(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054836
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】印刷システム通信アーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240410BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240410BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
G06F3/12 347
B41J29/38 206
G06F3/12 303
G06F3/12 364
G06F3/12 329
H04N1/00 127Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023152194
(22)【出願日】2023-09-20
(31)【優先権主張番号】17/938,105
(32)【優先日】2022-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ブルース エイチ.スミス
(72)【発明者】
【氏名】キャロル-リン ビジャン
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061HJ08
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB22
5C062AB29
5C062AB35
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC04
5C062AC34
5C062AC48
5C062AE15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】印刷ジョブ及び仕上げ情報が接続された送給デバイス及び仕上げデバイスに提供されることを可能にするアーキテクチャを提供する。
【解決手段】印刷ジョブを、印刷デバイスの印刷構成要素を使用して印刷出力を生成するために処理する方法であって、印刷デバイスの入力/出力デバイス314は、仕上げ機334に信号を出力するように、印刷デバイスのプロセッサ316によって制御される。仕上げ機器は、印刷された出力を操作するように適合されている。印刷デバイスのプロセッサは、信号に、データ転送の開始を示す初期信号と、初期信号に続く後続信号と、を含ませる。信号は、業界標準フォーマット又は仕上げデバイスと互換性のあるフォーマットとする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
コンピュータプロセッサと、
前記コンピュータプロセッサに動作可能に接続された印刷デバイスと、
前記コンピュータプロセッサに動作可能に接続された入力/出力デバイスと、を備え、
前記プロセッサは、印刷出力を生成するために印刷ジョブを処理するように、前記印刷デバイスを制御するように適合されており、
前記プロセッサは、仕上げ機器に信号を出力するように前記入力/出力デバイスを制御するように適合されており、
前記仕上げ機器は、前記印刷出力を操作するように適合されており、
前記プロセッサは、前記信号に、データ転送の開始を示す初期信号と、前記初期信号に続く後続信号と、を含ませるように適合されており、
前記プロセッサは、前記信号を前記仕上げ機器と互換性のあるフォーマットにするように適合されている、
デバイス。
【請求項2】
前記後続信号は、シート寸法、初期シート速度、及び修正シート速度のデータを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記後続信号は、印刷障害のデータを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記入力/出力デバイスは、前記仕上げ機器からデータを受信するように適合されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記入力/出力デバイスは、仕上げ機器ステータスを示すデータを前記仕上げ機器から受信するように適合されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記入力/出力デバイスは、仕上げ機器障害を示すデータを前記仕上げ機器から受信するように適合されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記仕上げ機器は、スタッカ、ステープラ、ソータ及び製本機器を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
デバイスであって、
コンピュータプロセッサと、
前記コンピュータプロセッサに動作可能に接続された印刷デバイスと、
前記コンピュータプロセッサに動作可能に接続された入力/出力デバイスと、を備え、
前記プロセッサは、印刷出力を生成するために印刷ジョブを処理するように、前記印刷デバイスを制御するように適合されており、
前記プロセッサは、仕上げ機器に信号を出力するように前記入力/出力デバイスを制御するように適合されており、
前記仕上げ機器は、前記印刷された出力を操作するように適合されており、
前記プロセッサは、前記信号に、データ転送の開始を示す初期信号と、前記初期信号に続く後続信号と、を含ませるように適合されており、
前記プロセッサは、前記信号を前記仕上げ機器と互換性のあるフォーマットにするように適合されており、
前記後続信号は、シート寸法及びシート速度のデータを含む、
デバイス。
【請求項9】
前記後続信号は、修正シート速度のデータを含む、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記後続信号は、印刷障害のデータを含む、請求項8に記載のデバイス。
