(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054830
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】RFチャネル制御装置及び基地局装置、その装置で遂行されるRFチャネル制御方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20230101AFI20240410BHJP
H04W 24/02 20090101ALI20240410BHJP
H04W 52/04 20090101ALI20240410BHJP
H04W 52/02 20090101ALI20240410BHJP
H04W 88/08 20090101ALI20240410BHJP
【FI】
H04W72/04
H04W24/02
H04W52/04
H04W52/02
H04W88/08
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121181
(22)【出願日】2023-07-26
(31)【優先権主張番号】10-2022-0126973
(32)【優先日】2022-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】514005836
【氏名又は名称】エスケー テレコム カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SK TELECOM CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ガン ホ
(72)【発明者】
【氏名】ナ、ミン ス
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ギュ ソン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA43
5K067DD11
5K067EE10
5K067EE16
5K067GG08
5K067HH22
(57)【要約】
【課題】セルのRFチャネルを状況に合わせて動的/最適に制御できるようにする新たな技術方案を提案する。
【解決手段】本発明は、O-RANシステムにおいて、セルのスループット及び省エネルギをいずれも考慮してRFチャネルを動的/最適に制御するための具体的な構成を実現し、これに係るO-RAN装備間のインターフェイス動作を実現することにより、セルのRFチャネルを状況に合わせて動的/最適に制御できるようにする新たな技術方案を提案している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セル(Cell)に関する情報を収集する情報収集部;及び
上記セルに対して適用可能な多数のRFチャネル制御技法の中から、上記収集した情報に基づいて確認される特定値を用いて上記セルに適用するRFチャネル制御技法を決定する制御部;を含むことを特徴とするRFチャネル制御装置。
【請求項2】
上記特定値は、
上記収集した情報に基づいて算出される各技法の性能低下予測値、エネルギ消費節減予測値、上記収集した情報に基づいて判断されるセル状態値のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載のRFチャネル制御装置。
【請求項3】
上記セルに対する収集情報は、
上記セルに対するアップリンク及びダウンリンク無線リソース使用率、スループット(Throughput)、同時接続UE数、UE位置及び分布、モビリティ(Mobility)、サービスタイプ(Service Type)情報、エネルギ消耗量及び効率、状態遷移、状態別の時間情報のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載のRFチャネル制御装置。
【請求項4】
上記制御部は、
上記収集した情報に基づいて、上記多数のRFチャネル制御技法それぞれに対する性能低下予測値及びエネルギ消費節減予測値を算出し、
算出した性能低下予測値が予め定義された範囲内にあるRFチャネル制御技法の中から、エネルギ消費節減予測値を基準として少なくとも一つのRFチャネル制御技法を決定することを特徴とする請求項2に記載のRFチャネル制御装置。
【請求項5】
上記制御部は、
予め設定されたRFチャネル制御技法適用時間帯か否かの第1条件、ネットワーク負荷が予め設定された負荷臨界値以下か否かの第2条件、エネルギ消費節減予測値が予め設定された節減臨界値以上か否かの第3条件、性能低下予測値が予め設定された低下臨界値以下か否かの第4条件のうち少なくとも一つの組み合わせからなる適用条件を満たす少なくとも一つのRFチャネル制御技法を決定し、
上記決定したRFチャネル制御技法を適用させる制御命令を上記セルのRU(Radio Unit)に伝達して、上記RUで上記制御命令にしたがってRFチャネルを再構成するようにすることを特徴とする請求項2に記載のRFチャネル制御装置。
【請求項6】
上記多数のRFチャネル制御技法は、
上記セルのRUに構成されたTx/RxアレイのうちUE位置及び分布が反映されたパターンの一部Tx/Rxアレイをオフ又はオンさせる技法、
上記セルのRUでTxパワーを減少又は増加させる技法、
周期的に伝送する特定信号(Always-on Signal)の伝送数を減少又は復帰させる技法に区分されることを特徴とする請求項2に記載のRFチャネル制御装置。
【請求項7】
上記多数のRFチャネル制御技法それぞれに対する性能低下予測値は、
RFチャネル制御技法未適用時と対比した各RFチャネル制御技法適用時の性能低下度を3Dグリッド内の各位置別に事前学習した性能低下度マップを基盤として、同時接続UE別にUE位置から導き出される性能低下を用いて算出されることを特徴とする請求項4に記載のRFチャネル制御装置。
【請求項8】
上記制御部は、上記RFチャネル制御技法の中からエネルギ消費節減予測値が最大となる少なくとも一つのRFチャネル制御技法を決定し、
上記少なくとも一つのRFチャネル制御技法に対して算出されたエネルギ消費節減予測値は、
上記少なくとも一つのRFチャネル制御技法適用時のエネルギ消費節減値及び上記少なくとも一つのRFチャネル制御技法適用によって増加するエネルギ消費増加値を用いて、算出されることを特徴とする請求項4に記載のRFチャネル制御装置。
【請求項9】
上記エネルギ消費増加値は、
RFチャネル制御技法未適用時の消費エネルギから上記少なくとも一つのRFチャネル制御技法適用時のエネルギ消費節減値を引いた値に、上記少なくとも一つのRFチャネル制御技法に対して算出した性能低下予測値を反映して算出されることを特徴とする請求項8に記載のRFチャネル制御装置。
【請求項10】
分散ユニット(Distributed Unit,DU)において、
上記DUで制御するセル(Cell)に対する収集情報に基づく制御命令を上記セルの無線装置(Radio Unit,RU)に伝達して、上記RUが上記制御命令にしたがって上記セルのRFチャネルを再構成するようにする機能を含み;
上記制御命令は、
上記セルに対して適用可能な多数のRFチャネル制御技法の中から、上記収集情報に基づいて確認される特定値を用いて決定したRFチャネル制御技法を適用させるようにする命令であることを特徴とする分散ユニット。
【請求項11】
セル(Cell)を形成する無線装置(Radio Unit,RU)において、
上記セルに対する収集情報に基づいて伝達される制御命令を受信するとき、上記制御命令にしたがって上記セルのRFチャネルを再構成する機能を含み;
上記制御命令は、
上記セルに対して適用可能な多数のRFチャネル制御技法の中から、上記収集情報に基づいて確認される特定値を用いて決定したRFチャネル制御技法を適用させるようにする命令であることを特徴とする無線装置。
【請求項12】
セル(Cell)に関する情報を収集する情報収集段階;及び
上記セルに対して適用可能な多数のRFチャネル制御技法の中から、上記収集した情報に基づいて確認される特定値を用いて上記セルに適用するRFチャネル制御技法を決定する技法決定段階;を含むことを特徴とするRFチャネル制御装置のRFチャネル制御方法。
【請求項13】
上記特定値は、
上記収集した情報に基づいて算出される各技法の性能低下予測値、エネルギ消費節減予測値、上記収集した情報に基づいて判断されるセル状態値のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項12に記載のRFチャネル制御方法。
【請求項14】
上記技法決定段階は、
上記収集した情報に基づいて、上記多数のRFチャネル制御技法それぞれに対する性能低下予測値及びエネルギ消費節減予測値を算出し、
算出した性能低下予測値が予め定義された範囲内にあるRFチャネル制御技法の中から、エネルギ消費節減予測値を基準として少なくとも一つのRFチャネル制御技法を決定することを特徴とする請求項13に記載のRFチャネル制御方法。
【請求項15】
上記技法決定段階は、
予め設定されたRFチャネル制御技法適用時間帯か否かの第1条件、ネットワーク負荷が予め設定された負荷臨界値以下か否かの第2条件、エネルギ消費節減予測値が予め設定された節減臨界値以上か否かの第3条件、性能低下予測値が予め設定された低下臨界値以下か否かの第4条件のうち少なくとも一つの組み合わせからなる適用条件を満たす少なくとも一つのRFチャネル制御技法を決定し、
