(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024054839
(43)【公開日】2024-04-17
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵材料を処理するための処理システム及び処理方法
(51)【国際特許分類】
B29B 7/74 20060101AFI20240410BHJP
B29B 7/42 20060101ALI20240410BHJP
B29B 7/48 20060101ALI20240410BHJP
B29C 48/395 20190101ALI20240410BHJP
B29C 48/40 20190101ALI20240410BHJP
B29C 48/385 20190101ALI20240410BHJP
【FI】
B29B7/74
B29B7/42
B29B7/48
B29C48/395
B29C48/40
B29C48/385
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023162450
(22)【出願日】2023-09-26
(31)【優先権主張番号】22199811
(32)【優先日】2022-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】501164665
【氏名又は名称】コペリオン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】マルクス フィードラー
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス ハイン
【テーマコード(参考)】
4F201
4F207
【Fターム(参考)】
4F201AJ08
4F201AR02
4F201AR12
4F201BA01
4F201BC01
4F201BC02
4F201BC13
4F201BK02
4F201BK13
4F201BK22
4F201BK25
4F201BK26
4F207AJ08
4F207AR02
4F207AR12
4F207KA01
4F207KA17
4F207KK12
4F207KK13
4F207KM14
(57)【要約】
【課題】エネルギー貯蔵材料の簡単で信頼性の高い処理を高品質で可能にする処理システムを提供する。
【解決手段】エネルギー貯蔵材料(M)を処理するための処理システム(1)において、圧力上昇装置(4)が混合装置(2)の下流に配置されている。混合装置(2)は、エネルギー貯蔵材料(M)の処理に役立つ。圧力上昇装置(4)によって、エネルギー貯蔵材料(M)の圧力は、その後の成形のために上昇させられる。混合装置(2)と圧力上昇装置(4)は互いに分離しているため、良好な混合効果と良好な圧力上昇効果が達成される。したがって、エネルギー貯蔵材料(M)は、簡単で信頼性の高い方法で高品質に処理することができる。エネルギー貯蔵材料(M)は、特に、燃料電池用のバイポーラプレートの製造及び/又はガルバニックエネルギー貯蔵装置の製造に役立つ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー貯蔵材料(M)を処理するための混合装置(2)を備える、エネルギー貯蔵材料を処理するための処理システムにおいて、
前記エネルギー貯蔵材料(M)の圧力(p)を増加させるために、前記混合装置(2)の下流に圧力上昇装置(4)が配置されていることを特徴とする、処理システム。
【請求項2】
前記混合装置(2)は、処理スクリューマシン(8)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記処理スクリューマシン(8)は、長さLA及び外径DAを有する少なくとも1つの処理要素シャフト(12,13)を備え、ここで、20≦LA/DA≦60、特に25≦LA/DA≦56、及び、特に30≦LA/DA≦52であることを特徴とする、請求項2に記載の処理システム。
【請求項4】
前記圧力上昇装置(4)は、圧力上昇スクリューマシン(33)を備えることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項5】
前記圧力上昇スクリューマシン(33)は、長さLD及び外径DDを有する少なくとも1つの圧力上昇処理要素シャフト(37,38)を備え、ここで、3≦LD/DD≦40、特に4≦LD/DD≦20、及び、特に5≦LD/DD≦10であることを特徴とする、請求項4に記載の処理システム。
【請求項6】
前記圧力上昇装置(4)は、単軸圧力上昇スクリューマシン(33)を備えることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項7】
前記圧力上昇装置(4)は、多軸圧力上昇スクリューマシン(33)を備えることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項8】
前記圧力上昇スクリューマシン(33)は、取込みゾーン(45)と圧力上昇ゾーン(46)とを備えることを特徴とする、請求項4乃至7のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項9】
前記混合装置(2)は、少なくとも1つの処理要素シャフト(12,13)を有する処理スクリューマシン(8)を備え、前記圧力上昇装置(4)は、少なくとも1つの圧力上昇処理要素シャフト(37,38)を有する圧力上昇スクリューマシン(33)を備え、
前記少なくとも1つの処理要素シャフト(12,13)の外径DAに対する前記少なくとも1つの圧力上昇処理要素シャフト(37,38)の外径DDの比が、1/5≦DA/DD≦3、特に1/3≦DA/DD≦2、及び特に1/2≦DA/DD≦1であることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項10】
前記混合装置(2)は、前記圧力上昇装置(4)の供給開口部(47)の上方に配置された少なくとも1つの吐出開口部(32)を有することを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項11】
前記エネルギー貯蔵材料(M)を前記圧力上昇装置(4)に供給するために、前記混合装置(2)と前記圧力上昇装置(4)との間に接続装置(3)が配置されていることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項12】
前記エネルギー貯蔵材料(M)を前記圧力上昇装置(4)に供給するために、前記混合装置(2)と前記圧力上昇装置(4)は、互いに接続されていることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項13】
前記圧力上昇装置(4)の下流側に、押出ツール(5)が配置されていることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項14】
エネルギー貯蔵材料を処理するための方法であって、
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の処理システム(1)を提供し、
前記混合装置(2)により前記エネルギー貯蔵材料(M)を処理し、
前記エネルギー貯蔵材料(M)を前記混合装置(2)から吐出して、前記エネルギー貯蔵材料(M)を前記圧力上昇装置(4)に供給し、
前記圧力上昇装置(4)により前記エネルギー貯蔵材料(M)の圧力(p)を上昇し、