【請求項11】
前記入力/出力デバイスは、前記仕上げ機器からデータを受信するように適合されている、請求項8に記載のデバイス。
【請求項12】
前記入力/出力デバイスは、仕上げ機器ステータスを示すデータを前記仕上げ機器から受信するように適合されている、請求項8に記載のデバイス。
【請求項13】
前記入力/出力デバイスは、仕上げ機器障害を示すデータを前記仕上げ機器から受信するように適合されている、請求項8に記載のデバイス。
【請求項14】
前記仕上げ機器は、スタッカ、ステープラ、ソータ及び製本機器を含む、請求項8に記載のデバイス。
【請求項15】
方法であって、
デバイスの印刷構成要素を使用して印刷出力を生成するために印刷ジョブを処理することと、
仕上げ機器に信号を出力するように、前記デバイスの入力/出力デバイスを制御することであって、前記仕上げ機器は、前記印刷出力を操作するように適合されている、ことと、
前記デバイスのプロセッサを使用して、前記信号に、データ転送の開始を示す初期信号と、前記初期信号に続く後続信号と、を含ませることと、
前記プロセッサを使用して、前記信号を前記仕上げ機器と互換性のあるフォーマットにすることと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記プロセッサを使用して、前記信号に、シート寸法、初期シート速度、及び修正シート速度のデータを含ませることを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記プロセッサを使用して、前記信号に、印刷障害のデータを含ませることを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記入力/出力デバイスを使用して前記仕上げ機器からデータを受信することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記入力/出力デバイスを使用して仕上げ機器ステータスを示すデータを前記仕上げ機器から受信することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記入力/出力デバイスを使用して仕上げ機器障害を示すデータを前記仕上げ機器から受信することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書のシステム及び方法は、概して、印刷システム通信アーキテクチャに関し、より詳細には、印刷ジョブ及び仕上げ情報が接続された送給デバイス及び仕上げデバイスに提供されることを可能にするアーキテクチャに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷物の価値は、印刷後に適用される仕上げ作業によって大幅に向上する。仕上げ作業としては、例えば、印刷された物体を固有のサイズ/形状に変換する切断作業、印刷されたシートに保護及び/又は装飾仕上げを施す表面変更作業、複数のシートを結合して本、小冊子などにする製本作業、バインダーなどの様々な保持デバイスで印刷物を容易に使用できるようにする穴開け作業、印刷物を容易に折り畳む及び/又は互いに分離することなどを可能にする穿孔作業、ステープル留め又は他の結合作業などが挙げられ得る。
【発明の概要】
【0003】
本明細書の様々な方法は、デバイスの印刷構成要素を使用して印刷出力を生成するために印刷ジョブを処理する。そのような方法は、仕上げ機器に信号を出力するようにデバイスの入力/出力デバイスを制御する。そのような仕上げ機器は、印刷された出力を操作するように適合されている。そのような方法では、デバイスのプロセッサは、信号に、データ転送の開始を示す初期信号と、初期信号に続く後続信号と、を含ませる。これらの方法では、信号は、業界標準フォーマット又は仕上げデバイスと互換性のあるフォーマットであり得る。
【0004】
更に、これらの方法は、(プロセッサを使用して)信号を、シート寸法、初期シート速度、修正シート速度のデータ、印刷障害のデータなどにすることができる。加えて、これらの方法は、入力/出力デバイスを使用して、仕上げ機器のステータス、仕上げ機器障害などを示す仕上げ機器からのデータを含むデータを仕上げ機器から受信し得る。
【0005】
本明細書のシステムは、(他の構成要素の中でも)印刷デバイスと、コンピュータプロセッサに動作可能に接続された入力/出力デバイスと、を含む。プロセッサは、印刷出力を生成するために印刷ジョブを処理するように、印刷デバイスを制御するように適合されている。プロセッサは、仕上げ機器に信号を出力するように入力/出力デバイスを制御するように適合されている。仕上げ機器は、例えば、スタッカ、ステープラ、ソータ、及び製本機器であってもよく、そのような機器は、印刷出力を操作するように適合されている。プロセッサは、そのような信号を業界標準フォーマット又は仕上げデバイスと互換性のあるフォーマットにするように適合されている。プロセッサは、信号に、データ転送の開始を示す初期信号と、初期信号に続く後続信号と、を含ませるように適合されている。そのような後続信号は、例えば、シート寸法、シート速度、修正シート速度、印刷障害のデータであり得る。
【0006】
また、入力/出力デバイスは、仕上げ機器からデータを受信するように適合されており、そのような受信データとしては、仕上げ機器のステータス、仕上げ機器障害などが挙げられ得る。
【0007】
これらの特徴及び他の特徴は、以下の詳細な説明に記載されるか、又はそれから明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付の図面を参照して、様々な例示的なシステム及び方法を以下で詳細に説明する。
【0009】
【
図3】本明細書のシステムを例解する概略図である。
【