上記決定したRFチャネル制御技法を適用させる制御命令を上記セルのRU(Radio Unit)に伝達して、上記RUで上記制御命令にしたがってRFチャネルを再構成するようにすることを特徴とする請求項13に記載のRFチャネル制御方法。
【請求項16】
上記多数のRFチャネル制御技法それぞれに対する性能低下予測値は、
RFチャネル制御技法未適用時と対比した各RFチャネル制御技法適用時の性能低下度を3Dグリッド内の各位置別に事前学習した性能低下度マップを基盤として、同時接続UE別にUE位置から導き出される性能低下を用いて算出されることを特徴とする請求項14に記載のRFチャネル制御方法。
【請求項17】
上記技法決定段階は、上記RFチャネル制御技法の中からエネルギ消費節減予測値が最大となる少なくとも一つのRFチャネル制御技法を決定し、
上記少なくとも一つのRFチャネル制御技法に対して算出されたエネルギ消費節減予測値は、
上記少なくとも一つのRFチャネル制御技法適用時のエネルギ消費節減値及び上記少なくとも一つのRFチャネル制御技法適用によって増加するエネルギ消費増加値を用いて、算出されることを特徴とする請求項14に記載のRFチャネル制御方法。
【請求項18】
上記エネルギ消費増加値は、
RFチャネル制御技法未適用時の消費エネルギから上記少なくとも一つのRFチャネル制御技法適用時のエネルギ消費節減値を引いた値に、上記少なくとも一つのRFチャネル制御技法に対して算出した性能低下予測値を反映して算出されることを特徴とする請求項17に記載のRFチャネル制御方法。
【請求項19】
分散ユニット(Distributed Unit,DU)で遂行されるRFチャネル制御方法において、
上記DUで制御するセル(Cell)に対する収集情報に基づく制御命令を上記セルの無線装置(Radio Unit,RU)に伝達して、上記RUが上記制御命令にしたがって上記セルのRFチャネルを再構成するようにする段階を含み;
上記制御命令は、
上記セルに対して適用可能な多数のRFチャネル制御技法の中から、上記収集情報に基づいて確認される特定値を用いて決定したRFチャネル制御技法を適用させるようにする命令であることを特徴とするRFチャネル制御方法。
【請求項20】
セル(Cell)を形成する無線装置(Radio Unit,RU)で遂行されるRFチャネル制御方法において、
上記セルに対する収集情報に基づいて伝達される制御命令を受信するとき、上記制御命令にしたがって上記セルのRFチャネルを再構成する段階を含み;
上記制御命令は、
上記セルに対して適用可能な多数のRFチャネル制御技法の中から、上記収集情報に基づいて確認される特定値を用いて決定したRFチャネル制御技法を適用させるようにする命令であることを特徴とするRFチャネル制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省エネルギ(Energy Saving)技術に関するものである。
本出願は、2022年10月05日付で出願された韓国特許出願第10-2022-0126973号の優先権を主張し、その出願の内容全体があらゆる目的のために参照として本願に含まれる。
【背景技術】
【0002】
移動通信サービスのためのモバイルネットワーク(Mobile Network)でRAN(Radio Access Network)は、端末及びネットワーク間の無線区間接続をサポートしている。
【0003】
このようなRANは、モバイルネットワークでのエネルギ消耗量の相当部分を占めており、特に、RAN内ではRU(Radio Unit)がエネルギ消耗量の最大部分を占めている。
【0004】
OPEX(Operating Expense)節減のために、基地局(特に、RU)の消耗電力節減に対する通信サービスオペレータの関心が引き続き増加しており、これによって省エネルギ技術が導入されている。
【0005】
一方、5Gが登場するとともに無線速度の増加、MIMOの導入によるフロントホールの容量増大、光線路などインフラ追加増設の必要性が高くなるにつれて、通信サービスオペレータの基地局設置及び運用コストが増加するようになり、これを解決するための方案としてOpen RAN(Radio Access Network,O-RAN)技術が登場した。
【0006】
簡単に説明すれば、O-RANは、基地局装置の具現に必要な装備間で連動可能に連結するインターフェイスを標準化する技術であって、O-RANを基盤として互いに異なる製造社/VendorのRU(Radio Unit,以下、O-RU)及びDU(Distributed Unit,以下、O-DU)間で連動して動作可能にする。
【0007】
このようなO-RANを基盤とするO-RANシステムにおいては、それぞれ異なる製造社/Vendorから開発された各装備、すなわちCU(Centralized Unit,以下、O-CU)、O-DU、O-RU及びこれら装備からなる基地局装置(O-CU/O-DU/O-RU)を制御するための知能型基地局制御装置(例:SMO、RICなど)の装備が互いに連動して動作する構造を有する。
【0008】
しかし、O-RANシステムにおいては、それぞれ異なる製造社/Vendorから開発されたマルチベンダー(Multi-Vendor)のO-CU、O-DU、O-RU、SMO、RICなどの装備が互いに連動して動作する構造を有するため、各製造社固有の構造及びアルゴリズムを基盤として動作している既存の省エネルギ機能をそのまま適用するには困難な問題がある。
【0009】
よって、本発明では、マルチベンダー(Multi-Vendor)の基地局装備基盤のO-RANシステムにおいて、RFチャネルを動的/最適に制御するための具体的な構成及びこれに係るO-RAN装備間のインターフェイス動作を提案しようとする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明で解決しようとする課題は、マルチベンダー(Multi-Vendor)の基地局装備基盤のO-RANシステムにおいて、RFチャネルを動的/最適に制御するための具体的な構成及びこれに係るO-RAN装備間のインターフェイス動作を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施例に係るRFチャネル制御装置は、セル(Cell)に関する情報を収集する情報収集部;及び、上記セルに対して適用可能な多数のRFチャネル制御技法の中から、上記収集した情報に基づいて確認される特定値を用いて上記セルに適用するRFチャネル制御技法を決定する制御部;を含む。
【0012】
具体的に、上記特定値は、上記収集した情報に基づいて算出される各技法の性能低下予測値、エネルギ消費節減予測値、上記収集した情報に基づいて判断されるセル状態値のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0013】
具体的に、上記セルに対する収集情報は、上記セルに対するアップリンク及びダウンリンク無線リソース使用率、スループット(Throughput)、同時接続UE数、UE位置及び分布、モビリティ(Mobility)、サービスタイプ(Service Type)情報、エネルギ消耗量及び効率、状態遷移、状態別の時間情報のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0014】
具体的に、上記制御部は、上記収集した情報に基づいて、上記多数のRFチャネル制御技法それぞれに対する性能低下予測値及びエネルギ消費節減予測値を算出し、算出した性能低下予測値が予め定義された範囲内にあるRFチャネル制御技法の中から、エネルギ消費節減予測値を基準として少なくとも一つのRFチャネル制御技法を決定することができる。
【0015】
具体的に、上記制御部は、予め設定されたRFチャネル制御技法適用時間帯か否かの第1条件、ネットワーク負荷が予め設定された負荷臨界値以下か否かの第2条件、エネルギ消費節減予測値が予め設定された節減臨界値以上か否かの第3条件、性能低下予測値が予め設定された低下臨界値以下か否かの第4条件のうち少なくとも一つの組み合わせからなる適用条件を満たす少なくとも一つのRFチャネル制御技法を決定し、上記決定したRFチャネル制御技法を適用させる制御命令を上記セルのRU(Radio Unit)に伝達して、上記RUで上記制御命令にしたがってRFチャネルを再構成するようにすることができる。
【0016】
具体的に、上記多数のRFチャネル制御技法は、上記セルのRUに構成されたTx/RxアレイのうちUE位置及び分布が反映されたパターンの一部Tx/Rxアレイをオフ又はオンさせる技法、上記セルのRUでTxパワーを減少又は増加させる技法、周期的に伝送する特定信号(Always-on Signal)の伝送数を減少又は復帰させる技法に区分されることができる。
【0017】
具体的に、上記多数のRFチャネル制御技法それぞれに対する性能低下予測値は、RFチャネル制御技法未適用時と対比した各RFチャネル制御技法適用時の性能低下度を3Dグリッド(Grid)内の各位置別に事前学習した性能低下度マップを基盤として、同時接続UE別にUE位置から導き出される性能低下を用いて算出されることができる。
【0018】