前記圧力上昇装置(4)から前記エネルギー貯蔵材料(M)を吐出する、ステップを備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー貯蔵材料を処理するための処理システム及び処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー貯蔵材料は、燃料電池用のバイポーラプレートの製造や、アキュムレータ(蓄電池)やバッテリなどのガルバニックエネルギー貯蔵装置の製造に必要である。
【0003】
特許文献1は、エネルギー貯蔵材料で作られた平坦なウェブを製造する方法を開示している。この平坦なウェブは、例えば、燃料電池用のバイポーラプレートの製造に役立つ。押出機に出発材料を供給し、これらを混合してエネルギー貯蔵材料を形成する。押出機の出口にはスロットダイが配置されており、これを通して押出機に供給されたエネルギー貯蔵材料が高圧下で押し出される。スロットダイの下流では、エネルギー貯蔵材料は平坦なウェブの形状になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】DE 10 2009 051 434 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、エネルギー貯蔵材料の簡単で信頼性の高い処理を高品質で可能にする処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を有する処理システムによって達成される。本発明によれば、エネルギー貯蔵材料の高い品質には、出発材料の混合のための良好な混合効果だけでなく、その後の成形のための良好な圧力上昇効果も必要であることが認識されている。混合装置は、その混合効果又はその圧力上昇効果のいずれかに関して最適化することができるので、エネルギー貯蔵材料の品質は、記載されたそれぞれの場合において満足できるものではない。
【0007】
したがって、本発明による処理システムは、混合装置の下流に配置された別個の圧力上昇装置を有する。好ましくは、混合装置は搬送方向を有する。圧力上昇装置は、特に、搬送方向において混合装置の下流に配置される。混合装置と圧力上昇装置とが互いに別体であるため、混合効果と圧力上昇効果とを互いに独立して最適化することができ、エネルギー貯蔵材料を簡単かつ信頼性の高い方法で、高品質に製造することができる。混合装置は、その混合効果の点で最適化されており、エネルギー貯蔵材料を形成するために投入された出発材料の混合を改善することができる。生成された混合物又はエネルギー貯蔵材料は、次に圧力上昇装置に供給される。圧力上昇装置は、その圧力上昇効果の点で最適化されており、その後の成形のためにエネルギー貯蔵材料内に高い圧力を生成する。圧力上昇装置は、特に、エネルギー貯蔵材料内の圧力上昇を連続的(継続的)に実行するために機能する。圧力上昇装置は、特に圧力上昇スクリューマシン及び/又はギアポンプを備える。好ましくは、圧力上昇装置は、特に、圧力上昇Δpを達成することを可能とし、ここで、特に:1bar≦Δp≦2000bar、特に5bar≦Δp≦1000bar、特に10bar≦Δp≦500barである。
【0008】
成形は、押出ツール、例えばスロットダイによって行われる。押出ツールは、圧力上昇装置の下流に配置される。好ましくは、処理システムは、圧力上昇装置の下流に配置される押出ツールを備える。
【0009】
処理システム、特に混合装置は、特にエネルギー貯蔵材料の連続処理に役立つ。好ましくは、混合装置は、エネルギー貯蔵材料のための第1搬送方向を規定し、及び/又は、圧力上昇装置は、エネルギー貯蔵材料のための第2搬送方向を規定する。第2搬送方向は、第1搬送方向に対して、特に平行に、及び/又は横方向に、特に垂直に延びる。したがって、第2搬送方向は、第1搬送方向に対して0°から90°の間の角度で延びる。圧力上昇装置は、特に、第1搬送方向において混合装置の下流側に配置される。押出ツールは、特に、第2搬送方向において、圧力上昇装置の下流側に配置される。
【0010】
請求項2に記載の処理システムは、エネルギー貯蔵材料の簡単で信頼性の高い処理を高品質で保証する。処理スクリューマシンは、良好な混合効果を可能にする。出発材料は、処理スクリューマシンによって簡単な方法で混合及び均質化される。圧力上昇は、エネルギー貯蔵材料を圧力上昇装置に搬送するためにのみ必要である。
【0011】
好ましくは、処理スクリューマシンは、少なくとも1つのハウジングボアが形成されたハウジングを備える。それぞれの処理要素シャフトが、少なくとも1つのハウジングボア内に回転可能に配置される。それぞれの処理要素シャフトは、特に1~10フライト、特に1~4フライト、好ましくは2~3フライトを有するプロファイル(輪郭)を有する。好ましくは、処理スクリューマシンは、多軸処理スクリューマシンとして設計される。多軸処理スクリューマシンは、特に、少なくとも2つのハウジングボアが形成されたハウジングを備える。少なくとも2つのハウジングボアは、特に少なくとも対をなして互いに貫通している。処理要素シャフトは、少なくとも2つのハウジングボアの各々に配置される。したがって、多軸処理スクリューマシンは、少なくとも2つの処理要素シャフトを備える。少なくとも2つの処理要素シャフトは、好ましくは噛み合い設計及び/又は装置である。少なくとも2つの処理要素シャフトは、互いに平行に及び/又は互いに円錐状に配向される。特に、少なくとも2つの処理要素シャフトに関連する回転軸は、互いに平行に延び、及び/又は互いに円錐状に延びるか、又は互いに斜めに傾斜して延びる。少なくとも2つの処理要素シャフトは、外径DAを有し、これは少なくとも2つの処理要素シャフトの長さLAに沿って一定及び/又は可変とすることができる。外径DAは、特に長さLAに沿って小さくできるので、少なくとも2つの処理要素シャフトは円錐形である。好ましくは、混合装置は二軸処理スクリューマシンを備える。
【0012】
多軸処理スクリューマシンは、好ましくは、共回転処理スクリューマシン又は異方向処理スクリューマシンとして設計される。共回転処理スクリューマシンは、同じ方向に回転する少なくとも2つの処理要素シャフトを有する。対照的に、異方向処理スクリューマシンは、反対方向に回転する少なくとも2つの処理要素シャフトを有する。
【0013】
処理スクリューマシンは、好ましくは共回転多軸処理スクリューマシンとして、特に二軸処理スクリューマシンとして設計される。好ましくは、混合装置は、正確に1つの多軸処理スクリューマシン、特に正確に1つの二軸処理スクリューマシンを備える。したがって、処理スクリューマシンは最適な混合効果を有する。共回転多軸処理スクリューマシンは軸方向に開いており、原理的にエネルギー貯蔵材料の逆流を許容する。共回転多軸処理スクリューマシンは、主に圧力上昇に利用されないので、エネルギー貯蔵材料は、共回転多軸処理スクリューマシン内に蓄積されないか、わずかに後退するだけである。圧力上昇の結果としての吐出前の過度の後退は、エネルギー貯蔵材料により多くの機械的エネルギーが導入され、それによりエネルギー貯蔵材料の温度が望ましくない上昇を起こし、エネルギー貯蔵材料を劣化させるため、不利である。
【0014】
混合装置は、1つの処理スクリューマシン又は複数の処理スクリューマシンを備えることができる。複数の処理スクリューマシンは、同一及び/又は異なるものにできる。複数の処理スクリューマシンは、互いに隣り合うように、又は互いに直列に、及び/又は互いに平行に配置することができる。好ましくは、複数台の処理スクリューマシンは、互いに平行に配置される。これにより、異なる押出ツールで可変スループット及び/又は異なるスループットを達成することが可能になる。配合変更時、メンテナンス時、及び/又は洗浄時のダウンタイムを最小限に抑えることができる。
【0015】
請求項3に記載の処理システムは、エネルギー貯蔵材料の簡単で信頼性の高い処理を高品質で保証する。処理スクリューマシンのLA/DA比は、良好な混合効果と均質化効果を可能にする。