図4】本明細書のデバイスを例解する概略図である。
【
図5】本明細書のデバイスを例解する概略図である。
【
図6】本明細書のデバイスを例解する概略図である。
【
図7】本明細書のデバイスを例解する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上述したように、印刷物の価値は、印刷後に適用される仕上げ作業によって大幅に向上する。このため、洗練された印刷ショップは、様々な異なるタイプの仕上げ機器を維持している。
【0011】
存在する1つの問題は、印刷デバイスと仕上げデバイスとの間の通信が制限されていることである。例えば、ある製造業者によって製造されたプリンタは、異なる製造業者によって製造された仕上げ機器と通信できないことがある。いくつかの状況において、プリンタと仕上げ機器との間の通信は、シート及びシートのセットに関する限られた情報のみを可能にするバイナリ方法に制限される。これにより、個人又は自動化システムは、印刷詳細をプリンタに供給し、複雑な仕上げ作業詳細を仕上げ機器に別個に供給することが要求され得る。
【0012】
したがって、本明細書のシステム及び方法は、サードパーティに接続された送給ソリューション及び仕上げソリューションへのジョブ及びシート固有情報を可能にする印刷システム通信アーキテクチャを提供する。本明細書で使用される場合、「サードパーティ」は、印刷デバイスの製造業者とは異なる製造業者を意味する。いくつかの例では、本明細書のデバイス及び方法は、データ転送の開始を示すために1つのチャネルを使用して安定した高信号及び低信号を提供し、データを表すパルスを送信するために他のチャネルを使用する。
【0013】
上述したように、いくつかのシステムでは、バイナリステータスがサードパーティの送給デバイスと仕上げデバイスとの間で通信される。しかしながら、これらは、限られたシートのセット及びセット情報のみがプリンタとサードパーティ機器との間で通信されることを可能にし、異なる製造業者によって提供されるアイテム間でデータを共有するプロセスは、非常に複雑であり得る。したがって、限られた数(例えば、8)のバイナリコマンド及びバイナリステータスを利用するのではなく、本明細書のデバイス及び方法は、完全なジョブ送給及び仕上げ能力並びにジョブ固有要件とのインターフェースを可能にする。
【0014】
本明細書のデバイス及び方法を使用して共有され得る情報のいくつかは、シートのデフォルト速度(例えば、シート移動距離/時間単位、シート数/時間単位など)と、最小速度、特定のシート又はシートのグループに対する特定の速度などと、紙特性(長さ、幅、及び重量)と、を含む。ジョブ開始指示及びジョブ停止指示も、仕上げデバイスに送信されるデータに含まれ得る。
【0015】
仕上げオプション/特性も、印刷デバイスと仕上げデバイスとの間で通信される。そのような仕上げオプションとしては、例えば、ステープル留め、折り畳み、切断、スリッティング、穿孔、パンチング、製本、裁ち落とし、面落とし、折り目付け、回転、ラミネート、コーティング、完全性検査などが挙げられ得る。これらの仕上げオプションのそれぞれは、フィニッシャと共有される特定の特性を有する。加えて、本明細書の双方向通信システムは、仕上げデバイスがステータス障害コード、ジャム除去情報、要求休止時間などを共有することを可能にする。
【0016】
印刷デバイス間の通信接続は、有線であっても無線であってもよい。有線接続としては、例えば、OPTO、RS422、Can-Bus、USB3.0など、又は任意の他の有用な接続プロトコルが挙げられ得る。本明細書のデバイス及び方法では、この物理接続(物理層)を使用して、フィニッシャ構成に基づいて、動的に共有される情報を調整する。
【0017】
したがって、本明細書の方法及びデバイスは、全ての印刷及び仕上げの詳細を供給するためのシングルポイントユーザインターフェースをユーザに提供し、これは、オペレータがプリンタユーザインターフェース及び別個のフィニッシャユーザインターフェース(複数可)と別個に対話することと比較して、より時間効率がよく、人間の対話によるエラーを低減する。また、ユーザは、印刷ファイル(例えば、PDF、JPEGなど)及び/又は印刷ジョブを確立するときにプリンタ及び仕上げ情報を供給することができ、それによって、複数のインターフェースとのユーザ対話を更に簡略化し、低減する。
【0018】
図1は、本明細書の例示的な方法を例解するフロー図である。項目100において、これらの方法は、システムへの仕上げ命令を含む印刷ジョブを受信する。項目102において、これらの方法は、システムの印刷構成要素を使用して印刷出力104を生成するために印刷ジョブを処理する。項目106に示すように、そのような方法は、システムの入力/出力デバイスを制御して、印刷デバイスから仕上げ作業108を実行する仕上げ機器に信号を出力する。そのような仕上げ機器は、項目104からの印刷出力を操作して仕上げ作業108を実行するように適合されている。
【0019】
項目106において、システムのプロセッサは、信号に、データ転送の開始を示す初期信号と、初期信号に続く後続信号と、を含ませることができる。これらの方法では、項目106において、信号は(プロセッサを使用して)業界標準フォーマット又はプロセッサによる仕上げデバイスと互換性のあるフォーマットにされる。更に、項目106に示すように、これらの方法は、(プロセッサを使用して)信号をシート寸法、初期シート速度、修正シート速度のデータ、印刷障害のデータなどにすることができる。
【0020】
更に、項目110に示されるように、これらの方法は、仕上げ機器のステータス、仕上げ機器の障害などを示すデータを含むデータを(入力/出力デバイスを使用して)仕上げ機器から受信することができる。