具体的に、上記制御部は、上記RFチャネル制御技法の中からエネルギ消費節減予測値が最大となる少なくとも一つのRFチャネル制御技法を決定し、上記少なくとも一つのRFチャネル制御技法に対して算出されたエネルギ消費節減予測値は、上記少なくとも一つのRFチャネル制御技法適用時のエネルギ消費節減値及び上記少なくとも一つのRFチャネル制御技法適用によって増加するエネルギ消費増加値を用いて、算出されることができる。
【0019】
具体的に、上記エネルギ消費増加値は、RFチャネル制御技法未適用時の消費エネルギから上記少なくとも一つのRFチャネル制御技法適用時のエネルギ消費節減値を引いた値に、上記少なくとも一つのRFチャネル制御技法に対して算出した性能低下予測値を反映して算出されることができる。
【0020】
本発明の一実施例に係る分散ユニット(Distributed Unit,DU)は、上記DUで制御するセル(Cell)に対する収集情報に基づく制御命令を上記セルのRU(Radio Unit)に伝達して、上記RUが上記制御命令にしたがって上記セルのRFチャネルを再構成するようにする機能を含み;上記制御命令は、上記セルに対して適用可能な多数のRFチャネル制御技法の中から、上記収集情報に基づいて確認される特定値を用いて決定したRFチャネル制御技法を適用させるようにする命令であり得る。
【0021】
本発明の一実施例に係るセル(Cell)を形成する無線装置(Radio Unit,RU)は、上記セルに対する収集情報に基づいて伝達される制御命令を受信するとき、上記制御命令にしたがって上記セルのRFチャネルを再構成する機能を含み;上記制御命令は、上記セルに対して適用可能な多数のRFチャネル制御技法の中から、上記収集情報に基づいて確認される特定値を用いて決定したRFチャネル制御技法を適用させるようにする命令であり得る。
【0022】
本発明の一実施例に係るRFチャネル制御装置のRFチャネル制御方法は、セル(Cell)に関する情報を収集する情報収集段階;及び、上記セルに対して適用可能な多数のRFチャネル制御技法の中から、上記収集した情報に基づいて確認される特定値を用いて上記セルに適用するRFチャネル制御技法を決定する技法決定段階;を含む。
【0023】
具体的に、上記特定値は、上記収集した情報に基づいて算出される各技法の性能低下予測値、エネルギ消費節減予測値、上記収集した情報に基づいて判断されるセル状態値のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0024】
具体的に、上記技法決定段階は、上記収集した情報に基づいて、上記多数のRFチャネル制御技法それぞれに対する性能低下予測値及びエネルギ消費節減予測値を算出し、算出した性能低下予測値が予め定義された範囲内にあるRFチャネル制御技法の中から、エネルギ消費節減予測値を基準として少なくとも一つのRFチャネル制御技法を決定することができる。
【0025】
具体的に、上記技法決定段階は、予め設定されたRFチャネル制御技法適用時間帯か否かの第1条件、ネットワーク負荷が予め設定された負荷臨界値以下か否かの第2条件、エネルギ消費節減予測値が予め設定された節減臨界値以上か否かの第3条件、性能低下予測値が予め設定された低下臨界値以下か否かの第4条件のうち少なくとも一つの組み合わせからなる適用条件を満たす少なくとも一つのRFチャネル制御技法を決定し、上記決定したRFチャネル制御技法を適用させる制御命令を上記セルのRU(Radio Unit)に伝達して、上記RUで上記制御命令にしたがってRFチャネルを再構成するようにすることができる。
【0026】
具体的に、上記多数のRFチャネル制御技法それぞれに対する性能低下予測値は、RFチャネル制御技法未適用時と対比した各RFチャネル制御技法適用時の性能低下度を3Dグリッド内の各位置別に事前学習した性能低下度マップを基盤として、同時接続UE別にUE位置から導き出される性能低下を用いて算出されることができる。
【0027】
具体的に、上記技法決定段階は、上記RFチャネル制御技法の中からエネルギ消費節減予測値が最大となる少なくとも一つのRFチャネル制御技法を決定し、上記少なくとも一つのRFチャネル制御技法に対して算出されたエネルギ消費節減予測値は、上記少なくとも一つのRFチャネル制御技法適用時のエネルギ消費節減値及び上記少なくとも一つのRFチャネル制御技法適用によって増加するエネルギ消費増加値を用いて、算出されることができる。
【0028】
具体的に、上記エネルギ消費増加値は、RFチャネル制御技法未適用時の消費エネルギから上記少なくとも一つのRFチャネル制御技法適用時のエネルギ消費節減値を引いた値に、上記少なくとも一つのRFチャネル制御技法に対して算出した性能低下予測値を反映して算出されることができる。
【0029】
本発明の一実施例に係る分散ユニット(Distributed Unit,DU)で遂行されるRFチャネル制御方法は、上記DUで制御するセル(Cell)に対する収集情報に基づく制御命令を上記セルのRU(Radio Unit)に伝達して、上記RUが上記制御命令にしたがって上記セルのRFチャネルを再構成するようにする段階を含み;上記制御命令は、上記セルに対して適用可能な多数のRFチャネル制御技法の中から、上記収集情報に基づいて確認される特定値を用いて決定したRFチャネル制御技法を適用させるようにする命令であり得る。
【0030】
本発明の一実施例に係るセル(Cell)を形成する無線装置(Radio Unit,RU)で遂行されるRFチャネル制御方法は、上記セルに対する収集情報に基づいて伝達される制御命令を受信するとき、上記制御命令にしたがって上記セルのRFチャネルを再構成する段階を含み;上記制御命令は、上記セルに対して適用可能な多数のRFチャネル制御技法の中から、上記収集情報に基づいて確認される特定値を用いて決定したRFチャネル制御技法を適用させるようにする命令であり得る。
【発明の効果】
【0031】
本発明の実施例によれば、マルチベンダー(Multi-Vendor)の基地局装備基盤のO-RANシステムにおいて、RFチャネルを動的/最適に制御するための具体的な構成を実現し、これに係るO-RAN装備間のインターフェイス動作を実現している。
【0032】
これにより、本発明によれば、O-RANシステムにおいて知能型基地局制御装置(例:SMO、RICなど)が導入される構造である点を活用して、セルのRFチャネルを状況に合わせて動的/最適に制御することができる効果を導き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】O-RANシステム構造を示す例示図である。
【
図2】本発明の一実施例に係るRFチャネル制御装置、分散ユニット(Distributed Unit,DU)、無線装置(Radio Unit,RU)の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明で適用可能なRFチャネル制御技法を説明するための例示図である。
【
図4】本発明で適用可能なRFチャネル制御技法を説明するための例示図である。
【
図5】本発明で適用可能なRFチャネル制御技法を説明するための例示図である。
【
図6】本発明のRFチャネル制御方法が動作するCall Flowの実施例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明のRFチャネル制御方法が動作するCall Flowの実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面を参照して本発明の多様な実施例に関して説明する。
【0035】
本発明は、Open RAN(Radio Access Network,O-RAN)及び省エネルギ技術に関するものである。
【0036】
移動通信サービスのためのモバイルネットワークでRAN(Radio Access Network)は、端末及びネットワーク間の無線区間接続をサポートしている。
【0037】
このようなRANは、モバイルネットワークでのエネルギ消耗量の相当部分を占めており、特に、RAN内ではRU(Radio Unit)がエネルギ消耗量の最大部分を占めている。
【0038】
OPEX(Operating Expense)節減のために、基地局(特に、RU)の消耗電力節減に対する通信サービスオペレータの関心が引き続き増加しており、これにより省エネルギ技術が導入されている。
【0039】
一方、5Gが登場するとともに無線速度の増加、MIMO導入によるフロントホールの容量増大、光線路などインフラ追加増設の必要性が高くなるにつれて、通信サービスオペレータの基地局設置及び運用コストが増加するようになり、これを解決するための方案としてOpen RAN(Radio Access Network,O-RAN)技術が登場した。
【0040】
簡単に説明すれば、O-RANは、基地局装置の具現に必要な装備間で連動可能に連結するインターフェイスを標準化する技術であって、O-RANを基盤として互いに異なる製造社/VendorのRU(Radio Unit,以下、O-RU)とDU(Distributed Unit,以下、O-DU)の間で連動して動作可能にする。
【0041】
このようなO-RANを基盤とするO-RANシステムにおいては、それぞれ異なる製造社/Vendorから開発された各装備、すなわちCU(Centralized Unit,以下、O-CU)、O-DU、O-RU及びこれら装備からなる基地局装置(O-CU/O-DU/O-RU)を制御するための知能型基地局制御装置(例:SMO、RICなど)の装備が互いに連動して動作する構造を有する。