【0016】
請求項4に記載の処理システムは、エネルギー貯蔵材料の簡単で信頼性の高い処理を高品質で保証する。圧力上昇スクリューマシンは、特に、エネルギー貯蔵材料における圧力上昇の連続的な実行に役立つ。圧力上昇スクリューマシンは、改善された圧力上昇効果を有する。混合装置から吐出された流動性エネルギー貯蔵材料は、圧力上昇スクリューマシンに供給される。好ましくは、圧力上昇スクリューマシンは、専ら取込みゾーンと圧力上昇ゾーンを有する。
【0017】
圧力上昇スクリューマシンは、特に少なくとも1つの圧力上昇処理要素シャフトを有する。圧力上昇スクリューマシンの圧力上昇効果は、特に、少なくとも1つの圧力上昇処理要素シャフトの傾斜又は搬送角度、少なくとも1つの圧力上昇処理要素シャフトのフライト数及び/又はフライト深さ、及び/又は少なくとも1つの圧力上昇処理要素シャフトのランド幅及び/又はランドクリアランスによって最適化することができる。例えば、圧力上昇効果は、傾斜又は搬送角度が小さいほど、フライト深さが小さいほど、フライト数が小さいほど、及び/又はランドクリアランスが小さいほど増大する。好ましくは、能動フランク及び/又は受動フランクのクリアランスは、可能な限り小さい。
【0018】
圧力上昇スクリューマシンは、単軸を有し、単軸圧力上昇スクリューマシンとして設計されているか、又は多軸を有し、多軸圧力上昇スクリューマシンとして設計される。多軸圧力上昇スクリューマシンは、特に二軸を有する。その多軸圧力上昇スクリューマシンは、二重反転又は共回転である。
【0019】
好ましくは、圧力上昇スクリューマシンは、単軸圧力上昇スクリューマシンとして、又は二重反転多軸圧力上昇スクリューマシンとして、特に異方向二軸圧力上昇スクリューマシンとして設計される。
【0020】
圧力上昇装置は、1台の圧力上昇スクリューマシン又は複数の圧力上昇スクリューマシンを備えることができる。複数の圧力上昇スクリューマシンは、同一及び/又は異なるものにできる。複数の圧力上昇スクリューマシンは、1つずつ、又は互いに直列に、及び/又は互いに平行に配置することができる。好ましくは、複数の圧力上昇スクリューマシンは、互いに平行に配置される。これにより、異なる押出ツールで可変スループット及び/又は異なるスループットを達成することが可能になる。配合変更時、メンテナンス時、及び/又は洗浄時のダウンタイムを最小限に抑えることができる。
【0021】
請求項5に記載の処理システムは、エネルギー貯蔵材料の簡単で信頼性の高い処理を高品質で保証する。LD/DD比は、簡単な方法で高い圧力上昇を可能にする。好ましくは、圧力上昇スクリューマシンは、流動性エネルギー貯蔵材料を供給するための取込みゾーンと、流動性エネルギー貯蔵材料内の圧力を上昇させるための圧力上昇ゾーンのみを備える。圧力上昇スクリューマシンは、単に圧力上昇効果を提供すればよいので、圧力上昇スクリューマシンのコンパクトな設計が可能である。圧力上昇スクリューマシンのLD/DD比は、特に、処理スクリューマシンのLA/DA比よりも小さい。ここで、LAは、処理スクリューマシンの少なくとも1つの処理要素シャフトの長さを示し、DAは外径を表す。
【0022】
請求項6に記載の処理システムは、エネルギー貯蔵材料の簡単で信頼性の高い処理を高品質で保証する。圧力上昇スクリューマシンは単軸を有し、すなわち、単軸圧力上昇スクリューマシンとして設計されている。単軸圧力上昇スクリューマシンは、ハウジングボアが形成されたハウジングを備える。圧力上昇処理要素シャフト、特に圧力上昇スクリュー要素シャフトが、ハウジングボア内に回転可能に配置される。圧力上昇処理要素シャフトは、好ましくは、1~10のフライト、特に2~4のフライトを有するプロファイルを有する。ハウジングの内壁と圧力上昇処理要素シャフトの隆起部の間のエネルギー貯蔵材料の逆流又は漏れ流が少ないので、単軸圧力上昇スクリューマシンは、高い増圧を可能にする。
【0023】
請求項7に記載の処理システムは、エネルギー貯蔵材料の簡単で信頼性の高い処理を高品質で保証する。圧力上昇スクリューマシンは、複数のシャフトを有し、すなわち多軸圧力上昇スクリューマシンとして設計される。多軸圧力上昇スクリューマシンは、二重反転又は共回転である。多軸圧力上昇スクリューマシンは、少なくとも2つのハウジングボアが形成されたハウジングを備える。圧力上昇処理要素シャフト、特に圧力上昇スクリュー要素シャフトは、少なくとも2つのハウジングボアのそれぞれに配置される。少なくとも2つの圧力上昇処理要素シャフト、特に少なくとも2つの圧力上昇スクリュー要素シャフトは、特に1~10フライト、特に1~4フライト、特に2~3フライトを有するプロファイルを有する。二重反転多軸圧力上昇スクリューマシンの場合、少なくとも2つの処理要素シャフトは、少なくとも2つのハウジングボア内に、反対の回転方向で回転可能に配置される。共回転多軸圧力上昇スクリューマシンの場合、少なくとも2つの圧力上昇処理要素シャフトは、少なくとも2つのハウジングボア内に、同じ回転方向で回転可能に配置される。少なくとも2つのハウジングボアは、特に少なくとも対をなして、互いに交差する。好ましくは、多軸圧力上昇スクリューマシンは、二軸圧力上昇スクリューマシンとして設計される。
【0024】
二重反転多軸圧力上昇スクリューマシンは、自己完結型のチャンバ搬送を有するため、エネルギー貯蔵材料の逆流や漏れ流が少なく、簡単な方法で高い圧力上昇が可能である。圧力上昇時にエネルギー貯蔵材料に投入される機械的エネルギーは小さい。
【0025】
共回転多軸圧力上昇スクリューマシンは、単に圧力上昇のために構成されていればよく、したがって、共回転多軸圧力上昇スクリューマシンは、エネルギー貯蔵材料に望ましくない高い機械的エネルギーを投入することなく、良好で実現可能でもある圧力上昇も可能にする。共回転多軸圧力上昇スクリューマシンは、特に、1~10フライトを有するプロファイルを有する少なくとも2つの圧力上昇処理要素シャフトを有する。1フライトのプロファイルは、圧力上昇に特に適している。
【0026】
圧力上昇装置が、多軸圧力上昇スクリューマシンを備える場合、処理スクリューマシンは、好ましくは、螺合解除圧力上昇処理要素シャフトの側方に配置される。少なくとも2つの圧力上昇処理要素シャフトは、互いに垂直又は水平に配置することができる。垂直方向に配置された少なくとも2つの圧力上昇処理要素シャフトを有する圧力上昇スクリューマシンの場合、処理スクリューマシンは、圧力上昇スクリューマシンの隙間領域に配置することができる。
【0027】
請求項8に記載の処理システムは、エネルギー貯蔵材料の簡単で信頼性の高い処理を高品質で保証する。圧力上昇スクリューマシンは、少なくとも1つのハウジングボアが形成されたハウジングを有する。圧力上昇処理要素シャフト、特に圧力上昇スクリュー要素シャフトが、いずれの場合も少なくとも1つのハウジングボア内に回転可能に配置されている。取込みゾーンでは、ハウジングに供給開口部が形成されている。供給開口部は、流動性エネルギー貯蔵材料を少なくとも1つのハウジングボア内に供給する役割を果たす。流動性エネルギー貯蔵材料は、搬送方向に圧力上昇ゾーンに搬送される。圧力上昇ゾーンでは、流動性エネルギー貯蔵材料の圧力が上昇する。圧力上昇ゾーンでは、ハウジングに吐出開口部が形成される。流動性エネルギー貯蔵材料は、高圧下で吐出開口部を通って吐出される。好ましくは、圧力上昇スクリューマシンは、専ら取込みゾーンと圧力上昇ゾーンとを有する。圧力上昇ゾーンは、圧力上昇スクリューマシンの搬送方向において、取込みゾーンの下流側に配置される。
【0028】
請求項9に記載の処理システムは、エネルギー貯蔵材料の簡単で信頼性の高い処理を高品質で保証する。
【0029】