図1の項目106、108、110によって示される処理ループは、印刷デバイスと仕上げデバイスとの間で行われる双方向通信処理の反復的性質を示す。そのような処理では、初期信号が仕上げ機器に提供され得(106)、仕上げ機器が応答し得(110)、その後、後続信号が仕上げ機器に応答して供給され得る(106)。この反復処理は、本明細書の方法及びデバイスが、利用される通信論理を確立し、仕上げ命令及びデータを仕上げデバイスに提供し、進行中の印刷作業及び仕上げ作業中に連続的に仕上げデバイスから印刷デバイスにフィードバックを向けることなどを可能にする。
【0021】
本明細書の方法及びデバイスは、そうでなければ基本的な開始/停止又は同様のデータ通信以外の何も実行することができないデバイス間の強化された双方向データ通信を提供する。上述したように、異なる製造業者によって提供されるドキュメント処理マシンは、多くの場合は異なる通信論理を用いて通信する。したがって、同じ一連の信号は、異なる製造業者からの異なるドキュメント処理デバイスに対して2つの異なることを意味する可能性がある(又は、そのような信号は、デバイスのうちの1つに対してのみ意味がある可能性がある)。用語を簡単にするために、異なる製造業者からの互換性のないドキュメント処理マシンは、論理的に異なる通信システム及びフォーマットに依存することがあるので、本明細書ではそのようなデバイスを「通信互換性のない構成要素」と呼ぶことがある。
【0022】
そのような通信互換性のない構成要素間の通信を強化するために、本明細書の方法及びシステムは、いくつかの特徴を提供する。一態様において、これらの方法及びシステムは、最初に(例えば、
図1の項目106において)印刷機器から仕上げ機器に、仕上げ機器がどの通信プロトコル/フォーマットを理解することができるかを仕上げ機器に尋ねる問い合わせを提供し得る。(例えば、
図1の項目110において)仕上げ機器から提供される応答は、印刷機器が、印刷デバイスと仕上げ構成要素との間でコマンド及びフィードバックデータを容易に転送することを可能にするフィニッシャ固有の通信フォーマットを(現在接続されている仕上げデバイスのために)確立するのを助ける。
【0023】
他の例では、これらの方法及びシステムを用いて、印刷デバイスは、(例えば、
図1の項目110において)仕上げ機器のメーカー/モデルを取得し、印刷デバイスがアクセス可能なデータベースを参照して、その特定の仕上げデバイスと対話するときに使用するフィニッシャ固有の通信フォーマットを決定し得る。また、これらの方法及びシステムを用いて、ユーザは、(印刷デバイスのユーザインターフェースを介して)仕上げ機器のメーカー/モデルを手動で識別し、かつ/又は利用されるべきフィニッシャ固有の通信フォーマットを識別することができる。いくつかの例では、フィニッシャ固有の通信フォーマットは、特定の製造業者が独自に開発したものであり得、他の例では、フィニッシャ固有の通信フォーマットは、ほとんどの印刷及び仕上げ機器によって認識可能/使用可能な汎用フォーマットであり得る。
【0024】
これは、項目106において、印刷デバイスが全ての必要なデータ及び命令を仕上げデバイスに提供することを可能にし、ユーザが仕上げデバイスユーザインターフェース上でコマンド/命令を手動で入力する必要性を回避する。加えて、そのようなフィードバック通信は、障害情報、ジャム情報などが様々なデバイス間で容易に通信されることを可能にする。
【0025】
更に、印刷デバイスは、印刷された出力シートが実際に仕上げデバイスに到達する前に、仕上げデバイスに起動(例えば、ウォームアップ又は任意のスリープ状態からのウェイクアップ)を要求することによって、効率を向上させ得る。印刷出力が仕上げデバイスに到達したときに仕上げデバイスが完全に動作可能であることを可能にする時間範囲内で、仕上げデバイスが長時間にわたって完全に電力供給された状態でアイドル状態のままであることを必要とすることによってエネルギーを浪費することなく、そのような高度な起動コマンドが印刷デバイスから仕上げデバイスに提供され得る。
【0026】
これらの方法及びシステムによって(例えば、
図1の項目110において)提供される仕上げデバイスから印刷デバイスへのフィードバックは、印刷/仕上げデバイスが可能な限り最も効率的な方法で動作することを可能にするために、仕上げデバイスに、印刷デバイスの印刷速度(出力速度)を(デバイスの能力に応じて)減速又は加速させ得る。これは、仕上げデバイスに印刷出力を待たせることを回避し、また、仕上げデバイスによって処理されるのを待つ印刷されたシートの過剰な待ち行列を減少させる。したがって、このフィードバックは、仕上げ機器がシートの受け取りを待つアイドル状態でない限り、デバイスのうちの1つ以上が潜在的により低い電力(又は電力節約モード)動作速度で稼働することを可能にし得る。
【0027】
したがって、(例えば、
図1の項目106、110における)この双方向通信は、印刷動作及び仕上げ動作が実行されているときに(印刷/仕上げが行われている間に同時に)、印刷デバイス及び仕上げデバイスの処理速度が動的に調整されることを可能にする。これは、特定の印刷されたシートが追加の処理時間を必要とする場合に有用な中間印刷ジョブであり得る。例えば、増加したトナー密度を有する中間ジョブシート、他のモノクロ印刷ジョブ部分に対してカラー印刷される中間ジョブシート、ジョブの他の片面印刷シートに対して両面印刷される中間ジョブシート、マシンが中間ジョブを一時的に遅くすることを必要とする周期的なマシン過熱/過負荷状態などに対して、追加の印刷処理時間が必要とされる可能性がある。更に、マシンは、例えば、製造施設の電力バランシングを達成する、電力料金の割引を利用する(又はピーク料金時間を避ける)、などのために製造施設の全体的な電力消費目標を達成するよう、意図的に低速化され得る。
【0028】