【0042】
【0043】
図1から分かるように、O-RANシステムは、開放的且つ知能化された無線接続ネットワーク(Radio Access Network)の具現のための構造を有するように設計された。
【0044】
このようなO-RANシステムは、大きく、O-CU、O-DU、O-RU装備に分離具現される基地局装置、基地局装置を制御するための知能型基地局制御装置(例:SMO、RICなど)に区分することができる。
【0045】
簡略に説明すれば、知能型基地局制御装置には、SMO(Service Management and Orchestration Framework)、RIC(RAN Intelligent Controller)が定義されることができる。
【0046】
特に、知能型無線接続ネットワークのためのコントローラに該当するRICは、制御待機時間(control latency)基準でNon-Real Time RIC(>1秒)階層とNear-Real Time RIC(0.01秒~1秒)階層とに区分されることができる。
【0047】
Non-Real Time RIC階層は、RANポリシー管理、ネットワークトラフィックパターン、端末移動性パターン、サービス類型、サービス品質(QoS)予測パターンなどのビックデータ分析及び機械学習(Machine Learning)を通した人工知能基盤管理を遂行する。
【0048】
このようなNon-Real Time RICで生成されたポリシー(例:後述の適用条件、機械学習モデル基盤の性能低下度マップなど)は、A1インターフェイスを介してNear-Real Time RICに配布される。
【0049】
Non-Real Time RIC基盤のO-RANシステムは、非リアルタイム知能型基地局制御装置基盤のO-RANシステムと言える。
【0050】
Near-Real Time RIC階層は、リアルタイムに近い無線リソース管理機能を提供する。端末単位の負荷調整(Load Balancing)、リソースブロックの管理だけでなくサービス品質及び端末移動性の管理のような機能を担当する。
【0051】
Near-Real Time RIC階層は、E2インターフェイスを介してO-CUとO-DUに制御命令(例:ハンドオーバー、リソース割り当てなど)を伝達し測定されたデータを収集して、A1インターフェイスを介してNon-Real Time RICにデータを提供することができる。このような相互作用を通して負荷分散、移動性管理などに関する制御アルゴリズムを最適化する。
【0052】
Near-Real Time RICが導入されたO-RANシステムは、準リアルタイム知能型基地局制御装置基盤のO-RANシステムと言える。
【0053】
O-CUは、制御情報を伝達する制御平面(O-CU-CP)とトラフィック(Traffic)を伝達するユーザ平面(O-CU-UP)とに分離されており、Non-Real Time RIC又はNear-Real Time RICから伝達された制御命令を遂行する。O-CUは、3GPP(登録商標)標準に定義されているF1/W1/E1/X2/Xnインターフェイスをサポートする。
【0054】
O-DUは、無線リンク制御(Radio Link Control)、媒体アクセス制御(Medium Access Control)階層のリアルタイムL2(Layer 2)機能及び基底帯域(Baseband)信号処理を担当する。
【0055】
O-RUは、無線信号処理(Radio Signal Processing)を遂行する。
【0056】
O-DUとO-RUとの間には開放型フロントホールインターフェイス(Open Fronthaul Interface)が定義されている。
【0057】
このように
図1に示されているように、O-RANシステムにおいてはそれぞれ異なる製造社/Vendorから開発されたO-CU、O-DU、O-RU、SMO、RICなどの装備が互いに連動して動作する構造を有する。
【0058】
しかし、O-RANシステムにおいては、それぞれ異なる製造社/Vendorから開発されたマルチベンダー(Multi-Vendor)のO-CU、O-DU、O-RU、SMO、RICなどの装備が互いに連動して動作する構造を有するため、各製造社固有の構造及びアルゴリズムを基盤として動作している既存の省エネルギ機能をそのまま適用するには難しい問題がある。
【0059】
よって、O-RANシステムにおいて省エネルギ機能を取り入れるための多様な研究と試みが進められている。
【0060】
例えば、既存の省エネルギ技術においてRFチャネル制御の場合は、運用者が条件に合うように設定した単一制御技法を固定的に適用する方式であって、状況に合う最適の技法を動的に選択して適用することができないという限界がある。
【0061】
一方、O-RAN構造では知能型基地局制御装置が導入されている分、状況に合う最適のRFチャネル制御技法を選択/適用することが実現できる。
【0062】
よって、本発明では、マルチベンダー(Multi-Vendor)の基地局装備基盤のO-RANシステムにおいて、セルのスループット及び省エネルギをいずれも考慮してRFチャネルを動的/最適に制御するための具体的な構成及びこれに係るO-RAN装備間のインターフェイス動作を提案しようとする。
【0063】
具体的に本発明では、O-RANシステムにおいて知能型基地局制御装置(例:SMO、RICなど)が導入される構造である点を活用して、セルのRFチャネルを状況に合わせて動的/最適に制御することができる具体的な構成を実現し、これに係るO-RAN装備間のインターフェイス動作を実現する具体化された技術を提案しようとする。
【0064】
図2は、本発明で提案する具体化された技術、すなわちRFチャネル制御方法を具現する装置であって、RFチャネル制御装置100と、基地局装置70を構成する分散ユニット(DU)、無線装置(RU)を示している。
【0065】
具体的な説明に先立って、本発明のRFチャネル制御装置100は、知能型基地局制御装置(例:SMO、Non-Real Time RIC、Near-Real Time RICなど)に具現されることができる。
【0066】
ただし、
図2では、説明の便宜上、非リアルタイム知能型基地局制御装置基盤のO-RANシステム構造を示し、本発明のRFチャネル制御装置100が知能型基地局制御装置(例:SMO、Non-Real Time RIC)に具現された場合を示している。
【0067】
また、
図2では、RFチャネル制御装置100の制御下にある本発明の基地局装置70として一つを示しているが、これは、説明及び図式の便宜のためのものであって、多数の基地局装置70が存在してもよい。
【0068】
基地局装置70内の基地局モジュール50に連結された無線装置60として一つを示しているが、これも説明及び図式の便宜のためのものであって、多数のO-RU60が存在してもよい。
【0069】
ただし、説明の便宜上、
図2の図示を基準として、以下に具体的な説明を続ける。
【0070】
先ず、
図2を参照して、本発明のRFチャネル制御装置100について具体的な構成を説明する。
【0071】
図2に示されているように、本発明の一実施例に係るRFチャネル制御装置100は、情報収集部110、制御部120で構成されることができる。
【0072】
このようなRFチャネル制御装置100の構成全体ないしは少なくとも一部は、ハードウェアモジュール形態又はソフトウェアモジュール形態で具現されてもよく、ハードウェアモジュールとソフトウェアモジュールとの組み合わせ形態で具現されてもよい。
【0073】
ここで、ソフトウェアモジュールとは、例えば、RFチャネル制御装置100内で演算を制御するプロセッサによって実行される命令語として理解されることができ、このような命令語は、RFチャネル制御装置100内のメモリに搭載された形態を有してもよい。
【0074】
結局、本発明の実施例に係るRFチャネル制御装置100は、上述の構成を通して、本発明で提案する具体化された技術、すなわちRFチャネル制御方法を実現し、以下、RFチャネル制御装置100内の各構成についてより具体的に説明することにする。
【0075】
情報収集部110は、セル(Cell)に関する情報を収集する機能を担当する。
【0076】
このとき、情報収集部110によって収集されるセルに関する情報は、SMO(Service Management and Orchestration)及びO-RANの構成要素間に定義された管理インターフェイス(O1インターフェイス)を介して、O-RANサポートCU(Centralized Unit,O-CU)又はO-DU(Distributed Unit,O-DU)から収集されることができる。
【0077】
本発明が適用される基地局装置70は、基地局モジュール50と無線装置60とに区分されることができる。
【0078】
本発明がO-RANシステムに関連する場合、基地局モジュール50は、O-RANサポートCU(O-CU56)及びO-RANサポートDU(O-DU53)であり、無線装置60は、O-RANサポートRU(Radio Unit,O-RU60)に該当し得る。
【0079】
具体的な実施例を説明すれば、RFチャネル制御装置100の制御下にある各基地局装置70(特に、O-CU56又はO-DU53)は、自身に連結された各O-RU60のセルに関する情報をRFチャネル制御装置100に伝達することができる。
【0080】