特に、多軸処理スクリューマシン及び単軸圧力上昇スクリューマシンの場合、特に:1/5≦DA/DD≦2、及び特に1/3≦DA/DD≦1である。
【0030】
多軸、特に二軸処理スクリューマシン及び、多軸、特に二軸圧力上昇スクリューマシンの場合、特に:1/5≦DA/DD≦3、及び特に1/2≦DA/DD≦2である。
【0031】
請求項10に記載の処理システムは、エネルギー貯蔵材料の簡単で信頼性の高い処理を高品質で保証する。混合装置の少なくとも1つの吐出開口部が、重力方向に基づいて、圧力上昇装置の供給開口部の上方に配置されているので、流動性エネルギー貯蔵材料を、簡単な方法で圧力上昇装置に供給することができる。エネルギー貯蔵材料の供給は、重力によって、特に圧力なしで行われる。好ましくは、混合装置は、エネルギー貯蔵材料のストランドを生成するための複数の吐出開口部を備える。この目的のために、好ましくは、混合装置は、エネルギー貯蔵材料のストランドを生成するための複数の吐出開口部を有する吐出板又は多孔板を備える。あるいは、多孔板を用いずにエネルギー貯蔵材料を開放的に移送することも可能である。
【0032】
好ましくは、処理システムは、生成されたストランドを細断するための少なくとも1つのブレードを備える。少なくとも1つのブレードは、駆動装置によって回転駆動可能であり、及び/又は静止していることができる。少なくとも1つのブレード及び関連する駆動装置は、生成されたストランドを細断するための細断ユニットを形成する。その結果、生成されるエネルギー貯蔵材料のストランドの長さを所望の方法で調整できるため、圧力上昇装置へのエネルギー貯蔵材料の供給が簡素化され、圧力上昇装置の場合の供給問題又は取込み問題を回避することができる。ストランドの細断は、例えば熱間切断によって行われる。少なくとも1つのブレードは、吐出板又は多孔板に対して中心的又は偏心的に回転及び/又は揺動することができる。細断ユニットは、特に、混合装置と圧力上昇装置とを接続するための接続装置に組み込まれている。
【0033】
請求項11に記載の処理システムは、エネルギー貯蔵材料の簡単で信頼性の高い処理を高品質で保証する。接続装置は、特に混合装置及び/又は圧力上昇装置に取り付けられる。接続装置は、特に圧力上昇装置、特に圧力上昇スクリューマシンのハウジングに、重力方向に対して上方から及び/又は側方から通じている。
【0034】
接続装置は、特に、流動性エネルギー貯蔵材料の温度調整又は加熱及び/又は冷却のための温度制御ユニット、及び/又は流動性エネルギー貯蔵材料の脱気のための脱気ユニットを備える。好ましくは、エネルギー貯蔵材料の少なくとも1つの特性を測定するための少なくとも1つのセンサーが、接続装置内及び/又は接続装置上に配置される。好ましくは、接続装置は、少なくとも1つの接続要素を備える。少なくとも1つの接続要素は、例えば、パイプ及び/又は閉鎖シャフトによって形成される。少なくとも1つの接続要素は、真空気密とすることができ、脱気ユニットに接続することができる。環境に対するこのような囲い込みは、環境からの汚染及び/又は湿気の吸収を防止する。揮発性化合物及び/又は水もしくは水蒸気は、吸引によって抽出することができる。
【0035】
少なくとも1つの接続要素又はそれぞれの接続要素は、内径DVを有し、ここで好ましくは:0.5≦DV/DA≦10、特に0.8≦DV/DA≦5、及び特に1≦DV/DA≦2であり、DAは、処理スクリューマシンの少なくとも1つの処理要素シャフトの外径を表す。好ましくは、少なくとも1つの接続要素又はそれぞれの接続要素は、長さLVを有し、ここで:1≦LV/DA≦100、特に2≦LV/DA≦50、及び特に4≦LV/DA≦10であり、DAは、処理スクリューマシンの少なくとも1つの処理要素シャフトの外径を表す。
【0036】
好ましくは、少なくとも1つの接続要素は伸縮自在である。少なくとも1つの接続要素又はそれぞれの接続要素は、特に、熱膨張を補償するために互いに相対的に変位可能な少なくとも2つの部品を備える。好ましくは、接続装置は、少なくとも1つの接続要素を取り囲む断熱材を備える。
【0037】
少なくとも1つの接続要素は、特に直線状及び/又は曲線状である。湾曲の場合、曲率半径RVは、特に:0.5≦RV/DA≦10、特に1≦RV/DA≦7、及び特に2≦RV/DA≦4である。湾曲の場合、少なくとも1つの接続要素の接続された直線部分間の曲率角αは、特に:1°≦α≦90°、特に5°≦α≦70°、及び特に10°≦α≦50°である。
【0038】
接続装置は、特に、流動性エネルギー貯蔵材料を複数のストランドに分割するために機能する。好ましくは、接続装置は、混合装置から吐出されるエネルギー貯蔵材料がN個の部分流れに分割されるように設計され、ここで特に:1≦N≦8、特に2≦N≦6、及び特に3≦N≦4である。
【0039】
請求項12に記載の処理システムは、エネルギー貯蔵材料の簡単で信頼性の高い処理を高品質で保証する。混合装置と圧力上昇装置は、互いに直接接続されている。好ましくは、混合装置のハウジング、特に処理スクリューマシンのハウジングは、圧力上昇装置のハウジングに、特に圧力上昇スクリューマシンのハウジングに接続される。好ましくは、混合装置は、圧力上昇装置の側面に接続される。特に、処理スクリューマシンの少なくとも1つのハウジングボアは、圧力上昇スクリューマシンの少なくとも1つのハウジングボアに通じている。好ましくは、混合装置は、少なくとも1つの処理要素シャフトを有する処理スクリューマシンを備え、圧力上昇装置は、少なくとも1つの圧力上昇処理要素シャフトを有する圧力上昇スクリューマシンを備える。処理スクリューマシンの少なくとも1つのハウジングボアが、圧力上昇スクリューマシンの少なくとも1つのハウジングボアに通じる供給ゾーンにおいて、少なくとも1つの処理要素シャフトは、最も近い圧力上昇処理要素シャフトから距離sを有し、ここで特に:0.05mm≦s≦10・DA、特に0.1mm≦s≦10・DA、特に0.1mm≦s≦5・DA、特に0.5mm≦s≦DAであり、DAは少なくとも1つの処理要素シャフトの外径を表す。
【0040】
請求項13に記載の処理システムは、エネルギー貯蔵材料の簡単で信頼性の高い処理を高品質で保証する。押出ツールは、エネルギー貯蔵材料の成形又は形成のため、及び/又はエネルギー貯蔵材料による支持膜のコーティングのために機能する。支持フィルムは、特に直接コーティングされる。支持フィルムは特に、金属及び/又はポリマーベースのフィルムとして形成される。押出ツールは、圧力上昇装置の搬送方向において圧力上昇装置のすぐ下流に配置されているので、エネルギー貯蔵材料の成形に高い圧力が利用可能である。押出ツールは、特にスロット状であり、例えばスロット状のダイの形態である。押出ツールは、好ましくは、最大吐出幅bを有し、ここで、特に:5mm≦b≦2000mm、特に50mm≦b≦1500mm、及び特に100mm≦b≦1000mmである。
【0041】
押出ツールは、好ましくは吐出厚さdを有し、特に:0.01mm≦d≦10mm、特に0.05≦d≦5mm、及び特に0.1mm≦d≦2mmである。
【0042】
圧力上昇装置によって生成される圧力が高いほど、押出ツールによってエネルギー貯蔵材料をより薄く、より幅広く成形することができる。流動性エネルギー貯蔵材料の粘度が高くなるほど、押出ツールによってエネルギー貯蔵材料を成形するのに必要な圧力は高くなる。
【0043】
押出ツールの後、エネルギー貯蔵材料は、板状及び/又はフィルム状の形状を有することが好ましい。
【0044】
本発明のさらなる目的は、エネルギー貯蔵材料を高品質で簡単かつ確実に処理できる方法を提供することである。
【0045】