図2に示されるように、本明細書のシステムは、(他の構成要素の中でも)印刷デバイス304、入力/出力デバイス(I/O)314、コンピュータプロセッサ316など(潜在的に互いに動作可能に(直接的又は間接的に、有線又は無線など)接続される)を含む。図示されているように、プロセッサ316は、印刷デバイス304から分離されていてもよく、又はその構成要素であってもよく、特定の実装に応じて、この2つは入力/出力デバイス314を共有してもよく、又はそれぞれが独自の入力/出力デバイス314を有してよい。
【0029】
プロセッサ316は、印刷出力(104、
図1)を生成するために印刷ジョブを処理するように、印刷デバイス304を制御するように適合されている。仕上げ機器334は、例えば、スタッカ(複数可)、ステープラ(複数可)、ソータ(複数可)、カッター(複数可)、製本機器などであってもよく、そのような機器は、印刷出力を操作するように適合されている。仕上げ機器334は、
図2に示される他の機器に対して互換性のないドキュメント処理マシンであり得る。
【0030】
プロセッサ316は、仕上げ機器334に信号を出力するように入力/出力デバイス314を制御するように適合されている。また、入力/出力デバイス314は、仕上げ機器334からデータを受信するように適合されており、そのようなデータとしては、仕上げ機器のステータス、仕上げ機器障害などが挙げられ得る。プロセッサ316は、そのような信号を業界標準フォーマット又は仕上げデバイス334と互換性のあるフォーマットにすることができる。
【0031】
印刷デバイス304と仕上げデバイス334との間で共有され得る情報のいくつかは、シートのデフォルト速度(例えば、シート移動距離/時間単位、シート数/時間単位など)、修正シート速度、特定の速度又はシートのグループなどの最小速度、並びに紙特性(長さ、幅、及び重量)などを含む。ジョブ開始指示及びジョブ停止指示も、仕上げデバイスに送信されるデータに含まれ得る。
【0032】
仕上げオプション/特性も、印刷デバイス304と仕上げデバイス334との間で通信される。そのような仕上げオプションとしては、例えば、ステープル留め、折り畳み、切断、スリッティング、穿孔、パンチング、製本、裁ち落とし、面落とし、折り目付け、回転、ラミネート、コーティング、完全性検査などが挙げられ得る。これらの仕上げオプションのそれぞれは、印刷機器304からフィニッシャ334に送信される特定の特性を有する。加えて、本明細書の双方向通信システムは、仕上げデバイスがステータス障害コード、ジャム除去情報、要求休止時間などを共有することを可能にする。
【0033】
したがって、プロセッサ316は、信号に、データ転送の開始を示す初期信号と、初期信号に続く後続信号と、を含ませることができる。そのような信号は、例えば、コマンド、データ、設定、フィードバック、マシンステータスなど(例えば、シート寸法、シート速度、修正シート速度、印刷障害のデータなど)であり得る。
【0034】
図3に示されるように、本明細書の例示的なシステム及び方法は、異なる物理的な場所306に配置された様々なコンピュータデバイス300、304を含む。コンピュータデバイス300、304は、プリントサーバ、印刷デバイス、パーソナルコンピュータなどを含むことができ、ローカルエリア又はワイドエリアの(有線又はワイヤレス)ネットワーク302を介して通信する(互いに動作可能に接続される)。
【0035】
図4は、コンピュータデバイス300を例解し、これは、本明細書のシステム及び方法と共に使用することができ、かつ、例えば、印刷サーバ、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピューティングデバイスなどを備えることができる。コンピュータデバイス300は、コントローラ/有形プロセッサ316、並びに有形プロセッサ316及びコンピュータデバイス300の外部にあるコンピュータネットワーク302に動作可能に接続された無線通信ポート(入力/出力)314を含む。また、コンピュータデバイス300は、ユーザインターフェース(user interface、UI)アセンブリ312などの少なくとも1つのアクセサリ機能構成要素を含むことができる。ユーザは、ユーザインターフェース又は制御パネル312から、メッセージ、命令、及びメニューオプションを受信し、ユーザインターフェース又は制御パネル312を通して命令を入力し得る。
【0036】
入力/出力デバイス314は、コンピュータデバイス300への、及びそれからの通信のために使用され、(現在既知であるか、又は将来開発されるかにかかわらず、任意の形態の)有線デバイス又は無線デバイスを備える。有形プロセッサ316は、コンピュータデバイスの様々なアクションを制御する。非一時的かつ有形のコンピュータ記憶媒体デバイス310(光学、磁気、コンデンサベースなどとすることができ、一時的信号とは異なる)は、有形プロセッサ316によって読み取り可能であり、コンピュータデバイスが本明細書に記載されている機能のような各種機能を実行するのを可能にするように、有形プロセッサ316が実行する命令を記憶する。これにより、
図4に示すように、本体ハウジングは、交流電流(alternating current、AC)源320から電力供給部318によって供給される電力で動作する1つ以上の機能構成要素を有する。電力供給部318は、共通電力変換ユニット、電力貯蔵要素(例えば、バッテリーなど)などを備えることができる。
【0037】