このようにRFチャネル制御装置100に伝達する情報には、O-RU60のセルに関するアップリンク及びダウンリンク無線リソース使用率、スループット、同時接続UE数、UE位置及び分布、モビリティ(Mobility)、サービスタイプ(Service Type)情報などが含まれることができる。
【0081】
また、RFチャネル制御装置100に伝達する情報には、O-RU60のエネルギ消耗量及び効率、状態遷移、状態別の時間情報などがさらに含まれることができる。
【0082】
ここで、エネルギ消耗量及び効率、状態遷移、状態別の時間情報は、O-RU60で生成される情報であり、これは、O-DU53→O-CU56→RFチャネル制御装置100又はO-DU53→RFチャネル制御装置100に伝達されてO-RU60のセルに対する収集情報として活用されることができる。
【0083】
そして、各基地局装置70(特に、O-CU56又はO-DU53)は、上述のように生成したセルに関する情報(例:アップ/ダウンリンク無線リソース使用率、スループット、同時接続UE数、UE位置及び分布、モビリティ、サービスタイプ情報、O-RU60のエネルギ消耗量及び効率、状態遷移、状態別の時間情報など)をRFチャネル制御装置100に周期的に又は生成時点に常時伝送することができる。
【0084】
よって、本発明でO-RANセル制御装置100(情報収集部110)は、制御下にある各基地局装置70(特に、O-CU56又はO-DU53)から、O-RU60のセルに関する情報を収集することができる。
【0085】
このとき、セルに関する情報は、SMO及びO-RANの構成要素間に定義されたO1インターフェイスを介して、各基地局装置70(特に、O-CU56又はO-DU53)から収集されることができる。
【0086】
このように本発明では、O1インターフェイスを活用して、知能型基地局制御装置に具現されたRFチャネル制御装置100が各基地局装置(O-CU、O-DU)からセルに関する情報を収集する動作を定義する。
【0087】
制御部120は、O-RU60のセルに対して適用可能な多数のRFチャネル制御技法の中から、上記収集した情報に基づいて確認される特定値を用いてO-RU60のセルに適用するRFチャネル制御技法を決定する機能を担当する。
【0088】
ここで、特定値は、上記収集した情報に基づいて算出される各技法の性能低下予測値、エネルギ消費節減予測値、上記収集した情報に基づいて判断されるセル状態値のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0089】
一実施例を説明すれば、制御部120は、先にO-RU60のセルに対して収集した情報に基づいて、多数のRFチャネル制御技法それぞれに対する性能低下予測値及びエネルギ消費節減予測値を算出することができる。
【0090】
そして、制御部120は、多数のRFチャネル制御技法の中から先に算出した性能低下予測値が予め定義された許容範囲内にあるRFチャネル制御技法を選定し、選定したRFチャネル制御技法の中からエネルギ消費節減予測値を基準として少なくとも一つのRFチャネル制御技法を決定することができる。
【0091】
また、一実施例を説明すれば、制御部120は、先にO-RU60のセルに対して収集した情報に基づいて、多数のRFチャネル制御技法の中から、予め設定された適用条件を満たす少なくとも一つのRFチャネル制御技法を、O-RU60のセルに適用するRFチャネル制御技法として決定することができる。
【0092】
このとき、適用条件は、予め設定されたRFチャネル制御技法適用時間帯か否かの第1条件、ネットワーク負荷が予め設定された負荷臨界値以下か否かの第2条件、エネルギ消費節減予測値が予め設定された節減臨界値以上か否かの第3条件、性能低下予測値が予め設定された低下臨界値以下か否かの第4条件のうち少なくとも一つの組み合わせからなり得る。
【0093】
例えば、第3及び第4条件の組み合わせからなる適用条件を仮定した実施例を説明すれば、次の通りである。
【0094】
制御部120は、先にO-RU60のセルに対して収集した情報に基づいて、多数のRFチャネル制御技法それぞれに対する性能低下予測値及びエネルギ消費節減予測値を算出することができる。
【0095】
よって、制御部120は、多数のRFチャネル制御技法の中から、先に算出した性能低下予測値が第4条件による低下臨界値以下(予め定義された許容範囲内)であるRFチャネル制御技法を選定することができる。
【0096】
そして、制御部120は、選定したRFチャネル制御技法の中から、先に算出したエネルギ消費節減予測値が第3条件による節減臨界値以上であり且つ最大となる少なくとも一つのRFチャネル制御技法(単一又は2以上の組み合わせ)をO-RU60のセルに適用する最適のRFチャネル制御技法として決定することができる。
【0097】
第1ないし第4条件の組み合わせからなる適用条件を仮定した実施例を説明すれば、次の通りである。
【0098】
制御部120は、第1及び第2条件によるRFチャネル制御技法適用時間帯であり且つリアルタイムモニタリングを通して確認したネットワーク負荷が負荷臨界値以下の場合、上述のように多数のRFチャネル制御技法の中から第3及び第4条件による少なくとも一つのRFチャネル制御技法(単一又は2以上の組み合わせ)を選定及び最適として決定することができる。
【0099】
ここで、本発明では、O-RU60のセルに対して適用可能な多数のRFチャネル制御技法として、多様な方式の技法を定義することができる。
【0100】
一例として、多数のRFチャネル制御技法として、セルのO-RUに構成されたTx/RxアレイのうちUE位置及び分布が反映されたパターンの一部Tx/Rxアレイをオフ又はオンさせる第1技法、セルのO-RUでTxパワーを減少又は増加させる第2技法、周期的に伝送する特定信号(Always-on Signal)の伝送数を減少又は復帰させる第3技法を定義することができる。
【0101】
以下、
図3ないし
図5を参照して上述のRFチャネル制御技法について具体的に説明する。
【0102】
図3は、一部Tx/Rxアレイをオフ又はオンさせる第1技法を示している。
【0103】
このような第1技法は、O-RU60のセルをサービスするO-RU60の全体RF Chains(Tx/Rxアレイ)のうち、1/4 RF Chainsをオフさせるか、1/2 RF Chainsをオフさせるか、3/4 RF Chainsをオフさせるか、オフさせたRF Chainsをまたオンさせる方式で、RFチャネル構成を制御する技法である。
【0104】
このような第1技法の場合、オフさせるRF Chainsの分だけ消耗電力を節減することができ、オフさせるRF Chains(Tx/Rxアレイ)パターンに応じてビーム(Beam)幅、Vertical/Horizontal方向へのレイヤ数などカバレッジ(Coverage)形態が変化する。
【0105】
したがって、第1技法の場合、オフ対象の一部RF Chains(Tx/Rxアレイ)のパターン選択時、UE位置及び分布を反映しなければならない。
【0106】
具体的に説明すれば、Horizontal(水平)あるいはVertical(垂直)方向にTx/Rxアレイ個数が増えるほど、該当方向にビーム幅が細くなってシャープになりながら割り当てることができるOrthogonal Beamの個数が増加するため、SU(Single User)及びMU(Multiple User)性能が増加する。
【0107】
よって、1/2 RF Chainsをオフさせる第1技法を決定及び適用する場合を説明すれば、カバレッジ内にUE位置及び分布を反映して、UEが垂直方向を主として分布している場合はTx/Rxアレイの行(Column)数を減らすパターン(右方、左側パターン)に決定し、UEが水平方向を主として分布している場合はTx/Rxアレイの列(Row)数を減らすパターン(右方、右側パターン)に決定して適用することができる。
【0108】
一方、
図5は、Txパワーを減少又は増加させる第2技法を示している。
【0109】
このような第2技法は、O-RU60のセルをサービスする全体RF Chains(Txアレイ)でTxパワーを、1/2に減少させるか、1/4に減少させるか、減少させたTxパワーを再び最大(Max)に増加させる方式で、RFチャネル構成を制御する技法である。
【0110】
このような第2技法の場合、Txパワーだけ減少させてビーム幅、ビーム/レイヤ数などカバレッジの形態は変化せずカバレッジの大きさが小さくなるため、UEがセルの中心領域を主として均等に分布されているとき、決定及び適用することができる。
【0111】
一方、第3技法は、周期的に伝送する特定信号(Always-on Signal)の伝送数を減少又は復帰させる方式で、RFチャネル構成を制御する技法である。
【0112】
例えば、特定信号(Always-on Signal)としてSSB(Synchronization Signal Block)を仮定すると、第3技法は、SSBの伝送周期を長く変更してSSB伝送数を減少させるか、周期ごとに伝送するSSB個数を減らしてSSB伝送数を減少させるか、長く変更したSSBの伝送周期又は減らしたSSB個数を再び戻してSSB伝送数を復帰させる方式で、RFチャネル構成を制御することができる。
【0113】
このような第3技法の場合、第1及び第2技法と対比して消耗電力を節減する幅は小さいが、カバレッジ及びデータ伝送性能を変化なしに維持することができる長所がある。