この目的は、請求項14の特徴を有する方法によって達成される。本発明による方法の利点は、既に説明した本発明による処理システムの利点に対応する。本発明による方法は、特に、本発明による処理システムに関連して説明した少なくとも1つの特徴を用いて発展することができる。好ましくは、本方法は、バイポーラプレート用のエネルギー貯蔵材料の処理に、及び/又は溶媒含有エネルギー貯蔵材料の処理に、及び/又は無溶媒エネルギー貯蔵材料の処理に役立つ。このようなエネルギー貯蔵材料は、特に燃料電池及び/又はガルバニックエネルギー貯蔵装置、例えばアキュムレータ及び/又は電池において使用される。エネルギー貯蔵材料は、特に導電性である。
【0046】
エネルギー貯蔵材料の充填剤(フィラー)含有量は、特に50重量%~99.5重量%、特に70重量%~99重量%、及び特に80重量%~98.5重量%である。
【0047】
バイポーラプレートを製造するためのエネルギー貯蔵材料の配合物は、特に:
85重量%~98重量%の充填剤と、
2重量%~15重量%の結合剤(バインダー)と、を含む。
【0048】
充填剤(フィラー)は、特に、グラファイト、カーボンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブ(CNT)、多層カーボンナノチューブ(MWCNT)及び/又は炭素繊維の群から選択される。
【0049】
バインダーは特に、熱可塑性プラスチック(非晶性及び/又は半結晶性)、例えばPP、PE、PA、PBT、PPS、PEEK、PEAK、熱可塑性エラストマー、例えばTPA、TPC、TPO、TPS、TPU、TPV、ポリマーブレンド、例えばPP/TPO、PA/TPOの群から選択される。さらに、例えば熱安定剤、UV安定剤、架橋剤、接着促進剤及び/又は滑剤などの添加剤及び/又は安定剤を配合物に添加することができる。
【0050】
溶媒含有エネルギー貯蔵材料の配合物は、例えば:
50重量%~99.5重量%の充填剤又は活性物質と、
0.5重量%~50重量%の溶媒と、を含む。
【0051】
充填剤(フィラー)又は活物質は、特に、グラファイト、グラフェン、ケイ素、カーボンナノチューブ(CNT)、多層カーボンナノチューブ(MWCNT)、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物、コバルト酸リチウム、リチウムマンガン酸化物スピネル、リン酸鉄リチウム、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物、チタン酸リチウム酸化物、ケイ素、リチウムアルミニウム合金、リチウムマグネシウム合金、リチウムシリコン合金、リチウム錫合金、六フッ化リン酸リチウム、多硫化リチウム、リチウム金属多硫化物、ジルコン酸ランタンリチウム及び/又はリチウムランタン酸化チタンからなる群から選択される。
【0052】
溶媒は、特に、脱塩水、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N-エチル-2-ピロリドン(NEP)及び/又はリン酸トリエチル(TEP)の群から選択される。
【0053】
無溶媒エネルギー貯蔵材料の配合物は、例えば、以下を含む:
80重量%~99.5重量%の充填剤又は活性物質、及び
0.5重量%~20重量%の少なくとも1種のポリマー及び/又は少なくとも1種の結合剤。
【0054】
充填剤(フィラー)又は活物質は、特に、グラファイト、グラフェン、ケイ素、カーボンナノチューブ(CNT)、多層カーボンナノチューブ(MWCNT)、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物、コバルト酸リチウム、リチウムマンガン酸化物スピネル、リン酸鉄リチウム、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物、チタン酸リチウム酸化物、ケイ素、リチウムアルミニウム合金、リチウムマグネシウム合金、リチウムシリコン合金、リチウム錫合金、六フッ化リン酸リチウム、多硫化リチウム、リチウム金属多硫化物、ジルコン酸ランタンリチウム及び/又はリチウムランタン酸化チタンからなる群から選択される。
【0055】
少なくとも1種のポリマーは、特に、PTFE、PVDF及び/又はPEOの群から選択される。少なくとも1つのバインダーに関しては、上記を参照されたい。
【0056】
無溶媒エネルギー貯蔵材料は、特に、ポリマー系材料、酸化物系材料及び/又はチオホスフェート系材料を含むことができる。さらに、無溶媒エネルギー貯蔵材料は、添加剤を含むことができる。
【0057】
好ましくは、混合装置は処理スクリューマシンを備え、及び/又は圧力上昇装置は圧力上昇スクリューマシンを備える。処理スクリューマシンは、特に速度nAで運転される。ここで:1rpm≦nA≦2000rpm、特に50rpm≦nA≦1600rpm、及び特に100rpm≦nA≦1200rpmである。圧力上昇スクリューマシンは、特に速度nDで運転され、ここで:1rpm≦nD≦300rpm、特に2rpm≦nD≦200rpm、及び特に3rpm≦nD≦150rpmである。
【0058】
多軸処理スクリューマシン及び単軸圧力上昇スクリューマシンについて、特に:3≦nA/nD≦500、特に5≦nA/nD≦150、及び特に10≦nA/nD≦90である。
【0059】
多軸処理スクリューマシン及び多軸圧力上昇スクリューマシンについて、特に:4≦nA/nD≦200、特に15≦nA/nD≦120、及び特に30≦nA/nD≦90である。
【0060】
好ましくは、カレンダ及び/又はエンボスユニット及び/又はコーティングユニットが、押出ツールの下流に配置される。その結果、カレンダ処理工程及び/又はエンボス処理工程及び/又はコーティング工程を、押出ツールの下流で実施することができる。
【0061】
本発明のさらなる特徴、利点、及び詳細は、以下の複数の例示的な実施形態の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】第1の例示的実施形態によるエネルギー貯蔵材料を処理するための処理システムの部分切断側面図であり、共回転二軸処理スクリューマシンを備える混合装置と、単軸圧力上昇スクリューマシンを備える圧力上昇装置と、閉鎖シャフトを備える接続装置とを備える。
【
図2】
図1の処理システムの部分切断平面図である。
【
図3】第2の例示的実施形態によるエネルギー貯蔵材料を処理するための処理システムの部分切断平面図であり、単軸圧力上昇スクリューマシンが、共回転二軸処理スクリューマシンに対して90°の角度で配置されている。
【
図4】第3の例示的実施形態によるエネルギー貯蔵材料を処理するための処理システムの部分切断平面図であり、混合装置は共回転二軸処理スクリューマシンを備え、圧力上昇装置は異方向二軸圧力上昇スクリューマシンを備える。
【
図5】第4の例示的実施形態によるエネルギー貯蔵材料を処理するための処理システムの部分切断平面図であり、異方向二軸圧力上昇スクリューマシンが、共回転二軸処理スクリューマシンに対して90°の角度で配置されている。
【
図6】第5の例示的実施形態によるエネルギー貯蔵材料を処理するための処理システムの部分切断平面図であり、共回転二軸処理スクリューマシンが、単軸圧力上昇スクリューマシンに直接接続されている。
【
図7】第6の例示的実施形態によるエネルギー貯蔵材料を処理するための処理システムの部分切断平面図であり、共回転二軸処理スクリューマシンが、異方向二軸圧力上昇スクリューマシンに直接接続されている。
【
図8】第7の例示的実施形態によるエネルギー貯蔵材料を処理するための処理システムの部分切断側面図であり、共回転二軸処理スクリューマシンが、異方向二軸圧力上昇スクリューマシンに直接接続され、圧力上昇処理要素シャフトが、互いに垂直に重ねて配置されている。
【
図9】第8の例示的実施形態によるエネルギー貯蔵材料を処理するための処理システムの部分切断側面図であり、共回転二軸処理スクリューマシンと単軸圧力上昇スクリューマシンとの間の接続装置が、パイプを備えている。