図5は、印刷デバイス304であるコンピュータデバイスを例解しており、本明細書におけるシステム及び方法と共に使用され得、例えば、プリンタ、複写機、多機能マシン、多機能デバイス(multi-function device、MFD)などを備えることができる。印刷デバイス304は、上記の構成要素のうちの多くのものと、専用画像プロセッサ316(画像データを処理することに特化されているため、汎用コンピュータとは異なる)に動作可能に接続された少なくとも1つのマーキングデバイス(印刷エンジン(複数可))340と、連続媒体若しくは媒体シートをシート供給部330からマーキングデバイス340に供給するように位置決めされた媒体経路336などとを含む。印刷エンジン(複数可)340から様々なマーキングを受け取った後に、媒体シートは、様々な印刷済みシートの折り畳み、ステープル留め、並び替えなどを行い得るフィニッシャ334に任意選択的に進むことができる。また、印刷デバイス304は、同様に外部電力源320から(電力供給部318を介して)供給された電力で動作する、少なくとも1つのアクセサリ機能構成要素(例えば、スキャナ/文書ハンドラ332(自動文書送給機(automatic document feeder、ADF))など)を含むことができる。
【0038】
1つ以上の印刷エンジン340は、現在既知であるか、又は将来開発されるかにかかわらず、マーキング材料(トナー、インクなど)を連続媒体又は媒体シートに塗布する任意のマーキングデバイスを例解することを意図しており、例えば、
図6に示されるようなインクジェット撮像システム、又は
図7に示されるような高速水性撮像システムを使用するデバイスを含むことができる。
【0039】
より具体的には、
図6は、インクジェット撮像システムである上で言及される印刷エンジン(複数可)380の一例を例解する。この例では、撮像装置380は、1つ以上のインクジェットプリントヘッドを使用するインクジェットプリンタの形態であり、それぞれのインクジェットプリントヘッドは、関連する固体インク供給源(342A~342D)を有する。例示的なダイレクトツーシート相変化インクジェット撮像システム380は、媒体(例えば、紙、プラスチック、又は他の印刷可能材料)を供給するように構成された媒体供給及び処理システム330と、媒体コンディショナ360と、印刷シートコンディショナ344と、コーティングステーション364と、フィニッシャ334と、を含む。
【0040】
媒体は、1つ以上のローラを回転させる様々なモータを含むことができるシート輸送部362によって推進される。両面動作の場合、インバータ366を使用してシートを裏返して、媒体の第2の面をプリントヘッド342A~342Dに提示し得る。
【0041】
媒体コンディショナ360は、例えば、予熱器を含む。予熱器は、媒体を、印刷される媒体のタイプ並びに使用されるインクのタイプ、色、及び数に対応する所望の画像特性のために選択される初期所定温度にする。予熱器は、接触熱、放射熱、伝導熱、又は対流熱を使用して、媒体を目標予熱温度にし得る。
【0042】
媒体は、一連のカラープリントヘッド342A~342Dを含む印刷ステーションを通って輸送され、それぞれのカラーユニットは、媒体の幅にわたって効果的に延在し、移動する媒体上にインクを直接(すなわち、中間又はオフセット部材を使用せずに)配置することができる。一般的に知られているように、プリントヘッドの各々は、単一色のインクを吐出し得、1つのプリントヘッドは、カラー印刷で通常使用される色のそれぞれ、すなわちシアン、マゼンタ、イエロー、及びブラック(cyan,magenta,yellow,black、CMYK)に対応する。コントローラ316は、媒体の通過と同期してプリントヘッド342A~342D内のインクジェット噴射器を作動させるためのタイミング信号を生成し、媒体上に4つの原色画像を形成するために、異なる色のパターンの位置合わせのための信頼できる精度で4色を吐出することを可能にする。インクジェット噴射器は、プリンタに送信され得る、プリンタの構成要素であるスキャナ(図示せず)によって生成され得る、又は他の方法で生成されてプリンタに送られ得る、コントローラ316によって処理された画像データに対応するように、発射信号によって作動される。様々な可能な実施形態において、各原色に対するカラーユニットは、1つ以上のプリントヘッドを含み得るか、カラーユニット内の複数のプリントヘッドは、単一列若しくは複数列のアレイに形成され得るか、複数行アレイのプリントヘッドは、互い違いに配置され得るか、プリントヘッドは、2つ以上の色を印刷し得るか、又は、プリントヘッド又はカラーユニットの一部は、スポットカラー用途などのために、処理方向を横切る方向に移動可能に装着され得る。
【0043】
カラープリントヘッド342A~342Dの各々は、媒体ウェブを横切る交差処理方向にプリントヘッドモジュールの各々におけるプリントヘッドを調整するように構成された少なくとも1つのアクチュエータを含み得る。典型的な実施形態では、各モータは、ステッパモータなどの電気機械デバイスである。実用的な実施形態では、プリントバーアクチュエータは、2つ以上のプリントヘッドを含むプリントバーに接続され、媒体ウェブの交差処理軸に沿ってプリントバーを摺動させることによってプリントバーを再位置付けするように構成されている。代替的な実施形態では、プリントヘッドを物理的に移動させないが、画像データを各ヘッド内の異なる噴射器にリダイレクトして、ヘッド位置を変更する、アクチュエータシステムが使用され得る。
【0044】
プリンタは、液体インク又は「相変化インク」を使用し得、これは、インクが室温で実質的に固体であり、画像受容表面上に噴射するために相変化インク溶融温度に加熱されたときに実質的に液体であることを意味する。相変化インク溶融温度は、固体相変化インクを液体又は溶融形態に溶融することができる任意の温度であり得る。本明細書で使用される場合、液体インクは、溶融固体インク、加熱ゲルインク、又は水性インク、インクエマルジョン、インク懸濁液、インク溶液などの他の既知の形態のインクを指す。
【0045】
各カラーユニットには、典型的にはバー又はロールの形態のバッキング部材が関連付けられており、バッキング部材は、媒体の裏側でカラーユニットに略対向して配置されている。各バッキング部材は、媒体を、バッキング部材に対向するプリントヘッドから所定の距離に位置付けるために使用される。各バッキング部材は、熱エネルギーを放出して媒体を所定の温度に加熱するように構成され得る。