【0114】
このように、制御部120は、O-RU60のセルに対して収集した情報に基づいて、多数のRFチャネル制御技法(例:RFチャネル制御第1、第2、第3技法)それぞれに対する性能低下予測値及びエネルギ消費節減予測値を算出することができる。
【0115】
そして、制御部120は、各RFチャネル制御技法(例:第1、第2、第3技法)の中から、性能低下予測値及びエネルギ消費節減予測値を用いて、上述の適用条件に応じて最適のRFチャネル制御技法(単一又は2以上の組み合わせ)を決定することができる。
【0116】
以下、本発明において、最適のRFチャネル制御技法(単一又は2以上の組み合わせ)を決定する構成について具体的に説明する。
【0117】
先ず、制御部120は、RFチャネル制御技法未適用時と対比した各RFチャネル制御技法適用時の性能低下度を3Dグリッド内の各位置別に事前学習した性能低下度マップを基盤として、同時接続UE別にUE位置から導き出される性能低下を用いて多数のRFチャネル制御技法それぞれに対する性能低下予測値を算出することができる。
【0118】
具体的に説明すれば、本発明では、予め定義した機械学習モデルを通して、RFチャネル制御技法未適用時と対比した各RFチャネル制御技法(例:第1、第2、第3技法)適用時の性能低下度を3Dグリッド内の各位置別に事前学習して、事前学習結果としての性能低下度マップを生成/構築することができる。
【0119】
このように事前学習された性能低下度マップをテーブルで表すと、次の表1のように表現することができる。
【表1】
【0120】
よって、制御部120は、3Dグリッド内の各位置別に事前学習した性能低下度マップを基盤として、現在同時接続UE別にUE位置から導き出される性能低下を用いて次の数式1により多数のRFチャネル制御技法それぞれに対する性能低下予測値を算出することができる。
【数1】
【0121】
ここで、WeightService Typeは、サービスタイプによって適用される性能低下度加重値であって、0~1の範囲を有することができ、例えば、データ呼の場合1の値を、VoNRの場合0.7を適用して、VoNRによる性能低下度をより大きい比重で反映することができるようにする。
【0122】
そして、
【数2】
は、各RFチャネル制御技法(例:第1、第2、第3技法)適用時の性能低下度を3Dグリッド内の各位置別に事前学習した性能低下度マップに、現在の各UE位置を代入して得られる適用対象のRFチャネル制御技法適用時の性能低下を意味する。
【0123】
すなわち、制御部120は、各RFチャネル制御技法(例:第1、第2、第3技法)適用時の性能低下度を3Dグリッド内の各位置別に事前学習した性能低下度マップを基盤として、現在同時接続UE別にUE位置から導き出される適用対象のRFチャネル制御技法適用時の性能低下(
【数3】
)を用いた上述の数式1によって、適用対象のRFチャネル制御技法適用時の性能低下予測値(
【数4】
)を算出することができる。
【0124】
または、制御部120は、3Dグリッド内の各位置別に事前学習した性能低下度マップを基盤として、現在同時接続UE別にUE位置から導き出される性能低下を用いて次の数式2により、多数のRFチャネル制御技法それぞれに対する性能低下予測値を算出することもできる。
【数5】
【0125】
すなわち、制御部120は、各RFチャネル制御技法(例:第1、第2、第3技法)適用時の性能低下度を3Dグリッド内の各位置別に事前学習した性能低下度マップを基盤として、現在同時接続UE別にUE位置から導き出される適用対象のRFチャネル制御技法適用時の性能低下(
【数6】
)を用いた数式2によって、適用対象のRFチャネル制御技法適用時の性能低下予測値(
【数7】
)を算出することができる。
ここで、“
【数8】
”の場合、セル容量の観点での性能低下度に重点を置いた数値であり、“
【数9】
”の場合、UEの平均的な性能劣化度に重点を置いた数値であって、2つの数式1、2のうちポリシー的に選択して活用可能である。
【0126】
例えば、予め定義された許容範囲が20%のPerformance Degradationの場合と仮定するとき、制御部120は、収集情報に基づいて上述の数式1又は2によって多数のRFチャネル制御技法(例:第1、第2、第3技法)に対する適用時の性能低下予測値を算出し、算出した結果、RFチャネル制御第1、第2、第3技法がそれぞれ10%、25%、5%の場合、RFチャネル制御第1、第3技法を選定することができる。
【0127】
そして、制御部120は、選定したRFチャネル制御第1、第3技法の中から、次の数式3によって算出されたエネルギ消費節減予測値を基準として最適のRFチャネル制御技法(単一又は2以上の組み合わせ)を決定することができる。
【0128】
【0129】
ここで、Energy Consumption Reduction TX/RX Offは第1技法適用時のエネルギ消費節減値、Energy Consumption ReductionPower reductionは第2技法適用時のエネルギ消費節減値、Energy Consumption ReductionAlways on signal reductionは第3技法適用時のエネルギ消費節減値を意味する。
【0130】
そして、Energy Consumption IncreasePerformance degradationは、適用対象のRFチャネル制御技法適用によって増加するエネルギ消費増加値を意味する。
【0131】
本発明でRFチャネル制御技法を適用すれば、これによりUEに対する性能低下(Performance(Throughput)Degradation)が発生し、これはPRB Usageの増加につながりRFチャネル制御技法が適用されない素子に対する電力消耗の増加につながるため、エネルギ消費節減予測値(Expected Energy Consumption Reduction)にEnergy Consumption Increase
Performance degradationの反映が必要である。
このようなエネルギ消費増加値(Energy Consumption Increase
Performance degradation)は、RFチャネル制御技法未適用時(適用前)の消費エネルギから適用対象のRFチャネル制御技法適用時のエネルギ消費節減値を引いた値に、上記適用対象のRFチャネル制御技法に対して算出した性能低下予測値(
【数11】
)を反映して算出されることができる。
【0132】
すなわち、制御部120は、次の数式4によってエネルギ消費増加値(Energy Consumption Increase
Performance degradation)を算出することができる。
【数12】
【0133】
よって、上述のように性能低下予測値が許容範囲である20%以内と算出されたRFチャネル制御第1、第3技法を選定した場合と仮定するとき、制御部120は、上述の数式3によって、RFチャネル制御第1技法、第3技法、第1及び第3技法の組み合わせに対してそれぞれ次の数式5のようにエネルギ消費節減予測値を算出することができる。
【数13】
【0134】
そして、制御部120は、RFチャネル制御第1技法、第3技法、第1及び第3技法の組み合わせに対してそれぞれ算出したエネルギ消費節減予測値を基準として、エネルギ消費節減予測値が最大となる少なくとも一つのRFチャネル制御技法(第1技法、第3技法、第1及び第3技法の組み合わせ)を最適のRFチャネル制御技法として決定することができる。
【0135】
上述のように制御部120は、O-RU60のセルに対して適用する最適のRFチャネル制御技法(単一又は2以上の組み合わせ)を決定したら、決定したRFチャネル制御技法を適用させる制御命令を該当セルのO-RU60に伝達して、O-RU60で上記制御命令にしたがってRFチャネルを再構成するようにすることが可能である。
【0136】
例えば、制御部120は、SMO及びO-RANの構成要素間に定義されたO1インターフェイスを介して、上述の制御命令をO-RU60と連結されたO-DU53に伝達することができる。
【0137】
または、制御部120は、O1インターフェイスを介して、上述の制御命令をO-RU60と連結されたO-DU53を制御するO-CU56に伝達して、制御命令がO-CU56によってO-DU53に伝達されるようにすることができる。
【0138】
このようになれば、O1インターフェイスを介して制御命令の伝達を受けた基地局モジュール50(O-CU56/O-DU53)は、受信した制御命令にしたがって該当セルの無線装置60(O-RU60)を制御する方式で制御命令をO-RU60に伝達することができ、よってO-RU60は制御命令にしたがってRFチャネルを再構成することができるようになる。
【0139】
このとき、制御命令による制御は、Open RAN(Radio Access Network,O-RAN)Fronthaulに定義されるインターフェイス(以下、Open Fronthaul M-Plane)を介して遂行/伝達されることができる。
【0140】
一方、制御部120は、Open Fronthaul M-Planeを介して上述の制御命令をO-RU60に伝達して、O-RU60で受信された制御命令にしたがってRFチャネルを再構成するようにすることもできる。
【0141】
