであって、補助シャフト内でプルワイヤを動作させ、スライドポストに対して補助シャフトを回転させるように構成されたノブと、介入装置を補助シャフト内に受けるための、スライド本体のアクセス開口と、を備えることを含む。
【0132】
実施例29では、実施例28の主題は、任意選択で、ノブが、補助シャフトに対するノブの側方移動を提供し、平坦プレート間のピン接続を介して補助シャフトの回転を駆動するように構成された枢動結合器を介して補助シャフトに接続されることを含む。
【0133】
実施例30では、実施例21~29のいずれか1つまたは複数の主題は、任意選択で、補助制御装置が、スライドポスト上で摺動するように構成されたスライド本体と、補助シャフト内でプルワイヤを動作させるための第1のサムホイールと、スライドポスト内で補助シャフトを回転させるための第2のサムホイールと、を備えることを含む。
【0134】
実施例31では、実施例30の主題は、任意選択で、第2のサムホイールが、駆動輪を回転させるように構成されたウォームギヤシステムを介して補助シャフトに接続されることを含む。
【0135】
これらの非限定的な実施例はそれぞれ、単独で存在してもよいし、他の実施例のうちの1つまたは複数と様々な順序または組合せで組み合わせてもよい。
【0136】
注釈
以上の詳細な説明は、詳細な説明の一部を構成する添付の図面の言及を含む。これらの図面は、例示を目的として、発明を実施することができる具体的な実施形態を示している。これらの実施形態は、本明細書では「例」とも呼ばれる。これらの例は、図示または記載される要素以外の要素も含み得る。ただし、発明者は、図示または記載されている要素のみが設けられた例も企図している。さらに、発明者は、特定の例(またはその1つもしくは複数の態様)に関して、あるいは本明細書に図示または記載される他の例(またはその1つもしくは複数の態様)に関して、任意の組合せまたは順序の図示または記載されている要素を用いた例(あるいはそれらの1つまたは複数の態様)も企図している。
【0137】
本文書と参照により組み込まれる任意の文書との間に矛盾した使用法がある場合には、本文書の使用法が優先される。
【0138】
本文書では、「a」または「an」という用語は、特許文書で一般にみられるように、「少なくとも1つの」あるいは「1つまたは複数の」が記載される場合や使用される場合が他にあってもそれらとは別に、1つまたは複数を含むものとして使用している。本文書では、「または」という用語は、非排他的であることを示すために、すなわち特に指定がない限り、「AまたはB」は、「BではなくA」と、「AではなくB」と、「AおよびB」とを含むものとして用いられている。本文書では、「含む」および「in which」という用語は、それぞれ「備える」および「wherein」という用語の平易な英語の等価表現として用いられている。また、以下の特許請求の範囲では、「含む」および「備える」という用語はオープンエンドである、すなわち請求項においてこれらの用語の後に列挙される要素以外の要素を含むシステム、装置、物品、組成物、調合物、またはプロセスは、その請求項の範囲内に含まれるものとみなされる。さらに、以下の特許請求の範囲では、「第1」、「第2」、および「第3」などの用語は、単にラベルとして用いられており、それらの対象物に数値的な要件を賦課することは意図されていない。
【0139】
以上の説明は、制限的なものではなく、例示的なものとして意図されている。例えば、上述の例(あるいはその1つまたは複数の態様)は、互いに組み合わせて使用されてもよい。当業者が上記の説明を検討するなどして、他の実施形態を用いることもできる。読者が本技術的開示の性質を手早く確かめることができるように、米国連邦規則集37、1.72(b)に準拠するように要約書を提供する。これは、特許請求の範囲の範囲または意味を解釈または限定するためにそれが使用されないという理解のもとに提出されたものである。また、上記の詳細な説明では、様々な特徴をまとめて開示を簡素化していることがある。これは、請求対象ではない開示されている特徴が任意の請求項に不可欠であることを意図しているものとして解釈されるべきではない。発明性のある主題は、特定の開示されている実施形態の特徴のうちの一部にあることもある。したがって、以下の特許請求の範囲は、例または実施形態として詳細な説明に組み込まれており、各請求項は、単独で別個の実施形態として存在しており、このような実施形態を、様々な組合せまたは順序で互いに組み合わせることができるものと企図されている。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲、およびそれらの請求項に与えられる全範囲の均等物を参照して決定されるものとする。
【符号の説明】
【0140】
10 内視鏡システム
12 撮像および制御システム
14 内視鏡
16 制御ユニット
18 出力ユニット
20 入力ユニット
22 光源ユニット
24 流体源
26 吸引ポンプ
42 画像処理ユニット
44 処置生成器
46 駆動ユニット
50 側視型内視鏡カメラモジュール
70 端視型内視鏡カメラモジュール
134 補助スコープ
108、300、400、500、600、700 制御装置
100、301、501、601、701 内視鏡
302、402、506、606、704、706 ハンドピース
304、404、508、608、708 アタッチメントピース
306、406 制御本体
308、408 ハンドル本体
310、410 スイベル本体
312、412 アクセス開口
314、414、507、607、707 制御入力
316、416 受け器
318、418、510、610、710 スライド本体
320、420、512、612、712 スライドポスト
322、422、514、614、714 結合器
350 レバー
401 補助スコープ
403、509、609、709 シャフト
417 スイベルリング
502 ピストルグリップ
504 トップローディング治療装置
602 ノブ
603 枢動結合器
702A、702B サムホイール
【外国語明細書】