【0046】
媒体経路に沿って印刷ゾーンに続くのは、1つ以上の「中間加熱器」344である。中間加熱器344は、接触熱、放射熱、伝導熱、及び/又は対流熱を使用して、媒体の温度を制御し、特に、スプレッダ346を通過するときに媒体を所望の特性に好適な温度にし得る。「スプレッダ」346の形態の定着アセンブリは、媒体に熱及び/又は圧力を加えて画像を媒体に定着させるように構成されている。スプレッダ346の機能は、本質的にシート上のインクの液滴、インクの液滴の列、又はインクのラインであるものを取り、それらを圧力及びいくつかのシステムでは熱によって塗りつけることであり、その結果、隣接する液滴間の空間が充填され、画像固体が均一になる。スプレッダ346は、媒体に熱及び圧力を加えるための、画像側ローラ352及び圧力ローラ350などのローラを含むことができ、そのいずれかは、媒体を所定の温度にするための、加熱要素348などの加熱要素を含み得る。スプレッダ346はまた、画像側ローラ352に関連付けられたクリーニング/オイリングステーション354を含み得る。ステーション354は、ローラ表面を洗浄し、かつ/又はローラ表面に何らかの剥離剤若しくは他の材料の層を塗布する。コーティングステーション364は、クリアインクを印刷された媒体に塗布して、光沢を修正し、及び/又は印刷された媒体をプリンタから取り出した後の汚れ若しくは他の環境劣化から保護するのを助ける。
【0047】
撮像システムの様々なサブシステム、構成要素、及び機能の動作並びに制御は、コントローラ316の支援を用いて実行される。コントローラ316は、プログラムされた命令を実行する汎用又は専用のプログラマブルプロセッサを用いて実装され得る。コントローラ316は、媒体ウェブの交差処理軸に沿ってプリントバー及びプリントヘッドの位置を調整するために、カラープリントヘッド342A~342Dのプリントバー及びプリントヘッドアクチュエータに動作可能に連結され得る。特に、コントローラは、カラーユニットのうちの1つ以上又は全てを横方向に又は処理方向を横切ってずらすように動作可能であり得る。
【0048】
撮像システムはまた、ウェブに転写される画像を作成するためのものと同様に構成されている光学撮像システム356を含み得る。光学撮像システムは、例えば、プリントヘッドアセンブリのインクジェットによって受容部材上に噴射されたインク液滴の存在、強度、及び/又は場所を検出するように構成されている。撮像システムは、不良又は欠陥のあるインクジェット又はプリントヘッドに起因し得る印刷エラーを検出するのに十分な印刷ウェブを照明することができる様々な光源を組み込み得る。撮像システム356は、排出前に、印刷されたウェブから反射された画像を感知する光検出器又は光学センサのアレイを更に含む。コントローラ316は、撮像システム356からの情報を分析して、とりわけ、障害又はインクジェット若しくはプリントヘッドが発生したかどうかを判定する。欠陥のある印刷要素の場所が識別され、診断手順中に保守技術者に利用可能になる。コントローラ316はまた、撮像システム356から得られたデータを使用して、カラーユニット又は1つ以上のプリントヘッドを移動させることなどによってカラーユニットの位置合わせを調整し得る。この画像データはまた、色制御のために使用され得る。
【0049】
図7は、上で考察されるプリンタ304の1つであるインクジェット又は水性インクプリンタシステム400を例解する。具体的には、
図7は、高速インクジェット又は水性インク画像生成マシン又はプリンタ400を例解する。プリンタ400は、媒体供給部410、前処理ユニット420、印刷ユニット430、乾燥器440、及びシートスタッカ450を含む。媒体供給部410は、プリンタ400によって印刷するための複数の媒体シート412を記憶する。
【0050】
前処理ユニット420は、少なくとも1つの前処理デバイス422と、輸送ベルト424と、を含む。前処理ユニット420は、媒体供給部410から媒体シートを受容し、前処理ユニット420を通して処理方向(
図7のブロック矢印)に媒体シートを輸送する。前処理デバイス422は、媒体シートを調整し、印刷ユニット430における印刷のために媒体シートを準備する。前処理ユニット420は、例えば、媒体シートにコーティングを塗布するコーティングデバイス、媒体シートを乾燥させる乾燥デバイス、及び/又は媒体シートを所定の温度に加熱する加熱デバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、プリンタ400は、前処理ユニット420を含まず、媒体シートは、媒体供給部410から印刷ユニット430に直接送給される。他の実施形態では、プリンタ400は、2つ以上の前処理ユニットを含み得る。
【0051】
印刷ユニット430は、前処理ユニット420又は媒体供給部410から媒体シートを受容し、印刷ユニット430を介して媒体シートを輸送する、少なくとも1つのマーキングユニット輸送ベルト432を含む。印刷ユニット430は、少なくとも1つのプリントヘッド(標準のシアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックのカラープリントヘッドを表すために、
図7ではCMYKとラベル付けされるが、任意のカラープリントヘッドが使用され得る)を更に含む。プリントヘッド(CMYK)は、媒体シートが印刷ユニット430を通って輸送されるときに媒体シート上に水性インクを吐出する。例解される実施形態では、印刷ユニット430は、それぞれが媒体シート上にシアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックインクのうちの1つを吐出する、4つのプリントヘッド(CMYK)を含む。しかしながら、他の実施形態は、より多い又は少ないプリントヘッド、プリントヘッドのアレイなどを含み得る他のプリントヘッド配置を含むことを、読者は理解すべきである。