このように本発明では、O1インターフェイス又はOpen Fronthaul M-Planeを活用して、知能型基地局制御装置に具現されたRFチャネル制御装置100が各基地局装置(特に、O-CU/O-DU)のO-RUにセルに対するRFチャネル制御技法を適用させる制御命令を伝達する動作を定義することができる。
【0142】
以下、
図2を参照して本発明の基地局装置70について具体的な構成を説明する。
【0143】
図2に示されているように、本発明の一実施例で、基地局装置70は、基地局モジュール50、本発明の無線装置10(RU又はO-RU)で構成されることができる。
【0144】
そして、基地局モジュール50には本発明の分散ユニット53(DU又はO-DU)が含まれることができる。
【0145】
このような基地局装置70の構成全体ないしは少なくとも一部は、ハードウェアモジュール形態又はソフトウェアモジュール形態で具現されてもよく、ハードウェアモジュールとソフトウェアモジュールとの組み合わせ形態で具現されてもよい。
【0146】
ここで、ソフトウェアモジュールとは、例えば、基地局装置70内で演算を制御するプロセッサによって実行される命令語として理解されることができ、このような命令語は、基地局装置70内のメモリに搭載された形態を有してもよい。
【0147】
結局、本発明の実施例に係る基地局装置70は、上述の構成を通して、本発明で提案する具体化された技術すなわちRFチャネル制御方法を実現し、以下、基地局装置70内の各構成についてより具体的に説明することにする。
【0148】
説明に先立って、本発明がO-RANシステムに関連することにより、基地局モジュール50は、O-RANサポートCUすなわちO-CU56及びO-RANサポートDUすなわちO-DU53であり、無線装置60はO-RANサポートRUすなわちO-RU60に該当し得る。
【0149】
基地局モジュール50(O-DU53又はO-CU56)は、自身の制御下にある各O-RU60のセルに関する情報をRFチャネル制御装置100に伝達することができる。
【0150】
また、本発明のO-RU60は、自身(RU)に対するエネルギ消耗量及び効率、状態遷移、状態別の時間のうち少なくとも一つを含む情報を生成して、O-RU60のセルに対する収集情報に活用されるようにする。
【0151】
すなわち、O-RU60は、自身(O-RU)に対するエネルギ消耗量及び効率、状態遷移、状態別の時間情報を生成し、これをO-DU53→O-CU56→RFチャネル制御装置100又はO-DU53→RFチャネル制御装置100に伝達されるようにしてO-RU60のセルに対する収集情報に活用されるようにすることができる。
【0152】
より具体的に、本発明では、O-RUのエネルギ消耗量及び効率、状態遷移、状態別の時間情報を伝達するためのメッセージフォーマットを定義することができる。
【0153】
例えば、RFチャネル制御装置100/O-DU53→O-RU60に伝達するエネルギ消耗量/効率要請メッセージは、次のように定義することができる。
【表2】
【0154】
ここで、Powerは消耗電力、Voltageは電圧、Currentは電流、performance_ratioは測定対象objectのFull-spec対比稼動率を意味する。
【0155】
そして、O-RU60→O-DU53/RFチャネル制御装置100に伝達するエネルギ消耗量/効率レポートメッセージは、次のように定義することができる。
【表3】
【0156】
本発明のO-RU60は、自身のセルに対する収集情報に基づいて伝達される制御命令を受信するとき、上記制御命令にしたがってセルのRFチャネルを再構成する機能を遂行することができる。
【0157】
具体的に説明すれば、上述の説明のように、本発明のRFチャネル制御装置100からO1インターフェイスを介して制御命令の伝達を受けた基地局モジュール50(O-CU56/O-DU53)は、受信した制御命令にしたがって該当セルの無線装置60(O-RU60)を制御する方式で制御命令をO-RU60に伝達することができる。
【0158】
よって、本発明のO-RU60は、伝達を受けた制御命令にしたがって、セルに対するRFチャネルを再構成することができる。
【0159】
このとき、制御命令による制御は、Open RAN(Radio Access Network,O-RAN)Fronthaulに定義されるインターフェイスを介して遂行されることができる。
【0160】
図1から分かるように、O-RANシステムにおいて、O-CU56/O-DU53及びO-RU60間のO-RAN Fronthaulには、Open Fronthaul CUS-Plane(Open Fronthaul C-Plane、U-Plane、S-Plane)の他にも、Open Fronthaul M-Planeが定義されている。
【0161】
簡略に説明すれば、Open Fronthaul C-Planeは、スケジューリング情報、ビームフォーミング情報などの制御情報を伝達するインターフェイスを提供し、Open Fronthaul U-Planeは、データ伝達のためのインターフェイスを提供し、Open Fronthaul S-Planeはタイミング及び同期情報を伝達するインターフェイスを提供する。
【0162】
本発明では、上述のOpen Fronthaul CUS-Planeの他に、遠隔でのO-RU初期化及び設定、管理などのためのインターフェイスとして定義されたOpen Fronthaul M-Planeを活用しようとする。
【0163】
または、本発明のO-RU60は、上述の説明のように、本発明のRFチャネル制御装置100からOpen Fronthaul M-Planeを介して制御命令の伝達を受けることもできる。
【0164】
よって、本発明のO-RU60は、伝達を受けた制御命令にしたがって、セルに対するRFチャネルを再構成することができる。
【0165】
このように本発明では、O1インターフェイス又はOpen Fronthaul M-Planeを活用して、知能型基地局制御装置に具現されたRFチャネル制御装置100が各基地局装置(特に、O-CU/O-DU)のO-RUにセルに対するRFチャネル制御技法を適用させる制御命令を伝達する動作を定義することができる。
【0166】
以上、説明から分かるように、本発明によれば、マルチベンダー(Multi-Vendor)の基地局装備基盤のO-RANシステムにおいて、セルのスループット及び省エネルギをいずれも考慮してRFチャネルを動的/最適に制御するための具体的な構成を実現し、これに係るO-RAN装備間のインターフェイス動作を実現している。
【0167】
これにより、本発明によれば、O-RANシステムにおいて知能型基地局制御装置(例:SMO、RICなど)が導入される構造である点を活用して、セルのRFチャネルを状況に合わせて動的/最適に制御することができる効果を導き出すことができる。
【0168】
一方、上述では、非リアルタイム知能型基地局制御装置基盤のO-RANシステム構造で、本発明のRFチャネル制御装置100が知能型基地局制御装置(例:SMO、Non-Real Time RIC)に具現された場合の実施例を説明した。
【0169】
しかし、本発明は、準リアルタイム知能型基地局制御装置基盤のO-RANシステム構造にも適用可能であり、この場合、本発明のRFチャネル制御装置100は知能型基地局制御装置(例:SMO、Near-Real Time RIC)に具現されることができる。
【0170】
以下、
図6及び
図7を参照して、本発明のRFチャネル制御方法が動作するCall Flowの実施例を説明する。
【0171】
以下の説明では、説明の便宜上、上述の
図2に示されている内容を参照して説明する。
【0172】
先ず、
図6を参照して、知能型基地局制御装置(例:SMO、RICなど)側に具現されるRFチャネル制御装置100の観点で遂行される本発明のRFチャネル制御方法を説明する。
【0173】
本発明のRFチャネル制御方法によれば、RFチャネル制御装置100は、セル(Cell)に関する情報を収集する(S10)。
【0174】
具体的に説明すれば、本発明で、各基地局装置70(特に、O-CU56又はO-DU53)は、自身に連結された各O-RU60のセルに関する情報(例:アップ/ダウンリンク無線リソース使用率、スループット、同時接続UE数、UE位置及び分布、Mobility、Service Type情報、O-RU60のエネルギ消耗量及び効率、状態遷移、状態別の時間情報など)をRFチャネル制御装置100に周期的に又は生成時点に常時伝送することができる。
【0175】
よって、RFチャネル制御装置100は、制御下にある各基地局装置70(O-CU56/O-DU53)から、セルに関する情報を収集することができる。
【0176】
このとき、セルに関する情報は、SMO及びO-RANの構成要素間に定義されたO1インターフェイスを介して、各基地局装置70(O-CU56/O-DU53)から収集されることができる。
【0177】
よって、本発明のRFチャネル制御方法によれば、RFチャネル制御装置100は、収集された情報に基づいて、RFチャネル制御のためのポリシー(例:後述の適用条件、機械学習モデル基盤の性能低下度マップなど)を生成又はアップデートすることができる(S20)。
【0178】
また、本発明のRFチャネル制御方法によれば、RFチャネル制御装置100は、収集された情報に基づいて、各基地局装置の各セルに対してRFチャネル制御が必要か否かを判断することができる(S30)。