【発明を実施するための形態】
【0063】
本発明の第1例示的な実施形態について、
図1及び
図2を参照して以下に説明する。
図1及び
図2に示す処理システム1は、エネルギー貯蔵材料Mの連続処理に役立つ。エネルギー貯蔵材料Mは、少なくとも2つの出発原料A
1及びA
2の混合物である。エネルギー貯蔵材料Mは、燃料電池用のバイポーラプレートの製造、及び/又はアキュムレータ及びバッテリなどのガルバニックエネルギー貯蔵装置の製造に役立つとされる。エネルギー貯蔵材料Mは導電性である。エネルギー貯蔵材料Mから特に製造されるのは、半製品としてさらに処理される成形品Fである。成形品Fは、例えば板状及び/又はフィルム状である。
【0064】
処理システム1は、混合装置2、接続装置3、圧力上昇装置4、押出ツール5、再処理装置6、及び搬送装置7を備える。
【0065】
混合装置2は、共回転多軸処理スクリューマシン又は共回転二軸処理スクリューマシンとして設計された処理スクリューマシン8を備える。処理スクリューマシン8はハウジング9を備え、ハウジング9内に互いに平行で互いに貫通する2つのハウジングボア10,11が形成されている。ハウジングボア10,11は、横8の字形の断面形状を有する。ハウジングボア10,11内には、関連する回転軸14,15の周りで同じ回転方向に回転駆動可能な2つの処理要素シャフト12,13が配置されている。回転駆動は、駆動モータ16と分配トランスミッション17とを備える混合装置2によって達成され、それらの間にカップリング18が配置されている。処理要素シャフト12,13は、分配トランスミッション17を介して、駆動モータ16によって回転軸14,15の周りに同じ回転方向で回転駆動される。
【0066】
処理スクリューマシン8は、ハウジング9を閉鎖する吐出板31を備える。吐出板31は、複数の吐出開口部32を有する。したがって、吐出板31は多孔板の形状である。
【0067】
処理スクリューマシン8は、第1搬送方向19を有する。第1搬送方向19において、処理スクリューマシン8は、取込みゾーン20、溶融ゾーン21又は溶融及び混合ゾーン、混合及び均質化ゾーン22及び吐出ゾーン23を連続して形成する。取込みゾーン20において、ハウジング9は供給開口部24を有する。供給開口部24には、供給ホッパ25が接続されている。処理スクリューマシン8は、ハウジング9に沿ってさらに供給開口部を有することができる。供給は、特に供給ホッパによって、及び/又は供給スクリューマシン、例えばサイドローディングマシンによって、ハウジング9に直接行うことができる。出発原料A1及びA2の計量供給は、2つの計量ユニットD1及びD2を備える混合装置によって達成される。取込みゾーン20において、供給された出発原料A1及びA2は、第1搬送方向19に搬送されて、溶融ゾーン21又は溶融混合ゾーンに送られる。このために、取込みゾーン20内の処理要素シャフト12,13は、スクリュー要素又はコンベア要素26,26’を有する。
【0068】
溶融ゾーン21又は溶融混合ゾーンでは、溶融可能な出発原料A1,A2が溶融又は可塑化され、均質に混合される。この目的のために、溶融ゾーン21又は溶融混合ゾーンの処理要素シャフト12,13は、混練要素27,27’及びスクリュー要素又はコンベア要素28,28’を有する。混練要素27,27’は、特に、一体的に相互接続された混練ディスク及び/又は個別の混練ディスクを有する混練ブロックを備える。
【0069】
混合及び均質化ゾーン22では、溶融した溶融可能な出発原料A1,A2、例えば固体及び溶媒が混合され、均質化されて均質な混合物が得られる。均質な混合物は、エネルギー貯蔵材料Mであり、エネルギー貯蔵材料Mは流動性である。混合及び均質化ゾーン22において、処理要素シャフト12,13は、混練要素27,27’、混合要素29,29’及びスクリュー要素又はコンベア要素28,28’を有する。混練要素27,27’及び/又は混合要素29,29’は、特に、一体的に相互接続された複数の混練ディスク及び/又は個別の混練ディスクを有する混練ブロックを備える。
【0070】
吐出ゾーン23において、エネルギー貯蔵材料Mは吐出板31に搬送される。吐出ゾーン23において、処理要素シャフト12,13は、スクリュー要素又はコンベア要素28,28’及び30,30’を有する。
【0071】
処理要素シャフト12,13は、第1搬送方向19に長さLAを有する。さらに、処理要素シャフト12,13は、外径DAを有する。外径DAに対する長さLAの比は、20≦LA/DA≦60、特に25≦LA/DA≦56、特に30≦LA/DA≦52である。
【0072】
圧力上昇装置4は、エネルギー貯蔵材料Mの圧力pを上昇させる役割を果たす。圧力上昇装置4は、第1搬送方向19において混合装置2の下流側に配置されている。
【0073】
圧力上昇装置4は、単軸圧力上昇スクリューマシンとして設計された圧力上昇スクリューマシン33を備える。圧力上昇スクリューマシン33は、ハウジングボア35が形成されたハウジング34を備える。ハウジングボア35内に、圧力上昇処理要素シャフト37が回転駆動可能に配置されている。圧力上昇装置4は、駆動モータ39と変速機40とを備える。駆動モータ39と変速機40との間には、カップリング41が配置されている。圧力上昇処理要素シャフト37は、変速機40及びカップリング41を介して、駆動モータ39によって回転軸42の周りに回転駆動可能である。ハウジング34は、押出ツール5によって閉じられている。
【0074】
圧力上昇スクリューマシン33は、第2搬送方向44を有する。第2搬送方向44は、第1搬送方向19と平行に延びる。したがって、処理スクリューマシン8及び圧力上昇スクリューマシン33は、互いに0°の角度で配置又は配向されている。
【0075】
圧力上昇スクリューマシン33は、第2搬送方向44に取込みゾーン45と圧力上昇ゾーン46を形成する。
【0076】
取込みゾーン45では、ハウジング34に供給開口部47が形成されている。供給開口部47には、供給ホッパ48が続いている。取込みゾーン45において、圧力上昇処理要素シャフト37は、少なくとも1つのスクリュー要素49を備える。エネルギー貯蔵材料Mは、取込みゾーン45に入るときに第1圧力p0を有する。取込みゾーン45では、エネルギー貯蔵材料Mは圧力上昇ゾーン46に搬送される。
【0077】
圧力上昇ゾーン46では、エネルギー貯蔵材料Mの圧力p0が上昇する。押出ツール5において、エネルギー貯蔵材料Mは圧力p1を有する。圧力増加Δpについて:Δp=p1-p0である。圧力上昇ゾーン46において、圧力上昇処理要素シャフト37は、少なくとも1つのスクリュー要素50を有する。したがって、圧力上昇スクリューマシン33は、取込みゾーン45と圧力上昇ゾーン46とを専ら有する。さらに、圧力上昇処理要素シャフト37は、専らスクリュー要素49,50を有しており、圧力上昇スクリュー要素シャフトとして設計されている。
【0078】
圧力上昇処理要素シャフト37は、第2搬送方向44に長さLDを有する。さらに、圧力上昇処理要素シャフト37は、外径DDを有する。外径DDに対する長さLDの比について、特に:3≦LD/DD≦40、特に4≦LD/DD≦20、及び特に5≦LD/DD≦10である。
【0079】
外径DDに対する外径DAの比について、特に:1/5≦DA/DD≦3、特に1/3≦DA/DD≦2、及び特に1/2≦DA/DD≦1である。
【0080】
圧力上昇Δpについて、特に:1bar≦Δp≦2000bar、特に5bar≦Δp≦1000bar、特に10bar≦Δp≦500barである。
【0081】
図1の圧力p
0について、特に:p
0≒p
atmであり、ここでp
atmは大気圧を表し、およそ1barである。
【0082】