【0052】
乾燥器440は、加熱器442、及び印刷ユニット430から媒体シートを受容する真空乾燥ベルト444を含む。真空プレナム446は、交差処理方向の一方の側で真空ブロワ又は真空ブロワに接続された配管に接続される。シートスタッカ450は、印刷済シート452を受容及び積載する。
【0053】
図5及び
図6は、回転ベルトに隣接又は接触する4つのマーキングステーションを例解するが、これは、赤、緑、青(red,green,blue、RGB)及び黒、又は、シアン、マゼンタ、イエロー、及び黒(CMYK)などの4つの異なる色でマーキングするシステムに有用であり、当業者によって理解されるように、そのようなデバイスは、単一のマーキングステーション(例えば、ブラック)を使用し得るか、又は任意の数のマーキングステーション(例えば、2、3、5、8、11など)を使用し得る。
【0054】
次に、印刷媒体は、シート出力輸送部336によって、ステープル留め、穴あけ、及びC又はZ折り、モジュール式製本機(modular booklet maker)などの異なる所望の動作を実行する出力トレイ又は多機能フィニッシングステーション334に輸送されるが、当業者であれば、フィニッシャ/出力トレイ334が任意の機能ユニットを備え得ることを理解するであろう。
【0055】
当業者には理解されるように、ここに図示される印刷デバイスは一実施例に過ぎず、本明細書のシステム及び方法は、より少ない構成要素又はより多くの構成要素を含み得る他のタイプの印刷デバイスにも等しく適用可能である。例えば、限定された数の印刷エンジン及び用紙経路が例解されているが、当業者は、より多くの用紙経路及び追加の印刷エンジンが、本明細書のシステム及び方法と共に使用される任意の印刷デバイス内に含まれ得ることを理解するであろう。
【0056】
多くのコンピュータデバイスが、上で考察されている。チップベースの中央処理装置(chip-based central processing unit、CPU)、入力/出力デバイス(グラフィックユーザインターフェース(graphic user interface、GUI)、メモリ、コンパレータ、有形プロセッサなどを含む)を含むコンピュータデバイスは、Dell Computers(Round Rock TX,USA)、及びApple Computer Co.(Cupertino CA,USA)などの製造業者によって製造された周知かつ容易に入手可能なデバイスである。そのようなコンピュータ化されたデバイスは、一般に、入力/出力デバイス、電力供給部、有形プロセッサ、電子記憶メモリ、配線などを含んでおり、これらの詳細は、読者が本明細書に記載されるシステム及び方法の顕著な態様に集中することを可能にするために、本明細書では省略されている。同様に、プリンタ、複写機、スキャナ、及び他の同様の周辺機器は、Xerox Corporation(Norwalk,CT,USA)から入手可能であり、そのようなデバイスの詳細は、簡潔さ及び読者の焦点のために本明細書では考察されていない。
【0057】
本明細書で使用するとき、プリンタ又は印刷デバイスという用語は、任意の目的のために印刷出力機能を実行する、デジタル複写機、製本機、ファクシミリマシン、多機能マシンなどの任意の装置を包含する。プリンタ、印刷エンジンなどの詳細は、周知であり、かつ提示される顕著な特徴に焦点を置いた本開示を維持するために、本明細書に詳細には記載されていない。本明細書のシステム及び方法は、カラー、モノクロで印刷する、又はカラー若しくはモノクロの画像データを扱う、システム及び方法を包含することができる。前述のシステム及び方法は全て、静電複写法及び/又は乾式複写法のマシン及び/又はプロセスに具体的に適用可能である。
【0058】
更に、「自動化された」又は「自動的に」という用語は、プロセスが(マシン又はユーザによって)開始されると、1つ以上のマシンが、任意のユーザからの更なる入力なしにプロセスを実行することを意味する。加えて、「~するように構成された」などの用語は、デバイスが、本明細書に記載される処理において特定の点で特定の動作又は機能を自動的に実行する特殊な内部又は外部構成要素を有するように具体的に設計されていることを意味し、このような特殊な構成要素は、本明細書に示される処理点で指定された動作/機能を(場合によっては、操作者のいかなる入力もアクションもなしで)実行するように物理的に成形され、位置付けられている。本明細書の図面中、同じ識別番号は、同じ又は類似の項目を識別する。
【0059】
いくつかの例示的な構造が添付の図面に例解されているが、当業者であれば、図面は簡略化された概略例解図であり、以下に提示される特許請求の範囲は、例解されていないが、そのようなデバイス及びシステムと共に一般的に利用される、より多くの(潜在的には、さほど多くない)特徴を包含することを理解するであろう。したがって、出願人は、以下に提示される特許請求の範囲が添付の図面によって限定されることを意図するものではなく、その代わりに添付の図面は、単に、特許請求される特徴を実装することができるいくつかの方法を例解するために提供されるに過ぎない。
【0060】
上記で開示された特徴及び機能及び他の特徴及び機能、又はこれらの代替物が、他の異なるシステム又は用途に望ましく組み合わされ得ることが理解されるであろう。様々な現在予期されていない、又は先行例のない代替物、修正、変形、又は改善が、その後に当業者によってなされてもよく、それらも以下の特許請求の範囲によって包含されることを意図している。特定の請求項自体に具体的に定義されない限り、本明細書におけるシステム及び方法のステップ又は構成要素は、任意の特定の順序、数、位置、サイズ、形状、角度、色、又は材料に限定されるように、上記の実施例のいずれかからも暗示され又は持ち込まれることができない。
【外国語明細書】