【0179】
よって、本発明のRFチャネル制御方法によれば、RFチャネル制御装置100は、O-RU60のセルに対してRFチャネル制御が必要と判断した場合(S30Yes)、O-RU60のセルに適用可能な多数のRFチャネル制御技法の中から、収集した情報に基づいて算出される各技法の性能低下予測値及びエネルギ消費節減予測値のうち少なくとも一つを用いてO-RU60のセルに適用する最適のRFチャネル制御技法を決定する(S40)。
【0180】
以下、
図7を参照して、最適のRFチャネル制御技法(単一又は2以上の組み合わせ)を決定する構成について具体的に説明する。
【0181】
本発明のRFチャネル制御方法によれば、RFチャネル制御装置100は、RFチャネル制御技法未適用時と対比した各RFチャネル制御技法適用時の性能低下度を3Dグリッド内の各位置別に事前学習した性能低下度マップを基盤として、現在同時接続UE別にUE位置から導き出される性能低下を用いて多数のRFチャネル制御技法それぞれに対する性能低下予測値を算出することができる(S42)。
【0182】
すなわち、RFチャネル制御装置100は、各RFチャネル制御技法(例:第1、第2、第3技法)適用時の性能低下度を3Dグリッド内の各位置別に事前学習した性能低下度マップを基盤として、現在同時接続UE別にUE位置から導き出される適用対象のRFチャネル制御技法適用時の性能低下(
【数14】
)を用いる上述の数式1によって、適用対象のRFチャネル制御技法適用時の性能低下予測値(
【数15】
)を算出することができる。
または、RFチャネル制御装置100は、各RFチャネル制御技法(例:第1、第2、第3技法)適用時の性能低下度を3Dグリッド内の各位置別に事前学習した性能低下度マップを基盤として、現在同時接続UE別にUE位置から導き出される適用対象のRFチャネル制御技法適用時の性能低下(
【数16】
)を用いる上述の数式2によって、適用対象のRFチャネル制御技法適用時の性能低下予測値(
【数17】
)を算出することができる。
【0183】
そして、本発明のRFチャネル制御方法によれば、RFチャネル制御装置100は、多数のRFチャネル制御技法の中から、先に算出した性能低下予測値が予め定義された許容範囲内にあるRFチャネル制御技法を選定する(S44)。
【0184】
すなわち、RFチャネル制御装置100は、予め定義された許容範囲が20%のPerformance Degradationである場合と仮定するとき、収集情報に基づいて上述の数式1又は2によって多数のRFチャネル制御技法(例:第1、第2、第3技法)に対する適用時の性能低下予測値を算出した結果、RFチャネル制御第1、第2、第3技法がそれぞれ10%、25%、5%の場合、RFチャネル制御第1、第3技法を選定することができる(S44)。
【0185】
そして、本発明のRFチャネル制御方法によれば、RFチャネル制御装置100は、S44段階で選定したRFチャネル制御技法の中から、上述の数式3によって算出されたエネルギ消費節減予測値を基準として最適のRFチャネル制御技法(単一又は2以上の組み合わせ)を決定することができる(S46、S48)。
【0186】
例えば、上述のように性能低下予測値が許容範囲である20%以内と算出されたRFチャネル制御第1、第3技法を選定した場合と仮定するとき、RFチャネル制御装置100は、上述の数式3によって、RFチャネル制御第1技法、第3技法、第1及び第3技法の組み合わせに対してそれぞれエネルギ消費増加値(Energy Consumption IncreasePerformance degradation)を算出(数式4参照)及び利用してエネルギ消費節減予測値を算出することができる(S46、数式5参照)。
【0187】
そして、RFチャネル制御装置100は、RFチャネル制御第1技法、第3技法、第1及び第3技法の組み合わせに対してそれぞれ算出したエネルギ消費節減予測値を基準として、エネルギ消費節減予測値が最大となる少なくとも一つのRFチャネル制御技法(第1技法、第3技法、第1及び第3技法の組み合わせ)を最適のRFチャネル制御技法として決定することができる(S48)。
【0188】
再び、
図6を参照して説明を続ければ、本発明のRFチャネル制御方法によれば、RFチャネル制御装置100は、S40段階でO-RU60のセルに対して適用する最適のRFチャネル制御技法(単一又は2以上の組み合わせ)を決定したら、決定したRFチャネル制御技法を適用させる制御命令を該当セルのO-RU60に伝達することができる(S50)。
【0189】
例えば、RFチャネル制御装置100は、O1インターフェイスを介して、上述の制御命令をO-RU60と連結されたO-DU53に伝達するか、または、上述の制御命令をO-RU60と連結されたO-DU53を制御するO-CU56に伝達して制御命令がO-CU56によってO-DU53に伝達されるようにすることができる(S50)。
【0190】
このようになれば、O1インターフェイスを介して制御命令の伝達を受けた基地局モジュール50(O-CU56/O-DU53)は、受信した制御命令にしたがって該当セルの無線装置60(O-RU60)を制御する方式で制御命令をO-RU60に伝達することができる(S50)。
【0191】
このとき、制御命令による制御は、O-RAN Fronthaulに定義されるインターフェイス、すなわち、Open Fronthaul M-Planeを介して遂行/伝達されることができる。
【0192】
よって、本発明によれば、O-RU60は、RFチャネル制御装置100による制御命令にしたがって該当セルのRFチャネルを再構成する動作を遂行し、その動作結果を生成することができる(S60)。
【0193】
このように生成された動作結果は、Open Fronthaul M-Planeを介してO-RU60から基地局モジュール50(O-CU56/O-DU53)に報告され、報告された動作結果が反映されたRFチャネル制御適用状態がO1インターフェイスを介して基地局モジュール50(O-CU56/O-DU53)からRFチャネル制御装置100に報告されることができる(S70)。
【0194】
以上のように、本発明のRFチャネル制御方法によれば、RFチャネル制御装置100は、本発明のRFチャネル制御機能がオフにならない限り(S80 No)、収集情報がアップデートされるごとに又はポリシーアップデート周期ごとに又は別途の設定周期ごとに、上述の各段階を繰り返してRFチャネル制御が必要なセルに対して最適にRFチャネルを制御/再構成することができる。
【0195】
以上の説明から分かるように、本発明によれば、マルチベンダー(Multi-Vendor)の基地局装備基盤のO-RANシステムにおいて、セルのスループット及び省エネルギをいずれも考慮してRFチャネルを動的/最適に制御するための具体的な構成を実現し、これに係るO-RAN装備間のインターフェイス動作を実現している。
【0196】
これにより、本発明によれば、O-RANシステムにおいて知能型基地局制御装置(例:SMO、RICなど)が導入される構造である点を活用して、セルのRFチャネルを状況に合わせて動的/最適に制御することができる効果を導き出すことができる。
【0197】
本発明の一実施例に係るRFチャネル制御方法は、多様なコンピュータ手段を通して遂行可能なプログラム命令形態で具現されてコンピュータ読取可能媒体に記録されることができる。上記コンピュータ読取可能媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独で又は組み合わせて含むことができる。上記媒体に記録されるプログラム命令は、本発明のために特別に設計され構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア当業者に公知となっていて使用可能なものでもよい。コンピュータ読取可能記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスク及び磁気テープのような磁気媒体(magnetic media)、CD-ROM、DVDのような光記録媒体(optical media)、フロプティカルディスク(floptical disk)のような光磁気媒体(magneto-optical media)、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して遂行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令の例には、コンパイラによって作られるもののような機械語コードだけでなくインタプリタなどを使ってコンピュータによって実行されることができる高級言語コードを含む。上記のハードウェア装置は、本発明の動作を遂行するために一つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成されることができ、その逆も同様である。
【0198】
以上、本発明を望ましい実施例を参照して詳しく説明したが、本発明が上記の実施例に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱しない範囲で本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者ならば誰でも多様な変形又は修正が可能な範囲まで本発明の技術的思想が及ぶと言える。