図1の圧力p
1について、特に:1bar<p
1≦2000barである。
【0083】
処理スクリューマシン8の吐出開口部32は、重力方向Gに関して圧力上昇スクリューマシン33の供給開口部47よりも上方に配置されている。その結果、エネルギー貯蔵材料Mは、吐出開口部32から出た後、重力により供給ホッパ48内に落下する。
【0084】
接続装置3は、閉じたシャフトの形態である接続要素51を備える。接続要素51は、ハウジング9及び供給ホッパ48に接続されている。接続装置3は、詳細には図示されていないが、温度制御ユニット及び/又は脱気ユニットを備えることができ、これらのユニットは、接続要素51内及び/又は接続要素51上に配置することができる。接続装置3には、細断ユニット52が組み込まれている。細断ユニット52は、駆動装置54によって回転軸55の周りに回転駆動可能なブレード53を備える。細断ユニット52は、吐出開口部32から出るエネルギー貯蔵材料Mのストランドを細断する役割を果たす。
【0085】
押出ツール5は、第2搬送方向44において、圧力上昇装置4の下流側、又は圧力上昇スクリューマシン33の下流側に配置されている。押出ツール5は、スロット状の吐出開口部56又はダイ開口部を有する。吐出開口部56は、吐出幅b及び吐出厚さdを有する。押出ツール5によって、流動性エネルギー貯蔵材料Mから成形品Fが、成形又は製造される。成形品Fは、板状又はフィルム状である。
【0086】
再処理装置6は、第2搬送方向44において押出ツール5の下流側に配置されている。再処理装置6は、成形品Fの再処理のために機能する。再処理装置6は、少なくとも2つのカレンダローラ58を有するカレンダ57を備える。カレンダ57は、単一ステージ又は複数ステージを有することができる。さらに、再処理装置6は、第2搬送方向44においてカレンダ57の下流側に配置されたエンボス加工ユニット59を備える。エンボス加工ユニット59は、少なくとも2つのエンボス加工ローラ60を備える。搬送装置7は、搬送方向44において再処理装置6の下流側に配置されている。搬送装置7は、例えば、コンベアベルトとして設計される。
【0087】
処理システム1の動作は以下の通りである:
【0088】
出発原料A1及びA2は、計量ユニットD1及びD2によって供給ホッパ25に供給される。供給ホッパ25を通り、出発原料A1及びA2は、供給開口部24を介して処理スクリューマシン8の取込みゾーン20に到達する。処理スクリューマシン8において、出発原料A1,A2は、溶融ゾーン21又は溶融及び混合ゾーンに搬送され、そこで溶融可能な成分が溶融及び混合される。混合及び均質化ゾーン22では、出発原料A1及びA2が均質な混合物に処理される。均質な混合物は、流動性エネルギー貯蔵材料Mを形成する。エネルギー貯蔵材料Mは、吐出板31の吐出開口部32を通って吐出ゾーン23内に、ストランド状に吐出される。このためには、吐出ゾーン23内の圧力が低ければよい。細断ユニット52はストランドを所望の方法で細断し、エネルギー貯蔵材料Mは重力により供給ホッパ48に落下する。
【0089】
エネルギー貯蔵材料Mは、供給開口部47を介して供給ホッパ48を通して圧力上昇スクリューマシン33の取込みゾーン45に供給される。圧力上昇スクリューマシン33は、エネルギー貯蔵材料Mを取込みゾーン45から圧力上昇ゾーン46に搬送する。圧力上昇スクリューマシン33内、特に圧力上昇ゾーン46内で起こるのは、圧力上昇Δpである。圧力上昇ゾーン46の終わりで、エネルギー貯蔵材料Mは、押出ツール5を通して高圧p1で押し出される。スロット状の吐出開口部56により、成形品Fは所望の方法で成形され、再処理装置6により所望の方法で再処理された後、搬送装置7を介して搬送される。
【0090】
処理スクリューマシン8は、速度nAで運転され、ここで:1rpm≦nA≦2000rpm、特に50rpm≦nA≦1600rpm、特に100rpm≦nA≦1200rpmである。
【0091】
圧力上昇スクリューマシン33は、速度nDで運転され、ここで:1rpm≦nD≦500rpm、特に2rpm≦nD≦300rpm、特に3rpm≦nD≦150rpmである。
【0092】
速度nAと速度nDの比について、特に:3≦nA/nD≦500、特に5≦nA/nD≦150、及び特に10≦nA/nD≦90である。
【0093】
混合装置2と圧力上昇装置4は互いに分離されているため、エネルギー貯蔵材料Mの処理又は混合とエネルギー貯蔵材料M内の圧力上昇は互いに切り離される。したがって、混合装置2は、その混合効果の点で最適化することができ、一方、圧力上昇装置4は、その圧力上昇効果の点で最適化することができる。これは、簡単かつ信頼性の高い方法で、エネルギー貯蔵材料M又はそれから製造される成形品Fの高品質を保証する連続的単段処理方法を提供する。
【0094】
本発明の第2の例示的実施形態について、
図3を参照して以下に説明する。第1の例示的実施形態とは対照的に、圧力上昇装置4は、混合装置2に対して90°の角度で配置されている。その結果、第2搬送方向44は、第1搬送方向19に対して垂直に走行する。その結果、処理システム1は、全長が短くなり、したがって、よりコンパクトな設計となる。接続装置3におけるエネルギー貯蔵材料Mの供給は実質的に圧力なしで行われ、エネルギー貯蔵材料Mの圧力上昇は圧力上昇装置4によって起こるため、混合装置2に対する圧力上昇装置4のL字形配置は、圧力上昇に悪影響を及ぼさない。処理システム1の構造及び動作に関するさらなる詳細に関しては、前述の例示的な実施形態を参照されたい。
【0095】
本発明の第3の例示的実施形態について、
図4を参照して以下に説明する。先の例示的実施形態とは対照的に、圧力上昇スクリューマシン33は、異方向(二重反転)多軸圧力上昇スクリューマシンとして設計されている。特に、圧力上昇スクリューマシン33は、異方向二軸圧力上昇スクリューマシンとして設計されている。
【0096】
圧力上昇スクリューマシン33のハウジング34には、互いに貫通する2つのハウジングボア35,36が形成されている。ハウジングボア35,36は、断面が横8の字形状を有している。ハウジングボア35,36は、水平方向において互いに隣接して配置されている。ハウジングボア35,36内には、圧力上昇処理要素シャフト37,38が回転可能に配置されている。特に、圧力上昇処理要素シャフト37,38は、専らスクリュー要素49,49’及び50,50’を有するので、圧力上昇スクリュー要素シャフトとして設計されている。圧力上昇処理要素シャフト37,38は、分配変速機として設計された変速機40を介して、駆動モータ39によって、回転軸42,43の周りで反対方向に回転駆動される。異方向圧力上昇スクリューマシン33は、自己完結的なチャンバ搬送であるため、ハウジングボア35,36内のエネルギー貯蔵材料Mの逆流又は漏れ流が最小限である。その結果、エネルギー貯蔵材料Mに望ましくない機械的エネルギーが入力されることなく、圧力上昇ゾーン46内で良好な圧力上昇が可能となる。
【0097】
処理スクリューマシン8は、速度nAで運転され、ここで:1rpm≦nA≦2000rpm、特に50rpm≦nA≦1600rpm、特に100rpm≦nA≦1200rpmである。
【0098】
圧力上昇スクリューマシン33は、速度nDで運転され、ここで:1rpm≦nD≦300rpm、特に2rpm≦nD≦200rpm、特に3rpm≦nD≦150rpmである。
【0099】
速度nAと速度nDの比について、特に:4≦nA/nD≦200、特に15≦nA/nD≦120、特に30≦nA/nD≦90である。
【0100】
構造及び動作に関するさらなる詳細については、先の例示的な実施形態を参照されたい。
【0101】
本発明の第4の例示的実施形態について、
図5を参照して以下に説明する。第3の例示的実施形態と一致して、圧力上昇スクリューマシン33は、異方向二軸圧力上昇スクリューマシンとして設計されている。第3の例示的な実施形態とは対照的に、第2の例示的な実施形態と一致して、圧力上昇装置4は、混合装置2に対して90°の角度で配置される。構造及び動作に関するさらなる詳細については、先の例示的な実施形態を参照されたい。
【0102】
本発明の第5の例示的実施形態について、
図6を参照して以下に説明する。先の例示的な実施形態とは対照的に、混合装置2は、圧力上昇装置4に直接接続されているので、接続装置は必要ない。吐出板は存在しない。圧力上昇スクリューマシン33の供給開口部47が、ハウジング34の側面に形成されている。処理スクリューマシン8のハウジング9は、圧力上昇スクリューマシン33のハウジング34に接続されている。この目的のために、圧力上昇装置4又は圧力上昇スクリューマシン33は、混合装置2又は処理スクリューマシン8に対して90°の角度で配置される。
【0103】
先の例示的な実施形態に従って、処理スクリューマシン8は、共回転二軸処理スクリューマシンとして設計されている。第1の例示的な実施形態及び第2の例示的な実施形態に従って、圧力上昇スクリューマシン33は、単軸圧力上昇スクリューマシンとして設計されている。処理要素シャフト12,13は、圧力上昇処理要素シャフト37に対して距離sを有する。sについて、特に:0.05mm≦s≦10・DA、特に0.1mm≦s≦10・DA、特に0.1mm≦s≦5・DA、及び特に0.5mm≦s≦DAである。構造及び操作に関するさらなる詳細に関しては、先の例示的な実施形態を参照されたい。
【0104】
本発明の第6の例示的実施形態について、
図7を参照して以下に説明する。先の例示的実施形態と同様に、混合装置2は圧力上昇装置4に直接接続されており、したがって接続装置は不要である。処理スクリューマシン8のハウジング9は、圧力上昇スクリューマシン33のハウジング34の側面に接続されている。この目的のために、圧力上昇装置4又は圧力上昇スクリューマシン33は、混合装置2又は処理スクリューマシン8に対して90°の角度で配置される。
【0105】
先の例示的な実施形態と同様に、処理スクリューマシン8は、共回転二軸処理スクリューマシンとして設計されている。第3の例示的実施形態及び第4の例示的実施形態と同様に、圧力上昇スクリューマシン33は、異方向二軸圧力上昇スクリューマシンとして設計されている。圧力上昇処理要素シャフト37,38は、水平方向に並んで配置されている。処理要素シャフト12,13は、隣接する圧力上昇処理要素シャフト37から距離sを有する。距離sについて、特に:0.05mm≦s≦10・DA、特に0.1mm≦s≦10・DA、特に0.1mm≦s≦5・DA、及び特に0.5mm≦s≦DAである。構造及び動作に関するさらなる詳細に関しては、先の例示的な実施形態を参照されたい。
【0106】
本発明の第7の例示的実施形態を、
図8を参照して以下に説明する。第6の例示的実施形態とは対照的に、異方向二軸圧力上昇スクリューマシン33の圧力上昇処理要素シャフト37,38は、鉛直方向に上下に配置されている。共回転二軸処理スクリューマシン8の処理要素シャフト12,13は、圧力上昇処理要素シャフト37,38から距離sを有している。供給開口部47は、圧力上昇処理要素シャフト37,38の間隙領域Zに形成されている。構造及び動作に関するさらなる詳細に関しては、先の例示的な実施形態を参照されたい。
【0107】
本発明の第8の例示的実施形態について、
図9を参照して以下に説明する。先の例示的な実施形態とは対照的に、接続装置3の接続要素51はパイプの形態である。処理スクリューマシン8のハウジング9は密閉されていないため、吐出ゾーン23のハウジングボア10,11は、パイプによって形成される流路61に直接接続されている。ハウジング9はハウジング34の上方に配置されているので、接続要素51はハウジング34の上面に接続され、供給開口部47に通じている。エネルギー貯蔵材料Mは、処理スクリューマシン8からパイプを通って圧力上昇スクリューマシン33に押し出される。
【0108】
流路61は、その中心長手軸に基づく長さL
Vを有する。長さL
Vについて:1≦L
V/D
A≦100、特に2≦L
V/D
A≦50、特に4≦L
V/D
A≦10である。さらに、流路61は、その中心長手軸に基づく曲率半径R
Vを有する。曲率半径R
Vについて、特に:0.5≦R
V/D
A≦10、特に1≦R
V/D
A≦7、及び特に2≦R
V/D
A≦4である。さらに、流路61は、入口開口部と出口開口部との間に曲率角αを形成する。曲率角αについて、特に:1°≦α≦90°、特に5°≦α≦70°、及び特に10°≦α≦50°である。
図9による例示的な実施形態では、曲率角α=90°である。流路61又はパイプは、内径D
Vを有し、ここで:特に0.5≦D
V/D
A≦10、特に0.8≦D
V/D
A≦5、及び特に1≦D
V/D
A≦2である。
【0109】
構造及び動作に関するさらなる詳細については、先の例示的な実施形態を参照されたい。
【0110】
さらなる例示的な実施形態において、パイプの形態の接続要素51は、直線状であり得、圧力上昇スクリューマシン33の側部に通じている。さらなる例示的な実施形態では、パイプの形態の複数の接続要素を設けることができ、それらは、エネルギー貯蔵材料Mを、圧力上昇スクリューマシン33につながる複数の部分的な流れに分割する。接続要素51は、圧力上昇スクリューマシン33のハウジング34の上面及び/又は側面に接続することができる。混合装置2及び圧力上昇装置4は、互いに直線状に、又は互いに角度をなして、特に互いに90°の角度をなして配置することができる。
【0111】
一般的に:
混合装置2は、単軸処理スクリューマシン、共回転多軸処理スクリューマシン及び/又は逆回転多軸処理スクリューマシンを備えることができる。特に、多軸処理スクリューマシンは、二軸処理スクリューマシンとして設計される。
【0112】
圧力上昇装置4は、単軸圧力上昇スクリューマシン、逆回転多軸圧力上昇スクリューマシン及び/又は共回転多軸圧力上昇スクリューマシンを備えることができる。多軸圧力上昇スクリューマシンは、特に二軸圧力上昇スクリューマシンとして設計される。
【0113】
説明した例示的な実施形態の個々の特徴は、任意の方法で互いに組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0114】
1 処理システム
2 混合装置
3 接続装置
4 圧力上昇装置
5 押出ツール
6 再処理装置
7 搬送装置
8 処理スクリューマシン
9 ハウジング
10、11 ハウジングボア
12、13 処理要素シャフト
14、15、42、43、55 回転軸
16 駆動モータ
17 分配トランスミッション
18 カップリング
19 第1搬送方向
20 取込みゾーン
21 溶融ゾーン
22 均質化ゾーン
23 吐出ゾーン
24 供給開口部
25 供給ホッパ
26、26’、28、28’ コンベア要素
27、27’ 混練要素
29、29’ 混合要素
31 吐出板
32 吐出開口部
33 圧力上昇スクリューマシン
34 ハウジング
35、36 ハウジングボア
37、38 圧力上昇処理要素シャフト
39 駆動モータ
40 変速機
41 カップリング
44 第2搬送方向
45 取込みゾーン
46 圧力上昇ゾーン
47 供給開口部
48 供給ホッパ
49、49’、50 スクリュー要素
51 接続要素
52 細断ユニット
53 ブレード
54 駆動装置
56 吐出開口部
57 カレンダ
58 カレンダローラ
59 エンボス加工ユニット
60 エンボス加工ローラ
61 流路
A1、A2 出発原料
D1、D2 計量ユニット
F 成形品
M エネルギー貯蔵材料
【外国語明細書】